(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123732
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】情報作成装置、情報作成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 15/02 20060101AFI20240905BHJP
G06F 3/04883 20220101ALI20240905BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240905BHJP
G09B 5/02 20060101ALI20240905BHJP
G09B 19/02 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G06F15/02 315P
G06F3/04883
G06F3/0481
G06F15/02 310E
G09B5/02
G09B19/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031371
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐地 宏太
【テーマコード(参考)】
2C028
5B019
5E555
【Fターム(参考)】
2C028AA07
2C028BA00
2C028BB01
2C028BC01
5B019DA07
5B019DA08
5B019HC07
5B019HE03
5B019HE09
5E555AA11
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5E555BB06
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5E555BB20
5E555BC17
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5E555BD01
5E555CA14
5E555CB08
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5E555CB11
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5E555CB33
5E555CB46
5E555CC05
5E555CC21
5E555DB51
5E555DB56
5E555DC13
5E555DC19
5E555DC54
5E555DC59
5E555DC72
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザ操作に応じて入力された計算式を有効に利用する情報作成装置、情報作成方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】情報作成システム1において、ユーザ端末20に入力された計算式を含む範囲Dtを指定(Tp)すると、指定の範囲Dtに含まれる表示要素の軌跡に基づいて計算式が認識され、所定フォントにデータ化された計算式Mt1として表示画面内の空き領域に表示されると共に数学ツールアプリが起動される。計算式Mt1に“=”(等号)が含まれる場合は“=”(等号)毎に左辺と右辺を有する計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13に分割され、計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13の電子付箋NB2-2が生成されて表示される。電子付箋NB2-2の計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13は、計算式(等式)Mt1n毎に正誤が判定され、判定結果(正)“○”Tまたは(誤)“×”Fが付加されて表示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作に応じて入力された情報が表示されている第1表示領域内の範囲を指定するユーザ操作を受け付け、
前記指定された範囲に含まれる表示要素から計算式を認識し、
指定された表示領域内の指定された位置に配置して表示させることが可能な電子付箋であって、前記認識した計算式である第1計算式を入力した第1電子付箋を生成または編集する、
処理を実行する情報作成装置。
【請求項2】
認識した前記第1計算式を、前記第1表示領域内の前記認識した計算式に対応する表示要素と重ならない位置に配置して表示させる、
処理を実行する請求項1に記載の情報作成装置。
【請求項3】
生成した前記第1電子付箋を、ユーザが指定した表示領域内のユーザが指定した位置に配置して表示させる、
処理を実行する請求項2に記載の情報作成装置。
【請求項4】
前記第1表示領域は、前記第1電子付箋の表示領域であって、
前記第1電子付箋を、前記第1電子付箋の表示領域内に前記第1計算式が入力された状態となるように編集する、
処理を実行する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項5】
前記第1表示領域は、ユーザ操作に応じて入力された情報が表示されている第2電子付箋の表示領域であって、
前記第2電子付箋とは別の電子付箋として前記第1電子付箋を生成する、
処理を実行する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項6】
第1端末を操作する第1ユーザが入力した数学の問題が前記第1表示領域に表示され、かつ、第2端末を操作する第2ユーザが前記数学の問題に対する解答として入力した計算式が前記第1表示領域に表示されている状態で、前記解答として入力された計算式を囲む範囲が指定された場合に、前記解答として入力された計算式を認識した前記第1計算式が入力された前記第1電子付箋を前記第1端末に送信する、
処理を実行する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項7】
前記指定された範囲に含まれる複数の表示要素のうち、計算式に関連する表示要素であると判別される複数の表示要素を、計算式として計算可能な形式で、かつ、数学自然表示の表示形態で表示可能な形式に変換して前記第1電子付箋に入力する、
処理を実行する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項8】
前記第1電子付箋に入力された計算式を数学自然表示の表示形態で表示させるとともに、
前記第1電子付箋に入力された計算式の計算結果に基づく情報を、計算式に関連付けて表示させる、
処理を実行する請求項7に記載の情報作成装置。
【請求項9】
それぞれが異なる表示領域を有し、それぞれの表示領域内に配置される電子付箋の内容と、それぞれの表示領域内で電子付箋を配置する位置とを管理している複数のノートブックを生成する機能を有し、
前記第1表示領域は第1ノートブックとして管理される表示領域であり、
前記生成した第1電子付箋を前記第1ノートブックとは別のユーザが指定したノートブックの表示領域内のユーザが指定した位置に対応付けて管理する、
処理を実行する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項10】
前記認識した計算式の計算要素が等号を含む場合、前記等号の左辺と右辺とを比較した結果を示す情報を前記第1計算式に付加した状態で前記第1電子付箋を生成する、
処理を実行する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項11】
前記認識した計算式の計算要素が複数の等号を含む場合、前記複数の等号のそれぞれについて左辺と右辺とを比較した結果を示す情報を前記第1計算式に付加した状態で前記第1電子付箋を生成する、
処理を実行する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項12】
前記認識した計算式に含まれる複数の等号それぞれが段階的な式変形に対応している場合に、前記複数の等号のうち左辺が省略されている段階の左辺には1つ前の段階の右辺を複製し、前記複数の等号毎に分割した複数の等式を入力して前記第1電子付箋を生成する、
処理を実行する請求項11に記載の情報作成装置。
【請求項13】
前記複数の等号毎に分割した複数の等式をそれぞれ別々に入力した複数の前記第1電子付箋を生成する、
処理を実行する請求項12に記載の情報作成装置。
【請求項14】
前記第1電子付箋に入力されている前記第1計算式を変更するユーザ操作を受け付けた場合、前記変更された第1計算式の前記等号の左辺と右辺とを比較した結果を示す情報を付加した状態で前記第1電子付箋を生成する、
処理を実行する請求項10に記載の情報作成装置。
【請求項15】
指定された計算式の計算が可能な数学ツールの機能を有し、
前記第1電子付箋を対象として前記数学ツールを起動した場合に、前記第1電子付箋に入力されている前記第1計算式に関する計算を前記数学ツールに実行させる、
処理を実行する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項16】
前記指定された範囲に含まれる表示要素から計算式を認識することに応じて、前記数学ツールを起動する、
処理を実行する請求項15に記載の情報作成装置。
【請求項17】
情報作成装置が、
ユーザ操作に応じて入力された情報が表示されている第1表示領域内の範囲を指定するユーザ操作を受け付け、
前記指定された範囲に含まれる表示要素から計算式を認識し、
指定された表示領域内の指定された位置に配置して表示させることが可能な電子付箋であって、前記認識した計算式である第1計算式を入力した第1電子付箋を生成または編集する、
処理を実行するようにした情報作成方法。
【請求項18】
情報作成装置の制御部が、
ユーザ操作に応じて入力された情報が表示されている第1表示領域内の範囲を指定するユーザ操作を受け付け、
前記指定された範囲に含まれる表示要素から計算式を認識し、
指定された表示領域内の指定された位置に配置して表示させることが可能な電子付箋であって、前記認識した計算式である第1計算式を入力した第1電子付箋を生成または編集する、
処理を実行するように機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報作成装置、情報作成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筆記入力手段を備えた計算装置において、表示領域内で手書き入力された計算式の軌跡を囲む操作(ジェスチャ)に応じて、計算式の軌跡から計算式の計算要素を認識して計算を行うことが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザ操作に応じて入力された計算式を有効に利用することが可能になる情報作成装置、情報作成方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報作成装置は、
ユーザ操作に応じて入力された情報が表示されている第1表示領域内の範囲を指定するユーザ操作を受け付け、
前記指定された範囲に含まれる表示要素から計算式を認識し、
指定された表示領域内の指定された位置に配置して表示させることが可能な電子付箋であって、前記認識した計算式である第1計算式を入力した第1電子付箋を生成または編集する、処理を実行するようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザ操作に応じて入力された計算式を有効に利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の情報作成装置、情報作成方法およびプログラムの実施形態に係る情報作成システム1の全体の構成を示す図。
【
図2】情報作成サーバ10の電子回路の構成を示すブロック図。
【
図3】情報作成サーバ10の付箋管理テーブルデータ記憶領域12dに記憶される付箋管理テーブル(12d)の内容を示す図。
【
図4】ユーザ端末20の電子回路の構成を示すブロック図。
【
図5】情報作成サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従った電子付箋生成処理を示すフローチャート。
【
図6】情報作成サーバ10の電子付箋生成処理に従ったユーザ端末20側での画面遷移を示す図。
【
図7】情報作成サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従った計算式データ化処理を示すフローチャート。
【
図8】情報作成サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従った電子付箋自動生成処理を示すフローチャート。
【
図9】情報作成サーバ10の計算式データ化処理に従ったユーザ端末20側での表示動作を示す図。
【
図10】情報作成サーバ10の電子付箋自動生成処理に従ったユーザ端末20側での表示動作(その1)を示す図。
【
図11】情報作成サーバ10の計算式データ化処理および電子付箋自動生成処理に従った計算式のデータ化および計算式の分割を説明する図。
【
図12】情報作成サーバ10の電子付箋自動生成処理に従ったユーザ端末20側での表示動作(その2)を示す図。
【
図13】情報作成サーバ10の電子付箋自動生成処理に従ったユーザ端末20側での表示動作(その3)を示す図。
【
図14】情報作成サーバ10の電子付箋自動生成処理に従い電子付箋NB2-2にして表示させた計算式Mt11,Mt12,Mt13およびその正誤の判定結果の他の表示形態を示す図。
【
図15】情報作成サーバ10の電子付箋自動生成処理に従いノートブック(数学)NB2内に追加した新たな電子付箋(ポイント1)NB2-2と電子付箋(ポイント2)NB2-3とを含むノートブック(数学)NB2のノートブック画面G2を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0009】
(実施形態の構成)
図1は、本発明の情報作成装置、情報作成方法およびプログラムの実施形態に係る情報作成システム1の全体の構成を示す図である。
【0010】
情報作成システム1は、インターネットなどの通信ネットワークN上に設けられる情報作成サーバ10(サーバ装置)と、情報作成サーバ10に通信接続し情報作成サーバ10を利用するユーザ端末20(通信機器)と、を含んで構成される。
【0011】
なおここで言う、情報作成サーバ10は、情報作成サーバ10を利用するための情報作成サーバ利用アプリケーションと、クラウドサービスとをつなげる専用サーバのことを示している。また、情報作成サーバ10と、ユーザ端末20とは、何れも本発明の情報作成装置になり得る。
【0012】
ユーザ端末20(通信機器)は、通信機能を有するタブレット端末、スマートフォン、PC、電子辞書、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機などとして構成され得る。
【0013】
ユーザ端末20には、情報作成サーバ利用アプリケーションプログラム(情報作成サーバ利用アプリ)がインストールされる。
【0014】
<情報作成サーバ10の機能>
情報作成サーバ10は、ユーザ端末20の情報作成サーバ利用アプリに従いユーザ端末20と通信接続した状態において、少なくとも以下の機能(10a)~(10g)を有する。
【0015】
(10a)ユーザ端末20の操作に応じて、ユーザが任意の情報を入力して表示させることができる表示領域(ノートブックNB1:
図6参照)のノートブック画面G2を生成し、ユーザ端末20の表示部27に表示させる機能。
【0016】
(10b)ノートブック画面G2に設けたノートブックメニューMNに対するユーザ操作に応じて、ノートブックメニューMNから選択された種類の情報を入力した電子付箋NB1-1~NB1-3を生成し、ノートブックNB1内のユーザ任意の位置に配置して表示させる機能。
【0017】
(10c)タッチパネル式表示部27の表示領域上でユーザ操作に応じて指定された範囲Dtに含まれる表示要素(手書き入力された軌跡またはキー入力されたテキスト)の中から複数の計算要素により構成される計算式を認識し、所定のフォントにデータ化した計算式Mt1(
図9参照)として表示させる機能。
【0018】
(10d)認識された計算式の計算要素に複数の“=”(等号)が含まれる場合、“=”(等号)毎に左辺と右辺を有する等式Mt11,Mt12,Mt13に分割し(“=”(等号)が1つの場合は左辺と右辺を有する1つの等式Mt1となる)、等式Mt11,Mt12,Mt13を入力した電子付箋NB2-2(等式毎に別々の電子付箋にしてもよい)を生成して表示させる機能。
【0019】
(10e)等式Mt11,Mt12,Mt13毎に左辺と右辺とを比較する計算を実行して正誤を判定し、判定結果(“正”T/“誤”F)を付加して表示させる機能。
【0020】
(10f)認識された計算式に“=”(等号)が含まれない場合、計算式の計算を実行し、計算式に計算結果を付加した電子付箋NBm-nを生成して表示させる機能。
【0021】
(10g)認識された計算式を含む電子付箋NBm-nを、ユーザ任意のノートブックNBmの任意の位置に対応付けて保存する機能(
図15参照)。
【0022】
実施形態において、符号NBm(NB1,NB2など)はノートブックID(識別情報)を示すが、ユーザにより入力されたノートブック名(例えばユーザの学習している科目の科目名:英語/数学/理科など)として読み替えてよい。また、符号NBm-n(NB1-1,NB1-2など)はノートブックNBm内に生成した電子付箋IDを示すが、ユーザにより入力された電子付箋名(例えばユーザの学習している科目内の表題:課題/提出/ポイントなど)として読み替えてよい。
【0023】
<情報作成サーバ10の電子回路>
図2は、情報作成サーバ10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0024】
情報作成サーバ10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU:central processing unit)11と、記憶部12と、記録媒体読取部14と、通信部15と、入力部16と、表示部17とを備えている。
【0025】
制御部11は、記憶部12に記憶されているサーバ制御プログラム12aに従い、入力部16からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは通信ネットワークN上のユーザ端末20からの通信部15による受信信号に応じて回路各部の動作を制御する。
【0026】
サーバ制御プログラム12aは、記憶部12に予め記憶されていてもよいし、あるいはCD-ROMなどの外部記録媒体13から記録媒体読取部14を介して記憶部12に読み込まれて記憶されたものでもよいし、通信ネットワークN上のWebサーバ(この場合、プログラムサーバ)30からダウンロードして記憶部12に読み込まれて記憶されたものであってもよい。
【0027】
サーバ制御プログラム12aは、少なくとも前述の(10a)~(10g)の機能を実行するためのプログラムを含む。
【0028】
記憶部12には、サーバ制御プログラム12aの記憶領域のほか、辞書データベース記憶領域12b、ユーザ管理データ記憶領域12c、付箋管理テーブルデータ記憶領域12dおよび作業データ記憶領域12eが確保される。
【0029】
辞書データベース記憶領域12bには、英和辞書、独和辞書、仏和辞書、国語辞書などの各種の辞書データが、見出し語である単語と同見出し語に対応する訳、語義、例文、解説などの説明情報とを対応付けた辞書データとして記憶される。
【0030】
ユーザ管理データ記憶領域12cには、情報作成サーバ利用アプリをインストールしたユーザ端末20のユーザ毎に、ユーザID(ユーザ識別情報:ここではアプリID)に対応付けられて、ユーザが登録したパスワード、ユーザ属性(職業(学校)、学年など)、ユーザ操作に応じて生成された電子付箋(NBm-n)を含むノートブック(NBm)の内容のデータがノートブックIDおよび電子付箋IDに対応付けられて記憶される。
【0031】
図3は、情報作成サーバ10の付箋管理テーブルデータ記憶領域12dに記憶される付箋管理テーブル(12d)の内容を示す図である。
【0032】
付箋管理テーブル(12d)には、ユーザ管理データ記憶領域12cに記憶(登録)されたユーザID毎に、ユーザ操作に応じて生成されたノートブック(NBm)のノートブックID(ノートブック名)に対応付けられて、ノートブック(NBm)に含まれる電子付箋(NBm-n)の電子付箋ID(付箋名)、ノートブックメニューMNに対応する情報の種別、電子付箋(NBm-n)に含まれるデータの属性(作成/編集日時,データフォーマットなどのデータ設定情報,サブ属性など)、電子付箋(NBm-n)のノートブック(NBm)上での表示位置を示す座標、電子付箋(NBm-n)のサイズが記憶される。
【0033】
なお、付箋管理テーブル(12d)は、複数のノートブック(NB1,NB2,…)それぞれに含まれる複数の電子付箋(NB1-n/NB2-n/NBm-n)について、各ノートブックNBmに含まれる電子付箋(NBm-n)の管理情報をまとめて記憶するものであって、ノートブックNBmおよびそのノートブックNBmに含まれる電子付箋(NBm-n)の生成、情報の更新に応じて、記憶されている管理情報の更新が可能なノートブックNBmの管理テーブルでもある。
【0034】
作業データ記憶領域12eには、制御部11による各部の動作の制御に応じて生成または取得される各種のデータが必要に応じて一時的に記憶される。
【0035】
このように構成された情報作成サーバ10は、制御部11がサーバ制御プログラム12aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような各種の機能を実現する。
【0036】
<ユーザ端末20の電子回路>
図4は、ユーザ端末20の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0037】
ユーザ端末20の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU)21と、記憶部22と、記録媒体読取部24と、通信部(Wi-Fi(登録商標)通信/移動体通信)25と、キー入力部26と、タッチパネル式表示部27と、撮像部(カメラ)28とを備えている。
【0038】
制御部21は、記憶部22に記憶されたユーザ端末制御プログラム22aおよび情報作成サーバ利用アプリケーションプログラム(情報作成サーバ利用アプリ)22bに従い回路各部の動作を制御する。ユーザ端末制御プログラム22aは、記憶部22に予め記憶されるか、メモリカードなどの外部記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取って記憶部22に記憶させるか、通信ネットワークN上のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)30から通信部25を介してダウンロードして記憶部22に記憶させるか、の何れであってもよい。
【0039】
情報作成サーバ利用アプリ22bは、通信ネットワークN上のWebサーバ(ここではアプリストアのプログラムサーバ)30から通信部25を介してダウンロードして記憶部22に記憶させる。
【0040】
ユーザ端末制御プログラム22aは、ユーザ端末20の全体を制御するシステムプログラムのほか、記憶部22に記憶された各種のアプリケーションプログラムと連携して、通信ネットワークN上の情報作成サーバ10およびWebサーバ30を含む外部の通信機器と随時通信接続するためのプログラムを含む。
【0041】
情報作成サーバ利用アプリ22bは、情報作成サーバ10と通信接続して少なくとも前述の機能(10a)~(10g)に応じたデータの入出力処理を実行するためのプログラムを含む。
【0042】
制御部21には、システムおよびデータバスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25のほか、電源キーと音量調整キーを含むキー入力部26、タッチパネル式表示部27、および撮像部(カメラ)28などが接続される。
【0043】
記憶部22には、ユーザ端末制御プログラム22aおよび情報作成サーバ利用アプリ22bを記憶するプログラム記憶領域のほか、端末データ記憶領域22cおよび作業データ記憶領域22dなどが確保される。
【0044】
端末データ記憶領域22cには、通信ネットワークN上の情報作成サーバ10およびWebサーバ30を含む外部の通信機器と通信接続するための端末機器番号のほか、電話番号、メールアドレス、ユーザID(ユーザ識別情報:ここではアプリID)、ユーザ属性(職業(学校)/学年)などのデータが、ユーザ端末20に固有の端末データとして記憶される。
【0045】
作業データ記憶領域22dには、制御部21による各部の動作の制御に応じて生成または取得される各種のデータが必要に応じて一時的に記憶される。
【0046】
このように構成されたユーザ端末20は、制御部21がユーザ端末制御プログラム22aおよび情報作成サーバ利用アプリ22bに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような各種の機能を実現する。
【0047】
(実施形態の動作)
次に、実施形態の情報作成システム1の動作について説明する。
【0048】
<電子付箋生成処理>
図5は、情報作成サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従った電子付箋生成処理を示すフローチャートである。
【0049】
図6は、情報作成サーバ10の電子付箋生成処理に従ったユーザ端末20側での画面遷移を示す図である。
【0050】
情報作成サーバ10において、ユーザ端末20からのログイン要求に応じてユーザ端末20と通信接続した状態で、制御部11は、
図6(A)に示すように、ユーザ操作に応じて生成したノートブックNBm(ここではNB1~NB4)を、ノートブックアイコン(英語:NB1/数学:NB2/理科:NB3/…)の一覧にしたノートブック一覧画面G1としてユーザ端末20のタッチパネル式表示部27に表示させる。
【0051】
ノートブック一覧画面G1において、例えばノートブックアイコン(英語:NB1)をタッチ操作して指定すると、制御部11は、指定されたノートブックNB1のデータをユーザ管理データ記憶領域12cから読み出し、付箋管理テーブル(12d)に基づき、
図6(B)に示すように、ノートブック(英語)NB1のノートブック画面G2としてタッチパネル式表示部27に表示させる(ステップS1)。なお、表示画面上でのタッチ操作は、マウスカーソルによるクリック操作や他のポインタデバイスによる指定操作と決定操作との組み合わせであってよく、以下の記載も同様である。
【0052】
ここでは、ノートブック(英語)NB1の中に電子付箋NB1-nは未だ生成されていないと仮定する。
【0053】
ユーザが任意の情報を入力した電子付箋NB1-nをノートブックNB1(英語)に貼り付けて作成したい場合に、ノートブック画面G2の左端に設けられたノートブックメニューNMから任意の種類の情報を示すボタン(Tx/Ca/Li/Fi/Di/Ma)が選択されると(ステップS2(Yes))、制御部11は、選択された種類の情報を入力して作成可能な電子付箋NB1-nを生成し、ノートブックNB1内に表示させる(ステップS3)。
【0054】
ノートブックメニューNMは、例えば、[トリミング]ボタンTp、[テキスト]ボタンTx、[カメラ]ボタンCa、[リンク]ボタンLi、[ファイル]ボタンFi、[辞書]ボタンDi、[数学ツール]ボタンMaを有する。
【0055】
[テキスト]ボタンTxが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させると共にユーザ端末20のテキスト入力アプリを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ操作に応じた任意のテキストを入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS4)。
【0056】
[カメラ]ボタンCaが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させると共にユーザ端末20の撮像部(カメラ)28を起動させ、電子付箋NB1-nに対し撮像部(カメラ)28で撮影した任意の写真画像を入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS4)。
【0057】
[リンク]ボタンLiが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させると共にユーザ端末20のWebブラウザを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ任意のWebページを入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS4)。
【0058】
[ファイル]ボタンFiが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させると共にユーザ端末20のファイル操作アプリを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ任意のファイルを入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS4)。
【0059】
[辞書]ボタンDiが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させると共に情報作成サーバ10の辞書アプリを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ任意の辞書の見出し語とその説明情報を辞書データベース(12b)から検索して表示、編集可能な状態とする(ステップS4)。
【0060】
[数学ツール]ボタンMaが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させると共に情報作成サーバ10の数学ツールアプリを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ任意の数学ツールを使用した計算式、グラフ、統計表などの数学データを入力して表示、編集可能な状態(計算式の計算の実行、計算式の正誤の判定などを含む)とする(ステップS4)。
【0061】
ノートブックメニューNMのボタン(Tx/Ca/Li/Fi/Di/Ma)に対応した電子付箋NBm-nに対する情報の表示、編集を行う場合、ノートブックNBmにおける電子付箋NBm-nのサイズを任意に拡大した電子付箋編集画面G3(
図1参照)にして表示、編集可能である。
【0062】
ノートブックメニューNMの情報の種類を示すボタンは、前述の[テキスト]ボタンTx、[カメラ]ボタンCa、[リンク]ボタンLi、[ファイル]ボタンFi、[辞書]ボタンDi、[数学ツール]ボタンMaに限らず、さらに別の種類の情報を入力するためのボタンを設けてよい。
【0063】
なお、ノートブックメニューNMの先頭に設けられた[トリミング]ボタンTpが選択されると、制御部11は、例えば、表示、編集可能な状態にある電子付箋NBm-nの表示領域(電子付箋編集画面G3など)にトリミングペン(Tp)を表示させ、トリミングペン(Tp)の移動により囲んで指定された範囲Dtに含まれる画像を認識する。
【0064】
ノートブックNBm内に表示させた電子付箋NBm-nは、ユーザによりタッチ操作されドラッグ(移動)されることに応じて、その表示位置が移動される。
【0065】
また、ノートブックNBm内に生成した電子付箋NBm-nの色は、ユーザ操作に応じて任意の色に変更される。
【0066】
ユーザ任意の情報を入力し任意の位置に配置して表示させた電子付箋NBm-nを生成し、ノートブック画面G2の[←](閉じる)ボタンTBがタッチ操作されると、制御部11は、生成した電子付箋NBm-nのデータをユーザ管理データ記憶領域12cのノートブックNBmの内容として記憶させる(保存する)と共に、電子付箋IDに対応付けて、付箋管理テーブル(12d)の種別、属性、座標、サイズを記憶させる(ステップS5)。
【0067】
また、ユーザ任意の情報を入力して表示させた電子付箋NBm-nを[保管]アイコンSKの位置にドラッグしドロップすると、制御部11は、ドロップされた電子付箋NBm-nをユーザ任意のノートブックNBmの任意の位置に対応付けて保存する。制御部11は、付箋管理テーブル(12d)の該当するノートブックNBmに対応付けて[保管]アイコンSKにドロップされた電子付箋NBm-nの電子付箋IDを追加し、種別、属性、座標、サイズを記憶させる(ステップS5)。
【0068】
ここで、例えば
図6(B)に示すノートブック(英語)NB1のノートブック画面G2では、[テキスト]ボタンTxの操作に基づきテキストを入力して生成した2つの電子付箋NB1-1,NB1-2と、[辞書]ボタンDiの操作に基づき辞書の見出し語とその説明情報を検索して生成した電子付箋NB1-3とを表示させた状態を示している。
【0069】
また、例えば
図6(B)で示したように、生成した電子付箋(ここでは、NB1-1~NB1-3)を含むノートブックNB1のノートブック画面G2を表示させた状態で(ステップS1)、任意の電子付箋NB1-nが選択されると(ステップS6(Yes))、制御部11は、選択された電子付箋NB1-nの内容を前述同様にノートブックメニューMNに基づき追加で編集可能な状態とする(ステップS4)。
【0070】
なお、ノートブック画面G2にて生成した電子付箋NBm-nは、ユーザ管理データ(12c)と付箋管理テーブル(12d)に基づいて、予め複数のユーザ間で設定した複数のユーザ端末20同士で送信したり受信したりすることができる。
【0071】
図7は、情報作成サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従った計算式データ化処理を示すフローチャートである。
【0072】
図8は、情報作成サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従った電子付箋自動生成処理を示すフローチャートである。
【0073】
図9は、情報作成サーバ10の計算式データ化処理に従ったユーザ端末20側での表示動作を示す図である。
【0074】
図10は、情報作成サーバ10の電子付箋自動生成処理に従ったユーザ端末20側での表示動作(その1)を示す図である。
【0075】
図11は、情報作成サーバ10の計算式データ化処理および電子付箋自動生成処理に従った計算式のデータ化および計算式の分割を説明する図である。
【0076】
図12は、情報作成サーバ10の電子付箋自動生成処理に従ったユーザ端末20側での表示動作(その2)を示す図である。
【0077】
<計算式データ化処理(
図7)>
ユーザ端末20において、ユーザ操作に応じて入力された情報をタッチパネル式表示部27に表示させることを仮定する。
【0078】
ユーザ端末20において、ユーザ任意の情報を入力して表示させる手段は、タッチパネル式表示部27の表示領域をタッチペンで操作してユーザ任意の情報を手書きで入力するか、またはキーボード(ここではソフトキーボード)を操作してユーザ任意の情報をキー入力することに応じて、ユーザ端末20の制御部21により、手書き入力またはキー入力された情報をタッチパネル式表示部27に表示させる手段でもよいし、通信接続中のサーバ装置(ここでは情報作成サーバ10)の制御部11により同様に表示させる手段の何れであってもよい。
【0079】
ここでは、ユーザ端末20の制御部21が情報作成サーバ利用アプリ22bに従い情報作成サーバ10に通信接続し、情報作成サーバ10の制御部11により、例えば
図9に示すように、タッチパネル式表示部27に、ノートブック(数学)NB2(第1表示領域)内に生成した電子付箋(課題)NB2-1(第2電子付箋)の電子付箋編集画面G3を表示させた状態を仮定する。
【0080】
ノートブック(数学)NB2内に生成した電子付箋(課題)NB2-1の電子付箋編集画面G3には、例えば教師(第1ユーザ)のユーザ端末20(第1端末)から入力して出題した数学の課題(問題)とその解答となる計算式(ここでは段階的に式変形した計算式)が、生徒(第2ユーザ)のユーザ端末20(第2端末)における[テキスト]ボタンTxの選択に基づいた手書き入力により表示されている(ステップM1)。
【0081】
ここで、例えば解答として入力した計算式を検証したい場合に、[トリミング]ボタンTpの選択に応じて表示されるトリミングペン(Tp)を操作し、計算式が表示されている表示領域を含む範囲Dtを囲んで指定する(ステップM2(Yes))。
【0082】
制御部11は、範囲Dtを指定する操作を受け付けると、指定された範囲Dtの表示領域内に表示されている表示要素を取得し(ステップM3)、取得した表示要素が含まれる矩形領域(Xmin-Xmax,Ymin-Ymax)の画像を対象に文字認識する(ステップM4)。
【0083】
制御部11は、文字認識した画像に計算式に関連する表示要素であると判別される複数の表示要素が含まれる場合(ステップM5(Yes))、認識した計算式を、LatexやMath MLなどの表示用パーサを含む数式表示制御機能に従って、計算式として計算可能な形式で、かつ、数学自然表示の表示形態(計算式に含まれる複数の計算要素(演算子や数値)を、コンピュータが計算順序を認識して順番に計算しやすいように左右に一列に並べるだけでなく、人間が数学における計算式の意味を認識しやすいように上下方向にも広がって表示させる表示形態であって人間が習う数学において自然な表示形態)で表示可能な形式に所定のフォントでデータ化(画像データ化)して変換し、データ化(変換)した計算式Mt1を電子付箋編集画面G3(表示中の表示領域)内の表示要素の無い空き領域に表示させる(ステップM6)。
【0084】
制御部11は、[数学ツール]ボタンMaが選択された場合と同様に数学ツールアプリを自動的に起動させ、電子付箋自動生成処理(
図8)に移行する(ステップMT)。
【0085】
なお、ここでの数学ツールアプリの起動は、自動での起動に限らず、データ化した計算式Mt1を表示させた状態でのユーザ操作(計算式Mt1をタップ等により指定する操作や[数学ツール]ボタンMaを選択する操作)に応じて起動させてもよい。
【0086】
<電子付箋自動生成処理(
図8)>
電子付箋自動生成処理が起動されると、制御部11は、計算式Mt1に“=”(等号)が含まれるか否かを判定する(ステップT1)。
【0087】
計算式Mt1に“=”(等号)が含まれる場合(ステップT1(Yes))、制御部11は、計算式Mt1に含まれる“=”(等号)毎に、その左辺と右辺とを一組とする等式(計算式)に分割し(ステップT2)、
図10に示すように、分割した計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13を入力して編集した電子付箋(ここでは、表示中のノートブック(数学)NB2(第1表示領域)の電子付箋NB2-1(第2電子付箋)とは別の電子付箋)NB2-2(第1電子付箋)を生成して、例えば
図9で示した計算式Mt1と書き替えて表示させる(ステップT3)。
【0088】
この際、計算式Mt1に含まれる“=”(等号)が1つの場合には、その左辺と右辺とを一組とする一つの等式(計算式)が電子付箋NB2-2に入力されて表示されることになる(ステップT2,T3)。
【0089】
なお、分割した計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13は、それぞれ別の電子付箋(例えばNB2-2,NB2-3,NB2-4)に分けて表示させてもよい。
【0090】
ここで、ユーザ操作に応じて入力された計算式を所定のフォントにデータ化し、計算式に含まれる“=”(等号)毎の計算式(等式)に分割する処理の手法について、
図11を参照して説明する。
【0091】
図11(A)に示すように、トリミングペン(Tp)を移動させてユーザが指定した範囲Dtの表示領域に含まれる表示要素は、
図11(B)に示すように、通常の文字は文字認識された文字コードとして、計算式はLatexなどの表示用パーサにより変換された数式コードとして、コード化Cdmされる。
【0092】
ユーザが指定した範囲Dtに通常の文字の表示要素dが含まれる場合でも、その文字コードは数式コード(数式始まり“\[\begin{aligned}”~数式終わり“\end{aligned}\]”)と区別して除外され、計算式の数式コードを抽出できる。
【0093】
数式コードにおいて、1つ目の等式Mt11は、数式始まり“\[\begin{aligned}”の後から最初の“\\”の前迄を左辺と右辺の組みとして分割し、2つ目の等式Mt12は、1つ目の等式Mt11の右辺をコピー(複製)して左辺にすると共に次の“\\”の前迄を右辺として分割し、3つ目の等式Mt13は、2つ目の等式Mt12の右辺をコピー(複製)して左辺にすると共に数式終わり“\end{aligned}\]”の前迄を右辺として分割する。
【0094】
これにより、ユーザ操作に応じて入力された計算式(ここでは段階的に式変形した計算式)を、計算式に含まれる“=”(等号)毎の計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13に分割し、
図11(C)に示すように、電子付箋NB2-2にして表示させることができる(ステップT1~T3)。
【0095】
制御部11は、電子付箋NB2-2にして表示させた分割した計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13毎に、例えば計算式(等式)Mt1nの左辺に対して右辺が等しいか否かを比較することによってその等式の正誤を判定し(ステップT4)、
図12に示すように、正しいと判定した計算式(等式)Mt11,Mt13には判定結果“○”Tを付加して表示させ、誤りと判定した計算式(等式)Mt12には判定結果“×”Fを付加して表示させる(ステップT5)。
【0096】
一方、所定のフォントにデータ化され、電子付箋編集画面G3(表示中の表示領域)内の空き領域に表示された計算式Mtnに“=”(等号)が含まれない場合(ステップT1(No))、制御部11は、計算式Mtnの計算を実行しその計算結果を付加した電子付箋NB2-nを生成して表示させる(ステップT6)。
【0097】
これにより、ユーザ端末20の表示画面上でのユーザ操作に応じて入力された任意の計算式を、その計算式を含む範囲Dtの表示領域を囲んで指定するだけで、所定のフォントにデータ化し、ノートブックNBmの電子付箋NBm-nにして利用することができるばかりでなく、データ化した計算式Mt1が“=”(等号)を含む場合は、“=”(等号)毎に左辺と右辺を有する計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13に分割して電子付箋NB2-2にして利用できると共に、分割した計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13毎に正誤を判定しその判定結果を付加して表示させることができる。
【0098】
また、データ化した計算式Mtnが“=”(等号)を含まない場合でも、計算式Mtnの計算を実行しその計算結果を付加した電子付箋NB2-nにして利用できる。
【0099】
このように生徒(第2ユーザ)のユーザ端末20(第2端末)にて生成した問題の解答が入力された電子付箋NB2-nのデータは、任意のタイミング(例えばステップT3(
図10参照)やT5(
図12参照))で教師(第1ユーザ)のユーザ端末20(第1端末)へ送信してよい。
【0100】
図13は、情報作成サーバ10の電子付箋自動生成処理に従ったユーザ端末20側での表示動作(その3)を示す図である。
【0101】
なお、
図13では、
図12で示した電子付箋編集画面G3上の電子付箋NB2-2を抜き出して示している。
【0102】
図12で示したように、電子付箋[数学(課題)]NB2-1の電子付箋編集画面G3に表示させた電子付箋NB2-2において、ユーザ操作に応じて、電子付箋NB2-2に含まれる計算式(ここでは判定結果(誤)“×”Fが付加された計算式(等式)Mt12)が指定されると(ステップT7(Yes))、制御部11は、
図13(A)に示すように、指定された計算式(等式)Mt12を識別表示(反転表示など)させると共に、指定された計算式(等式)Mt12に対応させて数式入力用のソフトキーボードKyを表示させる(ステップT8)。
【0103】
ソフトキーボードKyのユーザ操作に応じて、指定された計算式(等式)Mt12が編集されて変更(ここでは等式を満たすべく右辺の先頭に分数“2/3”CRが挿入されて変更)されると(ステップT9(Yes))、制御部11は、変更された計算式を対象にステップT1からの処理を実行する。
【0104】
この場合には、
図13(A)に示すように、分数“2/3”CRが挿入された計算式(等式)Mt12に判定結果“○”Tが付加されて表示され、ユーザに対し計算式(等式)Mt12を変更した内容が正解であることが知らされる(ステップT1~T5)。
【0105】
一方、ユーザ操作に応じて指定された表示領域内(ここでは
図12で示した電子付箋NB2-1の電子付箋編集画面G3にて指定された範囲Dt内)の表示要素がユーザ操作に応じて変更されると(ステップT10(Yes))、制御部11は、変更された表示領域(Dt)内の表示要素を対象に計算式データ化処理(
図7)のステップM3からの処理を実行する。
【0106】
なお、例えば
図12で示したように、電子付箋NB2-2にして表示させた計算式Mt11,Mt12,Mt13の表示形態は、数学自然表示の表示形態に限らず、
図14に示すように、計算式一行表示の表示形態であってもよい。
【0107】
また、例えば
図12で示したように、電子付箋NB2-2にして表示させた計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13毎の正誤の判定結果は、“○”Tまたは“×”Fによる表示に限らず、
図14に示すように、計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13に判定対象を示す判定マークmjを付加すると共に、“TURE”Trまたは“FALSE”Faにより表示してもよい。
【0108】
図14は、情報作成サーバ10の電子付箋自動生成処理に従い電子付箋NB2-2にして表示させた計算式Mt11,Mt12,Mt13およびその正誤の判定結果の他の表示形態を示す図である。
【0109】
計算式(等式)Mt1nの正誤の判定結果を、“○”Tまたは“×”Fにより表示させるか、“TURE”Trまたは“FALSE”Faにより表示させるかは、ユーザにより選択される表示モードの設定により切り替え可能としてもよい。
【0110】
ステップT1~T6に従い、例えば
図12および
図13で示したように、ノートブック(数学)NB2の電子付箋(課題)NB2-1の電子付箋編集画面G3においてユーザ任意に入力された計算式に対応する電子付箋NB2-2が新たに生成されて表示された状態で、[←](閉じる)ボタンTBがタッチ操作されると、制御部11は、新たに生成した電子付箋NB2-2をノートブック(数学)NB2に追加して保存し、付箋管理テーブル(12d)を更新する(ステップT11)。あるいは、新たに生成された電子付箋NB2-2を[保管]アイコンSKの位置にドラッグしてドロップすると、制御部11は、[保管]アイコンSKの位置にドロップされた電子付箋NB2-2をユーザ任意のノートブックNBmの任意の位置に追加して保存し、付箋管理テーブル(12d)を更新する(ステップT11)。
【0111】
例えば、
図12で示したように、計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13およびその正誤の判定結果“○”T,“×”F,“○”Tを含む電子付箋NB2-2が生成されて表示された状態と、
図13(B)で示したように、変更後の計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13およびその正誤の判定結果“○”T,“○”T,“○”Tを含む電子付箋NB2-2が生成されて表示された状態との、2回のタイミングで、電子付箋NB2-2を保存するための[←](閉じる)ボタンTBがタッチ操作されたと仮定する。
【0112】
すると、電子付箋管理テーブル(12d)には、
図3に示すように、ノートブック(数学)NB2内に既に存在する電子付箋(課題)NB2-1の他に、1回目のタイミングでは、
図12で示した計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13およびその正誤の判定結果“○”T,“×”F,“○”Tを含む付箋名を例えば「ポイント1」とした電子付箋(ポイント1)NB2-2が追加されて記憶され、2回目のタイミングでは、
図13(B)で示した計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13およびその正誤の判定結果“○”T,“○”T,“○”Tを含む付箋名を例えば「ポイント2」とした電子付箋(ポイント2)NB2-3が追加されて記憶される。
【0113】
図15は、情報作成サーバ10の電子付箋自動生成処理に従いノートブック(数学)NB2内に追加した新たな電子付箋(ポイント1)NB2-2と電子付箋(ポイント2)NB2-3とを含むノートブック(数学)NB2のノートブック画面G2を示す図である。
【0114】
前述した電子付箋自動生成処理(
図8)に従い、
図12および
図13で示したように、ノートブック(数学)NB2の電子付箋(課題)NB2-1の電子付箋編集画面G3にて計算式を含む電子付箋NB2-2が新たに生成され、
図3で示したように、付箋管理テーブル(12d)のノートブック(数学)NB2に対応付けて電子付箋(ポイント1)NB2-2と電子付箋(ポイント2)NB2-3とが追加で記憶された状態で、
図6(A)で示したノートブック一覧画面G1にてノートブックアイコン(数学:NB2)が指定されると、制御部11は、付箋管理テーブル(12d)に基づいて、
図15に示すように、ノートブック(数学)NB2のノートブック画面G2に電子付箋(課題)NB2-1と、電子付箋(ポイント1)NB2-2と、電子付箋(ポイント2)NB2-3とを表示させる(ステップS1(
図5))。
【0115】
ノートブック(数学)NB2のノートブック画面G2に表示させた電子付箋(課題)NB2-1と、電子付箋(ポイント1)NB2-2と、電子付箋(ポイント2)NB2-3とは、前述したように、任意の電子付箋NB2-nを選択することで(ステップS6(Yes))、選択された電子付箋NB2-nの内容をノートブックメニューMNに基づき追加で編集できる(ステップS4)。
【0116】
(実施形態のまとめ)
実施形態の情報作成サーバ10(情報作成装置)によれば、ノートブック(数学)NB2(第1表示領域)に生成した電子付箋(課題)NB2-1(第2電子付箋)の電子付箋編集画面G3(ユーザ端末20のタッチパネル式表示部27)において、課題の解答として入力した計算式(ユーザ任意の計算式)を手書き入力またはキー入力により表示させ、入力された計算式を含む範囲Dtの表示領域をトリミングペン(Tp)などにより囲んで指定すると、指定の範囲Dtに含まれる表示要素の軌跡に基づいて計算式が認識され、所定のフォントにデータ化された計算式Mt1として表示画面内の表示要素と重ならない空き領域に表示されると共に数学ツールアプリが起動される。
【0117】
データ化された計算式Mt1に“=”(等号)が含まれる場合は“=”(等号)毎に左辺と右辺を有する計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13に分割され、計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13の電子付箋NB2-2(第1電子付箋)が生成されて表示される。データ化された計算式Mtnに“=”(等号)が含まれない場合は計算式Mtnの電子付箋NB2-2(第1電子付箋)が生成されて表示される。
【0118】
電子付箋NB2-2の計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13は、計算式(等式)Mt11,Mt12,Mt13毎に正誤が判定され、判定結果(正)“○”Tまたは(誤)“×”Fが付加されて表示される。
【0119】
電子付箋NB2-2において、例えば、等式として誤り“×”Fであると判定された計算式(等式)Mt12がユーザ操作に応じて指定されると、数式入力用のソフトキーボードKyが表示され、ソフトキーボードKyのユーザ操作により計算式(等式)Mt12が変更(CR)されると、変更された(変更される毎に)計算式(等式)Mt12の正誤が再度判定されて判定結果が更新されて表示される。
【0120】
“=”(等号)が含まれない計算式Mtnの電子付箋NB2-2が生成されて表示された場合でも、計算式Mtnを指定するとソフトキーボードKyが表示され、ソフトキーボードKyのユーザ操作により計算式Mt1nが変更されると、変更された(変更される毎に)計算式Mt1nの計算が再実行されその計算結果が更新されて表示される。
【0121】
電子付箋NB2-2の計算式Mt1n(Mtn)に対しては、“=”(等号)を含む計算式Mt1nの正誤判定、“=”(等号)を含まない計算式Mtnの計算の実行に限らず、数学ツールアプリの機能に従った他の計算処理も行うことができるのは勿論である。
【0122】
ノートブック(数学)NB2(第1表示領域)内の電子付箋(課題)NB2-1(第2電子付箋)の電子付箋編集画面G3にて新たに生成された電子付箋NB2-2(第1電子付箋)は、[←](閉じる)ボタンTBの操作に応じて、ノートブック(数学)NB2(第1表示領域)に追加されて保存される。また、新たに生成された電子付箋NB2-2(第1電子付箋)は、[保管]アイコンSKの位置にドラッグしてドロップする操作に応じて、ユーザ任意のノートブックNBm(別の表示領域)の任意の位置に追加されて保存される。
【0123】
従って、実施形態の情報作成サーバ10(情報作成装置)によれば、表示領域に表示されている計算式を認識して所定のフォントにデータ化し、データ化した計算式の計算を実行したり、データ化した計算式の正誤を判定したりするだけでなく、データ化した計算式を任意のノートブックNBmに付加する(貼り付ける)ことのできる電子付箋NBm-nにして生成し、数学ツールアプリを利用した様々な処理を行なうことができるようになる。
【0124】
よって、ユーザ操作に応じて入力された計算式を有効に利用することが可能になる。
【0125】
以上の各実施形態において記載した情報作成システム1による各処理の手法、すなわち、
図5のフローチャートに示す電子付箋生成処理、
図7のフローチャートに示す計算式データ化処理、
図8のフローチャートに示す電子付箋自動生成処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、情報処理装置(電子機器)の制御部(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、各実施形態において説明した各種の機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0126】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを情報処理装置(電子機器)に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述した各種の機能を実現することもできる。
【0127】
なお、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0128】
1 …情報作成システム
10 …情報作成サーバ
11 …制御部(CPU)
12 …記憶部
12a…サーバ制御プログラム
12b…辞書データベース記憶領域
12c…ユーザ管理データ記憶領域
12d…付箋管理データ記憶領域
15 …通信部
20 …ユーザ端末
21 …制御部(CPU)
22 …記憶部
22a…ユーザ端末制御プログラム
22b…情報作成サーバ利用アプリケーションプログラム
22c…端末データ記憶領域
25 …通信部
27 …タッチパネル式表示部
28 …撮像部(カメラ)
30 …Webサーバ
N …通信ネットワーク
NBm…ノートブック
NBm-n…電子付箋
G1 …ノートブック一覧画面
G2 …ノートブック画面
G3 …電子付箋編集画面
MN …ノートブックメニュー
Tp …[トリミング]ボタン
Ma …[数学ツール]ボタン
Mt1…所定フォントにデータ化した計算式
Mt1n…計算式(等式)
T …判定結果(正)
F …判定結果(誤)