(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123478
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】車両輸送支援装置、車両輸送支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240905BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030928
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】数野 修一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】車両を所有していないが車両で移動したいユーザに貸し出すことで、リサイクル車両の搬送費用を抑えること。
【解決手段】リサイクル車両のリサイクル拠点への搬送要求に関する情報を管理する車両管理部と、第1利用者からの車両利用要求を受け付ける要求受付部と、前記搬送要求に基づく前記リサイクル車両の移動需要と前記第1利用者の車両利用要求との第1マッチング処理を行うマッチング部と、前記マッチング部が出力した情報に基づいて利用者に通知をする通知部と、前記マッチング部が第1マッチング処理によって前記リサイクル車両とマッチングした前記第1利用者に支払う報酬を計算する計算部と、を備える車両輸送支援装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクル車両のリサイクル拠点への搬送要求に関する情報を管理する車両管理部と、
第1利用者からの車両利用要求を受け付ける要求受付部と、
前記搬送要求に基づく前記リサイクル車両の移動需要と前記第1利用者の車両利用要求との第1マッチング処理を行うマッチング部と、
前記マッチング部が出力した情報に基づいて前記第1利用者に通知をする通知部と、
前記マッチング部が第1マッチング処理によって前記リサイクル車両とマッチングした前記第1利用者に支払う報酬または前記第1利用者へ請求する費用を計算する計算部と、
を備える車両輸送支援装置。
【請求項2】
前記計算部は、
前記第1利用者が前記リサイクル車両を前記リサイクル拠点まで搬送する場合は、前記第1利用者が前記リサイクル車両を前記リサイクル拠点以外の場所まで搬送する場合よりも報酬を多くし、
前記第1利用者が前記リサイクル車両を前記リサイクル拠点以外の場所まで搬送する場合、前記第1利用者が前記リサイクル車両を搬送し終える場所と前記リサイクル拠点との距離に基づいて前記報酬を決定する、
請求項1記載の車両輸送支援装置。
【請求項3】
前記リサイクル車両は、バッテリの蓄える電力によって走行する車両であり、
前記リサイクル車両が、前記第1利用者が前記リサイクル車両を搬送し終える場所に接近した時に、前記リサイクル車両の充電残量を取得し、前記リサイクル車両の充電残量に応じた充電場所の提案を行う充電提案部を更に備える、
請求項1記載の車両輸送支援装置。
【請求項4】
前記リサイクル車両の同乗を希望する第2利用者からの同乗要求を受け付ける前記要求受付部を更に備え、
前記マッチング部は、更に、前記同乗要求に基づいて、第1マッチング処理によってマッチングされた前記リサイクル車両および前記第1利用者の組み合わせに対して、前記第2利用者をマッチングさせる第2マッチング処理を行い、
前記通知部は、前記第2利用者が、前記第1利用者が運転する前記リサイクル車両に同乗することが可能か否かを前記第1利用者に確認する確認メッセージを前記第1利用者に送付し、
前記計算部は、前記リサイクル車両の同乗を許可した前記第1利用者には許可しなかった場合に比べて報酬を加算する、
請求項1記載の車両輸送支援装置。
【請求項5】
前記リサイクル車両を利用したい利用者の現在地の情報を取得する現在地取得部を更に備え、
前記車両管理部は、前記利用者の現在地に近い前記リサイクル車両の空き状況の検索をする、
請求項1記載の車両輸送支援装置。
【請求項6】
前記マッチング部は、前記第1マッチング処理によってマッチングされた前記リサイクル車両に対し、他リサイクル拠点への搬送要求を要求受付部が受信した場合、前記リサイクル車両を搬送する前記リサイクル拠点へ搬送する指示を出力し、
前記他リサイクル拠点へ搬送すると発生する利益またはコストを計算し、前記他リサイクル拠点への搬送要求に従うか、そのまま前記リサイクル拠点でのリサイクルを行うか判断を行う再輸送判断部を更に備える、
請求項1記載の車両輸送支援装置。
【請求項7】
車両輸送支援装置が、
リサイクル車両のリサイクル拠点への搬送要求に関する情報を管理し、
第1利用者からの車両利用要求を受け付ける要求を受け付け、
前記搬送要求に基づく前記リサイクル車両の移動需要と前記第1利用者の車両利用要求との第1マッチング処理を行い、
マッチング部が出力した情報に基づいて利用者に通知をし、
前記マッチング部が第1マッチング処理によって前記リサイクル車両とマッチングした前記第1利用者に支払う報酬を計算する、
車両輸送支援方法。
【請求項8】
リサイクル車両のリサイクル拠点への搬送要求に関する情報を管理し、
第1利用者からの車両利用要求を受け付ける要求を受け付け、
前記搬送要求に基づく前記リサイクル車両の移動需要と前記第1利用者の車両利用要求との第1マッチング処理を行い、
マッチング部が出力した情報に基づいて利用者に通知をし、
前記マッチング部が第1マッチング処理によって前記リサイクル車両とマッチングした前記第1利用者に支払う報酬を計算する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両輸送支援装置、車両輸送支援方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、シェアカー利用の需要が高まっている。シェアカーの仕組みでは、利用者が事前に予約をして駐車場等に駐車している車両を利用することができ、車両を所有していない利用者にとっても手軽な仕組みとなっている。特許文献1には、時間貸し駐車場として利用されていない駐車場も時間貸し駐車場として利用できるようにシェアカーの予約システムと連動して駐車スペース管理も行える発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリリサイクル向けの回収車両をリサイクル工場へ委託したトランスポーターで搬送していたが、搬送のコストが多額になることがあった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、車両を所有していないが車両で移動したいユーザに貸し出すことで、リサイクル車両の搬送費用を抑えることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る車両輸送支援装置、車両輸送支援方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
【0007】
(1):この発明の一態様に係る車両輸送支援装置、車両輸送支援方法、およびプログラムは、リサイクル車両のリサイクル拠点への搬送要求に関する情報を管理する車両管理部と、第1利用者からの車両利用要求を受け付ける要求受付部と、前記搬送要求に基づく前記リサイクル車両の移動需要と前記第1利用者の車両利用要求との第1マッチング処理を行うマッチング部と、前記マッチング部が出力した情報に基づいて利用者に通知をする通知部と、前記マッチング部が第1マッチング処理によって前記リサイクル車両とマッチングした前記第1利用者に支払う報酬または第1利用者へ請求する費用を計算する計算部とを備える車両輸送支援装置である。
【0008】
(2):上記(1)の態様において、前記計算部は、前記利用者が前記リサイクル車両を前記リサイクル拠点まで搬送する場合は、前記第1利用者が前記リサイクル車両を前記リサイクル拠点以外の場所まで搬送する場合よりも報酬を多くし、前記第1利用者が前記リサイクル車両を前記リサイクル拠点以外の場所まで搬送する場合、前記利用者が前記リサイクル車両を搬送し終える場所と前記リサイクル拠点との距離に基づいて前記報酬を決定するものである。
【0009】
(3):上記(1)の態様において、前記リサイクル車両は、バッテリの蓄える電力によって走行する車両であり、前記リサイクル車両が、前記利用者が前記リサイクル車両を搬送し終える場所に接近した時に、前記リサイクル車両の充電残量を取得し、前記リサイクル車両の充電残量に応じた充電場所の提案を行う充電提案部を更に備える車両輸送支援装置である。
【0010】
(4):上記(1)の態様において、前記リサイクル車両の同乗を希望する第2利用者からの同乗要求を受け付ける前記要求受付部を更に備え、前記マッチング部は、更に、前記同乗要求に基づいて、第1マッチング処理によってマッチングされた前記リサイクル車両および前記第1利用者の組み合わせに対して、前記第2利用者をマッチングさせる第2マッチング処理を行い、前記通知部は、前記第2利用者が、前記第1利用者が運転する前記リサイクル車両に同乗することが可能か否かを前記第1利用者に確認する確認メッセージを前記第1利用者に送付し、前記計算部は、前記リサイクル車両の同乗を許可した前記利用者には許可しなかった場合に比べて報酬を加算するものである。
【0011】
(5):上記(1)の態様において、リサイクル車両を利用したい利用者の現在地の情報を取得する現在地取得部を更に備え、前記車両管理部は、前記利用者の現在地に近い前記リサイクル車両の空き状況の検索をするものである。
【0012】
(6):本発明の他の態様に係る車両輸送支援装置は、マッチング部は、第1マッチング処理によってマッチングされたリサイクル車両に対し、他リサイクル拠点への搬送要求を前記要求受付部が受信した場合、前記リサイクル車両を搬送する前記リサイクル拠点へ搬送する指示を出力し、前記他リサイクル拠点へ搬送すると発生する利益またはコストを計算し、前記他リサイクル拠点への搬送要求に従うか、そのまま前記リサイクル拠点でのリサイクルを行うか判断を行う再輸送判断部を更に備えるものである。
【0013】
(7):この発明の一態様に係る車両輸送支援方法は、車両輸送支援装置が、リサイクル車両のリサイクル拠点への搬送要求に関する情報を管理し、第1利用者からの車両利用要求を受け付ける要求を受け付け、前記搬送要求に基づく前記リサイクル車両の移動需要と前記第1利用者の車両利用要求との第1マッチング処理を行い、前記マッチング部が出力した情報に基づいて利用者に通知をし、前記マッチング部が第1マッチング処理によって前記リサイクル車両とマッチングした前記第1利用者に支払う報酬を計算する車両輸送支援方法である。
【0014】
(8):この発明の一態様に係るプログラムは、リサイクル車両のリサイクル拠点への搬送要求に関する情報を管理し、第1利用者からの車両利用要求を受け付ける要求を受け付け、前記搬送要求に基づく前記リサイクル車両の移動需要と前記第1利用者の車両利用要求との第1マッチング処理を行い、前記マッチング部が出力した情報に基づいて利用者に通知をし、前記マッチング部が第1マッチング処理によって前記リサイクル車両とマッチングした前記第1利用者に支払う報酬を計算するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
(1)~(8)の態様によれば、車両を所有していないが車両で移動したいユーザへ安価に貸し出すことで、リサイクル車両の搬送費用を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る車両輸送支援装置100の使用環境と構成の一例を示す図である。
【
図2】リサイクル車両DB158の内容の一例を示す図である。
【
図3】搬送要求DB154の内容の一例を示す図である。
【
図4】利用要求DB156の内容の一例を示す図である。
【
図5】充電拠点DB160の内容の一例を示す図である。
【
図6】リサイクル拠点DBの内容の一例を示す図である。
【
図7】車両輸送支援装置100によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】車両輸送支援装置100によって実行される処理の他の一例を示すフローチャートである。
【
図9】車両輸送支援装置100によって実行される第2マッチング処理に関する一例を示すフローチャートである。
【
図10】車両輸送支援装置100によって実行される車両空き状況検索処理に関する一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の車両輸送支援装置、車両輸送支援方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0018】
[全体構成]
図1は、実施形態に係る車両輸送支援装置100の使用環境と構成の一例を示す図である。
図1に示す例では、車両輸送支援装置100の通信装置40は、例えば、リサイクル車両10と、利用者端末30とネットワークNWを介して通信する。
【0019】
リサイクル車両10には、車両として一般的な構成の他、TCU(Telematics Control Unit)12と、測位装置14と、バッテリ16が搭載される。リサイクル車両10は、例えば、専らバッテリ16からの電力によって走行する電気自動車である。測位装置14は、リサイクル車両10の位置を測位する装置である。測位装置14は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機であり、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、リサイクル車両10の位置を特定し、位置情報として出力する。なお、リサイクル車両10の位置情報は、後述する通信装置が接続しているWi-Fi基地局の位置から推定されてもよい。バッテリ16は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、全固体電池などである。
【0020】
TCU12は、ネットワークNWを介して、車両輸送支援装置100、利用者端末30と通信する。TCU12は、バッテリ16に取り付けられた電流センサや電圧センサ、温度センサなどによって測定された測定結果を車両輸送支援装置100に送信する。TCU12は、図示しないバッテリ管理装置によって認識された充電上限電圧、一定時間測定した放電電圧の差分データなどを車両輸送支援装置100に送信してもよい。
【0021】
利用者端末30は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等の通信機能と表示機能を有するコンピュータ装置である。
【0022】
UA(User Agent)32は、例えば、アプリケーションプログラムまたはブラウザであり、ネットワークNWを介してWebサーバからWebページなどのコンテンツを取得し、利用者端末30に表示させる。利用者端末30の利用者は、UA32を用いて車両輸送支援装置100の提供するサービスを受ける。
【0023】
車両輸送支援装置100は、車両管理部102と、要求受付部104と、マッチング部106と、通知部108と、計算部110と、充電管理部112と、充電提案部114と、現在地取得部116と、通信制御部118と、再輸送判断部120と、記憶部150とを備える。記憶部150以外の構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0024】
記憶部150は、上記の各種記憶装置、或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現されてもよい。記憶部150は、リサイクル拠点DB152と、搬送要求DB154と、利用要求DB156と、リサイクル車両DB158と、充電拠点DB160を記憶する。
【0025】
通信制御部118は、通信装置40を介して車両輸送支援装置100の指示を送信したり、リサイクル車両10の情報を取得したり、利用者端末30へ情報を送信する。
【0026】
車両管理部102は、リサイクル車両10のリサイクル拠点への搬送要求に関する情報を管理している。車両管理部102は、リサイクル車両DB158に最新の情報を更新する。
図2は、リサイクル車両DB158の内容の一例を示す図である。リサイクル車両DB158には、リサイクル車両10の車両番号、車種、バッテリの種類、使用年数等が記憶されている。車両管理部102は、リサイクル車両のリサイクルの搬送要求を受信すると、搬送要求DB154に最新の情報を更新する。
図3は、搬送要求DB154の内容の一例を示す図である。搬送要求DBは、車両番号、出発地点、リサイクル拠点等が互いに対応付けられて記憶されている。
【0027】
要求受付部104は、第1利用者が利用者端末30を用いて送信した利用要求を受け付ける。要求受付部104は、受け付けた利用要求を利用要求DB156に更新する。
図4は、利用要求DB156の内容の一例を示す図である。利用要求DB156では、利用者名、電話番号、出発地点、到着地点、利用希望日、利用希望開始時間、利用希望終了時間等が互いに対応付けられて記憶されている。
【0028】
マッチング部106は、上述した搬送要求と利用要求の第1マッチング処理を行う。マッチング部106は、搬送要求が記憶された搬送要求DB154と利用要求DB156を突き合わせ、第1利用者の希望に合うリサイクル車両10を探す。
【0029】
通知部108は、マッチング部106にて第1マッチング処理した結果を第1利用者の利用者端末30に通知する。マッチングした場合でもしなかった場合でも通知を行う。通知の方法はメッセージを送信してもよいし、画面に表示してもよい。
【0030】
計算部110は、第1マッチング処理にてマッチングした第1利用者に支払う報酬を計算する。第1利用者がリサイクル車両10の到着地点をリサイクル拠点にしていた場合、報酬を、到着地点がリサイクル拠点ではなかった場合よりも、多くする。計算部110は、到着地点が、リサイクル拠点でなかった場合、リサイクル車両10の到着地点とリサイクル車両10が搬送される予定のリサイクル拠点の距離に基づいて報酬額を決定する。また、計算部110は、報酬額を決定することに加えて、到着地点がリサイクル拠点から著しく遠い場合など、第1利用者に請求する費用を計算してもよい。
【0031】
充電管理部112は、リサイクル車両10に搭載されている測位装置14から取得した情報から、到着地点の経度緯度とリサイクル車両10の経度緯度を比較して一定距離以内の位置になると搬送終了地点に接近していると判断する。次に、充電管理部112は、リサイクル車両10のTCU12から受信したバッテリの充電残量が少ない場合、充電提案部114に充電場所を紹介するように出力をする。リサイクル車両10のTCU12から受信したバッテリの充電残量が多い場合は、特に何も行わない。
【0032】
充電提案部114は、リサイクル車両10の測位装置14から取得した情報に基づいて、現在地取得部116から現在地を取得し、最適な充電場所を第1利用者に提案をする。充電提案部114は、記憶部150の充電拠点DB160と現在地情報を突き合わせて、最適な充電場所を提案する。
図5は充電拠点DB160の内容の一例を示す図である。充電拠点DB160は、充電拠点名、住所、充電拠点コードなどが互いに対応付けられて記憶されている。
【0033】
再輸送判断部120は、第1マッチング処理によってマッチングしたリサイクル車両10に対し、リサイクル拠点を他リサイクル拠点への変更を要求された時に、当初の予定のリサイクル拠点まで搬送をし、他リサイクル拠点へ搬送すると発生する利益とコストを計算し、変更要求に従うか、そのまま当初の予定のリサイクル拠点でリサイクルを行うか判断をする。リサイクル拠点DB152は、リサイクル拠点の一覧が記憶されている。
図6はリサイクル拠点DBの内容の一例を示す図である。リサイクル拠点DBは、リサイクル拠点名、拠点コード、住所等が互いに対応付けられて記憶されている。
【0034】
[フローチャート]
図7は、車両輸送支援装置100によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。まず、車両管理部102が、リサイクル拠点への搬送要求を受け付ける(ステップS100)。
【0035】
次に、要求受付部104は、第1利用者からの移動需要を受け付ける(ステップS102)。
【0036】
次に、マッチング部106は、第1利用者の移動需要とリサイクル車両10の搬送要求が合致するか第1マッチング処理を行う(ステップS106)。マッチング部106は、第1マッチング処理が成立してもしなくても、次ステップの処理を行う。
【0037】
通知部108は、第1利用者の利用者端末30に第1マッチング処理の処理結果の通知を行う(ステップS108)。
【0038】
次に、計算部110は、第1利用者の移動需要の到着地点に応じて報酬と費用を計算する(ステップS200)。計算部110は、第1利用者の到着地点がリサイクル車両10のリサイクル拠点であった場合、到着地点がリサイクル拠点ではなかった場合よりも、報酬を多くする。計算部110は、第1利用者の到着地点がリサイクル拠点でなかった場合、リサイクル車両10の到着地点とリサイクル車両10が搬送される予定のリサイクル拠点の距離に基づいて報酬額を決定する。
【0039】
係る処理を行うことで、車両輸送支援装置100は、リサイクル車両10をリサイクル拠点へ搬送するコストを抑えることと第1利用者の移動需要を満たすことができる。
【0040】
図8は、車両輸送支援装置100によって実行される処理の他の一例を示すフローチャートである。ステップS100~ステップS108の処理は、
図7の処理と同じ処理のため説明を省略する。充電管理部112は、リサイクル車両10が搬送終了地点に接近しているか判断する(ステップS110)。
【0041】
搬送終了地点に接近している場合、充電管理部112は、リサイクル車両10のTCU12から取得する情報に基づいてバッテリの充電残量を取得する(ステップS112)。搬送終了地点に接近していない場合、引き続き充電管理部112は、搬送終了地点に接近しているか判断する処理を繰り返す。
【0042】
充電管理部112は、取得したリサイクル車両10の充電残量が少ないか否か判断する(ステップS114)。例えば、バッテリ16のSOCが、一定の基準値を下回っているかどうかで判断してもよい。
【0043】
リサイクル車両10の充電残量が少ない場合、充電提案部114は、第1利用者に最寄りの充電場所を提案する(ステップS116)。車両輸送支援装置100は、バッテリ16のSOCが一定の基準値より多い場合は、ステップS116の処理をスキップする。
【0044】
次に、計算部110は、第1利用者に支払う報酬の計算をする(ステップS200)。ステップS200は、
図7のステップS200と同様の処理となる。
【0045】
係る処理を行うことで、車両輸送支援装置100は、更に、リサイクル車両10を搬送する際のバッテリ16のSOCが一定の基準値より少なくなったとしても充電場所を提示することでリサイクル工場に到着することができる。
【0046】
図9は、車両輸送支援装置100によって実行される第2マッチング処理に関する一例を示すフローチャートである。ステップS100の処理は
図7の処理と同一のため説明を省略する。
【0047】
要求受付部104は、第1利用者からの移動需要を受け付けた後に、第2利用者からの同乗要求を受け付ける(ステップS102)。要求受付部104は、第1マッチング処理によってマッチングした第1利用者とリサイクル車両10組み合わせのみを、第2利用者からの同乗要求を受け付ける対象とする。
【0048】
次に、マッチング部106は、第1利用者の移動需要とリサイクル車両10の搬送要求が合致するか第1マッチング処理を行う(ステップS106)。
【0049】
マッチング部106は、第2利用者の同乗要求に基づいて、第1マッチング処理によってマッチングされた第1利用者とリサイクル車両10の組み合わせに対して、第2利用者からの同乗要求が合致した場合、第2マッチング処理を行う(ステップS120)。
【0050】
次に、通知部108は、上述した第2マッチング処理が完了した後に、第1利用者が運転するリサイクル車両10に第2利用者が同乗してもよいか第1利用者に確認を行う(ステップS122)。
【0051】
次に、マッチング部106は、第1利用者からの、同乗許可が下りたか否かを確認する(ステップS124)。車両輸送支援装置100は、同乗許可が下りた場合は次の処理に進む。車両輸送支援装置100は、同乗許可が下りなかった場合は次の処理をスキップする。
【0052】
通知部108は、第2利用者に第1利用者から同乗許可が下りた旨を通知する(ステップS126)。
【0053】
次に、計算部110は、第1利用者への報酬を計算する(ステップS200)。計算部110は、第2利用者の同乗を許可した場合、許可しなかった場合に比べて報酬を加算する。
【0054】
係る処理を行うことで、車両輸送支援装置100は、更に、第2利用者のような純粋な移動ユーザの需要も満たすことができる。過疎化地域においては、交通手段が増えてサービスを更に浸透させることができる。
【0055】
図10は、車両輸送支援装置100によって実行される車両空き状況検索処理に関する一例を示すフローチャートである。
【0056】
現在地取得部116は、第1利用者の現在地を取得する(ステップS150)。現在地取得部116は、利用者端末30のGPS(不図示)からの情報をネットワークNWを介して取得する。
【0057】
次に、車両管理部102は、第1利用者の現在地情報に基づいてリサイクル車両10の空き状況を検索する(ステップS152)。車両管理部102は、条件に合致するリサイクル車両10がある場合はそのまま処理を続行し、条件に合致するリサイクル車両10がない場合は処理を終了する(ステップS154)。
【0058】
次に、マッチング部106は、リサイクル車両10の空き状況を検索して条件に合致したリサイクル車両10を第1利用者とマッチングする処理を行う(ステップS106)。
【0059】
次に、計算部110は、第1利用者への報酬を計算する(ステップS200)。
【0060】
係る処理を行うことで、車両輸送支援装置100は、更に、第1利用者からの移動需要をより正確にマッチングすることができ、利用者の増加を促進することができる。
【0061】
[まとめ]
上述した実施形態によれば、車両輸送支援装置100は、リサイクル拠点に搬送したいリサイクル車両10と車両を使用したい利用者のマッチングをすることができ、リサイクル車両の搬送のコストを削減することができる。
【0062】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
コンピュータによって読み込み可能な命令(computer-readable instructions)を格納する記憶媒体(storage medium)と、
前記記憶媒体に接続されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータによって読み込み可能な命令を実行することにより(the processor executing the computer-readable instructions to:)
リサイクル車両のリサイクル拠点への搬送要求に関する情報を管理し、
第1利用者からの車両利用要求を受け付ける要求を受け付け、
前記搬送要求に基づく前記リサイクル車両の移動需要と前記第1利用者の車両利用要求との第1マッチング処理を行い、
前記マッチング部が出力した情報に基づいて利用者に通知をし、
前記マッチング部が第1マッチング処理によって前記リサイクル車両とマッチングした前記第1利用者に支払う報酬を計算する、
車両輸送支援装置。
【0063】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0064】
10 リサイクル車両
12 TCU
14 測位装置
16 バッテリ
30 利用者端末
32 UA
40 通信装置
100 車両輸送支援装置
102 車両管理部
104 要求受付部
106 マッチング部
108 通知部
110 計算部
112 充電管理部
114 充電提案部
116 現在地取得部
118 通信制御部
120 再輸送判断部
150 記憶部
152 リサイクル拠点DB
154 搬送要求DB
156 利用要求DB
158 リサイクル車両DB
160 充電拠点DB