IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラピステクノロジー株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ショート検出回路及び保護回路 図1
  • 特開-ショート検出回路及び保護回路 図2
  • 特開-ショート検出回路及び保護回路 図3
  • 特開-ショート検出回路及び保護回路 図4
  • 特開-ショート検出回路及び保護回路 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123705
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ショート検出回路及び保護回路
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/52 20200101AFI20240905BHJP
   G01R 19/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G01R31/52
G01R19/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031331
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀田 知宏
【テーマコード(参考)】
2G014
2G035
【Fターム(参考)】
2G014AA03
2G014AB61
2G035AB03
2G035AC02
2G035AC19
2G035AD03
2G035AD10
2G035AD23
2G035AD56
(57)【要約】
【課題】ショート検出回路において、低コストでショート検出電流を変更可能とする。
【解決手段】ショート検出回路は、電池セルの端子間ショートを検出する機能を有する。ショート検出回路は、電池セルに流れる電流を検出するための電流検出抵抗に生じる検出電圧と、閾値電圧とを比較するコンパレータと、閾値電圧を生成する閾値電圧生成回路と、を含む。閾値電圧生成回路は、可変抵抗回路と、可変抵抗回路に定電流を供給する電流源と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルの端子間ショートを検出するショート検出回路であって、
電池セルに流れる電流を検出するための電流検出抵抗に生じる検出電圧と、閾値電圧とを比較するコンパレータと、
前記閾値電圧を生成する閾値電圧生成回路と、
を含み、
前記閾値電圧生成回路は、
可変抵抗回路と、
前記可変抵抗回路に定電流を供給する電流源と、
を含む
ショート検出回路。
【請求項2】
前記可変抵抗回路は、
直列接続された複数の抵抗素子と
前記複数の抵抗素子の各々に並列接続された複数のトランジスタと、
を含む請求項1に記載のショート検出回路。
【請求項3】
前記可変抵抗回路における抵抗設定値が格納されたレジスタと、
前記レジスタに格納された前記抵抗設定値に応じて前記複数のトランジスタを選択的にオン状態とするデコーダと、
を更に含む請求項2に記載のショート検出回路。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のショート検出回路と、
前記電池セルに流れる電流が通過する電流経路上に設けられ、前記コンパレータの出力に応じてオン状態となるトランジスタと、
を含む保護回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、ショート検出回路及び保護回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の端子間ショートを検出する技術として以下の技術が知られている。特許文献1には、スイッチング素子の主電流を検出する電流検出抵抗として直列接続の第1の電流検出抵抗及び第2の電流検出抵抗を有し、第1の電流検出抵抗が短絡の場合、比較器がLレベルの信号を出力し、第2の電流検出抵抗が短絡の場合には、他の比較器がLレベルの信号を出力するように構成された回路が記載されている。
【0003】
特許文献2には、直流電源から供給される電圧を、半導体素子をオンオフさせて負荷に供給する回路の異常検出回路であって、負荷に供給する電圧と第2の基準電圧とを比較して負荷の短絡を検出する短絡検出回路を備えた回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-97340号公報
【特許文献2】特開2007-6615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電池パックの正極端子と負極端子がショートした場合、電池セルに大電流が流れ、電池セルが損傷するおそれがある。したがって、電池パックにおける端子間ショートを検出した場合に、電池セルに流れる電流を遮断する機能が不可欠である。電池パックにおける端子間ショートを検出するショート検出回路の構成として、電池セルに流れる電流を検出する電流検出抵抗に生じる検出電圧と閾値電圧とを比較するコンパレータと、閾値電圧を生成する閾値電圧生成回路とを含むものが想定される。閾値電圧生成回路の構成として、抵抗素子と、抵抗素子に電流を供給する電流源とを含み、抵抗素子に電流源からの電流を供給することにより発生する電圧を閾値電圧として使用するものが想定される。
【0006】
上記したショート検出回路の構成によれば、閾値電圧の設定は電流源から供給される電流によって行うことになる。電池パックにおいて端子間ショートが発生したものとして検出すべき電流(以下、ショート検出電流と称する)の精度を高めるためには、電流源から供給される電流の精度を高める必要がある。電流源から供給される電流の精度を高めるためには、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)素子より素子サイズが大きいバイポーラ素子を用いて電流源を構成することが好ましい。アプリケーションによってはショート検出電流を変更可能としておくことが求められる。ショート検出電流を変更可能とするために、電流源から供給される電流の大きさを可変とすることが考えられる。しかしながら、この場合、電流源は、電流供給能力が異なる複数のバイポーラ素子を備えている必要があり、供給電流のバリエーションの規模に応じて必要なバイポーラ素子の数が増加する。その結果、レイアウト面積が大きくなり、コストアップを招く。
【0007】
開示の技術は、上記した点に鑑みてなされたものであり、ショート検出回路において、低コストでショート検出電流を変更可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術に係るショート検出回路は、電池セルの端子間ショートを検出するショート検出回路であって、電池セルに流れる電流を検出するための電流検出抵抗に生じる検出電圧と、閾値電圧とを比較するコンパレータと、前記閾値電圧を生成する閾値電圧生成回路と、を含む。前記閾値電圧生成回路は、可変抵抗回路と、前記可変抵抗回路に定電流を供給する電流源と、を含む。
【0009】
開示の技術に係る保護回路は、上記のショート検出回路と、前記電池セルに流れる電流が通過する電流経路上に設けられ、前記コンパレータの出力に応じてオン状態となるトランジスタと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
開示の技術によれば ショート検出回路において、低コストでショート検出電流を変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】開示の技術の実施形態に係る電池パックの構成の一例を示す図である。
図2】開示の技術の実施形態に係るショート検出回路の構成の一例を示す図である。
図3】コンパレータの入出力を示す図である。
図4】比較例に係るショート検出回路の構成の一例を示す図である。
図5】開示の技術の他の実施形態に係るショート検出回路の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、開示の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は、開示の技術の実施形態に係る電池パック1の構成の一例を示す図である。電池パック1は、電池セル2と保護回路10とを有する。保護回路10は、電池パック1の正極端子3と負極端子4との端子間ショートを検出した場合に電池セル2に流れる電流を遮断する機能を有する。これより、端子ショートに起因する電池セル2の損傷を回避することが可能となる。保護回路10は、ショート検出回路20と、電流検出抵抗11と、トランジスタ12と、を含んで構成されている。
【0014】
電流検出抵抗11は、一端がトランジスタ12のソースに接続されるとともにショート検出回路20のISP端子21に接続され、他端が電池セル2の負極に接続されるとともにショート検出回路20のISM端子22に接続されている。トランジスタ12は、Nチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であり、ドレインが電池パック1の負極端子4に接続され、ソースが電流検出抵抗11の一端に接続され、ゲートがショート検出回路20の出力端子23に接続されている。トランジスタ12及び電流検出抵抗11は電池セル2に流れる電流Iが通過する電流経路上に設けられている。
【0015】
ショート検出回路20は、電池パック1における端子間ショートを検出する機能を有する。ショート検出回路20は、半導体基板に設けられた集積回路であってもよい。図2はショート検出回路の構成の一例を示す図である。ショート検出回路20は、閾値電圧生成回路24及びコンパレータ29を有する。
【0016】
コンパレータ29は、電流検出抵抗11に電流Iが流れることによって電流検出抵抗11に生じる検出電圧Vと、閾値電圧生成回路24によって生成される閾値電圧Vrefとを比較する。コンパレータ29は、電流検出抵抗11に生じる検出電圧Vのレベルが閾値電圧Vrefのレベルよりも高い場合にローレベルの出力信号SOUTを出力し、電流検出抵抗11に生じる検出電圧Vのレベルが閾値電圧Vrefのレベルよりも低い場合にハイレベルの出力信号SOUTを出力する。
【0017】
コンパレータ29は、非反転入力が閾値電圧生成回路24の電圧出力ノードn1に接続され、反転入力がISP端子21を介して電流検出抵抗11の一端に接続されている。コンパレータ29の出力は出力端子23を介してトランジスタ12のゲートに接続されている。トランジスタ12は、コンパレータ29の出力信号SOUTがハイレベルである場合、すなわち、電流検出抵抗11に生じる検出電圧Vのレベルが閾値電圧Vrefのレベルよりも低い場合にオン状態となる一方、コンパレータ29の出力信号SOUTがローレベルである場合、すなわち、電流検出抵抗11に生じる検出電圧Vのレベルが閾値電圧Vrefのレベルよりも高い場合にオフ状態となる。
【0018】
閾値電圧生成回路24は、可変抵抗回路26と、可変抵抗回路26に電流を供給する電流源25とを有する。可変抵抗回路26は、直列接続された複数の抵抗素子27と、複数の抵抗素子27に対応して設けられた複数のNチャネル型のトランジスタ28とを含んで構成されている。図2には、4つの抵抗素子27及び4つのトランジスタ28が例示されているが、抵抗素子27及びトランジスタ28の数は適宜増減することが可能である。複数の抵抗素子27の抵抗値は互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0019】
トランジスタ28の各々は、ドレインが対応する抵抗素子27の一端に接続され、ソースが対応する抵抗素子27の他端に接続されている。すなわちトランジスタ28の各々は、対応する抵抗素子27に並列接続されている。複数のトランジスタ28は、ゲートに供給されるデコード信号Sによって選択的にオン状態とされる。トランジスタ28がオン状態となることで、対応する抵抗素子27の両端がショート状態となる。複数のトランジスタ28のうちオン状態とするものを選択することによって、可変抵抗回路26における合成抵抗値Rを設定することができる。デコード信号Sは、ショート検出回路20の外部から供給されてもよいし、ショート検出回路20の内部で生成されたものであってもよい。
【0020】
複数の抵抗素子27が直列接続されて構成される直列抵抗回路は、一端が電流源25に接続され、他端がISM端子22を介して電池セル2の負極に接続されている。可変抵抗回路26と電流源25との接続ノードが、閾値電圧Vrefが出力される電圧出力ノードn1とされている。電圧出力ノードn1からは、電流源25から供給される電流と、可変抵抗回路26の合成抵抗値Rによって定められる閾値電圧Vref(=Iref×R)が出力される。Irefは、電流源25から供給される電流の電流値である。すなわち、閾値電圧Vrefは、可変抵抗回路26の合成抵抗値Rに応じたレベルに設定される。
【0021】
以下において、ショート検出回路20におけるショート検出の態様について説明する。電池パック1において端子間ショートが生じていない正常時においては、検出電圧Vのレベルが閾値電圧Vrefのレベルよりも低くなるので、コンパレータ29の出力信号SOUTはハイレベルとなる。したがって、トランジスタ12はオン状態となり、電池パック1において充放電が可能となる。一方、電池パック1において端子間ショートが発生すると、トランジスタ12及び電流検出抵抗11を通過する電流経路上に大電流が流れる。これにより電流検出抵抗11に生じる検出電圧Vが上昇する。検出電圧Vのレベルが閾値電圧Vrefのレベルよりも高くなると、コンパレータ29の出力信号SOUTはハイレベルからローレベルに遷移する。これにより、トランジスタ12がオフ状態となり、電池セル2に流れる電流が遮断される。その結果、電池セル2への大電流の流入が防止され、電池セル2の損傷を回避することができる。
【0022】
本実施形態に係るショート検出回路20によれば、電池セル2(トランジスタ12及び電流検出抵抗11を通過する電流経路)に流れる電流Iが、下記の(1)式を満たす場合に、端子間ショートが発生したものとして検出される。なお、(1)式において、Rは可変抵抗回路26の合成抵抗値、Irefは電流源25から供給される電流の電流値、Rは電流検出抵抗11の抵抗値である。
≧R×Iref/R ・・・(1)
【0023】
本実施形態に係るショート検出回路20によれば、可変抵抗回路26における合成抵抗値Rの設定を変えることで、閾値電圧Vrefを変化させることが可能であり、これによって電池パック1において端子間ショートが発生したものとして検出すべき電流(以下、ショート検出電流という)の大きさを可変とすることができる。例えば、可変抵抗回路26を構成する抵抗素子27の抵抗値をそれぞれ1MΩ、電流検出抵抗11の抵抗値Rを1mΩ、電流源25から供給される電流の電流値Irefを100nAと仮定する。この場合において、可変抵抗回路26を構成する4つのトランジスタ28のうちの3つをオン状態とした場合、R=1MΩとなり、(1)式よりショート検出電流は100Aとなる。一方、可変抵抗回路26を構成する4つのトランジスタ28のうちの2つをオン状態とした場合、R=2MΩとなり、(1)式よりショート検出電流は200Aとなる。図3は、上記した2つの場合におけるコンパレータ29の入出力を示す図である。
【0024】
以上のように、開示の技術の実施形態に係るショート検出回路20は、電池セル2の端子間ショートを検出する機能を有する。ショート検出回路20は、電池セル2に流れる電流Iを検出するための電流検出抵抗11に生じる検出電圧Vと、閾値電圧Vrefとを比較するコンパレータ29と、閾値電圧Vrefを生成する閾値電圧生成回路24と、を含む。閾値電圧生成回路24は、可変抵抗回路26と、可変抵抗回路26に電流を供給する電流源25と、を含む。
【0025】
本実施形態に係るショート検出回路20によれば、可変抵抗回路26における合成抵抗値Rの設定を変えることで、閾値電圧Vrefを変化させることが可能であり、これによって、ショート検出電流の大きさを可変とすることができる。本実施形態に係るショート検出回路20によれば、ショート検出電流を可変とするために、電流源25から供給される電流の大きさを可変とすることが不要である。仮に、電流源25から供給される電流の大きさを可変とする場合には、ショート検出電流のバリエーションの規模に応じて電流源25を構成するバイポーラ素子の数が増加する。その結果、レイアウト面積が大きくなり、コストアップを招く。本実施形態に係るショート検出回路20によれば、ショート検出電流のバリエーションの規模が大きくなった場合でも、電流源25を構成するバイポーラ素子の数を増加させることを要しないので、低コストでショート検出電流を変更可能とすることができる。
【0026】
図4は、比較例に係るショート検出回路20Xの構成の一例を示す図である。比較例に係るショート検出回路20Xは、閾値電圧生成回路24Xが、供給電流が可変である可変電流源31A、31B及び抵抗値が固定である抵抗素子30を含む点が、開示の技術の実施形態に係るショート検出回路20と異なる。抵抗素子30の抵抗値をRとした場合、比較例に係るショート検出回路20Xにおいても、開示の技術の実施形態に係るショート検出回路20と同様、電池セル2に流れる電流Iが、上記(1)式を満たす場合に端子間ショートが発生したものとして検出される。
【0027】
比較例に係るショート検出回路20Xによれば、可変電流源31A及び31Bからの供給電流の設定を変えることで、閾値電圧Vrefを変化させることが可能であり、これによってショート検出電流を可変とすることができる。例えば、比較例に係るショート検出回路20Xにおいて、抵抗素子30の抵抗値を1MΩ、電流検出抵抗11の抵抗値Rを1mΩ、可変電流源31A、31Bから供給される電流の電流値Irefを100nAとした場合、ショート検出電流は(1)式より100Aとなる。一方、可変電流源31A、31Bから供給される電流の電流値Irefを200nAとした場合、ショート検出電流は(1)式より200Aとなる。
【0028】
ショート検出電流の精度を高めるためには、MOS素子より素子サイズが大きいバイポーラ素子を用いて可変電流源31A、31Bを構成することが好ましい。しかしながら、可変電流源31A、31Bにおける供給電流のバリエーションの規模に応じてバイポーラ素子の数が増加する。その結果、レイアウト面積が大きくなり、コストアップを招く。一方、開示の技術の実施形態に係るショート検出回路20によれば、電流源25から供給される電流の大きさを可変とすることが不要であるため、低コストでショート検出電流を変更可能とすることができる。ショート検出電流を可変とするために、比較例に係るショート検出回路20Xにおいては、可変電流源31A、31Bを構成するために20個のバイポーラ素子を要するところ、開示の技術の実施形態に係るショート検出回路20によれば、4個のバイポーラ素子によって電流源25を構成することが可能である。すなわち、開示の技術の実施形態に係るショート検出回路20によれば、比較例に係るショート検出回路20Xに対してレイアウト面積を29%程度削減することが可能である。
【0029】
[第2の実施形態]
図5は、開示の技術の第2の実施形態に係るショート検出回路20Aの構成の一例を示す図である。第2の実施形態に係るショート検出回路20Aは、可変抵抗回路26がデコーダ40及びレジスタ41を含む点が、上記した第1の実施形態に係るショート検出回路20と異なる。すなわち、ショート検出回路20Aは、可変抵抗回路26を構成する複数のトランジスタ28の各々のゲートに供給されるデコード信号Sを、ショート検出回路20Aの内部で生成するものである。
【0030】
トランジスタ28の各々は、ゲートがデコーダ40に接続されている。トランジスタ28の各々は、デコーダ40から供給されるデコード信号Sによって選択的にオン状態とされる。トランジスタ28がオン状態となることで、対応する抵抗素子27の両端がショート状態となる。複数のトランジスタ28のうちオン状態とするものを選択することによって、可変抵抗回路26における合成抵抗値Rを設定することができる。
【0031】
レジスタ41には合成抵抗値Rの設定値(又はショート検出電流の設定値)が格納される。レジスタ41に格納される設定値は、ショート検出回路20Aの外部から書き換えることが可能である。デコーダ40はレジスタ41に格納された設定値に応じたデコード信号Sをトランジスタ28に供給する。本実施形態に係るショート検出回路20Aによれば、レジスタ41に格納される設定値によって、ショート検出電流を設定することが可能である。
【0032】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
電池セルの端子間ショートを検出するショート検出回路であって、
電池セルに流れる電流を検出するための電流検出抵抗に生じる検出電圧と、閾値電圧とを比較するコンパレータと、
前記閾値電圧を生成する閾値電圧生成回路と、
を含み、
前記閾値電圧生成回路は、
可変抵抗回路と、
前記可変抵抗回路に定電流を供給する電流源と、
を含む
ショート検出回路。
【0033】
(付記2)
前記可変抵抗回路は、
直列接続された複数の抵抗素子と
前記複数の抵抗素子の各々に並列接続された複数のトランジスタと、
を含む付記1に記載のショート検出回路。
【0034】
(付記3)
前記可変抵抗回路における抵抗設定値が格納されたレジスタと、
前記レジスタに格納された前記抵抗設定値に応じて前記複数のトランジスタを選択的にオン状態とするデコーダと、
を更に含む付記2に記載のショート検出回路。
【0035】
(付記4)
付記1から付記3のいずれか1つに記載のショート検出回路と、
前記電池セルに流れる電流が通過する電流経路上に設けられ、前記コンパレータの出力に応じてオン状態となるトランジスタと、
を含む保護回路。
【符号の説明】
【0036】
1 電池パック
2 電池セル
3 正極端子
4 負極端子
10 保護回路
11 電流検出抵抗
12 トランジスタ
20、20A、20X ショート検出回路
21 ISP端子
22 ISM端子
23 出力端子
24、24X 閾値電圧生成回路
25 電流源
26 可変抵抗回路
27 抵抗素子
28 トランジスタ
29 コンパレータ
30 抵抗素子
31A、31B 可変電流源
40 デコーダ
41 レジスタ
図1
図2
図3
図4
図5