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特開2024-123359固定子の製造方法、電動機の製造方法、連結絶縁部品
<図1>
  • 特開-固定子の製造方法、電動機の製造方法、連結絶縁部品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123359
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】固定子の製造方法、電動機の製造方法、連結絶縁部品
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/02 20060101AFI20240905BHJP
   H02K 15/095 20060101ALI20240905BHJP
   H02K 15/10 20060101ALI20240905BHJP
   H02K 3/34 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H02K15/02 D
H02K15/095
H02K15/10
H02K3/34 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030698
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】岡田 順二
【テーマコード(参考)】
5H604
5H615
【Fターム(参考)】
5H604AA08
5H604BB01
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC15
5H604DB01
5H604PB03
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB14
5H615PP01
5H615QQ19
5H615RR01
5H615SS03
5H615SS04
5H615SS09
5H615SS44
(57)【要約】
【課題】絶縁部品の組付け作業が簡易化され作業時間の削減を図れる固定子の製造方法を得ること。
【解決手段】固定子の製造方法は、継鉄部11と歯部12とを有するT字形の複数の鉄心ブロック6が直線状に配列され、薄肉連結部7により互いに連結された固定子鉄心1を形成する工程と、鉄心ブロック6と同じ間隔で複数の上絶縁部品2が配列され、上ランナー4で連結された連結上絶縁部品20と、鉄心ブロック6と同じ間隔で複数の下絶縁部品3が配列され、下ランナー5で連結された連結下絶縁部品30とを形成する工程と、固定子鉄心1に鋼板の積層方向の両側から連結上絶縁部品20および連結下絶縁部品30を挿入して歯部12の周囲を絶縁する工程と、連結上絶縁部品20の上ランナー4を切断し、連結下絶縁部品30の下ランナー5を切断する工程と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層鋼板により形成され、外周磁路となる継鉄部と前記継鉄部から内方へ突出し磁極となる歯部とを有するT字形の複数の鉄心ブロックが直線状に配列され、前記継鉄部の薄肉連結部により互いに連結された固定子鉄心を形成する工程と、
前記複数の鉄心ブロックと同じ間隔で複数の絶縁部品が配列され、第1ランナーで連結された第1連結絶縁部品と、前記複数の鉄心ブロックと同じ間隔で複数の絶縁部品が配列され、第2ランナーで連結された第2連結絶縁部品とを形成する工程と、
前記固定子鉄心に鋼板の積層方向の両側から前記第1連結絶縁部品および前記第2連結絶縁部品を挿入して前記歯部の周囲を絶縁する工程と、
前記第1連結絶縁部品の前記第1ランナーを切断し、前記第2連結絶縁部品の前記第2ランナーを切断する工程と、
前記絶縁部品を介して前記歯部に巻線を巻回する工程と、
前記固定子鉄心を前記薄肉連結部で折り曲げて円環状に形成する工程と、
を備えたことを特徴とする固定子の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の固定子の製造方法を含む工程と、
前記固定子をケーシングに保持する工程と、
前記固定子の内周に回転子を配置し、前記回転子を前記ケーシングにベアリングを介して保持する工程と、
を備えたことを特徴とする電動機の製造方法。
【請求項3】
積層鋼板により形成され、外周磁路となる継鉄部と前記継鉄部から内方へ突出し磁極となる歯部とを有するT字形の複数の鉄心ブロックが直線状に配列され、前記継鉄部の薄肉連結部により互いに連結された固定子鉄心の各歯部を絶縁するための複数の絶縁部品と、
複数の前記絶縁部品を互いに連結するランナーと、
を備え、
複数の前記絶縁部品は、複数の前記鉄心ブロックと同じ間隔で配列される
ことを特徴とする連結絶縁部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動機の固定子の製造方法、電動機の製造方法、連結絶縁部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動機の固定子は、次のようにして製造されている。歯部および歯部の外周で磁路を形成する継鉄部を有するT字状の複数層の分割鉄心の上下方向から、絶縁フィルムを介し一対の絶縁体を装着し、絶縁体を介して巻線を歯部に巻回した後、複数個の分割鉄心を周方向に接合してウェッジを挿入している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3099001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、電動機の固定子鉄心に絶縁体を組付ける場合に、各T字状の部分に一つ一つ個別に絶縁部品を取り付けており、作業時間が掛かっていた。また、自動化組み立てする場合には、絶縁部品を組付け易いように絶縁部品を整列する工程と、固定子鉄心と絶縁部品との組付け工程が必要であり、設備の大型化および設置スペース確保の課題もあった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、絶縁部品の組付け作業が簡易化され、作業時間の削減を図れる固定子の製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の固定子の製造方法は、積層鋼板により形成され、外周磁路となる継鉄部と継鉄部から内方へ突出し磁極となる歯部とを有するT字形の複数の鉄心ブロックが直線状に配列され、継鉄部の薄肉連結部により互いに連結された固定子鉄心を形成する工程と、複数の鉄心ブロックと同じ間隔で複数の絶縁部品が配列され、第1ランナーで連結された第1連結絶縁部品と、複数の鉄心ブロックと同じ間隔で複数の絶縁部品が配列され、第2ランナーで連結された第2連結絶縁部品とを形成する工程と、固定子鉄心に鋼板の積層方向の両側から第1連結絶縁部品および第2連結絶縁部品を挿入して歯部の周囲を絶縁する工程と、第1連結絶縁部品の第1ランナーを切断し、第2連結絶縁部品の第2ランナーを切断する工程と、絶縁部品を介して歯部に巻線を巻回する工程と、固定子鉄心を薄肉連結部で折り曲げて円環状に形成する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の固定子の製造方法によれば、絶縁部品の組付け作業が簡易化され作業時間の削減を図れる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1の固定子の直線展開時の状態を示す上面図
図2】実施の形態1の固定子の円環成形後の状態を示す上面図
図3】実施の形態1の固定子の一つの鉄心ブロックの構成を拡大して示す斜視図
図4】実施の形態1の固定子の構成を示す分解斜視図
図5】実施の形態1の固定子の直線展開時の一部構成を示す上面図
図6】実施の形態1の固定子の円環成形後の一部構成を示す上面図
図7】実施の形態1の固定子を組込んだ電動機を示す断面図
図8】実施の形態1の固定子の製造方法の手順を示すフローチャート
図9】実施の形態1の固定子鉄心の直線展開時の状態を示す上面図
図10】実施の形態1の連結上絶縁部品の構成を示す上面図
図11】実施の形態1の連結下絶縁部品の構成を示す上面図
図12】実施の形態1の固定子鉄心に連結上絶縁部品および連結下絶縁部品が組付けられた構成を示す上面図
図13】実施の形態1の固定子鉄心に連結上絶縁部品および連結下絶縁部品が組付けられる前の状態を示す側面図
図14】実施の形態1の固定子鉄心に連結上絶縁部品および連結下絶縁部品が組付けられた後の状態を示す側面図
図15】実施の形態1の固定子鉄心に連結上絶縁部品および連結下絶縁部品が組付けられた状態で上ランナーおよび下ランナーが切断された構成を示す上面図
図16】実施の形態1の固定子鉄心に連結上絶縁部品および連結下絶縁部品が組付けられた状態で上ランナーおよび下ランナーが切断された構成を示す断面図
図17】実施の形態1の固定子鉄心に巻線が巻回された状態を示す上面図
図18】実施の形態1の固定子鉄心を円環成形した後の状態を示す上面図
図19】実施の形態2の電動機の製造方法の手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、実施の形態にかかる固定子の製造方法、電動機の製造方法、連結絶縁部品を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の固定子の直線展開時の状態を示す上面図である。図2は、実施の形態1の固定子の円環成形後の状態を示す上面図である。図3は、実施の形態1の固定子の一つの鉄心ブロックの構成を拡大して示す斜視図である。図4は、実施の形態1の固定子の構成を示す分解斜視図である。図5は、実施の形態1の固定子の直線展開時の一部構成を示す上面図である。図6は、実施の形態1の固定子の円環成形後の一部構成を示す上面図である。図7は、実施の形態1の固定子を組込んだ電動機を示す断面図である。
【0011】
図4では、直線状の固定子鉄心1に対し、上側に第1連結絶縁部品としての連結上絶縁部品20が配置され、下側に第2連結絶縁部品としての連結下絶縁部品30が配置された状態が示されている。固定子鉄心1は、複数の鉄心ブロック6が薄肉連結部7で連結されている。連結上絶縁部品20は、複数の上絶縁部品2と、第1ランナーとしての上ランナー4と、を備え、複数の上絶縁部品2が上ランナー4で連結されている。連結下絶縁部品30は、複数の下絶縁部品3と、第2ランナーとしての下ランナー5と、を備え、複数の下絶縁部品3が下ランナー5で連結されている。図1では、上絶縁部品2が固定子鉄心1の上側に嵌め込まれた直線状の固定子9が示されている。図2では、円環成形後に巻線8が巻回された固定子9が示されている。図3では、上絶縁部品2および下絶縁部品3が嵌め込まれた一つの鉄心ブロック6が示されている。
【0012】
図4に示すように、実施の形態1の固定子9は、N個の略T字形の鉄心ブロック6が、薄肉連結部7で連結されて直線状に展開された固定子鉄心1を備えている。実施の形態1では、N=12であるが、Nは任意である。固定子鉄心1は、複数枚の鋼板が積層された積層鋼板により形成されている。鉄心ブロック6は、固定子鉄心1の外周磁路となる継鉄部11と、継鉄部11の中央部から内方へ突出し磁極となる歯部12と、歯部12から円周方向に突出した内周部13と、を有している。
【0013】
図4に示すように、連結上絶縁部品20は、固定子鉄心1の鉄心ブロック6と同数の12個の上絶縁部品2を有する。上絶縁部品2間は、ランナー接続部24を介して上ランナー4で連結されている。上絶縁部品2の間隔は、鉄心ブロック6間の間隔と同じ寸法で、金型設計されている。連結下絶縁部品30は、固定子鉄心1の鉄心ブロック6と同数の12個の下絶縁部品3を有する。下絶縁部品3間は、ランナー接続部34を介して下ランナー5で連結されている。下絶縁部品3の間隔は、鉄心ブロック6間の間隔と同じ寸法で、金型設計されている。上絶縁部品2および下絶縁部品3は、固定子鉄心1の歯部12を覆うように上下から固定子鉄心1に装着される。
【0014】
図5に示すように、固定子鉄心1の継鉄部11は、直線状に展開したとき、薄肉連結部7を挟んで歯部12の方からの角度θで上部から下部に向かって開くテーパ面11aを有する。極数Nのとき、θ=360°/2Nである。極数が12の場合、θ=15°である。このように形成することで、固定子鉄心1を円環状に成形したときに、図6に示すように、隣り合うテーパ面11aが接するので、継鉄部11を通る磁束の磁気抵抗を減らすことができる。
【0015】
図7に示すように、実施の形態1の電動機100は、固定子9を保持する前ケーシング102および後ケーシング103と、円環状の固定子9内に配置された回転子104と、前ケーシング102および後ケーシング103の中心部に保持された一対のベアリング105に支持され、回転子104を固定子9内に支持する回転軸106と、を備えている。
【0016】
実施の形態1の固定子9においては、連結上絶縁部品20を射出成型後、上ランナー4を把持しながら固定子鉄心1に上絶縁部品2を挿入し、その後上ランナー4を切断する。下絶縁部品3も同様な構造であるため、連結下絶縁部品30を射出成型後、下ランナー5を把持しながら固定子鉄心1に下絶縁部品3を挿入し、その後下ランナー5を切断する。その後、巻線8が固定子鉄心1に巻回される。その後、図2に示すように、固定子9が円環状に成形され、電動機の固定子9が完成される。
【0017】
固定子鉄心1への絶縁部品の通常の取り付け方法では、絶縁部品は射出成型後、一時保管され、固定子鉄心1への組付け時に1つ1つ組付けている。極数が12の場合、24回の組付け作業が発生することとなる。作業性改善のため自動組み立て化が考えられるが、そのためには、個別に分割されている上絶縁部品2および下絶縁部品3の各々を組付け易いように整列させる設備と、固定子鉄心1へ組付ける設備とが必要となり、設備費および設置スペースが必要となる。実施の形態1によれば、絶縁部品として、成形時に廃却するランナー部品付きの連結上絶縁部品20、連結下絶縁部品30を用いることで、組付け作業が簡易化され、作業時間の削減を図れる。また、自動化組み立てする場合にも、組付け易いように絶縁部品を整列する工程、固定子鉄心1と絶縁部品との組付け工程が不要となり、設備費削減、設置スペースの確保の問題が解消できる。
【0018】
つぎに、固定子9の製造方法の詳細を説明する。図8は、実施の形態1の固定子9の製造方法の手順を示すフローチャートである。図9は、実施の形態1の固定子鉄心1の直線展開時の状態を示す上面図である。図10は、実施の形態1の連結上絶縁部品20の構成を示す上面図である。図11は、実施の形態1の連結下絶縁部品30の構成を示す上面図である。図12は、実施の形態1の固定子鉄心1に連結上絶縁部品20および連結下絶縁部品30が組付けられた構成を示す上面図である。図13は、実施の形態1の固定子鉄心1に連結上絶縁部品20および連結下絶縁部品30が組付けられる前の状態を示す側面図である。図14は、実施の形態1の固定子鉄心1に連結上絶縁部品20および連結下絶縁部品30が組付けられた後の状態を示す側面図である。図15は、実施の形態1の固定子鉄心1に連結上絶縁部品20および連結下絶縁部品30が組付けられた状態で上ランナー4および下ランナー5が切断された構成を示す上面図である。図16は、実施の形態1の固定子鉄心1に連結上絶縁部品20および連結下絶縁部品30が組付けられた状態で上ランナー4および下ランナー5が切断された構成を示す断面図である。図17は、実施の形態1の固定子鉄心1に巻線8が巻回された状態を示す上面図である。図18は、実施の形態1の固定子鉄心1を円環成形した後の状態を示す上面図である。
【0019】
図8のフローチャートを用いて固定子の製造方法を説明する。固定子形成工程S10は、固定子鉄心形成工程S11と、連結絶縁部品成型工程S12と、連結絶縁部品挿入工程S13と、連結部切断工程S14と、巻線工程S15と、円環鉄心形成工程S16と、を有する。
【0020】
固定子鉄心形成工程S11においては、図9に示すような、固定子鉄心1が形成される。固定子鉄心1は、前述したように、積層鋼板により形成され、外周磁路となる継鉄部11と、継鉄部11から内方へ突出し磁極となる歯部12と、を有する略T字形の複数の鉄心ブロック6が直線状に等しい間隔P1で配列されている。鉄心ブロック6は、継鉄部11の薄肉連結部7により互いに連結されている。歯部12の先端には内周部13が設けられる。
【0021】
連結絶縁部品成型工程S12においては、図10に示す連結上絶縁部品20および図11に示す連結下絶縁部品30が射出成形される。図10に示すように、連結上絶縁部品20は、複数の上絶縁部品2が直線状に等しい間隔P2で配列されている。複数の上絶縁部品2は、ランナー接続部24で上ランナー4に接続されている。間隔P2と間隔P1とは同じ長さである。上絶縁部品2は、固定子鉄心1の歯部12の上面と、歯部12の両側面と、継鉄部11の内周面と、内周部13の外周面の上側部分と、を覆う。
【0022】
図11に示すように、連結下絶縁部品30は、複数の下絶縁部品3が直線状に等しい間隔P3で配列されている。複数の下絶縁部品3は、ランナー接続部34で下ランナー5に接続されている。間隔P3と間隔P1とは同じ長さである。下絶縁部品3は、固定子鉄心1の歯部12の下面と、歯部12の両側面と、継鉄部11の内周面と、内周部13の外周面の下側部分と、を覆う。
【0023】
連結絶縁部品挿入工程S13においては、図12図14に示すように、固定子鉄心1に対し、固定子鉄心1の積層方向の両側から連結上絶縁部品20および連結下絶縁部品30を挿入する。挿入の際には、連結上絶縁部品20の上ランナー4および連結下絶縁部品30の下ランナー5が把持される。図12は上面図であるので、連結上絶縁部品20のみが図示されている。図13図14では、上ランナー4、下ランナー5の図示は便宜上省略した。固定子鉄心1の上下から連結上絶縁部品20および連結下絶縁部品30を挿入することで、歯部12と継鉄部11と内周部13とで囲まれた領域であるスロット部の周囲が絶縁される。
【0024】
連結絶縁部品挿入工程S13においては、複数の鉄心ブロック6と上絶縁部品2と下絶縁部品3とが同じ間隔で配列されるよう、上絶縁部品2は上ランナー4で接続され、下絶縁部品3は下ランナー5で接続されているので、鉄心ブロック6に対して上絶縁部品2および下絶縁部品3を容易に挿入することができる。
【0025】
連結部切断工程S14では、図15および図16に示すように、固定子鉄心1に連結上絶縁部品20および連結下絶縁部品30が挿入されている状態で、連結上絶縁部品20のランナー接続部24が切断され、連結下絶縁部品30のランナー接続部34が切断される。
【0026】
巻線工程S15では、図17に示すように、固定子鉄心1のスロット部に巻線8が巻回される。
【0027】
円環鉄心形成工程S16では、図18に示すように、固定子鉄心1が薄肉連結部7で内周部13側に折り曲げられて円環状に成形される。
【0028】
以上のような工程を経て、固定子9が完成される。
【0029】
このように実施の形態1によれば、複数の上絶縁部品2が上ランナー4で連結されている連結上絶縁部品20および複数の下絶縁部品3が下ランナー5で連結されている連結下絶縁部品30を用いるようにしたので、絶縁部品の固定子鉄心1への組付け作業が簡易化され、作業時間の削減が図れる。また、自動化組み立てする場合にも、組付け易いように絶縁部品を整列する工程、固定子鉄心1と絶縁部品との組付け工程が不要となり、設備費削減、設置スペースの確保の問題が解消できる。
【0030】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1の固定子を用いた電動機の製造方法について説明する。図19は、実施の形態2の電動機の製造方法の手順を示すフローチャートである。電動機の製造工程は、前述した固定子形成工程S10と、回転子形成工程S20と、組立工程S30とを備える。組立工程S30では、固定子9を前ケーシング102、後ケーシング103に保持し、固定子9の内周に回転子104を配置し、回転子104の回転軸106をベアリング105を介して前ケーシング102、後ケーシング103に保持する(図7参照)。
【0031】
以上の実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 固定子鉄心、2 上絶縁部品、3 下絶縁部品、4 上ランナー、5 下ランナー、6 鉄心ブロック、7 薄肉連結部、8 巻線、9 固定子、11 継鉄部、11a テーパ面、12 歯部、13 内周部、20 連結上絶縁部品、24,34 ランナー接続部、30 連結下絶縁部品、100 電動機、102 前ケーシング、103 後ケーシング、104 回転子、105 ベアリング、106 回転軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19