(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123845
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】手擦装置
(51)【国際特許分類】
A61G 7/053 20060101AFI20240905BHJP
E04F 11/18 20060101ALI20240905BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61G7/053
E04F11/18
A61G12/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031589
(22)【出願日】2023-03-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和 4年 3月 9日~3月11日にCareTEX東京’22(東京ビッグサイト)にて展示
(71)【出願人】
【識別番号】394000415
【氏名又は名称】中央化成品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002778
【氏名又は名称】弁理士法人IPシーガル
(72)【発明者】
【氏名】水島 敬
(72)【発明者】
【氏名】中里 麻美
【テーマコード(参考)】
2E301
4C040
4C341
【Fターム(参考)】
2E301FF05
2E301LL02
4C040AA30
4C040GG20
4C341LL30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】容易に製造ないし組み立てることができ、支柱部を手擦装置に強固に固定することができる手擦装置を提供する。
【解決手段】この発明の手擦装置1は、主として使用者の起き上がりや移動などの動作を補助するために使用されるもので、板状のベース部2と、前記ベース部2上に所定の間隔を存して立設される少なくとも一対の支柱部3,4と、前記一対の支柱部3,4の上端の間に跨って取り付けられる手擦部5と、で構成され、前記一対の支柱部3,4は、それぞれ前記ベース部2とネジ嵌合によって連結されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のベース部と、前記ベース部上に所定の間隔を存して立設される少なくとも一対の支柱部と、前記一対の支柱部の上端の間に跨って取り付けられる手擦部と、で構成され、
前記一対の支柱部は、それぞれ前記ベース部とネジ嵌合によって連結されていること
を特徴とする手擦装置。
【請求項2】
前記一対の支柱部は、いずれも
少なくとも上部が開口する筒状の下部支柱部内に、長尺棒状の上部支柱部を、スライド自在に係合させたもので構成され、
前記下部支柱部は、
軸部材を挿通することが可能となるように貫通形成され、かつ前記支柱部の軸線方向に直交する方向に開口する複数の挿通孔を備え、
前記複数の挿通孔は、
高さ方向に沿って所定の間隔を存して形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の手擦装置。
【請求項3】
前記一対の支柱部は、
第一の支柱部と前記第一の支柱部に対向して立設される第二の支柱部とで構成され、いずれもその下端部に雄ネジ部を有し、
前記雄ネジ部は、
前記挿通孔の中心軸を通りかつ前記下部支柱部の軸線方向に沿って下方向に延びる直線と、前記雄ネジ部の上端部の外周縁との交点を、ネジ山の開始位置として雄ネジが形成され、
前記ベース部は、
前記一対の支柱部の立設位置に、前記雄ネジ部と螺合するよう内周面に雌ネジが形成された所要の深さのネジ孔からなる雌ネジ部を有し、
前記雌ネジ部は、いずれも
前記挿通孔の中心軸を通りかつ前記下部支柱部の軸線方向Xに沿って下方向に延びる直線と、前記雌ネジ部の上端部の外周縁との交点を、ネジ溝の開始位置として雌ネジが形成されたものであること
を特徴とする請求項2に記載の手擦装置。
【請求項4】
前記一対の支柱部は、
第一の支柱部と前記第一の支柱部に対向して立設される第二の支柱部とで構成され、いずれもその下端部に雄ネジ部を有し、
前記雄ネジ部は、
前記挿通孔の中心軸を通りかつ前記下部支柱部の軸線方向に沿って下方向に延びる直線と、前記雄ネジ部の上端部の外周縁との交点を、ネジ山の開始位置として雄ネジが形成され、
前記ベース部は、
前記一対の支柱部の立設位置に、前記雄ネジ部と螺合するよう内周面に雌ネジが形成された所要の深さのネジ孔からなる雌ネジ部を有し、
前記第一の支柱部とネジ嵌合する第一の雌ネジ部の中心軸がベース部の上面と交差する点を第一の開口部の中心とし、前記第二の支柱部とネジ嵌合する第二の雌ネジ部の中心軸がベース部の上面と交差する点を第二の開口部の中心としたとき、
前記第一及び第二の雌ネジ部は、いずれも
その上端部の外周縁と、前記中心間を結ぶ直線との交点を、ネジ溝の開始位置として雌ネジが形成されたものであること
を特徴とする請求項2に記載の手擦装置。
【請求項5】
前記軸部材は、
棒状の軸部材本体と、その基端側に形成された頭部と、少なくとも先端側に形成された複数のネジ山を有する雄ネジと、で構成されていること
を特徴とする請求項2に記載の手擦装置。
【請求項6】
前記ベース部は、
その厚さが4~8mmに設定されていること
を特徴とする請求項1に記載の手擦装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、手擦装置に関するものである。
より詳しくは、容易に製造ないし組み立てることができる手擦装置、特に使用者が把持する手擦部の高さ調節が極めて容易である手擦装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高齢者などの使用者の起き上がりや移動などの動作を補助するための手擦装置として、床面に載置して使用する据え置き型のものがある。
【0003】
このような手擦装置は、例えば、床面に載置されるベース部(土台部分)と、ベース部に所定の間隔を存して立設される一対の支柱部と、一対の支柱部の間に跨って取り付けられる手擦部と、で構成される。
このような手擦装置の一例が、特許文献1に開示されている。
【0004】
特開2016-044454号公報(特許文献1)においては、屋外に設置した状態にあっても歩行支援機能を最大限発揮し得る手擦装置が提案されている。
【0005】
この手擦装置は、床面上に載置される設置台の左右両側縁部の何れか一方又は双方に、支柱の上端に手擦杆を取り付けた手擦ユニットを配置して構成されるものであって、
上記手擦杆は、上記支柱に固定支持された固定杆部と該固定杆部の前端部に連結された可動杆部を備えるとともに、該可動杆部の上記固定杆部の前端から前方側への延出幅を変更可能に構成したものである。
【0006】
また、使用者が、手擦部の床面からの高さ位置を任意に調節することができるように、各支柱部が上下方向に伸縮可能に構成されている手擦装置もある。
このような手擦装置の一例が、特許文献2に開示されている。
【0007】
特開2013-034656号公報(特許文献2)においては、簡単な作業で脚部を支柱に強固に固定でき、高さ調節時における使用者の操作にばらつきが生じ難く、使用者の操作のばらつきによって脚部と支柱との相対位置がずれて手すり本体の高さが変わってしまうといった事態が生じず、安全であるとともに、意匠性が高い手すりが提案されている。
【0008】
この手すりは、ベースプレートと、
該ベースプレート上面から上方に延出する一対の支柱と、
水平方向に延びる把持部及び該把持部の長手方向両端部から下方に延出して上記一対の支柱に上方から内嵌合又は外嵌合する一対の脚部を有する手すり本体と、
上記脚部を上記支柱に嵌合した状態で上下の任意の位置で固定することにより上記把持部の高さを調節する高さ調節手段とを備え、
上記高さ調節手段は、両端が開口し、且つ、内周面に係合部が形成され、上記脚部及び支柱のうち外側に位置する方に外嵌合される筒部材と、
上記脚部及び支柱のうち内側に位置する方と上記外側に位置する方の端部との間に介在され、上記内側に位置する方の外周面に上下方向の複数個所で凹凸嵌合により外嵌合される位置決め部材とを備え、
上記脚部及び支柱のうち外側に位置する方の端部内周面には、上記位置決め部材の一端が当接して該位置決め部材の上記外側に位置する方への移動を規制する第1規制部が設けられるとともに、上記外側に位置する方の端部外周面には、上記筒部材の上記係合部が係合する被係合部が設けられ、
上記筒部材の一端側開口周りには、上記位置決め部材の他端が当接して該位置決め部材の上記内側に位置する方への移動を規制する第2規制部が設けられているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2016-044454号公報(特許請求の範囲,明細書段落0022,
図1)
【特許文献2】特開2013-034656号公報(特許請求の範囲,明細書段落0033,段落0037,
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記特許文献1に開示されている手擦装置などの従来の手擦装置では、ベース部が床面に安定して載置されるように、その重量が高く設定されているため、手擦装置の組み立て、特にベース部への支柱部の取り付けが容易ではない、という問題があった。
【0011】
前記特許文献2に開示されている手すりでは、支柱は、上下に延びる略円筒状の支柱本体と、該支柱本体の下端に一体に繋がる略矩形板状の支柱プレートで構成され、該支柱プレートは、これにベースプレートの長手方向に沿って延びるように形成された長孔に、ベースプレートに形成された突起が挿通した状態で、ナットを該突起に締め付けることにより、ベースプレート上面に固定される。
したがって、支柱の部品点数が多いため、支柱の構成が煩雑である、という問題があった。
さらに、支柱プレートの固定位置は、ベースプレートの所定の位置に限定されてしまうため、支柱の取り付け位置の自由度が低い、という問題もあった。
【0012】
特に、前記特許文献2に開示されている手すりにおいて、手すり(1)の高さ調節は、手すり(1)の脚部(42)の下端側に嵌合された位置決め部材(6)によって行われるものである。
したがって、手すりの高さ調節において、より簡便な方法が求められる。
【0013】
さらに、前記特許文献2に開示されている手すりにおいて、手すりの固定は、位置決め部材(6)の内周面に突設された突条部(6b)を脚部42の下端側外周面に形成された溝部(42b)に嵌合させることによって行われる。
したがって、手すりないし支柱の固定方法として、より強固な方法が求められる。
【0014】
この発明はかかる現状に鑑み、容易に製造ないし組み立てることができ、支柱部を手擦装置に強固に固定することができる手擦装置、特に使用者が把持する手擦部の高さ調節が極めて容易な手擦装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
すなわち、この発明にかかる請求項1に記載の発明は、
板状のベース部と、前記ベース部上に所定の間隔を存して立設される少なくとも一対の支柱部と、前記一対の支柱部の上端の間に跨って取り付けられる手擦部と、で構成され、
前記一対の支柱部は、それぞれ前記ベース部とネジ嵌合によって連結されていること
を特徴とする手擦装置である。
【0016】
この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の手擦装置において、
前記一対の支柱部は、いずれも
少なくとも上部が開口する筒状の下部支柱部内に、長尺棒状の上部支柱部を、スライド自在に係合させたもので構成され、
前記下部支柱部は、
軸部材を挿通することが可能となるように貫通形成され、かつ前記支柱部の軸線方向に直交する方向に開口する複数の挿通孔を備え、
前記複数の挿通孔は、
高さ方向に沿って所定の間隔を存して形成されていること
を特徴とするものである。
【0017】
この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の手擦装置において、
前記一対の支柱部は、
第一の支柱部と前記第一の支柱部に対向して立設される第二の支柱部とで構成され、いずれもその下端部に雄ネジ部を有し、
前記雄ネジ部は、
前記挿通孔の中心軸を通りかつ前記下部支柱部の軸線方向に沿って下方向に延びる直線と、前記雄ネジ部の上端部の外周縁との交点を、ネジ山の開始位置として雄ネジが形成され、
前記ベース部は、
前記一対の支柱部の立設位置に、前記雄ネジ部と螺合するよう内周面に雌ネジが形成された所要の深さのネジ孔からなる雌ネジ部を有し、
前記雌ネジ部は、いずれも
前記挿通孔の中心軸を通りかつ前記下部支柱部の軸線方向Xに沿って下方向に延びる直線と、前記雌ネジ部の上端部の外周縁との交点を、ネジ溝の開始位置として雌ネジが形成されたものであること
を特徴とするものである。
【0018】
この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項2に記載の手擦装置において、
前記一対の支柱部は、
第一の支柱部と前記第一の支柱部に対向して立設される第二の支柱部とで構成され、いずれもその下端部に雄ネジ部を有し、
前記雄ネジ部は、
前記挿通孔の中心軸を通りかつ前記下部支柱部の軸線方向に沿って下方向に延びる直線と、前記雄ネジ部の上端部の外周縁との交点を、ネジ山の開始位置として雄ネジが形成され、
前記ベース部は、
前記一対の支柱部の立設位置に、前記雄ネジ部と螺合するよう内周面に雌ネジが形成された所要の深さのネジ孔からなる雌ネジ部を有し、
前記第一の支柱部とネジ嵌合する第一の雌ネジ部の中心軸がベース部の上面と交差する点を第一の開口部の中心とし、前記第二の支柱部とネジ嵌合する第二の雌ネジ部の中心軸がベース部の上面と交差する点を第二の開口部の中心としたとき、
前記第一及び第二の雌ネジ部は、いずれも
その上端部の外周縁と、前記中心間を結ぶ直線との交点を、ネジ溝の開始位置として雌ネジが形成されたものであること
を特徴とするものである。
【0019】
この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項2に記載の手擦装置において、
前記軸部材は、
棒状の軸部材本体と、その基端側に形成された頭部と、少なくとも先端側に形成された複数のネジ山を有する雄ネジと、で構成されていること
を特徴とするものである。
【0020】
この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1に記載の手擦装置において、
前記ベース部は、
その厚さが4~8mmに設定されていること
を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
この発明の手擦装置は、主として使用者の起き上がりや移動などの動作を補助するために使用されるもので、板状のベース部と、前記ベース部上に所定の間隔を存して立設される少なくとも一対の支柱部と、前記一対の支柱部の上端の間に跨って取り付けられる手擦部と、で構成され、前記一対の支柱部は、それぞれ前記ベース部とネジ嵌合によって連結されているものである。
この手擦装置は、従来よりも部品点数が少なく、簡単な構造を有するもので、各支柱部をベース部に立設する際には、従前のように工具(六角レンチやドライバーなど)を使用することがないので、支柱部の挿入とねじ締めのみで、簡単に組み立てることができるものである。
したがって、前記手擦装置は、その解体も容易であるので、解体後において、従来に比べると容易に持ち運びが可能となるものである。
【0022】
前記手擦装置においては、前記一対の支柱部を、いずれも、少なくとも上部が開口する筒状の下部支柱部内に、長尺棒状の上部支柱部を、スライド自在に係合させたもので構成し、前記下部支柱部が、軸部材を挿通することが可能となるように形成された複数の挿通孔を備えるように構成するとともに、前記複数の挿通孔が、高さ方向に沿って所定の間隔を存して形成されるように構成することができる。
このような構成によって、前記一対の支柱部の長さ、すなわち前記手擦装置を構成する手擦部の床面からの高さを調節することができる。
【0023】
また、前記手擦装置においては、前記一対の支柱部を、第一の支柱部と前記第一の支柱部に対向して立設される第二の支柱部とで構成し、それぞれの下端部に雄ネジ部を形成し、前記雄ネジ部を、前記挿通孔の中心軸を通りかつ前記下部支柱部の軸線方向に沿って下方向に延びる直線と、前記雄ネジ部の上端部の外周縁との交点を、ネジ山の開始位置として雄ネジが形成されるように構成することができる。
その際、前記ベース部を、前記一対の支柱部の立設位置に、前記雄ネジ部と螺合するよう内周面に雌ネジが形成された所要の深さのネジ孔からなる雌ネジ部を有するように構成し、前記第一の支柱部とネジ嵌合する第一の雌ネジ部の中心軸がベース部の上面と交差する点を第一の開口部の中心とし、前記第二の支柱部とネジ嵌合する第二の雌ネジ部の中心軸がベース部の上面と交差する点を第二の開口部の中心としたとき、前記第一及び第二の雌ネジ部を、それぞれの上端部の外周縁と、前記中心間を結ぶ直線との交点を、ネジ溝の開始位置として雌ネジが形成されるように構成することができる。
このような構成によって、前記一対の支柱部が前記ベース部に立設されている状態において、前記挿通孔は、必ず互いに対向するように、前記手擦部の長手方向中央部に向かって開口することになる。
したがって、前記挿通孔のそれぞれに挿通される軸部材の頭部(把持部ないし操作部)も、前記手擦部の長手方向中央部側に位置するので、使用者は、前記軸部材の頭部にぶつかることなく、前記手擦装置を、安全に使用することができる。
この作用効果は、前記支柱部の長さ(手擦部の床面からの高さ)を調節する際に、顕著である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】この発明の手擦装置の一実施形態を示した斜視図である。
【
図2】
図1に示す手擦装置の説明図であって、(A)は、該手擦装置の前面図で、(B)は、該手擦装置の左側面図を示すものである。
【
図3】
図1に示す手擦装置を構成するベース部(土台)の説明図であって、(A)は、該ベース部の平面図で、(B)は、該ベース部の左側面図で、(C)は、(B)の領域Cの拡大図である。
【
図4】
図1に示す手擦装置を構成する支柱部(第一の支柱部)の説明図であって、(A)は、該支柱部の左側面図で、(B)は、該支柱部の右側面図である。
【
図5】
図1に示す手擦装置を構成する支柱部(第二の支柱部)の説明図であって、(A)は、該支柱部の右側面図で、(B)は、該支柱部の左側面図である。
【
図6】
図2(B)に示す手擦装置のB-B’断面を示す断面図である。
【
図7】
図6に示す手擦装置の領域Dの拡大図である。
【
図8】
図4に示す支柱部(第一の支柱部)の下端部の説明図であって、挿通孔の軸方向に沿う方向から見た正面図である。
【
図9】
図3に示すベース部に形成される雌ネジ部の説明図であって、雌ネジ部の軸方向に沿う方向から見た正面図である。
【
図10】
図1に示す手擦装置を構成する軸部材の説明図であって、(A)は、該軸部材の斜視図で、(B)は、該軸部材の側面図である。
【
図11】
図1に示す手擦装置を構成する軸部材の他の例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の手擦装置(以下、単に「手擦装置」と言う)の一実施の形態の構成を、図面を参照して説明する。
なお、この発明は、図面に示す形態にのみ限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲内において種々改良を加えることができるものである。
【0026】
図1は、この発明にかかる手擦装置1の一例を示した斜視図で、
図2(A)は、その前面図で、
図2(B)は、左側面図である。
この発明にかかる手擦装置1は、
図1及び2で明らかなように、所要の径と長さを有する板状のベース部2と、前記ベース部2上に所定の間隔を存して立設される少なくとも一対の支柱部(第一の支柱部3及び第二の支柱部4)と、前記一対の支柱部の上端の間に跨って取り付けられる手擦部5と、から構成されるものである。
なお、
図1及び2中、符号8,9は、それぞれ第二、第三の手擦部であり、使用者が手擦として使用するものである。
したがって、第二、第三の手擦部8,9を取り付けるため、第一の支柱部3には、
図4に示すように、嵌合孔32a,32bが形成され、第二の支柱部4には、
図5に示すように、嵌合孔42a,42bが形成されている。
この実施例において、前記手擦装置1は、床面から手擦部5の上面までの高さが最大で850mm程度になるよう構成されている。
【0027】
前記手擦装置1を構成する材料については、使用者の体重を支えるのに十分な強度を確保可能に構成することができるものであれば、特段の制限はなく、何れの材料も使用可能である。
前記材料として、例えば、鉄材や鋼材、アルミ材などを使用することができる。
この実施例において、前記手擦装置1は、炭素鋼やアルミで構成されている。
【0028】
前記ベース部2は、
図3に示すように、前記手擦装置1の土台部分を構成するもので、平面視で所定の形状を有する板状体(特に平板状のもの)で構成されるものである。
なお、この実施例において、前記ベース部2は、使用者の安全性の観点から、
図3(B)及び(C)に示すように、その周縁(周縁部2a)が外方に向かって下り傾斜するよう構成されている。
【0029】
図3において、前記ベース部2は、その形状が平面視で略正方形になるよう構成されている。
前記ベース部2の平面形状については、特段の制限はなく、例えば、円形状や、楕円形状、矩形状などから選択することができる。
なお、この実施例において、前記ベース部2は、使用者の安全性の観点から、その平面形状がその四隅の角を丸めたものになるよう構成されている。
【0030】
また、前記ベース部2の大きさについては、前記ベース部2の使用目的などに応じて設定することができ、特段の制限はない。
なお、この実施例において、前記ベース部2は、機械構造用炭素鋼で構成され、手擦部5の長手方向に直交する方向(
図3において前後方向)の長さが600mm程度、手擦部5の長手方向に平行する方向(
図3において左右方向)の長さが600mm程度、厚さ(周縁部以外の部分)が6mm程度になるよう構成されている。
【0031】
この発明の手擦装置1は、
図1及び2に示すように、前記ベース部2上に、所定の間隔を存して少なくとも一対の支柱部が立設されたものであるが、この手擦装置1の特長の一つは、前記ベース部2に前記少なくとも一対の支柱部をネジ嵌合によって取り付けること、にある。
なお、この実施例において、前記支柱部は、いずれも機械構造用炭素鋼で構成され、φ45mm程度、長手方向の最小長さが350mm程度、肉厚が5mm程度になるよう構成されている。
【0032】
図1及び2において、前記一対の支柱部は、第一の支柱部3と、前記第一の支柱部3に対向するように立設される第二の支柱部4で構成されている。
図1及び2において、手擦装置1は、前記一対の支柱部を、前記ベース部2の後端側に左右方向に並ぶように立設することによって、前記ベース部2の中央ないし前端側を、布団やベッドの下に差し込むことができるように構成されている。
なお、前記一対の支柱部の立設位置や形態については、特段の制限はない。
【0033】
前記第一の支柱部3は、
図1、2及び4に示すように、前記ベース部2に立設され、かつ少なくとも上部が開口する筒状(
図1、2及び4において円筒状)の下部支柱部31内に、長尺棒状の上部支柱部32を、スライド自在に係合させたもので構成されている。
なお、この実施例において、前記上部支柱部32は、上部及び下部が開口する筒状体(
図1、2及び4において円筒状)で構成されている。
【0034】
前記下部支柱部31の下端部には、
図4に示すように、雄ネジ部31aが形成されている。
この雄ネジ部31aは、前記下部支柱部31の下端部に縮径部を突出形成し、この縮径部の外周面に、周方向に沿って複数のネジ溝31bを形成することによって、複数のネジ山31cを形成したものである。
【0035】
前記第二の支柱部4は、前記第一の支柱部3と同様の構成を有するもので、
図1、2及び5に示すように、前記ベース部2に立設され、少なくとも上部が開口する筒状(
図1、2及び5において円筒状)の下部支柱部41内に、長尺棒状の上部支柱部42を、スライド自在に係合させたもので構成されている。
前記下部支柱部41の下端部には、
図5に示すように、雄ネジ部41aが形成されている。
この雄ネジ部41aは、前記第一の支柱部3と同様に、前記下部支柱部41の下端部に縮径部を突出形成し、この縮径部の外周面に、周方向に沿って複数のネジ溝を形成することによって、複数のネジ山を形成したものである。
なお、この実施例において、前記上部支柱部42は、上部及び下部が開口する筒状体(
図1、2及び5において円筒状)で構成されている。
【0036】
前記雄ネジ部31a,41aの構成については、特段の制限はないが、前記雄ネジ部31a,41aは、好ましくは細目ネジピッチ1以下のものになるよう構成される。
【0037】
一方、前記ベース部2の上面には、少なくとも一対の支柱部を立設することを可能にするため、少なくとも一対の雌ネジ部が、各支柱部の立設位置に形成される。
なお、前記雌ネジ部の形成位置については、前記一対の支柱部を構成する一方の支柱部に他方の支柱部が対向することを可能にする限りにおいて、特段の制限はなく、手擦装置1の用途などに応じて適宜選択することができる。
【0038】
図1~3において、前記ベース部2の周縁部2a近傍の前記支柱部が立設される位置には、前記雄ネジ部31aと螺合する雌ネジ部2bが形成され、前記雄ネジ部41aと螺合する雌ネジ部2cが形成されている。
【0039】
前記雌ネジ部の数については、特段の制限はなく、手擦装置1の用途などに応じて、前記ベース部上に2以上、形成することができる。
図1~3において、前記ベース部2の上面の右端部には、前後方向(取り付けられた状態にある手擦部5の長手方向に直交する方向)に沿って所定の間隔で前記雌ネジ部2bが2つ(中央部と後端部に)形成され、前記ベース部2の上面の左端部には、前後方向に沿って所定の間隔で前記雌ネジ部2cが2つ(中央部と後端部に)形成されている。
すなわち、前記ベース部2上には、一対又は二対の支柱部を立設することができるように、合計4つの雌ネジ部が形成されている。
【0040】
前記雌ネジ部2bは、前記雄ネジ部31aを挿通保持可能に形成された所要の大きさの孔からなるもので、その内周面には、前記雄ネジ部31aの雄ネジに対応する雌ネジが形成されたものである。
また、前記雌ネジ部2cは、前記雄ネジ部41aを挿通保持可能に形成された所要の大きさの孔からなるもので、その内周面には、前記雄ネジ部41aの雄ネジに対応する雌ネジが形成されたものである。
なお、この実施例において、前記雌ネジ部は、いずれも、上下方向に貫通する貫通孔として形成されているが、前記雄ネジ部を収容可能な嵌合凹部のようなものであってもよく、前記支柱を立設可能となるよう形成されている限りにおいて、その形態に特段の制限はない。
【0041】
かかる構成によれば、前記第一の支柱部3の雄ネジ部31aを、前記ベース部2の周縁部2a近傍に形成されている雌ネジ部(孔)2bと、前記第二の支柱部4の雄ネジ部41aを、前記ベース部2の周縁部2a近傍に形成されている雌ネジ部2cとネジ嵌合することによって、前記一対の支柱部3,4が、前記ベース部2に立設固定される。
したがって、この発明の手擦装置は、各支柱部のベース部における立設に際しては、従前のように工具(六角レンチやドライバーなど)を使用することがないので、支柱部の挿入とねじ締めのみで、簡単に組み立てることができるものである。
さらに、前記手擦装置を構成する部品の点数を少なくすることができるので、手擦装置を、より安価に提供することができる。
さらにまた、前記手擦装置においては、前記ベース部の厚さを4~8mm程度、より好ましくは5~6mm程度にすることが可能である。その結果、床面との段差が減るので、使用者は、つまずきにくい。
なお、この実施例においては、雄ネジ部31a,41aのネジ山を3つ以上形成するとともに、雌ネジ部2b,2cには、前記ネジ山に対応するようネジ溝を形成している。
したがって、前記雄ネジ部は、前記雌ネジ部と、より強固に螺合する。
【0042】
この実施例において、前記手擦装置1は、前記支柱部3,4の長さを調節可能に構成することにより、前記手擦部5の床面からの高さを調節することが可能となるように構成されている。
なお、符号7は、上部支柱部32を下部支柱部31に、或いは上部支柱部42を下部支柱部41に、それぞれ固定するための固定部材(例えば、ビスやネジ)である。
【0043】
具体的には、前記第一の支柱部3の下部支柱部31の外周面には、
図4に示すように、ネジやボルトなどの軸部材6を挿通するための挿通孔31dが、下部支柱部31の軸方向に直交する方向(
図1において左右方向)に沿って貫通形成されている。前記挿通孔31dは、高さ方向に沿って所定の間隔を存して複数形成されている。
一方、前記第二の支柱部4の下部支柱部41の外周面にも、
図5に示すように、複数の挿通孔41dが、前記挿通孔31dのそれぞれに対応する位置に貫通形成されている。
【0044】
軸部材6は、
図10に示すように、棒状の軸部材本体6aと、その基端側(長手方向一端側)に形成された頭部6bと、先端側(長手方向他端側)に形成された、複数のネジ山を有する雄ネジ6cと、で構成されるものである。
なお、前記軸部材の大きさや太さについては、特段の制限はないが、前記軸部材は、好ましくは上部支柱部と手擦部を支持するのに十分なものとなるように構成される。
【0045】
前記軸部材の構成や形態については、特段の制限はない。
図10において、前記頭部6bは、高さ調整の際に操作する際に使用者によって把持される把持部として形成されている。
したがって、使用者は、前記把持部としての頭部6bを把持して軸部材6の取り付けと取り外しを容易に行うことができる。
また、前記雄ネジ6cについては、特に前記支柱部3,4の下部支柱部31,41が筒状体で構成されている場合において、
図11に示すように、前記軸部材6の少なくとも先端側又は先端縁近傍に形成することができる。
【0046】
さらに、前記下部支柱部31には、前記挿通孔31dに対向するように、内周面に前記雄ネジ6cに対応する雌ネジが形成された螺合孔31eが形成され、同様に、前記下部支柱部41には、前記挿通孔41dに対向するように、内周面に前記雄ネジ6cに対応する雌ネジが形成された螺合孔41eが形成されている。
【0047】
かかる構成によれば、任意の挿通孔31dに軸部材6を挿通して、雄ネジ6cを雌ネジ31eとネジ嵌合させ、さらに、前記任意の挿通孔31dに対応する挿通孔41dに軸部材6を挿通して、雄ネジ6cを雌ネジ41eとネジ嵌合させた状態で、上部支柱部32,42のそれぞれを下部支柱部31,41に挿入すると、上部支柱部31,42はそれぞれ軸部材6,6(詳しくは軸部材本体6a,6aの外周面)で支持される。
したがって、支柱部3,4の長さ、すなわち手擦部5の床面からの高さを調節することができる。
【0048】
なお、前記支柱部3,4の長さの調節方法について、この実施例においては、前記上部支柱部32,42のそれぞれを軸部材6,6で支持する方法について説明したが、この方法に限られず、公知の方法を利用することができる。
例えば、上部支柱部32,42をそれぞれ下部支柱部31,41に所望の位置まで挿入した状態で、軸部材6,6を挿通孔31d,41dに挿入し、これを用いて前記下部支柱部31,41と前記上部支柱部32,42とを締結するようにしてもよい。
【0049】
この実施例において、前記下部支柱部31の雄ネジ部31aは、
図8に示すように、挿通孔31dの中心軸Оを通りかつ前記下部支柱部31の軸線方向に沿って下方向に延びる直線(下部支柱部31の軸線方向に平行な直線)Lと、雄ネジ部31aの上端部(基端部)の外周縁との交点310を、ネジ山の開始位置として、雄ネジが形成されている。
同様に、前記下部支柱部41の雄ネジ部41aも、前記下部支柱部31と同様に、挿通孔41dの中心軸を通りかつ前記下部支柱部41の軸線方向に沿って下方向に延びる直線(下部支柱部41の軸線方向に平行な直線)と、雄ネジ部41aの上端部(基端部)の外周縁との交点を、ネジ山の開始位置として、雄ネジが形成されている。
【0050】
一方、この実施例において、前記ベース部2の雌ネジ部2bは、
図9に示すように、雌ネジ部2bの中心軸がベース部2の上面と交差する点を開口部の中心Pとし、雌ネジ部2cの中心軸がベース部2の上面と交差する点を開口部の中心Qとしたとき、中心Pと中心Qとを結ぶ直線Mと、前記雌ネジ部2bの上端部の外周縁との交点201を、ネジ溝(ネジ切)の開始位置として、雌ネジが形成され、雌ネジ部2cは、直線Mと、前記雌ネジ部2cの上端部の外周縁との交点202を、ネジ溝(ネジ切)の開始位置として、雌ネジが形成されるように構成されている。
なお、交点201又は202は、挿通孔31d又は41dの中心軸を通りかつ前記下部支柱部31又は41の軸線方向Xに沿って下方向に延びる直線と、前記雌ネジ部2b又は2cの上端部の外周縁との交点でもある。
このような構成によれば、前記支柱部3,4が前記ベース部2に立設されている状態において、前記挿通孔31d,41dは、必ず前記手擦部5の長手方向(
図9においてY)中央部に向かって開口することになる。
したがって、前記挿通孔31d,41dのそれぞれに挿通される軸部材6,6の頭部(把持部ないし操作部)6b,6bも、前記手擦部5の長手方向(Y)中央部側に位置するので、使用者は、前記軸部材6,6の頭部6b,6bにぶつかることなく、前記手擦装置1を、安全に使用することができる。
この作用効果は、前記支柱部3,4の長さ(手擦部5の床面からの高さ)を調節する際に、顕著である。
【0051】
なお、
図1及び2において、直線Mは、左右方向に沿って延びるもので、雌ネジ部2bは、その上端部の外周縁と、直線Mとの交点を、ネジ溝の開始位置とし、雌ネジ部2cは、その上端部の外周縁と、直線Mとの交点を、ネジ溝の開始位置として、それぞれ雌ネジが形成されている。
したがって、挿通孔31d,41dは、
図1及び2に示すように、互いに対向するよう内側に向かって開口するので、前記挿通孔31d,41dのそれぞれに挿通される軸部材6,6の頭部(把持部ないし操作部)6b,6bも、内側に位置することになる。
よって、前記軸部材6,6の頭部6b,6bにぶつかることなく、前記手擦装置1を、安全に使用することができる。
【0052】
なお、所望の開始位置からネジを切る方法については、特段の制限はなく、公知の方法や将来開発され得る方法を利用して所望の開始位置からネジを切ることができる。
例えば、NC(Numerical Control)自動旋盤装置を用いて、所定のプログラムの下で、所望の開始位置からネジを切ることができる。
【0053】
図1及び2に示すように、前記一対の支柱部3,4の上部には、使用者が把持して手擦として使用する手擦部5が設けられる。
【0054】
前記手擦部5は、
図1及び2に示すように、前記一対の支柱部3,4(詳しくは各上端部)の間に跨ぐように設けられるものである。
図1及び2において、前記手擦部5は、逆U字状を有するもので、長尺の棒状ないし筒状の手擦部本体5aと、その一端側に前記支柱部3との連結のために配される継手部5bと、他端側に前記支柱部4との連結のために配される継手部5cと、で構成されている。
したがって、前記手擦部5は、前記継手部5b,5cをそれぞれ前記支柱部3,4と連結させることによって取り付けられている。
図1及び2において、前記継手部5b,5cは、ボルトやビスなどの緊締具や固定部材(図示せず)を用いて前記支柱部3,4に固定されており、前記手擦部5は、前記支柱部3,4から着脱可能に構成されている。
なお、この実施例において、前記手擦部5は、手擦部本体5aと、継手部5b,5cがそれぞれ別体として形成された構造を有するものであるが、前記手擦部5は、手擦部本体5aと、継手部5b,5cが一体化した構造を有するものであってもよい。
【0055】
以下、この発明にかかる手擦装置1の組み立て方法の一例を、具体的に説明する。
【0056】
まず、床面にベース部2を載置し、第一の支柱部3の雄ネジ部31aを、ベース部2の上面の雌ネジ部2bとネジ嵌合させる。
同様に、第二の支柱部4の雄ネジ部41aを、ベース部2の上面の雌ネジ部2cとネジ嵌合させる。
【0057】
ついで、任意の挿通孔31dとこの挿通孔31dに対応する挿通孔(挿通孔31dに対向する挿通孔)41dのそれぞれに軸部材6,6を挿通し、雄ネジ6c,6cを雌ネジ31e,41eのそれぞれと螺合させる。
【0058】
一方、手擦部5の継手部5bを第一の支柱部3の上部に、継手部5cを第二の支柱部4の上部に、それぞれ連結させておく。
【0059】
最後に、下部支柱部31,41のそれぞれの所定の位置に、固定部材としてのネジ7,7を、上部支柱部32,42に当接(押圧)するまで挿通させて、上部支柱部32,42を下部支柱部31,41のそれぞれに固定することで、手擦装置1の組み立てが完了する。
【0060】
このように、前記組み立てに際しては、ベース部(土台部分)へ支柱を取り付けるためにビスなどの緊締具や固定部材を一切必要としないので、簡単かつ容易に組み立てることができる。
【0061】
なお、前記手擦装置1の解体に際しては、上記と逆の手順で行えばよいので、極めて容易である。
したがって、前記手擦装置1は、その解体後において、従来に比べると容易に持ち運びが可能となるものである。
【0062】
前記手擦装置1については、その意匠性をより高めた形態とすることが可能である。
例えば、前記ベース部2の上面(全面又はその一部)に、前記少なくとも一対の支柱部3,4が立設された状態で、カーペットやマットなどの意匠性を高める化粧材を敷設することによって、前記手擦装置1の意匠性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
この発明にかかる手擦装置は、高齢者などの使用者の起き上がりや移動などの動作を補助することができるもので、各支柱部のベース部における立設に際しては、従前のように工具(六角レンチやドライバーなど)を使用することがなく、支柱部の挿入とねじ締めのみで、簡単に組み立てることができ、各支柱部がベース部に強固に固定されているので、手擦装置、特に据え置き型の手擦装置として幅広く利用されるものである。
特に、この手擦装置は、使用者に応じて、使用者が把持する手擦部の高さを調節可能なものとして、幅広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0064】
1 手擦装置
2 ベース部(土台)
2a 周縁部
2b,2c 雌ネジ部
201,202 ネジ溝の開始位置
3 第一の支柱部
31 下部支柱部
31a 雄ネジ部
31b ネジ溝
31c ネジ山
31d 挿通孔
31e 螺合孔
310 ネジ山の開始位置
32 上部支柱部
32a,32b 嵌合孔(手擦部の取付用の孔)
4 第二の支柱部
41 下部支柱部
41a 雄ネジ部
41d 挿通孔
41e 螺合孔
42 上部支柱部
42a,42b 嵌合孔(手擦部の取付用の孔)
5 手擦部
5a 手擦部本体
5b,5c 継手部
6 軸部材
6a 軸部材本体
6b 頭部(把持部)
6c 雄ネジ
7 固定部材
8 第二の手擦部
9 第三の手擦部
X 支柱部の軸線方向
Y 手擦部の長手方向
L 直線
M 中心PQ間を結ぶ直線
О 中心軸
P,Q 中心