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特開2024-123640電動工具、電動工具システム、アタッチメント、及び交換式工具システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123640
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】電動工具、電動工具システム、アタッチメント、及び交換式工具システム
(51)【国際特許分類】
   B25F 3/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B25F3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031227
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】322003732
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】百枝 幸太郎
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀規
(72)【発明者】
【氏名】工藤 敏男
【テーマコード(参考)】
3C064
【Fターム(参考)】
3C064AA01
3C064AA02
3C064AB02
3C064AC02
3C064AD02
3C064BA12
3C064BA25
3C064BB32
3C064CA54
3C064CB01
3C064CB13
3C064CB17
3C064CB19
3C064CB62
3C064CB71
3C064CB92
3C064CB93
(57)【要約】
【課題】アタッチメントとの組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できる電動工具、電動工具システム、アタッチメント、及び交換式工具システムを提供すること。
【解決手段】電動工具1では、接続面132と工具側係合部131との間の所定方向D1の寸法X11は、少なくとも1つの専用凸部321の先端と専用係合部31との間の所定方向D1の寸法X31と同じ、かつ、少なくとも1つの兼用凸部521の先端と兼用係合部51との間の所定方向D1の寸法X51と同じである。少なくとも1つの工具側凸部133の先端と工具側係合部131との間の所定方向D1の寸法X12は、専用アタッチメント3の端面32と専用係合部31との間の所定方向D1の寸法X32と同じ、かつ、兼用アタッチメント5の端面52と兼用係合部51との間の所定方向D1の寸法X52より大きい。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定種類の電動工具のみに取り付けられる専用アタッチメント、及び前記所定種類の電動工具と前記所定種類の電動工具とは異なる種類の電動工具との両方に取り付けられる兼用アタッチメントが選択的に取り付け可能に構成される電動工具であって、
駆動部と、
前記駆動部によって回転する出力軸と、
前記出力軸の周りに設けられ、前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントが取り付けられる取付部と、を備え、
前記取付部は、
前記専用アタッチメントが有する専用係合部、及び前記兼用アタッチメントが有する兼用係合部に係合可能に構成される工具側係合部と、
前記工具側係合部が前記専用係合部又は前記兼用係合部に係合される場合、前記専用アタッチメントの端面又は前記兼用アタッチメントの端面が接続する接続面と、を有し、
前記電動工具に前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントが取付けられる場合、前記電動工具と前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントとは、所定方向に並んでおり、
前記接続面には、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの工具側凸部が形成され、
前記専用アタッチメントの端面には、前記工具側凸部とかみ合うように配置され、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの専用凸部が設けられており、
前記兼用アタッチメントの端面には、前記工具側凸部とかみ合うように配置され、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの兼用凸部が設けられており、
前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、
前記少なくとも1つの専用凸部の先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じ、かつ、
前記少なくとも1つの兼用凸部の先端と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じであり、
前記少なくとも1つの工具側凸部の先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、
前記専用アタッチメントの端面と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じ、かつ、
前記兼用アタッチメントの端面と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法より大きい、
ことを特徴とする電動工具。
【請求項2】
所定種類の電動工具のみに取り付けられる専用アタッチメント、及び前記所定種類の電動工具と前記所定種類の電動工具とは異なる種類の電動工具との両方に取り付けられる兼用アタッチメントが選択的に取り付け可能に構成される電動工具であって、
駆動部と、
前記駆動部によって回転する出力軸と、
前記出力軸の周りに設けられ、前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントが取り付けられる取付部と、を備え、
前記取付部は、
前記専用アタッチメントが有する専用係合部、及び前記兼用アタッチメントが有する兼用係合部に係合可能に構成される工具側係合部と、
前記工具側係合部が前記専用係合部又は前記兼用係合部に係合される場合、前記専用アタッチメントの端面又は前記兼用アタッチメントの端面が接続する接続面と、を有し、
前記電動工具に前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントが取付けられる場合、前記電動工具と前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントとは、所定方向に並んでおり、
前記接続面には、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの工具側凸部が形成され、
前記専用アタッチメントの端面には、前記工具側凸部とかみ合うように配置され、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの専用凸部が設けられており、
前記兼用アタッチメントの端面には、前記工具側凸部とかみ合うように配置され、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの兼用凸部が設けられており、
前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、
前記少なくとも1つの専用凸部の先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じ、かつ、
前記少なくとも1つの兼用凸部の先端と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法より大きく、
前記少なくとも1つの工具側凸部の先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、
前記専用アタッチメントの端面と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じ、かつ、
前記兼用アタッチメントの端面と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである、
ことを特徴とする電動工具。
【請求項3】
前記接続面には、前記工具側凸部が複数形成され、
前記複数の工具側凸部は、円環状に並んで前記取付部に形成される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具。
【請求項4】
前記少なくとも1つの工具側凸部は、前記接続面に接続している端部から前記工具側凸部の前記先端に向かって幅が狭まるテーパ形状に形成される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具。
【請求項5】
請求項1に記載の電動工具である第1電動工具と、請求項2に記載の電動工具である第2電動工具と、を備える電動工具システムであって、
請求項1に記載の専用アタッチメントは、第1専用アタッチメントであり、
請求項2に記載の専用アタッチメントは、第2専用アタッチメントであり、
前記第1電動工具における前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第2専用アタッチメントにおける前記少なくとも1つの専用凸部の前記先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法より小さく、
前記第1電動工具における前記少なくとも1つの工具側凸部の前記先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第2専用アタッチメントの端面と前記第2専用アタッチメントの前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法より大きく、
前記第2電動工具における前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第1専用アタッチメントにおける前記少なくとも1つの専用凸部の先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法より大きく、
前記第2電動工具における前記少なくとも1つの工具側凸部の前記先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第1専用アタッチメントの端面と前記第1専用アタッチメントの前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法より小さい、
ことを特徴とする電動工具システム。
【請求項6】
請求項1に記載の電動工具のみに取り付けられる前記専用アタッチメントであるアタッチメントであって、
前記専用係合部と、
前記専用係合部が前記工具側係合部に係合される場合、前記接続面が接続する端面と、
先端工具を保持する保持部と、
前記専用係合部が前記工具側係合部に係合される場合、前記出力軸の回転を前記保持部に伝達する伝達機構と、を備え、
前記端面には、前記少なくとも1つの専用凸部が設けられており、
前記少なくとも1つの専用凸部の先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じ、
前記端面と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記少なくとも1つの工具側凸部の先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである、
アタッチメント。
【請求項7】
請求項2に記載の電動工具のみに取り付けられる前記専用アタッチメントであるアタッチメントであって、
前記専用係合部と、
前記専用係合部が前記工具側係合部に係合される場合、前記接続面が接続する端面と、
先端工具を保持する保持部と、
前記専用係合部が前記工具側係合部に係合される場合、前記出力軸の回転を前記保持部に伝達する伝達機構と、を備え、
前記端面には、前記少なくとも1つの専用凸部が設けられており、
前記少なくとも1つの専用凸部の先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じ、
前記端面と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記少なくとも1つの工具側凸部の先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである、
アタッチメント。
【請求項8】
請求項1に記載の電動工具である第1電動工具と、請求項2に記載の電動工具である第2電動工具と、両方に取り付けられる兼用アタッチメントであるアタッチメントであって、
前記兼用係合部と、
前記兼用係合部が前記第1電動工具又は前記第2電動工具の前記工具側係合部に係合される場合、前記接続面が接続する端面と、
先端工具を保持する保持部と、
前記兼用係合部が前記第1電動工具又は前記第2電動工具の前記工具側係合部に係合される場合、前記出力軸の回転を前記保持部に伝達する伝達機構と、を備え、
前記端面には、前記少なくとも1つの兼用凸部が設けられており、
前記少なくとも1つの兼用凸部の先端と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第1電動工具における前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じ、
前記端面と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第2電動工具における前記少なくとも1つの工具側凸部の先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである、
アタッチメント。
【請求項9】
請求項5に記載の電動工具システムと、
前記第1専用アタッチメントと、
前記第2専用アタッチメントと、
前記兼用アタッチメントと、を備える、
ことを特徴とする交換式工具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、電動工具、電動工具システム、アタッチメント、及び交換式工具システムに関する。より詳細には、本開示は、アタッチメントが選択的に取り付け可能に構成される電動工具、電動工具システム、アタッチメント、及び交換式工具システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インパクト力発生部と、軸部と、トルク測定部と、回転角測定部と、算出部と、制御部と、を備えるインパクト回転工具が開示されている。インパクト力発生部は、駆動源の動力をパルス状のトルクに変化させてインパクト力を発生させる。軸部は、発生したインパクト力によりパルス状のトルクを先端工具に伝達する。トルク測定部は、軸部に加わるトルクである測定トルクを測定する。回転角測定部は、軸部の回転角を測定する。算出部は、測定した回転角を基に角加速度を算出し、該角加速度と測定トルクとを基に締め付けトルクを算出する。制御部は、締め付けトルクを基に駆動源を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/154623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のインパクト回転工具のような電動工具は、トルクを測定する機能を有するアタッチメントを含む複数の種類のアタッチメントが選択的に取り付け可能に構成されている。この場合、電動工具との組み合わせが適切でないアタッチメントが当該電動工具に取付けられてしまうことが考えられる。すなわち、アタッチメントとの組み合わせが適切ではない状態で作業を行ってしまうことが考えられる。
【0005】
本開示の目的とするところは、アタッチメントとの組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できる電動工具、電動工具システム、アタッチメント、及び交換式工具システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電動工具(第1電動工具)は、所定種類の電動工具のみに取り付けられる専用アタッチメント(第1専用アタッチメント)、及び前記所定種類の電動工具と前記所定種類の電動工具とは異なる種類の電動工具との両方に取り付けられる兼用アタッチメントが選択的に取り付け可能に構成される電動工具である。前記電動工具は、駆動部と、出力軸と、取付部と、を備える。前記出力軸は、前記駆動部によって回転する。前記取付部は、前記出力軸の周りに設けられ、前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントが取り付けられる。前記取付部は、工具側係合部と、接続面と、を有する。前記工具側係合部は、前記専用アタッチメントが有する専用係合部、及び前記兼用アタッチメントが有する兼用係合部に係合可能に構成される。前記接続面は、前記工具側係合部が前記専用係合部又は前記兼用係合部に係合される場合、前記専用アタッチメントの端面又は前記兼用アタッチメントの端面が接続する。前記電動工具に前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントが取付けられる場合、前記電動工具と前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントとは、所定方向に並んでいる。前記接続面には、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの工具側凸部が形成される。前記専用アタッチメントの端面には、前記工具側凸部とかみ合うように配置され、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの専用凸部が設けられている。前記兼用アタッチメントの端面には、前記工具側凸部とかみ合うように配置され、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの兼用凸部が設けられている。前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記少なくとも1つの専用凸部の先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じ、かつ、前記少なくとも1つの兼用凸部の先端と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである。前記少なくとも1つの工具側凸部の先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記専用アタッチメントの端面と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じ、かつ、前記兼用アタッチメントの端面と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法より大きい。
【0007】
本開示の一態様に係る電動工具(第2電動工具)は、所定種類の電動工具のみに取り付けられる専用アタッチメント(第2専用アタッチメント)、及び前記所定種類の電動工具と前記所定種類の電動工具とは異なる種類の電動工具との両方に取り付けられる兼用アタッチメントが選択的に取り付け可能に構成される電動工具である。前記電動工具は、駆動部と、出力軸と、取付部と、を備える。前記出力軸は、前記駆動部によって回転する。前記取付部は、前記出力軸の周りに設けられ、前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントが取り付けられる。前記取付部は、工具側係合部と、接続面と、を有する。前記工具側係合部は、前記専用アタッチメントが有する専用係合部、及び前記兼用アタッチメントが有する兼用係合部に係合可能に構成される。前記接続面は、前記工具側係合部が前記専用係合部又は前記兼用係合部に係合される場合、前記専用アタッチメントの端面又は前記兼用アタッチメントの端面が接続する。前記電動工具に前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントが取付けられる場合、前記電動工具と前記専用アタッチメント又は前記兼用アタッチメントとは、所定方向に並んでいる。前記接続面には、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの工具側凸部が形成される。前記専用アタッチメントの端面には、前記工具側凸部とかみ合うように配置され、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの専用凸部が設けられている。前記兼用アタッチメントの端面には、前記工具側凸部とかみ合うように配置され、前記所定方向に突出する凸部である少なくとも1つの兼用凸部が設けられている。前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記少なくとも1つの専用凸部の先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じ、かつ、前記少なくとも1つの兼用凸部の先端と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法より大きい。前記少なくとも1つの工具側凸部の先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記専用アタッチメントの端面と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じ、かつ、前記兼用アタッチメントの端面と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである。
【0008】
本開示の一態様に係る電動工具システムは、上記の第1電動工具と、上記の第2電動工具と、を備える電動工具システムである。前記第1電動工具における前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第2専用アタッチメントにおける前記少なくとも1つの専用凸部の前記先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法より小さい。前記第1電動工具における前記少なくとも1つの工具側凸部の前記先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第2専用アタッチメントの端面と前記第2専用アタッチメントの前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法より大きい。前記第2電動工具における前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第1専用アタッチメントにおける前記少なくとも1つの専用凸部の先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法より大きい。前記第2電動工具における前記少なくとも1つの工具側凸部の前記先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第1専用アタッチメントの端面と前記第1専用アタッチメントの前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法より小さい。
【0009】
本開示の一態様に係るアタッチメントは、上記の第1電動工具のみに取り付けられる前記専用アタッチメントである。前記アタッチメントは、前記専用係合部と、端面と、保持部と、伝達機構と、を備える。前記端面には、前記専用係合部が前記工具側係合部に係合される場合、前記接続面が接続する。前記保持部は、先端工具を保持する。前記伝達機構は、前記専用係合部が前記工具側係合部に係合される場合、前記出力軸の回転を前記保持部に伝達する。前記端面には、前記少なくとも1つの専用凸部が設けられている。前記少なくとも1つの専用凸部の先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである。前記端面と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記少なくとも1つの工具側凸部の先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである。
【0010】
本開示の一態様に係るアタッチメントは、上記の第2電動工具のみに取り付けられる前記専用アタッチメントである。前記アタッチメントは、前記専用係合部と、端面と、保持部と、伝達機構と、を備える。前記端面には、前記専用係合部が前記工具側係合部に係合される場合、前記接続面が接続する。前記保持部は、先端工具を保持する。前記伝達機構は、前記専用係合部が前記工具側係合部に係合される場合、前記出力軸の回転を前記保持部に伝達する。前記端面には、前記少なくとも1つの専用凸部が設けられている。前記少なくとも1つの専用凸部の先端と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである。前記端面と前記専用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記少なくとも1つの工具側凸部の先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである。
【0011】
本開示の一態様に係るアタッチメントは、上記の第1電動工具と、上記の第2電動工具と、両方に取り付けられる兼用アタッチメントである。前記アタッチメントは、前記兼用係合部と、端面と、保持部と、伝達機構と、を備える。前記端面には、前記兼用係合部が前記第1電動工具又は前記第2電動工具の前記工具側係合部に係合される場合、前記接続面が接続する。前記保持部は、先端工具を保持する。前記伝達機構は、前記兼用係合部が前記第1電動工具又は前記第2電動工具の前記工具側係合部に係合される場合、前記出力軸の回転を前記保持部に伝達する。前記端面には、前記少なくとも1つの兼用凸部が設けられている。前記少なくとも1つの兼用凸部の先端と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第1電動工具における前記接続面と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである。前記端面と前記兼用係合部との間の前記所定方向の寸法は、前記第2電動工具における前記少なくとも1つの工具側凸部の先端と前記工具側係合部との間の前記所定方向の寸法と同じである。
【0012】
本開示の一態様に係る交換式工具システムは、上記の電動工具システムと、上記の第1専用アタッチメントと、上記の第2専用アタッチメントと、上記の兼用アタッチメントと、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、アタッチメントとの組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態に係る第1電動工具における第1専用アタッチメントが取り付けられている場合の外観斜視図である。
図2図2は、同上の交換式工具システムの概略構成を示すブロック図である。
図3図3は、同上の第1電動工具における要部の外観斜視図である。
図4図4は、同上の第1専用アタッチメントの外観斜視図である。
図5図5Aは、同上の第1電動工具における接続面の断面の一部を展開した概略展開図である。図5Bは、同上の第2電動工具における接続面の断面の一部を展開した概略展開図である。図5Cは、同上の第1専用アタッチメントにおける端面の断面の一部を展開した概略展開図である。図5Dは、同上の第2専用アタッチメントにおける端面の断面の一部を展開した概略展開図である。図5Eは、同上の兼用アタッチメントにおける端面の断面の一部を展開した概略展開図である。
図6図6は、同上の第1電動工具における第1専用アタッチメントが取り付けられている場合の要部断面図である。
図7図7は、同上の第1電動工具と第1専用アタッチメントとを近づけた場合における、第1電動工具の接続面及び第1専用アタッチメントの端面の断面の一部を展開した概略展開図である。
図8図8は、同上の第1電動工具と第2専用アタッチメントとを近づけた場合における、第1電動工具の接続面及び第2専用アタッチメントの端面の断面の一部を展開した概略展開図である。
図9図9は、同上の第1電動工具と兼用アタッチメントとを近づけた場合における、第1電動工具の接続面及び兼用アタッチメントの端面の断面の一部を展開した概略展開図である。
図10図10は、同上の第2電動工具と第1専用アタッチメントとを近づけた場合における、第2電動工具の接続面及び第1専用アタッチメントの端面の断面の一部を展開した概略展開図である。
図11図11は、同上の第2電動工具と第2専用アタッチメントとを近づけた場合における、第2電動工具の接続面及び第2専用アタッチメントの端面の断面の一部を展開した概略展開図である。
図12図12は、同上の第2電動工具と兼用アタッチメントとを近づけた場合における、第2電動工具の接続面及び兼用アタッチメントの端面の断面の一部を展開した概略展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態に係る電動工具及びアタッチメントについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0016】
(本実施形態)
(1)概要
以下、本実施形態に係る電動工具1の概要について、図1図5Eを参照して説明する。
【0017】
本実施形態に係る電動工具1は、作業者が締付対象(電化製品、家具等)に締付部品(ネジ、ボルト、ナット等)を締め付ける締付作業に用いられる電動ドライバを想定する。なお、電動工具1は、作業者が締付対象から締付部品を緩める取り外し作業に用いられる電動ドライバであってもよい。
【0018】
電動工具1(図1及び図2参照)は、所定種類の電動工具のみに取り付けられる専用アタッチメント3(図1及び図2参照)、及び当該所定種類の電動工具と当該所定種類の電動工具とは異なる種類の電動工具との両方に取り付けられる兼用アタッチメント5(図2参照)が選択的に取り付け可能に構成される電動工具である。専用アタッチメント3が取り付けられている場合の電動工具1を図1に示す。専用アタッチメント3は、電動工具1のみに取付けられるアタッチメントである。一方、兼用アタッチメント5は、電動工具1(以下、第1電動工具1とする)と、第1電動工具1とは異なる種類の第2電動工具2と、の両方に取付けられるアタッチメントである。
【0019】
専用アタッチメント3及び兼用アタッチメント5は、例えば、様々なアングルでの締付作業が行いやすくなるように、締付対象を締め付ける先端工具B1を保持する位置又は向きを変化させる構造を有する。また、専用アタッチメント3及び兼用アタッチメント5は、トルクを測定する機能、又は、締付回数をカウントする機能を有していてもよい。
【0020】
第1電動工具1は、図2に示すように、駆動部11と、出力軸12と、取付部13と、を備える。出力軸12は、駆動部11によって回転する。取付部13は、出力軸12の周りに設けられ、専用アタッチメント3又は兼用アタッチメント5が取り付けられる。
【0021】
取付部13は、図3に示すように、工具側係合部131と、接続面132と、を有する。工具側係合部131は、専用アタッチメント3が有する専用係合部31(図2及び図4参照)、及び兼用アタッチメント5が有する兼用係合部51(図2参照)に係合可能に構成される。接続面132には、工具側係合部131が専用係合部31又は兼用係合部51に係合される場合、専用アタッチメント3の端面32又は兼用アタッチメント5の端面52が接続する。
【0022】
図1に示すように、第1電動工具1に専用アタッチメント3又は兼用アタッチメント5が取付けられる場合、第1電動工具1と専用アタッチメント3又は兼用アタッチメント5とは、所定方向D1に並んでいる。
【0023】
図5Aは、第1電動工具1における接続面132の図3に示す断面線L1に沿う断面の一部を展開した概略展開図である。図5Aに示す点線Y1は、所定方向D1において第1電動工具1の工具側係合部131が設けられる位置を示す。また、図5Cは、専用アタッチメント3における端面32の図4に示す断面線L2に沿う断面の一部を展開した概略展開図である。図5Cに示す点線Y3は、所定方向D1において専用アタッチメント3の専用係合部31が設けられる位置を示す。図5Eは、図5Cと同様に、兼用アタッチメント5における端面52の断面の一部を展開した概略展開図である。図5Eに示す点線Y5は、所定方向D1において兼用アタッチメント5の兼用係合部51が設けられる位置を示す。図5A図5C、及び図5Eは概略図であるため、図3及び図4の寸法比を反映していない。
【0024】
接続面132には、図3及び図5Aに示すように、所定方向D1に突出する凸部である少なくとも1つの工具側凸部133が形成される。専用アタッチメント3の端面32には、図4及び図5Cに示すように、工具側凸部133とかみ合うように配置され、所定方向D1に突出する凸部である少なくとも1つの専用凸部321が設けられている。同様に、兼用アタッチメント5の端面には、図5Eに示すように、工具側凸部133とかみ合うように配置され、所定方向D1に突出する凸部である少なくとも1つの兼用凸部521が設けられている。
【0025】
接続面132と工具側係合部131(すなわち、点線Y1)との間の所定方向D1の寸法X11(図5A参照)は、少なくとも1つの専用凸部321の先端と専用係合部31(すなわち点線Y3)との間の所定方向D1の寸法X31(図5C参照)と同じ、かつ、少なくとも1つの兼用凸部521の先端と兼用係合部51(すなわち、点線Y5)との間の所定方向D1の寸法X51(図5E参照)と同じである。一方、少なくとも1つの工具側凸部133の先端と工具側係合部131との間の所定方向D1の寸法X12(図5A参照)は、専用アタッチメント3の端面32と専用係合部31との間の所定方向D1の寸法X32(図5C参照)と同じ、かつ、兼用アタッチメント5の端面52と兼用係合部51との間の所定方向D1の寸法X52(図5E参照)より大きい。本開示でいう「同じ」とは、厳密に同じであることに限定せず、誤差は許容される。
【0026】
以上の構成より、第1電動工具1との組み合わせが適切ではないアタッチメントは、第1電動工具1に取り付けられない。すなわち、本実施形態の第1電動工具1は、アタッチメントとの組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できるという利点がある。
【0027】
(2)詳細な構成
(2-1)交換式工具システム
以下に、本実施形態の交換式工具システム200の詳細な構成について、図2を参照して説明する。
【0028】
交換式工具システム200は、図2に示すように、電動工具システム100と、第1専用アタッチメント3と、第2専用アタッチメント4と、兼用アタッチメント5と、を備える。
【0029】
(2-2)電動工具システム
電動工具システム100は、図2に示すように、第1電動工具1と、第2電動工具2と、を備える。第1電動工具1は、第2電動工具とは異なる種類の電動工具である。一例として、第1電動工具1はインパクトドライバであり、第2電動工具2はドリルドライバである。
【0030】
(2-2-1)第1電動工具
以下に、本実施形態の第1電動工具1の詳細な構造について、図1図6を参照して説明する。
【0031】
第1電動工具1は、図1及び図2に示すように、駆動部11と、出力軸12と、取付部13と、ハウジング14と、操作部15と、制御部16と、を備える。
【0032】
以下の説明では、出力軸12(図1参照)の軸方向を前後方向と規定する。後述する本体部141において取付部13が設けられている側を前と規定し、取付部13が設けられていない側を後と規定する。上述の所定方向D1は前後方向に沿う方向である。また、図1に示すように、後述する本体部141と後述するグリップ部142とが並んでいる方向を上下方向と規定し、グリップ部142から見て本体部141側を上と規定し、本体部141から見てグリップ部142側を下と規定する。また、前後方向及び上下方向と直交する方向を、左右方向と規定する。ただし、これらの規定は、第1電動工具1の使用方向を規定する趣旨ではない。
【0033】
(ハウジング)
ハウジング14は、駆動部11と、出力軸12の少なくとも一部と、制御部16と、を収容する。
【0034】
ハウジング14は、図1に示すように、本体部141と、グリップ部142と、電池装着部143と、を有する。
【0035】
本体部141は、駆動部11と、出力軸12の少なくとも一部と、を収容する。
【0036】
本体部141は、図2に示すように、側部1411と、底部1412と、を有する。側部1411の形状は、筒状である。より詳細には、側部1411の形状は、円筒状である。底部1412は、筒状の側部1411の後側に形成される開口を覆うように配置されている。すなわち、本体部141は、前側に開口部1413を有する有底筒体である。底部1412は、円盤状である。底部1412の厚さ方向は、前後方向に沿っている。出力軸12の少なくとも一部は、開口部1413から前側に突出している。取付部13は、出力軸12と側部1411との間において、出力軸12の周りに設けられる。より詳細には、取付部13は、出力軸12と側部1411との間において、出力軸12を囲むように設けられる。すなわち、開口部1413は、出力軸12と取付部13とによって覆われている。取付部13の詳細な構造については、後述する。
【0037】
グリップ部142は、図1に示すように、本体部141から突出している。より詳細には、グリップ部142は、本体部141から下方に突出している。作業者は、グリップ部142を掴んでねじ締め等の作業を行うことができる。作業者は、グリップ部142を掴んでねじ締め等の作業を行うことができる。
【0038】
本実施形態のグリップ部142は、制御部16を収容する。
【0039】
電池装着部143の形状は、略直方体状である。電池装着部143は、図1に示すように、グリップ部142の下端につながっている。電池装着部143には、充電式の電池パック(図示なし)が着脱可能に取り付けられる。第1電動工具1は、電池パックを電源として動作する。すなわち、電池パックは、駆動部11を駆動する電力を供給する電源である。電池パックは、第1電動工具1の構成要素ではない。ただし、第1電動工具1は、電池パックを備えていてもよい。電池パックは、複数の二次電池(例えば、リチウムイオン電池)を直列接続して構成された組電池と、組電池を収容したケースと、を備えている。
【0040】
(駆動部)
駆動部11は、回転動作を行う。より詳細には、駆動部11は、電池装着部143に取付けられる電源パックから供給される電力によって駆動し、回転動作を行う。駆動部11は、駆動軸及び永久磁石を有する回転子と、コイルを有する固定子と、を含んでいる。永久磁石とコイルとの電磁的相互作用により、回転子は、固定子に対して回転する。
【0041】
また、駆動部11は、サーボモータである。駆動部11のトルク及び回転速度は、制御部16(サーボドライバ)による制御に応じて変化する。より詳細には、制御部16は、駆動部11のトルク及び回転速度を目標値に近づけるように制御するフィードバック制御により駆動部11の動作を制御している。
【0042】
(出力軸)
出力軸12は、駆動部11の駆動軸と直接的又は間接的に接続されている。その結果、出力軸12は、駆動部11の駆動軸に連動して、回転する。すなわち、出力軸12は、駆動部11により回転する。
【0043】
出力軸12は、柱体である。本実施形態の出力軸12は、円柱状である。出力軸12の少なくとも一部が、本体部141の開口部1413から突出している。より詳細には、出力軸12の前側の部分が、本体部141の開口部1413から突出している。
【0044】
出力軸12は、第1専用アタッチメント3の後述する伝達機構33(図2及び図4参照)が接続可能に構成される。出力軸12に第1専用アタッチメント3の伝達機構33が接続される場合、伝達機構33は、駆動部11によって出力軸12と共に回転する。
【0045】
同様に、出力軸12は、兼用アタッチメント5の後述する伝達機構53(図2参照)が接続可能に構成される。出力軸12に兼用アタッチメント5の伝達機構53が接続される場合、伝達機構53は、駆動部11によって出力軸12と共に回転する。
【0046】
また、出力軸12は、第1専用アタッチメント3の伝達機構33、又は兼用アタッチメント5の伝達機構53が接続されない場合、先端工具B1を保持する保持部121(図6参照)を有する。保持部121は、出力軸12の前端部に設けられる。第1電動工具1では、出力軸12が第1専用アタッチメント3又は兼用アタッチメント5を介して先端工具B1を間接的に保持すること可能であり(詳細は後述する)、出力軸12の保持部121が先端工具B1を直接的に保持することも可能である。先端工具B1は、例えば、ドライバビットである。保持部121が先端工具B1を保持している場合、先端工具B1が締付部品と嵌合した状態で出力軸12が回転することにより、締付部品を締め付ける又は緩めるといった作業が可能となる。
【0047】
(取付部)
取付部13は、第1専用アタッチメント3又は兼用アタッチメント5が取り付けられる。取付部13は、図3に示すように、工具側係合部131と、接続面132と、を有する。工具側係合部131は、第1専用アタッチメント3の後述する専用係合部31、及び兼用アタッチメント5の後述する兼用係合部51に係合可能に構成される。接続面132は、工具側係合部131が第1専用アタッチメント3の専用係合部31又は兼用アタッチメント5の兼用係合部51に係合される場合、第1専用アタッチメント3の後述する端面32又は兼用アタッチメント5の端面52が接続する面である。
【0048】
以下、取付部13の形状について詳細に説明する。図6は、一例として、第1専用アタッチメント3が取り付けられている場合における第1電動工具1の断面図である。
【0049】
本実施形態の取付部13は、図6に示すように、第1部分134と、第2部分135と、を有する。
【0050】
第1部分134は、前側に底面を有する有底筒体である。より詳細には、第1部分134は、前側に底面を有する有底円筒体である。すなわち、第1部分134の底面は、円盤状である。本実施形態では、第1部分134の底面の外径は、開口部1413の内径と略同じである。第1部分134は、開口部1413を覆うように配置されている。
【0051】
第1部分134の底面には、前後方向に形成された貫通孔1341を有する。第1部分134の貫通孔1341には、出力軸12が挿通される。すなわち、第1部分134は、出力軸12と側部1411との間において、出力軸12を囲むように設けられる。
【0052】
第2部分135の形状は、円筒状である。第2部分135の半径は第1部分134の貫通孔1341の半径に略同じである。第2部分135の軸方向は、前後方向に沿っており、第2部分135の後端は、第1部分134の貫通孔1341に接続する。すなわち、第2部分135は、第1部分134の貫通孔1341から前側に突出する円筒状の部材である。出力軸12は、第2部分135の内部を挿通する。第2部分135の所定方向D1の寸法は、出力軸12の所定方向D1の寸法より小さい。このため、出力軸12の前端は、第2部分135の前端から突出している。
【0053】
本実施形態の工具側係合部131は、図6に示すように、第2部分135の前端から外側に突出する凸部である。本実施形態の工具側係合部131は、第2部分135の円周に亘って形成されている。例えば、図6に示すように、第1専用アタッチメント3が第1電動工具1に取り付けられている場合では、工具側係合部131の後面が第1専用アタッチメント3の後述する専用係合部31に係合する。一方、兼用アタッチメント5が第1電動工具1に取り付けられている場合では、工具側係合部131の後面が兼用アタッチメント5の後述する兼用係合部51に係合する。すなわち、本実施形態では、工具側係合部131の後面が、第1専用アタッチメント3の専用係合部31、又は兼用アタッチメント5の兼用係合部51に係合する面である。上記の構成によって、工具側係合部131は、第1専用アタッチメント3の専用係合部31、及び兼用アタッチメント5の兼用係合部51に係合可能に構成される。
【0054】
本実施形態の接続面132は、第1部分134の前面である。すなわち、本実施形態では、接続面132の所定方向D1から見た場合の形状は、円環状である。
【0055】
接続面132には、図3に示すように、所定方向D1に突出する凸部である工具側凸部133が形成される。言い換えれば、第1部分134の前面には、図6に示すように、工具側凸部133が形成される。本実施形態の接続面132には、図3に示すように、工具側凸部133を複数形成される。言い換えれば、本実施形態の接続面132は、工具側凸部133を複数有する。複数の工具側凸部133は、接続面132の円周に沿って、円環状に形成される。より詳細には、複数の工具側凸部133は、接続面132の円周に沿って、円環状に等間隔で形成される。複数の工具側凸部133の各々の所定方向D1から見た場合の形状は、円環を分割した形状である。上記の構成によると、第1専用アタッチメント3又は兼用アタッチメント5の取付けがより強固になるという効果が奏する。この結果、安定して締付作業を行うことができるという利点がある。
【0056】
図5Aは、第1電動工具1において工具側凸部133が配置される接続面132の図3に示す断面線L1に沿う断面の一部を展開した概略展開図である。図5Aに示す点線Y1は、所定方向D1において第1電動工具1の工具側係合部131が設けられる位置を示す。より詳細には、図5Aに示す点線Y1は、図6に示すように、所定方向D1において、第1電動工具1の工具側係合部131の前面(すなわち、第1専用アタッチメント3の専用係合部31、又は兼用アタッチメント5の兼用係合部51に係合する面)の位置を示す。図5Aは概略図であるため、図3及び図6の寸法比を反映していない。
【0057】
複数の工具側凸部133の各々は、図5Aに示すように、接続面132に接続している端部から工具側凸部133の先端に向かって幅が狭まるテーパ形状に形成される。ここでいう「接続面132に接続している端部」とは、複数の工具側凸部133の各々において、後側の端部であり、「工具側凸部133の先端」とは、複数の工具側凸部133の各々において、前側の端部である。この構成によると、第1専用アタッチメント3又は兼用アタッチメント5を取り付けやすくなるという利点がある。
【0058】
なお、第1電動工具1の工具側凸部133における所定方向D1の寸法については、後述の「(3)寸法関係」の欄で説明する。
【0059】
(操作部)
図1に示すように、操作部15は、グリップ部144から突出している。操作部15は、駆動部11の駆動軸の回転を制御するための操作を受け付ける。操作部15を引く操作により、駆動部11のオンオフを切替可能である。また、操作部15を引く操作の引込み量で、駆動軸の回転速度を調整可能である。上記引込み量が大きいほど、駆動部11の駆動軸の回転速度が速くなる。
【0060】
(制御部)
制御部16は、操作部15を引く操作の引込み量に応じて、駆動部11の駆動軸を回転又は停止させ、また、駆動軸の回転速度を制御する。
【0061】
制御部16は、例えば、マイクロコントローラを含む。制御部16は、駆動部11の駆動軸の回転速度を変化させることにより、出力軸12の回転速度を変化させることができる。制御部16は、例えば、駆動部11に供給する電力を変化させることで、駆動部11の駆動軸の回転速度を変化させる。
【0062】
(2-2-2)第2電動工具
第2電動工具2は、図2に示すように、駆動部21と、出力軸22と、取付部23と、ハウジング24と、操作部25と、制御部26と、を備える。第2電動工具2における駆動部21、出力軸22、ハウジング24、操作部25、及び制御部26は、第1電動工具1における駆動部11、出力軸12、ハウジング14、操作部15、及び制御部16と同様な構成であるため、説明を省略する。
【0063】
(取付部)
取付部23は、第2専用アタッチメント4又は兼用アタッチメント5が取り付けられる。取付部23は、図2に示すように、工具側係合部231と、接続面232と、を有する。工具側係合部231は、第2専用アタッチメント4の後述する専用係合部41、及び兼用アタッチメント5の兼用係合部51に係合可能に構成される。接続面232は、工具側係合部231が第2専用アタッチメント4の専用係合部41又は兼用アタッチメント5の兼用係合部51に係合される場合、第2専用アタッチメント4の後述する端面42又は兼用アタッチメント5の端面52が接続する面である。
【0064】
なお、第2電動工具2の取付部23における工具側係合部231の形状は、第1電動工具1の取付部13における工具側係合部131の形状と略同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0065】
以下、第2電動工具2の取付部23における接続面232の後述する工具側凸部233以外の形状は、第1電動工具1の取付部13における接続面132の工具側凸部133以外の形状と略同様であるため、工具側凸部233以外の形状の詳細な説明は省略し、工具側凸部233についてのみ説明する。
【0066】
図5Bは、図5Aと同様に、第2電動工具2において工具側凸部133が配置される接続面132の断面の一部を展開した概略展開図である。図5Bに示す点線Y2は、所定方向D1において、第2電動工具2の工具側係合部231が設けられる位置を示す。すなわち、図5Bに示す点線Y2は、所定方向D1において、第2電動工具2の工具側係合部231の前面(すなわち、第2専用アタッチメント4の専用係合部41、又は兼用アタッチメント5の兼用係合部51に係合する面)の位置を示す。
【0067】
接続面232には、図5Bに示すように、所定方向D1に突出する凸部である工具側凸部233が形成される。本実施形態の接続面232には、工具側凸部233を複数形成される。言い換えれば、本実施形態の接続面232は、工具側凸部233を複数有する。複数の工具側凸部233は、接続面232の円周に沿って、円環状に形成される。より詳細には、複数の工具側凸部233は、接続面232の円周に沿って、円環状に等間隔で形成される。
【0068】
複数の工具側凸部233の各々は、図5Bに示すように、接続面232に接続している端部から工具側凸部233の先端に向かって幅が狭まるテーパ形状に形成される。ここでいう「接続面232に接続している端部」とは、複数の工具側凸部233の各々において、後側の端部であり、「工具側凸部233の先端」とは、複数の工具側凸部233の各々において、前側の端部である。この構成によると、第2専用アタッチメント4又は兼用アタッチメント5を取り付けやすくなるという利点がある。
【0069】
図5A及び図5Bに示すように、第2電動工具2の工具側凸部233は、第1電動工具1の工具側凸部133に対して、所定方向D1の寸法が異なる。より詳細には、第2電動工具2の工具側凸部233における所定方向D1の寸法は、第1電動工具1の工具側凸部133における所定方向D1の寸法よりも大きい。なお、第2電動工具2の工具側凸部233における所定方向D1の寸法については、後述の「(3)寸法関係」の欄で説明する。
【0070】
(2-3)第1専用アタッチメント
第1専用アタッチメント3は、第1電動工具1のみに取付けられるアタッチメントである。
【0071】
以下の説明では、第1専用アタッチメント3は、様々なアングルでの締付作業が行いやすくなるように、締付対象を締め付ける先端工具B1を保持する位置を変化させる構造を有することを想定する。なお、第1専用アタッチメント3は、先端工具B1を保持する向きを変化させる構造を有していてもよい。また、第1専用アタッチメント3は、トルクを測定する機能、又は、締付回数をカウントする機能を有していてもよい。
【0072】
第1専用アタッチメント3は、図2に示すように、専用係合部31と、端面32と、伝達機構33と、回転軸34と、ハウジング35と、を備える。
【0073】
(ハウジング)
ハウジング35は、専用係合部31と、伝達機構33と、回転軸34の少なくとも一部と、を収容する。
【0074】
ハウジング35は、図1及び図6に示すように、側部351と、底部352と、を有する。側部351の形状は、略筒状である。より詳細には、側部351の形状は、略円筒状である。
【0075】
本実施形態の側部351は、図4及び図6に示すように、第1部分3511と、第2部分3512と、で構成されている。第1部分3511及び第2部分3512は、円筒状であり、第1部分3511の外径と第2部分3512の外形とは、略等しい。第1部分3511は、第2部分3512に対して僅かに上側に位置する。第1部分3511と第2部分3512とは前後方向に並んでおり、第1部分3511の後端が第2部分3512の前端に接続している。底部352は、図6に示すように、筒状の第1部分3511の前側に形成される開口を覆うように配置されている。すなわち、ハウジング35は、後側に開口を有する有底筒体である。底部352は、円盤状である。底部352の厚さ方向は、前後方向に沿っている。底部352は、前後方向に形成された貫通孔3521を有する。貫通孔3521は、底部352の上側に設けられている。貫通孔3521には、回転軸34が挿通される。
【0076】
(専用係合部)
専用係合部31は、第1電動工具1の工具側係合部131に係合可能に構成される。
【0077】
本実施形態の第1専用アタッチメント3は、図4及び図6に示すように、2つの専用係合部31を備える。2つの専用係合部31の各々は、内側に突出する板片311を有する。2つの板片311の厚さ方向は、所定方向D1に沿っている。本実施形態では、2つの板片311の各々は、図4に示すように、側部351の第2部分3512の円周方向に沿って長手方向が湾曲する長尺板片状の部材である。2つの板片311は、上下方向に並んで設けられる。上側の板片311は下向きに突出し、下側の板片311は上向きに突出する。図6に示すように、第1専用アタッチメント3が第1電動工具1に取り付けられている場合では、2つの板片311の前面が工具側係合部131の後面に係合する。すなわち、本実施形態では、板片311の前面が、第1電動工具1の工具側係合部131に係合する面である。上記の構成によって、2つの専用係合部31は、第1電動工具1の工具側係合部131に係合可能に構成される。
【0078】
本実施形態では、2つの専用係合部31は、操作部312が前側にスライドされることで、板片311と工具側係合部131との係合が解除されるように構成されている。
【0079】
(端面)
本実施形態の第1専用アタッチメント3は、図4及び図6に示すように、円環形状の部材である環状部材320を更に備える。環状部材320の外径は、ハウジング35における側部351の第2部分3512の内径と略等しく、環状部材320の内径は、第1電動工具1における取付部13の第2部分135の外径と略等しい。環状部材320は、ハウジング35の開口において、環状部材320の外側の端面がハウジング35における側部351の第2部分3512に接触するように、配置される。図6に示すように、第1専用アタッチメント3が第1電動工具1に取り付けられている場合、環状部材320の内側の端面は、第1電動工具1における取付部13の第2部分135に接触する。
【0080】
本実施形態では、環状部材320の後面が、専用係合部31が工具側係合部131に係合される場合に接続面132が接続する端面32である。すなわち、本実施形態では、端面32の所定方向D1から見た場合の形状は、円環状である。
【0081】
端面32には、図4に示すように、第1電動工具1の工具側凸部133とかみ合うように配置され、所定方向D1に突出する凸部である専用凸部321が形成される。本実施形態の端面32には、専用凸部321を複数形成される。言い換えれば、本実施形態の端面32は、専用凸部321を複数有する。複数の専用凸部321は、接続面132の円周に沿って、円環状に形成される。より詳細には、複数の専用凸部321は、接続面132の円周に沿って、円環状に等間隔で形成される。
【0082】
図5Cは、第1専用アタッチメント3において専用凸部321が配置される端面32の図4に示す断面線L2に沿う断面の一部を展開した概略展開図である。図5Cに示す点線Y3は、所定方向D1において、第1専用アタッチメント3の専用係合部31(図6参照)が設けられる位置を示す。より詳細には、図5Cに示す点線Y3は、所定方向D1において、第1専用アタッチメント3の専用係合部31における板片311の前面(すなわち、第1電動工具1の工具側係合部131に係合する面)の位置を示す。
【0083】
複数の専用凸部321の各々は、図5Cに示すように、端面32に接続している端部から専用凸部321の先端に向かって幅が狭まるテーパ形状に形成される。ここでいう「端面32に接続している端部」とは、複数の専用凸部321の各々において、前側の端部であり、「専用凸部321の先端」とは、複数の専用凸部321の各々において、後側の端部である。この構成によると、第1電動工具1に取り付けやすくなるという利点がある。
【0084】
なお、第1専用アタッチメント3の専用凸部321における所定方向D1の寸法については、後述の「(3)寸法関係」の欄で説明する。
【0085】
(伝達機構)
伝達機構33は、専用係合部31が第1電動工具1の工具側係合部131に係合される場合、第1電動工具1の出力軸12の回転を回転軸34に伝達する。より詳細には、伝達機構33は、専用係合部31が第1電動工具1の工具側係合部131に係合される場合、第1電動工具1の出力軸12の回転を回転軸34に伝達することによって、回転軸34を回転させる。図4に示すように、伝達機構33の後端は、第1電動工具1の出力軸12の前端に接続可能に構成されている。
【0086】
(回転軸)
回転軸34は、専用係合部31が第1電動工具1の工具側係合部131に係合される場合、第1電動工具1の出力軸12に連動して回転する。より詳細には、回転軸34は、専用係合部31が第1電動工具1の工具側係合部131に係合される場合、伝達機構33によって第1電動工具1の出力軸12の回転が伝達されることによって、回転する。
【0087】
回転軸34は、柱体である。本実施形態の回転軸34は、円柱状である。本実施形態では、回転軸34の軸方向は、前後方向に沿っており、出力軸12の軸方向と同じである。回転軸34の少なくとも一部が、底部352の貫通孔3521から突出している。より詳細には、回転軸34の前側の部分が、底部352の貫通孔3521から突出している。すなわち、本実施形態の回転軸34は、ハウジング35の底部352から前側に突出している。
【0088】
本実施形態では、回転軸34は、出力軸12の上側に設けられる。すなわち、前後方向から見た場合に、回転軸34と出力軸12とは重ならない。
【0089】
回転軸34は、先端工具B1を保持する保持部341(図6参照)を有する。保持部341は、出力軸12の前端部に設けられる。先端工具B1は、上述した通り、例えば、ドライバビットである。保持部341が先端工具B1を保持している場合、先端工具B1が締付部品と嵌合した状態で回転軸34が回転することにより、締付部品を締め付ける又は緩めるといった作業が可能となる。
【0090】
(2-4)第2専用アタッチメント
第2専用アタッチメント4は、第2電動工具2のみに取付けられるアタッチメントである。
【0091】
以下の説明では、第2専用アタッチメント4は、第1専用アタッチメント3と同様に、様々なアングルでの締付作業が行いやすくなるように、締付対象を締め付ける先端工具B1を保持する位置を変化させる構造を有することを想定する。なお、第2専用アタッチメント4は、先端工具B1を保持する向きを変化させる構造を有していてもよい。また、第2専用アタッチメント4は、トルクを測定する機能、又は、締付回数をカウントする機能を有していてもよい。
【0092】
第2専用アタッチメント4は、図2に示すように、専用係合部41と、端面42と、伝達機構43と、回転軸44と、ハウジング45と、を備える。第2専用アタッチメント4における伝達機構43、回転軸44、及びハウジング45は、第1専用アタッチメント3における伝達機構33、回転軸34、及びハウジング35と同様な構成であるため、説明を省略する。
【0093】
(専用係合部)
専用係合部41は、第2電動工具2の工具側係合部231に係合可能に構成される。
【0094】
なお、第2専用アタッチメント4の専用係合部41の形状は、第1専用アタッチメント3の専用係合部31の形状と略同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0095】
(端面)
端面42は、専用係合部41が第2電動工具2の工具側係合部231に係合される場合に接続面232が接続する面である。なお、第2専用アタッチメント4における端面42の後述する専用凸部421以外の形状は、第1専用アタッチメント3における端面32の専用凸部321以外の形状と略同様であるため、専用凸部421以外の形状の詳細な説明は省略し、専用凸部421についてのみ説明する。
【0096】
第2専用アタッチメント4の端面42には、第1専用アタッチメント3の端面32における専用凸部321と同様に、第2電動工具2の工具側凸部233とかみ合うように配置され、所定方向D1に突出する凸部である専用凸部421が形成される。本実施形態の端面42には、専用凸部421を複数形成される。言い換えれば、本実施形態の端面42は、専用凸部421を複数有する。複数の専用凸部421は、端面42の円周に沿って、円環状に形成される。より詳細には、複数の専用凸部321は、端面42の円周に沿って、円環状に等間隔で形成される。
【0097】
図5Dは、図5Cと同様に、第1専用アタッチメント3において専用凸部321が配置される端面32の断面の一部を展開した概略展開図である。図5Dに示す点線Y4は、第2専用アタッチメント4の専用係合部41が設けられる位置を示す。より詳細には、図5Cに示す点線Y4は、所定方向D1において、第2専用アタッチメント4の専用係合部41が第2電動工具2の工具側係合部231に係合する面の位置を示す。
【0098】
複数の専用凸部421の各々は、図5Dに示すように、端面42に接続している端部から専用凸部421の先端に向かって幅が狭まるテーパ形状に形成される。ここでいう「端面42に接続している端部」とは、複数の専用凸部421の各々において、前側の端部であり、「専用凸部421の先端」とは、複数の専用凸部421の各々において、後側の端部である。この構成によると、第2電動工具2に取り付けやすくなるという利点がある。
【0099】
図5C及び図5Dに示すように、第2専用アタッチメント4の専用凸部421は、第1専用アタッチメント3の専用凸部321に対して、所定方向D1の寸法が異なる。第2専用アタッチメント4の専用凸部421における所定方向D1の寸法は、第1専用アタッチメント3の専用凸部321における所定方向D1の寸法よりも大きい。なお、第2専用アタッチメント4の専用凸部421における所定方向D1の寸法については、後述の「(3)寸法関係」の欄で説明する。
【0100】
(2-5)兼用アタッチメント
兼用アタッチメント5は、第1電動工具1と第2電動工具2との両方に取付けられるアタッチメントである。
【0101】
以下の説明では、兼用アタッチメント5は、第1専用アタッチメント3と同様に、様々なアングルでの締付作業が行いやすくなるように、締付対象を締め付ける先端工具B1を保持する位置を変化させる構造を有することを想定する。なお、兼用アタッチメント5は、先端工具B1を保持する向きを変化させる構造を有していてもよい。また、兼用アタッチメント5は、トルクを測定する機能、又は、締付回数をカウントする機能を有していてもよい。
【0102】
兼用アタッチメント5は、図2に示すように、兼用係合部51と、端面52と、伝達機構53と、回転軸54と、ハウジング55と、を備える。兼用アタッチメント5における伝達機構53、回転軸54、及びハウジング55は、第1専用アタッチメント3における伝達機構33、回転軸34、及びハウジング35と同様な構成であるため、説明を省略する。
【0103】
(兼用係合部)
兼用係合部51は、第1電動工具1の工具側係合部131、及び第2電動工具2の工具側係合部231に係合可能に構成される。
【0104】
なお、兼用アタッチメント5の兼用係合部51の形状は、第1専用アタッチメント3の専用係合部31の形状と略同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0105】
(端面)
端面52は、兼用係合部51が第1電動工具1の工具側係合部131に係合される場合には接続面132が接続し、兼用係合部51が第2電動工具2の工具側係合部231に係合される場合には接続面232が接続する面である。なお、兼用アタッチメント5における端面52の後述する兼用凸部521以外の形状は、第1専用アタッチメント3における端面32の専用凸部321以外の形状と略同様であるため、兼用凸部521以外の形状の詳細な説明は省略し、兼用凸部521についてのみ説明する。
【0106】
兼用アタッチメント5の端面52には、第1専用アタッチメント3の端面32における専用凸部321と同様に、第1電動工具1の工具側凸部133及び第2電動工具2の工具側凸部233とかみ合うように配置され、所定方向D1に突出する凸部である兼用凸部521が形成される。本実施形態の端面52には、兼用凸部521を複数形成される。言い換えれば、本実施形態の端面52は、兼用凸部521を複数有する。複数の兼用凸部521は、端面52の円周に沿って、円環状に形成される。より詳細には、複数の兼用凸部521は、端面52の円周に沿って、円環状に等間隔で形成される。
【0107】
図5Eは、図5Cと同様に、兼用アタッチメント5において兼用凸部521が配置される端面52の断面の一部を展開した概略展開図である。図5Dに示す点線Y5は、兼用アタッチメント5の兼用係合部51が設けられる位置を示す。より詳細には、図5Dに示す点線Y3は、所定方向D1において、兼用アタッチメント5の兼用係合部51が第1電動工具1の工具側係合部131、又は第2電動工具2の工具側係合部231に係合する面の位置を示す。
【0108】
複数の兼用凸部521の各々は、図5Eに示すように、端面52に接続している端部から兼用凸部521の先端に向かって幅が狭まるテーパ形状に形成される。ここでいう「端面52に接続している端部」とは、複数の兼用凸部521の各々において、前側の端部であり、「兼用凸部521の先端」とは、複数の兼用凸部521の各々において、後側の端部である。この構成によると、第1電動工具1又は第2電動工具2に取り付けやすくなるという利点がある。
【0109】
図5C図5Dに示すように、兼用アタッチメント5の兼用凸部521は、第1専用アタッチメント3の専用凸部321、及び第2専用アタッチメント4の専用凸部421に対して、所定方向D1の寸法が異なる。兼用アタッチメント5の兼用凸部521における所定方向D1の寸法は、第1専用アタッチメント3の専用凸部321における所定方向D1の寸法よりも大きく、第2専用アタッチメント4の専用凸部421における所定方向D1の寸法よりも小さい。なお、兼用アタッチメント5の兼用凸部521における所定方向D1の寸法については、後述の「(3)寸法関係」の欄で説明する。
【0110】
(3)寸法関係
(3-1)第1電動工具
以下、第1電動工具1の工具側凸部133と、第1専用アタッチメント3の専用凸部321、第2専用アタッチメント4の専用凸部421、及び兼用アタッチメント5の兼用凸部521の各々との寸法関係を説明する。
【0111】
まず、第1電動工具1における接続面132と工具側係合部131(すなわち、図5Aに示す点線Y1)との間の所定方向D1の寸法X11(図5A参照)について、説明する。
【0112】
第1電動工具1における寸法X11は、第1専用アタッチメント3における複数の専用凸部321の先端と専用係合部31(すなわち図5Cに示す点線Y3)との間の所定方向D1の寸法X31(図5C参照)と同じである。言い換えれば、第1専用アタッチメント3における寸法X31は、第1電動工具1における寸法X11と同じである。本開示でいう「同じ」とは、上述した通り、厳密に同じであることに限定せず、誤差は許容される。また、第1電動工具における寸法X11は、第2専用アタッチメント4における複数の専用凸部421の先端と専用係合部41(すなわち図5Cに示す点線Y4)との間の所定方向D1の寸法X41(図5D参照)より小さい。また、第1電動工具1における寸法X11は、兼用アタッチメント5における複数の兼用凸部521の先端と兼用係合部51(すなわち点線Y5)との間の所定方向D1の寸法X51(図5E参照)と同じである。言い換えれば、兼用アタッチメント5における寸法X51は、第1電動工具1における寸法X11と同じである。
【0113】
次に、第1電動工具1における複数の工具側凸部133の先端と工具側係合部131との間の所定方向D1の寸法X12(図5A参照)について説明する。
【0114】
第1電動工具1における寸法X12は、第1専用アタッチメント3における端面32と専用係合部31との間の所定方向D1の寸法X32(図5C参照)と同じである。言い換えれば、第1専用アタッチメント3における寸法X32は、第1電動工具1における寸法X12と同じである。また、第1電動工具1における寸法X12は、第2専用アタッチメント4における端面42と専用係合部41との間の所定方向D1の寸法X42(図5D参照)よりも大きい。同様に、第1電動工具1における寸法X12は、兼用アタッチメント5における端面52と兼用係合部51との間の所定方向D1の寸法X52(図5E参照)より大きい。
【0115】
上記の寸法関係であるため、第1電動工具1には、第1専用アタッチメント3及び兼用アタッチメント5を取り付けることができ、第2専用アタッチメント4を取り付けることができない。
【0116】
以下、図7図9を用いて、より具体的に説明する。図7は、第1電動工具1と第1専用アタッチメント3とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合における、第1電動工具1の接続面132及び第1専用アタッチメント3の端面32の断面の一部を展開した概略展開図である。図8は、第1電動工具1と第2専用アタッチメント4とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合における、第1電動工具1の接続面132及び第2専用アタッチメント4の端面42の断面の一部を展開した概略展開図である。図9は、第1電動工具1と兼用アタッチメント5とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合における、第1電動工具1の接続面132及び兼用アタッチメント5の端面52の断面の一部を展開した概略展開図である。
【0117】
第1電動工具1と第1専用アタッチメント3とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合において、図7に示すように、点線Y1と点線Y3とが重なっている。言い換えれば、第1電動工具1と第1専用アタッチメント3とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合、第1専用アタッチメント3の専用係合部31が第1電動工具1の工具側係合部131に接触する。この結果、第1電動工具1と第1専用アタッチメント3とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけると、第1専用アタッチメント3の専用係合部31が第1電動工具1の工具側係合部131に係合するため、第1電動工具1に第1専用アタッチメント3が取り付けられる。
【0118】
一方、第1電動工具1と第2専用アタッチメント4とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合において、図8に示すように、点線Y1と点線Y4とが重なっていない。言い換えれば、第1電動工具1と第2専用アタッチメント4とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合、第2専用アタッチメント4の専用係合部41が第1電動工具1の工具側係合部131に接触しない。この結果、第1電動工具1と第2専用アタッチメント4とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけても、第2専用アタッチメント4の専用係合部41が第1電動工具1の工具側係合部131に係合しないため、第1電動工具1に第2専用アタッチメント4が取り付けられない。
【0119】
また、第1電動工具1と兼用アタッチメント5とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合において、図8に示すように、点線Y1と点線Y5とが重なっている。言い換えれば、第1電動工具1と兼用アタッチメント5とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合、兼用アタッチメント5の兼用係合部51が第1電動工具1の工具側係合部131に接触する。この結果、第1電動工具1と兼用アタッチメント5とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけると、兼用アタッチメント5の兼用係合部51が第1電動工具1の工具側係合部131に係合することによって、第1電動工具1に兼用アタッチメント5が取り付けられる。
【0120】
以上より、本実施形態では、第1電動工具1との組み合わせが適切ではないアタッチメント(例えば、第2専用アタッチメント4)は、第1電動工具1に取り付けられない。すなわち、本実施形態の第1電動工具1は、アタッチメントとの組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できるという利点がある。
【0121】
(3-2)第2電動工具
以下、第2電動工具2の工具側凸部233と、第1専用アタッチメント3の専用凸部321、第2専用アタッチメント4の専用凸部421、及び兼用アタッチメント5の兼用凸部521の各々との寸法関係を説明する。
【0122】
まず、第2電動工具2における接続面232と工具側係合部231(すなわち、図5Bに示す点線Y2)との間の所定方向D1の寸法X21(図5B参照)について、説明する。
【0123】
第2電動工具2における寸法X21は、第1専用アタッチメント3における複数の専用凸部321の先端と専用係合部31(すなわち図5Cに示す点線Y3)との間の所定方向D1の寸法X31(図5C参照)よりも大きい。また、第2電動工具2における寸法X21は、第2専用アタッチメント4における複数の専用凸部421の先端と専用係合部41との間の所定方向D1の寸法X41(図5D参照)と同じである。言い換えれば、第2専用アタッチメント4における寸法X41は、第2電動工具2における寸法X21と同じである。また、第2電動工具2における寸法X21は、兼用アタッチメント5における複数の兼用凸部521の先端と兼用係合部51との間の所定方向D1の寸法X51(図5E参照)よりも大きい。
【0124】
次に、第2電動工具2における複数の工具側凸部233の先端と工具側係合部231との間の所定方向D1の寸法X22(図5B参照)について説明する。
【0125】
第2電動工具2における寸法X22は、第1専用アタッチメント3における端面32と専用係合部31との間の所定方向D1の寸法X32(図5C参照)より小さい。また、第2電動工具2における寸法X22は、第2専用アタッチメント4における端面42と専用係合部41との間の所定方向D1の寸法X42(図5D参照)と同じである。言い換えれば、第2専用アタッチメント4における寸法X42は、第2電動工具2における寸法X22と同じである。また、第2電動工具2における寸法X22は、兼用アタッチメント5における端面52と兼用係合部51との間の所定方向D1の寸法X52(図5E参照)と同じである。言い換えれば、兼用アタッチメント5における寸法X52は、第2電動工具2における寸法X22と同じである。
【0126】
上記の寸法関係であるため、第2電動工具2には、第2専用アタッチメント4及び兼用アタッチメント5を取り付けることができ、第1専用アタッチメント3を取り付けることができない。
【0127】
以下、図10図12を用いて、より具体的に説明する。図10は、第2電動工具2と第1専用アタッチメント3とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合における、第2電動工具2の接続面232及び第1専用アタッチメント3の端面32の断面の一部を展開した概略展開図である。図11は、第2電動工具2と第2専用アタッチメント4とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合における、第2電動工具2の接続面232及び第2専用アタッチメント4の端面42の断面の一部を展開した概略展開図である。図12は、第2電動工具2と兼用アタッチメント5とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合における、第2電動工具2の接続面232及び兼用アタッチメント5の端面52の断面の一部を展開した概略展開図である。
【0128】
第2電動工具2と第1専用アタッチメント3とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合において、図10に示すように、点線Y2と点線Y3とが重なっていない。言い換えれば、第2電動工具2と第1専用アタッチメント3とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合、第1専用アタッチメント3の専用係合部31が第2電動工具2の工具側係合部231に接触しない。この結果、第2電動工具2と第1専用アタッチメント3とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけても、第1専用アタッチメント3の専用係合部31が第2電動工具2の工具側係合部231に係合しないため、第2電動工具2に第1専用アタッチメント3が取り付けられない。
【0129】
一方、第2電動工具2と第2専用アタッチメント4とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合において、図11に示すように、点線Y2と点線Y4とが重なっている。言い換えれば、第2電動工具2と第2専用アタッチメント4とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合、第2専用アタッチメント4の専用係合部41が第2電動工具2の工具側係合部231に接触する。この結果、第2電動工具2と第2専用アタッチメント4とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけると、第2専用アタッチメント4の専用係合部41が第2電動工具2の工具側係合部231に係合するため、第2電動工具2に第2専用アタッチメント4が取り付けられる。
【0130】
同様に、第2電動工具2と兼用アタッチメント5とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合において、図12に示すように、点線Y2と点線Y5とが重なっている。言い換えれば、第2電動工具2と兼用アタッチメント5とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけた場合、兼用アタッチメント5の兼用係合部51が第2電動工具2の工具側係合部231に接触する。この結果、第2電動工具2と兼用アタッチメント5とを所定方向D1に沿って接触するまで近づけると、兼用アタッチメント5の兼用係合部51が第2電動工具2の工具側係合部231に係合するため、第2電動工具2に兼用アタッチメント5が取り付けられる。
【0131】
以上より、本実施形態では、第2電動工具2との組み合わせが適切ではないアタッチメント(例えば、第1専用アタッチメント3)は、第2電動工具2に取り付けられない。すなわち、本実施形態の第2電動工具2は、アタッチメントとの組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できるという利点がある。
【0132】
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されていてもよい。
【0133】
上述の実施形態では、第1電動工具1はインパクトドライバであるが、インパクトドライバのみに限定されない。例えば、電動工具1の種類は、インパクトレンチ、ハンマードリル、バンドソー、パワーカッター、サンダー及びディスクグラインダ等であってもよい。
【0134】
同様に、上述の実施形態では、第2電動工具2はドリルドライバであるが、ドリルドライバのみに限定されない。例えば、電動工具1の種類は、インパクトレンチ、ハンマードリル、バンドソー、パワーカッター、サンダー及びディスクグラインダ等であってもよい。
【0135】
上述の実施形態では、第1専用アタッチメント3の回転軸34、及び兼用アタッチメント5の回転軸54の軸方向は、前後方向に沿っており、第1電動工具1の出力軸12の軸方向と同じである。しかし、第1専用アタッチメント3の回転軸34、及び兼用アタッチメント5の回転軸54の軸方向は、出力軸12の軸方向と交差する方向であってもよい。
【0136】
同様に、上述の実施形態では、第2専用アタッチメント4の回転軸44、及び兼用アタッチメント5の回転軸54の軸方向は、前後方向に沿っており、第2電動工具2の出力軸22の軸方向と同じである。しかし、第2専用アタッチメント4の回転軸44、及び兼用アタッチメント5の回転軸54の軸方向は、第2電動工具2の出力軸22と交差する方向であってもよい。
【0137】
より詳細には、上述の実施形態では、第1専用アタッチメント3の回転軸34は、ハウジング35の底部352から前側に突出しているが、ハウジング35から上側、下側、左側、又は右側に突出していてもよい。同様に、第2専用アタッチメント4の回転軸44は、ハウジング45から上側、下側、左側、又は右側に突出していてもよい。また、兼用アタッチメント5の回転軸54は、ハウジング55から上側、下側、左側、又は右側に突出していてもよい。
【0138】
(まとめ)
実施形態に係る第1の態様の電動工具(1)は、所定種類の電動工具のみに取り付けられる専用アタッチメント(3)、及び所定種類の電動工具と所定種類の電動工具とは異なる種類の電動工具との両方に取り付けられる兼用アタッチメント(5)が選択的に取り付け可能に構成される電動工具である。第1の態様の電動工具(1)は、駆動部(11)と、出力軸(12)と、取付部(13)と、を備える。出力軸(12)は、駆動部(11)によって回転する。取付部(13)は、出力軸(12)の周りに設けられ、専用アタッチメント(3)又は兼用アタッチメント(5)が取り付けられる。取付部(13)は、工具側係合部(131)と、接続面(132)と、を有する。工具側係合部(131)は、専用アタッチメント(3)が有する専用係合部(31)、及び兼用アタッチメント(5)が有する兼用係合部(51)に係合可能に構成される。接続面(132)は、工具側係合部(131)が専用係合部(31)又は兼用係合部(51)に係合される場合、専用アタッチメント(3)の端面(32)又は兼用アタッチメント(5)の端面(52)が接続する。電動工具(1)に専用アタッチメント(3)又は兼用アタッチメント(5)が取付けられる場合、電動工具(1)と専用アタッチメント(3)又は兼用アタッチメント(5)とは、所定方向(D1)に並んでいる。接続面(132)には、所定方向(D1)に突出する凸部である少なくとも1つの工具側凸部(133)が形成される。専用アタッチメント(3)の端面(32)には、工具側凸部(133)とかみ合うように配置され、所定方向(D1)に突出する凸部である少なくとも1つの専用凸部(321)が設けられている。兼用アタッチメント(5)の端面(52)には、工具側凸部(133)とかみ合うように配置され、所定方向(D1)に突出する凸部である少なくとも1つの兼用凸部(521)が設けられている。接続面(132)と工具側係合部(131)との間の所定方向(D1)の寸法(X11)は、少なくとも1つの専用凸部(321)の先端と専用係合部(31)との間の所定方向(D1)の寸法(X31)と同じ、かつ、少なくとも1つの兼用凸部(521)の先端と兼用係合部(51)との間の所定方向(D1)の寸法(X51)と同じである。少なくとも1つの工具側凸部(133)の先端と工具側係合部(131)との間の所定方向(D1)の寸法(X12)は、専用アタッチメント(3)の端面(32)と専用係合部(31)との間の所定方向(D1)の寸法(X32)と同じ、かつ、兼用アタッチメント(5)の端面(52)と兼用係合部(51)との間の所定方向(D1)の寸法(X52)より大きい。
【0139】
この態様によれば、アタッチメントとの組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できる、という利点がある。
【0140】
実施形態に係る第2の態様の電動工具(2)は、所定種類の電動工具のみに取り付けられる専用アタッチメント(4)、及び所定種類の電動工具と所定種類の電動工具とは異なる種類の電動工具との両方に取り付けられる兼用アタッチメント(5)が選択的に取り付け可能に構成される電動工具である。第2の態様の電動工具(2)は、駆動部(21)と、出力軸(22)と、取付部(23)と、を備える。出力軸(22)は、駆動部(21)によって回転する。取付部(23)は、出力軸(22)の周りに設けられ、専用アタッチメント(4)又は兼用アタッチメント(5)が取り付けられる。取付部(23)は、工具側係合部(231)と、接続面(232)と、を有する。工具側係合部(231)は、専用アタッチメント(4)が有する専用係合部(41)、及び兼用アタッチメント(5)が有する兼用係合部(51)に係合可能に構成される。接続面(232)は、工具側係合部(231)が専用係合部(41)又は兼用係合部(51)に係合される場合、専用アタッチメント(4)の端面(42)又は兼用アタッチメント(5)の端面(52)が接続する。電動工具(2)に専用アタッチメント(4)又は兼用アタッチメント(5)が取付けられる場合、電動工具(2)と専用アタッチメント(4)又は兼用アタッチメント(5)とは、所定方向(D1)に並んでいる。接続面(232)には、所定方向(D1)に突出する凸部である少なくとも1つの工具側凸部(233)が形成される。専用アタッチメント(4)の端面には、工具側凸部(233)とかみ合うように配置され、所定方向(D1)に突出する凸部である少なくとも1つの専用凸部(421)が設けられている。兼用アタッチメント(5)の端面(52)には、工具側凸部(233)とかみ合うように配置され、所定方向(D1)に突出する凸部である少なくとも1つの兼用凸部(521)が設けられている。接続面(232)と工具側係合部(231)との間の所定方向(D1)の寸法(X21)は、少なくとも1つの専用凸部(421)の先端と専用係合部(41)との間の所定方向(D1)の寸法(X41)と同じ、かつ、少なくとも1つの兼用凸部(521)の先端と兼用係合部(51)との間の所定方向(D1)の寸法(X51)より大きい。少なくとも1つの工具側凸部(233)の先端と工具側係合部(231)との間の所定方向(D1)の寸法(X22)は、専用アタッチメント(4)の端面(42)と専用係合部(41)との間の所定方向(D1)の寸法(X42)と同じ、かつ、兼用アタッチメント(5)の端面(52)と兼用係合部(51)との間の所定方向(D1)の寸法(X52)と同じである。
【0141】
この態様によれば、アタッチメントとの組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できる、という利点がある。
【0142】
実施形態に係る第3の態様の電動工具では、第1又は第2の態様において、接続面(132、232)には、工具側凸部(133、233)が複数形成される。複数の工具側凸部(133、233)は、円環状に並んで取付部(13、23)に形成される。
【0143】
この態様によれば、安定して締付作業を行うことができる、という利点がある。
【0144】
実施形態に係る第4の態様の電動工具には、第1~第3のいずれかの態様において、少なくとも1つの工具側凸部(133、233)は、接続面(132、232)に接続している端部から工具側凸部(133、233)の先端に向かって幅が狭まるテーパ形状に形成される。
【0145】
この態様によれば、アタッチメントが取り付けやすくなる、という利点がある。
【0146】
実施形態に係る第5の態様の電動工具システム(100)は、第1の態様の電動工具である第1電動工具(1)と、第2の態様の電動工具である第2電動工具(2)と、を備える電動工具システムである。第1の態様の専用アタッチメント(3)は、第1専用アタッチメントである。第2の態様の専用アタッチメント(4)は、第2専用アタッチメントである。第1電動工具(1)における接続面(132)と工具側係合部(131)との間の所定方向(D1)の寸法(X11)は、第2専用アタッチメント(4)における少なくとも1つの専用凸部(421)の先端と専用係合部(41)との間の所定方向(D1)の寸法(X41)より小さい。第1電動工具(1)における少なくとも1つの工具側凸部(133)の先端と工具側係合部(131)との間の所定方向(D1)の寸法(X12)は、第2専用アタッチメント(4)の端面(42)と第2専用アタッチメント(4)の専用係合部(41)との間の所定方向(D1)の寸法(X42)より大きい。第2電動工具(2)における接続面(232)と工具側係合部(231)との間の所定方向(D1)の寸法(X21)は、第1専用アタッチメント(3)における少なくとも1つの専用凸部(321)の先端と専用係合部(31)との間の所定方向(D1)の寸法(X31)より大きい。第2電動工具(2)における少なくとも1つの工具側凸部(233)の先端と工具側係合部(231)との間の所定方向(D1)の寸法(X22)は、第1専用アタッチメント(3)の端面(32)と第1専用アタッチメント(3)の専用係合部(31)との間の所定方向(D1)の寸法(X32)より小さい。
【0147】
この態様によれば、アタッチメントとの組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できる電動工具システム(100)を提供できる、という利点がある。
【0148】
実施形態に係る第6の態様のアタッチメントは、第1の態様の電動工具のみに取り付けられる専用アタッチメント(3)である。第6の態様のアタッチメントは、専用係合部(31)と、端面(32)と、保持部(341)と、伝達機構(33)と、を備える。端面(32)には、専用係合部(31)が工具側係合部(131)に係合される場合、接続面(132)が接続する。保持部(341)は、先端工具(B1)を保持する。伝達機構(33)は、専用係合部(31)が工具側係合部(131)に係合される場合、出力軸(12)の回転を保持部(341)に伝達する。端面(32)には、少なくとも1つの専用凸部(321)が設けられている。少なくとも1つの専用凸部(321)の先端と専用係合部(31)との間の所定方向(D1)の寸法(X31)は、接続面(132)と工具側係合部(131)との間の所定方向(D1)の寸法(X11)と同じである。端面(32)と専用係合部(31)との間の所定方向(D1)の寸法(X32)は、少なくとも1つの工具側凸部(133)の先端と工具側係合部(131)との間の所定方向(D1)の寸法(X12)と同じである。
【0149】
この態様によれば、電動工具との組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できるアタッチメントを提供できる、という利点がある。
【0150】
実施形態に係る第7の態様のアタッチメントは、第2の態様の電動工具のみに取り付けられる専用アタッチメント(4)である。第7の態様のアタッチメントは、専用係合部(41)と、端面(42)と、保持部(441)と、伝達機構(43)と、を備える。端面(42)には、専用係合部(41)が工具側係合部(231)に係合される場合、接続面(232)が接続する。保持部(441)は、先端工具(B1)を保持する。伝達機構(43)は、専用係合部(41)が工具側係合部(231)に係合される場合、出力軸(22)の回転を保持部(441)に伝達する。端面(42)には、少なくとも1つの専用凸部(421)が設けられている。少なくとも1つの専用凸部(421)の先端と専用係合部(41)との間の所定方向(D1)の寸法(X41)は、接続面(232)と工具側係合部(231)との間の所定方向(D1)の寸法(X21)と同じである。端面(42)と専用係合部(41)との間の所定方向(D1)の寸法(X42)は、少なくとも1つの工具側凸部(233)の先端と工具側係合部(231)との間の所定方向(D1)の寸法(X22)と同じである。
【0151】
この態様によれば、電動工具との組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できるアタッチメントを提供できる、という利点がある。
【0152】
実施形態に係る第8の態様のアタッチメントは、第1の態様の電動工具である第1電動工具(1)と、第2の態様の電動工具である第2電動工具(2)と、両方に取り付けられる兼用アタッチメント(5)である。第8の態様のアタッチメントは、兼用係合部(51)と、端面(52)と、保持部(541)と、伝達機構(53)と、を備える。端面(52)には、兼用係合部(51)が第1電動工具(1)又は第2電動工具(2)の工具側係合部(131、231)に係合される場合、接続面(132、232)が接続する。保持部(541)は、先端工具(B1)を保持する。伝達機構(53)は、兼用係合部(51)が第1電動工具(1)又は第2電動工具(2)の工具側係合部(131、231)に係合される場合、出力軸(12、22)の回転を保持部(541)に伝達する。端面(52)には、少なくとも1つの兼用凸部(521)が設けられている。少なくとも1つの兼用凸部(521)の先端と兼用係合部(51)との間の所定方向(D1)の寸法(X51)は、第1電動工具(1)における接続面(132)と工具側係合部(131)との間の所定方向(D1)の寸法(X11)と同じである。端面(52)と兼用係合部(51)との間の所定方向(D1)の寸法(X52)は、第2電動工具(2)における少なくとも1つの工具側凸部(233)の先端と工具側係合部(231)との間の所定方向(D1)の寸法(X22)と同じである。
【0153】
この態様によれば、電動工具との組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できるアタッチメントを提供できる、という利点がある。
【0154】
実施形態に係る第9の態様の交換式工具システム(200)は、第5の態様に記載の電動工具システム(100)と、第1専用アタッチメント(3)と、第2専用アタッチメント(4)と、兼用アタッチメント(5)と、を備える。
【0155】
この態様によれば、電動工具とアタッチメントとの組み合わせが適切ではない状態で作業を行うことを抑制できる交換式工具システム(200)を提供できる、という利点がある。
【符号の説明】
【0156】
1 第1電動工具(電動工具)
11 駆動部
12 出力軸
13 取付部
131 工具側係合部
132 接続面
133 工具側凸部
2 第2電動工具(電動工具)
21 駆動部
22 出力軸
23 取付部
231 工具側係合部
232 接続面
233 工具側凸部
3 第1専用アタッチメント(専用アタッチメント)
31 専用係合部
32 端面
321 専用凸部
33 伝達機構
4 第2専用アタッチメント(専用アタッチメント)
41 専用係合部
42 端面
421 専用凸部
43 伝達機構
5 兼用アタッチメント
51 兼用係合部
52 端面
521 兼用凸部
53 伝達機構
100 電動工具システム
200 交換式工具システム
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図12