IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通株式会社の特許一覧

特開2024-123595設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法
<>
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図1
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図2
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図3
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図4
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図5
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図6
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図7
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図8
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図9
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図10
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図11
  • 特開-設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123595
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01H 17/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
G01H17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031153
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】砂原 庸一
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 智裕
(72)【発明者】
【氏名】星 大輔
(72)【発明者】
【氏名】関 恭一
(72)【発明者】
【氏名】入口 功大
(72)【発明者】
【氏名】伊東 健治
(72)【発明者】
【氏名】中野 一宏
(72)【発明者】
【氏名】新田 健二
(72)【発明者】
【氏名】吉見 直之
(72)【発明者】
【氏名】張 安杰
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AB02
2G064BA02
2G064BD02
2G064DD02
(57)【要約】
【課題】機器の物理的な設置場所を把握する工数を削減する。
【解決手段】内蔵する振動センサが検出した振動を示す振動情報を自身の識別情報とともにそれぞれ出力する複数の機器と、機器をそれぞれ搭載可能な複数の筐体と、複数の機器および複数の筐体に接続される検出装置と、を有するシステムにおける設置場所検出プログラムは、揺らされる筐体の識別情報を受信する処理と、筐体の識別情報を受信した後に複数の機器からそれぞれ受信する振動情報および識別情報に基づいて、揺らされた筐体に搭載されている機器を検出する処理と、を検出装置に実行させる。機器の物理的な設置場所を把握する工数を削減できるため、設置場所の把握の頻度を高くすることができ、機器の増設、移設後に機器の不具合が発生した場合にも、機器の保守を迅速に行うことができ、機器を使用している顧客への影響を最小限にすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動を検出する振動センサを各々有し、前記振動センサが検出した振動を示す振動情報を自身の識別情報とともにそれぞれ出力する複数の機器と、前記機器をそれぞれ搭載可能な複数の筐体と、前記複数の機器および前記複数の筐体に接続される検出装置と、を有するシステムにおける機器の設置場所を検出する設置場所検出プログラムであって、
揺らされる前記筐体の識別情報を受信する処理と、
前記筐体の識別情報を受信した後に前記複数の機器からそれぞれ受信する前記振動情報および前記識別情報に基づいて、揺らされた前記筐体に搭載されている機器を検出する処理と、
前記検出装置に実行させる設置場所検出プログラム。
【請求項2】
受信する前記振動情報で示される振動の大きさが所定以上の機器を、揺らされた筐体に搭載されている機器として検出する処理を前記検出装置に実行させる
請求項1に記載の設置場所検出プログラム。
【請求項3】
前記振動情報は、振動の大きさを示す電圧値を含み、
受信する電圧値が閾値に対して正側と負側に振れる機器を、揺らされた筐体に搭載されている機器として検出する処理を前記検出装置に実行させる
請求項1に記載の設置場所検出プログラム。
【請求項4】
前記振動情報は、振動の大きさを示す電圧値を含み、
受信する電圧値の振幅が徐々に小さくなる機器を、揺らされた筐体に搭載されている機器として検出する処理を前記検出装置に実行させる
請求項1に記載の設置場所検出プログラム。
【請求項5】
前記振動情報は、振動の大きさを示す電圧値を含み、
前記複数の機器は、振動の検出時刻を示す時刻情報を前記振動情報とともにそれぞれ出力し、
前記時刻情報で示される検出時刻の各々において電圧値が互いに同じ機器を、揺らされた筐体に搭載されている機器として検出する処理を前記検出装置に実行させる
請求項1に記載の設置場所検出プログラム。
【請求項6】
前記振動情報は、振動の大きさを示す電圧値を含み、
受信する電圧値の時間変化が、予め計測された特性曲線と合っている機器を、揺らされた筐体に搭載されている機器として検出する処理を前記検出装置に実行させる
請求項1に記載の設置場所検出プログラム。
【請求項7】
前記複数の機器からそれぞれ受信する電圧値が順次格納される第1テーブルを有し、
前記第1テーブルに格納された電圧値に基づいて、揺らされた筐体に搭載されている機器として検出する処理を前記検出装置に実行させる
請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の設置場所検出プログラム。
【請求項8】
前記複数の筐体と、前記複数の筐体に搭載される前記複数の機器との対応関係を保持する第2テーブルを有し、
前記第1テーブルに格納された電圧値に基づいて、揺らされた筐体と揺らされた筐体に搭載されている機器との対応関係を示す情報を前記第2テーブルに格納する処理を前記検出装置に実行させる
請求項7に記載の設置場所検出プログラム。
【請求項9】
振動を検出する振動センサを各々有し、前記振動センサが検出した振動を示す振動情報を自身の識別情報とともにそれぞれ出力する複数の機器と、
前記機器をそれぞれ搭載可能な複数の筐体と、
前記複数の機器および前記複数の筐体に接続され、揺らされる前記筐体の識別情報を受信し、前記筐体の識別情報を受信した後に前記複数の機器からそれぞれ受信する前記振動情報および前記機器の識別情報に基づいて、揺らされた前記筐体に搭載されている機器を検出する検出装置と、
を有するシステム。
【請求項10】
振動を検出する振動センサを各々有し、前記振動センサが検出した振動を示す振動情報を自身の識別情報とともにそれぞれ出力する複数の機器と、前記機器をそれぞれ搭載可能な複数の筐体と、前記複数の機器および前記複数の筐体に接続される検出装置と、を有するシステムにおける機器の設置場所を検出する設置場所検出方法であって、
前記検出装置が、
揺らされる前記筐体の識別情報を受信し、
前記筐体の識別情報を受信した後に前記複数の機器からそれぞれ受信する前記振動情報および前記機器の識別情報に基づいて、揺らされた前記筐体に搭載されている機器を検出する
設置場所検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置場所検出プログラム、システムおよび設置場所検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハを搬送する搬送装置において、ウェハが搭載されるブレードに振動を加え、振動検出器で検出した振動の特性に応じて、ウェハの搭載の有無およびウェハの位置ずれを検出する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
加速度を検出するセンサが搭載されるタブレット端末を互いに衝突させたときのセンサ情報に基づいて、タブレット端末の相対的な位置関係を検出する手法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-175721号公報
【特許文献2】特開2013-161320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、ネットワーク上に接続されたサーバ、ストレージ、ルータなどの機器を統合的に管理する運用管理ソフトウェアでは、機器のIP(Internet Protocol)アドレスを登録することで対象機器と通信を行う。運用管理ソフトウェアは、ネットワークを介して機器の状態または部品構成などを取得して管理する。
【0006】
機器の故障時または定期保守などでは、機器のシリアル番号とともに機器の設置場所が登録されている管理簿を参照して、機器の設置場所が把握される。例えば、機器の設置場所は、人手により確認され、シリアル番号とともに管理簿に登録される。多数の機器が設置されるデータセンタなどでは、機器の設置場所の登録作業に膨大な時間が掛かる。また、機器の増設、移設または撤去等が発生した場合、その都度登録作業が行われる。
【0007】
1つの側面では、本発明は、機器の物理的な設置場所を把握する工数を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの観点によれば、設置場所検出プログラムは、振動を検出する振動センサを各々有し、前記振動センサが検出した振動を示す振動情報を自身の識別情報とともにそれぞれ出力する複数の機器と、前記機器をそれぞれ搭載可能な複数の筐体と、前記複数の機器および前記複数の筐体に接続される検出装置と、を有するシステムにおける機器の設置場所を検出する設置場所検出プログラムであって、揺らされる前記筐体の識別情報を受信する処理と、前記筐体の識別情報を受信した後に前記複数の機器からそれぞれ受信する前記振動情報および前記識別情報に基づいて、揺らされた前記筐体に搭載されている機器を検出する処理と、を前記検出装置に実行させる。
【発明の効果】
【0009】
機器の物理的な設置場所を把握する工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態におけるシステムの一例を示すブロック図である。
図2図1の検出装置による機器の搭載位置を検出する処理の一例を示すフロー図である。
図3】別の実施形態におけるシステムの一例を示すブロック図である。
図4図3のラック判定テーブルおよびラック/サーバ情報テーブルの一例を示す説明図である。
図5図3の加速度センサの特性の一例を示す説明図である。
図6図3のデータ処理部により実行される処理の一例を示すフロー図である。
図7図6のステップS25によるサーバの検出方法の例を示す説明図である。
図8図4のラック判定テーブルに格納される情報の一例を示す説明図である。
図9図4のラック判定テーブルに格納される情報の別の例を示す説明図である。
図10図3のラック情報反映部により情報が格納されたラック/サーバ情報テーブルの一例を示す説明図である。
図11図4のラック判定テーブルに情報を格納するときに取得する電圧値の変化の一例を示す説明図である。
図12図3の管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態が説明される。
【0012】
図1は、一実施形態におけるシステムの一例を示す。図1に示すシステム100は、複数の機器20をそれぞれ搭載可能な複数の筐体10と、機器20が搭載された筐体10を検出する検出装置30とを有する。例えば、検出装置30は、筐体10を識別する識別情報ID1と、機器20を識別する識別情報ID2と、機器20から出力される振動情報とに基づいて、機器20がどの筐体10に搭載されているかを検出する。
【0013】
各機器20は、自機器20の振動を検出し、振動の大きさを示す振動情報を生成する振動センサ21を有する。各機器20は、振動センサ21が生成した振動情報を、自機器20を識別する識別情報ID2とともにネットワーク等を介して検出装置30に出力する。例えば、機器20は、サーバ、ストレージ、ルータ、ワークステーションまたはプリンタ等である。また、数種の機器20(例えば、サーバ、ストレージおよびルータ)が1つの筐体10に搭載されてもよい。
【0014】
検出装置30は、筐体10および機器20を管理する管理装置内に設けられてもよい。この場合、検出装置30は、管理装置に搭載されるプロセッサが実行する機器の設置場所検出プログラムにより実現されてもよい。また、管理装置は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとが協働することにより実現されてもよい。
【0015】
図1に示すシステム100では、システム100の管理者または保守者等が、筐体10のいずれか1つの識別情報ID1を筐体10から検出装置30に送信させた後、識別情報ID1を送信した筐体10を揺らす。識別情報ID1の送信は、筐体10に設けられた図示しない操作部が、管理者等からの送信指示を受けたことに基づいて行ってもよい。また、操作部は、筐体10毎ではなく、全ての筐体10に共通に設けられてもよい。この場合、操作部は、無線または有線によりネットワークに接続されてもよい。
【0016】
また、筐体10は、管理者等が直接揺らすのではなく、各筐体10にそれぞれ接続された揺動装置により揺らされてもよい。この場合、揺動装置は、管理者等の指示に基づいて筐体10を揺らす。管理者等は、操作部等に識別情報ID1を筐体10から検出装置30に送信させた後、識別情報ID1を送信した筐体10に接続された揺動装置に筐体10を揺らす指示をする。
【0017】
なお、管理者等の指示に基づいて、識別ID1の送信と揺動装置による筐体10を揺らす動作とが連動して実施されてもよい。この場合、管理者等は、筐体10の設置場所から離れた場所(例えば、検出装置30の設置場所)で、識別ID1の送信と揺動装置による筐体10を揺らす動作とを指示することができる。
【0018】
検出装置30は、識別情報ID1の受信に基づいて、揺らされる筐体10を認識する。検出装置30は、その後受信する振動情報と識別情報ID2とに基づいて、揺らされた筐体に搭載されている機器20を検出する。筐体10毎に、識別情報ID1の送信と筐体10を揺らす動作が実施されることで、検出装置30は、システム100に搭載されている全ての機器20がどの筐体10に搭載されているかを判定することができる。
【0019】
図2は、図1の検出装置30による機器20の搭載位置を検出する処理の一例を示す。図2に示す処理フローは、検出装置30が実行する機器の設置場所検出プログラムの一例および検出装置30による機器の設置場所検出方法の一例を示す。
【0020】
まず、ステップS10において、検出装置30は、筐体10のいずれかから識別情報ID1を受信するまで待ち、識別情報ID1を受信した場合、ステップS11の処理を実行する。ステップS11において、検出装置30は、受信した識別情報ID1で示される筐体10を検出対象の筐体10としてメモリ等に記録する。
【0021】
次に、ステップS12において、検出装置30は、システム100に含まれる全ての機器20から振動情報と識別情報ID2とを受信する。次に、ステップS13において、検出装置30は、所定以上の振動の大きさを示す振動情報の送信元の機器20の識別情報ID2をメモリ等に記録する。
【0022】
次に、ステップS14において、検出装置30は、記録した識別情報ID1、ID2に基づいて、揺らされた筐体10に搭載されている機器20を検出する。すなわち、検出装置30は、記録した識別情報ID1で示される筐体10に記録した識別情報ID2で示される機器20が搭載されていると判定する。
【0023】
例えば、検出装置30は、筐体10に搭載されていると判定した機器20の識別情報ID2を筐体10の識別情報とともにテーブル等に保存してもよい。次に、ステップS15において、検出装置30は、検出動作を繰り返す場合、ステップS10の処理に戻り、検出処理を終了する場合、図2に示す処理を終了する。
【0024】
以上、この実施形態では、検出装置30は、筐体10の揺れに連動して各機器20から受信する識別情報ID2と振動情報とに基づいて、各筐体10に搭載されている機器20を特定することができる。これにより、システム100の管理者または保守者等が筐体10に搭載された機器20の識別情報ID2を1つずつ確認することなく、機器20の物理的な設置場所を把握することができる。
【0025】
この結果、人手で確認する場合に比べて、機器20の物理的な設置場所を把握する工数を削減することができ、人手による設置場所の確認作業をなくすことができる。また、機器20の増設、移設または撤去等により機器20の設置場所が変更される場合にも、設置場所を人手で確認する場合に比べて、変更後の機器20の設置場所を把握する工数を削減することができる。機器の物理的な設置場所を把握する工数を削減できるため、設置場所の把握の頻度を高くすることができ、機器の増設、移設後に機器の不具合が発生した場合にも、機器の保守を迅速に行うことができ、機器を使用している顧客への影響を最小限にすることができる。
【0026】
さらに、検出装置30により、機器20の物理的な設置場所を検出できるため、人為的なミスを削減することができ、機器20の物理的な設置場所の把握の信頼性を向上することができる。例えば、機器20の機能を顧客に提供する場合等において、顧客へのサポートを迅速かつ正確に行うことができる。また、揺動装置を使用することで、機器20の物理的な設置場所の把握を自動的に実施することができる。この結果、機器20の物理的な設置場所の管理および更新を気にすることなく、機器20の設置場所の増設、移設または撤去等を実施することができる。
【0027】
図3は、別の実施形態におけるシステムの一例を示す。図3に示すシステム100Aは、サーバ120(SV)をそれぞれ搭載可能な複数のラック110(RCK)と、ラック110およびサーバ120を管理する管理装置130と、ハンディターミナル140とを有する。管理装置130は、振動情報を受信する検出装置の一例である。符号RCKは、ラック110を識別する符号として、図8から図11で使用される。符号SVは、サーバ120を識別する符号として、図8から図11で使用される。
【0028】
ラック110、サーバ120、管理装置130およびハンディターミナル140は、ネットワーク150を介して相互に接続される。各ラック110には、ハンディターミナル140により読み込み可能なラック110の識別コードが表示されたコードシール111が貼付されている。ラックは、筐体の一例である。サーバ120は、管理装置130により管理される機器の一例である。
【0029】
ハンディターミナル140は、システム100Aの管理者または保守者により操作され、各ラックのコードシール111に表示された識別コードを読み込み、読み込んだ識別コードを管理装置130に送信する。
【0030】
サーバ120は、加速度センサ121、制御部122、時計123、情報保持部124およびデータ転送部125を有する。加速度センサ121は、サーバ120の揺れを検出し、揺れの大きさを電圧値に変換し、変換した電圧値により示される振動情報を制御部122に出力する。加速度センサ121は、振動を検出する振動センサの一例である。
【0031】
特に限定されないが、例えば、加速度センサ121は、X方向、Y方向およびZ方向の揺れをそれぞれ検出可能な3軸加速度センサでもよい。例えば、X方向は、水平方向であり、Y方向は、X方向に直交する水平方向であり、Z方向は、鉛直方向である。以下では、説明の簡単化のため、加速度センサ121は、一方向の揺れを検出するとする。また、揺らされるラック110に搭載されるサーバ120は、加速度センサ121による検出方向を含む少なくとも一方向に揺れるとする。
【0032】
制御部122は、例えば、サーバ120の全体を制御する。制御部122は、サーバ120に搭載されるプロセッサが実行するサーバ制御プログラムにより実現されてもよい。制御部122は、ハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとが協働することにより実現されてもよい。
【0033】
制御部122は、加速度センサ121から出力される振動情報(電圧値)を所定の周期で取り込み、取り込んだ時刻を示す時刻情報とともに情報保持部124に格納する。特に限定されないが、例えば、所定の周期は、5msから50ms程度である。
【0034】
情報保持部124は、制御部122から振動情報および時刻情報が格納される毎に、格納された振動情報および時刻情報をデータ転送部125に出力する。以下では、振動情報および時刻情報のペアは、振動データとも称される。なお、情報保持部124は、振動データが格納されるレジスタでもよく、複数の振動データが順次格納されるFIFO(First-In First-Out)でもよい。また、情報保持部124は、制御部122による制御に基づいて、保持している振動データをデータ転送部125に出力してもよい。
【0035】
データ転送部125は、情報保持部124から受けた振動データをサーバ120を識別する識別情報とともにネットワーク150を介して管理装置130に送信する。なお、データ転送部125は、制御部122による制御に基づいて振動データを管理装置130に送信してもよい。
【0036】
管理装置130は、データ受信部131と、ラック判定部133およびラック情報反映部134を含むデータ処理部132と、ラック判定テーブル135と、ラック/サーバ情報テーブル137を含むラック/サーバデータベース(DB)136とを有する。ラック判定テーブル135は、第1テーブルの一例である。ラック/サーバ情報テーブル137は、第2テーブルの一例である。管理装置130は、各ラック110に搭載されているサーバ120を検出する検出装置の一例である。管理装置130は、例えば、サーバ等の情報処理装置でもよい。管理装置130のハードウェア構成の例は、図9に示される。
【0037】
データ受信部131は、ハンディターミナル140から送信されたラック110の識別コードを、ネットワーク150を介して受信する。また、データ受信部131は、各サーバ120から送信された振動データ(振動情報および時刻情報)をサーバ120の識別情報とともにネットワーク150を介して受信する。データ受信部131は、受信したラック110の識別コード、振動データおよびサーバ120の識別情報をラック判定部133に出力する。
【0038】
なお、管理装置130は、データ受信部131の代わりにデータ送受信部を有してもよい。例えば、データ送受信部は、サーバ120の動作状態等の情報を取得する要求を各サーバ120に送信し、要求に対する各サーバ120からの応答を受信する。
【0039】
ラック判定部133は、データ受信部131から受信した識別コードを保持し、データ受信部131から受信した振動データをラック判定テーブル135に書き込む。この際、ラック判定部133は、振動データを、ラック判定テーブル135において振動データとともに受信したサーバ120の識別情報に対応するエントリに書き込む。ラック判定テーブル135の例は、図4に示される。
【0040】
ラック判定部133は、サーバ120の識別コードを受信してから所定時間の経過後、ラック判定テーブル135に保持された振動データに基づいて、識別コードで識別されるラック110に搭載されているサーバ120を判定する。ラック判定部133は、判定結果をラック情報反映部134に出力する。
【0041】
ラック情報反映部134は、ラック判定部133の判定結果に基づいて、ラック/サーバ情報テーブル137を更新する。ラック/サーバ情報テーブル137には、ラック110とラック110に搭載されているサーバ120との対応関係が保持される。ラック/サーバ情報テーブル137の例は、図4に示される。
【0042】
なお、ラック判定部133およびラック情報反映部134を含むデータ処理部132は、管理装置130に搭載されるプロセッサが実行するサーバ120の設置場所検出プログラムにより実現されてもよい。この際、設置場所検出プログラムは、ラック110と、ラック110に搭載されるサーバ120とを管理するために管理装置130が実行するインフラストラクチャーマネージャー等の管理プログラムに含まれてもよい。
【0043】
ラック判定部133がソフトウェアにより実現される場合、ラック判定部133は、インフラストラクチャーマネージャーにより実現されてもよい。また、管理装置130は、FPGAのようなハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとが協働することにより実現されてもよい。
【0044】
図3では、サーバ120がラック110に搭載される例が説明されるが、サーバ120の代わりに、ストレージ、ルータ、ワークステーションまたはプリンタ等がラック110に搭載されてもよい。また、サーバ120、ストレージおよびルータ等の複数種の機器が、ラック110に搭載されてもよい。
【0045】
図4は、図3のラック判定テーブル135およびラック/サーバ情報テーブル137の一例を示す。ラック判定テーブル135は、システム100Aに含まれるj+1個のサーバSV(SV1、SV2、...、SVj)にそれぞれ対応して、時刻T(T1、T2、...、Ti)毎に振動情報が格納される複数のエントリを有する。時刻Tは、各サーバSVから送信される時刻情報で示される時刻である。なお、各サーバSVから時刻情報が送信されない場合、時刻Tは、振動情報の受信時刻でもよい。また、ラック判定テーブル135は、ラックRCKの識別コードが格納される領域を有する。
【0046】
ラック/サーバ情報テーブル137は、システム100Aに含まれる全てのラックRCKと、各ラックRCKに搭載されているサーバSVとの関係を示す情報が格納されるマトリックス状の複数の領域を有する。この実施形態では、システム100Aは、m+1個のラックRCK(RCK1、RCK2、...、RCKm)を含む。
【0047】
図5は、図1の加速度センサ121の特性の一例を示す。加速度センサ121は、加速度(入力加速度)を受けていないとき、2.5Vを出力する。加速度センサ121は、正の加速度を受けたとき、受けた加速度に応じて2.5Vより高い電圧を出力する。加速度センサ121は、負の加速度を受けたとき、受けた加速度に応じて2.5Vより低い電圧を出力する。以下では、2.5Vの電圧値は、閾値とも称され、管理装置130内の記憶部に予め記憶される。例えば、記憶部は、ラック判定テーブル135が記憶されるメモリまたはラック/サーバデータベース136等である。
【0048】
加速度センサ121は、正の加速度が上限より大きくなったとき、一定の電圧を出力し、負の加速度が下限より小さくなったとき、一定の電圧を出力する。図5において、実線で示す特性は、実際の加速度センサ121の応答の例を示し、破線で示す特性は、理想的な応答を示す。
【0049】
図6は、図3のデータ処理部132により実行される処理の一例を示す。図6に示す処理フローは、データ処理部132が実行するサーバ120の設置場所検出プログラムの一例およびデータ処理部132によるサーバ120の設置場所検出方法の一例を示す。
【0050】
まず、ステップS20において、データ処理部132は、データ受信部131からラック110の識別コードを受信するまで待ち、識別コードを受信した場合、ステップS21の処理を実行する。ステップS21において、データ処理部132は、受信した識別コードをラック判定テーブル135に格納する。
【0051】
次に、ステップS22において、データ処理部132は、データ受信部131から振動データ(振動情報および時刻情報)とサーバ120の識別情報とを受信する。次に、ステップS23において、データ処理部132は、識別情報で示されるサーバ120に対応するラック判定テーブル135のエントリにおいて、受信した時刻情報に対応する時刻の領域に受信した振動情報(電圧値)を格納する。
【0052】
次に、ステップS24において、データ処理部132は、識別コードの受信から所定時間が経過した場合、ステップS25の処理に移行する。データ処理部132は、識別コードの受信から所定時間が経過していない場合、ステップS22の処理に戻り、所定時間が経過するまで振動データおよびサーバ120の識別情報の受信と、ラック判定テーブル135への振動情報(電圧値)の格納とを繰り返す。
【0053】
ステップS25において、データ処理部132は、ラック判定テーブル135を参照し、例えば、電圧値が閾値(=2.5V)から外れた時刻と電圧値とに基づいて、識別コードで示されるラック110に搭載されているサーバ120を検出する。次に、ステップS26において、データ処理部132は、ラック110と、ラック110に搭載されているサーバ120との関係をラック/サーバ情報テーブル137に格納する。
【0054】
次に、ステップS27において、データ処理部132は、ラック判定テーブル135に保持された情報をクリアし、処理をステップS20に戻す。そして、次に揺らされたラック110に搭載されているサーバ120の検出処理が実行される。
【0055】
システム100Aに含まれる全てのラック110の情報が、ラック/サーバ情報テーブル137に格納された後、ラック/サーバ情報テーブル137は、システム100Aの保守に使用することが可能になる。例えば、管理装置130は、システム100Aに含まれる全てのサーバ120の各々にエラーが発生していないかを監視する。管理装置130は、エラーが発生を検出した場合、例えば、エラーが発生したサーバ120を搭載しているラック110の物理的な位置を表示装置にマップまたはリストで表示する。
【0056】
図7は、図6のステップS25によるサーバ120の検出方法の例を示す。例えば、ラック判定部133は、図7に示す検出方法(1)、(2)、(3)、(4)のいずれかを実施する。検出方法(1)、(2)、(3)、(4)のいずれにおいても、ラック判定部133は、ラック判定テーブル135のサーバ120毎の電圧値を参照する。
【0057】
検出方法(1)では、ラック判定部133は、電圧値が時間の経過とともに閾値に対して正側と負側とに振れるサーバ120を検出した場合、検出したサーバ120が検出対象のラック110に搭載されていると判定する。検出方法(1)では、電圧値が閾値に対して正と負になることを判定すればよいため、他の検出方法(2)-(4)に比べて、簡易にサーバ120を検出することができる。
【0058】
検出方法(2)では、ラック判定部133は、電圧値の振幅が徐々に小さくなるサーバ120を検出した場合、検出したサーバ120が検出対象のラック110に搭載されていると判定する。検出方法(2)では、電圧値の振幅の時間変化を検出するため、検出方法(1)よりも処理が複雑になるが、検出方法(1)に比べて検出精度を向上することができる。
【0059】
検出方法(3)では、ラック判定部133は、各サーバ120から送信される時刻情報で示される時刻の各々において電圧値が互いに同じサーバ120を、検出対象のラック110に搭載されていると判定する。検出方法(3)では、同じラック110に搭載されているサーバ120の電圧値の振幅が互いに同じになることを利用することで、ラック110に複数のサーバ120が搭載されている場合の検出精度を高くすることができる。
【0060】
検出方法(4)では、ラック判定部133は、電圧値の時間変化が予め計測された特性曲線と合っているサーバ120を検出した場合、検出対象のラック110に搭載されていると判定する。検出方法(4)では、予め計測された特性曲線を使用することで、ラック110に搭載されている数によらず、検出精度を高くすることができる。
【0061】
図8は、図4のラック判定テーブル135に格納される情報の一例を示す。図8は、ラックRCK1が揺らされた場合にラック判定テーブル135に格納される電圧値が示される。
【0062】
各サーバSVは、所定の頻度で振動情報(電圧値)を管理装置130に送信する。図8に示す例では、ラック判定部133は、RCK1を示す識別コードを受信し、受信した識別コードをラック判定テーブル135に格納する。ラック判定部133は、識別コードを受信した後、各サーバSVからサーバSVの識別情報および時刻情報とともに受信する電圧値を時刻Tに対応させてラック判定テーブル135に格納する。
【0063】
例えば、時刻T1、T2の間に、ラックRCK1が揺らされた場合、ラック判定部133は、時刻T2以降では、網掛けで示すように、ラックRCK1に搭載されているサーバSVから閾値(2.5V)と異なる電圧値を受信する。そして、ラック判定部133は、識別コードを受信してから所定時間が経過した後(時刻Ti)、ラック判定テーブル135に保持された情報に基づいて、ラックRCK1に搭載されているサーバSVを判定する。
【0064】
図9は、図4のラック判定テーブル135に格納される情報の別の例を示す。図8と同様の動作および要素については、詳細な説明は省略する。図9は、ラックRCK2が揺らされた場合にラック判定テーブル135に格納される電圧値が示される。
【0065】
図9に示す例では、ラック判定部133は、RCK2を示す識別コードを受信し、受信した識別コードをラック判定テーブル135に格納する。ラック判定部133は、識別コードを受信した後、各サーバSVからサーバSVの識別情報および時刻情報とともに受信する電圧値を時刻Tに対応させてラック判定テーブル135に格納する。
【0066】
ラック判定部133は、網掛けで示すように、ラックRCK2に搭載されているサーバSVから閾値(2.5V)と異なる電圧値を受信する。そして、ラック判定部133は、ラック判定テーブル135に保持された情報に基づいて、ラックRCK2に搭載されているサーバSVを判定する。
【0067】
図10は、図3のラック情報反映部134により情報が格納されたラック/サーバ情報テーブル137の一例を示す。図8および図9で説明したように、例えば、ラック判定部133は、ラックRCK1、RCK1がそれぞれ揺らされたときに受信した電圧値(図8図9)に基づいて、各ラックRCK1、RCK2に搭載されているサーバSVを検出する。
【0068】
図10に示す例では、ラック判定部133は、ラックRCK1にサーバSV1、SV3、SVj-1が搭載され、ラックRCK2にサーバSVj-2、SVjが搭載されていることを検出し、検出結果をラック情報反映部134に通知する。ラック情報反映部134は、ラック判定部133からの通知に基づいて、ラック110と、ラック110に搭載されているサーバ120との関係をラック/サーバ情報テーブル137に書き込む。
【0069】
図10では、各ラックRCK1、RCK2に搭載されているサーバSVは、丸印で示される。実際には、ラック情報反映部134は、ラック/サーバ情報テーブル137の丸印で示される領域に、サーバSVの存在を示す"1"等の数値(すなわち、フラグ)を書き込んでもよい。
【0070】
図11は、図4のラック判定テーブル135に情報を格納するときに取得する電圧値の変化の一例を示す。図10では、ラックRCK1が揺らされる場合の電圧値の変化が示される。
【0071】
ラックRCK1に示す太い曲線およびラックRCK2に示す太い直線は、各加速度センサ121から出力される電圧値を示す。太い曲線上および太い直線上の丸印は、各サーバSVから管理装置130に送信される振動情報により示される電圧値を示す。図10では、説明の簡単化のため、ラックRCK1が揺らされたときに、ラックRCK1に搭載されるサーバSVの加速度センサ121から出力される電圧値は、互いに同じであるとする。
【0072】
ラックRCK10が揺らされる前、ラックRCK1のコードシール111に表示されたラックの識別情報がハンディターミナル140により読み込まれ、管理装置130に送信される(図11(a))。ラック判定部133は、受信したラックの識別情報をラック判定テーブル135に格納し、電圧値の取得を開始する。電圧値は、予め設定された電圧値取得時間の間、取得される。
【0073】
ラック判定部133は、順次受信する電圧値を、電圧値とともに受信する時刻情報が示す時刻に対応付けてラック判定テーブル135に格納する。ラックRCK1が揺らされる前、ラックRCK1に搭載されるサーバSVから管理装置130に送信される電圧値は、揺れていないことを示す2.5Vである。
【0074】
この後、システム100Aの管理者または保守者等によりラックRCK1が揺らされる(図11(b))。ラックRCK1の揺れは、徐々に減衰していく。ラックRCK1に搭載されているサーバSVは、ラックRCK1の揺れに合わせて揺れるため、加速度を示す電圧値は、2.5Vを挟んで正側と負側とに変化しながら徐々に減衰する。ラックRCK1に搭載されているサーバSVは、電圧値を管理装置130に送信する(図11(c))。そして、電圧値取得期間の間、電圧値がラック判定テーブル135に格納されることで、ラック判定テーブル135の状態は、図8に示すようになる。
【0075】
揺らされないラックRCK2に搭載されるサーバSVから管理装置130に送信される電圧値は、揺れていないことを示す2.5Vに維持される(図11(d))。なお、図11は、ラックRCK1が揺れたときの電圧値の変化を説明するものであり、図8は、ラック判定テーブル135に格納される電圧値を説明するものである。このため、図11の丸印で示す電圧値は、図8においてラック判定テーブル135に格納される電圧値を示すものではない。
【0076】
図12は、図3の管理装置130のハードウェア構成の一例を示す。管理装置130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)160、ROM(Read Only Memory)161、RAM(Random Access Memory)162、HDD(Hard Disk Drive)163、通信インタフェース部164および入出力インタフェース部165を有する。CPU160、ROM161、RAM162、HDD163、通信インタフェース部164および入出力インタフェース部165は、バスBUSを介して相互に接続される。
【0077】
CPU160は、管理装置130の全体の動作を制御するとともに、ROM161またはRAM162に格納されている設置場所検出プログラムを実行することで、データ処理部132の機能を実現する。
【0078】
ROM161は、設置場所検出プログラム等の各種プログラムを保持する領域を有する。RAM162は、ラック判定テーブル135および各種ワーク領域が割り当てられた領域と、ROM161から転送される各種プログラムを保持する領域とを有する。
【0079】
HDD163は、ラック/サーバ情報テーブル137が割り当てられる領域を有する。なお、管理装置130は、HDD163の代わりにSSD(Solid State Drive)を有してもよい。通信インタフェース部164は、ネットワーク150に接続され、ネットワーク150に対して情報を送受信する。
【0080】
例えば、入出力インタフェース部165は、キーボード171、マウス172、表示装置173またはメディアドライブ装置174等が接続される複数のポートを有する。メディアドライブ装置174には、CPU160が実行する各種プログラムが格納されたCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)またはDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体180が装着可能である。
【0081】
記録媒体180に格納されたプログラムは、HDD163に転送された後、RAM162に格納されることで、CPU160により実行可能になる。なお、入出力インタフェース部165は、USB(Universal Serial Bus)ポートを有してもよい。この場合、USBポートに接続されるUSBメモリに格納された各種プログラムが、HDD163を介してRAM162に格納されてもよい。
【0082】
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、データ処理部132は、ラック110の揺れに連動して各サーバ120から受信する振動データとサーバ120の識別情報とに基づいて、サーバ120を搭載しているラック110の物理的な位置を特定することができる。
【0083】
これにより、サーバ120の物理的な設置場所を把握する工数を削減することができ、設置場所の確認のための人手を削減することができる。また、サーバ120の増設、移設または撤去等によりサーバ120の設置場所が変更される場合にも、ラック/サーバ情報テーブル137の更新に要する工数を削減することができる。サーバ120の物理的な設置場所を把握する工数を削減できるため、設置場所の把握の頻度を高くすることができる。これにより、機器の増設、移設後に機器の不具合が発生した場合にも、サーバ120の保守を迅速に行うことができ、サーバ120を使用している顧客への影響を最小限にすることができる。
【0084】
このため、サーバ120の増設、移設または撤去等の後に、管理装置130がサーバ120の不具合を検出した場合にも、サーバ120の保守を迅速に行うことができ、サーバ120を使用している顧客への影響を最小限にすることができる。換言すれば、システム100Aの信頼性の低下を抑制することができる。
【0085】
さらに、ラック110を揺らすことで、各ラック110に搭載されているサーバ120の特定できるため、サーバ120の設置場所を誤って登録するなどの人為的なミスを削減することができる。
【0086】
例えば、図7の検出方法(3)、(4)を使用することで、例えば、保守等により動かされているサーバ120が、検出対象のラック110に搭載されていると判定されることを抑止することができる。また、図7の検出方法(2)、(3)、(4)を使用することで、ラック判定部133がノイズ等による誤った電圧値を受信した場合にも、検出対象のラック110に搭載されていると判定されることを抑止することができる。
【0087】
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
【符号の説明】
【0088】
10 筐体
20 機器
21 振動センサ
30 検出装置
100、100A システム
110 ラック
111 コードシール
120 サーバ
121 加速度センサ
122 制御部
123 時計
124 情報保持部
125 データ転送部
130 管理装置
131 データ受信部
132 データ処理部
133 ラック判定部
134 ラック情報反映部
135 ラック判定テーブル
136 ラック/サーバデータベース
137 ラック/サーバ情報テーブル
140 ハンディターミナル
150 ネットワーク
160 CPU
161 ROM
162 RAM
163 HDD
164 通信インタフェース部
165 入出力インタフェース部
171 キーボード
172 マウス
173 表示装置
174 メディアドライブ装置
180 記録媒体
BUS バス
ID1、ID2 識別情報
RCK ラック
SV サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12