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特開2024-123402印刷制御装置、印刷制御方法、及び、印刷制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123402
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】印刷制御装置、印刷制御方法、及び、印刷制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240905BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 303
G06F3/12 334
G06F3/12 374
B41J29/38 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030796
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】水澤 信忠
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS06
2C061HJ08
2C061HN05
2C061HN24
2C061HV13
2C061HV14
2C061HV35
2C061HV44
(57)【要約】
【課題】ソフトウェアボタンによる印刷装置の遠隔操作をし易くさせる。
【解決手段】複数のハードウェアボタンを有する印刷装置に接続される印刷制御装置であって、前記印刷装置の状態を示す状態情報を前記印刷装置から取得する取得部と、前記複数のハードウェアボタンのうち表示部にソフトウェアボタンとして表示させるハードウェアボタンを前記状態情報に応じて選択し、該選択したハードウェアボタンに対応する操作を受け付ける前記ソフトウェアボタンを前記表示部に表示させる制御部と、を備える印刷制御装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のハードウェアボタンを有する印刷装置に接続される印刷制御装置であって、
前記印刷装置の状態を示す状態情報を前記印刷装置から取得する取得部と、
前記複数のハードウェアボタンのうち表示部にソフトウェアボタンとして表示させるハードウェアボタンを前記状態情報に応じて選択し、該選択したハードウェアボタンに対応する操作を受け付ける前記ソフトウェアボタンを前記表示部に表示させる制御部と、
を備える印刷制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記状態情報で示される前記印刷装置の状態に応じて画面を切り替えて前記表示部に表示させ、前記画面に応じた前記ソフトウェアボタンを前記表示部に表示させる、請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記状態情報が前記印刷装置のエラー状態を示している場合、前記エラー状態を解消するためのガイダンス画面を前記画面として前記表示部に表示させ、前記ガイダンス画面に応じた前記ソフトウェアボタンを前記表示部に表示させる、請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記複数のハードウェアボタンは、前記印刷装置の動作が一時停止している時に前記印刷装置が保持している印刷ジョブをキャンセルする操作を受け付けるキャンセルボタンを含み、
前記制御部は、前記状態情報が前記動作の一時停止状態であって前記印刷ジョブの保持状態を示している場合、前記印刷ジョブをキャンセルする操作を受け付けるキャンセル操作領域を前記表示部に表示させることが可能である、請求項1又は請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記印刷装置は、第二の表示部を備え、前記キャンセルボタンの操作を受け付けると、前記印刷装置が保持している前記印刷ジョブのうち一部をキャンセルするか全部をキャンセルするかの選択を受け付ける第二のキャンセル操作領域を前記第二の表示部に表示させることが可能であり、
前記制御部は、前記印刷ジョブのうち一部をキャンセルするか全部をキャンセルするかの選択を受け付ける前記キャンセル操作領域を前記表示部に表示させることが可能である、請求項4に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記キャンセルボタンが使用された頻度である第一使用頻度、及び、前記キャンセル操作領域が使用された頻度である第二使用頻度に基づいて前記第二使用頻度が基準頻度を超えていると判断すると前記キャンセル操作領域を前記表示部に表示させ、前記第二使用頻度が前記基準頻度を超えていないと判断すると前記キャンセル操作領域を前記表示部に表示させない、請求項4に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、各前記ハードウェアボタンに対応する前記ソフトウェアボタンの使用頻度を取得し、各前記使用頻度に応じて配置した前記ソフトウェアボタンを前記表示部に表示させる、請求項1又は請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
複数のハードウェアボタンを有する印刷装置を制御する印刷制御方法であって、
前記印刷装置の状態を示す状態情報を前記印刷装置から取得する取得工程と、
前記複数のハードウェアボタンのうち表示部にソフトウェアボタンとして表示させるハードウェアボタンを前記状態情報に応じて選択し、該選択したハードウェアボタンに対応する操作を受け付ける前記ソフトウェアボタンを前記表示部に表示させる制御工程と、
を含む印刷制御方法。
【請求項9】
複数のハードウェアボタンを有する印刷装置を制御するための印刷制御プログラムであって、
前記印刷装置の状態を示す状態情報を前記印刷装置から取得する取得機能と、
前記複数のハードウェアボタンのうち表示部にソフトウェアボタンとして表示させるハードウェアボタンを前記状態情報に応じて選択し、該選択したハードウェアボタンに対応する操作を受け付ける前記ソフトウェアボタンを前記表示部に表示させる制御機能と、
をコンピューターに実現させる印刷制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のハードウェアボタンを有する印刷装置に接続される印刷制御装置、及び、印刷制御方法、及び、印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置として、表示パネルと複数のハードウェアボタンを有する印刷装置が知られている。特許文献1には、画像形成装置に接続されたPCの表示部に複数のハードウェアボタンに対応する複数のソフトウェアボタンを表示することが示されている。複数のソフトウェアボタンの配置は、複数のハードウェアボタンの配置と同じである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-286978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷装置に接続された外部装置からの印刷装置の操作性を向上させることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷制御装置は、複数のハードウェアボタンを有する印刷装置に接続される印刷制御装置であって、
前記印刷装置の状態を示す状態情報を前記印刷装置から取得する取得部と、
前記複数のハードウェアボタンのうち表示部にソフトウェアボタンとして表示させるハードウェアボタンを前記状態情報に応じて選択し、該選択したハードウェアボタンに対応する操作を受け付ける前記ソフトウェアボタンを前記表示部に表示させる制御部と、
を備える、態様を有する。
【0006】
また、本発明の印刷制御方法は、複数のハードウェアボタンを有する印刷装置を制御する印刷制御方法であって、
前記印刷装置の状態を示す状態情報を前記印刷装置から取得する取得工程と、
前記複数のハードウェアボタンのうち表示部にソフトウェアボタンとして表示させるハードウェアボタンを前記状態情報に応じて選択し、該選択したハードウェアボタンに対応する操作を受け付ける前記ソフトウェアボタンを前記表示部に表示させる制御工程と、
を含む、態様を有する。
【0007】
さらに、本発明の印刷制御プログラムは、複数のハードウェアボタンを有する印刷装置を制御するための印刷制御プログラムであって、
前記印刷装置の状態を示す状態情報を前記印刷装置から取得する取得機能と、
前記複数のハードウェアボタンのうち表示部にソフトウェアボタンとして表示させるハードウェアボタンを前記状態情報に応じて選択し、該選択したハードウェアボタンに対応する操作を受け付ける前記ソフトウェアボタンを前記表示部に表示させる制御機能と、
をコンピューターに実現させる、態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】印刷システムの構成例を模式的に示す図。
図2】印刷装置の構成例を模式的に示すブロック図。
図3】印刷制御装置の構成例を模式的に示すブロック図。
図4】ホーム画面の表示例を模式的に示す図。
図5】媒体切れ通知画面及びガイダンス画面の表示例を模式的に示す図。
図6】インク切れ通知画面及びガイダンス画面の表示例を模式的に示す図。
図7】一時停止通知画面の表示例を模式的に示す図。
図8】印刷装置の処理の例を模式的に示すフローチャート。
図9】印刷制御装置の処理の例を模式的に示すフローチャート。
図10】各ソフトウェアボタンの使用頻度を算出するための集計テーブルの構造例を模式的に示す図。
図11】使用頻度に応じたソフトウェアボタン配置を規定した処理テーブルの構造例を模式的に示す図。
図12】ホーム画面の変化例を模式的に示す図。
図13】キャンセル操作領域の使用頻度を算出するための集計テーブルの構造例を模式的に示す図。
図14】印刷制御装置の処理の別の例を模式的に示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
【0010】
(1)本発明に含まれる技術の概要:
まず、図1~14に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。むろん、本技術の各要素は、符号で示される具体例に限定されない。「本発明に含まれる技術の概要」において、括弧内は直前の語の補足説明を意味する。
【0011】
[態様1]
図1,3に例示するように、本技術の一態様に係る印刷制御装置1は、複数のハードウェアボタン130を有する印刷装置100に接続される印刷制御装置1であって、取得部U1と制御部U2を備える。前記取得部U1は、前記印刷装置100の状態を示す状態情報IN1を前記印刷装置100から取得する。前記制御部U2は、図4~7,9等に例示するように、前記複数のハードウェアボタン130のうち表示部16にソフトウェアボタン230として表示させるハードウェアボタンを前記状態情報IN1に応じて選択し、該選択したハードウェアボタンに対応する操作を受け付ける前記ソフトウェアボタン230を前記表示部16に表示させる。
【0012】
複数のハードウェアボタン130に対応する全てのソフトウェアボタン230が表示される場合、ユーザーは、印刷装置100の状態に応じてソフトウェアボタン230を使い分ける必要があり、不便を感じる。
上記態様では、印刷装置100の状態に応じて選択されたハードウェアボタンに対応する操作を受け付けるソフトウェアボタン230が表示部16に表示される。従って、上記態様は、ソフトウェアボタンによる印刷装置の遠隔操作をし易くさせる印刷制御装置を提供することができる。
【0013】
[態様2]
図5,6等に例示するように、前記制御部U2は、前記状態情報IN1で示される前記印刷装置100の状態に応じて画面を切り替えて前記表示部16に表示させてもよく、前記画面に応じた前記ソフトウェアボタン230を前記表示部16に表示させてもよい。本態様は、ソフトウェアボタンによる印刷装置の遠隔操作をし易くさせる好適な例を提供することができる。
【0014】
[態様3]
図5,6等に例示するように、前記制御部U2は、前記状態情報IN1が前記印刷装置100のエラー状態を示している場合、前記エラー状態を解消するためのガイダンス画面(例えばガイダンス画面512,522)を前記画面として前記表示部16に表示させてもよい。当該制御部U2は、前記ガイダンス画面(512,522)に応じた前記ソフトウェアボタン230を前記表示部16に表示させてもよい。本態様は、印刷装置100のエラー時にソフトウェアボタンによる印刷装置の遠隔操作をし易くさせる好適な例を提供することができる。
【0015】
[態様4]
図1に例示するように、前記複数のハードウェアボタン130は、前記印刷装置100の動作が一時停止している時に前記印刷装置100が保持している印刷ジョブをキャンセルする操作を受け付けるキャンセルボタン132を含んでいてもよい。前記制御部U2は、図7,9等に例示するように、前記状態情報IN1が前記動作の一時停止状態であって前記印刷ジョブの保持状態を示している場合、前記印刷ジョブをキャンセルする操作を受け付けるキャンセル操作領域540を前記表示部16に表示させることが可能でもよい。本態様は、キャンセルボタンに対応するソフトウェアの遠隔操作をし易くさせることができる。
【0016】
[態様5]
図1に例示するように、前記印刷装置100は、第二の表示部(例えば表示パネル121)を備えていてもよい。当該印刷装置100は、図8に例示するように、前記キャンセルボタン132の操作を受け付けると、前記印刷装置100が保持している前記印刷ジョブのうち一部をキャンセルするか全部をキャンセルするかの選択を受け付ける第二のキャンセル操作領域160を前記第二の表示部(121)に表示させることが可能でもよい。前記制御部U2は、図7,9等に例示するように、前記印刷ジョブのうち一部をキャンセルするか全部をキャンセルするかの選択を受け付ける前記キャンセル操作領域540を前記表示部16に表示させることが可能でもよい。
以上の場合、ソフトウェアボタンであるキャンセルボタンが操作されなくても、第二の表示部(121)に表示される第二のキャンセル操作領域160に対応するキャンセル操作領域540が表示部16に表示される。従って、上記態様は、キャンセルボタンに対応するソフトウェアの遠隔操作をさらにし易くさせることができる。
ここで、制御部は、印刷ジョブのうち一部をキャンセルする場合、印刷ジョブの先頭ページを削除してもよいし、印刷ジョブの途中のページ等を削除してもよい。この付言は、以下の態様においても適用される。
【0017】
[態様6]
図13,14に例示するように、前記制御部U2は、前記キャンセルボタン132が使用された頻度である第一使用頻度(例えばNH/TM)、及び、前記キャンセル操作領域540が使用された頻度である第二使用頻度(例えばNS/TM)に基づいて前記第二使用頻度(NS/TM)が基準頻度を超えていると判断すると前記キャンセル操作領域540を前記表示部16に表示させてもよい。当該制御部U2は、前記第二使用頻度(NS/TM)が前記基準頻度を超えていないと判断すると前記キャンセル操作領域540を前記表示部16に表示させなくてもよい。尚、NH/TMは通電時間TMに対するキャンセルボタン132(ハードウェアボタン)の操作回数の比を意味し、NS/TMは通電時間TMに対するキャンセルボタン(ソフトウェアボタン)の操作回数の比を意味する。
以上の場合、使用頻度が多い場合にキャンセル操作領域540が表示部16に表示される。従って、上記態様は、印刷装置の操作をさらにし易くすることができる。
ここで、本願における「第一」、「第二」、…は、類似点を有する複数の構成要素に含まれる各構成要素を識別するための用語であり、順番を意味しない。この付言は、以下の態様においても適用される。
【0018】
[態様7]
図10~12に例示するように、前記制御部U2は、各前記ハードウェアボタン130に対応する前記ソフトウェアボタン230の使用頻度(例えばTi/TM)を取得してもよく、各前記使用頻度(Ti/TM)に応じて配置した前記ソフトウェアボタン230を前記表示部16に表示させてもよい。例えば、ポーズボタン231の使用頻度はポーズボタン操作回数N1/通電時間TMで表され、フロントフィードボタン233の使用頻度はフロントフィードボタン操作回数N3/通電時間TMで表される。
以上の場合、表示部16に表示されるソフトウェアボタン230が使用頻度(Ti/TM)に応じて配置される。従って、上記態様は、ソフトウェアボタンによる印刷装置の遠隔操作をさらにし易くさせることができる。
【0019】
[態様8]
ところで、本技術の一態様に係る印刷制御方法は、図9に例示するように、上記取得部U1に対応する取得工程ST1、及び、上記制御部U2に対応する制御工程ST2を含む。本態様は、ソフトウェアボタンによる印刷装置の遠隔操作をし易くさせる印刷制御方法を提供することができる。
【0020】
[態様9]
また、本技術の一態様に係る印刷制御プログラムPR0は、図3,9に例示するように、上記取得部U1に対応する取得機能FU1、及び、上記制御部U2に対応する制御機能FU2をコンピューター(例えば印刷制御装置1)に実現させる。本態様は、ソフトウェアボタンによる印刷装置の遠隔操作をし易くさせる印刷制御プログラムを提供することができる。
【0021】
さらに、本技術は、上述した印刷制御装置を含む複合装置、上述した印刷制御装置を含む印刷システム、該印刷システムのための印刷方法、前述の印刷システムの制御プログラム、前述のいずれかの制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。前述のいずれかの装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
【0022】
(2)印刷システムの第一具体例:
図1は、印刷装置100と印刷制御装置1を含む印刷システムSY1の構成を模式的に例示している。図1の上部には、操作パネル120が拡大されて示されている。尚、印刷システムSY1は、図1に示されていない追加要素を含んでいてもよい。図2は、印刷装置100の構成を模式的に例示している。
図1,2に示す印刷装置100は、台紙に粘着シートが貼付されているラベルシート等といった長尺な印刷媒体ME1に印刷するプリンターであり、遠隔操作用の印刷制御装置1に接続されている。印刷装置100は、インクジェットプリンターでもよいし、レーザープリンターといった電子写真式プリンター等でもよい。印刷装置100が高い箇所に設置されたり横向きに設置されたり等すると、ユーザーが印刷装置100のハードウェアボタン130を操作することが難しい場面が生じる。そこで、印刷装置100に遠隔操作用の印刷制御装置1に接続されている。印刷制御装置1は、タブレット型端末を含むパーソナルコンピューターでもよいし、スマートフォンといった携帯電話等でもよい。印刷装置100と印刷制御装置1との接続は、無線接続が好ましいものの、有線接続でもよい。印刷装置100と印刷制御装置1との無線接続には、Wi-Fi Direct方式を含むWi-Fi方式の無線接続、近距離無線通信による無線接続、インターネットを経由する無線接続、等を用いることができる。
【0023】
印刷媒体ME1は、印刷画像を保持する素材のことであり、本具体例ではロールから解かれて粘着シートに印刷画像が形成される長尺なラベルシートであるものとする。むろん、印刷媒体ME1は、カット紙等のようにカットされた素材でもよい。ラベルシートの粘着シートは、裏面に粘着剤を有している。むろん、印刷媒体ME1の材質は紙、樹脂、金属、等、様々な材質が考えられ、印刷媒体ME1は単層シート等、ラベルシートでなくてもよい。
【0024】
印刷装置100は、プロセッサーであるCPU111、半導体メモリーであるROM112、半導体メモリーであるRAM113、記憶部114、印刷エンジン115、I/F116、操作パネル120、等を備えている。ここで、CPUはCentral Processing Unitの略称であり、ROMはRead Only Memoryの略称であり、RAMはRandom Access Memoryの略称であり、I/Fはインターフェイスの略称である。前述の要素111~116,120等は、電気的に接続されていることにより互いに情報を入出力可能である。CPU111、ROM112、及び、RAM113は、制御部110に含まれる。尚、制御部110を構成するプロセッサーは、一つのCPUに限定されず、複数のCPU、ASICといったハードウェア回路、CPUとハードウェア回路との組合せ、等でもよい。ここで、ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。記憶部114は、ファームウェア等を記憶している。CPU111は、記憶部114に記憶されている情報を適宜、RAM113に読み出し、印刷装置100の処理に使用する。記憶部114には、フラッシュメモリーといった不揮発性半導体メモリー、ハードディスクといった磁気記憶装置、等を用いることができる。印刷エンジン115は、印刷媒体ME1に印刷を行う。印刷エンジン115は、インクジェット方式の印刷機構でもよいし、レーザー方式といった電子写真方式の印刷機構等でもよい。本具体例の印刷エンジン115は、ロールから解かれる長尺な印刷媒体ME1にインク滴を吐出することにより印刷物を生成するものとする。本具体例の印刷装置100は、印刷物をカットするカット部140を排出部150に備えている。I/F116は、印刷装置100の状態を示す状態情報IN1を印刷制御装置1に送信する等、印刷制御装置1との間で情報の送受信を行う。制御部110は、印刷装置100の状態が変化すると、I/F116を介して状態情報IN1を印刷制御装置1に出力する。
【0025】
操作パネル120は、表示パネル121と複数のハードウェアボタンを備えている。ハードウェアボタンとして左ボタン136や右ボタン137等があるように、表示パネル121の表面にタッチパネルは無い。
表示パネル121は、図8に例示する第二のキャンセル操作領域160等を表示する第二の表示部の例である。印刷装置100は、キャンセルボタン132の操作を受け付けると、自らが保持している印刷ジョブのうち先頭ページのみキャンセルするか全部をキャンセルするかの選択を受け付ける第二のキャンセル操作領域160を表示パネル121に表示させる。表示パネル121には、液晶表示パネル等を用いることができる。
【0026】
操作パネル120にある複数のハードウェアボタンは、ポーズボタン131、キャンセルボタン132、フロントフィードボタン133、バックフィードボタン134、カットボタン135、左ボタン136、右ボタン137、等を含んでいる。これらのハードウェアボタンは、操作パネル120において表示パネル121とは異なる部分に配置されている。各ハードウェアボタンには、異なる模様が付されている。本具体例では、図4以降に例示する複数のソフトウェアボタン230に対応させる複数のハードウェアボタン130が図1における二点鎖線の小さい囲み内のボタン(131~135)であるものとする。
【0027】
ポーズボタン131は、印刷動作の一時停止、該一時停止の解除、等を指示する操作を受け付けるハードウェアボタンである。キャンセルボタン132は、印刷ジョブのキャンセル等を指示する操作を受け付けるハードウェアボタンである。印刷装置100の動作が一時停止している時、キャンセルボタン132は、印刷装置100が保持している印刷ジョブをキャンセルする操作を受け付ける。フロントフィードボタン133は、印刷媒体ME1を排紙方向へ送る操作を受け付けるハードウェアボタンである。排紙方向は、印刷媒体ME1が排出部150から排出される方向を意味する。バックフィードボタン134は、印刷媒体ME1を排紙方向とは逆の巻取方向へ移動させる操作を受け付けるハードウェアボタンである。カットボタン135は、印刷媒体ME1のカットを指示する操作を受け付けるハードウェアボタンである。
【0028】
図3は、印刷制御装置1の構成を模式的に例示している。印刷制御装置1は、CPU11、ROM12、RAM13、記憶部14、入力部15、表示部16、I/F17、等を備えている。前述の要素11~17等は、電気的に接続されていることにより互いに情報を入出力可能である。尚、印刷制御装置1を構成するプロセッサーは、一つのCPUに限定されず、複数のCPU、ASICといったハードウェア回路、CPUとハードウェア回路との組合せ、等でもよい。記憶部14は、印刷装置100を制御するソフトウェアである印刷制御プログラムPR0等を記憶している。CPU11は、記憶部14に記憶されている情報を適宜、RAM13に読み出し、印刷制御処理に使用する。記憶部14には、フラッシュメモリーといった不揮発性半導体メモリー、ハードディスクといった磁気記憶装置、等を用いることができる。入力部15には、表示部16の表面に貼り付けられたタッチパネル、ハードキー、ポインティングデバイス、等を用いることができる。表示部16には、液晶表示パネル等を用いることができる。I/F17は、印刷装置100から状態情報IN1を受信する等、印刷装置100との間で情報の送受信を行う。
【0029】
CPU11は、RAM13に読み出された印刷制御プログラムPR0を実行することにより、取得機能FU1と制御機能FU2を印刷制御装置1に実現させる。I/F17、及び、取得機能FU1に対応する部分の印刷制御プログラムPR0を実行するCPU11は、状態情報IN1を印刷装置100から取得する取得部U1に対応している。制御機能FU2に対応する部分の印刷制御プログラムPR0を実行するCPU11は、図4等に例示するソフトウェアボタン230を表示部16に表示させる制御部U2に対応している。印刷制御プログラムPR0を実行する印刷制御装置1は、図9に例示する取得工程ST1及び制御工程ST2を実施する。上述した機能(FU1,FU2)をコンピューターに実現させる印刷制御プログラムPR0を記憶したコンピューター読み取り可能な媒体は、印刷制御装置1の内部の記憶部に限定されず、印刷制御装置1の外部の記録媒体でもよい。
【0030】
複数のハードウェアボタン130に対応する全てのソフトウェアボタン230が印刷制御装置1の表示部16に表示される場合、ユーザーは、印刷装置100の状態に応じてソフトウェアボタン230を使い分ける必要があり、不便を感じる。そこで、本具体例では、表示部16に表示するソフトウェアボタン230を印刷装置100の状態に応じて選択することにしている。
【0031】
図4は、表示部16に表示されるホーム画面500を模式的に例示している。ホーム画面500は、印刷制御プログラムPR0を起動すると最初に現れる定常的な画面であり、他の画面から戻ることが可能な画面である。
制御部U2は、設定操作領域501、印刷指示領域502、及び、1以上のソフトウェアボタン230に加えて、印刷装置100の状態200等をホーム画面500に表示させる。制御部U2は、印刷装置100からI/F17を介して取得した状態情報IN1に基づいて、印刷装置100の状態200をホーム画面500に示す処理を行う。例えば、印刷装置100は、印刷ジョブを保持していない状態で印刷を実行可能である場合、正常に印刷指示を待機している状態を示す状態情報IN1を生成して印刷制御装置1に送信する。この状態情報IN1を受信した印刷制御装置1は、「印刷できます」といったメッセージをホーム画面500において表示する。制御部U2は、印刷媒体ME1の設定情報、印刷物のブラックマークを検出するか否かの等の本体情報、インク及び印刷媒体ME1の残量を示す消耗品情報、等もホーム画面500に表示させる。尚、消耗品情報において、K、C、M、及び、Yは、それぞれ、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクを示し、右端のインジケーターは印刷媒体ME1の残量を示している。
【0032】
印刷制御装置1は、上述した各部(501,502,230)への操作を入力部15において受け付け、操作された部分に応じた処理を行う。入力部15がタッチパネルである場合、ユーザーは、各部(501,502,230)の表示領域を手等で触れることにより各部(501,502,230)を操作することができる。入力部15がポインティングデバイスである場合、ユーザーは、不図示のポインターを各部(501,502,230)の表示領域に合わせて選択する操作をポインティングデバイスで行うことにより、各部(501,502,230)を操作することができる。
【0033】
印刷制御装置1は、設定操作領域501への操作を受け付けると、印刷設定情報や本体情報等の設定を受け付ける画面を表示し、これらの設定を受け付ける。印刷制御装置1は、印刷指示領域502への操作を受け付けると、印刷ジョブを生成して印刷装置100に送信する処理を行う。
【0034】
印刷装置100が正常に印刷指示を待機しているとき、印刷ジョブのキャンセルを指示するキャンセルボタン、及び、印刷媒体ME1の巻き取りを指示するバックフィードボタンは通常、使用されない。そこで、制御部U2は、図1に示す複数のハードウェアボタン130のうち一部のハードウェアボタン(131,133,135)に対応する操作を受け付ける3つのソフトウェアボタン(231,233,235)を表示部16に表示させている。ソフトウェアボタン(231,233,235)には、それぞれ、ハードウェアボタン(131,133,135)の模様が付されている。印刷制御装置1は、ソフトウェアボタンであるポーズボタン231への操作を受け付けると、ハードウェアボタンであるポーズボタン131の操作が受け付けられたときの処理の実行を印刷装置100に指示する。印刷制御装置1は、ソフトウェアボタンであるフロントフィードボタン233への操作を受け付けると、ハードウェアボタンであるフロントフィードボタン133の操作が受け付けられたときの処理の実行を印刷装置100に指示する。印刷制御装置1は、ソフトウェアボタンであるカットボタン235への操作を受け付けると、ハードウェアボタンであるカットボタン135の操作が受け付けられたときの処理の実行を印刷装置100に指示する。
【0035】
印刷装置100に印刷媒体切れやインク切れ等といったエラーが生じると、印刷装置100は、自らのエラー状態を示す状態情報IN1を印刷制御装置1に送信する。この状態情報IN1を受信した印刷制御装置1は、図5,6の左側に例示する通知画面(510,520)を状態情報IN1に基づいて表示し、ガイダンス表示ボタン511,521への操作を受け付けるとガイダンス画面512,522を表示する。
【0036】
図5の左側には、印刷媒体ME1が無くなったことを通知するための媒体切れ通知画面510が例示されている。
印刷制御装置1は、エラー状態として印刷媒体切れを示す状態情報IN1を印刷装置100から受信すると、ガイダンス表示ボタン511とともに「エラー:用紙がなくなりました。」といったメッセージを媒体切れ通知画面510において表示する。媒体切れ通知画面510に表示されるソフトウェアボタン230は、図4に示すホーム画面500と同じソフトウェアボタン(231,233,235)である。
【0037】
印刷制御装置1は、ガイダンス表示ボタン511への操作を受け付けると、図5の右側に例示するように、印刷媒体切れを解消するためのガイダンス画面512を表示する。印刷制御装置1は、複数のガイダンス画面を順次、表示してもよい。この場合、印刷制御装置1は、例えば、図5に示す右ボタン514の操作を受け付けると次ページのガイダンス画面を表示し、図5に示す左ボタン513の操作を受け付けると前ページのガイダンス画面を表示する。ロール状の印刷媒体ME1の交換時、バックフィードボタンが使用される。そこで、制御部U2は、図1に示す複数のハードウェアボタン130のうち4つのハードウェアボタン(131,133,134,135)に対応する操作を受け付ける4つのソフトウェアボタン(231,233,234,235)を表示部16に表示させる。印刷制御装置1は、ソフトウェアボタンであるバックフィードボタン234への操作を受け付けると、ハードウェアボタンであるバックフィードボタン134の操作が受け付けられたときの処理の実行を印刷装置100に指示する。バックフィードボタン234には、バックフィードボタン134の模様が付されている。
【0038】
図6の左側には、インクが無くなったことを通知するためのインク切れ通知画面520が例示されている。
印刷制御装置1は、エラー状態としてインク切れを示す状態情報IN1を印刷装置100から受信すると、ガイダンス表示ボタン521とともに「エラー:インクがなくなりました。」といったメッセージをインク切れ通知画面520において表示する。インク切れ通知画面520に表示されるソフトウェアボタン230は、図4に示すホーム画面500と同じソフトウェアボタン(231,233,235)である。
【0039】
印刷制御装置1は、ガイダンス表示ボタン521への操作を受け付けると、図6の右側に例示するように、インク切れを解消するためのガイダンス画面522を表示する。制御部U2は、複数のガイダンス画面を順次、表示部16に表示させてもよい。この場合、印刷制御装置1は、例えば、図6に示す右ボタン524の操作を受け付けると次ページのガイダンス画面を表示し、図6に示す左ボタン523の操作を受け付けると前ページのガイダンス画面を表示する。インクの交換時、エラー解除後の一時停止を解除させるポーズボタンしか使用されない。制御部U2は、図1に示す複数のハードウェアボタン130のうちポーズボタン131に対応する操作を受け付けるソフトウェアボタンであるポーズボタン231のみを表示部16に表示させる。印刷制御装置1は、ソフトウェアボタンであるポーズボタン231への操作を受け付けると、ハードウェアボタンであるポーズボタン131の操作が受け付けられたときの処理の実行を印刷装置100に指示する。
【0040】
以上のようにして、制御部U2は、状態情報IN1が印刷装置100のエラー状態を示している場合、エラー状態を解消するためのガイダンス画面522,522を表示部16に表示させ、ガイダンス画面522,522に応じたソフトウェアボタン230を表示部16に表示させる。従って、制御部U2は、状態情報IN1で示される印刷装置100の状態に応じて画面を切り替えて表示部16に表示させ、画面に応じたソフトウェアボタン230を表示部16に表示させる。
【0041】
印刷装置100は、印刷ジョブに従って印刷を行っている途中でポーズボタン131への操作を受け付けると、印刷ジョブを残したまま印刷動作を停止させ、印刷動作の一時停止状態であって印刷ジョブの保持状態を示す状態情報IN1を生成して印刷制御装置1に送信する。また、印刷装置100が印刷ジョブに従って印刷を行っている最中に印刷制御装置1がポーズボタン231への操作を受け付けると、印刷制御装置1は印刷装置100に印刷動作を途中で停止させる。この場合も、印刷装置100は、印刷動作の一時停止状態であって印刷ジョブの保持状態を示す状態情報IN1を生成して印刷制御装置1に送信する。
上述の状態情報IN1を受信した印刷制御装置1は、図7に例示する一時停止通知画面530を状態情報IN1に基づいて表示する。
【0042】
図7には、印刷装置100の印刷動作が一時停止したことを通知するための一時停止通知画面530が例示されている。
印刷制御装置1は、印刷動作の一時停止状態であって印刷ジョブの保持状態を示す状態情報IN1を印刷装置100から受信すると、キャンセル操作領域540とともに「一時停止中」といったメッセージを一時停止通知画面530において表示する。一時停止通知画面530に表示されるソフトウェアボタン230は、図4に示すホーム画面500と同じソフトウェアボタン(231,233,235)である。
【0043】
キャンセル操作領域540は、印刷ジョブをキャンセルする操作を受け付けるために一時停止通知画面530に重ねられて表示される領域である。図7に示すキャンセル操作領域540は、先頭ジョブ削除操作領域541、全ジョブ削除操作領域542、及び、領域消去操作領域543を含んでいる。印刷制御装置1は、先頭ジョブ削除操作領域541への操作を受け付けると、印刷装置100に印刷ジョブのうち先頭ページのみキャンセルさせる。印刷制御装置1は、全ジョブ削除操作領域542への操作を受け付けると、印刷装置100に印刷ジョブの全部をキャンセルさせる。従って、制御部U2は、印刷ジョブのうち一部をキャンセルするか全部をキャンセルするかの選択を受け付けるキャンセル操作領域540を表示部16に表示させる。印刷制御装置1は、領域消去操作領域543への操作を受け付けると、キャンセル操作領域540を消去する。
【0044】
まず、図8を参照して、印刷制御装置1に接続されている印刷装置100の処理を説明する。印刷装置100は、図8に例示する処理を電源オン時に繰り返し行う。
図8に示す処理が開始すると、印刷装置100は、印刷媒体切れが生じているか否かを判断し(ステップS102)、印刷媒体切れが生じている場合に処理をステップS104に進め、印刷媒体切れが生じていない場合に処理をステップS108に進める。以下、「ステップ」の記載を省略する。S104において、印刷装置100は、図1,2に示す表示パネル121に印刷媒体切れを表示させる。また、印刷装置100は、印刷媒体切れを示す状態情報IN1を印刷制御装置1に送信する。次いで、印刷装置100は、左ボタン136等といったハードウェアボタンへの操作を受け付け、該操作に応じて表示パネル121に印刷媒体切れを解消するためのガイダンスを表示する(S106)。ユーザーは、表示されるガイダンスに従って印刷媒体ME1を交換することができる。その後、印刷装置100は、処理をS108に進める。
【0045】
S108において、印刷装置100は、インク切れが生じているか否かを判断し、インク切れが生じている場合に処理をS110に進め、インク切れが生じていない場合に処理をS114に進める。S110において、印刷装置100は、表示パネル121にインク切れを表示させる。また、印刷装置100は、インク切れを示す状態情報IN1を印刷制御装置1に送信する。次いで、印刷装置100は、左ボタン136等といったハードウェアボタンへの操作を受け付け、該操作に応じて表示パネル121にインク切れを解消するためのガイダンスを表示する(S112)。ユーザーは、表示されるガイダンスに従ってインクを交換することができる。その後、印刷装置100は、処理をS114に進める。
【0046】
S114において、印刷装置100は、印刷動作が一時停止中且つ印刷ジョブが保持されているか否かを判断する。印刷装置100は、印刷動作が一時停止中且つ印刷ジョブが保持されている場合に処理をS116に進め、印刷動作が一時停止中でないか、又は、印刷ジョブが保持されていない場合に図8の処理を終了させる。S116において、印刷装置100は、印刷動作が一時停止していることを表示パネル121に表示させる。また、印刷装置100は、印刷動作の一時停止状態であって印刷ジョブの保持状態を示す状態情報IN1を印刷制御装置1に送信する。次いで、印刷装置100は、自ら保持している印刷ジョブをキャンセルするためのハードウェアボタンであるキャンセルボタン132の操作を受け付ける(S118)。尚、キャンセルボタン132が操作されないと、処理がS118で止まったままとなる。キャンセルボタン132が操作されると、印刷装置100は、自らが保持している印刷ジョブのうち先頭ページのみキャンセルするか全部をキャンセルするかの選択を受け付ける第二のキャンセル操作領域160を表示パネル121に表示させる(S120)。第二のキャンセル操作領域160には、印刷ジョブをキャンセルしない選択肢があってもよい。最後に、印刷装置100は、第二のキャンセル操作領域160に含まれる選択肢を選択する操作を受け付け、選択に応じた印刷ジョブを削除して(S122)、図8に示す処理を終了させる。印刷装置100は、「先頭フォーマットのみ削除」という選択肢を選択する操作を受け付けると、保持している印刷ジョブのうち先頭ページのみ削除する。印刷装置100は、「すべてのフォーマットを削除」という選択肢を選択する操作を受け付けると、保持している印刷ジョブを全て削除する。
【0047】
次に、図9を参照して、印刷制御装置1の処理を説明する。印刷制御装置1は、図9に例示する処理を電源オン時に繰り返し行う。ここで、S200は、取得部U1、取得工程ST1、及び、取得機能FU1に対応している。S202~S218は、制御部U2、制御工程ST2、及び、制御機能FU2に対応している。
図9に示す処理が開始すると、取得部U1が印刷装置100から状態情報IN1を取得する(S200)。
【0048】
状態情報IN1の取得後、制御部U2は、状態情報IN1が印刷装置100のエラー状態として印刷媒体切れを示しているか否かを判断する(S202)。制御部U2は、状態情報IN1が印刷媒体切れを示している場合に処理をS204に進め、状態情報IN1が印刷媒体切れを示していない場合に処理をS208に進める。S204において、制御部U2は、図5の左側に示すように、必要なソフトウェアボタン230としてポーズボタン231、フロントフィードボタン233、及び、カットボタン235を有する媒体切れ通知画面510を表示部16に表示させる。制御部U2は、入力部15がガイダンス表示ボタン511への操作を受け付けると、前述のソフトウェアボタン(231,233,235)に加えてバックフィードボタン234を有するガイダンス画面512(図5の右側参照)を表示部16に表示させる(S206)。ガイダンス画面512には、印刷媒体切れを解消するためのガイダンスが示されている。制御部U2は、入力部15が右ボタン514又は左ボタン513への操作を受け付けると、ガイダンス画面のページを切り替えて表示部16に表示させる。ユーザーは、表示されるガイダンス画面に従って印刷媒体ME1を交換することができる。その後、制御部U2は、処理をS208に進める。
【0049】
S208において、制御部U2は、状態情報IN1が印刷装置100のエラー状態としてインク切れを示しているか否かを判断する。制御部U2は、状態情報IN1がインク切れを示している場合に処理をS210に進め、状態情報IN1がインク切れを示していない場合に処理をS214に進める。S210において、制御部U2は、図6の左側に示すように、必要なソフトウェアボタン230としてポーズボタン231、フロントフィードボタン233、及び、カットボタン235を有するインク切れ通知画面520を表示部16に表示させる。制御部U2は、入力部15がガイダンス表示ボタン521への操作を受け付けると、必要なソフトウェアボタン230としてポーズボタン231のみ有するガイダンス画面522(図6の右側参照)を表示部16に表示させる(S212)。ガイダンス画面522には、インク切れを解消するためのガイダンスが示されている。制御部U2は、入力部15が右ボタン524又は左ボタン523への操作を受け付けると、ガイダンス画面のページを切り替えて表示部16に表示させる。ユーザーは、表示されるガイダンス画面に従ってインクを交換することができる。その後、制御部U2は、処理をS214に進める。
【0050】
以上のようにして、制御部U2は、状態情報IN1で示される印刷装置100の状態に応じて画面を切り替えて表示部16に表示させ、画面に応じたソフトウェアボタン230を表示部16に表示させる。特に、制御部U2は、状態情報IN1が印刷装置100のエラー状態を示している場合、エラー状態を解消するためのガイダンス画面512,522を表示部16に表示させ、ガイダンス画面512,522に応じたソフトウェアボタン230を表示部16に表示させる。印刷装置100のメンテナンス作業毎に操作可能なソフトウェアボタン230のみ表示されるので、ユーザーは迷い難くなる。従って、ソフトウェアボタン230による印刷装置100の遠隔操作をし易い。
【0051】
S214において、制御部U2は、状態情報IN1が印刷動作の一時停止状態であって印刷ジョブの保持状態を示しているか否かを判断する。制御部U2は、状態情報IN1が印刷動作の一時停止状態であって印刷ジョブの保持状態を示している場合に処理をS216に進め、状態情報IN1が印刷動作の一時停止状態でないか、又は、印刷ジョブの保持状態を示していない場合に図9の処理を終了させる。S216において、制御部U2は、図7に示すように、キャンセル操作領域540とともに一時停止通知画面530を表示部16に表示させる。キャンセル操作領域540は、印刷装置100が保持している印刷ジョブのうち先頭ページのみキャンセルするか全部をキャンセルするかの選択肢を有している。従って、ソフトウェアボタンであるキャンセルボタンが操作されなくても、図8に示す第二のキャンセル操作領域160に対応するキャンセル操作領域540が表示されることになる。一時停止通知画面530の表示後、入力部15がキャンセル操作領域540の選択肢への操作を受け付けると、制御部U2は、選択された選択肢に応じた印刷ジョブを削除し(S218)、図9に示す処理を終了させる。制御部U2は、先頭ジョブ削除操作領域541への操作が受け付けられると印刷装置100に印刷ジョブのうち先頭ページのみキャンセルさせ、全ジョブ削除操作領域542への操作を受け付けると印刷装置100に印刷ジョブの全部をキャンセルさせる。
【0052】
以上説明したように、表示部16には、複数のハードウェアボタン130のうち印刷装置100の状態に応じて選択されたハードウェアボタンに対応するソフトウェアボタン230が表示される。印刷装置100の状態毎に操作可能なソフトウェアボタン230のみ表示されるので、ユーザーは迷い難くなる。従って、本具体例は、ソフトウェアボタン230による印刷装置100の遠隔操作をし易くさせることができる。
【0053】
(3)印刷システムの第二具体例:
図4~7に示す画面に表示されるソフトウェアボタン230は予め設定されているが、各ソフトウェアボタンの使用頻度に応じてソフトウェアボタン230が配置されてもよい。
図10は、各ソフトウェアボタンの使用頻度を算出するための集計テーブルTA1の構造を模式的に例示している。図11は、使用頻度に応じたソフトウェアボタン配置を規定した処理テーブルTA2の構造を模式的に例示している。これらのテーブル(TA1,TA2)は、RAM13と記憶部14の少なくとも一方に記憶されている。図12は、ホーム画面の変化を模式的に例示している。図12に示すホーム画面551,552は、図4に示すホーム画面500の代わりに表示される。
【0054】
印刷装置100は、電源がオンになると電源オンを印刷制御装置1に通知する。制御部U2は、印刷装置100の電源がオンになってからの時間を不図示の時計回路で計測し、印刷装置100の電源がオンになってからオン状態が続いている通算の時間である通電時間TM(TM>0)を集計テーブルTA1に格納する。また、制御部U2は、印刷装置100の電源がオンになってから各ソフトウェアボタンが操作された回数(N1~N5)を計測して集計テーブルTA1に格納する。図10には、ポーズボタン操作回数N1、キャンセルボタン操作回数N2、フロントフィードボタン操作回数N3、バックフィードボタン操作回数N4、及び、カットボタン操作回数N5が示されている。ここで、各ソフトウェアボタンの操作回数をNi(Ni≧0)で表すことにする。
【0055】
図11に示す処理テーブルTA2には、印刷装置100の電源がオンになってからの1時間当たりの操作頻度Ni/TMに応じたソフトウェアボタン配置が規定されている。前提として、ソフトウェアボタンは、操作頻度Ni/TMが多いほど左側に配置されるものとしている。図11には、1時間当たりの操作頻度Ni/TMが5回以上の頻度グループG1、1回以上5回未満の頻度グループG2、及び、1回未満の頻度グループG3に分かれていることが示されている。頻度グループG1のソフトウェアボタン配置は、頻度グループG2のソフトウェアボタンよりも左側に配置し、且つ、表示サイズを大きくすると規定されている。頻度グループG2のソフトウェアボタン配置は、頻度グループG1のソフトウェアボタンよりも右側に配置し、表示サイズを標準的な大きさにすると規定されている。頻度グループG3のソフトウェアボタン配置は、非表示にすると規定されている。
【0056】
例えば、ポーズボタン231の操作頻度N1/TMが頻度グループG1に属し、フロントフィードボタン233及びカットボタン235の操作頻度N3/TM,N5/TMが頻度グループG2に属し、N3/TM<N5/TMであるものとする。この場合、図12の左側に示すホーム画面551のように、ポーズボタン231が最も左側に配置されて他のソフトウェアボタンよりも大きく表示され、カットボタン235及びフロントフィードボタン233が標準的な大きさで表示される。また、カットボタン235は、ポーズボタン231よりも右側においてフロントフィードボタン233よりも左側に配置される。
その後、カットボタン235が使用されない結果、カットボタン235の操作頻度N5/TMが頻度グループG3に変わったとする。この場合、図12の右側に示すホーム画面552のように、カットボタン235が表示されなくなる。
【0057】
以上のようにして、制御部U2は、各ハードウェアボタン130に対応するソフトウェアボタン230の使用頻度(Ti/TM)を取得し、各使用頻度(Ti/TM)に応じて配置したソフトウェアボタン230を表示部16に表示させる。表示部16の画面がユーザー毎の利用方法に適したソフトウェアボタン表示となるので、利便性が向上する。従って、本具体例は、ソフトウェアボタン230による印刷装置100の遠隔操作をさらにし易くさせることができる。
【0058】
(4)印刷システムの第三具体例:
図7に示す一時停止通知画面530には自動的にキャンセル操作領域540が表示されるが、キャンセル操作領域540の使用頻度が少ない場合にキャンセル操作領域540の表示が省略されてもよい。
図13は、キャンセル操作領域540の使用頻度を算出するための集計テーブルTA3の構造を模式的に例示している。集計テーブルTA3は、RAM13と記憶部14の少なくとも一方に記憶されている。図14は、印刷制御装置1の別の処理を模式的に例示している。図14に示す処理は、図9に示す処理においてS214とS216の間にS302の処理が追加されている。
【0059】
印刷装置100は、電源がオンになると電源オンを印刷制御装置1に通知し、電源がオンになってからキャンセルボタン132が操作された回数NHを計測して印刷制御装置1に通知する。制御部U2は、印刷装置100の電源がオンになってからの時間を不図示の時計回路で計測し、通電時間TM(TM>0)とキャンセルボタン132の操作回数NH(NH≧0)を集計テーブルTA3に格納する。また、制御部U2は、印刷装置100の電源がオンになってからキャンセル操作領域540の選択肢(541,542)が操作された回数NSを計測して集計テーブルTA3に格納する。ハードウェアボタンであるキャンセルボタン132が1時間当たりに使用された回数である第一使用頻度は、NH/TMで表される。ソフトウェアのキャンセル操作領域540が1時間当たりに使用された回数である第二使用頻度は、NS/TMで表される。通電時間TMと操作回数NH,NSを集計テーブルTA3に格納する制御部U2は、第一使用頻度NH/TM及び第二使用頻度NS/TMを取得するといえる。
【0060】
図9に示すS200~S214の処理が行われ、状態情報IN1が印刷動作の一時停止状態であって印刷ジョブの保持状態を示していると制御部U2が判断した場合、S302の処理が行われる。S302において、制御部U2は、NH+NS>0且つNS/(NH+NS)>THであるか否かを判断し、NH+NS>0且つNS/(NH+NS)>THである場合に処理をS216に進め、NH+NS=0又はNS/(NH+NS)≦THである場合に図14の処理を終了させる。ここで、閾値THは、0よりも大きく、1よりも小さい。NS/(NH+NS)>THは、(NS/TM)>{TH/(1-TH)}×(NH/TM)に書き換えられる。従って、第二使用頻度NS/TMが基準頻度{TH/(1-TH)}×(NH/TM)を超えている場合にS216~S218の処理が行われ、第二使用頻度NS/TMが基準頻度{TH/(1-TH)}×(NH/TM)を超えていない場合にS216~S218の処理が行われない。
NH+NS>0且つNS/(NH+NS)>THである場合、制御部U2は、図7に示すように、キャンセル操作領域540とともに一時停止通知画面530を表示部16に表示させる(S216)。一時停止通知画面530の表示後、入力部15がキャンセル操作領域540の選択肢への操作を受け付けると、制御部U2は、選択された選択肢に応じた印刷ジョブを削除し(S218)、図14に示す処理を終了させる。
【0061】
以上のようにして、制御部U2は、第二使用頻度NS/TMが基準頻度を超えていると判断するとキャンセル操作領域540を表示部16に表示させ、第二使用頻度NS/TMが基準頻度を超えていないと判断するとキャンセル操作領域540を表示部16に表示させない。キャンセル操作領域540の使用頻度が多い場合にキャンセル操作領域540が表示部16に表示されるので、ユーザーはキャンセルボタン132が操作されたときの操作を印刷制御装置1から容易に行うことができる。キャンセル操作領域540の使用頻度が少ない場合、キャンセル操作領域540が表示部16に表示されないので、キャンセル操作領域540が一時停止通知画面530の表示の邪魔とならない。従って、本具体例は、印刷装置100の操作をさらにし易くすることができる。
【0062】
(5)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、上述した処理は、順番を入れ替える等、適宜、変更可能である。例えば、図9に示す処理において、S202~S206の処理は、S208~S212の処理の後、又は、S214~S218の処理の後において行うことが可能である。S208~S212の処理は、S202~S206の処理の前、又は、S214~S218の処理の後において行うことが可能である。
【0063】
図7に示すキャンセル操作領域540は、先頭ジョブ削除操作領域541の代わりに、印刷ジョブのうち指定したページを削除するための指定ページ削除操作領域を有していてもよい。印刷制御装置1は、指定ページ削除操作領域への操作を受け付けると、削除するページの指定を受け付けて印刷装置100に指定ページのみ削除させてもよい。
【0064】
(6)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、ソフトウェアボタンによる印刷装置の遠隔操作をし易くさせる技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1…印刷制御装置、16…表示部、17…I/F、100…印刷装置、120…操作パネル、121…表示パネル、130…ハードウェアボタン、131…ポーズボタン、132…キャンセルボタン、133…フロントフィードボタン、134…バックフィードボタン、135…カットボタン、140…カット部、150…排出部、160…第二のキャンセル操作領域、200…印刷装置の状態、230…ソフトウェアボタン、231…ポーズボタン、233…フロントフィードボタン、234…バックフィードボタン、235…カットボタン、500,551,552…ホーム画面、510…媒体切れ通知画面、512…ガイダンス画面、520…インク切れ通知画面、522…ガイダンス画面、530…一時停止通知画面、540…キャンセル操作領域、541…先頭ジョブ削除操作領域、542…全ジョブ削除操作領域、543…領域消去操作領域、IN1…状態情報、ME1…印刷媒体、PR0…印刷制御プログラム、SY1…印刷システム、TA1,TA3…集計テーブル、TA2…処理テーブル、U1…取得部、U2…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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