(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123455
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】情報共有システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240905BHJP
G06F 16/903 20190101ALI20240905BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06F16/903
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030883
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000233169
【氏名又は名称】株式会社日立ソリューションズ・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 和樹
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 悠
(72)【発明者】
【氏名】田中 和彦
【テーマコード(参考)】
5B175
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5L010AA11
5L010AA20
5L049AA11
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】情報共有システムの利便性を高める技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様によれば、利用者間で情報を共有するための情報共有システムが提供される。情報共有システムは、プロセッサとメモリとを有し、メモリは、利用者間で共有する共有用データが登録される情報共有データベースを格納する。プロセッサは、利用者間でチャットによる情報の伝達を可能にするチャットシステムにて表示される画面であるチャット画面から入力された共有用データを情報共有データベースに登録し、検索キーを受け付けて、情報共有データベース内を検索して検索キーに該当する共有用データを抽出し、抽出された共有用データに基づく検索結果を表示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者間で情報を共有するための情報共有システムであって、
プロセッサとメモリとを有し、
前記メモリは、利用者間で共有する共有用データが登録される情報共有データベースを格納し、
前記プロセッサは、
利用者間でチャットによる情報の伝達を可能にするチャットシステムにて表示される画面であるチャット画面から入力された共有用データを前記情報共有データベースに登録し、
検索キーを受け付けて、前記情報共有データベース内を検索して前記検索キーに該当する共有用データを抽出し、抽出された前記共有用データに基づく検索結果を表示する、
情報共有システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記チャット画面から、前記情報共有データベースへの共有用データの登録および/または前記情報共有データベースの検索を行うことが可能な利用者が所属するデータ登録用チームの作成と、前記データ登録用チームへの利用者の登録とを受け付ける、
請求項1に記載の情報共有システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
ウェブブラウザにて表示される検索入力画面から前記検索キーを受け付け、
ウェブブラウザにて表示される結果表示画面に前記検索結果を表示する、
請求項2に記載の情報共有システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記チャット画面から前記情報共有データベースに登録された共有用データの削除の指示を受け付け、
前記情報共有データベースにおける、削除の指示を受けた前記共有用データに対して削除フラグを設定して、前記検索キーによる抽出の対象から除外する、
請求項1に記載の情報共有システム。
【請求項5】
前記情報共有データベースには、前記利用者に役立つノウハウを示すノウハウ情報が前記共有用データとして登録され、
前記プロセッサは、
前記チャット画面から入力されたノウハウ情報を前記情報共有データベースに登録し、
前記検索キーとしてキーワードを受け付け、前記キーワードを含むノウハウ情報を検索結果として表示する、
請求項1に記載の情報共有システム。
【請求項6】
前記情報共有データベースには、前記利用者が所属している組織が所有する資産を識別する資産識別情報と、該資産が所在する場所を示す資産所在情報と、前記資産所在情報における前記資産が前記場所に所在することが確認されたか否かを示す所在確認情報とが前記共有用データとして登録され、
前記プロセッサは、
ウェブブラウザにて表示される編集画面から入力された前記所在確認情報を前記情報共有データベースに登録し、
前記検索キーとして前記資産識別情報を受け付け、前記検索キーに該当する共有用データの資産識別情報、資産所在情報、および所在確認情報を検索結果として表示する、
請求項1に記載の情報共有システム。
【請求項7】
プロセッサとメモリとを有する情報共有システムにより実行される、利用者間で情報を共有する方法であって、
前記メモリは、利用者間で共有する共有用データが登録される情報共有データベースを格納し、
前記方法は、
前記プロセッサが、利用者間でチャットによる情報の伝達を可能にするチャットシステムにて表示される画面であるチャット画面から入力された共有用データを前記情報共有データベースに登録することと、
前記プロセッサが、検索キーを受け付けて、前記情報共有データベース内を検索して前記検索キーに該当する共有用データを抽出し、抽出された前記共有用データに基づく検索結果を表示することと、
を含む、方法。
【請求項8】
プロセッサとメモリとを有するコンピュータに、利用者間で情報を共有する処理を実行させるプログラムであって、
前記メモリは、利用者間で共有する共有用データが登録される情報共有データベースを格納し、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
利用者間でチャットによる情報の伝達を可能にするチャットシステムにて表示される画面であるチャット画面から入力された共有用データを前記情報共有データベースに登録することと、
検索キーを受け付けて、前記情報共有データベース内を検索して前記検索キーに該当する共有用データを抽出し、抽出された前記共有用データに基づく検索結果を表示することと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ノウハウ等の情報を利用者間で共有するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
企業等で業務の品質や生産性を向上させるために、エンジニア等の従業員が、業務に必要な知見を自身では有しない場合、他のエンジニア等の知見を得られるようにしたいという要求がある。現在、従業員の業務経験等のデータを登録し、メンバー間で共有するための情報共有システムが提供されている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】”SharePoint モバイル対応のインテリジェントなイントラネット”(SharePointは登録商標)、Microsoft(Microsoftは登録商標)、[online]、[2022年12月21日検索]、インターネット、URL: https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/sharepoint/collaboration
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の情報共有システムは、わざわざその情報共有システムにアクセスしてデータを登録するという作業を利用者に強いるものであり、データの蓄積や更新が促進されにくく、システムの利用が浸透しないという問題があった。
【0005】
本開示の目的は、情報共有システムの利便性を高める技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のひとつの態様による情報共有システムは、利用者間で情報を共有するための情報共有システムであって、プロセッサとメモリとを有し、メモリは、利用者間で共有する共有用データが登録される情報共有データベースを格納し、プロセッサは、利用者間でチャットによる情報の伝達を可能にするチャットシステムにて表示される画面であるチャット画面から入力された共有用データを情報共有データベースに登録し、検索キーを受け付けて、情報共有データベース内を検索して検索キーに該当する共有用データを抽出し、抽出された共有用データに基づく検索結果を表示する、情報共有システムである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、情報共有システムの利便性を高める技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報共有システムを含むシステム全体の概要を示す図である。
【
図2】
図1に示した情報共有システムの機能ブロック構成図である。
【
図3】
図2に示した情報共有システムのデータベースに格納される共有用データの詳細項目の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態の情報共有システムと連携するチャット機能サービスにおいて、共有情報を登録する利用者を含む「情報共有チーム」を設定する処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図4に示すフローチャートによる処理を説明するための概略図である。
【
図6】本実施形態の情報共有システムと連携するチャット機能サービスにおいて投稿されたチャットを共有用データとしてデータベースに登録する処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図6に示すフローチャートによる処理を説明するための概略図である。
【
図8】本実施形態の情報共有システムのデータベースに登録された共有用データを検索して参照する処理を示すフローチャートである。
【
図9】
図8に示すフローチャートによる処理を説明するための概略図である。
【
図10】本実施形態の情報共有システムのデータベースに登録された共有用データを編集する処理を示すフローチャートである。
【
図11】
図10に示すフローチャートによる処理を説明するための概略図である。
【
図12】本実施形態の情報共有システムのデータベースに格納される共有用データの詳細項目の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報共有システムを含むシステム全体の概要を示す図である。
【0011】
本実施形態に係る情報共有システム100は、サービス事業者によってインターネット等の通信ネットワークNWを介して提供されるオフィスソフトウェアスイートSWに含まれるチャットシステムあるいはチャット機能CTを用いて特定の組織やグループ等に属する利用者同士がやり取りした情報を情報共有データベース122に蓄積するとともに、情報共有データベース122に蓄積された情報をそれらの利用者が検索して参照したり編集したりすることを可能にするものである。
【0012】
オフィスソフトウェアスイートは、文書作成ソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトなどの日常的なオフィス関連業務に必要なソフトウェアをそろえた統合ソフトウェア・サービスであり、一例として、米国Microsoft社が提供するMicrosoft365(登録商標)や、米国Google社が提供するWorkspaceが知られている。そして、利用者同士のチャット機能サービスとして、米国マイクロソフト社のMicrosoft365(登録商標)ではTeams(登録商標)が提供され、米国グーグル社のWorkspace(商標)ではChatが提供されている。ある会社においてこのようなオフィスソフトウェアスイート・サービスが導入されている場合には、その会社の従業員等の利用者同士が、そのオフィスソフトウェアスイート・サービスに含まれるチャット機能(以下、「チャットシステム」と称することもある。)を用いて互いに情報を交換することができる。
【0013】
なお、チャット機能は、上記のようなオフィスソフトウェアスイートに含まれるものだけでなく、例えば、Chatwork株式会社が提供するChatwork(登録商標)や米国Salesforce社が提供するSlack(登録商標)等のように、チャット機能サービス自体が独立して提供されるものもある。
【0014】
本実施形態の情報共有システム100は、上記のようなサービス提供事業者によって提供されるチャット機能を用いて利用者間でやり取りされた情報を情報共有データベース122に蓄積するとともに、情報共有データベース122に蓄積された情報をそれらのユーザが検索して参照・編集することを可能にする。情報共有システム100は、サービス提供事業者によって提供されるチャット機能サービスとのAPI(Application Programming Interface)連携やアドオン等により、チャット機能サービスとの連携環境を構築することが可能である。
【0015】
図2は、
図1に示した情報共有システム100の機能ブロック構成図である。
図2に示すように、情報共有システム100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、入力部140と、表示部150とを備えている。
【0016】
通信部110は、サービス提供事業者がチャット機能を提供するサーバ装置若しくはクラウドサーバ、及び、チャット機能を利用する利用者の端末(以下、「ユーザ端末」という。)と通信ネットワークを介して通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の種々の通信プロトコルを採用することが可能である。ユーザ端末としては、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末が用いられる。
【0017】
記憶部120は、制御部130の各種制御処理や各機能を実行するためのプログラム、入力データ、中間生成データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含むメインメモリと、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージメモリとを含む。さらに記憶部120は、サービス提供事業者が提供するチャット機能を用いて利用者同士がやり取りした情報を蓄積する情報共有データベース122を含んでいる。データベース122に記憶される情報の詳細については、
図3を参照して後述する。
【0018】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、情報共有システム100の処理動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130は、特に、
図4~
図11等を参照して説明するような情報共有システム100が行う処理やその機能を実現するように動作する。
【0019】
入力部140は、情報共有システム100の管理者等が情報共有システム100への入力操作等を行うことに用いることが可能なものであり、例えばキーボードやマウス等の入力デバイスによって実現される。
【0020】
表示部150は、制御部130からの指令に基づいてシステム管理者用の操作画面を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。
図3は、
図2に示した情報共有システム100のデータベース122に格納される共有用データの詳細項目の一例を示す図である。
【0021】
一例として
図3に示すように、データベース122に格納される各々の共有用データは、管理番号、共有情報、削除フラグ、登録者名、登録者メールアドレス、更新者名、更新者メールアドレス、登録日、更新日を含む。共有用データは、これらの一部の項目が省略されてもよいし、他の項目をさらに含んでもよい。共有用データにおいて、これらの項目の情報は互いに関連付けられる。共有用データは、情報共有システム100のデータベース122に格納され、かつ適宜更新される。
【0022】
次に、本実施形態の情報共有システム100による種々の処理動作について説明する。
(1)チーム登録プロセス
まず、情報共有システム100による種々の処理動作を実行するための前提として、情報共有システム100と連携するチャット機能サービスにおいて、共有情報を登録する利用者を含む「情報共有チーム」を設定する。情報共有チームを構成する利用者は、例えば、チャット機能サービスを導入する会社組織の全従業員であってもよいし、その会社組織内の事業部・部・課等の種々の組織単位の従業員であってもよいし、そのような組織内の一部の従業員であってもよい。
【0023】
図4は、本実施形態の情報共有システムと連携するチャット機能サービスにおいて、共有情報を登録する利用者を含む「情報共有チーム」を設定する処理を示すフローチャートである。
図5は、
図4に示すフローチャートによる処理を説明するための概略図である。
【0024】
チーム登録プロセスでは、情報共有チームを設定する管理者が、自身が使用するユーザ端末でチャットシステムにアクセスし、チャット機能サービスにおいて共有情報を登録する情報共有チームを生成し(ステップS11)、その情報共有チームに参加する利用者を登録する(ステップS12)。情報共有チームは、例えば、共有すべき情報の属性(事務的業務情報、設計業務情報等)毎に生成することができる。情報共有チームに参加する利用者は、チャット機能サービスにアカウントを有している利用者の中から、各利用者のアカウントに関連付けられている登録者名やメールアドレスを用いて情報共有チームに登録することができる。
【0025】
これにより、本実施形態の情報共有システムと連携するチャット機能サービスにおいて、共有情報を登録する利用者を含む情報共有チームが設定される。
【0026】
なお、上記の例では利用者が所属するデータ登録用チームの作成と利用者登録に係る操作をチャットシステム内で行う例を示したが、本実施形態の情報共有システム100がチャットシステムのユーザインタフェースを利用してそれらの操作を受け付けるようにしてもよい。より具体的には、本実施形態の情報共有システム100の制御部130が、チャットシステムのチャット画面から、データベース122への共有用データの登録および/または共有データベース122の検索を行うことが可能な利用者が所属するデータ登録用チームの作成と、データ登録用チームへの利用者の登録とを受け付けるように構成されていてもよい。
【0027】
(2)共有用データの登録プロセス
本実施形態の情報共有システム100に連携するチャット機能サービスにおいて利用者がユーザ端末で情報共有チームに対してチャットを送信すると、情報共有システム100は、そのチャットを検知し、チャット内容をデータベース122に共有用データとして登録する。
【0028】
図6は、本実施形態の情報共有システムと連携するチャット機能サービスにおいて投稿されたチャットを共有用データとしてデータベースに登録する処理を示すフローチャートである。
図7は、
図6に示すフローチャートによる処理を説明するための概略図である。
【0029】
共有用データの登録プロセスでは、チャット機能サービスに設定された情報共有チームに対して、利用者がユーザ端末のディスプレイに表示されるチャット画面においてチャットを入力して送信する(ステップS21)。
【0030】
利用者は、自身のユーザID(一例として、自身のメールアドレス)及びパスワードを用いてユーザ端末でチャット機能サービスにログインし、ユーザ端末のディスプレイに表示されるチャット画面においてチャットを入力して、自身が登録されている情報共有チームに対してチャットを送信する。チャットは、データベース122に登録する共有情報を含む。共有情報は、例えば、管理業務や設計業務などに関するノウハウ情報である。利用者が情報共有チームに対して送信するチャットは、テキスト情報の他、音声・画像・動画データ、文書ファイルデータ、プレゼンテーションファイルデータ等の添付データを含んでもよい。チャットはさらに、そのチャットの内容を後に検索する際に用いられるハッシュタグを含むことが好ましい。
【0031】
情報共有システム100の制御部130は、チャット機能サービスに設定された情報共有チームへの利用者からのチャット送信状況を定期的に監視し、送信されたチャットの内容を取得する(ステップS22)。送信されたチャットの内容は、チャットに含まれるテキスト情報(添付データが存在する場合はこれも含む)、チャットを送信した利用者及びそのメールアドレス、チャットの送信日時を少なくとも含む。
【0032】
情報共有システム100の制御部130は、取得したチャット内容に基づいて、データベースに登録する共有用データを生成し(ステップS23)、生成した共有用データを情報共有システム100のデータベース122に登録する(ステップS24)。
【0033】
データベース122に登録される共有用データは、固有の管理番号と、テキスト情報(及び添付データ)と、チャットを送信した利用者及びそのメールアドレスに対応する情報共有チームにおける登録者名及び登録者メールアドレスと、チャットの送信日時に対応する登録日時とを少なくとも含む。これらの情報項目は各々の共有用データにおいて互いに関連付けられる。
【0034】
このように、本実施形態の情報共有システム100によれば、利用者がチャット機能サービスを用いてチャットを送信するだけで、そのチャット内容を含む共有情報が自動的にデータベース122に登録されるので、利用者は煩雑な操作手続きが課されることなく容易に共有情報をデータベース122に登録することが可能になる。
【0035】
(3)共有用データの参照プロセス
本実施形態の情報共有システム100は、データベース122に共有用データとして登録された共有用データを検索キーワードを用いて検索する手段を提供する。利用者は、自身が利用するユーザ端末で通信ネットワークを介して情報共有システム100にアクセスし、ユーザ端末上で検索キーワードを入力することで、情報共有システム100のデータベース122に登録されている共有用データの中から所望の共有用データを検索して参照することができる。
【0036】
図8は、本実施形態の情報共有システムのデータベースに登録された共有用データを検索して参照する処理を示すフローチャートである。
図9は、
図8に示すフローチャートによる処理を説明するための概略図である。
【0037】
共有用データの参照プロセスでは、最初に、利用者がユーザ端末のWEBブラウザを用いて通信ネットワークを介して情報共有システム100にログインする(ステップS32)。
【0038】
情報共有システム100へのログインは、ユーザ端末が通信ネットワークを介して情報共有システム100にアクセスした後に情報共有システム100がユーザ端末のディスプレイに表示させログイン画面でログインID及びパスワードを入力することによって行うことができる。ユーザ端末が情報共有システム100にログインすると、情報共有システム100がユーザ端末のディスプレイに検索入力画面を表示させる。
【0039】
次に、利用者はユーザ端末のディスプレイに表示された検索入力画面内の検索スペースに検索文字列を入力し、検索ボタンをクリックする入力操作を行う(ステップS32)。
【0040】
検索スペースには1又は複数の検索文字列を入力可能である。利用者は、複数の検索文字列が入力された場合の検索オプションとして、「AND」、「OR」、「NOT」、「ワイルドカード」を検索入力画面内で選択可能である。ユーザ端末のディスプレイに表示された検索入力画面内で入力された検索文字列及び検索オプションは、ユーザ端末から情報共有システム100に送信される。
【0041】
情報共有システム100の制御部130は、ユーザ端末から送信された検索文字列及び検索オプションを検索キーとしてデータベース122を検索し(ステップS33)、検索キーに合致する共有用データを含む検索結果を取得する(ステップS34)。
【0042】
続いて情報共有システム100の制御部130は、検索ボタンをクリックする入力操作(ステップS32)により検索処理が実行されていたかどうかを判定する(ステップS35)。検索処理が実行されていた場合には処理がステップS36に進み、情報共有システム100の制御部130は、ステップS34で取得した検索結果に共有用データが含まれているかどうかを判定する。
【0043】
検索結果に共有用データが1件でも含まれている場合には処理がステップS37aに進み、情報共有システム100の制御部130は検索結果に含まれる共有用データに関する項目を含む検索結果画面をユーザ端末のディスプレイに表示させる。検索結果に複数件の共有用データが含まれる場合には、制御部130は検索結果に含まれる共有用データに関する項目をユーザ端末のディスプレイにリスト形式で表示させる。ユーザ端末のディスプレイに表示された1つ以上の共有用データ項目の中から参照したい共有用データ項目を利用者が選択する操作を行うと、情報共有システム100の制御部130はその選択された共有用データに関する詳細情報(固有の管理番号、テキスト情報及び添付データ等)を含む詳細情報画面をユーザ端末のディスプレイに表示させる。検索結果に共有用データが1件のみ含まれる場合には、情報共有システム100の制御部130はその共有用データに関する詳細情報をユーザ端末のディスプレイに直接表示させる。
【0044】
一方、検索結果に共有用データが1件も含まれていない場合には処理がステップS37bに進み、情報共有システム100の制御部130は、検索キーに該当する共有用データがデータベース122に存在していないことを表示するメッセージ(例えば、「該当する情報はありません」)をユーザ端末のディスプレイに表示させる。
【0045】
このようにして、利用者は、自身が利用するユーザ端末で通信ネットワークを介して情報共有システム100にアクセスし、ユーザ端末上で検索キーワードを入力することで、情報共有システム100のデータベース122に登録されている共有用データの中から所望の共有用データを検索して参照することができる。
【0046】
また、本実施形態の情報共有システム100は、データベース122に登録されている共有用データを外部ファイルとして出力する手段も提供する。出力する外部ファイルは、文書ファイル、表計算ファイル、PDFファイル等の任意のファイル形式とすることができる。
【0047】
本実施形態の情報共有システム100は、利用者がユーザ端末のWEBブラウザを用いて通信ネットワークを介して情報共有システム100にログイン(ステップS31)した後にユーザ端末のディスプレイに表示させる検索入力画面に、共有用データの外部出力操作を受け付ける外部出力ボタンも表示する。
【0048】
利用者が、ユーザ端末のディスプレイに表示された検索入力画面内の外部出力ボタンをクリックする入力操作を行う(ステップS38)と、情報共有システム100はその入力操作を受け付ける。この場合、情報共有システム100の制御部130は、データベース122内の削除フラグが付されていない有効な共有用データを検索して抽出し(ステップS33)、それらの共有用データを含む検索結果を取得する(ステップS34)。
【0049】
続いて情報共有システム100の制御部130は、検索ボタンをクリックする入力操作(ステップS32)により検索処理が実行されていたかどうかを判定する(ステップS35)。本例のように外部出力ボタンをクリックする入力操作だけが行われて検索処理が実行されていない場合には、処理がステップS39に進み、情報共有システム100の制御部130は、ステップS34において取得した検索結果に含まれる共有用データを外部ファイルとして出力する。出力された外部ファイルは情報共有システム100から利用者のユーザ端末に通信ネットワークを介して提供される。
【0050】
このように、本実施形態の情報共有システム100によれば、情報共有システム100のデータベース122に登録されている共有用データを検索文字列を用いて検索して参照することができるとともに、データベース122に登録されている共有用データを外部ファイルとして出力することができる。システム100の管理者にとっては、共有用データを外部ファイルとして出力することで、その外部ファイルを共有用データのマスターファイルとして用いることが可能となり、また、システム100の利用者にとっては、管理者によるマスターファイルの生成タイミング等をきにすることなく、データベース122に登録されている共有用データを随時参照することが可能となる。さらに、共有用データには登録者名及び登録者メールアドレスも含まれるため、検索結果の情報に関して質問をしたい場合等には、その共有用データの登録者にコンタクトすることもできる。
【0051】
(4)共有用データの編集プロセス
本実施形態の情報共有システム100は、データベース122に共有用データとして登録された共有用データを編集するための手段を提供する。
【0052】
図10は、本実施形態の情報共有システムのデータベースに登録された共有用データを編集する処理を示すフローチャートである。
図11は、
図10に示すフローチャートによる処理を説明するための概略図である。
【0053】
共有用データの編集プロセスを実行する場合は、まず、利用者はユーザ端末を用いて情報共有システム100にログインして、上述した共有用データの参照プロセスにより編集対象の共有用データを検索し、
図8に示したステップS37aに関して説明した詳細情報画面をユーザ端末のディスプレイに表示させる。本実施形態の情報共有システム100は、詳細情報画面に表示した共有用データの編集操作を開始を受け付ける編集ボタンも詳細情報画面内に表示させるように構成されている。
【0054】
最初に、利用者は、ユーザ端末のディスプレイに表示された詳細情報画面内の編集ボタンをクリックする入力操作を行う(ステップS41)。
【0055】
情報共有システム100の制御部130は、編集ボタンをクリックする入力操作を受け付けると、共有用データの編集を受け付ける編集画面をユーザ端末のディスプレイに表示させる(ステップS42)。編集画面には、共有用データの編集操作として更新又は削除のどちらを行うかを受け付ける更新ボタン及び削除ボタンが含まれる。
【0056】
利用者が共有用データの編集操作を行う場合は、利用者はユーザ端末のディスプレイに表示された編集画面でその共有用データに含まれるチャット内容(ハッシュタグが存在する場合はそれも含む)を修正する入力操作を行い、更新ボタンをクリックして選択する(ステップS43,S44a)。
【0057】
情報共有システム100の制御部130は、共有用データへの変更内容と更新ボタンのクリック操作をユーザ端末から受け付けると、その更新操作を行った利用者の更新者名、メールアドレス、更新日時を含む更新情報を作成し(ステップS45)、その更新情報をデータベース122に登録する(ステップS46)。共有用データの更新操作は、共有用データを登録した利用者のみならず、情報共有チームの他の利用者も行うことが可能である。
【0058】
一方、利用者が共有用データの削除操作を行う場合は、利用者はユーザ端末のディスプレイに表示された編集画面で削除ボタンをクリックして選択する(ステップS43,S44b)。
【0059】
情報共有システム100の制御部130は、更新ボタンのクリック操作をユーザ端末から受け付けると、削除フラグ(オン)、削除操作を行った利用者の更新者名、メールアドレス、更新日時を含む更新情報を作成し(ステップS45)、その更新情報をデータベース122に登録する(ステップS46)。共有用データの削除操作は、共有用データを登録した利用者のみならず、情報共有チームの他の利用者も行うことが可能である。
【0060】
なお、このように削除操作が実行された場合であっても、その共有用データがデータベース122から実際に削除されるのではなく、後の検索時に抽出対象から除外されるだけとすることができる。したがって、情報共有システム100の管理者等が後に削除フラグをオフに変更した場合は、その共有用データを再び抽出対象とすることができる。
【0061】
<変形例>
上述した実施形態では、情報共有システム100が共有情報として管理業務や設計業務などに関するノウハウ情報を共有する例を示した図が、情報共有システム100が共有可能な共有情報はこのような情報に限られず、その他にも情報共有として資産情報を共有することに用いることも可能である。
【0062】
図12は、本実施形態の情報共有システム100のデータベース122に格納される共有用データの詳細項目の変形例を示す図である。
図12に示すように、本変形例では、データベース122に格納される各々の共有用データは、管理番号、共有情報(資産識別番号、資産名称、型番、資産所在場所、資産利用者、資産利用開始日、資産利用状況などに関する情報を含む)、資産確認有無フラグ、削除フラグ、登録者名、登録者メールアドレス、更新者名、更新者メールアドレス、登録日、更新日を含む。
【0063】
本変形例においても、共有情報としての資産情報の登録プロセス、参照プロセス、及び編集プロセスは概ね上述した実施形態の各プロセスと同様である。ただし、本変形例の編集プロセスでは、資産管理者である利用者が資産確認有無フラグをオンにすることにより、データベース122に登録されている資産情報が正しいこと(一例として、その資産が資産所在場所に存在していること)を確認したと記録することが可能である。
【0064】
本変形例における編集プロセスでの資産確認有無フラグの変更について、より具体的に説明する。
【0065】
本変形例では、上述した実施形態の共有情報の編集プロセスに関する
図10のフローチャートのステップS42において情報共有システム100によってユーザ端末のディスプレイに表示される編集画面に、資産管理情報を確認したことを入力するチェックボックスが表示される。チェックボックスは、例えば、「資産管理情報を確認しましたか?」等のテキストと並んで編集画面内に表示される。
【0066】
資産管理者である利用者は、資産管理情報を確認した場合は、そのチェックボックスにチェックを入れる入力操作を行い、
図10のフローチャートのステップS44aにおいて更新ボタンをクリックすることで、情報共有システム100の制御部130は、その資産管理情報について資産確認有無フラグをオンに変更されたことと、その変更を行った利用者(すなわち、資産確認を行った管理者)の更新者名、更新者メールアドレス及び更新日時を含む更新情報を生成し(
図10のステップS45)、その更新情報をデータベース122に登録する(
図10のステップS46)。
【0067】
資産確認有無フラグは、資産管理情報の資産が実際に存在していることを確認したかどうかを示すフラグである。利用者がチャット機能を用いて情報共有システム100のデータベース122に登録した資産管理情報(資産識別番号、資産名称、型番、資産所在場所)が正しいかどうかを資産管理者が現品確認した後に、その資産管理者がその資産管理情報について資産確認有無フラグをオンにする入力操作を行うことにより、データベース122に登録された資産管理情報における資産が正しく存在していることを記録して、その資産の管理を継続することができる。
【0068】
上述したように、本開示の一態様によれば、利用者間で情報を共有するための情報共有システムであって、プロセッサとメモリとを有し、メモリは、利用者間で共有する共有用データが登録される情報共有データベースを格納し、プロセッサは、利用者間でチャットによる情報の伝達を可能にするチャットシステムにて表示される画面であるチャット画面から入力された共有用データを情報共有データベースに登録し、検索キーを受け付けて、情報共有データベース内を検索して検索キーに該当する共有用データを抽出し、抽出された共有用データに基づく検索結果を表示する、情報共有システムが提供される。
【0069】
このように構成された本開示の情報共有システムによれば、利用者がチャットシステムのチャット画面で共有用データを入力することにより情報共有データベースに共有用データを登録することができ、かつ、そのように情報共有データベースに登録された共有用データを他の利用者が検索して参照することが可能となる。利用者は、日ごろの業務等で使い慣れているチャットシステムを使用して共有データを登録できるため、気軽にかつ容易に共有データを登録することが可能であることから、利用者が有している共有データを情報共有データベースにより活発に登録することを促すことができる。その結果、多くの利用者からより頻繁にかつより多くの共有データが情報共有データベースに登録されることを見込むことができるとともに、システムの利用者はより多くの共有データの中から自身の業務に必要な情報を得られやすくなる。さらに、本開示の情報共有システムによれば、各利用者のローカルコンピュータ等に保存されていた情報を情報共有システムで集約的に一括管理することが可能となる。
【0070】
本開示の情報共有システムはさらに、プロセッサは、チャット画面から、情報共有データベースへの共有用データの登録および/または情報共有データベースの検索を行うことが可能な利用者が所属するデータ登録用チームの作成と、データ登録用チームへの利用者の登録とを受け付けるように構成されていてもよい。これにより、利用者は、利用者が所属するデータ登録用チームの作成及びそのデータ登録用チームへの利用者登録に係る操作をチャットシステムのユーザインタフェースを利用して行うことが可能となり、情報共有システムの利便性を高めることができる。
【0071】
本開示の情報共有システムはさらに、プロセッサは、ウェブブラウザにて表示される検索入力画面から検索キーを受け付け、ウェブブラウザにて表示される結果表示画面に検索結果を表示するように構成されていてもよい。これにより、チャット画面からデータの登録を可能にしながら、データの検索はウェブブラウザ上の画面から行うことで、データ登録およびデータ検索をそれぞれに利便性の高いユーザインタフェースを利用して行うことができる。
【0072】
本開示の情報共有システムはさらに、プロセッサは、チャット画面から情報共有データベースに登録された共有用データの削除の指示を受け付け、情報共有データベースにおける、削除の指示を受けた共有用データに対して削除フラグを設定して、検索キーによる抽出の対象から除外するように構成されていてもよい。これにより、削除フラグを設定された共有用データを情報共有データベースから実際に削除することなく、削除が指示された共有用データを含めてデータベースに共有用データを蓄積することが可能となる。
【0073】
本開示の情報共有システムはさらに、情報共有データベースには、利用者に役立つノウハウを示すノウハウ情報が共有用データとして登録され、プロセッサは、チャット画面から入力されたノウハウ情報を情報共有データベースに登録し、記検索キーとしてキーワードを受け付け、キーワードを含むノウハウ情報を検索結果として表示するように構成されていてもよい。本開示の情報共有システムによれば、上述したようにチャットシステムのユーザインタフェースを利用して情報を登録できるので、共有情報として業務ノウハウや作業手順等のノウハウ情報の登録及び共有を容易にすることができる。
【0074】
本開示の情報共有システムはさらに、情報共有データベースには、利用者が所属している組織が所有する資産を識別する資産識別情報と、該資産が所在する場所を示す資産所在情報と、資産所在情報における資産が場所に所在することが確認されたか否かを示す所在確認情報とが共有用データとして登録され、プロセッサは、編集画面から入力された所在確認情報を情報共有データベースに登録し、検索キーとして資産識別情報を受け付け、検索キーに該当する共有用データの資産識別情報、資産所在情報、および所在確認情報を検索結果として表示するように構成されていてもよい。本開示の情報共有システムによれば、上述したようにチャットシステムのユーザインタフェースを利用して情報を登録できるので、共有情報として利用者が所属している組織が所有する資産に関する情報の登録及び共有を容易にすることができる。
【0075】
本開示の他の態様によれば、プロセッサとメモリとを有する情報共有システムにより実行される、利用者間で情報を共有する方法であって、メモリは、利用者間で共有する共有用データが登録される情報共有データベースを格納し、方法は、プロセッサが、利用者間でチャットによる情報の伝達を可能にするチャットシステムにて表示される画面であるチャット画面から入力された共有用データを情報共有データベースに登録することと、プロセッサが、検索キーを受け付けて、情報共有データベース内を検索して検索キーに該当する共有用データを抽出し、抽出された共有用データに基づく検索結果を表示することと、を含む方法が提供される。
【0076】
本開示のさらに他の態様によれば、プロセッサとメモリとを有するコンピュータに、利用者間で情報を共有する処理を実行させるプログラムであって、メモリは、利用者間で共有する共有用データが登録される情報共有データベースを格納し、プログラムは、プロセッサに、利用者間でチャットによる情報の伝達を可能にするチャットシステムにて表示される画面であるチャット画面から入力された共有用データを情報共有データベースに登録することと、検索キーを受け付けて、情報共有データベース内を検索して検索キーに該当する共有用データを抽出し、抽出された共有用データに基づく検索結果を表示することと、を実行させるプログラムが提供される。
【0077】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0078】
100…情報共有システム、110…通信部、120…記憶部、130…制御部、140…入力部、150…表示部