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  • 特開-開閉制御システム及び開閉制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123691
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】開閉制御システム及び開閉制御方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20240905BHJP
   E05F 15/77 20150101ALI20240905BHJP
   G01S 19/37 20100101ALI20240905BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E05F15/77
G01S19/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031309
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】大館 一樹
【テーマコード(参考)】
2E042
2E052
5J062
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042CA01
2E042CA15
2E042DA01
2E052AA04
2E052BA06
2E052CA06
2E052DA02
2E052DB02
2E052EA14
2E052EB01
2E052EC01
5J062CC07
(57)【要約】
【課題】車両搭載型リモコン装置による自動閉鎖時に車両とガレージシャッターとの接触を回避する。
【解決手段】車両90のUSBまたは電源ソケットから電力の供給を受けることによって無線通信回線を介して開閉に関する制御信号を送信する車載用自動開閉リモコン91にGPS機能を搭載し、GPS機能によって取得した車両の位置情報に基づいてガレージシャッターの開閉動作を制御する。車両90の位置情報が、半径約10メートル以内の場合に開信号を送信し、開動作させる。エンジン始動時に所定領域内に存在しない場合は開信号を送信しない。出庫後はGPS機能に基づいて、約30メートルよりも遠く離間した場合は、閉信号を送信する。帰宅時には、半径約10メートルの円周内に進入した時点で開信号を送信する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の入出庫に対応して開閉動作する開閉体手段と、
前記開閉体手段の開閉動作を電動にて制御する制御手段と、
車両のUSBまたは電源ソケットから電力の供給を受け、前記制御手段に無線通信回線を介して接続され、前記制御手段に制御信号を送信する車載用自動開閉リモコン手段とを備える開閉制御システムにおいて、
前記車載用自動開閉リモコン手段にGPS機能を搭載し、前記GPS機能によって取得した車両の位置情報に基づいて前記制御手段に送信する制御信号を制御するように構成したことを特徴とする開閉制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉制御システムにおいて、
エンジン始動時における前記GPS機能によって取得される車両の位置情報が、前記開閉体手段若しくは前記制御手段の設置位置又は前記設置位置付近の任意の位置を基準位置として、前記基準位置に基づく第1の所定領域の内側に存在する場合は開信号を送信して前記開閉体手段を開動作させ、
エンジン始動時における前記車両の前記位置情報が前記第1の所定領域の内側に存在しない場合は前記開信号を送信しないで、
前記車両が出庫後における前記車両の前記位置情報が前記第1の領域より外側の第2の所定領域の外側に存在する場合は閉信号を送信することを特徴とする開閉制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の開閉制御システムにおいて、
前記車両が前記第2の領域の外側から前記第1の領域の内側に進入した場合は、前記開閉体手段の開動作に関する制御信号を送信して前記開閉体手段を開動作させることを特徴とする開閉制御システム。
【請求項4】
車両の入出庫に対応して開閉動作する開閉体手段の開閉動作を電動にて制御する制御手段に対して、車両のUSBまたは電源ソケットから電力の供給を受けて前記制御手段に無線通信回線を介して接続されることによって、前記制御手段に前記制御信号を送信する車載用自動開閉リモコン手段を用いて前記制御手段に前記制御信号を送信して前記開閉動作を制御する開閉制御方法において、
前記車載用自動開閉リモコン手段にGPS機能を搭載し、前記GPS機能によって取得した車両の位置情報に基づいて前記制御手段に送信する制御信号を制御することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の開閉制御方法において、
エンジン始動時における前記GPS機能によって取得される車両の位置情報が、前記開閉体手段若しくは前記制御手段の設置位置又は前記設置位置付近の任意の位置を基準位置として、前記基準位置に基づく第1の所定領域の内側に存在する場合は開信号を送信して前記開閉体手段を開動作させ、
エンジン始動時における前記車両の前記位置情報が前記第1の所定領域の内側に存在しない場合は前記開信号を送信しないで、
前記車両が出庫後における前記車両の前記位置情報が前記第1の領域より外側の第2の所定領域の外側に存在する場合は閉信号を送信することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の開閉制御システムにおいて、
前記車両が前記第2の領域の外側から前記第1の領域の内側に進入した場合は、前記開閉体手段の開動作に関する制御信号を送信して前記開閉体手段を開動作させることを特徴とする開閉制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターカーテンなどの開閉体の開閉動作を制御する開閉制御システム及び開閉制御方法に係り、特に車両の入出庫に対応して開閉動作する車庫用開閉体装置の開閉制御システム及び開閉制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターカーテンなどの開閉体装置は、戸建住宅、集合住宅、ビル、工場、倉庫、車庫、駐車場などの建物やゲートなどを含む構造物躯体の開口部に設置され、その開閉部材を移動させることによってその開口部を開放、閉鎖するものである。開閉体装置は、開口部の上部から開閉部材であるシャッターカーテンを徐々に繰り出し下降させて開口部全体を閉鎖する。特に、車庫(ガレージ)に直接設置される車庫用開閉体装置や駐車場からの出入口に設置される車両用開閉体装置は、運転者の負担を軽減するために、車の入出庫に応じて自動的に開閉動作するものが望ましく、特許文献1に記載のようなものが提案されている。
【特許文献1】特開2000-258169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載のナビゲーション装置は、車両の現在位置及び方位と電動ガレージ外に予め定めた開放位置及び開放方位とが各々略一致し、かつ車両の速度が所定速度以下の場合に、電動ガレージのドアを開放するものである。このナビゲーション装置によれば、単に電動ガレージの前を車両が通過する場合等、入庫の目的以外で電動ガレージへ接近した場合に誤って電動ガレージのシャッターを開放させてしまうのを防止することができる。
このナビゲーション装置は、該当車両に搭載されていなければ、開閉体装置を作動させることができない。従って、車庫の利用が1台に限定されているのであれば問題はないが、複数台の車両を利用する場合、この機能を備えたナビゲーション装置を全ての車両が搭載していないと利用することができない。
【0004】
一方、最近では、車のUSBまたは電源ソケットから電力の供給を受け、特定の車を認識して電動ガレージを自動で開閉できるように構成されたリモコン装置が提案されている。この車両搭載型リモコン装置は、車のエンジンがかかると電源の供給を受け自動で開信号を送信するように構成されている。従って、エンジンをかけるだけで自動で電動ガレージが開き、操作が不要で電動ガレージ開閉の待機時間を短縮することができ、電池交換の必要もなく使える非常に便利なものである。
車両搭載型リモコン装置の場合、電動ガレージはリモコン装置から発信される自動開信号の有無だけを判断して電動ガレージの制御しているため、リモコン装置と車のUSBまたは電源ソケットとの間の接触不良や電波受信不良によって、車が電動ガレージの近傍に存在しているにもかかわらず閉鎖する可能性がある。また、車両搭載型のリモコン装置を搭載した車が出庫後に近くを通過しただけで電動ガレージが開く可能性があり防犯上好ましくない場合がある。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みなされたものであり、車両搭載型リモコン装置による自動閉鎖時に車両とガレージシャッターとの接触を回避することができる開閉制御システム及び開閉制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開閉制御システムの第1の特徴は、車両の入出庫に対応して開閉動作する開閉体手段と、前記開閉体手段の開閉動作を電動にて制御する制御手段と、車両のUSBまたは電源ソケットから電力の供給を受け、前記制御手段に無線通信回線を介して接続され、前記制御手段に制御信号を送信する車載用自動開閉リモコン手段とを備える開閉制御システムにおいて、前記車載用自動開閉リモコン手段にGPS機能を搭載し、前記GPS機能によって取得した車両の位置情報に基づいて前記制御手段に送信する制御信号を制御するように構成したことにある。
【0007】
開閉体手段は、車両の入出庫に対応して開閉動作する車両用開閉体手段(電動ガレージ)である。車両用開閉体手段は、車庫に直接設けられるものや駐車場の出入口等に設けられるものであり、リモコン装置などから開閉に関する信号を受信すると電動にて開閉動作を実行する。この発明では、車両のUSBまたは電源ソケットから電力の供給を受けることによって無線通信回線を介して開閉に関する制御信号を送信する車載用自動開閉リモコン手段にGPS機能を搭載し、GPS機能によって取得した車両の位置情報に基づいて制御手段に送信する制御信号を制御するようにしたものである。
車両の位置情報が、車両用開閉体手段の位置情報(基準位置)に基づく所定領域内(半径約10メートル以内)に存在する場合に開信号を送信し、車両用開閉体手段を開動作させる。一方、エンジン始動時に所定領域内に存在しない場合は開信号を送信しない。また、出庫後はGPS機能に基づいて、車両用開閉体手段の位置よりも所定の距離(約30メートル)だけ離間した場合は、閉信号を送信する。帰宅時には、所定の距離(基準位置を中心とする半径約10メートルの円周)内に進入した時点で開信号を送信する。帰宅後の車両開閉体手段の閉鎖は車載用自動開閉リモコン手段又は車庫に設けられた操作子などの操作(又は音声操作)によって可能とする。車両用開閉体手段の位置情報(基準位置)は、制御手段の設置位置、車庫の設置位置、又は自宅建物の位置でもよい。これによって、車両搭載型リモコン装置を用いて車両用開閉体手段の出庫及び入庫に合わせた開閉動作を自動で実行し車両とガレージシャッターとの接触を回避することができる。
【0008】
本発明の開閉制御システムの第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御システムにおいて、エンジン始動時における前記GPS機能によって取得される車両の位置情報が、前記開閉体手段若しくは前記制御手段の設置位置又は前記設置位置付近の任意の位置を基準位置として、前記基準位置に基づく第1の所定領域の内側に存在する場合は開信号を送信して前記開閉体手段を開動作させ、エンジン始動時における前記車両の前記位置情報が前記第1の所定領域の内側に存在しない場合は前記開信号を送信しないで、前記車両が出庫後における前記車両の前記位置情報が前記第1の領域より外側の第2の所定領域の外側に存在する場合は閉信号を送信することにある。
これは、車両出庫時に開閉体手段が開動作及び閉動作を実行する場合の具体的条件を示したものである。
【0009】
本発明の開閉制御システムの第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の開閉制御システムにおいて、前記車両が前記第2の領域の外側から前記第1の領域の内側に進入した場合は、前記開閉体手段の開動作に関する制御信号を送信して前記開閉体手段を開動作させることにある。
これは、出庫後に車両が帰宅する時に開閉体手段が開動作を行う場合の具体的条件を示したものである。
【0010】
本発明の開閉制御方法の第1の特徴は、車両の入出庫に対応して開閉動作する開閉体手段の開閉動作を電動にて制御する制御手段に対して、車両のUSBまたは電源ソケットから電力の供給を受けて前記制御手段に無線通信回線を介して接続されることによって、前記制御手段に前記制御信号を送信する車載用自動開閉リモコン手段を用いて前記制御手段に前記制御信号を送信して前記開閉動作を制御する開閉制御方法において、前記車載用自動開閉リモコン手段にGPS機能を搭載し、前記GPS機能によって取得した車両の位置情報に基づいて前記制御手段に送信する制御信号を制御することにある。
これは、前記第1の特徴に記載の開閉制御システムに対応した開閉制御方法の発明である。
【0011】
本発明の開閉制御方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御方法において、エンジン始動時における前記GPS機能によって取得される車両の位置情報が、前記開閉体手段若しくは前記制御手段の設置位置又は前記設置位置付近の任意の位置を基準位置として、前記基準位置に基づく第1の所定領域の内側に存在する場合は開信号を送信して前記開閉体手段を開動作させ、エンジン始動時における前記車両の前記位置情報が前記第1の所定領域の内側に存在しない場合は前記開信号を送信しないで、前記車両が出庫後における前記車両の前記位置情報が前記第1の領域より外側の第2の所定領域の外側に存在する場合は閉信号を送信することにある。
これは、前記第2の特徴に記載の開閉制御システムに対応した開閉制御方法の発明である。
【0012】
本発明の開閉制御方法の第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の開閉制御方法において、前記車両が前記第2の領域の外側から前記第1の領域の内側に進入した場合は、前記開閉体手段の開動作に関する制御信号を送信して前記開閉体手段を開動作させることにある。
これは、前記第3の特徴に記載の開閉制御システムに対応した開閉制御方法の発明である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車両搭載型リモコン装置による自動閉鎖時に車両とガレージシャッターとの接触を回避することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の開閉体装置を備えたガレージシャッター装置の外観を示す図である。
図2図1の開閉体装置を正面から見た一部透視図である。
図3】本発明に係る開閉体装置の制御システムの概略を示す図である。
図4】車両に搭載される車載用自動開閉リモコン送信装置の一例を示す図である。
図5】車載用自動開閉リモコンの実行する処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下添付図面に従って本発明に係る開閉制御システムの好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では開閉制御システムによって制御される開閉体装置として、上方が開放方向で下方が閉鎖方向である上下に開閉制御されるガレージシャッター装置を例に説明する。
【0016】
図1は、本発明の開閉体装置を備えたガレージシャッター装置の外観を示す図である。図2は、図1の開閉体装置を正面から見た一部透視図である。図3は、本発明に係る開閉体装置の制御システムの概略を示す図である。通常、ガレージシャッター装置は、建物や車庫などの構造物の開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース1、シャッターカーテン2、ガイドレール3,4、リモコン送信装置5及び光電センサ6,7から構成される。図4は、車両に搭載される車載用自動開閉リモコン送信装置の一例を示す図である。
【0017】
ガイドレール3,4は、シャッターカーテン2の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材で構成されている。シャッターカーテン2は、このガイドレール3,4の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。シャッターケース1内には、巻取シャフト11が回動可能に設けられており、これにシャッターカーテン2が巻き取られたり巻き戻されたりする。また、シャッターケース1内には、モータ13が設けられており、このモータ13の回転駆動力で巻取シャフト11が回転し、シャッターカーテン2の開閉動作が制御されるようになっている。
【0018】
図2に示すように、シャッターケース1内には、巻取シャフト11、チェーン12、モータ13、位置検出装置14、シャッター開閉機制御装置15が設けられている。巻取シャフト11は、シャッターケース1内に回動可能に設けられ、シャッターカーテン2を巻き取ったり巻き戻したりする。チェーン12は、モータ13の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取シャフト11の回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータ13の回転駆動力はチェーン12を介して巻取シャフト11側に伝達され、モータ13が回転すると、チェーン12を介して巻取シャフト11が回転し、シャッターカーテン2の開閉動作が制御されるようになっている。
【0019】
モータ13には、その回転位置すなわちシャッターカーテン2の開閉位置と開閉状態を検出するための位置検出装置14が設けられている。この位置検出装置14は、パルス発生型のロータリーエンコーダ等で構成される。モータ13の回転に応じたパルス信号がシャッター開閉機制御装置15に出力されるので、モータ13の回転位置やシャッターカーテン2の閉鎖側先端部の開口部における位置や動作状態などはこのパルスの発生状況に基づいてシャッター開閉機制御装置15が演算にて求めることになる。
【0020】
シャッター開閉機制御装置15は、マイクロコンピュータ構成になっており、図示していない電源ラインを介して電力が供給されている。シャッター開閉機制御装置15は、リモコン送信装置5上の各操作スイッチの操作状態に対応した制御信号をリモコン受信機で受信し、その制御信号に基づいてモータ13の回転を制御する。また、シャッター開閉機制御装置15は、車載用自動開閉リモコン装置91からの自動信号をリモコン受信機21によって受信することによって、モータ13の回転を制御して、シャッターカーテンの開閉動作を制御する。
【0021】
リモコン受信機21は、リモコン送信装置5及び車載用自動開閉リモコン装置91との間で所定の周波数帯(例えば、426又は429[MHz])で接続され、所定のIDを介して1対1で接続される。すなわち、リモコン送信装置5及び車載用自動開閉リモコン装置91は、送信だけを行うものであり、リモコン受信機21はリモコン送信装置5及び車載用自動開閉リモコン装置91から送信されてきた操作子IDに基づいて通信状態を確立する。このとき、車載用自動開閉リモコン装置91は、自動信号として2種類の信号を送信するので、リモコン受信機21及びシャッター開閉機制御装置15は、その信号の種類に対応した処理を実行する。この処理の詳細については後述する。
【0022】
リモコン送信装置5は、図1に示すように開放用の開スイッチ5a、停止用の停スイッチ5b、閉鎖用の閉スイッチ5cを有しているので、それぞれの開閉停の各スイッチ5a~5cの操作状態に対応した開閉停の各動作に関する制御信号と共に操作子IDを同時にシャッター開閉機制御装置15のリモコン受信機21に出力する。シャッター開閉機制御装置15は、この操作子IDを含む制御信号を受信することによって、リモコン送信装置5からの制御信号に基づいた動作を実行する。
【0023】
車載用自動開閉リモコン装置91は、図4に示すように、車両90のUSBソケット又は電源ソケットに差し込まれ車両90に搭載される。車載用自動開閉リモコン装置91は、車両のエンジン始動と共に電源ON状態となり、エンジン停止と共に電源OFF状態となる。そして、車両の移動と共に移動し、GPS機能にて移動時の車両位置を取得し、車両位置に応じてリモコン受信機21へ制御信号を送信する。また、車載用自動開閉リモコン91は、車両90の中からでもガレージシャッター装置の開閉動作を操作できる携帯用のリモコンであり、リモコン送信装置5と同等の機能を有するものである。
【0024】
光電センサ6,7は、人や車両等の通過状態、及び物体等の存在を確認するために使用される障害物感知装置であり、開口部の下側左右両端に設けられている。なお、図では、開口部の前後のいずれか一方の所定箇所に設けられているが、前後両方及び/又は開口部上方に設けるようにしてもよい。光電センサ6は、角柱状の投光器支持部材によって構成され、その反対側に同じ形状の受光器支持部材によって構成される光電センサ7が対となるように設けられている。これらの光電センサ6,7は、シャッターカーテン2の座板の長手方向寸法又は開口部の横幅寸法に相当する距離だけ互いに離間して配置されている。
【0025】
光電センサ6には、例えば赤外線等の光を自ら発光する発光素子からなる投光器6aが支持されている。一方、光電センサ7には、光を自ら受光感知する受光素子からなる受光器7aが支持されている。光電センサ6の投光器6aおよび光電センサ7の受光器7aは、互いに向かい合って配置され、開口部の下側位置で座板に沿って走る物体感知用の光線の光路8を形成している。光電センサ6,7が光路8内で人や物体(車両)を感知した場合には、光電センサアンプ6b,7bのスイッチング機構によって、その感知信号がシャッター開閉機制御装置15に送信される。図1において、光路8は、光電センサ6,7の物体感知領域を模式的に示している。
【0026】
図5は、車載用自動開閉リモコン装置の実行する処理の一例を示す図である。車載用自動開閉リモコン装置91は、車両90のエンジン始動後に次の処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。
ステップS51では、車載用自動開閉リモコン装置91が第1の領域内、すなわち予め登録されている車庫(ガレージシャッター装置10)の設置位置を中心とする第1の距離(約10メートル)を半径とする第1の円内の領域(第1の領域内)に車載用自動開閉リモコン装置91すなわち車両90が位置するか否かの判定を行い、第1の円内の領域に位置する(yes)場合は次のステップS52に進み、第1の領域内に存在しない場合にはステップS54に進む。このステップにおける第1の距離の約10メートルは一例であり、これより大きくても小さくてもよい。また、ガレージの併設する建物の位置又は自宅位置を中心として第1の円を特定してもよい。また、ガレージシャッター装置10内における車載用自動開閉リモコン装置91の位置情報を自動的に記録し、それを中心位置としてもよい。
【0027】
ステップS52では、前のステップS51でyesと判定されたということは、車両90が車庫内でエンジン始動し出庫することを意味するので、車載用自動開閉リモコン91からガレージシャッター装置10に直接開動作の制御信号を送信する。この開動作の制御信号を受信したシャッター開閉機制御装置15は、ガレージシャッター装置10の開動作を実行する。
ステップS53では、位置情報レジスタRpに「0」をセットする。位置情報レジスタRpは、車載用自動開閉リモコン91が第1の領域内に位置する場合に「0」がセットされ、第1の領域外で第2の領域内に位置する場合に「1」がセットされ、第2の領域外に位置する場合に「2」がセットされる。従って、この位置情報レジスタRpの格納値を見ることによって車載用自動開閉リモコン91が処理前に存在していた領域を知ることができる。
【0028】
ステップS54では、車載用自動開閉リモコン装置91(車両90)が第2の領域外、すなわち予め登録されている車庫(ガレージシャッター装置10)の設置位置を中心とする第2の距離(約30メートル)を半径とする第2の円内の領域(第2の領域)外に位置するか否かの判定を行い、第2の領域外に位置する(yes)場合は次のステップS55に進み、第2の領域内に存在する場合はステップS58に進む。このステップで示した第2の距離の約30メートルは一例であり、これ以外の距離でもよい。
【0029】
ステップS55では、位置情報レジスタRpが「2」であるかそれ以外の「0」又は「1」であるかの判定を行い、「2」(yes)の場合はリターンし、「0」又は「1」の場合はステップS56に進む。位置情報レジスタRpが「2」であるということは、車載用自動開閉リモコン装置91(車両90)が第2の領域外に位置するので、車載用自動開閉リモコン装置91はなんら制御信号を送信しない。
【0030】
ステップS56では、前のステップで位置情報レジスタRpが「2」以外の「0」又は「1」と判定されたということは、車両90が書庫から出庫して第2の領域外に進入したことを意味するので、車載用自動開閉リモコン91からガレージシャッター装置10に直接閉動作の制御信号を送信する。この閉動作の制御信号を受信したシャッター開閉機制御装置15は、ガレージシャッター装置10の閉動作を実行する。これによって、車両90が出庫し、第2の領域外に進入した時点で、ガレージシャッター装置10が閉動作を開始するようになる。
【0031】
ステップS57では、車載用自動開閉リモコン装置91(車両90)が第2の領域外に位置するので、位置情報レジスタRpに「2」をセットし、リターンする。
ステップS58では、車両90が第2の領域内であって第1の領域外に位置するので、位置情報レジスタRpに「1」をセットし、リターンする。なお、位置情報レジスタRpに「1」がセットされた時点から所定時間が経過してもガレージシャッター装置10が車載用自動開閉リモコン91からの閉動作の制御信号を受信しない場合には、シャッター開閉機制御装置15は、ガレージシャッター装置10の閉動作を実行する。
【0032】
車載用自動開閉リモコン装置91は、車両90が外出先から帰宅して入庫する場合には、第1の領域内に車両90が進入した時点でガレージシャッター装置10に開信号を送信し、車両90が外出のために出庫する場合には、第2の領域外に車両90が到達した時点でガレージシャッター装置10に閉信号を送信する。これによって、外出先から車両90が帰宅して入庫する場合には、第1の領域内に車両90が進入した時点でガレージシャッター装置10は開動作を実行し、速やかな入庫を可能とする。
【0033】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるシャッターカーテンを例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1…シャッターケース
10…ガレージシャッター装置
11…巻取シャフト
12…チェーン
13…モータ
14…位置検出装置
15…シャッター開閉機制御装置
2…シャッターカーテン
21…リモコン受信機
3,4…ガイドレール
5…リモコン送信装置
5a…開スイッチ
5b…停スイッチ
5c…閉スイッチ
6,7…光電センサ
6a…投光器
7a…受光器
8…光路
90…車両
91…車載用自動開閉リモコン装置
図1
図2
図3
図4
図5