(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012373
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】モジュール式製造ライン及びその使用プロセス
(51)【国際特許分類】
A23G 1/20 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
A23G1/20
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183299
(22)【出願日】2023-10-25
(62)【分割の表示】P 2020521560の分割
【原出願日】2018-10-26
(31)【優先権主張番号】17198650.8
(32)【優先日】2017-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18157182.9
(32)【優先日】2018-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ペン-シオン
(72)【発明者】
【氏名】ナップ, マーク, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】パーキンソン, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】チャップマン, ステファン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】菓子成形ラインで使用される、モジュール式の柔軟なプロセスを提供する。
【解決手段】菓子を冷却するモジュール式の冷却工程を含む菓子製造プロセスであって、好ましくは、冷却工程が、プロセスライン外の冷却工程である、プロセスとする。好ましくは、冷却が、16.0℃超の温度で実行される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
菓子を冷却するモジュール式の冷却工程を含む菓子製造プロセスであって、好ましくは、前記冷却工程が、プロセスライン外の冷却工程である、プロセス。
【請求項2】
前記冷却が、16.0℃超の温度で実行され、任意選択的に、前記プロセスが、25.0℃未満の温度で実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記冷却が、15分超の期間にわたって実行され、任意選択的に、前記プロセスが、240分未満の期間にわたって実行される、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記菓子が、少なくとも1つの成形型内で冷却される、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記菓子が、互いに積み重ね可能な少なくとも2つの成形型内で冷却され、任意選択的に、前記菓子が、2~60個の成形型を含む少なくとも1つの成形型スタック内で冷却される、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記菓子が、前記冷却工程中に静止している、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの成形型が、前記成形型を通る気体の流れ、及び/又は互いに積み重ねられたときの2つの前記成形型の間における気体の流れを可能にする特徴部を含む、請求項4~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記冷却が、冷却装置を用いて実行され、好ましくは、前記冷却装置が、ベンチレータ又はファンである、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記冷却装置が、前記成形型を通る気体の流れを可能にする前記特徴部を通る気体の流れを提供する、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記気体の流れが、2.0~20.0m/sの速度を有する、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
菓子製造における少なくとも1つの工程を実行するためにモジュール式の装置を使用することを含む菓子製造プロセスであって、前記少なくとも1つの工程が、ロボットモジュールによって実行される、プロセス。
【請求項12】
前記菓子が、少なくとも2つの成形型内で製造され、ロボットモジュールによって実行される前記少なくとも1つのプロセス工程が、前記成形型の積み重ね及び/又は積み降ろしである、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のプロセスが、前記菓子製造プロセスにおいて使用される、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
ロボットモジュールが、前記冷却プロセスの前に前記成形型を積み重ねるために使用される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に規定される特徴を含むモジュール式の製造ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子製造分野に関し、特に、本発明の菓子冷却工程と組み合わせた、モジュール式の柔軟なプロセスとその使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のチョコレート成形ラインは、2つの主要な変化形、すなわち、固定式成形型設計と非固定式成形型設計とが利用可能である。どちらのタイプのラインも、プラスチック製のチョコレート成形型が、固定された回路をチェーン搬送システムによって周回搬送される。成形型が回路を回るとき、多数のプロセス工程が実行される。
【0003】
この種のラインの欠点は相対的な非柔軟性にあり、プロセス工程は、設計プロセスの開始時から設計に織り込まれていなければならず、又は、少なくとも将来の拡張に備えてラインに空間を確保しておかねばならず、将来どのような製品を製造する必要があるかは必ずしも予測することができない。したがって、将来的に、ラインに技術的な修正を加える必要があり得、費用と時間がかさむ可能性がある。
【0004】
加えて、具体的には、成形型を連続的に搬送する必要と、成形型を冷却する間、周囲温度よりも低い温度で少なくとも20~30分間搬送する方法とのため、従来の成形ラインの冷却トンネルは資産のより大きな部分を占める。このため、大型で機械的に複雑な冷却トンネルを必要とし、これは空間の効率的な使用という点からマイナスであり、インフラストラクチャの観点から冷却の提供には大きなコストが伴っている。
【0005】
欧州特許第0940086号と米国特許第2011/0045155号とはそれぞれ、部分的にロボットを使用する菓子製造ラインを開示している。欧州特許第3111768号は、ロボットを使用した非工業規模の菓子製造装置を開示している。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、従来の菓子成形ラインで使用されるものと同じ基本的なプロセス工程を許容し、好ましくは、各プロセス工程が自己完結型で移動可能なモジュールによって成し遂げられるようにプロセス工程をモジュール化する。
【0007】
更に、好ましい実施形態では、本発明の製造ラインの少なくとも一部における成形型の搬送は、構成及び維持が困難であるチェーンシステムによる成形型の機械的操作を排除するために、ロボット操作に置き換えられる。
【0008】
本発明は、また、冷却トンネルプロセスが、好ましくは製造ラインの残りの部分から外れた位置における、成形型の静止冷却によって置き換えられるプロセスも提供する。
【0009】
本発明は、また、より高温でのより長い冷却時間のプロセスも提供する。
【0010】
したがって、本発明は、冷却トンネルを介した複雑な成形型搬送システムと、付随する設置、維持、及び清掃コストとを必要とせずに、より高温でのより長い冷却時間を可能にする。
【0011】
更に、本発明は、衛生に関する利点を提供する。モジュール式システム、並びに独立し、アクセス可能な成形型及びモジュールのおかげで、これらの成形型とモジュールとはより容易に清掃することができる。より小さな設置面積と、冷却器内のチェーン駆動のレールに依存した搬送システムの排除とにより、特に清掃の努力が低減される。また、機械を用いた大型かつ複雑なシステムの排除は、金属の削り屑の発生源及び潤滑油の源の除去と、成形型にかかる機械的ストレスの低減とを提供する。
【0012】
本発明は、また、本発明のプロセスにおいて定義される様々な装置の特徴部を備える生産ラインも含む。
【0013】
本発明の実施形態は、請求項1~15に定義される。
【0014】
本発明は、本発明の実施例を示す以下の非限定的な
図1~15によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態で使用するためのロボットモジュールを示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態で使用するためのコアプロセスモジュール用のハウジングを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態で使用するためのデポジッタープロセスモジュールを示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態で使用するためのデポジッタープロセスモジュールを示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態で使用するための成形型の側面図である。
【
図6】本発明の一実施形態で使用するための成形型空洞の下面図である。
【
図7】本発明の一実施形態で使用するための基板上の成形型スタックを示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態における製造プロセスを示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態の製造ラインを示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態の製造ラインを示す図である。
【
図11】本発明の実施形態の冷却装置と成形型スタックとを示す図である。
【
図13】実施例2で実行される充填位置を示す図である。
【
図14】異なる方法によって冷却されたチョコレートサンプルのDSC曲線を示す図である。
【
図15】異なる方法によって冷却されたチョコレートサンプルのDSC曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
【0017】
プロセス工程
上述したように、本発明はモジュール式プロセスに関する。本発明の範囲内で、モジュール式という用語は、製造ラインの少なくとも1つの部分、好ましくは少なくとも2つの部分の独立した移動が可能であること、すなわち、製造ラインは、結合されて製造ラインを形成することができる少なくとも2つの別個のセクションを含むことを意味する。上記のように、好ましくは少なくとも1つの部分は自己完結型であって独立した移動が可能である。
【0018】
好ましい実施形態では、製造ラインの別個のセクションは、任意選択的にロボットモジュールと共に、菓子製造プロセスにおいて特定のプロセス工程を引き受けるプロセスモジュールをそれぞれ含む。好ましい実施形態では、本発明は、製造プロセスにおいて少なくとも1つのプロセス工程をそれぞれ実行することができる、少なくとも2つの独立したプロセスモジュールの使用を含む。
【0019】
本発明において、上流モジュールという用語は、プロセスフローにおいて現在のモジュールに先行するモジュールを指し、下流モジュールという用語は、プロセスフローにおいて現在のモジュールの後に来るモジュールを指す。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、プロセスは、以下の工程を含む。
1.原材料充填-成形型の空洞を菓子原材料で満たす
2.冷却-成形型を冷却して菓子を固める
3.離型-製品を成形型から取り出す
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、プロセスは、以下の工程を含む。
1.チョコレート充填-成形型の空洞をチョコレートで満たす
2.冷却-成形型を冷却してチョコレートを固める
3.離型-製品を成形型から取り出す
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、プロセスは、以下の工程を含む。
1.成形型調整
2.チョコレート充填-成形型の空洞をチョコレートで満たす
3.成形型振とう-成形型を振とうして、成形型内のチョコレートを安定させる
4.リッキングローラ-成形型の表面を清掃する
5.冷却-成形型を冷却してチョコレートを固める
6.成形型の捻り-成形型を処理して、製品を成形型から取り外す
7.離型-製品を成形型から取り出す
【0023】
好ましい実施形態では、プロセスの冷却工程は、以下に記載されるとおりである。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、離型した菓子製品は、離型後に包装され、任意選択的にその後二次的に包装される。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのロボットモジュールが、成形型の調整、冷却、及びその後の離型のための成形型の位置合わせに使用される。好ましい実施形態では、少なくとも1つのロボットモジュールが、成形型の調整前に成形型を積み降ろすため、冷却前に成形型を積み重ねるため、及び/又は、再使用のための離型及び成形型清掃後の成形型を積み重ねるために使用される。
【0026】
好ましい実施形態では、成形型は互いに直接積み重ねられるため、直接接触する。あるいは、成形型は、多数の成形型を保持する特徴部(例えばラック)を備えるコンテナ内に配置されてもよい。しかしながら、成形型を互いに直接積み重ねることによって、プロセス工程の数と様々な機器の部品の数を低減することができる。
【0027】
一実施形態では、ラックはライン内にあり、すなわち、プロセスラインの一体化された部分である。あるいは、ラックはプロセスライン外にある。一実施形態では、ラックは、成形型の2つ又は3つの側で成形型を支持し得る。例えば、ラックの2つの側が開放されているために成形型を最初に入れた側と異なる側から取り出すことができ、又は成形型を出し入れするためにラックの1つの側が開放されている。一実施形態では、成形型は、ロボットによって個々のラックに配置され得る。あるいは、又は加えて、ラックがライン内にある場合には、成形型が下流に移動することでラックが充たされる。例えば、ラックの1つの層が充たされると、ロボットが使用されて任意の他の層を充たす。一実施形態では、成形型はロボットによってラックから取り出される。代替的な一実施形態では、後続の成形型をラックに導入することにより、ラック内の先行する成形型が押し出される。
【0028】
本発明の一実施形態では、より複雑な製品の製造を可能にするために、追加のプロセス工程を導入することができる。例えば、これらの追加のプロセス工程は、内包物充填、ウェハース挿入、ウェハース加圧、焼成、フィリング充填などを含むリストから選択されてもよい。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、プロセスは、菓子に内包物を充填する工程を含む。内包物の性質は特に限定されず、好ましくは、内包物は、ナッツ、果実、乾燥果実、キャラメル、穀物、ポップコーン、プレッツェル、マシュマロ、ポップコーン、ビスケット(クッキー)、チョコレート、及びこれらの組み合わせを含む群から選択され、内包物は、全体又は部分/断片が添加されてもよい。
【0030】
本発明の一実施形態では、異なる内包物のそれぞれの充填は、別個のプロセスモジュールによって実行される。あるいは、全ての内包物は、単一のデポジッターによって充填されてもよい。
【0031】
本発明の好ましい実施形態では、菓子製品は、製造ラインのプロセスモジュール間を成形型内で、すなわち、製造ラインの現在のモジュールから上流モジュールへ少なくとも1つのロボットモジュールによって移送される。本発明の一実施形態では、2つの隣接するプロセスモジュール間で成形型を移送するために、別個のロボットモジュールが使用される。
【0032】
本発明の一実施形態では、上流ロボットモジュールが、後に置かれた成形型が先行する成形型をプロセスラインの更に下流に押し出すように成形型を置くことによって、成形型がプロセスモジュール間で移送され得る。
【0033】
したがって、本発明の一実施形態では、ロボットモジュールが、成形型を積み降ろし、成形型を成形型調整モジュールの受取特徴部に移送し、後続の成形型の積み降ろしと位置が先行する成形型をプロセス内の下流へ押し出し、処理後、ロボットモジュールは、成形型を冷却プロセスに向けて積み重ねる、工程を含むプロセスが提供される。
【0034】
本発明の好ましい実施形態では、2つ以上のプロセスモジュールの受取特徴部は、後に配置された成形型を利用して成形型をライン内で押し出す、上流ロボットによって提供される推進力を利用して、成形型を製造ラインの下流に移送する手段を形成する。この実施形態の具体的な構成を
図9に示す。
【0035】
好ましい実施形態では、少なくとも成形型調整モジュールと充填モジュールとの受取特徴部は、成形型を製造ラインにおいて下流に搬送することを可能にする特徴部を形成する。好ましい実施形態では、少なくとも成形型調整モジュール、内包物充填モジュール、チョコレート充填モジュール、及びリッキングモジュールの受取特徴部が、モジュールを下流に移送する手段を形成する。
【0036】
本発明で使用されるモジュール式製造ラインにより、追加のプロセスモジュールの組み込みが単純化され、非常に柔軟な製造プロセスを達成することができる。
【0037】
好ましい実施形態では、本発明のプロセスは工業規模で稼働する。好ましい実施形態では、本発明のプロセスは、プロセスモジュールあたり毎分5個超の成形型、好ましくはプロセスモジュールあたり毎分10個超の成形型、より好ましくは毎分15個超の成形型を処理する。好ましい実施形態では、処理の上限は、使用される装置と製造される菓子によって制御されるため、理論的には、単一の上限は存在しない可能性がある。しかしながら、例えば、本発明のプロセスは、毎分100個未満の成形型、例えば、毎分75個未満の成形型、毎分60個未満の成形型、毎分30個未満の成形型、又は毎分25個以下の成形型を加工する。
【0038】
製品
本発明の好ましい実施形態では、製造される菓子製品は、糖菓子、チョコレート菓子、又は焼成菓子を含む群から選択される製品である。本発明の好ましい実施形態では、製造される菓子はチョコレートを含む。
【0039】
一実施形態では、本発明によって製造される組成物は、有用には(本明細書で定義されるような)チョコレート製品であってもよく、より有用にはチョコレート又はコンパウンドチョコレートであってもよい。使用可能な他の任意の法的定義とは別に、乳原料(粉ミルクなど)と共に重量で25%~35%のココア固形分含有量を含む本発明の組成物を、本明細書では「ミルクチョコレート」と非公式に称することがある(この用語は、同様の量のココア固形分又はその代替物を含有する類似のチョコレート製品を含む)。使用可能な他の任意の法的定義とは別に、重量で35%超(最大100%(すなわち、純粋なココア固形分)のココア固形含有量を含む本発明の組成物を、本明細書では「ダークチョコレート」と非公式に称することがある(この用語は、同様の量のココア固形分又はその代替物を含有する類似のチョコレート製品を含む)。
【0040】
好ましい実施形態では、冷却前に、チョコレート製品は、3~8、好ましくは4~8、好ましくは4~6のテンパリング指数を有するようにテンパリングすることができる。この指数を測定するために、Greer又はSollichテンパリングメータが使用され得る。
【0041】
本明細書中で使用する「チョコレート」という用語は、任意の法域におけるチョコレートの法的定義を満たす任意の製品(及び/又はそれが製品となるものである場合はその成分)を意味し、また、カカオバター(CB)の全て又は一部を、カカオバター同等物(CBE)及び/又はカカオバター代替物(CBR)で置き換えられる製品(及び/又はその成分)も含む。
【0042】
用語「コンパウンドチョコレート」は、いくつかの法域では、最小量のカカオ固形分の存在によって法的に定義され得るが、本明細書で使用するとき(文脈上明らかにそうでないことが示されていない限り)は、任意の量のカカオ固形物(カカオリカー/カカオマス、カカオバター及びカカオパウダーを含む)の存在によって特徴付けられるチョコレート様類似物を意味する。
【0043】
本明細書で使用するとき、用語「チョコレート製品」は、カカオバター(CB)、カカオバター同等物(CBE)、カカオバター代替物(CBR)及び/又はカカオバター置替物(CBS)を含むチョコレート、コンパウンド及び他の関連材料を意味する。したがって、チョコレート製品は、チョコレート及び/又はチョコレート類似物に基づく製品を含み、したがって、例えば、ダークチョコレート、ミルクチョコレート、又はホワイトチョコレートに基づくことができる。
【0044】
文脈が明確に示さない限り、本発明において、任意の1つのチョコレート製品を何らかの他のチョコレート製品の代わりに使用することができ、チョコレートという用語もコンパウンドという用語も本発明の範囲を特定の種類のチョコレート製品に限定するものと見なされるべきではないことが理解されるであろう。好ましいチョコレート製品はチョコレート及び/又はコンパウンドを含み、より好ましいチョコレート製品はチョコレートを含み、最も好ましいチョコレート製品は、主要な法域(ブラジル、EU及び/又は米国など)で法的に定義されるチョコレートを含む。
【0045】
本明細書で使用するとき、用語「チョココーティング」(「チョコシェル」とも呼称する)は、任意のチョコレート製品から作製されたコーティングを意味する。「チョコレートコーティング」及び「コンパウンドコーティング」という用語は、類推によって同様に定義することができる。同様に、用語「チョコ組成物(又は塊)」、「チョコレート組成物(又は塊)」及び「コンパウンド組成物(又は塊)」は、その成分(複数可)として全体又は一部にチョコレート製品、チョコレート及びコンパウンドをそれぞれ含む組成物(又は塊)を意味する。それらの成分次第では、かかる組成物及び/又は塊の定義は当然重複する可能性がある。
【0046】
本明細書で使用するとき、用語「チョコレート製品菓子」は、チョコレート製品と任意の他の成分とを含む任意の食品を意味し、したがって、チョコレート製品がチョココーティングを含み、かつ/又は製品の大部分を占めているかどうかにかかわらず、そのような菓子、ウェハース、ケーキ及び/又はビスケットなどの食品を指し得る。チョコレート製品菓子は、例えば、内包物、層、塊、片及び/又はドロップなどの任意の好適な形態のチョコレート製品を含んでもよい。菓子製品は、例えばクリスピー内包物、例えばシリアル(例えば、膨化米及び/又はトーストされた米)及び/又は乾燥果実片等の任意の他の好適な内包物を更に含むことができる。
【0047】
本発明によって製造されるチョコレート製品は、菓子物品をコーティングするための、及び/又はより複雑な菓子製品を調製するための、タブレット及び/又はバーの成形に使用することができる。任意選択的に、チョコレート製品菓子製品の調製に使用する前に、所望のレシピに従う内包物をチョコレート製品に添加してもよい。当業者には明らかであるように、場合によっては、本発明の製品は、対応する組成物及び/又は塊と同じレシピと原材料を有するが、他の場合には、特に内包物が添加されるか、又はより複雑な製品の場合には、製品の最終レシピは、それを調製するために使用される組成物及び/又は塊のレシピと異なる場合がある。
【0048】
本発明の非常に好ましい一実施形態では、チョコレート製品菓子製品は、実質的に固体の成形されたチョコタブレット、チョコバー、及び/又は相当量のチョコレート製品に覆われた焼成製品を含む。これらの製品は、例えば、チョコレート製品で成形型を実質的に充填し、任意選択的に内包物及び/又は焼成製品をその中に加え、チョコレート製品を成形型から外す(いわゆるウェットシェリングプロセス)ことによって調製され、必要に応じて、更にチョコレート製品を成形型につぎ足すことによって調製される。本発明のこのような非常に好ましい製品では、チョコレート製品は、製品の実質的な部分若しくは製品の全体的な部分、及び/又は内部の焼成製品(ウェハース及び/又はビスケット積層体など)を取り囲む厚い外層、を形成する。成形型がチョコレートで実質的に充填されるそのような固体製品は、異なる課題を提示する成形された薄いチョコレートシェルを含む製品と対比されるべきである。薄くコーティングされたチョコレートシェルを調製するために、成形型はチョコレートの薄い層でコーティングされて、この成形型は、過剰なチョコレートを除去するために反転され、及び/又はコールドプランジャでスタンピングされて、シェル形状を画定し、成形型はほとんど空になる。このようにして成形型をチョコレートの薄い層でコーティングし、このコーティングに、更なる原材料やフィリングを添加して製品の内部ボディを形成することができる。
【0049】
本明細書で文脈が明確に示さない限り、本明細書で使用されるチョコレート製品菓子という用語は、本出願を通して使用されるチョコレート菓子という用語によって容易に置換され得、かかる用語と同等物であり、実際には本明細書で非公式に使用されるときこれら2つの用語は互換可能であることが当業者には理解されるであろう。しかし、本明細書に与えられる文脈においてこれらの用語の意味に違いがある場合、したがってチョコレート菓子及び/又はコンパウンド菓子は、本発明のチョコレート製品菓子の好ましい実施形態であり、好ましい実施形態はチョコレート菓子である。
【0050】
好ましいチョコレート製品菓子は、例えば、チョコレート製品(複数可)、コンパウンド製品(複数可)、チョコレートコーティング(複数可)、及び/又はコンパウンドコーティング(複数可)からなる群から選択される1つ以上の成分を含んでもよい。製品は、内包物の有無にかかわらずチョコバー(複数可)及び/又はチョコタブレット(複数可)などといったコーティングされていない製品、並びに/あるいはコーティングされたビスケット、ケーキ、ウェハース、及び/又は他の菓子物品などといったチョコレート製品でコーティングされた製品、を含んでもよい。より好ましくは、及び/又は代わりに、上記のもののいずれかは、1つ以上のカカオバター代替物(複数可)(CBR)、カカオバター同等物(複数可)(CBE)、カカオバター置換物(複数可)(CBS)、及び/又はそれらの任意の好適な混合物(複数可)を含むことができる。
【0051】
チョコレート製品菓子では、カカオバター(CB)は、他の供給源からの脂肪で置き換えてもよい。かかる製品は、概ね、ラウリン酸脂肪(複数可)(例えばヤシの木の果実の核から得られるカカオバター置換物(CBS));非ラウリン酸植物性脂肪(複数可)(例えばパーム又は他の特殊脂肪をベースとするもの);カカオバター代替物(複数可)(CBR);カカオバター同等物(複数可)(CBE)及び/又はその任意の好適な混合物(複数可)からなる群から選択される1つ以上の脂肪(複数可)を含むことができる。いくつかのCBE、CBR、並びに特にCBSは、主に飽和脂肪と非常に低レベルの(健康上の利点を有する)不飽和オメガ3及びオメガ6脂肪酸を含有し得る。したがって、本発明のチョコレート製品菓子の一実施形態では、このような種類の脂肪はCBよりも好ましくない。
【0052】
本発明の一実施形態は、複数の層(好ましくは1つ以上のウェハース及び/若しくはビスケット層、及び/若しくはそれらの間の1つ以上のフィリング層から選択される)を有する焼成食品であって、少なくとも1つのコーティング層がこれらの食品層の周囲に配置され、コーティングは、本発明のチョコレート製品を含むか、又は本発明に従って調製される、焼成食品を任意選択的に含む多層製品を提供する。
【0053】
本発明の更なる実施形態は、チョコレート(又はコンパウンドなどのその同等物)で更にコーティングされたチョコレート製品菓子製品、例えば、プラリネ、チョコレートシェル製品及び/又はチョコレートコーティングされたウェハース若しくはビスケットを提供し、それらのいずれかは層状であってもなくてもよい。チョコレートコーティングは、エンロービング又は成形等の任意の好適な手段によって適用又は作り出すことができる。コーティングは、本発明の又は本発明に従って調製されたチョコレート製品を含んでもよい。
【0054】
本発明の別の実施形態は、本発明の及び/又は本発明で使用されるチョコレート製品菓子製品を提供し、これは、例えば、プラリネ、チョコレートシェル製品などの外層によって覆われたフィリングを含む。
【0055】
本発明の別の好ましい実施形態では、食品は、少なくとも1つの層又はコーティングが本発明のチョコレート製品(例えば、チョコレート)であり、フィリングが間に挟まれた、複数の層のウェハース、チョコレート製品、ビスケット及び/又は焼成食品を含む多層コーティングチョコレート製品を含む。最も好ましくは、多層製品は、サンドイッチビスケット(複数可)、クッキー(複数可)、ウェハース(複数可)、マフィン(複数可)、押出スナック(複数可)及び/又はプラリネ(複数可)から選択されるチョコレート製品の菓子製品(例えば、本明細書に記載される)を含む。このような製品の一例は、フィリング(複数可)で挟まれ、チョコレートでコーティングされた、焼成ウェハース及び/又はビスケット層の多層ラミネートである。
【0056】
本発明で使用される焼成品は甘くても、又は辛くてもよい。好ましい焼成品は、焼成された穀物食材を含むことができ、この用語には、シリアル及び/又は豆類を含む焼成食品を含む。焼成シリアル品は、より好ましく、最も好ましくは、ウェハース(複数可)及び/又はビスケット(複数可)などの焼成された小麦食品である。ウェハースは、平坦であってもよいし、又は(例えば、アイスクリーム用のコーン又はバスケットに)形作られてもよく、ビスケットはいろいろな形状を有してもよいが、好ましいウェハース(複数可)及び/又はビスケット(複数可)は、本発明の菓子フィリング(及び任意選択的に果実ベースのフィリング)と一緒に有用にラミネートすることができるように、平坦である。より好ましいウェハースは、辛くないウェハースであり、例えば、甘い風味又はプレーンな風味を有するウェハースである。
【0057】
本発明のチョコレート製品を含む、及び/又は本発明で使用されるチョコレート組成物を含み得る、これらの可能な焼成食品の非限定的リストは、高脂肪ビスケット、ケーキ、パン、ペストリー及び/又はパイから選択され、例えば以下からなる群から選択される:ANZACビスケット、ビスコッティ、フラップジャック、クラビエ(kurabiye)、レープクーヘン、レケルリ(leckerli)、マカロン(macroon)、バーボンビスケット、バタークッキー、ダイジェスティブ・ビスケット、カスタードクリーム、押し出しスナック、フロランタン、ガリバルディ・ジンジャーブレッド、クロラキア(koulourakia)、コウラビエデス(kourabiedes)、リンツァートルテ、マフィン、オレオ、ナイスビスケット、ピーナツバタークッキー、ポルボロン、ピッツェル、プレッツェル、クロワッサン、ショートブレッド、クッキー、フルーツパイ(例えば、アップルパイ、チェリーパイ)、レモン・ドリズル・ケーキ、バナナブレッド、キャロットケーキ、ピーカンパイ、アップルシュトゥルーデル、バクラヴァ、ベルリーナ、ビション・オ・シトロン(bichon au citron)、及び/又は同様の製品。
【0058】
好ましくは、本発明のチョコレート製品及び/又は本発明により調製されたチョコレート製品は、1つ以上のコーティング及び/又はフィリングとして(成分の全体又は一部に)使用するのに好適であり得る。
【0059】
コーティング及び/又はフィリングは、複数の相、例えば、脂肪、及び/又は乳濁液、分散液、クリーム及び/又は泡などの水液相及び/又はガス状相などの、1つ以上の固相及び/又は液相を含むことができる。
【0060】
したがって、広くは、本発明の更なる態様は、本明細書に記載されるチョコレート製品を含む食品を含む。
【0061】
本発明の尚更なる態様は、チョコレート製品菓子製品として及び/又はフィリングとして及び/又は本明細書に記載される本発明の食品のコーティングとしての、本発明のチョコレート製品又は本発明により調製されたチョコレート製品の使用を広く含む。
【0062】
本発明のプロセスと製造ラインとはモジュール式であるため、より職人的な(例えば、より個別かつ複雑な)製品を工業規模で製造することができる。本発明はまた、同じ生産ラインで多数の異なる製品を製造する機会を提供する。
【0063】
更に、現在の冷却プロセスは、典型的な工業的に製造されたチョコレートと比べて改善されたブルーム特性及び/又は差別的な結晶形態分布を有するチョコレートの製造を可能にする。
【0064】
成形型
上述のように、本発明は、菓子製品を収容する成形型の使用に依存し、製品は、離型工程までこれらの成形型内で製造ラインを回って搬送される。好ましい実施形態では、菓子は、以下でより詳細に定義する冷却工程中、少なくとも1つの成形型内に収容される。
【0065】
好ましい実施形態では、本発明で使用するための成形型は、菓子製造プロセス中に成形型に加えられる物理的及び化学的ストレスに耐え、食品業界での使用に必要な衛生要件を満たすことができる任意の材料から作製され得る。好ましい実施形態では、成形型は熱可塑性ポリマーから作製される。例えば、成形型は、炭酸塩基(ポリカーボネート)を含有する熱可塑性ポリマーを含む。好ましい実施形態では、成形型は、モノマー単位中にビスフェノールAと炭酸塩基とを含有するポリマーを含む材料から作製される。このようなポリマーの具体例は、SABIC社製Lexan(登録商標)又はBayer MaterialScience社製Makrolon(登録商標)として販売されている。あるいは、成形型は、ポリカーボネートとアクリロニトリルブタジエンスチレンとの配合物から作製されてもよい。
【0066】
本発明で使用するための成形型は、特定の基本形状、すなわち、標準的な軸規則においてz軸に沿って見下ろしたときのx軸とy軸の断面に限定されない。しかしながら、成形型の基本形状は、成形型の間におけるどの空きスペースも最小化されるように、隣接する成形型が接することが好ましい。例えば、好ましい実施形態では、成形型はそれぞれ、略矩形又は略正方形の基部を有する。
【0067】
成形型のサイズは特に限定されず、製造される菓子製品、プロセスの規模とプロセスで使用されるロボットモジュールに依存する。しかしながら、本発明の好ましい実施形態では、成形型は、200mm~1500mm、400mm~1200mm、又は600mm~1000mmのx方向の長さを有する。好ましい実施形態では、成形型は、50mm~500mm、150mm~450mm、又は200mm~400mmのy方向の幅を有する。好ましい実施形態では、成形型は、5~100mm、10mm~75mm、又は20mm~50mmのz方向の高さを有する。x、y及びzに関する上記の大きさはいずれも、構造的一体性が維持される限り、組み合わされてもよい。例えば、本発明の一実施形態では、成形型のx、y及びz寸法は、600mm~1000mm、200mm~400mm、及び20~50mmである。
【0068】
本発明の好ましい実施形態では、成形型は、以下の好ましい寸法範囲内で空洞にとっての有用な寸法(すなわち、空洞が存在し得る成形型の部分)を有する。本発明の好ましい実施形態では、成形型は、180mm~1400mm、350mm~1100mm、又は700mm~950mmのx方向に有用な長さを有する。好ましい実施形態では、成形型は、40mm~450mm、80mm~400mm、又は150mm~360mmのy方向に有用な幅を有する。好ましい実施形態では、成形型は、4~80mm、8mm~65mm、又は20mm~45mmのz方向に有用な高さを有する。x、y及びzに関する上記の大きさはいずれも、構造的一体性が維持される限り、組み合わされてもよい。例えば、本発明の一実施形態では、成形型の空洞が存在し得るx、y及びz寸法は、550mm~1100mm、180mm~400mm、及び20~45mmである。
【0069】
本発明の一実施形態では、使用される成形型は全て、略同一のサイズ(すなわち、些細な製造偏差を考慮に入れた場合)を有してもよい。しかしながら、成形型が全て同じサイズであることは必須ではない。成形型を確実に積み重ねることができる限り、異なるサイズの成形型を使用することができる。本発明の一実施形態では、任意のプロセス工程のために2つ以上の成形型スタックが必要とされる場合、異なるサイズ及び形状の成形型を各スタックに使用することができる。好ましい実施形態では、本発明は、成形型の取扱い及び成形型の積み重ねが容易であることを確実にするために、特定の製品ひと焼き分の作製には同一のサイズ及び形状の成形型を利用する。
【0070】
本発明の好ましい実施形態では、成形型の上面は、目的の菓子を形成するために使用される少なくとも1つの成形型空洞を含む。少なくとも1つの成形型空洞は、成形型の壁に形成される。好ましい実施形態では、成形型が略正方形又は矩形の基部を有する場合、少なくとも1つの成形型空洞は、基部から延びる一対の対向側壁によって形成される。好ましい実施形態では、複数の成形型空洞を形成するために、対向側壁の対の間に分割壁又は分割部を更に設けることができる。
【0071】
成形型内に存在する成形型空洞の形状、サイズ、及び数は特に限定されず、製造される菓子と使用される成形型のサイズとに依存する。好ましい実施形態では、各成形型は、1~400個の空洞、1~250個の空洞、10~200個の空洞、25~180個の空洞、50~150の空洞を含んでもよい。
【0072】
好ましい実施形態では、各空洞のx、y、及びz寸法は、それぞれ10mm、10mm、及び10mm~300mm、200mm、及び50mmであってもよい。
【0073】
本発明の方法による成形型への機械的ストレスの低減のおかげで、成形型内の「デッドスペース」を最小化することが可能であり、これは、例えば、成形型の大幅な構造上の安定性を確保して、従来の製造ライン、特に従来の成形型の側部での激しい運動によって引き起こされる損傷を保護するため存在していた、成形型の空洞を含まない部分である。したがって、例えば、成形型の上面の75%超、80%超、又は90%超、かつ/又は95%未満を空洞がカバーしている。
【0074】
好ましい実施形態では、本発明で使用するための成形型は、プロセスモジュール間の成形型の確実な移動のため、及び成形型の積み重ね及び積み降ろしの際のために、ロボットモジュールのエフェクタの把持部が成形型と噛み合うことを可能にする特徴部を含む。
【0075】
本発明の好ましい実施形態では、成形型のこれらの特徴部は、ロボットモジュールのエフェクタ内に存在するし、対応する後退又は拡張特徴部と位置合わせされる、複数の拡張又は後退特徴部であってもよい。これらの特徴部は、好ましくは、成形型の少なくとも1対の対向する側壁、例えば、成形型の前部及び後部、及び/又は成形型の側部、並びにエフェクタのそれぞれの対応する把持部上にある。対応する拡張及び後退特徴部の形状は、特に限定されず、例えば、立方体、円筒形、角錐形、半球状、円錐形、又は切頭円錐形などであってもよい。好ましい実施形態では、特徴部が後退特徴部であるとき、後退特徴部は両端で開放されるか、又は後退特徴部はエフェクタとの相互作用が行われる端部のみで開放される。
【0076】
好ましい実施形態では、成形型は後退特徴部を含み、エフェクタの把持部は、隣接する成形型との位置合わせが損なわれないように、対応する突出特徴部を含む。
【0077】
好ましい実施形態では、成形型のそれぞれの対向する側壁上と、エフェクタの対応する把持アーム上のそれぞれの拡張特徴部又は後退特徴部の数は、1以上、例えば、2、3、4、又は5である。好ましい実施形態では、拡張特徴部又は後退特徴部の数は10未満である。成形型の側壁上及び、エフェクタの対応する把持部上の、拡張特徴部又は後退特徴部の数は、正確かつ確実な嵌合を可能にするために同じである。
【0078】
エフェクタの把持部と成形型との間の嵌合を可能にする特徴部の正確な位置とサイズは、特に限定されない。これらの特徴部は単に、成形型の確実な把持を可能にするために必要な特性を有する必要がある。
【0079】
本発明の好ましい実施形態では、成形型は、合わせて、菓子の冷却を補助するのに十分な、成形型を通る、かつ/又は積み重ねられた2つの成形型の間の、流体、好ましくは気体の流れを可能にする特徴部を含む。好ましい実施形態では、2つの成形型の一方がもう一方に積み重ねられたとき、下側の成形型の一部と上側の成形型の一部との間に間隙が形成される。代替的な好ましい実施形態では、これらの特徴部は、個々の成形型に形成される開口部であり、かつ/又は積み重ねられた2つの隣接成形型の間に形成される開口部である。本発明の実施形態では、これらの開口部は、成形型を通ってx軸又はy軸方向に延びる。開口部は、成形型空洞の構造的一体性を損なうように成形型空洞と相互作用することはない。好ましい実施形態では、これらの開口部は、成形型の全長を通ってx軸又はy軸方向に延びる。好ましい実施形態では、開口部は、成形型の最長寸法、すなわちx軸に沿って、かつ成形型のy軸の全長にわたって構成される。
【0080】
本発明の好ましい実施形態では、各開口部はそれぞれ、250mm2~3000mm2、任意選択的に400mm2~2500mm2、任意選択的に500mm2~2000mm2、任意選択的に500mm2~1500mm2、任意選択的に750mm2~1250mm2、任意選択的に900mm2~1100mm2の断面を有する。
【0081】
好ましい実施形態では、成形型は、1~25個の開口部、好ましくは2~20個の開口部、任意選択的に5~15個の開口部、任意選択的に7~12個の開口部を有する。
【0082】
好ましい実施形態では、開口部の総断面積は、500mm2~60000mm2、任意選択的に2000mm2~30000mm2、任意選択的に8000mm2~20000mm2である。例えば、菓子製品の標準的なサイズに基づく好ましい実施形態では、開口部は、2000mm2~10000mm2、好ましくは3000mm2~9000mm2の総断面を有してもよい。
【0083】
開口部のサイズを増大させることにより、成形型を通る空気流の均一性を向上させることができる。
【0084】
開口部の形状は特に限定されるものではないが、本発明の実施形態では、開口部は、正方形、矩形、三角形、円形、六角形、台形、任意の正多角形、前に列挙された形状のうちのいずれかの切頭バージョンなどであってもよい。開口部は、各成形型又は使用される全ての成形型において同一のサイズ又は形状である必要はない。好ましい実施形態では、開口部は、例えば、略同一の容積と断面の開口部を使用することによって、成形型全体にわたって一貫した冷却を確保するように成形される。
【0085】
好ましい実施形態では、成形型を通る流体、好ましくは気体の流れを可能にするための開口部は、エフェクタの把持部と相互作用する特徴部とは異なる一対の側壁上にある。好ましい実施形態では、把持部と相互作用する特徴部を有する成形型の側部には、流体、好ましくは気体の流れ(例えば気体の脱出)を可能にする開口部が存在しない、すなわち、成形型を通る気体の流れは略一方向である。
【0086】
代替的な実施形態では、成形型にある開口部は、流体、好ましくは気体の大部分が一方向に流れることを可能にする開口部のみである。
【0087】
好ましい実施形態では、成形型を通る流体、好ましくは気体の流れを可能にするための開口部は、x軸に沿った成形型の一対の側壁上にあり、把持部と相互作用する特徴部は、y軸に沿った成形型の一対の側壁上にある。この態様の好ましい実施形態では、成形型においてy軸上のもの以外には空気流を可能にする開口部が存在せず、すなわち、気体の流れは、成形型を通ってほぼy軸に沿う。
【0088】
代替的な好ましい実施形態では、把持部は、開口部と同じ側壁上にある。
【0089】
好ましい実施形態では、成形型は、積み込重ねられた成形型の間において開口部を形成するために、基部の上面と下面の一方又は両方から、好ましくはz方向に延びる突出部を有する。本発明の一実施形態では、これらの特徴部は、5mm~50mm、例えば10mm~30mm、又は15mm~25mm突出する。突出部は、成形型基部の少なくとも一部から延びて、確実な積み重ねと成形型の間において十分な気体の流れを可能にし、例えば、突出部は、基部の5%超かつ90%未満、基部の10%超かつ75%未満、又は基部の20%超かつ50%未満、又は基部の25%未満かつ5%超である。突出部のサイズと形状は、成形型の積み重ねを十分に確保する限り、特に限定されない。あるいは、磁石を使用して、成形型基部上の成形型の配列を、対応する磁石を適切に配置することにより位置合わせすることができる。
【0090】
一実施形態では、成形型のy軸に沿った成形型の2つの対向縁部に沿った突出部は、縁部に沿っていない突出部よりもz軸に沿って更に突出する、すなわち、成形型の基部から更に突出する(つまり、外部突出部が内部突出部よりも更に突出する)。例えば、
図5を参照されたい。
【0091】
しかしながら、一実施形態では、突出部の少なくとも1つの寸法は、成形型を通る均一な気体の流れを確保するために最小化される。一実施形態では、x軸に沿った突出部の幅は、均一な気体の流れを確保するために最小化される。一実施形態では、突出部は、1.5mm~15.0mm、好ましくは2.0mm~12.5mm、好ましくは2.5mm~5.0mmのx軸に沿った幅を有する。一実施形態では、突出部は、y軸に沿って同じ幅を有する。代替的な実施形態では、突出部は、y軸に沿って幅が変化する。
【0092】
一実施形態では、突出部は、成形型の方向(すなわち、y軸)に沿って延びて、開口部用のチャネルを形成し、成形型を通る気体の流れを可能にする。一実施形態では、上記の開口部、好ましくは2~20個の開口部は、y軸に沿った突出部の列によって画定される。一実施形態では、nは開口部の数であり、成形型のy軸に沿って延びるn+1列の突出部が存在する。例えば、5つの開口部が存在する場合、開口部を形成するy軸に沿って6列の突出部が存在する。
【0093】
好ましい実施形態では、少なくとも2つの成形型スタックが互いに隣接して配置されるとき、気体の流れを可能にする特徴部は、気体が隣接する成形型スタックを流れることができるように配置される。好ましい実施形態では、隣接するスタック間の気体の流れの効率が最大化されるように封止の形成を助けるため、隣接する成形型スタックが直接接触している。
【0094】
冷却工程
一態様では、本発明は、菓子製造プロセスにおけるモジュール式冷却工程を提供する。
【0095】
一態様では、本発明は、従来の菓子冷却プロセスよりも高い温度で実行される冷却工程を提供し、例えば、冷却は、従来の冷却トンネル内の温度よりも高い温度で実行される。
【0096】
一態様では、本発明は、製造プロセスの残りの工程外部で行われる冷却工程を提供する。好ましい実施形態では、「外部」という用語は、製造プロセスの残りの工程から機械的に独立及び/又は空間的に独立している冷却工程に関しており、すなわち、それはプロセスライン外の冷却工程である。
【0097】
あるいは、本発明は、好ましくは、ライン内の冷却工程を提供する。好ましくは、ライン内にあることにより、冷却モジュールは、少なくとも1つの他のプロセスモジュール、好ましくは少なくとも2つの他のプロセスモジュールと組み合わされ、例えば、物理的に取り付けられ、例えば、プロセスラインにおいて一体化した部分である。好ましい実施形態では、少なくとも1つの成形型スタックは、本発明の冷却プロセスを用いてライン内で冷却される。
【0098】
一態様では、本発明は、菓子が静止している間に実行される冷却工程を提供し、好ましくは、菓子は、静止している少なくとも1つの成形型に収容される。したがって、本発明の一実施形態では、製造プロセスが連続的であることを確保するために移動コンベヤに依存する冷却トンネルは不要である。
【0099】
一態様では、本発明は、本発明の冷却プロセスと同時に成形型の積み重ねが実行される冷却工程を提供し、好ましくは、成形型が積み重ねられている間に、成形型は本明細書に記載される冷却パラメータと冷却装置とによって冷却される。好ましい実施形態では、積み重ねは、以下に記載されるロボットモジュールによって実行される。
【0100】
本発明の好ましい実施形態では、菓子製造プロセスにおける冷却工程は、1.モジュール式冷却工程と、2.従来の菓子冷却プロセスよりも高い温度で実施される冷却工程と、3.製造プロセスの残りの工程の外部で行われる冷却工程と4.菓子が静止している間に実行される冷却工程と、から選択される少なくとも2つの特徴を含む。
【0101】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも特徴1及び2が存在し、少なくとも特徴1及び3が存在し、少なくとも特徴1及び4が存在し、少なくとも特徴1、2、及び3が存在し、少なくとも特徴1、2、及び4が存在し、少なくとも特徴1、2、3、及び4が存在する。
【0102】
好ましい実施形態では、冷却工程は、従来の菓子冷却プロセスよりも高い温度、好ましくは6.0℃超、8.0℃超、10.0℃超、11.5℃超、12.0℃以上、14.0℃以上、又は15.0℃以上の温度で実行される。
【0103】
好ましい実施形態では、冷却は、16.0℃超、任意選択的に16.5℃超、17.0℃超、18.0℃超、18.5℃超、又は19.0℃超の温度で実行される。
【0104】
本発明の好ましい実施形態では、冷却は、25.0℃未満、任意選択的に24.5℃未満、24.0℃未満、23.5℃未満、22.5℃未満、又は22.0℃未満の温度で実行される。
【0105】
好ましい実施形態では、冷却は、10.0℃~25.0℃の温度で実行される。好ましい実施形態では、冷却は12.0℃~25.0℃の温度で実行される。好ましい実施形態では、冷却プロセスは、16.0℃~25.0℃の温度で実行される。この温度は、冷却プロセスで使用される気体、好ましくは空気の温度に関する。一実施形態では、この温度は、成形型と成形型内の菓子とを包囲する気体、例えば、成形型内の菓子と接触、すなわち、冷却プロセスで使用される気体、例えば、冷却装置が使用される場合、成形型を介して/成形型の上で/成形型の周りで、冷却装置が吹き込む又は吸い込む気体に関連する。一実施形態では、この温度は、周囲温度であってもよく、又は冷却工程がコンテナ内で行われる場合には、コンテナ内の気体の温度であってもよい。好ましい実施形態では、温度は、好ましくは気体が成形型と接触する前に、成形型を介して/成形型の上で/成形型の周りで冷却装置が吹き込む又は吸い込む気体から計測される。
【0106】
好ましい実施形態では、冷却工程後の任意のプロセス工程の温度は、25.0℃未満、好ましくは10.0℃~25.0℃、好ましくは12.0℃~22.0℃、好ましくは14.0℃~21.0℃、好ましくは16.0℃~20.0℃、又は好ましくは18.0℃~20.0℃の範囲となるように制御される。
【0107】
好ましい実施形態では、冷却プロセス中の湿度は、30%~70%、より好ましくは40%~60%、又は50%~55%である。一実施形態では、この湿度は、上記の気体、例えば、周囲空気又は冷却プロセスで使用されるコンテナ内の空気に関する。好ましい実施形態では、湿度は、他のプロセス工程、例えば、離型中に上記範囲内で制御される。
【0108】
好ましい実施形態では、冷却は、15分超、20分超、30分超、40分超、50分超、60分超、又は70分超の期間にわたって実行される。本発明の好ましい実施形態では、冷却は、240分未満、任意選択的に180分未満、120分未満、110分未満、100分未満、90分未満、又は75分未満の期間にわたって実行される。好ましい実施形態では、冷却プロセスは、15分~240分又は20分~240分の期間にわたって実行される。好ましくは、冷却期間は、15分~120分、15分~90分、20分~75分、20分~60分、又は20分~45分である。
【0109】
一実施形態では、製造される製品が複合製品である場合、例えば、複数のチョコレート製品成分を含む場合、チョコレート製品シェルとフィリングとを含む場合、チョコレート製品シェルと焼成成分などを含む場合、個々の要素が本発明のプロセスを使用して冷却されてもよく、又は組成物全体が本発明のプロセスを使用して冷却されてもよい。要素が個々に冷却される場合、冷却工程はそれぞれ、上記の期間よりも短くてもよい。例えば、各成分を冷却するため、例えばチョコレート製品シェルを冷却するために、冷却期間は、1分~15分、2分~10分、又は3分~7分であってもよい。
【0110】
一実施形態では、冷却期間は、冷却温度が上昇するにつれて増加し得る。
【0111】
好ましい実施形態では、冷却工程は、10.0℃~22.5℃の温度範囲内で20分~240分間、好ましくは12.0℃~20.0℃の温度範囲内で30分~60分間の期間にわたって実行される。
【0112】
好ましい実施形態では、冷却工程は、16.0℃~25.0℃の温度範囲内で20分~240分間の期間、好ましくは19.0℃~22.0℃の温度範囲内で30分~240分間の期間にわたって実行される。
【0113】
冷却温度と冷却期間の好ましい組み合わせは、12.0℃超と15分超、21.5℃未満と80分未満、14.0℃超と15分超、20.5℃未満と60分未満、14.5℃超と20分超、20.0℃超と60分未満、15.0℃超と20分超、及び19.5℃未満と50分未満である。
【0114】
冷却パラメータの選択は、冷却される菓子製品に応じて行われてもよい。本発明は、同じ装置が、異なる菓子製品を急速に連続して冷却するために使用され得るという柔軟性をもたらす、すなわち、本発明は好ましくは周囲空気とモジュール式冷却装置とを使用するため、長期に及ぶ成形ラインの変更及び/又は冷却トンネルの変更を必要とせずに、異なる製品を収容する成形型を素早く交換することができる。
【0115】
好ましい実施形態では、冷却温度は、冷却工程中の実験的変動(すなわち±0.5℃又は±0.2℃)内の一定温度に設定される。代替的な好ましい実施形態では、冷却温度は、冷却工程中の実験的変動(すなわち、±0.5℃又は±0.2℃)内の一定温度に設定されない。好ましい実施形態では、冷却工程は、異なる冷却温度を有する少なくとも2つの期間を含んでもよい。一実施形態では、これは、冷却工程が、連続的又は離散的であり得る温度勾配の増加又は減少を含んでよいことを意味する。例えば、冷却工程は、比較的低温の第1の冷却期間と、比較的高温の第2の冷却期間とを含んでもよく、その逆もまた同様であり、両方の温度は上記範囲内に収まり、第1と第2の期間の合計は上記範囲内に収まる。例えば、冷却工程は初期温度を含んでもよく、その後、初期温度は、全冷却期間にわたって最終温度まで低下又は上昇され、初期温度と最終温度とは上記範囲内に収まり、総期間は上記の期間に収まる。例えば、冷却工程は、上記で定義されたように、少なくとも1つの可変冷却工程と組み合わせて、少なくとも1つの個別の一定冷却工程を含んでもよい。
【0116】
好ましい実施形態では、冷却プロセスのために、少なくとも2~5個の期間、好ましくは2~3個の期間が存在する。これらの期間は、別個の冷却区間を提供する。好ましい実施形態では、温度はこれらの期間/区間にわたって低下し、その後、凝結リスクを低減するために上昇する。例えば、3区間の冷却工程では、凝結リスクを低減するために、温度は開始時が高く、中間が低く、終了時に上昇する。
【0117】
本発明では、冷却後に成形型を出る流体は、成形型に入る流体よりも高い温度である。この温度差は、菓子の温度、成形型に入る流体の温度、冷却に使用される流体の流量、菓子の量と種類、冷却に使用される流体の体積などの多くの要因に依存する。しかしながら、本発明の一実施形態では、成形型を刺激する流体の温度は、成形型に入る流体の温度よりも2℃~12℃、又は4℃~12℃高く、任意選択的に6℃~10℃高い。冷却工程の過程で、成形型に入る空気と成形型を出る空気との間の温度差が減少する。一実施形態では、上記の温度差は、冷却工程の開始及び/又は終了時の温度差に関する。
【0118】
好ましい実施形態では、成形型の冷却は、冷却装置(冷却モジュール)、例えばファン又はベンチレータを使用して実行され、この冷却装置は、成形型内の開口部を介して気体を推進する、又は開口を介して気体を引き込むことができる。本発明の一実施形態では、冷却装置は、250mm~1000mm、例えば500mmのブレード径を有するファンを備えてもよい。例えば、冷却装置は、Vent AxiaモデルBSP50014、500mmファンであってもよい。
【0119】
好ましい実施形態では、冷却装置は、その移動と成形型との所望の位置合わせを可能にする特徴を備え、例えば、冷却装置は、車輪上又はガイドレール上にあることにより、成形型と所望の位置合わせがなされるまで移動することができる。
【0120】
好ましい実施形態では、冷却装置は、様々な高さで成形型と確実に位置合わせさせるために冷却装置を上昇及び下降させる垂直移動を可能にする特徴を備える。持ち上げ装置の性質は特に限定されず、例えば、機械的、油圧式、手動式などであってもよい。
【0121】
好ましい実施形態では、冷却装置は、周囲領域に流量が失われないように、装置と成形型との間の好適な封止の形成を可能にする特徴を備える。
【0122】
好ましい実施形態では、冷却工程で使用される気体は空気である。しかしながら、代替的に、使用される気体は、不活性気体、例えば窒素であってもよい。
【0123】
本発明の好ましい実施形態では、単一の冷却装置は、2つ以上の成形型スタックを冷却してもよい。本発明の一実施形態では、各冷却装置を使用して、2つ以上の成形型スタック、例えば、5つ以下の成形型スタックを冷却することができる。
【0124】
好ましい実施形態では、ファン又はベンチレータは、ファン又はベンチレータに最も近い成形型を通る気体の流れが4.0m/s~20.0m/s、好ましくは5.0m/s~15m/s、任意選択的に5.5m/s~12.5m/s、任意選択的に6.0m/s~10m/s、任意選択的に6.5m/s~8.5m/sになるように設定される。
【0125】
好ましい実施形態では、冷却装置、好ましくはファン又はベンチレータによって供給される気体の流れは、好ましくは装置に隣接して、すなわち成形型を通らずに測定される場合、1.0m3/s~10.0m3/s、任意選択的に1.5m3/s~7.5m3/s、任意選択的に2.0m3/s~5.0m3/s、任意選択的に2.0m3/s~4.0m3/sである。
【0126】
好ましい実施形態では、冷却装置によって提供される個々の成形型を通る(すなわち、全ての開口部を通る)気体の総流量は、0.004m3/s~0.2m3/sであり、好ましくは0.008m3/s~0.14m3/s、任意選択的に0.01m3/s~0.12m3/s、任意選択的に0.02m3/s~0.09m3/s、任意選択的に0.03m3/s~0.07m3/sと任意選択的に0.035m3/s~0.065m3/sである。
【0127】
成形型を通る気体速度を増加させることにより、熱伝達係数が増加し、好ましくはより速い冷却につながる。
【0128】
したがって、本発明の好ましい実施形態は、以下の特徴の組み合わせを含む。
・冷却される全ての成形型を通る気体の流れは、2.0m/s~20.0m/s、好ましくは5.0m/s~10.0m/s、又は6.0m/s~10.0m/sである。
・気体の温度は、冷却剤として使用される前は10.0℃~25.0℃、好ましくは12.0℃~225.0℃である。
・冷却工程は、好ましくは、15分~240分間にわたって実行される。
・成形型は、2000mm2~30000mm2、好ましくは2000mm2~10000mm2、好ましくは3000mm2~9000mm2の総断面積を有する気体の流れの開口部を含む。
【0129】
好ましい実施形態では、冷却温度は、成形型を通る気体の流れによって制御される。したがって、冷却温度に関して上述したように、本発明の一実施形態では、気体の流れは、冷却工程にわたって一定であってもよい、又は気体の流れは冷却工程にわたって変更されてもよい。好ましい実施形態では、冷却工程は、異なる気体の流れを有する少なくとも2つの期間を含んでもよい。一実施形態では、これは、冷却工程が、連続的又は離散的であり得る気体の流れの勾配の増加又は減少を含み得ることを意味する。例えば、冷却工程は、比較的低い気体の流れの第1の冷却期間と、比較的高い気体の流れの第2の冷却期間とを含んでもよく、その逆もまた同様であり、両方の気体の流れは上記範囲内に収まり、第1と第2の期間の合計は上記範囲内に収まる。例えば、冷却工程は初期の気体の流れを含んでもよく、その後、初期の気体の流れは、全冷却期間にわたって最終の気体の流れまで低下又は上昇され、初期及び最終の気体の流れは上記範囲内に収まり、総期間は上記の期間に収まる。例えば、冷却工程は、上記で定義されたように、少なくとも1つの可変冷却工程と組み合わせて、少なくとも1つの個別の一定冷却工程を含んでもよい。
【0130】
好ましい実施形態では、気体の流れは、気流計、例えば、Alnor TA5ホットワイヤ気流計を使用して測定される。一実施形態では、気流計は、開口部を通る気体の流れが、冷却装置から最も遠い成形型の側で測定されるように、成形型に配置される。
【0131】
本発明の一実施形態では、後続の成形型を通る気体の流れは、冷却装置に最も近い成形型について上述した範囲に収まる。好ましい実施形態では、少なくとも2個のスタック、好ましくは2~4個のスタックが共に冷却され、全てのスタックを通る気体の流れは上記の範囲に収まる。なお、気体の流れは、おそらく冷却装置に最も近い成形型内で常に最大であり、気体の流れは、冷却装置から遠いスタックでは増加しない。
【0132】
あるいは、本発明の実施形態では、冷却装置に最も近い成形型に隣接する第1の成形型を通る気体の流れは、冷却装置に最も近い成形型を通る気体の流れよりも低い。
【0133】
しかしながら、最も好ましくは、気体の流量は、各成形型スタックを通じて、好ましくは可能な限り一定である。例えば、全ての成形型スタックは、流量2.0~20.0m/s、好ましくは5.0m/s~10.0m/s、又は6.0m/s~10.0m/sを有する。
【0134】
本発明の好ましい実施形態では、第1の隣接成形型(例えば、
図13の成形型B)を通る通過気体は、3.0m/s~18.0m/s、任意選択的に4.0m/s~12m/s、任意選択的に5.0m/s~8m/sである。
【0135】
本発明の実施形態では、次の隣接成形型(例えば、
図13の成形型C)を通る第1の隣接成形型への気体の流れは、第1の隣接成形型を通る気体の流れよりも低い。本発明の好ましい実施形態では、第1の隣接する成形型を通る通過気体は、2.0m/s~15.0m/s、任意選択的に3.0m/s~10m/s、任意選択的に4.0m/s~7.0m/sである。
【0136】
本発明の一実施形態では、成形型スタックを通る気体の流れは、冷却工程中の気体の流れの方向を変化させること(すなわち、吸い込みから吹き込みへ、又はその逆も同様)、成形型の両側で冷却装置を使用すること、好ましくは使用される装置を交互に並べること(例えば、1つの装置がスタックCに隣接し、1つの装置がスタックAに隣接し、これらの装置が交代に使用される)、及び/又は冷却工程中に成形型の向きを変更すること、好ましくは、ロボットモジュールを使用して、冷却工程中に少なくとも1回、成形型を180度回転させること、のうち少なくとも1つによって制御することができる。
【0137】
好ましい実施形態では、気体の流れは、冷却工程中、任意選択的に2分毎~25分毎、任意選択的に2.5分毎~15分毎、及び任意選択的に3.0分毎~10.0分毎に、気体の流れを交互にしてもよい。気体の流れの方向の変更は、好ましくは、成形型全体を通じてより均一な冷却プロファイルを提供する、すなわち、冷却装置から様々な距離に成形型を置くことによる影響を相殺する。
【0138】
好ましい実施形態では、高温での受動的冷却は製品を損なわないように制御される。受動的冷却という用語の定義に関しては、この冷却は、冷却工程(すなわち、上述の能動的冷却工程)の前、例えば、他の成形型空洞が充填されている間の充填プロセス中、成形型の積み重ね中、充填後の成形型の搬送中などに行われる冷却である。好ましい実施形態では、任意の受動的冷却の期間は、1時間未満、より好ましくは45分未満、より好ましくは30分未満、最も好ましくは20分未満である。
【0139】
本発明の一実施形態では、原材料の成形型への充填から本プロセスの冷却工程までの期間は、1分超、5分超、例えば8~15分である。
【0140】
受動的冷却に関する高温という用語は、20.5℃超、22.5℃超、25℃超、例えば27℃~35℃である。能動的冷却は、受動的冷却よりも低い温度で行われる。
【0141】
好ましい実施形態では、本発明で使用される成形型は、一緒に積み込んで重ねられてもよい、すなわち垂直に配置されてもよい。使用されるスタックの高さは、使用されるプロセス条件と生産ラインの所望のスループットによる。好ましい実施形態では、成形型は、2つ以上の成形型スタック、5つ以上の成形型スタック、10個以上の成形型スタック、又は20個以上の成形型スタックとして積み重ねることができる。好ましい実施形態では、成形型は、60個以下の成形型スタック、50個以下の成形型スタック、又は40個以下の成形型スタックとして積み重ねる。
【0142】
本発明の一実施形態では、冷却工程中に、少なくとも2つの成形型スタックが、互いの横方向に、すなわち、向かい合わせて、背中合わせで、一方向に向けて、又は横に並んで配置させることができる。本発明の一実施形態では、スタックは、互いにできるだけ接近して、おそらくは直接接触して配置される。
【0143】
好ましい実施形態では、成形型スタック間の間隙は、1cm以下、好ましくは0.75cm未満、より好ましくは0.5cm未満、より好ましくは0.25cm未満、最も好ましくは0.1cm未満である。好ましい実施形態では、成形型スタックは直接接触しているか、あるいはスタック間の間隙は0.05cm超である。冷却装置が使用されるとき、スタック間の気体の流れの速度低下を最小限に抑えるために、スタック間の間隙を低減することが有益である。同じパラメータが、冷却装置と冷却装置に最も近いスタックとの間の距離にも適用される、すなわち、効率的な冷却を確保するために、冷却装置を可能な限り成形型スタックの近くに配置することが有益である。しかしながら、汚れた際に材料が成形型の間を移送しないようにするため、この距離は制御することができる。
【0144】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの成形型スタックは、冷却を行うのに好適な位置まで少なくとも1つの成形型スタックを搬送することができる好適な基板に配置される。一実施形態では、基板は、適切なサイズのパレットであってもよい。代替的な実施形態では、冷却が基板の不在下で行われる。
【0145】
本発明の一実施形態では、基板は、2~10個の成形型スタックが搭載され得る、任意選択的に2~6個の成形型スタックが、及び任意選択的に3又は4個の成形型スタックが搭載され得るような適切なサイズを有する。
【0146】
本発明の一実施形態では、基板は、パレットの上面から垂直かつ水平に延びる突出部を含み、突出部は、パレット上に配置されたときに成形型を確実かつ正確に位置合わせできるように配置される。これらの突出部の位置は、それらが使用される成形型のサイズに対応する位置とされる。
【0147】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの成形型スタックを搭載した基板は、使用される成形型スタックと基板のサイズと重量に応じてタスクに好適な車両を使用して搬送され得る。例えば、一実施形態では、人間のオペレータによって運転されるフォークリフトトラック又は無人の自律フォークリフトトラック(自動誘導車両)が使用されてもよい。
【0148】
本発明の一実施形態では、冷却プロセスは周囲温度で行われる(すなわち、菓子は周囲条件、例えば、周囲空気温度と湿度にさらされる)。
【0149】
代替的な実施形態では、冷却プロセスはコンテナ内で行われ、好ましくは、コンテナは成形型の挿入後に封止されて、周囲環境から略封止された環境を生成することができる。
【0150】
本発明の一実施形態では、コンテナは、少なくとも1つの成形型スタック、好ましくは少なくとも2つの成形型スタック、好ましくは少なくとも3つの成形型スタックを収容するようにサイズ決めされる。一実施形態では、コンテナは、10個未満の成形型スタック、好ましくは5個以下の成形型スタックを保持する。
【0151】
一実施形態では、コンテナは、少なくとも1つの成形型スタックの周りの周囲空気を冷却するのに好適な熱交換器を備える。熱交換器の性質は特に限定されず、周囲空気の温度を冷却工程について上述した温度範囲内まで低下させることができることが重要である。一実施形態では、熱交換器は、二重管熱交換器、シェルチューブ型熱交換器、プレート熱交換器、プレートシェル型熱交換器、プレートフィン型熱交換器、流体熱交換器、又は直接接触熱交換器、又は上記の組み合わせを含む。
【0152】
一実施形態において、コンテナは、上記の冷却装置を備える。一実施形態では、コンテナは、キャビネットを介して及びコンテナ内に存在する成形型の上で/を介して/の間で/の周りでなどのうちの少なくとも1つで空気を吹き込む又は吸い込むことができるファンに接続されるか又はファンを包含する。
【0153】
一実施形態において、冷却装置は、空気をコンテナ内へ吸い込み、熱交換器の上で、及び少なくとも1つの成形型スタックの上で/を介して/の間で/の周りなどで空気を吸い込む。
【0154】
一実施形態では、コンテナは、成形型の周囲から熱交換器への空気の再循環を可能にするチャネルを備える。一実施形態では、コンテナは、コンテナを介して環境と冷却装置間の空気流を可能にする開口部を備える。一実施形態では、これらの開口部は、開閉可能であってもよい。一実施形態では、コンテナは、再開放可能開口部と再循環チャネルの両方を含む。
【0155】
成形型の位置合わせ中に、例えば、基板位置の誤差、基板構造の誤差、及び/又は成形型自体の積み重ねの許容誤差などの、位置合わせ誤差につながる問題があり得る。したがって、本発明の一実施形態では、持ち上げサイクルごとに、ロボットモジュールはセンサを使用して、正確なピッキングを確保するために成形型の位置を検出する。好ましい実施形態では、少なくとも2つのレーザセンサを使用して、成形型の縁部と表面角度とを検出することができる。あるいは、既知の3Dビジョンシステムが使用されてもよい。
【0156】
ロボットモジュール
本発明では、少なくとも1つのロボットモジュールが使用されて、菓子製造プロセスにおける少なくとも1つのプロセス工程を実行する。各ロボットモジュールがプロセス工程を実行できるように、ロボットは、ロボットアームと、その端部に環境と相互作用するように設計されたエフェクタとを備える。一実施形態では、様々なプロセス工程に対して、2種類以上のエフェクタがその工程の特定の要件に応じて定義される。
【0157】
本発明において、エフェクタの一例は、プロセス中にロボットモジュールが成形型を適切に位置合わせすることを可能とするのに十分な方法で、少なくとも1つの成形型を保持することを可能にするエフェクタである。
【0158】
本発明の好ましい実施形態では、ロボットモジュールは、1~5個の成形型、例えば1、2、3、4、又は5個の成形型を同時に保持することができる。2つ以上の成形型がロボットモジュールによって保持される実施形態では、プロセス工程に応じて、ロボットモジュールは、全ての成形型をプロセスモジュール内に配置し、次いで、積み込んだ重ねた成形型を処理のために単一層に分離する。
【0159】
好ましい実施形態において、エフェクタは把持部を含む。把持部は、当該技術分野において既知の標準的カテゴリのいずれかであってもよく、すなわち、衝突性(impactive)(顎部又は爪)、侵襲性(ingressive)(ピン、針、又はハックル)、束縛性(astrictive)(真空、磁気接着、又は電気接着)、又は接触性(contiguitive)のものであってもよい。好ましい実施形態では、把持部は衝突性であり、好ましくは2本、3本、又は5本の指を含む。
【0160】
好ましい実施形態では、本発明の好ましい実施形態で上述したように、1つのロボットがプロセスの別個の工程毎に使用されるであろう。
【0161】
しかしながら、より低スループットのラインの場合、1つのロボットを使用して2つ以上の処理工程を実行することができる。
【0162】
好ましい実施形態では、ロボットモジュールは、移動可能なスタンドユニットに、任意選択でその制御ボックスと共に、装着される。ロボットスタンドは、好ましくは、ラインを構築する際にロボットを任意の位置に移動させることができるロッキングホイールを有する。好ましい実施形態では、ロボットモジュールは、その関連するプロセスモジュールにロボットモジュールを合体させロックさせることができる特徴を有する。
【0163】
好ましい実施形態では、各ロボットモジュールは、ロボットモジュールがライン上の任意の位置で使用され得るように、プロセスモジュールのいずれかとの標準的な電気的及び機械的インタフェースを有するであろう。
【0164】
好ましい実施形態では、ライン上の全てのロボットに常駐する標準的なロボットプログラムが存在する。プログラムは、各プロセス工程を扱ういくつかのサブプログラムを有し、ロボットがどのプロセスモジュールに接続されているかに応じて、関連するサブルーチンが呼び出される。
【0165】
好ましい実施形態では、ロボットモジュールは、プロセスモジュールの存在を検出することができるセンサを備える。好ましい実施形態では、プロセスモジュールは、スキャナが読み取ることのできるタグを含み、好ましくは、タグは、ロボットモジュールがそのプロセスモジュールと合体されたときにどのステップを実行するかを判定するために使用される。スキャナとタグシステムの性質に関しては、プロセスモジュールからロボットモジュールへの情報の転送を可能にする任意のシステムを使用することができる。好ましい実施形態では、プロセスモジュールには、無線周波数識別(RFID)スキャナが組み込まれており、成形型上のRFIDタグを読み取る。あるいは、プロセスモジュールはセンサを含み、ロボットモジュールはタグを含む。
【0166】
好ましい実施形態では、使用される少なくとも1つのロボットモジュールは、協働ロボット(すなわち、共有作業空間内で人間と物理的に相互作用することを目的とした、あるいは力制限ロボットと称されるロボット)である。協働ロボットは、単純な設定及び使用、並びに比較的大きな作業範囲を有する。ロボットモジュールが協働するという事実は、ライン上において固定されインターロックされた防護装置の必要性を低減するためにも有用である。好ましい実施形態では、ロボットモジュールは、Universal Robots UR10 Collaborative Robotに基づく。代替的な好ましいロボットは、Universal Robots UR3及びUR5、Rethink Robots Baxter and Sawyer、Kuka LBRiiwa、ABB Yumi又はFanuc CR-35iAであってもよい。協働ロボットの定義は、ISO10218のパート1及びパート2で提示されてもよい。
【0167】
あるいは、一実施形態では、ロボットは産業用ロボットであってもよい。産業用ロボットは、製造プロセスのスループットを向上させることができる。産業用ロボットの例としては、縦型多関節産業用ロボット、例えば、任意選択的にピックアンドプレース活動用に構成されたFANUC R-2000iB/165F、Staubli-TX2-90、又はKuka Agilus Sixxが挙げられる。
【0168】
好ましい実施形態では、各ロボットモジュールは、上流及び下流のインタフェース信号がモジュール間の搭載物の移送を管理することを可能にする特徴を含む。好ましい実施形態では、各プロセスモジュールは、上流ロボットによって成形型が置かれる受取特徴部(好ましくは送込み棚)を備え、現在のロボットモジュールは、この特徴部から成形型をピッキングし、それをプロセスモジュールに送り、そこで必要なプロセス工程が実行され、次いで、下流モジュールの受取特徴部(好ましくは送込み棚)上に成形型が置かれる。
【0169】
好ましい実施形態では、各モジュールは、受取特徴部上の成形型の存在の評価を可能にする特徴を含む。好ましい実施形態では、本プロセスは以下の工程を含む。現在のモジュールは、受取特徴部が空であり現在のモジュールロボットは道を空けているという信号を、上流ロボットに伝える。次に、上流ロボットモジュールは、現在のモジュールの受取特徴部に成形型を置く。上流モジュールが現在のモジュールの受取特徴部に成形型を置くと上流ロボットは、現在のモジュールのロボットと衝突しないように道を空け、その旨の信号を現在のモジュールに伝える。現在のモジュールのロボットは、成形型を受取特徴部からピッキングし、処理のために処理モジュールに送る。
【0170】
好ましい実施形態では、各ロボットモジュールは、プロセスモジュールとの基本信号インタフェースを有しており、ロボットが受取特徴部からの成形型のピッキングを済ませ、成形型が処理される準備が整うと、ロボットモジュールは、処理を開始する信号をプロセスモジュールに送信し、プロセスモジュールが成形型の処理を完了すると、プロセス完了の信号がロボットに返される。
【0171】
好ましい実施形態では、ロボットモジュールは、プロセスモジュール上のデバイスを直接制御することができる。好ましい実施形態では、ロボットモジュールからプロセスモジュールへのModbus又は類似のI/O(入出力)バス接続により、ロボットモジュールがプロセスモジュール上のデバイスを直接制御することができるため、PLCを必要とせずにプロセス操作が可能になる。
【0172】
一般プロセスモジュール
本発明の好ましい実施形態では、コアプロセスモジュールテンプレートは、各プロセスモジュール及び各プロセスモジュールの製造ラインの残りの部分とのインタフェースの基本的な概要を定義する。プロセスモジュールの具体的な設定は、その機能に依存する。
【0173】
本発明の一実施形態では、コアプロセスモジュールは、モジュールの移動、及びその位置の固定も可能とするロッキングホイールを有するフレームを備える。好ましい実施形態では、コアプロセスモジュールは、ラインの取扱いに応じて、処理の準備が整った成形型を左又は右のいずれかから受取するための受取特徴部、好ましくは送込み棚を有する。
【0174】
好ましい実施形態では、プロセスモジュールは、成形型の存在を検出することができるセンサを備える。好ましい実施形態では、成形型は、センサが読み取ることのできるタグを含む。好ましくは、タグは、プロセスモジュールが特定の成形型上でどの工程を実行するかを判定するために使用される。スキャナとタグシステムの性質に関しては、成形型からプロセスモジュールへの情報の転送を可能にする任意のシステムを使用することができる。好適な実施形態では、プロセスモジュールには、無線周波数識別(RFID)スキャナが組み込まれており、成形型上のRFIDタグを読み取る。
【0175】
好ましい実施形態では、コアプロセスモジュールは垂直フレーム部材を有し、この垂直フレーム部材に、関連する処理工程のために必要な機能機器を取り付けることができる。また、好ましくは垂直ピラーの下半分に取り付けられた制御パネルを有してもよい。制御パネルは、好ましくはプログラム可能論理コントローラ(PLC)である。
【0176】
好ましい実施形態では、ロボットモジュールは、プロセスモジュールに合体され得る。好ましい実施形態では、プロセスモジュールは、ライン内の隣接プロセスモジュールに合体することができる。
【0177】
好ましい実施形態では、コアプロセスモジュールの幅は、ロボットモジュールの作業範囲に従って標準化されている。例えば、1200mm~2000mm、好ましくは1300mm~1700mm、例えば1500mmのモジュールピッチが採用されてもよい。上記の寸法は、1100mmの垂直部材間の作業空間をもたらし、これは、800mm幅の成形型とロボット把持部にとって十分な空間である。
【0178】
好ましい実施形態では、モジュール間の電気的インタフェースは、ロボットモジュールについて上で定義したとおりである。
【0179】
具体的なプロセスモジュールのより詳細な仕様を後述するが、本発明の好ましい実施形態では、具体的なプロセスモジュールは、適切なプロセスを実行するように変更された上述のコアプロセスモジュールに基づく。
【0180】
成形型調整モジュール
このモジュールの機能は、充填に適した温度まで成形型を予熱することである。
【0181】
好ましい実施形態では、この機能は、赤外線ヒータユニットの下で(好ましくは、長縁部を先頭にして)成形型を通過させることによって達成される。
【0182】
好ましい実施形態では、成形型は、例えば、成形型を積み重ねることができるロボットによってコンベヤセクションに置かれ、このコンベヤセクションは成形型をヒータの下で搬送し、ベルトの端部においてライン内の次のモジュールのロボットが、処理のために成形型をピッキングするであろう。
【0183】
好ましい実施形態では、赤外線ヒータユニットは、市販の標準的な設計のユニットであり、成形型の表面の上方80~100mmに取り付けられる。ヒータユニットは、それ自体の制御パネルを備えて供給され、このパネルはまた、成形型調整モジュールに関連する任意の追加の機能を順序良く制御するように指定されるべきである。
【0184】
本発明の好ましい実施形態では、成形型は、好ましくは25℃~35℃、最も好ましくは約30℃の温度まで予熱される。好ましい実施形態では、この工程は、充填されたチョコレート温度の+/-1℃まで成形型を加熱することを含む。
【0185】
成形型積み重ね/積み降ろしモジュール
好ましい実施形態では、本発明は、製造プロセスの所望の時点で、例えば、製造プロセスの冷却工程、及び/又は本発明のプロセスの初期段階及び最終段階(すなわち、成形型調整の前かつ離型及び成形型洗浄の後)において、成形型を積み重ねること及び積み降ろすことができるモジュールを使用する。
【0186】
好ましい実施形態では、このモジュールは、基板、例えばパレットからの成形型を積み重ねること及び/又は積み降ろすこと及び、成形型をプロセスモジュールの受取特徴部に置くこと(デパレタイザ)、及び/又はライン内の最後のプロセスモジュールがその成形型を置く、それ自体の受取特徴部から成形型を取り去り、成形型を基板に配置すること(再パレタイザ)ができるロボットを備える。
【0187】
好ましい実施形態では、モジュールは、少なくとも2つの基板位置を有し、第1の基板はロボットモジュールによって操作され、第2の基板はオペレータによって変更され得る。
【0188】
好ましい実施形態では、冷却工程に関して上述したものと同じシステムを積み重ね工程と積み降ろし工程で使用することができる。
【0189】
デポジッターモジュール
本発明の一実施形態では、デポジッターモジュールは、菓子の少なくとも1つの成分を成形型内に充填させるために使用される。
【0190】
本発明の一実施形態では、上に定義されたコアプロセスモジュールの受取特徴部を含むように変更された標準的な市販のデポジッターシステムを使用することができる。あるいは、標準的な市販のデポジッターは、上述のコアプロセスモジュールに取り付けられてもよい。
【0191】
本発明の一実施形態では、チョコレートを充填するために、デポジッターを使用することができる。
【0192】
例えば、ウェットシェルの充填又は裏打ちのために、おおよそのチョコレート充填のみを必要とする場合、空洞当たりの正確な投与が必要とされる状況と比較して、より単純なデポジッターを使用することができる。
【0193】
あるいは、本発明の一実施形態では、充填プロセスモジュールは、成形型上の空洞に対応する開口部を有する充填特徴部(例えば、プレナムチャンバ又はデポジッター板)を備える。菓子がチョコレートを含む実施形態では、デポジッターは、チョコレートが充填特徴部に引き込まれる加熱ホッパを含む。一実施形態では、速度と投与量を制御する少なくとも1つのサーボモータによって駆動される標準的なギアポンプが、チョコレートの流量を制御する。充填の典型的な時間は、投与されるチョコレートの量に応じて約1~3秒である。
【0194】
リボン充填などを行うためにデポジッターヘッドが1つ以上の軸に沿って移動される従来のデポジッターとは異なり、この場合、ロボットが成形型を操作して、通常は移動デポジッターによって実行されるものと同じ機能を果たすことができるため、デポジッターが固定位置にあることに留意されたい。
【0195】
本発明の好ましい実施形態では、デポジッタープロセスモジュールは、対応するロボットモジュールと同期する。ロボットのデポジッターモジュールへの同期は、ロボットからデポジッターへの開始コマンドによって行われてもよい。次いで、ロボットとデポジッターは両方とも、必要な結果を達成するために予め計画された動作を実行し、これには、ロボットの様々な速度及びツール経路並びに待機点に加えて、成形型の正確な位置に正確な量の菓子原材料を配置するためのデポジッターギアの様々な投与移動を含むことができる。
【0196】
典型的なチョコレート製造プロセスでは、充填後に成形型を振動させてチョコレートを安定させるのが通常の慣行である。
【0197】
本発明の一実施形態では、振とうは、別個のプロセスモジュールによって行うことができる。あるいは、振とうは大抵の場合に充填後に行われるため、充填モジュールが振とうを実行してもよい。この場合、ロボットモジュールは、デポジッターの下に成形型を通した後、デポジッターの下に配置された振とうコンベヤ上に成形型を置く。これにより、成形型を振とうさせ、その空いた時間にロボットモジュールは次の成形型の処理を開始することができる。成形型が振とうコンベヤの端部に到達すると、その後の処理のために、ライン内の次のロボットモジュールによってピックアップされる。
【0198】
冷却モジュール
好ましい実施形態では、本発明は、上記実施形態のいずれかに定義される特徴を備えるモジュール式製造ラインを提供する。
【0199】
この製造の好ましい態様は、上述の冷却プロセス工程のいずれかを実行することができ、かつ/又は冷却プロセスに関して上で定義された特徴のいずれかを含む冷却モジュールである。
【0200】
好ましい実施形態では、冷却モジュールは、好ましくは上記に定義された方法で成形型を積み重ねることができる少なくとも1つのロボットと、好ましくは上記に定義されたプロセス工程のいずれかを使用して成形型内の菓子製品を冷却することのできる冷却装置と、を備える。好ましい実施形態では、ロボットモジュールは、上記に定義されたようなものであってもよい、かつ/又は冷却装置は上記のように定義されてもよい。
【0201】
好ましい実施形態では、冷却モジュールは、物理的に相互接続されたモジュール式製造ラインに接続されていてもよいし、分離されていてもよい。
【0202】
別段の定義がされていない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する当該技術分野の当業者によって通常理解されているものと同じ意味を有し、かつ与えられるべきである。
【0203】
文脈が明確に別のものを示していない限り、本明細書で使用するとき、本明細書の用語の複数形は、単数形を含むと解すべきであり、単数形が使用されるときには複数形も含まれるものと解すべきである。
【0204】
上記に定義された全ての範囲において、端点は、記載された範囲の範囲内に含まれる。加えて、一実施形態における最も広い範囲の端点と、より狭い範囲の端点とが組み合わされてもよい。
【0205】
本発明の実施形態を、以下の特定の非限定的実施例によってより詳細に説明する。
【実施例0206】
実施例1
最終チョコレート製品に対する本発明の冷却プロセスの影響を試験するために、以下の試験を実施した。
【0207】
以下の調査のために選択されたチョコレートは、ココアペースト42.2%、ココアバター11.5%、糖46.2%、ヒマワリレシチン0.3%から成り、乳脂肪を含まず、52%以上のカカオを含むLa PanillaのDessert Noir Natural Massであった。チョコレートの塊は、Malvernマスターサイザで測定したところ21μmの粒径を示した。
【0208】
サンプルの成形は、30℃に予熱した成形型内に手動で行った。まず、42gのKitKat Chunky成形型の6つの空洞に成形型の基部を覆うための分量のチョコレートを充填した。続いて、空洞当たり13個のホールナッツの予め数えられたヘーゼルナッツ部分を、空洞毎にプラスチックポットから手動で充填した。バーの均一化中、ナッツが空洞の片側へ移動することが回避されるように、ナッツをチョコレートの中に穏やかに押し付けた。その後、空洞の残りの容積をチョコレートで充填し、チョコレートスクレーパを用いてバーを均一化した。次いで、充填された成形型を振動テーブル上に置き、チョコレートから気泡を追い出し、チョコレートに被覆されているが表面に突出しているフィリングとして見えるように、ナッツをバーの表面まで上昇させた。
【0209】
ブルームの百分率は、全てのナッツを数え、全ナッツに対するブルームが発生したナッツの割合としてブルームのレベルを表すことによって測定した。6つの成形型にわたって平均を取り、目視でブルームを評価した。
【0210】
4つのサンプルを0.5時間、1時間、2時間、4時間、及び72時間冷却した。9週間の保管(周囲温度20℃、相対湿度50%)後、0.5時間、1時間、2時間、4時間、及び72時間の全ての冷却期間で、平均68±3%のブルームが示された。サンプル間の標準偏差は5%未満であるため、ブルーム発現率間の差は有意であるとみなすことができない。
【0211】
次いで、サンプルのブルーム発現率への冷却温度の影響を試験した。冷却期間に関する前の調査ではブルーム挙動に有意な影響が示されなかったため、サンプルをそれぞれ、10℃、17℃、及び20℃で1、2、及び3時間冷却した。
図12は、この調査結果を示す。
【0212】
本発明の冷却プロセスは、従来の冷却パラメータよりもブルームを低減させることが示されている。
【0213】
実施例2
ミルクチョコレートを、Sollich Minitemper Turbo内で、22.0~22.4℃の結晶化温度(デポジッター後に測定)で、4~6(5を目標とする)のテンパリング指数までテンパリングした。40kgのチョコレートを、30℃に設定したが後にチョコレートが入口の反対側のデポジッター端部に十分に流れるように31℃まで上昇させた加熱配管とデポジッタージャケットを介してデポジッター内へ圧送した。成形型を30℃に調整した。
【0214】
成形型は寸法1122×283×30mmであり、使用可能な空洞領域は中央配置された1070×270mmである。台形の空洞は、内側に26.6×16.5mm及び9.8の深さを有する。空洞の間は、x方向に2mm、y方向に10.4mm離れている。成形型は、ポリカーボネートで作製される。
【0215】
成形型は、
図5に示されるような側面を有し、y軸を通る台形断面(x、z軸)の7つの開口部を含む。内部突出部は、成形型の基部から7mmの深さを有し、外部突出部(すなわち、x軸に沿って最も外側)は、基部から12mmの深さを有しており、すなわち外部突出部は更に延びている。開口部の総断面積は、約2500mm
2であり、各開口部の断面積は約275mm
2(×2)、375mm
2(×4)、及び525mm
2(×1)である。
【0216】
調整された成形型をデポジッターによって充填し、裏打ちを手動で行った。
【0217】
MadgeTechデータロガー(OctTemp/Quadtemp熱電対温度レコーダ)を使用して、3つの成形型スタックにわたって、スタック内の2つの異なるレベルの中央及び側位置(6列のうち下列1+6列のうち中央列3)でチョコレート内の温度を測定した。
【0218】
全スタックの中央に配置された6つの成形型に固体を3回充填した。6つの成形型をチョコレートで充填し、ベンチレータから最も遠い、パレットのセクションCの中央に配置した。6つの成形型をチョコレートで充填し、ベンチレータに最も近い、パレットのセクションAの中央に配置した。6つの成形型を中央セクションBにおいて充填した。これを
図13に示す。18の成形型を固体で約25分で充填した。すなわち毎分0.7の成形型を充填した。
【0219】
成形型スタックは、30個の成形型の3つのスタックとしてパレットに置いた。
【0220】
成形型をベンチレータに取り付け、3つのスタックを互いに接触させ、成形型内の換気空隙をベンチレータフードとぴったり合わせ、密封を形成した。ベンチレータ(Vent AxiaモデルBSP50014、500mmファン)を成形型を介して空気を引き込むようにセットした。速度設定は最大とした(2.45m3/s)。周囲温度は23.0℃であった。
【0221】
空気流を測定し、スタックAの後は7.5m/s、スタックBの後は5.6m/s、及びスタックCの後は4.5m/sであることが分かった。
【0222】
最上列(列6)を30分後に離型し、列5を35分後、45分後、60分後、65分後、70分後、最後に75分後に離型した。離型は、成形型端部を手動で3回の捻ることと、成形型中央部分を3回叩くことを伴った。
【0223】
固体に関して、成形型の粘着と、冷却時間及びパレット上の積み重ね位置との間に相関関係はなかった。
【0224】
実施例3
以下の例外を加え、実施例2を繰り返した。
【0225】
チョコレートを、Sollich Turbo Temper Champ内でテンパリングし、デポジッタージャケットを32℃に設定した。
【0226】
10の成形型を固体で2回充填し、ベンチレータから最も近いスタックと最も遠いスタックの中央に配置し、10の成形型をチョコレートで充填し、ベンチレータから最も遠いパレットのセクションCの中央に配置した。10の成形型をチョコレートで充填し、ベンチレータに最も近いパレットのセクションAの中央に配置した。
【0227】
温度プローブを有する成形型を、20分の滞留時間から始めて、5分毎に増分した最大45分の冷却時間で離型を行い、最後に充填した成形型を最初に、すなわち重ねた順に離型した。スタックCについては、20分後に4つの粘着部分が存在し、それ以後は存在しなかった。スタックAについては、20分後に6つの粘着部分、25分後に3つの粘着部分が存在し、それ以後は存在しなかった。
【0228】
実施例4~12
以下の実験は、以下のパラメータ(指定されない限り、上記と同じ装置を用いて)実施した。
【表2-1】
【表2-2】
【0229】
全てのサンプルを、33個の成形型の3スタックで採取した。
【0230】
各実施例は、100%ミルクチョコレートであり、100%の成功で離型された。
【0231】
実施例13
工業標準の冷却トンネル示差走査熱量測定(DSC)試験を使用して調製されたチョコレートサンプルと比較して、本発明の冷却プロセスの影響を評価するために、以下の実験プロトコルを用いて実施した。
【0232】
DSC結果は、熱ショック法を使用して得られた。15℃で5分間保持し、200℃/分で-30℃まで冷却し、-30℃で10分間保持し、-30℃から33℃まで200℃/分で加熱し、-33℃まで200℃/分で再冷却し、-30℃で10分間保持し、-30℃から70℃まで40℃/分で加熱した。
【0233】
サンプル1及び2は、上記のようにミルクチョコレートであったが、10℃で動作する市販のAasted製冷却トンネルで冷却した。
【0234】
図14では、y軸は、0~3間の0.5刻みでの-0.404~3.433の正規化熱流吸熱(W/g)であり、x軸は、0~45間の5℃刻みでの温度-2.26℃~46.5℃である。
【0235】
図15では、y軸は、-1~3間の0.5刻みでの正規化熱流吸熱(W/g)であり、x軸は、-10℃~60℃間の10℃刻みでの温度である。
【0236】
図14は、2つの工業的に調製されたチョコレートサンプルを示し、
図15は、8つのサンプルのオーバーレイを示し、実施例11及び12からそれぞれ4つずつ、正確な平均を提供するようにスタックの間に分散された位置から採取した。用語「新鮮」は、2日間経過したサンプルに関し、用語「成熟」は、18℃~20℃の温度で2週間経過したサンプルに関する。
【0237】
分かるように、本発明は、過去に示された工業的実施例と比較して、新鮮なサンプルに関するβ’及びβVの優勢比を提供する。
【0238】
実施例14
計算流体力学シミュレーションは、21mm及び26mmの開口高さ及び320mmの総開口幅を有する成形型に基づくものであり、開口断面積は、異なる気体の流れの速度毎に、これらの寸法の積として求められている。その結果を以下に示す。
【表3】
【0239】
圧力低下の増加が、より高い流速で生じることが示されている。流速が速いほど、質量流量は増加するが、熱伝達係数も増加するため、出口空気温度は著しく低下しない。つまり、冷却プロセスは速まるが、成形型内の異なる位置間でのより著しくより均一な冷却時間を生じさせないことを意味すると考えられ得る。開口サイズの増大は、出口空気温度の低下により著しい影響を有し、より均一な冷却工程をもたらすと考えられる。