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特開2024-123362導電バーユニット、プラグイン装置及び分電盤
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123362
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】導電バーユニット、プラグイン装置及び分電盤
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20240905BHJP
   H02B 1/20 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H02B1/40 D
H02B1/20 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030701
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松隈 裕史
(72)【発明者】
【氏名】三浦 大貴
【テーマコード(参考)】
5G016
5G211
【Fターム(参考)】
5G016DA05
5G211AA01
5G211AA03
5G211AA08
5G211AA10
5G211AA21
5G211DD06
5G211DD39
(57)【要約】
【課題】ブレーカの幅方向に並ぶように付属装置が付された付属装置付きブレーカの配置における空間の無駄を抑制できるようにすること。
【解決手段】導電バー11と、複数の導電バーを積層する状態で保持するバーホルダ12と、を備える導電バーユニット1であって、バーホルダは、バーホルダの外周側に設けられた枠部12aより内側であって導電バーと対向する位置に、ブレーカが取り付けられるプラグインアダプタの一部を挿入可能若しくはブレーカの一部を挿入可能な挿入部12bを備え、かつ、挿入部の挿入方向に見て、導電バーの積層方向と90度をなす方向に挿入部と隣り合う位置に、挿入部の幅よりも幅が短く、枠部の幅よりも幅が長い間隔調整部12cを備えた構成とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電バーと、
複数の導電バーを積層する状態で保持するバーホルダと、
を備える導電バーユニットであって、
バーホルダは、
バーホルダの外周側に設けられた枠部より内側であって導電バーと対向する位置に、ブレーカが取り付けられるプラグインアダプタの一部を挿入可能若しくはブレーカの一部を挿入可能な挿入部を備え、かつ、挿入部の挿入方向に見て、導電バーの積層方向と90度をなす方向に挿入部と隣り合う位置に、挿入部の幅よりも幅が短く、枠部の幅よりも幅が長い間隔調整部を備えた導電バーユニット。
【請求項2】
挿入部の挿入方向に見て、導電バーの積層方向と90度をなす方向に並ぶ挿入部と挿入部の間に間隔調整部を備えた請求項1に記載の導電バーユニット。
【請求項3】
導電バーと、
複数の導電バーを積層する状態で保持するバーホルダと、
を備える導電バーユニットであって、
バーホルダは、
バーホルダの外周側に設けられた枠部より内側であって導電バーと対向する位置に、ブレーカが取り付けられるプラグインアダプタの一部を挿入可能若しくはブレーカの一部を挿入可能な挿入部を備え、かつ、枠部よりもバーホルダの外周側であって、挿入部の挿入方向に見て、導電バーの積層方向と90度をなす方向に切り離し片を有する間隔調整部を備えた導電バーユニット。
【請求項4】
請求項1から3の何れかの導電バーユニットに、ブレーカの幅方向に並ぶように付属装置が付された付属装置付きブレーカが取り付けられたプラグイン装置であって、
付属装置が間隔調整部若しくは間隔調整部と対向するように位置するプラグイン装置。
【請求項5】
付属装置と対向する位置にある間隔調整部の幅が、
付属装置の幅と略同一である請求項4に記載のプラグイン装置。
【請求項6】
請求項4に記載のプラグイン装置を備えた分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電バーユニット、プラグイン装置及び分電盤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているようにブレーカの側方に付属装置を取り付ける付属装置付きブレーカが知られている。また、特許文献2に記載されているようにネジ式ブレーカをプラグインブレーカに変換するアダプタが知られている。また、特許文献3に記載されているように、導通板(導電バー)に対してスイッチ単位で接続するための仕切板を設ける導電バーユニットが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-030898号公報
【特許文献2】特開2006-230134号公報
【特許文献3】実用新案登録第3207486号公報
【0004】
例えば、特許文献3に記載の導電バーユニットに対して、特許文献1に記載のブレーカなどを装着することが想定される。また、特許文献1に記載のブレーカに特許文献2に開示のような付属装置を付することも想定される。しかしながら、特許文献2に開示のように、ブレーカの側方に付属装置を取り付けた構造であると、特許文献1に開示の仕切板により仕切られた導電バーユニットに接続する場合、ブレーカBrが挿入された挿入部の隣の挿入部Paと対向するように、付属装置Adが位置することになり(図22参照)、付属装置Adと対向する挿入部PaにブレーカBrを挿入することができないことになる。付属装置Adの幅はブレーカBrの幅よりも短いが、それなりの長さはあるため、更にブレーカBrを接続したい場合、既にブレーカBrが挿入された挿入部の二つ以上隣の挿入部にしかブレーカBrを挿入することができない。つまり、導電バーユニットに無駄なスペースが生じてしまい、その分だけ導電バーユニットのサイズや、導電バーユニットを収納する電気電子機器収納用箱のサイズを大きくしなければならない場合がある。また、導電バーユニットを並べて利用する場合、ブレーカBrが装着されている導電バーユニットの隣の導電バーユニットの挿入部Paの前に、このブレーカBrに付された付属装置Adが配置される可能性もある(図23参照)。この場合、ブレーカBrが装着された導電バーユニットの隣の導電バーユニットの端に位置する挿入口は利用できない。導電バーユニットを隣の導電バーユニットと間隔をあけて配置すれば、問題は解消できるが、適切な間隔自体が分かりにくいという問題があり、結局、間隔を長めに設定してしまいうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、ブレーカの幅方向に並ぶように付属装置が付された付属装置付きブレーカの配置における空間の無駄を抑制できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、導電バーと、複数の導電バーを積層する状態で保持するバーホルダと、を備える導電バーユニットであって、バーホルダは、バーホルダの外周側に設けられた枠部より内側であって導電バーと対向する位置に、ブレーカが取り付けられるプラグインアダプタの一部を挿入可能若しくはブレーカの一部を挿入可能な挿入部を備え、かつ、挿入部の挿入方向に見て、導電バーの積層方向と90度をなす方向に挿入部と隣り合う位置に、挿入部の幅よりも幅が短く、枠部の幅よりも幅が長い間隔調整部を備えた導電バーユニットとする。
【0007】
また、挿入部の挿入方向に見て、導電バーの積層方向と90度をなす方向に並ぶ挿入部と挿入部の間に間隔調整部を備えた構成とすることが好ましい。
【0008】
また、導電バーと、複数の導電バーを積層する状態で保持するバーホルダと、を備える導電バーユニットであって、バーホルダは、バーホルダの外周側に設けられた枠部より内側であって導電バーと対向する位置に、ブレーカが取り付けられるプラグインアダプタの一部を挿入可能若しくはブレーカの一部を挿入可能な挿入部を備え、かつ、枠部よりもバーホルダの外周側であって、挿入部の挿入方向に見て、導電バーの積層方向と90度をなす方向に切り離し片を有する間隔調整部を備えた導電バーユニットとすることが好ましい。
【0009】
また、導電バーユニットに、ブレーカの幅方向に並ぶように付属装置が付された付属装置付きブレーカが取り付けられたプラグイン装置であって、付属装置が間隔調整部若しくは間隔調整部と対向するように位置する構成とすることが好ましい。
【0010】
また、付属装置と対向する位置にある間隔調整部の幅が、付属装置の幅と略同一である構成とすることが好ましい。
【0011】
また、プラグイン装置を備えた分電盤とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、ブレーカの幅方向に並ぶように付属装置が付された付属装置付きブレーカの配置における空間の無駄を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】導電バーユニットの例を斜め上方から見た図である。
図2図1に示す導電バーユニットに付属装置を備えたプラグイン式ブレーカを装着した状態の例を示す図である。
図3】導電バーユニットの一端側にプラグイン式ブレーカを装着し、他端側にはプラグイン式ブレーカを装着していない状態を示す図である。ただし、ブレーカの隣に示した矢印はプラグイン式ブレーカの装着方向(挿入部の挿入方向)を示し、導電バーユニットの隣に示した両矢印は挿入部などの幅の長さを規定する方向である「挿入部の挿入方向に見て、導電バーの積層方向と90度をなす方向」を示している。
図4図3に示す状態から六つのプラグイン式ブレーカを導電バーユニットに装着して、プラグイン装置を構成した状態を示す図である。
図5】電気電子機器収納用箱の斜視図である。
図6】電気電子機器収納用箱の扉を開いた状態を示す図である。
図7図1に示す導電バーユニットの分解斜視図である。
図8】ネジ式ブレーカにプラグインアダプタを装着して形成したプラグイン式ブレーカの例の斜視図である。ただし、プラグイン式ブレーカの隣に付属装置が付されている。
図9図8に示す付属装置付きプラグイン式ブレーカの平面図である。
図10】プラグイン端子を備えたブレーカの例を示す斜視図である。
図11図1に示すバーホルダを、導電バーを挿入する側の面から見た斜視図である。
図12図11に示すバーホルダを、図11とは反対側の面から見た斜視図である。
図13図12に示すバーホルダを挿入部の挿入方向から見た図である。
図14】挿入部と間隔調整部を、「挿入部、挿入部、間隔調整部」と並ぶように配置した導電バーユニットの例を示す図である。
図15】枠部の内側及び外側に間隔調整部を備えるバーホルダの例を示す斜視図である。ただし、枠部の外側に位置する間隔調整部はバーホルダの左右両端に設けられている。
図16図15に示すバーホルダを挿入部の挿入方向から見た図である。
図17】枠部の内側及び外側に間隔調整部を備えるバーホルダの例を示す斜視図である。ただし、枠部の外側に位置する間隔調整部はバーホルダの左端にのみ設けられている。
図18図17に示すバーホルダを挿入部の挿入方向から見た図である。
図19】枠部の外側に間隔調整部を備えるバーホルダの例を示す斜視図である。ただし、枠部の内側には間隔調整部は設けられていない。
図20図19に示すバーホルダを挿入部の挿入方向から見た図である。
図21】枠部の外側に間隔調整部を備えるバーホルダを二つ並べて配置した導電バーユニットの例を示す図である。
図22】間隔調整部を設けていない導電バーユニットに付属装置を備えたブレーカを配置した場合の例を示す図である。
図23】間隔調整部を設けていない導電バーユニットを二つ並べ、付属装置を備えたブレーカを配置した場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1から図4に示されていることから理解されるように、本実施形態の導電バーユニット1は、導電バー11と、複数の導電バー11を積層する状態で保持するバーホルダ12と、を備えている。また、この導電バーユニット1のバーホルダ12は、バーホルダ12の外周側に設けられた枠部12aより内側であって導電バー11と対向する位置に、ブレーカ41が取り付けられるプラグインアダプタ42の一部を挿入可能若しくはブレーカ45の一部を挿入可能な挿入部12bを備え、かつ、挿入部12bの挿入方向に見て、導電バー11の積層方向と90度をなす方向に挿入部12bと隣り合う位置に、挿入部12bの幅よりも幅が短く、枠部12aの幅よりも幅が長い間隔調整部12cを備えている。このため、ブレーカの幅方向に並ぶように付属装置43が付された付属装置43付きブレーカの配置における空間の無駄を抑制できる。
【0015】
ここで、導電バーユニット1の概略について説明をする。導電バーユニット1は、分電盤などの電気電子機器収納用箱8の内部に収納されるものである(図5及び図6参照)。通常、導電バーユニット1の一次側には主幹ブレーカ91が配置されており、導電バーユニット1の二次側にはプラグイン接続可能なプラグイン式ブレーカなどが接続される。また、プラグイン式ブレーカの二次側には負荷機器が接続される。このような構成のため、例えば、主幹ブレーカ91の一次側に接続される電源から主幹ブレーカ91、導電バーユニット1に備えられた導電バー11、プラグイン式ブレーカの順に電気を流し、負荷機器へ給電することができる。
【0016】
実施形態の導電バーユニット1は、ベース13と、ベース13の上に複数の導電バー11を積層するように支持する支持部材14と、導電バー11の短手方向の端部に当接して導電バー11を保持するバーホルダ12と、導電バー11の上方に配置され、2つのバーホルダ12に係合するカバー15を備えている(図1及び図7参照)。
【0017】
支持部材14と、バーホルダ12は、ベース13に対してネジ固定されるようにしてもよいし、ベース13に設けられた孔13aなどに係合されて固定されるようにしてもよい。また、2つのバーホルダ12は、カバー15が係合した状態で、導電バー11の短手方向からネジ固定される構成とするのが好ましい。
【0018】
図8及び図9に示す例においては、ネジ式ブレーカにプラグインアダプタ42を装着することで、プラグイン式ブレーカを形成しているため、その構造にて説明するが、プラグイン式ブレーカは、ブレーカ45がプラグイン端子を備えたもの(プラグインアダプタ42を装着しなくてもプラグイン接続を可能とするブレーカ45)であってもよいことは言うまでもない(図10参照)。
【0019】
ここでプラグインアダプタ42について説明をする。実施形態のプラグインアダプタ42は、一次側にプラグイン端子、二次側にネジ式ブレーカの一次側と接続される端子を備え、プラグインアダプタ42にネジ式ブレーカ41を装着することで、一次側にプラグイン端子(プラグインアダプタ42のプラグイン端子)、二次側に負荷側端子(ネジ式ブレーカ41の負荷側端子)を備えるプラグイン式ブレーカを構成するものである。なお、負荷側端子はネジ式端子でも速結式端子でも構わない。
【0020】
プラグイン式ブレーカの後面又は下面に設けられた係合部47をベース13に設けられた係合孔13aなどに挿入し、導電バー11に接近する方向にスライドさせることで(図3参照)、係合部47がベース13に係合するとともにプラグイン端子が導電バー11に接続される構造とするのが好ましい。
【0021】
また、係合部47がベース13に係合され、プラグイン端子が導電バー11に接続された状態を維持するために、プラグイン式ブレーカとベース13をネジ固定する構成若しくはベース13に設けた係合孔13bなどに対して係合して固定する構成とするのが好ましい。
【0022】
図8に示すプラグイン式ブレーカの側面には、付属装置43が取り付けられている。付属装置43は、ブレーカの状態の情報(トリップ状態、ON状態、OFF状態などの情報)を出力したり表示したりする機能を有するものや、付属装置43に外部信号が入力された場合にブレーカをトリップさせる機能を有するもの、事象を検知するセンサ(感震センサ、温度センサ、電流センサなど)を付属装置43の内部に設け、事象を検知した際に情報を外部機器に出力したり表示したりする機能を有するもの若しくはブレーカをトリップする機能を有するものなどが例示できる。これらの記載から理解されるように、付属装置43はブレーカに対して機能を付加するものであればよい。そのため、付属装置43の機能の種類は上記した例に限るものではない。
【0023】
実施形態における付属装置43は、プラグイン式ブレーカのケースに固定されるため、ベース13から浮いている状態(プラグインアダプタ42の分だけ浮いている状態)となっている。また、実施形態では、付属装置43への給電をブレーカを介して行っており、プラグイン式ブレーカを導電バー11に接続した状態において、付属装置43とバーホルダ12の間に空間が生じている。
【0024】
付属装置43は、プラグイン式ブレーカの開閉機構(ハンドルやトリップ時にハンドルを操作する機構など)にも連結させておくのが好ましい。このような構成とすることで、ブレーカの状態を把握したり、ブレーカをトリップさせたりすることに利用できる。
【0025】
なお、図8に示す例では、プラグイン式ブレーカの左方側に付属装置43を取り付けているが、プラグイン式ブレーカの右方側に付属装置43を取り付けるものであってもよいし、プラグイン式ブレーカの左右両側に付属装置43を取り付けるものであってもよい。
【0026】
図11に示す例から理解されるように、実施形態の導電バーユニット1は略直方体形状であり、導電バー11側の面には、導電バー11を挟持するために導電バー11の長手方向に延びる複数の溝部12dと、通電状態において導電バー11の周辺の発熱を解消するための複数の通気口12eが設けられている。
【0027】
また、図3図7図12及び図13に示す例から理解されるように、バーホルダ12のプラグイン式ブレーカ側の面には、外周側に枠部12aが設けられており、その枠部12aの内側には、プラグイン式ブレーカのプラグイン端子などを挿入可能な挿入部12bと、付属装置43付きのプラグイン式ブレーカの付属装置43が対向することになる間隔調整部12cを備えている。また、実施形態のバーホルダ12には、挿入部12bを仕切る仕切板12fを備えている。なお、挿入部12bの挿入方向に見て、導電バー11の積層方向と90度をなす方向に並ぶ挿入部12bと挿入部12bの間に間隔調整部12cを備えた構成とするのが好ましい。
【0028】
また、挿入部12bには、導電バー11の端部を覆うことが可能な被覆部12gを備えている。また、バーホルダ12の下部には、バーホルダ12をベース13にネジ固定するために用いられる固定部12hを備えている。
【0029】
なお、仕切板12fにより挿入部12bが仕切られる構成とすれば、複数のプラグイン式ブレーカが導電バーユニット1に接続された場合に、隣接するプラグイン式ブレーカ間で短絡事故等の電気事故が生じるのを防止することができる。
【0030】
導電バー11の端部を被覆部12gで覆うことができるようにすれば、作業者の指や工具が通電中に不意に導電バー11に接触してしまうことで発生する電気事故を防止することが可能となる。
【0031】
バーホルダ12の前面や上部には、カバー15と係合可能な凸部12iを備えるのが好ましい。実施形態の凸部12iは、導電バー11の短手方向の両側から導電バー11を挟持した状態で、導電バー11を挟持する力を強めるために、バーホルダ12同士をネジ固定するために用いることができるようにネジ穴部12iaを備えている。
【0032】
バーホルダ12をベース13部材に設けられた孔13aに係合するために用いることが可能な係合爪12kをバーホルダ12の後面や下部に備える構成とするのが好ましい。
【0033】
ここで、間隔調整部12cについて説明をする。実施形態においては、間隔調整部12cを面状に形成し、導電バー11へアクセスできないようにしている。これは、付属装置43とバーホルダ12の間の空間で作業者の指や工具が導電バー11に接触することを回避して感電事故等の電気事故を防止するためである。また、電気事故をより確実に防止するために、付属装置43とバーホルダ12の間の空間への指などの侵入をふせぐ侵入抑制部を、この空間の前や上、空間内などに配置するようにしてもよい。この侵入抑制部はプラグイン式ブレーカや付属装置43と一体に形成してもよいし、別体に形成してもよい。
【0034】
ところで、プラグイン式ブレーカから付属装置43へ給電を行うのではなく、導電バー11から付属装置43へ給電を行うようにしてもよい。このような構成とする場合、付属装置43がプラグイン式ブレーカのケースに固定されつつも、プラグイン端子を備え、プラグイン式ブレーカのプラグイン端子と同時に導電バー11に接続される構成とすることが好ましい。
【0035】
一方、ベース13には、プラグイン式ブレーカの後面や下面などに設けられた係合部47と係合可能な係合孔13b等が設けられている。これらの位置は、バーホルダ12の仕切板12fや間隔調整部12cに対応している。図14に示す例では、挿入部12bの挿入方向に見て、導電バー11の積層方向と90度をなす方向に挿入部12bを二つ並べ、その挿入部12bの隣に間隔調整部12cを配置することで、「挿入部12b、挿入部12b、間隔調整部12c」と並べているため、間隔調整部12cに対応する位置に設けられた係合孔13cの方が、挿入部12b同士の間に位置する仕切板部12mに対応する位置に設けられた係合孔13dよりも大きい幅を有するものとなっている。
【0036】
次に、バーホルダ12に設ける間隔調整部12cの具体的な例について説明をする。ここでは、間隔調整部12cを、バーホルダ12の枠部12aより内側に設ける例と、バーホルダ12の枠部12aより外側に設ける例をわけて説明をする。
【0037】
まず、バーホルダ12の枠部12aより内側に間隔調整部12cを設ける場合であるが、1つのバーホルダ12と対向する位置に付属装置43が収まるように付属装置43付きプラグイン式ブレーカを配置する場合に設けるものである。例えば、バーホルダ12の少なくとも一部において、「挿入部12b、間隔調整部12c、挿入部12b」の順に並ぶように、つまり、二つの挿入部12bに挟まれる位置に間隔調整部12cを設ければよい。なお、バーホルダ12の端部に間隔調整部12cが位置する構造としてもよい。
【0038】
また、間隔調整部12cが連続して形成されたバーホルダ12としてもよい。例えば、右側に付属装置43を有するプラグイン式ブレーカと左側に付属装置43を有するプラグイン式ブレーカが、付属装置43同士が隣接配置される場合には、間隔調整部12cが連続して隣り合うように構成されたものを利用するのが好ましい。
【0039】
次にバーホルダ12の枠部12aより外側に間隔調整部12cを設ける場合について説明をする。この場合、バーホルダ12の枠部12aの外に突出するように間隔調整部12cを設ける。バーホルダ12を複数並べて配置する場合であって、バーホルダ12が当接する側の端部に挿入部12bが設けられ、その挿入部12bに付属装置43付きプラグイン式ブレーカが挿入された場合には、バーホルダ12から付属装置43がはみ出た状態となる。そのはみ出た付属装置43が、隣のバーホルダ12の挿入部12bの前に位置することとなり、その挿入部12bが使用できなくなる(図23参照)。このような問題を解消できるように、バーホルダ12の枠部12aより外側に間隔調整部12cを設ける(図15から図20参照)。
【0040】
バーホルダ12の枠部12aより外側に間隔調整部12cを設けることで、間隔調整部12cにはみ出た付属装置43を位置させることが可能となり、隣に配置したバーホルダ12の挿入部12bの使用を妨げないことが可能となる(図21参照)。なお、隣のバーホルダ12の端部に間隔調整部12cが配置されている場合には、バーホルダ12の枠部12aより外側に間隔調整部12cを設ける必要はない。
【0041】
バーホルダ12の枠部12aより外側に設ける間隔調整部12cは、両方の端部に形成してもよいし(図15及び図16参照)、バーホルダ12の片方の端部だけに形成してもよい(図17及び図18参照)。片方の端部だけに間隔調整部12cを形成する場合には、間隔調整部12cの幅は、付属装置43の幅と略同一となるようにし、両方の端部から形成する場合には、両方の間隔調整部12cの幅の合計が、付属装置43の幅と略同一となるようにすることが好ましい。
【0042】
バーホルダ12の枠部12aより外側に間隔調整部12cを設ける場合であっても、バーホルダ12の枠部12aより内側に間隔調整部12cを設けるようにしてもよいが(図15及び図16参照)、バーホルダ12の枠部12aより内側に間隔調整部12cを設けないようにしてもよい(図19及び図20参照)。
【0043】
また、バーホルダ12の枠部12aより外側に設ける間隔調整部12cは、必要に応じて手で除去できるようにしておくのが好ましい。例えば、バーホルダ12の端部に付属装置43付きプラグイン式ブレーカを位置させない場合などには、間隔調整部12cを除去するという選択ができる。
【0044】
このようなことを可能とするためにも、導電バーユニット1のバーホルダ12は、バーホルダ12の外周側に設けられた枠部12aより内側であって導電バー11と対向する位置に、ブレーカが取り付けられるプラグインアダプタ42の一部を挿入可能若しくはブレーカの一部を挿入可能な挿入部12bを備え、かつ、枠部12aよりもバーホルダ12の外周側であって、挿入部12bの挿入方向に見て、導電バー11の積層方向と90度をなす方向に、枠部12aよりも厚みの薄い切り離し片12caを有する間隔調整部12cを備えた構成とするのが好ましい。
【0045】
図15から図20に示す例では、切り離し片12caは間隔をあけて並ぶように複数設けられているが、一つの切り離し片12caを長めにするなどして、バーホルダ12の一端に対応する切り離し片12caを一つだけとする構成にしてもよい。
【0046】
導電バーユニット1に、ブレーカの幅方向に並ぶように付属装置43が付された付属装置43付きブレーカが取り付けられたプラグイン装置5とする場合、付属装置43が間隔調整部12c若しくは間隔調整部12cと対向するように位置する構成とする。この場合、付属装置43と対向する位置にある間隔調整部12cの幅が、付属装置43の幅と略同一である構成とするのが好ましい。
【0047】
また、プラグイン式ブレーカの幅の長さに対して、付属装置43の幅が、半分の長さである場合には、それに対応する挿入部12bは、プラグイン式ブレーカの幅の長さと略同一、間隔調整部12cは、付属装置43の幅の長さと略同一とすることが好ましい。具体的にいえば、プラグイン式ブレーカの幅の長さが18mmの場合、付属装置43の幅が9mm、それに対応する挿入部12bは18mm、間隔調整部12cは9mmとすることなどである。
【0048】
挿入部12bは、プラグイン端子が挿入される部分であるため、プラグイン端子の幅の長さと略同一であることが好ましい。挿入部12bを仕切る仕切板12fの幅の長さも、プラグイン式ブレーカの幅の長さと略同一になることが好ましい。
【0049】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 導電バーユニット
5 プラグイン装置
11 導電バー
12 バーホルダ
12a 枠部
12b 挿入部
12c 間隔調整部
12ca 切り離し片
41 ブレーカ
42 プラグインアダプタ
43 付属装置
45 ブレーカ
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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