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特開2024-12353結晶化ガラス、結晶化ガラス製品及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012353
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】結晶化ガラス、結晶化ガラス製品及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03C 10/04 20060101AFI20240123BHJP
   C03B 32/02 20060101ALI20240123BHJP
   C03C 21/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
C03C10/04
C03B32/02
C03C21/00 101
【審査請求】有
【請求項の数】39
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023181067
(22)【出願日】2023-10-20
(62)【分割の表示】P 2022555678の分割
【原出願日】2022-01-04
(31)【優先権主張番号】202110116889.X
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】512264046
【氏名又は名称】成都光明光▲電▼股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU GUANG MING GUANG DIAN GLASS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.359,Sec.3,Chenglong Avenue,Long quan yi District,Chengdu,Sichuan China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】原 保平
(72)【発明者】
【氏名】李 賽
(72)【発明者】
【氏名】蒋 ▲タオ▼
(72)【発明者】
【氏名】陳 雪梅
(72)【発明者】
【氏名】于 天来
(72)【発明者】
【氏名】粟 勇
(57)【要約】      (修正有)
【課題】優れた機械的特性を有する結晶化ガラス、結晶化ガラス製品および結晶化ガラス製品の製造方法を提供する。
【解決手段】結晶化ガラスであって、組成が質量パーセントでSiO2成分を65~80%、Al2O3成分を5%未満、Li2O成分を10~25%、ZrO2成分を5~15%、P2O5成分を1~8%を含有することを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶化ガラスであって、組成が質量パーセントでSiO2成分を55~78%、Al2O3成分を10%未満、Li2O成分を8~25%、ZrO2成分を5~15%、P2O5成分を1~8%を含有することを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項2】
請求項1に記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントでK2O成分を0~5%、および/またはMgO成分を0~3%、および/またはZnO成分を0~3%、および/またはNa2O成分を0~6%、および/またはSrO成分を0~5%、および/またはBaO成分を0~5%、および/またはCaO成分を0~5%、および/またはTiO2成分を0~5%、および/またはB2O3成分を0~5%、および/またはY2O3成分を0~6%、および/または澄清剤成分を0~2%含有することを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項3】
リチウムシリケート結晶相を含とする結晶化ガラス製品であって、前記とする結晶化ガラス製品の落球試験高さが1400mm以上であるとする結晶化ガラス製品。
【請求項4】
請求項3に記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を55~78%、および/またはAl2O3成分を10%未満、および/またはLi2O成分を8~25%、および/またはZrO2成分を5~15%、および/またはP2O5成分を1~8%、および/またはK2O成分を0~5%、および/またはMgO成分を0~3%、および/またはZnO成分を0~3%、および/またはNa2O成分を0~6%、および/またはSrO成分を0~5%、および/またはBaO成分を0~5%、および/またはCaO成分を0~5%、および/またはTiO2成分を0~5%、および/またはB2O3成分を0~5%、および/またはY2O3成分を0~6%、および/または澄清剤成分を0~2%含有することを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項5】
請求項1~4に記載の結晶化ガラス製品であって、その組成は質量パーセントで表され、次の12の条件のうちの1つまたはそれ以上を満たすことを特徴とする結晶化ガラス製品:
1)Al2O3/(P2O5+ZrO2)は1.2以下、好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.05~0.7、好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.2~0.6である;
2)SiO2/ZrO2は4.0~15.8、好ましくはSiO2/ZrO2は6.0~9.0、好ましくはSiO2/ZrO2は6.5~8.0である;
3)P2O5+ZrO2成分は6~21%、好ましくはP2O5+ZrO2成分は10~16%、好ましくはP2O5+ZrO2成分は11~14%である;
4)SiO2/(P2O5+ZrO2)は2.5~12.0、好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は4.0~6.5、好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は5.0~6.0である;
5)(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.0以上、好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5~20.0、好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は3.0~7.0である;
6)(SiO2+Al2O3)/ZrO2は4.0~16.0、好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は6.0~9.5、好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は6.5~8.5である;
7)(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.19~0.55、好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.45、好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.4である;
8)(MgO+ZnO)/ZrO2は0.65以下、好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.2以下、好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.1以下である;
9)(Li2O+Al2O3)/ZrO2は0.8~5.0、好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.2~3.0、好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.5~2.5である;
10)Li2O/(ZrO2+P2O5)は0.5~3.0、好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.8~1.5、好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.9~1.4である;
11)Al2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.4以下、好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.05~0.25である;
12)Al2O3/Li2Oは0.7以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.5以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.1~0.5以下である。
【請求項6】
請求項1~4に記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を60~70%、および/またはAl2O3成分を0.5~7%、および/またはLi2O成分を10~20%、および/またはZrO2成分を7~12%、および/またはP2O5成分を2~6%、および/またはK2O成分を0~4%、および/またはMgO成分を0~2%、および/またはZnO成分を0~2%、および/またはNa2O成分を0~4%、および/またはSrO成分を0~2%、および/またはBaO成分を0~2%、および/またはCaO成分を0~2%、および/またはTiO2成分を0~2%、および/またはB2O3成分を0~3%、および/またはY2O3成分を0~4%、および/または澄清剤成分を0~1%であることを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項7】
請求項1~4に記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を62~68%、および/またはAl2O3成分を1~7%、および/またはLi2O成分を10~16%、および/またはK2O成分を0~2%、および/またはMgO成分を0~1%、および/またはZnO成分を0~1%、および/またはNa2O成分を0.5~3%、および/またはSrO成分を0~1%、および/またはBaO成分を0~1%、および/またはCaO成分を0~1%、および/またはTiO2成分を0~1%、および/またはB2O3成分を0~1%、および/またはY2O3成分を0~2%、および/または澄清剤成分を0~0.5%であることを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項8】
請求項1~4に記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントでLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~5%であることを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項9】
請求項1~4に記載の結晶化ガラス製品であって、その組成はSrOを含まない、および/またはBaOを含まない、および/またはMgOを含まない、および/またはCaOを含まない、および/またはZnOを含まない、および/またはPbOを含まない、および/またはAs2O3を含まない、および/またはTiO2を含まない、および/またはB2O3を含まない、および/またはY2O3を含まない、および/またはFを含まないことを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項10】
請求項1~4に記載の結晶化ガラス製品であって、前記結晶化ガラス製品の結晶相が、他の結晶相よりも質量パーセントで高いリチウムシリケート結晶相を含み、前記リチウムシリケート結晶相が前記結晶化ガラス製品の10~70%、好ましくは20~55%であることを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項11】
請求項1~4に記載の結晶化ガラス製品であって、結晶化ガラスの結晶相が、他の結晶相よりも質量パーセントが高いリチウムシリケート結晶相を含み、該リチウムシリケート結晶相の結晶化ガラスに占める質量パーセントは30~65%、好ましくは40~55%であることを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項12】
請求項1~4に記載の結晶化ガラス製品であって、結晶化ガラスの結晶相が、他の結晶相よりも質量パーセントが高い二ケイ酸リチウム結晶相を含み、結晶化ガラスの質量パーセントが二ケイ酸リチウム結晶相の10~60%、好ましくは20~45%であることを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項13】
請求項1~4に記載の結晶化ガラス製品であって、結晶化ガラスにペタライト結晶相を含有し、ペタライト結晶相が結晶化ガラスに占める質量パーセントはで18%以下、好ましくは10%以下、好ましくはペタライト結晶相を含まない、であることを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項14】
請求項1~4に記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントで4点曲げ強度が600MPa以上、好ましくは700MPa以上、および/またはイオン交換層の深さが20μm以上、好ましくは40μm以上である;および/または落球式衝撃試験高さが1400mm以上、好ましくは1600mm以上であること;および/または破壊靭性が1 MPa・m1/2以上、好ましくは1.5 MPa・m1/2以上である;および/またはビッカース硬度が730kgf/ mm2以上、好ましくは780kgf/ mm2以上である;および/または誘電率εrが5.4以上、好ましくは6.0以上である;および/または誘電損失tanδが0.05以下、好ましくは0.01以下である;および/または結晶化度が50%以上、好ましくは70%以上である;および/または結晶粒度が80nm以下、好ましくは30nm以下である。および/または厚さ1mm以下の結晶化ガラス製品のヘイズは0.2%以下、好ましくは0.15%以下である;および/または厚さ1mm以下の結晶化ガラスの400~800nmの波長における平均光透過率が87%以上、好ましくは90%以上であることを特徴とする結晶化ガラス;および/または厚さ1mm以下の結晶化ガラスの波長550nmにおける光透過率が88%以上、好ましくは91%以上である;および/または、厚さ1mm以下の結晶化ガラス製品の400~800nmにおける平均光|B|値が0.9以下、好ましくは0.7以下であることを特徴とする結晶化ガラス製品。
【請求項15】
結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を55~78%;Al2O3成分を10%未満;Li2O成分を8~25%;ZrO2成分を5~15%;P2O5成分を1~8%含有することを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項16】
請求項15に記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでK2O成分を0~5%、および/またはMgO成分を0~3%、および/またはZnO成分を0~3%、および/またはNa2O成分を0~6%、および/またはSrO成分を0~5%、および/またはBaO成分を0~5%、および/またはCaO成分を0~5%、および/またはTiO2成分を0~5%、および/またはB2O3成分を0~5%、および/またはY2O3成分を0~6%、および/または澄清剤成分を0~2%含有することを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項17】
組成中にSiO2、Li2O、ZrO2、P2Oを含む結晶化ガラス、前記とする結晶化ガラスの厚さ1mm以下の結晶化ガラスの400~800nmの平均光|B|値が0.9以下であるとする結晶化ガラス。
【請求項18】
請求項17に記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を55~78%;および/またはAl2O3成分を10%未満;および/またはLi2O成分を8~25%;および/またはZrO2成分を5~15%;および/またはP2O5成分を1~8%;および/またはK2O成分を0~5%、および/またはMgO成分を0~3%、および/またはZnO成分を0~3%、および/またはNa2O成分を0~6%、および/またはSrO成分を0~5%、および/またはBaO成分を0~5%、および/またはCaO成分を0~5%、および/またはTiO2成分を0~5%、および/またはB2O3成分を0~5%、および/またはY2O3成分を0~6%、および/または澄清剤成分を0~2%含有することを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項19】
請求項15~18に記載の結晶化ガラスであって、その組成は質量パーセントで表され、次の12の条件のうちの1つまたはそれ以上を満たすことを特徴とする結晶化ガラス:
1)Al2O3/(P2O5+ZrO2)は1.2以下、好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.05~0.7、好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.2~0.6である;
2)SiO2/ZrO2は4.0~15.8、好ましくはSiO2/ZrO2は6.0~9.0、好ましくはSiO2/ZrO2は6.5~8.0である;
3)P2O5+ZrO2成分は6~21%、好ましくはP2O5+ZrO2成分は10~16%、好ましくはP2O5+ZrO2成分は11~14%である;
4)SiO2/(P2O5+ZrO2)は2.5~12.0、好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は4.0~6.5、好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は5.0~6.0である;
5)(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.0以上、好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5~20.0、好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は3.0~7.0である;
6)(SiO2+Al2O3)/ZrO2は4.0~16.0、好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は6.0~9.5、好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は6.5~8.5である;
7)(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.19~0.55、好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.45、好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.4である;
8)(MgO+ZnO)/ZrO2は0.65以下、好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.2以下、好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.1以下である;
9)(Li2O+Al2O3)/ZrO2は0.8~5.0、好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.2~3.0、好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.5~2.5である;
10)Li2O/(ZrO2+P2O5)は0.5~3.0、好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.8~1.5、好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.9~1.4である;
11)Al2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.4以下、好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.05~0.25である;
12)Al2O3/Li2Oは0.7以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.5以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.1~0.5以下である。
【請求項20】
請求項15~18に記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を60~70%、および/またはAl2O3成分を0.5~7%、および/またはLi2O成分を10~20%、および/またはZrO2成分を7~12%、および/またはP2O5成分を2~6%、および/またはK2O成分を0~4%、および/またはMgO成分を0~2%、および/またはZnO成分を0~2%、および/またはNa2O成分を0~4%、および/またはSrO成分を0~2%、および/またはBaO成分を0~2%、および/またはCaO成分を0~2%、および/またはTiO2成分を0~2%、および/またはB2O3成分を0~3%、および/またはY2O3成分を0~4%、および/または澄清剤成分を0~1%含有することを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項21】
請求項15~18に記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を62~68%、および/またはAl2O3成分を1~7%、および/またはLi2O成分を10~16%、および/またはK2O成分を0~2%、および/またはMgO成分を0~1%、および/またはZnO成分を0~1%、および/またはNa2O成分を0.5~3%、および/またはSrO成分を0~1%、および/またはBaO成分を0~1%、および/またはCaO成分を0~1%、および/またはTiO2成分を0~1%、および/またはB2O3成分を0~1%、および/またはY2O3成分を0~2%、および/または澄清剤成分を0~0.5%含有することを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項22】
請求項15~18に記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~5%であることを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項23】
請求項15~18に記載の結晶化ガラスであって、その組成はSrOを含まない、および/またはBaOを含まない、および/またはMgOを含まない、および/またはCaOを含まない、および/またはZnOを含まない、および/またはPbOを含まない、および/またはAs2O3を含まない、および/またはTiO2を含まない、および/またはB2O3を含まない、および/またはY2O3を含まない、および/またはFを含まないことを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項24】
請求項15~18に記載の結晶化ガラスであって、前記結晶化ガラスの結晶相が、他の結晶相よりも質量パーセントが高いリチウムシリケート結晶相を含み、前記リチウムシリケート結晶相が前記結晶化ガラスに占める質量パーセントは10~70%、好ましくは20~55%であることを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項25】
請求項15~18に記載の結晶ガラスであって、前記結晶相が、他の結晶相よりも質量パーセントが高いリチウムシリケート結晶相を含み、前記リチウムシリケート結晶相の前記結晶ガラスに占める質量パーセントは30~65%、好ましくは40~55%であることを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項26】
請求項15~18に記載の結晶化ガラスであって、結晶化ガラスの結晶相が、他の結晶相よりも重量%で高い二ケイ酸リチウム結晶相を含み、結晶化ガラスに占める二ケイ酸リチウム結晶相の質量パーセント質量パーセントは10~60%、好ましくは20~45%であることを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項27】
請求項15~18に記載の結晶化ガラスであって、結晶化ガラスにペタライト結晶相を含有し、ペタライト結晶相が結晶化ガラスに占める質量パーセントはで18%以下、好ましくは10%以下、好ましくはペタライト結晶相を含まない、であることを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項28】
請求項15~18に記載の結晶化ガラスであって、結晶化度が50%以上、好ましくは70%以上、および/または結晶粒度が80nm以下、好ましくは30nm以下である;および/または熱膨張係数が70×10-7/K~90×10-7/Kである;および/または屈折率が1.5520~1.5700である;および/または本体落球高さが1700mm以上、好ましくは2000mm以上であること、および/またはビッカース硬度が630kgf/ mm2以上、好ましくは680kgf/ mm2以上である;および/または比誘電率が5.4以上、好ましくは6.0以上である。および/または誘電損失が0.05以下、好ましくは0.01以下である;および/または表面抵抗が1×109Ω・cm以上、好ましくは1×1011Ω・cm以上である、厚さ1mm以下の結晶化ガラスのヘーズが0.2%以下、好ましくは0.15%以下である;および/または厚さ1mm以下の結晶化ガラスの波長400~800nmの平均光透過率が87%以上、好ましくは90%以上である;および/または厚さ1mm以下の結晶化ガラスの波長550nmにおける光透過率が88%以上、好ましくは91%以上である;および/または厚さ1mm以下の結晶化ガラスの400~800nmの平均光|B|値が0.9以下、好ましくは0.7以下であることを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項29】
請求項1~14のいずれかに記載の結晶化ガラス製品、および/または請求項15~28のいずれかに記載の結晶化ガラスを含むことを特徴とするガラスカバー。
【請求項30】
請求項1~14のいずれかに記載の結晶化ガラス、および/または請求項15~28のいずれかに記載の結晶化ガラスを含むことを特徴とするガラス部品。
【請求項31】
請求項1~14のいずれかに記載の結晶化ガラス製品、および/または請求項15~28のいずれかに記載の結晶化ガラス、および/または請求項29のガラスカバー板、および/または請求項30のガラス部品を含むことを特徴とするディスプレイデバイス。
【請求項32】
請求項1~14のいずれかに記載の結晶化ガラス製品、および/または請求項15~28のいずれかに記載の結晶化ガラス、および/または請求項29のガラスカバー板、および/または請求項30のガラス部品を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項33】
請求項1~14のいずれか1項に記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、ガラス組成物を形成する工法と、前記ガラス組成物を結晶化工法により結晶化ガラス化する工法と、前記結晶化ガラスを化学強化工法により結晶化ガラス化製品を形成する工法とを含むことを特徴とする結晶化ガラス製品の製造方法。
【請求項34】
請求項33に記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、所定の結晶化処理温度まで昇温し、結晶化処理温度に達した後、一定時間保持した後、さらに降温する工法を含み、該結晶化処理温度は580~750℃、好ましくは600~700℃、結晶化処理温度での保持時間が0~8時間、好ましくは1~6時間であることを特徴とする結晶化ガラス製品の製造方法。
【請求項35】
請求項33に記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、核生成工法の処理を第1の温度で行った後、結晶成長工法の処理を核生成工法の温度よりも高い第2の温度で結晶成長工法の処理を行い、第1の温度は470~580℃であり、第2の温度は600~750℃である。第1の温度での保持時間は0~24時間、好ましくは2~15時間、第2の温度での保持時間は0~10時間、好ましくは0.5~6時間であることを特徴とする結晶化ガラス製品の製造方法。
【請求項36】
請求項33に記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、化学強化工法は、ガラス微結晶体を350~470℃の温度で溶融Na塩の塩浴に1~36時間、好ましくは380~460℃の温度範囲、より好ましくは2~24時間浸漬し、および/または、360~450℃の温度で溶融K塩の塩浴に1~36時間、好ましくは2~24時間浸漬し、および/または、360~450℃の溶融K塩とNa塩の混合塩浴に1~36時間、好ましくは2~24時間浸漬することを特徴とする結晶化ガラス製品の製造方法。
【請求項37】
請求項15~28のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、ガラス組成物を形成する工法と、前記ガラス組成物を結晶化工法により結晶化ガラス化する工法とを含むことを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
【請求項38】
請求項37に記載の結晶化ガラスの製造方法であって、所定の結晶化処理温度まで昇温し、結晶化処理温度に達した後、一定時間保持した後、さらに降温する工法を含み、該結晶化処理温度は580~750℃、好ましくは600~700℃、結晶化処理温度での保持時間が0~8時間、好ましくは1~6時間であることを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
【請求項39】
請求項37に記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化工法が、核生成工法の処理を第1の温度で行った後、結晶成長工法の処理を核生成工法の処理温度よりも高い第2の温度で行い、第1の温度は470~580℃であり、第2の温度は600~750℃である。および、結晶成長工法の処理を核生成工法の処理温度よりも高い第2の温度で行う;第1の温度での保持時間は0~24時間、好ましくは2~15時間、第2の温度での保持時間は0~10時間、好ましくは0.5~6時間であることを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶化ガラスに関し、特に優れた機械的特性を有する結晶化ガラス、結晶化ガラス製品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家電製品の台頭・発展に伴い、ガラスは透明で性能の良い材料として、電子機器に多く使用される。LEDおよびLCDディスプレイ、ならびにコンピュータモニタなどのデバイスは、「タッチ」機能を有することにより、そのデバイスに適用されるガラスは、ユーザの指および/またはスタイラスペンデバイスなどの様々なモノと接触しなければならず、そのためには、ガラスは、従来の接触を損傷することなく耐えるのに十分な堅牢性および化学的安定性を有していなければならない。さらに、モバイル電話(携帯電話)、タブレット、パーソナルメディア端末など、携帯用電子製品にも応用できる可能性があり、通常の「タッチ」接触に長時間耐えられるだけでなく、使用において発生可能な偶然の曲がり、キズ、衝撃にも耐えられる必要があり、より高い性能のガラスが求められる。
【0003】
結晶化ガラスとは、ガラスを再加熱して結晶を析出させて作った材料であり、従来のガラスよりも優れた機械的性質を有し、ガラス中に結晶化が形成され、耐曲げ、耐摩耗性、耐落下性等の性質が従来のガラスに比べて格段に優れる。一方、結晶化ガラスは化学強化によって、機械的性能をさらに高めることもできる。以上の利点に基づいて、現在、結晶化ガラスまたはその処理後に得られた結晶化ガラス製品は、耐落下性、耐圧縮性、耐擦傷性などを高く求められるディスプレイデバイスまたは電子機器、特に携帯電子機器(例えば、携帯電話、腕時計、PADなど)の前後カバーに応用されている。
【0004】
科学技術の発展に伴い、電子機器やディスプレイデバイスに使用されるガラス材料の光学性能は、物質が光を吸収、反射、屈折する際に発現する性能であり、光透過率、ヘイズ、屈折率などが要求されるようになってきている。しかし、現在市販されている結晶化ガラスは化学的耐久性が悪く、ヘイズが高く、光透過率が低いなどの問題があり、仕様の高いディスプレイデバイスや電子機器への応用は困難である。
【0005】
そのため、優れた機械的特性を持ち、ディスプレイデバイスや電子機器に適した結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品を開発することが、科学技術者が追及する目標となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、優れた機械的特性を有する結晶化ガラス及び結晶化ガラスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は次のとおりである。
【0008】
(1) 結晶化ガラス製品であって、その組成の質量パーセントでSiO2成分を65~80%;Al2O3成分を5%未満、Li2O成分を10~25%、ZrO2成分を5~15%、P2O5成分を1~8%含有する前記結晶化ガラス。
【0009】
(2) 結晶化ガラス製品であって、その組成の質量パーセントでSiO2成分を55~80%;Al2O3成分を10%未満、Li2O成分を8~25%、ZrO2成分を5~15%、P2O5成分を1~8%含有する前記結晶化ガラス。
【0010】
(3) 前記(1)または(2)記載の結晶化ガラス製品であって、その組成の質量パーセントでK2O成分を0~5%、および/またはMgO成分を0~3%、および/またはZnO成分を0~3%、および/またはNa2O成分を0~6%、および/またはSrO成分を0~5%、および/またはBaO成分を0~5%、および/またはCaO成分を0~5%、および/またはTiO2成分を0~5%、および/またはB2O3成分を0~5%、および/またはY2O3成分を0~6%、および/または清澄剤成分を0~2%含有する前記結晶化ガラス。
【0011】
(4) 結晶化ガラス製品であって、組成にSiO2、Al2O3、Li2O、ZrO2及びP2O5を成分中に含む結晶化ガラスであって、リチウムシリケート結晶相を含み、他の結晶相よりも質量パーセントが高い前記結晶化ガラス。
【0012】
(5) 結晶化ガラス製品であって、組成にSiO2、Li2O、ZrO2及びP2O5を成分中に含む結晶化ガラスであって、厚さ1mm以下の結晶化ガラスの400~800nmにおける平均光|B|値が0.9以下である前記結晶化ガラス。
【0013】
(6) リチウムシリケート結晶相を含有し、落球式衝撃試験高さが1400mm以上である前記結晶化ガラス。
【0014】
(7) 組成にSiO2、Al2O3、Li2O、ZrO2及びP2O5を成分中に含む結晶化ガラスであって、その組成の質量パーセントでAl2O3/(P2O5+ZrO2)成分を1.2以下で含有し、リチウムシリケート結晶相を含有し、落球式衝撃試験高さが1400mm以上である前記結晶化ガラス。
【0015】
(8) 組成にSiO2、Li2O、ZrO2及びP2O5を成分中に含む結晶化ガラスであって、その組成の質量パーセントでSiO2/ZrO2成分を4.0~15.8含有し、リチウムシリケート結晶相を含み、他の結晶相よりも質量パーセントが高い前記結晶化ガラス。
【0016】
(9) 前記(4)~(8)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を55~80%、および/またはLi2O成分を8~25%、および/またはZrO2成分を5~15%、および/またはP2O5成分を1~8%含有する前記結晶化ガラス製品。
【0017】
(10) 結晶化ガラス製品であって、その組成は質量パーセントでSiO2成分を55~80%、Li2O成分を8~25%、ZrO2成分を5~15%、P2O5成分を1~8%含有する前記結晶化ガラス製品。
【0018】
(11) 前記(4)~(10)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントでAl2O3成分を10%未満、および/またはK2O成分を0~5%、および/またはMgO成分を0~3%、および/またはZnO成分を0~3%、および/またはNa2O成分を0~6%、および/またはSrO成分を0~5%、および/またはBaO成分を0~5%、および/またはCaO成分を0~5%、および/またはTiO2成分を0~5%、および/またはB2O3成分を0~5%、および/またはY2O3成分を0~6%、および/または清澄剤を0~2%含有する前記結晶化ガラス。
【0019】
(12) 前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントで次の10の条件のうちの1つまたはそれ以上を満たす前記結晶化ガラス製品。
1)Al2O3/(P2O5+ZrO2)は1.2以下、好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は1.0以下、より好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.05~0.7である。
2)SiO2/ZrO2は4.0~15.8であり、好ましくはSiO2/ZrO2は4.5~12.0、より好ましくはSiO2/ZrO2は5.0~9.5、さらに好ましくはSiO2/ZrO2は6.0~9.0である。
3)P2O5+ZrO2は6~21%、好ましくはP2O5+ZrO2は7~18%、より好ましくはP2O5+ZrO2は8~16%、さらに好ましくはP2O5+ZrO2は10~16%である。
4)SiO2/(P2O5+ZrO2))は2.5~12.0、好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は3.0~10.0、より好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は3.5~7.5、さらに好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は4.0~6.5である。
5)(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.0以上、好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5以上、より好ましくはZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5~30.0である。
6)(SiO2+Al2O3)/ZrO2は4.0~16.0であり、好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は4.5~12.0、より好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は5.0~10.0、さらに好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は6.0~9.5である。
7)(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.19~0.55、好ましくは(Li2O+ZrO2)/ZrO2は0.2~0.5、より好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.45、さらに好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.4である。
8)(MgO+ZnO)/ZrO2は0.65以下、好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.4以下、より好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.2以下、さらに好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.1以下である。
9)(Li2O+Al2O3)/ZrO2は0.8~5.0、好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.0~4.0、より好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.2~3.0、さらに好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.5~2.5である。
10)Li2O/(ZrO2+P2O5)は0.5~3.0、好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.6~2.5、より好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.7~2.0、さらに好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.8~1.5である。
【0020】
(13) 前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントでAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.25以下、より好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.01~0.2、さらに好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.01~0.1、および/またはAl2O3/Li2Oが0.4以下、好ましくはAl2O3/Li2Oが0.3以下、より好ましくは、Al2O3/Li2Oが0.2以下、さらに好ましくは、Al2O3/Li2Oが0.1以下である前記結晶化ガラス製品。
【0021】
(14) 前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を68~78%、好ましくはSiO2成分を70~76%、および/またはAl2O3成分を0.1~4.5%、好ましくはAl2O3成分を0.5~3%、および/またはLi2O成分を12.5~22%、好ましくはLi2O成分を12.5~20%、および/またはZrO2成分を6~12%、好ましくはZrO2成分を7~12%、および/またはP2O5成分を1.5~7%、好ましくはP2O5成分を2~6%、および/またはK2O成分を0~4%、好ましくはK2O成分を0~2%、および/またはMgO成分を0~2%、好ましくはMgO成分を0~1%、および/またはZnO成分を0~2%、好ましくはZnO成分を0~1%、および/またはNa2O成分を0~4%、好ましくはNa2O成分を0.5~3%、および/またはSrO成分を0~2%、好ましくはSrO成分を0~1%、および/またはBaO成分を0~2%、好ましくはBaO成分を0~1%、および/またはCaO成分を0~2%、好ましくはCaO成分を0~1%、および/またはTiO2成分を0~2%、好ましくはTiO2成分を0~1%、および/またはB2O3成分を0~3%、好ましくはB2O3成分を0~2%、および/またはY2O3成分を0~4%、好ましくはY2O3成分を0~2%、および/または澄清剤を0~1%、好ましくは澄清剤を0~0.5%含有する前記結晶化ガラス。
【0022】
(15) 前記(2)、(4)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントでAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.4以下、好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、より好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.25以下、および/またはAl2O3/Li2Oは0.7以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.6以下、より好ましくはAl2O3/Li2Oは0.5以下、さらに好ましくはAl2O3/Li2Oは0.45以下、および/またはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は、0.1~0.6、および/または(ZrO2+Li2O)/Al2O3は3.0~20.0である前記結晶化ガラス。
【0023】
(16) 前記(2)、(4)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、その組成が質量パーセントでSiO2は58~78%、好ましくはSiO2は60~76%、および/またはAl2O3は0.1~8%、好ましくはAl2O3は0.5~7%、および/またはLi2Oは9~22%、好ましくはLi2Oは10~20%、および/またはZrO2は6~12%、好ましくはZrO2は7~12%、および/またはP2O5は1.5~7%、好ましくはP2O5は2~6%、および/またはK2Oは0~4%、好ましくはK2Oは0~2%、および/またはMgOは0~2%、好ましくはMgOは0~1%、および/またはZnOは0~2%、好ましくはZnOは0~1%、および/またはNa2Oは0~4%、好ましくはNa2Oは0.5~3%、および/またはSrOは0~2%、好ましくはSrOは0~1%、および/またはBaOは0~2%、好ましくはBaOは0~1%、および/またはCaOは0~2%、好ましくはCaOは0~1%、および/またはTiO2は0~2%、好ましくはTiO2は0~1%、および/またはB2O3は0~3%、好ましくはB2O3は0~2%、および/またはY2O3は0~4%、好ましくはY2O3は0~2%、および/または澄清剤は0~1%、好ましくは0~0.5%含有する前記結晶化ガラス。
【0024】
(17)前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2は0~5%、好ましくはLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2は0~2%、より好ましくはLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~1%含有する前記結晶化ガラス。
【0025】
(18)前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、組成にはSrOを含有しないおよび/またはBaOを含まない、および/またはMgOを含まない、および/またはCaOを含まない、および/またはZnOを含まない、および/またはPbOを含まない、および/またはAs2O3を含まない、および/またはTiO2を含まない、および/またはB2O3を含まない、および/またはY2O3を含まない、および/またはFを含まない前記結晶化ガラス製品。
【0026】
(19)前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、結晶相がリチウムシリケート結晶相を含み、および/またはリン酸リチウム結晶相、および/またはペタライト結晶相、および/または石英固溶体結晶相を含有する前記結晶化ガラス製品。
【0027】
(20)前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、結晶相がリチウムシリケート結晶相を含む結晶化ガラス製品であって、リチウムシリケート結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高く、リチウムシリケート結晶相の結晶化ガラスに占める質量パーセントは好ましくは10~70%、より好ましくは10~65%、さらに好ましくは15~60%、最も好ましくは20~55%含有する前記結晶化ガラス製品。
【0028】
(21)前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、結晶相がリチウムシリケート結晶相を含む結晶化ガラス製品であって、前記結晶相は、リチウムシリケート結晶相を含み、リチウムシリケート結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高く、好ましくは、結晶化ガラスに占めるリチウムシリケート結晶相の質量パーセントは30~65%、より好ましくは、35~60%、さらに好ましくは、40~55%含有する前記結晶化ガラス製品。
【0029】
(22)(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品、結晶相が二ケイ酸リチウム結晶相を含む結晶化ガラス製品であって、二ケイ酸リチウム結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセント質量パーセントが高く、好ましくは結晶化ガラスに占める二ケイ酸リチウム結晶相の質量パーセント質量パーセントが10~60%、より好ましくは15~50%、さらに好ましくは20~45%含有する前記結晶化ガラス製品。
【0030】
(23)前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、リン酸リチウム結晶相を含有し、該リン酸リチウム結晶相の結晶化ガラスに占める質量パーセントは10%以下、好ましくは5%以下である前記結晶化ガラス製品。
【0031】
(24)前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、石英固溶体結晶相を含有し、結晶化ガラス製品に占める石英固溶体結晶相の質量パーセントは10%以下、好ましくは5%以下である前記結晶化ガラス製品。
【0032】
(25)前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、ペタライト結晶相を含有し、結晶化ガラスに占めるペタライト結晶相の質量パーセントは18%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である前記結晶化ガラス製品。
【0033】
(26) 前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、4点曲げ強度が600MPa以上、好ましくは650MPa以上、より好ましくは700MPa以上であり、および/またはイオン交換層の深さが20μm以上、好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上であり、および/または落球式衝撃試験高さが1400mm以上、好ましくは1500mm以上、より好ましくは1600mm以上であり、および/または破壊靭性が1MPa・m1/2以上、好ましくは1.3MPa・m1/2以上、より好ましくは1.5MPa・m1/2以上であり、および/またはビッカース硬度が730kgf/ mm2以上、好ましくは750kgf/ mm2以上、より好ましくは780kgf/ mm2以上であり、および/または誘電率εrが5.4以上、好ましくは5.8以上、より好ましくは6.0以上であり、および/または誘電損失tanδが0.05以下、好ましくは0.04以下、より好ましくは0.02以下、より好ましくは0.01以下である前記結晶化ガラス製品。
【0034】
(27) 前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、結晶化度が50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。および/または結晶粒度が80nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下である前記結晶化ガラス。
【0035】
(28) 前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、厚さ1mm以下の結晶化ガラス製品のヘイズが0.2%以下、好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下であることを特徴とする結晶化ガラス製品であり、および/または波長400~800nmの平均光透過率が87%以上、好ましくは89%以上、より好ましくは90%以上であり、および/または波長550nmの光透過率が88%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上であり、および/または400~800nmの平均光|B|値が0.9以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下である前記結晶化ガラス製品。
【0036】
(29) 前記(28)記載の結晶化ガラス製品であって、厚さが0.2~1mm、好ましくは0.3~0.9mm、より好ましくは0.5~0.8mm、さらに好ましくは0.55mmまたは0.6mmまたは0.68mmまたは0.7mmまたは0.75mmである前記結晶化ガラス製品
【0037】
(30) 前記(1)~(11)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品であって、着色剤を含有する前記結晶化ガラス。
【0038】
(31) 前記(30)記載の結晶化ガラス製品であって、着色剤は質量パーセントでNiO成分を0~4%、および/またはNi2O3成分を0~4%;および/またはCoO成分を0~2%、および/またはCo2O3成分を0~2%;および/またはFe2O3成分を0~7%;および/またはMnO2成分を0~4%、および/またはEr2O3成分を0~8%;および/またはNd2O3成分を0~8%;および/またはCu2O成分を0~4%、および/またはPr2O3成分を0~8%;および/またはCeO2成分を0~4%含有する前記結晶化ガラス。
【0039】
(32) 前記(30)記載の結晶化ガラス製品であって、着色剤は質量パーセントでNiO成分を0.1~4%、および/またはNi2O3成分を0.1~4%、および/またはCoO成分を0.05~2%、および/またはCo2O3成分を0.05~2%、および/またはFe2O3成分を0.2~7%、および/またはMnO2成分を0.1~4%、および/またはEr2O3成分を0.4~8%、および/またはNd2O3 成分を0.4~8%、および/またはCu2O成分を0.5~4%、および/またはPr2O3成分を0.4~8%、および/またはCeO2 成分を0.5~4%含有する前記結晶化ガラス。
【0040】
(33) 前記(30)記載の結晶化ガラス製品であって、着色剤は質量パーセントでNiO成分を0.1~3%、および/またはNi2O3成分を0.1~3%、および/またはCoO成分を0.05~1.8%、および/またはCo2O3成分を0.05~1.8%、および/またはFe2O3成分を0.2~5%、および/またはMnO2成分を0.1~3%、および/またはEr2O3成分を0.4~6%、および/またはNd2O3成分を0.4~6%、および/またはCu2O成分を0.5~3%、および/またはPr2O3成分を0.4~6%、および/またはCeO2成分を0.5~3%含有する前記結晶化ガラス。
【0041】
(34) 前記(30)記載の結晶化ガラス製品であって、着色剤は質量パーセントでNiO成分を0.1~3%、および/またはNi2O3成分を0.1~3%含有する前記結晶化ガラス。
【0042】
(35) 前記(30)記載の結晶化ガラス製品であって、着色剤は質量パーセントでCoO成分を0.05~1.8%、および/またはCo2O3成分を0.05~1.8%含有する前記結晶化ガラス。
【0043】
(36) 前記(30)記載の結晶化ガラス製品であって、着色剤は質量パーセントでCu2O成分を0.5~3%、および/またはCeO2成分を0.5~3%含有する前記結晶化ガラス。
【0044】
(37) 前記(30)記載の結晶化ガラス製品であって、着色剤は質量パーセントでFe2O3成分を0.2~5%、CoO成分を0.05~0.3%、またはFe2O3成分を0.2~5%、Co2O3成分を0.05~0.3%、またはFe2O3成分を0.2~5%、CoO成分を0.05~0.3%、NiO成分を0.1~1%、またはFe2O3成分を0.2~5%、Co2O3成分を0.05~0.3%、NiO成分を0.1~1%含有する前記結晶化ガラス。
【0045】
(38) 前記(30)記載の結晶化ガラス製品であって、着色剤は質量パーセントでPr2O3成分を0.4~6%、またはFe2O3成分を0.2~5%、またはMnO2成分を0.1~3%、またはEr2O3成分を0.4~6%、またはNd2O3成分を0.4~6%含有する前記結晶化ガラス。
【0046】
(39) 前記(30)記載の結晶化ガラス製品であって、着色剤は質量パーセントでEr2O3成分を0.4~6%、Nd2O3成分を0.4~4%、MnO2成分を0.1~2%含有する前記結晶化ガラス。
【0047】
(40) 結晶化ガラスであって、その組成は質量パーセントでSiO2成分を65~80%;Al2O3成分を5%未満、Li2O成分を10~25%、ZrO2成分を5~15%、P2O5成分を1~8%含有する前記結晶化ガラス。
【0048】
(41) 結晶化ガラスであって、その組成は質量パーセントでSiO2成分を55~80%;Al2O3成分を10%未満、Li2O成分を8~25%、ZrO2成分を5~15%、P2O5成分を1~8%含有する前記結晶化ガラス。
【0049】
(42)前記(40)または(41)記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでK2O成分を0~5%、および/またはMgO成分を0~3%、および/またはZnO成分を0~3%、および/またはNa2O成分を0~6%、および/またはSrO成分を0~5%、および/またはBaO成分を0~5%、および/またはCaO成分を0~5%、および/またはTiO2成分を0~5%、および/またはB2O3成分を0~5%、および/またはY2O3成分を0~6%、および/または澄清剤成分を0~2%を含有する前記結晶化ガラス。
【0050】
(43) SiO2、Al2O3、Li2O、ZrO2およびP2O5を成分中に含有する結晶化ガラスであって、リチウムシリケート結晶相を含み、他の結晶相よりも質量パーセントが高いが高い前記結晶化ガラス。
【0051】
(44)SiO2、Al2O3、Li2O、ZrO2およびP2O5を成分中に含有する結晶化ガラスであって、厚さ1mm以下の結晶化ガラスであって、400~800nmの平均光|B|値が0.9以下である前記結晶化ガラス。
【0052】
(45)リチウムシリケート結晶相を含有する結晶化ガラスであって、該結晶化ガラスの落球高さが1700mm以上である前記結晶化ガラス。
【0053】
(46) その組成にSiO2、Al2O3、Li2O、ZrO2およびP2O5を含有する結晶化ガラスであって、Al2O3/(P2O5+ZrO2)が質量パーセントで1.2以下、リチウムシリケート結晶相を含有し、ガラス体の落球高さが1700mm以上である前記結晶化ガラス。
【0054】
(47) その組成にSiO2、Li2O、ZrO2およびP2O5を含有する結晶化ガラスであって、SiO2/ZrO2が質量パーセントで4.0~15.8、リチウムシリケート結晶相を含み、他の結晶相よりも質量パーセントが高い前記結晶化ガラス。
【0055】
(48)(43)~(47)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を55~80%、および/またはLi2O成分を8~25%、および/またはZrO2成分を5~15%、および/またはP2O5成分を1~8%含有することを特徴とする前記結晶化ガラス。
【0056】
(49) リチウムシリケート結晶相を含有する結晶化ガラスであって、その組成は質量パーセントでSiO2成分を55~80%を含有する、Li2O成分を8~25%、ZrO2成分を5~15%、P2O5成分を1~8%を含有する前記結晶化ガラス。
【0057】
(50)(43)~(49)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでAl2O3成分を10%未満、および/またはK2O成分を0~5%、および/またはMgO成分を0~3%、および/またはZnO成分を0~3%、および/またはNa2O成分を0~6%、および/またはSrO成分を0~5%、および/またはBaO成分を0~5%、および/またはCaO成分を0~5%、および/またはTiO2成分を0~5%、および/またはB2O3成分を0~5%、および/またはY2O3成分を0~6%、および/または澄清剤成分を0~2%を含有する前記結晶化ガラス。
【0058】
(51) (40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントで次の10の条件のうちの1つまたはそれ以上を満たす前記結晶化ガラス。
1)Al2O3/(P2O5+ZrO2)は1.2以下、好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は1.0以下、より好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.05~0.7である。
2)SiO2/ZrO2は4.0~15.8、好ましくはSiO2/ZrO2は4.5~12.0、より好ましくはSiO2/ZrO2は5.0~9.5、さらに好ましくはSiO2/ZrO2は6.0~9.0である。
3)P2O5+ZrO2は6~21%、好ましくはP2O5+ZrO2は7~18%、より好ましくはP2O5+ZrO2は8~16%、さらに好ましくはP2O5+ZrO2は10~16%である。
4)SiO2/(P2O5+ZrO2))は2.5~12.0、好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は3.0~10.0、より好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は3.5~7.5、さらに好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は4.0~6.5である。
5)(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.0以上、好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5以上、より好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5~30.0である。
6)SiO2+Al2O3)/ZrO2は4.0~16.0、好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は4.5~12.0、より好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は5.0~10.0、さらに好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は6.0~9.5である。
7)(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.19~0.55、好ましくは((Li2O+ZrO2)/SiO2は0.2~0.5、より好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.45、さらに好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.4である。
8)(MgO+ZnO)/ZrO2は0.65以下、好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.4以下、より好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.2以下、さらに好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.1以下である。
9)(Li2O+Al2O3)/ZrO2は0.8~5.0、好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.0~4.0、より好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.2~3.0、さらに好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.5~2.5である。
10)Li2O/(ZrO2+P2O5)は0.5~3.0、好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.6~2.5、より好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.7~2.0、さらに好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.8~1.5である。
【0059】
(52) (40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.25以下、より好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.01~0.2、さらに好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.01~0.1、および/またはAl2O3/Li2Oは0.4以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.3以下、より好ましくはAl2O3/Li2Oは0.2以下、さらに好ましくはAl2O3/Li2Oは0.1以下である前記結晶化ガラス。
【0060】
(53) (40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を68~78%、好ましくはSiO2成分を70~76%、および/またはAl2O3成分を0.1~4.5%、好ましくはAl2O3成分を0.5~3%、および/またはLi2O成分を12.5~22%、好ましくはLi2O成分を12.5~20%、および/またはZrO2成分を6~12%、好ましくはZrO2成分を7~12%、および/またはP2O5成分を1.5~7%、好ましくはP2O5成分を2~6%、および/またはK2O成分を0~4%、好ましくはK2O成分を0~2%、および/またはMgO成分を0~2%、好ましくはMgO成分を0~1%、および/またはZnO成分を0~2%、好ましくはZnO成分を0~1%、および/またはNa2O成分を0~4%、好ましくはNa2O成分を0.5~3%、および/またはSrO成分を0~2%、好ましくはSrO成分を0~1%、および/またはBaO成分を0~2%、好ましくはBaO成分を0~1%、および/またはCaO成分を0~2%、好ましくはCaO成分を0~1%、および/またはTiO2成分を0~2%、好ましくはTiO2成分を0~1%、および/またはB2O3成分を0~3%、好ましくはB2O3成分を0~2%、および/またはY2O3成分を0~4%、好ましくはY2O3成分を0~2%、および/または澄清剤成分を0~1%、好ましくは澄清剤成分を0~0.5%含有する前記結晶化ガラス。
【0061】
(54) (41)、(43)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.4以下、好ましくははAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、より好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.25以下、および/またはAl2O3/Li2Oは0.7以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.6以下、より好ましくはAl2O3/Li2Oは0.5以下、さらに好ましくはAl2O3/Li2Oは0.45以下、および/またはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.1~0.6、および/または(ZrO2+Li2O)/Al2O3は3.0~20.0である前記結晶化ガラス。
【0062】
(55) (41)、(43)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を58~78%、好ましくはSiO2成分を60~76%、および/またはAl2O3成分を0.1~8%、好ましくはAl2O3成分を0.5~7%、および/またはLi2O成分を9~22%、好ましくはLi2O成分を10~20%、および/またはZrO2成分を6~12%、好ましくはZrO2成分を7~12%、および/またはP2O5成分を1.5~7%、好ましくはP2O5成分を2~6%、および/またはK2O成分を0~4%、好ましくはK2O成分を0~2%、および/またはMgO成分を0~2%、好ましくはMgO成分を0~1%、および/またはZnO成分を0~2%、好ましくはZnO成分を0~1%、および/またはNa2O成分を0~4%、好ましくはNa2O成分を0.5~3%、および/またはSrO成分を0~2%、好ましくはSrO成分を0~1%、および/またはBaO成分を0~2%、好ましくはBaO成分を0~1%、および/またはCaO成分を0~2%、好ましくはCaO成分を0~1%、および/またはTiO2成分を0~2%、好ましくはTiO2成分を0~1%、および/またはB2O3成分を0~3%、好ましくはB2O3成分を0~2%、および/またはY2O3成分を0~4%、好ましくはY2O3成分を0~2%、および/または澄清剤成分を0~1%、好ましくは澄清剤成分を0~0.5%含有する前記結晶化ガラス。
【0063】
(56)(40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、その組成が質量パーセントでLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~5%、好ましくはLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~2%、より好ましくはLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~1%含有する前記結晶化ガラス。
【0064】
(57)(40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、組成にはSrOを含まない、および/またはBaOを含まない、および/またはMgOを含まない、および/またはCaOを含まない、および/またはZnOを含まない、および/またはPbOを含まない、および/またはAs2O3を含まない、および/またはTiO2を含まない、および/またはB2O3を含まない、および/またはY2O3を含まない、および/またはFを含まない前記結晶化ガラス。
【0065】
(58)(40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、結晶相がリチウムシリケート結晶相を含み、および/またはリン酸リチウム結晶相、および/またはペタライト結晶相、および/または石英固溶体結晶相を含有する前記結晶化ガラス。
【0066】
(59)(40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、結晶相がリチウムシリケート結晶相を含み、リチウムシリケート結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高く、結晶化ガラスに占めるリチウムシリケート結晶相の質量パーセントは好ましくは10~70%、より好ましくは10~65%、さらに好ましくは15~60%、最も好ましくは20~55%である前記結晶化ガラス。
【0067】
(60)(40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、結晶相がリチウムシリケート結晶相を含む結晶化ガラスであって、リチウムシリケート結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高く、結晶化ガラスに占めるリチウムシリケート結晶相の質量パーセントは好ましくは30~65%、より好ましくは35~60%、さらに好ましくは40~55%である前記結晶化ガラス。
【0068】
(61)(40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、結晶相が二ケイ酸リチウム結晶相を含み、二ケイ酸リチウム結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高く、結晶化ガラスに占める二ケイ酸リチウム結晶相の質量パーセントは好ましくは10~60%、より好ましくは15~50%、さらに好ましくは20~45%である前記結晶化ガラス。
【0069】
(62)(40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、該結晶化ガラスはリン酸リチウム結晶相を含み、該リン酸リチウム結晶相の結晶化ガラスに占める質量パーセントは10%以下、好ましくは5%以下である前記結晶化ガラス。
【0070】
(63)(40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、該結晶化ガラスは石英固溶体結晶相を含み、結晶化ガラスに占める石英固溶体結晶相の質量パーセントは10%以下、好ましくは5%以下である前記結晶化ガラス。
【0071】
(64)(40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、該結晶化ガラスはペタライト結晶相を含み、結晶化ガラスに占めるペタライト結晶相の質量パーセントは18%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である前記結晶化ガラス。
【0072】
(65) (40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、結晶化度が50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、および/または結晶粒度が80nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下、および/または熱膨張係数が70×10-7/K~90×10-7/K 、および/または屈折率が1.5520~1.5700である前記結晶化ガラス。
【0073】
(66) (40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、本体落下高さが1700mm以上、好ましくは1900mm以上、より好ましくは2000mm以上、および/またはビッカース硬度が630kgf/ mm2以上、好ましくは650kgf/ mm2以上、より好ましくは680kgf/ mm2以上であり、および/または比誘電率が5.4以上、好ましくは5.8以上、より好ましくは6.0以上であり、および/または誘電損失が0.05以下、好ましくは0.04以下、より好ましくは0.03以下、より好ましくは0.01以下、および/または表面抵抗が1×109Ω・cm以上、好ましくは1×1010Ω・cm 以上、より好ましくは1×1011Ω・cm 以上である前記結晶化ガラス。
【0074】
(67) (40)~(50)のいずれかに記載のガラス結晶化ガラスであって、厚さ1mm以下のガラス結晶化ガラスのヘーズが0.2%以下、好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下、および/または波長400~800nmの平均光透過率が87%以上、好ましくは89%以上、より好ましくは90%以上、および/または波長550nmの光透過率が88%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上、および/または400~800nmの平均光|B|値が0.9以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下である前記結晶化ガラス。
【0075】
(68) (67)記載の結晶化ガラスであって、前記結晶化ガラスの厚みは0.2~1mm、好ましくは0.3~0.9mm、より好ましくは0.5~0.8mm、さらに好ましくは0.55mmまたは0.6mmまたは0.68mmまたは0.7mmまたは0.75mmである前記結晶化ガラス。
【0076】
(69) (40)~(50)のいずれかに記載の結晶化ガラスであって、着色剤を含有する前記結晶化ガラス。
【0077】
(70) (69)記載の結晶化ガラスであって、着色剤は質量パーセントでNiO成分を0~4%、および/またはNi2O3成分を0~4%、および/またはCoO成分を0~2%、および/またはCo2O3成分を0~2%、および/またはFe2O3成分を0~7%、および/またはMnO2成分を0~4%、および/またはEr2O3成分を0~8%、および/またはNd2O3 成分を0~8%、および/またはCu2O成分を0~4%、および/またはPr2O3成分を0~8%、および/またはCeO2 成分を0~4%含有する前記結晶化ガラス。
【0078】
(71) (69)記載の結晶化ガラスであって、着色剤は質量パーセントでNiO成分を0.1~4%、および/またはNi2O3成分を0.1~4%、および/またはCoO成分を0.05~2%、および/またはCo2O3成分を0.05~2%、および/またはFe2O3成分を0.2~7%、および/またはMnO2成分を0.1~4%、および/またはEr2O3成分を0.4~8%、および/またはNd2O3 成分を0.4~8%、および/またはCu2O成分を0.5~4%、および/またはPr2O3成分を0.4~8%、および/またはCeO2 成分を0.5~4%含有する前記結晶化ガラス。
【0079】
(72) (69)記載の結晶化ガラスであって、着色剤は質量パーセントでNiO成分を0.1~3%、および/またはNi2O3成分を0.1~3%、および/またはCoO成分を0.05~1.8%、および/またはCo2O3成分を0.05~1.8%、および/またはFe2O3成分を0.2~5%、および/またはMnO2成分を0.1~3%、および/またはEr2O3成分を0.4~6%、および/またはNd2O3成分を0.4~6%、および/またはCu2O成分を0.5~3%、および/またはPr2O3成分を0.4~6%、および/またはCeO2成分を0.5~3%含有する前記結晶化ガラス。
【0080】
(73) (69)記載の結晶化ガラスであって、着色剤は質量パーセントでNiO成分を0.1~3%、および/またはNi2O3成分を0.1~3%含有する。
【0081】
(74) (69)記載の結晶化ガラスであって、着色剤は質量パーセントでCoO成分を0.05~1.8%、および/またはCo2O3成分を0.05~1.8%含有する。
【0082】
(75) (69)記載の結晶化ガラスであって、着色剤は質量パーセントでCu2O成分を0.5~3%、および/またはCeO2成分を0.5~3%含有する。
【0083】
(76) (69)記載の結晶化ガラスであって、着色剤は、Fe2O3成分を0.2~5%、CoO成分を0.05~0.3%、またはFe2O3成分を0.2~5%、Co2O3成分を0.05~0.3%、またはFe2O3成分を0.2~5%、CoO成分を0.05~0.3%、NiO成分を0.1~1%、またはFe2O3成分を0.2~5%、Co2O3成分を0.05~0.3%、NiO成分を0.1~1%含有する。
【0084】
(77) (69)記載の結晶化ガラスであって、着色剤は質量パーセントでPr2O3成分を0.4~6%、またはFe2O3成分を0.2~5%、またはMnO2成分を0.1~3%、またはEr2O3成分を0.4~6%、またはNd2O3成分を0.4~6%含有する。
【0085】
(78) (69)記載の結晶化ガラスであって、着色剤は質量パーセントでEr2O3成分を0.4~6%、Nd2O3成分を0.4~4%、MnO2成分を0.1~2%含有する。
【0086】
(79) ガラス組成物であって、その組成を質量パーセントで表し、SiO2成分を65~80%を含有し、Al2O3成分を5%未満、Li2O成分を10~25%、ZrO2成分を5~15%;P2O5成分を1~8%含有する。
【0087】
(80) ガラス組成物であって、その組成を質量パーセントで表し、SiO2成分を55~80%、Al2O3成分を10%未満、Li2O成分を8~25%、ZrO2成分を5~15%、P2O5成分を1~8%含有する。
【0088】
(81) ガラス組成物であって、その組成にはSiO2、Al2O3、Li2O、ZrO2およびP2O5を成分中に含有し、その組成を質量パーセントで表し、Al2O3/(P2O5+ZrO2)は1.2以下、熱膨張係数が65×10-7/K~79×10-7/Kであることを特徴とする。
【0089】
(82) ガラス組成物であって、その組成にはSiO2、Li2O、ZrO2およびP2O5を成分中に含有し、その組成を質量パーセントで表し、SiO2/ZrO2は4.0~15.8を含有することを特徴とする。
【0090】
(83) (81)または(82)記載のガラス組成物であって、その組成は質量パーセントでSiO2成分を55~80%、および/またはAl2O3成分を10%未満、および/またはLi2O成分を8~25%、および/またはZrO2成分を5~15%、および/またはP2O5成分を1~8%含有する。
【0091】
(84) (79)~(83)のいずれかに記載のガラス組成物であって、その組成は質量パーセントでK2O成分を0~5%、および/またはMgO成分を0~3%、および/またはZnO成分を0~3%、および/またはNa2O成分を0~6%、および/またはSrO成分を0~5%、および/またはBaO成分を0~5%、および/またはCaO成分を0~5%、および/またはTiO2成分を0~5%、および/またはB2O3成分を0~5%、および/またはY2O3成分を0~6%、および/または澄清剤成分を0~2%含有する。
【0092】
(85) (79)~(83)のいずれかに記載のガラス組成物であって、その組成が質量パーセントで次の10の条件のうちの1つまたはそれ以上を満たす。
1) Al2O3/(P2O5+ZrO2)は1.2以下、好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は1.0以下、より好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.05~0.7である。
2) SiO2/ZrO2は4.0~15.8、好ましくはSiO2/ZrO2は4.5~12.0、より好ましくはSiO2/ZrO2は5.0~9.5、さらに好ましくはSiO2/ZrO2は6.0~9.0である。
3) P2O5+ZrO2は6~21%、好ましくはP2O5+ZrO2は7~18%、より好ましくはP2O5+ZrO2は8~16%、さらに好ましくはP2O5+ZrO2は10~16%である。
4) SiO2/(P2O5+ZrO2))が2.5~12.0、好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)が3.0~10.0、より好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)が3.5~7.5、さらに好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)が4.0~6.5である。
5) (ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.0以上、好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5以上、より好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5~30.0である。
6) (SiO2+Al2O3)/ZrO2が4.0~16.0、好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2が4.5~12.0、より好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は5.0~10.0、さらに好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は6.0~9.5である。
7) (Li2O+ZrO2)/SiO2は0.19~0.55、好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.2~0.5、より好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.45、さらに好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.4である。
8) (MgO+ZnO)/ZrO2は0.65以下、好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.4以下、より好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.2以下、さらに好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.1以下である。
9) (Li2O+Al2O3)/ZrO2は0.8~5.0、好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.0~4.0、より好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.2~3.0、さらに好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.5~2.5である。
10) Li2O/(ZrO2+P2O5)は0.5~3.0、好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.6~2.5、より好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.7~2.0、さらに好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.8~1.5である。
【0093】
(86) (79)~(83)のいずれかに記載のガラス組成物であって、その組成は質量パーセントでAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、好ましくははAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.25以下、より好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.01~0.2、さらに好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.01~0.1、および/またはAl2O3/Li2Oは0.4以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.3以下、より好ましくはAl2O3/Li2Oは0.2以下、さらに好ましくはAl2O3/Li2Oは0.1以下を含有する。
【0094】
(87) (79)~(83)のいずれかに記載のガラス組成物であって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を68~78%、好ましくはSiO2成分を70~76%、および/またはAl2O3成分を0.1~4.5%、好ましくはAl2O3成分を0.5~3%、および/またはLi2O成分を12.5~22%、好ましくはLi2O成分を12.5~20%、および/またはZrO2成分を6~12%、好ましくはZrO2成分を7~12%、および/またはP2O5成分を1.5~7%、好ましくはP2O5成分を2~6%、および/またはK2O成分を0~4%、好ましくはK2O成分を0~2%、および/またはMgO成分を0~2%、好ましくはMgO成分を0~1%、および/またはZnO成分を0~2%、好ましくはZnO成分を0~1%、および/またはNa2O成分を0~4%、好ましくはNa2O成分を0.5~3%、および/またはSrO成分を0~2%、好ましくはSrO成分を0~1%、および/またはBaO成分を0~2%、好ましくはBaO成分を0~1%、および/またはCaO成分を0~2%、好ましくはCaO成分を0~1%、および/またはTiO2成分を0~2%、好ましくはTiO2成分を0~1%、および/またはB2O3成分を0~3%、好ましくはB2O3成分を0~2%、および/またはY2O3成分を0~4%、好ましくはY2O3成分を0~2%、および/または澄清剤成分を0~1%、好ましくは澄清剤成分を0~0.5%を含有する。
【0095】
(88) (80)~(83)のいずれかに記載のガラス組成物であって、その組成が質量パーセントでAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.4以下、好ましくははAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、より好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.25以下、および/またはAl2O3/Li2Oは0.7以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.6以下、より好ましくはAl2O3/Li2Oは0.5以下、さらに好ましくはAl2O3/Li2Oは0.45以下、および/またはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.1~0.6、および/または(ZrO2+Li2O)/Al2O3は3.0~20.0を含有する。
【0096】
(89) (80)~(83)のいずれかに記載のガラス組成物であって、その組成が質量パーセントでSiO2成分を58~78%、好ましくはSiO2成分を60~76%、および/またはAl2O3成分を0.1~8%、好ましくはAl2O3成分を0.5~7%、および/またはLi2O成分を9~22%、好ましくはLi2O成分を10~20%、および/またはZrO2成分を6~12%、好ましくはZrO2成分を7~12%、および/またはP2O5成分を1.5~7%、好ましくはP2O5成分を2~6%、および/またはK2O成分を0~4%、好ましくはK2O成分を0~2%、および/またはMgO成分を0~2%、好ましくはMgO成分を0~1%、および/またはZnO成分を0~2%、好ましくはZnO成分を0~1%、および/またはNa2O成分を0~4%、好ましくはNa2O成分を0.5~3%、および/またはSrO成分を0~2%、好ましくはSrO成分を0~1%、および/またはBaO成分を0~2%、好ましくはBaO成分を0~1%、および/またはCaO成分を0~2%、好ましくはCaO成分を0~1%、および/またはTiO2成分を0~2%、好ましくはTiO2成分を0~1%、および/またはB2O3成分を0~3%、好ましくはB2O3成分を0~2%、および/またはY2O3成分を0~4%、好ましくはY2O3成分を0~2%、および/または澄清剤成分を0~1%、好ましくは澄清剤成分を0~0.5%を含有する。
【0097】
(90)(79)~(83)のいずれかに記載のガラス組成物であって、その組成が、質量パーセントでLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~5%、好ましくはLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~2%、より好ましくはLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~1%を含有する。
【0098】
(91)(79)~(83)のいずれかに記載のガラス組成物であって、その組成にはSrOを含まない。および/またはBaOを含まない;および/またはMgOを含まない;および/またはCaOを含まない、および/またはZnOを含まない;および/またはPbOを含まない;および/またはAs2O3を含まない;および/またはTiO2を含まない;および/またはB2O3を含まない;および/またはY2O3を含まない;および/またはFを含まない。
【0099】
(92) (79)~(83)のいずれかに記載のガラス組成物であって、熱膨張係数が65×10-7/K~80×10-7/K、および/または屈折率は1.5400~1.5600である。
【0100】
(93) (79)~(83)のいずれかに記載のガラス組成物であって、着色剤を含有する。
【0101】
(94) (93)に記載のガラス組成物であって、その組成が質量パーセントで成分をNiO成分を0~4%、および/またはNi2O3成分を0~4%、および/またはCoO成分を0~2%、および/またはCo2O3成分を0~2%、および/またはFe2O3成分を0~7%、および/またはMnO2成分を0~4%、および/またはEr2O3成分を0~8%、および/またはNd2O3 成分を0~8%、および/またはCu2O成分を0~4%、および/またはPr2O3成分を0~8%、および/またはCeO2 成分を0~4%含有する。
【0102】
(95) (93)に記載のガラス組成物であって、着色剤は質量パーセントでNiO成分を0.1~4%、および/またはNi2O3成分を0.1~4%、および/またはCoO成分を0.05~2%、および/またはCo2O3成分を0.05~2%、および/またはFe2O3成分を0.2~7%、および/またはMnO2成分を0.1~4%、および/またはEr2O3成分を0.4~8%、および/またはNd2O3 成分を0.4~8%、および/またはCu2O成分を0.5~4%、および/またはPr2O3成分を0.4~8%、および/またはCeO2 成分を0.5~4%含有する。
【0103】
(96) (93)に記載のガラス組成物であって、着色剤は質量パーセントでNiO成分を0.1~3%、および/またはNi2O3成分を0.1~3%、および/またはCoO成分を0.05~1.8%、および/またはCo2O3成分を0.05~1.8%、および/またはFe2O3成分を0.2~5%、および/またはMnO2成分を0.1~3%、および/またはEr2O3成分を0.4~6%、および/またはNd2O3成分を0.4~6%、および/またはCu2O成分を0.5~3%、および/またはPr2O3成分を0.4~6%、および/またはCeO2成分を0.5~3%含有する。
【0104】
(97) (93)に記載のガラス組成物であって、着色剤は質量パーセントでNiO成分を0.1~3%、および/またはNi2O3成分を0.1~3%含有する。
【0105】
(98) (93)に記載のガラス組成物であって、着色剤は質量パーセントでCoO成分を0.05~1.8%、および/またはCo2O3成分を0.05~1.8%含有する。
【0106】
(99) (93)に記載のガラス組成物であって、着色剤は質量パーセントでCu2O成分を0.5~3%、および/またはCeO2成分を0.5~3%含有する。
【0107】
(100) (93)に記載のガラス組成物であって、着色剤は質量パーセントでFe2O3成分を0.2~5%、CoO成分を0.05~0.3%、またはFe2O3成分を0.2~5%、Co2O3成分を0.05~0.3%、またはFe2O3成分を0.2~5%、CoO成分を0.05~0.3%、NiO成分を0.1~1%、またはFe2O3成分を0.2~5%、Co2O3成分を0.05~0.3%、NiO成分を0.1~1%を含有する。
【0108】
(101)(93)に記載のガラス組成物であって、着色剤は質量パーセントでPr2O3成分を0.4~6%、またはFe2O3成分を0.2~5%、またはMnO2成分を0.1~3%、またはEr2O3成分を0.4~6%、またはNd2O3成分を0.4~6%含有する。
【0109】
(102)(93)記載のガラス組成物であって、着色剤は質量パーセントでEr2O3成分を0.4~6%、Nd2O3成分を0.4~4%、MnO2成分を0.1~2%含有する。
【0110】
(103)(40)~(78)のいずれかに記載の結晶化ガラスを含む結晶化ガラス成形体。
【0111】
(104)(1)~(39)のいずれかに記載の結晶化ガラスカバー、および/または(40)~(78)のいずれかに記載の結晶化ガラス、および/または(79)~(102)のいずれかに記載のガラス組成物、および/または(103)の結晶化ガラス成形体を含有するガラスカバー。
【0112】
(105)(1)~(39)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品、および/または(40)~(78)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品、および/または(79)~(102)のいずれかに記載のガラス組成物、および/または(103)の結晶化ガラス成形体を含有するガラス部品。
【0113】
(106)(1)~(39)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品、および/または(40)~(78)のいずれかに記載の結晶化ガラス、および/または(79)~(102)のいずれかに記載のガラス組成物、および/または(103)の結晶化ガラス成形体、および/または(104)のガラスカバー、および/または(105)のガラス部品を含有するディスプレイデバイス。
【0114】
(107)(1)~(39)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品、および/または(40)~(78)のいずれかに記載の結晶化ガラス、および/または(79)~(102)のいずれかに記載のガラス組成物、および/または(103)の結晶化ガラス成形体、および/または(104)のガラスカバー、および/または(105)のガラス部品を含有する電子機器。
【0115】
(108)ガラス組成物を形成する工法と、前記ガラス組成物を結晶化工法により結晶化ガラスを形成する工法と、前記結晶化ガラスを化学強化工法により結晶化ガラス製品を形成する工法とを含み、前記結晶化ガラス製品の組成が質量パーセントでSiO2成分を65~80%;Al2O3成分を5%未満;Li2O成分を10~25%;ZrO2成分を5~15%;P2O5成分を1~8%含有する。
【0116】
(109)ガラス組成物を形成する工法と、前記ガラス組成物を結晶化工法により結晶化ガラスを形成する工法と、前記結晶化ガラスを化学強化工法により結晶化ガラス製品を形成する工法とを含み、前記結晶化ガラス製品の成分が質量パーセントでSiO2成分を55~80%、Al2O3成分を10%未満、Li2O成分を8~25%、ZrO2成分を5~15%、P2O5成分を1~8%含有する。
【0117】
(110)ガラス組成物を形成する工法と、前記ガラス組成物を結晶化工法により結晶化ガラスを形成する工法と、前記結晶化ガラスを化学強化工法により結晶化ガラス製品を形成する工法とを含むガラス化結晶化ガラス製品の製造方法であって、前記結晶化ガラス製品は、Al2O3/(P2O5+ZrO2)が1.2以下である。
【0118】
(111)ガラス組成物を形成する工法と、前記ガラス組成物を結晶化工法により結晶化ガラス化する工法と、前記結晶化ガラス化を化学強化工法により結晶化ガラス化製品を形成する工法とを含み、前記結晶化ガラス化製品は、他の結晶相よりも高い質量パーセント有するリチウムシリケート結晶相を含む。
【0119】
(112)(110)または(111)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの組成が質量パーセントでSiO2成分を55~80%、および/またはAl2O3成分を10%未満、および/またはLi2O成分を8~25%、および/またはZrO2成分を5~15%、および/またはP2O5成分を1~8%含有する。
【0120】
(113)(108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、結晶化ガラス製品の組成が質量パーセントでK2O成分を0~5%、および/またはMgO成分を0~3%、および/またはZnO成分を0~3%、および/またはNa2O成分を0~6%、および/またはSrO成分を0~5%、および/またはBaO成分を0~5%、および/またはCaO成分を0~5%、および/またはTiO2成分を0~5%、および/またはB2O3成分を0~5%、および/またはY2O3成分を0~6%、および/または澄清剤成分を0~2%含有する。
【0121】
(114)(108)~(113)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、結晶化ガラス製品の組成が質量パーセントで次の10の条件のうちの1つまたはそれ以上を満たす結晶化ガラス製品の製造方法。
1) Al2O3/(P2O5+ZrO2)は1.2以下、好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は1.0以下、より好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.05~0.7である。
2) SiO2/ZrO2は4.0~15.8、好ましくはSiO2/ZrO2は4.5~12.0、より好ましくはSiO2/ZrO2は5.0~9.5、さらに好ましくはSiO2/ZrO2は6.0~9.0である。
3) P2O5+ZrO2は6~21%、好ましくはP2O5+ZrO2は7~18%、より好ましくはP2O5+ZrO2は8~16%、さらに好ましくはP2O5+ZrO2は10~16%である。
4) SiO2/(P2O5+ZrO2))が2.5~12.0、好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は3.0~10.0、より好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は3.5~7.5、さらに好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は4.0~6.5である。
5) (ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.0以上、好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5以上、より好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5~30.0である。
6) (SiO2+Al2O3)/ZrO2は4.0~16.0、好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は4.5~12.0、より好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は5.0~10.0、さらに好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は6.0~9.5である。
7) (Li2O+ZrO2)/SiO2は0.19~0.55、好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.2~0.5、より好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.45、さらに好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.4である。
8) (MgO+ZnO)/ZrO2は0.65以下、好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.4以下、より好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.2以下、さらに好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.1以下である。
9) (Li2O+Al2O3)/ZrO2は0.8~5.0、好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.0~4.0、より好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.2~3.0、さらに好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.5~2.5である。
10) Li2O/(ZrO2+P2O5)は0.5~3.0、好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.6~2.5、より好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.7~2.0、さらに好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.8~1.5である。
【0122】
(115)(108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラス製品の組成が質量パーセントでAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、好ましくははAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.25以下、より好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.01~0.2、さらに好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.01~0.1、および/またはAl2O3/Li2Oは0.4以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.3以下、より好ましくはAl2O3/Li2Oは0.2以下、さらに好ましくはAl2O3/Li2Oは0.1以下である。
【0123】
(116)(108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの組成が質量パーセントでSiO2成分を68~78%、好ましくはSiO2成分を70~76%、および/またはAl2O3成分を0.1~4.5%、好ましくはAl2O3成分を0.5~3%、および/またはLi2O成分を12.5~22%、好ましくはLi2O成分を12.5~20%、および/またはZrO2成分を6~12%、好ましくはZrO2成分を7~12%、および/またはP2O5成分を1.5~7%、好ましくはP2O5成分を2~6%、および/またはK2O成分を0~4%、好ましくはK2O成分を0~2%、および/またはMgO成分を0~2%、好ましくはMgO成分を0~1%、および/またはZnO成分を0~2%、好ましくはZnO成分を0~1%、および/またはNa2O成分を0~4%、好ましくはNa2O成分を0.5~3%、および/またはSrO成分を0~2%、好ましくはSrO成分を0~1%、および/またはBaO成分を0~2%、好ましくはBaO成分を0~1%、および/またはCaO成分を0~2%、好ましくはCaO成分を0~1%、および/またはTiO2成分を0~2%、好ましくはTiO2成分を0~1%、および/またはB2O3成分を0~3%、好ましくはB2O3成分を0~2%、および/またはY2O3成分を0~4%、好ましくはY2O3成分を0~2%、および/または澄清剤成分を0~1%、好ましくは澄清剤成分を0~0.5%含有する。
【0124】
(117)(109)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、組成が質量パーセントでAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.4以下、好ましくははAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、より好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.25以下、および/またはAl2O3/Li2Oは0.7以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.6以下、より好ましくはAl2O3/Li2Oは0.5以下、さらに好ましくはAl2O3/Li2Oは0.45以下、および/またはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.1~0.6、および/または(ZrO2+Li2O)/Al2O3は3.0~20.0含有する。
【0125】
(118)(109)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの組成が質量パーセントでSiO2成分を58~78%、好ましくはSiO2成分を60~76%を含有することを特徴とする結晶化ガラスの製造方法、および/またはAl2O3成分を0.1~8%、好ましくはAl2O3成分を0.5~7%、および/またはLi2O成分を9~22%、好ましくはLi2O成分を10~20%、および/またはLi2O成分を6~12%、好ましくはLi2O成分を7~12%、および/またはP2O5成分を1.5~7%、好ましくはP2O5成分を2~6%である。および/またはK2O成分を0~4%、好ましくはK2O成分を0~2%、および/またはMgO成分を0~2%、好ましくはMgO成分を0~1%である。および/またはZnO成分を0~2%、好ましくはZnO成分を0~1%、および/またはNa_2O成分を0~4%、好ましくはNa2O成分を0.5~3%、および/またはSrO成分を0~2%、好ましくはSrO成分を0~1%、および/またはBaO成分を0~2%、好ましくはBaO成分を0~1%、および/またはCaO成分を0~2%、好ましくはCaO成分を0~1%、および/またはTiO2成分を0~2%、好ましくはTiO2成分を0~1%である。および/またはB2O3成分を0~3%、好ましくはB2O3成分を0~2%である。および/またはY2O3成分を0~4%、好ましくはY2O3成分を0~2%である。および/または清澄剤成分を0~1%、好ましくは清澄剤成分を0~0.5%含有する。
【0126】
(119)(108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、結晶化ガラス製品の組成が質量パーセントでLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~5%、好ましくはLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~2%、より好ましくはLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~1%を含有する。
【0127】
(120) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、前記結晶化ガラス製品の組成にはSrOを含まない、および/またはBaOを含まない、および/またはMgOを含まない、おおよび/またはCaOを含まない、および/またはZnOを含まない、および/またはPbOを含まない、および/またはAs2O3を含まない、および/またはTiO2を含まない、および/またはB2O3を含まない、および/またはY2O3を含まない、および/またはFを含まない。
【0128】
(121) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、結晶相がリチウムシリケート結晶相、および/またはリン酸リチウム結晶相、および/またはペタライト結晶相、および/または石英固溶体結晶相を含有する。
【0129】
(122) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、結晶相がリチウムシリケート結晶相を含みリチウムシリケート結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高く、リチウムシリケート結晶相の結晶化ガラスに占める質量パーセントは好ましくは10~70%、リチウムシリケート結晶相の結晶化ガラスに占める質量パーセントはより好ましくは10~65%、リチウムシリケート結晶相の結晶化ガラスに占める質量パーセントはさらに好ましくは15~60%、リチウムシリケート結晶相の結晶化ガラスに占める質量パーセントは最も好ましくは20~55%である。
【0130】
(123) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、結晶相がリチウムシリケート結晶相を含む結晶化ガラス製品であって、前記結晶相は、リチウムシリケート結晶相を含み、リチウムシリケート結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高く、好ましくは30~65%、より好ましくは、35~60%さらに好ましくは、40~55%である。
【0131】
(124) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、結晶相が二ケイ酸リチウム結晶相を含む結晶化ガラス製品であって、二ケイ酸リチウム結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高く、好ましくは結晶化ガラスに占める二ケイ酸リチウム結晶相の質量パーセントが10~60%、より好ましくは15~50%、さらに好ましくは20~45%である。
【0132】
(125) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、該結晶化ガラスがリン酸リチウム結晶相を含み、該リン酸リチウム結晶相の結晶化ガラスに占める質量パーセントは10%以下、好ましくは5%以下である。
【0133】
(126) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、石英固溶体結晶相を含有し、該石英固溶体結晶相の結晶化ガラスに占める質量パーセントは10%以下、好ましくは5%以下である。
【0134】
(127) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、前記結晶化ガラス製品は、ペタライト結晶相を含み、結晶化ガラスに占めるペタライト結晶相の質量パーセントは18%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
【0135】
(128) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、前記結晶化ガラス製品の4点曲げ強度が600MPa以上、好ましくは650MPa以上、より好ましくは700MPa以上、および/またはイオン交換層の深さが20μm以上、好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上であり、および/または落球式衝撃試験高さが1400mm以上、好ましくは1500mm以上、より好ましくは1600mm以上。および/または破壊靭性が1MPa・m1/2以上、好ましくは1.3MPa・m1/2以上、より好ましくは1.5MPa・m1/2以上であり、および/またはビッカース硬度が730kgf/ mm2以上、好ましくは750kgf/ mm2以上、より好ましくは780kgf/ mm2以上。および/または比誘電率が5.4以上、好ましくは5.8以上、より好ましくは6.0以上。および/または誘電損失が0.05以下、好ましくは0.04以下、より好ましくは0.02以下、より好ましくは0.01以下であり、および/または結晶化度が50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であり、および/または結晶粒度が80nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下である。
【0136】
(129) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、厚さ1mm以下の結晶化ガラスのヘイズが0.2%以下、好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下であり、および/または波長400~800nmの平均光透過率が87%以上、好ましくは89%以上、より好ましくは90%以上であり、および/または波長550nmの光透過率が88%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上であり、および/または400~800nmの平均光|B|値が0.9以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下である。
【0137】
(130) (129)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの厚さが0.2~1mm、好ましくは0.3~0.9mm、より好ましくは0.5~0.8mm、さらに好ましくは0.55mmまたは0.6mmまたは0.68mmまたは0.7mmまたは0.75mmである。
【0138】
(131) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、前記の結晶化ガラス製品は、着色剤が質量パーセントでNiO成分を0~4%、および/またはNi2O3成分を0~4%、および/またはCoO成分を0~2%、および/またはCo2O3成分を0~2%、および/またはFe2O3成分を0~7%、および/またはMnO2成分を0~4%、および/またはEr2O3成分を0~8%、および/またはNd2O3 成分を0~8%、および/またはCu2O成分を0~4%、および/またはPr2O3成分を0~8%、および/またはCeO2 成分を0~4%含有する。
【0139】
(132) (131)記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、着色剤が質量パーセントでNiO成分を0.1~4%、および/またはNi2O3成分を0.1~4%、および/またはCoO成分を0.05~2%、および/またはCo2O3成分を0.05~2%、および/またはFe2O3成分を0.2~7%、および/またはMnO2成分を0.1~4%、および/またはEr2O3成分を0.4~8%、および/またはNd2O3 成分を0.4~8%、および/またはCu2O成分を0.5~4%、および/またはPr2O3成分を0.4~8%、および/またはCeO2 成分を0.5~4%含有する。
【0140】
(133) (131)記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、着色剤が質量パーセントでNiO成分を0.1~3%、および/またはNi2O3成分を0.1~3%、および/またはCoO成分を0.05~1.8%、および/またはCo2O3成分を0.05~1.8%、および/またはFe2O3成分を0.2~5%、および/またはMnO2成分を0.1~3%、および/またはEr2O3成分を0.4~6%、および/またはNd2O3成分を0.4~6%、および/またはCu2O成分を0.5~3%、および/またはPr2O3成分を0.4~6%、および/またはCeO2成分を0.5~3%含有する。
【0141】
(134) (131)記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、着色剤が質量パーセントでNiO成分を0.1~3%、および/またはNi2O3成分を0.1~3%含有する。
【0142】
(135) (131)記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、着色剤が質量パーセントでCoO成分を0.05~1.8%、および/またはCo2O3成分を0.05~1.8%含有する。
【0143】
(136) (131)に記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、着色剤が質量パーセントでCu2O成分を0.5~3%、および/またはCeO2成分を0.5~3%含有する。
【0144】
(137) (131)に記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、着色剤が質量パーセントでFe2O3成分を0.2~5%、CoO成分を0.05~0.3%、またはFe2O3成分を0.2~5%、Co2O3成分を0.05~0.3%、またはFe2O3成分を0.2~5%、CoO成分を0.05~0.3%、NiO成分を0.1~1%、またはFe2O3成分を0.2~5%、Co2O3成分を0.05~0.3%、NiO成分を0.1~1%含有する。
【0145】
(138) (131)記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、着色剤が質量パーセントでPr2O3成分を0.4~6%、またはFe2O3成分を0.2~5%、またはMnO2成分を0.1~3%、またはEr2O3成分を0.4~6%、またはNd2O3成分を0.4~6%含有する。
【0146】
(139) (131)記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、着色剤が質量パーセントでEr2O3成分を0.4~6%、Nd2O3成分を0.4~4%、MnO2成分を0.1~2%含有する。
【0147】
(140) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、所定の結晶化処理温度まで昇温し、結晶化処理温度に達した後、一定時間保持した後、さらに降温する工法を含み、該結晶化処理温度は580~750℃、好ましくは600~700℃、結晶化処理温度での保持時間は0~8時間、好ましくは1~6時間である結晶化方法。
【0148】
(141) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、核生成工法の処理を第1の温度で行った後、結晶成長工法の処理を核生成工法の温度よりも高い第2の温度で行う工法を含む結晶化ガラスの製造方法。
【0149】
(142) (141)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化工法は、第1の温度は470~580℃、第2の温度は600~750℃である工法と第1の温度での保持時間は0~24時間、好ましくは2~15時間、第2の温度での保持時間は0~10時間、好ましくは0.5~6時間である。
【0150】
(143) (108)~(112)のいずれかに記載の結晶化ガラス製品の製造方法であって、前記化学強化工法には、結晶化ガラスを350℃~470℃の溶融Na塩の塩浴に1~36時間、好ましくは380℃~460℃、より好ましくは2~24時間浸漬する、および/または360℃~450℃の溶融K塩の塩浴に1~36時間、好ましくは2~24時間浸漬する。および/または360℃~450℃の溶融K塩とNa塩の混合塩浴に1~36時間、好ましくは2~24時間浸漬する方法が含まれる。
【0151】
(144) ガラス組成物を形成する工法と、前記ガラス組成物を結晶化法により結晶化ガラス化する工法とを含む結晶化ガラス化ガラスの製造方法であって、前記結晶化ガラス化ガラスの組成が質量パーセントでSiO2成分を65~80%;Al2O3成分を5%未満;Li2O成分を10~25%;ZrO2成分を5~15%;P2O5成分を1~8%含有する。
【0152】
(145) 組成物ガラスを形成する工法と、前記組成物ガラスを結晶化法により結晶化ガラス化する工法とを含む結晶化ガラス化ガラスの製造方法であって、前記結晶化ガラス化ガラスの組成が質量パーセントでSiO2成分を55~80%;Al2O3成分を10%未満;Li2O成分を8~25%;ZrO2成分を5~15%;P2O5成分を1~8%含有する。
【0153】
(146) ガラス組成物を形成する工法と、前記ガラス組成物を結晶化法により結晶化ガラスを形成する工法とを含む結晶化ガラスの製造方法であって、前記結晶化ガラスは質量パーセントでAl2O3/(P2O5+ZrO2)が1.2以下である。
【0154】
(147) ガラス組成物を形成する工法と、前記ガラス組成物を結晶化工法により結晶化ガラス化する工法とを含む結晶化ガラス化ガラスの製造方法であって、前記結晶化ガラス化ガラスは、リチウムシリケート結晶相を含み、前記リチウムシリケート結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高い。
【0155】
(148) (146)または(147)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの成分が質量パーセントでSiO2成分を55~80%、および/またはAl2O3成分を10%未満、および/またはLi2O成分を8~25%、および/またはZrO2成分を5~15%、および/またはP2O5成分を1~8%含有する。
【0156】
(149) (144)~(148)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの成分が、質量パーセントでK2O成分を0~5%、および、K2O成分を0~5%を含有することを特徴とする結晶化ガラスの製造方法であり、および/またはMgO成分を0~3%;および/またはZnO成分を0~3%;および/またはNa2O成分を0~6%、および/またはSrO成分を0~5%、および/またはBaO成分を0~5%;および/またはCaO成分を0~5%、および/またはTiO2成分を0~5%;および/またはB2O3成分を0~5%;および/またはY2O3成分を0~6%;および/または清澄剤成分を0~2%含有する。
【0157】
(150) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの組成が質量パーセントで次の10の条件のうちの1つまたはそれ以上を満たす。
1) Al2O3/(P2O5+ZrO2)は1.2以下、好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は1.0以下、より好ましくはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.05~0.7である。
2) SiO2/ZrO2は4.0~15.8、好ましくはSiO2/ZrO2は4.5~12.0、より好ましくはSiO2/ZrO2は5.0~9.5、さらに好ましくはSiO2/ZrO2は6.0~9.0である。
3) P2O5+ZrO2は6~21%、好ましくはP2O5+ZrO2は7~18%、より好ましくはP2O5+ZrO2は8~16%、さらに好ましくはP2O5+ZrO2は10~16%である。
4) SiO2/(P2O5+ZrO2))は2.5~12.0、好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は3.0~10.0、より好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は3.5~7.5、さらに好ましくはSiO2/(P2O5+ZrO2)は4.0~6.5である。
5) (ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.0以上、好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5以上、より好ましくは(ZrO2+Li2O)/Al2O3は2.5~30.0である。
6) (SiO2+Al2O3)/ZrO2は4.0~16.0、好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は4.5~12.0、より好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は5.0~10.0、さらに好ましくは(SiO2+Al2O3)/ZrO2は6.0~9.5である。
7) (Li2O+ZrO2)/SiO2は0.19~0.55、好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.2~0.5、より好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.45、さらに好ましくは(Li2O+ZrO2)/SiO2は0.25~0.4である。
8) (MgO+ZnO)/ZrO2は0.65以下、好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.4以下、より好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.2以下、さらに好ましくは(MgO+ZnO)/ZrO2は0.1以下である。
9) (Li2O+Al2O3)/ZrO2は0.8~5.0、好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.0~4.0、より好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.2~3.0、さらに好ましくは(Li2O+Al2O3)/ZrO2は1.5~2.5である。
10) Li2O/(ZrO2+P2O5)は0.5~3.0、好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.6~2.5、より好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.7~2.0、さらに好ましくはLi2O/(ZrO2+P2O5)は0.8~1.5である。
【0158】
(151) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの組成が質量パーセントでAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、好ましくははAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.25以下、より好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.01~0.2、さらに好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.01~0.1、および/またはAl2O3/Li2Oは0.4以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.3以下、より好ましくはAl2O3/Li2Oは0.2以下、さらに好ましくはAl2O3/Li2Oは0.1以下である。
【0159】
(152) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの組成が質量パーセントでSiO2成分を68~78%、好ましくはSiO2成分を70~76%、および/またはAl2O3成分を0.1~4.5%、好ましくはAl2O3成分を0.5~3%、および/またはLi2O成分を12.5~22%、好ましくはLi2O成分を12.5~20%、および/またはZrO2成分を6~12%、好ましくはZrO2成分を7~12%、および/またはP2O5成分を1.5~7%、好ましくはP2O5成分を2~6%、および/またはK2O成分を0~4%、好ましくはK2O成分を0~2%、および/またはMgO成分を0~2%、好ましくはMgO成分を0~1%、および/またはZnO成分を0~2%、好ましくはZnO成分を0~1%、および/またはNa2O成分を0~4%、好ましくはNa2O成分を0.5~3%、および/またはSrO成分を0~2%、好ましくはSrO成分を0~1%、および/またはBaO成分を0~2%、好ましくはBaO成分を0~1%、および/またはCaO成分を0~2%、好ましくはCaO成分を0~1%、および/またはTiO2成分を0~2%、好ましくはTiO2成分を0~1%、および/またはB2O3成分を0~3%、好ましくはB2O3成分を0~2%、および/またはY2O3成分を0~4%、好ましくはY2O3成分を0~2%、および/または澄清剤成分を0~1%、好ましくは澄清剤成分を0~0.5%含有する。
【0160】
(153) (145)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの組成が質量パーセントでAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.4以下、好ましくははAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.3以下、より好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)は0.25以下、および/またはAl2O3/Li2Oは0.7以下、好ましくはAl2O3/Li2Oは0.6以下、より好ましくはAl2O3/Li2Oは0.5以下、さらに好ましくはAl2O3/Li2Oは0.45以下、および/またはAl2O3/(P2O5+ZrO2)は0.1~0.6、および/または(ZrO2+Li2O)/Al2O3は3.0~20.0含有する。
【0161】
(154) (145)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの組成が質量パーセントでSiO2成分を58~78%、好ましくはSiO2成分を60~76%、および/またはAl2O3成分を0.1~8%、好ましくはAl2O3成分を0.5~7%、および/またはLi2O成分を9~22%、好ましくはLi2O成分を10~20%、および/またはZrO2成分を6~12%、好ましくはZrO2成分を7~12%、および/またはP2O5成分を1.5~7%、好ましくはP2O5成分を2~6%、および/またはK2O成分を0~4%、好ましくはK2O成分を0~2%、および/またはMgO成分を0~2%、好ましくはMgO成分を0~1%、および/またはZnO成分を0~2%、好ましくはZnO成分を0~1%、および/またはNa2O成分を0~4%、好ましくはNa2O成分を0.5~3%、および/またはSrO成分を0~2%、好ましくはSrO成分を0~1%、および/またはBaO成分を0~2%、好ましくはBaO成分を0~1%、および/またはCaO成分を0~2%、好ましくはCaO成分を0~1%、および/またはTiO2成分を0~2%、好ましくはTiO2成分を0~1%、および/またはB2O3成分を0~3%、好ましくはB2O3成分を0~2%、および/またはY2O3成分を0~4%、好ましくはY2O3成分を0~2%、および/または澄清剤成分を0~1%、好ましくは澄清剤成分を0~0.5%含有する。
【0162】
(155) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの組成が質量パーセントでLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~5%、好ましくはLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~2%、より好ましくはLa2O3+Gd2O3+Yb2O3+Nb2O5+WO3+Bi2O3+Ta2O5+TeO2+GeO2成分を0~1%含有する。
【0163】
(156) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの組成にはSrOが含まない、および/またはBaO、および/またはMgO、および/またはCaO、および/またはZnO、および/またはPbO、および/またはAs2O3、および/またはTiO2、および/またはB2O3、および/またはY2O3、および/またはFを含まない。
【0164】
(157) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶相がリチウムシリケート結晶相を含み、および/またはリン酸リチウム結晶相、および/またはペタライト結晶相、および/または石英固溶体結晶相を含む。
【0165】
(158) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶相がリチウムシリケート結晶相を含み、リチウムシリケート結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高く、好ましくは結晶化ガラスに占めるリチウムシリケート結晶相の質量パーセントは10~70%、より好ましくは10~65%さらに好ましくは15~60%、最も好ましくは20~55%である。
【0166】
(159) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶相がリチウムシリケート結晶相を含む結晶化ガラスであって、リチウムシリケート結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高く、結晶化ガラスに占めるリチウムシリケート結晶相の質量パーセントは好ましくは30~65%、より好ましくは35~60%、さらに好ましくは40~55%である。
【0167】
(160) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶相が二ケイ酸リチウム結晶相を含み、二ケイ酸リチウム結晶相は、他の結晶相よりも質量パーセントが高く、結晶化ガラスに占める二ケイ酸リチウム結晶相の質量パーセントは好ましくは10~60%、より好ましくは15~50%、さらに好ましくは20~45%である。
【0168】
(161) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、該結晶化ガラスがリン酸リチウム結晶相を含み、該リン酸リチウム結晶相の結晶化ガラスに占める質量パーセントは10%以下、好ましくは5%以下である。
【0169】
(162) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、前記結晶化ガラスが石英固溶体結晶相を含み、前記石英固溶体結晶相が前記結晶化ガラスに占める質量パーセントが10%以下、好ましくは5%以下である。
【0170】
(163) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、前記の結晶化ガラスは、ペタライト結晶相を含む結晶化ガラスであって、結晶化ガラスに占めるペタライト結晶相の質量パーセントは18%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
【0171】
(164) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、前記の結晶化ガラスは、結晶化度が50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、および/または結晶粒度が80nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下、および/または熱膨張係数が70×10-7/K~90×10-7/Kである。および/または屈折率が1.5520~1.5700である。および/または本体落球高さが1700mm以上、好ましくは1900mm以上、より好ましくは2000mm以上である。および/またはビッカース硬度が630kgf/ mm2以上、好ましくは650kgf/ mm2以上、より好ましくは680kgf/ mm2以上である。および/または比誘電率が5.4以上、好ましくは5.8以上、より好ましくは6.0以上である。および/または誘電損失が0.05以下、好ましくは0.04以下、より好ましくは0.03以下、より好ましくは0.01以下である。および/または表面抵抗が1×109Ω・cm以上、好ましくは1×1010Ω・cm以上、より好ましくは1×1011Ω・cm以上である。
【0172】
(165) (144)~(149)のいずれかに記載のガラス結晶化ガラスの製造方法であって、厚さ1mm以下のガラス結晶化ガラスのヘーズが0.2%以下、好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下、および/または波長400~800nmの平均光透過率が87%以上、好ましくは89%以上、より好ましくは90%以上であり、および/または波長550nmの光透過率が88%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上である。および/または400~800nmの平均光|B|値が0.9以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下である。
【0173】
(166) (165)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスの厚みが0.2~1mm、好ましくは0.3~0.9mm、より好ましくは0.5~0.8mm、さらに好ましくは0.55mmまたは0.6mm、0.68mmまたは0.7mmまたは0.75mmである。
【0174】
(167) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化ガラスは、着色剤が質量パーセントでNiO成分を0~4%、および/またはNi2O3成分を0~4%、および/またはCoO成分を0~2%、および/またはCo2O3成分を0~2%、および/またはFe2O3成分を0~7%、および/またはMnO2成分を0~4%、および/またはEr2O3成分を0~8%、および/またはNd2O3 成分を0~8%、および/またはCu2O成分を0~4%、および/またはPr2O3成分を0~8%、および/またはCeO2 成分を0~4%含有する。
【0175】
(168) (167)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、着色剤が質量パーセントでNiO成分を0.1~4%、および/またはNi2O3成分を0.1~4%、および/またはCoO成分を0.05~2%、および/またはCo2O3成分を0.05~2%、および/またはFe2O3成分を0.2~7%、および/またはMnO2成分を0.1~4%、および/またはEr2O3成分を0.4~8%、および/またはNd2O3 成分を0.4~8%、および/またはCu2O成分を0.5~4%、および/またはPr2O3成分を0.4~8%、および/またはCeO2 成分を0.5~4%含有する。
【0176】
(169) (167)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、着色剤が質量パーセントでNiO成分を0.1~3%、および/またはNi2O3成分を0.1~3%、および/またはCoO成分を0.05~1.8%、および/またはCo2O3成分を0.05~1.8%、および/またはFe2O3成分を0.2~5%、および/またはMnO2成分を0.1~3%、および/またはEr2O3成分を0.4~6%、および/またはNd2O3成分を0.4~6%、および/またはCu2O成分を0.5~3%、および/またはPr2O3成分を0.4~6%、および/またはCeO2成分を0.5~3%含有する。
【0177】
(170) (167)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、着色剤が質量パーセントでNiO成分を0.1~3%、および/またはNi2O3成分を0.1~3%含有する。
【0178】
(171) (167)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、着色剤が質量パーセントでCoO成分を0.05~1.8%、および/またはCo2O3成分を0.05~1.8%含有する。
【0179】
(172) (167)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、着色剤が質量パーセントでCu2O成分を0.5~3%、および/またはCeO2成分を0.5~3%含有する。
【0180】
(173) (167)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、着色剤が質量パーセントでFe2O3成分を0.2~5%、CoO成分を0.05~0.3%、またはFe2O3成分を0.2~5%、Co2O3成分を0.05~0.3%、またはFe2O3成分を0.2~5%、CoO成分を0.05~0.3%、NiO成分を0.1~1%、またはFe2O3成分を0.2~5%、Co2O3成分を0.05~0.3%、NiO成分を0.1~1%含有する。
【0181】
(174) (167)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、着色剤が質量パーセントでPr2O3成分を0.4~6%、またはFe2O3成分を0.2~5%、またはMnO2成分を0.1~3%、またはEr2O3成分を0.4~6%、またはNd2O3成分を0.4~6%含有する。
【0182】
(175) (167)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、着色剤が質量パーセントでEr2O3成分を0.4~6%、Nd2O3成分を0.4~4%、MnO2成分を0.1~2%含有する。
【0183】
(176) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、所定の結晶化処理温度まで昇温し、結晶化処理温度に達した後、一定時間保持した後、さらに降温する工法を含み、該結晶化処理温度は580~750℃、好ましくは600~700℃、結晶化処理温度での保持時間は0~8時間、好ましくは1~6時間である。
【0184】
(177) (144)~(149)のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法であって、核形成工法の処理を第1の温度で行った後、結晶成長工法の処理を核形成工法の温度よりも高い第2の温度で行う工法を含む結晶化ガラスの製造方法。
【0185】
(178) (177)記載の結晶化ガラスの製造方法であって、結晶化工法は、第1の温度は470~580℃、第2の温度は600~750℃である工法を含み、第1の温度での保持時間は0~24時間、好ましくは2~15時間、第2の温度での保持時間は0~10時間、好ましくは0.5~6時間である。
【0186】
(179) 本発明の結晶化ガラス成形体の製造方法は、結晶化ガラスを研削または研磨して結晶化ガラス成形体を作製するか、または、ガラス組成物または結晶化ガラスをある温度で熱曲げ加工またはプレス加工して結晶化ガラス成形体を作製する。
【0187】
(180) ガラス組成物を昇温、保温核生成、昇温、保温結晶化、室温までの降温を含む一次結晶化熱処理工法を行い、予備結晶化ガラスを形成することを特徴とする結晶化ガラス成形体の製造方法、この予備結晶化ガラスを熱間加工して成形することにより、結晶化ガラス成形体を得ることができる。
【0188】
(181) 結晶化ガラス成形体の製造方法であって、以下の工法を含む。
1) 昇温予熱、ガラス組成物またはpre-crystallizationガラス及び結晶化ガラスを金型の中に置き、金型は熱曲げ機の中で順番に各昇温チャンバーを通過され、そして各チャンバーで一定時間保温して、予熱ゾーンの温度は400~800℃、圧力は0.01~0.05MPa、時間は40~200s;
2) プレス成型、金型は予熱を経て、成形チャンバーに転送され、熱曲げ機は金型に一定の圧力を加えて、圧力範囲は0.1~0.8MPa、成形チャンバーの温度範囲は650~850℃、成形時間範囲は40~200s。
3) 保圧冷却、金型を冷却チャンバーに移送されチャンバーごとに冷却し、温度下降範囲750~500℃、圧力0.01~0.05MPa、時間40~200sとする。
【発明の効果】
【0189】
本発明の有益な効果は、合理的な組成設計により、本発明で得られた結晶化ガラス或いは結晶化ガラス製品は優れた機械的性能を有することである。
【発明を実施するための形態】
【0190】
本発明の結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品は、非晶質固体とは異なる結晶相(場合によっては結晶とも呼ばれる)およびガラス相を有する材料である。X線回折装置のX線回折パターンに現れるピーク角度により認識、および/またはTEMEDXにより測定することにより、結晶化ガラス及び結晶化ガラスの結晶相を識別することができる。
【0191】
本発明者らは、結晶化ガラス及び結晶化ガラス製品を構成する特定の組成について、その含有量及び含有割合を特定の値に規定し、特定の結晶相を析出させることにより、試行錯誤の結果、比較的安価に本発明の結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品を得ることができた。
【0192】
以下、本発明のガラス組成物、結晶化ガラス及び結晶化ガラス製品の各組成(成分)の範囲について説明する。本明細書において、特記事項がない限り、各組成の含有量は全て、酸化物に換算された組成のガラス組成物、またはガラス結晶化ガラス、またはガラス結晶化ガラス製品の物質の総量に対する質量パーセント(wt%)で表される。ここで、「酸化物に換算された組成」とは、本発明のガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩及び水酸化物等が溶融時に分解して酸化物に変化する場合に、当該酸化物の物質の総量を100%とすることをいう。なお、本明細書において単にガラスと称する場合は、結晶化(すなわち結晶化工法処理)前のガラス組成物であり、ガラス組成物の結晶化(すなわち結晶化工法処理)後は、結晶化ガラスと称し、結晶化ガラス製品とは、結晶化ガラスを化学的に強化したものをいう。
【0193】
本明細書に記載されている数値の範囲には上限値と下限値が含まれ、「以上」と「以下」には端点、および範囲内の整数と分数が含まれ、範囲が限定された場合に記載されている具体的な値に限定されるものではない。本明細書で使用される用語「約」は、公差、変換係数、および測定誤差などを反映し、必要に応じて近似および/またはより大きくまたはより低くすることができるものとし、レシピ、パラメータ、および他の数量および特徴が正確ではない、または正確である必要はないことを意味する。本明細書で「および/または」と呼ばれるものは包含的であり、例えば「A、および/またはB」は、Aのみ、Bのみ、またはAとBの両方を意味する。
【0194】
本発明の結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の結晶相はリチウムシリケート結晶相を含む。および/またはリン酸リチウム結晶相、および/またはペタライト結晶相、および/または石英固溶体結晶相が含まれる。
【0195】
本発明のいくつかの実施形態では、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品中の結晶相は、リチウムシリケート結晶相(リチウムシリケートおよび二ケイ酸リチウムの一方または両方)を含む。いくつかの実施形態では、リチウムシリケート結晶相は、他の結晶相よりも高い質量パーセントを有する。いくつかの実施形態では、リチウムシリケート結晶相が、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の質量パーセント%の10~70%であり、リチウムシリケート結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の質量パーセントで10~65%であることが好ましく、リチウムシリケート結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の質量パーセントで15~60%であることがより好ましく、リチウムシリケート結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の質量パーセントで20~55%であることがさらに好ましい。いくつかの実施形態では、リチウムシリケート結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の質量パーセントで10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%である。
【0196】
本発明のいくつかの実施形態では、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品中の結晶相は、リチウムシリケート結晶相を含む。いくつかの実施形態では、リチウムシリケート結晶相は、他の結晶相よりも高い質量パーセントを有する。いくつかの実施形態では、リチウムシリケート結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める質量パーセントで30~65%であり、リチウムシリケート結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める質量パーセントは35~60%であることが好ましく、リチウムシリケート結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める質量パーセントは40~55%であることがさらに好ましい。いくつかの実施形態では、リチウムシリケート結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める質量パーセントで30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%である。
【0197】
本発明のいくつかの実施形態では、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品中の結晶相は、二ケイ酸リチウム結晶相を含む。いくつかの実施形態では、二ケイ酸リチウム結晶相は、他の結晶相よりも高い質量パーセントを有する。いくつかの実施形態では、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める二ケイ酸リチウム結晶相の質量パーセントは10~60%であり、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める二ケイ酸リチウム結晶相の質量パーセントは15~50%であることが好ましく、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める二ケイ酸リチウム結晶相の質量パーセントは20~45%であることがより好ましい。いくつかの実施形態では、二ケイ酸リチウム結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める質量パーセントは10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%である。
【0198】
本発明のいくつかの実施形態では、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品中の結晶相は、リン酸リチウム結晶相を含み、リン酸リチウム結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める質量パーセントは10%以下、リン酸リチウム結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める質量パーセントは5%以下であることが好ましい。いくつかの実施形態では、リン酸リチウム結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める質量パーセントは0%、0%より大きい、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%である。
【0199】
本発明のいくつかの実施形態では、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品中の結晶相は石英固溶体結晶相を含み、石英固溶体結晶相は結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める質量パーセントは10%以下であり、石英固溶体結晶相は結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める質量パーセントは5%以下であることが好ましい。いくつかの実施形態では、石英固溶体結晶相は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占める質量パーセントは0%、0%より大きい、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%である。
【0200】
本発明のいくつかの実施形態では、次のように説明する。結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品中の結晶相は、ペタライト結晶相を含む。結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占めるペタライト結晶相の質量パーセントは18%以下であり、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占めるペタライト結晶相の質量パーセントは15%以下であることが好ましく、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占めるペタライト結晶相の質量パーセントは10%以下であることがより好ましく、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占めるペタライト結晶相の質量パーセントは5%以下であることがさらに好ましい。いくつかの実施形態では、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に占めるペタライト結晶相の質量パーセントは0%、0%より大きい、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、10.5%、11%、11.5%、12%、12.5%、13%、13.5%、14%、14.5%、15%、15.5%、16%、16.5%、17%、17.5%、18%である。
【0201】
SiO2は、本発明のガラスを構成する網状構造の必須成分である、熱処理後に結晶を形成する主成分の一つであり、SiOの含有量が55%以下であると、ガラス結晶化処理後に形成されるガラス結晶化ガラス及び結晶化ガラス製品の透明性が高くなく、ガラス結晶化ガラス中での結晶形成が少なくなり、ガラス結晶化ガラスのバルク落下高さや結晶化ガラス製品の耐落下性に影響を与える。このため、SiO2含有量の下限は55%、好ましくは58%、より好ましくは60%である。いくつかの実施形態では、SiO2含有量の下限は65%であることが好ましく、68%であることがより好ましく、70%であることがさらに好ましい。一方、SiO2の含有量が80%以上であれば、ガラス成形が困難であり、ガラスが形成されにくく、結晶化ガラス中に形成される結晶の種類数が変化し、結晶化ガラスの軟化温度(Ts )が上昇し、ガラスと結晶化ガラスの熱曲げに影響を与え、さらに結晶化ガラス製品の表面応力とイオン交換層の深さに大きな影響を与える。このため、SiO2含有量の上限は80%、好ましくは78%、より好ましくは76%である。いくつかの実施形態では、約55%、55.5%、56%、56.5%、57%、57.5%、58%、58.5%、59%、59.5%、60%、60.5%、61%、61.5%、62%、62.5%、63%、63.5%、64%、64.5%、65%、65.5%、66%、66.5%、67%、67.5%、68%、68.5%、69%、69.5%、70%、70.5%、71%、71.5%、72%、72.5%、73%、73.5%、74%、74.5%、75%、75.5%、76%、76.5%、77%、77.5%、78%、78.5%、79%、79.5%、80%のSiO2が含まれていてもよい。
【0202】
Al2O3はガラスの網状状構造を形成することができて、ガラスの成形に有利で、しかも結晶化ガラスの化学強化に有利で、結晶化ガラス製品の耐落下性と曲げ強度を高める。Al2O3の含有量が多すぎると、結晶化ガラスや結晶化ガラスに他の結晶が生成しやすくなり、結晶化ガラスや結晶化ガラスのヘイズが上昇する。したがって、本発明におけるAl2O3の含有量は、10%未満、好ましくは0.1~8%、より好ましくは0.5~7%である。いくつかの実施形態では、Al2O3の含有量は5%未満であることが好ましく、0.1~4.5%であることがより好ましく、0.5~3%であることがさらに好ましい。いくつかの実施形態では、約0%、0%より大きい、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5%、5.1%、5.2%、5.3%、5.4%、5.5%、5.6%、5.7%、5.8%、5.9%、6%、6.1%、6.2%、6.3%、6.4%、6.5%、6.6%、6.7%、6.8%、6.9%、7%、7.1%、7.2%、7.3%、7.4%、7.5%、7.6%、7.7%、7.8%、7.9%、8%、8.1%、8.2%、8.3%、8.4%、8.5%、8.6%、8.7%、8.8%、8.9%、9%、9.1%、9.2%、9.3%、9.4%、9.5%、9.6%、9.7%、9.8%、10%のAl2O3を含むことができる。
【0203】
Li2Oはガラスの溶融を促進し、ガラスの溶解温度を下げ、P2O5の分相を減少させ、P2O5の溶解を促進し、結晶化ガラスと結晶化ガラス製品が、結晶の主要な組成を形成することであり、化学強化の中で主にナトリウム、カリウムイオンと置換する成分であり、結晶化ガラス製品の表面応力を増加することができて、結晶化ガラス製品の落球式衝撃試験高度を上げることができ、しかも結晶化ガラスと結晶化ガラス製品の誘電率を増加することができる。しかし、Li2Oの含有量が8%未満の場合、リチウムシリケート結晶相の形成は好ましくなく、結晶化ガラスのイオン交換層の深さ、結晶化ガラスおよび結晶化ガラスの落球式衝撃試験の高さおよび破片に影響を与える。したがって、Li2O含有量の下限は8%、好ましくは9%、より好ましくは10%である。いくつかの実施形態では、Li2O含有量の下限は12.5%であることがさらに好ましい。一方、Li2Oを過剰に含有すると、結晶化処理時にガラスが分相しやすくなり、結晶化ガラスや結晶化ガラスの光透過率に影響を与える。したがって、Li2Oの含有量の上限は25%、好ましくは22%、より好ましくは20%である。いくつかの実施形態では、約8%、8.5%、9%、9.5%、10%、10.5%、11%、11.5%、12%、12.5%、13%、13.5%、14%、14.5%、15%、15.5%、16%、16.5%、17%、17.5%、18%、18.5%、19%、19.5%、20%、20.5%、21%、21.5%、22%、22.5%、23%、23.5%、24%、24.5%、25%のLi2Oが含まれていてもよい。
【0204】
発明者の多くの実験研究により、本発明のいくつかの実施形態において、Al2O3の含有量とLi2Oの含有量との比率であるAl2O3/Li2Oを0.7以下に制御することにより、結晶化ガラス及び結晶化ガラスの結晶性を向上させ、結晶化ガラス及び結晶化ガラスの結晶粒度を減少させることができることを発見した。このため、Al2O3/ Li2Oが0.7以下であることが好ましく、Al2O3 /Li2Oが0.6以下であることがより好ましい。さらに、いくつかの実施形態では、Al2O3/Li2Oを0.5以下に制御することによって、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の光透過率を最適化し、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品のヘイズを低減することもできる。このため、Al2O3/Li2Oが0.5以下であることがさらに好ましく、Al2O3/Li2Oが0.45以下であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、Al2O3/Li2Oが0.4以下であることが好ましく、Al2O3/Li2Oが0.3以下であることがより好ましく、Al2O3/Li2Oが0.2以下であることがさらに好ましく、Al2O3/Li2Oが0.1以下であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、Al2O3/Li2Oの値は0、0より大きい、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7であってもよい。
【0205】
Na2Oはガラスの溶解温度を低下させることができ、結晶化ガラスを化学強化する際にLiとNaとの交換速度を効果的に低下させることができ、化学強化プロセスの制御を容易にすることができ、Na2O含有量の下限は0.5%であることが好ましい。一方、Na2Oを過剰に含有すると、結晶化ガラス中の結晶形成に影響を与え、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の結晶性を低下させ、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の強度を低下させる。このため、Na2Oの含有量は0~6%、好ましくは0~4%、より好ましくは0.5~3%である。いくつかの実施形態では、約0%、0%より大きい、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%のNa2Oが含まれていてもよい。
【0206】
K2Oはガラスの粘度を低下させることができ、結晶化プロセスで処理する際に結晶の形成を促進することができるが、K2Oを過剰に含有すると、結晶化ガラスや結晶化ガラスの結晶が粗大化しやすくなり、結晶化ガラスや結晶化ガラスの光透過率や落球式衝撃試験高さが低下する。従って、K2O含有量の上限は5%、好ましくは4%、より好ましくは2%である。いくつかの実施形態では、約0%、0%より大きい、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%のK2Oが含まれていてもよい。
【0207】
本発明のP2O5は、結晶の形成を促進し、結晶化度を向上させ、硬度及び強度を増大させ、ヘイズを減少させることができ、P2O5の含有量の下限は1%、好ましくは1.5%、より好ましくは2%である。一方、P2O5を過剰に含有すると、ガラス成形時に結晶分布が不均一となり、熱処理後の結晶化ガラスのヘイズや強度の制御が困難となり、ガラスの化学的安定性が低下する。したがって、P2O5の含有量の上限は8%、好ましくは7%、より好ましくは6%である。いくつかの実施形態では、約1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%のP2O5が含まれていてもよい。
【0208】
本発明では、ZrO2とP2O5とを相互に組み合わせることにより、結晶粒を微細化し、結晶化ガラス及び結晶化ガラスのヘイズを低減することができ、ZrO2はガラスの網状構造を増大させ、結晶化ガラスの化学強化を容易にし、結晶化ガラスのイオン交換層深さを増大させ、結晶化ガラスの落球式衝撃試験高さを向上させることができる。従って、ZrO2含有量の下限は5%、好ましくは6%、より好ましくは7%である。一方、ZrO2を過剰に含有すると、ガラスが溶融しにくくなる。このため、ZrO2の含有量の上限は15%、好ましくは12%である。いくつかの実施形態では、約5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、10.5%、11%、11.5%、12%、12.5%、13%、13.5%、14%、14.5%、15%のZrO2が含まれていてもよい。
【0209】
いくつかの実施形態では、SiO2とZrO2の含有量の比SiO2/ZrO2を4.0~15.8の範囲内に制御することにより、熱処理(例えば、熱曲げ)後のガラス結晶化ガラスのヘイズ及び|B|値をさらに最適化することができ、熱処理(例えば、熱曲げ)後のガラス結晶化ガラス及び結晶化ガラス製品のヘイズ及び|B|値をより良好にすることができる。このため、SiO2/ZrO2の範囲は4.0~15.8であることが好ましく、SiO2/ZrO2の範囲は4.5~12.0であることがより好ましい。さらに、いくつかの実施形態では、SiO2/ZrO2を5.0~9.5の範囲にすることにより、結晶化ガラス製品のイオン交換層深さを増加させ、結晶化ガラス製品の耐落下性を向上させることもでき、従って、SiO2/ZrO2は5.0~9.5であることがさらに好ましく、SiO2/ZrO2は6.0~9.0であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、SiO2/ZrO2の値は4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、15.8であってもよい。
【0210】
いくつかの実施形態では、P2O5とZrO2の合計含有量P2O5+ZrO2が6~21%の範囲にあり、結晶化ガラス(熱曲げ後の結晶化ガラスを含む)および結晶化ガラス製品のヘイズを低減することができる。このため、P2O5+ZrO2が6~21%であることが好ましく、P2O5+ZrO2が7~18%であることがより好ましい。さらに、いくつかの実施形態では、P2O5+ZrO2を8~16%の範囲にすることにより、結晶化ガラス製品の破壊靭性を向上させることもできる。このため、P2O5+ZrO2が8~16%であることがさらに好ましく、P2O5+ZrO2が10~16%であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、P2O5+ZrO2の値は6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、10.5%、11%、11.5%、12%、12.5%、13%、13.5%、14%、14.5%、15%、15.5%、16%、16.5%、17%、17.5%、18%、18.5%、19%、19.5%、20%、20.5%、21%であってもよい。
【0211】
いくつかの実施形態では、Al2O3とP2O5およびZrO2の合計含有量P2O5+ZrO2との比Al2O3/(P2O5+ZrO2)を1.2以下に制御することにより、結晶化ガラス中の二ケイ酸リチウムの結晶相含有量を増加させ、結晶化ガラスのバルク落下高さおよび結晶化ガラス製品の落下試験高さを増加させることができる。このため、Al2O3/(P2O5+ZrO2)が1.2以下であることが好ましく、Al2O3/(P2O5+ZrO2)が1.0以下であることがより好ましく、Al2O3/(P2O5+ZrO2)が0.05~0.7であることがさらに好ましい。さらに、いくつかの実施形態では、Al2O3/(P2O5+ZrO2)を0.1~0.6の範囲にすることにより、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品のヘイズも低減することができ、したがって、Al2O3/(P2O5+ZrO2)が0.1~0.6であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、Al2O3/(P2O5+ZrO2)の値は0、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2であってもよい。
【0212】
いくつかの実施形態では、SiO2の含有量とP2O5とZrO2の合計含有量P2O5+ZrO2の比SiO2/(P2O5+ZrO2)を2.5~12.0の範囲に制御することにより、結晶化ガラス中のリチウムシリケート結晶相の形成を促進して含有量を増加させ、他の結晶相の形成を抑制し、結晶化ガラスの熱処理時の熱曲げ性を効果的に保証し、結晶化ガラスの熱曲げ性を向上させることができる。このため、SiO2/(P2O5+ZrO2)の範囲が2.5~12.0であることが好ましく、 SiO2/(P2O5+ZrO2)が3.0~10.0であることがより好ましい。さらに、いくつかの実施形態では、SiO2/(P2O5+ZrO2)を3.5~7.5の範囲にすることにより、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の結晶性を向上させ、結晶化ガラス製品の破断後の破片を増加させることもできる。このため、SiO2/(P2O5+ZrO2)が3.5~7.5であることがさらに好ましく、SiO2/(P2O5+ZrO2)が4.0~6.5であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、SiO2/(P2O5+ZrO2)の値は2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0であってもよい。
【0213】
いくつかの実施形態では、Li2OおよびZrO2の合計含有量ZrO2+Li2OとAl2O3の含有量との比(ZrO2+Li2O)/Al2O3を2.0以上とすることは、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の誘電率を増加させることができ、後続の適用を容易にする。このため、(ZrO2+Li2O)/Al2O3の範囲が2.0以上であることが好ましく、(ZrO2+Li2O)/Al2O3が2.5以上であることがより好ましく、(ZrO2+Li2O)/Al2O3が2.5~30.0であることがさらに好ましい。さらに、いくつかの実施形態では、(ZrO2+Li2O)/Al2O3を3.0~20.0の範囲にすることによって、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の誘電損失も低減することができる。したがって(ZrO2+Li2O)/Al2O3が3.0~20.0であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、(ZrO2+Li2O)/Al2O3の値は2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、20.0、20.5、21.0、21.5、22.0、22.5、23.0、23.5、24.0、24.5、25.0、25.5、26.0、26.5、27.0、27.5、28.0、28.5、29.0、29.5、30.0、31.0、32.0、33.0、34.0、35.0、36.0、37.0、38.0、39.0、40.0、41.0、42.0、43.0、44.0、45.0、46.0、47.0、48.0、49.0、50.0、51.0、52.0、53.0、54.0、55.0、56.0、57.0、58.0、59.0、60.0であってもよい。
【0214】
本発明のいくつかの実施形態では、SiO2、Al2O3の合計含有量SiO2+Al2O3とZrO2の含有量との比(SiO2+Al2O3)/ZrO2を4.0~16.0の範囲内にすることにより、ガラス結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品に適切な表面抵抗を与えることができ、その後の使用を容易にすることができる。このため、(SiO2+Al2O3)/ZrO2が4.0~16.0であることが好ましく、(SiO2+Al2O3)/ZrO2は4.5~12.0が4.5~12.0であることがより好ましい。さらに、いくつかの実施形態では、(SiO2+Al2O3)/ZrO2を5.0~10.0の範囲に制御することにより、結晶化ガラスのさらなる熱処理(例えば、熱曲げ)後の結晶相の含有量の変化を低減することができ、熱処理(例えば、熱曲げ)後の結晶化ガラスの寸法を容易に制御することができ、その後の加工を容易にすることができる。このため、(SiO2+Al2O3)/ZrO2が5.0~10.0であることがさらに好ましく、(SiO2+Al2O3)/ZrO2が6.0~9.5であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、(SiO2+Al2O3)/ZrO2の値は4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0であってもよい。
【0215】
発明者の大量の実験研究により、Al2O3、Li2O、ZrO2およびP2O5には複雑な共同作用が存在することが分かった。本発明のいくつかの実施形態では、Al2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)を0.4以下に制御することにより、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の落球式衝撃試験高さを向上させることができるので、好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)が0.4以下、より好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)が0.3以下、さらに好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)が0.25以下である。いくつかの実施形態では、Al2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)を0.01~0.2の範囲に制御することにより、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品のヘイズおよび光透過率を最適化することもできる。このため、最も好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)が0.01~0.2、さらに最も好ましくはAl2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)が0.01~0.1である。いくつかの実施形態では、Al2O3/(Li2O+ZrO2+P2O5)の値は0、0より大きい、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4であってもよい。
【0216】
本発明のいくつかの実施形態では、Li2O、ZrO2の合計含有量Li2O+ZrO2とSiO2の含有量との比(Li2O+ZrO2)/SiO2を0.19~0.55の範囲とすることにより、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の硬度および落球式衝撃試験高さを向上させることができる。このため、(Li2O+ZrO2)/SiO2が0.19~0.55であることが好ましく、(Li2O+ZrO2)/SiO2が0.2~0.5であることがより好ましい。さらに、いくつかの実施形態では、(Li2O+ZrO2)/SiO2を0.25~0.45の範囲内にすることによって、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の|B|値を減少させることもできる。このため、(Li2O+ZrO2)/SiO2が0.25~0.45であることがさらに好ましく、((Li2O+ZrO2)/SiO2が0.25~0.4であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、(Li2O+ZrO2)/SiO2の値は0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55であってもよい。
【0217】
本発明のいくつかの実施形態では、Li2O、Al2O3の合計含有量Li2O+Al2O3とZrO2含有量との比(Li2O+Al2O3)/ZrO2を0.8~5.0の範囲に制御することにより、ガラス結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の曲げ強度を向上させることができる。このため、(Li2O+Al2O3)/ZrO2が0.8~5.0であることが好ましく、(Li2O+Al2O3)/ZrO2が1.0~4.0であることがより好ましい。さらに、(Li2O+Al2O3)/ZrO2を1.2~3.0に制御することにより、結晶化ガラスの化学的耐久性をさらに最適化することができ、結晶化ガラスのイオン交換層深さおよび表面応力を向上させることができる。このため、(Li2O+Al2O3)/ZrO2が1.2~3.0であることがさらに好ましく、(Li2O+Al2O3)/ZrO2が1.5~2.5であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、(Li2O+Al2O3)/ZrO2の値は0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0であってもよい。
【0218】
本発明のいくつかの実施形態では、ZrO2およびP2O5の合計含有量ZrO2+P2O5に対するLi2Oの含有量との比Li2O/(ZrO2+P2O5)を0.5~3.0の範囲に制御することにより、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の|B|値および結晶粒度を低減することができる。このため、Li2O/(ZrO2+P2O5)が0.5~3.0であることが好ましく、Li2O/(ZrO2+P2O5)が0.6~2.5であることがより好ましい。さらに、Li2O/(ZrO2+P2O5)を0.7~2.0の範囲とすることにより、結晶化ガラスの化学的耐久性も最適化でき、結晶化ガラスのイオン交換層深さ及び破壊靭性を向上させることができる。このため、Li2O/(ZrO2+P2O5)が0.7~2.0であることがさらに好ましく、Li2O/(ZrO2+P2O5)が0.8~1.5であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、Li2O/(ZrO2+P2O5)の値は0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、1.9、1.95、2.0、2.05、2.1、2.15、2.2、2.25、2.3、2.35、2.4、2.45、2.5、2.55、2.6、2.65、2.7、2.75、2.8、2.85、2.9、2.95、3.0であってもよい。
【0219】
ZnOは、ガラスの溶解困難性を低減し、含有量が多すぎるとガラスの低温分相を促進し、ガラス結晶化ガラス及び結晶化ガラス製品の結晶化度を低下させることができ、ZnOの含有量の上限は3%、好ましくは2%、より好ましくは1%、さらに好ましくはZnOを含有しない。いくつかの実施形態では、約0%、0%より大きい、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%のZnOが含まれていてもよい。
【0220】
MgOはガラスの溶解難度を低減し、結晶化ガラスや結晶化ガラスの落球式衝撃試験高さを高めるのに有利であるが、ガラスの低温結晶化を促進し、結晶化ガラスや結晶化ガラスの結晶化度や光透過率を低下させやすい。このため、MgOの含有量の上限は3%、好ましくは2%、より好ましくは1%、さらに好ましくはMgOを含有しない。いくつかの実施形態では、約0%、0%より大きい、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%のMgOが含まれていてもよい。
【0221】
本発明のいくつかの実施形態では、MgOおよびZnOの合計含有量MgO+ZnOとZrO_2の含有量との比(MgO+ZnO)/ ZrO2を0.65以下に制御することにより、ガラス結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の硬度、曲げ強度および破壊靭性を向上させることができる。このため、(MgO+ZnO)/ZrO2が0.65以下であることが好ましく、(MgO+ZnO)/ZrO2が0.4以下であることがより好ましく、(MgO+ZnO)/ZrO2が0.2以下であることがさらに好ましく、(MgO+ZnO)/ZrO2が0.1以下であることが最も好ましい。いくつかの実施形態では、(MgO+ZnO)/ZrO2の値は0、0より大きい、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.23、0.25、0.27、0.3、0.33、0.35、0.37、0.4、0.43、0.45、0.47、0.5、0.53、0.55、0.57、0.6、0.63、0.65であってもよい。
【0222】
SrOは、ガラスの低温溶融性を向上させ、ガラス成形時の結晶化を抑制するための任意の成分であるが、含有量が多すぎるとガラス成形に不利である。したがって、本発明におけるSrOの含有量は0~5%、好ましくは0~2%、より好ましくは0~1%、さらに好ましくはSrOを含有しない。いくつかの実施形態では、約0%、0%より大きい、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%SrOを含むことができる。
【0223】
BaOはガラスのガラス形成性を向上させるのに役立つ任意の成分であり、含有量が多すぎるとガラスの成形に不利である。したがって、本発明におけるBaOの含有量は、0~5%、好ましくは0~2%、より好ましくは0~1%、さらに好ましくはBaOを含有しない。いくつかの実施形態では、約0%、0%より大きい、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%BaOを含むことができる。
【0224】
CaOはガラスの硬度を高めることができ、含有量が多すぎるとガラス成形時に乳化しやすくなる。したがって、本発明におけるCaOの含有量は、0~5%、好ましくは0~2%、より好ましくは0~1%の範囲であり、さらに好ましくはCaOを含有しない。いくつかの実施形態では、約0%、0%より大きい、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%CaOを含むことができる。
【0225】
TiO2は、ガラスの溶融温度を低下させ、化学的安定性を向上させるのに寄与する任意の成分であり、本発明では5%以下のTiO2を含有することにより、ガラスの結晶化プロセスの制御を容易にすることができ、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下のTiO2を含有する。いくつかの実施形態では、さらに好ましくはTiO2を含まない。いくつかの実施形態では、約0%、0%より大きい、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%TiO2が含まれていてもよい。
【0226】
B2O3はガラスの網状構造を改善し、結晶化ガラスの化学的耐久性を調整することができ、その含有量が5%を超えるとガラス成形に不利であり、成形時に結晶化しやすいので、B2O3の含有量の上限を5%、好ましくは3%、より好ましくは2%、さらに好ましくはB2O3を含有しない。いくつかの実施形態では、約0%、0%より大きい、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%B2O3を含むことができる。
【0227】
Y2O3はZrO2の溶解を促進し、ガラスの溶解難度を低下させ、含有量が多すぎるとガラス結晶化時の結晶形成が困難になり、結晶化ガラス及び結晶化ガラス製品の結晶性が低下し、結晶化ガラス及び結晶化ガラス製品の落球式衝撃試験の高さが低下する。従って、Y2O3の含有量の上限は6%、好ましくは4%、より好ましくは2%である。いくつかの実施形態では、約0%、0%より大きい、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%Y2O3を含むことができる。
【0228】
いくつかの実施形態では、ガラス、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品は、ガラス、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の脱泡能力を向上させるために0~2%の清澄剤をさらに含有してもよく、この清澄剤は、Sb2O3、SnO2、SnO、CeO2、F(フッ素)、Cl(塩素)およびBr(臭素)のうちの1つまたはそれ以上、好ましくはSb2O3を含むが、これらに限定されない。前記清澄剤が単独または組み合わせて存在する場合、その含有量の上限は好ましくは1%、より好ましくは0.5%である。いくつかの実施形態では、上記清澄剤の1つ、またはそれ以上の含有量は、約0%、0%より大きい、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%。
【0229】
本発明のガラス、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の性能に影響を与えることなく、ガラス、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の性能を向上させることができる。La2O3、Gd2O3、Yb2O3、Nb2O5、WO3、Bi2O3、Ta2O5、TeO2、GeO2等のような上記に記載されていない他の成分を適宜添加することができるが、出願ガラス、結晶化ガラスまたは結晶化ガラスの優れた特性を維持するために、La2O3、Gd2O3、Yb2O3、Nb2O5、WO3、Bi2O3、Ta2O5、TeO2、GeO2の各含有量または合計含有量が5%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは含有しない。
【0230】
PbO及びAs2O3は有害物質であり、少量であっても環境保護の要件を満たしていないので、いくつかの実施形態では、本発明はPbO及びAs2O3を含まないことが好ましい。
【0231】
本発明のいくつかの実施形態では、着色剤を含有することによって、色を有するガラス組成物、結晶化ガラス、または結晶化ガラス製品を製造することができ、ガラス組成物、結晶化ガラス、または結晶化ガラス製品は、異なる色を呈することができ、着色剤は、NiO成分を0~4%、および/またはNi2O3成分を0~4%、および/またはCoO成分を0~2%、および/またはCo2O3成分を0~2%、および/またはFe2O3成分を0~7%、および/またはMnO2成分を0~4%、および/またはEr2O3成分を0~8%、および/またはNd2O3 成分を0~8%、および/またはCu2O成分を0~4%、および/またはPr2O5成分を0~8%、および/またはCeO2 成分を0~4%。その着色剤の質量パーセント含有量及びその作用を以下のように詳しく述べる。
【0232】
本発明により製造された褐色または緑色のガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品は、着色剤としてNiO、Ni2O3またはPr2O5は着色剤。NiO及びNi2O3は着色剤である。褐色または緑色のガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品を調製するために使用される、2つの成分は、それぞれの含有量が一般的に4%以下、好ましくは3%以下であり、含有量が4%を超えると、着色剤はガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品中によく溶けず、それぞれの含有量の下限が0.1%以上であり、0.1%未満であれば、ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の色が目立たない、単独でまたは混合して使用することができる。いくつかの実施形態では、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%のNiOまたはNi2O3を含むことができる。混合使用の場合、NiOとNi2O3の合計量は4%以下であり、合計量の下限は0.1%以上であることが一般的である。いくつかの実施形態では、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%のNiOおよびNi2O3を含むことができる。Pr2O5は、緑色のガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の着色剤として単独で使用され、一般的な含有量が8%以下、好ましくは6%以下であり、その含有量の下限が0.4%以上、0.4%未満であれば、ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の色が目立たない。いくつかの実施形態では、約0.4%、0.6%、0.8%、1.0%、1.2%、1.4%、1.6%、1.8%、2.0%、2.2%、2.4%、2.6%、2.8%、3.0%、3.2%、3.4%、3.6%、3.8%、4.0%、4.2%、4.4%、4.6%、4.8%、5.0%、5.2%、5.4%、5.6%、5.8%、6.0%、6.2%、6.4%、6.6%、6.8%、7.0%、7.2%、7.4%、7.6%、7.8%、8.0%のPr2O5が含まれていてもよい。
【0233】
本発明により製造されたブルーガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品、着色剤としてCoOまたはCo2O3を用いる。2種類の着色剤成分は単独でまたは混合して使用することができる、それぞれの含有量はいずれも一般的に2%以下、好ましくは1.8%以下であり、含有量が2%を超えると、着色剤はガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品中によく溶けず、それぞれの含有量の下限は0.05%以上であり、0.05%未満であれば、ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の色は目立たない。いくつかの実施形態では、約0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%のCoOまたはCo2O3を含むことができる。混合使用の場合、CoOとCo2O3の合計量は2%を超えず、合計量の下限は0.05%以上である。いくつかの実施形態では、約0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%のCoOおよびCo2O3を含むことができる。
【0234】
本発明により製造されたイエローガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品、着色剤としてCu2OまたはCeO2を使用し、2種類の着色剤成分を単独または混合して使用し、それぞれの含有量の下限が0.5%以上、0.5%未満であれば、ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の色が目立たず、Cu2O単独では4%以下、好ましくは3%以下であり、含有量が4%を超えると、ガラス組成物の結晶化が容易である。いくつかの実施形態では、約0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%のCu2Oが含まれていてもよい。CeO2の含有量は、一般的に4%以下、好ましくは3%以下であり、4%を超えると、ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の光沢が悪くなる。いくつかの実施形態では、約0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%のCeO2が含まれていてもよい。一方、CeO2の添加量は、ガラス中に少量添加すると気泡除去効果があり、CeO2は清澄剤として使用することもでき、清澄剤として使用した場合、その含有量は2%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下である。2種類の着色剤を混合して使用する場合、その合計量は一般的に4%以下であり、合計量の下限は0.5%以上である。いくつかの実施形態では、約0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%のCeO2およびCu2Oが含まれていてもよい。
【0235】
着色剤としてFe2O3を単独で使用して製造された黒色またはスモークグレーのガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品、または、Fe2O3とCoOの2種類を混合して使用する着色剤を使用する。または、Fe2O3とCo2O3の2種類を混合した着色剤を使用する。または、Fe2O3、CoO、NiOの3種類を混合した着色剤を使用する。または、Fe2O3、Co2O3、NiOの3種類を混合した着色剤を使用する。黒色およびスモークグレーのガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品を調製するための着色剤は、主としてFe2O3を用いて着色され、その含有量は7%以下、好ましくは5%以下であり、その含有量の下限は0.2%以上であり、いくつかの実施形態では約0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%のFe2O3を含有することができる。CoOとCo2O3は可視光で吸収され、ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の着色度を深めることができ、一般的にFe2O3と混合して使用する場合のそれぞれの含有量は0.6%以下であり、下限は0.2%以上である。いくつかの実施形態では、約0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%のCoOおよび/またはCo2O3を含むことができる。NiOは可視光で吸収され、ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の着色程度を深めることができ、一般的に混合して使用する場合、その含有量は1%以下で、合計量の下限は0.2%以上である。いくつかの実施形態では、約0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%のNiOが含まれていてもよい。
【0236】
本発明により製造された紫色のガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品は、着色剤としてMnO2を使用し、その含有量は一般的に4%以下、好ましくは3%以下であり、その含有量の下限が0.1%以上、0.1%未満であれば、ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の色が目立たない。いくつかの実施形態では、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%のMnO2が含まれていてもよい。
【0237】
着色剤としてEr2O3を使用し、一般的に8%以下、好ましくは6%以下の含有量で、本発明により製造されたピンク色のガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品を提供する。希土類元素Er2O3の着色効率が低いため、含有量が8%を超えても、ガラス組成物、結晶化ガラス或いは結晶化ガラス製品の色を更に深くすることができず、逆にコストを増加し、その含有量の下限は0.4%以上で0.4%未満であれば、ガラス組成物、結晶化ガラス或いは結晶化ガラス製品の色は明らかではない。いくつかの実施形態では、約0.4%、0.6%、0.8%、1.0%、1.2%、1.4%、1.6%、1.8%、2.0%、2.2%、2.4%、2.6%、2.8%、3.0%、3.2%、3.4%、3.6%、3.8%、4.0%、4.2%、4.4%、4.6%、4.8%、5.0%、5.2%、5.4%、5.6%、5.8%、6.0%、6.2%、6.4%、6.6%、6.8%、7.0%、7.2%、7.4%、7.6%、7.8%、8.0%のEr2O3が含まれていてもよい。
【0238】
本発明により製造された赤紫色ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品は、着色剤としてNd2O3を使用し、一般的に8%以下、好ましくは6%以下の使用量である。希土類元Nd2O3の着色効率が低いため、使用量は8%を超えても、ガラス組成物、結晶化ガラスあるいは結晶化ガラス製品の色をさらに深くすることができず、逆にコストを増加し、その含有量の下限は0.4%以上で、0.4%未満であれば、ガラス組成物、結晶化ガラスあるいは結晶化ガラス製品の色は明らかではない。いくつかの実施形態では、約0.4%、0.6%、0.8%、1.0%、1.2%、1.4%、1.6%、1.8%、2.0%、2.2%、2.4%、2.6%、2.8%、3.0%、3.2%、3.4%、3.6%、3.8%、4.0%、4.2%、4.4%、4.6%、4.8%、5.0%、5.2%、5.4%、5.6%、5.8%、6.0%、6.2%、6.4%、6.6%、6.8%、7.0%、7.2%、7.4%、7.6%、7.8%、8.0%のNd2O3が含まれていてもよい。
【0239】
本発明により製造された赤色ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品、Er2O3、Nd2O3及びMnO2を用いて着色剤を混合する。ガラス中のErイオンは400ー500nmに吸収されている、Mnイオンは主に500nmで吸収され、Ndイオンは主に580nmで強い吸収があり、三種類の物質の混合により、赤色ガラス組成物、結晶化ガラスあるいは結晶化ガラス製品を製造することができ、Er2O3とNd2O3は希土類の着色であるため、着色能力は比較的に弱く、Er2O3の使用量は6%以内、Nd2O3の使用量は4%以内、MnO2の着色は強く、使用量は2%の範囲内、その混合着色剤の合計使用量の下限は0.9%以上である。
【0240】
本明細書に記載された「0%を含まない」とは、当該化合物、分子または元素等を本発明のガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に原料として意図的に添加していないことをいう。しかし、ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品を製造する原材料および/または設備として、意図的に添加されたものではない不純物または成分が存在し、最終的なガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品中に少量または微量に含まれる場合があり、このような場合も本発明特許の保護範囲内にある。
【0241】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明の結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品に高い強度を提供し、破壊靭性が高くなる結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品の結晶相にリチウムシリケートを含み、結晶化ガラス及び結晶化ガラス製品は、落球式衝撃試験高さ及び4点曲げ強度が大きくなる。本発明の結晶化ガラスは、化学的耐久性に優れ、また、化学強化法により優れた機械的強度が得られるように処理することができる。合理的な組成設計により、本発明の結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品は、適切な結晶粒度を得ることができ、高い強度を有することができる。本発明によれば、結晶化度が良好であるため、優れた機械的特性を有する結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品を提供することができる。本文でいう結晶度とは結晶の完成度を指し、結晶が完成した結晶内部の質点の配列は比較的規則的で、回折線は強くて、鋭くて対称で、回折ピークの半値幅は計器で測定した幅に近い、結晶性の悪い結晶には転位などの欠陥があり、回折線のピーク形状が広く分散している。結晶性が悪いほど回折能が弱く、回折ピークはバックグラウンドに消えるまで広くなる。いくつかの実施形態では、結晶化ガラス製品または結晶化ガラスの結晶化度は50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。
【0242】
本発明の結晶化ガラスまたは結晶化ガラスにおける結晶粒の大きさおよび種類は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラスのヘイズおよび透過率に影響を与え、結晶粒が小さいほど透過率が高い、ヘイズが小さいほど透過率が高くなる。いくつかの実施形態では、1mm以下の厚さの結晶化ガラス製品または結晶化ガラスのヘイズは、0.2%以下、好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下である。いくつかの実施形態では、結晶化ガラス製品または結晶化ガラスの結晶粒度は、80nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下である。
【0243】
いくつかの実施形態では、本発明は、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品中の結晶相含有率および屈折率が、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品の|B|値に影響を与え、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品を可視光領域で観察すると、青色または黄色寄りになり、製品の光学性能に影響を与え、LAB(物質色の測色値)において、|B|値で標識されることを特徴とする結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品を提供する。結晶化ガラスまたは結晶化ガラスは、可視光領域において低い|B|値を示し、いくつかの実施形態では、厚さ1mm以下の結晶化ガラスまたは結晶化ガラスの400~800nmにおける平均光|B|値は、0.9以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下である。
【0244】
いくつかの実施形態では、本発明の結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品は、可視光領域において高い透明性を示す(すなわち、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品は透明である)。結晶化ガラスまたは結晶化ガラスは可視光領域で高い透過率を示し、いくつかの実施形態では、厚さ1mm以下の結晶化ガラスまたは結晶化ガラスの400~800nmの平均光透過率は87%以上であることが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、厚さ1mm以下の結晶化ガラス製品または結晶化ガラスの550nmの光透過率は、88%以上であることが好ましい。
【0245】
いくつかの実施形態では、抗菌成分は、ガラス組成物、結晶化ガラス、または結晶化ガラス製品に添加されてもよい。本明細書に記載された結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品は、例えば、有害なバクテリアに曝される可能性が高いキッチンまたはダイニングテーブルのような用途に使用することができる。ガラス組成物、結晶化ガラスまたは結晶化ガラス製品に含まれる抗菌成分は、Ag、AgO、Cu、CuO、Cu2O等を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、上記抗菌成分の単独または組み合わせの含有量は2%以下、好ましくは1%以下である。
【0246】
本発明のガラス組成物、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品は、以下の方法により製造および製造することができる成分を
ガラス組成物の生成成分を原料を成分比に応じて均一に混合し、均一な混合物を白金製または石英製のるつぼに入れ、ガラス組成の融解難易度に応じて電気炉またはガス炉で1250~1650℃の温度範囲で5~24時間行う。溶かし、攪拌して均一にした後、適温に下げて型に流し込み、徐冷して得られる。
【0247】
本発明のガラス組成物は、周知の方法で成形することができる。
【0248】
本発明のガラス組成物、成形後または成形加工後に結晶化工法により結晶化処理を行うことにより、ガラス内部に結晶が均一に析出する。この結晶化処理は、1段階で行ってもよく、2段階で行ってもよく、好ましくは2段階で行う。核生成工法の処理を第1の温度で行った後、結晶成長工法の処理を核生成工法の温度よりも高い第2の温度で行う。第1の温度で行う結晶化処理を第1の結晶化処理と呼び、第2の温度で行う結晶化処理を第2の結晶化処理と呼ぶ。
【0249】
結晶化ガラスを所望の物性にするために、好ましい結晶化プロセスは次のとおりである。以上のように結晶化処理を1段階で行うことにより、核形成工法と結晶成長工法を連続的に行うことができる。すなわち、所定の結晶化処理温度まで昇温し、結晶化処理温度に達した後、一定時間保持した後、降温する。この結晶化処理温度は好ましくは580~750℃、所望の結晶相を析出させるためにはより好ましくは600~700℃、結晶化処理温度での保持時間は好ましくは0~8時間、より好ましくは1~6時間である。
【0250】
上記2段階で結晶化処理を行う場合、第1の温度は470~580℃であり、第2の温度は600~750℃であることが好ましい。第1の温度での保持時間は、好ましくは0~24時間より好ましくは2~15時間。第2の温度での保持時間は、好ましくは0~10時間、より好ましくは0.5~6時間である。
【0251】
上記の保持時間0時間とは、その温度に達してから1分未満で再び昇温または降温することを指す。
【0252】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたガラス組成物または結晶化ガラスは、スロット絞り、フロート、ロールプレス、およびこれらに限定されない他の技術を含むがこれらに限定されない、シートを含むがこれらに限定されない様々なプロセスによって成形体に製造されてもよい。或いは、当業者に公知のフロート法またはロールプレス法により、ガラス組成物または結晶化ガラスを形成することができる。本発明の成形体は、さらに、レンズ、プリズム等を含む。
【0253】
本発明のガラス組成物または結晶化ガラスは、研削加工や研磨加工等の方法を用いてシート状のガラス成形体または結晶化ガラス成形体を製造することができるが、ガラス成形体または結晶化ガラス成形体の製造方法は、これらの方法に限定されるものではない。
【0254】
本発明のガラス組成物または結晶化ガラスは、熱曲げ法やプレス法等の方法を用いて、ある温度で種々の形状を形成するガラス成形体または結晶化ガラス成形体を製造することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0255】
いくつかの実施形態では、ガラス成形体または結晶化ガラス成形体は、熱曲げ工法を用いて製造することができる。熱間曲げ工法は、2Dまたは2.5Dのガラスまたは結晶化ガラスを金型内に配置し、熱間曲げ機内で昇温予熱、プレス成型、保圧降温の工法を順次行って3次元曲面ガラス成形体または結晶化ガラスを製造する工法である。
【0256】
いくつかの実施形態では、結晶化ガラス成形体は2.5Dまたは3D構造を有し、すなわち結晶化ガラス成形体は非平面構造を有する。本明細書で説明される「非平面構造」とは、2.5Dまたは3D形状において、結晶化ガラス成形体の少なくとも一部が外向きに延在するか、または2Dガラス組成物のオリジナルのレイアウト構成によって定義される平面との角度に沿って延在することを意味する。ガラス組成物から形成された2.5Dまたは3D結晶化ガラス成形体は、1つ以上の凸部または湾曲部を有していてもよい。
【0257】
いくつかの実施形態では、結晶化ガラス中の結晶相の成長および結晶相の転移などの特性を考慮して、結晶化ガラス成形体を製造する方法は、熱曲げ加工法である。具体的には、本発明の方法は、予備結晶化と熱間加工による成形とを含む。本発明の予備結晶化は、ガラス組成物(すなわち、結晶化前のガラス)を、結晶化プロセスを制御して、目的とする結晶化ガラス成形体の性能指標に必要な結晶化度に達しない結晶化度を有する予備結晶化ガラスを形成することを特徴とする。この予備結晶化ガラスは、熱間加工成形工法を経て、結晶化ガラス成形体を形成する。
【0258】
いくつかの実施形態では、結晶化ガラス成形体の製造方法は、以下のステップを含む。
1) ガラス組成物、昇温、保温核生成、昇温、保温結晶化、室温までの降温を含む一次結晶化熱処理工法を行い、予備結晶化ガラスを形成する。
2) この予備結晶化ガラスを熱間加工して成形することにより、結晶化ガラス成形体を得ることができる。
【0259】
本発明の結晶化熱処理工法は、ガラス組成物をある温度Th、時間thで核化した後、ある温度Tc、時間tcで結晶化する工法であり、得られた予備結晶化ガラスの結晶化度は、目的とする結晶化ガラス成形体の性能指標に必要な結晶化度に達していない。XRDテストデータを用いて、Rietveldフルスペクトラムフィッティング法により、予備結晶化ガラスの結晶化度中の主結晶相の総含有量はIc1であることを計算した。本発明の予備結晶化は、プロセス工法としては、核化工法ステップ、結晶化工法1段、2段、または3段以上などを含む完全なプロセスであり、昇温、保温、再昇温、保温…から、プロセスによって室温に降下する完全なプロセスである。一部の文献または特許に言及されている一次結晶化、二次結晶化……とは異なり、本発明は実際には完全結晶化プロセスにおける第1段階の結晶化、第2段階の結晶化……に過ぎず、その中間は連続しており、室温まで下げた後に再び昇温して結晶化するプロセスは存在しない。
【0260】
本発明の熱間加工成形品は、一定の温度、時間、圧力などの条件下で、予備結晶化ガラスに、ある温度、時間、圧力等の条件下でプレス成形、曲げ成形、または絞り成形を含むがこれに限定されない複数回の熱間加工工法を含む熱間加工工法成形処理を施す。熱間加工による成形工法では、複雑な形状の成形体が1回の熱間加工では完成しない場合があり、2回以上の複数回の熱間加工を必要とする場合がある。
【0261】
いくつかの実施形態では、結晶化ガラス成形体の製造方法は、熱曲げ加工方法である。具体的には、いくつかの実施形態において、結晶化ガラス成形体の製造方法は、以下のステップを含む。
1) 昇温予熱成分をガラス組成物または前結晶化ガラスまたはガラス結晶化ガラスを金型の中に置き、金型は熱曲げ機の中で順番に各昇温チャンバーを通過し、各チャンバーに一定時間滞在して保温する。予熱帯の温度は400~800℃、圧力は0.01~0.05MPa、時間は40~200sである。いくつかの実施形態では、5つの予熱チャンバーの熱曲げ機について、一般的に初期昇温安定設定は約500℃であり、後続チャンバーは徐々に昇温し、隣接する2つのチャンバー間の温度勾配は低温から高温に向かって徐々に縮小し、最後の予熱チャンバーとプレス型の第1チャンバーとの温度差は20℃の範囲内であればよい。
2) プレス成型成分を金型は予熱を経た後に成形チャンバーに転送され、熱曲げ機は金型に一定の圧力を加え、圧力範囲は0.1~0.8MPa、圧力の大きさはガラスの厚さ、ラジアンなどの要素によって確定され、成形チャンバーの温度範囲は650~850℃、成形時間範囲は40~200s。
3) 保圧冷却成分を金型を冷却チャンバーに移送し、チャンバーごとに冷却します。降温温度範囲は750~500℃、圧力は0.01~0.05MPa、時間は40~200sとする。
【0262】
結晶化ガラス成形体は熱曲げ加工で成形する必要があるほか、一般的な高アルミニウムガラスのような外観品質を制御する必要がある、また、ディスプレイデバイスや電子機器の筐体に用いられる3D曲面ガラスのように、熱曲げ工法での結晶成長発育がガラスの性能に与える影響を制御する必要があり、熱曲げ後の光透過率、ヘイズ、|B|値、およびその均一性などに注意を払う必要がある。
【0263】
いくつかの実施形態では、予備結晶化ガラスの主結晶相は、リチウムシリケート、および/または二ケイ酸リチウム、および/またはリン酸リチウム、および/または石英固溶体および/またはリチウム透過長石を含み、結晶相の含有率は20~60%であり、ここで、リチウム透過長石の含有率は0~18%である。熱間曲げ法により成形した後に形成される結晶化ガラス成形体であって、主結晶相が二ケイ酸リチウム、または二ケイ酸リチウムとリチウム透過長石とを含み、結晶相の含有率が40~70%の範囲であり、かつリチウム透過長石の含有率が0~18%である。
【0264】
いくつかの実施形態では、予備結晶化ガラスの主結晶相は、リチウムシリケート、および/または二ケイ酸リチウム、および/またはリン酸リチウム、および/または石英固溶体および/またはリチウム透過長石を含み、結晶相の含有率は20~60%であり、ここで、リチウム透過長石の含有率は0~18%である。熱間曲げ法により成形された後に形成される結晶化ガラス成形体であって、主結晶相がリチウムシリケートおよび/または二ケイ酸リチウムを含有し、結晶相含有率が40~70%の範囲である。
【0265】
熱曲げ前後の結晶相変化量は、結晶化ガラス成形体の寸法均一性、量産可能性、コスト管理などを決定し、熱間加工性に優れ、熱間曲げ成形後の結晶相含有量の変化量が20%以下、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下であり、熱間曲げ成形後に得られる結晶化ガラス成形体のヘイズや|B|値等の均一性を確保することができる。
【0266】
本発明に記載されたガラス組成物、結晶化ガラスおよび結晶化ガラス製品は、合理的に有用な任意の厚さを有することができる。
【0267】
本発明の結晶化ガラスは、析出結晶化による機械的特性の向上に加えて、圧縮応力層を形成することにより、より優れた機械的特性を得ることができ、結晶化ガラス製品とすることができる。
【0268】
いくつかの実施形態では、ガラス組成物または結晶化ガラスは、シート状に加工され、および/または造形(例えば、穿孔、熱曲げなど)され、セットされた後に研磨および/または掃引され、化学強化プロセスによって化学的に強化されてもよい。
【0269】
本発明の化学強化法は、イオン交換法である。イオン交換工法では、ガラス組成物または結晶化ガラス中のより小さな金属イオンが、ガラス組成物または結晶化ガラスに近い、同じ価数を有するより大きな金属イオンに置換または「交換」される。より大きなイオンをより小さなイオンに置換することにより、ガラス組成物またはガラス結晶化ガラスに圧縮応力を構築し、圧縮応力層を形成する。
【0270】
いくつかの実施形態では、金属イオンは、1価のアルカリ金属イオン(例えば、Na+、K+、Rb+、Cs+等)であり、イオン交換は、ガラス組成物またはガラス結晶化ガラスを、ガラス組成物中の小さな金属イオンを置換するために使用される大きな金属イオンの少なくとも1つの溶融塩を含む塩浴に浸漬することによって行われる。また、他の一価金属イオン、例えばAg+、Tl+、Cu+等を一価イオン交換に用いることもできる。ガラス組成物またはガラス結晶化ガラスを化学的に強化するための1つ以上のイオン交換プロセスは、それらを単一の塩浴に浸漬すること、またはそれらを同じまたは異なる組成を有する複数の塩浴に浸漬することを含み得るが、それらの間に洗浄および/またはアニール工法を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0271】
いくつかの実施形態では、ガラス組成物または結晶化ガラスは、約350℃~470℃、好ましくは380℃~460℃、好ましくは2~24時間の範囲に浸漬された溶融Na塩(例えば、NaNO3)の塩浴中で約1~36時間イオン交換されてもよい。この実施形態では、Naイオンは、ガラス組成物または結晶化ガラス中のLiイオンの一部を置換し、それによって表面圧縮層を形成し、高い機械的特性を示す。いくつかの実施形態では、約360℃~450℃の温度でK塩(例えば、KNO3)を溶融塩浴に1~36時間浸漬することにより、ガラス組成物またはガラス結晶化ガラスをイオン交換してもよく、好ましくは2~24時間の範囲でイオン交換することができる。いくつかの実施形態では、約360℃~450℃、好ましくは2~24時間の範囲で溶融K塩とNa塩とを混合塩浴に1~36時間浸漬することにより、ガラス組成物またはガラス結晶化ガラスをイオン交換することができる。
【0272】
本発明の結晶化ガラスおよび/または結晶化ガラス製品および/またはガラス組成物の諸性能指標は、以下の方法を用いて試験される。
【0273】
[ヘイズ]
ヘイズ試験機ミノルタCM3600Aを用い、1mm以下のサンプルで作製し、GB2410-80を基準として試験を行った。
【0274】
[結晶粒度]
SEM走査型電子顕微鏡を用いて測定を行い、HF酸中で表面処理を施した後、結晶化ガラスの表面に金を噴射し、SEM走査型電子顕微鏡下で表面走査を行い、結晶粒の大きさを決定した。
【0275】
[光透過率]
本稿で述べた光透過率はいずれも外部透過率であり、透過率と略す場合がある。
試料を1mm以下に加工し対向面を平行研磨し、400~800nmの平均光透過率を日立U-41000形分光光度計で測定した。
試料を1mm以下に加工し対向面を平行研磨し、550nmの光透過率を日立U-41000形分光光度計で測定した。
【0276】
[結晶性] XRD回折ピークをデータベース画像と比較し、全体画像強度に占める結晶相回折強度の割合を算出して結晶化度を求め、純粋な水晶を用いて内部校正を行う。
【0277】
[イオン交換層の深さ]
ガラス表面応力計SLPー2000を用いてイオン交換層深さ測定を行った。
測定条件として、試料の屈折率を1.56、光弾性定数を26[(nm/cm)/MPa]として算出する。
【0278】
[落球式衝撃試験の高さ]
ガラス搬送治具上に145mm×67mm×0.7mmの結晶化ガラス製品試料を載置し、132gの鋼球を所定の高さから落下させ、試料が破断することなく耐えられる衝撃の最大落下試験高さ。具体的には、落球式衝撃試験高さ800mmから試験を実施し、850mm、900mm、950mm、1000mm以上と破断することなく順次高さを変化させる。「落球式衝撃試験高さ」を有する実施例では、結晶化ガラス製品を試験対象とする。実施例では1000mmの試験データが記録されており、1000mmの高さから鋼球を落下させても破損することなく衝撃に耐えたことを示している。本発明における落球式衝撃試験高さは、落球高さと略される場合がある。
【0279】
[本体落球高さ]
ガラス支持治具に145mm×67mm×0.7mmの結晶化ガラス試料を置き、32gの鋼球を所定の高さから落下させ、試料が破断することなく衝撃に耐えられる最大落下試験高さを本体落下高さとした。具体的には、落下試験高さ500mmから試験を実施し、550mm、600mm、650mm、700mm以上と破断することなく順次高さを変化させる。「本体落球高さ」を有する実施例では、結晶化ガラスを試験対象とする、すなわち、結晶化ガラスの落球式衝撃試験高さである。実施例では1000mmの試験データが記録されており、1000mmの高さから鋼球を落下させてもガラスガラスが破損することなく衝撃に耐えたことを示している。
【0280】
[破壊靭性]
圧痕拡大亀裂の寸法を直接測定する方法を用いて、試料の規格は2mm×4mm×20mmで、面取り、平坦化と研磨を経て、試料の準備が完了した後、ビッカース硬さ圧子で試料に49Nの力を加えて30sの時間維持し、圧痕を打ち出した後、3点曲げ法で破壊強度を測定した。
【0281】
[4点曲げ強さ]
マイクロコンピュータ制御電子万能試験機CMT6502を用い、サンプル仕様は1mm以下の厚さで、ASTM C 158-2002を標準として試験を行った。本発明では、4点曲げ強度を単に曲げ強度と呼ぶ場合がある。
【0282】
[ビッカース硬度]
対向面間の角度が136°であるダイヤモンド四角錐圧子が、試験面にピラミッド形状のくぼみを圧入する際の荷重(N)を、くぼみの長さから算出される表面積(mm^2)で除した値で表す。試験は負荷100(N)、保持時間15(秒)として行った。本発明ではビッカース硬さを単に硬さと呼ぶ場合がある。
【0283】
[|B|値]
B値はミノルタCM-700dを用いて測定する。サンプルの規格は1mm以下の厚さであり、セット補正長筒と短筒を用いてそれぞれ機器のゼロ位置校正とホワイトボード校正を行い、校正後に長筒を用いて対空試験を行い、機器の安定校正信頼性を判定し(B≦0.05)、機器補正合格後に製品をゼロ位置長筒に置いて試験を行った。 |B|値はB値の絶対値である。
【0284】
[熱膨張係数]
熱膨張係数(α20℃-120℃)はGB/T7962.16-2010試験方法に従って試験した。
【0285】
[屈折率]
屈折率(nd)はGB/T7962.1-2010の方法に従ってテストした。
【0286】
[誘電率]
誘電率(εr)はGB 9622.9ー1988法により測定し、測定周波数は1~7GHzとした。
【0287】
[誘電損失]
誘電損失(tanδ)はGB 9622.9-1988方法により測定し、測定周波数は1~7GHzである。
【0288】
[表面抵抗]
表面抵抗はCSー157ー2020法により試験し、試験温度は20~40℃とした。
【0289】
本発明の結晶化ガラス製品は、以下の特性を有する。
1) いくつかの実施形態では、結晶化ガラス製品の4点曲げ強度は600MPa以上、好ましくは650MPa以上、より好ましくは700MPa以上である。
2) いくつかの実施形態では、結晶化ガラス製品のイオン交換層の深さは20μm以上、好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上である。
3) いくつかの実施形態では、結晶化ガラス製品の落球式衝撃試験高さは1400mm以上、好ましくは1500mm以上、より好ましくは1600mm以上である。
4) いくつかの実施形態では、結晶化ガラス製品の破壊靭性は、1 MPa・m1/2以上、好ましくは1.3 MPa・m1/2以上、より好ましくは1.5MPa・m^1/2以上である。
5) いくつかの実施形態では、結晶化ガラス製品のビッカース硬度(Hv)は、730kgf/ mm2以上、好ましくは750kgf/ mm2以上、より好ましくは780kgf/ mm2以上である。
6) いくつかの実施形態では、結晶化ガラス製品の結晶化度は50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。
7) いくつかの実施形態では、結晶化ガラス製品の結晶粒度は80nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下である。
8) いくつかの実施形態では、厚さ1mm以下の結晶化ガラス製品のヘイズは0.2%以下、好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下である。この厚みは、好ましくは0.2~1mm、より好ましくは0.3~0.9mm、より好ましくは0.5~0.8mm、さらに好ましくは0.55mm、0.6mm、0.68mm、0.7mm、0.75mmである。
9) いくつかの実施形態では、厚さ1mm以下の結晶化ガラス製品は、波長400~800nmの平均光透過率が87%以上、好ましくは89%以上、より好ましくは90%以上である。この厚みは、好ましくは0.2~1mm、より好ましくは0.3~0.9mm、より好ましくは0.5~0.8mm、さらに好ましくは0.55mm、0.6mm、0.68mm、0.7mm、0.75mmである。
10) いくつかの実施形態では、厚さ1mm以下の結晶化ガラス製品は、波長550nmの光透過率が88%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上である。この厚みは、好ましくは0.2~1mm、より好ましくは0.3~0.9mm、より好ましくは0.5~0.8mm、さらに好ましくは0.55mm、0.6mm、0.68mm、0.7mm、0.75mmである。
11) いくつかの実施形態では、厚さ1mm以下の結晶化ガラス製品は、400~800nmの平均光|B|値が0.9以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下である。この厚みは、好ましくは0.2~1mm、より好ましくは0.3~0.9mm、より好ましくは0.5~0.8mm、さらに好ましくは0.55mm、0.6mm、0.68mm、0.7mm、0.75mmである。
12) いくつかの実施形態では、結晶化ガラス製品の誘電率(εr)は5.4以上、好ましくは5.8以上、より好ましくは6.0以上である。
13) いくつかの実施形態では、結晶化ガラス製品の誘電損失(tanδ)は、0.05以下、好ましくは0.04以下、より好ましくは0.02以下、より好ましくは0.01以下である。
【0290】
本発明の結晶化ガラスは、以下の特性を有する。
1) いくつかの実施形態では、結晶化ガラスの結晶化度は50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。
2) いくつかの実施形態では、結晶化ガラスの結晶粒度は80nm以下、好ましくは50nm以下、好ましくは30nm以下である。
3) いくつかの実施形態では、厚さ1mm以下の結晶化ガラスのヘイズは0.2%以下、好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下である。この厚みは、好ましくは0.2~1mm、より好ましくは0.3~0.9mm、より好ましくは0.5~0.8mm、さらに好ましくは0.55mm、0.6mm、0.68mm、0.7mm、0.75mmである。
4) いくつかの実施形態では、厚さ1mm以下の結晶化ガラスは、波長400~800nmの平均光透過率が87%以上、好ましくは89%以上、より好ましくは90%以上である。この厚みは、好ましくは0.2~1mm、より好ましくは0.3~0.9mm、より好ましくは0.5~0.8mm、さらに好ましくは0.55mm、0.6mm、0.68mm、0.7mm、0.75mmである。
5) いくつかの実施形態では、厚さ1mm以下の結晶化ガラスは、波長550nmの光透過率が88%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上である。この厚みは、好ましくは0.2~1mm、より好ましくは0.3~0.9mm、より好ましくは0.5~0.8mm、さらに好ましくは0.55mm、0.6mm、0.68mm、0.7mm、0.75mmである。
6) いくつかの実施形態では、結晶化ガラスの本体落球高さは1700mm以上、好ましくは1900mm以上、より好ましくは2000mm以上である。
7) いくつかの実施形態では、厚さ1mm以下の結晶化ガラスは、400~800nmの平均光|B|値が0.9以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下である。この厚みは、好ましくは0.2~1mm、より好ましくは0.3~0.9mm、さらに好ましくは0.5~0.8mm、最も好ましくは0.55mm、0.6mm、0.68mm、0.7mm、0.75mmである。
8) いくつかの実施形態では、結晶化ガラスのビッカース硬度(Hv)は630kgf/ mm2以上、好ましくは650kgf/ mm2以上、より好ましくは680kgf/ mm2以上である。
9) いくつかの実施形態では、結晶化ガラスの熱膨張係数(α20℃-120℃)は、70×10-7/K~90×10-7/Kである。
10) いくつかの実施形態では、結晶化ガラスの屈折率(nd)は1.5520~1.5700である。
11) いくつかの実施形態では、結晶化ガラスの誘電率(εr)は5.4以上、好ましくは5.8以上、より好ましくは6.0以上である。
12) いくつかの実施形態では、結晶化ガラスの誘電損失(tanδ)は、0.05以下、好ましくは0.04以下、より好ましくは0.03以下、さらに好ましくは0.01以下である。
13) いくつかの実施形態では、結晶化ガラスの表面抵抗は、1×109Ω・cm以上、好ましくは1×1010Ω・cm以上、より好ましくは1×1011Ω・cm以上である。
【0291】
本発明のガラス組成物、以下の特性を有する。
1) いくつかの実施形態では、ガラス組成物の熱膨張係数(α20℃-120℃)は、65×10-7/K~80×10-7/Kである。
2) いくつかの実施形態では、ガラス組成物の屈折率(nd)は1.5400~1.5600である。
【0292】
本発明の結晶化ガラス、結晶化ガラス製品、ガラス組成物、ガラス成形体、結晶化ガラス成形体は、上記の優れた特性を有するため、ガラスカバーやガラス部品として広く製造することができる、同時に、本発明の結晶化ガラス、結晶化ガラス製品、ガラス組成物、ガラス成形体、結晶化ガラス成形体は、電子機器やディスプレイ機器に適用することができる、携帯電話、時計、パソコン、タッチディスプレイなど携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、PDA、テレビ、パソコン、MTAマシン、または産業用ディスプレイの製造に使用される保護ガラス、または、タッチスクリーン、保護窓、自動車の窓、列車の窓、航空機の窓、タッチスクリーン保護ガラス、ハードディスク基材または太陽電池基材の製造、または冷蔵庫部品または調理器具の製造のような白物家電の製造に使用される。
【実施例0293】
本発明の技術的態様をより明確に説明し、説明するために、以下の非限定的な実施形態が提供される。本発明の実施形態は、数値(例えば、数量、温度など)の正確性を保証するために多くの努力をしているが、いくつかの誤差および偏差が存在することを考慮しなければならない。組成自体は酸化物に対して質量パーセントで与えられ、100%に規格化されている。
【0294】
<ガラス組成物実施例>
本実施形態では、上記ガラス組成物の製造方法を用いて、表1~表6に示す組成を有するガラス組成物を得ることができる。また、本発明に係る試験方法により各ガラス組成物の特性を測定し、測定結果を表1~表6に示す。
【0295】
【表1】
【0296】
【表2】
【0297】
【表3】
【0298】
【表4】
【0299】
【表5】
【0300】
【表6】
【0301】
<結晶化ガラスの実施例>
本発明の実施形態では、上記の結晶化ガラスの製造方法を用いて、表7~表12に示す組成を有する結晶化ガラスを得ることができる。また、本発明に係る試験方法により各結晶化ガラスの特性を測定し、その測定結果を表7~表12に示すが、以下の実施例で説明する室温である25℃である。
【0302】
【表7】
【0303】
【表8】
【0304】
【表9】
【0305】
【表10】
【0306】
【表11】
【0307】
【表12】
【0308】
【表13】
【0309】
【表14】
【0310】
【表15】
【0311】
【表16】
【0312】
【表17】
【0313】
【表18】
【0314】
<結晶化ガラス製品の実施例>
本発明の実施形態では、上記の結晶化ガラス製品の製造方法を用いて、表13~表18に示す組成を有する結晶化ガラス製品を得ることができる。また、本発明の試験方法により各結晶化ガラスの特性を測定し、測定結果を表13~表18に示す。
【0315】
【表19】
【0316】
【表20】
【0317】
【表21】
【0318】
【表22】
【0319】
【表23】
【0320】
【表24】
【0321】
【表25】
【0322】
【表26】
【0323】
【表27】
【0324】
【表28】
【0325】
【表29】
【0326】
【表30】