IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジェイ・エム・エスの特許一覧

<>
  • 特開-オートクランプ 図1
  • 特開-オートクランプ 図2
  • 特開-オートクランプ 図3
  • 特開-オートクランプ 図4
  • 特開-オートクランプ 図5
  • 特開-オートクランプ 図6
  • 特開-オートクランプ 図7
  • 特開-オートクランプ 図8
  • 特開-オートクランプ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123644
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】オートクランプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/28 20060101AFI20240905BHJP
   A61M 1/14 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61M39/28 100
A61M1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031238
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000153030
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・エム・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】藤綱 伊織
【テーマコード(参考)】
4C066
4C077
【Fターム(参考)】
4C066LL30
4C066QQ15
4C077AA02
4C077BB06
4C077DD27
(57)【要約】
【課題】安全性を確保したうえで、より小型化されたオートクランプを提供すること。
【解決手段】オートクランプは、チューブをクランプして血液の流動を規制し、チューブに押し込まれることによってチューブを閉塞するハンマーと、ハンマーを移動させるための駆動力を生じさせるモーターと、ハンマーが取り付けられ、モーターの駆動力によって移動するモーターシャフトと、モーターシャフトに取り付けられた連動部材と、連動部材に取り付けられ、モーターシャフトと平行な方向に延伸し、モーターシャフトと連動して移動する位置検出用シャフトと、位置検出用シャフトの位置に基づいて、ハンマーの現在位置を検知する位置センサーと、連動部材の位置に基づいて、ハンマーによるチューブの閉塞の完了を検知する閉塞センサーと、を備え、閉塞センサーが、チューブの閉塞の完了を検知した、とする際の連動部材の位置は、ハンマーの可動域の一端に対応する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブをクランプして血液の流動を規制するオートクランプであって、
前記チューブに押し込まれることによって前記チューブを閉塞するハンマーと、
前記ハンマーを移動させるための駆動力を生じさせるモーターと、
前記ハンマーが取り付けられ、前記モーターの駆動力によって移動するモーターシャフトと、
前記モーターシャフトに取り付けられた連動部材と、
前記連動部材に取り付けられ、前記モーターシャフトと平行な方向に延伸し、前記モーターシャフトと連動して移動する位置検出用シャフトと、
前記位置検出用シャフトの位置に基づいて、前記ハンマーの現在位置を検知する位置センサーと、
前記連動部材の位置に基づいて、前記ハンマーによる前記チューブの閉塞の完了を検知する閉塞センサーと、を備え、
前記閉塞センサーが、前記チューブの閉塞の完了を検知した、とする際の前記連動部材の位置は、前記ハンマーの可動域の一端に対応する、
オートクランプ。
【請求項2】
前記閉塞センサーは、さらに、前記連動部材の位置に基づいて、前記ハンマーによる前記チューブの開放の完了を検知し、
前記閉塞センサーが、前記チューブの開放の完了を検知した、とする際の前記連動部材の位置は、前記ハンマーの可動域の他端に対応する、
請求項1に記載のオートクランプ。
【請求項3】
前記ハンマーは、前記モーターシャフトの一端に配置されており、
前記連動部材は、前記モーターシャフトの他端に配置されており、
前記位置検出用シャフトは、前記位置検出用シャフトの一端で、前記連動部材に接続されており、
前記モーターシャフトの延伸方向および前記位置検出用シャフトの延伸方向は、前記モーターシャフトの移動方向と、平行である、
請求項1または2に記載のオートクランプ。
【請求項4】
前記位置センサーは、リニアポテンショメーターまたはレーザー式距離センサーによって構成されている、
請求項1または2に記載のオートクランプ。
【請求項5】
前記閉塞センサーは、フォトマイクロセンサーまたはタッチセンサーによって構成されている、
請求項1または2に記載のオートクランプ。
【請求項6】
前記位置センサーおよび前記閉塞センサーは、制御部に接続されており、
前記制御部は、
前記閉塞センサーが、前記ハンマーによる前記チューブの閉塞の完了を検知した場合に、または、前記閉塞センサーが、前記ハンマーによる前記チューブの開放の完了を検知した場合に、前記ハンマーの移動を停止させる、
請求項2に記載のオートクランプ。
【請求項7】
前記制御部は、前記モーターの駆動を制御することによって、前記ハンマーの移動を制御し、
前記制御部は、前記位置センサーが検知した前記ハンマーの現在位置に基づいて、
前記モーターの駆動を制御することによって前記ハンマーを移動させ、
前記チューブの閉塞および開放を制御する、
請求項6に記載のオートクランプ。
【請求項8】
前記制御部は、
前記閉塞センサーが前記閉塞の完了を検知するときに対応する前記位置検出用シャフトの位置よりも、前記チューブがより閉塞される方向に位置する所定の位置、
または、
前記閉塞センサーが前記開放の完了を検知するときに対応する前記位置検出用シャフトの位置よりも、前記チューブがより開放される方向に位置する所定の位置、
に前記位置検出用シャフトがあると前記位置センサーが検知した場合には、前記ハンマーの移動を停止させる、
請求項7に記載のオートクランプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
人工心肺システムなどにおいて、オートクランプが用いられている。オートクランプは、チューブをクランプするための装置である。オートクランプは、チューブ内に気泡が混入した場合などに、チューブをクランプすることによって、チューブ内の液体の流動を規定する。人工心肺システムにおいては、チューブ内を流動する液体は主に血液である。
【0003】
特許文献1には、バネを用いてチューブをクランプするオートクランプが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-46026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
設置面積を縮小し、また移動を容易にすることなどを目的として、人工心肺システムなどを小型化することが求められている。これにともない、人工心肺システムなどを構成する一装置であるオートクランプをより小型化することが求められている。
【0006】
これまで、オートクランプをより小型化するための技術は提案されていない。そこで、本発明は、安全性を確保したうえで、より小型化されたオートクランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)オートクランプは、チューブをクランプして血液の流動を規制するオートクランプであって、前記チューブに押し込まれることによって前記チューブを閉塞するハンマーと、前記ハンマーを移動させるための駆動力を生じさせるモーターと、前記ハンマーが取り付けられ、前記モーターの駆動力によって移動するモーターシャフトと、前記モーターシャフトに取り付けられた連動部材と、前記連動部材に取り付けられ、前記モーターシャフトと平行な方向に延伸し、前記モーターシャフトと連動して移動する位置検出用シャフトと、前記位置検出用シャフトの位置に基づいて、前記ハンマーの現在位置を検知する位置センサーと、前記連動部材の位置に基づいて、前記ハンマーによる前記チューブの閉塞の完了を検知する閉塞センサーと、を備え、前記閉塞センサーが、前記チューブの閉塞の完了を検知した、とする際の前記連動部材の位置は、前記ハンマーの可動域の一端に対応する。
【0008】
(2)前記閉塞センサーは、さらに、前記連動部材の位置に基づいて、前記ハンマーによる前記チューブの開放の完了を検知し、前記閉塞センサーが、前記チューブの開放の完了を検知した、とする際の前記連動部材の位置は、前記ハンマーの可動域の他端に対応する、(1)に記載のオートクランプ。
【0009】
(3)前記ハンマーは、前記モーターシャフトの一端に配置されており、前記連動部材は、前記モーターシャフトの他端に配置されており、前記位置検出用シャフトは、前記位置検出用シャフトの一端で、前記連動部材に接続されており、前記モーターシャフトの延伸方向および前記位置検出用シャフトの延伸方向は、前記モーターシャフトの移動方向と、平行である、(1)または(2)に記載のオートクランプ。
【0010】
(4)前記位置センサーは、リニアポテンショメーターまたはレーザー式等の距離センサーによって構成されている、(1)から(3)のいずれかに記載のオートクランプ。
【0011】
(5)前記閉塞センサーは、フォトマイクロセンサーまたはタッチセンサー等によって構成されている、(1)から(4)のいずれかに記載のオートクランプ。
【0012】
(6)前記位置センサーおよび前記閉塞センサーは、制御部に接続されており、前記制御部は、前記閉塞センサーが、前記ハンマーによる前記チューブの閉塞の完了を検知した場合に、または、前記閉塞センサーが、前記ハンマーによる前記チューブの開放の完了を検知した場合に、前記ハンマーの移動を停止させる、(2)に記載のオートクランプ。
【0013】
(7)前記制御部は、前記モーターの駆動を制御することによって、前記ハンマーの移動を制御し、前記制御部は、前記位置センサーが検知した前記ハンマーの現在位置に基づいて、前記モーターの駆動を制御することによって前記ハンマーを移動させ、前記チューブの閉塞および開放を制御する、(6)に記載のオートクランプ。
【0014】
(8)前記制御部は、前記閉塞センサーが前記閉塞の完了を検知する際に対応する前記位置検出用シャフトの位置よりも、前記チューブがより閉塞される方向に位置する所定の位置、または、前記閉塞センサーが前記開放の完了を検知する際に対応する前記位置検出用シャフトの位置よりも、前記チューブがより開放される方向に位置する所定の位置、に前記位置検出用シャフトがあると前記位置センサーが検知した場合には、前記ハンマーの移動を停止させる、(7)に記載のオートクランプ。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、安全性を確保したうえで、より小型化されたオートクランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】人工心肺システムの概要を示す図である。
図2】人工心肺システムが搬送カートに搭載された様子を示す図である。
図3】一部が切り取られた、本実施形態のオートクランプを示す図である。
図4】ハンマーがチューブをクランプする様子を示す断面図である。
図5】一部のケースが取り外されたオートクランプを示す図である。
図6】ケースが取り外されたオートクランプを示す図である。
図7】オートクランプの動作の概要を示す図である。
図8】ハンマーが開放位置にあるオートクランプを示す図である。
図9】ハンマーが閉塞位置にあるオートクランプを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明を実施するための形態を、図面を参照しながら説明する。本実施形態のオートクランプ40は、チューブを閉塞し、チューブを閉塞することによってチューブを流れる液体の流れを止める装置である。オートクランプ40は、人工心肺システムなどで用いられる。オートクランプ40が人工心肺システムにおいて用いられる場合、オートクランプ40が流れを止める液体は、血液である。
【0018】
以下、オートクランプ40が人工心肺システムで用いられる場合を例にして、オートクランプ40を説明する。まず、人工心肺システム1の概要を説明する。図1は、人工心肺システムの概要を示す図である。
【0019】
図1に示すように、人工心肺システム1は、主には、患者P、リザーバー8、遠心ポンプ12、人工肺7、および遠心ポンプ駆動装置14を含む。患者P、リザーバー8、遠心ポンプ12、および人工肺7は、チューブ46を介して接続されている。図1の矢印は、血液の流れの方向を示す。患者P、リザーバー8、遠心ポンプ12、および人工肺7は、チューブ46を介して接続されることで、血液循環回路を形成している。
【0020】
リザーバー8は、患者Pから流出した静脈血および患者Pから回収した血液を貯留するための貯血槽である。遠心ポンプ12は、血液ポンプとして機能する装置である。人工肺7は、リザーバー8から流出した血液に酸素を添加する装置である。
【0021】
血液循環回路は、患者Pの血液を体外に循環させるための回路である。血液循環回路は、脱血ライン32、血液回収ライン34、および送血ライン33を含む。脱血ライン32および血液回収ライン34は、患者Pからリザーバー8に血液を送るためのラインである。送血ライン33は、リザーバー8から患者Pに血液を送るためのラインである。
【0022】
脱血ライン32は、患者Pの血液に酸素を添加するために、患者Pから意図的に脱血するためのラインである。
【0023】
血液回収ライン34は、出血した血液などを術野から回収するためのラインである。術野から回収された血液は、リザーバー8において、脱血ライン32からの流入した血液と合流する。
【0024】
送血ライン33は、患者Pに、人工肺7によって酸素が添加された血液を送るためのラインである。
【0025】
脱血ライン32には、第1流量調整装置24が配置されている。血液回収ライン34には、第2流量調整装置25が配置されている。第1流量調整装置24は、脱血ライン32を流れる血液の流量を調整する装置である。第2流量調整装置25は、血液回収ライン34を流れる血液の流量を調整する装置である。
【0026】
第1流量調整装置24および第2流量調整装置25は、それぞれ、ローラーポンプによって構成されている。
【0027】
第1流量調整装置24および第2流量調整装置25は、流量制御装置20が接続されている。流量制御装置20は、第1流量調整装置24および第2流量調整装置25を制御する装置である。流量制御装置20は、ローラーポンプコントローラーとして機能する。
【0028】
流量制御装置20は、第1流量調整装置24を制御することによって、脱血ライン32の流量を調整する。流量制御装置20は、第2流量調整装置25を制御することによって、血液回収ライン34の流量を調整する。
【0029】
送血ライン33には、遠心ポンプ12、人工肺7、フィルタ44、センサー部42、およびオートクランプ40が配置されている。
【0030】
遠心ポンプ12は、血液循環回路における血液の流れを作り出す装置である。遠心ポンプ12は、血液ポンプとして機能するポンプである。遠心ポンプ12は、送血ライン33における、リザーバー8と人工肺7との間に配置されている。詳しくは、遠心ポンプ12は、リザーバー8に併設されている。
【0031】
遠心ポンプ12には、駆動モーター16が取り付けられる。駆動モーター16は、遠心ポンプ12を回転させて、遠心ポンプ12を作動させる装置である。駆動モーター16は、接続コード47を介して、遠心ポンプ駆動装置14に接続されている。遠心ポンプ駆動装置14は、遠心ポンプ12を制御する装置である。遠心ポンプ駆動装置14は、駆動モーター16を介して、遠心ポンプ12を制御する。
【0032】
遠心ポンプ駆動装置14は、駆動モーター16の駆動を制御する。駆動モーター16の駆動は、遠心ポンプ12に伝えられる。このようにして、遠心ポンプ駆動装置14は、駆動モーター16を介して遠心ポンプ12を制御する。遠心ポンプ駆動装置14については、後に説明する。
【0033】
送血ライン33における人工肺7の下流には、フィルタ44が配置されている。フィルタ44は、チューブ46を流れる血液をフィルタリングする部材である。
【0034】
送血ライン33におけるフィルタ44の下流等には、センサー部42が配置されている。センサー部42は、チューブ46を流れる血液に関する情報を検知する装置である。センサー部42は、複数の種類のセンサーを含むことができる。センサー部42は、血液の流量センサー、血液の温度センサー、血流の圧力センサー、血流中の気泡センサーなどを含むことができる。また、センサー部42は、リザーバー8中の血液のレベルセンサーを含むことができる。
【0035】
センサー部42は、接続コード47を介して遠心ポンプ駆動装置14に接続されている。センサー部42が検知した情報は、遠心ポンプ駆動装置14に送信される。
【0036】
送血ライン33におけるセンサー部42の下流には、オートクランプ40が配置されている。オートクランプ40は、異常発生時にチューブ46を閉塞させて、血液の循環を停止させる装置である。オートクランプ40は、例えばチューブ46の内部に気泡が混入した場合、チューブ46に逆流が生じた場合、リザーバー8の液面が低下した場合などに、チューブ46をクランプすることによって血液の流れを停止させる。オートクランプ40は、接続コード47を介して遠心ポンプ駆動装置14に接続されている。オートクランプ40の作動は、遠心ポンプ駆動装置14によって制御される。オートクランプ40については、後に説明する。
【0037】
遠心ポンプ駆動装置14には、前述のように、接続コード47を介して、駆動モーター16、センサー部42、およびオートクランプ40が接続されている。遠心ポンプ駆動装置14は、駆動モーター16、センサー部42、およびオートクランプ40の動作を制御し、また、それらの動作を監視する。遠心ポンプ駆動装置14は、人工心肺システム1の複数の装置を制御することで、人工心肺システム1においてメインコントローラーとして機能する。
【0038】
遠心ポンプ駆動装置14には、コントローラー取り付けアーム50が取り付けられている。遠心ポンプ駆動装置14にコントローラー取り付けアーム50が取り付けられたものを、遠心ポンプ駆動装置ユニット15という。遠心ポンプ駆動装置14は、遠心ポンプ駆動装置ユニット15の状態で、コントローラー取り付けアーム50を介して搬送カート60などに取り付けられる。遠心ポンプ駆動装置14が搬送カート60に取り付けられた状態は、図2に示されている。コントローラー取り付けアーム50については、後に説明する。
【0039】
図2は、搬送カート60に搭載された状態の人工心肺システム1の概要を示す図である。本発明の人工心肺システム1では、人工心肺システム1の構成要素のうち、患者Pを除く全ての構成要素を搬送カート60に搭載することができる。そのため、人工心肺システム1を容易に移動させることができる。
【0040】
(搬送カート)
搬送カート60は、複数のポール62、少なくとも1つの設置台64、および複数のキャスタ66を含む。搬送カート60がキャスタ66を含むことによって、搬送カート60を容易に移動させることができる。
【0041】
また、搬送カート60がポール62を含むことによって、種々の装置などを、クランプなどを介して、ポール62に取り付けることができる。図2の例では、遠心ポンプ駆動装置14が、第1の取り付け部55を介してポール62に取り付けらえている。また、オートクランプ40およびフィルタ44が、それぞれ、支持アーム58を介して、ポール62に取り付けられている。
【0042】
コントローラー取り付けアーム50を例にして、搬送カート60のポール62に装置を取り付けるためのアームについて説明する。図1に示すように、コントローラー取り付けアーム50は、第1のアーム部51、第2のアーム部52、接続部53、第1の取り付け部55、および第2の取り付け部56を含む。第1のアーム部51と第2のアーム部52とは、接続部53を介して接続されている。接続部53は、第2のアーム部52が第1のアーム部51に対して屈折すること、および第2のアーム部52が第1のアーム部51に対して回転することができるように構成されている。接続部53が存在することによって、第2のアーム部52は、水平方向、および垂直方向に位置を変えることができる。
【0043】
第1のアーム部51における、接続部53とは反対側の端には、第1の取り付け部55が配置されている。第1の取り付け部55は、クランプ機構含む。第1の取り付け部55は、クランプ機構を介して、ポール62に取り付けられている。第1の取り付け部55がポール62に取り付けられることによって、コントローラー取り付けアーム50の全体が、ポール62に固定される。
【0044】
第2のアーム部52における、接続部53とは反対側の端には、第2の取り付け部56が配置されている。遠心ポンプ駆動装置14は、第2の取り付け部56を介してコントローラー取り付けアーム50に取り付けられている。
【0045】
第2の取り付け部56は、遠心ポンプ駆動装置14が、水平方向、および垂直方向に位置を変えることができるように構成されている。
【0046】
なお、コントローラー取り付けアーム50は、第1のアーム部51および第2のアーム部52の2つのアーム部を必ずしも含まなくてもよい。コントローラー取り付けアーム50が1つのアーム部を含むように、コントローラー取り付けアーム50を構成することもできる。
【0047】
コントローラー取り付けアーム50を例にして、装置をポール62に取り付けるためのアームを説明した。このようなアーム50は、コントローラー以外の装置をポール62に取り付けるために用いることができる。例えば、オートクランプ40、または遠心ポンプ駆動装置14などをポール62に取り付ける際に、コントローラー取り付けアーム50と同様のアームを用いることができる。
【0048】
また、搬送カート60が設置台64を含むことによって、種々の装置などを、搬送カート60に配置することができる。図2の例では、バックアップコントローラー100が、設置台64に配置されている。バックアップコントローラー100は、遠心ポンプ駆動装置14(メインコントローラー)が故障した場合などに、遠心ポンプ12の回転数を設定し、遠心ポンプ12の回転を維持するための装置である。
【0049】
また、設置台64には、図示しないハンドクランクを配置することもできる。ハンドクランクは、遠心ポンプ駆動装置14(メインコントローラー)または駆動モーター16が故障した場合などに、手回しで、遠心ポンプ12の回転を維持するための装置である。
【0050】
バックアップコントローラー100またはハンドクランクなど、他の装置のバックアップに用いる装置が搬送カート60に配置されることで、他の装置が故障などした際に、システムを素早く復旧させることができる。
【0051】
図3から図9に基づいて本実施形態のオートクランプ40を説明する。図3は、本実施形態のオートクランプ40を示す図である。図3に示すオートクランプ40は、オートクランプ40の一部が切り取られている。これは、オートクランプ40の内部を示すためである。
【0052】
図3に矢印DCで示す方向を閉塞方向DCとする。図3に矢印DRで示す方向を開放方向DRとする。
【0053】
オートクランプ40は、主には、モーター122、モーターシャフト124、およびハンマー120を含む。モーター122は、ハンマー120を移動させるための駆動力を生じさせる装置である。モーターシャフト124は、モーター122の駆動力をハンマー120に伝える部品である。モーターシャフト124は、モーター122を貫通している。モーターシャフト124は、モーター122を貫通した上で、閉塞方向DCおよび開放方向DRに延伸している。
【0054】
ハンマー120は、チューブ46に押し込まれることによって、チューブ46を閉塞させる部品である。ハンマー120は、モーターシャフト124の閉塞方向DCの端に取り付けられている。
【0055】
モーター122、モーターシャフト124、およびハンマー120などは、ケースに収められている。ケースは、チューブ側ケース101、モーター側ケース102、および蓋104を含む。チューブ側ケース101は、主にハンマー120を収容するケースである。モーター側ケース102は、主にモーター122およびセンサーを収容するケースである。センサーについては後に説明する。
【0056】
蓋104は、オートクランプ40のチューブ46への取り付け、および取り外しを可能にするための部品である。蓋104は、チューブ側ケース101に、開閉可能に取り付けられている。蓋104については、図5に基づいて後に説明する。
【0057】
蓋104は、ハンマー120との間にチューブ46をはさむことによって、チューブ46が閉塞されることを可能にする。
【0058】
図4は、ハンマー120によるチューブ46の閉塞の様子を示す図である。図4は、図3のI-I線断面において、ハンマー120の近傍を示す。図4に示すように、ハンマー120の先端126は、とがった形状を有している。ハンマー120が閉塞方向DCに移動すると、ハンマー120の先端126は、チューブ46に閉塞方向DCに押し込まれていく。チューブ46の閉塞方向DC側の表面128は、蓋104に接している。そのため、ハンマー120が閉塞方向DCに移動すると、チューブ46は、ハンマー120の先端126と蓋104とに挟まれることによって閉塞する。
【0059】
図5および図6に基づいて、オートクランプ40の内部構造などを説明する。図5は、モーター側ケース102が取り外された状態のオートクランプ40を示す図である。図6は、チューブ側ケース101、モーター側ケース102、および蓋104が取り外された状態のオートクランプ40を示す図である。
【0060】
図5に示すように、チューブ側ケース101には、チューブ46を設置するための切り欠き部110が設けられている。蓋104は、回転軸108の周りに回転することができるように構成されている。オートクランプ40は、蓋104が開かれた状態でチューブ46に配置される。オートクランプ40をチューブ46に設置することは、切り欠き部110にチューブ46を設置することを意味する。
【0061】
蓋104は、切り欠き部110にチューブ46が設置された後に閉じられる。蓋104が閉じられることによって、チューブ46は、閉塞されない状態で、オートクランプ40に固定される。
【0062】
図5図6との比較から分かるように、チューブ側ケース101の内側には、ハンマー120が配置されている。
【0063】
チューブ側ケース101の内側における、蓋104と接する位置には、蓋スイッチ106が配置されている。蓋スイッチ106は、蓋104が正常にしまっているか否かを監視するための装置である。蓋スイッチ106は、閉じられた位置にある蓋104は蓋スイッチ106を押し、閉じられた位置にない蓋104は蓋スイッチを押さないような位置に配置されている。
【0064】
オートクランプ40は、延伸方向が平行な2つのシャフトを含む。一方のシャフトは、モーターシャフト124である。他方のシャフトは、位置検出用シャフト134である。
【0065】
モーターシャフト124および位置検出用シャフト134は、閉塞方向DCおよび開放方向DRに沿って延伸している。モーターシャフト124および位置検出用シャフト134は、それらが動く方向に沿って、互いに平行である。
【0066】
モーターシャフト124および位置検出用シャフト134は、連動部材130によって接続されている。モーターシャフト124と、位置検出用シャフト134とは、連動部材130によって接続されていることで、連動して動く。連動して動くとは、一体として、同じ方向に同じ距離動く、との意味である。モーターシャフト124および位置検出用シャフト134の動きについては、図8および図9に基づいて、後に説明する。
【0067】
モーター側ケース102の内側には、位置センサー146および閉塞センサー140が配置されている。位置センサー146は、ハンマー120の現在の位置を検知するセンサーである。閉塞センサー140は、少なくとも、チューブ46の閉塞が完了したことを検知するセンサーである。ただし、閉塞センサー140は、チューブ46の閉塞が完了したことに加えて、チューブ46の開放が完了したことを検知するセンサーとすることもできる。この場合、閉塞センサー140は、閉塞開放センサーとして機能する。
【0068】
さらには、閉塞センサー140は、過剰な閉塞を防ぐことができるセンサーである。また、閉塞センサー140が閉塞開放センサーとして構成されている場合には、閉塞センサー140は、過剰な閉塞に加えて、過剰な開放を防ぐことができるセンサーとしても機能する。
【0069】
以下の説明においては、閉塞センサー140が閉塞開放センサーとして構成されている場合を例にして、各部の構成および機能などを説明する。
【0070】
閉塞センサー140が閉塞開放センサーとして構成されている場合には、閉塞センサー140は、開放検知センサー142および閉塞検知センサー144を含む。開放検知センサー142は、チューブ46の開放が完了したことを検知するセンサーである。閉塞検知センサー144は、チューブ46の閉塞が完了したことを検知するセンサーである。センサーの検知と、ハンマー120およびシャフトの動きとの関係については、図8および図9に基づいて、後に説明する。なお、上述のように、閉塞センサー140は、チューブ46の閉塞が完了したことのみを検知するように構成することもできる。その場合には、閉塞センサー140は、閉塞検知センサー144のみを含み、開放検知センサー142を含まない。
【0071】
オートクランプ40の動作の概要を説明する。図7は、オートクランプ40の動作の概要を示す図である。図7に示すように、オートクランプ40の動作は、モーター122を中心に整理することができる。モーター122が駆動すると、モーター122の駆動がモーターシャフト124を介してハンマー120に伝えられる。ハンマー120がモーターシャフト124を介して移動することによって、チューブ46が閉塞され、または開放される。
【0072】
モーターシャフト124の動きは、連動部材130に伝えられる。モーターシャフト124と連動部材130とは、連動して動作する。これは、ハンマー120と連動部材130とが連動して動作することを意味する。すなわち、ハンマー120、モーターシャフト124、および連動部材130は、連動して動作することを意味する。
【0073】
連動部材130には、位置検出用シャフト134が取り付けられている。そのため、位置検出用シャフト134と連動部材130とは連動して動作する。
【0074】
位置センサー146は、位置検出用シャフト134の位置または動作を検知する。閉塞センサー140は、位置検出用シャフト134の位置または動作、もしくは、連動部材130の位置または動作を検知する。
【0075】
以上のように、ハンマー120、モーターシャフト124、連動部材130、および位置検出用シャフト134は、連動して動作する。位置センサー146および閉塞センサー140は、位置検出用シャフト134または連動部材130の位置などを検知する。
【0076】
このような関係により、位置センサー146は、ハンマー120の現在位置を検知し、また、ハンマー120の位置を監視することができる。また、閉塞センサー140は、ハンマー120によるチューブ46の閉塞の完了、またはハンマー120によるチューブ46の開放の完了を検知することができる。
【0077】
オートクランプ40には、蓋スイッチ106が備えられている。そのため、蓋104が正常に閉まっているかを監視することができる。
【0078】
本実施形態のオートクランプ40は、2つの、平行した、連動して動くシャフトを備えることによって、小型でありながらも、チューブ46の閉塞および開放についての多重監視を可能にしている。これにより本実施形態のオートクランプ40は、装置の安全性が確保されたオートクランプ40を実現している。
【0079】
本実施形態のオートクランプ40は、位置センサー146および閉塞センサー140によるセンシングによって動作監視し、安全動作を確保している。図8および図9に基づいて、多重監視による安全性の確保について説明する。図8および図9は、いずれも、ケースが取り外されたオートクランプを示す図である。図8に示すオートクランプ40と、図9に示すオートクランプ40とでは、ハンマー120の位置が異なる。図8に示すハンマー120は、開放が完了した位置にある。図9に示すハンマー120は、閉塞が完了した位置にある。
【0080】
本実施形態のオートクランプ40は、図8および図9の枠囲みRに示すように、連動部材130を介して、モーターシャフト124および位置検出用シャフト134などが連動して動作する。
【0081】
図9に示すように、モーターシャフト124の閉塞方向DCの端である第1端124aには、ハンマー120が取り付けられている。一方、モーターシャフト124の開放方向DRの端である第2端124bには、連動部材130が取り付けられている。
【0082】
もう一方のシャフトである位置検出用シャフト134について、図8に基づいて説明する。位置検出用シャフト134の閉塞方向DCの端である第1端134aは、位置センサー146の少なくとも一部を構成する。位置センサー146の構成するセンサーの種類は、特には限定されない。位置センサー146が、リニアポテンショメーターである場合には、第1端134aには、リニアポテンショメーターの一端が接続される。
【0083】
位置センサー146が、レーザー式距離センサーである場合には、第1端134aには、レーザーを照射する部分、または、レーザーが照射される部分などが配置される。
【0084】
一方、位置検出用シャフト134の開放方向DRの端である第2端134bには、連動部材130が取り付けられている。位置検出用シャフト134に連動部材130が取り付けられることによって、モーターシャフト124と、位置検出用シャフト134とが連動して、一体として移動する。
【0085】
図8および図9に示す線LRと線LCとは、連動部材130の可動域の一端と他端とを示す。線LRは、可動域の開放方向DRの端を示す。線LCは、可動域の閉塞方向DCの端を示す。すなわち、可動域とは、線LRと線LCとで両端が規定された範囲である。
【0086】
本実施形態のオートクランプ40では、連動部材130は、可動域の範囲内を移動する。連動部材130と、ハンマー120とは連動して、一体として移動する。そのため、連動部材130が可動域の範囲内を移動することは、ハンマー120が、ハンマー120にとっての移動許容範囲内を移動することを意味する。
【0087】
具体的には、連動部材130が線LRに位置する場合、ハンマー120は、チューブ46の開放が完了した位置に位置する。連動部材130が線LCに位置する場合、ハンマー120は、チューブ46の閉塞が完了した位置に位置する。すなわち、連動部材130が線LRと線LCとの間を移動する場合、ハンマー120は、チューブ46の開放が完了した位置と、チューブ46の閉塞が完了した位置との間を移動する。チューブ46の開放が完了した位置と、チューブ46の閉塞が完了した位置との間が、ハンマー120にとっての移動許容範囲である。
【0088】
連動部材130が線LRと線LCとで範囲が規定された可動域の範囲内を移動することは、閉塞センサー140によって監視される。閉塞センサー140は、開放検知センサー142および閉塞検知センサー144を含む。開放検知センサー142は、連動部材130が線LRに位置すること、または連動部材130が線LRに到達したことを検知するセンサーである。閉塞検知センサー144は、連動部材130が線LCに位置すること、または連動部材130が線LCに到達したことを検知するセンサーである。
【0089】
閉塞センサー140を構成するセンサーの種類は、特には限定されない。閉塞センサー140がフォトマイクロセンサーである場合には、開放検知センサー142は、連動部材130が線LRに位置するとき、または連動部材130が線LRに到達したときに、連動部材130が、開放検知センサー142が受光する光を遮るように構成することができる。
【0090】
また、閉塞センサー140がフォトマイクロセンサーである場合には、閉塞検知センサー144は、連動部材130が線LCに位置するとき、または連動部材130が線LCに到達したときに、連動部材130が、閉塞検知センサー144が受光する光を遮るように構成することができる。
【0091】
閉塞センサー140がタッチセンサーである場合には、開放検知センサー142は、連動部材130が線LRに位置するとき、または連動部材130が線LRに到達したときに、連動部材130が、開放検知センサー142に触れるように構成することができる。
【0092】
また、閉塞センサー140がタッチセンサーである場合には、閉塞検知センサー144は、連動部材130が線LCに位置するとき、または連動部材130が線LCに到達したときに、連動部材130が、閉塞検知センサー144に触れるように構成することができる。
【0093】
なお、閉塞センサー140がフォトマイクロセンサーである場合、光を遮る部分は、連動部材130には限定されない。また、閉塞センサー140がタッチセンサーである場合、タッチセンサーに触れる部分は連動部材130には限定されない。
【0094】
連動部材130に設けられた突起、または、位置検出用シャフト134に設けられた突起などが、光を遮る、または、タッチセンサーに触れるようにすることもできる。
【0095】
センサーによるハンマー120の多重監視について説明する。図1に基づいて説明したように、オートクランプ40は、メインコントローラーとしての遠心ポンプ駆動装置14に接続されている。遠心ポンプ駆動装置14は、オートクランプ40の位置センサー146および閉塞センサー140に対する制御部として機能する。なお、オートクランプ40、位置センサー146、および閉塞センサー140に対する制御部は、遠心ポンプ駆動装置14に限定する必要はない。遠心ポンプ駆動装置14とは別の装置を、オートクランプ40、位置センサー146、および閉塞センサー140の制御部とすることができる。
【0096】
メインコントローラーなどの、オートクランプ40、位置センサー146および閉塞センサー140に対する制御部は、モーター122の駆動を制御することによって、ハンマー120の移動を制御する。
【0097】
制御部は、閉塞センサー140が、ハンマー120によるチューブ46の閉塞の完了を検知した場合に、または、閉塞センサー140が、ハンマー120によるチューブ46の開放の完了を検知した場合に、ハンマー120の移動を停止させる。閉塞センサー140は、連動部材130の位置などに基づいて、ハンマー120によるチューブ46の閉塞の完了、および開放の完了を検知する。
【0098】
また、制御部は、位置センサー146が検知したハンマー120の現在位置に基づいて、モーター122の駆動を制御する。制御部は、モーター122を制御することで、ハンマー120を移動させ、チューブ46の閉塞および開放を制御する。
【0099】
制御部は、モーター122の制御を、位置センサー146が検知した位置検出用シャフト134の現在位置、延いてはハンマー120の現在位置に基づいて行う。言い換えると、制御部は、チューブ46の閉塞具合の制御を、位置センサー146が検知した位置検出用シャフト134の現在位置、延いてはハンマー120の現在位置に基づいて行う。
【0100】
以上のように、本実施形態のオートクランプ40では、閉塞センサー140の検知結果に基づくハンマー120の位置の監視と、位置センサー146の検知結果に基づくハンマー120の位置の監視と、が行われる。このように、センサーによる多重監視が行われることによって、オートクランプ40の安全性が高められている。
【0101】
本実施形態のオートクランプ40では、閉塞センサー140の検知結果に基づくハンマー120の制御と、位置センサー146の検知結果に基づくハンマー120の制御とにおいて、制御部が、前記ハンマー120の移動を停止させる基準位置を異ならせることができる。
【0102】
具体的には、閉塞センサー140がチューブ46の閉塞の完了を検知する際の位置検出用シャフト134の位置よりも、チューブ46がより閉塞される方向に位置する所定の位置、または、閉塞センサー140がチューブ46の開放の完了を検知する際の位置検出用シャフト134の位置よりも、チューブ46がより開放される方向に位置する所定の位置、に位置検出用シャフト134があると位置センサー146が検知した場合には、制御部は、ハンマー120の移動を停止させる。
【0103】
チューブ46がより閉塞される方向の位置とは、より閉塞方向DC側に位置する位置、との意味である。また、チューブ46がより開放される方向の位置とは、より開放方向DR側に位置する位置、との意味である。
【0104】
上述のように構成することで、閉塞センサー140の検知結果に基づく制御におけるハンマー120の可動域を超える範囲に、位置センサー146の検知結果に基づくハンマー120の可動域を設定することができる。
【0105】
このような制御を行うことによって、閉塞センサー140が故障した場合、または閉塞センサー140が誤作動するような場合であっても、オートクランプ40を安全な状態に維持することができる。
【0106】
閉塞センサー140が故障などし、閉塞センサー140がチューブ46の閉塞の完了、またはチューブ46の開放の完了を検知しない場合であっても、位置センサー146の検知結果に基づいてハンマー120の移動を停止させることができる。
【0107】
本実施形態のオートクランプ40では、上述のように、小型化と、動作の安定性の確保とが、併せて実現されている。
【0108】
従来のオートクランプでは、バネ機構およびモーターの2つの構成部品が用いられていた。これに対して、本実施形態のオートクランプ40では、バネ機構を用いずに、モーターのみで動作が実現されている。また、本実施形態のオートクランプ40では、連動して動く2つのシャフトを、直列に配置するのではなく、並列に配置している。これらによって、本実施形態のオートクランプ40では、小型化が実現されている。
【0109】
また、本実施形態のオートクランプ40では、構成部品を減らすことなどによって、小型化に加えて、軽量化が実現されている。本実施形態のオートクランプ40の重量は、従来のオートクランプの重量の約30%である。本実施形態のオートクランプ40の重量は、約1.3kgである。
【0110】
さらに、本実施形態のオートクランプ40には、防水規格を追加することができる。言い換えると、本実施形態のオートクランプ40は、防水仕様にすることができる。これは、制御用の回路基板をオートクランプ40の内部ではなく、オートクランプ40の外部に配置することによって実現されている。前述のように、オートクランプ40は、外部の制御部によって制御されている。オートクランプ40を制御するための回路基板は、外部の制御部に配置されている。
【0111】
オートクランプ40を防水仕様にすることによって、オートクランプ40が使用可能な環境の範囲を広げることができる。
【0112】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく、種々の変更、変形及び組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 人工心肺システム
3 体外循環装置
7 人工肺
8 リザーバー
12 遠心ポンプ
14 遠心ポンプ駆動装置(メインコントローラー)
15 遠心ポンプ駆動装置ユニット
16 駆動モーター
20 流量制御装置
22 陰圧調整装置
24 第1流量調整装置
25 第2流量調整装置
30 血液循環回路
32 脱血ライン
33 送血ライン
34 血液回収ライン
40 オートクランプ
42 センサー部
44 フィルタ
46 チューブ
47 接続コード
48 配線
50 コントローラー取り付けアーム
58 支持アーム
60 搬送カート
100 バックアップコントローラー
101 チューブ側ケース
102 モーター側ケース
104 蓋
106 蓋スイッチ
108 回転軸
110 切り欠き部
120 ハンマー
122 モーター
124 モーターシャフト
126 ハンマーの先端
128 チューブの閉塞方向側の表面
130 連動部材
134 位置検出用シャフト
140 閉塞センサー
142 開放検知センサー
144 閉塞検知センサー
146 位置センサー
DC 閉塞方向
DR 開放方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9