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特開2024-123619販売データ処理装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123619
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】販売データ処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
G07G1/12 361D
G07G1/12 341A
G07G1/12 321Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031190
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 秀明
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA10
3E142CA12
3E142DA07
3E142EA02
3E142FA02
3E142FA03
3E142FA08
3E142FA36
3E142GA02
3E142GA03
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】一般物品の区分を効率よく消耗品の区分に変更が可能な販売データ処理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態の販売データ処理装置は、取引する商品の情報を所定の記憶領域に登録する登録処理部と、前記登録処理部が情報を登録する都度、前記取引に免税を適用した場合に用いる金額である免税用金額および前記取引が課税される場合に用いる金額である課税用金額を計算する計算処理部と、オペレータの操作により前記取引に免税を適用することが宣言された場合には前記免税用金額を用いて決済し、通常の決済を行う場合には前記課税用金額を用いて決済する決済処理部と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引する商品の情報を所定の記憶領域に登録する登録処理部と、
前記登録処理部が情報を登録する都度、前記取引に免税を適用した場合に用いる金額である免税用金額および前記取引が課税される場合に用いる金額である課税用金額を計算する計算処理部と、
オペレータの操作により前記取引に免税を適用することが宣言された場合には前記免税用金額を用いて決済し、通常の決済を行う場合には前記課税用金額を用いて決済する決済処理部と、
を備える販売データ処理装置。
【請求項2】
オペレータの操作に基づいて、前記登録処理部が登録した商品のうち免税の対象であるものの各々について、特殊梱包の有無を設定する梱包設定部と、
前記梱包設定部で、有に設定された商品を消耗品に、無に設定された商品を一般物品に、区分する区分設定部と、
前記区分設定部による区分に基づいて、前記免税用金額を、消耗品分と一般物品分とに振り分ける振分処理部と、
をさらに備える請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記振分処理部により振り分けられた消耗品分の前記免税用金額および一般物品分の前記免税用金額の各々について、免税が適用される範囲の金額であるか判断する判断部と、
前記判断部により免税が適用されないとされた金額について、前記免税用金額による決済を禁止する禁止処理部と、
をさらに備える請求項2に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
オペレータの操作に基づいて、前記禁止処理部による禁止を強制的に無効にする強制適用部と、
をさらに備える請求項3に記載の販売データ処理装置。
【請求項5】
前記振分処理部は、前記区分設定部による区分に基づいて、前記課税用金額をも、消耗品分と一般物品分とに振り分け、
前記決済処理部は、前記禁止処理部により禁止された区分の決済に、前記振分処理部による振り分け後の前記課税用金額を用いる
請求項3に記載の販売データ処理装置。
【請求項6】
販売データ処理装置のコンピュータを、
取引する商品の情報を所定の記憶領域に登録する登録処理部と、
前記登録処理部が情報を登録する都度、前記取引に免税を適用した場合に用いる金額である免税用金額および前記取引が課税される場合に用いる金額である課税用金額を計算する計算処理部と、
オペレータの操作により前記取引に免税を適用することが宣言された場合には前記免税用金額を用いて決済し、通常の決済を行う場合には前記課税用金額を用いて決済する決済処理部と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、輸出物品販売場(免税店)を経営する事業者が外国人旅行者等の非居住者に対して商品を販売する場合に、当該商品にかかる消費税等の税金を免除するいわゆる免税制度が存在する。このような免税制度においては、免税の対象となる対象商品は、消耗品と一般物品とに区分される。
【0003】
平成30年の免税制度の法改正で、一般物品の区分を消耗品の区分に変更して、免税とすることが可能となった。このような制度の変更に対応する技術には、例えば特許文献1に記載のものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、一般物品の区分を効率よく消耗品の区分に変更が可能な販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の販売データ処理装置は、取引する商品の情報を所定の記憶領域に登録する登録処理部と、前記登録処理部が情報を登録する都度、前記取引に免税を適用した場合に用いる金額である免税用金額および前記取引が課税される場合に用いる金額である課税用金額を計算する計算処理部と、オペレータの操作により前記取引に免税を適用することが宣言された場合には前記免税用金額を用いて決済し、通常の決済を行う場合には前記課税用金額を用いて決済する決済処理部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態にかかるPOSシステムの概略構成図である。
図2図2は、POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、商品マスタのデータ構成の一例を示す図である。
図4図4は、POS端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
図5図5は、POS端末のオペレータ用表示部が表示する商品登録画面の一例を示す図である。
図6図6は、POS端末のオペレータ用表示部が表示する梱包物選択画面の一例を示す図である。
図7図7は、RAMが記憶する商品情報を説明する図である。
図8図8は、POS端末のオペレータ用表示部が表示する免税確認画面の一例を示す図である。
図9図9は、制御部が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10図10は、商品登録画面における表示例を示す図である。
図11図11は、商品登録画面における表示例を示す図である。
図12図12は、梱包物選択画面における表示例を示す図である。
図13図13は、免税確認画面における表示例を示す図である。
図14図14は、免税確認画面における表示例を示す図である。
図15図15は、商品登録画面における表示例を示す図である。
図16図16は、免税確認画面における表示例を示す図である。
図17図17は、商品登録画面における表示例を示す図である。
図18図18は、免税確認画面における表示例を示す図である。
図19図19は、商品登録画面における表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態にかかるPOS(Point Of Sales)システム1の概略構成図である。POSシステム1は、外国人旅行者等の非居住者に対して通常生活の用に供する販売対象を一定の方法で販売する輸出物品販売場(免税店)で用いられる。
【0008】
POSシステム1は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク2で接続された1台以上のPOS端末3とサーバ4とを備えている。
【0009】
サーバ4は、例えば免税店のバックヤードに設置された情報処理装置であって、POS端末3を集中管理し、POSシステム1全体の制御を受け持つ。サーバ4は、商品マスタや各種情報および設定値などを記憶し、それらを各POS端末3に提供(送信)する。また、サーバ4は、各POS端末3で決済処理した商品の商品情報や決済情報を受信し、集計し、管理する。
【0010】
POS端末3は、販売データ処理装置の一例である。POS端末3は、免税店の店内の精算場所に配置されている。POS端末3は、オペレータ(キャッシャ)が入力した商品コードに基づいて取引処理を行うための端末である。
【0011】
POS端末3は、店舗で取り扱っている商品の販売に係る取引処理を行う。取引処理において、POS端末3は、オペレータの操作に従い、販売される商品の売上登録処理および決済処理を実行する。売上登録処理は、商品コードを取得し、商品コードに基づいて商品マスタから商品情報を読み出し、読み出した商品情報を所定の記憶領域に記憶させる(登録する)一連の処理である。商品コードの取得は、販売される商品に付されたバーコードや二次元コード等のコードシンボルを光学的に読み取ることで、またはコードシンボルを撮像することで、行われる。決済処理は、売上登録処理で登録された商品情報に基づいて行われる一連の処理であって、取引に係る各種金額の表示や計算、釣銭の払出し、レシートの発行などを含む。
【0012】
図2は、POS端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末3は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、記憶部34等を備えている。CPU31は制御主体となる。ROM32は各種プログラムを記憶する。RAM33はプログラムや各種データを展開する。記憶部34は各種プログラムを記憶する。CPU31、ROM32、RAM33、記憶部34は、互いにバス35を介して接続されている。CPU31とROM32とRAM33が、制御部300を構成する。すなわち、制御部300は、CPU31がROM32や記憶部34に記憶されRAM33に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するPOS端末3の制御処理を実行する。
【0013】
RAM33は、所定の記憶領域の一例であって、商品情報331を記憶する。商品情報331は、商品マスタ342から取得した商品の商品情報である。
【0014】
記憶部34は、HDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部34は、制御プログラム341、商品マスタ342や、各種情報および設定値を記憶する。これら(商品マスタ342や各種情報および設定値)は、サーバ4からダウンロードされたものである。制御プログラム341は、POS端末3の制御を行うためのプログラムである。
【0015】
図3は、商品マスタ342のデータ構成の一例を示す図である。商品マスタ342には、販売登録対象の各商品の商品コード(商品識別情報)に対応付けて、商品名や商品の価格(単価)、価格が内税か外税か、免税の対象か対象外か、等の商品情報が設定される。内税は、価格が消費税等の税金を含む(税込価格である)ことを示す。また、外税は、価格が消費税等の税金を含まない(税抜価格である)ことを示す。なお、価格が内税の場合、必要に応じて、POS端末3またはサーバ4が、税抜価格を計算する。
【0016】
外国人旅行者等の非居住者が、免税の対象である物品を購入する際、所定の条件を満足していれば、対象の物品にかかる税金(例えば消費税)が免除(免税)される。
【0017】
免税の対象には、「一般物品」および「消耗品」が含まれる。「消耗品」は、例えば食料品、飲料類、薬品類、化粧品類等の物品である。「一般物品」は、例えば家電、バッグ、衣料品等の、消耗品以外の通常生活の用に供する物品である。消耗品として免税された物品は、出国前の消費が不可であるので、封印を付加する特殊梱包がなされる。一般物品として免税されたものは、特殊梱包されない。
【0018】
記憶部34は、免税を受けることができる条件の設定値を記憶している。設定値は、免税扱いでの販売登録を行う目安となる金額である。本実施形態における消耗品についての設定値は、5千円以上50万円以下である。つまり本実施形態では、消耗品の税抜価格の合計が5千円以上の場合、50万円以下分の消耗品が免税可能である。また、一般物品についての設定値は、5千円以上である。つまり本実施形態では、一般物品の税抜価格の合計が5千円以上の場合、一般物品が免税される。
【0019】
図2の説明に戻る。POS端末3は、操作部36、液晶ディスプレイ装置であるオペレータ用表示部37、客用表示部38、プリンタ39、コードリーダ40、パスポートリーダ41、カードリーダ/ライタ(R/W)42、通信I/F(Interface)43等を、さらに備えている。これらは、コントローラ44とバス35とを介して、CPU31に接続される。
【0020】
操作部36は、タッチパネルやキーボードによって実現される。タッチパネルは、オペレータ用表示部37や客用表示部38の表示面上に設けられ、表示内容に応じた操作を受け付ける。より具体的には、ソフトウェアキーが表示された位置にタッチされると、当該ソフトウェアキーに割り当てられた操作内容を受け付ける。キーボードは、1以上のハードキーを備え、ハードキーに割り当てられた操作内容を受け付けるデバイスである。
【0021】
オペレータ用表示部37は、オペレータに向けた情報を表示する。客用表示部38は、顧客に向けた情報を表示する。プリンタ39は、顧客が購入した商品の商品情報や決済情報を印字したレシートを発行する。
【0022】
コードリーダ40は、商品に付されたバーコード等のコードシンボルを光学的に読み取るかまたは撮像して入力する。POS端末3は、入力されたシンボルを解析して、当該商品を特定する商品コードを取得する。
【0023】
パスポートリーダ41は、パスポート(旅券)が保持する情報を読み取るリーダ装置である。実施形態では、パスポートリーダ41は、パスポートに記載された文字列を光学的に読み取る光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)機能を有する。
【0024】
カードリーダ/ライタ(R/W)42は、顧客が保有するカード(例えばクレジットカードや電子マネー)から、取引の決済に必要な顧客情報等を読み取る。
【0025】
通信I/F43は、店内に設けられたネットワーク2を介して上位装置であるサーバ4とデータ通信をする。
【0026】
図4は、POS端末3の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部300は、制御プログラム341等に従うことで、登録処理部301,計算処理部302,決済処理部303,梱包設定部304,区分設定部305,振分処理部306,判断部307,禁止処理部308,強制適用部309として機能する。
【0027】
登録処理部301は、売上登録処理を行う。売上登録処理において、登録処理部301は、取引する商品の情報を所定の記憶領域に記憶させる(登録する)。具体的には、登録処理部301は、コードリーダ40により取得した商品コードに基づいて商品マスタ342から商品情報を読み出し、読み出した商品情報331を、RAM33に記憶させる。
【0028】
計算処理部302は、登録処理部301が商品情報を登録する都度、取引に免税を適用した場合に用いる金額である免税用金額および、取引が課税される場合に用いる金額である課税用金額を、計算する。
【0029】
免税用金額は、例えば、取引に免税が適用された場合に顧客が支払う総額(支払額)や、免税される金額(免税額)、免税対象外の商品も併せて購入した場合には支払う税金の総額(税額)、値引・割引があった場合にはその金額(値引額)などである。また、課税用金額は、取引に通常どおり課税される場合の顧客の支払額や税額、値引額などである。
【0030】
決済処理部303は、決済処理を行う。決済処理は、売上登録処理で登録された商品情報に基づいて行われる一連の処理であって、取引に係る各種金額の表示や計算、決済処理、釣銭の払出し、レシートの発行などを含む。決済処理部303は、オペレータの操作により決済手段(現金決済、クレジット決済、電子マネー決済、コード決済など)の選択を受け付け、選択された決済手段により決済処理を行う。
【0031】
決済処理部303は、オペレータの操作(所定のキー操作など)により取引に免税を適用することが宣言された場合には、免税用金額を用いて決済し、通常の決済を行う場合には、課税用金額を用いて決済する。上記「宣言」は、例えば、免税キー613や小計キー614(図5など参照、後述)の押下(操作)により、行われる。
【0032】
梱包設定部304は、オペレータの操作に基づいて、登録処理部301が登録した商品のうち免税の対象であるものの各々について、特殊梱包の有無を設定する。梱包設定部304は、オペレータの操作を、操作部36により受け付ける。
【0033】
ここで、図5は、POS端末3のオペレータ用表示部37が表示する商品登録画面61の一例を示す図である。また、図6は、POS端末3のオペレータ用表示部37が表示する梱包物選択画面62の一例を示す図である。
【0034】
商品登録画面61は、登録処理部301が登録した商品の情報の一覧表611を表示するとともに、各種金額や各種ソフトウェアキー(特殊梱包キー612、免税キー613、小計キー614)を表示する。これらのソフトウェアキーは、ハードキーとしてキーボードに設けられていても構わない。なお、オペレータ用表示部37が表示する各種画面に表示される各種ソフトウェアキーへの操作は、タッチパネル(操作部36の一例)により受け付けられる。
【0035】
特殊梱包キー612は、梱包物選択画面62を表示させる操作を受け付けるための操作子である。特殊梱包キー612が操作を受けると、制御部300(梱包設定部304)は、梱包物選択画面62を、商品登録画面61に重ねて表示させる。
【0036】
梱包物選択画面62は、登録された商品の各々について、特殊梱包の有無を選択する操作を受け付ける。梱包物選択画面62は、免税対象リスト621や、操作子622,623、中止キー624および確定キー625を備えている。
【0037】
免税対象リスト621は、各行に、登録された商品のうち免税対象である商品の情報を表示する。操作子622,623は、免税対象リスト621の各行に対応付けて設けられ、当該行が表示する商品についての特殊梱包の有無を指定する操作を受け付ける。操作子622は、特殊梱包を「有」に指定する操作を受け付ける。操作子623は、特殊梱包を「無」に指定する操作を受け付ける。
【0038】
確定キー625は、操作子622,623により受け付けた操作の内容を確定する操作を受け付ける。中止キー624は、操作子622,623による操作の受け付けをキャンセルする操作を受け付ける。中止キー624が操作されると、制御部300(梱包設定部304)は、梱包物選択画面62を閉じ、表示を商品登録画面61に戻す。
【0039】
本実施形態においては、特殊梱包の有無の設定のデフォルト値が「有」で、梱包設定部304は、主に「無」への変更を受け付ける。また、梱包設定部304は、同画面において一旦「無」にしたものを「有」に修正する変更(再変更)も、受け付けてよい。オペレータは、例えば、客に確認するなどして、出国前に使用(消費)する物品の設定を「無」に変更する。
【0040】
図4に戻り、区分設定部305は、梱包設定部304で、特殊梱包「有」に設定された商品を消耗品に、「無」に設定された商品を一般物品に、区分する。つまり、本実施形態では、商品マスタ342で消耗品か一般物品かの区分を設定しておくのではなく、取引処理(売上登録処理および決済処理)上の取り扱いとして、特殊梱包するものを消耗品として扱い、特殊梱包しないものを一般物品として扱う。なお、上述の通り、特殊梱包の有無のデフォルト値は「有」であるので、設定を変更しない初期状態では全ての商品が消耗品扱いである。
【0041】
振分処理部306は、区分設定部305による区分に基づいて、免税用金額を、消耗品分と一般物品分とに振り分ける。
【0042】
ここで、図7は、RAM33が記憶する商品情報331を説明する図である。POS端末3のRAM33は、一部記憶領域を使用して、商品情報331を記憶する。商品情報331は、図7(a)に示す登録アイテムリスト3310と、図7(b)に示す免税用第1情報3311と、図7(c)に示す免税用第2情報3312と、で構成される。
【0043】
登録アイテムリスト3310は、登録処理部301が登録した、商品の商品コードおよび当該商品コードに関連づけて記憶された個数の一覧表(リスト)である。計算処理部302は、このリストを参照して、課税用金額を計算する。この登録アイテムリスト3310は、登録処理部301による商品登録の都度、更新される。
【0044】
免税用第1情報3311は、登録アイテムリスト3310への登録に伴い生成され、免税対象(一般物品および消耗品のどちらも)である商品の商品コードのリストと、免税対象額および免税額とを含む。ここで、免税対象額は、免税対象である商品の税抜価格の合計である。免税額は、免税対象額に仮に課税したとした場合の仮想の税額であり、つまり免税処理により支払いを免除される税額である。
【0045】
免税対象額および免税額は、免税用金額の一部であって、計算処理部302により計算される。計算処理部302は、免税用金額の計算にあたって、免税用第1情報3311が含む商品コードと、当該商品コードに関連づけて登録アイテムリストが記憶する個数と、を参照する。この免税用第1情報3311は、登録処理部301による商品登録の都度、更新される。
【0046】
免税用第2情報3312は、振分処理部306による振り分けにより生成され、振分処理部306により区分の一方(例えば消耗品)とされた商品の商品コードのリストと、それらに対応する免税対象額および免税額とを含む。免税用第2情報3312の免税対象額および免税額は、振分処理部306が計算する。振分処理部306は、免税用金額の計算にあたって、免税用第2情報3312が含む商品コードと、当該商品コードに関連づけて登録アイテムリストが記憶する個数と、を参照する。
【0047】
また、振分処理部306は、免税用第2情報3312の生成に伴い、免税用第1情報3311から、区分の一方(上記例の場合、消耗品)とされた商品の商品コードを削除する。これにより、免税用第1情報3311には、区分の他方(上記例の場合、一般物品)とされた商品の商品コードが残される。また、これに伴い、振分処理部306は、免税用第1情報3311の免税対象額および免税額を計算し、更新する。
【0048】
なお、本実施形態のPOS端末3では、免税適用での決済処理の実行を指示する操作(免税キーの押下)があるまで、区分設定部305による区分の変更は複数回可能である。
【0049】
図4に戻り、判断部307は、登録された免税対象の商品(対象商品)のうち、一般物品とされた商品の税抜価格の合計が免税となる条件を満たしているかの判断と、消耗品とされた商品の税抜価格の合計が免税となる条件を満たしているかの判断と、を行う。
【0050】
判断部307は、振分処理部306により振り分けられた消耗品分の免税用金額および一般物品分の免税用金額の各々について、免税が適用される範囲の金額であるか判断する。
【0051】
すなわち、判断部307は、消耗品について、税抜価格の合計が5千円以上50万円以下である場合には、消耗品として免税となる条件を満たしていると判断する。合計が5千円未満である場合、および合計が50万円を超える場合、判断部307は、消耗品として免税となる条件を満たしていないと判断する。
【0052】
また、判断部307は、一般物品について、税抜価格の合計が5千円以上である場合には、一般物品として免税となる条件を満たしていると判断する。合計が5千円未満である場合、判断部307は、一般物品として免税となる条件を満たしていないと判断する。
【0053】
ここで、図8は、POS端末3のオペレータ用表示部37が表示する免税確認画面63の一例を示す図である。免税確認画面63は、一般物品情報631、消耗品情報633、中止キー634、確定キー635、および酒税免税キー636を含む。
【0054】
一般物品情報631は、一般物品の免税対象額と、免税の成立(または不成立時には成立に要する金額)とを、提示する。一般物品の免税対象額には、免税用第1情報3311の免税対象額が表示される。消耗品情報633は、消耗品の免税対象額と、免税の成立(または不成立時には成立に要する金額)とを、提示する。消耗品の免税対象額には、免税用第2情報3312の免税対象額が表示される。
【0055】
中止キー634は、免税処理を進めずに戻る操作を受け付ける。中止キー634が操作されると、制御部300は、免税確認画面63を閉じ、表示を商品登録画面61に戻す。確定キー635は、免税処理を進める操作を受け付けるための操作子である。
【0056】
図4に戻り、禁止処理部308は、判断部307により免税が適用されないとされた金額について、免税用金額による決済を禁止する。具体的には、免税確認画面63において「免税成立」とせず、確定キー635をグレーアウトなどにより操作不可能状態とする。
【0057】
強制適用部309は、オペレータの操作に基づいて、前記禁止処理部による禁止を強制的に無効にする。上記操作は、例えば、所定のキー(強制免税キー637,638、図13参照、後述)の押下である。なお、ここでのオペレータの操作は、例えば、当該操作の当日の発行済みレシートの目視確認を前提としている。オペレータは、この操作の当日の発行済みのレシートの提示を顧客から受け、同じ店で同じ日に決済された金額を合算することで上述の条件を満たす場合、強制適用部309による処理を実行するための操作を行う。
【0058】
図9は、制御部300が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0059】
制御部300は、オペレータ用表示部37に商品登録画面61を表示させてコードリーダ40等による商品コードの取得を待機し(ステップS1:No)、商品コードを取得すると(ステップS1;Yes)、商品マスタ342から商品情報を取得する(ステップS2)。これに伴い制御部300は、商品登録画面61の表示を更新する。具体的には、取得した商品情報を、一覧表611に含める。なおステップS2の実行とともに制御部300は、登録アイテムリスト3310と、免税用第1情報3311を生成・更新する。
【0060】
次に制御部300は、取得した商品情報のうち免税の対象か対象外かの設定を参照し、免税対象であった場合(ステップS3;Yes)、免税取引用の計算(ステップS4)と通常の取引すなわち課税取引用の計算(ステップS5)との両方を行う。また、免税対象でなかった場合(ステップS3;No)、免税取引用の計算は行わず、課税取引用の計算のみ行う。なお、この時点で商品登録画面61に表示される各種の金額は、通常の課税取引用の金額である。
【0061】
次に制御部300は、特殊梱包キー612が押下(操作)されたかを判断する(ステップS6)。特殊梱包キー612が押下されたのであれば(ステップS6;Yes)、制御部300(梱包設定部304)は、オペレータ用表示部37に梱包物選択画面62を表示させ、特殊梱包の有無を指定する操作を受け付ける(ステップS7)。
【0062】
ステップS6で特殊梱包キー612が操作されない場合(ステップS6;No)には、制御部300は、ステップS8の処理をスキップし、ステップS9へと処理を進める。
【0063】
ステップS7で表示させた梱包物選択画面62で確定キー625が操作されると、制御部300は、オペレータ用表示部37の表示を商品登録画面61に戻すとともに、区分設定部305および振分処理部306としての機能を果たす。つまり制御部300は、特殊梱包「無」とされた商品を一般物品に区分し、特殊梱包「有」とされた商品を消耗品に区分し、免税用第2情報3312を生成・更新し、免税用第1情報3311を更新する(ステップS8)。
【0064】
ステップS7で表示させた梱包物選択画面62において中止キー624が操作された場合には、制御部300は、オペレータ用表示部37の表示を商品登録画面61に戻すとともに、ステップS8を実行せずステップS9に処理を進める。
【0065】
続くステップS9において制御部300は、商品登録画面61で免税キー613が押下(操作)されたかを判断する(ステップS9)。免税キー613が押下されたのであれば(ステップS9;Yes)、制御部300は、オペレータ用表示部37に免税確認画面63を表示させて、オペレータに対して免税内容を表示の確認を求める(ステップS10)。
【0066】
ステップS10における免税確認画面63の表示にあたって、制御部300は、判断部307としての判断結果を免税確認画面63に含める。上記判断結果は、免税キー613押下(ステップS9;Yes)時点での免税対象(一般物品および消耗品の各々)について、税抜価格の合計が免税の成立条件を満たしているかを判断した結果である。
【0067】
ここで、図5に示す例の商品登録画面61では、消耗品Aと一般物品Bとが登録されている。この状態では、特殊梱包の有無の指定は全てデフォルトの「有」のため、このままこの取引に免税を適用する場合には、消耗品Aのみならず一般物品Bも、消耗品扱いで決済される。ここで特殊梱包キー612が押下されると、図6に示す例の梱包物選択画面62が表示される。
【0068】
図6に示す例の梱包物選択画面62において、免税対象リスト621の一般物品Bの行で「無」の操作子623が押下されて確定キー625が押下されると、一般物品Bは、この取引において一般物品扱いに変更される。この例の場合には、一般物品Bの税抜価格は5000円であるので、一般物品の免税条件は満たされる。また、この例の場合には、消耗品Aの税抜価格は10000円であるので、消耗品の免税条件も満たされる。
【0069】
上述の操作を経た後に表示される商品登録画面61において免税キー613が押下されると、図8に示す例の免税確認画面63が表示される。この例の場合、一般物品および消耗品の両方が免税条件を満たしているので両方に「免税成立」が表示されている。この免税確認画面63で確定キー635が押下されると(ステップS10;確定)、制御部300は、免税を適用した決済(ステップS12)に処理を進め、図10に示す商品登録画面61を表示させる。
【0070】
ステップS12において、制御部300(決済処理部303)は、パスポート情報の入力、決済手段の選択を行い、免税を適用した決済処理を行う。このステップS12での決済処理では、レシートと、購入明細と、消耗品明細とを、プリンタ39で印字出力する。購入明細は、消耗品にかかる金額と一般物品にかかる金額とを判別可能に示したものである。また、消耗品明細は、消耗品を収める特殊梱包に添付されるものであって、内容物のリストを表示したものである。
【0071】
図10は、商品登録画面61における表示例を示す図である。この図に示すように、免税確認画面63で確定キー635が操作された後の商品登録画面61においては、免税が適用される商品の情報に関連づけて、免税が適用されることを示すシンボル615が、表示される。シンボル615は、例えば「免」の文字である。また、この時点の商品登録画面61では、特殊梱包キー612および免税キー613の操作は受け付けない。図10に示す特殊梱包キー612および免税キー613は、例えばグレーアウトなどにより操作不可能とされた状態を示している。
【0072】
次に、ステップS10で表示される免税確認画面63において税抜価格の合計が免税の成立条件を満たしていなかった場合について、説明する。
【0073】
図11は、商品登録画面61における表示例を示す図である。この例では、消耗品Cと一般物品Dとが登録済みである。消耗品Cは、一般的に消耗品として扱われる商品である。また、一般物品Dは、一般的には一般物品として扱われる商品であるが、梱包物選択画面62を操作しない初期状態では、消耗品扱いである。初期状態のままであれば、一般物品Dをも特殊梱包する必要はあるものの、消耗品Cおよび一般物品Dの税抜価格の合計が、消耗品としての免税条件を満たす。
【0074】
この例の場合、一般物品Dの税抜価格は4900円であるので、一般物品としては免税条件を満たすことはできない。また、この例の場合、消耗品Cの税抜価格は4900円であるので、消耗品C単体で消耗品の免税条件を満たすことはできない。
【0075】
図11に示す例で特殊梱包キー612が押下されると、図12に示す例の梱包物選択画面62が表示される。図12は、梱包物選択画面62における表示例を示す図である。
【0076】
この例において、免税対象リスト621の一般物品Dの行で「無」の操作子623が押下されて確定キー625が押下されると、初期状態では消耗品扱いだった一般物品Dが、この取引において一般物品扱いに変更される。
【0077】
この例の場合には、一般物品Dの税抜価格は4900円であるので、一般物品の免税条件は満たされない。また、この例の場合には、消耗品Cの税抜価格も4900円であるので、消耗品の免税条件も満たされない。このため、確定キー625の押下に伴い表示された商品登録画面61で、免税キー613が押されると、強制免税キー637,638を備える免税確認画面63(図13参照)が、表示される。
【0078】
図13は、免税確認画面63における表示例を示す図である。強制免税キー637は、一般物品扱いの商品の免税を強制的に実行する指示を受け付けるための操作子である。強制免税キー638は、消耗品扱いの商品の免税を強制的に実行する指示を受け付けるための操作子である。これらの強制免税キー637,638の押下にあたって、オペレータは、強制適用部309の説明で述べたように、例えば、この操作の当日の発行済みのレシートの提示を顧客から受け、同じ店で同じ日に決済された金額を合算することで上述の条件を満たす場合に、強制免税キー637,638を押下可能であるとの判断を行う。
【0079】
なお、強制免税キー637および638の少なくともいずれかが表示された免税確認画面63においては、確定キー635は、グレーアウトなどにより操作不可能とされる。強制免税キー637または638が操作されると、確定キー635は操作可能に変更され、確定キー635のグレーアウトが解除される。
【0080】
図13に示す免税確認画面63において強制免税キー637が押下されると、免税確認画面63は、図14に示す状態に変化する。図14は、免税確認画面63における表示例を示す図である。強制免税キー637は、図14に示す状態への変化により、強制解除キー639に変化する。強制解除キー639は、強制免税を解除し、強制免税前の元の状態に戻す指示を受け付けるための操作子である。
【0081】
図14に示す免税確認画面63で確定キー635が押下されると、図15に示す商品登録画面61が表示される。図15は、商品登録画面61における表示例を示す図である。この商品登録画面61では、一般物品Dに「免」のシンボル615が表示される。
【0082】
図13に示す免税確認画面63において強制免税キー638が押下されると、免税確認画面63は、図16に示す状態に変化する。図16は、免税確認画面63における表示例を示す図である。強制免税キー638は、図16に示す状態への変化により、強制解除キー640に変化する。強制解除キー640は、強制解除キー639と同様の操作子である。
【0083】
図16に示す免税確認画面63で確定キー635が押下されると、図17に示す商品登録画面61が表示される。図17は、商品登録画面61における表示例を示す図である。この商品登録画面61では、消耗品Cに「免」のシンボル615が表示される。
【0084】
図13に示す免税確認画面63において強制免税キー637および強制免税キー638の両方が押下されると、免税確認画面63は、図18に示す状態に変化する。図18は、免税確認画面63における表示例を示す図である。強制免税キー637および強制免税キー638は、図18に示す状態への変化により、強制解除キー639および強制解除キー640に変化する。
【0085】
図18に示す免税確認画面63で確定キー635が押下されると、図19に示す商品登録画面61が表示される。図19は、商品登録画面61における表示例を示す図である。この商品登録画面61では、消耗品Cおよび一般物品Dの両方に、「免」のシンボル615が表示される。
【0086】
図9に戻り、ステップS10で表示される免税確認画面63が、強制免税キー637および強制免税キー638の少なくともいずれかを含んでいた場合であって、強制免税キー637或いは強制免税キー638の少なくともいずれかが操作された場合、制御部300は、処理をステップS11に進める。
【0087】
ステップS11において、制御部は、免税確認画面63を更新し、操作された強制免税キー637(或いは638)を、強制解除キー639(或いは640)に変化させるとともに、確定キー635を操作不可能状態から操作可能状態に変化させる。この免税確認画面63において確定キー635が操作されると、制御部300は、処理をステップS12に進める。
【0088】
なお、ステップS10およびステップS11で表示させた免税確認画面63において中止キー634が操作された場合、制御部300は、オペレータ用表示部37の表示を商品登録画面61に戻すとともに、処理をステップS9に戻す。
【0089】
また、ステップS10およびステップS11で表示させた免税確認画面63で消耗品の税抜価格の合計が免税を適用できる範囲の上限を超えていた場合にも、制御部300は、オペレータ用表示部37の表示を商品登録画面61に戻すとともに、処理をステップS9に戻す。この場合には、例えば、免税確認画面63において、免税適用に向けたアドバイスを表示すると好適である。アドバイスの内容は、例えば、「特殊梱包キーを押下して表示される画面で、一般物品扱い可能な商品の特殊梱包を「無」に変更してください」である。これにより、一般物品が消耗品扱いから除外され、消耗品の合計を下げることができる。
【0090】
ステップS9において、商品登録画面61で免税キー613が押下されない場合(ステップS9;No)、制御部300は、小計キー614が押下(操作)されたかを判断する(ステップS13)。ステップS13において小計キー614が押下されると(ステップS13;Yes)、制御部300(決済処理部303)は、決済手段の選択を受け付け(ステップS14;Yes)、課税しての決済処理を行う(ステップS15)。このステップS15での決済処理では、レシートを、プリンタ39で印字出力する。
【0091】
ステップS13で小計キー614が押下されない場合(ステップS13;No)、制御部300は、処理をステップS1へ戻す。また、ステップS14で決済手段の選択が行われていない場合(ステップS14;No)、制御部300は、処理をステップS1へ戻す。
【0092】
以上に説明した実施形態によれば、一般物品の区分を効率よく消耗品の区分に変更が可能となる。
【0093】
なお、上記実施形態では、免税店のPOSシステム1について説明したが、実施にあたっては、POSシステム1は免税店以外の店舗で用いられるものであってもよい。
また、上記実施形態では、POS端末3を販売データ処理装置の一例として説明したが、実施にあたっては、販売データ処理装置は、POS端末3以外であってもよい。
【0094】
さらに、上記実施形態では、商品マスタ342において、商品コードに対応付けて、当該商品コードが示す商品が免税の「対象」か「対象外」か、を設定しているが、実施にあたっては、商品マスタにおいて、「対象」を例えば「一般物品」と表現していても構わない。この場合、実際には消耗品である商品も商品マスタ上では一般物品とされるが、免税に際して特殊梱包を要する消耗品であるかの判断は最終的には店員(オペレータ)が行うため、商品マスタ上では、免税の対象外ではない(つまり免税の対象である)ことが判別可能に設定されていれば事足りる。これによれば、消耗品という区分が設けられる以前のシステムのマスタを、改修なく利用することが可能である。
【0095】
また、上記実施形態では、消耗品および一般物品の区分のいずれかの免税適用決済が禁止処理部308によって禁止され、禁止された区分のみ課税して決済する場合については触れていない。この場合、実施にあたっては、例えば、振分処理部306が、区分設定部305による区分に基づいて、免税用金額だけでなく課税用金額をも消耗品分と一般物品分とに振り分け、決済処理部303は、禁止処理部308により禁止された区分(消耗品または一般物品)の決済に、振分処理部306による振り分け後の課税用金額を用いる。
【0096】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0097】
上記実施形態のPOS端末3で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0098】
また、上記実施形態のPOS端末3で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態のPOS端末3で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0099】
また、上記実施形態のPOS端末3で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 …POSシステム、2…ネットワーク、4…サーバ、
3 …POS端末(販売データ処理装置の一例)、
300…制御部、
301…登録処理部、302…計算処理部、303…決済処理部、
304…梱包設定部、305…区分設定部、306…振分処理部、
307…判断部、308…禁止処理部、309…強制適用部、
31 …CPU、32…ROM、33…RAM(所定の記憶領域の一例)、
331…商品情報、3310…登録アイテムリスト、
3311…免税用第1情報、3312…免税用第2情報、
34 …記憶部、341…制御プログラム、342…商品マスタ、
35 …バス、
36 …操作部、37…オペレータ用表示部、38…客用表示部、39…プリンタ、
40 …コードリーダ、41…パスポートリーダ、42…カードリーダ/ライタ、
43 …通信I/F、44…コントローラ、
61 …商品登録画面、
611…一覧表、612…特殊梱包キー、613…免税キー、614…小計キー、
615…シンボル、
62 …梱包物選択画面、
621…免税対象リスト、622,623…操作子、
624…中止キー、625…確定キー、
63 …免税確認画面、631…一般物品情報、633…消耗品情報、
634…中止キー、635…確定キー、636…酒税免税キー、
637,638…強制免税キー、639,640…強制解除キー。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【特許文献1】特開2018-170570号公報
図1
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