(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123768
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/795 20140101AFI20240905BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240905BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20240905BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240905BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20240905BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/79
A63F13/45
A63F13/69
A63F13/30
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031430
(22)【出願日】2023-03-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月9日に「エグゾプライマル|CAPCOM」公式サイト(https://www.exoprimal.com/)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月10日に「YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=L8Q1NnZhVCU)等にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月15日に「YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=8PIL32FpB4s)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月16日に「YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=jWtPhxhDlzo)等にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月22日に「YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=9Ic9ySIynaM)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月15日に「YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=jMDRh4CAPoQ)等にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月18日に「YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=hRRrwIJs-R8)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月19日に「YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=0L7XyCDnck8)等にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月20日に「YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=0SsF3tN846M)等にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月21日に「YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=aLsSjOGvTSs)等にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月22日に「YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=urXkDmP9DUw)等にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年9月17日に「YouTube」(https://youtu.be/uerHNGgJBKg)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年9月18日に「YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=J_ZjRGYkISs)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年8月10日に「Twitter」(https://twitter.com/exoprimal/status/1557351108800045056)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年8月11日に「Twitter」(https://twitter.com/exoprimal/status/1557698524787228678)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年8月13日に「Twitter」(https://twitter.com/exoprimal/status/1558121329764843520)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年9月17日に「Twitter」(https://twitter.com/i/broadcasts/1DXxyvgvvRkKM)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年9月18日に「Twitter」(https://twitter.com/i/broadcasts/1ypKddRqojjKW)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月13日に「Press Start」(https://press-start.com.au/features/2022/06/14/exoprimal-explained-an-interview-with-the-development-team/)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月13日に「GamerSky.com」(https://www.gamersky.com/news/202206/1490751.shtml)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「IGN JAPAN」(https://jp.ign.com/exoprimal/60379/interview/d)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「ASCII.jp」(https://ascii.jp/elem/000/004/094/4094540/?topnew=4)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「Gamer」(https://www.gamer.ne.jp/news/202206140002/)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「GAMEWatch」(https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1416791.html)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「Game*Spark」(https://www.gamespark.jp/article/2022/06/14/119478.html)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「電撃オンライン」(https://dengekionline.com/articles/136589/)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「ファミ通.com」(https://www.famitsu.com/news/202206/14264875.html)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「VジャンプWEB」(https://vjump.shueisha.co.jp/news/04_20220614_1.html)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「4Gamer.net」(https://www.4gamer.net/games/621/G062154/20220613147/)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「PCGamesN」(https://www.pcgamesn.com/exoprimal/exosuit-classes)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「IGN」(https://www.ign.com/articles/exorimal-full-price-free-to-play-dino-crisis)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「GameStar.de」(https://www.gamestar.de/artikel/exoprimal-koop-shooter-dinos-preview,3381575.html)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「巴哈姆特電玩資訊站」(https://gnn.gamer.com.tw/detail.php?sn=233247)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「Wanuxi.com」(https://www.wanuxi.com/%e7%8b%ac%e5%ae%b6%e4%b8%93%e8%ae%bf%e3%80%8aexoprimal%e3%80%8b%e5%88%b6%e4%bd%9c%e4%ba%ba%e4%bb%a5%e5%8f%8a%e7%9b%91%e5%88%b6%ef%bc%81%e6%af%8f%e4%b8%80%e5%b1%80%e7%9a%84%e6%b8%b8%e6%88%8f%e9%83%bd/)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「A9VG」(https://www.a9vg.com/article/186757)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「机核 GCORES」(https://www.gcores.com/articles/152412)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「網易」(https://www.163.com/dy/article/H9RVE22G0526Q3CJ.html)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月14日に「bilibili」(https://www.bilibili.com/read/cv17088665)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月15日に「PCGamesN」(https://www.pcgamesn.com/exoprimal/dinosaur-mech-game-takuro-hiraoka)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月15日に「Everyeye.it」(https://www.everyeye.it/notizie/exoprimal-collegato-dino-crisis-capcom-chiarisce-definitivamente-593147.html)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月15日に「3DJuegos」(https://www.3djuegos.com/juegos/exoprimal/noticias/exoprimal-no-es-dino-crisis-pero-tras-ver-su-accion-shooter-con-dinosaurios-quiero-probarlo-ya-220614-5876)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月15日に「虎■」(https://m.hupu.com/bbs/54242949.html)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月15日に「知乎」(https://zhuanlan.zhihu.com/p/528753605)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月16日に「jeuxvideo.com」(https://www.jeuxvideo.com/news/1588903/exoprimal-entre-jurassic-world-et-anthem-que-nous-reserve-capcom-le-directeur-du-titre-nous-repond.htm)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月18日に「HobbiGame」(https://hobbigame.com/exoprimal-interveiw/)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月24日に「Destructoid」(https://www.destructoid.com/exoprimal-interview-capcom-game-director-takuro-hiraoka/)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月5日に「Great Game Asia 亞洲遊戲網」(https://greatgame.asia/%e3%80%8a-exoprimal-%e3%80%8b%e8%a3%bd%e4%bd%9c%e4%ba%ba%e5%b0%88%e8%a8%aa-%e3%80%8c%e4%b8%8d%e6%98%af%e5%83%8f%e3%80%8amh%e3%80%8b%e8%88%ac%e8%88%87%e4%b8%80%e5%80%8b%e5%bc%b7%e5%a4%a7%e6%95%b5/)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月6日に「Steam」(https://store.steampowered.com/app/1286320/EXOPRIMAL/)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月8日に「Steam」(https://store.steampowered.com/news/app/1286320?emclan=103582791472045402&emgid=3324236036082524877)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月22日に「Steam」(https://store.steampowered.com/news/app/1286320?emclan=103582791472045402&emgid=3414309119862595405)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年8月2日に「Steam」(https://store.steampowered.com/app/1286320/EXOPRIMAL/)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年8月5日「Steam」(https://store.steampowered.com/news/app/1286320?emclan=103582791472045402&emgid=3361393092830713694)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年9月15日(令和4年9月15日~9月18日)に「東京ゲームショウ2022」(幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬二丁目1))にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】江口 英典
(72)【発明者】
【氏名】山崎 洋史
(57)【要約】 (修正有)
【課題】興趣性の高い体験を提供する。
【解決手段】取得ステップでは、複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームへの参加要求と、当該参加要求を送信するユーザに関するユーザ情報とを取得する。マルチプレイゲームは、少なくとも第1ゲームモードを含む。ユーザ情報は、ユーザによるマルチプレイゲームの進行度に関する情報を含む。決定ステップでは、少なくとも参加要求に基づき、マルチプレイゲームに参加する参加ユーザを決定する。参加ユーザのうちの少なくとも1人の進行度に基づき、対象コンテンツを決定する。対象コンテンツは、参加ユーザに対して実行されるマルチプレイゲームのコンテンツである。更新ステップでは、第1ゲームモードにおいてマルチプレイゲームが実行される場合に、マルチプレイゲームにおける参加ユーザの成績によらず当該マルチプレイゲームに参加したことに基づき、参加ユーザのそれぞれの進行度を更新する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
次の各ステップを含み、
取得ステップでは、複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームへの参加要求と、当該参加要求を送信するユーザに関するユーザ情報とを取得し、ここで、
前記マルチプレイゲームは、少なくとも第1ゲームモードを含み、
前記ユーザ情報は、前記ユーザによる前記マルチプレイゲームの進行度に関する情報を含み、
決定ステップでは、少なくとも前記参加要求に基づき、前記マルチプレイゲームに参加する参加ユーザを決定し、
前記参加ユーザのうちの少なくとも1人の前記進行度に基づき、対象コンテンツを決定し、ここで、前記対象コンテンツは、前記参加ユーザに対して実行される前記マルチプレイゲームのコンテンツであり、
更新ステップでは、前記第1ゲームモードにおいて前記マルチプレイゲームが実行される場合に、前記マルチプレイゲームにおける前記参加ユーザの成績によらず当該マルチプレイゲームに参加したことに基づき、前記参加ユーザのそれぞれの前記進行度を更新する、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記マルチプレイゲームのコンテンツのそれぞれは、前記進行度が所定の許容条件を満たす前記参加ユーザに対して実行することが許容されるように構成され、
前記決定ステップでは、前記進行度に基づき前記参加ユーザのうちの少なくとも1人に対して実行することが許容される前記コンテンツのなかから、前記対象コンテンツを決定する、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法において、
前記決定ステップでは、前記参加ユーザが第1ユーザと、前記第1ユーザとは異なる前記進行度を有する第2ユーザと含む場合、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの進行度に基づき前記第1ユーザおよび前記第2ユーザに対してともに許容される前記コンテンツのなかから、前記対象コンテンツを決定する、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツは、前記進行度に対応付けられる少なくとも1つのイベントを含み、
前記マルチプレイゲームは、前記参加ユーザが前記イベントを達成することによって進行するように構成され、
前記決定ステップでは、
前記第1ユーザの進行度に基づき前記第1ユーザに対する実行が許容される前記イベントである第1イベントを決定し、
前記第2ユーザの進行度に基づき前記第2ユーザに対する実行が許容される前記イベントである第2イベントを決定し、
前記第1イベントの実行が前記第2ユーザに対して許容されず、前記第2イベントの実行が前記第1ユーザに対して許容される場合、当該第1イベントの内容に基づき前記第1ユーザおよび前記第2ユーザに対してともに実行される前記第2イベントの内容を決定し、
当該第2イベントを含むコンテンツを前記対象コンテンツとして決定する、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項3に記載の情報処理方法において、
前記取得ステップでは、さらに、前記参加ユーザに対して過去に実行された前記マルチプレイゲームの対象コンテンツである実行済みコンテンツに関する情報を取得し、
前記決定ステップでは、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザに対してともに許容される前記コンテンツが前記第1ユーザまたは前記第2ユーザの実行済みコンテンツを含む場合、当該実行済みコンテンツと異なるコンテンツを前記対象コンテンツとして優先的に決定する処理を行う、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記ユーザ情報は、さらに、前記進行度とは異なる、前記ユーザの習熟度に関する情報を含み、
前記決定ステップでは、さらに前記習熟度に基づき前記参加ユーザを決定し、
前記更新ステップでは、前記マルチプレイゲームにおける前記参加ユーザの成績に基づき、前記参加ユーザのそれぞれの前記習熟度を更新する、
情報処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理方法において、
前記決定ステップでは、前記参加要求を送信するユーザのうち、前記習熟度の差異が第1範囲内で、かつ前記参加要求を送信するユーザ間の前記進行度が第2範囲内であるユーザ同士を、前記参加ユーザとして決定する、
情報処理方法。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記マルチプレイゲームは、さらに、前記参加ユーザのうちの少なくとも1人の前記進行度が既定値に達している場合に実行される第2ゲームモードを含み、
前記更新ステップでは、前記第2ゲームモードにおいて前記マルチプレイゲームが実行される場合に、前記マルチプレイゲームにおける前記参加ユーザの成績に基づき、前記参加ユーザの一部の進行度を増加させないように、前記参加ユーザのそれぞれの前記進行度を更新する、
情報処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理方法において、
さらに設定ステップでは、前記参加ユーザの前記進行度が前記第2ゲームモードにおける前記マルチプレイゲームの成績に基づき前記進行度を増加させないように更新された場合、当該参加ユーザに対して所定条件を設定し、
さらに、実行ステップでは、前記所定条件を満たされていない場合に、前記第2ゲームモードにて前記マルチプレイゲームを実行しない、
情報処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理方法において、
前記実行ステップでは、前記所定条件が達成されていない場合に、前記既定値未満の進行度に対応するコンテンツを対象コンテンツとして決定し、当該対象コンテンツに基づき前記第1ゲームモードにて前記マルチプレイゲームを実行する、
情報処理方法。
【請求項11】
少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、
情報処理システム。
【請求項12】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザがゲームのプレイを進行させるにつれて、対戦プレイを習熟する動機づけをユーザに提供することにより、ゲームの興趣性をいっそう向上させる技術が開示されている。
【0003】
当該技術に係るマッチング処理を行うサーバ装置は、対戦プレイにおけるユーザの習熟度を階層的に分類したランク指標を各ユーザについて管理する。サーバ装置は、ユーザの対戦プレイの履歴に応じて、ユーザが属するランク指標を維持または変更する。サーバ装置は、対戦プレイのマッチング時に、ランク指標の最上位のユーザの端末において、当該最上位のユーザと対戦する対戦相手のレーティングを表示させ、ランク指標の最上位以外のユーザの少なくとも一部のユーザの端末において、当該ユーザと対戦する対戦相手のレーティングを非表示にさせてマッチング処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記ゲーム制御方法には、未だ改善の余地がある。
【0006】
本開示では上記事情に鑑み、例えば、より優れた技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを含む。取得ステップでは、複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームへの参加要求と、当該参加要求を送信するユーザに関するユーザ情報とを取得する。マルチプレイゲームは、少なくとも第1ゲームモードを含む。ユーザ情報は、ユーザによるマルチプレイゲームの進行度に関する情報を含む。決定ステップでは、少なくとも参加要求に基づき、マルチプレイゲームに参加する参加ユーザを決定する。参加ユーザのうちの少なくとも1人の進行度に基づき、対象コンテンツを決定する。対象コンテンツは、参加ユーザに対して実行されるマルチプレイゲームのコンテンツである。更新ステップでは、第1ゲームモードにおいてマルチプレイゲームが実行される場合に、マルチプレイゲームにおける参加ユーザの成績によらず当該マルチプレイゲームに参加したことに基づき、参加ユーザのそれぞれの進行度を更新する。
【0008】
本開示によれば、ユーザにより興趣性の高い体験を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理システム1によって実行される情報処理の概要を示すアクティビティ図である。
【
図4】参加ユーザを決定するためのアクティビティA5~アクティビティA9の処理を説明するための図である。
【
図5】参加ユーザを決定するためのアクティビティA5~アクティビティA9の処理を説明するための図である。
【
図6】ゲーム画面としてのメニュー画面IM1の一例を示す図である。
【
図7】ゲーム画面としての開始画面IM2の一例を示す図である。
【
図10】ゲーム画面としての結果表示画面IM5の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。すなわち、情報処理システム1は、少なくとも1つの装置からなる。
【0015】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0016】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)等の家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)等の携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0017】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。
【0018】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0019】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0020】
2.1 ハードウェア構成
以下、
図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0021】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0022】
通信部21は、インターネットおよびLAN等の通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータ等が挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0023】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)等で構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データ等が記憶されている。
【0024】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リスト等を記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報等が、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベル等)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さ等を含む。
【0025】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0026】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理等が挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0027】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)等が含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0028】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0029】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求等が挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0030】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報等が格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0031】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0032】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャ等のデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作等に応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0033】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0034】
2.2 機能構成
続いて、
図2を参照して、情報処理システム1の情報処理装置2における各機能構成について説明する。
【0035】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、制御部23(プロセッサ)は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、取得部231と、決定部232と、実行部233と、更新部234と、設定部235と、表示処理部236として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0036】
取得部231は、取得ステップとして、種々の情報および入力を取得するように構成される。例えば、取得部231は、ユーザ情報IF1等の情報や、ユーザからの参加要求の入力等を、情報処理装置2の記憶部22から取得するか、または、ゲーム装置3もしくは他の外部装置から通信ネットワーク11を介して取得する。本実施形態では、取得部231が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。
【0037】
決定部232は、決定ステップとして、種々の情報に基づき種々の判定や処理の実行態様を決定するように構成される。例えば、決定部232は、クエストに参加する参加ユーザやクエストを実行する際のゲームモード等の種々の情報を決定するように構成される。
【0038】
実行部233は、実行ステップとして、種々の情報に基づきマルチプレイゲームを実行するように構成される。
【0039】
更新部234は、実行されたマルチプレイゲームに関する情報等に基づき種々の情報を更新するように構成される。
【0040】
設定部235は、種々の情報に基づき所定の条件を設定するように構成される。
【0041】
表示処理部236は、表示ステップとして、記憶部22または記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、視認可能な態様でゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させる。具体的には、表示処理部236は、画面、画像(例えば、静止画または動画)、アイコン、テキスト等といった、ヒトが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものを生成してもよいし、例えばディスプレイ4aに視覚情報を表示させるためのレンダリング情報を生成し、これを通信ネットワーク11を介してゲーム装置3に送信するようにしてもよい。
【0042】
3.種々の情報と用語の説明
本節では、情報処理システム1によって扱われる種々の情報と用語とについて説明する。
【0043】
<仮想空間>
仮想空間とは、ゲームの進行が行われる、情報処理によって規定される領域である。すなわち、仮想空間は、1次元で規定された空間(直線)でもよいし、2次元で規定された空間(平面)でもよいし、3次元で規定された空間でもよい。仮想空間は、中央集権的に管理された空間でもよいし、共有財産として管理された空間(いわゆるメタバース)を含み得る。
【0044】
<オブジェクト>
オブジェクトとは、仮想空間に配置される仮想物体である。オブジェクトには、プレイヤキャラクタ、ノンプレイヤキャラクタ、アイテム、通行を規制する地形や障害物など、種々の仮想物体が含まれる。ノンプレイヤキャラクタは、プレイヤキャラクタと敵対するエネミーオブジェクトを含む。
【0045】
<マルチプレイゲーム>
マルチプレイゲームは、情報処理システム1によってユーザに対して提供されるゲームの一例であり、複数のユーザが参加可能に構成されている。本実施形態のマルチプレイゲームは、複数のユーザが2つのチームに分かれてエネミーオブジェクトと対戦しつつ互いに競い合う、いわゆるPvPvE形式の対戦型マルチプレイゲームである。以下、説明の便宜上、マルチプレイゲームに参加するユーザを、参加ユーザということがある。具体的には、マルチプレイゲームは、1つのチームあたり5人のユーザによって構成され、2つのチームが互いに予め設定された条件の達成の可否を競う、対戦型マルチプレイゲームであり、その参加人数は10人である。マルチプレイゲームは、「クエスト」と表現されることがある。
【0046】
本実施形態のマルチプレイゲームは、ランダムクエストと固定クエストという2種類のゲームモードを含む。ランダムクエストは、その内容が所定の条件を満たす範囲でランダムに決定されるゲームモードであり、第1ゲームモードに相当する。固定クエストは、その内容が予め定められた状態で所定の条件を満たす全てのユーザに対して実行されるように構成されるゲームモードであり、第2ゲームモードに相当する。
【0047】
<コンテンツ>
コンテンツは、マルチプレイゲームの内容を規定する情報であり、例えば、マルチプレイゲームが実行されるゲームステージである仮想空間、マルチプレイゲームを構成するイベント、仮想空間に配置されるエネミーオブジェクト、アイテム等のオブジェクトを特定する情報を含む。イベントは、例えば仮想空間において各ユーザがプレイヤキャラクタの操作を操作して達成すべきミッションである。ミッションはクエストに対して設定されたクリア条件(具体的に例えば、後述される進行条件や終了条件など)に関連し、所定のミッションを制限時間等の所定の制限内において達成することで、クエストがクリアされたと判定される。実行部233は、参加ユーザに対してマルチプレイゲームを実行することにより、参加ユーザに対してそのコンテンツに沿ったマルチプレイゲームを提供する。本実施形態においては、マルチプレイゲームの内容を定義する仮想空間やイベント、オブジェクトの候補が複数種類用意されており、それぞれの候補から選択された内容に基づいてコンテンツが決定される。以下、説明の便宜上、参加ユーザに対して実行されるマルチプレイゲームのコンテンツを、対象コンテンツということがある。
【0048】
本実施形態では、マルチプレイゲームのコンテンツのそれぞれは、進行度が所定の許容条件を満たす参加ユーザに対して実行することが許容されるように構成される。具体的には、ユーザに対して許容されるコンテンツは、進行度に対応付けられており、その態様は、進行度が増加するにつれて段階的に多彩になるように設定されている。例えば、ユーザに対して許容される仮想空間の種類やエネミーオブジェクトの種類は、進行度が増加するにつれて段階的に増えていく。
【0049】
<イベント>
イベントとは、上述したように、マルチプレイゲーム、詳細にはコンテンツを規定する要素の1つであり、例えばマルチプレイゲームにおいてユーザが達成すべき進行条件を規定する情報である。イベントは、例えば後述する進行度IF3に対応付けられており、討伐するエネミーオブジェクトの種類および数によって表される。マルチプレイゲームは、ユーザがプレイヤキャラクタの操作を通じて設定されたイベントを達成することにより進行する。言い換えれば、コンテンツは、進行度IF3に対応付けられる少なくとも1つのイベントを含み、マルチプレイゲームは、参加ユーザがイベントを達成することによって進行するように構成される。
【0050】
4.情報処理の概要
本節では、情報処理システム1が実行する情報処理方法の流れについて、その概要を説明する。
図3は、情報処理システム1によって実行される情報処理の概要を示すアクティビティ図である。以下で説明する情報処理に含まれる各アクティビティにおける処理の結果は、適宜、ゲーム装置3の表示部34等を用いてユーザが認識可能な態様で出力され得る。なお、当該情報処理は、図示されない任意の例外処理を含みうる。例外処理は、当該情報処理の中断や、各処理の省略を含む。当該情報処理にて行われる選択または入力は、ユーザによる操作に基づくものでも、ユーザの操作に依らず自動で行われるものでもよい。
【0051】
[アクティビティA1]
まずアクティビティA1にて、取得部231は、ユーザからのユーザ情報IF1の入力操作を受け付け、ユーザ情報IF1を取得する。これにより、ユーザは、マルチプレイゲームにログインすることができる。ユーザ情報IF1は、マルチプレイゲームにおけるユーザに関する情報を示し、例えば、ユーザの習熟度に関する情報と、ユーザによるマルチプレイゲームの進行度に関する情報と、プレイ履歴IF4とを含む。以下、説明の便宜上、ユーザの習熟度に関する情報を単に習熟度IF2といい、ユーザによるマルチプレイゲームの進行度に関する情報を単に進行度IF3という。
【0052】
習熟度IF2は、ユーザの習熟度IF2に関する情報であり、後述する進行度IF3とは異なる情報である。習熟度IF2は、例えば、ユーザがマルチプレイゲームでよい成績を納めることにより増加するように構成される。そのため、ユーザ間の習熟度IF2の差は、マルチプレイゲームにおけるユーザ同士の技量の差を示唆する。本実施形態の習熟度IF2は、プレイヤのレベルを表す整数によって表される。
【0053】
進行度IF3は、ユーザによるマルチプレイゲームの進行度合いを表す情報である。例えば、進行度IF3が増加するにつれて、ユーザに対して許容されるマルチプレイゲームの実行態様、例えばコンテンツやイベント等が増加する。そのため、ユーザは、マルチプレイゲームへの参加等によって進行度IF3を増加させることにより、提供されるコンテンツ等の制限を解除し、さらにマルチプレイゲームを楽しむことができる。進行度IF3は、マルチプレイゲームのフラグを管理するための指標ともいえる。進行度IF3は、整数に対応付け可能な変数として表されており、マルチプレイゲームに含まれるイベントを表す識別コードと対応付けられている。このような識別コードは、イベントIDともいわれる。
【0054】
プレイ履歴IF4は、ユーザに対して過去に実行されたマルチプレイゲームの対象コンテンツである実行済みコンテンツに関する情報を含む。実行済みコンテンツは、ユーザに対して直近から過去に遡って所定回数以内のマルチプレイゲームの対象コンテンツであればよく、過去に実行された全てのマルチプレイゲームの対象コンテンツでなくてもよい。
【0055】
[アクティビティA2、アクティビティA3]
次に、処理がアクティビティA2に進み、制御部23は、ユーザからの表示操作を受け付ける。その後、処理がアクティビティA3に進み、表示処理部236は、ユーザに対して実行可能なマルチプレイゲームに関する情報、例えばマルチプレイゲームのステージタイトル、をディスプレイ4aに表示させる。
【0056】
[アクティビティA4]
次に、処理がアクティビティA4に進み、取得部231は、ユーザからのマルチプレイゲームへの参加要求を受け付け、取得する。これにより、取得部231は、複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームへの参加要求と、当該参加要求を送信するユーザに関するユーザ情報IF1とを取得する。制御部23は、複数のユーザからの参加要求の取得に応じて、マルチプレイゲームに参加する参加ユーザのマッチングを行うための、マッチング処理を開始する。本実施形態のマッチング処理は、アクティビティA5~アクティビティA12を含む。ここでは一例として、進行度IF3が最も低いユーザのマッチングを行うためのマッチング処理について説明する。以下、説明の便宜上、進行度IF3が最も低いユーザ、すなわちマッチングの対象となるユーザを、対象ユーザということがある。また、対象ユーザの進行度IF3を、対象進行度IF3aということがある。
【0057】
[アクティビティA5]
まず、アクティビティA5にて、決定部232は、取得された習熟度IF2に基づき参加ユーザの一次候補を決定する。言い換えれば、決定部232は、さらに習熟度に基づき参加ユーザを決定する。本実施形態では、決定部232は、対象ユーザの習熟度IF2との差が予め定められた第1許容値以下のユーザを、参加ユーザの一次候補として決定する。これにより、参加ユーザ間の習熟度の乖離によってマルチプレイゲームの興趣性が失われることを抑制することができる。第1許容値は、対象ユーザの習熟度IF2や進行度IF3等に基づき可変であっても、対象ユーザの習熟度IF2や進行度IF3等に関わらず固定であってもよい。許容値によって規定される範囲は、第1範囲の一例である。
【0058】
[アクティビティA6]
次に、処理がアクティビティA6に進み、変数iを初期値(0)に設定する。変数iは、ユーザ間での進行度IF3の差異を表す。以下、説明の便宜上、変数iの値を単に「i」と表記することがある。
【0059】
[アクティビティA7]
次に、処理がアクティビティA7に進み、制御部23は、アクティビティA5にて決定された一次候補から、進行度IF3が(対象進行度IF3a+i)以下のユーザを抽出する。アクティビティA6の処理によりi=0である場合、制御部23は、一次候補から、対象進行度IF3aと等しいユーザを抽出する。その後、抽出されたユーザの数が対象ユーザを含めて規定数(具体的には上述した参加人数である10)以上であるか否かを判定する。
【0060】
[アクティビティA8]
抽出されたユーザの数が対象ユーザを含めて規定数未満の場合、すなわち、マルチプレイゲームを実行するために必要な参加人数が不足している場合、処理がアクティビティA8に進み、制御部23は、変数iを1増加させる。その後、変数iが所定の第2許容値N未満である場合、制御部23は、再びアクティビティA7の処理を行い、抽出されたユーザの数が既定値に達するまで、アクティビティA7とアクティビティA8の処理を繰り返す。これに伴い変数iが増加するにつれて、ユーザの抽出範囲が広がるため、進行度IF3が異なるユーザ同士のマッチングが可能となる。
【0061】
[アクティビティA9]
一方、上記処理の結果、変数iが第2許容値Nに達した場合、処理がアクティビティA9に進み、制御部23は、対象ユーザからの参加要求を取り消し、本情報処理を終了する。このような第2許容値Nによって規定される変数iの範囲は、第2範囲の一例である。
【0062】
[アクティビティA10]
一方、アクティビティA7の処理の結果、抽出されたユーザの数が規定数以上となった場合、処理がアクティビティA10に進み、決定部232は、当該マルチプレイゲームに参加する参加ユーザを決定し、当該参加ユーザを2つのチームに振り分ける。これにより、決定部232は、マルチプレイゲームにおけるユーザ同士のマッチングを行う。言い換えれば、決定ステップでは、少なくとも参加要求に基づき、マルチプレイゲームに参加する参加ユーザを決定する。詳細には、決定部232は、参加要求を送信するユーザのうち、習熟度IF2の差異が第1範囲内で、かつ参加要求を送信するユーザ間の進行度が第2範囲内であるユーザ同士を、参加ユーザとして決定する。このような構成によれば、習熟度IF2の近く、かつ、進行度IF3によって同様のコンテンツの実行が許容されているユーザ同士をマッチングさせやすくなるため、プレイ経験が近いユーザ同士による白熱したゲーム進行を提供しやすくなる。
【0063】
[アクティビティA11]
次に、処理がアクティビティA11に進み、制御部23は、例えば予め定められた第1参照情報に基づき、対象進行度IF3aに対応するゲームモードを特定する。第1参照情報は、進行度IF3とマルチプレイゲームに関する種々の情報との対応関係を示し、例えばルックアップテーブル、関数等によって表される。例えば、第1参照情報は、進行度IF3に対応するゲームモードがランダムクエストか固定クエストかを示す。本実施形態では、複数の固定クエストに対応する進行度IF3が設定されており、当該進行度IF3の間には、少なくとも1つのランダムクエストに対応する進行度IF3が設定されている。これにより、複数の固定クエストが連続してユーザに対して実行されないように構成されている。例えば、進行度IF3が10の場合が第1固定クエストに対応付けられている場合、進行度IF3が9または10の場合はランダムクエストに対応付けられている。このような、固定クエストに対応付けられている進行度IF3は、既定値の一例である。言い換えれば、第2ゲームモードとしての固定クエストは、参加ユーザのうちの少なくとも1人の進行度IF3(本実施形態では対象進行度IF3a)が既定値に達している場合に実行される。
【0064】
[アクティビティA12]
次に、処理がアクティビティA12に進み、決定部232は、例えば第2参照情報を参照することにより、参加ユーザのうちの少なくとも1人の進行度IF3に基づき、対象コンテンツを決定する。対象コンテンツの決定は、マルチプレイゲームにおいて実行されるイベント、ならびにエネミーオブジェクトの種類および数の決定を含む。第2参照情報は、進行度IF3のユーザに対する実行が許容されるマルチプレイゲームのコンテンツを示す。第2参照情報は、第1参照情報と別個の情報であっても1つの情報として統合されていてもよい。ゲームモードが固定クエストの場合、決定部232は、当該固定クエストに基づき設定されるコンテンツを対象コンテンツとして設定すればよい。また、全員の参加ユーザの進行度IF3が等しい場合、決定部232は、当該進行度IF3によって許容されるコンテンツを対象コンテンツとして決定すればよい。そのため、ここでは、進行度IF3が異なる参加ユーザに対してランダムクエストを実行する場合において対象コンテンツを決定する処理について説明する。
【0065】
対象進行度IF3aより大きい進行度IF3を有するユーザに対して許容されるコンテンツは、対象進行度IF3aを有するユーザに対して許容されないコンテンツを含む可能性がある。一方、対象進行度IF3aに許容されるコンテンツは、対象進行度IF3aより大きい進行度IF3を有するユーザに対しても許容される。そこで、本実施形態では、決定部232は、参加ユーザの進行度IF3のなかで最も低い対象進行度IF3aにおいて許容されるコンテンツのなかから、対象コンテンツを決定する。これにより、決定部232は、対象進行度IF3aに基づき対象コンテンツを決定することにより、アクティビティA10にて決定された参加ユーザ全員に対して許容されるコンテンツを対象コンテンツとして決定することができる。言い換えれば、決定部232は、参加ユーザが第1ユーザと、第1ユーザとは異なる進行度を有する第2ユーザと含む場合、第1ユーザおよび第2ユーザの進行度に基づき第1ユーザおよび第2ユーザに対してともに許容されるコンテンツのなかから、対象コンテンツを決定する。このような構成によれば、第1ユーザと第2ユーザとで進行度が異なる場合であっても、第1ユーザおよび第2ユーザの双方に対して進行度に沿ったマルチプレイゲームを実行することができる。したがって、進行度が異なる参加ユーザがいる場合におけるマルチプレイゲームの興趣性の低下を抑制することができる。
【0066】
特に、アクティビティA10にて決定された参加ユーザに対する実行が許容されるイベントが、当該参加ユーザごとによって異なる場合、決定部232は、参加ユーザのそれぞれに対する実行が許容されるイベントのなかから、全員の参加ユーザに対する実行が許容される共通イベントの少なくとも一部を特定し、当該共通イベントを含むコンテンツを対象コンテンツとして決定する。例として、参加ユーザの1人である第1ユーザに対しては第1エネミーオブジェクトと第2エネミーオブジェクトとを含むイベントが許容されている一方で、参加ユーザの1人である第2ユーザに対しては第2エネミーオブジェクトを含むイベントが許容されていない場合について説明する。この場合、決定部232は、第1ユーザと第2ユーザに対してともに許容される第1エネミーオブジェクトが登場するイベントを、共通イベントとして決定する。このとき、決定部232は、第1ユーザに対して実行が許容されていた第2エネミーオブジェクトを、共通イベントにて実行が許容される第1エネミーオブジェクトに変換することにより、第1ユーザに対する共通イベントを含むコンテンツを対象コンテンツとして決定する。言い換えれば、決定部232は、第1ユーザに対する実行が許容される第1イベントを、第2ユーザに対しても実行が許容される共通イベントに変換し、イベントの内容をスワップすることで、共通イベントの内容を決定する。このとき、決定部232は、単に第2エネミーオブジェクトを第1エネミーオブジェクトに変換することに加え、さらに第1イベントの内容や進行度IF3等に応じて、当該第2エネミーオブジェクトが共通イベントにて登場する数やタイミングを調整することが好ましい。これにより、より高い進行度IF3を有するユーザが、低い進行度IF3に対応するイベントを行うことによってマルチプレイゲームに対する飽きを感じるのを抑制することができる。言い換えれば、決定部232は、第1ユーザの進行度に基づき第1ユーザに対する実行が許容されるイベントである第1イベントを決定し、第2ユーザの進行度に基づき第2ユーザに対する実行が許容されるイベントである第2イベントを決定し、第1イベントの実行が第2ユーザに対して許容されず、第2イベントの実行が第1ユーザに対して許容される場合、当該第1イベントの内容に基づき第1ユーザおよび第2ユーザに対してともに実行される第2イベントの内容を決定し、当該第2イベントを含むコンテンツを対象コンテンツとして決定する。このような構成によれば、第1ユーザおよび第2ユーザの両方に対して許容されている実行が許容されるイベントに基づき、マルチプレイゲームの進行を行うことができる。ここで、第2イベントの内容は、第2ユーザに対する実行が許容されていない第1イベントの内容に基づいて決定される。そのため、第1イベントの実行が許容される第1ユーザが第2イベントを達成することによる、第1ユーザにとってのマルチプレイゲームの興趣性が低下することを抑制することができる。
【0067】
また、特にランダムクエストの場合、マルチプレイゲームのコンテンツがランダムに決定された結果、参加ユーザにとっては、過去にすでにクリア済みのコンテンツが対象コンテンツとして再度決定される可能性がある。この場合、参加ユーザがすでにプレイ済みのコンテンツのマルチプレイゲームが実行されることとなるため、参加ユーザがマルチプレイゲームに飽きるおそれがある。そこで、本実施形態では、取得されたプレイ履歴IF4等に基づき、参加ユーザに対して過去に実行されたプレイ済みコンテンツ以外のコンテンツが対象コンテンツとして決定される確率を、プレイ済みコンテンツに比べて相対的に高くする。これにより、決定部232は、プレイ済みコンテンツ以外のコンテンツが優先的に対象コンテンツとして決定されるように処理を行う。言い換えれば、決定部232は、第1ユーザおよび第2ユーザに対してともに許容されるコンテンツが第1ユーザまたは第2ユーザの実行済みコンテンツを含む場合、当該実行済みコンテンツと異なるコンテンツを対象コンテンツとして優先的に決定する処理を行う。このような構成によれば、参加ユーザが何度も同じコンテンツのマルチプレイゲームを行うことを抑制することができる。したがって、参加ユーザがマルチプレイゲームに飽きる可能性を低減することができる。
【0068】
[アクティビティA13、アクティビティA14]
次に、処理がアクティビティA13に進み、実行部233は、決定されたゲームモードおよび対象コンテンツに基づきマルチプレイゲームを実行し、マルチプレイゲームの終了条件が満たされた場合、処理がアクティビティA14に進み、実行部233は、マルチプレイゲームを終了する。終了条件は、シナリオに含まれる全ての進行条件を満たすことに限られず、制限時間の経過、参加ユーザの操作するプレイヤキャラクタの全滅などの強制的な終了条件を含み得る。
【0069】
[アクティビティA15]
その後、処理がアクティビティA15に進み、取得部231は、参加ユーザごとのマルチプレイゲームの成績を取得する。本実施形態における成績は、対戦型ゲームである性質上、参加ユーザが属するチームの勝敗を含む。マルチプレイゲームの勝敗の決定方法は任意であり、先に進行条件を全て満たしているかに基づき決定されても、強制的な終了条件が満たされた際のゲームの進行状況(例えばスコアや達成された進行条件の数など)に基づき決定されてもよい。
【0070】
[アクティビティA16]
その後、処理がアクティビティA16に進み、更新部234は、マルチプレイゲームにおける参加ユーザの成績に基づき、参加ユーザのそれぞれの習熟度IF2を更新する。例えば、更新部234は、マルチプレイゲームに勝利したチームに所属する参加ユーザの習熟度IF2が増加し、マルチプレイゲームに勝利したチームに所属する参加ユーザの習熟度IF2が変わらないように、参加ユーザのそれぞれの習熟度IF2を更新する。その後、更新部234は、固定クエストとランダムクエストとで異なる態様で、進行度IF3の更新を行う。このような構成によれば、マルチプレイゲームに対する技量が近いユーザを参加ユーザとしてマッチングさせることができるため、ユーザ間の技量の差が大きいことによってマルチプレイゲームの興趣性が損なわれる可能性を低減することができる。
【0071】
[アクティビティA17]
マルチプレイゲームのゲームモードがランダムクエストの場合、処理がアクティビティA17に進み、更新部234は、取得された参加ユーザの成績によらず、参加ユーザのそれぞれの進行度とイベントIDを更新する。本実施形態では、更新部234は、参加ユーザがマルチプレイゲームにおいて勝利したチームに所属していても、敗北したチームに所属していても、進行度を一律に1ずつ増加させる。これに伴い、更新部234は、イベントIDを、増加後の進行度IF3に対応するものに更新する。このようにイベントIDは、進行度IF3と対応付けられて更新可能に構成される。これにより、あるユーザがマルチプレイゲームにおける成績が振るわない場合においても、少なくとも固定シナリオに到達するまではマルチプレイゲームを進行させることができる。そのため、マルチプレイゲームに敗北することによってゲームの興趣性が損なわれることを抑制することができる。
【0072】
なお、後述の処理により、イベントIDが、対応する進行度IF3と異なる値を取る場合、更新部234は、進行度IF3の値を保ったまま、イベントIDを1つ繰り上げる。イベントIDの繰り上げが所定回数行われた結果、イベントIDが対応する進行度IF3と一致する値を取る。これにより、再び、進行度IF3に対応する固定クエストに挑戦することができる。
【0073】
[アクティビティA18]
一方、マルチプレイゲームのゲームモードが固定クエストの場合、処理がアクティビティA18に進み、更新部234は、取得されたユーザの成績に基づき、参加ユーザのそれぞれの進行度IF3とイベントIDを更新する。詳細には、更新部234は、マルチプレイゲームにおいて勝利したチームに所属する参加ユーザの進行度IF3を1だけ増加させ、増加後の進行度IF3に対応するイベントIDを付与する。一方で、マルチプレイゲームにおいて敗北したチームに所属する参加ユーザの進行度IF3を変化させない。これにより、ユーザは、固定クエストでのマルチプレイゲームに勝利することでゲームをさらに進行させるという、マルチプレイゲームを通じた共通の経験を得ることができる。言い換えれば、更新部234は、第2ゲームモードとしての固定シナリオにおいてマルチプレイゲームが実行される場合に、マルチプレイゲームにおける参加ユーザの成績に基づき、参加ユーザの一部の進行度を増加させないように、参加ユーザのそれぞれの進行度を更新する。このような構成によれば、進行度が既定値に達した場合にはマルチプレイゲームの成績が進行度に影響を与える。そのため、マルチプレイゲームのなかで参加ユーザに対して互いを意識することを促すことができるため、マルチプレイゲームの興趣性をさらに向上させることができる。
【0074】
本実施形態ではさらに、マルチプレイゲームに敗北した場合、設定部235は、固定クエストの場合におけるマルチプレイゲームに敗北したチームに所属する参加ユーザの進行度IF3を維持したまま、イベントIDを下げるように設定する。これにより、イベントIDが、対応する進行度IF3と異なる値を取る。この状態で次のマルチプレイゲームの参加要求が送信された場合、決定部232は、進行度IF3よりイベントIDに優先的に基づきゲームモード(ランダムクエスト)および対象コンテンツを決定し、実行部233は、当該ゲームモードおよび対象コンテンツに基づきマルチプレイゲームを実行する。その結果、実行部233は、イベントIDが進行度IF3に対応する値となるまで固定クエストでのマルチプレイゲームを実行せず、ランダムクエストでのマルチプレイゲームを実行する。このことから、進行度IF3は、付与可能なイベントIDの上限を定める指標ともいえる。このように、イベントIDの更新によって規定数のランダムクエストでのマルチプレイゲームの実行を要求することは、固定クエストを再度実行するために参加ユーザに対して設定される「所定条件」の一例である。
【0075】
言い換えれば、設定部235は、参加ユーザの進行度が第2ゲームモードにおけるマルチプレイゲームの成績に基づき進行度を増加させないように更新された場合、当該参加ユーザに対して所定条件を設定する。さらに、実行部233は、所定条件を満たされていない場合に、第2ゲームモードにてマルチプレイゲームを実行しない。このような構成によれば、ユーザは、第2ゲームモードでのマルチプレイゲームで進行度を増加することができなかった場合には、第2ゲームモードとは異なるマルチプレイゲームを楽しみながら、第2ゲームモードのための練習をすることができる。したがって、マルチプレイゲームの興趣性をさらに向上させることができる。さらに言い換えれば、実行部233は、所定条件が達成されていない場合に、既定値未満の進行度に対応するコンテンツを対象コンテンツとして決定し、当該対象コンテンツに基づき第1ゲームモードにてマルチプレイゲームを実行する。このような構成によれば、ユーザは、再び第2ゲームモードでのマルチプレイゲームに挑むまでに、自己の進行度に応じたコンテンツで練習を積むことができる。したがって、第2ゲームモードでの成績をさらに向上させやすくすることで、マルチプレイゲームの興趣性をより向上させることができる。
【0076】
[アクティビティA19]
アクティビティA17またはアクティビティA18の処理の後、処理がアクティビティA19に進み、表示処理部236は、マルチプレイゲームの結果をディスプレイ4aに表示させる。その後、本情報処理が終了する。
【0077】
以上をまとめると、情報処理システム1によって実行される情報処理方法は、次の各ステップを含む。取得ステップでは、複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームへの参加要求と、当該参加要求を送信するユーザに関するユーザ情報とを取得する。マルチプレイゲームは、少なくとも第1ゲームモードを含む。ユーザ情報は、ユーザによるマルチプレイゲームの進行度に関する情報を含む。決定ステップでは、少なくとも参加要求に基づき、マルチプレイゲームに参加する参加ユーザを決定し、参加ユーザのうちの少なくとも1人の進行度に基づき、対象コンテンツを決定する。対象コンテンツは、参加ユーザに対して実行されるマルチプレイゲームのコンテンツである。更新ステップでは、第1ゲームモードにおいてマルチプレイゲームが実行される場合に、マルチプレイゲームにおける参加ユーザの成績によらず当該マルチプレイゲームに参加したことに基づき、参加ユーザのそれぞれの進行度を更新する。
【0078】
このような構成によれば、マルチプレイゲームにおける参加ユーザの成績によらず進行度が更新されるため、例えば、マルチプレイゲームに参加した参加ユーザの成績が他の参加ユーザに比べてよくなかった場合にも当該参加ユーザがマルチプレイゲームを進行させることができる。したがって、マルチプレイゲームにおける興趣性をより継続させやすくなる。
【0079】
5.情報処理の詳細
本節では、前節にて概説された情報処理の詳細について、図を用いて説明する。
【0080】
5.1.参加ユーザの決定方法について
図4および
図5は、参加ユーザを決定するためのアクティビティA5~アクティビティA9の処理を説明するための図である。
図4に示すように、まずアクティビティA5の処理によって、決定部232は、習熟度IF2に基づき12人のユーザを一次候補として決定する。その後、アクティビティA6の処理を経てi=0の場合のアクティビティA7の処理が行われ、決定部232は、進行度IF3が対象進行度IF3aと一致する7人のユーザが参加ユーザとして抽出する。しかし、参加ユーザの数が規定数である10に達していないため、処理がアクティビティA8に進み、iを増加させて一次候補のなかでのユーザの抽出範囲を広げる。
図5に示すように、その結果、再びアクティビティA7にて、制御部23は、一次候補に含まれる5人のユーザのうちの3人を抽出し、合計10人のユーザを抽出する。その後、アクティビティA10にて、決定部232は、このように抽出された10人のユーザを、参加ユーザとして決定する。
【0081】
5.2.情報処理の結果として表示される画面例について
本節では、上記情報処理の結果、ディスプレイ4aに表示されるゲーム画面の一例について説明する。
<メニュー画面IM1>
図6は、ゲーム画面としてのメニュー画面IM1の一例を示す図である。当該画面は、例えばアクティビティA1にてユーザ情報が受け付けられた後にディスプレイ4aに表示される。ユーザは、ゲーム画面としてのメニュー画面IM1に対する入力を通じて、種々の画面へと移行する。
図6に示すゲームのメニュー画面IM1には、ガチャボタンB1と、編成ボタンB2と、クエストボタンB3と、アイテムボタンB4と、履歴ボタンB5とが表示されている。
【0082】
ガチャボタンB1が操作されると、ガチャによる抽選を行うゲーム画面が表示される。編成ボタンB2が操作されると、キャラクタの編成を行うゲーム画面が表示される。クエストボタンB3が操作されると、クエストを選択するためのゲーム画面、本実施形態では、後述する開始画面IM2が表示される。アイテムボタンB4が操作されると、所持するアイテムの決定またはアイテムの使用等を行うゲーム画面が表示される。履歴ボタンB5が操作されると、ユーザが過去に行ったゲームの履歴に関する情報を表示する履歴画面が表示される。
【0083】
<開始画面IM2>
図7は、ゲーム画面としての開始画面IM2の一例を示す図である。開始画面IM2は、表示操作としてのクエストボタンB3の操作に応じてアクティビティA3の処理が行われた結果として表示される。開始画面IM2は、マルチプレイゲームの概要を示すタイトル表示領域51と、現在の進行度IF3に対応するクエストを示す進捗表示領域52と、次の固定シナリオに関する情報を示す固定シナリオ領域53とを含む。固定シナリオ領域53は、進行度インジケータ54を含む。進行度インジケータ54は、現在の進行度IF3と、固定シナリオでマルチプレイゲームを行うために必要な進行度IF3との差分を視認可能な視覚情報であり、当該差分が小さくなるにつれて着色領域または未着色領域の範囲が変化する。
【0084】
さらに、取得部231が進捗表示領域52に対するユーザの操作を取得した場合、表示処理部236は、開始画面IM2中に、さらにマッチング開始ウィンドウ6を表示させる。マッチング開始ウィンドウ6は、キャラクタ表示領域61と、マッチング開始ボタン62とを含む。キャラクタ表示領域61には、ユーザが操作するプレイヤキャラクタおよび当該プレイヤキャラクタの装備のアイテムに関する情報が表示され、例えば3つの矩形の領域として表示される。マッチング開始ボタン62は、参加要求を情報処理装置2に送信するためのボタンであり、ユーザがマッチング開始ボタン62を操作することにより、当該ユーザから情報処理装置2に対して参加要求が送信される。
【0085】
<ルーム画面IM3>
図8は、ルーム画面IM3の一例を示す図である。アクティビティA10~アクティビティA12の処理が行われた後、表示処理部236は、ルーム画面IM3をディスプレイ4aに表示させる。ルーム画面IM3は、参加ユーザの決定結果と、マルチプレイゲームの実行態様(例えば、ゲームモード、および対象コンテンツ等)に関する情報を示す。
図7に示すように、ルーム画面IM3は、メンバー一覧71と、クエスト内容確認ボタン72と、対戦相手確認ボタン73と、クエスト開始ボタン74とが表示されている。メンバー一覧71は、ユーザと同一チームに属するユーザが操作するプレイヤキャラクタのスキンと装備等を示す。
【0086】
クエスト内容確認ボタン72が操作されると、表示処理部236が、マルチプレイゲームの実行態様(進行条件等)を示す画面を表示させる。対戦相手確認ボタン73が操作されると、表示処理部236が、対戦相手となる参加ユーザのプレイヤキャラクタに関する情報(スキン等)を示す画面を表示させる。クエスト開始ボタン74が操作されると、実行部233が、アクティビティA13の処理を開始し、マルチプレイゲームを実行する。
【0087】
<プレイ画面IM4>
図9は、プレイ画面IM4の一例を示す図である。プレイ画面IM4は、マルチプレイゲームを実行する際に参加ユーザがディスプレイ4aを介してマルチプレイゲームが進行する仮想空間の状況等をリアルタイムで視認可能に構成されている。プレイ画面IM4は、例えば、仮想空間VS内に配置される、第1オブジェクトOB1と、第2オブジェクトOB2と、エネミーオブジェクトOBeとを含む。第1オブジェクトOB1は、参加ユーザの1人である第1参加ユーザが操作する第1プレイヤキャラクタPC1に対応するオブジェクトである。第2オブジェクトOB2は、第1参加ユーザと異なるチームに属する参加ユーザである第2参加ユーザが操作する第2プレイヤキャラクタPC2に対応するオブジェクトである。エネミーオブジェクトは、ノンプレイヤキャラクタに対応するオブジェクトであり、マルチプレイゲームに参加するいずれのチームの参加ユーザとも敵対するように設定される。各チームの参加ユーザは、例えば、エネミーオブジェクトに対して攻撃等の所定のアクションをプレイヤキャラクタPC1,PC2を通じて行い、どちらがエネミーオブジェクトOBeを討伐できるかどうかを競う。いずれかのチームがイベントに対応する種類および数のエネミーオブジェクトOBeを規定時間内に討伐した場合、実行部233は、終了条件が満たされたと判定し、アクティビティA14の処理を行い、マルチプレイゲームを終了する。
【0088】
<結果表示画面IM5>
図10は、ゲーム画面としての結果表示画面IM5の一例を示す図である。結果表示画面IM5は、習熟度IF2の更新結果を示す画面であり、例えば、アクティビティA19の処理の結果としてディスプレイ4a等に表示される。結果表示画面IM5は、マルチプレイゲームに対するユーザのプレイリザルトを示すリザルト画面の1つである。
【0089】
結果表示画面IM5は、スコア領域8と、蓄積領域9と、を含む。スコア領域8は、ユーザが行ったマルチプレイゲームに関する種々の情報のうち、習熟度IF2に関連する情報が表示される。スコア領域8は、時間スコア領域81と、通常スコア領域82と、ミッションスコア領域83と、倍率領域84と、総合スコア領域85とを含む。
【0090】
時間スコア領域81には、ユーザによるマルチプレイゲームのプレイ時間と、当該プレイ時間に対応する経験値とが表示される。
【0091】
通常スコア領域82には、マルチプレイゲームにおけるプレイヤキャラクタの行動等によって蓄積された経験値が表示される。
【0092】
ミッションスコア領域83には、マルチプレイゲーム全体でのイベントの達成状況に応じた経験値が表示される。なお、これらの領域81~83に表示される数値は、経験値そのものではなく、経験値に対応付けられた値であってもよい。
【0093】
倍率領域84には、上記領域81~83に表示された経験値に対する倍率が表示されている。当該倍率は、最終的にユーザに付与する経験値を決定する数値であり、例えば、制御部23は、領域81~83に表示された数値の合計に対して、倍率領域84に表示された数値を乗算した値を、最終的な経験値としてユーザに付与する。当該倍率は、任意に設定可能であるが、例えば、マルチプレイゲームのクリア条件(例えば最後のイベントのクリア条件)が複数存在する場合、満たされたクリア条件に応じて決定される。例えば、エネミーオブジェクトOBeの討伐に成功した場合には当該倍率は1より大きい値(例えば2)に設定され、エネミーオブジェクトOBeの討伐に失敗した場合には当該倍率は1以下の値に決定される。
【0094】
総合スコア領域85には、最終的にユーザに対して付与される経験値と、ユーザに対して付与される報酬としてのゴールドとが表示される。最終的にユーザに対して付与される経験値は、例えば、領域81~83に表示された経験値の合計に対して倍率領域84に表示された倍率が乗算された値である。当該経験値は、「TOTAL EXP」として表記されている。報酬としてのゴールドは、例えば、経験値および進行度IF3とは別に蓄積され、例えば、ユーザが使用可能なキャラクタやアイテムなどの解放のために用いられる。
【0095】
蓄積領域9は、ユーザに対する経験値の蓄積状況を示す領域であり、既存の経験値に対して総合スコア領域85に表示された経験値がさらに追加で蓄積される。蓄積領域9は、習熟度表示領域91と、経験値インジケータ92とを含む。
【0096】
習熟度表示領域91には、習熟度IF2に対応するユーザレベルが表示される。ユーザレベルは、経験値がユーザに対して蓄積され、予め定められた経験値テーブルの値に達する度に1ずつ上昇するように構成される。本実施形態では、習熟度表示領域91に表示されているユーザレベルは「10」である。
【0097】
経験値インジケータ92には、次のユーザレベルに達するまでに必要な経験値に関する情報が表示される。蓄積領域9は、例えば、インジケータ等の視覚情報や、蓄積されている経験値の数値および次のユーザレベルに達するまでに必要な経験値の数値などの数値情報を含むが、これに限られずユーザが視認可能な任意の態様で実装可能である。
【0098】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0099】
アクティビティA12にて、決定部232は、対象進行度IF3aに基づき対象コンテンツを決定する必要はなく、決定部232は、進行度IF3に基づき参加ユーザのうちの少なくとも1人に対して実行することが許容されるコンテンツのなかから、対象コンテンツを決定してもよい。このような構成によれば、参加ユーザに対して進行度IF3とかけ離れたコンテンツが提供されることを抑制することができるため、マルチプレイゲームの興趣性を向上させることができる。
【0100】
アクティビティA16での習熟度IF2の更新態様は、マルチプレイゲームの成績に基づき決定されれば任意である。例えば、更新部234は、マルチプレイゲームにおける参加ユーザの成績が異なる場合に、更新前後の習熟度IF2の変化量が異なるように、習熟度IF2を更新してもよい。具体的には、更新部234は、マルチプレイゲームに勝利したチームに所属する参加ユーザの習熟度IF2の増加量を、マルチプレイゲームに敗北したチームに所属する参加ユーザの習熟度IF2の増加量に比べて大きくしてもよい。
【0101】
マルチプレイゲームは、対戦型マルチプレイゲームに限られず、参加ユーザ全員が協力して予め設定された目標条件を達成する、協力型マルチプレイゲームであってもよい。
【0102】
アクティビティA18での「所定条件」の設定方法は任意であり、進行度IF3を下げないままイベントIDを下げる方法に限られない。例えば、実行部233は、進行度IF3を下げることにより、再び進行度IF3が固定クエストに対応する値となるまで固定クエストを行わないような所定条件を設定してもよい。このとき、イベントIDは、進行度IF3とともに低下する。また、所定条件は、上述のような進行度IF3やイベントIDの低下によってランダムクエストを規定の回数だけ行うことを要求するものに限られない。所定条件は、例えば、一定期間の経過であっても、所定のアイテムの使用等を要求するものであってもよい。また、所定条件は、マルチプレイゲームの勝敗に限られず、進行条件の達成度合い、チームへの貢献度など、マルチプレイゲームに関する任意の成績に基づき設定されてもよい。
【0103】
情報またはデータ(以下「情報等」と言う)の出力先は、他の装置、ディスプレイ、記憶部(内蔵の記憶部および外部の記憶部を含む)等であってもよい。情報等の取得には、他の装置から送信されてきた情報等を取得する態様に加え、自装置で生成された情報等を取得する態様を含む。パラメータを対応付けたテーブルは、図示したテーブルに限らず、パラメータの数を少なくしたり多くしたりしてもよい。また、テーブルを用いずに、数式または条件式等によりパラメータに応じた情報等を求めてもよい。
【0104】
情報処理システム1に含まれる装置のうちの少なくとも1つは、日本国外に設置されていてもよい。
【0105】
情報処理装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態の情報処理装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0106】
上記実施形態では、情報処理装置2が種々の記憶・制御を行ったが、情報処理装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。
【0107】
上述した実施形態の態様は、情報処理装置であってもよい。その情報処理システム1は、情報処理方法の各部がなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える。また、上述した実施形態の態様は、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、同様の情報処理システムの各部を備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、情報処理方法の各ステップを実行させる。
【0108】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0109】
(1)情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、次の各ステップを含み、取得ステップでは、複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームへの参加要求と、当該参加要求を送信するユーザに関するユーザ情報とを取得し、ここで、前記マルチプレイゲームは、少なくとも第1ゲームモードを含み、前記ユーザ情報は、前記ユーザによる前記マルチプレイゲームの進行度に関する情報を含み、決定ステップでは、少なくとも前記参加要求に基づき、前記マルチプレイゲームに参加する参加ユーザを決定し、前記参加ユーザのうちの少なくとも1人の前記進行度に基づき、対象コンテンツを決定し、ここで、前記対象コンテンツは、前記参加ユーザに対して実行される前記マルチプレイゲームのコンテンツであり、更新ステップでは、前記第1ゲームモードにおいて前記マルチプレイゲームが実行される場合に、前記マルチプレイゲームにおける前記参加ユーザの成績によらず当該マルチプレイゲームに参加したことに基づき、前記参加ユーザのそれぞれの前記進行度を更新する、情報処理方法。
【0110】
このような構成によれば、マルチプレイゲームにおける参加ユーザの成績によらず進行度が更新されるため、例えば、マルチプレイゲームに参加した参加ユーザの成績が他の参加ユーザに比べてよくなかった場合にも当該参加ユーザがマルチプレイゲームを進行させることができる。したがって、マルチプレイゲームにおける興趣性をより継続させやすくなる。
【0111】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、前記マルチプレイゲームのコンテンツのそれぞれは、前記進行度が所定の許容条件を満たす前記参加ユーザに対して実行することが許容されるように構成され、前記決定ステップでは、前記進行度に基づき前記参加ユーザのうちの少なくとも1人に対して実行することが許容される前記コンテンツのなかから、前記対象コンテンツを決定する、情報処理方法。
【0112】
このような構成によれば、参加ユーザに対して進行度とかけ離れたコンテンツが提供されることを抑制することができるため、マルチプレイゲームの興趣性を向上させることができる。
【0113】
(3)上記(2)に記載の情報処理方法において、前記決定ステップでは、前記参加ユーザが第1ユーザと、前記第1ユーザとは異なる前記進行度を有する第2ユーザと含む場合、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの進行度に基づき前記第1ユーザおよび前記第2ユーザに対してともに許容される前記コンテンツのなかから、前記対象コンテンツを決定する、情報処理方法。
【0114】
このような構成によれば、第1ユーザと第2ユーザとで進行度が異なる場合であっても、第1ユーザおよび第2ユーザの双方に対して進行度に沿ったマルチプレイゲームを実行することができる。したがって、進行度が異なる参加ユーザがいる場合におけるマルチプレイゲームの興趣性の低下を抑制することができる。
【0115】
(4)上記(3)に記載の情報処理方法において、前記コンテンツは、前記進行度に対応付けられる少なくとも1つのイベントを含み、前記マルチプレイゲームは、前記参加ユーザが前記イベントを達成することによって進行するように構成され、前記決定ステップでは、前記第1ユーザの進行度に基づき前記第1ユーザに対する実行が許容される前記イベントである第1イベントを決定し、前記第2ユーザの進行度に基づき前記第2ユーザに対する実行が許容される前記イベントである第2イベントを決定し、前記第1イベントの実行が前記第2ユーザに対して許容されず、前記第2イベントの実行が前記第1ユーザに対して許容される場合、当該第1イベントの内容に基づき前記第1ユーザおよび前記第2ユーザに対してともに実行される前記第2イベントの内容を決定し、当該第2イベントを含むコンテンツを前記対象コンテンツとして決定する、情報処理方法。
【0116】
このような構成によれば、第1ユーザおよび第2ユーザの両方に対して許容されている実行が許容されるイベントに基づき、マルチプレイゲームの進行を行うことができる。ここで、第2イベントの内容は、第2ユーザに対する実行が許容されていない第1イベントの内容に基づいて決定される。そのため、第1イベントの実行が許容される第1ユーザが第2イベントを達成することによる、第1ユーザにとってのマルチプレイゲームの興趣性が低下することを抑制することができる。
【0117】
(5)上記(3)または(4)に記載の情報処理方法において、前記取得ステップでは、さらに、前記参加ユーザに対して過去に実行された前記マルチプレイゲームの対象コンテンツである実行済みコンテンツに関する情報を取得し、前記決定ステップでは、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザに対してともに許容される前記コンテンツが前記第1ユーザまたは前記第2ユーザの実行済みコンテンツを含む場合、当該実行済みコンテンツと異なるコンテンツを前記対象コンテンツとして優先的に決定する処理を行う、情報処理方法。
【0118】
このような構成によれば、参加ユーザが何度も同じコンテンツのマルチプレイゲームを行うことを抑制することができる。したがって、参加ユーザがマルチプレイゲームに飽きる可能性を低減することができる。
【0119】
(6)上記(1)~(5)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記ユーザ情報は、さらに、前記進行度とは異なる、前記ユーザの習熟度に関する情報を含み、前記決定ステップでは、さらに前記習熟度に基づき前記参加ユーザを決定し、前記更新ステップでは、前記マルチプレイゲームにおける前記参加ユーザの成績に基づき、前記参加ユーザのそれぞれの前記習熟度を更新する、情報処理方法。
【0120】
このような構成によれば、マルチプレイゲームに対する技量が近いユーザを参加ユーザとしてマッチングさせることができるため、ユーザ間の技量の差が大きいことによってマルチプレイゲームの興趣性が損なわれる可能性を低減することができる。
【0121】
(7)上記(6)に記載の情報処理方法において、前記決定ステップでは、前記参加要求を送信するユーザのうち、前記習熟度の差異が第1範囲内で、かつ前記参加要求を送信するユーザ間の前記進行度が第2範囲内であるユーザ同士を、前記参加ユーザとして決定する、情報処理方法。
【0122】
このような構成によれば、習熟度の近く、かつ同様のコンテンツの実行が許容されているユーザ同士をマッチングさせやすくなるため、プレイ経験が近いユーザ同士による白熱したゲーム進行を提供しやすくなる。したがって、マルチプレイゲームの興趣性をさらに向上させrことができる。
【0123】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記マルチプレイゲームは、さらに、前記参加ユーザのうちの少なくとも1人の前記進行度が既定値に達している場合に実行される第2ゲームモードを含み、前記更新ステップでは、前記第2ゲームモードにおいて前記マルチプレイゲームが実行される場合に、前記マルチプレイゲームにおける前記参加ユーザの成績に基づき、前記参加ユーザの一部の進行度を増加させないように、前記参加ユーザのそれぞれの前記進行度を更新する、情報処理方法。
【0124】
このような構成によれば、進行度が既定値に達した場合にはマルチプレイゲームの成績が進行度に影響を与える。そのため、マルチプレイゲームのなかで参加ユーザに対して互いを意識することを促すことができるため、マルチプレイゲームの興趣性をさらに向上させることができる。
【0125】
(9)上記(8)に記載の情報処理方法において、さらに設定ステップでは、前記参加ユーザの前記進行度が前記第2ゲームモードにおける前記マルチプレイゲームの成績に基づき前記進行度を増加させないように更新された場合、当該参加ユーザに対して所定条件を設定し、さらに、実行ステップでは、前記所定条件を満たされていない場合に、前記第2ゲームモードにて前記マルチプレイゲームを実行しない、情報処理方法。
【0126】
このような構成によれば、ユーザは、第2ゲームモードでのマルチプレイゲームで進行度を増加することができなかった場合には、第2ゲームモードとは異なるマルチプレイゲームを楽しみながら、第2ゲームモードのための練習をすることができる。したがって、マルチプレイゲームの興趣性をさらに向上させることができる。
【0127】
(10)上記(9)に記載の情報処理方法において、前記実行ステップでは、前記所定条件が達成されていない場合に、前記既定値未満の進行度に対応するコンテンツを対象コンテンツとして決定し、当該対象コンテンツに基づき前記第1ゲームモードにて前記マルチプレイゲームを実行する、情報処理方法。
【0128】
このような構成によれば、ユーザは、再び第2ゲームモードでのマルチプレイゲームに挑むまでに、自己の進行度に応じたコンテンツで練習を積むことができる。したがって、第2ゲームモードでの成績をさらに向上させやすくすることで、マルチプレイゲームの興趣性をより向上させることができる。
【0129】
(11)少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、上記(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【0130】
このような構成によれば、マルチプレイゲームにおける興趣性をより継続させやすくなる。
【0131】
(12)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【0132】
このような構成によれば、マルチプレイゲームにおける興趣性をより継続させやすくなる。
もちろん、この限りではない。
【0133】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0134】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
201 :ゲーム処理部
231 :取得部
232 :決定部
233 :実行部
234 :更新部
235 :設定部
236 :表示処理部
3 :ゲーム装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34 :表示部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
51 :タイトル表示領域
52 :進捗表示領域
53 :固定シナリオ領域
54 :進行度インジケータ
61 :キャラクタ表示領域
62 :マッチング開始ボタン
71 :メンバー一覧
72 :クエスト内容確認ボタン
73 :対戦相手確認ボタン
74 :クエスト開始ボタン
8 :スコア領域
81 :時間スコア領域
82 :通常スコア領域
83 :ミッションスコア領域
84 :倍率領域
85 :総合スコア領域
9 :蓄積領域
91 :習熟度表示領域
92 :経験値インジケータ
IF1 :ユーザ情報
IF2 :習熟度
IF3 :進行度
IF3a :対象進行度
IF4 :プレイ履歴
IM1 :メニュー画面
IM2 :開始画面
IM3 :ルーム画面
IM4 :プレイ画面
IM5 :結果表示画面
OB1 :第1オブジェクト
OB2 :第2オブジェクト
OBe :エネミーオブジェクト
VS :仮想空間