(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123835
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ディストリビュータ及び車両
(51)【国際特許分類】
E04G 21/04 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
E04G21/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031572
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 篤
(72)【発明者】
【氏名】林 和也
【テーマコード(参考)】
2E172
【Fターム(参考)】
2E172AA05
2E172CA33
2E172CA44
2E172CA46
2E172CA56
(57)【要約】
【課題】コンクリートポンプからの配管を複数の方向からコンクリート圧送用の配管に接続することができるディストリビュータ及び車両を提供する。
【解決手段】ディストリビュータは、ベースと、ベースに支持されるブーム装置と、を備え、ブーム装置は、ベースに立設される架台と、架台の上に設けられ、上下方向に延びる回転軸の回りに旋回可能なターンポストと、ターンポストの先端に設けられるブームと、を備え、ブームは、ブームに沿って配置されるブーム配管を備え、ターンポストは、先端部がブーム配管の基端部に接続されるターンポスト配管を内部に備え、架台は、先端部がターンポスト配管の基端部に対して回転軸の回りに回転可能に接続され、基端部が架台の外側方へ向かって延びるL字状の架台配管を内部に備え、架台は、回転軸の回りに架台配管の回転方向に沿って複数形成された開口を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、前記ベースに支持されるブーム装置と、を備え、
前記ブーム装置は、前記ベースに立設される架台と、前記架台の上に設けられ、上下方向に延びる回転軸の回りに旋回可能なターンポストと、前記ターンポストの先端に設けられるブームと、を備え、
前記ブームは、前記ブームに沿って配置されるブーム配管を備え、
前記ターンポストは、先端部が前記ブーム配管の基端部に接続されるターンポスト配管を内部に備え、
前記架台は、先端部が前記ターンポスト配管の基端部に対して前記回転軸の回りに回転可能に接続され、基端部が前記架台の外側方へ向かって延びるL字状の架台配管を内部に備え、
前記架台は、前記回転軸の回りに前記架台配管の回転方向に沿って複数形成された開口を備える、ディストリビュータ。
【請求項2】
前記複数の開口は、前記回転軸を挟んで対向する位置に形成された少なくとも一対の開口を含む、請求項1に記載のディストリビュータ。
【請求項3】
前記架台の外部に配置され、前記架台配管の基端部と接続されるL字配管を備える、請求項1に記載のディストリビュータ。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の前記ディストリビュータが搭載される車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ディストリビュータ及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、地面に立設されたジブ支持フレーム上に旋回可能に支持されたジブを備えるコンクリート配送装置が開示されている。コンクリート圧送用の配管は、ジブ支持フレームに沿って配置されており、ポンプ車のコンクリートポンプから延びる配管とL字配管を介して接続されている。
【0003】
しかしながら、L字配管の向きは固定されているため、コンクリートポンプからの配管を複数の方向からコンクリート圧送用の配管に接続することができない。これにより、ジブ支持フレームが設置される地面付近ではその他の作業を行っていることが多いため、ポンプ車の向きや配管の取り回しを考慮する必要があり手間がかかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、コンクリートポンプからの配管を複数の方向からコンクリート圧送用の配管に接続することができるディストリビュータ及び車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ディストリビュータは、ベースと、前記ベースに支持されるブーム装置と、を備え、
前記ブーム装置は、前記ベースに立設される架台と、前記架台の上に設けられ、上下方向に延びる回転軸の回りに旋回可能なターンポストと、前記ターンポストの先端に設けられるブームと、を備え、
前記ブームは、前記ブームに沿って配置されるブーム配管を備え、
前記ターンポストは、先端部が前記ブーム配管の基端部に接続されるターンポスト配管を内部に備え、
前記架台は、先端部が前記ターンポスト配管の基端部に対して前記回転軸の回りに回転可能に接続され、基端部が前記架台の外側方へ向かって延びるL字状の架台配管を内部に備え、
前記架台は、前記回転軸の回りに前記架台配管の回転方向に沿って複数形成された開口を備える。
【0007】
車両は、上記のディストリビュータが搭載される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るディストリビュータの左側面図
【
図2】本実施形態に係るディストリビュータの平面図
【
図3】本実施形態に係るディストリビュータの背面図
【
図4】本実施形態に係るディストリビュータの左側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0010】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0011】
以下の説明において、第1方向D1は、前後方向ともいい、第1方向D1のうち、各図における矢印方向を前方向とし、各図における矢印方向と反対方向を後方向とする。また、第2方向D2は、横方向(左右方向)ともいい、第2方向D2のうち、各図における矢印方向を左方向とし、各図における矢印方向と反対方向を右方向とする。また、第3方向D3は、上下方向ともいい、第3方向D3のうち、各図における矢印方向を上方向とし、各図における矢印方向と反対方向を下方向とする。
【0012】
以下、ディストリビュータにおける一実施形態について、
図1~
図9を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、ディストリビュータの構成等の理解を助けるために例示するものであり、ディストリビュータの構成を限定するものではない。
【0013】
図1~
図3に示すように、ディストリビュータ1は、ベース2と、ベース2に支持されるブーム装置3と、ベース2を支持するアウトリガ4と、を備えている。また、ディストリビュータ1は、ポンプ1a、オイルタンク1b、及び制御装置1cを備えていてもよい。ポンプ1aは、ブーム装置3及びアウトリガ4を駆動する。制御装置1cは、主にブーム装置3を制御する。
【0014】
ベース2は、例えば、前後方向D1に延びる矩形枠状の部材である。ポンプ1a、オイルタンク1b、及び制御装置1cは、ベース2上に載置される。ポンプ1aは、ベース2の前部に配置され、オイルタンク1b及び制御装置1cは、ベース2の後部に配置されている。
【0015】
ブーム装置3は、打設位置に生コンクリートを供給するためのものである。
図1は、ブーム装置3が折り畳まれた状態を示しており、
図4は、ブーム装置3が伸展した状態を二点鎖線で示している。
【0016】
ブーム装置3は、例えば、ベース2に立設される架台31と、架台31の上に設けられ、上下方向D3に延びる回転軸Aの回りに旋回可能なターンポスト32と、ターンポスト32の先端に設けられるブーム33と、を備えている。架台31は、
図2に示すように、ベース2の前後方向D1及び左右方向D2の略中央に立設されていてもよい。ターンポスト32は、
図1に示すように、上下方向D3に対して傾斜する方向に延びている。
【0017】
ブーム33は、互いに屈曲可能に連結された第1ビーム33a、第2ビーム33b、第3ビーム33cを備えていてもよい。第1ビーム33aの基端部は、ターンポスト32の上端部に回動可能に連結されている。そして、第2ビーム33bの基端部は、第1ビーム33aの先端部に回動可能に連結され、第3ビーム33cの基端部は、第2ビーム33bの先端部に回動可能に連結されている。ブーム装置3は、コンクリート圧送用の配管5(詳細については後述する)を備えている。
【0018】
ターンポスト32及び第1~第3ビーム33a~33cは、それぞれの連結部分がブーム駆動手段によって回動駆動することができる。ブーム駆動手段は、制御装置1cによって制御される。ブーム駆動手段は、不図示の旋回駆動手段と、起伏駆動手段34a~34cと、を備えている。旋回駆動手段は、例えば、架台31に設けられたモータである。起伏駆動手段34aは、例えば、両端をターンポスト32と第1ビーム33aにそれぞれ回動可能に連結した第1シリンダである。また、起伏駆動手段34bは、例えば、両端を第1ビーム33aと第2ビーム33bにそれぞれ回動可能に連結した第2シリンダである。また、起伏駆動手段34cは、例えば、両端を第2ビーム33bと第3ビーム33cにそれぞれ回動可能に連結した第3シリンダである。
【0019】
アウトリガ4は、ベース2の左前領域に配置される第1のアウトリガ4aと、ベース2の右前領域に配置される第2のアウトリガ4bと、ベース2の左後領域に配置される第3のアウトリガ4cと、ベース2の右後領域に配置される第4のアウトリガ4dと、を含む。第1~第4のアウトリガ4a~4dは略同じ形状のため、これらを特に区別する必要がない場合、以下、単にアウトリガ4として説明する。
【0020】
アウトリガ4は、外筒41と、外筒41の内部で筒軸方向に沿って移動可能な内筒42と、外筒41に対して内筒42を固定する固定装置43と、を備えている。
【0021】
外筒41は、ベース2の前後方向D1の端部に固定される。外筒41は、左右方向D2に沿って延びる四角筒状の部材である。なお、第1のアウトリガ4aの外筒41と第2のアウトリガ4bの外筒41は、一体として構成されていてもよい。同様に、第3のアウトリガ4cの外筒41と第4のアウトリガ4dの外筒41は、一体として構成されていてもよい。
【0022】
内筒42は、左右方向D2に沿って延びる四角筒状の部材である。内筒42は、外筒41よりもわずかに細くなっている。そのため、内筒42は、外筒41に格納された格納位置と、外筒41から外側に張り出した展開位置(
図2及び
図3に二点鎖線で示している)との間で移動可能となっている。内筒42が格納位置にあるとき、アウトリガ4は格納状態であり、内筒42が展開位置にあるとき、アウトリガ4は展開状態である。
【0023】
内筒42は、外側端に縦筒421を備えている。縦筒421は、上下方向D3に伸縮可能な可動脚部422(
図1を参照)を備えている。打設作業時には、内筒42を展開位置に移動させた後、可動脚部422を伸長させて可動脚部422の下端を地面に接地させる。
【0024】
固定装置43は、
図3に示すように、外筒41の上面に配置されている。固定装置43は、外筒41に対して内筒42を格納位置及び展開位置に固定する。
【0025】
次に、配管5について説明する。
図5は、架台31、ターンポスト32、及び配管5の背面図であり、
図6は、架台31、ターンポスト32、及び配管5の左側面図である。なお、
図5及び
図6では、配管5を実線で示し、架台31及びターンポスト32を二点鎖線で示している。
【0026】
配管5は、ブーム33に沿って配置されるブーム配管51と、ターンポスト32の内部に配置されるターンポスト配管52と、架台31の内部に配置される架台配管53と、を備えている。
【0027】
ブーム配管51は、ブーム33とともに屈曲及び伸展することができる。ブーム配管51の先端部51a(
図1を参照)は、不図示の打設ホースに接続される。ブーム配管51の基端部51bは、ターンポスト配管52に接続される。
【0028】
ターンポスト配管52は、ターンポスト32に沿って配置されている。ターンポスト配管52は、先端部52aと、基端部52bと、先端部52aと基端部52bを接続する中間部52cと、を備えている。
【0029】
ターンポスト配管52の先端部52aは、湾曲したパイプである。先端部52aは、ターンポスト32に固定されている。先端部52aは、ターンポスト32の側面を貫通して、ターンポスト32の外部まで延びている。先端部52aは、ブーム配管51の基端部51bと接続される。ターンポスト配管52とブーム配管51は、回転式のジョイント61aで接続される。
【0030】
ターンポスト配管52の基端部52bは、ターンポスト32の回転軸Aに沿って延びる直線状のパイプである。基端部52bは、ターンポスト32に固定されている。基端部52bは、ターンポスト32の下面を貫通して、架台31の内部まで延びている。基端部52bは、架台配管53に接続される。
【0031】
ターンポスト配管52の中間部52cは、ターンポスト32の内部に配置されている。中間部52cと先端部52aは、固定式のジョイント62aで接続される。また、中間部52cと基端部52bは、固定式のジョイント62bで接続される。これにより、ターンポスト配管52の先端部52a、基端部52b、及び中間部52cは、一体としてターンポスト32とともに回転軸Aの回りで旋回可能である。
【0032】
架台配管53は、湾曲したエルボ管531と、直線状の直管532と、エルボ管531と直管532を接続する固定式のジョイント62cとを備え、全体としてL字状を呈している。エルボ管531は、架台31の内部に配置されている。直管532は、架台31の内外に亘って配置されている。ジョイント62cは、エルボ管531の基端部と直管532の先端部を接続する。
【0033】
架台配管53の先端部53a(エルボ管531の先端部)は、ターンポスト配管52の基端部52bに接続される。架台配管53とターンポスト配管52は、回転式のジョイント61bで接続される。すなわち、架台配管53は、先端部53aがターンポスト配管52の基端部52bに対して回転軸Aの回りに回転可能に接続されている。
【0034】
架台配管53の基端部53b(直管532の基端部)は、架台31の外側方へ向かって延びている。直管532は、クランプ54により架台31に支持されている。直管532には、不図示のコンクリートポンプからの配管が接続される。
【0035】
架台31は、ベース2上に立設される四角箱状の架台本体31aを備える。架台本体31aの上面の中央部には、ターンポスト配管52の基端部52bが貫通する貫通孔が形成されている。また、架台本体31aの4つの側面には、それぞれ開口56a~56dが形成されている。開口56aと開口56cは、対向する側面にそれぞれ形成されている。また、開口56bと開口56dは、対向する側面にそれぞれ形成されている。言い換えると、開口56aと開口56cは、回転軸Aを挟んで対向する位置に形成されており、開口56bと開口56dは、回転軸Aを挟んで対向する位置に形成されている。
【0036】
開口56a~56dの形状は、特に限定されないが、本実施形態では、互いに対向する開口56aと開口56cの形状は同じであり、互いに対向する開口56bと開口56dの形状は同じである。また、本実施形態では、開口56a及び56cは、上下方向D3に長尺な長孔状であり、開口56b及び開口56dは、横方向に長尺な長孔状である。
【0037】
開口56a~56dは、上端が直管532よりも上側、且つ下端が直管532よりも下側となるように形成されている。また、開口56a~56dは、横幅が直管532の横幅よりも広くなるように形成されている。これにより、直管532は、開口56a~56dを貫通することができる。
【0038】
図5では、直管532は、開口56aを貫通して架台本体31aの内外に位置している。
図7は、
図5に示す状態から、架台配管53を回転軸Aの回りに180度回転させた状態を示す。
【0039】
図5に示す状態から
図7に示す状態に変更する場合、初めに、固定式のジョイント62cを取り外す。次いで、直管532をクランプ54とともに取り外す。次いで、回転式のジョイント61bを緩めて、エルボ管531を回転軸Aの回りに180度回転させる。次いで、直管532をエルボ管531に固定式のジョイント62cを用いて接続する。これにより、直管532は、開口56cを貫通して架台本体31aの内外に位置するようになる。その結果、コンクリートポンプからの配管を
図5とは反対方向から直管532に接続することができる。
【0040】
また、
図8は、直管532が、開口56bを貫通して架台本体31aの内外に位置する例を示す。
図8に示す状態から、架台配管53を回転軸Aの回りに180度回転させることで、直管532が、開口56dを貫通して架台本体31aの内外に位置するようにすることもできる。
【0041】
また、配管5は、架台31の外部に配置され、架台配管53の基端部53bと接続されるL字配管57を備えていてもよい。L字配管57と直管532は、ジョイント62dで接続される。ジョイント62dは、回転式でも固定式でもよい。L字配管57には、不図示のコンクリートポンプからの配管が接続される。
【0042】
[1]
以上より、ディストリビュータ1は、本実施形態のように、ベース2と、前記ベース2に支持されるブーム装置3と、を備え、前記ブーム装置3は、前記ベース2に立設される架台31と、前記架台31の上に設けられ、上下方向D3に延びる回転軸Aの回りに旋回可能なターンポスト32と、前記ターンポスト32の先端に設けられるブーム33と、を備え、前記ブーム33は、前記ブーム33に沿って配置されるブーム配管51を備え、前記ターンポスト32は、先端部52aが前記ブーム配管51の基端部51bに接続されるターンポスト配管52を内部に備え、前記架台31は、先端部53aが前記ターンポスト配管52の基端部52bに対して前記回転軸Aの回りに回転可能に接続され、基端部53bが前記架台31の外側方へ向かって延びるL字状の架台配管53を内部に備え、前記架台31は、前記回転軸Aの回りに前記架台配管53の回転方向に沿って複数形成された開口56a~56dを備える、という構成が好ましい。
【0043】
斯かる構成によれば、架台配管53を回転軸Aの回りに回転させることで、コンクリートポンプからの配管を、複数の開口56a~56dのうち何れかの開口を介して架台配管53の基端部53bに接続することができる。よって、コンクリートポンプからの配管を複数の方向からコンクリート圧送用の配管5に接続することができる。
【0044】
[2]
また、上記[1]のディストリビュータ1においては、本実施形態のように、前記複数の開口56a~56dは、前記回転軸Aを挟んで対向する位置に形成された少なくとも一対の開口(本実施形態では一対の開口56a,56c及び一対の開口56b,56d)を含む、という構成が好ましい。
【0045】
斯かる構成によれば、コンクリートポンプからの配管を、少なくとも回転軸Aを挟んで両側から配管5に接続することができる。
【0046】
[3]
また、上記[1]又は[2]のディストリビュータ1においては、本実施形態のように、前記架台31の外部に配置され、前記架台配管53の基端部53bと接続されるL字配管57を備える、という構成が好ましい。
【0047】
斯かる構成によれば、L字配管57の向きを調整することで、架台31の外部での配管が煩雑とならず、作業場所の有効活用が可能となる。
【0048】
[4]
また、車両は、上記[1]~[3]の何れか1つのディストリビュータ1が搭載される、という構成が好ましい。
【0049】
斯かる構成によれば、コンクリートポンプからの配管を複数の方向からコンクリート圧送用の配管5に接続することができる。なお、ディストリビュータ1を車両に搭載する場合、ベース2は、車体フレームに固定されてもよく、車体フレームと一体で構成されてもよい。
【0050】
なお、ディストリビュータ1及び車両は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、ディストリビュータ1及び車両は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0051】
[A]上記実施形態に係るディストリビュータ1においては、複数の開口56a~56dは、回転軸Aを挟んで対向する位置に形成された一対の開口56a,56c及び一対の開口56b,56dを含む、という構成である。しかしながら、ディストリビュータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、一対の開口56b,56dを設けず、一対の開口56a,56cのみ形成されてもよい。また、例えば、回転軸Aの回りに90度ずらした開口56aと開口56bのみ形成されてもよい。
【0052】
[B]上記実施形態に係るディストリビュータ1においては、架台配管53の直管532は、架台31の内外に亘って配置されている、という構成である。しかしながら、ディストリビュータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、直管532は、架台31の内部のみに配置されている、という構成でもよい。架台配管53の基端部53b(直管532の基端部)を開口56a~56dに対向する位置に配置することで、コンクリートポンプからの配管を、複数の開口56a~56dのうち何れかの開口を通じて架台配管53の基端部53bに接続することができる。
【0053】
[C]上記実施形態に係るディストリビュータ1においては、四角箱状の架台本体31aの4つの側面にそれぞれ開口56a~56dが形成されている、という構成である。しかしながら、ディストリビュータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、架台本体31は、円筒状でもよく、その筒部に周方向に沿って複数の開口が形成されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…ディストリビュータ、1a…ポンプ、1b…オイルタンク、1c…制御装置、2…ベース、3…ブーム装置、4…アウトリガ、4a…第1のアウトリガ、4b…第2のアウトリガ、4c…第3のアウトリガ、4d…第4のアウトリガ、5…配管、31…架台、31a…架台本体、32…ターンポスト、33…ブーム、33a…第1ビーム、33b…第2ビーム、33c…第3ビーム、34a~34c…起伏駆動手段、41…外筒、42…内筒、43…固定装置、51…ブーム配管、51a…ブーム配管の先端部、51b…ブーム配管の基端部、52…ターンポスト配管、52a…ターンポスト配管の先端部、52b…ターンポスト配管の基端部、52c…ターンポスト配管の中間部、53…架台配管、53a…架台配管の先端部、53b…架台配管の基端部、54…クランプ、56a~56d…開口、57…L字配管、61a,61b…ジョイント、62a~62d…ジョイント、421…縦筒、422…可動脚部、531…エルボ管、532…直管、A…回転軸、D1…前後方向、D2…左右方向、D3…上下方向