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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123337
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】型締装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/64 20060101AFI20240905BHJP
   B29C 45/76 20060101ALI20240905BHJP
   B22D 17/26 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B29C45/64
B29C45/76
B22D17/26 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030649
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】UBEマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】苅谷 俊彦
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AM14
4F202AM19
4F202AP06
4F202AP11
4F202AR02
4F202AR07
4F202CA11
4F202CB01
4F202CL12
4F202CL22
4F202CL32
4F206AM14
4F206AM19
4F206AP06
4F206AP11
4F206AR02
4F206AR07
4F206JA07
4F206JL02
4F206JM02
4F206JN31
4F206JN36
4F206JP11
4F206JP17
4F206JQ81
4F206JQ83
4F206JT05
4F206JT21
4F206JT33
(57)【要約】
【課題】専用治具を用いることなく、リンクピンの摩耗状態を評価することができる型締装置を提供すること。
【解決手段】型締装置20Aは、リンク式開閉機構30が備えるリンクピン35の摩耗状態を検査する摩耗検査モードを実行する制御装置60と、を備える。制御装置60は、リンクピン35とリンクピン35が嵌合されるボス34Bとが第1方向において接する第1位置P1と、リンクピン35とボス34Bとが第1方向とは逆の第2方向において接する第2位置P2との差分ΔLが予め定められる摩耗限界値Lcに達したならば警告を発する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して配置され、一対の金型のそれぞれを支持する固定盤および可動盤と、
前記固定盤と機械的に連結される受圧盤と、
前記受圧盤と前記可動盤とに連結され、前記可動盤を進退移動させるリンク式開閉機構と、
前記リンク式開閉機構を駆動させる第1アクチュエータと、
前記可動盤に型閉方向または型開方向に負荷を与える第2アクチュエータと、
前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータの動作を制御し、前記リンク式開閉機構が備えるリンクピンの摩耗状態を検査する摩耗検査モードを実行する制御装置60と、を備え、
前記摩耗検査モードにおいて、前記制御装置60は、
前記リンクピンと前記リンクピンが嵌合されるボスとが第1方向において接する第1位置と、前記リンクピンと前記ボスとが前記第1方向とは逆の第2方向において接する第2位置との差分が予め定められる摩耗限界値に達したならば警告を発する、型締装置。
【請求項2】
前記摩耗検査モードにおいて、前記制御装置は、
前記第1アクチュエータを型閉方向に駆動して一対の前記金型が密着すると、前記リンクピンと前記ボスとが前記第1方向において接したことを特定するとともに、前記リンク式開閉機構のいずれかの部位の位置を前記第1位置として記憶する第1ステップを実行する、
請求項1に記載の型締装置。
【請求項3】
前記摩耗検査モードにおいて、前記制御装置は、
前記第1ステップに続いて、前記第2アクチュエータを型閉方向に駆動して一対の前記金型の密着を維持させる第2ステップを実行する、
請求項2に記載の型締装置。
【請求項4】
前記摩耗検査モードにおいて、前記制御装置は、
前記第1アクチュエータを型開方向に駆動する過程において、前記第1アクチュエータの実測駆動力が第2基準駆動力に達したときに前記いずれかの部位の位置を第2位置として記憶する第3ステップを実行する、
請求項3に記載の型締装置。
【請求項5】
前記第2アクチュエータは、
前記可動盤と前記固定盤とを連結して設けられるか、または、
前記可動盤と前記受圧盤とを連結して設けられる、
請求項1に記載の型締装置。
【請求項6】
前記第1アクチュエータは、サーボモータを駆動源とし、
前記第2アクチュエータは、流体圧シリンダを駆動源とする、
請求項1に記載の型締装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機、ダイカストマシンなどに適用される型締装置に関する。
【背景技術】
【0002】
型締装置は、固定金型および可動金型からなる一対の金型に型締力を付与する。型締力を付与する手段としてトグルリンク機構が知られている。トグルリンク機構は、可動金型を支持する可動盤と、可動盤と間隔を隔てて対向して配置され位置が固定される受圧盤との間に配置される。受圧盤は、リンクハウジングなどとも称される。
【0003】
トグルリンク機構は、複数本の金属製のリンクを備えている。これらリンクは、リンク同士で機械的に連結されるとともに、リンクハウジングおよび可動盤とも機械的に連結される。これらの連結は、リンクピンとブッシュとによって、互いに回転可能に連結されている。これらのリンクピンおよびブッシュは、型締装置の運転を継続していると摩耗する。型締装置の円滑な動作を確保するために、リンクピンおよびブッシュは交換される。交換の時期を図るために、摩耗状態を適切に評価する必要がある。
【0004】
特許文献1は、可動盤を固定した状態で型締用のサーボモータを型閉方向と、型開方向とにそれぞれ駆動する。そしてサーボモータに設けられているエンコーダによって、それぞれの方向に駆動したときのエンコーダ位置である型閉方向エンコーダ位置と型開方向エンコーダ位置を得る。特許文献1は、これら二つのエンコーダ位置に基づいて、ピンもしくはブッシュの摩耗状態を評価する。なお、摩耗するのはリンクピンおよびブッシュの二つであるが、リンクピンの摩耗というときは、リンクピンおよびブッシュの双方の摩耗を含む意味を有することとする。また、型閉方向に駆動とは可動金型を固定金型に近づける方向にサーボモータなどのアクチュエータを動作させること、および、型開方向に駆動とは可動金型を固定金型から遠ざかる方向にアクチュエータを動作させることをいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-092104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1において、摩耗状態を定量的に評価するときに、固定盤に対する可動盤の位置を固定することを前提とする。そのために、特許文献1は、可動盤の固定盤に対する変位を拘束するために専用の治具を用いる。型締装置の駆動力は非常に大きいため、この専用治具は型締装置の駆動力に耐えられるように高強度、高剛性である必要があるが、高強度、高剛性の治具は大重量物となる。このため専用治具を型締装置に取り付けることは安全を確保するために慎重な作業が必要となるので、作業性、生産性が悪い。
【0007】
以上より、本発明は、専用治具を用いなくても、リンクピンの摩耗状態を定量的に評価することができる型締装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の型締装置は、
互いに対向して配置され、一対の金型のそれぞれを支持する固定盤および可動盤と、
固定盤と機械的に連結される受圧盤と、
受圧盤と可動盤とに連結され、可動盤を進退移動させるリンク式開閉機構と、
リンク式開閉機構を駆動させる第1アクチュエータと、
可動盤に型閉方向または型開方向に負荷を与える第2アクチュエータと、
第1アクチュエータと第2アクチュエータの動作を制御し、リンク式開閉機構が備えるリンクピンの摩耗状態を検査する摩耗検査モードを実行する制御装置と、を備える。
摩耗検査モードにおいて、制御装置は、
リンクピンとリンクピンが嵌合されるボスとが第1方向において接する第1位置と、リンクピンとボスとが第2方向において接する第2位置との差分が予め定められる摩耗限界値に達したならば警告を発する。
【0009】
摩耗検査モードにおいて、制御装置は、
第1アクチュエータを型閉方向に駆動して一対の金型が密着すると、リンクピンとボスとが第1方向において接したことを特定するとともに、リンク式開閉機構のいずれかの部位の位置を第1位置として記憶する第1ステップを実行することができる。
【0010】
摩耗検査モードにおいて、制御装置は、
第1ステップに続いて、第2アクチュエータを型閉方向に駆動して金型の密着を維持させる第2ステップを実行することができる。
【0011】
摩耗検査モードにおいて、制御装置は、
第1アクチュエータを型開方向に駆動する過程において、第1アクチュエータの実測駆動力(F50)が第1基準駆動力に達したときにいずれかの部位の位置を第2位置として記憶する第4ステップを実行することができる。
【0012】
第2アクチュエータは、好ましくは、
可動盤と固定盤とを連結して設けられるか、または、
可動盤と受圧盤とを連結して設けられる。
【0013】
第1アクチュエータは、サーボモータを駆動源とし、
第2アクチュエータは、流体圧シリンダが駆動源とする、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の型締装置によれば、型締装置に備えられている可動盤を動作させる二つのアクチュエータを利用することにより、専用治具を要することなくリンクピンの摩耗状態を評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る射出成形機の構成を示す側面図である。
図2】実施形態に係る制御装置の構成を示す図である。
図3】実施形態に係るリンクピンの摩耗検査モードの要部を説明する図である。
図4】実施形態に係るリンクピンの摩耗検査モードの手順を示すフローチャートである。
図5】摩耗検査モードにおける型締装置の第1アクチュエータおよび第2アクチュエータの動作を示す側面図である。
図6】他の実施形態に係る型締装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、実施形態に係る射出成形機1を説明する。射出成形機1は、可動盤と固定盤とを拘束するのに専用治具を用いることなく、型締装置20Aにおけるリンクピンの摩耗状態を評価できる。射出成形機1において、専用治具を用いる必要がないのは、リンクピンの摩耗検査をするモードにおいて、型締装置20Aに備えられている駆動源、具体的には第2アクチュエータを用いて可動盤を固定盤に対して移動を拘束するからである。以下、射出成形機1の概略構成を説明した後に、リンクピンの摩耗検査モードについて説明する。
【0017】
[射出成形機1の構成:図1参照]
射出成形機1は、射出装置10、型締装置20Aおよび射出装置10と型締装置20Aの動作を制御する制御装置60と、を備える。
[射出装置10:図1参照]
射出装置10は、加熱筒11と、加熱筒11に内装されフライトを有するスクリュ13と、加熱筒11の内部に成形樹脂原料を供給するホッパ15とを備える。また、射出装置10は、スクリュ13を進退移動させるスクリュ移動手段17と、スクリュ13を回転駆動させるスクリュ回転手段19を備えている。加熱筒11の外周面には、図示しないヒータが取り付けられている。
【0018】
射出装置10は、スクリュ回転手段19によってスクリュ13が回転することにより、ホッパ15からペレット状の成形樹脂材料が加熱筒11に供給される構成となっており、供給されたペレット状の成形樹脂材料は、加熱筒11に取り付けられたヒータによって加熱され、また、スクリュ13の回転によって混練圧縮作用を受けることによって溶融しスクリュ13の前方へ送られる。スクリュ13の前方へ送られた溶融樹脂は、スクリュ移動手段17により前進するスクリュ13によって、加熱筒11の先端に取り付けられた射出ノズル12から型締装置20Aの金型キャビティ18へ射出充填することができる。
本実施形態におけるスクリュ移動手段17とスクリュ回転手段19には、例えば電動サーボモータ、油圧シリンダ、油圧モータなどが適用される。
【0019】
[型締装置20A:図1
型締装置20Aは、互いに平行となるように型開閉方向xに間隔を空けて並列に設けられる固定盤21および可動盤23を備える。また、型締装置20Aは、固定盤21および可動盤23への型締力を発生させるトグルリンク機構30と、可動盤23とともにトグルリンク機構30を支持する受圧盤25と、を備える。固定盤21、可動盤23および受圧盤25は、それぞれの四隅にタイバー26を貫通させた状態で、床面に直接的にまたは間接的に据え付けられる。また、型締装置20Aにおいて、図1に示すように型開閉方向xおよび高さ方向yが特定される。さらに、型締装置20Aにおいて、固定盤21が設けられる側が前(F)、受圧盤25が設けられる側が後(R)と定義される。
【0020】
[固定盤21および可動盤23:図1参照]
固定盤21および可動盤23は、それぞれ対向する面が金型取付面を構成する。固定盤21の金型取付面には固定金型22が支持され、可動盤23の金型取付面には可動金型24が支持されている。
固定盤21は位置が固定されているのに対して、可動盤23は固定盤21に対して型開閉方向xに進退移動可能に設置されている。例えば、床面の上に設けられたガイドシューやスライドレールまたはリニアガイドなどの支持手段に可動盤23は摺動可能に載せられる。可動盤23は、第1アクチュエータ50が駆動されることにより、タイバー26に案内されて、後述するトグルリンク機構30と一体で型開閉方向xに移動が可能である。
【0021】
固定盤21の、固定金型22が支持される面の反対側の中央部には、射出装置10の射出ノズル12が挿入され得る射出用孔21Hが形成される。
可動盤23および受圧盤25は、トグルリンク機構30により連結される。トグルリンク機構30が伸張・屈曲することにより、固定盤21に対して可動盤23が型開閉方向xに近づきまたは離れる。
【0022】
固定盤21と可動盤23の間には、第2アクチュエータ28が設けられている。第2アクチュエータ28は、一例として発泡樹脂を成形する際に用いられる。つまり、発泡ガスのスキン層への巻き込みによる表面性の低下を防止して表面が緻密で肌荒れの少ない成形方法である高圧法において、発泡剤を含む溶融樹脂を金型キャビティ18にフル充填し表面層が固化してスキン層が形成された後、金型キャビティ18を拡大するのに第2アクチュエータ28が用いられる。本実施形態においては、第2アクチュエータ28はリンクピンの摩耗状態を検査する際に用いられる。
【0023】
第2アクチュエータ28は、シリンダ28Aと、シリンダ28Aの内部を進退移動可能とされるピストン28B(図6参照)と、ピストン28Bの一方の側に設けられるピストンロッド28Cと、を備える。第2アクチュエータ28は、例えば油圧などの流体圧シリンダを駆動源とし、制御装置60によりその動作が制御される。第2アクチュエータ28は、可動盤23を受圧盤25の側である後方Rに向けて負荷を与えるとともに、可動盤23を固定盤21の側である前方(F)に向けて負荷を与えることができる。
【0024】
第2アクチュエータ28が固定盤21と可動盤23の間に設けられる形態は少なくとも二つある。
一つ目は、第2アクチュエータ28が固定盤21と可動盤23の双方に固定され、固定盤21と可動盤23が第2アクチュエータ28により機械的に連結される形態である。例えば、シリンダ28Aが固定盤21に固定され、ピストンロッド28Cが可動盤23に固定される。この形態によれば、第2アクチュエータ28への作動液の供給先に応じて、可動盤23を固定盤21に向けて型閉方向に移動させることができるし、この逆に、可動盤23を固定盤21から離す型開方向に移動させることができる。さらに、作動液の供給によっては、ピストン28Bの位置を固定することで、固定盤21と可動盤23の間隔を一定に維持することもできる。本実施形態は、好ましくは、一つ目の形態を採用する。
二つ目は、第2アクチュエータ28が固定盤21と可動盤23のいずれか一方だけに固定され、固定盤21と可動盤23のいずれか一方だけに第2アクチュエータ28が機械的に連結される形態である。この二つ目の形態は、可動盤23を固定盤21から離す型開方向に移動させることができるが、型閉方向への移動および固定盤21と可動盤23の間隔を一定に維持することはできない。
【0025】
[トグルリンク機構30:図1図2
トグルリンク機構30は、可動盤23と受圧盤25とを機械的に連結する。
トグルリンク機構30は、可動盤23と受圧盤25との間に架け渡された上下一対のリンク部材31と、型開閉方向xに移動することにより上下一対のリンク部材31をそれぞれ伸縮させるクロスヘッド42と、を備える。また、トグルリンク機構30は、クロスヘッド42を型開閉方向xに移動させる第1アクチュエータ50を備えている。
【0026】
それぞれのリンク部材31は、可動盤23の型盤側リンク支持部材32に、リンクピン35によって一端側が揺動可能に連結されるトグルリンク34を備える。また、それぞれのリンク部材31は、受圧盤25の受圧側リンク支持部材36に、リンクピン39によって一端側が揺動可能に連結されるミッドリンク38を備える。トグルリンク34の他端側とミッドリンク38の他端側はリンクピン41により互いに揺動可能に連結される。
【0027】
クロスヘッド42は、上下一対のミッドリンク38,38の間に設けられる。クロスヘッド42は、その両端にはクロスヘッドリンク43の一端がリンクピン44によって揺動可能に連結され、クロスヘッドリンク43の他端はリンクピン45によってミッドリンク38,38に揺動可能に連結される。
なお、本実施形態において、上述したようなクロスヘッドリンク43はリンクピン45によりミッドリンク38と接続したが、これに限定することなく、例えば、クロスヘッドリンク43はミッドリンク38とトグルリンク34のリンクピン41に接続してもよい。
このように、クロスヘッドリンク43の接続位置は、トグル倍率や型開閉ストローク等のトグルリンク機構30の設計段階で適宜選択される。
リンク部材31は、トグルリンク34およびミッドリンク38がそれぞれ各リンクピン35、39を中心として揺動運動し、クロスヘッド42が型開閉方向xに移動することにより伸張または屈曲するように構成されている。
【0028】
トグルリンク機構30は、クロスヘッド42の進退移動を可能にする第1アクチュエータ50を備えている。第1アクチュエータ50は、例えば電動サーボモータからなる駆動源51と、駆動源51に連結されるクロスヘッド駆動軸53と、を備える。駆動源51を構成するサーボモータの駆動トルクは制御装置60に送られ、摩耗判定モードの判定に供される。クロスヘッド駆動軸53は一例として外周に雄ねじが切られたねじ軸であり、クロスヘッド42の内周面に形成される雌ねじと精緻に噛み合い、クロスヘッド駆動軸53が正転または逆転するとクロスヘッド42が前進または後退する。クロスヘッド駆動軸53には、クロスヘッド42の位置を検出するための位置センサとしてのストロークセンサ55が設けられており、ストロークセンサ55によってクロスヘッド42の位置を検出することができる。検出されるクロスヘッド42の位置を、摩耗判定モードの判定に用いることができる。また、クロスヘッド42の位置は、ストロークセンサ55ではなく第1アクチュエータ50を駆動するサーボモータのエンコーダにより検出してもよい。
【0029】
[タイバー26:図1参照]
複数、典型的には4本のタイバー26は、図1に示すように、固定盤21、可動盤23および受圧盤25の正面視して四隅を貫通して架け渡され、その弾性力により固定盤21と可動盤23を介して、固定金型22および可動金型24に型締力を生じさせる。また、型締装置20Aは、型締力を検出するセンサとして、タイバー26の固定盤21の側の一端に型締力センサ29を備えている。型締力センサ29はタイバー26の伸び量を検出することによって、固定金型22と可動金型24の間の型締力を検出することができる。また、型締力は、型締力センサ29ではなく、第1アクチュエータ50を駆動するサーボモータの所要駆動トルクとトグルリンク機構30の倍力率から算定してもよい。
【0030】
[制御装置60:図2参照]
制御装置60は、第1アクチュエータ50および第2アクチュエータ28の動作の制御を通じて、射出成形時における固定金型22と可動金型24を型締めする他、射出成形機1が射出成形を行っていない待機状態において、リンクピンの検査を行う。つまり、制御装置60は、射出成形の一連の動作を実行する射出成形モードと、リンクピンの摩耗状態を検査する摩耗検査モードと、を実行する。なお、摩耗量を高精度に測定するには生産成形運転中ではなく、待機状態にて行うことが好ましいが、摩耗の推移や変化の度合いを観察することを主目的とするなら、射出成形の一連の動作を実行する途中で行ってもよい。以下においては、摩耗検査モードに焦点を当てて説明する。
【0031】
制御装置60は、必要な情報を表示するのに加え、オペレータにより操作され、例えば金型厚さ情報や型締力情報等の入力を受け付ける入力/表示部61を備える。また、制御装置60は、各種の情報を記憶する記憶部63と、型締装置20Aの各動作の指示をする指示部65と、リンクピン35などの摩耗状態の判定を行う判定部67と、を備える。なお、ここでは判定部67の存在を明確にするため指示部65と独立されているが、判定部67の機能を併せ持った指示部65とすることもできる。
【0032】
[入力/表示部61]
制御装置60は、コンピュータ装置で構成され、入力/表示部61はソフトまたはハードからなるキーボードおよびLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置からなる。さらに、図示を省略するが音声を発するスピーカを備えることもできる。後述する摩耗検査モードにおける警告は、入力/表示部61およびスピーカの一方または双方から発信できる。
【0033】
[記憶部63]
記憶部63は、摩耗検査モードにおいて、実測情報および実測情報と比較される判定基準情報を記憶する。実測情報は、摩耗検査モードを実行している際中に取得され、記憶部63に記憶される。判定基準情報は、摩耗検査モードを実行する前に予め記憶されている情報であり、入力/表示部61からオペレータ、その他の関係者により入力される。
【0034】
<実測情報>
第1位置P1;固定金型22と可動金型24を密着させたときのクロスヘッド42の位置
第2位置P2;可動金型24を後退させる過程で第1アクチュエータ50の実測駆動力が基準駆動力に達したときのクロスヘッド42の位置
実測駆動力F50;第1アクチュエータ50が動作している間の駆動力
*クロスヘッド42の位置は、第1アクチュエータ50を構成するサーボモータのエンコーダ情報として検知されるか、または、ストロークセンサ55で検知され、制御装置60は検知された第1位置P1および第2位置P2を取得する。
*実測駆動力F50は、第1アクチュエータ50を構成するサーボモータの駆動トルクで特定される。
【0035】
<判定基準情報>
第1基準駆動力F;第1位置P1を特定するのに実測駆動力F50と比較される駆動力
第2基準駆動力F;第2位置P2を特定するのに実測駆動力F50と比較される駆動力
摩耗限界値Lc;第1位置P1と第2位置P2との差分(ΔL)と比較される、摩耗を許容する限界値
【0036】
<動作指令情報>
射出成形モードを実行するための射出装置10および型締装置20Aにおける動作の指令情報、ならびに、摩耗検査モードを実行するための型締装置20Aにおける動作の指令情報。後者の指令情報は、後述する摩耗検査モードの手順を説明するフローチャートに表される。
【0037】
[指示部65]
指示部65はオペレータからの指示、選択に基づく制御プログラムにしたがって、記憶部63に記憶されている動作指令情報を読み出すとともに、第1アクチュエータ50および第2アクチュエータ28のそれぞれに動作指令情報を送信する。この動作指令情報は、判定部67における判定結果が反映される。指示部65は、その他に、射出成形機1の動作における種々の指示情報を発出する。
【0038】
[判定部67]
判定部67は、摩耗検査モードにおいて、実測情報と判定基準情報を比較、判定し、判定結果を指示部65に送る。判定部67は、その他に、射出成形機1の動作における種々の判定を行うことができる。
【0039】
[摩耗検査モードにおける動作:図3図4
次に、摩耗検査モードにおける型締装置20Aの動作手順を説明するが、はじめに手順の要部を説明した後に、手順の全体を説明する。
【0040】
[手順要部:図3参照]
摩耗検査モードにおけるリンクピンの摩耗状態の判定は、リンクピンに対してリンクが相対移動する距離を測定することにより行われる。ここでは、可動盤23に設けられる型盤側リンク支持部材32とトグルリンク34を連結するリンクピン35を例にして説明する。なお、図3の上段に示されるように、初期状態の一例として、リンクピン35はトグルリンク34のボス34Bの中央に配置されているものとする。また、型盤側リンク支持部材32、つまり可動盤23は位置が固定されているものとする。
【0041】
初期状態から、第1アクチュエータ50を型閉方向に駆動させることでトグルリンク34を前方Fに向けて移動させ、リンクピン35をボス34Bの後方R(第1方向)の内側面に隙間なく接触させる。このときのボス34Bとリンクピン35との接点CPの位置を第1位置P1とする。今度は、第1アクチュエータ50を型開方向に駆動させることでトグルリンク34を後方Rに向けて移動させて、リンクピン35をボス34Bの前方F(第2方向)の内側面に隙間なく接触させる。このときの、接点CPを第2位置P2とする。第1位置P1と第2位置P2の差分ΔLである相対距離が、トグルリンク34のボス34Bの内周面とリンクピン35の外周面の間の径方向の隙間の寸法に対応する差分ΔLである。なお、当該相対距離は、摩耗検査モードにおいてクロスヘッド42およびクロスヘッド42を含むトグルリンク機構30のいずれかの部位が移動する距離でもある。
差分ΔL=P2-P1
【0042】
ボス34Bとリンクピン35の間には、当初より篏合隙間が存在する。型締装置20Aの継続的な運転により、ボス34Bの内周面およびリンクピン35の外周面は摩耗するので、当該隙間は当初より大きくなる。したがって、継続的な運転を経た後に得られる差分ΔLをボス34Bとリンクピン35の間の摩耗量の大小の評価、判定の対象にできる。
【0043】
また、以上の説明では、リンクピン35が移動する距離を差分ΔLとしたが、リンクピン35を備えるトグルリンク34はクロスヘッド42の進退移動に従って移動しその位置は一対一で対応する。したがって、差分ΔLはクロスヘッド42の移動距離とみなすことができ、これをリンクピン35の摩耗の程度を評価、判定する基準とする。
ところで、型締めを担うトグルリンク機構30はトグルリンクの梃子の原理を利用した倍力機構である。このため金型を型締めする倍力率の大きい可動盤位置においては、可動盤23の移動量に比べてクロスヘッド42の移動量が格段に大きい。これにより、特に可動金型24と固定金型22が当接する近傍領域においては、クロスヘッド42の位置検知により可動盤23と連結しているボス34Bの位置の高精度な検知が可能であり、本発明の効果を有効に得ることができる。
【0044】
[手順全体:図4図5参照]
以上で説明した手順要部を実行するには、クロスヘッド42を型開方向に移動させる際に、可動盤23の位置を固定する。本実施形態において、この可動盤23の位置の固定を第2アクチュエータ28が担う。以下、図4および図5を参照して説明する摩耗検査モードにおける全体の手順は、可動盤23の位置を固定するための手順などを含んでいる。これらの手順は、制御装置60の指示によって実行される。
【0045】
本実施形態の摩耗検査モードは、第1アクチュエータ50を型閉方向に駆動させることから始まる(図4図5 S101)。型閉方向とは、クロスヘッド42が後方Rから前方Fに向けて移動して、可動金型24が固定金型22に近づく方向をいう。型開方向とは、型閉方向と逆をいう。
第1アクチュエータ50が型閉方向に駆動している間、制御装置60の判定部67は第1アクチュエータ50から駆動トルク(実測駆動力F50)を取得するとともに、実測駆動力F50と記憶部63から読み出す第1基準駆動力Fとを比較する(図4 S103)。実測駆動力F50が第1基準駆動力Fに達したと判定部67が判定すると(図4 S103 Y)、指示部65は第1アクチュエータ50の動作を停止するように第1アクチュエータ50に指示するとともに、そのときのクロスヘッド42の位置を第1位置P1として記憶部63に記憶させる(図4 S105)。可動金型24が固定金型22に接触すると実測駆動力F50が急激に大きくなるので、第1基準駆動力Fを設定することで、可動金型24が固定金型22に密着したことを判断できる。このとき、トグルリンク34のボス34Bとリンクピン35は、図3の中段に示される状態にある。つまり、本実施形態において、リンクピン35とボス34Bが接触し、かつ、可動金型24が固定金型22に密着するまで第1アクチュエータ50を型閉方向に駆動させる。
以上のS101,S103およびS105における一連の手順が本発明の第1ステップの一例である。なお、S101を摩耗検査モードにて行うのではなく、公知の型厚検知モードで型厚検知した時点のクロスヘッド42の位置を第1位置P1としてもよい。この場合、摩耗検査モード制御プログラムにおいてはS101を省略あるいはスキップできる。
【0046】
第1位置P1を記憶した後に、指示部65は、第2アクチュエータ28を型閉方向に駆動するように指示する(図4図5 S107)。この指示は、次の動作をしても可動金型24と固定金型22の密着状態を維持させることを目的とする。つまり、第2アクチュエータ28は可動金型24と固定金型22の間に設けられており、固定金型22は位置が固定されているために、可動金型24が型閉の状態から動かないように拘束し、可動金型24の位置を固定する。
S107は本発明における第2ステップの一例である。
【0047】
次に、指示部65は第1アクチュエータ50に型開方向に駆動するように指示する(図4図5 S109)。この移動の過程において、判定部67は実測駆動力F50と第2基準駆動力Fとを比較する(図4 S111)。実測駆動力F50が第2基準駆動力Fに達したと判定されると(図4 S111 Y)、指示部65はそのときのクロスヘッド42の位置を第2位置P2として記憶部63に記憶させるとともに第1アクチュエータ50の動作を停止させる(図4 S113)。
このとき、第2アクチュエータ28は、好ましい形態として、一方の端(シリンダ28A)は固定盤21に連結され他方の端(ピストンロッド28C)は可動盤23に連結されている。これにより、第1アクチュエータ50が型開方向に駆動されても、可動盤23は第1アクチュエータ50の動作に引きずられることない。このため、可動金型24は第2アクチュエータ28の型閉方向への駆動力により固定金型22に密着された状態を維持できる。これにより、第1アクチュエータ50の型開方向への駆動により、リンクピン35がボス34Bの後方Rの内側面から離れた後、ボス34Bの前方Fの内側面と衝突した際の実測駆動力F50の急激な増大を検知しやすくなる。
以上のS109、S111およびS113の一連の手順が本発明の第3ステップの一例である。
【0048】
判定部67は、記憶部63に記憶されている第1位置P1と第2位置P2との差分ΔL(=P1-P2)を求めるとともに、差分ΔLが摩耗限界値Lcに達しているか否かを判定する(図4 S115)。指示部65は、差分ΔLが摩耗限界値Lcに達していれば(図4 S115 Y)、リンクピン35が摩耗限界を越えていることを警告する(図4 S117)。指示部65は、差分ΔLが摩耗限界値Lcに達していなければ、リンクピン35の摩耗が摩耗限界まで達していないことを通知する(図4 S119)。警告または通知は、制御装置60の入力/表示部61を通じて行われる。
【0049】
[効 果]
リンクピン35とトグルリンク34のボス34Bとの摺動によりリンクピン35とボス34Bは互いに摩耗して両者の間の隙間が増大するが、型締装置20Aによれば、第1位置P1と第2位置P2の差分ΔLを監視して、摩耗限界値Lcに達したときに警告を発することができる。これにより、異常動作音や異常振動の原因となるリンクピン35の過大な摩耗の発生を、作業者がいち早く感知して型締装置の故障の発生を事前に防止できる。
しかも、型締装置20Aは、射出成形の際の型締めのために備えられている第1アクチュエータ50および第2アクチュエータ28を動作させることによって、第1位置P1と第2位置P2を検知できる。したがって、型締装置20Aによれば、リンクピン摩耗の検査時に可動盤を固定するのに大重量物である専用治具を使用する必要がないので、摩耗検査モードの作業性が高い。
【0050】
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【0051】
[第2アクチュエータ28の配置]
以上で説明した型締装置20Aにおいて、可動盤23と固定盤21の間に第2アクチュエータ28を備える例が示されたが、第2アクチュエータ28の位置はこれに限られない。つまり、図6に示されるように、可動盤23と受圧盤25の間に第2アクチュエータ28を設ける型締装置20Bとすることもできる。受圧盤25の位置が固定されているので、第2アクチュエータ28は、可動盤23を介して可動金型24を固定金型22に押し付けることができるし、可動盤23を介して可動金型24を固定金型22から離すことができる。
【0052】
図6に示される型締装置20Bの摩耗検査モードにおける基本的な動作は型締装置20Aと同様である。つまり、図6(a)に示すように、トグルリンク機構30を伸長させて可動金型24を固定金型22に密着させる。次いで、図6(b)に示すように、第2アクチュエータ28を型閉方向に動作させて可動金型24の固定金型22への密着状態を維持してから、第1アクチュエータ50によりクロスヘッド42を型開方向へ動作させてトグルリンク機構30を屈曲させることでボス34Bを移動させる。
【0053】
ここで、第2アクチュエータ28を流体圧シリンダとすることにより、第2アクチュエータ28の破損、故障の可能性を低減できる。
本実施形態において、第2アクチュエータ28の駆動が必要なのは第1アクチュエータ50が型開方法に駆動するときである。このとき第2アクチュエータ28は第1アクチュエータ50の駆動方向である型開方向とは逆の型閉方向に駆動する。第1アクチュエータ50は巨大な型締め力を発生させるアクチュエータであり第2アクチュエータ28よりも巨大な駆動力を持っている。つまり、第2アクチュエータ28が駆動するタイミングで第1アクチュエータ50が巨大な力で第2アクチュエータ28に逆方向に荷重する状態である。このため、第2アクチュエータ28がボールネジなどの回転/直動の変換する精密部品では破損や故障する原因になるおそれがある。これに対し、流体圧シリンダからなる第2アクチュエータ28は、供給される流体圧を一定に制御すれば、逆方向の力が負荷されても流体が供給側に逆流するだけであるために、流体圧シリンダが故障する可能性は低い。
【0054】
[可動盤23の位置固定]
本実施形態においては可動盤23と受圧盤25との距離に関係なく摩耗量を測定することができる。しかし、一般にトグル式型締め機構においては固定金型と可動金型が密着した可動盤位置からトグルリンクを更に伸長させる量で型締力を設定する。このため、トグルリンクが最も伸長した位置で所定の型締力となるようにトグルリンク機構30、特に受圧盤25の位置を固定するため可動盤23は受圧盤25との間隔が一定になる。上記実施形態においては、位置が固定される固定金型22に可動金型24を密着させた状態で摩耗検査モードが実行されるが、受圧盤25との間隔を一定に保つことができるのであれば、固定金型22と密着させる必要はない。固定金型22と可動金型24が密着するということは、可動金型24がそれ以上は固定金型22の側に移動するまたは逃げることがない状態であるから、リンクピン35の後方Rの側の側面は確実にボス34Bの後方Rの側の内側面に押し当てられている状態である。これは、リンクピン35の固定型側面とボス34Bの後方Rの側の内側面の間に隙間が無い状態であり、摩耗量を絶対値で評価する場合は第1位置P1とするのが好ましい。
しかし、摩耗の推移や変化の度合い(相対値)を観察することを主目的とするなら、例えば、可動金型24が固定金型22に密着するよりも前に、リンクピン35がボス34Bの後方Rの内面に隙間なく接触した位置(第1位置P1)を特定し、当該位置に可動盤23が固定されるように、第2アクチュエータ28を動作させればよい。この場合の第1位置P1の特定は第1アクチュエータ50の駆動トルクを監視することで行うことができる。
以上の後は、上述したのと同様にして第2位置P2の特定、第1位置P1と第2位置P2の差分ΔLの算定、差分ΔLと摩耗限界値Lcの比較などの一連の手順が実行される。
【0055】
[第1位置P1の検知]
第1位置P1を第1アクチュエータ50の実測駆動力F50が第1基準駆動力Fに達したと判定部67が判定したときのクロスヘッド42の位置とした例を示したが、第1位置P1を第1アクチュエータ50の実測駆動力F50が第1基準駆動力Fに達したと判定部67が判定したときではなく、型締力センサ29により検知した型締め力が所定の値に達したと判定部67が判定したときのクロスヘッド42の位置を第1位置P1としてもよい。
【0056】
[リンクピン35の他のリンクピンの検査]
トグルリンク機構30は、リンクピン35の他にリンクピン39,41などを備える。これらのリンクピン35,39,41などは、ボスを含む摩耗量は均等であるか差があるとしても微小である。これは、大きな型締め力を全てのリンクピンおよびボスで分担するからである。つまり、リンクピン35を例にした摩耗の判定結果は、特定のリンクピンに関するもというよりは、複数のリンクピン35,39,41などを代表する判定結果ということができる。したがって、複数のリンクピン35,39,41などについて個別に摩耗の判定を行う必要はない。
【符号の説明】
【0057】
1 射出成形機
10 射出装置
11 加熱筒
12 射出ノズル
13 スクリュ
15 ホッパ
17 スクリュ移動手段
18 金型キャビティ
19 スクリュ回転手段
20A,20B 型締装置
21 固定盤
21H 射出用孔
22 固定金型
23 可動盤
24 可動金型
25 受圧盤
26 タイバー
28 第2アクチュエータ
28A シリンダ
28B ピストン
28C ピストンロッド
30 トグルリンク機構
31 リンク部材
32 型盤側リンク支持部材
34 トグルリンク
35 リンクピン
36 受圧側リンク支持部材
38 ミッドリンク
39 リンクピン
41 リンクピン
42 クロスヘッド
43 クロスヘッドリンク
44 リンクピン
45 リンクピン
50 第1アクチュエータ
51 駆動源
53 クロスヘッド駆動軸
55 ストロークセンサ
60 制御装置
61 入力/表示部
63 記憶部
65 指示部
67 判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6