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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123552
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】金型及びプレス加工装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 43/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B21D43/00 R
B21D43/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031066
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】藤永 祥明
(57)【要約】      (修正有)
【課題】装置を複雑化せずに、帯状の鋼板をより安定した姿勢で搬送方向に案内可能な金型及びプレス加工装置を提供する。
【解決手段】金型は、金型本体とガイド部材と支持体とを有する。金型本体は、貫通穴を有する。ガイド部材は、厚み方向に延びており、支持体によって、貫通穴内を厚み方向に移動可能に支持される支柱部と、支柱部の一方端部に接続され、鋼板をガイドするガイド部と、を有する。ガイド部は、接続部と、接続部から、搬送方向の少なくとも一方に突出している突出部と、接続部及び突出部に搬送方向に延びているガイド溝部と、を有する。金型本体は、金型本体の厚み方向の一方の面に位置し、貫通穴に繋がるとともにガイド部材の突出部におけるガイド溝部よりも金型本体側に位置する被収容部分を収容可能なザグリ部を有する。ガイド部材は、支持体によって、被収容部分がザグリ部内に収容される位置まで、厚み方向に移動可能に支持される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の鋼板をプレス加工するための金型であって、
金型本体と、
前記鋼板を搬送路に沿ってガイドするガイド部材と、
前記ガイド部材を前記金型本体に対して支持する支持体と、
を有し、
前記金型本体は、前記搬送路が延びる搬送方向と交差する厚み方向に貫通する貫通穴を有し、
前記ガイド部材は、
前記厚み方向に延びており、前記支持体によって、前記貫通穴内を前記厚み方向に移動可能に支持される支柱部と、
前記支柱部の一方端部に接続され、前記鋼板をガイドするガイド部と、
を有し、
前記ガイド部は、
前記支柱部の一方端部に接続される接続部と、
前記接続部から、前記搬送方向の少なくとも一方に突出している突出部と、
前記搬送方向及び前記厚み方向にそれぞれ直交する幅方向の少なくとも一方に開口し且つ前記接続部及び前記突出部に前記搬送方向に延びているガイド溝部と、
を有し、
前記金型本体は、前記金型本体の厚み方向の一方の面に位置し、前記貫通穴に繋がるとともに前記ガイド部材の前記突出部における前記ガイド溝部よりも前記金型本体側に位置する被収容部分を収容可能なザグリ部を有し、
前記ガイド部材は、前記支持体によって、前記被収容部分が前記ザグリ部内に収容される位置まで、前記厚み方向に移動可能に支持される、
金型。
【請求項2】
請求項1に記載の金型において、
前記突出部は、前記接続部から前記搬送方向の一方に突出している、
金型。
【請求項3】
請求項2に記載の金型において、
前記貫通穴は、前記金型本体における前記搬送方向の中央よりも前記搬送方向の下流側に位置し、
前記ガイド部は、前記搬送方向の上流側に向かって突出している、
金型。
【請求項4】
請求項2に記載の金型において、
前記貫通穴は、前記金型本体における前記搬送方向の中央よりも前記搬送方向の上流側に位置し、
前記ガイド部は、前記搬送方向の下流側に向かって突出している、
金型。
【請求項5】
(T字型)
請求項1に記載の金型において、
前記突出部は、前記接続部から前記搬送方向の上流側及び下流側にそれぞれ突出している、
金型。
【請求項6】
請求項1に記載の金型において、
前記金型本体は、
前記搬送方向に並んで位置する2つの前記貫通穴と、
前記2つの貫通穴にそれぞれ繋がるザグリ部と、
を有し、
前記ガイド部材は、前記支柱部としての第1の支柱部及び第2の支柱部を有し、
前記金型は、前記支持体としての第1の支持体及び第2の支持体を有し、
前記ガイド部は、前記接続部としての第1の接続部及び第2の接続部を有し、
前記第1の支柱部は、前記第1の接続部と接続され、
前記第2の支柱部は、前記第2の接続部と接続され、
前記第1の支持体は、前記第1の支柱部を支持し、
前記第2の支持体は、前記第2の支柱部を支持し、
前記ガイド部の前記突出部は、前記第1の接続部及び前記第2の接続部に接続されている、
金型。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の金型において、
前記ガイド部及び前記支柱部は、別部材である、
金型。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1つに記載の金型において、
前記ガイド部材としての第1ガイド部材及び第2ガイド部材と、
前記支持体としての第1支持体及び第2支持体と、
を有し、
前記金型本体は、
前記貫通穴としての第1貫通穴及び第2貫通穴と、
前記ザグリ部としての第1ザグリ部及び第2ザグリ部と、
を有し、
前記第1ガイド部材、前記第1貫通穴、前記第1ザグリ部及び前記第1支持体は、前記搬送路に対して前記幅方向の一方に位置し、
前記第1ガイド部材のガイド溝部は、前記幅方向の他方に開口し、
前記第2ガイド部材、前記第2貫通穴、前記第2ザグリ部及び前記第2支持体は、前記搬送路に対して前記幅方向の他方に位置し、
前記第2ガイド部材のガイド溝部は、前記幅方向の一方に開口する、
金型。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか1つに記載の金型において、
前記支持体は、前記ガイド部材を前記金型本体に対して弾性支持して、前記ガイド部材が前記厚み方向の他方へ移動した際に弾性復元力を生じる、
金型。
【請求項10】
請求項1から6のいずれか1つに記載の金型において、
前記ガイド部の前記接続部は、前記突出部よりも前記厚み方向の前記一方に突出している段部を有する、
金型。
【請求項11】
請求項10に記載の金型である第1金型と、前記第1金型とともに前記鋼板をプレス加工する第2金型とを有するプレス加工装置であって、
前記段部は、プレス加工の際、前記第2金型のプレス面と接触する、
プレス加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状の鋼板をプレス加工するための金型及びプレス加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帯板状のワークに対してプレス加工を行うプレス加工装置が知られている。例えば、特許文献1には、金型内に搬送された帯板状のワークに対して、複数回に分けてパンチ加工工程を行うプレス加工装置が開示されている。
【0003】
前記特許文献1の前記プレス加工装置は、ダイプレートの上面において、ワークの搬送路の幅方向の両側部に沿って位置する3対のリフターピンを有する。前記プレス加工装置は、1回のパンチ加工工程毎にワークを所定の長さだけ順次搬送する。前記プレス加工装置では、前記ワークの搬送時には、前記ワークの両側部を前記リフターピンの溝部によって案内する。これにより、前記ワークを前記ダイプレートの上面から浮かせた状態で移動させる。
【0004】
さらに、前記プレス加工装置は、ワークの搬送路の幅方向において、3対のリフターピンよりも外方に位置する一対のワークガイドを有する。前記プレス加工装置は、前記ワークガイドを搬送路に対して進退させるエアシリンダを有する。前記プレス加工装置では、前記一対のワークガイドによって、前記リフターピンに前記ワークを案内する。これにより、前記プレス加工装置では、人手による作業によらなくても、前記リフターピンに前記ワークを案内できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09-174295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、帯状の鋼板の幅方向両端を支持することによって、鋼板をプレス加工装置の金型内に案内するガイド部材は、前記帯状の鋼板を安定した姿勢で搬送方向に案内することが求められる。前記鋼板を案内する長さが長いほど、前記鋼板をより安定して案内することができる。
【0007】
上述の前記特許文献1の前記プレス加工装置のように、前記リフターピンの溝部によって前記ワークの両側部を案内する構造では、前記搬送方向における溝の長さが、前記ワークを案内する長さである。このため、前記プレス加工装置の前記リフターピンでは、前記搬送方向における溝の長さを前記リフターピンの径よりも大きくできない。したがって、前記プレス加工装置では、前記ワークを案内する長さに限度がある。
【0008】
また、前記特許文献1の前記プレス加工装置は、上述のとおり、前記リフターピンに前記ワークを案内する前記ワークガイドを有する。前記プレス加工装置では、前記ワークガイドは、前記リフターピンとは別部材であり、且つ、金型と干渉を防止しつつ、上述したエアシリンダ等の駆動手段によって前記ワークガイドを進退させる必要がある。そのため、前記プレス加工装置の部品点数が増加して、前記プレス加工装置の構成が複雑化する。
【0009】
そこで、装置を複雑化せずに、前記帯状の鋼板をより安定した姿勢で搬送方向に案内できるような金型が求められている。
【0010】
本発明の目的は、装置を複雑化せずに、帯状の鋼板をより安定した姿勢で搬送方向に案内可能な金型及びプレス加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の例示的な一実施形態に係る金型は、帯状の鋼板をプレス加工するための金型である。前記金型は、金型本体と、前記鋼板を搬送路に沿ってガイドするガイド部材と、前記ガイド部材を前記金型本体に対して支持する支持体と、を有する。前記金型本体は、前記搬送路が延びる搬送方向と交差する厚み方向に貫通する貫通穴を有する。前記ガイド部材は、前記厚み方向に延びており、前記支持体によって、前記貫通穴内を前記厚み方向に移動可能に支持される支柱部と、前記支柱部の一方端部に接続され、前記鋼板をガイドするガイド部と、を有する。前記ガイド部は、前記支柱部の一方端部に接続される接続部と、前記接続部から、前記搬送方向の少なくとも一方に突出している突出部と、前記搬送方向及び前記厚み方向にそれぞれ直交する幅方向の少なくとも一方に開口し且つ前記接続部及び前記突出部に前記搬送方向に延びているガイド溝部と、を有する。前記金型本体は、前記金型本体の厚み方向の一方の面に位置し、前記貫通穴に繋がるとともに前記ガイド部材の前記突出部における前記ガイド溝部よりも前記金型本体側に位置する被収容部分を収容可能なザグリ部を有する。前記ガイド部材は、前記支持体によって、前記被収容部分が前記ザグリ部内に収容される位置まで、前記厚み方向に移動可能に支持される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装置を複雑化せずに、帯状の鋼板を安定した姿勢で搬送方向に案内可能な金型を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態1に係る金型の概略構成の一例を示す断面図である。
図2A図2Aは、プレス加工時において図1に示す金型のガイド部材が厚み方向の他方に移動した際の金型の断面図である。
図2B図2Bは、実施形態1の変形例1に係る金型の概略構成の一例を示す平面図であって、図2Aの対応図である。
図2C図2Cは、実施形態1の変形例2に係る金型の概略構成の一例を示す平面図であって、図2Aの対応図である。
図3図3は、実施形態2に係る金型及びプレス加工装置の概略構成の一例を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態2に係る金型及びプレス加工装置の概略構成の一例を示す平面図である。
図5図5は、図4のV-V線断面図である。
図6図6は、プレス加工時において図5に示す金型の第1ガイド部材及び第3ガイド部材が厚み方向の他方に移動した際の金型の断面図である。
図7図7は、実施形態2の変形例1に係る金型及びプレス加工装置の概略構成の一例を示す平面図であって、図4の対応図である。
図8図8は、図7のVIII-VIII線断面図である。
図9図9は、プレス加工時において図7に示す金型の各ガイド部材が厚み方向の他方に移動した際の金型の断面図である。
図10図10は、実施形態2の変形例2に係る金型及びプレス加工装置の概略構成の一例を示す平面図であって、図4の対応図である。
図11図11は、図10のXI-XI線断面図である。
図12図12は、プレス加工時において図11に示す金型の各ガイド部材が厚み方向の他方に移動した際の金型の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の例示的な実施の形態を詳しく説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表しているわけではない。
【0015】
以下の説明において、プレス加工装置50、50A、50Bの上下方向を、単に、上下方向という。また、プレス加工装置50、50A、50Bにおいて、後述する搬送路Pによって鋼板Wが搬送される方向を搬送方向という。
【0016】
また、以下の説明において、“固定”、“接続”及び“取り付ける”等の表現は、部材同士が直接、固定等されている場合だけでなく、他の部材を介して固定等されている場合も含む。すなわち、以下の説明において、固定等の表現には、部材同士の直接的及び間接的な固定等の意味が含まれる。
【0017】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る金型1の概略構成の一例を示す断面図である。図2Aは、プレス加工時において図1に示す金型1のガイド部材10が厚み方向の他方に移動した際の金型1の断面図である。
【0018】
図1及び図2Aに示すように、金型1は、プレス加工装置50において帯状の鋼板Wをプレス加工するための金型である。なお、図1及び図2Aでは、プレス加工装置50の詳しい構成の図示を省略しているが、例えば、プレス加工装置50のフレーム、スライド又は定盤等の構成については、従来技術を採用することができる。プレス加工時において、金型1は、プレス加工装置50の定盤の上に置かれる。金型1は、金型本体20と、ガイド部材10と、支持体30と、を有する。
【0019】
金型本体20は、搬送路Pが延びる搬送方向と交差する厚み方向に貫通する貫通穴21と、金型本体20の厚み方向の一方の面に位置し、貫通穴21に繋がるザグリ部22とを有する。ザグリ部22は、貫通穴21から、前記搬送方向の上流側に延びている。
【0020】
ガイド部材10は、プレス加工装置50において鋼板Wを搬送する搬送路Pに沿ってガイドする。ガイド部材10は、支柱部11と、ガイド部12とを有する。支柱部11は、前記厚み方向に延びており、支持体30によって、図2Aの白抜き矢印にて示すように、貫通穴21内を前記厚み方向に移動可能に支持される。ガイド部12は、支柱部11の一方端部11aに接続され、鋼板Wをガイドする。
【0021】
ガイド部12は、接続部121と、突出部122と、ガイド溝部123とを有する。接続部121は、支柱部11の一方端部11aに接続される。突出部122は、接続部121から、前記搬送方向の上流側に突出している。ガイド溝部123は、前記搬送方向及び前記厚み方向にそれぞれ直交する幅方向の少なくとも一方に開口し且つ接続部121及び突出部122において前記搬送方向に延びている。
【0022】
支持体30は、ガイド部材10を金型本体20に対して弾性支持する。支持体30は、ガイド部材10の支柱部11の他方端11bを金型本体20に対して弾性支持する。支持体30は、圧縮ばね等の弾性部材を含む。図2Aに示すように、ガイド部材10が前記厚み方向の他方へ移動することによって支持体30の前記弾性部材が前記厚み方向の他方に圧縮変形する。このため、前記厚み方向の一方に対する弾性復元力が生じる。このように、支持体30では、前記ガイド部材が前記厚み方向の他方へ移動した際に前記厚み方向の一方に対する弾性復元力が生じる。これにより、支持体30は、ガイド部材10の支柱部11を貫通穴21内において前記厚み方向に移動可能に支持する。
【0023】
上述の構成により、ガイド部材10に対して前記厚み方向の他方へ移動させる力が加わらなくなると、ガイド部材10は、支持体30の弾性部材の弾性復元力によって図1に示すような元の位置に移動する。これにより、ガイド部材10は、プレス加工時に前記厚み方向の他方に移動した後、ガイド部材10に対して前記厚み方向の他方へ移動させる力が加わらなくなると、元の位置に戻る。よって、プレス加工後に、ガイド部材10を元の位置に容易に戻すことができる。
【0024】
上述の構成において、ザグリ部22は、金型本体20の厚み方向の一方の面に位置し、貫通穴21に繋がるとともにガイド部材10の突出部122におけるガイド溝部123よりも金型本体20側に位置する被収容部分Mを収容可能である。
【0025】
また、ガイド部材10は、支持体30によって、被収容部分Mがザグリ部22内に収容される位置まで、前記厚み方向に移動可能に支持される。
【0026】
以上に説明したように、金型1では、接続部121から前記搬送方向の上流側に突出している突出部122によって、ガイド溝部123の搬送方向の長さを長くできる。よって、帯状の鋼板を安定した姿勢で搬送方向に搬送できる。また、プレス加工時にガイド部材10が金型本体20の厚み方向の他方に移動した際、ザグリ部22によって、ガイド部材10の突出部122の一部である被収容部分Mを収容できる。さらに、ザグリ部22は、貫通穴21よりも厚み方向に浅い。したがって、金型本体20にザグリ部22の替わりに貫通穴を形成する場合よりも、金型本体20の強度低下を抑制できる。
【0027】
よって、装置を複雑化せずに、帯状の鋼板を安定した姿勢で搬送方向に搬送できる。しかも、上述の構成により、プレス加工時に前記ガイド部材との干渉を防止することができる金型を実現できる。また、上述の構成により、ガイド部材10を退避させるために貫通穴を形成する場合と比べて強度低下を抑制できる。
【0028】
また、突出部122は、接続部121から搬送方向の一方である上流側に突出している。
【0029】
上述の構成により、ガイド部材10は、L字形状を有する。このようなL字形状を有するガイド部材10は、突出部12が前記搬送方向の片側に突出している簡易な構造により実現できる。
【0030】
[実施形態1の変形例1]
図2Bは、実施形態1の変形例1に係る金型1Aの概略構成の一例を示す平面図であって、図2Aの対応図である。
【0031】
実施形態1の変形例1に係る金型1Aは、ガイド部材10がT字形状である点で実施形態1の金型1と異なる。以下では、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1の構成と異なる部分についてのみ説明する。
【0032】
図2Bに示すように、金型1Aにおいて、ガイド部材10のガイド部12は、接続部121から、前記搬送方向の上流側及び下流側の両方にそれぞれ突出している突出部としての上流側突出部122a及び下流側突出部122bを有する。上流側突出部122aは、前記搬送方向の上流側に突出している。下流側突出部122bは、前記搬送方向の下流側に突出している。
【0033】
ガイド溝部123は、上流側突出部122a、接続部121及び下流側突出部122bにかけて前記搬送方向に延びている。
【0034】
金型本体20は、金型本体20の前記厚み方向の一方面に位置するザグリ部としての上流側ザグリ部22a及び下流側ザグリ部22bを有する。
【0035】
上流側ザグリ部22aは、貫通穴21に繋がるとともにガイド部材10の上流側突出部122aにおけるガイド溝部123よりも金型本体20側に位置する被収容部分M1を収容可能である。上流側ザグリ部22aは、貫通穴21から、前記搬送方向の上流側に延びている。
【0036】
下流側ザグリ部22bは、貫通穴21に繋がるとともにガイド部材10の下流側突出部122bにおけるガイド溝部123よりも金型本体20側に位置する被収容部分M2を収容可能である。下流側ザグリ部22bは、前記搬送方向において、貫通穴21から下流側に、金型20の下流側の端部に位置する壁部26まで延びている。
【0037】
上述の構成では、突出部としての上流側突出部122a及び下流側突出部122bは、接続部121から前記搬送方向の上流側及び下流側にそれぞれ突出している。
【0038】
このため、ガイド部材10は、T字形状を有する。このようなT字形状を有するガイド部材10は、接続部121から搬送方向の一方に突出しているL字形状を有するガイド部材よりも、ガイド溝部128の前記搬送方向の長さを長くできる。
【0039】
よって、上述の構成によれば、鋼板Wをより安定した姿勢で前記搬送方向に案内できる。
【0040】
[実施形態1の変形例2]
図2Cは、実施形態1の変形例2に係る金型1Bの概略構成の一例を示す平面図であって、図2Aの対応図である。
【0041】
実施形態1の変形例2に係る金型1Bは、ガイド部材10がT字形状である点で実施形態1の金型1と異なる。また、実施形態1の変形例2に係る金型1Bは、ザグリ部の形状が、実施形態の変形例1の金型1Aとは異なる。以下では、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1の構成と異なる部分についてのみ説明する。
【0042】
図2Cに示すように、金型1Aにおいて、ガイド部材10のガイド部12は、接続部121から、前記搬送方向の上流側及び下流側の両方に突出している突出部としての上流側突出部122a及び下流側突出部122bを有する。上流側突出部122aは、接続部121から、前記搬送方向の上流側に突出している。下流側突出部122bは、接続部121から、前記搬送方向の下流側に突出している。さらに言えば、下流側突出部122bの一部M32は、金型20の下流側端縁28よりも前記搬送方向の下流側に突出している。
【0043】
ガイド溝部123は、上流側突出部122a、接続部121及び下流側突出部122bにかけて前記搬送方向に延びている。
【0044】
金型本体20は、金型本体20の前記厚み方向の一方面に位置するザグリ部27を有する。ザグリ部27は、第1部分27a及び第2部分27bを有する。
【0045】
第1部分27aは、貫通穴21に繋がるとともにガイド部材10の上流側突出部122aにおけるガイド溝部123よりも金型本体20側に位置する被収容部分M1を収容可能である。第1部分27aは、貫通穴21から、前記搬送方向の上流側に延びている。
【0046】
第2部分27bは、貫通穴21に繋がるとともにガイド部材10の下流側突出部122bにおけるガイド溝部123よりも金型本体20側に位置する部分の一部である被収容部分M31を収容可能である。第2部分27bは、前記搬送方向において、貫通穴21から下流側に、金型20の下流側端縁28まで延びている。
【0047】
上述の構成によれば、L字形状を有するガイド部材よりも、鋼板Wをより安定した姿勢で前記搬送方向に案内できる。また、支柱部11を、金型本体20における前記搬送方向の下流側の端部に配置できる。さらに、上述の構成では、ガイド部材10の一部が金型20から前記搬送方向の下流側に突出している。すなわち、ガイド部12の下流側突出部122bの一部M32は、金型20の下流側端縁28よりも前記搬送方向の下流側に突出している。これにより、金型20の平面視におけるザグリ部27の占有面積を小さくすることもできる。
【0048】
[実施形態2]
図3は、実施形態2に係る金型2及びプレス加工装置50の概略構成の一例を示す斜視図である。図4は、実施形態2に係る金型2及びプレス加工装置50の概略構成の一例を示す平面図である。図5は、図4のV-V線断面図である。図6は、プレス加工時において図5に示す金型2の第1ガイド部材10A及び第3ガイド部材60Aが厚み方向の他方に移動した際の金型2の断面図である。
【0049】
実施形態2に係る金型2は、4つのガイド部材を有する点で実施形態1の金型1と異なる。以下で、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1の構成と異なる部分についてのみ説明する。
【0050】
図3図6に示すように、実施形態2に係るプレス加工装置50は、図5及び図6に示すように、第1金型としての金型2と、金型2とともに鋼板Wをプレス加工する第2金型としての上型90とを有する。すなわち、金型2は、下型である。なお、図5及び図6では、プレス加工装置50の金型2及び上型90以外の構成については省略している。プレス加工装置50の金型2及び上型90以外の他の構成、例えば、フレーム、スライド又は定盤等の構成については従来技術を採用することができる。
【0051】
金型2は、第1ガイド部材10A、第2ガイド部材10B、第3ガイド部材60A及び第4ガイド部材60Bと、金型本体20Aと、第1支持体30A、第2支持体30B、第3支持体80A及び第4支持体80Bと、を有する。
【0052】
金型本体20Aは、第1貫通穴21A、第2貫通穴21B、第3貫通穴71A及び第4貫通穴71Bと、第1ザグリ部22A及び第2ザグリ部22Bと、加工穴25と、を有する。
【0053】
図4に示すように、第1ガイド部材10A、第2ガイド部材10B、第1支持体30A、第2支持体30B、第1貫通穴21A、第2貫通穴21B、第1ザグリ部22A及び第2ザグリ部22Bは、金型本体20Aにおける前記搬送方向の中央を通る中央線C1よりも前記搬送方向の下流側に位置する。
【0054】
第3ガイド部材60A、第4ガイド部材60B、第3支持体80A、第4支持体80B、第3貫通穴71A及び第4貫通穴71Bは、金型本体20Aにおける前記搬送方向の中央を通る中央線C1よりも前記搬送方向の上流側に位置する。
【0055】
第1ガイド部材10A及び第3ガイド部材60Aと、第1貫通穴21A及び第3貫通穴71Aと、第1ザグリ部22Aとは、金型本体20Aにおける前記幅方向において、金型本体20Aの幅方向の中央を通る中央線C2よりも前記幅方向の一方側に位置する。
【0056】
前記搬送方向において、第1ガイド部材10Aと、第3ガイド部材60Aとは、並んで位置する。また、前記搬送方向において、第1貫通穴21Aと、第3貫通穴71Aとは、並んで位置する。
【0057】
図4に示すように、第2ガイド部材10B及び第4ガイド部材60Bと、第2貫通穴21B及び第4貫通穴71Bと、第2ザグリ部22Bとは、金型本体20Aにおける前記幅方向において、金型本体20Aの幅方向の中央を通る中央線C2よりも前記幅方向の他方側に位置する。
【0058】
前記搬送方向において、第2ガイド部材10Bと、第4ガイド部材60Bとは、並んで位置する。また、前記搬送方向において、第2貫通穴21Bと、第4貫通穴71Bとは、並んで位置する。
【0059】
加工穴25は、平面視において金型本体20Aの中央部分に位置する。
【0060】
なお、金型2は、図4に示す中央線C2を含み且つ前記幅方向に直交する平面を挟んで対称な構成を有する。したがって、第1ガイド部材10A、第1支持体30A、第1貫通穴21A、第1ザグリ部22A、第3ガイド部材60A、第3支持体80A及び第3貫通穴71Aは、それぞれ、第2ガイド部材10B、第2支持体30B、第2貫通穴21B、第2ザグリ部22B、第4ガイド部材60B、第4支持体80B及び第4貫通穴71Bに対して、上記平面を挟んで対称な構成を有する。このため、図5及び図6では、上述のような対称な構成については符合をかっこ書にて示している。なお、図4に示す中央線C2は、前記幅方向において、第1ガイド部材10Aと第2ガイド部材10Bとの間の中央を通る。
【0061】
そこで、以下では、金型2の幅方向の一方側の構成について説明する。
【0062】
第1ガイド部材10Aは、実施形態1の金型1におけるガイド部材10と同様の構成を有する。なお、第1ガイド部材10Aのガイド部12は、前記搬送方向の上流側に向かって突出している。すなわち、ガイド部12の突出部122は、前記搬送方向の上流側に向かって突出している。
【0063】
第1支持体30Aは、実施形態1の金型1における支持体30と同様の構成を有する。第1貫通穴21Aは、実施形態1の金型本体20における貫通穴21と同様の構成を有する。
【0064】
第1ザグリ部22Aは、実施形態1の金型本体20におけるザグリ部22と同様の構成を有する。
【0065】
第1ガイド部材10A、第1貫通穴21A、第1ザグリ部22A及び第1支持体30Aは、搬送路Pに対して前記幅方向の一方に位置する。第1ガイド部材10Aのガイド溝部123は、前記幅方向の他方に開口する。
【0066】
第3ガイド部材60Aは、支柱部61と、ガイド部62とを有する。支柱部61は、前記厚み方向に延びており、第3支持体80Aによって、第3貫通穴71A内を厚み方向に移動可能に支持される。ガイド部62は、支柱部61の一方端部61aに接続され、鋼板Wをガイドする。
【0067】
ガイド部62は、前記搬送方向及び前記厚み方向にそれぞれ直交する幅方向の他方に開口し且つ前記搬送方向に延びているガイド溝62aを有する。
【0068】
第3支持体80Aは、第3ガイド部材60Aの支柱部61を第3貫通穴71A内において前記厚み方向に移動可能に弾性支持する。
【0069】
また、上型90は、プレス加工装置50の図示しないスライドによって、プレス加工装置50の上下方向に移動可能に支持される。プレス加工装置50の上方向UPは、厚み方向の一方に一致しており、プレス加工装置50の下方向DWは、厚み方向の他方に一致している。上型90は、プレス加工装置50の下方向DW側の面において逃げ部91A及び92Aを有する。
【0070】
逃げ部91Aは、図6に示すように、プレス加工時にプレス加工装置50の前記スライドが上下方向の下方向DWに移動して下死点まで到達することにより、上型90が最下点まで移動したときに、第1ガイド部材10Aの一部を収容する。すなわち、逃げ部91Aは、プレス加工時に、上型90は、上型90が前記最下点まで移動したときに、プレス加工装置50の上下方向において、第1ガイド部材10Aの鋼板Wよりも上側を収容する。
【0071】
逃げ部92Aは、図6に示すように、プレス加工時に、上型90が前記最下点まで移動したときに、第3ガイド部材60Aの一部を収容する。すなわち、逃げ部92Aは、プレス加工時に、上型90が前記最下点まで移動したときに、プレス加工装置50の上下方向において、第3ガイド部材60Aの鋼板Wよりも上側を収容する。
【0072】
上述したように、金型2の幅方向の他方側は、金型2の幅方向の一方側に対して、中央線C2を含み前記幅方向に直交する平面を挟んで対称な構成を有する、よって、金型2の幅方向の他方側について、詳しい説明を省略する。
【0073】
以上に説明したように、金型2は、ガイド部材としての第1ガイド部材10A及び第2ガイド部材10Bと、支持体としての第1支持体30A及び第2支持体30Bと、を有する。金型本体20Aは、貫通穴としての第1貫通穴21A及び第2貫通穴21Bと、ザグリ部としての第1ザグリ部22A及び第2ザグリ部22Bと、を有する。
【0074】
第1ガイド部材10A、第1貫通穴21A、第1ザグリ部22A及び第1支持体30Aは、搬送路Pに対して前記幅方向の一方に位置する。第1ガイド部材10Aのガイド溝部123は、前記幅方向の他方に開口する。
【0075】
第2ガイド部材10B、第2貫通穴21B、第2ザグリ部22B及び第2支持体30Bは、搬送路Pに対して前記幅方向の他方に位置する。第2ガイド部材10Bのガイド溝部123は、前記幅方向の一方に開口する。
【0076】
上述の構成により、図6に示すように、第1ガイド部材10Aは、第1支持体30Aによって、被収容部分Mが第1ザグリ部22A内に収容される位置まで、前記厚み方向に移動可能に支持される。また、第2ガイド部材10Bは、第2支持体30Bによって、被収容部分Mが第2ザグリ部22B内に収容される位置まで、厚み方向に移動可能に支持される。
【0077】
また、第1ガイド部材10A及び第2ガイド部材10Bは、図3及び図4に示すように、鋼板Wの幅方向の両側に位置する。このため、鋼板Wの幅方向の両側をガイド部材によってガイドすることができる。よって、搬送時の鋼板Wの姿勢がより安定する。
【0078】
また、貫通穴としての第1貫通穴21A及び第2貫通穴21Bは、金型本体20Aにおける前記搬送方向の中央よりも前記搬送方向の下流側に位置する。また、第1ガイド部材10A及び第2ガイド部材10Bそれぞれのガイド部12は、前記搬送方向の上流側に向かって突出している。
【0079】
上述の構成では、金型本体20Aの貫通穴としての第1貫通穴21A及び第2貫通穴21Bは、金型本体20Aにおける前記搬送方向の下流側の端部に位置する。これにより、ガイド部材としての第1ガイド部材10A及び10Bそれぞれの支柱部11を、金型本体20Aにおける前記搬送方向の下流側の端部に配置できる。よって、平面視において、金型本体20Aの中央部分における設計自由度が向上する。例えば、金型本体20Aの加工穴25の設計自由度が向上する。
【0080】
[実施形態2の変形例1]
図7は、実施形態2の変形例1に係る金型2A及びプレス加工装置50Aの概略構成の一例を示す平面図であって、図4の対応図である。図8は、図7のVIII-VIII線断面図である。図9は、プレス加工時において図7に示す金型2Aの各ガイド部材が厚み方向の他方に移動した際の金型2Aの断面図である。
【0081】
実施形態2の変形例1に係る金型2Aは、4つのガイド部材のうち、一部のガイド部材の形状が実施形態2の金型2と異なる。以下で、実施形態2と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態2の構成と異なる部分についてのみ説明する。
【0082】
図7図9に示すように、実施形態2の変形例1に係るプレス加工装置50Aは、下型として機能する第1金型としての金型2Aと、金型2Aとともに鋼板Wをプレス加工する第2金型としての上型95とを有する。
【0083】
金型2Aは、第1ガイド部材10A、第2ガイド部材10B、第3ガイド部材10C及び第4ガイド部材10Dと、金型本体20Bと、第1支持体30A、第2支持体30B、第3支持体30C及び第4支持体30Dと、を有する。
【0084】
金型本体20Bは、第1貫通穴21A、第2貫通穴21B、第3貫通穴21C及び第4貫通穴21Dと、第1ザグリ部22A、第2ザグリ部22B、第3ザグリ部22C及び第4ザグリ部22Dと、加工穴25と、を有する。
【0085】
図7に示すように、第3ガイド部材10C、第4ガイド部材10D、第3支持体30C、第4支持体30D、第3貫通穴21C及び第4貫通穴21Dは、金型本体20Bにおける前記搬送方向の中央を通る中央線C1よりも前記搬送方向の上流側に位置する。
【0086】
第1ガイド部材10A及び第3ガイド部材10Cと、第1貫通穴21A及び第3貫通穴21Cと、第1ザグリ部22A及び第3ザグリ部22Cとは、金型本体20Bにおける前記幅方向において、金型本体20Bの幅方向の中央を通る中央線C2よりも前記幅方向の一方側に位置する。
【0087】
第1ガイド部材10Aと、第3ガイド部材10Cとは、前記搬送方向に並んで位置する。第1ザグリ部22Aと、第3ザグリ部22Cとは、前記搬送方向に並んで位置する。また、第1貫通穴21Aと、第3貫通穴21Cとは、前記搬送方向に並んで位置する。
【0088】
第2ガイド部材10B及び第4ガイド部材10Dと、第2貫通穴21B及び第4貫通穴21Dと、第2ザグリ部22B及び第4ザグリ部22Dとは、金型本体20Bにおける前記幅方向において、金型本体20Bの幅方向の中央を通る中央線C2よりも前記幅方向の他方側に位置する。
【0089】
第2ガイド部材10Bと、第4ガイド部材10Dとは、前記搬送方向に並んで位置する。第2ザグリ部22Bと、第4ザグリ部22Dとは、前記搬送方向に並んで位置する。また、第2貫通穴21Bと、第4貫通穴21Dとは、前記搬送方向に並んで位置する。
【0090】
なお、金型2Aは、図7に示す中央線C2を含み前記幅方向に直交する平面を挟んで対称な構成を有する。したがって、第1ガイド部材10A、第1支持体30A、第1貫通穴21A、第1ザグリ部22A、第3ガイド部材10C、第3支持体30C、第3貫通穴21C及び第3ザグリ部22Cは、それぞれ、第2ガイド部材10B、第2支持体30B、第2貫通穴21B、第2ザグリ部22B、第4ガイド部材10D、第4支持体30D、第4貫通穴21D及び第4ザグリ部22Dと上記平面を挟んで対称な構成を有する。このため、図8及び図9では、上述のような対称的な構成の符合をかっこ書にて示している。
【0091】
また、金型2Aは、図7に示す金型本体20Bにおける前記搬送方向の中央を通る中央線C1を含み前記搬送方向に直交する平面を挟んで対称な構成を有する。したがって、第1ガイド部材10A、第1支持体30A、第1貫通穴21A、第1ザグリ部22A、第2ガイド部材10B、第2支持体30B、第2貫通穴21B及び第2ザグリ部22Bは、それぞれ、第3ガイド部材10C、第3支持体30C、第3貫通穴21C、第3ザグリ部22C、第4ガイド部材10D、第4支持体30D、第4貫通穴21D及び第4ザグリ部22Dと上記平面を挟んで対称な構成を有する。このため、図8及び図9では、上述のような対称な構成については符合をかっこ書にて示している。
【0092】
そこで、以下では、金型2Aの幅方向の一方側の構成について説明する。
【0093】
第1ガイド部材10Aのガイド部12は、さらに段部124を含む。より具体的には、ガイド部12の接続部121は、突出部122よりも前記厚み方向の一方に突出している段部124を有する。また、ガイド部12及び支柱部11は、別部材である。また、ガイド部12は、ガイド溝部123よりも金型本体20B側に位置する被収容部分Mと、それ以外の部分とは、別部材である。すなわち、ガイド部12は、プレス加工時に、プレス加工装置50の上下方向において、鋼板Wよりも下方向DW側に位置する下側部材と、被収容部分Mよりも上方向UP側に位置する上側部材とを含む。段部124は、前記上側部材から前記厚み方向の一方に突出している。ガイド部12の前記上側部材と前記下側部材とは、ネジなどによって連結されている。また、ガイド部12の前記上側部材と前記下側部材との連結の間隔を調整することにより、ガイド溝部123の開口の大きさを調整することができる。
【0094】
また、上述の通り、金型2Aは、図7に示す金型本体20Bにおける前記搬送方向の中央を通る中央線C1を含み前記搬送方向に直交する平面を挟んで対称な構成を有するので、金型2Aの上流側の構成については、金型2Aの下流側の構成を参照しながら説明する。
【0095】
第3ガイド部材10Cは、実施形態2の金型2における第1ガイド部材10Aと同様の構成を有する。なお、第3ガイド部材10Cのガイド部12は、前記搬送方向の下流側に向かって突出している。すなわち、ガイド部12の突出部122は、前記搬送方向の下流側に向かって突出している。
【0096】
第3支持体30Cは、実施形態2の金型2における第1支持体30Aと同様の構成を有する。第3貫通穴21Cは、実施形態2の金型本体20Bにおける第1貫通穴21Aと同様の構成を有する。
【0097】
第3ザグリ部22Cは、実施形態2の金型本体20Bにおける第1ザグリ部22Aと同様の構成を有する。なお、第3ザグリ部22Cは、第3貫通穴21Cから、前記搬送方向の下流側に延びている。
【0098】
第3ガイド部材10C、第3貫通穴21C、第3ザグリ部22C及び第3支持体30Cは、搬送路Pに対して前記幅方向の一方に位置する。第3ガイド部材10Cのガイド溝部123は、前記幅方向の他方に開口する。
【0099】
上型95は、実施形態2の上型90とは異なり、逃げ部91A及び92Aを有しておらず、プレス加工装置50の下方向DW側の面においてプレス面95aを有する。プレス面95aは、図9に示すように、プレス加工時に、上型95が前記最下位置まで移動したときに、第1ガイド部材10A、第2ガイド部材10B、第3ガイド部材10C及び第4ガイド部材10Dのそれぞれの段部124に接触する。
【0100】
以上に説明したように、金型2Aでは、第3貫通穴21C及び第4貫通穴21Dは、金型本体20Bにおける前記搬送方向の中央を通る中央線C1よりも前記搬送方向の上流側に位置する。また、第3ガイド部材10C及び第4ガイド部材10Dそれぞれのガイド部12は、前記搬送方向の下流側に向かって突出している。
【0101】
上述の構成では、金型本体20Bの第3貫通穴21C及び第4貫通穴21Dは、それぞれ、金型本体20Bにおける搬送方向の上流側の端部に位置する。これにより、第3ガイド部材10C及び第4ガイド部材10Dそれぞれのガイド部12の支柱部11を、金型本体20Bにおける前記搬送方向の上流側の端部に配置できる。よって、金型本体20Bの中央部分における設計自由度が向上する。例えば、金型本体20Bの加工穴25の設計自由度が向上する。
【0102】
また、以上に説明したように、第1ガイド部材10A、第2ガイド部材10B、第3ガイド部材10C及び第4ガイド部材10Dのそれぞれの接続部121は、突出部122よりも前記厚み方向の前記一方に突出している段部124を有する。
【0103】
また、プレス加工装置50Aは、第1金型としての金型2Aと、金型2Aとともに鋼板Wをプレス加工する第2金型としての上型95を有する。
【0104】
第1ガイド部材10A、第2ガイド部材10B、第3ガイド部材10C及び第4ガイド部材10Dのそれぞれの段部124は、プレス加工の際、上型95のプレス面95aと接触する。
【0105】
上述の構成では、プレス加工の際に、金型2Aの相手側の金型である上型95が、厚み方向の他方に向かって移動すると、図9に示すように、前記相手側の上型95のプレス面95aが段部124に接触する。これにより、前記相手側の上型95のプレス面95aが第1ガイド部材10A、第2ガイド部材10B、第3ガイド部材10C及び第4ガイド部材10Dに接触したとき、突出部122に荷重が加わることを回避できる。このため、前記相手側の上型95のプレス面95aの接触によるモーメントを軽減することができる。よって、前記相手側の上型95のプレス面95aが上述の4つのガイド部材に接触することによる前記4つのガイド部材の破損を防止できる。
【0106】
また、前記4つのガイド部材において、ガイド部12及び支柱部11は、別部材である。ここで、ガイド部12及び支柱部11が単一の部材である場合、ガイド部12及び支柱部11に過大な荷重が加わると、ガイド部12から支柱部11に前記荷重が伝達されて、ガイド部12と支柱部11との間に亀裂が発生する可能性がある。
【0107】
上述の構成では、ガイド部12及び支柱部11がそもそも別部材であるため、プレス加工の際等において、ガイド部12及び支柱部11に過大な荷重が加わっても、ガイド部12と支柱部11との間に亀裂は発生し得ない。
【0108】
[実施形態2の変形例2]
図10は、実施形態2の変形例2に係る金型2B及びプレス加工装置50Bの概略構成の一例を示す平面図であって、図4の対応図である。図11は、図10のXI-XI線断面図である。図12は、プレス加工時において図11に示す金型2Bの各ガイド部材が厚み方向の他方に移動した際の金型2Bの断面図である。
【0109】
実施形態2の変形例2に係る金型2Bは、ガイド部材の形状が実施形態2に係る金型2と異なる。以下で、実施形態2と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態2の構成と異なる部分についてのみ説明する。
【0110】
図10図12に示すように、実施形態2の変形例2に係るプレス加工装置50Bは、下型として機能する第1金型としての金型2Bと、金型2Bとともに鋼板Wをプレス加工する第2金型としての上型96とを有する。
【0111】
金型2Bは、ガイド部材としての第1ガイド部材10E及び第2ガイド部材10Fと、金型本体20Cと、第1支持体30A、第2支持体30B、第3支持体30C及び第4支持体30Dと、を有する。第1支持体30Aは、第1の支持体に対応し、第3支持体30Cは、第2の支持体に対応する。
【0112】
金型本体20Cは、第1貫通穴21A、第2貫通穴21B、第3貫通穴21C及び第4貫通穴21Dと、ザグリ部としての第1ザグリ部22E及び第2ザグリ部22Fと、加工穴25と、を有する。第1貫通穴21A及び第3貫通穴21Cは、2つの貫通穴に対応する。
【0113】
第3支持体30C、第4支持体30D、第3貫通穴21C及び第4貫通穴21Dは、金型本体20Cにおける前記搬送方向の中央線C1よりも前記搬送方向の上流側に位置する。
【0114】
図10に示すように、第1ガイド部材10Eと、第1貫通穴21A及び第3貫通穴21Cと、第1ザグリ部22Eとは、金型本体20Cにおける前記幅方向において、金型本体20Cの幅方向の中央を通る中央線C2よりも前記幅方向の一方側に位置する。
【0115】
第1貫通穴21Aと、第3貫通穴21Cとは、前記搬送方向に並んで位置する。
【0116】
図10に示すように、第2ガイド部材10Fと、第2貫通穴21B及び第4貫通穴21Dと、第2ザグリ部22Fとは、金型本体20Cにおける前記幅方向において、金型本体20Cの幅方向の中央を通る中央線C2よりも前記幅方向の他方側に位置する。
【0117】
第2貫通穴21Bと、第4貫通穴21Dとは、前記搬送方向に並んで位置する。
【0118】
なお、金型2Bは、図10に示す中央線C2を含み前記幅方向に直交する平面を挟んで対称な構成を有する。したがって、第1ガイド部材10E、第1支持体30A、第1貫通穴21A、第1ザグリ部22E、第3支持体30C及び第3貫通穴21Cは、それぞれ、第2ガイド部材10F、第2支持体30B、第2貫通穴21B、第2ザグリ部22F、第4支持体30D及び第4貫通穴21Dと上記平面を挟んで対称な構成を有する。このため、図11及び図12では、上述のような対称な構成については符合をかっこ書にて示している。
【0119】
そこで、以下では、金型2Bの幅方向の一方側の構成について説明する。
【0120】
金型本体20Cは、前記搬送方向に並んで位置する2つの貫通穴である第1貫通穴21A及び第3貫通穴21Cと、第1貫通穴21A及び第3貫通穴21Cの2つの貫通穴にそれぞれ繋がる第1ザグリ部22Eと、を有する。
【0121】
第1ガイド部材10Eは、第1の支柱部111及び第2の支柱部112と、ガイド部120とを有する。
【0122】
金型2Bは、支持体としての第1支持体30A及び第3支持体30Cを有する。
【0123】
ガイド部120は、第1の接続部125及び第2の接続部126と、突出部127と、ガイド溝部128とを有する。
【0124】
第1の接続部125は、第1の支柱部111の一方端部111aに接続される。また、第2の接続部126は、第2の支柱部112の一方端部112aに接続される。
【0125】
突出部127は、第1の接続部125及び第2の接続部126に接続されている。すなわち、突出部127は、金型2Bを平面視したとき、前記搬送方向において、第1貫通穴21Aに対して上流方向に突出しているとともに、第3貫通穴21Cに対して下流方向に突出している。
【0126】
ガイド溝部128は、前記幅方向の他方に開口し且つ第1の接続部125、第2の接続部126及び突出部127において前記搬送方向に延びている。
【0127】
第1支持体30Aは、第1の支柱部111の他方端部111bに位置する。第1支持体30Aは、第1の支柱部111を第1貫通穴21A内において前記厚み方向に移動可能に支持する。第3支持体30Cは、第2の支柱部112の他方端部112bに位置する。第3支持体30Cは、第2の支柱部112を第3貫通穴21C内において前記厚み方向に移動可能に支持する。
【0128】
上型96は、実施形態2の上型90とは異なり、逃げ部91A及び92Aを有しておらず、プレス加工装置50の下方向DW側の面において逃げ部96aを有する。
【0129】
逃げ部96aは、図12に示すように、プレス加工時に、上型96が前記最下位置まで移動したときに、第1ガイド部材10Eの鋼板Wよりも上側を収容する。
【0130】
以上に説明したように、金型本体20Cは、前記搬送方向に並んで位置する2つの前記貫通穴としての第1貫通穴21A及び第3貫通穴21Cと、第1貫通穴21A及び第3貫通穴21Cにそれぞれ繋がる第1ザグリ部22Eと、を有する。
【0131】
第1ガイド部材10Eは、第1の支柱部111及び第2の支柱部112を有する。
【0132】
金型2Bは、支持体としての第1支持体30A及び第3支持体30Cを有する。
【0133】
ガイド部120は、接続部としての第1の接続部125及び第2の接続部126を有する。
【0134】
第1の支柱部111は、第1の接続部125と接続される。第2の支柱部112は、第2の接続部126と接続される。
【0135】
第1支持体30Aは、第1の支柱部111を支持する。第3支持体30Cは、第2の支柱部112を支持する。
【0136】
ガイド部120の突出部127は、第1の接続部125及び第2の接続部126に接続されている。
【0137】
上述の構成では、突出部127が、第1の支柱部111に接続された第1の接続部125及び第2の支柱部112に接続された第2の接続部126にそれぞれに接続されている。これにより、ガイド部120は、2つの支柱部によって支持される。よって、ガイド部120をより安定した姿勢で支持できる第1ガイド部材10Eが実現できる。また、ガイド溝部128の前記搬送方向の長さを長くできるため、より鋼板Wの搬送時の姿勢が安定する。
【0138】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0139】
前記各実施形態では、特に説明しなかったが、ザグリ部の前記厚み方向の大きさ、すなわち、ザグリ部の深さは、ガイド部材の突出部を収容可能であり、金型本体を前記厚み方向に貫通しなければ、任意に設定することができる。
【0140】
前記実施形態1では、突出部122は、接続部121から、前記搬送方向の上流側に突出している。しかしながら、突出部122は、前記搬送方向の少なくとも一方に突出していればよい。例えば、突出部122は、前記搬送方向の下流側に突出していてもよい。
【0141】
前記実施形態1では、支持体30は、ガイド部材10を金型本体20に対して弾性支持する。また、ガイド部材10が前記厚み方向の他方へ移動した際に弾性復元力を生じる。しかしながら、ガイド部材が前記厚み方向の他方へ移動した際に、前記ガイド部材を前記厚み方向の一方に対して押し戻す復元力は、支持体ではなく金型2の外部から与えられてもよい。例えば、前記復元力は、プレス加工装置によって与えられてもよい。
【0142】
前記実施形態1の変形例2では、ガイド部材10の一部が金型20から前記搬送方向の下流側に突出している。すなわち、ガイド部材10において、ガイド部12の下流側突出部122bの一部M32は、金型20の下流側端縁28よりも前記搬送方向の下流側に突出している。しかしながら、ガイド部材の一部は、金型から前記搬送方向の上流側に突出していてもよい。
【0143】
また、ガイド部材の一部は、金型から前記搬送方向の上流側又は下流側に突出していなくてもよい。ガイド部の下流側突出部は、前記搬送方向において、接続部から下流側に、金型の下流側端縁まで延びていてもよい。また、ガイド部の上流側突出部は、接続部から、前記搬送方向において、接続部から上流側に、金型の上流側端縁まで延びていてもよい。別の観点からいえば、図2Bに示す変形例において、金型20の下流側の端部に位置する壁部26を省略してもよい。また、金型の上流側の端部に位置する壁部を省略してもよい。
【0144】
前記実施形態2、前記実施形態2の変形例1及び変形例2では、金型本体20、20A、20Bが、加工穴25を有する。しかしながら、金型本体は、加工穴を有していなくてもよい。例えば、金型本体は、雄型として用いられてもよい。すなわち、金型本体は、前記金型本体の厚み方向の一方の面から、前記厚み方向の一方に突出している凸部を有していてもよい。
【0145】
前記実施形態2、前記実施形態2の変形例1及び変形例2では、4つのガイド部材のうち、2つのガイド部材が、金型本体20の前記搬送方向の上流側に位置するとともに、残りの2つのガイド部材が、金型本体20の前記搬送方向の下流側に位置する。4つの貫通穴のうち、2つの貫通穴が、金型本体20の前記搬送方向の上流側に位置するとともに、残りの2つの貫通穴が、金型本体20の前記搬送方向の下流側に位置する。しかしながら、ガイド部材及び貫通穴は、金型本体の前記搬送方向の中央に位置していてもよい。
【0146】
前記実施形態2では、前記搬送方向の下流側に位置する第1ガイド部材10A及び第2ガイド部材10Bは、それぞれ、ガイド部12が前記搬送方向の上流側に突出しているL字形状を有している。また、前記搬送方向の上流側に位置する第3ガイド部材60A及び第4ガイド部材60Bは、前記搬送方向に突出しておらず、I字形状を有する。しかしながら、前記搬送方向の下流側に位置するガイド部材がI字形状を有するとともに、前記搬送方向の上流側に位置するガイド部材が前記搬送方向の下流側に突出しているL字形状を有していてもよい。この場合、ザグリ部は、前記搬送方向の上流側の挿入穴に位置していてもよい。
【0147】
前記実施形態2では、第1ザグリ部22A及び第2ザグリ部22Bは、L字形状の第1ガイド部材10A及び第2ガイド部材10Bが位置する前記搬送方向の下流側に位置する。しかしながら、金型本体は、ザグリ部を、I字形状の第3ガイド部材及び第4ガイド部材が位置する前記搬送方向の上流側にも有していてもよい。また、ザグリ部は、上流側の貫通穴及び下流側の貫通穴にそれぞれ繋がってもよい。
【0148】
前記実施形態2の変形例1では、金型本体20Bでは、第1貫通穴21Aに繋がる第1ザグリ部22Aと、第3貫通穴21Cに繋がる第3ザグリ部22Cとが前記搬送方向に並んで位置する。また、金型本体20Bでは、第2貫通穴21Bに繋がる第2ザグリ部22Bと、第4貫通穴に繋がる第4ザグリ部とが前記搬送方向に並んで位置する。しかしながら、金型本体は、第1貫通穴と第3貫通穴とのそれぞれに繋がる第1ザグリ部と、第2貫通穴と第4貫通穴とのそれぞれに繋がる第2ザグリ部とを有していてもよい。
【0149】
前記実施形態2の変形例1では、前記4つのガイド部材において、ガイド部12及び支柱部11は、別部材である。しかしながら、前記4つのガイド部材において、ガイド部及び支柱部は単一の部材に含まれていてもよい。なお、前記実施形態1、前記実施形態2及び前記実施形態の変形例2において、ガイド部材のガイド部及び支柱部は、別部材であってもよいし、単一の部材に含まれていてもよい。
【0150】
前記実施形態2では、上型90が逃げ部91A,91B,92A,92Bを有する。また、前記実施形態2の変形例では、上型96が逃げ部96aを有する。しかしながら、上型は、逃げ部を有していなくてもよい。また、ガイド部は段部を有していてもよい。
【0151】
前記実施形態2の変形例1では、ガイド部12が段部124を有する。しかしながら、ガイド部は、段部を有しなくてもよい。また、上型は、プレス面ではなく逃げ部を有していてもよい。
【0152】
前記実施形態2では、金型2が、4つのガイド部材を有する。しかしながら、金型は、1つ以上のL字形状のガイド部材を有していればよい。
【0153】
前記実施形態2の変形例では、金型2Aが、L字形状の第1ガイド部材10A、第2ガイド部材10B、第3ガイド部材10C及び第4ガイド部材10Dを有する。しかしながら、金型は、1つ以上のガイド部材を有していればよい。
【0154】
(構成例)
なお、本技術は以下のような構成をとることも可能である。
【0155】
(1)金型は、帯状の鋼板をプレス加工するための金型である。前記金型は、金型本体と、前記鋼板を搬送路に沿ってガイドするガイド部材と、前記ガイド部材を前記金型本体に対して支持する支持体と、を有し、前記金型本体は、前記搬送路が延びる搬送方向と交差する厚み方向に貫通する貫通穴を有し、前記ガイド部材は、前記厚み方向に延びており、前記支持体によって、前記貫通穴内を前記厚み方向に移動可能に支持される支柱部と、前記支柱部の一方端部に接続され、前記鋼板をガイドするガイド部と、を有し、前記ガイド部は、前記支柱部の一方端部に接続される接続部と、前記接続部から、前記搬送方向の少なくとも一方に突出している突出部と、前記搬送方向及び前記厚み方向にそれぞれ直交する幅方向の少なくとも一方に開口し且つ前記接続部及び前記突出部に前記搬送方向に延びているガイド溝部と、を有し、前記金型本体は、前記金型本体の厚み方向の一方の面に位置し、前記貫通穴に繋がるとともに前記ガイド部材の前記突出部における前記ガイド溝部よりも前記金型本体側に位置する被収容部分を収容可能なザグリ部を有し、前記ガイド部材は、前記支持体によって、前記被収容部分が前記ザグリ部内に収容される位置まで、前記厚み方向に移動可能に支持される。
【0156】
(2)(1)に記載の金型において、前記突出部は、前記接続部から前記搬送方向の一方に突出している。
【0157】
(3)(2)に記載の金型において、前記貫通穴は、前記金型本体における前記搬送方向の中央よりも前記搬送方向の下流側に位置し、前記ガイド部は、前記搬送方向の上流側に向かって突出している。
【0158】
(4)(2)に記載の金型において、前記貫通穴は、前記金型本体における前記搬送方向の中央よりも前記搬送方向の上流側に位置し、前記ガイド部は、前記搬送方向の下流側に向かって突出している。
【0159】
(5)(1)に記載の金型において、前記突出部は、前記接続部から前記搬送方向の上流側及び下流側にそれぞれ突出している。
【0160】
(6)(1)に記載の金型において、前記金型本体は、前記搬送方向に並んで位置する2つの前記貫通穴と、前記2つの貫通穴にそれぞれ繋がるザグリ部と、を有し、前記ガイド部材は、前記支柱部としての第1の支柱部及び第2の支柱部を有し、前記金型は、前記支持体としての第1の支持体及び第2の支持体を有し、前記ガイド部は、前記接続部としての第1の接続部及び第2の接続部を有し、前記第1の支柱部は、前記第1の接続部と接続され、前記第2の支柱部は、前記第2の接続部と接続され、前記第1の支持体は、前記第1の支柱部を支持し、前記第2の支持体は、前記第2の支柱部を支持し、前記ガイド部の前記突出部は、前記第1の接続部及び前記第2の接続部に接続されている。
【0161】
(7)(1)から(6)のいずれか1つに記載の金型において、前記ガイド部及び前記支柱部は、別部材である。
【0162】
(8)(1)から(7)のいずれか1つに記載の金型において、前記ガイド部材としての第1ガイド部材及び第2ガイド部材と、前記支持体としての第1支持体及び第2支持体と、を有し、前記金型本体は、前記貫通穴としての第1貫通穴及び第2貫通穴と、前記ザグリ部としての第1ザグリ部及び第2ザグリ部と、を有し、前記第1ガイド部材、前記第1貫通穴、前記第1ザグリ部及び前記第1支持体は、前記搬送路に対して前記幅方向の一方に位置し、前記第1ガイド部材のガイド溝部は、前記幅方向の他方に開口し、前記第2ガイド部材、前記第2貫通穴、前記第2ザグリ部及び前記第2支持体は、前記搬送路に対して前記幅方向の他方に位置し、前記第2ガイド部材のガイド溝部は、前記幅方向の一方に開口する。
【0163】
(9)(1)から(8)のいずれか1つに記載の金型において、前記支持体は、前記ガイド部材を前記金型本体に対して弾性支持して、前記ガイド部材が前記厚み方向の他方へ移動した際に弾性復元力を生じる。
【0164】
(10)(1)から(9)のいずれか1つに記載の金型において、前記ガイド部の前記接続部は、前記突出部よりも前記厚み方向の前記一方に突出している段部を有する。
【0165】
(11)プレス加工装置は、(10)に記載の金型である第1金型と、前記第1金型とともに前記鋼板をプレス加工する第2金型とを有する。前記プレス加工装置では、前記段部は、プレス加工の際、前記第2金型のプレス面と接触する。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明は、帯状の鋼板をプレス加工するための金型及び前記金型を有するプレス加工装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0167】
1、1A、1B、2、2A、2B 金型
10 ガイド部材
10A、10E 第1ガイド部材
10B、10F 第2ガイド部材
10C、60A 第3ガイド部材
10D、60B 第4ガイド部材
11、61 支柱部
111 第1の支柱部
112 第2の支柱部
12、62、120 ガイド部
121 接続部
125 第1の接続部
126 第2の接続部
122、127 突出部
122a 上流側突出部
122b 下流側突出部
123、128 ガイド溝部
124 段部
20、20A、20B、20C 金型本体
21 貫通穴
21A 第1貫通穴
21B 第2貫通穴
21C、71A 第3貫通穴
21D、71B 第4貫通穴
22、27a ザグリ部
22a 上流側ザグリ部
22b 下流側ザグリ部
26 壁部
27a 第1部分
27b 第2部分
28 下流側端縁
22A、22E 第1ザグリ部
22B、22F 第2ザグリ部
22C 第3ザグリ部
22D 第4ザグリ部
25 加工穴
30 支持体
30A 第1支持体
30B 第2支持体
30C、80A 第3支持体
30D、80B 第4支持体
50、50A、50B プレス加工装置
90、95、96 上型
95 プレス面
91、92、96a 逃げ部
M、M1、M2、M31 被収容部分
P 搬送路
W 鋼板
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12