(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123620
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20240905BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G07G1/12 321Z
G07G1/01 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031191
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 秀明
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA20
3E142DA07
3E142DA14
3E142FA22
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、存の実行環境を維持したまま、より最新の処理手段を用いて処理を行うことが可能な商品販売データ処理装置及びプログラムを提供することである。
【解決手段】第1実行環境で動作し、店舗業務に関する処理要求を受け付ける第1処理手段と、前記第1実行環境とは異なる第2実行環境で動作する第2処理手段と、前記第1処理手段と前記第2処理手段との間の通信を制御し、前記第1処理手段が受け付けた前記処理要求を前記第2処理手段に中継して、当該第2処理手段に実行させる制御手段と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1実行環境で動作し、店舗業務に関する処理要求を受け付ける第1処理手段と、
前記第1実行環境とは異なる第2実行環境で動作する第2処理手段と、
前記第1処理手段と前記第2処理手段との間の通信を制御し、前記第1処理手段が受け付けた前記処理要求を前記第2処理手段に中継して、当該第2処理手段に実行させる制御手段と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1処理手段が受け付けた前記第1実行環境の仕様に準拠した処理要求を、前記第2実行環境の仕様に準拠した処理要求に変換して、前記第2処理手段に中継する、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第2処理手段で実行された前記処理要求の処理結果を、前記第1処理手段の処理結果として出力させる、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記第1処理手段は、
前記処理要求を入力するためのユーザインタフェースを表示するUI手段を有し、
前記制御手段は、前記第2処理手段で実行された前記処理要求の処理結果を、前記ユーザインタフェースを介して出力させる、
請求項3に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記ユーザインタフェースを介して入力される処理要求を前記UI手段から受け付ける、
請求項4に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
第1実行環境及び第2実行環境が搭載された商品販売データ処理装置のコンピュータを、
前記第1実行環境で動作し、店舗業務に関する処理要求を受け付ける第1処理手段と、
前記第2実行環境で動作する第2処理手段と、
前記第1処理手段と前記第2処理手段との間の通信を制御し、前記第1処理手段が受け付けた処理要求を前記第2処理手段に中継して、当該第2処理手段に実行させる制御手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店等の店舗では、POS(Point Of Sales)端末等の商品販売データ処理装置が使用されている。また、このような商品販売データ処理装置に、売り上げ管理や勤怠管理等の付加機能を搭載することで、商品の販売に係るデータ処理(以下、商品販売データ処理)以外にも各種の業務処理に使用することも行われている。
【0003】
また、上述の付加機能は、店舗サーバ等に導入されたWebアプリケーションと連携して実現することも行われている。この場合、商品販売データ処理装置にウェブブラウザ(以下、ブラウザともいう)等の処理手段を導入することで、Webアプリケーションと連携して業務処理を行うことができる。また、ブラウザを業務処理用にカスタマイズしたカスタムブラウザを用いることも行われている。
【0004】
ところで、ブラウザは、当該ブラウザを製造するメーカーによりバージョンアップ等の更新が行われている。また、ブラウザの開発に係るソフトウェアの更新に伴い、当該ブラウザを実行させるための実行環境(又は開発環境)を更新することも行われている。
【0005】
しかしながら、上述した商品販売データ処理装置では、商品販売データ処理への影響が懸念されるため実行環境を容易にリプレースすることはできない。また、カスタムブラウザを使用しているような場合、実行環境の異なるブラウザを新たにカスタマイズし直すことは容易ではない。そのため、既存の実行環境を維持したまま、より最新のブラウザ(処理手段)を用いて業務処理を行うことが可能な技術が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、既存の実行環境を維持したまま、より最新の処理手段を用いて処理を行うことが可能な商品販売データ処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の商品販売データ処理装置は、第1処理手段と、第2処理手段と、制御手段と、を備える。第1処理手段は、第1実行環境で動作し、店舗業務に関する処理要求を受け付ける。第2処理手段は、前記第1実行環境とは異なる第2実行環境で動作する。制御手段は、前記第1処理手段と前記第2処理手段との間の通信を制御し、前記第1処理手段が受け付けた前記処理要求を前記第2処理手段に中継して、当該第2処理手段に実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るPOS端末の外観構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るPOS端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るPOS端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態のPOS端末で行われる業務処理の実行動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態の商品販売データ処理装置及びプログラムについて説明する。以下では、小売店等の店舗に設けられるPOS端末に適用した例を説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、本実施形態に係るPOS端末1の外観構成の一例を示す図である。POS端末1は、情報処理装置(商品販売データ処理装置)の一例である。POS端末1は、例えば小売店(店舗)の会計エリア等に設置され、店員等のオペレータによって操作される。
【0011】
本体101の上面には、キーボード102と、カードリーダ103とが設けられる。キーボード102は、オペレータが操作入力を行うための各種の操作キーを有する。キーボード102は、例えば、数値を入力するための「置数キー」、商品の小計出力を指示する「小計キー」、取引の締めを指示するための「締めキー」等を含む。
【0012】
カードリーダ103は、カード媒体C1の挿入を受け付け、そのカード媒体C1からデータの読み取りを行う装置である。例えば、カード媒体C1が磁気カードである場合、カードリーダ103として磁気カードリーダを用いる。また、カード媒体C1がICカードである場合には、カードリーダ103としてICカードリーダを用いる。
【0013】
本体101の奥側には、表示器104が設けられる。表示器104は、例えば液晶表示器であり、オペレータ用の第1表示器104aと、主に客用に用いられる第2表示器104bとを有する。表示器104は、各種情報を表示する。
【0014】
本体101の下部側には、ドロワ105が引出自在に設けられる。ドロワ105は、電子ロック機構を有し、金銭等を収納する。POS端末1は、キーボード102を介した操作入力(例えば、「締めキー」の操作入力)に応じて、ドロワ105の電子ロック機構を解除(開錠)することで、ドロワ105を開放動作させる。
【0015】
また、POS端末1には、バーコードや二次元コード等のコードシンボルに保持されたデータを光学的に読み取るコードスキャナ106が接続される。コードスキャナ106は、例えば、店舗内で販売される商品に表示されたコードシンボルから、当該商品の品名や種類を特定可能(識別可能)な商品コード等の情報を読み取る。
【0016】
図2は、POS端末1のハードウェア構成の一例を示す図である。POS端末1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、通信インタフェース(I/F)14と、I/O機器制御部15とを備える。
【0017】
CPU11は、バス16を介して、ROM12と、RAM13と、通信インタフェース14と、I/O機器制御部15とに接続される。CPU11は、ROM12又は後述する記憶部18に格納されたプログラムをRAM13に展開して実行することにより、I/O機器制御部15に接続された上記各部を制御するとともに、POS端末1における各種処理を実行する。
【0018】
通信インタフェース14は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークに接続可能な有線又は無線の通信装置である。通信インタフェース14は、ネットワークに接続された他の装置との間で通信を実行する。例えば、通信インタフェース14は、店舗内に設けられた店舗サーバ等のサーバ装置との間で通信を実行する。
【0019】
I/O機器制御部15には、上記したキーボード102、カードリーダ103、表示器104、ドロワ105及びコードスキャナ106が接続される。また、I/O機器制御部15には、プリンタ17と、記憶部18とが接続される。
【0020】
プリンタ17は、レシート用紙及びジャーナル用紙への印字を行うレシート/ジャーナルプリンタである。プリンタ17は、CPU11の制御に基づき、取引内容をレシート用紙及びジャーナル用紙に印字する。なお、プリンタ17は、本体101の内部に設けられてもよいし(
図1参照)、本体101の外部に設けられてもよい。
【0021】
記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。記憶部18は、オペレーティングシステム等や、商品マスタ等の各種データ等を記憶する。商品マスタは、商品を識別するための商品コードと、当該商品コードに対応する商品の商品名、価格等の商品情報とを関連付けたデータである。
【0022】
また、記憶部18は、後述するプログラムDcの実行に係る実行環境(又は開発環境)を記憶する。具体的には、記憶部18には、第1実行環境Daと第2実行環境Dbとが搭載されている。ここで、第1実行環境Daと第2実行環境Dbとは、ともに同種の実行環境であり、バージョンが異なるものとなっている。本実施形態では、第2実行環境Dbのバージョンは、第1実行環境Daのバージョンよりも新しいものとなっている。
【0023】
第1実行環境Daと第2実行環境Dbとでは、実行に係る要件が異なるものとする。具体的には、第1実行環境Daの下で実行可能なプログラムは、第2実行環境Dbの下で実行することができないものとする。また、第2実行環境Dbの下で実行可能なプログラムは、第1実行環境Daの下で実行することができないものとする。
【0024】
なお、第1実行環境Daと第2実行環境Dbとは互いに独立した状態で記憶されるものとする。つまり、POS端末1では、第1実行環境Daの下で実行可能なプログラムと、第2実行環境Dbの下で実行可能なプログラムとを並列(並行)して実行することが可能となっている。
【0025】
また、記憶部18は、各種のプログラムDcを記憶する。例えば、プログラムDcは、POS端末1の主たる機能となる商品の登録処理、決済処理を実行するための商品販売データ処理プログラムを有する。登録処理は、商品に付されたコードシンボルから読み取った商品コードに基づき、商品マスタから読み出した商品情報をRAM13等に記憶したり、表示したりする処理をいう。決済処理は、登録処理により記憶された商品情報に基づいて、取引に係る合計金額の表示、客から預かった預り金に基づいて釣銭を計算して表示する処理、釣銭の発行を釣銭機に指示する処理、商品情報や決済情報(合計金額、預り金額、釣銭額等)を印字したレシートを発行する処理等をいう。なお、本実施形態では、商品販売データ処理プログラムは、第1実行環境Daの下で実行されるものとする。
【0026】
また、プログラムDcは、上述した商品販売データ処理プログラムの他、売り上げ管理や勤怠管理等の各種の店舗業務に係るプログラムを有する。具体的には、プログラムDcは、図示しない店舗サーバ等が提供するウェブアプリケーションと連携し、各種の業務処理を実行することが可能なウェブブラウザ(以下、ブラウザ)を有する。
【0027】
本実施形態では、プログラムDcは、第1実行環境Daの下で動作することが可能な第1ブラウザBaと、第2実行環境Dbの下で動作することが可能な第2ブラウザBbとを有する(
図3参照)。ここで、第1ブラウザBaと第2ブラウザBbとは、同種のブラウザであり、第2ブラウザBbのバージョンは、第1ブラウザBaのバージョンよりも新しいものとなっている。また、第1ブラウザBaは、業務処理用にカスタマイズされたカスタムブラウザであるものとする。そのため、POS端末1では、第1ブラウザBaを操作することで、各種の業務処理を行うことが可能であるとする。また、プログラムDcは、後述する機能構成の実現に係るプログラム等も有する。
【0028】
図3は、POS端末1の機能構成の一例を示す図である。
図3に示すように、POS端末1は、第1UI処理部111と、第1ブラウザ処理部112と、第2UI処理部113と、第2ブラウザ処理部114と、共通化処理部115とを備える。
【0029】
第1UI処理部111及び第1ブラウザ処理部112は、第1実行環境Daの下で動作し、店舗業務に関する処理要求を受け付ける第1処理手段の一例である。第1UI処理部111及び第1ブラウザ処理部112は、CPU11が第1ブラウザBaを実行することで実現される。
【0030】
ここで、第1UI処理部111は、UI手段の一例であり、第1ブラウザBaのUI(ユーザインタフェース)機能を司るものである。例えば、第1UI処理部111は、第1ブラウザBaのUI表示を制御する。また、第1UI処理部111は、第1ブラウザBaのUIに対する操作を受け付け、その操作内容に応じた処理要求を第1ブラウザ処理部112に出力する。第1ブラウザ処理部112は、第1ブラウザBaのブラウジング機能を司るものである。第1ブラウザ処理部112は、第1UI処理部111から入力される処理要求を受け付け、その処理要求に応じた処理を実行する。
【0031】
また、第2UI処理部113及び第2ブラウザ処理部114は、第2実行環境Dbで動作する第2処理手段の一例である。第2UI処理部113及び第2ブラウザ処理部114は、CPU11が第2ブラウザBbを実行することで実現される。
【0032】
第2UI処理部113は、第2ブラウザBbのUI機能を司るものであり、第1ブラウザBaにおける第1UI処理部111に対応するものである。また、第2ブラウザ処理部114は、第2ブラウザBbのブラウジング機能を司るものであり、第1ブラウザBaにおける第1ブラウザ処理部112に対応するものである。
【0033】
ところで、本実施形態のPOS端末1では、店員等のユーザは、業務処理用にカスタマイズされた第1ブラウザBaを用いて業務処理を行うことになるが、より最新の第2ブラウザBbがメーカーから供給されている場合は、この第2ブラウザBbを用いて業務処理を行うことが好ましい。
【0034】
しかしながら、POS端末1では、商品販売データ処理への影響が懸念されるため実行環境を容易にリプレースすることはできない。また、第1ブラウザBaのようなカスタムブラウザを使用しているような場合、実行環境の異なる第2ブラウザBbを新たにカスタマイズし直すことは容易ではない。
【0035】
そこで、本実施形態のPOS端末1では、第1実行環境Daで動作する第1ブラウザBaの使用を維持したまま、第2実行環境Dbで動作する第2ブラウザBbを用いて業務処理を行うため、共通化処理部115を備えている。
【0036】
ここで、共通化処理部115は、制御手段の一例である。共通化処理部115は、第1ブラウザBaと第2ブラウザBbと間の通信(例えばプロセス間通信)を中継する機能を有する。具体的には、共通化処理部115は、第1ブラウザ処理部112と第2UI処理部113と間の通信(プロセス間通信)を制御することで、第1ブラウザBaと第2ブラウザBbとの中継を行う。
【0037】
以下、
図3及び
図4を参照しながら、共通化処理部115の機能について説明する。ここで、
図4は、POS端末1で行われる業務処理の実行動作の一例を示すシーケンス図である。
【0038】
まず、第1UI処理部111は、第1ブラウザBaのUIを介し操作指示を受け付ける(ステップS11)と、その操作指示の内容に応じた処理要求(例えばコマンド)を第1ブラウザ処理部112に出力する(ステップS12)。例えば、第1UI処理部111は、第1ブラウザBaのUIに設けられた、売上データの表示を指示するボタンに対する操作を受け付けると、売上データの表示を指示する処理要求を出力する。
【0039】
また、第1ブラウザ処理部112は、第1UI処理部111から入力された処理要求を共通化処理部115に出力する(ステップS13)。なお、第1ブラウザ処理部112では、ステップS12の処理要求の入力に伴い、その処理要求に応じた処理を実行することが可能であるが、本実施形態では、第1ブラウザ処理部112による処理の実行は抑制することが好ましい。これにより、第1ブラウザ処理部112と第2ブラウザ処理部114との両方で処理が重複して実行される事態を回避することができる。
【0040】
共通化処理部115は、第1ブラウザ処理部112から処理要求が入力されると、その処理要求を、第2UI処理部113を介して第2ブラウザ処理部114に出力する(ステップS15、S16)。
また、第1ブラウザBaと第2ブラウザBbとで処理要求の体系が異なる場合、共通化処理部115は、第2UI処理部113に処理要求を出力する過程で、第2ブラウザBbが解釈可能な状態に変換して出力する(ステップS14)。例えば、第1UI処理部111から出力された処理要求が第1実行環境に依存するものである場合、共通化処理部115は、第2実行環境に基づく処理要求に変換してから、第2UI処理部113に出力する。
【0041】
第2ブラウザ処理部114は、第2UI処理部113から処理要求を受け付けると、その処理要求に応じた処理を実行する(ステップS17)。例えば、売上データの表示を指示する処理要求の場合、第2ブラウザ処理部114は、Webアプリケーションと連携することで、Webアプリケーションが提供する売上データを取得する。
【0042】
そして、第2ブラウザ処理部114は、ステップS17の処理結果を第2UI処理部113に出力する(ステップS18)。第2UI処理部113は、第2ブラウザ処理部114から入力された処理結果を共通化処理部115に出力する(ステップS19)。
【0043】
共通化処理部115は、第2UI処理部113から出力された処理結果を、第1ブラウザ処理部112を介して第1UI処理部に出力する(ステップS20、S21)。そして、第1UI処理部111は、第1ブラウザ処理部112を介して入力された処理結果を、第1ブラウザBaのUIに反映させる(ステップS22)。例えば、処理結果が売上データであった場合、第1UI処理部111は、第1ブラウザBaのUIに売上データを表示させる。
【0044】
このように、共通化処理部115は、第1ブラウザBaのUIで受け付けた操作指示の処理内容を第2ブラウザBbで実行させ、第2ブラウザBbで得られた処理結果を第1ブラウザBaのUIを用いて表示させる。これにより、POS端末1を操作するユーザは、これまでと同様の第1ブラウザBaを用いて各種業務を行うことができる。
【0045】
以上のように、POS端末1は、第1ブラウザBaと第2ブラウザBbとの間の通信を制御し、第1ブラウザBaが受け付けた処理要求を第2ブラウザBbに中継して、当該第2ブラウザBbに実行させる。
【0046】
これにより、POS端末1は、第2実行環境Dbの要件を満たさない第1ブラウザBaの使用を維持しつつ、より最新の第2ブラウザBbを用いて業務に係る処理を実行することができる。したがって、POS端末1は、既存の実行環境を維持したままで、より最新のブラウザを用いて業務処理の実行を実現することができ、POS端末1を用いた業務処理の利便性向上を図ることができる。
【0047】
なお、上述した実施形態は、上述のPOS端末1が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0048】
(変形例1)
上述の実施形態では、共通化処理部115は、第1ブラウザBaの第1ブラウザ処理部112を介して、処理要求を受け付ける構成としたが、これに限らないものとする。例えば、
図3の一点鎖線で示したように、第1UI処理部111と共通化処理部115とを直接接続する構成としてもよい。
【0049】
この場合、共通化処理部115は、第1UI処理部111から出力される処理要求を直接受け付けて、第2UI処理部113を介して第2ブラウザ処理部114へと出力する。また、共通化処理部115は、第2ブラウザ処理部114の処理結果を、第2UI処理部113を介して受け付けて、第1UI処理部111に直接出力する。
【0050】
これにより、上述の実施形態と同様の効果を奏することができるため、POS端末1を用いた業務処理の利便性向上を図ることができる。
【0051】
なお、上述した実施形態において、POS端末1で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、POS端末1で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成してもよい。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1 POS端末
111 第1UI処理部
112 第1ブラウザ処理部
113 第2UI処理部
114 第2ブラウザ処理部
115 共通化処理部
第1ブラウザBa
第2ブラウザBb
第1実行環境Da
第2実行環境Db
プログラムDc
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】