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特開2024-123394照明システム、制御装置、制御装置の制御方法、制御装置の制御プログラム、コントローラ端末、コントローラ端末の制御方法、および、コントローラ端末の制御プログラム
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  • 特開-照明システム、制御装置、制御装置の制御方法、制御装置の制御プログラム、コントローラ端末、コントローラ端末の制御方法、および、コントローラ端末の制御プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123394
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】照明システム、制御装置、制御装置の制御方法、制御装置の制御プログラム、コントローラ端末、コントローラ端末の制御方法、および、コントローラ端末の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20240905BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240905BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240905BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20240905BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B47/19
H05B45/10
H05B45/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030773
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 淳
(72)【発明者】
【氏名】佐川 賀宏
(72)【発明者】
【氏名】深澤 勇太
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273QA29
3K273RA04
3K273RA13
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA54
3K273TA57
3K273TA62
3K273UA16
3K273UA18
(57)【要約】
【課題】遠隔から照明装置を操作する際においても照明方向の操作が直感的に容易に行える照明システム等を提供すること。
【解決手段】実施形態の照明システムは、照明装置と、コントローラ端末と、制御装置とを備える。前記照明装置は、照明方向のパン角度およびチルト角度が制御可能である。前記コントローラ端末は、円周方向が前記パン角度に対応し、半径方向が前記チルト角度に対応する円状の操作画面を表示し、該操作画面上の現時点の前記パン角度および前記チルト角度に対応する調光カーソルにより照明方向の操作を受け付ける。前記制御装置は、前記照明装置が設置される場所の平面図上での前記照明装置の配置に応じて前記操作画面の円周方向の基準位置を設定する。前記コントローラ端末は前記操作画面に前記基準位置に対応する表示を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明方向のパン角度およびチルト角度が制御可能な照明装置と、
円周方向が前記パン角度に対応し、半径方向が前記チルト角度に対応する円状の操作画面を表示し、該操作画面上の現時点の前記パン角度および前記チルト角度に対応する調光カーソルにより照明方向の操作を受け付けるコントローラ端末と、
前記照明装置が設置される場所の平面図上での前記照明装置の配置に応じて前記操作画面の円周方向の基準位置を設定する制御装置と、
を備え、
前記コントローラ端末は前記操作画面に前記基準位置に対応する表示を行う、
照明システム。
【請求項2】
前記制御装置は前記照明装置の前記パン角度および前記チルト角度の可動範囲の情報を保持し、
前記コントローラ端末は前記操作画面に前記可動範囲を示す表示を行う、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記コントローラ端末は前記操作画面に表示拡大ボタンを有し、
前記表示拡大ボタンが押された際に、前記コントローラ端末は前記調光カーソルを中心とした前記操作画面の拡大表示を行う、
請求項1または2に記載の照明システム。
【請求項4】
照明方向のパン角度およびチルト角度が制御可能な照明装置と、円周方向が前記パン角度に対応し、半径方向が前記チルト角度に対応する円状の操作画面を表示し、該操作画面上の現時点の前記パン角度および前記チルト角度に対応する調光カーソルにより照明方向の操作を受け付けるコントローラ端末と通信可能な制御装置であって、
前記照明装置が設置される場所の平面図上での前記照明装置の配置に応じて前記操作画面の円周方向の基準位置を設定し、
前記コントローラ端末に前記操作画面に前記基準位置に対応する表示を行わせる、
制御装置。
【請求項5】
照明方向のパン角度およびチルト角度が制御可能な照明装置と、円周方向が前記パン角度に対応し、半径方向が前記チルト角度に対応する円状の操作画面を表示し、該操作画面上の現時点の前記パン角度および前記チルト角度に対応する調光カーソルにより照明方向の操作を受け付けるコントローラ端末と通信可能な制御装置のコンピュータが実行する制御方法であって、
前記照明装置が設置される場所の平面図上での前記照明装置の配置に応じて前記操作画面の円周方向の基準位置を設定する工程と、
前記コントローラ端末に前記操作画面に前記基準位置に対応する表示を行わせる工程と、
を含む制御装置の制御方法。
【請求項6】
照明方向のパン角度およびチルト角度が制御可能な照明装置と、円周方向が前記パン角度に対応し、半径方向が前記チルト角度に対応する円状の操作画面を表示し、該操作画面上の現時点の前記パン角度および前記チルト角度に対応する調光カーソルにより照明方向の操作を受け付けるコントローラ端末と通信可能な制御装置のコンピュータに、
前記照明装置が設置される場所の平面図上での前記照明装置の配置に応じて前記操作画面の円周方向の基準位置を設定する手順と、
前記コントローラ端末に前記操作画面に前記基準位置に対応する表示を行わせる手順と、
を実行させる制御装置の制御プログラム。
【請求項7】
照明方向のパン角度およびチルト角度が制御可能な照明装置と、該照明装置を管理する制御装置と通信可能なコントローラ端末であって、
前記制御装置に対して、前記照明装置が設置される場所の平面図上での前記照明装置の配置に応じて、円周方向が前記パン角度に対応し、半径方向が前記チルト角度に対応する円状の操作画面の円周方向の基準位置を設定する手段と、
前記制御装置から前記基準位置を取得し、前記基準位置を含む前記操作画面を表示し、該操作画面上の現時点の前記パン角度および前記チルト角度に対応する調光カーソルにより照明方向の操作を受け付ける手段と、
を備えるコントローラ端末。
【請求項8】
照明方向のパン角度およびチルト角度が制御可能な照明装置と、該照明装置を管理する制御装置と通信可能なコントローラ端末のコンピュータが実行する制御方法であって、
前記制御装置に対して、前記照明装置が設置される場所の平面図上での前記照明装置の配置に応じて、円周方向が前記パン角度に対応し、半径方向が前記チルト角度に対応する円状の操作画面の円周方向の基準位置を設定する工程と、
前記制御装置から前記基準位置を取得し、前記基準位置を含む前記操作画面を表示し、該操作画面上の現時点の前記パン角度および前記チルト角度に対応する調光カーソルにより照明方向の操作を受け付ける工程と、
を含むコントローラ端末の制御方法。
【請求項9】
照明方向のパン角度およびチルト角度が制御可能な照明装置と、該照明装置を管理する制御装置と通信可能なコントローラ端末のコンピュータに、
前記制御装置に対して、前記照明装置が設置される場所の平面図上での前記照明装置の配置に応じて、円周方向が前記パン角度に対応し、半径方向が前記チルト角度に対応する円状の操作画面の円周方向の基準位置を設定する手順と、
前記制御装置から前記基準位置を取得し、前記基準位置を含む前記操作画面を表示し、該操作画面上の現時点の前記パン角度および前記チルト角度に対応する調光カーソルにより照明方向の操作を受け付ける手順と、
を実行させるコントローラ端末の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム、制御装置、制御装置の制御方法、制御装置の制御プログラム、コントローラ端末、コントローラ端末の制御方法、および、コントローラ端末の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
照明方向の操作が直感的に容易に行える照明システムが提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。特許文献1では、直感的な操作を実現するため、操作者の手元のコントローラ端末上に円状の操作画面を表示し、操作者が照明装置を向いた状態での照明装置の基準方向(例えば、基台部の長手方向であって、光源部のない側から光源部のある側を向く方向。ただし、機種によって基台部の長手方向とは限らない)に対する平面上の角度が0°となる基準位置を円状の操作画面に表示し、操作画面上の調光カーソルの円周方向の位置を照明装置のパン角度に対応させ、半径方向の位置をチルト角度に対応させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-92004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、特許文献1では操作者が実際に照明装置を向いた状態での使用を前提としていたが、昨今のIoT(Internet of Things)の普及により、インターネット等のネットワークを介して遠隔から照明装置を操作するニーズが出現し、特許文献1では対応できない状況になっている。すなわち、操作者から実際に照明装置が見えないため、基準位置を設定することができず、操作画面を適正に表示することができなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、遠隔から照明装置を操作する際においても照明方向の操作が直感的に容易に行える照明システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る照明システムは、照明装置と、コントローラ端末と、制御装置とを備える。前記照明装置は、照明方向のパン角度およびチルト角度が制御可能である。前記コントローラ端末は、円周方向が前記パン角度に対応し、半径方向が前記チルト角度に対応する円状の操作画面を表示し、該操作画面上の現時点の前記パン角度および前記チルト角度に対応する調光カーソルにより照明方向の操作を受け付ける。前記制御装置は、前記照明装置が設置される場所の平面図上での前記照明装置の配置に応じて前記操作画面の円周方向の基準位置を設定する。前記コントローラ端末は前記操作画面に前記基準位置に対応する表示を行う。
【0007】
本発明の一態様に係る照明システムは、遠隔から照明装置を操作する際においても照明方向の操作が直感的に容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態にかかる照明システムの構成例を示す機能ブロック図である。
図2A図2Aは、照明装置の構成および姿勢の例を示す外観斜視図(1)である。
図2B図2Bは、照明装置の構成および姿勢の例を示す外観斜視図(2)である。
図2C図2Cは、照明装置の構成および姿勢の例を示す外観斜視図(3)である。
図3図3は、実施形態の処理例を示すシーケンス図である。
図4図4は、コントローラ端末に表示される照明装置の設定時の画面の例を示す図(1)である。
図5図5は、コントローラ端末に表示される照明装置の設定時の画面の例を示す図(2)である。
図6図6は、コントローラ端末に表示される照明装置の設定時の画面の例を示す図(3)である。
図7図7は、コントローラ端末に表示される照明装置の操作時の画面の例を示す図(1)である。
図8図8は、図7に対応する照明装置の配置の例を示す図である。
図9図9は、コントローラ端末に表示される照明装置の操作時の画面の例を示す図(2)である。
図10図10は、コントローラ端末に表示される照明装置の操作時の画面の例を示す図(3)である。
図11図11は、コントローラ端末に表示される照明装置の操作時の画面の例を示す図(4)である。
図12図12は、コントローラ端末に表示される照明装置の操作時の画面の例を示す図(5)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る照明システム、制御装置、制御装置の制御方法、制御装置の制御プログラム、コントローラ端末、コントローラ端末の制御方法、および、コントローラ端末の制御プログラムについて図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0010】
図1は、一実施形態にかかる照明システム1の構成例を示す機能ブロック図である。図1において、照明システム1は、インターネット等のネットワークNに接続された、複数の照明装置100と、制御装置200と、複数のコントローラ端末300とを含んでいる。なお、管理対象となる一群の照明装置100ごとに制御装置200が別に設けられてもよい。
【0011】
照明装置100は、任意の場所に設置された照明装置であり、光源110と、駆動部120と、照明装置制御部130と、記憶部140と、通信部150とを備えている。光源110は、LED(Light Emitting Diode)等により構成され、光を放射する。光源110は、光量や発光色の制御が可能であることが望ましい。駆動部120は、機械的な構造により、光源110の照明方向(水平面角度:パン角度、垂直面角度:チルト角度)を変更可能になっている。
【0012】
照明装置制御部130は、プロセッサを含むコンピュータの主要部分であり、記憶部140に記憶されたプログラムやデータに基づいて、光源110、駆動部120、通信部150を制御する。記憶部140は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部140には、プログラムのほか、自己(照明装置100)の状態データ(パン角度、チルト角度、光源110のオン/オフ等)が保持されている。記憶部140に記憶されるプログラムやデータは、ネットワークN経由または可搬型の記憶媒体を介して読み込みまたは書き出しが可能である。通信部150は、NIC(Network Interface Card)等により実現され、照明装置制御部130の制御のもと、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の規格によりネットワークNを介して制御装置200と通信を行う。
【0013】
制御装置200は、ネットワークNを介して複数の照明装置100を管理し、コントローラ端末300からネットワークNを介して照明装置100の管理のための情報の設定を行わせ、コントローラ端末300から照明装置100の操作を可能とする。制御装置200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230とを備えている。
【0014】
制御部210は、プロセッサを含むコンピュータの主要部分であり、記憶部220に記憶されたプログラムやデータに基づいて動作する。記憶部220は、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部220には、プログラムのほか、自己(制御装置200)にログイン(サインイン)できるユーザを識別するためのアカウントデータ(ユーザID、パスワード、権限)や、照明装置100が配置される場所のマップデータや、照明装置100個々の照明装置データ(装置ID、機種、名称、配置場所、マップ上の配置、基準方向、可動範囲、現在の状態データ等)が保持されている。記憶部220に記憶されるプログラムやデータは、ネットワークN経由または可搬型の記憶媒体を介して読み込みまたは書き出しが可能である。通信部230は、NIC等により実現され、制御部210の制御のもと、有線や無線によりネットワークNを介して照明装置100およびコントローラ端末300と通信を行う。
【0015】
コントローラ端末300は、照明装置100の管理者または操作者が使用する情報処理装置であり、タブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理端末装置である。コントローラ端末300は、端末制御部310と、記憶部320と、表示部330と、操作入力部340と、通信部350とを備えている。
【0016】
端末制御部310は、プロセッサを含むコンピュータの主要部分であり、記憶部320に記憶されたプログラムやデータに基づいて動作し、表示部330、操作入力部340、通信部350を制御する。記憶部320は、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部320には、プログラムのほか、制御装置200にログインするためのユーザID、パスワード(PW)や、照明装置100の配置等を設定するためのマップデータや、操作画面を表示するための照明装置データ(装置ID、機種、名称、配置場所、マップ上の配置、基準方向、可動範囲、現在の状態データ等)が保持されている。記憶部320に記憶されるプログラムやデータは、ネットワークN経由または可搬型の記憶媒体を介して読み込みまたは書き出しが可能である。
【0017】
表示部330は、液晶表示素子等により構成され、コントローラ端末300のユーザ(管理者、操作者)に対して設定画面や操作画面を表示する。操作入力部340は、タッチパネルやボタン等により構成され、コントローラ端末300のユーザにより操作される。通信部350は、NIC等により実現され、端末制御部310の制御のもと、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の規格によりネットワークNを介して制御装置200と通信を行う。
【0018】
図2A図2Cは、照明装置100の構成および姿勢の例を示す外観斜視図である。図2A図2Cにおいて、照明装置100は、基台部101と、アーム部102と、光源部103とを備えている。基台部101には、図1に示された照明装置制御部130、記憶部140、通信部150等と、駆動部120の一部とが設けられている。アーム部102は、基台部101に対して水平面内で回転するとともに、光源部103を垂直面内で回転する機構を備えている。光源部103には、光源110が設けられている。
【0019】
図2Aにおいて基台部101の上に示された右向きの矢印は照明装置100の基準方向を示しており、基準状態では光源部103の下の破線の矢印が示す光源部103のチルトする場合の軌跡の円弧の接線方向と一致している。図2Bには、パン角度θとチルト角度θとが示されており、基準方向に対するパン角度θは光軸を水平面に投影した投影線HLの基準方向からの水平面内の角度であり、チルト角度θは光軸の垂直方向に対する角度である。図2Aでの基準方向に対するパン角度θは0°、チルト角度θは0°、図2Bでの基準方向に対するパン角度θは約120°、チルト角度θは約45°、図2Cでのパン角度θは約330°(-30°)、チルト角度θは約45°である。
【0020】
図3は、実施形態の処理例を示すシーケンス図である。なお、図3においては、設定時と操作時とを同じコントローラ端末300により行うものとして記載されているが、実際上は、設定は管理者ユーザにより行われ、操作は一般ユーザにより行われるため、コントローラ端末300としてはそれぞれのユーザが用いる別の端末装置となる場合が多い。
【0021】
(設定時の処理)
図3において、管理者ユーザの操作のもと、コントローラ端末300は制御装置200の所定のURL(Uniform Resource Locator)等のネットワーク上のアドレスを指定して制御装置200にアクセスし、予め発行されているユーザIDやパスワードを入力してログインする(ステップS11)。なお、ログインは管理者ユーザか一般ユーザかの権限に関係なく同一画面から行われ、ユーザ認証が行われた後に、登録されている権限が付与され、利用可能な機能が制限される。
【0022】
ログインが行われた後、照明装置100の設置場所の作成または選択が行われる(ステップS12)。初期状態では設置場所は登録されておらず、「+」ボタンのプッシュ等により設置場所の作成(追加)が行われ、設置場所名(例えば、「〇〇工場 〇〇棟 〇〇室」)が入力されて登録される。既に設置場所が登録されている場合には、その中から所望の設置場所が選択される。
【0023】
設置場所が作成され、または、設置場所が選択されると、マップ設定の処理に入る(ステップS13)。初期状態ではマップは表示されず、「+」ボタンのプッシュ等によりファイル選択のダイアログが表示され、ユーザが保有するマップファイルを選択することでマップが読み込まれて設定される。図4は、コントローラ端末300に表示される照明装置100の設定時の画面の例を示す図であり、設置場所のマップファイルが読み込まれてマップMが表示された状態を示している。
【0024】
図3に戻り、マップが表示された後、照明装置100の追加または選択が行われる(ステップS14)。図5は、コントローラ端末300に表示される照明装置100の設定時の画面の例を示す図であり、アイコンボタンIBが押されたことで照明装置を示すアイコンI1がマップMの中央に追加された状態を示している。なお、この状態ではアイコンI1の横に示される矢印(実際の画面には表示されない)が基準方向を示している。アイコンI1を実際の照明装置100と対応付けるため、アイコンI1上で右クリック等を行うことでポップアップメニューから「詳細を表示」を選ぶことができ、詳細情報(機種や器具名等)の設定が可能となる。なお、操作時点において対応する実際の照明装置100が設置され、制御装置200と通信可能な状態になっている場合、照明装置100を特定することで、詳細情報を自動的に取得することも可能である(図3のステップS15)。アイコンI1を削除する際も、ポップアップメニューから「削除」を選択することができる。
【0025】
図3に戻り、追加された照明装置100のアイコンのマップ上の位置を設定し(ステップS16)、基準方向を設定する(ステップS17)。位置の変更は、例えば照明装置100のアイコンを所望の位置にドラッグすることにより可能である。基準方向の変更は、例えば照明装置100のアイコンをダブルクリックすることで向きが90°変わり、所望の方向を向くようにすることができる。なお、90°よりも細かい単位や大きな単位で方向を変えられるようにしてもよい。図6は、コントローラ端末300に表示される照明装置100の設定時の画面の例を示す図であり、5台の照明装置100に対応するアイコンI1、I2、I3、I4、I5がマップM上に設定された状態を示している。また、基準方向は矢印(実際の画面には表示されない)のように設定されている。基準方向はアイコンに表示された絵から判断することができる。このように、照明装置100が設置される設置場所のマップ上(平面図上)でのアイコン(照明装置)の配置に応じて基準方向を設定する。
【0026】
(操作時の処理)
照明装置100の操作は、上記の設定に引き続いても行うことができるが(例えば、図6の画面が表示された状態から操作に移行することも可)、以下ではログインから説明する。
【0027】
図3において、管理者ユーザまたは一般ユーザの操作のもと、コントローラ端末300は制御装置200の所定のURL等のネットワーク上のアドレスを指定して制御装置200にアクセスし、予め発行されているユーザIDやパスワードを入力してログインする(ステップS21)。
【0028】
ログインが行われた後、照明装置100の設置場所の選択および照明装置100の選択が行われる(ステップS22)。設置場所の選択は設置場所のリストから行われ、設置場所が選択されることで、対応するマップが表示される。照明装置100の選択は表示されたマップ上から行われる。例えば、図6に示されたマップM上のアイコンI1をクリックすることで、アイコンI1に対応する照明装置100が選択される。
【0029】
図3に戻り、制御装置200は、照明装置100の選択が行われると、該当する照明装置100にアクセスし、パン角度、チルト角度、光源110のオン/オフ等を含む状態情報(状態データ)を取得する(ステップS23)。
【0030】
次いで、制御装置200はコントローラ端末300に照明装置100の状態データを含む詳細情報を提供し(ステップS24)、コントローラ端末300は操作画面を表示する(ステップS25)。なお、制御装置200側で操作画面を生成し、生成した操作画面をコントローラ端末300に提供してもよい。表示された操作画面に対しては、管理者ユーザまたは一般ユーザは各種の操作が可能である。
【0031】
例えば、管理者ユーザまたは一般ユーザが照明方向の移動操作(パン角度、チルト角度を変える操作)を行うと(ステップS26)、コントローラ端末300から制御装置200に照明方向移動指示が送られ(ステップS27)、制御装置200から照明装置100に照明方向移動指示が転送され(ステップS28)、照明装置100は照明方向を移動する(ステップS29)。照明方向の移動により変化した後の状態は、ステップS23~S25と同様にコントローラ端末300の操作画面に反映される。
【0032】
図7は、コントローラ端末300に表示される照明装置100の操作時の画面の例を示す図である。アイテムIT1は、操作の対象となる照明装置100の名称(「Device1」等)である。アイテムIT2は、操作の対象となる照明装置100の点灯(ON)・消灯(OFF)の状態である。アイテムIT3は、円状の操作画面のアイテムIT4上の調光カーソルのアイテムIT6の座標値である。図示の例では、X=0、Y=0となっている。
【0033】
アイテムIT4は、円周方向が操作の対象となる照明装置100のパン角度に対応し、半径方向がチルト角度に対応する円状の操作画面である。アイテムIT5は、円状の操作画面のアイテムIT4において、照明装置100が配置された基準方向に対応する基準位置である。このように、設定された基準方向に対応する基準位置であるアイテムIT5が操作画面に表示される。例えば、図8に示された照明装置100が操作の対象である場合に対応している。図8は、図7に対応する照明装置100の配置の例を示す図である。図8の基台部101上のアーム部102の中央部分に仮に表示した上から下に向かう矢印の方向が基準方向であり、矢印の中央を円状の操作画面の中心に対応させ、矢印の終点に対応するのが基準位置である。
【0034】
図7に戻り、アイテムIT6は、操作の対象となる照明装置100のパン角度およびチルト角度を示すとともに、ドラッグによりパン角度およびチルト角度を変更することのできる調光カーソルである。図示の例では、パン角度は136.9°、チルト角度は0°となっている(後述のアイテムIT9に表示)。
【0035】
アイテムIT7およびアイテムIT8は、操作の対象となる照明装置100のパン角度およびチルト角度の可動範囲を示す枠線(直線と円弧)である。図示の例では、パン角度が0°~90°~180°と、0°~270°~180°とをカバーし、チルト角度は0°~90°をカバーしている。アイテムIT7およびアイテムIT8の枠線で囲まれた内部は、例えば、半透明の薄い黄色に着色され、可動範囲が明確に識別できるようになっている。可動範囲が明確となることで、照明方向を変更できる範囲が明確になり、照明方向の移動操作をしても反応しない等の不都合を回避することができる。
【0036】
図9は、コントローラ端末300に表示される照明装置100の操作時の画面の例を示す図であり、基準方向、基準位置、可動範囲が異なる例である。図9の例では基準方向は上を向いており、円状の操作画面のアイテムIT4の上端部分に基準位置のアイテムIT5がある。また、可動範囲を示す枠は、交差した2本の直線のアイテムIT7と円弧状のアイテムIT8から構成され、パン角度が0°を中心とする±30°と、180°を中心とする±30°とをカバーし、チルト角度は0°~90°をカバーしている。
【0037】
図10は、コントローラ端末300に表示される照明装置100の操作時の画面の例を示す図であり、基準方向、基準位置、可動範囲が更に異なる例である。図10の例では基準方向は右を向いており、円状の操作画面のアイテムIT4の右端部分に基準位置のアイテムIT5がある。また、可動範囲を示す枠は、交差した2本の直線のアイテムIT7と円弧状のアイテムIT8から構成され、パン角度が0°を中心とする±30°と、180°を中心とする±30°とをカバーし、チルト角度は0°~90°をカバーしている。
【0038】
図7に戻り、アイテムIT9は、調光度(DIM)、チルト角度(TILT)、パン角度(PAN)の数値を示している。アイテムIT10は、表示拡大ボタンであり、その操作および動作は後述する。
【0039】
アイテムIT11は、調光カーソルのアイテムIT6を円状の操作画面のアイテムIT4内で移動するためのボタンであり、↑、↓、←、→のボタンが設けられている。各ボタンが押されることで、矢印の方向に調光カーソルのアイテムIT6が移動する。アイテムIT12は、パン角度を増減するためのボタンであり、+、-のボタンが設けられている。アイテムIT13は、チルト角度を増減するためのボタンであり、+、-のボタンが設けられている。
【0040】
アイテムIT14は、操作の対象となる照明装置100を初期状態(消灯、パン角度=チルト角度=0°等)にするボタンである。アイテムIT15は、調光設定のボタンであり、明るさを調整するスライドバーおよび数値を直接入力可能なテキストボックスを含むアイテムIT18を操作した後、アイテムIT21の設定ボタンで設定が行われる。
【0041】
アイテムIT16は、照明方向のパン角度およびチルト角度の設定のボタンである。図11は、コントローラ端末300に表示される照明装置100の操作時の画面の例を示す図であり、パン角度およびチルト角度の設定のボタンのアイテムIT16が選択された場合の画面例である。図11において、パン角度を調整するスライドバーおよび数値を直接入力可能なテキストボックスを含むアイテムIT19と、チルト角度を調整するスライドバーおよび数値を直接入力可能なテキストボックスを含むアイテムIT20とを操作した後、アイテムIT21の設定ボタンで設定が行われる。図11の例では、パン角度およびチルト角度がともに90°に設定され、調光カーソルのアイテムIT6は左端に移動している。操作の対象となる照明装置100が図6のアイコンI1に対応する場合、左側の壁を照明する状態となる。
【0042】
図11の状態からアイテムIT10の表示拡大ボタンが押された場合、操作画面は図12のような状態となる。図12は、コントローラ端末300に表示される照明装置100の操作時の画面の例を示す図である。すなわち、円状の操作画面のアイテムIT4の範囲内で、内側の表示が連続的に拡大していき、図12のように調光カーソルのアイテムIT6を中心とした表示になる。これによって、調光カーソルの微妙な調整(移動)が可能になる。また、調光カーソルを移動できるのは円状の操作画面のアイテムIT4の範囲内に限られ、可動範囲を示す枠のアイテムIT8の内側に限られる。アイテムIT19、IT20から円状の操作画面のアイテムIT4の範囲外の設定が行われた場合は、拡大状態のまま調光カーソルのアイテムIT6を中心とした表示のまま移動が行われる。
【0043】
図7に戻り、アイテムIT17は、シーンを操作するためのボタンであり、所定の照明方向を照明するシーンや、所定の範囲を移動して照明するシーン等の登録や再生が可能である。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0045】
以上のように、実施形態に係る照明システムは、照明方向のパン角度およびチルト角度が制御可能な照明装置と、円周方向が前記パン角度に対応し、半径方向が前記チルト角度に対応する円状の操作画面を表示し、該操作画面上の現時点の前記パン角度および前記チルト角度に対応する調光カーソルにより照明方向の操作を受け付けるコントローラ端末と、前記照明装置が設置される場所の平面図上での前記照明装置の配置に応じて前記操作画面の円周方向の基準位置を設定する制御装置と、を備え、前記コントローラ端末は前記操作画面に前記基準位置に対応する表示を行う。これにより、遠隔から照明装置を操作する際においても照明方向の操作が直感的に容易に行える。
【0046】
また、前記制御装置は前記照明装置の前記パン角度および前記チルト角度の可動範囲の情報を保持し、前記コントローラ端末は前記操作画面に前記可動範囲を示す表示を行う。これにより、照明方向を変更できる範囲が明確になり、照明方向の移動操作をしても反応しない等の不都合を回避することができる。
【0047】
また、前記コントローラ端末は前記操作画面に表示拡大ボタンを有し、前記表示拡大ボタンが押された際に、前記コントローラ端末は前記調光カーソルを中心とした前記操作画面の拡大表示を行う。これにより、微妙な照明方向の変更が可能になり、操作性が向上する。
【0048】
また、照明システムに限らず、照明システムの構成要素である各装置と、各装置での制御方法および制御プログラムとして構成することができる。これにより、多面的かつ柔軟な実施が可能となる。
【0049】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 照明システム,N ネットワーク,100 照明装置,101 基台部,102 アーム部,103 光源部,110 光源,120 駆動部,130 照明装置制御部,140 記憶部,150 通信部,200 制御装置,210 制御部,220 記憶部,230 通信部,300 コントローラ端末,310 端末制御部,320 記憶部,330 表示部,340 操作入力部,350 通信部
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
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図12