IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ルネサスエレクトロニクス株式会社の特許一覧

特開2024-123621過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置
<>
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図1
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図2
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図3
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図4
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図5
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図6
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図7
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図8
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図9
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図10
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図11
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図12
  • 特開-過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123621
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20240905BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240905BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G05F1/56 320C
H01L27/04 H
G06F1/26 306
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031194
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】西谷 朋也
【テーマコード(参考)】
5B011
5F038
5H430
【Fターム(参考)】
5B011DB19
5B011GG03
5B011JA11
5F038AV06
5F038BH07
5F038BH12
5F038BH15
5H430BB05
5H430BB12
5H430EE06
5H430FF01
5H430FF13
5H430LA02
(57)【要約】
【課題】製造コストを低減することができる過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置を提供する。
【解決手段】一実施の形態によれば、過電圧保護回路100は、電源VD33とCC端子16との間に配置されたトランジスタ111、及び、トランジスタ111とCC端子16との間に配置されたトランジスタ112を含む電流出力回路110であって、電源VD33から電流が流れるように駆動するトランジスタ111に電流を出力させる電流出力回路110と、トランジスタ112のゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御するゲート入力回路160と、を備え、ゲート入力回路160は、CC端子16に印加された電圧に応じて、トランジスタ112のゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御し、電流出力回路110は、トランジスタ112による制御によって、CC端子16に印加された電圧からトランジスタ111を保護する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と端子との間に配置された第1トランジスタ、及び、前記第1トランジスタと前記端子との間に配置された第2トランジスタを含む電流出力回路であって、前記電源から電流が流れるように駆動する前記第1トランジスタに前記電流を出力させる前記電流出力回路と、
前記第2トランジスタのゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御するゲート入力回路と、
を備え、
前記ゲート入力回路は、前記端子に印加された電圧に応じて、前記第2トランジスタの前記ゲートの電圧及び前記バックゲートの電圧を制御し、
前記電流出力回路は、前記第2トランジスタによる制御によって、前記端子に印加された電圧から前記第1トランジスタを保護する、
過電圧保護回路。
【請求項2】
前記ゲート入力回路は、
前記第2トランジスタのゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御するゲート制御回路と、
前記ゲート制御回路に入力電圧を入力する入力制御回路と、
を含み、
前記入力制御回路は、前記端子に印加された電圧に応じて、前記入力電圧を変化させ、
前記ゲート制御回路は、入力された前記入力電圧に応じて、前記第2トランジスタの前記ゲートの電圧及び前記バックゲートの電圧を制御する、
請求項1に記載の過電圧保護回路。
【請求項3】
前記入力制御回路は、
基準電流を生成するバイアス回路と、
前記入力電圧を制御する制御回路と、
を含む、
請求項2に記載の過電圧保護回路。
【請求項4】
前記入力制御回路は、
基準電流を生成するバイアス回路と、
前記入力電圧を制御する制御回路と、
前記バイアス回路及び前記制御回路をディセーブルにする機能を有するディセーブル手段と、
を含む、
請求項2に記載の過電圧保護回路。
【請求項5】
前記ディセーブル手段は、前記入力制御回路が前記入力電圧として前記電源と同じ電圧値を入力するように、前記バイアス回路及び前記制御回路をディセーブルにする、
請求項4に記載の過電圧保護回路。
【請求項6】
前記入力制御回路は、
前記端子に所定の閾値以下の第1電圧が印可された場合には、前記入力電圧として第1入力電圧を前記ゲート制御回路に入力し、
前記端子に所定の閾値よりも大きい第2電圧が印可された場合には、前記入力電圧として第2入力電圧を前記ゲート制御回路に入力し、
前記ゲート制御回路は、
前記第1入力電圧を入力された場合には、前記電流出力回路が前記電流を前記端子に出力するように前記第2トランジスタの前記ゲートを制御し、
前記第2入力電圧を入力された場合には、前記電流出力回路を保護するように前記第2トランジスタの前記ゲートを制御する、
請求項2に記載の過電圧保護回路。
【請求項7】
前記閾値は、前記電源の電圧と同じ電圧値である、
請求項6に記載の過電圧保護回路。
【請求項8】
前記電流出力回路は、第3トランジスタをさらに含み、
前記第1トランジスタの一端は、前記電源に接続し、
前記第1トランジスタの他端は、前記第2トランジスタの一端に接続し、
前記第1トランジスタのゲートは、前記第3トランジスタのゲートに接続し、
前記第2トランジスタの一端は、前記第1トランジスタの他端に接続し、
前記第2トランジスタの他端は、前記端子に接続し、
前記第2トランジスタのゲート及びバックゲートは、前記ゲート制御回路に接続し、
前記第3トランジスタの一端は、前記電源に接続し、
前記第3トランジスタの他端は、参照電流が流れる配線に接続し、
前記第3トランジスタのゲートは、前記第1トランジスタのゲートに接続した、
請求項6に記載の過電圧保護回路。
【請求項9】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタは、PMOSトランジスタであり、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタの一端は、ソースであり、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタの他端は、ドレインである、
請求項8に記載の過電圧保護回路。
【請求項10】
前記端子に接続された端子配線と、
前記入力制御回路から前記入力電圧が入力される入力配線と、
前記第2トランジスタのゲートに接続されたゲート配線と、
前記第2トランジスタのバックゲートに接続されたバックゲート配線と、
をさらに備え、
前記入力制御回路は、
前記第1入力電圧及び前記第2入力電圧の少なくともいずれかを、前記入力配線を介して前記ゲート制御回路に入力し、
前記ゲート制御回路は、
前記ゲート配線及び前記バックゲート配線を介して前記ゲートを制御する、
請求項6に記載の過電圧保護回路。
【請求項11】
前記ゲート制御回路は、
第1ゲート制御トランジスタと、
第2ゲート制御トランジスタと、
第3ゲート制御トランジスタと、
第4ゲート制御トランジスタと、
第5ゲート制御トランジスタと、
を含み、
前記第1ゲート制御トランジスタの一端は、前記入力配線に接続し、
前記第1ゲート制御トランジスタの他端は、前記ゲート配線に接続し、
前記第1ゲート制御トランジスタのゲートは、前記端子配線に接続し、
前記第1ゲート制御トランジスタのバックゲートは、前記バックゲート配線に接続し、
前記第2ゲート制御トランジスタの一端は、前記ゲート配線に接続し、
前記第2ゲート制御トランジスタの他端は、前記端子配線に接続し、
前記第2ゲート制御トランジスタのゲートは、前記電源に接続し、
前記第2ゲート制御トランジスタのバックゲートは、前記バックゲート配線に接続し、
前記第3ゲート制御トランジスタの一端は、前記電源に接続し、
前記第3ゲート制御トランジスタの他端は、前記バックゲート配線に接続し、
前記第3ゲート制御トランジスタのゲートは、前記端子配線に接続し、
前記第3ゲート制御トランジスタのバックゲートは、前記バックゲート配線に接続し、
前記第4ゲート制御トランジスタの一端は、前記入力配線に接続し、
前記第4ゲート制御トランジスタの他端は、前記ゲート配線に接続し、
前記第4ゲート制御トランジスタのゲートは、前記ゲート配線に接続し、
前記第4ゲート制御トランジスタのバックゲートは、前記バックゲート配線に接続し、
前記第5ゲート制御トランジスタの一端は、前記ゲート配線に接続し、
前記第5ゲート制御トランジスタの他端は、前記入力配線に接続し、
前記第5ゲート制御トランジスタのゲートは、前記電源に接続し、
前記第5ゲート制御トランジスタのバックゲートは、前記入力配線に接続した、
請求項10に記載の過電圧保護回路。
【請求項12】
前記第1ゲート制御トランジスタ、前記第2ゲート制御トランジスタ、前記第3ゲート制御トランジスタ、及び、前記第4ゲート制御トランジスタは、PMOSトランジスタであり、
前記第5ゲート制御トランジスタは、NMOSトランジスタであり、
前記第1ゲート制御トランジスタ、前記第2ゲート制御トランジスタ、前記第3ゲート制御トランジスタ、前記第4ゲート制御トランジスタ、及び、前記第5ゲート制御トランジスタの一端は、ソースであり、
前記第1ゲート制御トランジスタ、前記第2ゲート制御トランジスタ、前記第3ゲート制御トランジスタ、前記第4ゲート制御トランジスタ、及び、前記第5ゲート制御トランジスタの他端は、ドレインである、
請求項11に記載の過電圧保護回路。
【請求項13】
前記入力制御回路は、
第1入力制御トランジスタと、
第2入力制御トランジスタと、
第3入力制御トランジスタと、
第4入力制御トランジスタと、
第5入力制御トランジスタと、
第6入力制御トランジスタと、
第7入力制御トランジスタと、
第8入力制御トランジスタと、
第9入力制御トランジスタと、
抵抗と、
第1接点と、
第2接点と、
第3接点と、
を含み、
前記第1入力制御トランジスタの一端は、前記電源に接続し、
前記第1入力制御トランジスタの他端は、前記抵抗の一端、前記第1入力制御トランジスタのゲート、前記第2入力制御トランジスタのゲート、及び、前記第4入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第1入力制御トランジスタのゲートは、前記第1入力制御トランジスタの他端、前記第2入力制御トランジスタのゲート、前記第4入力制御トランジスタのゲート、及び、前記抵抗の一端に接続し、
前記抵抗の一端は、前記第1入力制御トランジスタの他端、前記第1入力制御トランジスタのゲート、前記第2入力制御トランジスタのゲート、及び、前記第4入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記抵抗の他端は、グラウンドに接続し、
前記第2入力制御トランジスタの一端は、前記電源に接続し、
前記第2入力制御トランジスタの他端は、前記第5入力制御トランジスタの他端、前記第5入力制御トランジスタのゲート、前記第7入力制御トランジスタのゲート、及び、前記第8入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第2入力制御トランジスタのゲートは、前記第1入力制御トランジスタのゲート、前記第1入力制御トランジスタの他端、前記抵抗の一端、及び、前記第4入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第3入力制御トランジスタの一端は、前記電源に接続し、
前記第3入力制御トランジスタの他端は、前記第2接点に接続し、
前記第3入力制御トランジスタのゲートは、前記第1接点に接続し、
前記第4入力制御トランジスタの一端は、前記電源に接続し、
前記第4入力制御トランジスタの他端は、前記第3接点に接続し、
前記第4入力制御トランジスタのゲートは、前記第1入力制御トランジスタのゲート、前記第1入力制御トランジスタの他端、前記抵抗の一端、及び、前記第2入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第5入力制御トランジスタの一端は、前記グラウンドに接続し、
前記第5入力制御トランジスタの他端は、前記第2入力制御トランジスタの他端、前記第5入力制御トランジスタのゲート、前記第7入力制御トランジスタのゲート、及び、前記第8入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第5入力制御トランジスタのゲートは、前記第2入力制御トランジスタの他端、前記第5入力制御トランジスタの他端、前記第7入力制御トランジスタのゲート、及び、前記第8入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第6入力制御トランジスタの一端は、前記第7入力制御トランジスタの他端、及び、前記第1接点に接続し、
前記第6入力制御トランジスタの他端は、前記電源に接続し、
前記第6入力制御トランジスタのゲートは、前記端子配線に接続し、
前記第6入力制御トランジスタのバックゲートは、前記第1接点に接続し、
前記第7入力制御トランジスタの一端は、前記グラウンドに接続し、
前記第7入力制御トランジスタの他端は、前記第6入力制御トランジスタの一端、及び、前記第1接点に接続し、
前記第7入力制御トランジスタのゲートは、前記第2入力制御トランジスタの他端、前記第5入力制御トランジスタの他端、前記第5入力制御トランジスタのゲート、及び、前記第8入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第8入力制御トランジスタの一端は、前記グラウンドに接続し、
前記第8入力制御トランジスタの他端は、前記第2接点に接続し、
前記第8入力制御トランジスタのゲートは、前記第2入力制御トランジスタの他端、前記第5入力制御トランジスタの他端、前記第5入力制御トランジスタのゲート、及び、前記第7入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第9入力制御トランジスタの一端は、前記グラウンドに接続し、
前記第9入力制御トランジスタの他端は、前記第3接点に接続し、
前記第9入力制御トランジスタのゲートは、前記第2接点に接続し、
前記第1接点は、前記第6入力制御トランジスタのバックゲート、前記第6入力制御トランジスタの一端、前記第7入力制御トランジスタの他端、及び、前記第3入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第2接点は、前記第3入力制御トランジスタの他端、前記第8入力制御トランジスタの他端、及び、前記第9入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第3接点は、前記第4入力制御トランジスタの他端、前記第9入力制御トランジスタの他端、及び、前記入力配線に接続した、
請求項10に記載の過電圧保護回路。
【請求項14】
前記第1入力制御トランジスタ、前記第2入力制御トランジスタ、前記第3入力制御トランジスタ、及び、前記第4入力制御トランジスタは、PMOSトランジスタであり、
前記第5入力制御トランジスタ、前記第6入力制御トランジスタ、前記第7入力制御トランジスタ、前記第8入力制御トランジスタ、及び、前記第9入力制御トランジスタは、NMOSトランジスタであり、
前記第1入力制御トランジスタ、前記第2入力制御トランジスタ、前記第3入力制御トランジスタ、前記第4入力制御トランジスタ、第5入力制御トランジスタ、前記第6入力制御トランジスタ、前記第7入力制御トランジスタ、前記第8入力制御トランジスタ、及び、前記第9入力制御トランジスタの一端は、ソースであり、
前記第1入力制御トランジスタ、前記第2入力制御トランジスタ、前記第3入力制御トランジスタ、前記第4入力制御トランジスタ、第5入力制御トランジスタ、前記第6入力制御トランジスタ、前記第7入力制御トランジスタ、前記第8入力制御トランジスタ、及び、前記第9入力制御トランジスタの他端は、ドレインである、
請求項13に記載の過電圧保護回路。
【請求項15】
前記入力制御回路は、
前記入力制御回路をディセーブルにする機能を有するディセーブル手段を含み、
前記ディセーブル手段は、
イネーブル信号が入力される信号端子と、
インバータと、
第1ディセーブルトランジスタと、
第2ディセーブルトランジスタと、
第3ディセーブルトランジスタと、
第4ディセーブルトランジスタと、
第5ディセーブルトランジスタと、
第6ディセーブルトランジスタと、
第7ディセーブルトランジスタと、
を含み、
前記インバータの入力端子は、前記信号端子、前記第1ディセーブルトランジスタのゲート、前記第3ディセーブルトランジスタのゲート、前記第4ディセーブルトランジスタのゲート、及び、前記第5ディセーブルトランジスタのゲートに接続し、
前記インバータの出力端子は、前記第2ディセーブルトランジスタのゲート、前記第6ディセーブルトランジスタ、及び、前記第7ディセーブルトランジスタのゲートに接続し、
前記第1ディセーブルトランジスタの一端は、前記電源に接続し、
前記第1ディセーブルトランジスタの他端は、前記抵抗の一端、前記第1入力制御トランジスタの他端、前記第1入力制御トランジスタのゲート、前記第2入力制御トランジスタのゲート、及び、前記第4入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第1ディセーブルトランジスタのゲートは、前記信号端子、前記インバータの入力端子、前記第3ディセーブルトランジスタのゲート、前記第4ディセーブルトランジスタのゲート、及び、前記第5ディセーブルトランジスタのゲートに接続し、
前記第2ディセーブルトランジスタの一端は、前記電源に接続し、
前記第2ディセーブルトランジスタの他端は、前記第6入力制御トランジスタの他端に接続し、
前記第2ディセーブルトランジスタのゲートは、前記インバータの出力端子、前記第6ディセーブルトランジスタのゲート、及び、前記第7ディセーブルトランジスタのゲートに接続し、
前記第3ディセーブルトランジスタの一端は、前記電源に接続し、
前記第3ディセーブルトランジスタの他端は、前記第1接点に接続し、
前記第3ディセーブルトランジスタのゲートは、前記信号端子、前記インバータの入力端子、前記第1ディセーブルトランジスタのゲート、前記第4ディセーブルトランジスタのゲート、及び、前記第5ディセーブルトランジスタのゲートに接続し、
前記第4ディセーブルトランジスタの一端は、前記電源に接続し、
前記第4ディセーブルトランジスタの他端は、前記第3接点に接続し、
前記第4ディセーブルトランジスタのゲートは、前記信号端子、前記インバータの入力端子、前記第1ディセーブルトランジスタのゲート、前記第3ディセーブルトランジスタのゲート、及び、前記第5ディセーブルトランジスタのゲート接続し、
前記第5ディセーブルトランジスタの一端は、前記グラウンドに接続し、
前記第5ディセーブルトランジスタの他端は、前記抵抗の他端に接続し、
前記第5ディセーブルトランジスタのゲートは、前記信号端子、前記インバータの入力端子、前記第1ディセーブルトランジスタのゲート、前記第3ディセーブルトランジスタのゲート、及び、前記第4ディセーブルトランジスタのゲートに接続し、
前記第6ディセーブルトランジスタの一端は、前記グラウンドに接続し、
前記第6ディセーブルトランジスタの他端は、前記第2入力制御トランジスタの他端、前記第5入力制御トランジスタの他端、前記第5入力制御トランジスタのゲート、前記第7入力制御トランジスタのゲート、及び、前記第8入力制御トランジスタのゲートに接続し、
前記第6ディセーブルトランジスタのゲートは、前記インバータの出力端子、前記第2ディセーブルトランジスタのゲート、及び、前記第7ディセーブルトランジスタのゲートに接続し、
前記第7ディセーブルトランジスタの一端は、前記グラウンドに接続し、
前記第7ディセーブルトランジスタの他端は、前記第2接点に接続し、
前記第7ディセーブルトランジスタのゲートは、前記インバータの出力端子、前記第2ディセーブルトランジスタのゲート、及び、前記第6ディセーブルトランジスタのゲートに接続した、
請求項13に記載の過電圧保護回路。
【請求項16】
前記第1ディセーブルトランジスタ、前記第2ディセーブルトランジスタ、前記第3ディセーブルトランジスタ、及び、前記第4ディセーブルトランジスタは、PMOSトランジスタであり、
前記第5ディセーブルトランジスタ、前記第6ディセーブルトランジスタ、及び、前記第7ディセーブルトランジスタは、NMOSトランジスタであり、
前記第1ディセーブルトランジスタ、前記第2ディセーブルトランジスタ、前記第3ディセーブルトランジスタ、前記第4ディセーブルトランジスタ、前記第5ディセーブルトランジスタ、前記第6ディセーブルトランジスタ、及び、前記第7ディセーブルトランジスタの一端は、ソースであり、
前記第1ディセーブルトランジスタ、前記第2ディセーブルトランジスタ、前記第3ディセーブルトランジスタ、前記第4ディセーブルトランジスタ、前記第5ディセーブルトランジスタ、前記第6ディセーブルトランジスタ、及び、前記第7ディセーブルトランジスタの他端は、ドレインである、
請求項15に記載の過電圧保護回路。
【請求項17】
CCPHYを備え、
前記CCPHYは、過電圧保護回路を含み、
前記過電圧保護回路は、
電源と端子との間に配置された第1トランジスタ、及び、前記第1トランジスタと前記端子との間に配置された第2トランジスタを含む電流出力回路であって、前記電源から電流が流れるように駆動する前記第1トランジスタに前記電流を出力させる前記電流出力回路と、
前記第2トランジスタのゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御するゲート入力回路と、
を備え、
前記ゲート入力回路は、前記端子に印加された電圧に応じて、前記第2トランジスタの前記ゲートの電圧及び前記バックゲートの電圧を制御し、
前記電流出力回路は、前記第2トランジスタによる制御によって、前記端子に印加された電圧から前記第1トランジスタを保護する、
コネクタ。
【請求項18】
前記CCPHYは、ユニバーサルシリアルバスにおけるType-Cコネクタのソース用である、
請求項17に記載のコネクタ。
【請求項19】
前記ゲート入力回路は、
前記第2トランジスタのゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御するゲート制御回路と、
前記ゲート制御回路に入力電圧を入力する入力制御回路と、
を含み、
前記入力制御回路は、前記端子に印加された電圧に応じて、前記入力電圧を変化させ、
前記ゲート制御回路は、入力された前記入力電圧に応じて、前記第2トランジスタの前記ゲートの電圧及び前記バックゲートの電圧を制御し、
前記入力制御回路は、
基準電流を生成するバイアス回路と、
前記入力電圧を制御する制御回路と、
前記バイアス回路及び前記ゲート制御回路をディセーブルにする機能を有するディセーブル手段と、
を含み、
前記CCPHYは、ユニバーサルシリアルバスにおけるType-CコネクタのDRP対応である、
請求項17に記載のコネクタ。
【請求項20】
過電圧保護回路を備え、
電源と端子との間に配置された第1トランジスタ、及び、前記第1トランジスタと前記端子との間に配置された第2トランジスタを含む電流出力回路であって、前記電源から電流が流れるように駆動する前記第1トランジスタに前記電流を出力させる前記電流出力回路と、
前記第2トランジスタのゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御するゲート入力回路と、
を備え、
前記ゲート入力回路は、前記端子に印加された電圧に応じて、前記第2トランジスタの前記ゲートの電圧及び前記バックゲートの電圧を制御し、
前記電流出力回路は、前記第2トランジスタによる制御によって、前記端子に印加された電圧から前記第1トランジスタを保護する、
半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、複数存在するユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、以下では、USBと呼ぶ。)コネクタの形状の統一化を目的として登場した規格であるType-Cコネクタが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】:“Universal Serial Bus Type-C Cable and Connector Specification Release 2.2”、[online]、2022年10月18日、[2023年1月5日検索]、インターネット<https://www.usb.org/document-library/usb-type-cr-cable-and-connector-specification-release-22>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Type-Cコネクタに対応した回路を形成する場合に、製造コストの増大が懸念されている。
【0005】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態によれば、過電圧保護回路は、電源と端子との間に配置された第1トランジスタ、及び、前記第1トランジスタと前記端子との間に配置された第2トランジスタを含む電流出力回路であって、前記電源から電流が流れるように駆動する前記第1トランジスタに前記電流を出力させる前記電流出力回路と、前記第2トランジスタのゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御するゲート入力回路と、を備え、前記ゲート入力回路は、前記端子に印加された電圧に応じて、前記第2トランジスタの前記ゲートの電圧及び前記バックゲートの電圧を制御し、前記電流出力回路は、前記第2トランジスタによる制御によって、前記端子に印加された電圧から前記第1トランジスタを保護する。
【0007】
一実施の形態によれば、コネクタは、CCPHYを備え、前記CCPHYは、過電圧保護回路を含み、前記過電圧保護回路は、電源と端子との間に配置された第1トランジスタ、及び、前記第1トランジスタと前記端子との間に配置された第2トランジスタを含む電流出力回路であって、前記電源から電流が流れるように駆動する前記第1トランジスタに前記電流を出力させる前記電流出力回路と、前記第2トランジスタのゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御するゲート入力回路と、を備え、前記ゲート入力回路は、前記端子に印加された電圧に応じて、前記第2トランジスタの前記ゲートの電圧及び前記バックゲートの電圧を制御し、前記電流出力回路は、前記第2トランジスタによる制御によって、前記端子に印加された電圧から前記第1トランジスタを保護する。
【0008】
一実施の形態によれば、半導体装置は、過電圧保護回路を備え、電源と端子との間に配置された第1トランジスタ、及び、前記第1トランジスタと前記端子との間に配置された第2トランジスタを含む電流出力回路であって、前記電源から電流が流れるように駆動する前記第1トランジスタに前記電流を出力させる前記電流出力回路と、前記第2トランジスタのゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御するゲート入力回路と、を備え、前記ゲート入力回路は、前記端子に印加された電圧に応じて、前記第2トランジスタの前記ゲートの電圧及び前記バックゲートの電圧を制御し、前記電流出力回路は、前記第2トランジスタによる制御によって、前記端子に印加された電圧から前記第1トランジスタを保護する。
【発明の効果】
【0009】
前記一実施の形態によれば、製造コストを低減することができる過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】比較例1に係るコネクタを例示した構成図であり、ソースの機能モデルを示す。
図2】比較例1に係るコネクタを例示した構成図であり、ソースにシンクが接続された場合の機能モデルを示す。
図3】比較例1に係るコネクタを例示した構成図であり、ソース同士が接続された場合の機能モデルを示す。
図4】実施形態1に係る過電圧保護回路を例示した構成図である。
図5】実施形態1に係る過電圧保護回路を例示した構成図である。
図6】実施形態1に係る過電圧保護回路を例示した回路図である。
図7】実施形態1に係る過電圧保護回路の動作を例示したグラフであり、横軸は、CC端子に印加された電圧を示し、左側の縦軸は電圧を示し、右側の縦軸は電流を示す。
図8】比較例2に係るコネクタを例示した構成図であり、DRP対応の機能モデルを示す。
図9】比較例2に係るコネクタに適用した過電圧保護回路の課題を例示した図である。
図10】実施形態2に係る過電圧保護回路を例示した回路図である。
図11】実施形態2に係る過電圧保護回路の動作を例示したグラフであり、横軸は、CC端子に印加された電圧を示し、左側の縦軸は電圧を示し、右側の縦軸は電流を示す。
図12】Type-Cコネクタの市場調査の結果を例示したグラフであり、横軸は、調査年を示し、縦軸は、世界市場規模を示す。
図13】Type-Cコネクタを例示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0012】
まず、<背景>において、本開示の背景を説明する。次に、<比較例1>において、比較例1に係るコネクタを説明する。その後、<発明者が発見した課題>において、比較例1のコネクタに対して、発明者が発見した課題を説明する。そして、<実施形態1>において、実施形態1に係る<過電圧保護回路の構成>及び<過電圧保護回路の動作>を説明する。
【0013】
次に、<比較例2>において、比較例2に係るコネクタを説明する。その後、<発明者が発見した課題>において、比較例2のコネクタに対して、発明者が発見した課題を説明する。そして、<実施形態2>において、実施形態2に係る<過電圧保護回路の構成>及び<過電圧保護回路の動作>を説明する。なお、本開示の背景、比較例1及び比較例2に係るコネクタ及び発明者が発見した課題も、実施形態の技術思想の範囲に含まれる。
【0014】
<背景>
本開示は、例えば、USBのType-Cコネクタを実現するために必要な機能であるType-C対応PHY(物理層)に関係してもよい。Type-C対応PHYを以下では、CCPHYと呼ぶ。
【0015】
Type-Cコネクタとは、複数存在するUSBコネクタ形状の統一化を目的として登場した規格である。Type-Cコネクタを実装することによって、コネクタのプラグにおける裏表の区別は不要となる。このため、コネクタ同士の接続は容易となる。なお、コネクタのプラグ及びレセプタクルを、単に、コネクタと呼ぶ場合がある。Type-Cコネクタを実装することによって、USB機器が有するVBUS電源からこれまでよりも多くの電力を給電及び受電することが可能となる等、様々な利点がある。
【0016】
図12は、Type-Cコネクタの市場調査の結果を例示したグラフであり、横軸は、調査年を示し、縦軸は、世界市場規模を示す。図12に示すように、2021年に行われた市場調査によると、Type-Cコネクタの2020年から2027年までの年平均成長率は、24.8%になると予測されている。また、2022年10月に小型電子機器の充電及び接続用端子をType-Cコネクタに統一することを義務付ける法律がEU議会で可決された。これにより、Type-Cコネクタの普及が加速することが予想される。それに伴って、Type-Cコネクタに対するMCU(Micro Controller Unit)製品からのニーズは高まっている。
【0017】
本開示は、例えば、電源電圧の使用条件が異なるCCPHY同士が接続された時に発生する電流パス及び過電圧に起因した内部素子の特性劣化及び破壊を解決する過電圧保護回路、コネクタ及び半導体装置に関する。
【0018】
比較例の説明を行うに当たり、最初に、Type-Cコネクタの用語を説明する。Type-Cコネクタでは、電力の給電側をソース(Source)と呼び、電力の受電側をシンク(Sink)と呼ぶ。図13は、Type-Cコネクタを例示したブロック図である。図13に示すように、Type-Cコネクタ1は、パワーIC2及びパワーIC3、スイッチ4、ホストコントローラ5、USB2.0/3.xPHY6、TYPE-C/PDコントローラ7、ESD保護回路8及びUSBCCPHY(以下、単に、CCPHYと呼ぶ)10を含んでいる。Type-Cコネクタ1は、プリント基板PCBに形成されてもよい。
【0019】
パワーIC2は、VBUS端子に接続されている。パワーIC2は、TYPE-C/PDコントローラ7に制御されている。パワーIC2は、PD(Power Delivery)非対応において、最大15Wの給電能力を有してもよいし、PD対応において、SRPで最大100Wの供給能力、ERPで最大240Wの供給能力を有してもよい。
【0020】
パワーIC3は、スイッチ4を介してCCPHY10に接続されている。パワーIC3は、CCPHY10に対して、例えば、5Vで600mAの給電を行ってもよい。スイッチ4は、パワーIC3からCCPHY10への給電のオン及びオフの切り替えを行う。
【0021】
ホストコントローラ5、USB2.0/3.xPHY6、TYPE-C/PDコントローラ7、及び、CCPHY10は、集積回路ICに形成されてもよい。
【0022】
ホストコントローラ5は、USB2.0/3.xPHY6と接続されている。ホストコントローラ5は、USB2.0/3.xPHY6の動作を制御する。USB2.0/3xPHY6は、ESD保護回路8を介して、DP/DM、RXnP/M及びTXnP/M等の端子と接続されている。USB2.0/3.xPHY6は、DP/DM、RXnP/M及びTXnP/M等の端子を介して外部とデータ通信を行う。
【0023】
TYPE-C/PDコントローラ7は、CCPHY10と接続されている。TYPE-C/PDコントローラ7は、CCPHY10の動作を制御する。ESD保護回路8は、高耐圧であり、各端子に印加される高電圧から集積回路ICを保護する。CCPHY10は、ESD保護回路8を介して、コンフィギュレーションチャネル(Confioguration Channel、以下、CCと呼ぶ。)端子と接続されている。CCPHY10は、CC端子を介して、USBポートの接続及び切断の検出、コネクタ接続時の裏表判定、並びに、VBUS電源の電力供給能力の通知及び検出を行う。
【0024】
このように、CCPHY10は、これまでのUSB機器に実装されているUSB2.0/3.xPHY6とは別機能である。CCPHY10は、データ通信に使用するDP/DM端子等とは別に専用のCC端子を有する。CC端子は、例えば、CC1端子及びCC2端子を有してもよい。
【0025】
<比較例1>
次に、比較例1に係るコネクタを説明する。比較例1のコネクタは、例えば、CCPHYを含む。図1は、比較例1に係るコネクタを例示した構成図であり、ソースの機能モデルを示す。図1の点線で囲まれた部分は、比較例1のCCPHY10を示す。図1は、例えば、非特許文献1に記載のソースの機能モデルを示している。
【0026】
図1に示すように、ソース用のCCPHY10は、プルアップ(Pullup、以下では、Rpと呼ぶ。)抵抗11aまたは電流出力回路、Rp抵抗11bまたは電流出力回路、スイッチ12a、スイッチ12b、シンク及びケーブル接続検知回路13、トランジスタ14、VBUS端子15、CC1端子16a、CC2端子16b及びGND端子17を有している。ここでは、Rp抵抗11aまたは電流出力回路のうち、Rp抵抗11aの場合を示している。同様に、Rp抵抗11bまたは電流出力回路のうち、Rp抵抗11bの場合を示している。なお、Rp抵抗11a及び11bを総称して、Rp抵抗11と呼ぶ場合がある。スイッチ12a及び12bを総称して、スイッチ12と呼ぶ場合がある。CC1端子16a及びCC2端子16bを総称して、CC端子16と呼ぶ場合がある。
【0027】
Rp抵抗11aは、CC1端子16aと電源との間に接続されている。電源は、一例として、5Vであるが、これに限定されない。Rp抵抗11aは、スイッチ12aを介してCC1端子16aに接続されている。スイッチ12aは、シンク及びケーブル接続検知回路13の制御により、CC1端子16aの接続先を、Rp抵抗11aまたはVCONN端子に切り替える。VCONN端子は、例えば、IC等の電子機器にケーブルを介して電源を供給する。
【0028】
Rp抵抗11bは、CC2端子16bと電源との間に接続されている。Rp抵抗11bは、スイッチ12bを介してCC2端子16bに接続されている。スイッチ12bは、シンク及びケーブル接続検知回路13の制御により、CC2端子16bの接続先を、Rp抵抗11bまたはVCONN端子に切り替える。
【0029】
シンク及びケーブル接続検知回路13は、シンク及びケーブルの少なくともいずれかとの接続を検知する。シンク及びケーブル接続検知回路13は、検知した情報をマルチプレクサ制御部(Mux CNTL)及びPDに出力する。シンク及びケーブル接続検知回路13は、電源VBUSと、VBUS端子15とを接続するトランジスタ14を制御する。GND端子17は、グラウンドに接続されている。
【0030】
図2は、比較例1に係るコネクタを例示した構成図であり、ソースにシンクが接続された場合の機能モデルを示す。図2は、例えば、非特許文献1に記載されたソースにシンクが接続された場合の機能モデルを示す。図2に示すように、シンク用のCCPHY20は、プルダウン(Pulldown、以下では、Rdと呼ぶ。)抵抗21a、Rd抵抗21b、電力供給能力検知回路22、ソース接続検知回路23、VBUS端子25、CC1端子26a、CC2端子26b及びGND端子27を有している。なお、Rd抵抗21a及び21bを総称して、Rd抵抗21と呼ぶ場合がある。CC1端子26a及びCC2端子26bを総称して、CC端子26と呼ぶ場合がある。
【0031】
ソース用のCCPHY10とシンク用のCCPHY20とが接続した場合には、VBUS端子15は、VBUS端子25に接続し、CC1端子16aは、CC1端子26aに接続し、GND端子17は、GND端子27に接続する。
【0032】
Rd抵抗21aは、CC1端子26aとグラウンドとの間に接続されている。Rd抵抗21aは、接点24aを介してCC1端子26aに接続されている。接点24aは、電力供給能力検知回路22及びソース接続検知回路23に接続されている。
【0033】
Rd抵抗21bは、CC2端子26bとグラウンドとの間に接続されている。Rd抵抗21bは、接点24bを介してCC2端子26bに接続されている。接点24bは、電力供給能力検知回路22及びソース接続検知回路23に接続されている。
【0034】
電力供給能力検知回路22は、接点24a、接点24b及びソース接続検知回路23に接続されている。電力供給能力検知回路22は、Rd抵抗21a、Rd抵抗21b及び電流出力回路の少なくともいずれかの電圧レベルを検知することにより、接続したCCPHY10の電力供給能力を検知する。電力供給能力検知回路22は、検知した結果をソース接続検知回路23に出力してもよい。
【0035】
ソース接続検知回路23は、接点24a、接点24b、電力供給能力検知回路22及びVBUS端子25に接続されている。ソース接続検知回路23は、Rd抵抗21a、Rd抵抗21b及び電流出力回路の少なくともいずれかの電圧レベルを検知することにより、ソース用のCCPHY10との接続を検知してもよい。ソース接続検知回路23は、電力供給能力検知回路22が検知した結果に基づいて、ソース用のCCPHY10との接続を検知してもよい。ソース接続検知回路23は、VBUS端子25における電力の供給を検知してもよい。
【0036】
ソース接続検知回路23は、検知した情報をマルチプレクサ制御部(Mux CNTL)及びPDに出力する。GND端子27は、グラウンドに接続されている。
【0037】
このように、比較例に係るコネクタにおいては、CCPHY10とCCPHY20とが接続した場合に、CCPHY10及びCCPHY20は、互いに、Rp抵抗11a、Rp抵抗11b、Rd抵抗21a、Rd抵抗21b及び電流出力回路等の電圧レベルを検知して、接続及びプラグの表裏の状態を判定する。
【0038】
<発明者が発見した課題>
次に、発明者が発見した課題を説明する。図3は、比較例1に係るコネクタを例示した構成図であり、ソース同士が接続された場合の機能モデルを示す。図3に示すように、CCPHY30は、CCPHY10と同様に、ソース用のCCPHYである。ソース用のCCPHY30は、Rp抵抗31aまたは電流出力回路、Rp抵抗31bまたは電流出力回路、スイッチ32a、スイッチ32b、シンク及びケーブル接続検知回路33、トランジスタ34、VBUS端子35、CC1端子36a、CC2端子36b及びGND端子37を有している。
【0039】
Rp抵抗31a、Rp抵抗31b、スイッチ32a、スイッチ32b、シンク及びケーブル接続検知回路33、トランジスタ34、VBUS端子35、CC1端子36a、CC2端子36b及びGND端子37は、それぞれ、Rp抵抗11a、Rp抵抗11b、スイッチ12a、スイッチ12b、シンク及びケーブル接続検知回路13、トランジスタ14、VBUS端子15、CC1端子16a、CC2端子16b及びGND端子17と同様の機能を有している。
【0040】
Type-Cコネクタ1よりも前のUSB機器では、実装するコネクタの種類によるソースとシンクとの役割を区別することができる。このため、ソース同士が接続されることはない。しかしながら、Type-Cコネクタ1では、コネクタの種類による役割を区別することができない。このため、ソース同士が接続されることが起こりうる。ソース同士が接続された場合には、互いにシンクを検出することができない。このため、互いにVBUS電源からの給電は行われない。そして、ソース同士の接続が解消されない限り、ソース同士の接続は維持される。このため、Rp抵抗11、Rp抵抗31または電流出力回路を互いにオンした状態で待機する状態が継続する。
【0041】
Type-Cコネクタ1では、規格として電流出力回路の電源電圧は、5Vまたは3.3Vで設計することが許されている。よって、接続されたソース同士のRp抵抗11、Rp抵抗31または電流出力回路に接続される電源電圧が異なる場合がある。
【0042】
図3に示すように、ソース用のCCPHY10の電源電圧VDD1を3.3Vとし、ソース用のCCPHY30の電源電圧VDD2を5Vと仮定する。この場合に、ソース同士が接続されてからプラグが抜かれるまでの間に電源電圧VDD2から電源電圧VDD1に向けて電流が流れ込む。これにより、CC1端子16a及び36aの電圧が上昇する。よって、電源電圧VDD1に接続された電流出力回路等の素子特性の劣化が懸念される。または、CCPHY10が絶対最大定格の低いトランジスタを使って設計されている場合には、素子そのものが破壊される懸念がある。このような懸念を回避するために、比較例のType-Cコネクタ1の回路では、5V以上の高電圧耐性のあるトランジスタを使用して設計するのが一般的である。
【0043】
しかしながら、高耐圧耐性のあるトランジスタを使用して設計することによって、以下の課題が発生する。
【0044】
1.高耐圧耐性のあるトランジスタの製造は、リソグラフィに用いるマスクの枚数の増加につながり、製造コストを増加させる。
【0045】
2.先端プロセスで設計されたUSB3.x/USB2.0と組み合わせて、Type-Cコネクタ1を実装する場合には、CCPHY10のみ別チップになるケースが多いため、BOM(Bill of Materials)コストが増加する。
【0046】
<実施形態1>
次に、実施形態1に係る過電圧保護回路を説明する。本実施形態の過電圧保護回路は、例えば、上述した課題を解決するためのものである。
【0047】
<過電圧保護回路の構成>
図4及び図5は、実施形態1に係る過電圧保護回路を例示した構成図である。図4及び図5は、過電圧保護回路の一部をブロック図で示し、一部を回路図で示している。図4に示すように、過電圧保護回路100は、電流出力回路110及びゲート入力回路160を備えている。具体的には、図5に示すように、過電圧保護回路100は、電流出力回路110、ゲート制御回路120、入力制御回路130、端子配線PAD、入力配線PG、ゲート配線PGF及びバックゲート配線FNWを備えてもよい。すなわち、ゲート入力回路160は、ゲート制御回路120及び入力制御回路130を含んでもよい。
【0048】
電流出力回路110は、トランジスタ111、トランジスタ112及びトランジスタ113を含む。トランジスタ111、トランジスタ112及びトランジスタ113を、それぞれ、第1トランジスタ、第2トランジスタ及び第3トランジスタと呼ぶ場合がある。トランジスタ111、トランジスタ112及びトランジスタ113は、一例として、P型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。なお、トランジスタ111、トランジスタ112及びトランジスタ113は、以下で示す機能を有していれば、P型に限らず、N型でもよいし、MOSトランジスタに限らず、他の種類のトランジスタ等でもよい。以降で示す各トランジスタについても同様である。
【0049】
トランジスタ111は、電源VD33と端子との間に配置されている。端子は、一例として、USBにおけるType-Cコネクタ1のソース用のCC端子16である。以下では、端子は、CC端子16として説明する。トランジスタ111は、電源VD33から電流Ipが流れるように駆動する。トランジスタ112は、トランジスタ111とCC端子16との間に配置されている。トランジスタ112は、CC端子16に印加された電圧からトランジスタ111を保護するように駆動する。トランジスタ113は、電源VD33と参照電流IREFが流れる配線との間に配置されている。トランジスタ111のゲートは、トランジスタ113のゲートと接続されている。
【0050】
電流出力回路110は、電源VD33から電流Ipが流れるように駆動するトランジスタ111に当該電流Ipを出力させる。電流出力回路110は、トランジスタ112による制御によって、CC端子16に印加された電圧からトランジスタ111を保護する。電源VD33の電圧は、例えば、5Vよりも小さい電圧でもよい。例えば、電源VD33の電圧は、3.3Vである。なお、電源VD33の電圧は、5Vよりも小さい電圧及び3.3Vに限らない。トランジスタ111は、3.3Vよりも高電圧に対して耐性のあるトランジスタでなくてもよい。したがって、CCPHY10は、3.3Vよりも高電圧に対して耐性のあるトランジスタを使用せずに設計されてもよい。すなわち、トランジスタ111及びCCPHY10は、3.3V以下の電圧に耐性を有するトランジスタ及びCCPHYでもよい。
【0051】
図4に示すように、ゲート入力回路160は、トランジスタ112のゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御する。ゲート入力回路160は、CC端子16に印加された電圧に応じて、トランジスタ112のゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御する。以下で、ゲート入力回路160の具体例を説明する。
【0052】
図5に示すように、ゲート制御回路120を、Nウェル及びゲート制御回路120と呼ぶ場合がある。ゲート制御回路120は、トランジスタ112のゲートにゲート配線PGFによって接続されている。ゲート配線PGFは、トランジスタ112のゲートに接続された配線である。ゲート制御回路120は、トランジスタ112のバックゲートにバックゲート配線FNWによって接続されている。バックゲート配線FNWは、トランジスタ112のバックゲートに接続された配線である。ゲート配線PGF及びバックゲート配線FNWを介して、ゲート制御回路120は、トランジスタ112のゲート及びバックゲートを制御する。具体的には、例えば、ゲート制御回路120は、トランジスタ112のゲートの電圧及びバックゲートの電圧を制御してもよい。
【0053】
ゲート制御回路120は、入力制御回路130の接点N3に入力配線PGによって接続されている。入力配線PGは、入力制御回路130から入力電圧が入力される配線である。ゲート制御回路120は、入力制御回路130から入力電圧を入力される。ゲート制御回路120は、入力された入力電圧に応じて、トランジスタ112のゲート及びバックゲートを制御する。
【0054】
ゲート制御回路120は、CC端子16に端子配線PADを介して接続されている。端子配線PADは、CC端子16に接続された配線である。ゲート制御回路120は、電流出力回路110の動作時にCC端子16に過電圧が印加されたときに、CC端子16に印加された電圧に追従して電流出力回路110の過電圧保護用のトランジスタ112のゲート及びバックゲートを制御する。これにより、ゲート制御回路120は、トランジスタ112のNウェルの電圧及びゲート電圧を制御する。
【0055】
例えば、ゲート制御回路120は、入力制御回路130から第1入力電圧を入力された場合には、電流出力回路110が電流IpをCC端子16に出力するように、ゲート配線PGF及びバックゲート配線FNWを介してトランジスタ112のゲートを制御する。具体的には、ゲート制御回路120は、第1入力電圧として、0Vを入力された場合には、トランジスタ112のゲート電圧を0V、バックゲート電圧を3.3Vにし、トランジスタ112をONさせる。
【0056】
一方、ゲート制御回路120は、入力制御回路130から第2入力電圧を入力された場合には、電流出力回路110を保護するようにトランジスタ112のゲートを制御する。具体的には、ゲート制御回路120は、第2入力電圧として、3.3Vを入力された場合には、トランジスタ112をオフさせる。
【0057】
入力制御回路130は、入力配線PGを介して、ゲート制御回路120に接続されている。入力制御回路130は、ゲート制御回路120に入力配線PGを介して入力電圧を入力する。入力制御回路130は、端子配線PADを介して、CC端子16に接続されている。入力制御回路130は、CC端子16に印加された電圧に応じて入力電圧を変化させる。
【0058】
例えば、入力制御回路130は、CC端子16に所定の閾値以下の第1電圧が印可された場合には、入力電圧として第1入力電圧をゲート制御回路120に入力する。一方、入力制御回路130は、CC端子16に所定の閾値よりも大きい第2電圧が印可された場合には、入力電圧として第2入力電圧をゲート制御回路120に入力する。入力制御回路130は、第1入力電圧及び第2入力電圧の少なくともいずれかを、入力配線PGを介してゲート制御回路120に入力する。所定の閾値は、例えば、電源VD33の電圧と同じ電圧値である。
【0059】
このように、入力制御回路130は、CC端子16に印加される電圧範囲に応じて、ゲート制御回路120の入力電圧の設定を切り替える。このような構成により、過電圧保護回路100は、電流出力回路110の動作保証範囲内の正常動作、及び、電流出力回路110の過電圧からの保護の両方を実現する。
【0060】
入力制御回路130は、バイアス回路140及び制御回路150を含む。バイアス回路140は、基準電流Nbiasを生成する。バイアス回路140は、制御回路150に接続されている。バイアス回路140は、入力制御回路130自体を過電圧から保護することを目的として、生成した基準電流Nbiasを制御回路150に供給する。制御回路150は、端子配線PADを介してCC端子16に接続されている。制御回路150は、入力配線PGを介してゲート制御回路120に接続されている。制御回路150は、CC端子16に印加される電圧範囲に応じて、ゲート制御回路120に入力する入力電圧を制御する。
【0061】
図6は、実施形態1に係る過電圧保護回路100を例示した回路図である。図6に示すように、電流出力回路110において、トランジスタ111の一端は、電源VD33に接続し、トランジスタ111の他端は、トランジスタ112の一端に接続している。トランジスタ111のゲートは、トランジスタ113のゲートに接続している。
【0062】
トランジスタ112の一端は、トランジスタ111の他端に接続し、トランジスタ112の他端は、CC端子16に接続している。トランジスタ112のゲート及びバックゲートは、ゲート制御回路120に接続している。具体的には、トランジスタ112のゲートは、ゲート配線PGFを介してゲート制御回路120に接続し、トランジスタ112のバックゲートは、バックゲート配線FNWを介してゲート制御回路120に接続している。
【0063】
トランジスタ113の一端は、電源VD33に接続し、トランジスタ113の他端は、参照電流IREFが流れる配線に接続している。トランジスタ113のゲートは、トランジスタ111のゲートに接続している。
【0064】
トランジスタ111、トランジスタ112及びトランジスタ113がPMOSトランジスタの場合には、例えば、トランジスタ111、トランジスタ112及びトランジスタ113の一端は、ソースでもよいし、他端は、ドレインでもよい。
【0065】
ゲート制御回路120は、トランジスタ121、トランジスタ122、トランジスタ123、トランジスタ124及びトランジスタ125を含む。トランジスタ121から125を、ゲート制御回路120に配置されたトランジスタを示すように、ゲート制御トランジスタ121から125と呼び場合もある。トランジスタ121、トランジスタ122、トランジスタ123及びトランジスタ124は、例えば、PMOSトランジスタである。トランジスタ125は、例えば、NMOSトランジスタである。
【0066】
トランジスタ121の一端は、入力配線PGに接続し、トランジスタ121の他端は、ゲート配線PGFに接続している。トランジスタ121のゲートは、端子配線PADに接続し、トランジスタ121のバックゲートは、バックゲート配線FNWに接続している。
【0067】
トランジスタ122の一端は、ゲート配線PGFに接続し、トランジスタ122の他端は、端子配線PADに接続している。トランジスタ122のゲートは、電源VD33に接続し、トランジスタ122のバックゲートは、バックゲート配線FNWに接続している。
【0068】
トランジスタ123の一端は、電源VD33に接続し、トランジスタ123の他端は、バックゲート配線FNWに接続している。トランジスタ123のゲートは、端子配線PADに接続し、トランジスタ123のバックゲートは、バックゲート配線FNWに接続している。
【0069】
トランジスタ124の一端は、入力配線PGに接続し、トランジスタ124の他端は、ゲート配線PGFに接続している。トランジスタ124のゲートは、ゲート配線PGFに接続している。トランジスタ124のバックゲートは、バックゲート配線FNWに接続している。
【0070】
トランジスタ125の一端は、ゲート配線PGFに接続し、トランジスタ125の他端は、入力配線PGに接続している。トランジスタ125のゲートは、電源VD33に接続し、トランジスタ125のバックゲートは、入力配線PGに接続している。
【0071】
トランジスタ121、トランジスタ122、トランジスタ123及びトランジスタ124がPMOSトランジスタであり、トランジスタ125がNMOSトランジスタの場合には、例えば、トランジスタ121から125の一端は、ソースでもよいし、他端は、ドレインでもよい。
【0072】
入力制御回路130は、トランジスタ131、トランジスタ132、トランジスタ133、トランジスタ134、トランジスタ135、トランジスタ136、トランジスタ137、トランジスタ138、トランジスタ139、抵抗R1、接点N1、接点N2及び接点N3を含む。トランジスタ131から139を、入力制御回路130に配置されたトランジスタを示すように、入力制御トランジスタ131から139と呼び場合もある。接点N1、接点N2及び接点N3を、それぞれ、第1接点、第2接点及び第3接点と呼ぶ場合がある。
【0073】
トランジスタ131、トランジスタ132、トランジスタ133及びトランジスタ134は、例えば、PMOSトランジスタである。トランジスタ135、トランジスタ136、トランジスタ137、トランジスタ138及びトランジスタ139は、例えば、NMOSトランジスタである。
【0074】
トランジスタ131の一端は、電源VD33に接続している。トランジスタ131の他端は、抵抗R1の一端、トランジスタ131のゲート、トランジスタ132のゲート、及び、トランジスタ134のゲートに接続している。トランジスタ131のゲートは、トランジスタ131の他端、トランジスタ132のゲート、トランジスタ134のゲート、及び、抵抗R1の一端に接続している。
【0075】
抵抗R1の一端は、トランジスタ131の他端、トランジスタ131のゲート、トランジスタ132のゲート、及び、トランジスタ134のゲートに接続し、抵抗R1の他端は、グラウンドに接続している。
【0076】
トランジスタ132の一端は、電源VD33に接続し、トランジスタ132の他端は、トランジスタ135の他端、トランジスタ135のゲート、トランジスタ137のゲート、及び、トランジスタ138のゲートに接続している。トランジスタ132のゲートは、トランジスタ131のゲート、トランジスタ131の他端、抵抗R1の一端、トランジスタ134のゲートに接続している。
【0077】
トランジスタ133の一端は、電源VD33に接続し、トランジスタ133の他端は、接点N2に接続している。トランジスタ133のゲートは、接点N1に接続している。
【0078】
トランジスタ134の一端は、電源VD33に接続し、トランジスタ134の他端は、接点N3に接続している。トランジスタ134のゲートは、トランジスタ131のゲート、トランジスタ131の他端、抵抗R1の一端、及び、トランジスタ132のゲートに接続している。
【0079】
トランジスタ135の一端は、グラウンドに接続し、トランジスタ135の他端は、トランジスタ132の他端、トランジスタ135のゲート、トランジスタ137のゲート及びトランジスタ138のゲートに接続している。トランジスタ135のゲートは、トランジスタ132の他端、トランジスタ135の他端、トランジスタ137のゲート及びトランジスタ138のゲートに接続している。
【0080】
トランジスタ136の一端は、トランジスタ137の他端及び接点N1に接続し、トランジスタ136の他端は、電源VD33に接続している。トランジスタ136のゲートは、端子配線PADに接続し、トランジスタ136のバックゲートは、接点N1に接続している。
【0081】
トランジスタ137の一端は、グラウンドに接続し、トランジスタ137の他端は、トランジスタ136の一端及び接点N1に接続している。トランジスタ137のゲートは、トランジスタ132の他端、トランジスタ135の他端、トランジスタ135のゲート、及び、トランジスタ138のゲートに接続している。
【0082】
トランジスタ138の一端は、グラウンドに接続し、トランジスタ138の他端は、接点N2に接続している。トランジスタ138のゲートは、トランジスタ135のゲート、トランジスタ135の他端、トランジスタ132の他端、及び、トランジスタ137のゲートに接続している。
【0083】
トランジスタ139の一端は、グラウンドに接続し、トランジスタ139の他端は、接点N3に接続している。トランジスタ139のゲートは、接点N2に接続している。
【0084】
接点N1は、トランジスタ136のバックゲート、トランジスタ136の一端、トランジスタ137の他端、トランジスタ133のゲートに接続している。接点N2は、トランジスタ133の他端、トランジスタ138の他端、及び、トランジスタ139のゲートに接続している。接点N3は、トランジスタ134の他端、トランジスタ139の他端、及び、入力配線PGに接続している。
【0085】
トランジスタ131から134がPMOSトランジスタであり、トランジスタ135から139がNMOSトランジスタの場合には、例えば、トランジスタ131から139の一端は、ソースでもよいし、他端は、ドレインでもよい。
【0086】
<過電圧保護回路の動作>
次に、本実施形態の過電圧保護回路100の動作を説明する。図7は、実施形態1に係る過電圧保護回路100の動作を例示したグラフであり、横軸は、CC端子16に印加された電圧VPADを示し、左側の縦軸は、電圧を示し、右側の縦軸は、電流を示す。
【0087】
図7に示すように、例えば、一例として、CC端子16に印加された電圧VPADが3.3V以下の場合には、入力制御回路130は、入力配線PGを介してゲート制御回路120に入力する入力電圧を0Vに設定する(PG=0V)。これによって、ゲート制御回路120は、電流出力回路110の過電圧保護用のトランジスタ112のゲート電圧を、ゲート配線PGF(TOLG)を介して0Vに固定する。また、ゲート制御回路120は、トランジスタ112のバックゲート電圧を、バックゲート配線FNW(TOLNW)を介して3.3Vに固定する。このような動作により、電流出力回路110は、規格に定められた動作保証範囲内において、トランジスタ111の他端を介して(NS≦3.3V)、所定の電流Ipを出力することができる。
【0088】
一方、CC端子16に印加された電圧が3.3Vよりも大きい場合には、入力制御回路130は、入力配線PGを介してゲート制御回路120に入力する入力電圧を3.3Vに設定する(PG=3.3V)。これによって、ゲート制御回路120は、CC端子16に印加された電圧VPAD(すなわち、端子配線PADの電圧)に追従しながら、電流出力回路110のトランジスタ112のゲート及びバックゲートの電圧を、ゲート配線PGF(TOLG)及びバックゲート配線(TOLNW)を介して制御する。したがって、過電圧保護回路100は、電流出力回路110を過電圧から保護することができる。
【0089】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の過電圧保護回路100は、高耐圧耐性のあるトランジスタを使用することなく、電流出力回路110の動作中にCC端子16等の端子に高電圧が印加されたとしても、内部素子の特性劣化や破壊を抑制することができる。よって、製造コストを抑制しつつ、コネクタ等の半導体装置を過電圧から保護することができる。
【0090】
本実施形態の過電圧保護回路100は、CC端子16等の端子に印加された電圧の範囲によって、ゲート制御回路120の入力電圧の設定を切り替える。これにより、電流出力回路110の正常動作と過電圧保護の両方を実現することができる。
【0091】
<比較例2>
次に、比較例2及び実施形態2を説明する。比較例2に係るコネクタは、DRP(Dual Role Power)に対応するものである。Type-Cコネクタでは、DRPという概念が存在する。DRPでは、Type-Cコネクタの非接続時に、ソースとシンクとの役割を周期的に切り替えることが許されている。
【0092】
図8は、比較例2に係るコネクタを例示した構成図であり、DRP対応の機能モデルを示す。図8は、例えば、非特許文献1に記載のDRPの機能モデルを示している。図8に示すように、比較例2のCCPHY40は、Rp抵抗41aまたは電流出力回路、Rp抵抗41bまたは電流出力回路、Rd抵抗48a、Rd抵抗48b、スイッチ42a、スイッチ42b、ソース/シンク及びケーブル接続検知回路43a、電力供給能力検知回路43b、シンク/ソース検知回路43c、トランジスタ44a、トランジスタ44b、VBUS端子45、CC1端子46a、CC2端子46b及びGND端子47を有している。ここでは、Rp抵抗41aまたは電流出力回路のうち、Rp抵抗41aの場合を示し、Rp抵抗41bまたは電流出力回路のうち、Rp抵抗41bの場合を示している。図8に示すように、CCPHY40は、ソース及びシンクの両方の機能を有している。CCPHY40は、対向デバイスの役割によって、ソース及びシンクのどちらの機能でも動作可能である。例えば、CCPHY40は、ソースまたはシンクに切り替えるDRP対応の信号を受信することにより、ソースまたはシンクの役割を切り替える。
【0093】
<発明者が発見した課題>
図9は、比較例2に係るコネクタに適用した過電圧保護回路の課題を例示した図である。比較例2のCCPHY40に、実施形態1の過電圧保護回路100を適用した場合を検討する。実施形態1の過電圧保護回路100をDRP対応のCCPHY40に適用した場合に、CCPHY40をシンクとしてソースに接続すると、CCPHY40の過電圧保護回路100における電流出力回路110は未使用となる。それにもかかわらず、入力制御回路130のバイアス回路140は、常時オン状態であるため、図9に示すように、不要な電流Ibが数10μA程度定常的に流れ続けるという課題が発生する。
【0094】
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る過電圧保護回路を説明する。本実施形態の過電圧保護回路は、上記課題を解決するために、入力制御回路130にディセーブル機能を追加することにより、DRPに対応させている。具体的には、過電圧保護回路は、ソースまたはシンクに切り替えるDRP対応の信号に連動させて、ディセーブル機能を無効または有効にする。これにより、シンクとして動作させる場合には、ディセーブル機能を有効にして定電流を停止させるようにする。一方、ソースとして動作させる場合には、ディセーブル機能を無効にする。したがって、実施形態1に係る過電圧保護回路100と同様に動作させることができる。
【0095】
<過電圧保護回路の構成>
図10は、実施形態2に係る過電圧保護回路を例示した回路図である。図10に示すように、本実施形態の過電圧保護回路200は、電流出力回路110、ゲート制御回路120及び入力制御回路230を備えている。過電圧保護回路200における電流出力回路110及びゲート制御回路120の構成は、実施形態1の過電圧保護回路100の構成と同様である。
【0096】
入力制御回路230は、入力制御回路130の構成に加えて、入力制御回路130をディセーブルにする機能を有するディセーブル手段を含んでいる。具体的には、入力制御回路230は、バイアス回路240、制御回路250、及び、これらをディセーブルにする機能を有するディセーブル手段を含む。
【0097】
ディセーブル手段は、例えば、入力制御回路230が入力配線PGを介してゲート制御回路120に入力する入力電圧として電源VD33と同じ電圧値を入力するように、バイアス回路240及び制御回路250をディセーブルにする。ディセーブル手段は、イネーブル信号が入力される信号端子241、インバータ242、トランジスタ231、トランジスタ232、トランジスタ233、トランジスタ234、トランジスタ235、トランジスタ236、及び、トランジスタ237を含む。
【0098】
トランジスタ231から237を、ディセーブル手段に含まれるトランジスタを示すように、ディセーブルトランジスタ231から237と呼ぶ場合がある。トランジスタ231、トランジスタ232、トランジスタ233及びトランジスタ234は、例えば、PMOSトランジスタである。トランジスタ235、トランジスタ236、及び、トランジスタ237は、例えば、NMOSトランジスタである。
【0099】
インバータ242の入力端子は、信号端子241、トランジスタ231のゲート、トランジスタ233のゲート、トランジスタ234のゲート、及び、トランジスタ235のゲートに接続している。インバータ242の出力端子は、トランジスタ232のゲート、トランジスタ236のゲート、及び、トランジスタ237のゲートに接続している。
【0100】
トランジスタ231の一端は、電源VD33に接続し、トランジスタ231の他端は、抵抗R1の一端、トランジスタ131の他端、トランジスタ131のゲート、トランジスタ132のゲート、及び、トランジスタ134のゲートに接続している。トランジスタ231のゲートは、信号端子241、インバータ242の入力端子、トランジスタ233のゲート、トランジスタ234のゲート、及び、トランジスタ235のゲートに接続している。
【0101】
トランジスタ232の一端は、電源VD33に接続し、トランジスタ232の他端は、トランジスタ136の他端に接続している。トランジスタ232のゲートは、インバータ242の出力端子、トランジスタ236のゲート、及び、トランジスタ237のゲートに接続している。
【0102】
トランジスタ233の一端は、電源VD33に接続し、トランジスタ233の他端は、接点N1に接続している。トランジスタ233のゲートは、信号端子241、インバータ242の入力端子、トランジスタ234のゲート、トランジスタ231のゲート、及び、トランジスタ235のゲートに接続している。
【0103】
トランジスタ234の一端は、電源VD33に接続し、トランジスタ234の他端は、接点N3に接続している。トランジスタ234のゲートは、信号端子241、インバータ242の入力端子、トランジスタ233のゲート、トランジスタ231のゲート、及び、トランジスタ235のゲートに接続している。
【0104】
トランジスタ235の一端は、グラウンドに接続し、トランジスタ235の他端は、抵抗R1の他端に接続している。トランジスタ235のゲートは、信号端子241、インバータ242の入力端子、トランジスタ231のゲート、トランジスタ233のゲート、及び、トランジスタ234のゲートに接続している。
【0105】
トランジスタ236の一端は、グラウンドに接続し、トランジスタ236の他端は、トランジスタ132の他端、トランジスタ135の他端、トランジスタ135のゲート、トランジスタ137のゲート、及び、トランジスタ138のゲートに接続している。トランジスタ236のゲートは、インバータ242の出力端子、トランジスタ237のゲート、及び、トランジスタ232のゲートに接続している。
【0106】
トランジスタ237の一端は、グラウンドに接続し、トランジスタ237の他端は、接点N2に接続している。トランジスタ237のゲートは、インバータ242の出力端子、トランジスタ232のゲート、及び、トランジスタ236のゲートに接続している。
【0107】
トランジスタ231から234がPMOSトランジスタであり、トランジスタ235から237がNMOSトランジスタの場合には、例えば、トランジスタ231から237の一端は、ソースでもよいし、他端は、ドレインでもよい。
【0108】
<過電圧保護回路の動作>
次に、過電圧保護回路の動作を説明する。図11は、実施形態2に係る過電圧保護回路の動作を例示したグラフであり、横軸は、CC端子に印加された電圧VPADを示し、左側の縦軸は電圧を示し、右側の縦軸は電流を示す。ディセーブル機能を無効にした場合の過電圧保護回路200の動作は、実施形態1に係る過電圧保護回路100の動作と同様であるので省略する。
【0109】
図11に示すように、ディセーブル機能を有効にした場合には、入力制御回路230は、ゲート制御回路120の入力配線PGの電圧を、例えば、電源VD33と同じ3.3Vに固定する(PG=3.3V)。これにより、CC端子16に印加された電圧VPADが3.3V以下の場合には、ゲート制御回路120は、電流出力回路110の過電圧保護用のトランジスタ112のゲート電圧及びバックゲート電圧を3.3Vに固定する。よって、電流出力回路110は、電流の出力を停止する。
【0110】
一方、CC端子16に印加された電圧VPADが3.3Vよりも大きい場合には、ゲート制御回路120は、CC端子16に印加された電圧に追従しながら、電流出力回路110のトランジスタ112のゲートの電圧及びバックゲートの電圧を、ゲート配線PGF(TOLG)及びバックゲート配線(TOLNW)を介して制御する。したがって、過電圧保護回路100は、電流出力回路110を過電圧から保護することができる。
【0111】
次に本実施形態の効果を説明する。本実施形態の過電圧保護回路200は、電流出力回路110を未使用時には、ディセーブル機能を有効にすることにより、過電圧からトランジスタ111を保護することができるとともに、動作電流を抑えることができる。一方、過電圧保護回路200は、電流出力回路110の使用時には、ディセーブル機能を無効にすることにより実施形態1の過電圧保護回路100と同様の効果を得ることができる。
【0112】
以上、本発明者によってなされた開示を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本開示は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、実施形態1及び2の過電圧保護回路を含むCCPHY、及び、そのようなCCPHYを含むコネクタに変更可能である。その場合に、CCPHYは、USBにおけるType-Cコネクタのソース用でもよいし、USBにおけるType-CコネクタのDRP対応のものでもよい。また、実施形態1及び2の過電圧保護回路は、USBにおけるType-Cコネクタに適用するだけでなく、一般的なコネクタに適用してもよいし、そのようなコネクタを含む半導体装置に適用してもよい。さらに、実施形態1及び2の過電圧保護回路は、コネクタに限らず、端子を有する半導体装置に適用してもよい。また、実施形態1及び実施形態2の各構成を組み合わせたものも、技術的思想の範囲である。
【符号の説明】
【0113】
1 Type-Cコネクタ
2、3 パワーIC
4 スイッチ
5 ホストコントローラ
6 USB2.0/3.xPHY
7 TYPE-C/PDコントローラ
8 ESD保護回路
10 CCPHY
11a、11b Rp抵抗
12a、12b スイッチ
13 シンク及びケーブル接続検知回路
14 トランジスタ
15 VBUS端子
16 CC端子
16a CC1端子
16b CC2端子
17 GND端子
20 CCPHY
21a、21b Rd抵抗
22 電力供給能力検知回路
23 ソース接続検知回路
24a、24b 接点
25 VBUS端子
26a CC1端子
26b CC2端子
27 GND端子
30 CCPHY
31a、31b Rp抵抗
32a、32b スイッチ
33 シンク及びケーブル接続検知回路
34 トランジスタ
35 VBUS端子
36a CC1端子
36b CC2端子
37 GND端子
40 CCPHY
41a Rp抵抗
41b Rp抵抗
42a スイッチ
42b スイッチ
43a ソース/シンク及びケーブル接続検知回路
43b 電力供給能力検知回路
43c シンク/ソース検知回路
44a、44b トランジスタ
45 VBUS端子
46a CC1端子
46b CC2端子
47 GND端子
48a Rd抵抗
48b Rd抵抗
100 過電圧保護回路
110 電流出力回路
111、112、113 トランジスタ
120 ゲート制御回路
121、122、123、124、125 トランジスタ
130 入力制御回路
131、132、133、134、135、136、137、138 トランジスタ
139 トランジスタ
140 バイアス回路
150 制御回路
160 ゲート入力回路
200 過電圧保護回路
230 入力制御回路
231、232、233、234、235、236、237 トランジスタ
240 バイアス回路
241 信号端子
242 インバータ
250 制御回路
FNW バックゲート配線
Ip 電流
IREF 参照電流
N1、N2、N3 接点
Nbias 基準電流
PAD 端子配線
PG 入力配線
PGF ゲート配線
R1 抵抗
VD33 電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13