(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123390
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11C 14/00 20060101AFI20240905BHJP
G11C 11/16 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G11C14/00 230
G11C11/16 230
G11C11/16 240
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030743
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】平賀 啓三
(72)【発明者】
【氏名】阪井 塁
(72)【発明者】
【氏名】肥後 豊
(72)【発明者】
【氏名】細見 政功
(57)【要約】
【課題】揮発性記憶部に保持されているデータを電圧駆動に基づいて不揮発性記憶部にストア可能とする。
【解決手段】記憶装置は、データを相補的に保持する揮発性記憶部と、揮発性記憶部に相補的に保持されたデータを保持する電圧制御型磁気抵抗効果素子と、揮発性記憶部と電圧制御型磁気抵抗効果素子との間に接続され、揮発性記憶部と電圧制御型磁気抵抗効果素子との間の抵抗が可変な第1可変抵抗素子と、揮発性記憶部と電圧制御型磁気抵抗効果素子との間にインバータを介して接続され、揮発性記憶部と電圧制御型磁気抵抗効果素子との間の抵抗が可変な第2可変抵抗素子とを具備する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを相補的に保持する揮発性記憶部と、
前記揮発性記憶部に相補的に保持されたデータを保持する電圧制御型磁気抵抗効果素子と、
前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間に接続され、前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間の抵抗が可変な第1可変抵抗素子と、
前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間にインバータを介して接続され、前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間の抵抗が可変な第2可変抵抗素子と
を具備する記憶装置。
【請求項2】
前記第2可変抵抗素子および前記インバータは直列に接続され、前記第2可変抵抗素子および前記インバータの直列回路は、前記第1可変抵抗素子と並列に接続される
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項3】
前記第1可変抵抗素子および前記第2可変抵抗素子はそれぞれ、前記電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗状態から低抵抗状態に遷移する時と低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する時とで前記電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加されるセル電圧が互いに略等しくなるように抵抗を変化させる
請求項2に記載の記憶装置。
【請求項4】
前記第1可変抵抗素子は、第1ゲート電圧に基づいてオン抵抗が変化する第1電界効果トランジスタを備え、
前記第2可変抵抗素子は、第2ゲート電圧に基づいてオン抵抗が変化する第2電界効果トランジスタを備える
請求項2に記載の記憶装置。
【請求項5】
前記第1電界効果トランジスタは、前記第1可変抵抗素子として用いられるだけでなく、前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアするストアトランジスタおよび前記電圧制御型磁気抵抗効果素子から前記揮発性記憶部にデータをリストアするリストアトランジスタとしても用いられる
請求項4に記載の記憶装置。
【請求項6】
前記電圧制御型磁気抵抗効果素子は、前記揮発性記憶部に相補的に保持されるデータに応じて互いに異なる抵抗状態が設定される第1電圧制御型磁気抵抗効果素子および第2電圧制御型磁気抵抗効果素子を備える
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項7】
前記第1電界効果トランジスタに印加される第1ゲート電圧に基づいて前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合、前記第2電界効果トランジスタに印加される第2ゲート電圧に基づいて前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる
請求項6に記載の記憶装置。
【請求項8】
前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも大きな電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも小さな電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加される
請求項7に記載の記憶装置。
【請求項9】
前記第1電界効果トランジスタに印加される第1ゲート電圧に基づいて前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合、前記第2電界効果トランジスタに印加される第2ゲート電圧に基づいて前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる
請求項6に記載の記憶装置。
【請求項10】
前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも小さな電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも大きな電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加される
請求項9に記載の記憶装置。
【請求項11】
前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子および前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子はそれぞれ、
磁化方向が固定されたピン層と、
電圧に基づいて誘起された磁気の磁化方向が反転可能なフリー層と、
前記ピン層と前記フリー層との間に挟まれたトンネルバリア層と
を備える請求項7に記載の記憶装置。
【請求項12】
前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアする場合、
前記第1電界効果トランジスタに前記第1ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子のフリー層に駆動電圧が印加され、
前記第2電界効果トランジスタに前記第2ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子のフリー層に前記駆動電圧が印加され、
前記電圧制御型磁気抵抗効果素子から前記揮発性記憶部にデータをリストアする場合、
前記ピン層に印加される電圧よりも低い電圧が前記フリー層に印加される
請求項11に記載の記憶装置。
【請求項13】
前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアする場合、
前記第1電界効果トランジスタに前記第1ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子のピン層に駆動電圧が印加され、
前記第2電界効果トランジスタに前記第2ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子のピン層に前記駆動電圧が印加され、
前記電圧制御型磁気抵抗効果素子から前記揮発性記憶部にデータをリストアする場合、
前記フリー層に印加される電圧よりも低い電圧が前記ピン層に印加される
請求項11に記載の記憶装置。
【請求項14】
前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアする場合、
前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子および前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に同一方向の電圧がかかるように前記駆動電圧が設定される
請求項12に記載の記憶装置。
【請求項15】
前記インバータのパワーゲーティングを実施するパワーゲーティングトランジスタ
をさらに具備する請求項1に記載の記憶装置。
【請求項16】
前記揮発性記憶部はラッチ回路である
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項17】
前記揮発性記憶部はSRAM(Static Random Access Memory)である
請求項1に記載の記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、記憶装置に関する。詳しくは、本技術は、不揮発性記憶部が揮発性記憶部に設けられた記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源異常や電源断が発生しても、揮発性記憶部に保持されたデータが消失しないようにするために、揮発性記憶部が設けられたメモリセルに不揮発性記憶部を追加した記憶装置がある。このような記憶装置として、例えば、不揮発性記憶部に記憶されているデータとフリップフロップ部が保持するデータとが同一ではない場合は、フリップフロップ部が保持するデータを不揮発性記憶部に書き込ませる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術では、不揮発性素子にデータをストアする場合、不揮発性素子を電流駆動し、ストアされるデータに応じて互いに逆向きの電流を不揮発性素子に流していた。このため、不揮発性素子によっては、データのストア時に流れる電流が大きくなり、消費電力の増大を招くおそれがあった。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、揮発性記憶部に保持されているデータを電圧駆動に基づいて不揮発性記憶部にストア可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、データを相補的に保持する揮発性記憶部と、前記揮発性記憶部に相補的に保持されたデータを保持する電圧制御型磁気抵抗効果素子と、前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間に接続され、前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間の抵抗が可変な第1可変抵抗素子と、前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間にインバータを介して接続され、前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間の抵抗が可変な第2可変抵抗素子とを具備する記憶装置である。これにより、揮発性記憶部に保持されているデータが電圧駆動に基づいて不揮発性記憶部にストアされるという作用をもたらす。
【0007】
また、第1の側面において、前記第2可変抵抗素子および前記インバータは直列に接続され、前記第2可変抵抗素子および前記インバータの直列回路は、前記第1可変抵抗素子と並列に接続されてもよい。これにより、揮発性記憶部に保持されているデータの相補性を反映させつつ、不揮発性記憶部にデータが相補的にストアされるという作用をもたらす。
【0008】
また、第1の側面において、前記第1可変抵抗素子および前記第2可変抵抗素子はそれぞれ、前記電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗状態から低抵抗状態に遷移する時と低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する時とで前記電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加されるセル電圧が互いに略等しくなるように抵抗を変化させてもよい。これにより、電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加される同一極性のセル電圧に基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータが書込まれるという作用をもたらす。
【0009】
また、第1の側面において、前記第1可変抵抗素子は、第1ゲート電圧に基づいてオン抵抗が変化する第1電界効果トランジスタを備え、前記第2可変抵抗素子は、第2ゲート電圧に基づいてオン抵抗が変化する第2電界効果トランジスタを備えてもよい。これにより、第1ゲート電圧および第2ゲート電圧に基づいて、電圧制御型磁気抵抗効果素子の低抵抗状態および高抵抗状態の書込みが実施されるという作用をもたらす。
【0010】
また、第1の側面において、前記第1電界効果トランジスタは、前記第1可変抵抗素子として用いられるだけでなく、前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアするストアトランジスタおよび前記電圧制御型磁気抵抗効果素子から前記揮発性記憶部にデータをリストアするリストアトランジスタとしても用いられてもよい。これにより、回路構成の簡易化を図りつつ、電圧制御型磁気抵抗効果素子と揮発性記憶部との間のストアおよびリストアが可能になるという作用をもたらす。
【0011】
また、第1の側面において、前記電圧制御型磁気抵抗効果素子は、前記揮発性記憶部に相補的に保持されるデータに応じて互いに異なる抵抗状態が設定される第1電圧制御型磁気抵抗効果素子および第2電圧制御型磁気抵抗効果素子を備えてもよい。これにより、揮発性記憶部に保持されているデータの相補性を反映させつつ、不揮発性記憶部にデータが相補的にストアされるという作用をもたらす。
【0012】
また、第1の側面において、前記第1電界効果トランジスタに印加される第1ゲート電圧に基づいて前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合、前記第2電界効果トランジスタに印加される第2ゲート電圧に基づいて前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされてもよい。これにより、VCMA効果に基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータが書込まれるという作用をもたらす。
【0013】
また、第1の側面において、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも大きな電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも小さな電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加されてもよい。これにより、第1電圧制御型磁気抵抗効果素子の抵抗状態に応じて第1電圧制御型磁気抵抗効果素子の抵抗状態が反転され、第2電圧制御型磁気抵抗効果素子の抵抗状態に応じて第2電圧制御型磁気抵抗効果素子の抵抗状態が反転されるという作用をもたらす。
【0014】
また、第1の側面において、前記第1電界効果トランジスタに印加される第1ゲート電圧に基づいて前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合、前記第2電界効果トランジスタに印加される第2ゲート電圧に基づいて前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされてもよい。これにより、VCMA効果に基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータが書込まれるという作用をもたらす。
【0015】
また、第1の側面において、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも小さな電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも大きな電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加されてもよい。これにより、第1電圧制御型磁気抵抗効果素子の抵抗状態に応じて第1電圧制御型磁気抵抗効果素子の抵抗状態が反転され、第2電圧制御型磁気抵抗効果素子の抵抗状態に応じて第2電圧制御型磁気抵抗効果素子の抵抗状態が反転されるという作用をもたらす。
【0016】
また、第1の側面において、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子および前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子はそれぞれ、磁化方向が固定されたピン層と、電圧に基づいて誘起された磁気の磁化方向が反転可能なフリー層と、前記ピン層と前記フリー層との間に挟まれたトンネルバリア層とを備えてもよい。これにより、電圧駆動に基づいて、電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向が反転されるという作用をもたらす。
【0017】
また、第1の側面において、前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアする場合、前記第1電界効果トランジスタに前記第1ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子のフリー層に駆動電圧が印加され、前記第2電界効果トランジスタに前記第2ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子のフリー層に前記駆動電圧が印加され、前記電圧制御型磁気抵抗効果素子から前記揮発性記憶部にデータをリストアする場合、前記ピン層に印加される電圧よりも低い電圧が前記フリー層に印加されてもよい。これにより、VCMA効果に基づいてデータがストアされるとともに、電圧制御型磁気抵抗効果素子に保持されているデータが破壊されることなく、データがリストアされるという作用をもたらす。
【0018】
また、第1の側面において、前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアする場合、前記第1電界効果トランジスタに前記第1ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子のピン層に駆動電圧が印加され、前記第2電界効果トランジスタに前記第2ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子のピン層に前記駆動電圧が印加され、前記電圧制御型磁気抵抗効果素子から前記揮発性記憶部にデータをリストアする場合、前記フリー層に印加される電圧よりも低い電圧が前記ピン層に印加されてもよい。これにより、VCMA効果に基づいてデータがストアされるとともに、電圧制御型磁気抵抗効果素子に保持されているデータが破壊されることなく、データがリストアされるという作用をもたらす。
【0019】
また、第1の側面において、前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアする場合、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子および前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に同一方向の電圧がかかるように前記駆動電圧が設定されてもよい。これにより、VCMA効果に基づいて揮発性記憶部から電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータがストアされるという作用をもたらす。
【0020】
また、第1の側面において、前記インバータのパワーゲーティングを実施するパワーゲーティングトランジスタをさらに具備してもよい。これにより、電圧制御型磁気抵抗効果素子に保持されているデータが揮発性記憶部にリストアされるという作用をもたらす。
【0021】
また、第1の側面において、前記揮発性記憶部はラッチ回路でもよい。これにより、ラッチ回路に不揮発性記憶機能が付加されるという作用をもたらす。
【0022】
また、第1の側面において、前記揮発性記憶部はSRAM(Static Random Access Memory)でもよい。これにより、SRAMに不揮発性記憶機能が付加されるという作用をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1の実施の形態に係る記憶装置の構成例を示す図である。
【
図2】第1の実施の形態に係る記憶装置の第1ストア動作の第1の例を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態に係る記憶装置の第2ストア動作の第1の例を示す図である。
【
図4】第1の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第1の例を示すタイミングチャートである。
【
図5】第1の実施の形態に係る記憶装置の第1ストア動作の第2の例を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態に係る記憶装置の第2ストア動作の第2の例を示す図である。
【
図7】第1の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第2の例を示すタイミングチャートである。
【
図8】第1の実施の形態に係る記憶装置のリストア動作の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施の形態に係る記憶装置のリストアタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【
図10】第2の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第1の例を示すタイミングチャートである。
【
図11】第2の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第2の例を示すタイミングチャートである。
【
図12】第2の実施の形態に係る記憶装置のリストアタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【
図13】第3の実施の形態に係る記憶装置の構成例を示す図である。
【
図14】第3の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第1の例を示すタイミングチャートである。
【
図15】第3の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第2の例を示すタイミングチャートである。
【
図16】第4の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第1の例を示すタイミングチャートである。
【
図17】第4の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第2の例を示すタイミングチャートである。
【
図18】第5の実施の形態に係る記憶装置の全体的な構成例を示すブロック図である。
【
図19】第5の実施の形態に係る記憶装置のメモリセルの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(ラッチ回路に電圧制御型磁気抵抗効果素子を設け、電圧制御型磁気抵抗効果素子のフリー層に駆動電圧を印加し、ラッチ回路の順論理を電圧制御型磁気抵抗効果素子にストアする例)
2.第2の実施の形態(ラッチ回路に電圧制御型磁気抵抗効果素子を設け、電圧制御型磁気抵抗効果素子のフリー層に駆動電圧を印加し、ラッチ回路の逆論理を電圧制御型磁気抵抗効果素子にストアする例)
3.第3の実施の形態(ラッチ回路に電圧制御型磁気抵抗効果素子を設け、電圧制御型磁気抵抗効果素子のピン層に駆動電圧を印加し、ラッチ回路の順論理を電圧制御型磁気抵抗効果素子にストアする例)
4.第4の実施の形態(ラッチ回路に電圧制御型磁気抵抗効果素子を設け、電圧制御型磁気抵抗効果素子のピン層に駆動電圧を印加し、ラッチ回路の逆論理を電圧制御型磁気抵抗効果素子にストアする例)
5.第5の実施の形態(SRAMに電圧制御型磁気抵抗効果素子を設けた例)
【0025】
<1.第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係る記憶装置の構成例を示す図である。
【0026】
同図において、記憶装置101は、ラッチ回路102、可変抵抗回路103、105、電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124、インバータ107、108、115、135およびパワーゲーティングトランジスタ106を備える。
【0027】
なお、ラッチ回路102は、特許請求の範囲に記載の揮発性記憶部の一例である。各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124は、不揮発性記憶部の一例である。このとき、不揮発性記憶部は、揮発性記憶部に揮発的に保持されているデータを不揮発的に保持することができる。また、不揮発性記憶部は、不揮発性記憶部が不揮発的に保持しているデータを揮発性記憶部に書き戻すことができる。なお、ここで言う揮発的は、データの保持に電力を要することを言う。また、ここで言う不揮発的は、データの保持に電力を要しないことを言う。
【0028】
なお、本明細書では、揮発性記憶部に保持されているデータを不揮発性記憶部に書込む処理をストア、不揮発性記憶部に保持されているデータを揮発性記憶部に書き戻す処理をリストアと言う。
【0029】
ラッチ回路102は、データを相補的に保持する。このとき、ラッチ回路102は、双安定回路として動作し、データを揮発的に保持することができる。ラッチ回路102は、データを相補的に保持する揮発性記憶ノードNおよびNBを備える。各揮発性記憶ノードNおよびNBは、データを揮発的に保持する。このとき、ラッチ回路102は、入力データINをラッチし、その入力データINに応じた論理値を各揮発性記憶ノードNおよびNBに相補的に保持し、インバータ107を介して出力データOUTとして出力することができる。なお、ここで言う相補的は、揮発性記憶ノードNにデータ'0'が保持されるときは、揮発性記憶ノードNBにデータ'1'が保持され、揮発性記憶ノードNにデータ'1'が保持されるときは、揮発性記憶ノードNBにデータ'0'が保持される関係を言う。
【0030】
ラッチ回路102は、インバータ112および122を備える。各インバータ112および122は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタで構成することができる。例えば、各インバータ112および122は、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとの直列接続にて構成してもよい。
【0031】
インバータ112の入力はインバータ122の出力に接続され、インバータ122の入力はインバータ112の出力に接続される。このとき、インバータ112の入力とインバータ122の出力との接続点に揮発性記憶ノードNを設け、インバータ122の入力とインバータ112の出力との接続点に揮発性記憶ノードNBを設けることができる。
【0032】
各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124は、VCMA(Voltage Controlled Magnetic Anisotropy)効果を持つ。このとき、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124は、VC-MRAM(Voltage Controlled Magnetoresistive Random Access Memory)として動作することができる。ここで、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の抵抗状態は、低抵抗状態と高抵抗状態とをとることができる。このとき、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124は、VCMA効果に基づいて磁化方向を反転させることで、低抵抗状態と高抵抗状態との間を遷移することができる。
【0033】
各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124は、ピン層141、トンネルバリア層142およびフリー層143を備える。トンネルバリア層142は、ピン層141とフリー層143との間に挟まれている。電圧制御型磁気抵抗効果素子114のピン層141は、各MOSトランジスタ113、125に接続される。電圧制御型磁気抵抗効果素子124のピン層141は、各MOSトランジスタ123、145に接続される。各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のフリー層143は、駆動端子NDに接続される。
【0034】
ピン層141は、磁気異方性を有するとともに磁化方向が不変の層である。このピン層141は、例えば、CoFeB、CoFeC合金、NiFeB合金及びNiFeC合金等により構成することができる。また、ピン層141は、非磁性層を介して複数の強磁性層を積層した積層フェリピン構造でもよい。この積層フェリピン構造の磁化固定層を構成する強磁性層の材料としては、Co、CoFe、CoFeB等を用いることができる。また、非磁性層の材料としては、Ru、Re、Ir、Os等を用いることができる。
【0035】
ピン層141は、反強磁性層および強磁性層の反強磁性結合を利用することにより、その磁化の向きが固定された構成にすることができる。反強磁性層の材料としては、FeMn合金、PtMn合金、PtCrMn合金、NiMn合金、IrMn合金、NiO及びFe2O3等の磁性体を挙げることができる。また、これらの磁性体に、Ag、Cu、Au、Al、Si、Bi、Ta、B、C、O、N、Pd、Pt、Zr、Hf、Ir、W、Mo、Nb等の非磁性元素を添加することもできる。
【0036】
トンネルバリア層142は、フリー層143に電界を掛けて電圧制御磁気異方性効果を付与する。このトンネルバリア層142は、Mg、Al、Ti、Si、Zn、Zr、Hf、Ta、Bi、Cr、Ga、La、Gd、Sr、Baの群から選択された少なくとも1種の元素の酸化物、もしくはMg、Al、Ti、Si、Zn、Zr、Hf、Ta、Bi、Cr、Ga、La、Gd、Sr、Baの群から選択された少なくとも1種の元素の窒化物により構成することができる。また、MgF2、CaF、SrTiO2、AlLaO3、AlNO等の絶縁体、誘電体および半導体を用いて構成してもよい。これらの層を積層してもよい。なお、トンネルバリア層142の厚さは、0.6nm以上に設定すると好適である。
【0037】
フリー層143は、磁気異方性を有するとともに、電圧に基づいて誘起された磁気の磁化方向が反転可能である。また、フリー層143は、VCMA効果を有する層である。フリー層143の磁化方向がピン層141の磁化方向と同じ状態および異なる状態は、それぞれ平行状態及び反平行状態と称される。各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124は、平行状態の時に低抵抗状態になり、反平行状態の時に高抵抗状態になる。フリー層143は、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124への電圧印加に基づいて磁化方向を変化させることができる。
【0038】
また、フリー層143は、コバルト鉄(CoFe)、コバルト鉄ボロン(CoFeB)、Fe、ホウ化鉄(FeB)等により構成することができる。また、フリー層143は、遷移金属(Hf、Ta、VWe、Ir、Pt、Au、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu)等を含んでもよい。また、フリー層143は、窒化物や酸化物を含んでもよい。また、磁性体への近接磁気モーメント誘起を起こす材料として、イリジウム(Ir)やオスミウム(Os)を使用することができる。なお、フリー層143に重金属を添加してVCMA効果を向上させてもよい。各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124にVCMA効果を持たせるために、フリー層143の厚さは、3.0nm以下に構成すると好適である。
【0039】
また、フリー層143は、非磁性層を介して複数の強磁性層が積層された積層構造を有してもよい。このとき、非磁性層を介して隣接する2つの強磁性層は、交換結合してもよい。この非磁性層には、Mg、Al、Ti、Si、Zn、Zr、Hf、Ta、Bi、Cr、Ga、La、Gd、Sr、Ba、VWe、Ir、Pt、Au、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、V、Mn、Ni及びCu等により構成することができる。
【0040】
ピン層141、トンネルバリア層142およびフリー層143の形成は、スパッタリング法、イオンビーム堆積法、真空蒸着法などのPVD(Physical Vapor Deposition)法でもよいし、ALD(Atomic Layer Deposition)法でもよいし、CVD(Chemical Vapor Deposition)法でもよい。また、ピン層141、トンネルバリア層142およびフリー層143のパターニングには、RIE(Reactive Ion Etching)法を用いてもよいし、イオンミリング法を用いてもよい。
【0041】
可変抵抗回路103は、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124が高抵抗状態から低抵抗状態に遷移する時と低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する時とでセル電圧が互いに略等しくなるように抵抗を変化させる。なお、互いに略等しいは、互いに等しい場合だけでなく、数%程度のずれがある場合も含む。このときのセル電圧は反転電圧に等しい。セル電圧は、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124にかかる電圧である。反転電圧は、VCMA効果に基づいて各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の磁化方向を反転させる電圧である。各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124が高抵抗状態から低抵抗状態に遷移する時と低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する時とで反転電圧は互いに略等しい。各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124に反転電圧が印加されると、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の垂直磁気異方性は0になる。可変抵抗回路103は、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124と、ラッチ回路102との間に配置される。
【0042】
可変抵抗回路103は、MOSトランジスタ113、123を備える。各MOSトランジスタ113、123は、ゲート電圧Vg1に基づいてオン抵抗が変化する。MOSトランジスタ113は、電圧制御型磁気抵抗効果素子114と揮発性記憶ノードNとの間に接続される。MOSトランジスタ123は、電圧制御型磁気抵抗効果素子124と揮発性記憶ノードNBとの間に接続される。このとき、MOSトランジスタ113は、可変抵抗素子としてだけでなく、ラッチ回路102から電圧制御型磁気抵抗効果素子114にデータをストアするストアトランジスタおよび電圧制御型磁気抵抗効果素子114からラッチ回路102にデータをリストアするリストアトランジスタとしても用いることができる。また、MOSトランジスタ123は、可変抵抗素子としてだけでなく、ラッチ回路102から電圧制御型磁気抵抗効果素子124にデータをストアするストアトランジスタおよび電圧制御型磁気抵抗効果素子124からラッチ回路102にデータをリストアするリストアトランジスタとしても用いることができる。なお、MOSトランジスタ113、123は、特許請求の範囲に記載の可変抵抗素子の一例である。
【0043】
可変抵抗回路105は、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124が高抵抗状態から低抵抗状態に遷移する時と低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する時とでセル電圧が互いに略等しくなるように抵抗を変化させる。このときのセル電圧は反転電圧に等しい。可変抵抗回路105は、インバータ115、135をそれぞれ介し、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124と、ラッチ回路102との間に配置される。
【0044】
可変抵抗回路105は、MOSトランジスタ125、145を備える。各MOSトランジスタ125、145は、ゲート電圧Vg2に基づいてオン抵抗が変化する。MOSトランジスタ125は、インバータ115を介して電圧制御型磁気抵抗効果素子114と揮発性記憶ノードNとの間に接続される。このとき、MOSトランジスタ125およびインバータ115は互いに直列に接続される。MOSトランジスタ125およびインバータ115の直列回路は、MOSトランジスタ113に並列に接続される。MOSトランジスタ145は、インバータ135を介して電圧制御型磁気抵抗効果素子124と揮発性記憶ノードNBとの間に接続される。このとき、MOSトランジスタ145およびインバータ135は互いに直列に接続される。MOSトランジスタ145およびインバータ135の直列回路は、MOSトランジスタ113に並列に接続される。なお、MOSトランジスタ125、145は、特許請求の範囲に記載の可変抵抗素子の一例である。
【0045】
パワーゲーティングトランジスタ106は、各インバータ112、122のパワーゲーティングを実施する。このとき、パワーゲーティングトランジスタ106は、各揮発性記憶ノードNおよびNBに蓄積された電荷を電源電位に引き抜くことができる。パワーゲーティングトランジスタ106の開閉は、パワーゲーティング信号LPSに基づいて制御される。パワーゲーティングトランジスタ106は、PMOSトランジスタでもよい。このとき、パワーゲーティング信号LPSは、パワーゲーティングトランジスタ106のゲートに印加される。
【0046】
駆動端子NDには、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124を駆動する駆動電圧が印加される。駆動電圧は、インバータ108に入力された制御電圧CTRLを反転させて生成することができる。
【0047】
ここで、ゲート電圧Vg1に基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗書込みされる場合、ゲート電圧Vg2に基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗書込みされる。
【0048】
このとき、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、ゲート電圧Vg1に基づいて、反転電圧が電圧制御型磁気抵抗効果素子114に印加される。一方、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、ゲート電圧Vg1に基づいて、反転電圧よりも大きな電圧が電圧制御型磁気抵抗効果素子114に印加される。
【0049】
また、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、ゲート電圧Vg2に基づいて、反転電圧が電圧制御型磁気抵抗効果素子124に印加される。一方、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、ゲート電圧Vg2に基づいて、反転電圧よりも小さな電圧が電圧制御型磁気抵抗効果素子124に印加される。
【0050】
ゲート電圧Vg1に基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子114が低抵抗書込みされる場合、ゲート電圧Vg2に基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子124が高抵抗書込みされる。
【0051】
このとき、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が低抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、ゲート電圧Vg1に基づいて、反転電圧が電圧制御型磁気抵抗効果素子114に印加される。一方、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が低抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、ゲート電圧Vg1に基づいて、反転電圧よりも小さな電圧が電圧制御型磁気抵抗効果素子114に印加される。
【0052】
また、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が高抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、ゲート電圧Vg2に基づいて、反転電圧が電圧制御型磁気抵抗効果素子124に印加される。一方、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が高抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、ゲート電圧Vg2に基づいて、反転電圧よりも大きな電圧が電圧制御型磁気抵抗効果素子124に印加される。
【0053】
そして、ラッチ回路102から各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124にデータを相補的にストアするものとする。このとき、ラッチ回路102と各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124との間に可変抵抗回路103を介在させた第1ストア動作と、ラッチ回路102と各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124との間に可変抵抗回路105を介在させた第2ストア動作とを実施する。また、電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124に同一方向の電圧がかかるように駆動端子NDが駆動される。なお、第1ストア動作を実施した後に第2ストア動作を実施してもよいし、第2ストア動作を実施した後に第1ストア動作を実施してもよい。
【0054】
第1ストア動作では、各MOSトランジスタ113、123にゲート電圧Vg1が印加されている時に電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の一方に反転電圧がかかるように駆動端子NDが駆動される。このとき、電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の他方には、反転電圧より小さい電圧が印加される。
【0055】
第2ストア動作では、各MOSトランジスタ125、145にゲート電圧Vg2が印加されている時に電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の他方に反転電圧がかかるように駆動端子NDが駆動される。このとき、電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の一方には、反転電圧より小さい電圧が印加される。
【0056】
各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124からラッチ回路102にデータを相補的にリストアするものとする。このとき、ピン層141に印加される電圧よりも低い電圧がフリー層143にかかるように駆動端子NDが駆動される。
【0057】
図2は、第1の実施の形態に係る記憶装置の第1ストア動作の第1の例を示す図、
図3は、第1の実施の形態に係る記憶装置の第2ストア動作の第1の例を示す図である。なお、第1ストア動作および第2ストア動作の第1の例では、揮発性記憶ノードNに論理値'1'、揮発性記憶ノードNBに論理値'0'が保持され、そのときのノード電圧VAが1V、ノード電圧VBが0Vである場合を例にとる。また、駆動端子NDに論理値'0'が設定され、そのときの駆動電圧が0Vである場合を例にとる。なお、ノード電圧VA、VBおよび駆動電圧は、これらの値に限定されない。
【0058】
図2において、第1ストア動作では、揮発性記憶ノードNと駆動端子NDとの間には、1Vの電圧が印加され、揮発性記憶ノードNBと駆動端子NDとの間には、0Vの電圧が印加される。ここで、揮発性記憶ノードNと駆動端子NDとの間の電圧は、MOSトランジスタ113のオン抵抗にかかる電圧と、電圧制御型磁気抵抗効果素子114に印加されるセル電圧とに分圧される。このとき、ゲート電圧Vg1は、MOSトランジスタ113のオン抵抗にて揮発性記憶ノードNと駆動端子NDとの間の電圧が分圧されたときに、低抵抗状態の電圧制御型磁気抵抗効果素子114に印加されるセル電圧が反転電圧に一致するように設定される。ゲート電圧Vg2は、MOSトランジスタ125、145がオフするように設定される。
【0059】
ここで、高抵抗書込み時において、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が低抵抗状態にある場合、電圧制御型磁気抵抗効果素子114には反転電圧が印加されるため、電圧制御型磁気抵抗効果素子114は低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する。一方、高抵抗書込み時において、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗状態にある場合、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が低抵抗状態にある場合に比べて、MOSトランジスタ113のオン抵抗への分圧比が低下する。このため、電圧制御型磁気抵抗効果素子114に印加されるセル電圧は反転電圧より大きくなり、電圧制御型磁気抵抗効果素子114の面内磁気異方性により面内の回転成分が現れるが、この回転成分は磁化方向の反転には寄与しないため、電圧制御型磁気抵抗効果素子114の高抵抗状態が維持される。
【0060】
一方、揮発性記憶ノードNBと駆動端子NDとの間には0Vの電圧が印加され、電圧制御型磁気抵抗効果素子124のセル電圧は0Vになる。このため、電圧制御型磁気抵抗効果素子124の磁化方向は変化せず、電圧制御型磁気抵抗効果素子124には書込みは実施されない。
【0061】
図3において、第2ストア動作においても、揮発性記憶ノードNと駆動端子NDとの間には、1Vの電圧が印加され、揮発性記憶ノードNBと駆動端子NDとの間には、0Vの電圧が印加される。一方、インバータ115の出力と駆動端子NDとの間には、0Vの電圧が印加され、インバータ135の出力と駆動端子NDとの間には、1Vの電圧が印加される。ここで、インバータ135の出力と駆動端子NDとの間の電圧は、MOSトランジスタ145のオン抵抗にかかる電圧と、電圧制御型磁気抵抗効果素子124に印加されるセル電圧とに分圧される。このとき、ゲート電圧Vg2は、MOSトランジスタ145のオン抵抗にて揮発性記憶ノードNBと駆動端子NDとの間の電圧が分圧されたときに、高抵抗状態の電圧制御型磁気抵抗効果素子124に印加されるセル電圧が反転電圧に一致するように設定される。ゲート電圧Vg1は、MOSトランジスタ113、123がオフするように設定される。
【0062】
ここで、低抵抗書込み時において、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が高抵抗状態にある場合、電圧制御型磁気抵抗効果素子124には反転電圧が印加されるため、電圧制御型磁気抵抗効果素子124は高抵抗状態から低抵抗状態に遷移する。一方、低抵抗書込み時において、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗状態にある場合、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が高抵抗状態にある場合に比べて、MOSトランジスタ145のオン抵抗への分圧比が増大する。このため、電圧制御型磁気抵抗効果素子124に印加されるセル電圧は反転電圧より小さくなり、電圧制御型磁気抵抗効果素子124の垂直磁気異方性により電圧制御型磁気抵抗効果素子124の低抵抗状態が維持される。
【0063】
一方、インバータ115の出力と駆動端子NDとの間には0Vの電圧が印加され、電圧制御型磁気抵抗効果素子114のセル電圧は0Vになる。このため、電圧制御型磁気抵抗効果素子114の磁化方向は変化せず、電圧制御型磁気抵抗効果素子114の高抵抗状態が維持される。
【0064】
このように、ストア動作の第1の例において、電圧制御型磁気抵抗効果素子114の高抵抗書込みでは、揮発性記憶ノードNと駆動端子NDとの間のMOSトランジスタ113を介して電圧制御型磁気抵抗効果素子114に電圧が印加される。一方、電圧制御型磁気抵抗効果素子124の低抵抗書込みでは、揮発性記憶ノードNBと駆動端子NDとの間のインバータ135およびMOSトランジスタ145を介して電圧制御型磁気抵抗効果素子124に電圧が印加される。
【0065】
図4は、第1の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第1の例を示すタイミングチャートである。なお、同図では、第1ストア動作を実施した後に第2ストア動作を実施する例を示すが、第2ストア動作を実施した後に第1ストア動作を実施してもよい。
【0066】
同図において、揮発性記憶ノードNに論理値'1'、揮発性記憶ノードNBに論理値'0'が保持されるものとする。このとき、ノード電圧VAは1V、ノード電圧VBは0Vに設定され、出力データOUTは論理値'1'に設定される。また、駆動端子NDは0Vに設定される。
【0067】
次に、ゲート電圧Vg1がVgHに設定される(t1)。VgHは、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の高抵抗書込み時に各MOSトランジスタ113、123のゲートに印加される電圧である。このとき、第1ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗状態に設定される。
【0068】
次に、ゲート電圧Vg1が0Vに設定された後、ゲート電圧Vg2がVgLに設定される(t2)。VgLは、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の低抵抗書込み時に各MOSトランジスタ113、123のゲートに印加される電圧である。なお、VgLは、VgHよりも高い電圧に設定される。このとき、第2ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗状態に設定される。
【0069】
次に、ゲート電圧Vg2が0Vに設定され(t3)、ラッチ回路102から各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124への順論理のストアが完了する。
【0070】
図5は、第1の実施の形態に係る記憶装置の第1ストア動作の第2の例を示す図、
図6は、第1の実施の形態に係る記憶装置の第2ストア動作の第2の例を示す図である。なお、第1ストア動作および第2ストア動作の第2の例では、揮発性記憶ノードNに論理値'0'、揮発性記憶ノードNBに論理値'1'が保持されている場合を例にとる。
【0071】
図5において、第1ストア動作では、揮発性記憶ノードNと駆動端子NDとの間には、0Vの電圧が印加され、揮発性記憶ノードNBと駆動端子NDとの間には、1Vの電圧が印加される。ここで、揮発性記憶ノードNBと駆動端子NDとの間の電圧は、MOSトランジスタ123のオン抵抗にかかる電圧と、電圧制御型磁気抵抗効果素子124に印加されるセル電圧とに分圧される。このとき、ゲート電圧Vg1は、MOSトランジスタ123のオン抵抗にて揮発性記憶ノードNBと駆動端子NDとの間の電圧が分圧されたときに、低抵抗状態の電圧制御型磁気抵抗効果素子124に印加されるセル電圧が反転電圧に一致するように設定される。ゲート電圧Vg2は、MOSトランジスタ125、145がオフするように設定される。
【0072】
ここで、高抵抗書込み時において、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗状態にある場合、電圧制御型磁気抵抗効果素子124には反転電圧が印加されるため、電圧制御型磁気抵抗効果素子124は低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する。一方、高抵抗書込み時において、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が高抵抗状態にある場合、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗状態にある場合に比べて、MOSトランジスタ123のオン抵抗への分圧比が低下する。このため、電圧制御型磁気抵抗効果素子124に印加されるセル電圧は反転電圧より大きくなり、電圧制御型磁気抵抗効果素子124の面内磁気異方性により面内の回転成分が現れるが、この回転成分は磁化方向の反転には寄与しないため、電圧制御型磁気抵抗効果素子124の高抵抗状態が維持される。
【0073】
一方、揮発性記憶ノードNと駆動端子NDとの間には0Vの電圧が印加され、電圧制御型磁気抵抗効果素子114のセル電圧は0Vになる。このため、電圧制御型磁気抵抗効果素子114の磁化方向は変化せず、電圧制御型磁気抵抗効果素子114には書込みは実施されない。
【0074】
図6において、第2ストア動作においても、揮発性記憶ノードNと駆動端子NDとの間には、0Vの電圧が印加され、揮発性記憶ノードNBと駆動端子NDとの間には、1Vの電圧が印加される。一方、インバータ115の出力と駆動端子NDとの間には、1Vの電圧が印加され、インバータ135の出力と駆動端子NDとの間には、0Vの電圧が印加される。ここで、インバータ115の出力と駆動端子NDとの間の電圧は、MOSトランジスタ125のオン抵抗にかかる電圧と、電圧制御型磁気抵抗効果素子114に印加されるセル電圧とに分圧される。このとき、ゲート電圧Vg2は、MOSトランジスタ125のオン抵抗にて揮発性記憶ノードNと駆動端子NDとの間の電圧が分圧されたときに、高抵抗状態の電圧制御型磁気抵抗効果素子114に印加されるセル電圧が反転電圧に一致するように設定される。ゲート電圧Vg1は、MOSトランジスタ113、123がオフするように設定される。
【0075】
ここで、低抵抗書込み時において、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗状態にある場合、電圧制御型磁気抵抗効果素子114には反転電圧が印加されるため、電圧制御型磁気抵抗効果素子114は高抵抗状態から低抵抗状態に遷移する。一方、低抵抗書込み時において、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が低抵抗状態にある場合、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗状態にある場合に比べて、MOSトランジスタ125のオン抵抗への分圧比が増大する。このため、電圧制御型磁気抵抗効果素子114に印加されるセル電圧は反転電圧より小さくなり、電圧制御型磁気抵抗効果素子114の垂直磁気異方性により電圧制御型磁気抵抗効果素子114の低抵抗状態が維持される。
【0076】
一方、インバータ135の出力と駆動端子NDとの間には0Vの電圧が印加され、電圧制御型磁気抵抗効果素子124のセル電圧は0Vになる。このため、電圧制御型磁気抵抗効果素子124の磁化方向は変化せず、電圧制御型磁気抵抗効果素子124の高抵抗状態が維持される。
【0077】
このように、ストア動作の第2の例において、電圧制御型磁気抵抗効果素子124の高抵抗書込みでは、揮発性記憶ノードNBと駆動端子NDとの間のMOSトランジスタ123を介して電圧制御型磁気抵抗効果素子124に電圧が印加される。一方、電圧制御型磁気抵抗効果素子114の低抵抗書込みでは、揮発性記憶ノードNと駆動端子NDとの間のインバータ115およびMOSトランジスタ125を介して電圧制御型磁気抵抗効果素子114に電圧が印加される。
【0078】
図7は、第1の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第2の例を示すタイミングチャートである。なお、同図では、第1ストア動作を実施した後に第2ストア動作を実施する例を示すが、第2ストア動作を実施した後に第1ストア動作を実施してもよい。
【0079】
同図において、揮発性記憶ノードNに論理値'0'、揮発性記憶ノードNBに論理値'1'が保持されるものとする。このとき、ノード電圧VAは0V、ノード電圧VBは1Vに設定され、出力データOUTは論理値'0'に設定される。また、駆動端子NDは0Vに設定される。
【0080】
次に、ゲート電圧Vg1がVgHに設定される(t1)。このとき、第1ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が高抵抗状態に設定される。
【0081】
次に、ゲート電圧Vg1が0Vに設定された後、ゲート電圧Vg2がVgLに設定される(t2)。このとき、第2ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が低抵抗状態に設定される。
【0082】
次に、ゲート電圧Vg2が0Vに設定され(t3)、ラッチ回路102から各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124への順論理のストアが完了する。
【0083】
図8は、第1の実施の形態に係る記憶装置のリストア動作の一例を示す図である。
【0084】
同図において、リストア動作では、ゲート電圧Vg1はVgHに設定され、ピン層141に印加される電圧よりも低い電圧がフリー層143に印加されるように駆動端子NDが駆動される。駆動端子NDに印加される電圧は0Vでもよい。また、ゲート電圧Vg2は、各MOSトランジスタ125、145がオフするように設定される。ここで、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗状態、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗状態にあるものとする。そして、ゲート電圧Vg1がVgHに設定されているときに、パワーゲーティングトランジスタ106がオフされ、ラッチ回路102に蓄積された電荷がディスチャージされる。そして、パワーゲーティングトランジスタ106がオンされると、ノード電圧VAの方がノード電圧VBより高くなり、揮発性記憶ノードNに論理値'1'、揮発性記憶ノードNBに論理値'0'がリストアされる。
【0085】
ここで、揮発性記憶ノードNに論理値'1'がリストアされると、ノード電圧VAが1Vになり、電圧制御型磁気抵抗効果素子114に電圧がかかる。このとき、ゲート電圧Vg1はVgHに設定され、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗状態にあるときは、電圧制御型磁気抵抗効果素子114の高抵抗状態はそのまま維持される。一方、揮発性記憶ノードNBに論理値'0'がリストアされると、ノード電圧VBが0Vになり、電圧制御型磁気抵抗効果素子124には電圧がかからないので、電圧制御型磁気抵抗効果素子124の低抵抗状態はそのまま維持される。
【0086】
図9は、第1の実施の形態に係る記憶装置のリストアタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【0087】
同図において、電圧制御型磁気抵抗効果素子114は高抵抗状態を保持し、電圧制御型磁気抵抗効果素子124は低抵抗状態を保持しているものとする。
【0088】
ここで、リストア時には、ゲート電圧Vg1はVgHに設定され、ゲート電圧Vg2は0Vに設定され、駆動端子NDには0Vが印加される(t11)。また、パワーゲーティング信号LPSが立ち上がり、パワーゲーティングトランジスタ106がオフされてラッチ回路102に蓄積された電荷がディスチャージされる。
【0089】
次に、パワーゲーティング信号LPSが立ち下がり、パワーゲーティングトランジスタ106がオンされる(t12)。このとき、ノード電圧VAの方がノード電圧VBより高くなり、揮発性記憶ノードNに論理値'1'、揮発性記憶ノードNBに論理値'0'がリストアされる。
【0090】
次に、ゲート電圧Vg1は0Vに設定される(t13)。このとき、電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124は、ラッチ回路102から切り離される。また、電圧制御型磁気抵抗効果素子114は高抵抗状態を維持し、電圧制御型磁気抵抗効果素子124は低抵抗状態を維持する。
【0091】
このように、上述の第1の実施の形態では、ラッチ回路102に電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124を設ける。これにより、ラッチ回路102に保持されているデータを電圧駆動に基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124にストアすることができる。このため、ラッチ回路102に保持されたデータが電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124にストアされるときの消費電力の増大を抑制しつつ、不揮発性記憶機能をラッチ回路102に付加することができる。
【0092】
また、ラッチ回路102と各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124との間において、MOSトランジスタ113、123を接続するとともに、インバータ115、135をそれぞれ介してMOSトランジスタ125、145を接続する。これにより、ラッチ回路102に相補的に保持されているデータに対応しつつ、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124に印加される同一極性のセル電圧に基づいて各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124にデータを書込むことができる。
【0093】
このとき、各MOSトランジスタ113、123は、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124が高抵抗状態から低抵抗状態に遷移する時と低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する時とでセル電圧が互いに略等しくなるように抵抗を変化させることができる。また、各MOSトランジスタ125、145は、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124が高抵抗状態から低抵抗状態に遷移する時と低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する時とでセル電圧が互いに略等しくなるように抵抗を変化させることができる。これにより、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124は、低抵抗書込み時の低抵抗状態を維持しつつ、高抵抗状態から低抵抗状態に遷移可能となるとともに、高抵抗書込み時の高抵抗状態を維持しつつ、低抵抗状態から高抵抗状態に遷移可能となる。
【0094】
また、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124からラッチ回路102にデータをリストアする場合、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のピン層141に印加される電圧よりも低い電圧をフリー層143に印加する。これにより、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124に保持されているデータを破壊することなく、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124からラッチ回路102にデータをリストアすることができる。
【0095】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、ラッチ回路102に電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124を設け、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のフリー層143に駆動電圧を印加し、ラッチ回路102の順論理をストアした。この第2の実施の形態では、ラッチ回路102に電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124を設け、電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のフリー層143に駆動電圧を印加し、ラッチ回路102の逆論理をストアする。
【0096】
図10は、第2の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第1の例を示すタイミングチャートである。なお、同図では、第1ストア動作を実施した後に第2ストア動作を実施する例を示すが、第2ストア動作を実施した後に第1ストア動作を実施してもよい。
【0097】
同図において、第2の実施の形態の記憶装置の構成は、上述の第1の実施の記憶装置101の構成と同様である。ここで、揮発性記憶ノードNに論理値'1'、揮発性記憶ノードNBに論理値'0'が保持されるものとする。このとき、ノード電圧VAは1V、ノード電圧VBは0Vに設定され、出力データOUTは論理値'1'に設定される。また、駆動端子NDは0Vに設定される。
【0098】
次に、ゲート電圧Vg1がVgLに設定される(t1)。このとき、第1ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が低抵抗状態に設定される。
【0099】
次に、ゲート電圧Vg1が0Vに設定された後、ゲート電圧Vg2がVgHに設定される(t2)。このとき、第2ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が高抵抗状態に設定される。
【0100】
次に、ゲート電圧Vg2が0Vに設定され(t3)、ラッチ回路102から各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124への逆論理のストアが完了する。
【0101】
図11は、第2の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第2の例を示すタイミングチャートである。なお、同図では、第1ストア動作を実施した後に第2ストア動作を実施する例を示すが、第2ストア動作を実施した後に第1ストア動作を実施してもよい。
【0102】
同図において、揮発性記憶ノードNに論理値'0'、揮発性記憶ノードNBに論理値'1'が保持されるものとする。このとき、ノード電圧VAは0V、ノード電圧VBは1Vに設定され、出力データOUTは論理値'0'に設定される。また、駆動端子NDは0Vに設定される。
【0103】
次に、ゲート電圧Vg1がVgLに設定される(t1)。このとき、第1ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗状態に設定される。
【0104】
次に、ゲート電圧Vg1が0Vに設定された後、ゲート電圧Vg2がVgHに設定される(t2)。このとき、第2ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗状態に設定される。
【0105】
次に、ゲート電圧Vg2が0Vに設定され(t3)、ラッチ回路102から各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124への逆論理のストアが完了する。
【0106】
図12は、第2の実施の形態に係る記憶装置のリストアタイミングの一例を示すタイミングチャートである。なお、同図では、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗状態、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗状態に設定されている例を示す。
【0107】
同図において、電圧制御型磁気抵抗効果素子114は低抵抗状態を保持し、電圧制御型磁気抵抗効果素子124は高抵抗状態を保持しているものとする。
【0108】
ここで、リストア時には、ゲート電圧Vg1はMOSトランジスタ113、123がオンするように設定され、ゲート電圧Vg2は0Vに設定され、駆動端子NDには1Vが印加される(t11)。また、パワーゲーティング信号LPSが立ち上がり、パワーゲーティングトランジスタ106がオフされてラッチ回路102に蓄積された電荷がディスチャージされる。
【0109】
次に、パワーゲーティング信号LPSが立ち下がり、パワーゲーティングトランジスタ106がオンされる(t12)。このとき、ノード電圧VAの方がノード電圧VBより高くなり、揮発性記憶ノードNに論理値'1'、揮発性記憶ノードNBに論理値'0'がリストアされる。
【0110】
次に、ゲート電圧Vg1は0Vに設定される(t13)。このとき、電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124は、ラッチ回路102から切り離される。また、電圧制御型磁気抵抗効果素子114は低抵抗状態を維持し、電圧制御型磁気抵抗効果素子124は高抵抗状態を維持する。
【0111】
このように、上述の第2の実施の形態では、ラッチ回路102の逆論理を電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124にストアする。そして、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124からラッチ回路102にデータをリストアする場合、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のピン層141に印加される電圧よりも高い電圧をフリー層143に印加する。これにより、リストア時に各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の垂直磁気異方性が増大するように電圧をかけることができる。このため、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124に保持されているデータを破壊することなく、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124からラッチ回路102にデータをリストアすることができる。
【0112】
<3.第3の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、ラッチ回路102に電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124を設け、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のフリー層143に駆動電圧を印加し、ラッチ回路102の順論理をストアした。この第3の実施の形態では、ラッチ回路102に電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124を設け、電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のピン層141に駆動電圧を印加し、ラッチ回路102の順論理をストアする。
【0113】
図13は、第3の実施の形態に係る記憶装置の構成例を示す図である。
【0114】
同図において、記憶装置301は、上述の第1の実施の形態の電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の接続方向が反転されている。第3の実施の形態の記憶装置301のそれ以外の構成は、上述の第1の実施の形態の記憶装置101の構成と同様である。
【0115】
電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124は、ピン層141が駆動端子NDに接続されている。また、電圧制御型磁気抵抗効果素子114のフリー層143は、各MOSトランジスタ113、125に接続され、電圧制御型磁気抵抗効果素子124のフリー層143は、各MOSトランジスタ123、145に接続されている。
【0116】
図14は、第3の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第1の例を示すタイミングチャートである。なお、同図では、第1ストア動作を実施した後に第2ストア動作を実施する例を示すが、第2ストア動作を実施した後に第1ストア動作を実施してもよい。
【0117】
同図において、揮発性記憶ノードNに論理値'1'、揮発性記憶ノードNBに論理値'0'が保持されるものとする。このとき、ノード電圧VAは1V、ノード電圧VBは0Vに設定され、出力データOUTは論理値'1'に設定される。また、駆動端子NDは1Vに設定される。
【0118】
次に、ゲート電圧Vg1がVgHに設定される(t1)。このとき、第1ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗状態に設定される。
【0119】
次に、ゲート電圧Vg1が0Vに設定された後、ゲート電圧Vg2がVgLに設定される(t2)。このとき、第2ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗状態に設定される。
【0120】
次に、ゲート電圧Vg2が0Vに設定され(t3)、ラッチ回路102から各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124への順論理のストアが完了する。
【0121】
図15は、第3の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第2の例を示すタイミングチャートである。なお、同図では、第1ストア動作を実施した後に第2ストア動作を実施する例を示すが、第2ストア動作を実施した後に第1ストア動作を実施してもよい。
【0122】
同図において、揮発性記憶ノードNに論理値'0'、揮発性記憶ノードNBに論理値'1'が保持されるものとする。このとき、ノード電圧VAは0V、ノード電圧VBは1Vに設定され、出力データOUTは論理値'0'に設定される。また、駆動端子NDは1Vに設定される。
【0123】
次に、ゲート電圧Vg1がVgHに設定される(t1)。このとき、第1ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が高抵抗状態に設定される。
【0124】
次に、ゲート電圧Vg1が0Vに設定された後、ゲート電圧Vg2がVgLに設定される(t2)。このとき、第2ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が低抵抗状態に設定される。
【0125】
次に、ゲート電圧Vg2が0Vに設定され(t3)、ラッチ回路102から各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124への順論理のストアが完了する。
【0126】
なお、第3の実施の形態の記憶装置301のリストア動作は、上述の第1の実施の形態の記憶装置101のリストア動作と同様である。
【0127】
このように、上述の第3の実施の形態では、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のピン層141を駆動端子NDに接続する。そして、ストア時において、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のピン層141の電圧の方がフリー層143の電圧よりも高くなるように駆動端子NDに駆動電圧を印加する。これにより、ラッチ回路102に保持されているデータを電圧駆動に基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124にストアすることができる。
【0128】
また、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124からラッチ回路102にデータをリストアする場合、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のピン層141に印加される電圧よりも高い電圧をフリー層143に印加する。これにより、リストア時に各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の垂直磁気異方性が増大するように電圧をかけることができる。このため、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124に保持されているデータを破壊することなく、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124からラッチ回路102にデータをリストアすることができる。
【0129】
<4.第4の実施の形態>
上述の第3の実施の形態では、ラッチ回路102に電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124を設け、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のピン層141に駆動電圧を印加し、ラッチ回路102の順論理をストアした。この第4の実施の形態では、ラッチ回路102に電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124を設け、電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のピン層141に駆動電圧を印加し、ラッチ回路102の逆論理をストアする。
【0130】
図16は、第4の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第1の例を示すタイミングチャートである。なお、同図では、第1ストア動作を実施した後に第2ストア動作を実施する例を示すが、第2ストア動作を実施した後に第1ストア動作を実施してもよい。
【0131】
同図において、第4の実施の形態の記憶装置の構成は、上述の第3の実施の記憶装置301の構成と同様である。ここで、揮発性記憶ノードNに論理値'1'、揮発性記憶ノードNBに論理値'0'が保持されるものとする。このとき、ノード電圧VAは1V、ノード電圧VBは0Vに設定され、出力データOUTは論理値'1'に設定される。また、駆動端子NDは1Vに設定される。
【0132】
次に、ゲート電圧Vg1がVgLに設定される(t1)。このとき、第1ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が低抵抗状態に設定される。
【0133】
次に、ゲート電圧Vg1が0Vに設定された後、ゲート電圧Vg2がVgHに設定される(t2)。このとき、第2ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が高抵抗状態に設定される。
【0134】
次に、ゲート電圧Vg2が0Vに設定され(t3)、ラッチ回路102から各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124への逆論理のストアが完了する。
【0135】
図17は、第4の実施の形態に係る記憶装置のストアタイミングの第2の例を示すタイミングチャートである。なお、同図では、第1ストア動作を実施した後に第2ストア動作を実施する例を示すが、第2ストア動作を実施した後に第1ストア動作を実施してもよい。
【0136】
同図において、揮発性記憶ノードNに論理値'0'、揮発性記憶ノードNBに論理値'1'が保持されるものとする。このとき、ノード電圧VAは0V、ノード電圧VBは1Vに設定され、出力データOUTは論理値'0'に設定される。また、駆動端子NDは1Vに設定される。
【0137】
次に、ゲート電圧Vg1がVgLに設定される(t1)。このとき、第1ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子124が低抵抗状態に設定される。
【0138】
次に、ゲート電圧Vg1が0Vに設定された後、ゲート電圧Vg2がVgHに設定される(t2)。このとき、第2ストア動作が実施され、電圧制御型磁気抵抗効果素子114が高抵抗状態に設定される。
【0139】
次に、ゲート電圧Vg2が0Vに設定され(t3)、ラッチ回路102から各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124への逆論理のストアが完了する。
【0140】
なお、第4の実施の形態の記憶装置のリストア動作は、上述の第2の実施の形態の記憶装置のリストア動作と同様である。
【0141】
このように、上述の第4の実施の形態では、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のピン層141を駆動端子NDに接続する。そして、ストア時において、各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のピン層141の電圧の方がフリー層143の電圧よりも高くなるように駆動端子NDに駆動電圧を印加する。これにより、ラッチ回路102に保持されているデータを電圧駆動に基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124にストアすることができる。
【0142】
<5.第5の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124をラッチ回路102に設けた。この第5の実施の形態では、電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124をSRAMに設ける。
【0143】
図18は、第5の実施の形態に係る記憶装置の構成例を示す図である。
【0144】
同図において、記憶装置600は、メモリセルアレイ671、ワード線デコーダ672、ワード線ドライバ673、ビット線デコーダ674およびビット線ドライバ675を備える。また、記憶装置600は、ストア/リストア制御回路676、センスアンプ677および制御回路678を備える。
【0145】
メモリセルアレイ671は、メモリセル601が、ロウ方向およびカラム方向にマトリックス状に配置されている。各メモリセル601には、揮発性記憶部と不揮発性記憶部とが設けられる。揮発性記憶部としてSRAMが設けられる。不揮発性記憶部として電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124が設けられる。SRAMと各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124との間には、MOSトランジスタ113、123がそれぞれ接続される。また、SRAMと各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124との間には、インバータ115、135をそれぞれ介し、MOSトランジスタ125、145がそれぞれ接続される。このとき、各メモリセル601は、NV(Non Volatile)SRAMを構成することができる。また、メモリセルアレイ671には、ワード線WLがロウごとに設けられるとともに、ビット線BL、BLBがカラムごとに設けられる。さらに、メモリセルアレイ671には、ゲート電圧伝送線LV1、LV2および電圧駆動線CTLが設けられる。ゲート電圧伝送線LV1は、ゲート電圧Vg1を各MOSトランジスタ113、123のゲートに伝送する。ゲート電圧伝送線LV2は、ゲート電圧Vg2を各MOSトランジスタ125、145のゲートに伝送する。電圧駆動線CTLは、ストア時およびリストア時に用いられる駆動電圧を各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124に供給する。なお、以下の説明では、SRAMへのデータの書込みをライト、SRAMからのデータの読出しをリードと言う。
【0146】
ワード線デコーダ672は、コマンドおよびロウアドレスを解釈し、リードまたはライトの対象となるメモリセル601が接続されたワード線WLを選択する。ワード線ドライバ673は、ワード線デコーダ672にて選択されたワード線WLを駆動する。
【0147】
ビット線デコーダ674は、コマンドおよびロウアドレスを解釈し、リードまたはライトの対象となるメモリセル601が接続されたビット線BLおよびBLBを選択する。ビット線ドライバ675は、ビット線デコーダ674にて選択されたビット線BLおよびBLBを駆動する。
【0148】
ストア/リストア制御回路676は、メモリセルアレイ671に含まれるメモリセル601のストアおよびリストアを制御する。このとき、ストア/リストア制御回路676は、SRAMに相補的に保持されたデータに基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の一方にストアする時にゲート電圧Vg1をゲート電圧伝送線LV1に印加する。また、ストア/リストア制御回路676は、SRAMに相補的に保持されたデータに基づいて電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124の他方にストア時にゲート電圧Vg2をゲート電圧伝送線LV2に印加する。また、ストア/リストア制御回路676は、ストア時およびリストア時に用いられる駆動電圧を電圧駆動線CTLに印加する。
【0149】
センスアンプ677は、ビット線デコーダ674にて選択されたビット線BLおよびBLBの電位に基づいて、メモリセルアレイ671から読み出されたデータを検出する。制御回路678は、センスアンプ677で検出されたデータが入力され、ビット線デコーダ674、ワード線デコーダ672およびストア/リストア制御回路676の動作を制御する。
【0150】
図19は、第5の実施の形態に係る記憶装置のメモリセルの構成例を示す図である。
【0151】
同図において、メモリセル601は、上述の第1の実施の形態のラッチ回路102に代えて、SRAM602を備える。なお、SRAM602は、特許請求の範囲に記載の揮発性記憶部の一例である。
【0152】
SRAM602は、データを相補的に保持する。このとき、SRAM602は、双安定回路として動作し、データを揮発的に保持することができる。SRAM602は、データを相補的に保持する揮発性記憶ノードNおよびNBを備える。各揮発性記憶ノードNおよびNBは、データを揮発的に保持する。
【0153】
SRAM602は、アクセストランジスタ633および643がラッチ回路102に追加されている。アクセストランジスタ633および643は、MOSトランジスタでもよい。アクセストランジスタ633は、ビット線BLと揮発性記憶ノードNとの間に接続されている。アクセストランジスタ643は、ビット線BLBと揮発性記憶ノードNBとの間に接続されている。各アクセストランジスタ633および643のゲートは、ワード線WLに接続されている。
【0154】
電圧制御型磁気抵抗効果素子114は、MOSトランジスタ113を介してSRAM602の揮発性記憶ノードNに接続される。また、電圧制御型磁気抵抗効果素子114は、MOSトランジスタ125を介してSRAM602の揮発性記憶ノードNに接続される。このとき、揮発性記憶ノードNとMOSトランジスタ125との間には、インバータ115が介在される。電圧制御型磁気抵抗効果素子124は、MOSトランジスタ123を介してSRAM602の揮発性記憶ノードNBに接続される。また、電圧制御型磁気抵抗効果素子124は、MOSトランジスタ145を介してSRAM602の揮発性記憶ノードNBに接続される。このとき、揮発性記憶ノードNBとMOSトランジスタ145との間には、インバータ135が介在される。各電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124のフリー層143は駆動端子NDに接続される。駆動端子NDには、電圧駆動線CTLを介して駆動電圧が印加される。MOSトランジスタ113、123のゲートには、ゲート電圧伝送線LV1を介してゲート電圧Vg1が印加される。MOSトランジスタ125、145のゲートには、ゲート電圧伝送線LV2を介してゲート電圧Vg2が印加される。
【0155】
このように、上述の第5の実施の形態では、SRAM602を含む各メモリセル601に電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124を設ける。これにより、SRAMに保持されたデータが電圧制御型磁気抵抗効果素子114、124にストアされるときの消費電力の増大を抑制しつつ、不揮発性記憶機能をSRAMに付加することができる。
【0156】
なお、上述の第5の実施の形態では、上述の第1の実施の形態のラッチ回路102に代えて、SRAM602を設けた例を示したが、上述の第2の実施の形態のラッチ回路102に代えて、SRAM602を設けてもよい。また、上述の第3の実施の形態のラッチ回路102に代えて、SRAM602を設けてもよいし、上述の第4の実施の形態のラッチ回路102に代えて、SRAM602を設けてもよい。
【0157】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0158】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)データを相補的に保持する揮発性記憶部と、
前記揮発性記憶部に相補的に保持されたデータを保持する電圧制御型磁気抵抗効果素子と、
前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間に接続され、前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間の抵抗が可変な第1可変抵抗素子と、
前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間にインバータを介して接続され、前記揮発性記憶部と前記電圧制御型磁気抵抗効果素子との間の抵抗が可変な第2可変抵抗素子と
を具備する記憶装置。
(2)前記第2可変抵抗素子および前記インバータは直列に接続され、前記第2可変抵抗素子および前記インバータの直列回路は、前記第1可変抵抗素子と並列に接続される
前記(1)に記載の記憶装置。
(3)前記第1可変抵抗素子および前記第2可変抵抗素子はそれぞれ、前記電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗状態から低抵抗状態に遷移する時と低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する時とで前記電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加されるセル電圧が互いに略等しくなるように抵抗を変化させる
前記(1)または(2)に記載の記憶装置。
(4)前記第1可変抵抗素子は、第1ゲート電圧に基づいてオン抵抗が変化する第1電界効果トランジスタを備え、
前記第2可変抵抗素子は、第2ゲート電圧に基づいてオン抵抗が変化する第2電界効果トランジスタを備える
前記(1)から(3)のいずれかに記載の記憶装置。
(5)前記第1電界効果トランジスタは、前記第1可変抵抗素子として用いられるだけでなく、前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアするストアトランジスタおよび前記電圧制御型磁気抵抗効果素子から前記揮発性記憶部にデータをリストアするリストアトランジスタとしても用いられる
前記(1)から(4)のいずれかに記載の記憶装置。
(6)前記電圧制御型磁気抵抗効果素子は、前記揮発性記憶部に相補的に保持されるデータに応じて互いに異なる抵抗状態が設定される第1電圧制御型磁気抵抗効果素子および第2電圧制御型磁気抵抗効果素子を備える
前記(1)から(5)のいずれかに記載の記憶装置。
(7)前記第1電界効果トランジスタに印加される第1ゲート電圧に基づいて前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合、前記第2電界効果トランジスタに印加される第2ゲート電圧に基づいて前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる
前記(6)に記載の記憶装置。
(8)前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも大きな電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも小さな電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加される
前記(7)に記載の記憶装置。
(9)前記第1電界効果トランジスタに印加される第1ゲート電圧に基づいて前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合、前記第2電界効果トランジスタに印加される第2ゲート電圧に基づいて前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる
前記(6)に記載の記憶装置。
(10)前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子が低抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第1ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも小さな電圧が前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に低抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子の磁化方向を反転させる反転電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加され、
前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子が高抵抗書込みされる場合に高抵抗状態にある場合、前記第2ゲート電圧に基づいて、前記反転電圧よりも大きな電圧が前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に印加される
前記(9)に記載の記憶装置。
(11)前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子および前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子はそれぞれ、
磁化方向が固定されたピン層と、
電圧に基づいて誘起された磁気の磁化方向が反転可能なフリー層と、
前記ピン層と前記フリー層との間に挟まれたトンネルバリア層と
を備える前記(1)から(10)のいずれかに記載の記憶装置。
(12)前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアする場合、
前記第1電界効果トランジスタに前記第1ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子のフリー層に駆動電圧が印加され、
前記第2電界効果トランジスタに前記第2ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子のフリー層に前記駆動電圧が印加され、
前記電圧制御型磁気抵抗効果素子から前記揮発性記憶部にデータをリストアする場合、
前記ピン層に印加される電圧よりも低い電圧が前記フリー層に印加される
前記(11)に記載の記憶装置。
(13)前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアする場合、
前記第1電界効果トランジスタに前記第1ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子のピン層に駆動電圧が印加され、
前記第2電界効果トランジスタに前記第2ゲート電圧が印加されている時に前記反転電圧がかかるように前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子のピン層に前記駆動電圧が印加され、
前記電圧制御型磁気抵抗効果素子から前記揮発性記憶部にデータをリストアする場合、
前記フリー層に印加される電圧よりも低い電圧が前記ピン層に印加される
前記(11)または(12)に記載の記憶装置。
(14)前記揮発性記憶部から前記電圧制御型磁気抵抗効果素子にデータをストアする場合、
前記第1電圧制御型磁気抵抗効果素子および前記第2電圧制御型磁気抵抗効果素子に同一方向の電圧がかかるように前記駆動電圧が設定される
前記(12)または(13)に記載の記憶装置。
(15)前記インバータのパワーゲーティングを実施するパワーゲーティングトランジスタ
をさらに具備する前記(1)から(14)のいずれかに記載の記憶装置。
(16)前記揮発性記憶部はラッチ回路である
前記(1)から(15)のいずれかに記載の記憶装置。
(17)前記揮発性記憶部はSRAM(Static Random Access Memory)である
前記(1)から(15)のいずれかに記載の記憶装置。
【符号の説明】
【0159】
101 記憶装置
102 ラッチ回路
112、122 インバータ
103、105 可変抵抗回路
113、123、125、145 MOSトランジスタ
114、124 電圧制御型磁気抵抗効果素子
141 ピン層
142 トンネルバリア層
143 フリー層
115、135、107、108 インバータ
106 パワーゲーティングトランジスタ
N、NB 揮発性記憶ノード
ND 駆動端子