(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123551
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】飛来昆虫捕獲器
(51)【国際特許分類】
A01M 1/10 20060101AFI20240905BHJP
A01M 1/04 20060101ALI20240905BHJP
A01M 1/02 20060101ALI20240905BHJP
A01M 1/20 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A01M1/10 M
A01M1/04 A
A01M1/02 B
A01M1/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031064
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】595046919
【氏名又は名称】丸善薬品産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴江 光良
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英樹
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA12
2B121AA13
2B121AA14
2B121BA60
2B121CA02
2B121CC02
2B121CC13
2B121CC26
2B121CC29
2B121CC31
2B121DA37
2B121DA38
2B121EA01
2B121EA08
2B121FA07
2B121FA20
(57)【要約】
【課題】飛来昆虫を効果的に捕獲することのできる飛来昆虫捕獲器を提供することを目的とする。
【解決手段】飛来昆虫捕獲器は、上部に複数の孔を有する容器と、前記容器の内部に収容され、殺虫成分を含む薬剤からなる薬剤層と、前記容器に取り付けられ、前記薬剤層に対して光を放射する光源と、を備え、前記光源が放射する光は、飛来昆虫に対して正の走光性を生じさせる波長の光を含み、前記薬剤層は、前記光源が放射する光を反射して第1反射光を生成し、前記孔は、前記第1反射光の光路上にあり、かつ前記飛来昆虫が通過できる大きさである、飛来昆虫捕獲器である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に複数の孔を有する容器と、
前記容器の内部に収容され、殺虫成分を含む薬剤からなる薬剤層と、
前記容器に取り付けられ、前記薬剤層に対して光を放射する光源と、を備え、
前記光源が放射する光は、飛来昆虫に対して正の走光性を生じさせる波長の光を含み、
前記薬剤層は、前記光源が放射する光を反射して第1反射光を生成し、
前記孔は、前記第1反射光の光路上にあり、かつ前記飛来昆虫が通過できる大きさである、飛来昆虫捕獲器。
【請求項2】
前記薬剤は、液体状、ゲル状、ゼリー状、及び固形状からなる群より選択される少なくとも一種の形態である、請求項1に記載の飛来昆虫捕獲器。
【請求項3】
前記薬剤は、複数の粒子からなる、請求項1または請求項2に記載の飛来昆虫捕獲器。
【請求項4】
前記粒子は、直径が0.5mm以上5mm未満である、請求項3に記載の飛来昆虫捕獲器。
【請求項5】
前記薬剤層の上面の表面積は、前記薬剤層の上面の平面投影面積の1.5倍以上である、請求項3に記載の飛来昆虫捕獲器。
【請求項6】
前記薬剤は、飛来昆虫誘引成分を含む、請求項1または請求項2に記載の飛来昆虫捕獲器。
【請求項7】
前記容器の少なくとも一部は、前記第1反射光が透過する透明材料から形成されている、請求項1または請求項2に記載の飛来昆虫捕獲器。
【請求項8】
前記容器は、上蓋を有し、
前記複数の孔は前記上蓋に設けられ、
前記上蓋は、前記複数の孔による開口面積が、前記上蓋の表面積に対して8%以上90%以下である、請求項1または請求項2に記載の飛来昆虫捕獲器。
【請求項9】
前記光源は、波長250nm以上600nm以下の範囲に放射ピークを有する光を放射する、請求項1または請求項2に記載の飛来昆虫捕獲器。
【請求項10】
前記光源は、波長430nm以上490nm未満の範囲に放射ピークを有する光を放射し、
前記第1反射光の前記光路に沿って前記孔から10cm外方に離れた位置での照度は、0.1Lux以上である、請求項1または請求項2に記載の飛来昆虫捕獲器。
【請求項11】
前記光源は、波長500nm以上570nm以下の範囲に放射ピークを有する光を放射し、
前記第1反射光の前記光路に沿って前記孔から10cm外方に離れた位置での照度は、0.2Lux以上である、請求項1または請求項2に記載の飛来昆虫捕獲器。
【請求項12】
前記容器の内部に設けられた反射部材をさらに備え、
前記反射部材は、前記光源が放射する光を反射して第2反射光を生成し、
前記孔は、前記第2反射光の光路上にある、請求項1または請求項2に記載の飛来昆虫捕獲器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飛来昆虫捕獲器に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭内、事務所、工場内、飲食施設などにおいて、コバエ類などの飛来昆虫を捕獲するために、飛来昆虫誘引剤を用いた捕獲器が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、開口部を有する容器と、容器内部に収容された害虫誘引剤を含有したゲル粒とを備えた害虫捕獲器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、害虫誘引剤として、紹興酒、ビール、ワイン、アセトインなどが挙げられている。コバエ類には、キイロショウジョウバエ、オオチョウバエ、ホシチョウバエ、キノコバエなど様々な種類が存在する。上記のような一般的に知られている害虫誘引剤では、キイロショウジョウバエが主に誘引、捕獲され、十分に捕獲ができない種類が多く存在する。また、コバエ類以外の飛来昆虫の捕獲も望まれている。
【0006】
そこで、本開示は、飛来昆虫を効果的に捕獲することのできる飛来昆虫捕獲器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の飛来昆虫捕獲器は、
上部に複数の孔を有する容器と、
前記容器の内部に収容され、殺虫成分を含む薬剤からなる薬剤層と、
前記容器に取り付けられ、前記薬剤層に対して光を放射する光源と、を備え、
前記光源が放射する光は、飛来昆虫に対して正の走光性を生じさせる波長の光を含み、
前記薬剤層は、前記光源が放射する光を反射して第1反射光を生成し、
前記孔は、前記第1反射光の光路上にあり、かつ前記飛来昆虫が通過できる大きさである、飛来昆虫捕獲器である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、飛来昆虫を効果的に捕獲することのできる飛来昆虫捕獲器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る飛来昆虫捕獲器の概観図である。
【
図4】
図4は、
図1の飛来昆虫捕獲器の本体部の概観図である。
【
図5】
図5は、照度測定を説明するための図である。
【
図6】
図6は、実施例で用いられた飛来昆虫捕獲器の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0011】
(1)本開示の飛来昆虫捕獲器は、
上部に複数の孔を有する容器と、
前記容器の内部に収容され、殺虫成分を含む薬剤からなる薬剤層と、
前記容器に取り付けられ、前記薬剤層に対して光を放射する光源と、を備え、
前記光源が放射する光は、飛来昆虫に対して正の走光性を生じさせる波長の光を含み、
前記薬剤層は、前記光源が放射する光を反射して第1反射光を生成し、
前記孔は、前記第1反射光の光路上にあり、かつ前記飛来昆虫が通過できる大きさである、飛来昆虫捕獲器である。
【0012】
本開示によれば、飛来昆虫を効果的に捕獲することのできる飛来昆虫捕獲器を提供することが可能となる。
【0013】
(2)上記(1)において、前記薬剤は、液体状、ゲル状、ゼリー状、及び固形状からなる群より選択される少なくとも一種の形態とすることができる。これによると、薬剤の容器から漏洩しにくく、取り扱いが容易となる。
【0014】
(3)上記(1)または(2)において、前記薬剤は、複数の粒子からなることができる。これによると、薬剤層の表面に凹凸が形成されるため、第1反射光の光路が拡散されやすく、第1反射光が容器の孔を通過して、容器の外部へ到達しやすくなる。
【0015】
(4)上記(3)において、前記粒子は、直径が0.5mm以上5mm未満であることができる。粒子の直径が0.5mm以上であると、粒子間の隙間を確保できるため、飛来昆虫を粒子間の隙間に潜り込ませることができ、粒子間の隙間に滑り込んだ飛来昆虫の体の表面から内部へ、殺虫成分が浸透しやすくなる。さらに、後から誘引された飛来昆虫が、薬剤層の上面の表層部で堆積しにくくなる。粒子の直径が5mm未満であると、薬剤の充填密度が高くなり薬剤を小容積に多く充填できるため、殺虫効果の持続時間を長くすることができる。薬剤が飛来昆虫誘引成分を含む場合は、誘引力を高めることができ、誘引効果の持続期間を長くすることができる。
【0016】
(5)上記(3)において、前記薬剤層の上面の表面積は、前記薬剤層の上面の平面投影面積の1.5倍以上であることができる。これによると、薬剤層の上面の表面積を大きくすることができるため、飛来昆虫が薬剤層に捕獲されやすくなる。
【0017】
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記薬剤は、飛来昆虫誘引成分を含むことができる。これによると、飛来昆虫の誘引効果が向上する。
【0018】
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記容器の少なくとも一部は、前記第1反射光が透過する透明材料から形成されていることができる。これによると、第1反射光が容器の外部に透過できるため、飛来昆虫誘引効果が向上する。
【0019】
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、
前記容器は、上蓋を有し、
前記複数の孔は前記上蓋に設けられ、
前記上蓋は、前記複数の孔による開口面積が、前記上蓋の表面積に対して8%以上90%以下であることができる。
【0020】
これによると、第1反射光が容器の外部へ到達しやすく、かつ、誘引された飛来昆虫が孔を通過しやすく、飛来昆虫誘引効果および捕獲効果が向上する。
【0021】
(9)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、前記光源は、波長250nm以上600nm以下の範囲に放射ピークを有する光を放射することができる。波長250nm以上600nm以下の範囲に放射ピークを有する光は、キイロショウジョウバエ、クロショウジョウバエ、オオチョウバエ、ホシチョウバエ、キノコバエ、タマバエ、ハモグリバエ、オドリバエ、ハマベバエ、トゲハネバエ、ニセケバエ、クロコバエなどのコバエ類に加えて、イエバエ、ヒメイエバエ、クロバエ、キンバエ、ニクバエなどのハエ類、蚊、ヌカカ、ブユ、アシナガバエ、ミギワバエ、ガガンボ、ユスリカ、ウンカ、ヨコバイ、寄生蜂(コバチなど)、アリ(有翅)、アザミウマ、カメムシ、蛾、トビケラ、カワゲラ、カゲロウ、チャタテムシ(有翅)、微小コウチュウなどの飛来昆虫に正の走光性を生じさせることができる。
【0022】
(10)上記(1)から(9)のいずれかにおいて、
前記光源は、波長430nm以上490nm未満の範囲に放射ピークを有する光を放射し、
前記第1反射光の前記光路に沿って前記孔から10cm外方に離れた位置での照度は、0.1Lux以上であることができる。
【0023】
これによると、飛来昆虫捕獲器の外部へ到達する光の量が大きく、飛来昆虫、特にクロショウジョウバエ、キノコバエ、ニセケバエ、クロコバエ、クロバエ、キンバエ、ニクバエ、ヌカカ、ブユ、ガガンボの誘引効果が良好となる。
【0024】
(11)上記(1)から(10)のいずれかにおいて、
前記光源は、波長500nm以上570nm以下の範囲に放射ピークを有する光を放射し、
前記第1反射光の前記光路に沿って前記孔から10cm外方に離れた位置での照度は、0.2Lux以上であることができる。
【0025】
これによると、飛来昆虫捕獲器の外部へ到達する光の量が大きく、飛来昆虫、特にオオチョウバエ、ホシチョウバエ、ユスリカ、ウンカ、ヨコバイ、カメムシ、蛾、トビケラ、カワゲラ、カゲロウの誘引効果が良好となる。
【0026】
(12)上記(1)から(11)のいずれかにおいて、
前記容器の内部に設けられた反射部材をさらに備え、
前記反射部材は、前記光源が放射する光を反射して第2反射光を生成し、
前記孔は、前記第2反射光の光路上にあることができる。
【0027】
これによると、孔は、第2反射光の光路上にあるため、第2反射光は孔を通過して、飛来昆虫捕獲器の外部へ到達する。飛来昆虫は、飛来昆虫捕獲器の外部に到達した第2反射光に誘引され、容器の孔を通過して薬剤層に到達して捕獲される。飛来昆虫捕獲器は、反射部材を備えることにより、飛来昆虫をより効果的に捕獲することができる。
【0028】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の一実施形態(以下、「本実施形態」とも記す。)に係る飛来昆虫捕獲器の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本開示の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、必ずしも実際の寸法関係を表すものではない。
【0029】
本明細書において「A~B」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上B以下)を意味し、Aにおいて単位の記載がなく、Bにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とBの単位とは同じである。
【0030】
図1は、実施形態1に係る飛来昆虫捕獲器の概観図である。
図2は、
図1の飛来昆虫捕獲器の縦断面図である。
図3は、
図1の飛来昆虫捕獲器の上蓋2の上面図である。
図4は、
図1の飛来昆虫捕獲器の本体部3の概観図である。
図1~
図4に示されるように、本実施形態の飛来昆虫捕獲器は、上部に複数の孔6を有する容器1と、容器1の内部に収容され、殺虫成分を含む薬剤4aからなる薬剤層4と、容器1に取り付けられ、薬剤層4に対して光を放射する光源5と、を備える。光源5が放射する光(以下、「放射光」とも記す。)は、飛来昆虫に対して正の走光性を生じさせる波長の光を含む。薬剤層4は、光源5が放射する光を反射して第1反射光を生成する。孔6は、第1反射光の光路上にあり、かつ飛来昆虫が通過できる大きさである。
【0031】
本実施形態の飛来昆虫捕獲器は、殺虫成分を含む薬剤4aからなる薬剤層4を備える。薬剤層4に到達した飛来昆虫は、殺虫成分により死に至る。
【0032】
本実施形態の飛来昆虫捕獲器は、薬剤層4に対して光を放射する光源5を備える。光源5が放射する光は、飛来昆虫に対して正の走光性を生じさせる波長の光を含む。薬剤層4は、光源5が放射する光を反射して第1反射光を生成する。第1反射光も、正の走光性を生じさせる波長の光を含むことができる。孔6は第1反射光の光路上にあるため、第1反射光は孔6を通過して、飛来昆虫捕獲器の外部へ到達する。飛来昆虫は、飛来昆虫捕獲器の外部に到達した第1反射光に誘引され、容器1の孔6を通過して薬剤層4に到達して捕獲される。
【0033】
図1および
図2に示されるように、容器1は上蓋2と本体部3とを備えることができる。
図3に示されるように、上蓋2には開口が設けられている。開口に光源5が挿入かつ保持されることにより、容器1に光源5が取り付けられている。光源5の容器1への取り付け位置は、光源5が薬剤層4に対して光を放射でき、かつ、薬剤層4が生成する第1反射光の光路上に孔6がある限り、特に制限されない。例えば、光源5は、上蓋2の容器1の内側の壁(以下、「上蓋2の内壁」とも記す。)や、本体部3の容器1の内側の壁(以下、「容器1の内壁」とも記す。)に取り付けることもできる。光源5の取り付け方法は特に制限されず、粘着テープや接着剤を用いることができる。
【0034】
光源5が放射する光は、飛来昆虫に対して正の走光性を生じさせる波長の光を含む。具体的には、光源5は、波長250nm以上600nm以下の範囲に放射ピークを有する光を放射することができる。波長250nm以上600nm以下の範囲に放射ピークを有する光は、キイロショウジョウバエ、クロショウジョウバエ、オオチョウバエ、ホシチョウバエ、キノコバエ、タマバエ、ハモグリバエ、オドリバエ、ハマベバエ、トゲハネバエ、ニセケバエ、クロコバエなどのコバエ類に加えて、イエバエ、ヒメイエバエ、クロバエ、キンバエ、ニクバエなどのハエ類、蚊、ヌカカ、ブユ、アシナガバエ、ミギワバエ、ガガンボ、ユスリカ、ウンカ、ヨコバイ、寄生蜂(コバチなど)、アリ(有翅)、アザミウマ、カメムシ、蛾、トビケラ、カワゲラ、カゲロウ、チャタテムシ(有翅)、微小コウチュウなどのコバエ類以外の飛来昆虫に正の走光性を生じさせることができる。よって、薬剤層4が波長250nm以上600nm以下の範囲に放射ピークを有する放射光を反射して生成される第1反射光も、コバエ類に加えて、コバエ類以外の複数種類の飛来昆虫に正の走光性を生じさせることができる。
【0035】
波長250nm以上600nm以下の範囲に放射ピークを有する光は、1種類を用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。例えば、波長350nm以上400nm以下の範囲に放射ピークを有する紫外線LED8、波長430nm以上490nm未満の範囲に放射ピークを有する青色LED8、波長500nm以上570nm以下の範囲に放射ピークを有する緑色LED8、波長570nm以上590nm以下の範囲に放射ピークを有する黄色LED8のうち、1種類のLED8を用いてもよいし、複数種類のLED8を用いてもよい。複数種類のLED8を用いる場合の、各LED8の発する光の光量の比は特に制限されない。
【0036】
光源5は、波長430nm以上490nm未満の範囲に放射ピークを有する光を放射し、第1反射光の光路に沿って孔6から10cm外方に離れた位置での照度は、0.1Lux以上が好ましく、0.6Lux以上がより好ましい。これによると、飛来昆虫捕獲器の外部へ到達する光の量が大きく、飛来昆虫、特にクロショウジョウバエ、キノコバエ、ニセケバエ、クロコバエ、クロバエ、キンバエ、ニクバエ、ヌカカ、ブユ、ガガンボの誘引効果が良好となる。第1反射光の光路に沿って孔6から10cm外方に離れた位置での照度は、
図5に示されるように、第1反射光の光路10に沿って孔6から10cm離れた位置において、照度計9を用いて測定される。
【0037】
光源5は、波長500nm以上570nm未満の範囲に放射ピークを有する光を放射し、第1反射光の光路に沿って孔6から10cm外方に離れた位置での照度は0.2Lux以上が好ましく、1.2Lux以上がさらに好ましい。これによると、飛来昆虫捕獲器の外部へ到達する光の量が大きく、飛来昆虫、特にオオチョウバエ、ホシチョウバエ、ユスリカ、ウンカ、ヨコバイ、カメムシ、蛾、トビケラ、カワゲラ、カゲロウの誘引効果が良好となる。
【0038】
光源5の電力は、ソーラー発電、電池などにより供給することができる。
【0039】
図1および
図2に示されるように、容器1の本体部3の内部には、薬剤4aからなる薬剤層4が収容されている。薬剤は、液体状、ゲル状、ゼリー状、及び固形状からなる群より選択される少なくとも一種の形態とすることができる。薬剤が液体状、ゲル状、ゼリー状であると、誘引されて薬剤に到達した飛来昆虫は薬剤に浸るため、薬剤からの脱出が困難となる。薬剤の形態は、薬剤の容器1からの漏洩を抑制し、取り扱いを容易にする観点から、ゲル状、ゼリー状、及び固形状からなる群より選択される少なくとも一種の形態であることが好ましい。
【0040】
薬剤4aは飛来昆虫誘引成分を含むことができる。この場合、飛来昆虫誘引成分は、孔6を通過して飛来昆虫捕獲器の外部の雰囲気中に放出される。これにより、飛来昆虫は第1反射光とともに、飛来昆虫誘引成分にも誘引され、容器1の孔6を通過して薬剤層4に到達して捕獲される。光と飛来昆虫誘引成分とを組み合わせることにより、飛来昆虫誘引成分のみを用いた場合に比べて、飛来昆虫を効果的に捕獲することができる。特に、光を用いることにより、飛来昆虫誘引成分のみでは誘引できなかった種類の飛来昆虫も誘引できる可能性があるため、飛来昆虫誘引成分のみを用いた場合に比べて、多くの種類の飛来昆虫を効果的に捕獲することができる。
【0041】
本実施形態の飛来昆虫捕獲器において、容器1内の薬剤層4の充填深さは特に制限されない。例えば、5cm以上でもよく、7cm以上でもよい。薬剤層4の充填深さが前記下限以上であると、飛来昆虫の再脱出または逃避を抑制することができる。
【0042】
薬剤4aは、複数の粒子からなることが好ましい。粒子の形状は特に制限されず、球状、楕円体、柱状などとすることができる。この場合、薬剤4aは、ゲル状であることが好ましい。これによると、薬剤4aの容器1から漏洩しにくく、取り扱いが容易となる。また、薬剤4aが複数の粒子からなると、薬剤層4の表面に凹凸が形成され表面積も大きくなるため、第1反射光の光量が増加するとともに光路が拡散されやすく、第1反射光が容器1の孔6を通過して、容器1の外部へ到達しやすくなる。薬剤4aが複数の粒子からなる場合、
図1および
図2に示されるように、複数の粒子が容器1内に収容されて薬剤層4が形成される。薬剤層4は、複数の粒子間の空隙を含むことができる。
【0043】
薬剤4aが複数の粒子からなる場合、粒子の直径は0.5mm以上5mm未満が好まし。粒子の直径が0.5mm以上であると、粒子間の隙間を確保できるため、飛来昆虫を粒子間の隙間に潜り込ませることができ、粒子間の隙間に滑り込んだ飛来昆虫の体の表面から内部へ、殺虫成分が浸透しやすくなる。さらに、後から誘引された飛来昆虫が、薬剤層の上面の表層部で堆積しにくくなる。粒子の直径が5mm未満であると、薬剤の充填密度が高くなり薬剤を小容積に多く充填できるため、殺虫効果の持続時間を長くすることができる。薬剤が飛来昆虫誘引成分を含む場合は、誘引力を高めることができ、誘引効果の持続期間を長くすることができる。粒子が楕円体、柱状などの場合は、粒子の直径は長手方向の長さを意味する。複数の粒子の直径は、全て同一である必要はなく、各粒子の直径が0.5mm以上5mm未満の範囲内であればよい。粒子の直径は、2mm以上5mm未満以下がさらに好ましい。
【0044】
本開示において、複数の粒子からなる薬剤4aは、たとえば、殺虫成分を含む液体に、顆粒状の高吸収性ポリマーを浸漬して膨張させて作製することができる。
【0045】
薬剤層4の上面の表面積は、薬剤層4の上面の平面投影面積の1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上がさらに好ましい。これによると、薬剤層4の上面の表面積を大きくすることができるため、飛来昆虫が薬剤層4に捕獲されやすくなる。
【0046】
薬剤4aは殺虫成分を含む。殺虫成分は特に制限されず、従来公知の殺虫成分を用いることができる。具体的には、プラレトリン、イミプロトリン、フタルスリン、トランスフルトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、エトフェンプロックス、シフルスリン、ビフェントリン、メトフルトリン、プロフルトリン、天然ピレトリン等のピレスロイド系化合物、カルバリル、プロポクスル、チオジカルブ等のカーバメート系化合物、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリオス等の有機リン系化合物、メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系化合物、ピリプロール、フィプロニル等のフェニルピラゾール系化合物、アミドフルメト等のスルホンアミド系化合物、クロチアニジン、ニテンピラム、ジノテフラン、アセタミプリド、チアメトキサム、チアクロプリド、イミダクロプリド等のネオニコチノイド系化合物などを用いることができる。中でも、水溶性殺虫成分であるジテノフランは、ジテノフランの水溶液を顆粒状の高吸収性ポリマーを浸漬して膨張させて、粒子からなる薬剤4aを作製できるため、好ましい。
【0047】
薬剤4aは飛来昆虫誘引成分を含むことができる。飛来昆虫誘引成分は特に制限されず、従来公知の飛来昆虫誘引成分を用いることができる。具体的には、第1級アルコール(エタノール、ブタノールなど)、穀物発酵酸味料(黒酢、バーレーワイン、ライスワインなど)、ソルボース発酵物(ヘキソース発酵物、ケトース発酵物、甘味料、アセトインなど)、蔓性植物エキス(ラン科植物抽出液など)、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸、乳酸などのカルボン酸、発酵食品系香料、フルーツ系香料、乳製品、乾燥酵母、酒粕などを用いることができる。
【0048】
薬剤4aのマンセル表記での明度は5以上9以下が好ましい。これによると、光源5が放射する光の薬剤4aによる反射率が向上する。また、飛来昆虫の捕獲状況を外観で判別しやすくなる。
【0049】
容器1の少なくとも一部は、第1反射光が透過する透明材料から形成されていることが好ましい。これによると、第1反射光が容器1の外部に透過できるため、飛来昆虫誘引効果が向上する。容器1のうち、第1反射光の光路上に存在する領域が透明材料から形成されていると、容器1の外部へ透過する第1反射光の量が増加しやすく、飛来昆虫誘引効果がより向上する。
【0050】
容器1は、上蓋2を有し、複数の孔6は上蓋2に設けられ、上蓋2は、複数の孔6による開口面積が、上蓋2の表面積に対して8%以上90%以下であることが好ましい。これによると、第1反射光が容器1の外部へ到達しやすく、かつ、誘引された飛来昆虫が孔6を通過しやすく、飛来昆虫誘引効果および捕獲効果が向上する。このような理由から、上蓋2の表面積に対する複数の孔6による開口面積の下限は大きい方がより好ましく、例えば、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましい。上蓋2の表面積に対する複数の孔6による開口面積の上限は、上蓋2に光源5が取り付けられる場合を考慮すると、強度向上の観点から90%以下が好ましく、80%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。本開示において、上蓋2の表面積とは、本体部3の開口より上方に位置する上蓋2の領域において、上蓋2に孔6が設けられていない状態を仮定した場合の上蓋2の表面積を意味する。本開示において、上蓋2の開口面積とは、複数の孔6の開口面積の合計を意味する。上蓋2の形状は平面、ドーム型、円錐台、角柱などとすることができる。
【0051】
容器1のマンセル表記での明度は5以上9以下が好ましい。これによると、光源5が放射する光の容器1による反射率が向上する。
【0052】
本実施形態の飛来昆虫捕獲器は、容器1の内部に設けられた反射部材7をさらに備えることができる。反射部材7は、光源5が放射する光を反射して第2反射光を生成する。光源5が放射する光は、飛来昆虫に対して正の走光性を生じさせる波長の光を含むため、第2反射光も、正の走光性を生じさせる波長の光を含むことができる。孔6は、第2反射光の光路上にあるため、第2反射光は孔6を通過して、飛来昆虫捕獲器の外部へ到達する。飛来昆虫は、飛来昆虫捕獲器の外部に到達した第2反射光に誘引され、容器1の孔6を通過して薬剤層4に到達して捕獲される。飛来昆虫捕獲器は、反射部材7を備えることにより、飛来昆虫をより効果的に捕獲することができる。
【0053】
反射部材7の形状および容器1の内部での設置場所は、光源5が放射する光を反射して第2反射光を生成し、第2反射光の少なくとも一部が孔6を通過することができる限り、特に制限されない。反射部材7の形状は、板、円錐、円錐台、角錐、角錐台、半球などとすることができる。
【0054】
円錐状の反射部材7の底面が本体部3の底面に接して設置され、反射部材7の少なくとも一部が薬剤層4から露出することが好ましい。これによると、薬剤層4の量を減らすことができる。角錐状の反射部材7を用いる場合も、その底面が本体部3の底面に接して設置され、反射部材7の少なくとも一部が薬剤層4から露出することが好ましい。
【0055】
本体部3の底部の少なくとも一部を突出させて突起部を形成することにより、突起部を反射部材7とすることができる。この場合、反射部材7の少なくとも一部が薬剤層4から露出することが好ましい。これによると、薬剤層4の量を減らすことができる。
【0056】
反射部材7の少なくとも光源5が放射する光を受ける受光領域の色は、白色、薄い青色、薄い緑色、薄い赤色、または、薄い3原色(青色、緑色、赤色)の混色が好ましい。これによると、光源5が放射する光の反射部材7による反射率が向上する。
【0057】
本実施形態の飛来昆虫捕獲器の設置場所は特に制限されず、例えば、屋内および屋外とすることができる。本実施形態の飛来昆虫捕獲器の使用時間帯は特に制限されず、日中および夜間の両方で用いることができる。
【実施例0058】
本実施の形態を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、これらの実施例により本実施の形態が限定されるものではない。
【0059】
[検討1]
<試料1>
試料1として、
図6に示される形状を有する飛来昆虫捕獲器を準備した。容器1の本体部3は、底面が径6.0cmの円形であり、高さは6.0cmであり、上部の開口は径8.0cmの円形である。容器1の本体部3は、第1反射光が透過する透明材料(具体的には、ポリスチレン)から形成されている。容器1の上蓋2は、本体部3の開口より上方に位置する領域が平面であり、平面に複数の孔6が形成されている。上蓋2の表面積に対する複数の孔6による開口率(表2において「開口率」と示す。)は、8%である。上蓋2の平面領域の中央部分に光源5が取り付けられている。光源5は、波長470nmに放射ピークを有する光を放射する青色LED8(表2の「光源」欄において「青」と示す。)であり、ソーラー発光式である。容器1の内部には、直径4.0mm以上5.0mm未満の複数のゲル状の粒子からなる薬剤層4が収容されている。薬剤層4の上面の表面積は、薬剤層4の上面の平面投影面積の約1.77倍である。薬剤量は40gである。薬剤層4の組成は、以下の表1に示される通りである。容器1の内部には、円錐台状の反射部材7が設けられている。反射部材7は、光源5が放射する光を反射して第2反射光を生成し、第2反射光の少なくとも一部が孔6を通過することのできる位置に設けられている。
【0060】
<試料2>
試料2として、上蓋2の表面積に対する複数の孔6による開口率が15%であること以外は、試料1と同一の構成を有する飛来昆虫捕獲器を準備した。
【0061】
<試料3>
試料3として、上蓋2の表面積に対する複数の孔6による開口率が30%であること以外は、試料1と同一の構成を有する飛来昆虫捕獲器を準備した。
【0062】
<試料4>
試料4として、上蓋2の表面積に対する複数の孔6による開口率が30%であり、光源5として波長365nmに放射ピークを有する紫外線LED8(表2の「光源」欄において「UV」と示す。)を用いること以外は、試料1と同一の構成を有する飛来昆虫捕獲器を準備した。
【0063】
<試料5>
試料5として、上蓋2の表面積に対する複数の孔6による開口率が30%であり、光源5を用いないこと以外は、試料1と同一の構成を有する飛来昆虫捕獲器を準備した。
【0064】
各試料において、第1反射光の光路に沿って孔6から10cm外方に離れた位置での照度を照度計9(TLUSCO社製の「TLX-204」)で測定した。結果を表2の「孔からの距離が10cmでの照度(Lux)」欄に示す。
【0065】
【0066】
<捕獲試験1>
各試料の飛来昆虫捕獲器を用いて、以下の飛来昆虫捕獲の捕獲試験を行った。
【0067】
試験日:2021年9月29日~2021年10月10日
試験方法:各試料の飛来昆虫捕獲器をひさしのある日陰の庭に1m間隔で設置した。LED8は、日中は自動充電し、夜間自動発光する設定とした。
【0068】
評価:試験終了時(2021年10月10日午後12時)に各試料の飛来昆虫捕獲器を回収し、容器1内に捕獲された飛来昆虫の種類および頭数を確認した。結果を表2に示す。
【0069】
【0070】
表2の結果に基づき、コバエ類の捕獲数の合計のみを抽出した結果を表3に示す。表2において、コバエ類は*の付された種類の昆虫である。
【0071】
【0072】
表2の結果に基づき、コバエ類以外の飛来昆虫(ハエ、ユスリカ、ウンカ・ヨコバイ)の捕獲数の合計のみを抽出した結果を表4に示す。
【0073】
【0074】
<考察>
試料1~試料4の飛来昆虫捕獲器は実施例に該当する。試料5の飛来昆虫捕獲器は比較例に該当する。表2に示されるように、試料1~試料4(実施例)は、試料5(比較例)よりも飛来昆虫の捕獲数が多いことが確認された。試料1~試料3を比べると、開口率が大きいほど、飛来昆虫の捕獲数が多いことが確認された。
【0075】
表3に示されるように、試料1~試料4(実施例)は、試料5(比較例)よりもコバエ類の捕獲数が多いことが確認された。試料1~試料3を比べると、開口率が大きいほど、コバエ類の捕獲数が多いことが確認された。
【0076】
表4に示されるように、試料1~試料4(実施例)は、試料5(比較例)よりもコバエ類以外の飛来昆虫の捕獲数が多いことが確認された。試料1~試料3を比べると、開口率が大きいほど、コバエ類以外の飛来昆虫の捕獲数が多いことが確認された。
【0077】
[検討2]
<試料11>
試料11として、上蓋2の平面領域の表面積に対する複数の孔6による開口率が55%であり、光源5として波長470nmに放射ピークを有する青色LED8(表5の「光源」欄において「青」と示す。)を用いること以外は、試料1と同一の構成を有する飛来昆虫捕獲器を準備した。
【0078】
<試料12>
試料12として、上蓋2の平面領域の表面積に対する複数の孔6による開口率が55%であり、光源5として波長550nmに放射ピークを有する緑色LED8(表5の「光源」欄において「緑」と示す。)を用いること以外は、試料1と同一の構成を有する飛来昆虫捕獲器を準備した。
【0079】
<試料13>
試料13として、上蓋2の平面領域の表面積に対する複数の孔6による開口率が55%であり、光源5として波長590nmに放射ピークを有する黄色LED8(表5の「光源」欄において「黄」と示す。)を用いること以外は、試料1と同一の構成を有する飛来昆虫捕獲器を準備した。
【0080】
<試料14>
試料14として、上蓋2の平面領域の表面積に対する複数の孔6による開口率が55%であり、光源を用いないこと以外は、試料1と同一の構成を有する飛来昆虫捕獲器を準備した。
【0081】
各試料において、第1反射光の光路に沿って孔6から10cm外方に離れた位置での照度を照度計9(TLUSCO社製の「TLX-204」)で測定した。結果を表5の「孔からの距離が10cmでの照度(Lux)」欄に示す。
【0082】
<捕獲試験2>
各試料の飛来昆虫捕獲器を用いて、以下の飛来昆虫捕獲の捕獲試験を行った。
【0083】
試験日:2021年8月29日~2021年9月20日
試験方法:各試料の飛来昆虫捕獲器をひさしのある日陰の庭に1m間隔で設置した。LED8は、日中は自動充電し、夜間自動発光する設定とした。
【0084】
評価:試験終了時(2021年9月20日午後12時)に各試料の飛来昆虫捕獲器を回収し、容器1内に捕獲された飛来昆虫の種類および頭数を確認した。結果を表5に示す。
【0085】
【0086】
<考察>
試料11~試料13の飛来昆虫捕獲器は実施例に該当する。試料14の飛来昆虫捕獲器は比較例に該当する。表5に示されるように、試料11~試料13(実施例)は、試料14(比較例)よりも飛来昆虫の捕獲数が多いことが確認された。表5に示されるように、試料11~試料13(実施例)は、試料14(比較例)よりも、コバエ類およびコバエ類以外の飛来昆虫の捕獲数が多いことが確認された。
【0087】
試料11~試料13を比べると、光源5が青色LEDの試料11および光源5が緑色LEDの試料12の捕獲数は、光源5が黄色LEDの試料13の捕獲数の2倍以上であることが確認された。
【0088】
以上のように本開示の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせたり、様々に変形することも当初から予定している。
【0089】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。