(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123786
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】猫用絵本
(51)【国際特許分類】
A01K 15/02 20060101AFI20240905BHJP
B42D 1/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A01K15/02 Z
B42D1/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031458
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】523075305
【氏名又は名称】株式会社リレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】井畑 昌宏
(57)【要約】
【課題】ページを開いた際に、立体物が飛び出すとともに、猫じゃらしなどのような動的な物を動かして、猫の興味を惹き付けられるようにした猫用絵本を提供する。
【解決手段】ページ21を開くことによって見開き平面から起立する起立部3と、当該起立部3に設けられ、棒状部材6を挿入させるための開口部4と、当該開口部4を覆い、下方側を回動させるスカート部5と、前記起立部3の背面側に設けられ、当該開口部4に通された棒状部材6を前記スカート部5の下方側から出没させるために、人間の手を動作させるための動作空間Sとを設けるようにする。そして、背面側から棒状部材6を通し、スカート部5で人間の手を隠しながら、スカート部5の前方に突出した棒状部材6の毛状部分61に猫を反応させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページを開くことによって見開き平面から起立する起立部と、
当該起立部に設けられ、棒状部材を挿入させるための開口部と、
当該開口部を覆い、下方側を回動させるスカート部と、
前記起立部の背面側に設けられ、当該開口部に通された棒状部材を前記スカート部の下方側から出没させるために、人間の手を動作させるための動作空間と、
を設けるようにした猫用絵本。
【請求項2】
前記スカート部の下端側に、波状に構成された波状部を設けるようにした請求項1に記載の猫用絵本。
【請求項3】
前記スカート部が、前記起立部の開口部の上端部分を屈曲させて設けたものである請求項1に記載の猫用絵本。
【請求項4】
前記開口部が、見開き平面が下端部となるように開口して設けられたものである請求項1に記載の猫用絵本。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ページを開くと折り畳まれた部分が起立するようにした仕掛け絵本に関するものであって、より詳しくは、猫に見せることによって、猫の興味を惹き付けられるようにした猫用絵本に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のペットブームに伴い、ペット用の玩具なども多数販売されるようになってきている。このようなペット用玩具として、例えば、猫じゃらしや、ボールに尻尾を付けて回転させるようにしたものなど多数のものが存在している(非特許文献)。
【0003】
ところで、このような猫用玩具として、猫の興味を惹き付けるようにした絵本などは存在していないのが現状である。
【0004】
このような絵本を提供できれば、本を開ける際に立体物が飛び出すように出現させることができるため、猫の興味を惹き付けることができるようになる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】https://kakakumag.com/houseware/?id=9840(令和4年2月20日確認)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような絵本を提供しても、立体物が飛び出すだけでは、動的な物に反応を示す猫にとっては、すぐに飽きを生じてしまうといった問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたもので、ページを開いた際に、立体物が飛び出すとともに、猫じゃらしなどのような動的な物を動かして、猫の興味を惹き付けられるようにした猫用絵本を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の猫用絵本は、上記課題を解決するために、ページを開くことによって見開き平面から起立する起立部と、当該起立部に設けられ、棒状部材を挿入させるための開口部と、当該開口部を覆い、下方側を回動させるスカート部と、前記起立部の背面側に設けられ、当該開口部に通された棒状部材を前記スカート部の下方側から出没させるために、人間の手を動作させるための動作空間と、を設けるようにしたものである。
【0009】
このように構成すれば、起立部の背面側から棒状部材を開口部を通し、スカート部の前面側で動かすようにすれば、棒状部材を隠しながら、棒状部材に反応させて、猫の興味を惹き付けて遊ばせることができるようになる。
【0010】
また、このような発明において、スカート部の下端側に、波状に構成された波状部を設けるようにする。
【0011】
このように構成すれば、スカート部の奥方で横方向に棒状部材をスライドさせたときに、波状部の奥方で棒状部材が見え隠れするため、猫の好奇心を刺激することができるようになる。
【0012】
さらに、前記スカート部を設ける場合、前記起立部の開口部の上端部分を屈曲させて設けるようにする。
【0013】
このように構成すれば、猫が反応して飛びついた時に、スカート部が外れてしまうようなことがなくなる。
【0014】
また、前記開口部を設ける場合、見開き平面が下端部となるように開口部を設けるようにしておく。
【0015】
このように構成すれば、開口部から突出する棒状部材に猫が反応して手を入れた場合であっても、その手を引き戻す際に、起立部が破れてしまうようなことがなくなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ページを開くことによって見開き平面から起立する起立部と、当該起立部に設けられ、棒状部材を挿入させるための開口部と、当該開口部を覆い、下方側を回動させるスカート部と、前記起立部の背面側に設けられ、当該開口部に通された棒状部材を前記スカート部の下方側から出没させるために、人間の手を動作させるための動作空間と、を設けるようにしたので、ページを見開いた際に起立する起立部の背面側から棒状部材を開口部に通し、スカート部の前方で動かすようにすれば、棒状部材を隠しながら、その先端部に設けられた毛状部分などに反応させて、猫の興味を惹き付けて遊ばせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施の形態における猫用絵本の平面概要図
【
図3】他の形態における猫用絵本のスカート部を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
この実施の形態における猫用絵本1は、
図1や
図2に示すように、ページ21を開くことによって、左右のページ21の折目22を中心として折り畳まれた状態から起立する起立部3と、その起立部3に設けられ、棒状部材6を通すための開口部4(
図2参照)と、この開口部4を覆うように設けられたスカート部5とを設け、
図1に示すように、起立部3の背面側から棒状部材6を挿入し、棒状部材6の先端部分に設けられた毛状部分61などを前後左右に動かすことによって、猫の興味を惹き付けて遊ばせるようにしたものである。以下、本実施の形態における猫用絵本1の構成について詳細に説明する。
【0020】
まず、絵本本体2は、左右のページ21を平面状に見開いた際に、立体的に起立部3が起立するようにしたものであって、折目22を中心として左右に45度をなすように起立部3の下端部を取り付けて構成される。これにより、ページ21を折り畳んだ際には、起立部3をページ21の間に折り畳ませ、また、ページ21を開いた際には、見開き平面から起立させるようになっている。そして、この起立部3を種々の形状やデザインにすることによって、起立した際に、猫の興味を惹き付けられるようにしている。
【0021】
この起立部3は、絵本本体2の見開き平面に沿った一方面側(背面側)に、他の起立部3などを存在させないないようにした動作空間Sが形成されており、また、下方部分に開口部4を設けるようにしている。そして、この背面側の動作空間から開口部4を介して棒状部材6を通し、前面側で、棒状部材6の先端部分に設けられた毛状部分61を前後左右に動かせるようにしている。なお、このような開口部4を設ける場合、起立部3の中央部分に設けるようにしてもよいが、猫が棒状部材6に反応して手を入れた際、開口部4の下方の部分に爪が当たり、起立部3が破れてしまう可能性がある。そのため、この実施の形態では、開口部4の下端部分を、ページ21の平面と一致させるようにしておき、これにより、開口部4に猫が手を入れて戻した場合であっても、起立部3が破れないようにしている。
【0022】
ところで、このように棒状部材6を持って手を動かすと、その手の動きが猫に見えてしまい、その先端部分の毛状部分61に猫の興味を惹き付けることができなくなる。そこで、ここでは、起立部3の大きさとして、人間の手を隠すことができる大きさに設けられる。具体的には、起立させた際の長さを10cm以上、また、高さについても10cm以上の高さに設定している。
【0023】
また、このとき、起立部3の開口部4を大きくしていると、棒状部材6を動かす際に、開口部4の隙間から手が見えてしまい、その手に猫が反応してしまう。一方、開口部4を小さくすると、手などが見えにくくなるが、今度は、棒状部材6を動かしにくくなる。そこで、この開口部4を横長形状に構成して棒状部材6を動かし易くするとともに、その開口部4を塞ぐためのスカート部5を設けるようにしている。
【0024】
このスカート部5としては、種々の構成を採用することができるが、第一の実施の形態では、
図2に示すように、一枚の紙で構成された起立部3を切り抜いて一体的に構成されたスカート部5を設けるようにしている。このスカート部5は、開口部4の上端部分を中心として起立部3を屈曲させるように構成されており、また、複数のスカート要素51を左右に密接させて暖簾状に構成し、それぞれの隙間から背面側が見えないようにしている。また、スカート要素51の下端部分については、開口部4の下端部分に接するように設けられており、これにより、棒状部材6を動かす際に、一部のスカート要素51のみを回動させて棒状部材6を前方側に突出させ、他のスカート要素51で開口部4を覆って、背面側を猫に視認させないようにしておく。
【0025】
また、この実施の形態では、スカート部5の下端部分について、波状にした波状部52を設けるようにしている。そして、スカート部5の背面側で棒状部材6を動かすことによって、波状部52の僅かな隙間から棒状部材6を見え隠れさせ、これによって、猫の好奇心を刺激するようにしている。また、スカート要素51の下端部を円弧状に湾曲させて波状部52を構成することによって、棒状部材6を左右方向に動かした際に、スムーズに隣のスカート要素51の下端部分に棒状部材6を入り込ませ、これによって、スカート要素51の揺れを少なくできるようにしている。
【0026】
また、このスカート部5については、起立部3に別の紙などを貼り付けて構成することもできる。具体的には、
図3に示すように、開口部4の上方に別の紙を貼り付けてスカート部5aを構成するとともに、絵本本体2を閉じた場合に、起立部3の開口部4の上方に折り畳めるように構成する。そして、絵本本体2を開いた際に、スカート部5aを見開き平面側に屈曲させて、開口部4を覆えるようにしておく。なお、このときも、同様に、スカート部5aの下端部分に波状部52を設けておき、これによって、波状部52の僅かな隙間から奥方で動く棒状部材6を視認させて、猫の好奇心を刺激できるようにしている。
【0027】
この猫用絵本1に使用される棒状部材6は、市販のねこじゃらしなどが使用されるものであって、可撓性を有する棒状の部材の先端に毛状部分61を備えたものや、扁平状の細長い紙の先端に紐や毛状部分61などを備えたものなど、多種多様のものが用いられる。
【0028】
次に、このように構成された猫用絵本1を使用する場合の方法について説明する。
【0029】
まず、猫用絵本1を使用する場合、猫を絵本の正面側に位置させた状態で、絵本本体2を開ける。
【0030】
すると、ページ21が開かれることによって、中心の折目22に対して45度の角度で左右のページ21の表面に取り付けられた起立部3が起立する。
【0031】
そして、このように起立部3を起立させた状態で、起立部3の背面側の動作空間Sから棒状部材6を開口部4に通し、スカート部5を介して、その先端部分の毛状部分61をスカート部5から突出させる。このとき、棒状部材6をスカート部5から突出させることによって、開口部4の奥方の手を隠すことができ、突然飛び出た棒状部材6の毛状部分61に、猫を反応させることができる。
【0032】
そして、このように突出させた棒状部材6の毛状部分61を前後左右に動かす。このとき、毛状部分61を前後に動かすと、スカート部5から棒状部材6の毛状部分61がスカート部5から出たり入ったりするため、猫の興味を惹き付けることができる。また、棒状部材6を左右に動かすと、スカート部5の下端の波状部52を介して棒状部材6が左右に移動し、また、このとき、波状部52に棒状部材6が当たるため、棒状部材6が一瞬撓み、その反動で毛状部分61が飛び跳ねるように左右方向に動くようになる。これにより、より猫の興味を惹き付けることができるようになる。さらには、毛状部分61をスカート部5の前方に突出させることなく、スカート部5の波状部52の背面側近傍で左右に動かすと、波状部52の僅かな隙間から棒状部材6の毛状部分61が見え隠れするため、猫の好奇心を惹き付けることができるようになる。なお、このように棒状部材6を動かす際には、起立部3によって手が隠れるため、手の動きに猫を反応させてしまうことがなくなる。
【0033】
そして、このようにして猫を遊ばせた後、次のページ21を捲って、同様に、起立部3を起立させ、開口部4やスカート部5を介して棒状部材6を動作空間Sから動かし、猫を遊ばせるようにする。
【0034】
このように上記実施の形態によれば、ページ21を開くことによって見開き平面から起立する起立部3と、当該起立部3に設けられ、棒状部材6を挿入させるための開口部4と、当該開口部4を覆い、下方側を回動させるスカート部5と、前記起立部3の背面側に設けられ、当該開口部4に通された棒状部材6を前記スカート部5の下方側から出没させるために、人間の手を動作させるための動作空間Sと、を設けるようにしたので、ページ21を見開いた際に起立する起立部3の背面側から棒状部材6を開口部4に通し、スカート部5の前方で動かすようにすれば、棒状部材6を隠しながら、その先端部に設けられた毛状部分61などに反応させて、猫の興味を惹き付けて遊ばせることができるようになる。
【0035】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0036】
例えば、上記実施の形態では、起立部3の背面側に手を動かすための動作空間Sを形成するようにしたが、起立部3の背面側の上部に天井部を設けておき、これによって動作空間Sの上方部分を覆って、手の動きを隠せるようにしてもよい。
【0037】
また、上記実施の形態では、スカート部5として、複数のスカート要素51を隣接させて設けるようにしたが、一枚の紙などでスカート部5を構成するようにしてもよい。この場合も、同様に、下端部分に波状部52を設けておくと、スカート部5の揺れを防止しながら、奥方で見え隠れする棒状部材6の毛状部分61に猫を反応させることができるようになる。
【0038】
さらに、上記実施の形態では、折目22に沿った方向が前方側となるように起立部3を設けるようにしたが、折目22に対して直交する方向を前方側として起立部3を起立させるようにしてもよい。このような起立部3を設ける場合、
図4に示すように、見開きのページ21に、中央の折目22と平行となるように下端部分を取り付けた起立部3を設け、ページ21を見開いた際に、その起立部3を起立させるようにする方法などを用いるようにしてもよい。この場合も、同様に、前方側の起立部3に開口部4を設けるとともに、その開口部4を覆うようなスカート部5を設けるようにしておく。
【0039】
また、上記実施の形態では、複数ページからなる絵本を例に挙げて説明したが、左右一枚ずつのページ21のみで完結する絵本であってもよい。
【0040】
また、上記実施の形態では、スカート部5の下端部分を見開き平面に接するように設けるようにしたが、スカート部5の下端部分を、他の立体的な起立部3の平面部分などに接するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1・・・猫用絵本
2・・・絵本本体
21・・・ページ
22・・・折目
3・・・起立部
4・・・開口部
5、5a・・・スカート部
51・・・スカート要素
52・・・波状部
6・・・棒状部材
61・・・毛状部分
S・・・動作空間