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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123509
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20240905BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240905BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G02F1/1333
G09F9/00 336J
G09F9/00 350Z
G02F1/13357
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030983
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯口 正
(72)【発明者】
【氏名】松田 純哉
【テーマコード(参考)】
2H189
2H391
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA54
2H189AA55
2H189AA64
2H189AA65
2H189AA67
2H189AA70
2H189AA73
2H189AA75
2H391AA15
2H391AB04
2H391AC13
2H391AC23
2H391CA02
2H391CA10
5G435AA01
5G435BB12
5G435EE04
5G435EE05
5G435EE13
5G435EE27
5G435KK02
(57)【要約】
【課題】輝度ムラの発生を抑制する表示装置を提供すること。
【解決手段】表示装置100は、表示パネル1と、導光体2と、第1収容体31と、第2収容体32と、を備える。第1収容体31は、第1部材42を介して表示パネル1の表面1aと対向する前面部312を有する。第2収容体32は、第2接着部材43を介して表示パネル1の裏面に接着される前面部322を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルの裏側に配置される導光体と、
前記表示パネルを収容する第1収容体と、
前記導光体を収容する第2収容体と、を備え、
前記第1収容体は、
前記表示パネルの表面における周縁部の表側に位置し且つ第1部材を介して前記表示パネルの前記表面と対向する第1部位を有し、
前記第2収容体は、
前記表示パネルの裏面における周縁部の裏側に位置し且つ第2接着部材を介して前記表示パネルの前記裏面に接着される第2部位を有し、
前記第2接着部材の厚さは前記第1部材の厚さよりも厚く、且つ、前記第2接着部材の密度は前記第1部材の密度よりも小さい、
表示装置。
【請求項2】
前記第1部材および前記第2接着部材は、前記表示パネルの周縁部に沿って環状に設けられ、且つ、平面視で、前記第1部材と前記第2接着部材とは重なる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2部位の表面には、表側に向けて突出し且つ先端が前記第1部位の裏面に当接する突起が複数設けられ、
前記表示パネルを前記第1収容体および前記第2収容体に組み付ける前の状態で、
前記第1部材の厚さを第1距離とし、
前記表示パネルの厚さを第2距離とし、
前記第2接着部材の厚さを第3距離とし、
前記突起の高さを第4距離とした場合、
前記表示パネルの周縁部の全周において、前記第1距離と前記第2距離と前記第3距離との合計距離は、前記第4距離よりも大きい、
請求項1または2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示パネルの裏側に配置されたバックライト装置からの光を利用して、表示パネルに画像を表示する透過型の表示装置がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-210852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同一の輝度で同一色を全画面に表示する場合には、全画面の均一な表示が求められているが、前面枠(第1収容体)に表示パネルが取り付けられた状態のばらつきにより、全画面のうち部分的な輝度のムラ(以下、本開示では、輝度ムラという)が生じやすくなる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、輝度ムラの発生を抑制する表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルの裏側に配置される導光体と、前記表示パネルを収容する第1収容体と、前記導光体を収容する第2収容体と、を備え、前記第1収容体は、前記表示パネルの表面における周縁部の表側に位置し且つ第1部材を介して前記表示パネルの前記表面と対向する第1部位を有し、前記第2収容体は、前記表示パネルの裏面における周縁部の裏側に位置し且つ第2接着部材を介して前記表示パネルの前記裏面に接着される第2部位を有し、前記第2接着部材の厚さは前記第1部材の厚さよりも厚く、且つ、前記第2接着部材の密度は前記第1部材の密度よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る表示装置の断面図である。
図3図3は、図2の一部を拡大した断面図である。
図4図4は、表示パネルの歪みを測定する歪み測定装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0009】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
図1は、実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。図2は、実施形態に係る表示装置の断面図である。図3は、図2の一部を拡大した断面図である。
【0011】
図1および図2に示すように、本実施形態の表示装置100は、表示パネル1と、導光体2と、第1収容体31と、第2収容体32と、第3収容体33と、LED(光源)35と、第1部材42と、第2接着部材43と、を備える。
【0012】
図1および図2に示すように、表示パネル1は、例えば、液晶パネルが適用可能である。具体的には、液晶パネルとしての表示パネル1は、第1基板11と、第2基板12と、端子13と、を備える。第1基板11は、第2基板12に対してZ1側(表側)に位置する。第1基板11は、第2基板12にZ方向(厚さ方向)で重なる。第1基板11と第2基板12との間には、図示しない液晶層が充填される。第2基板12におけるX1側(側方側)の端部は、第1基板11におけるX1側の端部よりもX1側に張り出しており、この張り出した部分に端子13が設けられる。端子13には、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC、Flexible Printed Circuits)が電気的に接続される。
【0013】
図2に示すように、導光体2は、表示パネル1に対してZ2側(裏側)に位置する。導光体2は、板状の部材であり、例えば、Z方向から見た平面視で矩形形状を有する。導光体2は、例えば、拡散シート23と、レンズシート22と、導光板21と、を有する。拡散シート23のZ2側にはレンズシート22が配置され、レンズシート22のZ2側には導光板21が配置される。導光板21は、接着層24を介して、第3収容体33の底面部332に接着される。以上説明したレンズシート22は、導光板21の表面から放射された光の指向性を高める。拡散シート23は、レンズシート22によって指向性が高められた光を適度に拡散させる。
【0014】
図2に示すように、第1収容体31は、例えば、ベゼル(枠)である。第1収容体31は、例えば、表示パネル1、導光体2、第3収容体33および第2収容体32を収容する。第1収容体31は、側面部311と、前面部(第1部位)312と、を有する。側面部311は、Z方向に延びる。前面部312は、X方向(左右方向)に延びる。前面部312は、側面部311におけるZ1側の端部に位置する屈曲部313からX方向の内側に延びる。即ち、前面部312と側面部311とは、屈曲部313を介して繋がる。側面部311は、表示パネル1、導光体2、第3収容体33および第2収容体32をX方向の外側から覆う。前面部312は、表示パネル1、導光体2、第3収容体33および第2収容体32をZ1側から覆う。前面部(第1部位)312は、表示パネル1の表面1aにおける周縁部のZ1側(表側)に位置し且つ第1部材42を介して表示パネル1の表面1aと対向している。具体的には、第1部材42は、表示パネル1の表面1aと、前面部(第1部位)312との双方に接している。なお、図1に示すように、第1収容体31は、Z方向から見て、環状(矩形状)である。
【0015】
図2に示すように、第2収容体32は、第1収容体31の内側に位置する。第2収容体32は、例えば、導光体2および第3収容体33を収容する。第2収容体32は、側面部321と、前面部(第2部位)322と、を有する。側面部321は、Z方向に延びる。前面部322は、X方向に延びる。前面部322は、側面部321におけるZ1側の端部に位置する屈曲部323からX方向の内側に延びる。即ち、前面部322と側面部321とは、屈曲部323を介して繋がる。前面部322は、表示パネル1に対してZ2側(裏側)に位置する。即ち、前面部322は、表示パネル1と導光体2との間に位置する。また、側面部321は、導光体2および第3収容体33をX方向の外側から覆う。前面部(第2部位)322は、表示パネル1の裏面1bにおける周縁部の裏側に位置し且つ第2接着部材43を介して表示パネル1の裏面1bに接着される。なお、図1に示すように、第2収容体32は、Z方向から見て、環状(矩形状)である。
【0016】
図2に示すように、第3収容体33は、第2収容体32の内側に位置する。第2収容体32は、例えば、導光体2およびLED35を収容する。第3収容体33は、側面部331と、底面部332と、を有する。側面部331は、Z方向に延びる。底面部332は、X方向に延びる。底面部332は、側面部331におけるZ2側の端部に位置する屈曲部333からX方向の内側に延びる。即ち、底面部332と側面部331とは、屈曲部333を介して繋がる。また、側面部331には、取付部材34を介してLED35が取り付けられる。LED35は、導光板21に対してX方向で対向して配置される。LED35は、導光板21の側面から光を入射させる。側面部331におけるZ1側の端部は、接着層36を介して前面部322に接着される。
【0017】
図1および図2に示すように、第2収容体32の前面部322には、Z方向に延びる突起41が設けられる。なお、図1に示すように、突起41は複数設けられる。具体的には、矩形状の前面部322のうちX方向に延びる部分には、突起41がX方向に沿って等間隔に配置され、Y方向(上下方向)に延びる部分には、突起41がY方向に沿って等間隔に配置される。図2および図3に示すように、突起41は、前面部322からZ1側に向けて延び、突起41の先端は前面部312の裏面に当接する。
【0018】
また、図2および図3に示すように、表示パネル1の裏面1bと第2収容体32の前面部322の表面とは、第2接着部材43を介して接着される。第1部材42および第2接着部材43は、弾性体であり、Z方向(厚さ方向)に伸縮可能な部材である。
【0019】
図3に示すように、第1部材42は、両面テーブ421と、クッション材422と、を備える。第2接着部材43は、両面テーブ431と、クッション材432と、両面テーブ433と、を備える。
【0020】
図3に示すように、第1部材42の幅はW1である。第2接着部材43の幅はW2である。幅W2は幅W1よりも大きい。Z方向から見て、第1部材42は第2接着部材43と重なる。具体的には、第1部材42の幅の全部が、第2接着部材43と重なる。換言すると、第2接着部材43におけるX方向内側の端(例えばX1側の端)は、第1部材42におけるX方向内側の端(例えばX1側の端)に対してX方向内側(例えばX1側)に位置し、第2接着部材43におけるX方向外側の端(例えばX2側の端)は、第1部材42におけるX方向外側の端(例えばX2側の端)に対してX方向外側(例えばX2側)に位置する。以下に、各部材の厚さや高さについて詳細に説明する。
【0021】
表示パネル1を第1収容体31および第2収容体32に組み付ける前の状態で、第1部材42の厚さを第1距離H1とし、表示パネル1の厚さを第2距離H2とし、第2接着部材43の厚さを第3距離H3とし、突起41の高さを第4距離H4とする。第3距離H3は、第1距離H1よりも大きい。また、第2接着部材43の密度は、第1部材42の密度よりも小さい。第2接着部材43の密度は、例えば、150kg/mであり、第1部材42の密度は、例えば、400kg/mである。表示パネル1の周縁部の全周において、第1距離H1と第2距離H2と第3距離H3との合計距離H5は、第4距離H4よりも大きい。また、表示パネル1は、所定の歪みを有する。当該歪み量の最大値を最大歪み量H6とし、歪み量の最小値を最小歪み量H7、歪み量の中央値を中間歪み量H8とする。
【0022】
表示パネル1を第1収容体31および第2収容体32に組み付けた後の状態では、第1距離H1と第2距離H2と第3距離H3との合計距離H5は、突起41の高さである第4距離H4と同一である。表示パネル1を第1収容体31および第2収容体32に組み付ける前の状態では、合計距離H5は第4距離H4よりも大きいため、表示パネル1を第1収容体31および第2収容体32に組み付けた後の状態では、第1距離H1、第2距離H2および第3距離H3の少なくともいずれかが、組み付ける前の状態に対して減少する。換言すると、第1部材42、第2接着部材43および表示パネル1の少なくともいずれかが、厚さ方向であるZ方向に圧縮される。ここで、表示パネル1は、第1部材42および第2接着部材43よりも硬度が高い。また、第2接着部材43の厚さは、第1部材42の厚さよりも厚く、第2接着部材43の密度は、第1部材42の密度よりも小さい。従って、本実施形態では、第1部材42、第2接着部材43および表示パネル1のうち、第2接着部材43が圧縮されるものとして、表示パネル1を第1収容体31および第2収容体32に組み付ける前と後における第2接着部材43の厚さの変化の考察を行う。
【0023】
[第2接着部材43の厚さの変化(実施例)]
実施例では、表示パネル1を第1収容体31および第2収容体32に組み付ける前の第2接着部材43の厚さ(第3距離H3)に対して、表示パネル1を第1収容体31および第2収容体32に組み付けた後における第2接着部材43の厚さの割合は、55%以上82%以下が好ましい。この場合、輝度ムラを調べたところ、良品率が98%であった。以下に、実際の数値を基にして詳細に説明する。なお、輝度ムラの測定方法を簡単に説明する。例えば、まず、黒画面の点灯状態で黒輝度の最小値と最大値を測定し、次に、黒輝度の最大値(最も明るいポイントの輝度)を、黒輝度の最小値(最も暗いポイントの輝度)で割り、ムラ値(%)を算出する。
【0024】
(1)表示パネル1を第1収容体31および第2収容体32に組み付ける前の状態における各部材の寸法
第1部材42の厚さである第1距離H1:0.7mm
表示パネル1の厚さである第2距離H2:0.6mm
第2接着部材43の厚さである第3距離H3:1.1mm
突起41の高さ:第4距離H4:2.3mm
表示パネル1の最大歪み量H6:0.4mm
表示パネル1の最小歪み量H7:0.1mm
表示パネル1の中間歪み量H8:0.25mm
【0025】
(2)表示パネル1の歪み量が最大の場合における第2接着部材43の厚さの変化
この場合は、表示パネル1の歪みを加味すると、表示パネル1、第1部材42および第2接着部材43の厚さの合計は、H1+H2+H3+H6=2.8mmとなる。この2.8mmは、突起41の高さである2.3mmよりも0.5mm高い。
【0026】
従って、組み付けた後の第2接着部材43の厚さの割合は、(1.1―0.5)/1.1=0.55となり、表示パネル1を組み付けた後の第2接着部材43の厚さは、組み付ける前の55%に圧縮される。
【0027】
(3)表示パネル1の歪み量が中間値の場合における第2接着部材43の厚さの変化
この場合は、表示パネル1の歪みを加味すると、表示パネル1、第1部材42および第2接着部材43の厚さの合計は、H1+H2+H3+H8=2.65mmとなる。この2.65mmは、突起41の高さである2.3mmよりも0.35mm高い。
【0028】
従って、組み付けた後の第2接着部材43の厚さの割合は、(1.1―0.35)/1.1=0.68となり、表示パネル1を組み付けた後の第2接着部材43の厚さは、組み付ける前の68%に圧縮される。
【0029】
(4)表示パネル1の歪み量が最小の場合における第2接着部材43の厚さの変化
この場合は、表示パネル1の歪みを加味すると、表示パネル1、第1部材42および第2接着部材43の厚さの合計は、H1+H2+H3+H7=2.5mmとなる。この2.5mmは、突起41の高さである2.3mmよりも0.2mm高い。
【0030】
従って、組み付けた後の第2接着部材43の厚さの割合は、(1.1―0.2)/1.1=0.82となり、表示パネル1を組み付けた後の第2接着部材43の厚さは、組み付ける前の82%に圧縮される。
【0031】
[第2接着部材43の厚さの変化(比較例)]
比較例として、第2接着部材43の厚さを0.7mmとして、第2接着部材43の厚さの減少率を算出し、表示パネル1の輝度ムラの発生率を検証したところ、良品率が40%であった。
【0032】
(5)表示パネル1を第1収容体31および第2収容体32に組み付ける前の状態における各部材の寸法
第2接着部材43の厚さである第3距離H3が0.7mmである。これ以外は、実施例と全て同じである。
【0033】
(6)表示パネル1の歪み量が最大の場合における第2接着部材43の厚さの変化
この場合は、表示パネル1の歪みを加味すると、表示パネル1、第1部材42および第2接着部材43の厚さの合計は、H1+H2+H3+H6=2.4mmとなる。この2.4mmは、突起41の高さである2.3mmよりも0.1mm高い。
【0034】
従って、第2接着部材43の厚さの割合=(0.7―0.1)/0.7=0.86となり、表示パネル1を組み付けた後の第2接着部材43の厚さは、組み付ける前の86%に圧縮される。
【0035】
(7)表示パネル1の歪み量が中間値の場合における第2接着部材43の厚さの変化
この場合は、表示パネル1の歪みを加味すると、表示パネル1、第1部材42および第2接着部材43の厚さの合計は、H1+H2+H3+H8=2.25mmとなる。この2.25mmは、突起41の高さである2.3mmよりも0.05mm低い。
【0036】
即ち、表示パネル1を組み付けることにより、第2接着部材43は圧縮されずに、第2接着部材43は厚さ方向(Z方向)に引き伸ばされる。
【0037】
(8)表示パネル1の歪み量が最小の場合における第2接着部材43の厚さの変化
この場合は、表示パネル1の歪みを加味すると、表示パネル1、第1部材42および第2接着部材43の厚さの合計は、H1+H2+H3+H7=2.1mmとなる。この2.1mmは、突起41の高さである2.3mmよりも0.2mm低い。
【0038】
即ち、表示パネル1を組み付けることにより、第2接着部材43は圧縮されずに、第2接着部材43は厚さ方向(Z方向)に引き伸ばされる。
【0039】
[第2接着部材43の厚さの割合である55%以上82%以下の臨界的意義について]
前述した比較例において、表示パネル1の歪み量が最大の場合における第2接着部材43の厚さの変化は、86%である。これにより、第2接着部材43の厚さの変化の最大値である82%は、臨界的意義を有する。
【0040】
また、表示パネル1の歪み量の最大値は、0.4mmであるため、例えば、歪み量を0.5mmとすると輝度ムラが不良となる。最大歪み量H6を0.5mmとすると、この場合は、表示パネル1の歪みを加味すると、表示パネル1、第1部材42および第2接着部材43の厚さの合計は、H1+H2+H3+H6=2.9mmとなる。この2.9mmは、突起41の高さである2.3mmよりも0.6mm低い。従って、第2接着部材43の厚さの割合=(1.1―0.6)/1.1=0.45となり、表示パネル1を組み付けた後の第2接着部材43の厚さは、組み付ける前の45%に圧縮される。即ち、45%は、輝度ムラが不良となる値である。これにより、第2接着部材43の厚さの変化の最小値である55%は、臨界的意義を有する。
【0041】
次に、表示パネルの歪みについて説明する。図4は、表示パネルの歪みを測定する歪み測定装置の模式図である。
【0042】
図4に示す歪み測定器500は、表示パネルの歪みを測定する歪み測定装置の一例である。歪み測定器500は、レーザー発生部510と、検出部520と、処理部530と、を備える。レーザー発生部510は、表示パネル1に向けてレーザー光541を照射する。検出部520は、レーザー光541が入射された表示パネル1からの透過光542の偏光成分を検出する。処理部530は、検出した偏光成分に基づいて歪み位置や歪み量を検出する。このように、歪み測定器500を利用して、表示パネル1の歪み量を求めることができる。
【0043】
以上説明したように、表示装置100は、表示パネル1と、導光体2と、第1収容体31と、第2収容体32と、を備える。第1収容体31は、第1部材42を介して表示パネル1の表面1aと対向する(接する)前面部(第1部位)312を有する。第2収容体32は、第2接着部材43を介して表示パネル1の裏面に接着される前面部(第2部位)322を有する。
【0044】
表示装置100における第2接着部材43の厚さは第1部材42の厚さよりも厚く、且つ、第2接着部材43の密度は第1部材42の密度よりも小さい。従って、表示パネル1の歪みが第2接着部材43によってより吸収されるため、表示パネル1の輝度ムラの発生が抑制される。
【0045】
また、第1部材42および第2接着部材43は、表示パネル1の周縁部に沿って環状に設けられ、且つ、表側から見て、第1部材42と第2接着部材43とは重なる。
【0046】
従って、第1部材42および第2接着部材43が、例えば、表示パネル1の周縁部に沿って、間隔をおいて複数配置される場合と比較すると、表示パネル1全体の歪みがより小さくなるため、表示パネル1の輝度ムラの発生が抑制される。また、表側から見て、第1部材42と第2接着部材43とは重ならない場合と比較すると、表示パネル1全体の歪みがより小さくなるため、これによっても、表示パネル1の輝度ムラの発生が抑制される。
【0047】
前面部(第2部位)322の表面には、突起41が複数設けられる。表示パネル1を第1収容体31および第2収容体32に組み付ける前の状態で、第1部材42の厚さを第1距離H1とし、表示パネル1の厚さを第2距離H2とし、第2接着部材43の厚さを第3距離H3とし、突起41の高さを第4距離H4とした場合、表示パネル1の周縁部の全周において、第1距離H1と第2距離H2と第3距離H3との合計距離は、第4距離H4よりも大きい。
【0048】
このように、第1距離H1と第2距離H2と第3距離H3との合計距離が第4距離H4よりも大きい場合、表示パネル1を第1収容体31および第2収容体32に組み付けた後においては、第1部材42、表示パネル1および第2接着部材43の合計厚みが突起41の高さと同一となる。そして、第1部材42、表示パネル1および第2接着部材43は、突起41の高さまで縮んだ状態であるため、高さ方向(Z方向)に伸びようとする弾性力が作用する。第1部材42および第2接着部材43のうち、密度が小さく且つ厚い第2接着部材43の方が、高さ方向(Z方向)に伸びようとする弾性力が作用する。この第2接着部材43の弾性力によって、表示パネル1を裏側から表側に向けて押圧する。
【0049】
ここで、表示パネル1の周縁部の全周において、第1距離H1と第2距離H2と第3距離H3との合計距離は、第4距離H4よりも大きいため、表示パネル1の周縁部のどの部位においても、表示パネル1を裏側から表側に向けて押圧している。
【0050】
これに対して、表示パネル1の周縁部の全周のうち、第1距離H1と第2距離H2と第3距離H3との合計距離が、第4距離H4よりも小さい部位がある場合、当該部位においては、第1部材42、表示パネル1および第2接着部材43が、高さ方向(Z方向)に縮もうとする弾性力が作用する。この第2接着部材43の弾性力によって、表示パネル1を表側から裏側に向けて引っ張る。つまり、表示パネル1の周縁部は、周方向に沿って、表側から裏側に向けて引っ張る部位と、裏側から表側に向けて押圧する部位とが形成されるため、この場合は、表示パネル1全体の歪みがより大きくなるため、表示パネル1の輝度ムラが発生しやすくなる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0052】
1 表示パネル
1a 表面
1b 裏面
11 第1基板
12 第2基板
13 端子
2 導光体
21 導光板
22 レンズシート
23 拡散シート
24 接着層
31 第1収容体
311 側面部
312 前面部(第1部位)
313 屈曲部
32 第2収容体
321 側面部
322 前面部(第2部位)
323 屈曲部
33 第3収容体
331 側面部
332 底面部
333 屈曲部
34 取付部材
35 LED(光源)
36 接着層
41 突起
42 第1部材
421 両面テーブ
422 クッション材
43 第2接着部材
431 両面テーブ
432 クッション材
433 両面テーブ
100 表示装置
500 歪み測定器
510 レーザー発生部
520 検出部
530 処理部
541 レーザー光
542 透過光
H1 第1距離
H2 第2距離
H3 第3距離
H4 第4距離
図1
図2
図3
図4