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特開2024-123409デブリトラップユニット及び光源装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123409
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】デブリトラップユニット及び光源装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240905BHJP
   H05G 2/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G03F7/20 503
H05G2/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030807
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藪田 泰伸
【テーマコード(参考)】
2H197
4C092
【Fターム(参考)】
2H197CA10
2H197FA01
2H197GA01
2H197GA04
2H197GA05
2H197GA06
2H197GA20
2H197GA24
2H197HA03
4C092AA07
4C092AB19
4C092AC09
(57)【要約】
【課題】ホイルトラップのメンテナンスを効率化することが可能なデブリトラップユニット及び光源装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一形態に係るデブリトラップユニットは着脱部材と、少なくとも1つのホイルトラップとを具備する。前記デブリトラップユニットは、プラズマからの放射線の出射口と前記出射口とは異なる開口部とを有するチャンバ本体の前記開口部に装着される。前記着脱部材は、前記開口部を覆い、かつ、前記チャンバ本体に着脱自在に構成される。前記少なくとも1つのホイルトラップは、前記プラズマからのデブリを捕捉する複数のホイルを有し、前記着脱部材が前記チャンバ本体に装着された状態で、前記プラズマから前記出射口までの前記放射線の経路上に前記複数のホイルが配置されるように、前記着脱部材に接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマからの放射線の出射口と前記出射口とは異なる開口部とを有するチャンバ本体の前記開口部に装着されるデブリトラップユニットであって、
前記開口部を覆い、かつ、前記チャンバ本体に着脱自在に構成された着脱部材と、
前記プラズマからのデブリを捕捉する複数のホイルを有し、前記着脱部材が前記チャンバ本体に装着された状態で、前記プラズマから前記出射口までの前記放射線の経路上に前記複数のホイルが配置されるように、前記着脱部材に接続された少なくとも1つのホイルトラップと
を具備するデブリトラップユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のデブリトラップユニットであって、
前記少なくとも1つのホイルトラップは、前記複数のホイルと、前記複数のホイルを放射状に支持する回転部材とを有する回転式ホイルトラップを含み、
さらに、前記回転式ホイルトラップの前記回転部材に接続される軸部と、前記軸部を回転させる回転駆動部とを具備する
デブリトラップユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のデブリトラップユニットであって、
前記回転駆動部は、前記着脱部材の外側に接続され、
前記軸部は、前記着脱部材を貫通し、
前記回転部材は、前記着脱部材の内側で前記軸部に接続される
デブリトラップユニット。
【請求項4】
請求項3に記載のデブリトラップユニットであって、さらに、
前記着脱部材とは別の部材として構成され、前記着脱部材に前記回転駆動部を固定する補強部材を具備する
デブリトラップユニット。
【請求項5】
請求項3に記載のデブリトラップユニットであって、
前記着脱部材は、前記回転駆動部が接続される部分の剛性を補強する補強部を有する
デブリトラップユニット。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか1項に記載のデブリトラップユニットであって、
前記少なくとも1つのホイルトラップは、前記複数のホイルと、前記複数のホイルを固定する固定部材とを有する固定式ホイルトラップを含む
デブリトラップユニット。
【請求項7】
請求項6に記載のデブリトラップユニットであって、さらに、
前記着脱部材に接続され、前記回転式ホイルトラップの外周部を包囲して、前記回転式ホイルトラップから飛散する前記デブリを捕集するホイルトラップカバーを具備し、
前記固定式ホイルトラップは、前記ホイルトラップカバーに接続される
デブリトラップユニット。
【請求項8】
請求項6に記載のデブリトラップユニットであって、さらに、
前記着脱部材を貫通し、前記放射線に対して透明な透明ガスを前記固定式ホイルトラップに導入するガス導入管を具備する
デブリトラップユニット。
【請求項9】
請求項1に記載のデブリトラップユニットであって、さらに、
前記着脱部材に接続され、前記プラズマからの放射線を集光する集光鏡を具備し、
前記少なくとも1つのホイルトラップは、前記プラズマと前記集光鏡との間に配置される
デブリトラップユニット。
【請求項10】
請求項9に記載のデブリトラップユニットであって、さらに、
前記集光鏡の配置を調整する位置調整機構を具備する
デブリトラップユニット。
【請求項11】
請求項9に記載のデブリトラップユニットであって、さらに、
前記チャンバ本体及び/又は前記集光鏡に伝わる振動を抑制する除振機構を具備する
デブリトラップユニット。
【請求項12】
請求項1に記載のデブリトラップユニットであって、さらに、
前記着脱部材に接続され、前記プラズマと前記ホイルトラップとの間に配置される遮熱部材、又は、前記着脱部材に接続され、前記プラズマの状態を検出する検出センサの少なくとも一方を具備する
デブリトラップユニット。
【請求項13】
請求項1に記載のデブリトラップユニットであって、
前記着脱部材は、前記チャンバ本体に対する装着位置をガイドするガイド機構を有する
デブリトラップユニット。
【請求項14】
プラズマ原料をプラズマ化するプラズマ生成部と、
前記プラズマ生成部により生成されたプラズマからの放射線の出射口と前記出射口とは異なる開口部とを有するチャンバ本体と、
前記チャンバ本体の前記開口部に装着されるデブリトラップユニットとを具備し、
前記デブリトラップユニットは、
前記開口部を覆い、かつ、前記チャンバ本体に着脱自在に構成された着脱部材と、
前記プラズマからのデブリを捕捉する複数のホイルを有し、前記着脱部材が前記チャンバ本体に装着された状態で、前記プラズマから前記出射口までの前記放射線の経路上に前記複数のホイルが配置されるように、前記着脱部材に接続された少なくとも1つのホイルトラップとを有する
光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマから放出されるデブリを捕捉するデブリトラップユニット及び光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線は、医療用用途、工業用用途、研究用用途に用いられてきた。
医療用分野においては、X線は、胸部X線写真撮影、歯科X線写真撮影や、CT(Computer Tomogram)といった用途に用いられる。
工業用分野においては、X線は、構造物や溶接部などの物質内部を観察する非破壊検査、断層非破壊検査といった用途に用いられる。
研究用分野においては、X線は、物質の結晶構造を解析するためのX線回折、物質の構成元素を分析するためのX線分光(蛍光X線分析)といった用途に用いられる。
【0003】
X線のうち比較的波長の長い軟X線領域にある波長13.5nmの極端紫外光(以下、「EUV(Extreme Ultra Violet)光」ともいう)は、近年露光光として使用されている。
ここで、微細パターンが構成されているEUVリソグラフィ用のマスクの基材は、積層構造として、低熱膨張性ガラスから成る基板の上に、EUV光を反射させるための多層膜(例えば、モリブデンとシリコン)が設けられてなる反射ミラーである。
そして、多層膜上に波長13.5nmの放射線を吸収する材料をパターニングすることで、EUVマスクが構成される。
【0004】
また、EUVマスクにおける許容できない欠陥の大きさは、従来のArFマスクの場合に比べると大幅に小さくなっており検出することが困難となっている。
そこで、EUVマスクの検査として、通常はアクティニック検査(Actinic inspection)と呼ばれる、リソグラフィの作業波長と一致する波長の放射線を用いた検査が行われる。
例えば、波長13.5nmの放射線を用いて検査を行うと、l0nmよりも良好な分解能で欠陥を検出することが可能となる。
【0005】
一般にEUV光源装置としては、DPP(Discharge Produced Plasma)光源装置、LDP(Laser Assisted Discharge Produced Plasma)光源装置、及びLPP(Laser Produced Plasma)光源装置が挙げられる。
【0006】
DPP光源装置は、EUV放射種を含む気体状のプラズマ原料(放電ガス)が供給された電極間に高電圧を印加して、放電により高密度高温プラズマを生成し、そこから放射される極端紫外光を利用するものである。
【0007】
LDP光源装置は、DPP光源装置が改良されたものであり、例えば、放電を発生させる電極(放電電極)表面にEUV放射種を含む液体状の高温プラズマ原料(例えば、Sn(スズ)やLi(リチウム)等)を供給し、当該原料に対してエネルギービーム(例えば、電子ビームやレーザビーム等)を照射して当該原料を気化し、その後、放電によって高温プラズマを生成するものである。
【0008】
LPP光源装置は、EUV放射種をレーザビーム等により励起して高温プラズマを生成するものである。この方式の光源装置としては、EUV放射用ターゲット材料である微小な液滴状に噴出されたスズ(Sn)、または、リチウム(Li)等のドロップレットに対して、レーザ光を集光することにより当該ターゲット材料を励起してプラズマを発生させるものが知られている。また、LPP方式の光源装置として、回転体の表面にEUV放射種を含む液体状の高温プラズマ原料を供給し、回転体の表面にエネルギービーム(レーザビーム)を照射してプラズマを発生さる装置も知られている。
【0009】
このようにプラズマを利用してEUV光を発生する方法は、プラズマ原料の種類やプラズマを発生させるための励起エネルギーを変えることで、EUV光だけでなくEUV光よりも波長の短いX線を発生させる装置にも適用可能である。
【0010】
ところで、これらの光源装置で生成されるプラズマからは、デブリが高速で放散される。このデブリには、高温プラズマ原料の粒子や、プラズマの発生に伴いスパッタリングされる電極や回転体の材料粒子等が含まれる。このようなデブリがEUV光等の放射線を利用する利用装置に到達すると、利用装置内に設けられた反射膜等の光学素子を損傷することや汚染することが考えられる。この結果、利用装置の性能を低下させる可能性がある。
【0011】
そこで、プラズマから放散されるデブリが利用装置に侵入しないように、プラズマと利用装置との間でデブリを捕捉するデブリ低減装置(DMT(Debris Mitigation Tool)とも言う)が提案されている。デブリ低減装置は、典型的には、ホイルトラップ(foil trap)を用いて構成される。ホイルトラップは、薄い板状のホイルを用いてデブリを捕捉するデブリトラップである。
【0012】
例えば特許文献1には、固定式ホイルトラップ及び回転式ホイルトラップについて記載されている。回転式ホイルトラップは、回転軸を中心に放射状に配置された複数のホイルを回転させ、デブリとホイルとを衝突させることでデブリを捕捉する。固定式ホイルトラップは、位置が固定された複数のホイルにより空間を分割し、その空間での雰囲気ガスの圧力を上昇させ、デブリと雰囲気ガスとを衝突させることでデブリを捕捉する。これらのホイルトラップを用いることで、デブリの中でも大きさが比較的大きな部類に属するマイクロメートルサイズの液滴から、構成原子数の少ない粒子あるいは、中性状態やイオン状態の原子等を捕捉することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2017-219698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ホイルトラップに侵入したデブリは、例えばホイルやホイル周辺の部材に付着し、収容容器に流れ落ちて回収されるが、一部のデブリは、ホイル等に付着したまま残存する。例えば、運転時間が長くなるにつれ、デブリの付着量が増大し、ホイルトラップによるデブリの捕捉率が悪化することが考えられる。また回転式ホイルトラップでは、デブリが付着することでホイルの重量が増大し、回転が不安定になるといった可能性がある。
【0015】
このため、ホイルトラップを用いる場合には、ホイル等に付着したデブリの除去や、ホイルトラップの交換といったメンテナンスが必要となる。上記したように、ホイルトラップは、プラズマを発生させる光源部分と、利用装置との間に設けられる。このため、ホイルトラップを取り外すためには、例えば光源部分等の取り外しや分解、組み立て後の調整等が必要となり、結果として、ホイルトラップのメンテナンスに時間がかかっていた。
【0016】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ホイルトラップのメンテナンスを効率化することが可能なデブリトラップユニット及び光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るデブリトラップユニットは着脱部材と、少なくとも1つのホイルトラップとを具備する。
前記デブリトラップユニットは、プラズマからの放射線の出射口と前記出射口とは異なる開口部とを有するチャンバ本体の前記開口部に装着される。
前記着脱部材は、前記開口部を覆い、かつ、前記チャンバ本体に着脱自在に構成される。
前記少なくとも1つのホイルトラップは、前記プラズマからのデブリを捕捉する複数のホイルを有し、前記着脱部材が前記チャンバ本体に装着された状態で、前記プラズマから前記出射口までの前記放射線の経路上に前記複数のホイルが配置されるように、前記着脱部材に接続される。
【0018】
このデブリトラップユニットでは、チャンバ本体の開口部を覆い、かつ、チャンバ本体に着脱される着脱部材に、プラズマからのデブリを捕捉する複数のホイルを備える少なくとも1つのホイルトラップが接続される。着脱部材が装着された状態では、プラズマから出射口までの放射線の経路上に複数のホイルが配置される。また着脱部材を取り外すことでホイルトラップも一緒に取り外すことが可能である。これにより、ホイルトラップのメンテナンスを効率化することが可能となる。
【0019】
前記少なくとも1つのホイルトラップは、前記複数のホイルと、前記複数のホイルを放射状に支持する回転部材とを有する回転式ホイルトラップを含んでもよい。この場合、前記デブリトラップユニットは、さらに、前記回転式ホイルトラップの前記回転部材に接続される軸部と、前記軸部を回転させる回転駆動部とを具備してもよい。
【0020】
前記回転駆動部は、前記着脱部材の外側に接続されてもよい。この場合、前記軸部は、前記着脱部材を貫通してもよい。また前記回転部材は、前記着脱部材の内側で前記軸部に接続されてもよい。
【0021】
前記デブリトラップユニットは、さらに、前記着脱部材とは別の部材として構成され、前記着脱部材に前記回転駆動部を固定する補強部材を具備してもよい。
【0022】
前記着脱部材は、前記回転駆動部が接続される部分の剛性を補強する補強部を有してもよい。
【0023】
前記少なくとも1つのホイルトラップは、前記複数のホイルと、前記複数のホイルを固定する固定部材とを有する固定式ホイルトラップを含んでもよい。
【0024】
前記デブリトラップユニットは、さらに、前記着脱部材に接続され、前記回転式ホイルトラップの外周部を包囲して、前記回転式ホイルトラップから飛散する前記デブリを捕集するホイルトラップカバーを具備してもよい。この場合、前記固定式ホイルトラップは、前記ホイルトラップカバーに接続されてもよい。
【0025】
前記デブリトラップユニットは、さらに、前記着脱部材を貫通し、前記放射線に対して透明な透明ガスを前記固定式ホイルトラップに導入するガス導入管を具備してもよい。
【0026】
前記デブリトラップユニットは、さらに、前記着脱部材に接続され、前記プラズマからの放射線を集光する集光鏡を具備してもよい。この場合、前記少なくとも1つのホイルトラップは、前記プラズマと前記集光鏡との間に配置される。
【0027】
前記デブリトラップユニットは、さらに、前記集光鏡の配置を調整する位置調整機構を具備してもよい。
【0028】
前記デブリトラップユニットは、さらに、前記チャンバ本体及び/又は前記集光鏡に伝わる振動を抑制する除振機構を具備してもよい。
【0029】
前記デブリトラップユニットは、さらに、前記着脱部材に接続され、前記プラズマと前記ホイルトラップとの間に配置される遮熱部材、又は、前記着脱部材に接続され、前記プラズマの状態を検出する検出センサの少なくとも一方を具備してもよい。
【0030】
前記着脱部材は、前記チャンバ本体に対する装着位置をガイドするガイド機構を有してもよい。
【0031】
本発明の一形態に係る光源装置は、プラズマ生成部と、チャンバ本体と、前記デブリトラップユニットとを具備する。
前記プラズマ生成部は、プラズマ原料をプラズマ化する。
前記チャンバ本体は、前記プラズマ生成部により生成されたプラズマからの放射線の出射口と前記出射口とは異なる開口部とを有する。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本発明によれば、ホイルトラップのメンテナンスを効率化することが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の第1の実施形態に係るデブリトラップユニットを備えたEUV光源装置の構成を示す概略断面図である。
図2】第1の実施形態に係るデブリトラップユニットの構成例を示す模式図である。
図3】デブリトラップユニットを取り外した状態を示す模式図である。
図4】回転式ホイルトラップの構成例を示す模式的な断面図である。
図5】回転式ホイルトラップの構成例を示す模式的な正面図である。
図6】デブリトラップユニットの他の構成例を示す模式図である。
図7】デブリトラップユニットの他の構成例を示す模式図である。
図8】固定式ホイルトラップの構成例を示す模式的な断面図である。
図9】固定式ホイルトラップの構成例を示す模式的な正面図である。
図10】ホイルトラップカバーを含むデブリトラップユニットの構成例を示す模式図である。
図11】遮熱板を含むデブリトラップユニットの構成例を示す模式図である。
図12】第2の実施形態に係るデブリトラップユニットを備えたEUV光源装置の構成例を示す概略断面図である。
図13】RFT支持部の構成例を示す模式的な平面図である。
図14】集光鏡の構成例を示す模式的な斜視図である。
図15】は、集光鏡を含むデブリトラップユニットの他の構成例を示す模式図である。
図16】は、集光鏡を含むデブリトラップユニットの他の構成例を示す模式図である。
図17】は、集光鏡を含むデブリトラップユニットの他の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0035】
<第1の実施形態>
[光源装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデブリトラップユニットを備えたEUV光源装置の構成を示す概略断面図である。本実施形態では、EUV光源装置100として、LDP方式の極端紫外光光源装置(EUV光源装置)を例に挙げて説明する。またEUV光源装置100は、EUV光を利用する利用装置110に接続され、利用装置110の光源として機能する。
【0036】
なお図においてX軸、Y軸およびZ軸は相互に直交する3軸方向を示しており、Z軸は鉛直方向(重力方向)に相当する。したがって、図1は、EUV光源装置100を水平方向に切断したときの断面図である。
【0037】
[全体構成]
図1において、EUV光源装置100は、極端紫外光(EUV光)を放出する。この極端紫外光の波長は、例えば、13.5nmである。
具体的には、EUV光源装置100は、放電を発生させる一対の放電電極EA,EBの表面にそれぞれ供給された液相のプラズマ原料SA,SBにレーザビームLB等のエネルギービームを照射して当該プラズマ原料SA,SBを気化させる。その後、放電電極EA,EB間の放電領域Dの放電によってプラズマPを発生させる。プラズマPからはEUV光が放出される。
【0038】
利用装置110は、例えばリソグラフィに使用されるマスクの検査装置である。この場合、プラズマPから放出されるEUV光の一部が出射口16(光取出し部)から取り出され、マスク検査装置に導光される。マスク検査装置は、EUV光源装置100の出射口16から放出されるEUV光を検査光として、マスクのブランクス検査またはパターン検査を行う。EUV光を用いることにより、5nm~7nmプロセスに対応することができる。
【0039】
本実施形態では、EUV光は、プラズマから取り出される放射線に相当し、EUV光源装置100は、光源装置に相当する。また、マスク検査装置は、プラズマからの放射線を利用する利用装置の一例である。
【0040】
EUV光源装置100は、チャンバ本体1と、光源部2と、デブリトラップユニット30と、図示しないデブリ収容部とを有する。光源部2は、チャンバ本体1内でLDP方式に基づいてEUV光を発生させる。デブリトラップユニット30は、チャンバ本体1に装着され、光源部2から放射されるEUV光とともに飛散するデブリDBを捕捉するデブリ低減装置である。デブリ収容部は、光源部2で発生したデブリおよびデブリトラップユニット30で捕捉されたデブリなどを収容する。
【0041】
(チャンバ本体)
チャンバ本体1は、プラズマPを発生させ、プラズマPからのEUV光を取り出すための減圧雰囲気を維持する真空筐体(真空チャンバ)の本体である。チャンバ本体1は、EUV光を利用する利用装置110(マスク検査装置)と接続される。
図1に示すように、本実施形態では、チャンバ本体1は、光源チャンバ11と、接続チャンバ15とを備える。
【0042】
光源チャンバ11は、内部で生成されるプラズマPを外部と隔離する減圧容器である。光源チャンバ11は、プラズマPを生成する光源部2を収容するプラズマ生成室を形成する。光源チャンバ11は、剛体、例えば、金属製の真空筐体であり、その内部は、プラズマ原料SA,SBを加熱励起するための放電を良好に発生させ、EUV光の減衰を抑制するために、図示しない真空ポンプにより所定圧力以下の減圧雰囲気に維持される。
光源チャンバ11の側壁11aには、レーザビームLBを導入するための透明窓12が設けられる。また光源チャンバ11の側壁11bには、接続チャンバ15と連通する貫通孔13が設けられる。
【0043】
接続チャンバ15は、光源チャンバ11と利用装置110とを接続する減圧容器である。接続チャンバ15は、光源チャンバ11の側壁11bに接続され、接続チャンバ15の内部空間は、貫通孔13を介して光源チャンバ11の内部空間と連通する。接続チャンバ15は、剛体、例えば、金属製の真空筐体であり、その内部は、光源チャンバ11と同様、EUV光の減衰を抑制するために所定圧力以下の減圧雰囲気に維持される。
【0044】
接続チャンバ15は、出射口16と、開口部17とを有する。
出射口16は、貫通孔13から入射したEUV光を利用装置110へ導入するための光学窓であり、EUV光源装置100においてEUV光を取り出す光取り出し部として機能する。図1に示す例では、出射口16は、接続チャンバ15の側壁15aに設けられる。
開口部17は、デブリトラップユニット30が装着される装着口であり、出射口16とは異なる位置に設けられる。図1では、開口部17が点線の領域により模式的に図示されている。
【0045】
このように、チャンバ本体1(接続チャンバ15)は、プラズマPからのEUV光の出射口16と、出射口16とは異なる開口部17とを有する。また、開口部17には、後述するデブリトラップユニット30が装着される。
なお、図1に示す例では、2つのチャンバ(光源チャンバ11及び接続チャンバ15)を接続してチャンバ本体1が構成されている。これに限定されず、例えばチャンバ本体1は、単一の部材を用いた真空筐体として構成されてもよいし、全体として1つの真空筐体が構成されるように2以上の部材を組み合わせてもよい。
【0046】
(光源部)
光源部2は、プラズマ原料をプラズマ化して、EUV光を放出するプラズマPを生成する。本実施形態では、光源部2は、プラズマ原料をプラズマ化するプラズマ生成部に相当する。
【0047】
光源部2は、一対の放電電極EA,EBを備える。放電電極EA,EBは、同形同大の円板状部材であり、例えば、放電電極EAがカソードとして使用され、放電電極EBがアノードとして使用される。放電電極EA,EBは、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)またはタンタル(Ta)などの高融点金属から形成される。放電電極EA,EBは、互いに離隔した位置に配置され、放電電極EA,EBの周縁部が近接している。このとき、プラズマPが生成される放電領域Dは、放電電極EA,EBの周縁部が互いに最も接近した放電電極EA,EB間の間隙に位置する。
【0048】
光源チャンバ11の内部には、液相のプラズマ原料SAが貯留されるコンテナCAと、液相のプラズマ原料SBが貯留されるコンテナCBとが配置される。各コンテナCA,CBには、加熱された液相のプラズマ原料SA,SBが供給される。液相のプラズマ原料SA,SBは、例えば、スズ(Sn)であるが、リチウム(Li)であってもよい。
【0049】
コンテナCAは、放電電極EAの下部が液相のプラズマ原料SAに浸されるようにプラズマ原料SAを収容する。コンテナCBは、放電電極EBの下部が液相のプラズマ原料SBに浸されるようにプラズマ原料SBを収容する。従って、放電電極EA,EBの下部には、液相のプラズマ原料SA,SBが付着する。放電電極EA,EBの下部に付着した液相のプラズマ原料SA,SBは、放電電極EA,EBの回転に伴って、プラズマPが生成される放電領域Dに輸送される。
【0050】
放電電極EAは、モータMAの回転軸JAに連結され、放電電極EAの軸線周りに回転する。放電電極EBは、モータMBの回転軸JBに連結され、放電電極EBの軸線周りに回転する。モータMA,MBは、光源チャンバ11の外部に配置され、各モータMA,MBの回転軸JA,JBは、光源チャンバ11を貫通して外部から内部に延びる。回転軸JAと光源チャンバ11の壁の間の隙間は、シール部材PAで封止され、回転軸JBと光源チャンバ11の壁の間の隙間は、シール部材PBで封止される。シール部材PA,PBは、例えば、メカニカルシールである。各シール部材PA,PBは、光源チャンバ11内の減圧雰囲気を維持しつつ、回転軸JA,JBを回転自在に支持する。
【0051】
EUV光源装置100は、制御部20と、パルス電力供給部21と、レーザ源(エネルギービーム照射装置)22と、可動ミラー23をさらに備える。制御部20、パルス電力供給部21、レーザ源22、及び可動ミラー23は、光源チャンバ11の外部に設置される。制御部20は、後述するように、EUV光源装置100の各部の動作を制御する。例えば、制御部20は、モータMA,MBの回転駆動を制御し、放電電極EA,EBを所定の回転数で回転させる。また、制御部20は、パルス電力供給部21の動作、レーザ源22からのレーザビームLBの照射タイミングなどを制御する。
【0052】
パルス電力供給部21から延びる2つの給電線QA,QBは、フィードスルーFA,FBを通過して、光源チャンバ11の内部に配置されたコンテナCA,CBにそれぞれ接続される。フィードスルーFA,FBは、光源チャンバ11の壁に埋設されて光源チャンバ11内の減圧雰囲気を維持するシール部材である。コンテナCA,CBは、導電性材料から形成され、各コンテナCA,CBの内部に収容されるプラズマ原料SA,SBもスズなどの導電性材料である。各コンテナCA,CBの内部に収容されているプラズマ原料SA,SBには、放電電極EA,EBの下部がそれぞれ浸されている。従って、パルス電力供給部21からパルス電力がコンテナCA,CBに供給されると、そのパルス電力は、プラズマ原料SA,SBをそれぞれ介して放電電極EA,EBに供給される。
【0053】
パルス電力供給部21は、放電電極EA,EBへパルス電力を供給することにより、放電領域Dで放電を発生させる。そして、各放電電極EA,EBの回転に基づいて放電領域Dに輸送されたプラズマ原料SA,SBが放電時に放電電極EA,EB間に流れる電流により加熱励起されることで、EUV光を放出するプラズマPが生成される。
【0054】
レーザ源22は、放電領域Dに輸送された放電電極EAに付着したプラズマ原料SAにエネルギービームを照射して、当該プラズマ原料SAを気化させる。レーザ源22は、例えば、Nd:YVO(Neodymium-doped Yttrium Orthovanadate)レーザ装置である。このとき、レーザ源22は、波長1064nmの赤外領域のレーザビームLBを発する。ただし、エネルギービーム照射装置は、プラズマ原料SAの気化が可能であれば、レーザビームLB以外のエネルギービームを発する装置であってもよい。
【0055】
レーザ源22から放出されたレーザビームLBは、例えば、集光レンズ24を含む集光手段を介して可動ミラー23に導かれる。集光手段は、放電電極EAのレーザビーム照射位置におけるレーザビームLBのスポット径を調整する。集光レンズ24および可動ミラー23は、光源チャンバ11の外部に配置される。
【0056】
集光レンズ24で集光されたレーザビームLBは、可動ミラー23により反射され、光源チャンバ11の側壁11aに設けられた透明窓12を通過して、放電領域D付近の放電電極EAの周縁部に照射される。可動ミラー23の姿勢を調整することにより、放電電極EAにおけるレーザビームLBの照射位置が調整される。なお、可動ミラー23の姿勢の調整は、作業員が手動で実施してもよいし、後述する検出センサ82からのEUV光の強度情報に基づき、制御部20が可動ミラー23の姿勢制御を行ってもよい。この場合、可動ミラー23は、図示を省略した可動ミラー駆動部により駆動される。
【0057】
放電領域D付近の放電電極EAの周縁部にレーザビームLBを照射するのを容易にするため、放電電極EA,EBの軸線は平行ではない。回転軸JA,JBの間隔は、モータMA,MB側が狭く、放電電極EA,EB側が広くなっている。これにより、放電電極EA,EBの対向面側を接近させつつ、放電電極EA,EBの対向面側とは反対側をレーザビームLBの照射経路から退避させることができ、放電領域D付近の放電電極EAの周縁部にレーザビームLBを照射するのを容易にすることができる。
【0058】
放電電極EBは、放電電極EAと可動ミラー23との間に配置される。可動ミラー23で反射されたレーザビームLBは、放電電極EBの外周面付近を通過した後、放電電極EAの外周面に到達する。このとき、レーザビームLBが放電電極EBで遮光されないように、放電電極EBは、放電電極EAよりも、モータMB側の方向(図1の左側)に退避される。放電領域D付近の放電電極EAの外周面に付着された液相のプラズマ原料SAは、レーザビームLBの照射により気化され、気相のプラズマ原料SAとして放電領域Dに供給される。
【0059】
放電領域DでプラズマPを発生させるため(気相のプラズマ原料SAをプラズマ化するため)、パルス電力供給部21は、放電電極EA,EBに電力を供給する。そして、レーザビームLBの照射により放電領域Dに気相のプラズマ原料SAが供給されると、放電領域Dにおける放電電極EA,EB間で放電が生じる。放電電極EA、EB間で放電が発生すると、放電領域Dにおける気相のプラズマ材料SAが電流により加熱励起されて、プラズマPが発生する。生成されたプラズマPから放射されるEUV光は、光源チャンバ11の側壁11bに設けられた貫通孔13を通って接続チャンバ15へ入射する。
【0060】
[デブリトラップユニットの構成]
図2は、第1の実施形態に係るデブリトラップユニットの構成例を示す模式図である。図3は、デブリトラップユニットを取り外した状態を示す模式図である。図2及び図3は、図1に示すEUV光源装置100を鉛直方向に切断したときの断面図である。ここでは、プラズマPを発生させる光源部2の図示が省略されている。
【0061】
まず図2を参照して、デブリトラップユニット30が装着される接続チャンバ15(チャンバ本体1)の構成について説明する。
上記したように、接続チャンバ15には、EUV光の出射口16と、デブリトラップユニット30が装着される開口部17とが設けられる。
【0062】
出射口16は、典型的には貫通孔であり、利用装置110の外側に設けられたEUV光の入射口111に接続される。この場合、接続チャンバ15の内部空間は、出射口16を介して利用装置110の内部空間と連通する。
図2に示す例では、接続チャンバ15の側壁15aの下側に出射口16が設けられ、出射口16からは、プラズマPから図中の右下方に進行するEUV光が取り出される。また出射口16と利用装置110の入射口111とをつなぐ接続フランジ18が設けられる。出射口16及び接続フランジ18の開口径は、利用装置110に出射するEUV光のビーム径等に応じて適宜設定される。
【0063】
なお、出射口16には、例えばEUV光を通過させる光学フィルタ等の透明部材が設けられてもよい。また、接続チャンバ15から利用装置110までの経路を開閉するバルブやゲート等が設けられてもよい。このような構成により、EUV光源装置100側の減圧雰囲気と利用装置110側の減圧雰囲気とを独立に操作することが可能となる。これにより、例えば利用装置110内の減圧雰囲気を維持しつつ、接続チャンバ15を大気開放するといったことが可能となり、メンテナンスが容易になる。
【0064】
開口部17は、デブリトラップユニット30の中身が出し入れ可能なように接続チャンバ15に設けられる。図2に示すように、本実施形態では、接続チャンバ15の上方から出射口16が設けられる側壁15aにかけて開口部17が設けられる。開口部17の形状、サイズ、位置等は限定されず、EUV光の光路や、光源部2及びデブリトラップユニット30の構成等に応じて適宜設定されてよい。
【0065】
デブリトラップユニット30は、接続チャンバ15(チャンバ本体1)の開口部17に装着され、プラズマPから放散されるデブリDBを捕捉する。つまり、デブリトラップユニット30は、チャンバ本体1に装着して用いられるデブリ低減装置DMTである。デブリトラップユニット30は、着脱部材31と、ホイルトラップFTと、回転軸32と、回転駆動部33とを有する。
【0066】
(着脱部材)
着脱部材31は、開口部17を覆い、かつ、接続チャンバ15(チャンバ本体1)に着脱自在に構成された部材である。すなわち着脱部材31は、開口部17を塞ぐ蓋として機能するとともに、接続チャンバ15により構成される真空筐体の外壁としても機能する。以下では、着脱部材31のチャンバ内に向けられる側を、着脱部材31の内側と記載し、その反対側を着脱部材31の外側と記載する。
【0067】
着脱部材31は、金属製の構造部材であり、接続チャンバ15の内部の減圧雰囲気を維持しつつ、ホイルトラップFT、回転軸32、及び回転駆動部33を支持することが可能なように構成される。着脱部材31を構成する材料としては、アルミ等が用いられる。また着脱部材31と接続チャンバ15とが接触する部位には、リークを回避し減圧雰囲気を維持するために図示を省略したシール部材が設けられる。
【0068】
図2に示す例では、接続チャンバ15の上方から側方にかけて設けられた開口部17を覆うように、断面形状がL字型の着脱部材31が装着されている。着脱部材31は、典型的には、ネジ止めにより接続チャンバ15に固定される。
着脱部材31の具体的な形状は限定されない。例えば、図2に示す接続チャンバ15が全体として有底の円筒形状である場合、着脱部材31は円筒の側面及び底面を含む部分を切り出した形状となる。また接続チャンバ15が全体として直方体形状である場合、着脱部材31は直交する2つの面を含むように直方体を切り出したL字型の形状となる。また開口部17が平面上に設けられる場合には、着脱部材31は、開口部17を塞ぐ平板状の部材となる。
【0069】
また着脱部材31は、接続チャンバ15(チャンバ本体1)に対する装着位置をガイドするガイド機構34を有する。図2に示す例では、ガイド機構34として、互いに篏合するように構成されたガイドピン34aとガイド穴34bが用いられる。例えば、接続チャンバ15の外側で着脱部材31と接触する位置にガイドピン34aが設けられる。そして、着脱部材31の内側には、各ガイドピン34aが挿入されるガイド穴34bが設けられる。なおガイド機構34の具体的な構成は限定されず、例えば互いに篏合するように構成されたスリット及びリブ等が用いられてもよい。
【0070】
ガイド機構34を設けることで、着脱部材31を所定の装着位置に精度よく装着することが可能となる。また、着脱部材31を装着する際に装着位置の調整等をほとんど行わなくてよい。このため、例えば位置合わせのために着脱部材31をずらすことでシール部材を破損するといった事態を回避することが可能となる。
なおガイド機構34は、必ずしも設ける必要はない。
【0071】
また着脱部材31には、貫通孔35が設けられる。この貫通孔35は、回転軸32を通すための穴である。この他、着脱部材31の外側には、デブリトラップユニット30全体を支えるための取手等が設けられてもよい。
【0072】
(ホイルトラップ)
光源部2で生成されるプラズマPからはEUV光とともにデブリDBが高速で様々な方向に放散される。デブリDBは、プラズマ原料SA、SBであるスズ粒子およびプラズマPの発生に伴いスパッタリングされる放電電極EA、EBの材料粒子を含む。これらのデブリDBは、プラズマPの収縮および膨張過程を経て、大きな運動エネルギーを得る。すなわち、プラズマPから発生するデブリDBは、高速で移動するイオン、中性粒子および電子を含む。このようなデブリDBは、利用装置110に到達すると、利用装置110内の光学素子の反射膜等を損傷または汚染させ、性能を低下させることがある。
【0073】
そこで、デブリトラップユニット30には、デブリDBが利用装置110に侵入しないようにするため、ホイルトラップFTが設けられる。ホイルトラップFTは、接続チャンバ15(チャンバ本体1)の内部に配置され、複数のホイルFを用いてプラズマPからのデブリDBを捕捉するデブリトラップである。ホイルトラップFTを用いることで、例えばmmサイズの大きなデブリから、原子サイズの小さなデブリまでを捕捉することが可能となる。本実施形態では、複数のホイルFで構成され、デブリDBを捕捉する部分を指してホイルトラップFTと記載する。
【0074】
ホイルトラップFTは、着脱部材31が接続チャンバ15(チャンバ本体1)に装着された状態で、プラズマPから出射口16までのEUV光の経路上に複数のホイルFが配置されるように、着脱部材31に接続される。
【0075】
ここで、プラズマPから出射口16までのEUV光の経路とは、出射口16から出射されるEUV光が通る経路である。図2に示す例では、プラズマPから出射口16を直接つなぐ直線状の経路が形成される。この経路上に複数のホイルFが配置される。
なお複数のホイルFは、プラズマPと出射口16とを結ぶ直線上に配置されるとは限らない。例えば、接続チャンバ15内にEUV光の出射方向を変えるための反射ミラー等を設ける場合がある。この場合、プラズマPと反射ミラーとの間のEUV光の経路上に複数のホイルFが配置され、反射ミラーに向かうデブリDBが捕捉される。
【0076】
またホイルトラップFTが、着脱部材31に接続されることは、複数のホイルFからなるホイルトラップFTが、着脱部材31に直接的又は間接的に接続されることを意味する。典型的には、1つ以上の部材を介してホイルトラップFTと着脱部材31とが間接的に接続されるが、例えばホイルトラップFTが着脱部材31に直接接続される構成も考えられる。
ホイルトラップFTと着脱部材31とが互いに接続されることで、着脱部材31と一緒にホイルトラップFTも着脱することが可能となる。
【0077】
ホイルトラップFTとしては、複数のホイルFがデブリと能動的に衝突する作用を加えた回転式ホイルトラップと、複数のホイルFの位置が固定された固定式ホイルトラップとが挙げられる。回転式ホイルトラップは、RFT(Rotating Foil Trap)ともいう。また固定式ホイルトラップは、SFT(Static Foil Trap)ともいう。
図2では、デブリトラップユニット30の一例として、回転式ホイルトラップ36だけが搭載される場合について説明する。なお、回転式ホイルトラップ36と固定式ホイルトラップとの両方を搭載したデブリトラップユニット(図7等参照)や、固定式ホイルトラップだけを搭載したデブリトラップユニットが構成されてもよい。
【0078】
(回転式ホイルトラップ)
図4は、回転式ホイルトラップ36の構成例を示す模式的な断面図である。図5は、回転式ホイルトラップ36の構成例を示す模式的な正面図である。図4及び図5に示すように、回転式ホイルトラップ36は、複数のホイル(ブレード)Fと、中心支柱37と、外側リング38とを有する。
【0079】
複数のホイルFは、薄膜または薄い平板である。中心支柱37は、複数のホイルFを放射状に支持する部材である。外側リング38は、中心支柱37に同心に配置され、中心支柱37から放射状に延びる各ホイルFの先端に接続される。本実施形態では、中心支柱37は、回転部材に相当する。
各ホイルFは、ほぼ等しい角間隔をおいて中心支柱37の周りに放射状に配置される。この時、各ホイルFは、中心支柱37の中心軸線C0を含む平面上にある。回転式ホイルトラップ36の材料は、例えば、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属である。
【0080】
図5に示すように、回転式ホイルトラップ36の複数のホイルFは、プラズマP(発光点)から出射口16に向かうEUV光を遮らないように、EUV光の光線方向に平行に配置される。すなわち、各ホイルFが中心支柱37の中心軸線C0を含む平面上に配置された回転式ホイルトラップ36は、中心支柱37の中心軸線C0の延長線上にプラズマP(発光点)が存在するように配置される(図2参照)。これにより、中心支柱37および外側リング38を除けば、EUV光は各ホイルFの厚みの分のみ遮光され、回転式ホイルトラップ36を通過するEUV光の割合(透過率ともいう)を最大にすることが可能となる。
【0081】
(回転軸)
図2に戻り、回転軸32は、円柱上の長手部材であり、回転式ホイルトラップ36の中心支柱37に接続される。本実施形態では、回転軸32は、軸部に相当する。
本実施形態では、回転軸32は、着脱部材31の貫通孔35を通るように配置される。着脱部材31の内側に配置される回転軸32の端部には、回転式ホイルトラップ36の中心支柱37が接続される。具体的には、回転軸32の中心軸線と、中心支柱37の中心軸線C0とが合致するように、回転軸32と中心支柱37とが接続される。また、着脱部材31の内側に配置される回転軸32の端部(回転式ホイルトラップ36が接続される側とは反対側の端部)には、回転駆動部33が接続される。
【0082】
またデブリトラップユニット30は、メカニカルシール39で回転軸32を受ける構造となっている。図2に示すように、着脱部材31に設けられる貫通孔35は、回転軸32の直径よりも大きく設計される。回転軸32と貫通孔35と間の隙間は、メカニカルシール39で封止される。メカニカルシール39は、接続チャンバ15内の減圧雰囲気を維持しつつ、モータ40の回転軸32を回転自在に支持する。
【0083】
(回転駆動部)
回転駆動部33は、回転軸32を回転させる駆動機構であり、回転式ホイルトラップ36の回転を制御する制御ユニットとして機能する。例えば、回転駆動部33により、回転式ホイルトラップ36の回転数等が適宜制御される。また回転駆動部33は、着脱部材31に対して自身が回転しないように、図示しない固定部材により着脱部材31の外側に固定される。
回転駆動部33は、モータ40と、図示を省略した冷却機構とを有する。
【0084】
モータ40は、回転軸32に接続され、回転軸32をその中心軸線の周りに回転させる。従って、モータ40の回転軸32は、回転式ホイルトラップ36の回転軸とみなすことができる。モータ40としては、例えば回転軸32が回転子に直結された電動モータ等が用いられるが、例えば回転子と回転軸32との間にギヤ等の変速機構が設けられてもよい。
【0085】
回転式ホイルトラップ36は、モータ40に駆動されて回転する。これにより、回転する複数のホイルFは、プラズマPから到来するデブリDBに衝突して、デブリDBを捕捉する。これにより、プラズマPからのデブリDBが利用装置110に侵入するのを阻止することが可能となる。
【0086】
冷却機構は、回転式ホイルトラップ、回転軸32、及びモータ40を冷却する。
本実施形態では、水冷配管41から供給される冷却水等の冷媒を利用した冷却機構が設けられる。回転駆動部33の外側には、水冷配管41から冷却水が供給される入水口42と、冷却水を水冷配管41に戻すための出水口43とが設けられる。入水口42及び出水口43は、冷却機構に接続される。また水冷配管41と入水口42(出水口43)との接続には、カプラ等が用いられる。これにより、水冷配管41の取り外しが容易になる。
【0087】
例えば、回転式ホイルトラップ36は、プラズマPからの放射により高温となる。このため、回転式ホイルトラップ36の過熱を防止するために、回転軸32を冷却する冷却機構が設けられる。このような冷却機構として、例えば、回転軸32を中空にして冷却水等の冷媒の循環通路が形成される。この循環通路に水冷配管41から供給される冷却水を通すことで、回転軸32と、それに接続される回転式ホイルトラップ36とを冷却することができる。また、回転時のモータ40自体も発熱するため、モータ40の周囲に冷却水を通す配管を巻き付けて除熱してもよい。
【0088】
このように、本実施形態に係るデブリトラップユニット30では、モータ40は、着脱部材31の外側に接続され、回転軸32は、着脱部材31を貫通し、回転式ホイルトラップの中心支柱37(回転部材)は、着脱部材31の内側で回転軸32に接続される。
【0089】
このような構成とすることにより、回転駆動部33をチャンバ内に配置する必要がなくなり、接続チャンバ15を小型化することが可能となる。またプラズマPから出射口16までのEUV光の経路を短くすることが可能となるため、EUV光のビーム径の広がりを抑えることが可能となる。この結果、利用装置110に設けられる光学系をコンパクトに構成することが可能となる。
【0090】
図3には、デブリトラップユニット30を接続チャンバ15(チャンバ本体1)から取り外した状態が模式的に図示されている。デブリトラップユニット30を取り外す場合には、EUV光源装置100の動作を停止した後で、接続チャンバ15内が大気圧に戻される。その後、着脱部材31を固定するネジ等を外して、接続チャンバ15から着脱部材31が取り外される。この時、着脱部材31と一緒に回転式ホイルトラップ36も取り外される。
【0091】
このように、デブリトラップユニット30は、ホイルトラップFTをチャンバ本体1である接続チャンバ15の蓋となる着脱部材31とユニット化して真空筐体の側面から取り外すことが可能な構成となっている。これにより、例えば光源部2を構成する部材(放電電極EA及びEBや、コンテナCA及びCB等)を取り外すことなく、接続チャンバ15内に配置されるホイルトラップFTを容易に取り外すことが可能となる。また、光源部2を分解する必要がないため、EUV光の光軸の調整等を行う必要がない。この結果、メンテナンスの作業時間を十分に短縮することが可能となり、EUV光源装置100の稼働率を向上することが可能となる。
【0092】
[着脱部材と回転駆動部との接続を補強した構成例]
図6は、デブリトラップユニットの他の構成例を示す模式図である。
図6に示すデブリトラップユニット50は、着脱部材51と、回転式ホイルトラップ56と、回転軸52と、回転駆動部53と、補強部材54とを有する。デブリトラップユニット50は、図2及び図3に示すデブリトラップユニット30と比べ、着脱部材と回転駆動部との接続部分の構成が異なる。なお図6では、ガイド機構が省略されている。
【0093】
着脱部材51は、回転駆動部53が接続される部分の剛性を補強する補強部55を有する。補強部55は、着脱部材51そのものの剛性を補強する構造部であり、回転駆動部53が接続される部分に設けられる。すなわち、補強部55は、回転駆動部53の荷重が加わる部分の変形等を抑制する構造であるともいえる。
【0094】
図6では、補強部55として、着脱部材51の厚みを大きくした肉厚構造が設けられる。ここでは、回転式ホイルトラップ56(回転軸52)の中心軸線C0が水平面に対して傾斜して設定される。この場合、回転駆動部53も水平面に対して傾斜して配置される。このような場合、回転駆動部53が接続される着脱部材51の外側の面(接続面51a)が、中心軸線C0と直交する傾斜面として構成される。このように、接続面51aを傾斜させることで、図6に示すように、着脱部材51の内側の面と接続面51aとの間に、厚みが大きくなった補強部55が構成される。なお、補強部55の構造は限定されず、例えば補強部55として、着脱部材51の内側の面にリブ構造を設けてもよい。
【0095】
接続面51aの直下に補強部55を設けることで、回転駆動部53から接続面51aに加わる荷重により、着脱部材51が変形するといった事態を回避することが可能となる。また、回転駆動部53を安定して固定することが可能となる。
【0096】
補強部材54は、着脱部材51とは別の部材として構成され、着脱部材51に回転駆動部53を固定する部材である。補強部材54は、金属製の構造部材であり、例えば着脱部材51よりも剛性の高い材料で構成される。着脱部材51がアルミ製である場合には、例えばステンレス製の補強部材54が用いられる。なお、補強部材54及び着脱部材51は、同じ材質であってもよい。
【0097】
回転式ホイルトラップ56の回転軸52の後部には、その回転を制御する回転駆動部53が接続される。回転駆動部53の内部には、回転軸52や回転式ホイルトラップ56等の熱を冷却するために、冷却水を循環させる冷却機構が設けられる。このため、回転駆動部53において、冷却機構が収納されている筐体は、回転軸52の直径よりも大きくなっている。このため、回転駆動部53の筐体を固定する方が、図2に示すように回転軸52をメカニカルシールで受ける構造に比べ、回転駆動部53を安定して固定することが可能である。
【0098】
補強部材54は、着脱部材51の接続面51aと、回転駆動部53との間に配置され、回転駆動部53を受ける台座として機能する。補強部材54には、回転軸52を通す貫通孔57と、回転駆動部53の筐体を嵌め込むことが可能な窪み部58とが形成される。補強部材54は、窪み部58を外側に向けて着脱部材51の接続面51aにネジ止め等により固定される。また回転駆動部53は、補強部材54の窪み部58に嵌め込まれた状態で、補強部材54にネジ止め等により固定される。
このように、図6では、接続チャンバ15に対して取り外し可能な着脱部材51に固定する補強部材54を設け、その補強部材54に備え付ける形で、回転軸52を支えている回転駆動部53が固定される。
【0099】
このように、図6では、着脱部材51に設けられた補強部55と、着脱部材51とは別に構成された補強部材54とを用いて、着脱部材51と回転駆動部53との接続が補強される。なお、着脱部材51と回転駆動部53との接続を補強するための構成は限定されない。例えば、着脱部材51の補強部55と、補強部材54とのどちらか一方だけが設けられてもよい。
例えば、補強部材54が無くてもよい。この場合、着脱部材51には、傾斜した接続面51aを備える補強部55(肉厚構造等)が設けられ、回転駆動部53が接続面51aに対して直接固定される。なお、接続面51aには、回転駆動部53を受けるための窪み等が形成されてもよい。
また例えば、着脱部材51の補強部55(肉厚構造等)が無くてもよい。この場合、着脱部材51は、例えば図2に示す着脱部材31のように構成され、接続面51aは鉛直方向に沿った平面となる。補強部材54は、このように鉛直方向に沿った接続面51aに対して、回転駆動部53を傾斜した状態で支持するように構成される。
【0100】
例えば、デブリトラップユニット50には、直径や幅のサイズが比較的大きい回転式ホイルトラップ56が搭載される。図6では、図2に示す回転式ホイルトラップ56よりも直径の大きい回転式ホイルトラップ56が模式的に図示されている。回転式ホイルトラップ56のサイズが大きい場合、回転駆動部53が大きくなることが考えられる。また回転式ホイルトラップ56のサイズが大きいことで、回転時の振動や装置のブレが増大する可能性もある。
【0101】
これに対し、図6では、着脱部材51の剛性が補強された補強部55の上に、回転駆動部53の筐体を抑える補強部材54が設けられる。これにより、回転式ホイルトラップ56を安定に運転させるための冷却機構等が収納された部位(回転駆動部53の筐体)を機械的に安定に座らせることが可能となる。この結果、大型の回転式ホイルトラップ56を用いる場合でも、振動や装置のブレを抑え安定に動作させることが可能となる。
なお図6を参照して説明した構成は、比較的サイズの小さい回転式ホイルトラップを用いる場合にも有効である。
【0102】
[固定式ホイルトラップを含む構成例]
図7は、デブリトラップユニットの他の構成例を示す模式図である。デブリトラップユニット60には、回転式ホイルトラップに加え、固定式ホイルトラップが設けられる。
【0103】
図7に示すデブリトラップユニット60は、着脱部材61と、回転式ホイルトラップ66と、回転軸62と、回転駆動部63と、補強部材64と、固定式ホイルトラップ67と、ガス導入管69と、を有する。着脱部材61、回転軸62、回転駆動部63、及び補強部材64は、図6に示す着脱部材51、回転軸52、回転駆動部53、及び補強部材54と同様に構成される。また、回転式ホイルトラップ66として、図2に示す回転式ホイルトラップ36が用いられているが、図6に示す比較的サイズの大きい回転式ホイルトラップ56が用いられてもよい。
【0104】
固定式ホイルトラップ67は、複数のホイルFを固定したホイルトラップFTである。固定式ホイルトラップ67は、プラズマPから接続チャンバ15(チャンバ本体1)の出射口16へと進行するEUV光の経路上において、回転式ホイルトラップ66と出射口16との間に設けられる。すなわち固定式ホイルトラップ67は、回転式ホイルトラップ66の下流側に配置され、回転式ホイルトラップ66を通過したデブリDBを捕捉する。
【0105】
また固定式ホイルトラップ67は、出射口16から取り出されるEUV光の光線束(EUV取出光)が通る中心経路を基準に配置される。中心経路は、例えばプラズマPの発光点と出射口16の中心点とを結ぶ経路である。固定式ホイルトラップ67は、着脱部材61を接続チャンバ15に装着した状態で、中心経路と交差するように、図示を省略した保持部を介して着脱部材61に接続される。保持部の具体的な構成については、後に詳しく説明する。
【0106】
ガス導入管69は、着脱部材61を貫通し、EUV光に対して透明な透明ガスを固定式ホイルトラップ67に導入する。ガス導入管69の一方の端は、着脱部材61の外側から突出して配置されガス導入口として用いられる。またガス導入管69の他方の端は、固定式ホイルトラップ67に接続される。固定式ホイルトラップ67に供給する透明ガスは、EUV光に対して透過率の高いガスが望ましく、例えば、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)などの希ガスまたは水素(H)などが用いられる。
【0107】
図8は、固定式ホイルトラップの構成例を示す模式的な断面図である。図9は、固定式ホイルトラップの構成例を示す模式的な正面図である。図8は、EUV光の中心経路に沿って固定式ホイルトラップ67を切断した図である。また図9は、EUV光の中心経路の方向から固定式ホイルトラップ67を見た図である。
図8および図9に示すように、固定式ホイルトラップ67は、複数のホイルFと、複数のホイルFを固定する固定枠68とを備える。本実施形態では、固定枠68は、固定部材に相当する。
【0108】
図9に示すように、複数のホイルFは、EUV光の中心経路の方向から見て、それぞれ等間隔に配置される。また、固定枠68は、例えば、正面から見て矩形状となっている。なお、固定枠68の外形は、任意の形状であってよい。さらに、複数のホイルFは、図8に示すように、中心経路に沿って切断した断面では、EUV光の光線方向に伸びるように放射状に配置される。
【0109】
固定式ホイルトラップ67の複数のホイルFは、固定式ホイルトラップ67が配置された空間を細かく分割することにより、その部分のコンダクタンスを下げて圧力を局所的に上げる働きをする。
また、固定式ホイルトラップ67には、ガス導入管69を介して透明ガスが供給される。これにより、固定式ホイルトラップ67における圧力を上げることができる。言い換えると、接続チャンバ15内において、固定式ホイルトラップ67内にガスを局在化させて圧力が比較的高い部分を設定する。
【0110】
回転式ホイルトラップ66で捕捉できなかった高速のデブリDBは、固定式ホイルトラップ67における圧力が上がった領域でガスとの衝突確率が上がるために速度が低下する。また、ガスとの衝突によりデブリDBの進行方向も変わる。固定式ホイルトラップ67は、このようにして速度が低下して進行方向が変わったデブリDBを、ホイルFまたは固定枠68により捕捉する。
【0111】
このように、回転式ホイルトラップ66と固定式ホイルトラップ67とを設けることで、デブリDBを十分に捕捉することが可能となる。またデブリトラップユニット60では、回転式ホイルトラップ66及び固定式ホイルトラップ67が、両方とも着脱部材61に接続される。これにより、着脱部材61を取り外すことで、回転式ホイルトラップ66及び固定式ホイルトラップ67も取り外すことが可能となる。このような構成により、例えばあらかじめ用意しておいた新品のデブリトラップユニット60と入れ替えることで、メンテナンス時間の短縮を図ることが可能となる。
【0112】
[ホイルトラップカバー]
図10は、ホイルトラップカバーを含むデブリトラップユニットの構成例を示す模式図である。図10に示すデブリトラップユニット70は、図7に示すデブリトラップユニット60に、ホイルトラップカバー71を設けた構成となっている。なお図7では、回転駆動部と利用装置が省略されている。
【0113】
ホイルトラップカバー71は、回転式ホイルトラップ66の外周部を包囲して、回転式ホイルトラップ66から飛散するデブリDBを捕集する。ホイルトラップカバー71を設けることで、回転式ホイルトラップ66により捕捉されたデブリDBが接続チャンバ15の内部に飛散するのを防止することが可能となる。
【0114】
ホイルトラップカバー71は、入射側開口部KIおよび出射側開口部KOを備える。入射側開口部KIは、回転式ホイルトラップ66に入射するEUV光が遮光されない位置に設けられる。出射側開口部KOは、入射側開口部KIおよび回転式ホイルトラップ66を通過して固定式ホイルトラップ67に入射するEUV光が遮光されない位置に設けられる。
【0115】
回転式ホイルトラップ66により捕捉されたデブリDBの少なくとも一部は、遠心力により回転式ホイルトラップ66のホイルF上を径方向に移動し、ホイルFの端部から離脱して、ホイルトラップカバー71の内面に付着する。ホイルトラップカバー71は、図示しない加熱手段(カバー加熱部)や、EUV光の放射に伴う輻射によって加熱され、当該加熱によりホイルトラップカバー71の内面に付着したデブリDBは固化せず、液相状態を保持する。ホイルトラップカバー71の内面に付着したデブリDBは、重力によりホイルトラップカバー71の下部に集まり、ホイルトラップカバー71の下部から排出管72を介してホイルトラップカバー71の外に排出されて廃原料となる。廃原料となったデブリDBは、図示しないデブリ収容部に収容される。
【0116】
図10に示すように、デブリトラップユニット70では、ホイルトラップカバー71は、着脱部材61に接続される。すなわち、ホイルトラップカバー71は、着脱部材61とユニット化される。例えばホイルトラップカバー71の後側に回転軸62を囲むように筒形の突出部73が形成され、突出部73の先端が着脱部材61に接続される。もちろん、突出部73の他に、ホイルトラップカバー71と着脱部材61とを接続する部分が設けられてもよい。これにより、着脱部材61とともにホイルトラップカバー71を取り外すことが可能となる。
【0117】
また、図10に示す例では、固定式ホイルトラップ67は、ホイルトラップカバー71に接続される。具体的には、ホイルトラップカバー71の出射側開口部KOを覆うように、固定式ホイルトラップ67が、ホイルトラップカバー71の後側に固定される。これにより、ホイルトラップカバー71を利用することで、固定式ホイルトラップ67を容易にユニット化することが可能となる。また固定式ホイルトラップ67を固定するための専用の保持部等を設ける必要がなくなるため、装置コストを抑えることが可能となる。
【0118】
[遮熱部材、検出センサ]
図11は、遮熱板を含むデブリトラップユニットの構成例を示す模式図である。図11に示すデブリトラップユニット80は、図10に示すデブリトラップユニット70に、遮熱部材81と検出センサ82とを設けた構成となっている。
【0119】
遮熱部材81は、着脱部材61に接続され、プラズマPとホイルトラップFTとの間に配置される。図11に示す例では、プラズマPと回転式ホイルトラップFTとの間に遮熱部材81が配置される。遮熱部材81は、プラズマPの近傍に配置されるため、例えば、モリブデンまたはタングステンなどの高融点材料から構成される。遮熱部材81を設けることで、プラズマPから回転式ホイルトラップ66への放射を低減し、回転式ホイルトラップ66の過熱を防止することができる。
【0120】
遮熱部材81は、板状の部材であり、回転式ホイルトラップFTの全体を覆うように構成される。また、遮熱部材81には、プラズマPからのEUV光を通過させるための開口部KA及び開口部KBが設けられる。
【0121】
開口部KAは、出射口16から利用装置110に向けて出射されるEUV光を取り出す開口部である。開口部KAは、回転式ホイルトラップ66の回転軸(中心軸線C0)から偏心した位置に設けられる。このとき、プラズマPから放出されるEUV光の一部は、開口部KAを介し、回転式ホイルトラップ66の回転軸に対して傾斜角度をもって所定の立体角で遮熱部材81から取り出される。回転式ホイルトラップ66及び固定式ホイルトラップ67は、遮熱部材81の開口部KAを通過したEUV光の光線束(EUV取出光)の中心経路上にホイルFが位置するように配置されている。
【0122】
開口部KBは、後述する検出センサ82に向けて出射されるEUV光を取り出す開口部である。開口部KBは、プラズマPの発光点から検出センサ82に向かう直線上に設けられる。図11では、プラズマPと検出センサ82との間には回転式ホイルトラップ66とホイルトラップカバー71とが配置される。なおホイルトラップカバー71には、開口部KBを介して取り出されたEUV光を通過させるための出射側開口部KO'が設けられる。
【0123】
図11では、遮熱部材81の上端側が折り曲げられて着脱部材61の内側の面に固定される。すなわち、遮熱部材81は、着脱部材61とユニット化される。これにより、着脱部材61とともに遮熱部材81を取り外すことが可能となり、遮熱部材81のクリーニングや交換等を容易に実現することが可能となる。
【0124】
検出センサ82は、着脱部材61に接続され、プラズマPの状態を検出するセンサである。本実施形態では、着脱部材61に検出センサ82を接続するための貫通孔83が設けられる。検出センサ82は貫通孔83を塞ぐように、着脱部材61の外側に接続される。検出センサ82には、上記した遮熱部材81の開口部KBと、回転式ホイルトラップ66と、ホイルトラップカバー71の出射側開口部KO'と、着脱部材61の貫通孔83を通過したEUV光が入射する。なお、貫通孔83を設けずに、着脱部材61の内側に検出センサ82が接続されてもよい。
【0125】
検出センサ82としては、例えばEUV光を検出する光センサ等が用いられる。この場合、検出センサ82によりEUV光の強度(プラズマPの発光強度)を検出することが可能である。また例えば、検出センサ82として、プラズマPの状態を撮影するカメラセンサ等が用いられてもよい。この場合、検出センサ82によりプラズマPの発光状態を観察することが可能となる。この他、検出センサ82の種類は限定されず、プラズマPの状態(温度、色、サイズ等)を検出可能な任意のセンサを用いることが可能である。
【0126】
このように、図11では、検出センサ82が着脱部材61に接続される。すなわち検出センサ82は、着脱部材61とユニット化される。これにより、着脱部材61とともに検出センサ82を取り外すことが可能となり、検出センサ82のクリーニングや交換等を容易に実現することが可能となる。
【0127】
以上、本実施形態に係るデブリトラップユニット30、50、60、70、及び80では、チャンバ本体1である接続チャンバ15の開口部17を覆い、かつ、接続チャンバ15に着脱される着脱部材に、プラズマPからのデブリを捕捉する複数のホイルFを備える少なくとも1つのホイルトラップFTが接続される。着脱部材が装着された状態では、プラズマPから出射口までの放射線の経路上に複数のホイルFが配置される。また着脱部材を取り外すことでホイルトラップFTも一緒に取り外すことが可能である。これにより、ホイルトラップFTのメンテナンス時間の短縮を図ることが可能となり、メンテナンスを効率化することが可能となる。
【0128】
一般に、EUV光を出射する光源装置には、EUV光を利用するための利用装置が接続される。利用装置には、光源装置から出射されるEUV光を調整する複雑な光学系が設けられ、その光軸はプラズマPの発光点を起点として調節される。また利用装置は、光源装置と比べて大型の装置であることが多く、また他の装置と連結されていることも考えられる。このように、光源装置は、システムとして端に位置することから、デブリトラップのメンテナンスには、光源装置を一旦解体する必要があった。
【0129】
また、光源装置の解体においても、チャンバの蓋、回転電極、原料コンテナ、デブリトラップの境目の板(遮熱板等)といった部材を、端から順々に取り外す必要があり、その後で、ようやくデブリラップの取り外しが可能となる。このため、デブリトラップのメンテナンスを行う場合、デブリトラップ自体に触れるまでにも、かなりの労力と時間が必要であった。
【0130】
また、上記したように、利用装置の光学系はプラズマPの発光点から始まる光軸に調整されている。一方で、光源装置を解体するようなメンテナンスでは、発光点である回転電極を取り外してしまう。このため、デブリトラップのメンテナンスを終え、光源装置を再度組み立てた後に、さらに光軸を合わせる調整が必要となる。この結果、光源装置及び利用装置の停止期間が長くなり、装置の利用効率が低下するおそれがあった。
【0131】
本実施形態に係るデブリトラップユニットは、チャンバ本体1である接続チャンバ15の開口部17に装着される着脱部材にホイルトラップFTが接続される。すなわち、ホイルトラップFTを収容する容器(接続チャンバ15)の一部に蓋(着脱部材)を設け、その蓋とホイルトラップFTとがユニット化される。
【0132】
このような構成により、ホイルトラップFTを取り外す場合には、着脱部材を接続チャンバ15から取り外せばよく、光源部2等を解体する必要がない。これにより、ホイルトラップFTの取り付け、取り外しを容易に行うことが可能となる。また、ホイルトラップFTのメンテナンスに要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0133】
また、本実施形態では、デブリトラップユニットとユニット化される部材には、EUV光の光路を変更するような光学素子は含まれない。これにより、プラズマPの発光点(光発生部位)から、利用装置110の光学系に至る光軸を略維持した状態でメンテナンスが可能になる。これにより、例えば放電電極を取り外した場合に必要となる大幅な光軸調整は不要となり、比較的容易に光軸を調整することが可能となる。この結果、光源装置及び利用装置の停止期間が短くなり、装置の利用効率を向上することが可能となる。
【0134】
また、デブリトラップユニットでは、回転式ホイルトラップ、固定式ホイルトラップ、ホイルトラップカバー、遮熱部材、検出センサ等を一体的にユニット化することが可能である。これにより、ユニット化された複数の部材を同時にメンテナンスすることが可能となり、メンテナンスの手間を省くことが可能となる。これにより、接続チャンバ15に設けられる様々な部材を効率的にメンテナンスすることが可能となる。
【0135】
<第2の実施形態>
本発明に係る第2の実施形態に係るEUV光源装置について説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明したEUV光源装置100における構成及び作用と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化する。
【0136】
図12は、第2の実施形態に係るデブリトラップユニットを備えたEUV光源装置の構成例を示す概略断面図である。EUV光源装置200は、チャンバ本体201と、光源ユニット202と、デブリトラップユニット230とを有する。本実施形態では、デブリトラップユニット230に、EUV光を集光する集光鏡250をユニット化した構成について説明する。
【0137】
チャンバ本体201は、EUV光の出射口90と、第1の開口部91と、第2の開口部92と、真空排出口93とを有する。図12に示すチャンバ本体201は、筒形の筐体の一端にコーン型の筐体を接続した構造を有する。
コーン型の筐体の先端には、出射口90が設けられる。また出射口90とは反対側となる筒形の筐体の端部には、第1の開口部91が設けられる。また、筒形の筐体の側面には、第2の開口部92と真空排出口93とが設けられる。
【0138】
出射口90は、プラズマPからのEUV光を図示しない利用装置へ導入するための光学窓である。出射口90は、典型的には貫通孔であるが、光学フィルタ等の透明部材が設けられてもよい。
第1の開口部91は、光源ユニット202が接続される開口部である。
第2の開口部92は、デブリトラップユニット230が接続される開口部である。図12では、図中上側に、第2の開口部92が形成される。
真空排出口93は、チャンバ本体201を排気する真空ポンプ95に接続される。図12では、図中下側に真空排出口93が形成される。
【0139】
光源ユニット202は、第1の開口部91の蓋として機能する基体部96に、プラズマPを発生させるための機構をユニット化したものである。
光源ユニット202は、例えば図1と同様にLDP方式でプラズマPを発生させる装置として構成される。この場合、基体部96には、互いに対向して配置された1対の放電電極と、各放電電極にプラズマ原料を供給する1対のコンテナとが固定される。またチャンバ本体201には、エネルギービーム(例えばレーザビーム)を導入するために図示しない透明窓が設けられる。
【0140】
エネルギービームは、各放電電極が対向する放電領域において、一方の放電電極に照射される。エネルギービームの照射により放電領域には気相のプラズマ原料が供給される。各放電電極に電力が供給されると、放電によりプラズマ原料が加熱励起されてプラズマPが発生する。
なお、LDP方式の光源ユニット202に代えて、LPP方式等の他の方式でプラズマPを発生させる光源ユニット202が用いられてもよい。
【0141】
図12に示すデブリトラップユニット230は、ホイルトラップFTと集光鏡250とをユニット化したものである。デブリトラップユニット230は、着脱部材231と、ホイルトラップFTである回転式ホイルトラップ236と、回転軸232と、回転駆動部233と、水冷配管234と、RFT支持部237と、ホイルトラップカバー240と、集光鏡250とを有する。
【0142】
着脱部材231は、第2の開口部92を覆い、かつ、チャンバ本体201に着脱自在に構成された部材であり、第2の開口部92を塞ぐ蓋として機能する。デブリトラップユニット230を構成する回転式ホイルトラップ236及び集光鏡250等は、着脱部材231に直接又は間接的に接続されることでユニット化される。
図12に示す例では、着脱部材231がチャンバ本体201に接続された状態で、プラズマPの発光点から出射口90に向かう経路上に、回転式ホイルトラップ236及び集光鏡250がこの順番で配置される。
【0143】
回転式ホイルトラップ236は、放射状に配置された複数のホイルFを有し、回転軸232を介して、回転駆動部233に接続される。回転駆動部233には、着脱部材231を貫通する水冷配管234が接続され冷却水等が供給される。また回転駆動部233には、電力ケーブル等が適宜配線される。本実施形態では、デブリトラップユニット230がチャンバ本体201に装着された状態で、回転式ホイルトラップ236とその駆動機構(回転軸232及び回転駆動部233)が全てチャンバ本体201に収容される。
【0144】
RFT支持部237は、着脱部材231に固定され、着脱部材231に対してRFT(回転式ホイルトラップ236)を支持する部材である。具体的には、RFT支持部237は、回転駆動部233を支持するように構成される。また回転式ホイルトラップ236が接続された回転軸232は、回転駆動部233に内蔵された図示しないベアリング等の軸受機構を介して回転可能に支持される。このように、RFT支持部237は、回転駆動部233及び回転軸232を介して回転式ホイルトラップ236を支持する。
【0145】
図12に示すように、RFT支持部237は、例えば全体として板状の部材であり、回転軸232を通すための貫通孔238と、EUV光を通すための開口部KCとを有する。またRFT支持部237は、回転式ホイルトラップ236と回転駆動部233との間に配置され、RFT支持部237には、回転駆動部233の前方側の端面が固定される。この時、回転軸232の軸線が後述する集光鏡250の中心軸線C1と一致するように、RFT支持部237と回転駆動部233とが固定される。
【0146】
図13は、RFT支持部237の構成例を示す模式的な平面図である。RFT支持部237は、中央部237aと、周縁部237bと、複数のスポーク部237cとを有する。
中央部237aは、RFT支持部237の中央に設けられ、回転駆動部233が固定される部分である。中央部237aには、回転軸232の直径よりも大きな内径を持つ貫通孔238が設けられる。周縁部237bは、中央部237aから一定の距離をあけて中央部237aの周囲を囲むように設けられる。周縁部237bは、例えば着脱部材231やホイルトラップカバー240に接続される部分である。複数のスポーク部237cは、中央部237aと周縁部237bとを接続する長手部材である。中央部237a、周縁部237b、及び各スポーク部237cにより囲まれた空洞が、EUV光を通すための開口部KCとなる。
【0147】
図13に示す例では、6つのスポーク部237cが60度の角度間隔で配置され、中央部237aと周縁部237bとの間に6つの開口部KCが構成される。これらの開口部KCは、主として回転式ホイルトラップ236を通過したEUV光の光路上に設けられる。この他、スポーク部237c及び開口部KCの数や形状は限定されない。
また図13に示す例では、RFT支持部237(周縁部237b)の外周が円筒面となっているが、例えば着脱部材231に固定するために外周の一部が平面となるような形状であってもよい。
【0148】
図12に戻り、ホイルトラップカバー240は、回転式ホイルトラップ236の外周部を包囲して、回転式ホイルトラップ236から飛散するデブリDBを捕集する。ホイルトラップカバー240は、回転式ホイルトラップ236を収容する筒状の部材である。ホイルトラップカバー240の前側(プラズマPに向けられる側)には、EUV光が入射する入射側開口部KIが設けられ、ホイルトラップカバー240の後側には、RFT支持部237が接続される。図12に示す例では、RFT支持部237がホイルトラップカバー240の後側を覆い、カバーの一部として機能する。
【0149】
例えば、RFT支持部237及びホイルトラップカバー240は、互いに装着された状態でそれぞれが着脱部材231に固定される。また例えば、RFT支持部237又はホイルトラップカバー240の一方が着脱部材231に固定され、着脱部材231に固定された方にもう一方が取付けられてもよい。またRFT支持部237及びホイルトラップカバー240が互いに装着されず、個別に着脱部材231に固定されてもよい。いずれの場合でも、RFT支持部237により回転駆動部233が支持される。
なお、RFT支持部237に加え、回転駆動部233の後方に接続される水冷配管234が、回転駆動部233を支持する部材として構成されてもよい。また水冷配管234をRFT支持部237に沿うように配置し、回転駆動部233の前方に水冷配管234を接続してもよい。
【0150】
図14は、集光鏡の構成例を示す模式的な斜視図である。
集光鏡250は、着脱部材231に接続され、プラズマPからのEUV光を集光する。集光鏡250は、EUV光を反射する反射面251と、反射面251が設けられる支持体252とを有する。
本実施形態では、筒形の支持体252の内周面に反射面251が形成される。従って、集光鏡250は筒型の反射鏡となる。図14に示すように、集光鏡250は斜入射型の鏡であるため、反射面251は単層膜を用いて形成される。例えば反射面251は、支持体252の内周面をルテニウムの単層膜でコーティングすることで形成される。
以下では、EUV光が入射する側を集光鏡250の前方と記載し、EUV光が出射する側を集光鏡250の後方と記載する。
【0151】
反射面251は、例えば中心軸線C1に対して回転対称な曲面である。反射面251の形状(支持体252の内周面の形状)は、集光鏡250の前方に設定される中心軸線C1上の発光点253からの光を、集光鏡の後方に設定される中心軸線C1上の集光点254に集光するように設計される。ここで、集光鏡250の発光点253は、プラズマPの発光点に対応する。また、集光鏡250の集光点254は、例えば出射口90の中心位置に対応する。
なお、反射面251は回転対称な構成に限定されず、光学シミュレーションにより設計された自由曲面等が用いられもよい。
【0152】
図12に示すように、集光鏡250の支持体252は、着脱部材231がチャンバ本体201に接続された状態で、プラズマPの発光点と集光鏡250に設定される発光点253とが一致し、かつ出射口90の中心位置と集光鏡250に設定される集光点254とが一致するように、着脱部材231に固定される。これにより、プラズマPから放出され、回転式ホイルトラップ236を通過し、集光鏡250の前方に入射するEUV光は、出射口90に集光される。
【0153】
また、集光鏡250が、回転式ホイルトラップ236とともにユニット化されることで、着脱部材231とともに集光鏡250を取り外すことが可能となる。これにより、集光鏡250のクリーニングや交換等を容易に行うことが可能となる。
【0154】
また、プラズマPと集光鏡250との間には、ホイルトラップFTである回転式ホイルトラップ236が配置される。これにより、プラズマPから放散されるデブリDBを、集光鏡250に侵入する前に捕捉し、デブリDBが反射面251に衝突、堆積するといった事態を抑制することが可能となる。また、着脱部材231を取り外した場合には、回転式ホイルトラップ236も取り外されるため、回転式ホイルトラップ236のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0155】
なお、集光鏡250は、RFT支持部237やホイルトラップカバー240とは接続されず、RFT支持部237やホイルトラップカバー240とは独立して着脱部材231に固定される。これにより、例えば回転式ホイルトラップ236を回転させることで発生する振動が、集光鏡250に直接伝わるといった事態を回避することが可能となる。これにより、集光鏡250の振動を抑制することが可能となる。
【0156】
また、筒形の集光鏡250を用いた本構成では、回転式ホイルトラップ236の全周を通過したEUV光が集光される。これにより、例えば図2等を参照して説明したように回転式ホイルトラップの一部の角度範囲を通過したEUV光だけを取り出す場合に比べ、EUV光の光量を増大させることが可能となる。
なお、図12及び図14では、反射面251は単層であるが、例えば中心軸線C1を囲むように複数層の反射面251が構成されてもよい。これにより、EUV光の集光効率をさらに向上することが可能となる。
【0157】
[回転式ホイルトラップと固定式ホイルトラップ]
図15は、集光鏡を含むデブリトラップユニットの他の構成例を示す模式図である。図15に示すデブリトラップユニット230aは、2種類のホイルトラップFT(回転式ホイルトラップ236及び固定式ホイルトラップ245)と集光鏡250とをユニット化したものである。デブリトラップユニット230aは、図12に示すデブリトラップユニット230に、固定式ホイルトラップ245を追加した構成となっている。
【0158】
固定式ホイルトラップ245は、所定の軸線を中心に配置された内側リング246と、内側リング246を囲むように配置された外側リング247とを有する。内側リング246及び外側リング247で挟まれた筒状の内部領域には、複数のホイルFが、所定の軸線を中心として放射状に配置される。この時、各ホイルFは、所定の軸線を含む平面上にある。このように、本実施形態では、筒状の固定式ホイルトラップ245が用いられる。
【0159】
固定式ホイルトラップ245は、所定の軸線と回転軸232の軸線とが一致するように、RFT支持部237を挟んで回転式ホイルトラップ236の後方に配置される。また、固定式ホイルトラップ245の内側リング246及び外側リング247は、RFT支持部237に配置された開口部KCから出射されるEUV光の光路を遮らないように構成される。また固定式ホイルトラップ245の内部領域には、着脱部材231を貫通するガス導入管248が接続され、EUV光に対して透過率が高い透明ガスが供給される。
【0160】
例えば回転式ホイルトラップ236で捕捉できなかった高速のデブリDBは、固定式ホイルトラップ245における圧力が上がった領域でガスと衝突する。このようなガスとの衝突により、速度が低下して進行方向が変わったデブリDBは、ホイルF、内側リング246、及び外側リング247により捕捉される。
このように、回転式ホイルトラップ236と固定式ホイルトラップ245とを設けることで、デブリDBを十分に捕捉することが可能となる。
【0161】
デブリトラップユニット230aに設けられるホイルトラップカバー240は、回転式ホイルトラップ236及び固定式ホイルトラップ245の両方を包囲する。すなわち、RFT支持部237を挟んで配置される回転式ホイルトラップ236及び固定式ホイルトラップ245が、ホイルトラップカバー240の内部に収容される。
【0162】
ホイルトラップカバー240の前側には、図12と同様に、EUV光が入射する入射側開口部KIが設けられる。また、ホイルトラップカバー240の後側には、RFT支持部237に向けて突出する環状の突出部により囲まれた挿入孔241が形成される。挿入孔241は、回転軸232及び回転駆動部233が配置される穴であり、挿入孔241(突出部)の先端はRFT支持部237に接続される。また、挿入孔241の周りには、固定式ホイルトラップ245を通過したEUV光が出射する出射側開口部KOが設けられる。
【0163】
例えば固定式ホイルトラップ245により捕捉されたデブリDBは、ホイルトラップカバー240に流れ込み、ホイルトラップカバー240により捕集される。これにより、固定式ホイルトラップ245により捕捉されたデブリDBが、回転軸232等に付着するといった事態を回避することが可能となる。
【0164】
図15に示す例では、固定式ホイルトラップ245は、RFT支持部237に固定されるが、例えばホイルトラップカバー240に固定式ホイルトラップ245が固定されてもよい。
また、RFT支持部237及びホイルトラップカバー240は、互いに装着された状態でそれぞれが着脱部材231に固定されてもよいし、着脱部材231に固定された方にもう一方が取付けられてもよい。またRFT支持部237及びホイルトラップカバー240が、個別に着脱部材231に固定されてもよい。
なお、集光鏡250は、ホイルトラップカバー240とは接続されず、ホイルトラップカバー240とは独立して着脱部材231に固定される。これにより、回転式ホイルトラップ236からの振動が集光鏡250に伝わりにくくなる。
【0165】
[位置調整機構]
図16は、集光鏡を含むデブリトラップユニットの他の構成例を示す模式図である。図16に示すデブリトラップユニット230bは、図15に示すデブリトラップユニット230aに、位置調整機構262を設けた構成となっている。
デブリトラップユニット230bは、中間部材261と、位置調整機構262と、伸縮カバー263とを有する。なお、図16では、図12及び図15で説明した水冷配管及びガス供給管の図示が省略されている。
【0166】
中間部材261は、着脱部材231とは独立した部材として構成され、回転式ホイルトラップ236、固定式ホイルトラップ245、及び集光鏡250を一体的に支持する。具体的には、中間部材261には、回転式ホイルトラップ236及び固定式ホイルトラップ245が、RFT支持部237及びホイルトラップカバー240の少なくとも一方を介して固定される。また中間部材261には、集光鏡250の支持体252が、RFT支持部237やホイルトラップカバー240とは独立に固定される。
【0167】
位置調整機構262は、集光鏡250の配置を調整するための機構である。ここで集光鏡250の配置には、集光鏡250の位置と姿勢が含まれる。集光鏡250の位置とは、例えば集光鏡250の基準位置(例えば重心位置)のX座標、Y座標、及びZ座標である。また集光鏡250の姿勢とは、集光鏡250のロール角度、ピッチ角度、及びヨー角度である。なお、集光鏡250が回転対称である場合には、ロール角度の調整は不要である。
位置調整機構262は、これらのパラメータが調整可能なように構成される。
【0168】
位置調整機構262は、駆動部264と、調整軸265とを有する。
駆動部264は、調整軸265に接続され、調整軸265を駆動する。駆動部264は、例えば互いに直交する3軸方向に調整軸265の位置調整が可能なように構成される。また例えば調整軸265の回転や傾斜といった姿勢調整が可能なように駆動部264が構成されてもよい。駆動部264としては、サーボモータ等が用いられるが、例えば手動により調整軸265の位置や姿勢を調整する機構等が用いられてもよい。
【0169】
図16では、駆動部264と調整軸265とのペアが2つ配置されているが、駆動部264及び調整軸265は、集光鏡250の配置を調整可能なように、必要な数だけ配置される。
また駆動部264は、着脱部材231の外側に接続され、調整軸265は、着脱部材231に設けられた貫通孔267を通って着脱部材231の内側で中間部材261に接続される。この構成により、例えば大気中で動作するサーボモータ等をそのまま駆動部264として利用することが可能となり、装置コストを抑えることが可能となる。
【0170】
なお、調整軸265を通すための貫通孔267は、調整軸265の位置や姿勢を変化させること可能なように、調整軸265よりも大きく形成される。そこで、調整軸265には、貫通孔267と調整軸265との間の隙間を塞ぐために、伸縮カバー263が設けられる。
【0171】
伸縮カバー263は、一端が開口した筒状の部材である。伸縮カバー263の側面は、例えばベローズ等を用いて構成される。伸縮カバー263の開口した端部は、調整軸265を通す貫通孔267を囲むように着脱部材231の内側に接続される。また調整軸265は、伸縮カバー263の底部を貫通して、中間部材261に接続される。なお、伸縮カバー263は、着脱部材231及び調整軸265に対して、リークが無いように接続される。これにより、チャンバ本体201の減圧雰囲気を維持したまま、調整軸265を動かして集光鏡250の配置を調整することが可能となる。
【0172】
集光鏡250は、EUV光の光路を調整する光学素子である。このため、例えばデブリトラップユニット230bを着脱した場合に、集光鏡250の位置や姿勢がずれると、光源ユニット202から利用装置までのEUV光の光路が変わり、集光点等がずれる可能性がある。
このような場合であっても、デブリトラップユニット230bでは、位置調整機構262を利用して、集光鏡250の位置や姿勢を調整することができる。これにより、EUV光の光路調整等を容易に行うことが可能となり、集光鏡250をユニット化した場合でも、短時間でメンテナンスを完了することが可能となる。
【0173】
なお、図16では、位置調整機構262の駆動部264が着脱部材231の外側に配置された。これに限定されず、着脱部材231の内側に駆動部264が配置されてもよい。この場合、着脱部材231に調整軸265を通すための貫通孔267や、リークを防止するための伸縮カバー263等を設ける必要がないため、装置構成をシンプルにすることが可能である。
【0174】
[除振機構]
図17は、集光鏡を含むデブリトラップユニットの他の構成例を示す模式図である。図17に示すデブリトラップユニット230cは、図16に示すデブリトラップユニット230bに、除振機構270を設けた構成となっている。
【0175】
除振機構270は、チャンバ本体201に伝わる振動を抑制する機構である。すなわち、除振機構270は、集光鏡250を含むデブリトラップユニット230cの振動がチャンバ本体201に伝わらないようにする。
チャンバ本体201に伝わる振動は、主として、デブリトラップユニット230cに設けられた回転式ホイルトラップ236とその駆動機構(回転軸232及び回転駆動部233)が動作することで発生する振動である。チャンバ本体201にはプラズマPが発生する光源ユニット202が接続されている。そのため、チャンバ本体201が振動すると、集光点254の下流にある利用装置において光が位置変動しているように見えることがある。また、振動自体が利用装置に伝わって問題を起こすこともある。除振機構270は、このような振動をチャンバ本体201に伝わりにくくし、デブリトラップユニット230c自体の振動を低減するための機構である。
除振機構270は、除振部271と、振動センサ(図示省略)とを有し、振動センサの出力に応じて除振部271を動作させてアクティブ除振を行う機構である。
【0176】
除振部271は、振動を小さくするように伸縮する素子であり、例えばピエゾ素子やステッピングモータ等で構成されたリニアアクチュエータが用いられる。図17に示す例では、駆動部264と調整軸265とのペアごとに除振部271が設けられる。具体的には、駆動部264と調整軸265との間に除振部271が設けられる。すなわち、除振部271は、調整軸265の一部として機能するともいえる。
【0177】
振動センサは、回転式ホイルトラップ236の動作により発生する振動を検出するセンサであり、例えば中間部材261の振動を検出するように構成される。振動センサとしては、例えばレーザ変位計や加速度センサ等が用いられる。
【0178】
除振部271は、振動センサの出力に基づいて、中間部材261の振動を打ち消すように伸縮する。除振部271が伸縮することで、回転式ホイルトラップ236の動作等により発生する中間部材261の振動が抑制され、結果として中間部材261からチャンバ本体201に伝わる振動が抑制される。これにより、EUV光が供給される利用装置における光の位置変動等を抑制することが可能となる。また、チャンバ本体201から利用装置に伝わる振動も抑制され、振動による不具合の発生等を回避することが可能となる。また、中間部材261の振動が抑制されるため、中間部材261に固定された集光鏡250の振動が抑制される。これにより、集光鏡250によるEUV光の集光精度の劣化を防ぐことが可能となる。
【0179】
図17に示す例では、除振部271が駆動部264と調整軸265との間に設けられた。これにより、例えば伸縮長が比較的大きいリニアアクチュエータ等を導入することが可能となり、十分な除振性能を発揮することが可能となる。なお、他の部位に除振部271を設けてもよい。
例えば中間部材261と回転式ホイルトラップ236の固定部材(RFT支持部237やホイルトラップカバー240)との間に除振部271が設けられてもよい。
また中間部材261と集光鏡250との間に除振部271が設けられてもよい。すなわち、除振機構270は、集光鏡250に伝わる振動を抑制するように構成されてもよい。これにより、例えばEUV光の集光精度を高いレベルで維持することが可能となる。
【0180】
また除振機構270は、パッシブ除振が可能なように構成されてもよい。この場合、除振部271には、振動を減衰させるダンパーとして機能する部材等が用いられる。パッシブ除振では、例えば除振部271を安価に構成することが可能であるとともに、振動センサ等を設ける必要がない。このため、装置コストを抑えることが可能である。
【0181】
図17では、位置調整機構262を備えるデブリトラップユニット230cに、除振機構270を設ける構成について説明した。これに限定されず、例えば図12図15に示すように位置調整機構262を持たないデブリトラップユニットに除振機構270が設けられてもよい。この場合、例えば着脱部材231と回転式ホイルトラップ236の固定部材(RFT支持部237やホイルトラップカバー240)との間に除振部271が設けられる。また着脱部材231と集光鏡250との間に除振部271が設けられてもよい。
【0182】
このように、集光鏡250をユニット化した構成では、除振機構270を設けることで、チャンバ本体201及び/又は集光鏡250に伝わる振動(回転式ホイルトラップ236の動作により発生する振動等)を抑制することが可能となる。これにより、適正に集光されたEUV光を利用装置に供給することが可能となる。
【0183】
<その他の実施形態>
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
【0184】
上記の実施形態では、プラズマPからEUV光を取り出すEUV光源装置について説明した。これに限定されず、プラズマPからEUV光よりも波長の短いX線等を取り出す光源装置に本発明が適用されてもよい。
【0185】
また、上記の実施形態では、主にLDP方式の光源装置について説明したが、EUV光やX線等の放射線を生成するための方式は限定されない。例えばLPP方式の光源装置に本発明が適用されてもよい。この他、プラズマPを発生させる任意の装置において、プラズマPからのデブリDBを捕捉する場合には、本発明に係るデブリトラップユニットを適用することで、ホイルトラップのメンテナンスを効率化することが可能となる。
【0186】
本開示において、説明の理解を容易とするために、「略」「おおよそ」等の文言が適宜使用されているが、これらの文言を使用する場合と使用しない場合とで、明確な差異が規定されるわけではない。
すなわち、本開示において、「中心」「等しい」「同じ」「直交」「平行」「対称」「円筒」等の、形状、サイズ、位置関係、状態等を規定する概念は、「実質的に中心」「実質的に等しい」「実質的に同じ」「実質的に直交」「実質的に平行」「実質的に対称」「実質的に円筒」等を含む概念とする。
例えば「完全に中心」「完全に等しい」「完全に同じ」「完全に直交」「完全に平行」「完全に対称」「完全に円筒」等を基準とした所定の範囲(例えば±10%の範囲)に含まれる状態も含まれる。
従って、「略」「おおよそ」等の文言が付加されていない場合でも、いわゆる「略」「おおよそ」等を付加して表現され得る概念が含まれ得る。反対に、「略」「おおよそ」等を付加して表現された状態について、完全な状態が必ず排除されるというわけではない。
【0187】
本開示において、「Aより大きい」「Aより小さい」といった「より」を使った表現は、Aと同等である場合を含む概念と、Aと同等である場合を含なまい概念の両方を包括的に含む表現である。例えば「Aより大きい」は、Aと同等は含まない場合に限定されず、「A以上」も含む。また「Aより小さい」は、「A未満」に限定されず、「A以下」も含む。
本技術を実施する際には、上記で説明した効果が発揮されるように、「Aより大きい」及び「Aより小さい」に含まれる概念から、具体的な設定等を適宜採用すればよい。
【0188】
以上説明した本技術に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
【符号の説明】
【0189】
F…ホイル
FT…ホイルトラップ
1、201…チャンバ本体
15…接続チャンバ
16、90…出射口
17…開口部
30、50、60、70、80、230、230a、230b、230c…デブリトラップユニット
31、51、61、231…着脱部材
32、52、62、232…回転軸
33、53、63、233…回転駆動部
34…ガイド機構
36、56、66、236…回転式ホイルトラップ
54…補強部材
55…補強部
67、245…固定式ホイルトラップ
69、248…ガス導入管
71、240…ホイルトラップカバー
81…遮熱部材
82…検出センサ
92…第2の開口部
100、200…EUV光源装置
250…集光鏡
262…位置調整機構
270…除振機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17