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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123371
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/405 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
H01R13/405
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030714
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】辻田 瞭
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087FF03
5E087GG02
5E087QQ04
5E087RR36
(57)【要約】
【課題】中子を用いずとも、アライメント精度の低下を抑制できる技術の提供。
【解決手段】コネクタ100は、ケース200に取り付けられ、ケース200の内側に配置される機器とケース200の外側に配置される機器とを電気的に接続するコネクタ100であって、端子3と、インサート成形によって端子3と一体化された樹脂製のハウジング1と、を備える。端子3は、ハウジング1に埋設される部分の少なくとも一部において、少なくとも1つの角部分が、丸みを帯びたアール形状Rである。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースに取り付けられ、前記ケースの内側に配置される機器と前記ケースの外側に配置される機器とを電気的に接続するコネクタであって、
端子と、
インサート成形によって前記端子と一体化された樹脂製のハウジングと、
を備え、
前記端子が、前記ハウジングに埋設される部分の少なくとも一部において、少なくとも1つの角部分が、丸みを帯びたアール形状である、
コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタであって、
前記端子が、前記ハウジングに埋設される部分の途中に設けられた屈曲部を備える、
コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコネクタであって、
前記端子が、前記ハウジングに埋設される部分が備える4つの角部分の全てが、アール形状である、
コネクタ。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のコネクタであって、
前記端子が、前記少なくとも1つの角部分が、前記ハウジングに埋設される部分の全体にわたって、アール形状である、
コネクタ。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のコネクタであって、
前記端子は、前記ハウジングに埋設される部分の少なくとも一部において、前記端子の延在方向と直交する断面が、第1方向の寸法が、第1方向と直交する第2方向の寸法よりも長い、扁平形状である、
コネクタ。
【請求項6】
請求項5に記載のコネクタであって、
前記ハウジングが有するゲート跡が、前記端子に対して前記第1方向の一方側に寄った位置にある、
コネクタ。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載のコネクタであって、
前記ハウジングが、前記端子における前記ハウジングから露出した端部を収容する端子収容部、
を備え、
前記端子収容部を、相手側のコネクタが覆う形態で装着できる、コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタは、例えば、端子(端子金具)とこれを保持するハウジングとを含んで構成される。コネクタのハウジングは、例えば、端子をインサート品としたインサート成形によって形成される(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-87011号公報
【特許文献2】特開2013-157256号公報
【特許文献3】特開2021-26939号公報
【特許文献4】特開2019-212829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
端子をインサート品としたインサート成形によってハウジングを形成するにあたっては、端子が金型の空洞部分(キャビティ)の定められた位置に配置された状態で、金型に設けられたゲートを通じて、キャビティ内に軟化溶融した樹脂が注入(射出充填)される。このとき、キャビティ内に配置されている端子が、注入された樹脂から力(圧力)を受ける。樹脂から力を受けることで、端子に位置ずれや変形が生じると、アライメント精度が低下するおそれがある。
【0005】
アライメント精度の低下を抑制するために、中子を用いることが考えられる。すなわち、まず、端子をインサート品として1回目のインサート成形を行って、端子を保持する中子(1次成形品)を形成する。その後、中子によって保持された端子をインサート品として2回目のインサート成形を行って、最終的な成形品であるハウジング(2次成形品)を形成する。こうすれば、2回目のインサート成形の際に、端子が中子によって保持された状態となっているので、樹脂から力を受けても端子に位置ずれや変形が生じにくく、アライメント精度が担保されやすい。
【0006】
しかしながら、中子を用いるとなると、インサート成形を2回行わなければならず、工程数の増加が避けられない。また、中子の成形に用いる金型を別途に準備しなければならないのでコストアップも避けられない。さらに、ハウジング内に中子を完全に埋設しなければならないため、最終的な成形品であるハウジングが大型化する可能性もある。
【0007】
そこで、本開示は、中子を用いずとも、アライメント精度の低下を抑制できる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のコネクタは、ケースに取り付けられ、前記ケースの内側に配置される機器と前記ケースの外側に配置される機器とを電気的に接続するコネクタであって、端子と、インサート成形によって前記端子と一体化された樹脂製のハウジングと、を備え、前記端子が、前記ハウジングに埋設される部分の少なくとも一部において、少なくとも1つの角部分が、丸みを帯びたアール形状である、コネクタである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、中子を用いずとも、アライメント精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は実施形態にかかるコネクタを斜め上から見た図である。
図2図2はコネクタを斜め下から見た図である。
図3図3はコネクタを側方から見た図である。
図4図4はコネクタを上から見た図である。
図5図5は端子を斜め下から見た図である。
図6図6はコネクタをフランジの形成位置で切断した図である。
図7図7は金型の側断面を模式的に示す図である。
図8図8は金型の平断面を模式的に示す図である。
図9図9は端子の周囲に形成される樹脂の流れを説明するための模式的な図である。
図10図10はアール形状が設けられない端子の周囲に形成される樹脂の流れを説明するための模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0012】
本開示のコネクタは、次の通りである。
【0013】
(1)ケースに取り付けられ、前記ケースの内側に配置される機器と前記ケースの外側に配置される機器とを電気的に接続するコネクタであって、端子と、インサート成形によって前記端子と一体化された樹脂製のハウジングと、を備え、前記端子が、前記ハウジングに埋設される部分の少なくとも一部において、少なくとも1つの角部分が、丸みを帯びたアール形状である、コネクタである。
【0014】
インサート成形が行われる際には、インサート品である端子が樹脂の流れの中に配置される。端子が、ハウジングに埋設される部分の少なくとも一部において、少なくとも1つの角部分が、丸みを帯びたアール形状であれば、該角部分が直角形状である場合と比べて、樹脂の流れが乱れにくい。このため、端子が受ける圧力抵抗が小さく抑えられる。したがって、端子に位置ずれや変形が生じにくく、中子を用いずとも、アライメント精度の低下を抑制することができる。
【0015】
(2)(1)のコネクタにおいて、前記端子が、前記ハウジングに埋設される部分の途中に設けられた屈曲部を備えてもよい。端子の途中に屈曲部が設けられることで、コネクタの設計の自由度が高まる。
【0016】
(3)(1)または(2)のコネクタにおいて、前記端子が、前記ハウジングに埋設される部分が備える4つの角部分の全てが、アール形状であってもよい。この場合、端子の周方向のいずれの位置から樹脂が流れてきても、樹脂の流れが乱れにくく、端子が受ける圧力抵抗が小さく抑えられる。したがって、アライメント精度の低下が十分に抑制される。
【0017】
(4)(1)から(3)のいずれか1つのコネクタにおいて、前記端子が、前記少なくとも1つの角部分が、前記ハウジングに埋設される部分の全体にわたって、アール形状であってもよい。この場合、端子の延在方向の全体にわたって樹脂の流れが乱れにくい。このため、延在方向の全体にわたって端子が受ける圧力抵抗が小さく抑えられる。したがって、アライメント精度の低下が十分に抑制される。
【0018】
(5)(1)から(4)のいずれか1つのコネクタにおいて、前記端子は、前記ハウジングに埋設される部分の少なくとも一部において、前記端子の延在方向と直交する断面が、第1方向の寸法が、第1方向と直交する第2方向の寸法よりも長い、扁平形状であってもよい。このような端子は、第2方向の寸法に対して第1方向の寸法が増大されることによって、強度(剛性強度)が高められている。したがって、端子に位置ずれや変形が生じにくい。また、第1方向の寸法だけが増大されるので、第1方向から見た面の面積は増大されない。したがって、端子が第1方向から受ける力が増大しにくい。
【0019】
(6)(5)のコネクタにおいて、前記ハウジングが有するゲート跡が、前記端子に対して前記第1方向の一方側に寄った位置にあってもよい。ゲート跡が、端子に対して第1方向の一方側に寄った位置にあるということは、インサート成形の際に、ゲートが、端子に対して、第1方向の一方側に寄った位置にあったことを意味している。この場合、ゲートの位置から見た端子の投影面積が、小さく抑えられる。したがって、第2方向の寸法に対して第1方向の寸法が増大されても、端子が樹脂から受ける力が増大しにくい。
【0020】
(7)(1)から(6)のいずれか1つのコネクタにおいて、前記ハウジングが、前記端子における前記ハウジングから露出した端部を収容する端子収容部、を備え、前記端子収容部を、相手方のコネクタが覆う形態で装着できてもよい。この場合、コネクタの使用範囲が広がる。
【0021】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0022】
[実施形態]
<1.コネクタの全体構成>
以下、実施形態に係るコネクタ100について、図1図4を参照しながら説明する。図1は、コネクタ100を斜め上から見た図である。図2は、コネクタ100を斜め下から見た図である。図3は、コネクタ100を側方から見た図である。図4は、コネクタ100を上から見た図である。なお、ここでは、コネクタ100がケース200に取り付けられた状態において、ケース200の内側に配置される側を「上」と呼び、ケース200の外側に配置される側を「下」と呼んでいる。これは説明の便宜のためのものであり、コネクタ100の使用姿勢などを規定するものではない。
【0023】
コネクタ100は、2つの機器を電気的に接続する。具体的には、コネクタ100は、ケース200に取り付けられて、ケース200の内側に配置される機器(図示省略)と、外側に配置される機器(図示省略)とを、電気的に接続する。このようなコネクタ100は、中継コネクタとも呼ばれる。コネクタ100が取り付けられるケース200として、内部にオイル(例えば、潤滑、冷却、などのためのオイル)が封入されるケース(一例として、自動車などの車両のトランスミッションのケース)が、想定される。
【0024】
コネクタ100は、ハウジング1と、複数(図の例では2個)のバスバー2と、複数(図の例では13個)の端子(金属端子)3とを備える。
【0025】
(ハウジング1)
ハウジング1は、インサート成形によって、複数のバスバー2および複数の端子3と一体化された、樹脂製の部材である。ハウジング1の形成材料として、各種の樹脂を用いることができる。一例として、PPS(ポリフェニレンスルファイド)を、ハウジング1の形成材料として用いることができる。
【0026】
ハウジング1は、隔壁部11と、フランジ12と、2つのバスバー収容部(第1バスバー収容部13aおよび第2バスバー収容部13b)と、2つの端子収容部(第1端子収容部14aおよび第2端子収容部14b)とを備える。
【0027】
隔壁部11は、ケース200に設けられた取付穴201に挿入される部分である。取付穴201は、平面視にて例えば円形状であり、この場合、隔壁部11は円柱状である。隔壁部11の外周面には、円環状のシール部材4が設けられている。シール部材4は、例えばOリング(円環状のパッキン)により形成される。隔壁部11が取付穴201に挿入された状態において、シール部材4によって、隔壁部11と取付穴201との間がシールされる。隔壁部11には、各バスバー2および各端子3の延在方向の一部分が、埋設される。すなわち、各バスバー2および各端子3は、各々の延在方向の一部分が隔壁部11に埋設されることによって、隔壁部11と一体化されている。
【0028】
フランジ12は、隔壁部11の一端(上端)に設けられる。フランジ12は、隔壁部11の周方向の外方に張り出す、一対の張り出し部121,121を備える。一対の張り出し部121,121は、互いに対向する位置に設けられる。各張り出し部121には、貫通孔122が形成されており、そこに円筒状のカラー123がはめ込まれている。隔壁部11が取付穴201に上側から挿入されると、フランジ12の下面がケース200に当接する。この状態において、各カラー123の筒内部にボルト(図示省略)が挿通され、該ボルトが、ケース200に設けられたねじ孔202にねじ込まれる。これによって、コネクタ100が、ケース200に固定される。
【0029】
第1バスバー収容部13aおよび第1端子収容部14aは、隔壁部11の一方側(上側)の端面10a、すなわち、コネクタ100がケース200に取り付けられた状態において、ケース200の内側に配置される端面10aに、設けられる。第1バスバー収容部13aは、例えば、平面視にてU字型の枠状である。また、第1端子収容部14aは、例えば筒状(一例として、平面視にて長方形状の筒状)である。後に説明するように、第1バスバー収容部13aには、各バスバー2の端部21a(隔壁部11の上側の端面10aから露出した端部21a)が収容され、第1端子収容部14aには、各端子3の端部31a(隔壁部11の上側の端面10aから露出した端部31a)が収容される。
【0030】
第2バスバー収容部13bおよび第2端子収容部14bは、隔壁部11の他方側(下側)の端面10b、すなわち、コネクタ100がケース200に取り付けられた状態において、ケース200の外側に配置される端面10bに、設けられる。第2バスバー収容部13bは、例えば筒状(一例として、平面視にて長方形状の筒状)である。また、第2端子収容部14bも、例えば筒状(一例として、平面視にて長方形状の筒状)である。後に説明するように、第2バスバー収容部13bには、各バスバー2の端部21b(隔壁部11の下側の端面10bから露出した端部21b)が収容され、第2端子収容部14bには、各端子3の端部31b(隔壁部11の下側の端面10bから露出した端部31b)が収容される。
【0031】
上記のとおり、ハウジング1は、インサート成形によって形成される。このため、ハウジング1には、その形成に用いられる金型7のゲート73と対応する位置に、ゲート跡15が形成され得る。例えば、ゲート73が、フランジ12の周壁における、第1端子収容部14a側の張り出し部121の先端を成形する部分に設けられる場合(図8)、ゲート跡15は、フランジ12の周壁であって、第1端子収容部14a側の張り出し部121の先端部分に現れる。
【0032】
(バスバー2)
各バスバー2は、端子金具であり、例えば、金属板材をプレス加工することにより形成される。バスバー2の形成材料として、各種の金属を用いることができる。一例として、銅、銅合金、アルミニウム、あるいは、アルミニウム合金を、バスバー2の形成材料として用いることができる。
【0033】
各バスバー2は、延在方向の一部分が隔壁部11に埋設されることによって、互いに絶縁された状態で、上下に延在する姿勢で保持される。
【0034】
各バスバー2の上側の端部21aは、隔壁部11の上側の端面10aから露出して、第1バスバー収容部13a内に配置(収容)される。第1バスバー収容部13aに収容されたバスバー2の端部21aは、相手方と接続される接続部としての役割を担う。
【0035】
各バスバー2の下側の端部21bは、隔壁部11の下側の端面10bから露出して、第2バスバー収容部13b内に配置(収容)される。ただし、隔壁部11の下側の端面10bから露出するバスバー2の基端部分と、第2バスバー収容部13bの内壁部分との間には、ポッティング材5が設けられる。ポッティング材5が設けられることによって、隔壁部11に埋設されているバスバー2を伝ってオイルが漏洩することが防止される。ポッティング材5から露出したバスバー2の端部21bは、相手方と接続される接続部としての役割を担う。
【0036】
(端子3)
各端子3は、端子金具であり、例えば、金属板材、金属棒、あるいは、金属線、などを、プレス加工、曲げ加工、などすることによって形成される。端子3の形成材料として、各種の金属を用いることができる。一例として、銅、銅合金、アルミニウム、あるいは、アルミニウム合金を、端子3の形成材料として用いることができる。
【0037】
各端子3は、延在方向の一部分が隔壁部11に埋設されることによって、互いに絶縁された状態で、上下に延在する姿勢で保持される。なお、複数の端子3の配列態様はどのようなものであってもよい。例えば、1以上の端子3が、第1配列方向に沿って配列されて1つの端子列を形成し、1以上の端子列が、第1配列方向と直交する第2配列方向に沿って配列されてもよい。図の例では、6個の端子3が第1配列方向に沿って配列されて第1端子列Q1を形成し、7個の端子3が第1配列方向に沿って配列されて第2端子列Q2を形成する(図4)。そして、2つの端子列Q1,Q2が、第1配列方向と直交する第2配列方向に沿って配列される。
【0038】
各端子3の上側の端部31aは、隔壁部11の上側の端面10aから露出して、第1端子収容部14a内に配置(収容)される。第1端子収容部14aに収容された端子3の端部31aは、相手方と接続される接続部としての役割を担う(以下、この端部31aを第1接続部31aともいう)。
【0039】
各端子3の下側の端部31bは、隔壁部11の下側の端面10bから露出して、第2端子収容部14b内に配置(収容)される。ただし、隔壁部11の下側の端面10bから露出する端子3の基端部分と、第2端子収容部14bの内壁部分との間には、ポッティング材6が設けられる。ポッティング材6が設けられることによって、隔壁部11に埋設されている端子3を伝ってオイルが漏洩することが防止される。ポッティング材6から露出した端子3の端部31bは、相手方と接続される接続部としての役割を担う(以下、この端部31bを第2接続部31bともいう)。
【0040】
<2.コネクタの使用の態様>
上記のような構成を備えるコネクタ100では、第1バスバー収容部13aおよびここに収容されたバスバー2の端部21aを含んで第1内側コネクタ20aが形成され、第2バスバー収容部13bおよびここに収容されたバスバー2の端部21bを含んで第1外側コネクタ20bが形成される。また、第1端子収容部14aおよびここに収容された端子3の第1接続部31aを含んで第2内側コネクタ30aが形成され、第2端子収容部14bおよびここに収容された端子3の第2接続部31bを含んで第2外側コネクタ30bが形成される。
【0041】
第1内側コネクタ20aには、例えば、ケース200の内側に配策される電線が接続される。具体的には例えば、第1バスバー収容部13a内に配置されたバスバー2の端部21aに、ケース200の内側に配策される電線の端部(具体的には、電線の端部に設けられた金属製の端子)が接続される。第1バスバー収容部13a内(平面視にてU字型の枠の内部)には、仕切りが設けられることによって電線収容空間が形成されており、ここに、バスバー2の端部21aと接続された電線の端部およびその近傍が収容される。さらに、第1バスバー収容部13aの上側の開口には、第1バスバー収容部13a内に収容されているバスバー2の端部21aおよび電線の端部を覆うように、カバー101(図4)が配設される。カバー101によって、第1バスバー収容部13aの上側の開口からオイルやホコリなどが侵入することが防止される。カバー101は、例えば、樹脂(一例として、ポリアミド樹脂)により形成される。
【0042】
第1外側コネクタ20bには、例えば、ケース200の外側に配置される機器のコネクタが装着される。第1内側コネクタ20aに電線が接続されるとともに、第1外側コネクタ20bに機器のコネクタが装着されることによって、該電線と該機器とが、バスバー2を介して電気的に接続される。
【0043】
第2内側コネクタ30aには、例えば、ケース200の内側に配置される機器のコネクタ300(図4)が装着される。ここでは、第2内側コネクタ30a(具体的には、第1端子収容部14a)に、相手方のコネクタ300が、収まるコネクタ形態、及び、第2内側コネクタ30aを覆うコネクタ形態のいずれであっても装着できるように、構成されている。つまり、第1端子収容部14aに、収るタイプ(内装タイプ)のコネクタ、および、覆うタイプ(外装タイプ)のコネクタのいずれであっても装着できるように、第1端子収容部14aの外壁と、第1バスバー収容部13aの外壁(ここにカバー101が配設される場合、カバー101の外壁)との間の離間距離Tが、十分に大きな寸法(少なくとも、覆うタイプのコネクタ300のハウジングの厚みよりも大きな寸法)とされている(図4)。この離間距離Tを確保するために、コネクタ100では、第1端子収容部14aは、上方から見て第2端子収容部14bと重なるような位置から、第1バスバー収容部13aから離れる方向に移動した位置に、設けられる(図3)。このため、各端子3は、途中で曲がった形状(すなわち、第1接続部31aと第2接続部31bとが上方から見て重ならない位置にある形状)となっている。
【0044】
第2外側コネクタ30bには、ケース200の外側に配置される機器のコネクタが装着される。第2内側コネクタ30aおよび第2外側コネクタ30bの各々に機器のコネクタが装着されることによって、ケース200の内側と外側にそれぞれ配置される機器同士が、端子3を介して電気的に接続される。
【0045】
<3.端子>
次に、端子3について、図1図4に加え、図5図6を参照しながらより具体的に説明する。図5は、端子3を斜め下から見た図である。図6は、コネクタ100をフランジ12の形成位置で切断した断面図である。
【0046】
端子3は、第1接続部31aと、第2接続部31bと、それらの間に設けられた中央部分32とを備える。上記のとおり、第1接続部31aは、隔壁部11の上側の端面10aから露出して、第1端子収容部14a内に配置される。また、第2接続部31bは、ポッティング材6から露出して、第2端子収容部14b内に配置される。中央部分32は、第2接続部31bと連なる下端の近傍部分322を除く部分321が、隔壁部11に埋設される。中央部分32の下端の近傍部分322は、隔壁部11から露出しつつ、第2端子収容部14b内に充填されるポッティング材6に埋設される。以下において、中央部分32における隔壁部11に埋設される部分を「埋設部分321」と呼び、隔壁部11から露出してポッティング材に埋設される部分を「封止部分322」と呼ぶ。
【0047】
各接続部31a,31bは、上下に沿って直線状に延在する。上記のとおり、各接続部31a,31bは、上方から見て重ならない位置にある。したがって、中央部分32は、途中で曲がった形状とされる。具体的には、埋設部分321の途中に、屈曲した部分(屈曲部)Bが設けられる。一例として、埋設部分321の上端近傍の位置に、第1の屈曲部Bが設けられ、それよりも下方の位置に、第2の屈曲部Bが設けられる。つまり、埋設部分321は、第1接続部31aと連なる上端よりも僅かに下側の位置に設けられた第1の屈曲部Bで屈曲して、斜め下に延在し(第1部分321a)、第2の屈曲部Bで再び屈曲して、下方に延在し(第2部分321b)、下端において封止部分322と連なる。第2部分321b、封止部分322、および、第2接続部31bは、同一の直線上に延在する。
【0048】
端子3は、埋設部分321の少なくとも一部において、少なくとも1つの角部分が、丸みを帯びたアール形状Rである。ここでは、端子3は、埋設部分321が、4つの角部分を備えており、該4つの角部分の全てが、アール形状Rである。また、ここでは、端子3は、各角部分が、埋設部分321の全体にわたって、アール形状Rである。アール形状Rは、適宜のアール加工によって形成される。一例として、アール形状Rは、丸み付けを行うための金型を用いたプレス加工によって形成される。
【0049】
端子3は、埋設部分321の少なくとも一部において、端子3の延在方向と直交する断面(横断面)が、第1方向D1の寸法d1が、第1方向D1と直交する第2方向D2の寸法d2よりも長い、扁平形状である。ここでは、端子3は、埋設部分321の全体にわたって、横断面が扁平形状である。
【0050】
ここでは、ゲート跡15は、端子3に対して、第1方向D1(すなわち、端子3の横断面において相対的に長い寸法とされる第1方向D1)の一方側に寄った位置にある。つまり、端子3は、第1方向D1の一方側に寄った位置にゲート跡15が現れるような姿勢(すなわち、端子3の横断面の幾何学中心とゲート跡15の中心とを結ぶ方向に対して、第1方向D1が直交しないような姿勢)とされる。
【0051】
<4.ハウジングの形成>
次に、インサート成形によってハウジング1を形成する態様について、図7図8を参照しながら説明する。図7は、ハウジング1の形成に用いられる金型7を、下型72の端子保持部721の位置で切断したときの側断面を模式的に示す図である。図8は、金型7をゲート73の形成位置で切断したときの平断面を模式的に示す図である。
【0052】
金型7は、例えば、上型71と下型72とを含んで構成される。上型71と下型72の当接面は、例えば、フランジ12の下面に相当する高さに規定される。つまり、上型71はフランジ12およびこれよりも上側の部分を成形し、下型72はフランジ12よりも下側の部分を成形する。金型7(ここでは、例えば上型71)には、樹脂の注入口となるゲート73が設けられている。ゲート73は、例えば、フランジ12の周壁における、第1端子収容部14a側の張り出し部121の先端を成形する部分に設けられる。
【0053】
ハウジング1を成形するにあたっては、まず、インサート品である複数の端子3が、金型7内にセット(インサート)される。具体的には例えば、各端子3は、まず、第2接続部31bと封止部分322とが、下型72に設けられた凹状の端子保持部721内に収容された状態とされる。その後、上型71が下降されて、各端子3は、第1接続部31aが、上型71に設けられた凹状の端子保持部711内に収容された状態とされる。これによって、各端子3の埋設部分321が、金型7の空洞部分(キャビティ)70内の定められた位置に、配置される。なお、金型7内には、複数の端子3だけでなく、複数のバスバー2もセットされる。
【0054】
その後、ゲート73を通じて、軟化溶融した樹脂がキャビティ70内に注入される。樹脂は、ゲート73から高圧で射出される。ゲート73から射出された樹脂は、最初は、主に側方に流れ、主として隔壁部11が形成されていく(図8の矢印M)。注入が進むにつれて、樹脂は上下方向にも流れて、第1端子収容部14a、第1バスバー収容部13a、第2端子収容部14b、および、第2バスバー収容部13bが、主としてこの順序で(実際は概ね並行に)、形成されていく。
【0055】
所定時間をかけて、樹脂がキャビティ70の全体に充填されると、樹脂の硬化が待たれる。樹脂が硬化することで、バスバー2および端子3と一体化されたハウジング1が成形される。その後、上型71が上昇されて(型開き)、ハウジング1が取り出される。
【0056】
<5.樹脂の流れと端子の形状>
上記のとおり、インサート成形によってハウジング1を形成するにあたっては、端子3が配置されているキャビティ70内に、ゲート73を通じて、軟化溶融した樹脂が注入される。つまり、樹脂の流れの中に、端子3が配置される。
【0057】
樹脂には粘性があるため、樹脂の流れの中に物体が配置されていると、該物体の表面の近傍において流れが減速し、物体の表面に沿うどこかのポイントで、物体の表面に沿うことができずに剥がれてしまう場合がある(いわゆる、流れの剥離)。流れの剥離が生じると、その下流側で流れの乱れ(渦、逆流、など)が生じ、圧力が低下する。このため、物体の正面(樹脂の流れに対して上流側の面)と背面(樹脂の流れに対して下流側の面)と間の圧力差が大きくなり、物体が受ける圧力抵抗が大きくなる。
【0058】
仮に、樹脂の流れの中に配置されている物体が、アール形状Rが設けられない端子9、すなわち、角部分が直角形状Eである端子9であるとする(図10)。この場合、端子9に向かう樹脂の流れが、端子9における、直角形状Eである角部分で、大きく剥離される。流れの剥離が大きいほど、流れの乱れが大きくなり、端子9が受ける圧力抵抗(ひいては、端子9の応力)は大きくなる。
【0059】
これに対し、樹脂の流れの中に配置されている物体が、角部分がアール形状Rである端子3の場合(図9)、流れの剥離は、該角部分が直角形状Eである場合に比べて、小さく抑えられる。つまり、樹脂の流れが乱れにくい。したがって、端子3が受ける圧力抵抗(ひいては、端子3の応力)は、角部分が直角形状Eである場合よりも小さくなる。このため、端子3に位置ずれや変形が生じにくく、アライメント精度の低下が抑制される。
【0060】
<6.効果等>
以上のように構成されたコネクタ100は、ケース200に取り付けられ、ケース200の内側に配置される機器とケース200の外側に配置される機器とを電気的に接続するコネクタ100であって、端子3と、インサート成形によって端子3と一体化された樹脂製のハウジング1と、を備える。端子3は、ハウジング1に埋設される部分(埋設部分)321の少なくとも一部において、少なくとも1つの角部分が、丸みを帯びたアール形状Rである。
【0061】
インサート成形が行われる際には、インサート品である端子3が樹脂の流れの中に配置される。端子3が、埋設部分321の少なくとも一部において、少なくとも1つの角部分が、アール形状Rであれば、該角部分が直角形状Eである場合と比べて、樹脂の流れが乱れにくい。このため、端子3が受ける圧力抵抗(ひいては、端子3の応力)が小さく抑えられる。したがって、端子3に位置ずれや変形が生じにくく、中子を用いずとも、アライメント精度の低下を抑制することができる。
【0062】
中子を用いる必要がないため、インサート成形を2回行う必要がない。また、中子の成形に用いる金型を別途に準備する必要もない。したがって、端子3にアール形状Rを設けるためのアール加工にかかる工程を差し引いても、中子を用いる場合に比べて、総工程数が少なくてすむ。また、アール加工にかかる費用を差し引いても、中子を用いる場合に比べて、製造コストの低下が見込まれる。
【0063】
また、中子が用いられる場合、ハウジング内に中子を完全に埋設しなければならないため、ハウジングが大型化する可能性がある。ハウジングが大型化すると、ケース200に設けられる取付穴201の拡大が必要になる可能性もある。中子が用いられない場合、ハウジング1の大型化も不要であり、当然のことながら、取付穴201の拡大も不要である。
【0064】
さらに、中子が用いられる場合、2回目のインサート成形において、中子の周辺に十分な厚みの樹脂層を形成しないと、ハウジングの強度を担保できない虞がある。ところが、樹脂層の厚みが大きくなるにつれて、ボイドが発生しやすくなってしまう。したがって、これらのバランスをとることができる成形条件を試行錯誤により決定しなければならない。中子が用いられない場合は、成形条件を決定するにあたって、これらの事情を考慮する必要がない。
【0065】
また、端子3が、埋設部分321の少なくとも一部において、少なくとも1つの角部分が、アール形状Rであれば、端子3が受ける圧力抵抗(ひいては、端子3の応力)が小さく抑えられるのに加え、端子3の応力が分散されるという利点も得られる。したがって、端子3に、局所的に大きな応力が残留する、といった事態が生じにくい。したがって、残留した応力(残留応力)に起因するアライメント精度の低下(例えば、ポッティング材6が硬化する際に、クリープ現象によって端子に位置ずれや変形が生じ、アライメント精度が低下する、と言った事態)が、生じにくい。
【0066】
また、コネクタ100では、端子3が、埋設部分321の途中に設けられた屈曲部Bを備える。端子3の途中に屈曲部Bが設けられることで、コネクタ100の設計の自由度が高まる。例えば、端子3の途中に屈曲部Bが設けられることで、端子3の各端部(接続部)31a,31bを、端子3の一端側から見て互いに重ならない位置に、配置することができる。したがって、例えば、第1端子収容部14aを、上方から見て第2端子収容部14bと重なるような位置から、第1バスバー収容部13aから離れる方向に移動した位置に、設けることが可能となる。これにより、第2内側コネクタ30aを覆うコネクタを装着できる程度の離間距離Tを、第1端子収容部14aの外壁と第1バスバー収容部13a(ここにカバー101が配設される場合、カバー101の外壁)との間に、確保することができる。すなわち、相手方のコネクタ300が第2内側コネクタ30aを覆う形態で装着できるようなコネクタ100を、得ることができる。
【0067】
その一方で、端子3の途中に屈曲部Bが設けられると、アライメント精度が低下しやすくなる可能性がある。これは、屈曲部Bが設けられるために、端子3の剛性強度が低下し、端子3が樹脂の流れの中に配置されたときに、端子3に位置ずれや変形が生じやすくなるためと考えられる。しかしながら、上記のとおり、端子3が、埋設部分321の少なくとも一部において、少なくとも1つの角部分が、アール形状Rであれば、端子3が受ける圧力抵抗が小さく抑えられる。したがって、剛性強度が比較的低い端子3であっても、アライメント精度が低下しにくい。つまり、端子3が、埋設部分321の少なくとも一部において、少なくとも1つの角部分が、アール形状Rであることで、中子を用いずとも、屈曲部Bが設けられることに伴うアライメント精度の低下を抑制することができる。
【0068】
また、コネクタ100においては、端子3が、埋設部分321が備える4つの角部分の全てがアール形状Rである。この場合、端子3の周方向のいずれの位置から樹脂が流れてきても、樹脂の流れが乱れにくく、端子3が受ける圧力抵抗が小さく抑えられる。したがって、端子3がどの方向にも位置ずれしにくく、アライメント精度の低下が十分に抑制される。
【0069】
また、コネクタ100においては、端子3が、少なくとも1つの角部分が、埋設部分321の全体にわたってアール形状Rである。この場合、端子3の延在方向の全体にわたって樹脂の流れが乱れにくい。このため、延在方向の全体にわたって端子3が受ける圧力抵抗が小さく抑えられる。したがって、アライメント精度の低下が十分に抑制される。
【0070】
また、コネクタ100において、端子3は、埋設部分321の少なくとも一部において、端子3の延在方向と直交する断面(横断面)が、第1方向D1の寸法d1が、第1方向D1と直交する第2方向D2の寸法d2よりも長い、扁平形状である。このような端子3は、第2方向D2の寸法d2に対して第1方向D1の寸法d1が増大されることによって、強度(剛性強度)が高められている。したがって、端子3に位置ずれや変形が生じにくい。また、第1方向D1の寸法d1だけが増大されるので、第1方向D1から見た面の面積は増大されない。したがって、端子3が第1方向D1から受ける力が増大しにくい。このため、端子3に位置ずれや変形が生じにくく、アライメント精度の低下が抑制される。
【0071】
また、コネクタ100では、ハウジング1が有するゲート跡15が、端子3に対して第1方向D1(すなわち、端子3の横断面において相対的に長い寸法とされる第1方向D1)の一方側に寄った位置にある。ゲート跡15が、端子3に対して第1方向D1の一方側に寄った位置にあるということは、インサート成形の際に、ゲート73が、端子3に対して、第1方向D1の一方側に寄った位置にあったことを意味している。図9に示されるように、端子3に対して第1方向D1の一方側に寄った位置Paから見た端子3の投影面積Aaは、端子3に対して第1方向D1の一方側に寄らない位置Pbから見た端子3の投影面積Abよりも、小さい。つまり、ゲート73が、端子3に対して第1方向D1の一方側に寄った位置にある場合、ゲート73の位置から見た端子3の投影面積Aaが、小さく抑えられる。したがって、第2方向D2の寸法に対して第1方向D1の寸法が増大されても、端子3が樹脂から受ける力が増大しにくい。このため、端子3に位置ずれや変形が生じにくく、アライメント精度の低下が抑制される。
【0072】
また、コネクタ100においては、ハウジング1が、端子3におけるハウジング1から露出した端部(第1接続部31a)を収容する端子収容部(第1端子収容部14a)を備え、第1端子収容部14aを備える第2内側コネクタ30aには、相手方のコネクタ300が覆う形態で装着できる。相手方のコネクタ300として、第1端子収容部14aに収まるコネクタだけでなく、第2内側コネクタ30aを覆う形態のコネクタも許容されることで、コネクタ100の使用範囲が広がる。
【0073】
[変形例]
上記の実施形態において、埋設部分321が備える複数の角部分のうちの一部の角部分がアール形状Rであり、残りの角部分がアール形状R以外の形状(例えば、直角形状E)であってもよい。例えば、4つの角部分のうちの2つの角部分がアール形状Rであり、残りの2つの角部分が直角形状Eであってもよい。
【0074】
上記の実施形態において、埋設部分321が備える角部分の少なくとも一つが、埋設部分321の延在方向の一部分においてアール形状Rであり、残りの部分がアール形状R以外の形状(例えば、直角形状E)であってもよい。
【0075】
上記の実施形態において、端子3は、埋設部分321の延在方向の一部分において、横断面が扁平形状であり、残りの部分において、横断面が扁平形状以外の形状(例えば、円形状、正方形状、など)であってもよい。
【0076】
上記の実施形態において、端子3は、中央部分32の全体にわたって、横断面が同じ形状(例えば合同)であってもよい。例えば、端子3の少なくとも一つの角部分が、埋設部分321および封止部分322の全体にわたって、アール形状Rであってもよい。また、埋設部分321および封止部分322の全体にわたって、横断面が扁平形状であってもよい。端子3の横断面が、中央部分32の全体にわたって同じ形状であれば、端子3の全体形状が単純化されるので、端子3の製造工程が簡素化される。
【0077】
上記の実施形態において、端子3は、必ずしも屈曲部Bを備えなくともよい。すなわち、端子3は直線形状であってもよい。
【0078】
上記の実施形態において、端子3が屈曲される方向はどのようなものであってもよい。例えば、端子3は、横断面において相対的に短い寸法とされる第2方向D2に屈曲されてもよいし(図5)、横断面において相対的に長い寸法とされる第1方向D1に屈曲してもよい。また例えば、端子3は、配列方向に屈曲されてもよいし、配列方向と交差する方向に屈曲されてもよい。
【0079】
上記の実施形態において、端子3の横断面の幾何学中心とゲート跡15の中心とを結ぶ方向に対して、第1方向D1がなす角度(狭角)は、45°以下であることが好ましく、30°以下であることが特に好ましい。該角度が十分に小さいことで、ゲート73の位置から見た端子3の投影面積Aaが、十分小さく抑えられる。ひいては、端子3が樹脂から受ける力が、十分小さく抑えられ、アライメント精度の低下が抑制される。
【0080】
上記の実施形態に係るコネクタ100において、各バスバー2および各バスバー収容部13a,13bは、省略されてもよい。
【0081】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 ハウジング
11 隔壁部
12 フランジ
121 張り出し部
122 貫通孔
123 カラー
13a 第1バスバー収容部
13b 第2バスバー収容部
14a 第1端子収容部
14b 第2端子収容部
15 ゲート跡
10a 上側の端面
10b 下側の端面
2 バスバー
21a 上側の端部
21b 下側の端部
3 端子
31a 第1接続部
31b 第2接続部
32 中央部分
321 埋設部分
321a 第1部分
321b 第2部分
322 封止部分
4 シール部材
5,6 ポッティング材
20a 第1内側コネクタ
20b 第1外側コネクタ
30a 第2内側コネクタ
30b 第2外側コネクタ
7 金型
70 キャビティ
71 上型
72 下型
73 ゲート
100 コネクタ
101 カバー
200 ケース
300 コネクタ
B 屈曲部
R アール形状
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10