(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123377
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】施工設定装置およびこれを備えた全館空調システム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/48 20180101AFI20240905BHJP
F24F 11/30 20180101ALI20240905BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20240905BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20240905BHJP
F24F 11/54 20180101ALI20240905BHJP
F24F 140/40 20180101ALN20240905BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20240905BHJP
【FI】
F24F11/48
F24F11/30
F24F11/64
F24F11/89
F24F11/54
F24F140:40
F24F110:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030726
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】久野 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】小原 大治
(72)【発明者】
【氏名】松浦 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】森寺 峻義
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA01
3L260AA02
3L260AB07
3L260BA71
3L260CA11
3L260CA12
3L260CB55
3L260DA15
3L260EA07
3L260FA01
3L260FB41
3L260HA01
3L260JA18
3L260JA24
(57)【要約】
【課題】各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けの設定の効率化および設定ミスの防止を実現可能な施工設定装置を提供する。
【解決手段】施工図面の画像を取得する画像取得部101と、各部屋2の情報である部屋情報を画像から識別する部屋情報識別部103と、各部屋2への空気の搬送量を制御する各ダンパ5の情報であるダンパ情報を画像から識別するダンパ情報識別部104と、各部屋2の温度を検出する各温度センサ11の情報である温度センサ情報を画像から識別する温度センサ情報識別部105と、部屋情報とダンパ情報と温度センサ情報とに基づいて、各部屋2と各ダンパ5および各温度センサ11との対応付けの設定を行う設定部107と、を備える。これにより、上記課題を解決するものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調された空調室の空気を各部屋に搬送する全館空調システムの施工設定装置であって、施工図面の画像を取得する画像取得部と、
前記各部屋の情報である部屋情報を前記画像から識別する部屋情報識別部と、
前記各部屋への空気の搬送量を制御する各ダンパの情報であるダンパ情報を前記画像から識別するダンパ情報識別部と、
前記各部屋の温度を検出する各温度センサの情報である温度センサ情報を前記画像から識別する温度センサ情報識別部と、
前記部屋情報と前記ダンパ情報と前記温度センサ情報とに基づいて、前記各部屋と前記各ダンパおよび前記各温度センサとの対応付けの設定を行う設定部と、を備える施工設定装置。
【請求項2】
前記部屋情報識別部は、
部屋の区域と前記区域に対応する部屋名称とを前記画像から識別し、前記識別された前記部屋名称と前記部屋名称に対応する区域とを関連付けて前記部屋情報とし、
前記ダンパ情報識別部は、
ダンパと前記ダンパに対応するダンパ名称とを前記画像から識別し、前記識別された前記ダンパと前記ダンパに対応するダンパ名称とを関連付けて前記ダンパ情報とし、
前記温度センサ情報識別部は、
温度センサと前記温度センサに対応するセンサ名称とを前記画像から識別し、前記識別された前記温度センサと前記温度センサに対応するセンサ名称とを関連付けて前記温度センサ情報とする請求項1に記載の施工設定装置。
【請求項3】
前記設定部は、
前記ダンパ名称と前記部屋名称との対応付け、および、前記センサ名称と前記部屋名称との対応付けを行うことで、各部屋名称と当該各部屋名称に対応する前記ダンパ名称および前記センサ名称の関連付けの設定を行う請求項2に記載の施工設定装置。
【請求項4】
前記設定部は、
前記部屋名称に対応する区域内に存在する前記ダンパのダンパ名称、または、前記部屋名称に対応する区域内に存在する吹出口に対応する前記ダンパのダンパ名称、と当該部屋名称との対応付けを行い、
前記部屋名称に対応する区域内に存在する前記温度センサのセンサ名称と当該部屋名称との対応付けを行う請求項3に記載の施工設定装置。
【請求項5】
請求項1に記載の施工設定装置によって対応付けられた前記各部屋と前記各ダンパおよび前記各温度センサとの対応付けに基づいて、前記各部屋の調温制御を行う全館空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施工設定装置およびこれを備えた全館空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数個の部屋を備えた高断熱・高気密住宅において、少なくとも1つの空調室を独立して設けて空調室内の空調を制御し、当該空調室と各部屋を連結する給気ダクトを備え、各部屋に配置されたコントローラにより空調室内空気を個別に分配給する換気空調システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような換気空調システムにおいて、例えば、空調室の空調に家庭用のエアコンディショナーを使用し、各部屋を搬送ダクトで接続することによって、全館空調を可能とする全館空調システムが構成される。このような全館空調システムでは、複数の部屋それぞれに対応して温度センサが設けられ、空調室と各部屋とをそれぞれ連結する搬送ダクトには、対応する部屋への風路の開度を調節するダンパが設けられる。そして、各温度センサにおいて取得した部屋温度をもとに、各ダンパの開度を調節することによって、各部屋の温度を調節することができる。このような制御を可能とするためには、各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けの設定を行う必要がある。従来、各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けの設定は施工図面を基に施工者の手作業によりなされるため、設定に時間がかかる、設定ミスが発生する可能性がある等の課題を有していた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであり、各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けの設定の効率化および設定ミスの防止を実現可能な施工設定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の施工設定装置は、空調された空調室の空気を各部屋に搬送する全館空調システムの施工設定装置であって、施工図面の画像を取得する画像取得部と、各部屋の情報である部屋情報を画像から識別する部屋情報識別部と、各部屋への空気の搬送量を制御する各ダンパの情報であるダンパ情報を画像から識別するダンパ情報識別部と、各部屋の温度を検出する各温度センサの情報である温度センサ情報を画像から識別する温度センサ情報識別部と、部屋情報とダンパ情報と温度センサ情報とに基づいて、各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けの設定を行う設定部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けの設定の効率化および設定ミスの防止を実現可能な施工設定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る全館空調システムのシステム概略図である。
【
図2】本実施の形態に係る施工図面の画像の一例を示した図である。
【
図3】本実施の形態に係る施工設定装置の概略機能ブロック図である。
【
図4】本実施の形態に係る設定部により設定された、各部屋名称と当該各部屋名称に対応するダンパ名称およびセンサ名称の関連付けの設定内容を示した図である。
【
図5】本実施の形態に係る制御の流れを示すフローチャートである。
【
図6】変形例に係る施工図面の画像の別の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。よって、以下の実施の形態で示される、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。従って、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0011】
(実施の形態)
まず、本実施の形態における全館空調システムについて説明する。全館空調システムは、複数個の部屋を備えた住宅において、少なくとも1つの空調室を独立して設けて空調室内の空調を制御し、空調された空調室の空気を各部屋に搬送する。
図1は、本実施の形態に係る全館空調システムのシステム概略図である。
【0012】
全館空調システムは、外気導入ファン6、搬送ファン3、搬送ダクト55、分岐チャンバ4、分岐搬送ダクト56と総称される第1分岐搬送ダクト56a~第4分岐搬送ダクト56d、吹出口7と総称される第1吹出口7a~第4吹出口7d、ダンパ5と総称される第1ダンパ5a~第4ダンパ5d、空調機9、空調室温度センサ14、部屋温度センサ11と総称される第1部屋温度センサ11a~第4部屋温度センサ11d、およびシステムコントローラ10を含む。
【0013】
全館空調システムは、住宅200内に設置される。住宅200は、部屋2と総称される複数(本実施の形態では4つ)の第1部屋2a~第4部屋2dに加え、部屋2と独立した少なくとも1つの空調室18を有する。ここで住宅とは、居住者がプライベートな生活を営む場として提供された住居であり、一般的な構成として部屋2にはリビング、ダイニング、キッチン、LDK(リビングダイニングキッチン)、寝室、個室、子供部屋等が含まれる。また全館空調システムにより温風または冷風が提供される部屋にトイレ、浴室、洗面所、脱衣所等が含まれてもよい。
【0014】
空調室18は、外気導入ファン6により外気を空調室18内に取り込む。空調室18の空気は、空調室18内に設けられた空調機9によって温度が制御され、すなわち空調されて、部屋2に搬送すべき空気が生成される。ここで、空調室18は、空調機9が配置でき、各部屋2の空調をコントロールできる一定の広さを備えた空間を意味するが、居住空間を意図するものではなく、基本的に居住者が滞在する部屋を意味するものではない。空調室18にて空調された空気は、搬送ファン3、搬送ダクト55、分岐チャンバ4、ダンパ5、および分岐搬送ダクト56により第1部屋2a~第4部屋2dに搬送される。
【0015】
外気導入ファン6は、住宅200の室内に外気を取り込むファンであり、給気ファンや
熱交換気扇の給気機能等が該当する。上述した通り、外気導入ファン6により取り込まれた外気は、空調室18内に導入される。外気導入ファン6の給気風量は、例えば複数段階で設定可能に構成されている。
【0016】
搬送ファン3は、例えば空調室18の壁面に設けられ、空調室18にて空調された空気を搬送する。搬送ファン3には、空調室18にて空調された空気を搬送するための搬送ダクト55が接続される。
【0017】
搬送ダクト55は、例えば天井裏などに設けられた分岐チャンバ4まで延びて、分岐チャンバ4において第1分岐搬送ダクト56aから第4分岐搬送ダクト56dに分岐される。第1分岐搬送ダクト56aは、第1部屋2aに設置された第1吹出口7aに接続される。第2分岐搬送ダクト56bは、第2部屋2bに設置された第2吹出口7bに接続される。第3分岐搬送ダクト56cは、第3部屋2cに設置された第3吹出口7cに接続される。第4分岐搬送ダクト56dは、第4部屋2dに設置された第4吹出口7dに接続される。吹出口7と部屋2の組み合わせは必ずしも一対である必要はなく、1つの部屋2に対して複数の吹出口7が設置されてもよい。
【0018】
第1分岐搬送ダクト56aと分岐チャンバ4の間には第1ダンパ5aが設けられ、第1ダンパ5aは第1分岐搬送ダクト56aの開閉の程度を変化させる。第2分岐搬送ダクト56bと分岐チャンバ4の間には第2ダンパ5bが設けられ、第2ダンパ5bは第2分岐搬送ダクト56bの開閉の程度を変化させる。第3分岐搬送ダクト56cと分岐チャンバ4の間には第3ダンパ5cが設けられ、第3ダンパ5cは第3分岐搬送ダクト56cの開閉の程度を変化させる。第4分岐搬送ダクト56dと分岐チャンバ4の間には第4ダンパ5dが設けられ、第4ダンパ5dは第4分岐搬送ダクト56dの開閉の程度を変化させる。各ダンパ5と各分岐搬送ダクト56、各部屋2の数や組み合わせは上記の限りではなく、異なる組み合わせとなってもよい。
【0019】
つまり、搬送ファン3は、空調された空気を搬送ダクト55、分岐チャンバ4、第1分岐搬送ダクト56aから第4分岐搬送ダクト56d、第1吹出口7aから第4吹出口7d経由で第1部屋2aから第4部屋2dに搬送する。その際、第1ダンパ5aにより第1分岐搬送ダクト56aの開閉の程度が変えられることによって、第1分岐搬送ダクト56aにおいて搬送させる空気の風量が変化し、第1吹出口7aから吹き出される空気の風量も変化する。また、第2ダンパ5bにより第2分岐搬送ダクト56bの開閉の程度が変えられることによって、第2分岐搬送ダクト56bにおいて搬送させる空気の風量が変化し、第2吹出口7bから吹き出される空気の風量も変化する。また、第3ダンパ5cにより第3分岐搬送ダクト56cの開閉の程度が変えられることによって、第3分岐搬送ダクト56cにおいて搬送させる空気の風量が変化し、第3吹出口7cから吹き出される空気の風量も変化する。また、第4ダンパ5dにより第4分岐搬送ダクト56dの開閉の程度が変えられることによって、第4分岐搬送ダクト56dにおいて搬送させる空気の風量が変化し、第4吹出口7dから吹き出される空気の風量も変化する。
【0020】
空調機9は、エアコンディショナーであり、住宅200内の空調室18の空気を空調する。空調機9は、空調室18の空気の温度が設定された温度(空調室目標温度)となるように、空調室18の空気を冷却または加熱する。空調室目標温度は、システムコントローラ10により設定される。
【0021】
空調室温度センサ14は、空調室18の空気の温度を取得して、システムコントローラ10に送信するセンサである。なお、空調室温度センサ14は、空調機9に内蔵されている場合もあるが、空調機9に内蔵されている場合には空調機9周囲の情報しか得られない。そのため、空調室18全体としての情報が得られるように、空調機9とは独立して空調
室温度センサ14を備えることが望ましい。
【0022】
部屋温度センサ11は、各部屋に設置される。第1部屋温度センサ11aは第1部屋2aに設置され、第2部屋温度センサ11bは第2部屋2bに設置され、第3部屋温度センサ11cは第3部屋2cに設置され、第4部屋温度センサ11dは第4部屋2dに設置される。第1部屋温度センサ11aは第1部屋2aの温度を検知する。他の部屋温度センサ11も同様である。部屋温度センサ11は、通信機能を有し、検知した温度をシステムコントローラ10に送信する。つまり、部屋温度センサ11は、対応する各部屋2a~2dそれぞれの室内温度(部屋温度)を取得して、システムコントローラ10に送信するセンサである。部屋温度センサ11と部屋2の組み合わせは必ずしも一対である必要はなく、1つの部屋2に対して複数の部屋温度センサ11が設置されてもよい。
【0023】
システムコントローラ10は、全館空調システム全体を制御するコントローラである。システムコントローラ10は、外気導入ファン6,空調機9、搬送ファン3、空調室温度センサ14、部屋温度センサ11およびダンパ5と、無線通信または有線通信により通信可能に接続される。システムコントローラ10は、部屋温度センサ11から部屋温度を受信する。
【0024】
また、システムコントローラ10は、全館空調システムを構築するために必要な情報の入力を受けつけるためのインターフェースを備える。例えば、システムコントローラ10は、全館空調システムにおいて設定すべき温度(部屋目標温度)を受けつける。システムコントローラ10は、各部屋温度センサ11から受信した温度と、部屋目標温度とをもとに、温度制御(調温制御)を実行する。システムコントローラ10は、温度制御の内容を空調機9と搬送ファン3とダンパ5とに送信する。これにより、空調室18にて空調された空気が、搬送ファン3および第1ダンパ5a~第4ダンパ5dに制御された送風量で、第1部屋2a~第4部屋2dに搬送される。その結果、第1部屋2a~第4部屋2dの部屋温度が、各部屋の部屋目標温度に近づく。
【0025】
システムコントローラ10におけるインターフェース機能は、システムコントローラ10とは別の通信装置であって、かつシステムコントローラ10と通信可能な通信装置に備えられてもよい。通信装置は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末(以下、通信装置を「端末」という)である。
【0026】
ここで、システムコントローラ10は、制御装置を備える。制御装置は、通信部を有し、空調機9、搬送ファン3、ダンパ5、部屋温度センサ11および端末等と通信可能である。
【0027】
また、システムコントローラ10は、前述のインターフェースを有し、ユーザ等からの操作、例えば部屋目標温度の設定操作を受けつける。システムコントローラ10は、受けつけた操作に応じた信号を制御装置に出力する。ユーザ等からの操作を端末が受けつけた場合、端末は、受けつけた操作に応じた信号を制御装置に送信し、制御装置が当該信号を受信する。
【0028】
制御装置は、部屋温度センサ11から受けつけた部屋2の温度と、部屋目標温度とをもとに、空調機9と搬送ファン3とダンパ5とに対する温度制御(調温制御)を実行する。つまり、制御装置は、部屋2の温度をフィードバックしながら、空調機9と搬送ファン3とダンパ5とを制御することで部屋2の温度を部屋目標温度に近づける。制御装置による温度制御には公知の技術が使用されればよいので、ここでは詳細な説明を省略する。その際、制御装置は、記憶部に記憶された制御テーブル等を使用してもよい。
【0029】
また、システムコントローラ10は内部に施工設定装置100を備えている、即ち、施工設定装置100は、システムコントローラ10と同一の筐体内に配置され、システムコントローラ10と一体に構成されている。施工設定装置100の詳細については別途詳細に説明する。
【0030】
ここで、全館空調システムの従来の施工について説明する。まず、「電源工事、配線/配管工事」工程が行われる。「電源工事、配線/配管工事」工程では、外気導入ファン6、空調機9、搬送ファン3、分岐チャンバ4、ダンパ5、部屋温度センサ11、空調室温度センサ14およびシステムコントローラ10等の設置、搬送ダクト55および分岐搬送ダクト56等の配管、電源および通信線の配線など、物理的な施工工事が工事作業者(施工者)により実施される。
【0031】
次に、「設定」工程が行われる。「設定」工程では、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応付け(紐づけ)、部屋名称設定等が行われる。施工者は、システムコントローラ10を操作して施工図面を参照しながら手入力にて「設定」工程を実施する。つまり、従来の施工においては、施工者が施工図面を参照しながら手入力にて「設定」工程を実施していた。このように、従来の施工においては、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応付けの設定は施工図面を基に施工者の手作業により行われるため、設定に時間がかかる、設定ミスが発生する可能性がある等の課題を有していた。本発明は、上記課題を解決するものであり、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応付けの設定の効率化および設定ミスの防止を実現可能な施工設定装置100を提供する。
【0032】
次いで、
図2を参照して、実施の形態に係る施工設定装置100の各機能について説明する。
図2は実施の形態に係る施工設定装置100の概略機能ブロック図である。
【0033】
制御装置による上記温度制御を行うためには、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応付けを行う必要があり、対応付けが施工設定装置100により行われる。即ち、施工設定装置100は、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応付けの設定を行う。
【0034】
施工設定装置100は、画像取得部101、識別部102および設定部107を備える。
【0035】
画像取得部101は、施工図面の画像を取得する。例えば、システムコントローラ10と端末とが無線通信を実行し、システムコントローラ10が施工図面の画像ファイルを端末からインポートする。画像取得部101は、インポートされた施工図面の画像ファイルから施工図面の画像を取得する。また、システムコントローラ10が備えるインターフェースに施工者が施工図面の画像ファイルを入力し、システムコントローラ10が、施工図面の画像ファイルを受け付けても良い。この場合、画像取得部101は、システムコントローラ10が受け付けた施工図面の画像ファイルから施工図面の画像を取得する。
【0036】
図3は本実施の形態における施工図面の画像であり、施工図面の画像の一例である。本実施の形態では、画像取得部101は
図3の施工図面の画像を取得する。施工図面の画像には、各部屋2の区域、各部屋2の区域に対応する部屋名称(洋室1、洋室2、和室、LDK、各部屋2への空気の搬送量を制御する各ダンパ5、各ダンパ5に対応するダンパ名称(V-1、V-2、V-3、V-4)、各部屋2の温度を測定する各部屋温度センサ11、各部屋温度センサ11に対応する部屋温度センサ名称(T-1、T-2、T-3、T-4)、各部屋2への各吹出口7、各吹出口7に対応する吹出口名称(F-1、F-2、F-3、F-4)、分岐搬送ダクト56、分岐チャンバ4等の情報が示されている。
【0037】
また、本実施の形態の施工図面の画像では、部屋2であることを識別するための記号(本実施の形態では「R」)、ダンパ5であることを識別するための記号(本実施の形態では「V」)、部屋温度センサ11であることを識別するための記号(本実施の形態では「T」)、吹出口7であることを識別するための記号(本実施の形態では「F」)が記載されている。
【0038】
識別部102は、各部屋2の情報である部屋情報と各ダンパ5の情報であるダンパ情報と各部屋温度センサ11(温度センサ)の情報である部屋温度センサ情報(温度センサ情報)とを施工図面の画像から識別する。識別部102は、部屋情報識別部103、ダンパ情報識別部104、部屋温度センサ情報識別部105(温度センサ情報識別部)および吹出口情報識別部106を備える。
【0039】
部屋情報識別部103は、部屋情報を画像から識別する。具体的には、部屋情報識別部103は、部屋の区域と区域に対応する部屋名称とを画像から識別し、識別された部屋名称と部屋名称に対応する区域とを関連付けて部屋情報とする。
【0040】
本実施の形態における部屋情報識別部103は、部屋情報の画像識別手順が、予め施工設定装置100のメモリ(記憶媒体)等に格納されている。部屋情報の画像識別手順は予めプログラム等によりメモリに格納され、部屋情報識別部103は、画像識別手順に従って、各部屋2の情報である部屋情報を画像から識別する。本実施の形態では一例として部屋情報識別部103は、下記手順によって部屋情報を画像から識別する。
【0041】
部屋情報識別部103は、画像取得部101により取得された施工図面の画像において、「R」の文字を抽出する。部屋情報識別部103は「R」以降の文字列を部屋名称として識別する。つまり、部屋情報識別部103は、「洋室1」「洋室2」「和室」「LDK」の4つの部屋名称の部屋2が存在することを識別する。
【0042】
部屋情報識別部103は、4つの部屋名称それぞれを囲む区域を4つの部屋名称それぞれに対応する部屋の区域と識別する。つまり、部屋情報識別部103は、「洋室1」を囲む四角の区域を部屋名称「洋室1」に対応する部屋の区域と識別する。同様に、部屋情報識別部103は、「洋室2」を囲む四角の区域を部屋名称「洋室2」に対応する部屋の区域と識別する。同様に、部屋情報識別部103は、「和室」を囲む四角の区域を部屋名称「和室」に対応する部屋の区域と識別する。同様に、部屋情報識別部103は、「LDK」を囲む四角の区域を部屋名称「LDK」に対応する部屋の区域と識別する。このようにして、部屋情報識別部103は、部屋名称と部屋名称に対応する区域とを画像から識別し、識別された部屋名称と部屋名称に対応する区域とを関連付けて部屋情報とする。
【0043】
なお、上記の部屋情報識別部103による部屋情報の識別手順はあくまで一例であり、施工図面の記載様式に対応した部屋情報の画像識別手順が、予め施工設定装置100のメモリ等に格納されていればよい。施工図面の記載様式に対応した部屋情報の画像識別手順は予めプログラム等によりメモリに格納され、部屋情報識別部103は、画像識別手順に従って、部屋情報を画像から識別する。つまり、部屋情報識別部103による部屋情報の識別手順は、画像から部屋情報を識別可能であれば実施の形態以外の手順でもよい。
【0044】
ダンパ情報識別部104は、各部屋2への空気の搬送量を制御する各ダンパ5の情報であるダンパ情報を施工図面の画像から識別する。具体的には、ダンパ情報識別部104は、ダンパ5とダンパ5に対応するダンパ名称とを画像から識別し、識別されたダンパ5とダンパ5に対応するダンパ名称とを関連付けてダンパ情報とする。
【0045】
本実施の形態におけるダンパ情報識別部104は、ダンパ情報の画像識別手順が、予め施工設定装置100のメモリ等に格納されている。ダンパ情報の画像識別手順は予めプログラム等によりメモリに格納され、ダンパ情報識別部104は、画像識別手順に従って、各ダンパ5の情報であるダンパ情報を画像から識別する。本実施の形態では一例としてダンパ情報識別部104は、下記手順によってダンパ情報を画像から識別する。
【0046】
ダンパ情報識別部104は、画像取得部101により取得された施工図面の画像において、「V」の文字を抽出する。ダンパ情報識別部104は「V」が含まれた文字列をダンパ名称として識別する。つまり、ダンパ情報識別部104は、「V-1」「V-2」「V-3」「V-4」の4つのダンパ名称のダンパ5が存在することを識別する。
【0047】
ダンパ情報識別部104は、4つのダンパ名称それぞれを囲む区域を4つのダンパ名称それぞれに対応するダンパ5と識別する。つまり、ダンパ情報識別部104は、「V-1」を囲む四角がダンパ名称「V-1」に対応するダンパ5と識別する。同様に、ダンパ情報識別部104は、「V-2」を囲む四角がダンパ名称「V-2」に対応するダンパ5と識別する。同様に、ダンパ情報識別部104は、「V-3」を囲む四角がダンパ名称「V-3」に対応するダンパ5と識別する。同様に、ダンパ情報識別部104は、「V-4」を囲む四角がダンパ名称「V-4」に対応するダンパ5と識別する。このようにして、ダンパ情報識別部104は、ダンパ5とダンパ5に対応するダンパ名称とを画像から識別し、識別されたダンパ5とダンパ5に対応するダンパ名称とを関連付けてダンパ情報とする。
【0048】
なお、上記のダンパ情報識別部104によるダンパ情報の識別手順はあくまで一例であり、施工図面の記載様式に対応したダンパ情報の画像識別手順が、予め施工設定装置100のメモリ等に格納されていればよい。施工図面の記載様式に対応したダンパ情報の画像識別手順は予めプログラム等によりメモリに格納され、ダンパ情報識別部104は、画像識別手順に従って、ダンパ情報を画像から識別する。つまり、ダンパ情報識別部104によるダンパ情報の識別手順は、画像からダンパ情報を識別可能であれば実施の形態以外の手順でもよい。
【0049】
部屋温度センサ情報識別部105は、各部屋2の温度を検出する各部屋温度センサ11の情報である部屋温度センサ情報を施工図面の画像から識別する。具体的には、部屋温度センサ情報識別部105は、部屋温度センサ11と部屋温度センサ11に対応するセンサ名称とを画像から識別し、識別された部屋温度センサ11と部屋温度センサ11に対応するセンサ名称とを関連付けて部屋温度センサ情報とする。
【0050】
本実施の形態における部屋温度センサ情報識別部105は、部屋温度センサ情報の画像識別手順が、予め施工設定装置100のメモリ等に格納されている。部屋温度センサ情報の画像識別手順は予めプログラム等によりメモリに格納され、部屋温度センサ情報識別部105は、画像識別手順に従って、各部屋温度センサ11の情報である部屋温度センサ情報を画像から識別する。本実施の形態では一例として部屋温度センサ情報識別部105は、下記手順によって部屋温度センサ情報を画像から識別する。
【0051】
部屋温度センサ情報識別部105は、画像取得部101により取得された施工図面の画像において、「T」の文字を抽出する。部屋温度センサ情報識別部105は「T」が含まれた文字列をセンサ名称として識別する。つまり、部屋温度センサ情報識別部105は、「T-1」「T-2」「T-3」「T-4」の4つのセンサ名称の部屋温度センサ11が存在することを識別する。
【0052】
部屋温度センサ情報識別部105は、4つのセンサ名称それぞれを囲む区域を4つのセ
ンサ名称それぞれに対応する部屋温度センサ11と識別する。つまり、部屋温度センサ情報識別部105は、「T-1」を囲む丸がセンサ名称「T-1」に対応する部屋温度センサ11と識別する。同様に、部屋温度センサ情報識別部105は、「T-2」を囲む丸がセンサ名称「T-2」に対応する部屋温度センサ11と識別する。同様に、部屋温度センサ情報識別部105は、「T-3」を囲む丸がセンサ名称「T-3」に対応する部屋温度センサ11と識別する。同様に、部屋温度センサ情報識別部105は、「T-4」を囲む丸がセンサ名称「T-4」に対応する部屋温度センサ11と識別する。このようにして、部屋温度センサ情報識別部105は、部屋温度センサ11と部屋温度センサ11に対応するセンサ名称とを画像から識別し、識別された部屋温度センサ11と部屋温度センサ11に対応するセンサ名称とを関連付けて部屋温度センサ情報とする。
【0053】
なお、上記の部屋温度センサ情報識別部105による部屋温度センサ情報の識別手順はあくまで一例であり、施工図面の記載様式に対応した部屋温度センサ情報の画像識別手順が、予め施工設定装置100のメモリ等に格納されていればよい。施工図面の記載様式に対応した部屋温度センサ情報の画像識別手順は予めプログラム等によりメモリに格納され、部屋温度センサ情報識別部105は、画像識別手順に従って、部屋温度センサ情報を画像から識別する。つまり、部屋温度センサ情報識別部105による部屋温度センサ情報の識別手順は、画像から部屋温度センサ情報を識別可能であれば実施の形態以外の手順でもよい。
【0054】
吹出口情報識別部106は、各部屋2への吹出口7の情報である吹出口情報を施工図面の画像から識別する。具体的には、吹出口情報識別部106は、吹出口7と吹出口7に対応する吹出口名称とを画像から識別し、識別された吹出口7と吹出口7に対応する吹出口名称とを関連付けて吹出口情報とする。
【0055】
本実施の形態における吹出口情報識別部106は、吹出口情報の画像識別手順が、予め施工設定装置100のメモリ等に格納されている。吹出口情報の画像識別手順は予めプログラム等によりメモリに格納され、吹出口情報識別部106は、画像識別手順に従って、吹出口7の情報である吹出口情報を画像から識別する。本実施の形態では一例として吹出口情報識別部106は、下記手順によって吹出口情報を画像から識別する。
【0056】
吹出口情報識別部106は、画像取得部101により取得された施工図面の画像において、「F」の文字を抽出する。吹出口情報識別部106は「F」が含まれた文字列を吹出口名称として識別する。つまり、吹出口情報識別部106は、「F-1」「F-2」「F-3」「F-4」の4つの吹出口名称の吹出口7が存在することを識別する。
【0057】
吹出口情報識別部106は、4つの吹出口名称それぞれを囲む区域を4つの吹出口名称それぞれに対応する吹出口7と識別する。つまり、吹出口情報識別部106は、「F-1」を囲む四角が吹出口名称「F-1」に対応する吹出口7と識別する。同様に、吹出口情報識別部106は、「F-2」を囲む四角が吹出口名称「F-2」に対応する吹出口7と識別する。同様に、吹出口情報識別部106は、「F-3」を囲む四角が吹出口名称「F-3」に対応する吹出口7と識別する。同様に、吹出口情報識別部106は、「F-4」を囲む四角が吹出口名称「F-4」に対応する吹出口7と識別する。このようにして、吹出口情報識別部106は、吹出口7と吹出口7に対応する吹出口名称とを画像から識別し、識別された吹出口7と吹出口7に対応する吹出口名称とを関連付けて吹出口情報とする。
【0058】
なお、上記の吹出口情報識別部106による吹出口情報の識別手順はあくまで一例であり、施工図面の記載様式に対応した吹出口情報の画像識別手順が、予め施工設定装置100のメモリ等に格納されていればよい。施工図面の記載様式に対応した吹出口情報の画像
識別手順は予めプログラム等によりメモリに格納され、吹出口情報識別部106は、画像識別手順に従って、吹出口情報を画像から識別する。つまり、吹出口情報識別部106による吹出口情報の識別手順は、画像から吹出口情報を識別可能であれば実施の形態以外の手順でもよい。
【0059】
設定部107は、部屋情報識別部103により識別された部屋情報とダンパ情報識別部104により識別されたダンパ情報と部屋温度センサ情報識別部105により識別された部屋温度センサ情報とに基づいて、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応付けの設定を行う。本実施の形態では、設定部107は、部屋情報とダンパ情報と部屋温度センサ情報と吹出口情報とに基づいて、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応付けの設定を行う。
【0060】
具体的には、設定部107は、ダンパ名称と部屋名称との対応付け、および、センサ名称と部屋名称との対応付けを行うことで、各部屋名称と当該各部屋名称に対応するダンパ名称およびセンサ名称の関連付けの設定を行う。
【0061】
まず、ダンパ名称と部屋名称との対応付けについて説明する。設定部107は、部屋名称に対応する区域内に存在する吹出口7に対応するダンパ5のダンパ名称、と当該部屋名称との対応付けを行う。本実施の形態では、まず、設定部107は、「洋室1」に対応する区域内に存在する吹出口7の吹出口名称を画像から識別する。識別手順の一例としては、設定部107は、「洋室1」を囲む四角内に存在する吹出口7の吹出口名称である「F-1」を「洋室1」に対応する区域内に存在する吹出口名称と識別する。つまり、設定部107は、「洋室1」に対応する区域内に存在する吹出口7の吹出口名称が「F-1」であると判断する。
【0062】
次いで、設定部107は、「洋室1」に対応する区域内に存在する吹出口7の吹出口名称「F-1」に対応するダンパ名称を画像から識別する。具体的には、設定部107は、「F-1」と分岐搬送ダクトを介して接続されているダンパ5のダンパ名称を画像から識別する。識別手順の一例としては、設定部107は、「F-1」を囲む四角と線で繋がっているダンパ5の四角に対応するダンパ名称である「V-1」を「F-1」に対応するダンパ名称と識別する。つまり、設定部107は、「洋室1」に対応する区域内に存在する吹出口7の吹出口名称「F-1」に対応するダンパ名称が「V-1」であると判断する。そして、設定部107は、「洋室1」に対応する区域内に存在する吹出口7の吹出口名称「F-1」に対応するダンパ名称「V-1」と、「洋室1」との対応付けを行う。
【0063】
同様に、設定部107は、「洋室2」に対応する区域内に存在する吹出口7の吹出口名称「F-2」に対応するダンパ名称「V-2」と、「洋室2」との対応付けを行う。同様に、設定部107は、「和室」に対応する区域内に存在する吹出口7の吹出口名称「F-3」に対応するダンパ名称「V-3」と、「和室」との対応付けを行う。同様に、設定部107は、「LDK」に対応する区域内に存在する吹出口7の吹出口名称「F-4」に対応するダンパ名称「V-4」と、「LDK」との対応付けを行う。
【0064】
次に、センサ名称と部屋名称との対応付けについて説明する。設定部107は、部屋名称に対応する区域内に存在する部屋温度センサ11のセンサ名称と当該部屋名称との対応付けを行う。本実施の形態では、設定部107は、部屋名称に対応する区域内に存在する部屋温度センサ11のセンサ名称を画像から識別する。具体的には、まず、設定部107は、「洋室1」に対応する区域内に存在する部屋温度センサ11のセンサ名称を画像から識別する。識別手順の一例としては、設定部107は、「洋室1」を囲む四角内に存在する部屋温度センサ11のセンサ名称である「T-1」を「洋室1」に対応するセンサ名称と識別する。つまり、設定部107は、「洋室1」に対応する区域内に存在する部屋温度
センサ11のセンサ名称が「T-1」であると判断する。そして、設定部107は、「洋室1」に対応する区域内に存在する部屋温度センサ11のセンサ名称「T-1」と、「洋室1」との対応付けを行う。
【0065】
同様に、設定部107は、「洋室2」に対応する区域内に存在する部屋温度センサ11のセンサ名称「T-2」と、「洋室2」との対応付けを行う。同様に、設定部107は、「和室」に対応する区域内に存在する部屋温度センサ11のセンサ名称「T-3」と、「和室」との対応付けを行う。同様に、設定部107は、「LDK」に対応する区域内に存在する部屋温度センサ11のセンサ名称「T-4」と、「LDK」との対応付けを行う。
【0066】
以上のように、設定部107は、ダンパ名称と部屋名称との対応付け、および、センサ名称と前記部屋名称との対応付けを行う。
【0067】
そして、設定部107は、ダンパ名称と部屋名称との対応付け、および、センサ名称と部屋名称との対応付けの内容に基づいて、各部屋名称と当該各部屋名称に対応するダンパ名称およびセンサ名称の関連付けの設定を行う。設定部107により設定された、各部屋名称と当該各部屋名称に対応するダンパ名称およびセンサ名称の関連付けの設定内容について
図4を用いて説明する。
図4は、本実施の形態における、各部屋名称と当該各部屋名称に対応するダンパ名称およびセンサ名称の関連付けの設定内容を示した図である。
【0068】
つまり、設定部107は、「洋室1」と「洋室1」に対応するダンパ名称「V-1」およびセンサ名称「T-1」の関連付けの設定を行う。同様に、設定部107は、「洋室2」と「洋室2」に対応するダンパ名称「V-2」およびセンサ名称「T-2」の関連付けの設定を行う。同様に、設定部107は、「和室」と「和室」に対応するダンパ名称「V-3」およびセンサ名称「T-3」の関連付けの設定を行う。同様に、設定部107は、「LDK」と「LDK」に対応するダンパ名称「V-4」およびセンサ名称「T-4」の関連付けの設定を行う。
【0069】
施工設定装置100の各機能ブロックは、ハードウェアとしては、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェアとしてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックである。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによって様々な形で実現することができる。
【0070】
上記構成において、実施の形態に係る施工設定装置100による制御の流れを
図5に示すフローチャートを用いて説明する。
図5は、本実施の形態に係る施工設定装置100による制御の流れを示すフローチャートである。ここでフローチャートではSを頭文字にして番号を割り振った。例えばS11などは処理ステップを指す。但し、処理ステップを示す数値の大小と処理順序は関係しない。
【0071】
画像取得部101は、施工図面の画像を取得する(S11)。
【0072】
部屋情報識別部103は、各部屋2の情報である部屋情報を画像から識別する(S12)。ダンパ情報識別部104は、各ダンパ5の情報であるダンパ情報を画像から識別する(S13)。部屋温度センサ情報識別部105は、各部屋温度センサ11の情報である部屋温度センサ情報を画像から識別する(S14)。吹出口情報識別部106は、各吹出口7の情報である吹出口情報を画像から識別する(S15)。これにより、画像から部屋情報、ダンパ情報、部屋温度センサ情報および吹出口情報を識別することができる。
【0073】
設定部107は、ダンパ名称と部屋名称との対応付け、および、センサ名称と部屋名称との対応付けを行う(S16)。これにより、ダンパ名称と部屋名称との対応関係、および、センサ名称と部屋名称との対応関係を把握できる。
【0074】
設定部107は、各部屋名称と当該各部屋名称に対応するダンパ名称およびセンサ名称の関連付けの設定を行う(S17)。これにより、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応付けの設定を行うことができる。つまり、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応関係を把握できる。
【0075】
以上により、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応付けの設定を施工者による手動ではなく自動的に実行するので、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応付けの設定の効率を向上できる。また、設定を施工者による手動ではなく自動的に実行するので、施工者による手動設定にて設定ミスが発生する可能性を防止できる。
【0076】
制御装置は、施工設定装置100によって対応付けられた各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11との対応付けに基づいて、各部屋2の調温制御を行う。
【0077】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0078】
(変形例)
例えば、全館空調システムにおいて、吹出口7にダンパ5が設置されている場合においても本発明を実施することができる。この場合の施工図面の画像の一例を
図6に示す。
図6は、施工図面の画像の別の一例を示した図である。この場合、識別部102は吹出口情報識別部106を備えなくてもよい。
【0079】
また、実施の形態では、設定部107は、部屋名称に対応する区域内に存在する吹出口7に対応するダンパ5のダンパ名称、と当該部屋名称との対応付けを行うが、変形例では、設定部107は、部屋名称に対応する区域内に存在するダンパ5のダンパ名称と当該部屋名称との対応付けを行う。
【0080】
具体的には、まず、設定部107は、部屋名称に対応する区域内に存在するダンパ5のダンパ名称を画像から識別する。具体的には、設定部107は、「洋室1」に対応する区域内に存在するダンパ5のダンパ名称を画像から識別する。識別手順の一例としては、設定部107は、「洋室1」を囲む四角内に存在するダンパ5のダンパ名称である「V-1」を「洋室1」に対応するダンパ名称と識別する。つまり、設定部107は、「洋室1」に対応する区域内に存在するダンパ5のダンパ名称が「V-1」であると判断する。そして、設定部107は、「洋室1」に対応する区域内に存在するダンパ5のダンパ名称「V-1」と、「洋室1」との対応付けを行う。
【0081】
同様に、設定部107は、「洋室2」に対応する区域内に存在するダンパ5のダンパ名称「V-2」と、「洋室2」との対応付けを行う。同様に、設定部107は、「和室」に対応する区域内に存在するダンパ5のダンパ名称「V-3」と、「和室」との対応付けを行う。同様に、設定部107は、「LDK」に対応する区域内に存在するダンパ5のダンパ名称「V-4」と、「LDK」との対応付けを行う。
【0082】
そして、設定部107は、ダンパ名称と部屋名称との対応付け、および、センサ名称と部屋名称との対応付けの内容に基づいて、各部屋名称と当該各部屋名称に対応するダンパ
名称およびセンサ名称の関連付けの設定を行う。つまり、変形例における設定部107は、部屋情報とダンパ情報と温度センサ情報とに基づいて、各部屋2と各ダンパ5および各部屋温度センサ11(温度センサ)との対応付けの設定を行う。変形例によれば、様々な全館空調システムの構成においても本発明を実施することができる。
【0083】
(発明の概要)
本発明に係る施工設定装置は、空調された空調室の空気を各部屋に搬送する全館空調システムの施工設定装置であって、施工図面の画像を取得する画像取得部と、各部屋の情報である部屋情報を画像から識別する部屋情報識別部と、各部屋への空気の搬送量を制御する各ダンパの情報であるダンパ情報を画像から識別するダンパ情報識別部と、各部屋の温度を検出する各温度センサの情報である温度センサ情報を画像から識別する温度センサ情報識別部と、部屋情報とダンパ情報と温度センサ情報とに基づいて、各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けの設定を行う設定部と、を備える。
【0084】
各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けの設定を施工者による手動ではなく自動的に実行することができる。これにより、各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けの設定の効率化および設定ミスの防止を実現できる。
【0085】
また、部屋情報識別部は、部屋の区域と区域に対応する部屋名称とを画像から識別し、識別された部屋名称と部屋名称に対応する区域とを関連付けて前記部屋情報とし、ダンパ情報識別部は、ダンパとダンパに対応するダンパ名称とを画像から識別し、識別されたダンパとダンパに対応するダンパ名称とを関連付けて前記ダンパ情報とし、温度センサ情報識別部は、温度センサと温度センサに対応するセンサ名称とを画像から識別し、識別された温度センサと温度センサに対応するセンサ名称とを関連付けて温度センサ情報としてもよい。
【0086】
これにより、施工図面の画像から、部屋情報、ダンパ情報および温度センサ情報を取得することができる
また、設定部は、ダンパ名称と部屋名称との対応付け、および、センサ名称と部屋名称との対応付けを行うことで、各部屋名称と当該各部屋名称に対応するダンパ名称およびセンサ名称の関連付けの設定を行ってもよい。
【0087】
これにより、ダンパ名称と部屋名称との対応関係、および、センサ名称と部屋名称との対応関係を把握できる。各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応関係を把握できる。各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けの設定を施工者による手動ではなく自動的に実行することができる。
【0088】
また、設定部は、部屋名称に対応する区域内に存在するダンパのダンパ名称、または、部屋名称に対応する区域内に存在する吹出口に対応するダンパのダンパ名称、と当該部屋名称との対応付けを行い、部屋名称に対応する区域内に存在する前記温度センサのセンサ名称と当該部屋名称との対応付けを行ってもよい。
【0089】
これにより、ダンパ名称と部屋名称との対応関係、および、センサ名称と部屋名称との対応関係を把握できる。
【0090】
また、本発明に係る全館空調システムは、施工設定装置によって対応付けられた各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けに基づいて、各部屋の調温制御を行ってもよい。
【0091】
各部屋と各ダンパおよび各温度センサとの対応付けに基づいて、各部屋の調温制御を行
うので、各部屋の調温を行うことができる。これにより、各部屋の温度を目標温度に近づけることができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、全館空調システムの施工設定装置等として有用である。
【符号の説明】
【0093】
2 部屋
2a 第1部屋
2b 第2部屋
2c 第3部屋
2d 第4部屋
3 搬送ファン
4 分岐チャンバ
5 ダンパ
5a 第1ダンパ
5b 第2ダンパ
5c 第3ダンパ
5d 第4ダンパ
6 外気導入ファン
7 吹出口
7a 第1吹出口
7b 第2吹出口
7c 第3吹出口
7d 第4吹出口
9 空調機
10 システムコントローラ
11 部屋温度センサ
11a 第1部屋温度センサ
11b 第2部屋温度センサ
11c 第3部屋温度センサ
11d 第4部屋温度センサ
14 空調室温度センサ
18 空調室
55 搬送ダクト
56 分岐搬送ダクト
56a 第1分岐搬送ダクト
56b 第2分岐搬送ダクト
56c 第3分岐搬送ダクト
56d 第4分岐搬送ダクト
101 画像取得部
102 識別部
103 部屋情報識別部
104 ダンパ情報識別部
105 部屋温度センサ情報識別部
106 吹出口情報識別部
107 設定部
200 住宅