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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123490
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】シート包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 75/58 20060101AFI20240905BHJP
B65D 75/62 20060101ALI20240905BHJP
A47K 10/20 20060101ALI20240905BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20240905BHJP
【ＦＩ】
B65D75/58
B65D75/62 B
A47K10/20 Z
A47K7/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023030949
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】塚田 里夏
【テーマコード（参考）】
3E067
【Ｆターム（参考）】
3E067AA12
3E067AB75
3E067AB76
3E067AB77
3E067AC16
3E067BA11A
3E067BA18A
3E067BB01A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB25A
3E067BB26A
3E067CA02
3E067EA04
3E067EA06
3E067EA29
3E067EB01
3E067EB11
3E067EB20
3E067EE59
3E067FA01
3E067FB06
3E067FB08
3E067FC02
3E067GD07
(57)【要約】
【課題】シート積層体に包装部材を巻き付けたシート包装体において、包装部材を破れやすくすること。
【解決手段】複数枚のシートが積層された直方体状のシート積層体と、前記シート積層体の天面、底面、および対向する一対の側面に巻き付けられた帯状の包装部材と、を有し、前記包装部材は、前記シート積層体に巻き付けられた状態で前記帯状の包装部材の長手方向の両端部が重なる重畳部を有し、前記重畳部は、前記包装部材の前記長手方向と直交する幅方向の一方の端縁側に位置する、前記包装部材の前記両端部が接着されない非接着部と、前記包装部材の前記幅方向の他方の端縁側に位置する、前記包装部材の前記両端部が接着された接着部と、を有し、前記包装部材の前記幅方向における前記重畳部の全体の長さに対する前記非接着部の長さの比が１０％以上４０％以下である、シート包装体。
【選択図】図１
【解決手段】複数枚のシートが積層された直方体状のシート積層体と、前記シート積層体の天面、底面、および対向する一対の側面に巻き付けられた帯状の包装部材と、を有し、前記包装部材は、前記シート積層体に巻き付けられた状態で前記帯状の包装部材の長手方向の両端部が重なる重畳部を有し、前記重畳部は、前記包装部材の前記長手方向と直交する幅方向の一方の端縁側に位置する、前記包装部材の前記両端部が接着されない非接着部と、前記包装部材の前記幅方向の他方の端縁側に位置する、前記包装部材の前記両端部が接着された接着部と、を有し、前記包装部材の前記幅方向における前記重畳部の全体の長さに対する前記非接着部の長さの比が１０％以上４０％以下である、シート包装体。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシートが積層された直方体状のシート積層体と、
前記シート積層体の天面、底面、および対向する一対の側面に巻き付けられた帯状の包装部材と、を有し、
前記包装部材は、前記シート積層体に巻き付けられた状態で前記帯状の包装部材の長手方向の両端部が重なる重畳部を有し、
前記重畳部は、
前記包装部材の前記長手方向と直交する幅方向の一方の端縁側に位置する、前記包装部材の前記両端部が接着されない非接着部と、
前記包装部材の前記幅方向の他方の端縁側に位置する、前記包装部材の前記両端部が接着された接着部と、を有し、
前記包装部材の前記幅方向における前記重畳部の全体の長さに対する前記非接着部の長さの比が１０％以上４０％以下である、
シート包装体。
前記シート積層体の天面、底面、および対向する一対の側面に巻き付けられた帯状の包装部材と、を有し、
前記包装部材は、前記シート積層体に巻き付けられた状態で前記帯状の包装部材の長手方向の両端部が重なる重畳部を有し、
前記重畳部は、
前記包装部材の前記長手方向と直交する幅方向の一方の端縁側に位置する、前記包装部材の前記両端部が接着されない非接着部と、
前記包装部材の前記幅方向の他方の端縁側に位置する、前記包装部材の前記両端部が接着された接着部と、を有し、
前記包装部材の前記幅方向における前記重畳部の全体の長さに対する前記非接着部の長さの比が１０％以上４０％以下である、
シート包装体。
【請求項2】
前記非接着部の外側部分の前記接着部と隣接する端縁から前記包装部材の前記長手方向に延びる開裂用切目線が形成されている、
請求項１に記載のシート包装体。
請求項１に記載のシート包装体。
【請求項3】
前記非接着部の外側部分が前記包装部材の前記長手方向の一方の端部の一部を構成し、
前記開裂用切目線が、前記包装部材の前記長手方向の前記一方の端部から他方の端部まで延びる、
請求項２に記載のシート包装体。
前記開裂用切目線が、前記包装部材の前記長手方向の前記一方の端部から他方の端部まで延びる、
請求項２に記載のシート包装体。
【請求項4】
前記包装部材の前記長手方向の前記一方の端部における前記包装部材の前記幅方向の一方の端縁から前記開裂用切目線までの距離よりも、前記包装部材の前記長手方向の他方の端部における前記包装部材の前記幅方向の一方の端縁から前記開裂用切目線までの距離の方が長い、
請求項３に記載のシート包装体。
請求項３に記載のシート包装体。
【請求項5】
前記包装部材の前記幅方向における前記包装部材の前記幅方向の一方の端縁から前記開裂用切目線までの距離が、前記包装部材の前記長手方向の一方の端部から前記包装部材の前記長手方向の他方の端部に向かって徐々に長くなる、
請求項４に記載のシート包装体。
請求項４に記載のシート包装体。
【請求項6】
前記包装部材の前記長手方向が前記包装部材のＭＤ方向である、
請求項１乃至５のいずれか一項に記載のシート包装体。
請求項１乃至５のいずれか一項に記載のシート包装体。
【請求項7】
前記重畳部が、前記シート積層体の前記一対の側面のいずれか一方の側面に対面する、
請求項１乃至５のいずれか一項に記載のシート包装体。
請求項１乃至５のいずれか一項に記載のシート包装体。
【請求項8】
前記包装部材が、紙で構成されている、
請求項１乃至５のいずれか一項に記載のシート包装体。
請求項１乃至５のいずれか一項に記載のシート包装体。
【請求項9】
前記紙の一方の面は艶面であり、
前記艶面が前記シート積層体に対面するように前記包装部材が巻き付けられている、
請求項８に記載のシート包装体。
前記艶面が前記シート積層体に対面するように前記包装部材が巻き付けられている、
請求項８に記載のシート包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生薄葉紙等のシートは、複数枚のシートが積層されたシート積層体の全幅に紙帯等の包装部材が巻き付けられたシート包装体として製造され、流通するものがある。このようなシート包装体は、使用時に包装部材が取り外され、内包物であるシート積層体がディスペンサー等に補充して使用される（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第６１１３２９７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、紙帯等の包装部材がシート積層体に巻き付けられたシート包装体では、包装部材が破れにくく、内包物の取り出しに手間がかかる。
【0005】
本発明の課題は、シート積層体に包装部材を巻き付けたシート包装体において、包装部材を破れやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第１の態様は、複数枚のシートが積層された直方体状のシート積層体と、前記シート積層体の天面、底面、および対向する一対の側面に巻き付けられた帯状の包装部材と、を有し、前記包装部材は、前記シート積層体に巻き付けられた状態で前記帯状の包装部材の長手方向の両端部が重なる重畳部を有し、前記重畳部は、前記包装部材の前記長手方向と直交する幅方向の一方の端縁側に位置する、前記包装部材の前記両端部が接着されない非接着部と、前記包装部材の前記幅方向の他方の端縁側に位置する、前記包装部材の前記両端部が接着された接着部と、を有し、前記包装部材の前記幅方向における前記重畳部の全体の長さに対する前記非接着部の長さの比が１０％以上４０％以下である、シート包装体を提供する。
【0007】
本明細書において、シート積層体は、複数枚のシートが折り畳まれて高さ方向に積層された直方体形状の積層体を示す。直方体形状のシート積層体は、天面、底面、一対の長側面、および一対の短側面を有する。対向する一対の側面は、一対の長側面または一対の短側面を示す。
【0008】
シート積層体は、ディスペンサー等のシートを一枚ずつ取り出せる装置または手段に収容（または補充）して使用する。なお、ディスペンサーは、シート積層体が収容される本体と、シートを収容する収容口と、シート積層体が収容されたシート積層体からシートを取り出す取出口とを有する。
【0009】
包装部材は、シート積層体に巻き付けられる所定の幅と長さを有する。シート包装体は、シート積層体に包装部材が巻き付けられて該シート積層体が結束された状態を示す。シート積層体の天面、底面、および一対の側面は包装部材で覆われるが、包装部材で覆われる一対の側面が一対の長側面の場合は、シート積層体の一対の短側面は、包装部材で覆われることなく露出する。また、包装部材で覆われる一対の側面が一対の短側面の場合は、シート積層体の一対の長側面は、包装部材で覆われることなく露出する。
【0010】
包装部材の長手方向は、帯状の包装部材がシート積層体に巻き付けられる巻回方向に対応する。包装部材の幅方向は、包装部材がシート積層体に巻き付けられた状態でのシート積層体の長手方向に沿う方向である。重畳部の全体の長さは、包装部材の幅方向において、接着部の長さと非接着部の長さとの合計を示す。
【0011】
第１の態様では、包装部材がシート積層体に巻き付けられた状態で、帯状の包装部材の長手方向の両端部が重なる重畳部に、該包装部材の幅方向の一方の端縁側に位置する非接着部が設けられていることで、該非接着部がシート包装体の開封部を構成する。
【0012】
また、包装部材の幅方向における重畳部の全体の長さに対する非接着部の長さの比が１０％以上４０％以下であることで、非接着部を介して包装部材を破ったときの開裂線が包装部材の幅方向の一方の端縁に繋がりにくくなる。
【0013】
これにより、第１の態様では、非接着部の外側部分（包装部材の一方の端部の一部で構成され、重畳部の外側に位置する部分）と内側部分（包装部材の他方の端部の一部で構成され、重畳部の内側に位置する部分）との間に指を入れ、該外側部分を摘んで包装部材を巻回方向に破ると、包装部材で覆われないシート積層体の一方の側面側が巻回方向に剥き出しになる。この状態で、シート積層体の剥き出し部分を掴み、破れた残りの包装部材の一部をシート積層体から抜き取ることで、シート積層体から包装部材を容易に取り外すことができる。
【0014】
また、第１の態様では、シート積層体の天面、底面、および対向する一対の側面のみに包装部材が巻き付けられている（シート積層体の別の対向する一対の側面は露出する）ことで、シート積層体の全体が包装部材で覆われていないため、包装部材の使用量を削減することができる。
【0015】
本発明に係る第２の態様は、前記非接着部の外側部分の前記接着部と隣接する端縁から前記包装部材の前記長手方向に延びる開裂用切目線が形成されている、第１の態様に記載のシート包装体を提供する。
【0016】
本明細書において、開裂用切目線は、カットとタイ（２つのカット間のカットされていない部分）が交互に配置され、タイが破断すると両隣のカットが連続したカットになるミシン目等の切目線である。また、非接着部の外側部分は、包装部材の一方の端部の一部で構成され、重畳部の外側に位置する部分である。非接着部の外側部分の接着部と隣接する端縁とは、包装部材の幅方向における非接着部の両端縁のうち接着部側の端縁を示す。
【0017】
第２の態様では、非接着部の外側部分の接着部と隣接する端縁から包装部材の長手方向に延びる開裂用切目線が非接着部の外側部分に形成されていることで、非接着部を介して包装部材を破る際に開裂用切目線に沿って包装部材を容易に破ることができる。そのため、第２の態様では、シート包装体の開封が容易になる。
【0018】
本発明に係る第３の態様は、前記非接着部の外側部分が前記包装部材の前記長手方向の一方の端部の一部を構成し、前記開裂用切目線が、前記包装部材の前記長手方向の前記一方の端部から他方の端部まで延びる、第２の態様に記載のシート包装体を提供する。
【0019】
本明細書において、「非接着部の外側部分が包装部材の長手方向の一方の端部の一部を構成する」とは、重畳部の外側に包装部材の長手方向の一方の端部が配置され、重畳部の内側に包装部材の長手方向の他方の端部が配置された状態で、非接着部が構成されることを示す。また、「包装部材の長手方向の一方の端部から他方の端部まで延びる」とは、シート積層体に包装部材が巻き付けられた状態で、開裂用切目線が包装部材の長手方向の一方の端部から他方の端部まで包装部材の巻回方向に連続して延びることを示す。
【0020】
第３の態様では、非接着部の外側部分が包装部材の長手方向の一方の端部の一部を構成し、開裂用切目線が、包装部材の長手方向の一方の端部から他方の端部まで延びることで、開裂用切目線が包装部材の巻回方向に連続して開裂しやすくなる。これにより、包装部材を破った後に、包装部材で覆われないシート積層体の一方の側面側が巻回方向に剥き出しになりやすく、破れた残りの包装部材の一部のシート積層体からの抜き取りが容易になる。
【0021】
本発明に係る第４の態様は、前記包装部材の前記長手方向の前記一方の端部における前記包装部材の前記幅方向の一方の端縁から前記開裂用切目線までの距離よりも、前記包装部材の前記長手方向の他方の端部における前記包装部材の前記幅方向の一方の端縁から前記開裂用切目線までの距離の方が長い、第３の態様に記載のシート包装体を提供する。
【0022】
本明細書において、包装部材の長手方向の一方の端部における包装部材の幅方向の一方の端縁から開裂用切目線までの距離は、包装部材の幅方向における非接着部の長さに対応する。また、包装部材の長手方向の他方の端部における包装部材の幅方向の一方の端縁から開裂用切目線までの距離は、包装部材の幅方向における非接着部の長さより長いことを示す。
【0023】
第４の態様では、包装部材の長手方向の他方の端部における包装部材の幅方向の一方の端縁から開裂用切目線までの距離が非接着部よりも長いことで、包装部材の長手方向の他方の端部側では、接着部によって開裂用切目線の行き手が遮られる。これにより、包装部材を破ったときの開裂用切目線の開裂線は接着部で止まり、包装部材を破った後の破断片が複数になるのを防ぐことができる（破断片を１つにすることができる）。そのため、第４の態様では、シート積層体から取り外した包装部材の廃棄が容易である。
【0024】
本発明に係る第５の態様は、前記包装部材の前記幅方向における前記包装部材の前記幅方向の一方の端縁から前記開裂用切目線までの距離が、前記包装部材の前記長手方向の一方の端部から前記包装部材の前記長手方向の他方の端部に向かって徐々に長くなる、第４の態様に記載のシート包装体を提供する。
【0025】
本明細書において、「包装部材の長手方向の一方の端部から他方の端部に向かって徐々に長くなる」とは、包装部材の幅方向における包装部材の幅方向の一方の端縁と開裂用切目線との間隔が、包装部材の長手方向の一方の端部から他方の端部に向かって次第に広がることを示す。
【0026】
第５の態様では、包装部材の幅方向における包装部材の幅方向の一方の端縁から開裂用切目線までの距離が、包装部材の長手方向の一方の端部から他方の端部に向かって徐々に長くなることで、開裂用切目線に沿って包装部材を破る際に、開裂線が包装部材の幅方向の一方の端縁にさらに繋がりにくくなる。また、包装部材の幅方向における包装部材の破断片が徐々に広がるため、破断片が千切れにくくなり、安定した開封を行うことができる。
【0027】
さらに、第５の態様では、包装部材の長手方向の他方の端部における包装部材の幅方向の一方の端縁から開裂用切目線までの距離を非接着部よりも確実に長くすることができる。そのため、包装部材の長手方向の他方の端部側では、接着部によって開裂用切目線の行き手を確実に遮る（包装部材を破ったときの開裂用切目線の開裂線を接着部で止める）ことができる。
【0028】
本発明に係る第６の態様は、前記包装部材の前記長手方向が前記包装部材のＭＤ方向である、第１乃至第５のいずれか１つの態様に記載のシート包装体を提供する。本明細書において、ＭＤ方向は、包装部材を構成する繊維の流れ方向（機械方向）を示す。ＭＤ方向は、ＣＤ方向（ＭＤ方向と直交する方向）に比べ、引張応力に対する強度（引張強度）が高い。
【0029】
第６の態様では、包装部材の長手方向が包装部材のＭＤ方向であることで、非接着部を介して包装部材を破ったときの開裂線は、ＭＤ方向に沿って直線状に生じやすく、ＣＤ方向には生じにくい。そのため、開裂用切目線の有無に拘わらず、包装部材は巻回方向に破れやすく、包装部材で覆われないシート積層体の一方の側面側が巻回方向に剥き出しになりやすいため、破れた残りの包装部材の一部のシート積層体からの抜き取りが容易になる。
【0030】
本発明に係る第７の態様は、前記重畳部が、前記シート積層体の前記一対の側面のいずれか一方の側面に対面する、第１乃至第５のいずれか１つの態様に記載のシート包装体を提供する。
【0031】
第７の態様では、シート積層体の一対の側面のいずれか一方の側面に対面するように重畳部が包装部材に設けられていることで、破れやすい非接着部はシート包装体が重なりやすいシート積層体の天面及び底面に対面しない。
【0032】
そのため、第７の態様では、シート包装体の輸送時または保管時にシート包装体の開封部を構成する非接着部の予期せぬ開封を防ぐことができる。また、第７の態様では、開封部を構成する非接着部がシート包装体の見えやすい位置に設けられているため、シート包装体の開封が容易である。
【0033】
本発明に係る第８の態様は、前記包装部材が、紙で構成されている、第１乃至第５のいずれか１つの態様に記載のシート包装体を提供する。第８の態様では、包装部材を紙で構成することで、プラスチックの使用削減に寄与することができる。そのため、第８の態様によれば、環境負荷を低減するシート包装体を提供することができる。
【0034】
本発明に係る第９の態様は、前記紙の一方の面は艶面であり、前記艶面が前記シート積層体に対面するように前記包装部材が巻き付けられている、第８の態様に記載のシート包装体を提供する。本明細書において、艶面とは、光沢を有し、非艶面（艶面でない面）に対して摩擦抵抗が小さい面を示す。
【0035】
第９の態様では、紙で構成された包装部材において、紙の艶面がシート積層体に対面するように包装部材が巻き付けられていることで、包装部材を破った後に残った包装部材の一部をシート積層体から抜き取る際に、包装部材のシートに対する摩擦抵抗が小さくなるため、シート積層体から包装部材を容易に取り外すことができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の一態様によれば、シート積層体に包装部材を巻き付けたシート包装体において、包装部材を破れやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第１実施形態に係るシート包装体の斜視図。
【図3】シート積層体の斜視図。
【図4】第１実施形態に係るシート包装体を構成する包装部材の展開図。
【図5】第２実施形態に係るシート包装体の斜視図。
【図6】第３実施形態に係るシート包装体の斜視図。
【図7】第３実施形態に係るシート包装体を構成する包装部材の展開図。
【図8】シート包装体が開封される途中の状態を示す図。
【図9】シート包装体が開封された状態を示す図。
【図11】第４実施形態に係るシート包装体の斜視図。
【図12】第４実施形態に係るシート包装体を構成する包装部材の展開図。
【図13】第４実施形態に係るシート包装体が開封される途中の状態を示す図。
【図14】第４実施形態に係るシート包装体が開封された状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、特に説明がない限り、同一の又は対応する構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図では、各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
【0039】
また、本明細書において、垂直、平行、直交などの方向には、実施形態の作用、効果を損なわない程度のずれが許容される。また、垂直、平行、直交には、略垂直、略平行、略直交が含まれてもよい。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。
【0040】
各図において、３軸方向（Ｘ方向、Ｙ方向、Ｚ方向）の３次元直交座標系を用い、シート包装体の左右方向をＸ方向とし、前後方向をＹ方向とし、上下方向をＺ方向とする。
【0041】
＜第１実施形態＞
図１は、第１実施形態に係るシート包装体の斜視図であり、図２は図１のシート包装体を背面の下方側から見た斜視図であり、図３はシート積層体の斜視図であり、図４は第１実施形態に係るシート包装体を構成する包装部材の展開図である。
図１は、第１実施形態に係るシート包装体の斜視図であり、図２は図１のシート包装体を背面の下方側から見た斜視図であり、図３はシート積層体の斜視図であり、図４は第１実施形態に係るシート包装体を構成する包装部材の展開図である。
【0042】
実施形態のシート包装体１００は、シート積層体１０と包装部材２０とを有する。シート包装体１００は、本発明に係るシート包装体の一例であり、シート積層体１０は、本発明に係るシート包装体を構成するシート積層体の一例であり、包装部材２０は、本発明に係るシート包装体を構成する包装部材の一例である。
【0043】
シート積層体１０は、複数枚のシートＰが積層されている。シート積層体１０は、複数枚のシートＰが折り畳まれてシート包装体１００の高さ方向（Ｚ方向）に積層された直方体形状の積層体を示す。直方体形状のシート積層体１０は、天面１１、底面１２、一対の長側面１３、１４および一対の短側面１５、１６を有する（図１～図３）。
【0044】
シート積層体１０の形態は、特に限定されず、例えば、１枚（または１組）のシートＰが半分に折り返され、折り返されたシートＰの半分が別の折り返されたシートＰに挟まれた状態で、各シートＰが上下に重なるように積層されたものを用いることができる。
【0045】
このようなシート積層体１０では、各シートＰが折り込まれた状態で互い違いに積層されるため、シートＰを１枚（または１組）引き出すと次の１枚（または１組）のシートＰが引き出される。このようにシート積層体からシートが引き出される形式は、ポップアップ式と呼ばれている。なお、シートＰ（シート積層体１０）の形態は、このようなポップアップ式に限定されず、複数枚のシートＰが単に積層されたもの、１枚（または１組）のシートＰが半分に折り返した後さらに半分に折り返して（４つ折りにして）重ねたものを用いてもよい。
【0046】
シート積層体１０は、ディスペンサー等のシートＰを一枚ずつ取り出せる装置または手段に収容して使用する。ここで、ディスペンサーは、例えば、シート積層体１０が収容される本体と、本体を覆う蓋部、シートＰを収容する収容口と、シート積層体１０が収容されたシート積層体１０からシートＰを取り出す取出口とを有する（図示せず）。
【0047】
シートＰ（シート積層体１０）の用途は、特に限定されず、ペーパータオル、ワイパー（ウエス）タオル、キッチンペーパー、ティシューペーパー、トイレットペーパー等に用いることができる。また、シートＰ（シート積層体１０）の用途は、産業用、家庭用に限定されない。
【0048】
シートＰの材質は、特に限定されないが、例えば、紙、不織布または布等のシートを用いることができ、好ましくは紙シートである。なお、シートＰが紙シートの場合、パルプを主原料とする原紙が用いられる。パルプ組成は、紙シートにおける公知の組成を用いることができる。例えば、パルプの配合割合を５０質量％以上、好ましくは９０質量％以上、より好ましくは１００質量％とすることができる。
【0049】
また、シートＰ（紙シート）におけるパルプ組成は、例えば、ＮＢＫＰ（針葉樹クラフトパルプ）やＮＵＫＰ（針葉樹未晒しパルプ）などの針葉樹パルプと、ＬＢＫＰ（広葉樹クラフトパルプ）やＬＵＫＰ（広葉樹未晒しパルプ）などの広葉樹パルプとを任意の比率で使用することができる。特に、広葉樹パルプに対して針葉樹パルプの比率がより多いパルプ組成であることが好ましい。針葉樹パルプと広葉樹パルプの比は、５０：５０～８０：２０であるのが好ましい。なお、シートＰ（紙シート）のパルプ組成に含まれるパルプには、古紙パルプを用いてもよい。
【0050】
シートＰの坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は１２～８０ｇ／ｍ２、不織布の場合は２０～１００ｇ／ｍ２のものが好ましい。なお、坪量は、ＪＩＳ Ｐ ８１２４の規定に準拠して測定される。
【0051】
また、シートＰ（紙シート）の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、ＪＩＳ Ｐ ８１１１（１９９８）の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートＰを構成する紙シートの紙厚は、１プライあたり、好ましくは５０～５００μｍであり、より好ましくは６０～３３０μｍ程度である。
【0052】
また、シートＰを構成する紙シートには、エンボス加工が施されていてもよい。このようなエンボス加工は、加圧エンボス付与方法により紙シートを押圧するもの、ピンエンボス付与方法によりピンを紙シートに刺して紙シートの一方の面上に凹凸または孔を形成するもの、ヒートエンボス付与方法により水溶性の接着剤（デンプン等）を加熱融解して積層された紙シートを接着するもの等がある。
【0053】
シートＰのプライ数は、特に限定されないが、１プライ以上にすることができ、好ましくは１プライ（シングルタイプ）または２プライ（ダブルタイプまたは２枚重ね）である。なお、２プライ（２枚重ね）以上のシートＰにエンボス加工を行う場合は、紙シートを２プライ（２枚重ね）にした状態でエンボスを付与してもよいし、１プライにエンボスを付与してその後２プライにしてもよい。
【0054】
また、シート積層体１０の寸法は、シート包装体１００の長手方向（Ｘ方向）の長さＬ１を１５０ｍｍ以上３５０ｍｍ以下、短手方向（Ｙ方向）の幅Ｗ１を５０ｍｍ以上１５０ｍｍ以下、高さ方向（Ｚ方向）の高さＨ１を４０ｍｍ以上１５０ｍｍ以下とすることができる（図２）。このようなシート積層体１０は、例えば、ロータリー式又はマルチスタンド式インターフォルダによって製造することができる。
【0055】
包装部材２０は、帯状で、シート積層体１０に巻き付けられる所定の幅と長さを有する。シート包装体１００では、包装部材２０がシート積層体１０の天面１１、底面１２、および一対の長側面１３、１４に巻き付けられた状態で、包装部材２０の長手方向（シート包装体１００の幅方向（Ｙ方向））の端部２０Ａ、２０Ｂが接合されている。これにより、シート積層体１０が包装部材２０によって結束されている。なお、包装部材２０の接合態様は、特に限定されず、例えば、ホットメルト、ヒートシール（酢酸ビニル）、接着剤、圧着等を用いることができる。
【0056】
本実施形態では、シート積層体１０の天面１１、底面１２、および一対の長側面１３、１４は包装部材２０で覆われ、シート積層体１０の一対の短側面１５、１６は、包装部材２０で覆われることなく露出する。包装部材２０は、天面２１がシート積層体１０の天面１１に対面し、底面２２がシート積層体１０の底面１２に対面し、正面２３がシート積層体１０の一方の長側面１３に対面し、背面２４がシート積層体１０の他方の長側面１４に対面する（図１、図２）。
【0057】
なお、本実施形態のシート包装体１００では、シート積層体１０の天面１１、底面１２、および一対の長側面１３、１４が包装部材２０で覆われる（シート積層体１０の一対の短側面１５、１６は包装部材２０で覆われずに露出する）が、この包装形態に限定されない。例えば、シート積層体１０の天面１１、底面１２、および一対の短側面１５、１６が包装部材２０で覆われる（シート積層体１０の一対の長側面１３、１４は包装部材２０で覆われずに露出する）ものでもよい。
【0058】
包装部材２０の材質は、特に限定されない。包装部材２０は、例えば、樹脂製にすることができる。ここで、樹脂製とは、材質がポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂であることを示す。包装部材２０に用いられる樹脂の厚みは、特に限定されず、例えば、１０μｍ以上１００μｍ以下であり、好ましくは２０μｍ以上８０μｍ以下、より好ましくは３０μｍ以上５０μｍ以下である。
【0059】
また、プラスチックの使用削減、マイクロプラスチック等の海洋汚染の抑制等の環境負荷を低減する観点から、包装部材２０は紙製にするのが好ましい。ここで、紙製とは、材質が紙であることを示す。包装部材２０に用いられる紙の厚みは、特に限定されず、例えば、１０μｍ以上１００μｍ以下であり、好ましくは２０μｍ以上８０μｍ以下、より好ましくは３０μｍ以上５０μｍ以下である。
【0060】
包装部材２０に用いられる紙の材質は、特に限定されないが、例えば、シート積層体１０の形態保持性、収容性の観点から、例えば、クラフト紙、フィルムラミ紙（クラフト紙との樹脂フィルムを貼合したもの）等の用紙を用いることができる。
【0061】
包装部材２０は、好ましくはクラフト紙であり、より好ましくは片艶クラフト紙である。ここで、クラフト紙は、クラフトパルプを原料とする紙である。また、片艶クラフト紙は、クラフト紙を白色まで漂白し、片面をヤンキードライヤーにて乾燥し抄紙したものである。
【0062】
なお、片艶クラフト紙では、紙の一方の面（片側の面）は艶面を構成する。ここで、艶面は、光沢を有し、非艶面（艶面でない面）に対して摩擦抵抗が小さい面を示す。このような片艶クラフト紙を包装部材２０に用いる場合、艶面がシート積層体１０に対面するように包装部材２０が巻き付けられていることが好ましい。
【0063】
包装部材２０を構成する用紙のパルプ組成は、限定されないが、例えば、０：１００～８０：２０であり、好ましくは広葉樹パルプに対して針葉樹パルプの比率が低いパルプ組成である。また、包装部材２０に含まれるパルプには、古紙パルプを用いてもよい。
【0064】
包装部材２０を構成する用紙の坪量は、特に限定されず、例えば、２０ｇ／ｍ２以上２００ｇ／ｍ２以下である。ここで、坪量は、ＪＩＳ Ｐ ８１２４の規定に準拠して測定することができる。また、包装部材２０を構成する用紙の紙厚は、特に限定されず、例えば、２０μｍ以上２００μｍ以下である。ここで、紙厚は、ＪＩＳ Ｐ ８１１１（１９９８）の環境下で測定することができる。
【0065】
包装部材２０を構成する用紙の強度は、縦方向の引張強度が１．５ｋＮ／ｍ以上１０ｋＮ／ｍ以下、横方向の引張強度が１ｋＮ／ｍ以上８ｋＮ／ｍ以下で、縦方向の引裂強度が１００ｍＮ以上１５００ｍＮ以下、横方向の引裂強度が１２０ｍＮ以上２１００ｍＮ以下である。
【0066】
ここで、縦方向は、用紙のＭＤ方向（用紙を構成する繊維の流れ方向または機械方向）を示し、横方向は、用紙のＣＤ方向（ＭＤ方向と直交する方向）を示す。用紙の強度は、ＪＩＳ Ｐ ８１１３（２００６）の環境下で測定することができる。
【0067】
なお、包装部材２０を形成する用紙は、上述したクラフト紙、フィルムラミ紙の他にも、麻、非木材パルプ（バガス、ケナフ等）、生分解性材料（生分解性プラスチック、生分解性紙等）、バイオマス材料（バイオマスフィルム等の再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの）を用いて製造された用紙でもよい。
【0068】
また、包装部材２０は、紙層に樹脂層を積層した積層体でもよい。このような積層体を構成する紙層には、上述の紙（クラフト紙等）を用いることができる。紙層の厚みは、特に限定されず、例えば、５μｍ以上１００μｍ以下であり、好ましくは１０μｍ以上７０μｍ以下、より好ましくは２０μｍ以上４０μｍ以下である。
【0069】
また、積層体を構成する樹脂層には、上述の樹脂（ポリエチレン、ポリプロピレン等）を用いることができる。紙層の厚みは、特に限定されず、例えば、３μｍ以上６０μｍ以下であり、好ましくは５μｍ以上４０μｍ以下、より好ましくは１０μｍ以上２０μｍ以下である。
【0070】
なお、包装部材２０をシート積層体に巻き付ける態様は、限定されない。例えば、個々のシート積層体に包装部材２０を巻き付けることで、複数のシート包装体を製造することができる。また、製造コストを低減する観点から、バンドル（インターフォルダで原反を交互に折り重ねて積層したシートの集積体）に包装部材２０を巻き付けた状態で、これを長手方向に所定の間隔で切断して、複数のシート包装体を製造してもよい。
【0071】
また、バンドルに包装部材２０を巻き付けたものを長手方向に所定の間隔で切断して得られたシート包装体では、包装部材２０のＭＤ方向がシートＰのＣＤ方向となるように、包装部材２０がシート積層体１０に巻き付けられている。また、１枚（または１組）のシートＰを４つ折りにして複数枚重ねたシート積層体に包装部材２０を巻き付ける場合は、包装部材２０のＭＤ方向がシートＰのＣＤ方向となる。ここで、ＭＤ方向は、包装部材またはシートを構成する繊維の流れ方向を示す。また、ＣＤ方向は、ＭＤ方向と直交する方向を示す。
【0072】
なお、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向）は、包装部材２０のＭＤ方向となっている。なお、ＭＤ方向は、ＣＤ方向（ＭＤ方向と直交する方向）に比べ、引張応力に対する強度（引張強度）が高い。
【0073】
本実施形態のシート包装体１００では、包装部材２０は、シート積層体１０に巻き付けられた状態で帯状の包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の両端部２０Ａ、２０Ｂが重なる重畳部Ｓを有する。ここで、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）は、包装部材２０がシート積層体１０に巻き付けられる巻回方向（Ｙ方向およびＺ方向）に対応する（図１～図３）。
【0074】
重畳部Ｓは、接着部３０および非接着部４０を有する。
【0075】
接着部３０は、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）と直交する幅方向（Ｘ方向）の端縁２０Ｄ側に位置する。接着部３０では、包装部材２０の両端部２０Ａ、２０Ｂが接着されている。ここで、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）は、包装部材２０がシート積層体１０に巻き付けられた状態でのシート積層体１０の長手方向（Ｘ方向）に沿う方向である（図１～図３）。
【0076】
非接着部４０は、包装部材の幅方向（Ｘ方向）の端縁２０Ｃ側に位置する。非接着部４０は、包装部材２０の両端部２０Ａ、２０Ｂが接着されていない。なお、端縁２０Ｃは、本発明のシート包装体における包装部材の幅方向の一方の端縁の一例である。また、端縁２０Ｄは、本発明のシート包装体における包装部材の幅方向の他方の端縁の一例である。
【0077】
本実施形態のシート包装体１００では、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）における重畳部Ｓの全体の長さＴに対する非接着部４０の長さＮの比が１０％以上４０％以下、より好ましくは１２％以上３７％以下、さらに好ましくは１４％以上３４％以下である。ここで、重畳部Ｓの全体の長さＴは、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）において、接着部３０の長さＧと非接着部４０の長さＮとの合計Ｗを示す（図４）。
【0078】
本実施形態のシート包装体１００では、重畳部Ｓがシート積層体１０の一対の側面のいずれか一方の側面（本実施形態では、シート積層体１０の長側面１３）に対面するように、包装部材２０がシート積層体１０に巻き付けられている。このような構成では、破れやすい非接着部４０は、複数のシート包装体１００が梱包される場合にシート包装体１００が重なりやすいシート積層体１０の天面１１及び底面１２に対面することはない。
【0079】
第１実施形態では、上述のように、包装部材２０がシート積層体１０に巻き付けられた状態で、帯状の包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の両端部２０Ａ、２０Ｂが重なる重畳部Ｓに、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃ側に位置する非接着部４０が設けられていることで、非接着部４０がシート包装体１００の開封部ＯＰを構成する。
【0080】
また、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）における重畳部Ｓの全体の長さＴに対する非接着部４０の長さＮの比が１０％以上４０％以下であることで、非接着部４０を介して包装部材２０を破ったときの開裂線が包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃに繋がりにくくなる。
【0081】
これにより、第１実施形態では、非接着部４０の外側部分（包装部材２０の一方の端部２０Ａの一部で構成され、重畳部Ｓの外側に位置する部分）４１と内側部分（包装部材２０の他方の端部２０Ｂの一部で構成され、重畳部Ｓの内側に位置する部分）４２との間に指（図示せず）を入れ、該外側部分４１を摘んで包装部材２０を巻回方向（Ｙ方向およびＺ方向）に破る（図８）。
【0082】
そうすると、包装部材２０から破断片Ｆ１が分離され、包装部材２０で覆われないシート積層体１０の一方の側面側（本実施形態では、シート積層体１０の短側面１５側）が巻回方向（Ｙ方向およびＺ方向）に剥き出しになる（図９）。この状態で、シート積層体１０の剥き出し部分を掴み、破れた残りの包装部材２０の一部Ｆ２をシート積層体１０から抜き取ることで、シート積層体１０から包装部材２０を容易に取り外すことができる（図１０）。
【0083】
また、第１実施形態では、シート積層体１０の天面１１、底面１２、および対向する一対の側面１３、１４のみに包装部材２０が巻き付けられている（すなわち、シート積層体１０の別の対向する一対の側面１５、１６は露出する）ことで、シート積層体１０の全体が包装部材２０で覆われていないため、包装部材２０の使用量を削減することができる。
【0084】
第１実施形態では、上述のように、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）が包装部材２０のＭＤ方向であることで、非接着部４０を介して包装部材２０を破ったときの開裂線は、ＭＤ方向に沿って直線状に生じやすく、ＣＤ方向には生じにくい。そのため、後述する開裂用切目線５０の有無に拘わらず、包装部材２０は巻回方向（Ｙ方向およびＺ方向）に破れやすく、包装部材２０で覆われないシート積層体１０の一方の側面１５側が巻回方向（Ｙ方向およびＺ方向）に剥き出しになりやすいため、破れた残りの包装部材２０の一部Ｆ２のシート積層体１０からの抜き取りが容易になる（図１０参照）。
【0085】
第１実施形態では、上述のように、シート積層体１０の一対の側面のいずれか一方の側面（本実施形態では、シート積層体１０の側面１３）に対面するように重畳部Ｓが包装部材２０に設けられていることで、破れやすい非接着部４０はシート包装体１００が重なりやすいシート積層体１０の天面１１及び底面１２に対面しない。
【0086】
そのため、本実施形態では、シート包装体１００の輸送時または保管時にシート包装体１００の開封部ＯＰを構成する非接着部４０の予期せぬ開封を防ぐことができる。また、本実施形態では、開封部ＯＰを構成する非接着部４０がシート包装体１００の見えやすい位置に設けられているため、シート包装体１００の開封が容易である。
【0087】
第１実施形態では、上述のように、包装部材２０を紙で構成することで、プラスチックの使用削減に寄与することができる。そのため、本実施形態によれば、環境負荷を低減するシート包装体１００を提供することができる。
【0088】
第１実施形態では、上述のように、紙で構成された包装部材２０において、紙の艶面がシート積層体１０に対面するように包装部材２０が巻き付けられていることで、包装部材２０を破った後に残った包装部材２０の一部Ｆ２をシート積層体１０から抜き取る際に、包装部材２０のシートに対する摩擦抵抗が小さくなるため、シート積層体１０から包装部材２０を容易に取り外すことができる。
【0089】
【0090】
第２実施形態のシート包装体１００では、非接着部４０の外側部分４１の接着部３０と隣接する端縁４１Ａから包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）に延びる開裂用切目線５０が形成されている。
【0091】
ここで、開裂用切目線５０は、カットＣとタイＴ（２つのカットＣ、Ｃ間のカットされていない部分）が交互に配置され、タイＴが破断すると両隣のカットＣ、Ｃが連続したカットになる切目線（例えば、ミシン目Ｍ）である（図５）。
【0092】
なお、開裂用切目線５０の予期せぬ開裂を防ぎながら、開裂用切目線５０を開裂しやすくする観点から、開裂用切目線５０のカット率（タイＴに対するカットＣの比率）は、６０～９０％であることが好ましく、より好ましくは６３～８８％、さらに好ましくは６５～８５％である。
【0093】
また、非接着部４０の外側部分４１は、包装部材２０の一方の端部２０Ａの一部で構成され、重畳部Ｓの外側に位置する部分である。非接着部４０の外側部分４１の接着部３０と隣接する端縁４１Ａは、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）における非接着部４０の両端縁４１Ａ、４１Ｂのうち接着部３０側の端縁４１Ａを示す。
【0094】
図５に示す例では、開裂用切目線５０は、包装部材２０の一方の端部２０Ａから包装部材２０の正面２３の天面２１側の端縁２３Ａまで延びるように、包装部材２０の正面２３のみに形成されている。
【0095】
なお、開裂用切目線５０の長さは、図５に示す形態に限定されず、包装部材２０の一方の端部２０Ａから包装部材２０の正面２３の天面２１側の端縁２３Ａまで届かない長さであってもよい。また、開裂用切目線５０の長さは、包装部材２０の一方の端部２０Ａから包装部材２０の正面２３の天面２１側の端縁２３Ａを超える長さ（例えば、包装部材２０の天面２１の背面２４側の端縁２１Ａまで延びる長さ）でもよい。
【0096】
第２実施形態では、このように非接着部４０の外側部分４１の接着部３０と隣接する端縁４１Ａから包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）に延びる開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）が非接着部４０の外側部分４１に形成されていることで、非接着部４０を介して包装部材２０を破る際に開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）に沿って包装部材２０を容易に破ることができる。そのため、第２実施形態では、シート包装体１００の開封が容易になる（図８、図９）。
【0097】
＜第３実施形態＞
図６は、第３実施形態に係るシート包装体の斜視図である。なお、図６において、第１実施形態（図１）および第２実施形態（図５）と共通する部分には、図１、図５と同一又は対応する符号を付して説明を省略する。
図６は、第３実施形態に係るシート包装体の斜視図である。なお、図６において、第１実施形態（図１）および第２実施形態（図５）と共通する部分には、図１、図５と同一又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0098】
第３実施形態のシート包装体１００では、非接着部４０の外側部分４１が包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａの一部を構成する。そして、開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）は、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａから他方の端部２０Ｂまで延びている。
【0099】
具体的には、包装部材２０の正面２３の天面２１側の切目線５１、天面１１の切目線５２、背面２４の切目線５３、底面２２の切目線５４、および正面２３の底面２２側の切目線５５が連続する開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）が形成されている（図６）。
【0100】
ここで、非接着部４０の外側部分４１が包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａの一部を構成することは、重畳部Ｓの外側に包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａが配置され、重畳部Ｓの内側に包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の他方の端部２０Ｂが配置された状態で、非接着部４０が構成されることを示す。
【0101】
また、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａから他方の端部２０Ｂまで延びることは、シート積層体１０に包装部材２０が巻き付けられた状態で、開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）が包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａから他方の端部２０Ｂまで包装部材２０の巻回方向（Ｙ方向およびＺ方向）に連続して延びることを示す。
【0102】
第３実施形態では、非接着部４０の外側部分４１が包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａの一部を構成し、開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）が、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａから他方の端部２０Ｂまで延びることで、開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）が包装部材２０の巻回方向（Ｙ方向およびＺ方向）に連続して開裂しやすくなる（図８、図９）。これにより、包装部材２０を破った後に、包装部材２０で覆われないシート積層体１０の一方の側面１５側が巻回方向（Ｙ方向およびＺ方向）に剥き出しになりやすく、破れた残りの包装部材２０の一部Ｆ２のシート積層体１０からの抜き取りが容易になる（図１０）。
【0103】
＜第４実施形態＞
図１１は、第４実施形態に係るシート包装体の斜視図である。なお、図１１において、第１実施形態（図１）、第２実施形態（図５）および第３実施形態（図６）と共通する部分には、図１、図５、図６と同一又は対応する符号を付して説明を省略する。
図１１は、第４実施形態に係るシート包装体の斜視図である。なお、図１１において、第１実施形態（図１）、第２実施形態（図５）および第３実施形態（図６）と共通する部分には、図１、図５、図６と同一又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0104】
第４実施形態のシート包装体１００では、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａにおける包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離Ｎ１よりも、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の他方の端部２０Ｂにおける包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離Ｎ２の方が長くなっている（図１２）。
【0105】
ここで、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａにおける包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離Ｎ１は、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）における非接着部４０の長さに対応する。また、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の他方の端部２０Ｂにおける包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離Ｎ２は、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）における非接着部４０の長さＮ１より長いことを示す（図１２）。
【0106】
第４実施形態では、図１１、図１２に示すように、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）における包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離Ｎが、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａから包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の他方の端部２０Ｂに向かって徐々に長くなる。
【0107】
具体的には、第４実施形態のシート包装体１００では、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離Ｎが、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａでは、距離Ｎ１であり、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の他方の端部２０Ｂでは、距離Ｎ１よりも長い距離Ｎ２である。そして、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）における包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃと開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）との間隔Ｎが、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａから他方の端部２０Ｂに向かって次第に広がるように開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）が設けられている。
【0108】
なお、開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）において、包装部材２０の他方の端部２０Ｂにおける距離Ｎ２が、包装部材２０の一方の端部２０Ａにおける距離Ｎ１よりも長くなる態様は、図１２に示す形態に限定されない。例えば、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離Ｎが、包装部材２０の一方の端部２０Ａから包装部材２０の正面２３の天面２１側の端縁２３Ａまでは徐々に長くなり、且つ該端縁２３Ａから包装部材２０の他方の端部２０Ｂまで一定の長さであるもの、また、包装部材２０の一方の端部２０Ａから包装部材２０の正面２３の天面２１側の端縁２３Ａまでは一定であり、該端縁２３Ａから包装部材２０の他方の端部２０Ｂまで徐々に長くなるもの等でもよい。
【0109】
第４実施形態では、上述のように、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の他方の端部２０Ｂにおける包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離が非接着部よりも長いことで、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の他方の端部２０Ｂ側では、接着部によって開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）の行き手が遮られる（図１３、図１４）。これにより、包装部材２０を破ったときの開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）の開裂線は接着部３０で止まり、包装部材２０を破った後の破断片が複数になるのを防ぐことができる（破断片Ｆ３を１つにすることができる）。そのため、第４実施形態では、シート積層体１０から取り外した包装部材２０の廃棄が容易である（図１５）。
【0110】
第４実施形態では、上述のように、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）における包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離Ｎが、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａから他方の端部２０Ｂに向かって徐々に長くなる（距離Ｎ１＜距離Ｎ２となる）ことで、開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）に沿って包装部材２０を破る際に、開裂線が包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃにさらに繋がりにくくなる。また、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）における包装部材２０の破断片Ｆ３が徐々に広がるため、破断片Ｆ３が千切れにくくなり、安定した開封を行うことができる（図１３、図１４）。
【0111】
さらに、第４実施形態では、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の他方の端部２０Ｂにおける包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離Ｎ２を非接着部４０（距離Ｎ１）よりも確実に長くすることができる（図１１、図１２）。そのため、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の他方の端部２０Ｂ側では、接着部によって開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）の行き手を確実に遮る（包装部材２０を破ったときの開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）の開裂線を接着部３０で止める）ことができる（図１３、図１４）。
【実施例0112】
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の条件で行った。シート包装体の条件および評価結果を表１～３に示す。
【0113】
［シート包装体（サンプル）］
シートＰが交互に折り畳まれてポップアップ式に１組ずつ引き出せるように積層されたシート積層体１０としてペーパータオル（大王製紙社製、エリエール ＰＡＰＥＲ ＴＯＷＥＬ スマートタイプ シングル、２００枚、シート寸法：縦１７０ｍｍ、横２１０ｍｍ）の天面１１、底面１２、一対の長側面１３、１４を、包装部材２０（幅２１０ｍｍ）で巻き付け包装したシート包装体１００を用意した。包装部材２０は、シート積層体１０に巻き付けられた状態で包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の両端部２０Ａ、２０Ｂが重なる重畳部Ｓを、シート積層体１０の長側面１３に対面する包装部材２０の正面２３に設けた。重畳部Ｓは、接着部３０および非接着部４０で構成した。
シートＰが交互に折り畳まれてポップアップ式に１組ずつ引き出せるように積層されたシート積層体１０としてペーパータオル（大王製紙社製、エリエール ＰＡＰＥＲ ＴＯＷＥＬ スマートタイプ シングル、２００枚、シート寸法：縦１７０ｍｍ、横２１０ｍｍ）の天面１１、底面１２、一対の長側面１３、１４を、包装部材２０（幅２１０ｍｍ）で巻き付け包装したシート包装体１００を用意した。包装部材２０は、シート積層体１０に巻き付けられた状態で包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の両端部２０Ａ、２０Ｂが重なる重畳部Ｓを、シート積層体１０の長側面１３に対面する包装部材２０の正面２３に設けた。重畳部Ｓは、接着部３０および非接着部４０で構成した。
【0114】
非接着部４０に開裂用切目線５０（ミシン目）を形成する場合は、外側部分４１の接着部３０と隣接する端縁４１Ａに、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａから他方の端部２０Ｂまで延びるように開裂用切目線５０（ミシン目）を形成した。開裂用切目線５０（ミシン目）では、カット率が６７～８３％となるようにカットＣとＴを設けた。
【0115】
包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａにおける包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離をＮ１とし、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の他方の端部２０Ｂにおける包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離をＮ２とした。
【0116】
包装部材２０が紙（片艶クラフト紙）の場合は、包装部材２０がシート積層体１０に巻き付けられた状態で、艶面がシート積層体１０に対面する（包装部材２０の内側になる）サンプルと、艶面がシート積層体１０に対面しない（包装部材２０の外側になる）サンプルを用意した。
【0117】
また、包装部材２０が樹脂の場合は、樹脂としてポリエチレン（ＰＥ）を用いた。さらに、包装部材２０が紙と樹脂の積層体の場合は、片艶クラフト紙で構成された紙層にポリエチレン（ＰＥ）の樹脂層を積層したものを用いた。
【0118】
［開封性］
シート包装体１００（サンプル）を包装部材２０の重畳部Ｓ（非接着部４０）から開封したときの開封性を評価した。開封性は、４段階で評価し、最も開封しにくい場合を「Ｄ」、最も開封しやすい場合から順番に「Ａ」「Ｂ」「Ｃ」と評価した。なお、評価がＡ～Ｃの場合は良好と判定し、Ｄの場合は不良と判定する。
シート包装体１００（サンプル）を包装部材２０の重畳部Ｓ（非接着部４０）から開封したときの開封性を評価した。開封性は、４段階で評価し、最も開封しにくい場合を「Ｄ」、最も開封しやすい場合から順番に「Ａ」「Ｂ」「Ｃ」と評価した。なお、評価がＡ～Ｃの場合は良好と判定し、Ｄの場合は不良と判定する。
【0119】
［取出性］
開封後のシート包装体１００（サンプル）から破れた残りの包装部材を取り外してたときのシート積層体１０の取出し易さ（取出性）を評価した。取出性は、４段階で評価し、最も取出しにくい場合を「Ｄ」、最も取出しやすい場合から順番に「Ａ」「Ｂ」「Ｃ」と評価した。なお、評価がＡ～Ｃの場合は良好と判定し、Ｄの場合は不良と判定する。
開封後のシート包装体１００（サンプル）から破れた残りの包装部材を取り外してたときのシート積層体１０の取出し易さ（取出性）を評価した。取出性は、４段階で評価し、最も取出しにくい場合を「Ｄ」、最も取出しやすい場合から順番に「Ａ」「Ｂ」「Ｃ」と評価した。なお、評価がＡ～Ｃの場合は良好と判定し、Ｄの場合は不良と判定する。
【0120】
［廃棄容易性］
開封後のシート包装体１００（サンプル）から破れた残りの包装部材を取り外した後の包装部材の廃棄のしやすさ（廃棄容易性）を評価した。廃棄容易性は、４段階で評価し、最も廃棄しにくい場合（包装部材がバラバラに破れる等の場合）を「Ｄ」、最も廃棄しやすい場合（破れた包装部材が１つになる場合、包装部材がきれいに破れる等の場合）から順番に「Ａ」「Ｂ」「Ｃ」と評価した。なお、評価がＡ～Ｃの場合は良好と判定し、Ｄの場合は不良と判定する。
開封後のシート包装体１００（サンプル）から破れた残りの包装部材を取り外した後の包装部材の廃棄のしやすさ（廃棄容易性）を評価した。廃棄容易性は、４段階で評価し、最も廃棄しにくい場合（包装部材がバラバラに破れる等の場合）を「Ｄ」、最も廃棄しやすい場合（破れた包装部材が１つになる場合、包装部材がきれいに破れる等の場合）から順番に「Ａ」「Ｂ」「Ｃ」と評価した。なお、評価がＡ～Ｃの場合は良好と判定し、Ｄの場合は不良と判定する。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】
【表3】
【0124】
表１～３より、包装部材２０がシート積層体１０に巻き付けられた状態で、帯状の包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の両端部２０Ａ、２０Ｂが重なる重畳部Ｓに、包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃ側に位置する非接着部４０が設けられたシート包装体１００（サンプル）は、開封性、取出性、廃棄容易性がいずれも良好であった（実施例１～２２）。
【0125】
中でも、非接着部４０の外側部分４１の接着部３０と隣接する端縁４１Ａから包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）に延びる開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）が非接着部４０の外側部分４１に形成されシート包装体１００は、開封性、取出性、廃棄容易性がいずれも向上した（実施例２～２２）。
【0126】
また、非接着部４０の外側部分４１が包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａの一部を構成し、開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）が、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の一方の端部２０Ａから他方の端部２０Ｂまで延びるシート包装体１００は、開封性、取出性がさらに向上した（実施例３～２２）。
【0127】
さらに、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の他方の端部２０Ｂにおける包装部材２０の幅方向（Ｘ方向）の一方の端縁２０Ｃから開裂用切目線５０（ミシン目Ｍ）までの距離が非接着部よりも長いシート包装体１００は、廃棄容易性がさらに向上した（実施例１２～２２）。
【0128】
一方、包装部材２０の長手方向（Ｙ方向およびＺ方向）の両端部２０Ａ、２０Ｂが重なる重畳部Ｓに、非接着部４０が設けられていないシート包装体は、開封性、取出性、廃棄容易性がいずれ不良であった（比較例１）。
【0129】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0130】
１００ シート包装体
１０ シート積層体
Ｐ シート
１１ 天面
１２ 底面
１３ 長側面
１４ 長側面
１５ 短側面
１６ 短側面
２０ 包装部材
２０Ａ 端部
２０Ｂ 端部
２０Ｃ 端縁
２０Ｄ 端縁
２１ 天面
２１Ａ 端縁
２２ 底面
２３ 正面
２３Ａ 端縁
２４ 背面
Ｓ 重畳部
３０ 接着部
４０ 非接着部
４１ 外側部分
４１Ａ 端縁
４１Ｂ 内側部分
ＯＰ 開封部
５０ 開裂用切目線
５１ 切目線
５２ 切目線
５３ 切目線
５４ 切目線
５５ 切目線
Ｍ ミシン目
Ｃ カット
Ｔ タイ
Ｇ 接着部の長さ
Ｎ、Ｎ１、Ｎ２ 非接着部の長さ
Ｗ 接着部の長さと非接着部の長さの合計
Ｆ１ 破断片
Ｆ２ 包装部材の一部
Ｆ３ 破断片
１０ シート積層体
Ｐ シート
１１ 天面
１２ 底面
１３ 長側面
１４ 長側面
１５ 短側面
１６ 短側面
２０ 包装部材
２０Ａ 端部
２０Ｂ 端部
２０Ｃ 端縁
２０Ｄ 端縁
２１ 天面
２１Ａ 端縁
２２ 底面
２３ 正面
２３Ａ 端縁
２４ 背面
Ｓ 重畳部
３０ 接着部
４０ 非接着部
４１ 外側部分
４１Ａ 端縁
４１Ｂ 内側部分
ＯＰ 開封部
５０ 開裂用切目線
５１ 切目線
５２ 切目線
５３ 切目線
５４ 切目線
５５ 切目線
Ｍ ミシン目
Ｃ カット
Ｔ タイ
Ｇ 接着部の長さ
Ｎ、Ｎ１、Ｎ２ 非接着部の長さ
Ｗ 接着部の長さと非接着部の長さの合計
Ｆ１ 破断片
Ｆ２ 包装部材の一部
Ｆ３ 破断片
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】