IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社TSグループの特許一覧

<>
  • 特開-情報処理装置、及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、及びプログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、及びプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123520
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20240905BHJP
   G09B 19/06 20060101ALI20240905BHJP
   G09B 5/04 20060101ALI20240905BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20240905BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20240905BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G09B19/06
G09B5/04
G10L15/00 200E
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031003
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】512288330
【氏名又は名称】株式会社TSグループ
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】吉松 良平
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028AA10
2C028BA03
2C028BB04
2C028BB07
2C028BC01
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】受験者の能力をより幅広く確認するのが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、試験装置として実現されている。この試験装置は、端末3を通し、第1言語による設問文のディスプレイ4への表示、及び第2言語による設問文のヘッドセット5による音声出力を行わせる。解答としては、ヘッドセット5への音声入力による口述、タッチパネル41への操作、及びカメラ6により動画撮影される動作のうちの何れかを可能とさせる。口述し難い知識、及び口述では確認が困難な技能も、タッチパネル41への操作、或いは動画撮影される動作から、より適切に確認することが可能となる。結果、受験者の能力をより幅広く確認できることとなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第1言語で記憶された試験の設問を表示させる設問表示処理手段と、
前記設問を前記所定の第1言語以外の所定の第2言語で読み上げ出力させる設問読み上げ処理手段と、
前記設問に対する受験者の解答を採点する採点手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記採点手段は、前記受験者が口述した内容を表す音声情報を取得する音声情報取得手段、を有し、
前記採点手段は、前記設問が口述での解答であった場合に、前記音声情報取得手段により取得される前記音声信号を用いて、前記受験者が口述した内容を音声認識して採点する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設問が前記所定の第1言語での前記口述による解答であった場合に、前記採点手段は、前記受験者が前記所定の第1言語で口述した内容を音声認識して採点する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記採点手段は、前記受験者の動作を表す動作情報を取得する動作情報取得手段、を有し、
前記採点手段は、前記設問が前記受験者の動作による解答であった場合に、前記動作情報取得手段により取得される前記動作情報を用いて、前記受験者が行った前記動作を解析して採点する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設問が前記受験者の動作による解答であった場合に、前記採点手段は、前記動作情報により、前記受験者のジェスチャー、及び前記設問表示処理手段により表示装置上に表示される画像に対する操作のうちの少なくとも一方を解析により認識して採点する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記採点手段は、前記設問表示処理手段による前記設問の表示から前記受験者が前記解答を行うまでの経過時間を計時する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設問表示処理手段は、前記設問に対して前記受験者が正しい解答を行ったと前記採点手段が採点することを条件に、次の設問を表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記条件が設定される前記設問と前記次の設問とは、所定の関係が存在するものである、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置に、
所定の第1言語で記憶された試験の設問を表示させ、
前記設問を前記所定の第1言語以外の所定の第2言語で読み上げ出力させ、
前記設問に対する受験者の解答を採点させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
受験者、例えば学習者の口述音声を音声認識し、自動的に採点することが行われている。学習者にとって他国言語で口述音声を発音させ、自動的に採点することも行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6674706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
口述は、人とのコミュニケーションに最も用いられる。人が有している知識の大部分は、口述により確認することができる。しかし、知識であっても、口述するのが困難なものも存在する。また、試験で確認を望む受験者の能力は、知識だけであるとは限らない。例えば技能は、口述では確認するのが困難な能力である。このようなこともあり、受験者の能力は、より幅広く確認できるようにすることも望ましいと考えられる。
【0005】
本発明は、受験者の能力をより幅広く確認するのが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の情報処理装置は、所定の第1言語で記憶された試験の設問を表示させる設問表示処理手段と、設問を所定の第1言語以外の所定の第2言語で読み上げ出力させる設問読み上げ処理手段と、設問に対する受験者の解答を採点する採点手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、受験者の能力をより幅広く確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置による職人技能試験方法の例を説明する図である。
図2】設問の例を説明する図である。
図3】本発明の情報処理装置の一実施形態に係る試験装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の情報処理装置の一実施形態に係る試験装置上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】試験実施採点処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。本発明の技術的範囲には、様々な変形例も含まれる。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置による職人技能試験方法の例を説明する図である。
図1では、情報処理装置1は、試験装置として実現されている。この試験装置は、例えば職人として作業をする作業者を受験者とし、受験者の能力を評価する試験のためのものである。評価する能力は、知識、及び技能である。試験装置は、知識、及び技能の評価を通して、職人として必要なコミュニケーション力を有しているか否かを確認可能にする。以降、情報処理装置1は、「試験装置1」とも表記する。
【0011】
図1は、そのような試験を受験者が行う環境の例を表している。
試験装置1は、ネットワーク2を介して端末3と接続させることが可能である。そのため、ネットワーク2を介して接続された端末3を用いた試験を可能にする。図1では、1台の端末3のみ示しているが、接続させる端末3の台数は特に限定されない。
端末3には、例えば図1に示すように、ディスプレイ4、ヘッドセット5、及びカメラ6が接続される。
【0012】
ディスプレイ4は、タッチパネル41が搭載されたものである。タッチパネル41が搭載されたディスプレイ4を用いることにより、タッチパネル41上に受験者が行った操作(動作)の内容が確認可能となっている。
ヘッドセット5は、ヘッドホン、及びマイクロホンを備えたものである。このようなヘッドセット5を端末3に接続させることにより、音声を含む各種音の出力、及び音声入力が可能となっている。
カメラ6は、動画撮影が可能なものである。受験者を動画撮影するために、ディスプレイ4に設置されている。
【0013】
ディスプレイ4、ヘッドセット5、及びカメラ6を用いることにより、設問、或いは画像の表示、音声出力、音声入力、及び受験者の動画撮影が可能な環境が実現されている。本実施形態では、設問の提示を表示、及び音声出力により行い、その設問への解答を、音声入力(口述)、或いは/及び、動作により行う試験に対応させている。
【0014】
職人として作業をする作業者のコミュニケーションは、多くの場合、言葉を声に出すか、或いは動作により行われる。それらを混ぜて行うことも多い。例えば指等で物等を指すとともに、その説明を声に出して行うようなことも多い。物の一部分のみが対象となるような場合、その一部分を言葉で説明するのは長い時間が必要なことも多いだけでなく、相手に適切に伝わらない可能性も高い。そのため、指等で指すのは、相手に伝えたい内容を適切に、且つ短時間に伝えるために非常に有効な手段であることも多い。ジェスチャーにより、次に行うべき作業を伝えるようなことも多い。
【0015】
このようなことから、本実施形態では、受験者に対し、設問への解答を口述、或いは動作により行わせるようにして、コミュニケーションに必要な能力の有無を確認するようにしている。口述により、必要な知識を有しているか否かを確認することができる。動作により、必要な技能の有無、或いは相手が動作により伝えたい内容を理解する理解力の有無、等を確認することができる。そのため、試験装置1によって行われる試験の受験により、言葉、或いは動作により行われるコミュニケーションに受験者が対応可能な否かを高精度に確認することができる。
【0016】
現在では、職人として働く作業者には、外国籍の人が多くなっている。外国籍の作業者であっても、一般的に、日本語でのコミュニケーション力が求められる。日本語でのコミュニケーション力には、日本語力が必要である。外国籍の作業者は、母国語でのコミュニケーション力を有していると考えることができる。
【0017】
このようなことから、本実施形態では、設問を表示する第1言語と、音声出力する第2言語とを異ならせている。音声入力は、第1言語で行うこととしている。ここでの第1言語は例えば日本語、第2言語は例えばベトナム語である。言い換えれば、第1言語は例えば受験者が働く国の公用語、第2言語は例えば受験者が国籍を有するか、或いは生まれた国等の公用語である。そのように2つの言語を用いることにより、設問により問い合わせる知識、或いは技能を実際に有しているか否かをより高精度に確認できるようにしつつ、日本語でのコミュニケーション力も確認できるようにしている。
【0018】
なお、図1では、試験装置1をネットワーク2に接続させているが、これは、試験装置1が設置されていない場所での複数の受験者の受験を可能にするためである。試験装置1が設置された場所で1人の受験者の受験のみを想定する場合、ディスプレイ4、ヘッドセット5、及びカメラ6を直接的に試験装置1に接続させても良い。それらを接続させつつ、ネットワーク2を介して1台、以上の端末3を接続させても良い。
タブレットPC(Personal Computer)の多くは、タッチパネル、カメラ、スピーカ、及びマイクロホンが搭載されている。このことから、端末3としてタブレットPCを採用し、ディスプレイ4、ヘッドセット5、及びカメラ6を使用しないようにしても良い。
【0019】
図2は、設問の例を説明する図である。図2では、図2(a)~(c)に、設問の代表的な例を示している。
図2(a)は、口述により解答させる設問の例を示している。図2(a)に示す設問例は、画像で示す道具の名称を問うものである。その設問に正解した場合、その道具の使い方の例を問う設問が次に提示される。なお、この道具の名称は、「ディスクグラインダ」である。
【0020】
道具の名称を知らない受験者が、この次の設問に正解するとは考え難い。このことから、本実施形態では、解答に関係性(所定の関係)を有する複数の設問を提示する場合、前に提示した設問に正解するのを条件に、次の設問を提示させるようにしている。そのようにして、正解するのが望めない設問の提示を回避(スキップ)させることにより、各設問による知識、或いは技能の確認精度を維持させつつ、試験をより効率的、且つ効果的に実施できるようになる。
【0021】
図2(a)に示す2つの設問例は、道具の名称→道具の用途、という解答の関係性を有している。解答の関係性としては他に、道具の名称→使い方、道具、或いは場所等の名称→注意事項、道具、或いは場所等の名称→作業手順、等を挙げることができる。解答は、口述により行うものに限定されない。つまり、2つの設問では、解答は、口述→口述、口述→動作、動作→動作、のうちの何れの組み合わせであっても良い。
【0022】
なお、全ての設問に正解するのを求める試験では、直前の設問に正解するのを条件に、次の設問を提示するようにしつつ、正解できなかった設問が確認された時点で、試験を終了させるようにしても良い。そのようにして、試験をより効率的、且つ効果的に実施するようにしても良い。
【0023】
口述は、第1言語で行うのが求められる。第1言語の口述で解答させることにより、受験者の第1言語での知識、及びコミュニケーション力を確認することができる。第2言語での音声出力により設問を提示した場合、第1言語で表示された設問の意味を第2言語(例えば母国語)で受験者に理解させることができる。そのため、受験者にとっては、表示された設問の読み、及び意味を確認しつつ、第1言語での言葉によるコミュニケーション力を示すことができる。
【0024】
図2(b)は、動作により解答させる設問の例を示している。この設問で解答として求める動作は、表示された画面上で該当する部分をなぞる操作である。このような操作を確認できるように、図1では、ディスプレイ4として、タッチパネル41を搭載したものが用いられている。
【0025】
タッチパネル41への操作は、注意すべき箇所、触れてはいけない部分、移動すべき場所、移動の仕方、或いは移動すべきでない場所、等を示すためのものであっても良い。このようなことから、タッチパネル41に対して求める操作、及びその内容は、特に限定されない。タッチパネル41への操作による解答を可能にした場合、言葉では表現し難い知識等を受験者が有しているか否かの確認を高精度に行えるようになる。これは、指等で指すことによる内容伝達のためのコミュニケーション力の確認を高精度に行えることを意味する。
【0026】
図2(c)は、受験者の技能を動作により確認するための設問の例を示している。この設問で解答として求める動作は、刷毛で塗る際の実際の動作をまねる動作(ジェスチャー)である。このような動作による解答を可能にするために、動画撮影が可能なカメラ6が用いられている。
【0027】
このような動作による解答を可能にすることで、受験者が有する技能をより高精度に確認できるようになる。また、相手が動作により求める作業を、受験者が理解できるか否かもより高精度に確認できるようになる。このようなことから、動作による解答を可能にすることは、受験者の技能、及び動作によるコミュニケーション力を確認するうえで特に有効である。
【0028】
なお、受験者に解答として求める動作は、道具の使い方に限定されない。動作は、体重のかけ方、姿勢、移動の仕方、等を確認するためのものであっても良い。道具についても、刷毛に限定されない。道具は、受験者が使うと想定されるものであれば良い。
上記のように、本実施形態で想定する動作には、画面に対して行うものと、画面に対して行わないものと、に大別される。ここでは、以降、前者は「操作動作」、後者は「実動作」とそれぞれ表記して区別する。動作は、それらの総称として用いる。
【0029】
このように、口述だけでなく、動作による解答を可能にすることで、知識だけでなく、技能、及び動作によるコミュニケーション力も試験により確認できるようになる。そのため、口述、或いは筆記により解答をさせる場合と比較し、受験者の能力をより幅広く、且つより高精度に確認できるようになる。
【0030】
以降は、上記試験装置1について、図3図5を参照し、詳細に説明する。
図3は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る試験装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。始めに図3を参照し、試験装置1として使用可能な情報処理装置のハードウェア構成例について具体的に説明する。なお、この構成例は一例であり、試験装置1として使用可能な情報処理装置のハードウェア構成はこれに限定されない。
【0031】
試験装置1は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、バス14、入出力インターフェース15、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20、を備えている。
【0032】
CPU11は、例えばROM12に記録されているプログラム、或いは/及び記憶部18に記録されているプログラムを実行し、各種の処理を実現させる。何れのプログラムも、RAM13にロードされて実行される。記憶部18からRAM13にロードされるプログラムには、例えばOS(Operating System)、及びそのOS上で動作する各種アプリケーション・プログラムが含まれる。各種アプリケーション・プログラムには、情報処理装置を試験装置1として機能させるために開発されたものが1つ以上、含まれる。以降、この開発されたアプリケーション・プログラムは、「開発アプリケーション」と表記する。
【0033】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。そのデータには、CPU11が実行する各種プログラムで用いられるものも含まれる。
【0034】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20が接続されている。
【0035】
出力部16は、例えば液晶等のディスプレイを含む構成である。出力部16は、CPU11の制御により、各種画像、或いは各種画面を表示する。出力部16は、試験装置1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、出力部16は、必須の構成要素ではない。
【0036】
入力部17は、例えばキーボード等の各種ハードウェア釦等を含む構成のものである。その構成には、マウス等のポインティングデバイスが1つ以上、含まれていても良い。操作者は、入力部17を介して各種情報を入力することができる。この入力部17も、試験装置1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、入力部17も、必須の構成要素ではない。なお、操作者には、試験の実施を可能にする管理者が含まれる。
【0037】
記憶部18は、例えばハードディスク装置、或いはSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。データ量の大きいデータは、この記憶部18に記憶される。
通信部19は、例えば通信用の通信装置である。通信部19は、図1に示すように、ネットワーク2を介した端末3との通信を可能にさせる。その端末3は、通信機能が搭載された情報処理装置、例えばPCである。
なお、通信部19は、無線、或いは有線での通信を可能にする通信装置であっても良いが、有線、及び無線の両方での通信を可能にするものであっても良い。
【0038】
ドライブ20は、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリカード等のリムーバブルメディア25が着脱可能な装置である。ドライブ20は、例えば装着されたリムーバブルメディア25からの情報の読み取り、及びリムーバブルメディア25への情報の書き込みが可能である。それにより、リムーバブルメディア25に記録されたプログラムは、ドライブ20を介して、記憶部18に記憶させることができる。また、ドライブ20に装着されたリムーバブルメディア25は、記憶部18に記憶されている各種データのコピー先、或いは移動先として用いることができる。
【0039】
開発アプリケーションは、情報処理装置を試験装置1として機能させることを想定し開発されたものである。この開発アプリケーションは、リムーバブルメディア25に記録させて配布しても良い。ネットワーク2(例えばインターネット)等を介して配布可能にしても良い。このことから、開発アプリケーションを記録した記録媒体としては、ネットワーク2に直接的、若しくは間接的に接続された情報処理装置に搭載、若しくは装着されたものか、或いは外部のアクセス可能な装置に搭載、若しくは装着されたものであっても良い。
【0040】
試験装置1が備えるハードウェア資源は、開発プログラムを含む各種プログラムによって制御される。その結果、情報処理装置は、端末3等との通信を行い、端末3による試験の実施を可能にする試験装置1として機能する。
【0041】
図4は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る試験装置上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。次に図4を参照しつつ、試験装置1上に実現される機能的構成の例について詳細に説明する。
【0042】
試験装置1のCPU11上には、機能的構成として、図4に示すように、試験問題登録部111、試験実施部112、採点部113、及び情報出力処理部114が実現される。そのCPU11は、通信部19を介して、ネットワーク2に接続された端末3等との間でデータの送受信を行うことができる。
【0043】
CPU11上の機能的な構成要素は、開発アプリケーションを含む各種プログラムをCPU11が実行することにより実現される。その結果として、記憶部18には、試験問題情報格納部181、解答情報格納部182、及び採点結果格納部183が情報格納用に確保される。
【0044】
試験問題登録部111は、実施する試験に係わる各種登録を可能にする。ここでは、各種登録は、その登録を行う立場にある管理者が、出力部16に必要な画面を表示させ、入力部17を操作して必要な情報を入力し、リムーバブルメディア25から必要なデータ、或いはファイルをロードさせることにより行うものと想定している。各種登録は、ネットワーク2と接続させた端末により行えるようにしても良い。
【0045】
試験では、出題する設問毎に、例えば設問の識別情報、出題表示用の設問文情報、画像表示用の情報(例えば画像情報が格納された場所を示すURL(Uniform Resource Locator))、音声出力する第2言語を指定する言語種別情報、解答の仕方を指定する解答種別情報、正否を判定するための採点情報、及び設問の提示のために求められる条件を指定する条件情報等が設定される。以降、これらをまとめて「設問情報」と総称する。
【0046】
また、例えば各設問を対象に、1設問当たりの解答時間を指定する解答時間情報、合格レベルを指定する合格レベル情報等が試験管理情報として設定される。全ての設問の設問情報、及び試験管理情報は、試験問題情報として管理される。実施可能な試験が複数、存在する場合、試験問題情報は、試験の識別情報により管理される。このような試験問題情報は、試験問題登録部111により、記憶部18に確保された試験問題情報格納部181に格納される。
試験の識別情報は以降、試験ID(Identification)と表記する。設問の識別情報は、出題する順番も表すものとして、設問番号と表記する。
【0047】
設問情報において、解答種別情報は、設問への解答として、例えば口述、操作動作、及び実動作のうちの1つを指定する。条件情報は、関係性を有するとする設問、及びその設問への解答に求められる結果を指定する。解答に求められる結果が正解であれば、関係性を有するとする設問に正解できなければ、その設問の後に出題され、その設問に関係性を有するとされる設問は提示されない。採点情報は、口述の解答であれば、例えば正解とする文章か、或いは文章ベクトルを表すものである。操作動作の解答であれば、例えば画面上で操作すべき範囲、及び許容誤差等を表すものである。実動作の解答であれば、例えば受験者の着目する部位、部位の形、部位間の位置関係、及び部位の動き等のうちの2つ以上を表すものである。
このような設問情報を設問毎に用意することにより、口述、操作動作、或いは実動作による解答を想定した設問を作成することができ、作成された設問での採点を行うことができる。
【0048】
解答時間情報は、指定された解答時間内で正確な解答がされなかった設問を不正解とする採点を可能にする。合格レベル情報は、不合格と判明した時点での試験の終了を可能にする。仮に合格レベルが満点であった場合、解答が不正解と採点された設問が発生した時点で、試験が終了することになる。
【0049】
試験実施部112は、試験問題情報格納部181に格納された試験問題情報を用いた試験の実施を可能にする。そのために試験実施部112には、機能的構成として、画面生成部1121、音声情報生成部1122、及び解答情報取得部1123を備えている。
画面生成部1121は、少なくとも問題文が配置された画面を生成し、通信部19を介して、生成した画面を端末3に送信させる。設問情報中の画像表示用の情報で指定される画像が存在する場合、生成される画面には、その画像も配置される。それにより、画面生成部1121は、図2(a)~(c)に示すような画面を端末3に表示させる。
【0050】
音声情報生成部1122は、第2言語での音声出力を端末3に可能にさせる。そのために、音声情報生成部1122は、例えば問題文情報が示す問題文を、言語種別情報が指定する第2言語で翻訳し、その翻訳で得られる第2言語の問題文を音声で放音させるための音声情報を生成する。生成した音声情報は、通信部19を介して、端末3に送信させる。それにより、端末3は、ヘッドセット5により、第2言語で問題文を音声出力することができる。なお、問題文を翻訳するのではなく、第2言語の問題文、或いは音声情報を予め用意するようにしても良い。
【0051】
解答種別情報は、設問への解答として、例えば口述、操作動作、及び実動作のうちの1つを指定する。口述による解答では、音声入力によりヘッドセット5から出力される音声情報を処理する必要がある。操作動作による解答では、タッチパネル41に対して受験者がタッチした位置を表す位置情報を処理する必要がある。実動作による解答では、動画撮影によりカメラ6から出力される映像情報を処理する必要がある。これら音声情報、位置情報、及び映像情報は、端末3から試験装置1宛てに送信される。解答情報取得部1123は、端末3から送信される音声情報、位置情報、及び映像情報を解答情報として処理し、記憶部18に確保された解答情報格納部182に格納する。
【0052】
試験実施部112は、例えば音声信号の送信終了後、設問の提示が終了したとして、その旨を例えば設問番号とともに採点部113に通知する。これは、解答時間情報が指定する解答時間内での正確な解答がされたか否かの判定を可能にするためである。条件情報、或いは合格レベル情報の指定による試験の進行を可能にするために、採点部113は、各設問の採点結果を試験実施部112に通知する。それにより、試験実施部112は、設問の採点結果を参照し、次の設問を提示する必要性の有無、次に提示すべき設問の選択等を必要に応じて行う。
【0053】
採点部113は、提示された設問の採点を行う。そのために、採点部113は、機能的構成として、自然言語処理部1131、動作解析部1132、及び正否判定部1133を備えている。
自然言語処理部1131は、解答情報として取得された音声情報を用いた自然言語処理により、その音声情報を文章に変換する。この変換によって生成された文章、或いはその文章から生成された文章ベクトルは、正否判定部1133に渡される。
【0054】
動作解析部1132は、解答情報として取得された位置情報、或いは映像情報を用いた動作解析を行い、その解析結果を正否判定部1133に渡す。
位置情報を用いた動作解析では、例えば受験者がタッチパネル41上で操作を行った範囲、その操作を行った動き等が認識される。
映像情報を用いた動作解析では、例えば採点情報で指定された部位に着目し、部位の形、部位間の位置関係、及び部位の動き等が認識される。
これら認識結果は、動作解析を行った結果として、正否判定部1133に渡される。なお、何れの動作解析も周知の技術が採用されたものであることから、より詳細な説明は省略する。
【0055】
正否判定部1133は、受験者が正解の解答をしたか否かの判定を行う。その判定のために、正否判定部1133は、解答種別情報が指定する解答種別を確認して、採点に用いる情報を選択し、選択した情報、及び採点情報を用いた採点を行う。
【0056】
具体的には、指定された解答種別が口述であった場合、正否判定部1133は、自然言語処理部1131から渡された文章、或いは文章ベクトルを、採点情報が表す文章、或いは文章ベクトルと対比し、口述による解答が正解か否かを判定する。
指定された解答種別が操作動作、或いは実動作であった場合、正否判定部1133は、動作解析部1132から渡された認識結果を、採点情報が表す内容と対比し、操作動作、或いは実動作による解答が正解か否かを判定する。
【0057】
音声情報、位置情報、及び映像情報は、随時、端末3から受信される。そのため、自然言語処理部1131、及び動作解析部1132は、例えば正否判定部1133が正解と判定するか、或いは指定された解答時間が経過するまでの間、処理を継続して行い、その処理結果を正否判定部1133に渡す。
そのようにして、本実施形態では、解答時間が経過するまでの間、解答を繰り返し行うのも可能にさせている。また、解答時間の計時により、設問の出題から正解となる解答が行われるまでの時間も確認するようにしている。その時間は以降「正解解答時間」と表記する。なお、不正解の解答の場合、その解答までの時間は解答時間となる。
【0058】
正解解答時間は、受験者の能力が高いほど、短くなると考えられる。そのため、正解解答時間は、受験者の能力を表す指標と位置づけることができる。このことから、本実施形態では、採点結果から判断することが困難な部分にまで受験者の能力の推定を可能とするために、正解解答時間を計時するようにしている。
正否判定部1133は、例えば設問毎に、設問番号、正解したか否かを表す正否、及び正解解答時間を採点結果として、記憶部18に確保された採点結果格納部183に格納する。
【0059】
この採点結果は、例えば試験ID、及び他の1つ以上の識別情報に対応付けられる。この識別情報の1つとして、受験者の氏名、或いは社員コード等を用いても良い。このような識別情報に対応付けることにより、個人単位での試験結果の推移、正解解答時間の推移等を容易に確認することが可能となる。
【0060】
情報出力処理部114は、採点結果格納部183に格納された採点結果を、閲覧希望者が希望する形態で閲覧するのを可能にする。採点結果の閲覧は、端末3、或いは別の端末により行うことができる。入力部17への操作によっても可能である。
例えば試験IDの指定により、その試験IDが割り当てられた試験を受験した各受験者の結果を閲覧するのを可能にする。氏名、或いは社員コードの指定では、氏名、或いは写真コードで指定される受験者が受験した試験、各試験の結果等を閲覧するのを可能にする。試験結果の閲覧では、例えば指定により、設問毎の実際の解答時間(正解解答時間、或いは解答時間)、試験全体の平均の実際の解答時間が可能となっている。このようなことを含め、情報出力処理部114は、様々な形態で採点結果の閲覧を可能とさせる。
【0061】
図5は、試験実施採点処理の例を示すフローチャートである。この試験実施採点処理は、試験の開始が指示されてから試験が終了するまでの間に行われる処理であり、開発プログラムをCPU11が実行することにより実現される。言い換えれば、この試験実施採点処理の実行により、試験実施部112、及び採点部113がCPU11上に実現される。図5は、条件情報、及び合格レベル情報による指定が何れも無効となっている場合を想定し、フローチャートを示している。ここで図5を参照し、試験実施採点処理について詳細に説明する。処理を実行する主体としてはCPU11を想定する。
【0062】
先ず、ステップS1では、CPU11は、指定された試験の試験問題情報を試験問題情報格納部181から抽出する。続くステップS2では、CPU11は、試験問題情報により出題可能な設問のうちの1つを選択する。この選択は、例えば設問情報中の設問番号を参照して行われるものであり、最初は設問番号が最小となっている設問が選択される。
【0063】
次に移行するステップS3では、CPU11は、対応する設問情報を参照し、表示させるべき画面、及び音声出力のための音声情報を生成し、通信部19を介して端末3に送信させる。その後はステップS4に移行する。
【0064】
ステップS4では、CPU11は、解答時間情報が指定する解答時間が経過したか否か判定する。この解答時間の計時は、例えば生成した音声情報から、音声出力に要する時間を予測し、予測した時間の経過後から開始される。それにより、音声出力の終了を設問の出題の完了として、出題の完了から解答時間が経過した場合、ステップS4の判定はYESとなってステップS9に移行する。解答時間が経過していない場合、ステップS4の判定はNOとなってステップS5に移行する。
【0065】
ステップS5では、CPU11は、解答情報を受信したか否か判定する。音声情報、位置情報、或いは映像情報が新たに受信された場合、ステップS5の判定はYESとなってステップS6に移行する。それらの何れも受信されなかった場合、ステップS5の判定はNOとなって上記ステップS4に戻る。
【0066】
ステップS6では、CPU11は、解答種別情報が指定する解答種別が口述か否か判定する。指定された解答種別が口述であった場合、ステップS6の判定はYESとなってステップS7に移行する。解答種別が口述ではなかった場合、ステップS6の判定はNOとなってステップS8に移行する。
【0067】
ステップS7では、CPU11は、受信された音声情報を用いた自然言語処理を行い、音声情報を文章、或いは文章ベクトルに変換する。その後、ステップS9に移行する。
一方、ステップS8では、CPU11は、指定された解答種別に応じて、受信された位置情報、或いは受信された映像情報を用いた動作解析を行う。その値、ステップS9に移行する。
【0068】
ステップS9では、CPU11は、指定された解答種別に応じて、採点情報を用いた正否判定を採点として行うか、或いは解答時間経過に伴う正否判定を採点として行う。この採点により得られた採点結果の採点結果格納部183への格納、或いは更新も併せて行われる。続くステップS10では、判定結果が正解か、或いは解答時間が経過か否か判定する。正解と判定されるか、或いは解答時間が経過と判定された場合、ステップS10の判定はYESとなってステップS11に移行する。一方、判定結果が不正解であり、且つ解答時間も経過していない場合、ステップS10の判定はNOとなってステップS4に戻る。それにより、解答時間が経過するまでの間、受験者は解答を行うことができる。解答時間経過に伴う正否判定では、不正解と判定され、その判定結果が確定することになる。
【0069】
ステップS11では、CPU11は、出題すべき他の設問があるか否か判定する。出題すべき設問が残っている場合、ステップS11の判定はYESとなって上記ステップS2に戻る。それにより、残っている設問のうちの1つが選択されることになる。一方、出題すべき設問が残っていない場合、ステップS11の判定はNOとなってステップS12に移行する。
【0070】
ステップS12では、CPU11は、採点結果を集計し、この集計結果を採点結果格納部183に格納する。その後、試験実施採点処理が終了する。
【0071】
このように、試験実施採点処理では、指定された解答種別に応じた採点が行われ、解答時間の経過により、設問への解答は不正解とされる。そのため、設問の作成者にとっては、確認を望む能力の確認のための設問を作成するうえでの制限は緩和され、この制限の緩和に伴い、より適切な設問をより容易に作成できるようになる。解答種別を選択可能にすることには、このような利点もある。
【0072】
有効な条件情報は、ステップS2での設問の選択、及びステップS11での判定にそれぞれ考慮される。合格レベル情報により合格レベルが指定されている場合、ステップS9の処理の後に、例えばステップS12の処理による集計を行い、その集計結果により、試験実施採点処理を終了させるか否かの判定を行うようにすれば良い。試験実施採点処理を終了させない場合、その後にステップS11の判定を行うようにすれば良い。
【0073】
本実施形態では、試験実施部112、特に画面生成部1121は、設問表示処理部に相当する。試験実施部112、特に音声情報生成部1122は、設問読み上げ処理手段に相当する。採点部113は、採点手段に相当する。
試験実施部112、特に解答情報取得部1123は、音声情報取得手段、及び動作情報取得手段に相当する。位置情報、及び映像情報はともに、動作情報に相当する。
【0074】
なお、本実施形態では、口述、操作動作、及び実動作のうちの1つを解答種別として選択させるようにしているが、例えば口述と操作動作、口述と実動作をそれぞれ解答種別として選択可能にしても良い。そのようにした場合、指等で指す動作と言葉によるコミュニケーションに必要な能力を受験者が有しているか否かの確認をより高精度に行えるようになる。また、第1言語は、日本語に固定としているが、第2言語と同じく、指定可能としても良い。
【符号の説明】
【0075】
1 情報処理装置(試験装置)、2 ネットワーク、3 端末、4 ディスプレイ、41 タッチパネル、5 ヘッドセット、6 カメラ、11 CPU、18 記憶部、19 通信部、111 試験問題登録部、112 試験実施部、113 採点部、114 情報出力処理部、1121 画面生成部、1122 音声情報生成部、1123 解答情報取得部、1131 自然言語処理部、1132 動作解析部、1133 正否判定部。
図1
図2
図3
図4
図5