IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社神戸製鋼所の特許一覧

特開2024-123850作業者移動先提案システム、作業者移動先提案方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123850
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】作業者移動先提案システム、作業者移動先提案方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240905BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031604
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】水原 宝英
(72)【発明者】
【氏名】弘中 諒
(72)【発明者】
【氏名】井筒 理人
(72)【発明者】
【氏名】池田 英生
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA25
3C100AA38
3C100AA59
3C100AA62
3C100BB13
3C100BB17
3C100BB33
3C100CC02
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】設備および作業者の優先度を考慮して作業者に移動先設備を提案する。
【解決手段】設備ごとの稼働状況を特定する稼働状況特定部と、設備ごとの進捗状況を特定する進捗状況特定部と、稼働状況と進捗状況とから、作業者を設備に呼び出す必要性であり、且つ設備の優先度でもある呼出必要性を、設備ごとに決定する呼出必要性決定部と、稼働状況と進捗状況とから、作業者が設備に滞在する必要性であり、且つ作業者の優先度でもある滞在必要性を、作業者ごとに決定する滞在必要性決定部と、呼出必要性と滞在必要性とから、作業者に提案する移動先の設備である提案移動先を決定する提案移動先決定部と、を備える作業者移動先提案システム。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備ごとの稼働状況を特定する稼働状況特定部と、
設備ごとの進捗状況を特定する進捗状況特定部と、
前記稼働状況と前記進捗状況とから、作業者を設備に呼び出す必要性であり、且つ設備の優先度でもある呼出必要性を、設備ごとに決定する呼出必要性決定部と、
前記稼働状況と前記進捗状況とから、作業者が設備に滞在する必要性であり、且つ作業者の優先度でもある滞在必要性を、作業者ごとに決定する滞在必要性決定部と、
前記呼出必要性と前記滞在必要性とから、作業者に提案する移動先の設備である提案移動先を決定する提案移動先決定部と、
を備える作業者移動先提案システム。
【請求項2】
設備の稼働状態を示す設備稼働データと作業者の位置を示す作業者位置データとを少なくとも含む操業データを取得する操業データ取得部をさらに備え、
前記稼働状況特定部は、前記設備稼働データと前記作業者位置データとから前記稼働状況を特定する請求項1に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項3】
設備における工程の予実を示す工程データを少なくとも含む操業データを取得する操業データ取得部をさらに備え、
前記進捗状況特定部は、前記工程データから前記進捗状況を特定する請求項1に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項4】
前記呼出必要性決定部は、前記稼働状況により作業者が設備に滞在していないことが示される場合に、前記進捗状況が遅れているほど前記呼出必要性が高くなるように前記呼出必要性を決定する請求項1に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項5】
前記滞在必要性決定部は、前記稼働状況により作業者が設備に滞在していることが示される場合に、前記進捗状況が遅れているほど前記滞在必要性が高くなるように前記滞在必要性を決定する請求項1に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項6】
前記提案移動先決定部は、前記呼出必要性が高い設備ほど、又は前記滞在必要性が低い作業者ほど優先して、当該作業者を当該設備へ移動させるための前記提案移動先を決定する請求項1に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項7】
作業者の位置を示す作業者位置データを少なくとも含む操業データを取得する操業データ取得部と、
前記稼働状況と前記進捗状況とから、設備ごとの作業の必要性である作業必要性を決定する作業必要性決定部と
をさらに備え、
前記呼出必要性決定部は、前記作業者位置データと前記作業必要性とから前記呼出必要性を決定する請求項1に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項8】
前記作業必要性決定部は、前記進捗状況が遅れているほど前記作業必要性が高くなるように前記作業必要性を決定し、
前記呼出必要性決定部は、前記作業者位置データにより作業者が設備に滞在していないことが示される場合に、前記作業必要性が高いほど前記呼出必要性が高くなるように前記呼出必要性を決定する請求項7に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項9】
作業者の位置を示す作業者位置データを少なくとも含む操業データを取得する操業データ取得部と、
前記稼働状況と前記進捗状況とから、設備ごとの作業の必要性である作業必要性を決定する作業必要性決定部と
をさらに備え、
前記滞在必要性決定部は、前記作業者位置データと前記作業必要性とから前記滞在必要性を決定する請求項1に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項10】
前記作業必要性決定部は、前記進捗状況が遅れているほど前記作業必要性が高くなるように前記作業必要性を決定し、
前記滞在必要性決定部は、前記作業者位置データにより作業者が設備に滞在していることが示される場合に、前記作業必要性が高いほど前記滞在必要性が高くなるように前記滞在必要性を決定する請求項9に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項11】
前記呼出必要性と前記滞在必要性とから、作業者と設備との組み合わせごとの作業者が設備に移動する必要性である移動必要性を決定する移動必要性決定部をさらに備え、
前記提案移動先決定部は、前記移動必要性を用いて前記提案移動先を決定する請求項1に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項12】
前記移動必要性決定部は、前記呼出必要性が高いほど、又は前記滞在必要性が低いほど、前記移動必要性が高くなるように前記移動必要性を決定する請求項11に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項13】
前記提案移動先を作業者に提示する提示部をさらに備える請求項1に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項14】
前記提案移動先の確認が必要なタイミングで、確認が必要な作業者に当該提案移動先を確認するよう通知する通知部をさらに備え、
前記提示部は、作業者からの要求に応じて前記提案移動先を提示する請求項13に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項15】
前記提示部は、作業者ごとのその作業者による対応が必要な設備の数である要対応設備数をさらに提示する請求項13に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項16】
前記提示部は、設備ごとのその設備への移動が可能な作業者の数である対応可能作業者数をさらに提示する請求項13に記載の作業者移動先提案システム。
【請求項17】
コンピュータが、設備ごとの稼働状況を特定するステップと、
コンピュータが、設備ごとの進捗状況を特定するステップと、
コンピュータが、前記稼働状況と前記進捗状況とから、作業者を設備に呼び出す必要性であり、且つ設備の優先度でもある呼出必要性を、設備ごとに決定するステップと、
コンピュータが、前記稼働状況と前記進捗状況とから、作業者が設備に滞在する必要性であり、且つ作業者の優先度でもある滞在必要性を、作業者ごとに決定する、ステップと、
コンピュータが、前記呼出必要性と前記滞在必要性とから、作業者に提案する移動先設備である提案移動先を決定するステップと、
を含む作業者移動先提案方法。
【請求項18】
コンピュータに
設備ごとの稼働状況を特定する機能と、
設備ごとの進捗状況を特定する機能と、
前記稼働状況と前記進捗状況とから、作業者を設備に呼び出す必要性であり、且つ設備の優先度でもある呼出必要性を、設備ごとに決定する機能と、
前記稼働状況と前記進捗状況とから、作業者が設備に滞在する必要性であり、且つ作業者の優先度でもある滞在必要性を、作業者ごとに決定する機能と、
前記呼出必要性と前記滞在必要性とから、作業者に提案する移動先の設備である提案移動先を決定する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者移動先提案システム、作業者移動先提案方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、生産状態の種類を取り出す際に用いられた分類因子としての人員の所在位置を取得し、取り出された生産状態の種類が変化した場合に、通信信号を生成し、変化した時点から直ちに、または、変化した時点から所定の時間の経過後に、通信信号を送信し、通信信号は、取り出された生産状態の種類が変化した場合に取得された人員の所在位置をさらに収容する、生産状態管理装置が記載されている。
特許文献2には、設備の稼働スケジュールと、設備の稼働状況とに基づいて、設備の稼働の予実の乖離度を判定し、ディスプレイが、設備と作業者との関係を示す画像を表示し、予実乖離が発生した場合の作業者呼び出し機能を提供し、作業者呼び出し機能は、設備について予実乖離が発生した場合に、設備の作業支援を行う作業者に通知を行う機能である、演算装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-79512号公報
【特許文献2】特許6789873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、設備の自動化が進んだ工場では、一人の作業者が複数の設備を掛け持ちしまた一つの設備に複数の担当者が存在するという、設備と作業者が多対多の関係を持つ場合があり、複数の設備が同時に作業者呼び出しを必要とする場合がある。そのため、ある設備で呼び出しが必要となった場合にどの作業者を優先して呼び出すか、ある作業者が複数の設備から同時に呼び出された場合にどの設備を優先して移動するべきかを、設備や作業者の状況を考慮して決定する必要がある。
しかしながら、設備および作業者の優先度を考慮して作業者に提案する移動先設備を決定する機能を有しない構成では、このような決定を行えないので、設備および作業者の優先度を考慮して作業者に移動先設備を提案することができない。
【0005】
本発明の目的は、設備および作業者の優先度を考慮して作業者に移動先設備を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、設備ごとの稼働状況を特定する稼働状況特定部と、設備ごとの進捗状況を特定する進捗状況特定部と、稼働状況と進捗状況とから、作業者を設備に呼び出す必要性であり、且つ設備の優先度でもある呼出必要性を、設備ごとに決定する呼出必要性決定部と、稼働状況と進捗状況とから、作業者が設備に滞在する必要性であり、且つ作業者の優先度でもある滞在必要性を、作業者ごとに決定する滞在必要性決定部と、呼出必要性と滞在必要性とから、作業者に提案する移動先の設備である提案移動先を決定する提案移動先決定部と、を備える作業者移動先提案システムを提供する。
設備の稼働状態を示す設備稼働データと作業者の位置を示す作業者位置データとを少なくとも含む操業データを取得する操業データ取得部をさらに備え、稼働状況特定部は、設備稼働データと作業者位置データとから稼働状況を特定する、ものであってよい。
設備における工程の予実を示す工程データを少なくとも含む操業データを取得する操業データ取得部をさらに備え、進捗状況特定部は、工程データから進捗状況を特定する、ものであってよい。
呼出必要性決定部は、稼働状況により作業者が設備に滞在していないことが示される場合に、進捗状況が遅れているほど呼出必要性が高くなるように呼出必要性を決定する、ものであってよい。
滞在必要性決定部は、稼働状況により作業者が設備に滞在していることが示される場合に、進捗状況が遅れているほど滞在必要性が高くなるように滞在必要性を決定する、ものであってよい。
提案移動先決定部は、呼出必要性が高い設備ほど、又は滞在必要性が低い作業者ほど優先して、作業者を設備へ移動させるための提案移動先を決定する、ものであってよい。
作業者移動先提案システムは、作業者の位置を示す作業者位置データを少なくとも含む操業データを取得する操業データ取得部と、稼働状況と進捗状況とから、設備ごとの作業の必要性である作業必要性を決定する作業必要性決定部とをさらに備え、呼出必要性決定部は、作業者位置データと作業必要性とから呼出必要性を決定する、ものであってよい。その場合、作業必要性決定部は、進捗状況が遅れているほど作業必要性が高くなるように作業必要性を決定し、呼出必要性決定部は、作業者位置データにより作業者が設備に滞在していないことが示される場合に、作業必要性が高いほど呼出必要性が高くなるように呼出必要性を決定する、ものであってよい。
作業者移動先提案システムは、作業者の位置を示す作業者位置データを少なくとも含む操業データを取得する操業データ取得部と、稼働状況と進捗状況とから、設備ごとの作業の必要性である作業必要性を決定する作業必要性決定部とをさらに備え、滞在必要性決定部は、作業者位置データと作業必要性とから滞在必要性を決定する、ものであってよい。その場合、作業必要性決定部は、進捗状況が遅れているほど作業必要性が高くなるように作業必要性を決定し、滞在必要性決定部は、作業者位置データにより作業者が設備に滞在していることが示される場合に、作業必要性が高いほど滞在必要性が高くなるように滞在必要性を決定する、ものであってよい。
作業者移動先提案システムは、呼出必要性と滞在必要性とから、作業者と設備との組み合わせごとの作業者が設備に移動する必要性である移動必要性を決定する移動必要性決定部をさらに備え、提案移動先決定部は、移動必要性を用いて提案移動先を決定する、ものであってよい。その場合、移動必要性決定部は、呼出必要性が高いほど、又は滞在必要性が低いほど、移動必要性が高くなるように移動必要性を決定する、ものであってよい。
作業者移動先提案システムは、提案移動先を作業者に提示する提示部をさらに備える、ものであってよい。その場合、作業者移動先提案システムは、提案移動先の確認が必要なタイミングで、確認が必要な作業者に提案移動先を確認するよう通知する通知部をさらに備え、提示部は、作業者からの要求に応じて提案移動先を提示する、ものであってよい。提示部は、作業者ごとのその作業者による対応が必要な設備の数である要対応設備数をさらに提示する、ものであってもよく、設備ごとのその設備への移動が可能な作業者の数である対応可能作業者数をさらに提示する、ものであってもよい。
【0007】
また、本発明は、コンピュータが、設備ごとの稼働状況を特定するステップと、コンピュータが、設備ごとの進捗状況を特定するステップと、コンピュータが、稼働状況と進捗状況とから、作業者を設備に呼び出す必要性であり、且つ設備の優先度でもある呼出必要性を、設備ごとに決定するステップと、コンピュータが、稼働状況と進捗状況とから、作業者が設備に滞在する必要性であり、且つ作業者の優先度でもある滞在必要性を、作業者ごとに決定する、ステップと、コンピュータが、呼出必要性と滞在必要性とから、作業者に提案する移動先設備である提案移動先を決定するステップと、を含む作業者移動先提案方法も提供する。
【0008】
さらに、本発明は、コンピュータに設備ごとの稼働状況を特定する機能と、設備ごとの進捗状況を特定する機能と、稼働状況と進捗状況とから、作業者を設備に呼び出す必要性であり、且つ設備の優先度でもある呼出必要性を、設備ごとに決定する機能と、稼働状況と進捗状況とから、作業者が設備に滞在する必要性であり、且つ作業者の優先度でもある滞在必要性を、作業者ごとに決定する機能と、呼出必要性と滞在必要性とから、作業者に提案する移動先の設備である提案移動先を決定する機能と、を実現させるためのプログラムも提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、設備および作業者の優先度を考慮して作業者に移動先設備を提案することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態における作業者移動先提案システムの全体構成例を示す図である。
図2】本実施の形態における作業者移動先提案システムを構成する作業者移動先提案装置および作業者端末のハードウェア構成例を示す図である。
図3】本実施の形態における作業者移動先提案システムが対象とする工場の例を示す図である。
図4】本実施の形態における作業者移動先提案システムを構成する作業者移動先提案装置および作業者端末の機能構成例を示すブロック図である。
図5-1】担当設備マスタの一例を示す図である。
図5-2】稼働状況マスタの一例を示す図である。
図5-3】遅れ閾値マスタの一例を示す図である。
図5-4】作業必要性マスタの一例を示す図である。
図5-5】呼出必要性マスタの一例を示す図である。
図5-6】滞在必要性マスタの一例を示す図である。
図5-7】移動必要性マスタの一例を示す図である。
図5-8】呼出必要性閾値の一例を示す図である。
図5-9】移動必要性閾値の一例を示す図である。
図5-10】通知判定マスタの一例を示す図である。
図6-1】設備稼働データの一例を示す図である。
図6-2】作業者位置データの一例を示す図である。
図6-3】工程データの一例を示す図である。
図6-4】現在時刻の一例を示す図である。
図6-5】前回稼働状況データの一例を示す図である。
図6-6】前回稼働状況データの更新後の例を示す図である。
図6-7】作業者データの一例を示す図である。
図6-8】作業者データの提案移動先決定前の例を示す図である。
図6-9】作業者データの提案移動先決定途中の例を示す図である。
図6-10】作業者データの提案移動先決定途中の例を示す図である。
図6-11】設備データの一例を示す図である。
図6-12】非滞在担当設備データの一例を示す図である。
図6-13】設備情報の一例を示す図である。
図6-14】担当者情報の一例を示す図である。
図6-15】提案移動先情報の一例を示す図である。
図6-16】滞在設備情報の一例を示す図である。
図6-17】非滞在担当設備情報の一例を示す図である。
図7】工程の進捗状況のパターンに応じた遅れの算出方法の一例を示す図である。
図8】本実施の形態における作業者移動先提案システムによる解析結果の一例を示す図である。
図9】設備名が指定された場合に作業者端末に表示される画面の一例を示す図である。
図10】作業者名が指定された場合に作業者端末に表示される画面の一例を示す図である。
図11】本実施の形態における作業者移動先提案装置の動作例を示すフローチャートである。
図12】提案移動先決定処理の流れを示すフローチャートである。
図13】本実施の形態における作業者端末の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
[作業者移動先提案システムの全体構成]
図1は、本実施の形態における作業者移動先提案システム1の全体構成例を示す図である。図示するように、作業者移動先提案システム1は、作業者移動先提案装置10と、作業者端末20とを備えている。作業者移動先提案装置10および作業者端末20は、インターネット(ワイドエリアネットワーク)等の通信ネットワークに接続されており、相互にデータ通信が可能である。
【0013】
作業者移動先提案装置10は、操業データを取得し、これと予め自装置内に記憶しているマスタデータとから、後述する処理を行い、その処理結果を作業者端末20へ送信する。作業者移動先提案装置10は、例えばサーバ型コンピュータ等のコンピュータである。
【0014】
作業者端末20は、作業者移動先提案装置10から処理結果を受信し、この処理結果から表示用データを抽出し、この表示用データを画面に表示する。作業者端末20は、例えばデスクトップ型コンピュータ、ノートブック型等コンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯情報端末等であってよい。作業者端末20の数は1つに限らず、2つ以上であってもよい。
【0015】
[作業者移動先提案システムのハードウェア構成]
図2は、本実施の形態における作業者移動先提案システム1を構成する作業者移動先提案装置10および作業者端末20のハードウェア構成例を示す図である。作業者移動先提案装置10および作業者端末20のハードウェア構成例は同様なので、ここでは作業者移動先提案装置10のハードウェア構成例で代表させて説明する。
【0016】
図示するように、作業者移動先提案装置10は、演算手段であるCPU11と、記憶手段であるメインメモリ12および磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)13とを備える。ここで、CPU11は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行し、作業者移動先提案装置10の各機能を実現する。また、メインメモリ12は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域である。そして、HDD13は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
【0017】
また、作業者移動先提案装置10は、外部との通信を行うための通信I/F14と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構15と、キーボードやマウス等の入力デバイス16と、記憶媒体に対してデータの読み書きを行うためのドライバ17とを備える。なお、図2は、作業者移動先提案装置10をコンピュータシステムにて実現した場合のハードウェア構成を例示するに過ぎず、作業者移動先提案装置10は図示の構成に限定されない。
【0018】
[作業者移動先提案システムの前提]
まず、本実施の形態における作業者移動先提案システム1が対象とする工場について説明する。対象とする工場の例を図3に示す。なお日時は2020/4/1 13:00とする。
本工場には設備が4台、作業者が3名存在している。また同時刻において着手予定時刻を過ぎている未完了工程は5つ存在する。
【0019】
設備は稼働、停止、アラートのいずれかの稼働状態を取る。設備Aは停止、設備Bは稼働、設備Cはアラート、設備Dは停止の稼働状態を取っている。
【0020】
作業者は複数の設備を担当しており、設備を移動しながら各設備の工程を実施していく操業体制となっている。作業者1は担当設備Aで作業しており、他に設備Bを担当している。作業者2は担当設備Bで作業しており、他に設備Cを担当している。作業者3は非担当設備Cで作業しており、他に設備Dを担当している。
【0021】
工程には実施計画が与えられており、着手予定時刻、完了予定時刻、実施設備が設定されている。また作業実績が収集されており、前工程実績完了時刻、実績着手時刻、実績完了時刻が記録されている。工程aは設備Aで実施され、2020/4/1 12:00に着手予定であり前工程が完了しているため着手可能であるが、未だ着手されていないとする。工程bは設備Bで実施され、2020/4/1 9:00に完了予定であり着手済みであるが、未完了であるとする。工程cは設備Cで実施され、2020/4/1 12:00に着手予定であるが、前工程が完了していないため未着手とする。工程dは設備Cで実施され、2020/3/31 12:00に着手予定であり、計画通りに着手しているとする。工程eは設備Dで実施され、2020/4/1 12:00に完了予定であり着手済みであるが、未完了であるとする。
【0022】
[作業者移動先提案システムの機能構成]
図4は、本実施の形態における作業者移動先提案システム1を構成する作業者移動先提案装置10および作業者端末20の機能構成例を示すブロック図である。
図示するように、作業者移動先提案装置10は、マスタデータ記憶部300と、操業データ取得部301と、処理用データ生成部302とを備える。また、作業者移動先提案装置10は、稼働状況付与部303と、進捗状況付与部304と、作業必要性付与部305と、呼出必要性付与部306と、滞在必要性付与部307と、移動必要性付与部308と、提案移動先決定部309と、通知判定部310とを備える。さらに、作業者移動先提案装置10は、通知部311と、データ送信部314とを備える。
作業者端末20は、通知受信部312と、解析結果取得部313と、画面表示部315とを備える。
なお、以下では、マスタデータ記憶部300~画面表示部315をそれぞれ、機能ブロック300~315と称することもあるものとする。
【0023】
(マスタデータ記憶部)
マスタデータ記憶部300は、機能ブロック302~310の処理に用いるマスタデータを保持する。
マスタデータは担当設備マスタ(図5-1)、稼働状況マスタ(図5-2)、遅れ閾値マスタ(図5-3)、作業必要性マスタ(図5-4)、呼出必要性マスタ(図5-5)、滞在必要性マスタ(図5-6)、移動必要性マスタ(図5-7)、呼出必要性閾値(図5-8)、移動必要性閾値(図5-9)、通知判定マスタ(図5-10)で構成される。
【0024】
担当設備マスタ(図5-1)は設備と担当作業者の組み合わせが設定されたマスタデータである。担当設備マスタ(図5-1)はデータ項目として担当者名、担当設備名を有する。担当者名および担当設備名は担当設備マスタの主キーである。
例えば作業者1は設備Aと設備Bを担当している。
【0025】
稼働状況マスタ(図5-2)は設備における稼働状態とその設備の担当作業者の滞在状況の組み合わせに対する稼働状況が設定されたマスタデータである。稼働状況マスタ(図5-2)はデータ項目として稼働状態、担当者有無、稼働状況を有する。稼働状態は稼働状況マスタの主キーであり、担当者有無はその設備に担当者が滞在しているかどうかのラベルであり、稼働状況はその設備の稼働状況のラベルである。
例えば稼働状態が稼働で担当者有無が有であれば、稼働状況は加工となる。
マスタデータは対象工場個別の特性に応じて設定すればよいが、図5-2の場合、稼働状況から担当作業者の有無が判別できるように設定している。
【0026】
遅れ閾値マスタ(図5-3)は設備における計画からの遅れの大きさとその遅れのランクの対応が設定されたマスタデータである。遅れ閾値マスタ(図5-3)はデータ項目として設備遅れ[分]、設備遅れを有する。設備遅れ[分]は設備の遅れ時間の閾値であり、設備遅れは設備の遅れ時間のランクである。もし遅れの大きさが定義以上であれば、最大ランクの一つ上のランクとする。
例えば設備遅れ[分]が60の設備であれば、0~180の範囲であるため設備遅れは1となる。
例えば設備遅れ[分]が500であれば、360以上であるため設備遅れは3となる。
【0027】
作業必要性マスタ(図5-4)は設備における稼働状況と設備遅れの組み合わせに対する、その設備での作業の必要性が設定されたマスタデータである。作業必要性マスタ(図5-4)はデータ項目として稼働状況、設備遅れ、作業必要性を有する。稼働状況および設備遅れは作業必要性マスタの主キーであり、作業必要性は作業の必要性のランクである。
例えば稼働状況が加工で設備遅れが0であれば、作業必要性は5となる。
マスタデータは対象工場個別の特性に応じて設定すればよいが、図5-4の場合、人による作業が必要な稼働状況であるほど、また遅れが大きい程、作業必要性のランクが大きくなるように設定している。これにより設備での人による作業の必要性を設備間で比較することが出来るようになっている。
【0028】
呼出必要性マスタ(図5-5)は設備における稼働状況と作業必要性の組み合わせに対する、その設備での作業者の呼出の必要性のランクが設定されたマスタデータである。呼出必要性マスタ(図5-5)はデータ項目として稼働状況、作業必要性、呼出必要性を有する。稼働状況および作業必要性は呼出必要性マスタの主キーであり、呼出必要性は作業者を設備に呼び出す必要性のランクである。呼出が必要かどうかは呼出必要性閾値(図5-8)により判定される(後述)。
例えば稼働状況が加工で作業必要性が5なら、呼出必要性は0となる。
マスタデータは対象工場個別の特性に応じて設定すればよいが、図5-5の場合、担当作業者が設備に居れば呼出必要性を0に、担当作業者が設備に居なければ呼出必要性は作業必要性と同じランクとなるように設定している。担当作業者が設備に居るかどうかは稼働状況から分かる。なお、呼出必要性は、呼び出した上でその作業者がその設備で作業する必要性を意味するため、作業必要性と同じランクとしている。
【0029】
滞在必要性マスタ(図5-6)は設備における稼働状況と作業必要性の組み合わせに対する、その設備での作業者の滞在の必要性のランクが設定されたマスタデータである。滞在必要性マスタ(図5-6)はデータ項目として稼働状況、作業必要性、滞在必要性を有する。稼働状況および作業必要性は滞在必要性マスタの主キーであり、滞在必要性は作業者が現在滞在中の設備に滞在する必要性のランクである。
例えば稼働状況が加工で作業必要性が5なら、滞在必要性は5となる。
マスタデータは対象工場個別の特性に応じて設定すればよいが、図5-6の場合、担当作業者が設備に居なければ滞在必要性を0に、担当作業者が設備に居れば滞在必要性は作業必要性と同じランクとなるように設定している。担当作業者が設備に居るかどうかは稼働状況から分かる。なお、滞在必要性は、作業者が現在の設備に滞在して作業する必要性を意味するため、作業必要性と同じランクとしている。
【0030】
移動必要性マスタ(図5-7)は作業者が現在滞在している設備の滞在必要性と、他の担当設備の呼出必要性の組み合わせに対する、他の担当設備への移動の必要性のランクが設定されたマスタデータである。移動必要性マスタ(図5-7)はデータ項目として滞在必要性、呼出必要性、移動必要性を有する。滞在必要性および呼出必要性は移動必要性マスタの主キーであり、移動必要性は作業者が他の設備に移動する必要性のランクである。移動が必要かどうかは移動必要性閾値(図5-9)により判定される(後述)。
例えば滞在必要性が0であり呼出必要性が0であれば、移動必要性は0となる。
マスタデータは対象工場個別の特性に応じて設定すればよいが、図5-7の場合、呼出必要性-滞在必要性が0以下であれば移動必要性0に、そうでなければ移動必要性=呼出必要性-滞在必要性となるように設定している。なお、移動必要性は、作業者が滞在設備で作業する必要性より他の設備で作業する必要性が高ければ大きくなるように設定する。そのため本例では呼出必要性と滞在必要性のランクの差を用いている。
【0031】
呼出必要性閾値(図5-8)は、呼出必要性のランクに対して実際に呼び出す必要があるかを区別するための閾値である。つまり、呼出必要性閾値は呼出必要性を有効とする閾値である。
例えば呼出必要性が6であれば閾値の5以上であるため呼出の必要性があると判定し、呼出必要性が4以下であれば必要性なしと判定する。
【0032】
移動必要性閾値(図5-9)は、移動必要性のランクに対して実際に移動する必要があるかを区別するための閾値である。つまり、移動必要性閾値は移動必要性を有効とする閾値である。
例えば移動必要性が3であれば閾値の2以上であるため移動の必要性があると判定し、1以下であれば必要性なしと判定する。
【0033】
通知判定マスタ(図5-10)は、設備の稼働状況の変化に対し、作業者への移動先提案の通知を行うかの判定を行うマスタデータである。通知判定マスタ(図5-10)はデータ項目として稼働状況、前回稼働状況、通知FLGを有する。稼働状況および前回稼働状況は通知判定マスタの主キーであり、通知FLGは通知を行う場合は1、行わない場合は0である。本実施の形態は提案移動先の解析(機能ブロック301~312)を例えば毎分繰り返し行うが、その前回解析時の稼働状況が前回稼働状況データ(図6-5)に記録されており、その前回稼働状況と現在の稼働状況を比べ変化に応じて通知の有無を決定する。
例えば前回稼働状況が自動加工で稼働状況がアラート対応待ちの場合通知すると判定する(通知FLG=1)。
マスタデータは対象工場個別の特性に応じて設定すればよいが、図5-10の場合、稼働状況がアラート対応およびアラート対応待ち以外からアラート対応待ちに変化した場合に通知すると設定している。
【0034】
(操業データ取得部)
操業データ取得部301は、一分おきなど定期的に操業データを取得する。操業データ取得部301は、操業データを例えば工場から取得し記憶する。
操業データは設備稼働データ(図6-1)、作業者位置データ(図6-2)、工程データ(図6-3)、現在時刻(図6-4)で構成される。
【0035】
設備稼働データ(図6-1)は設備ごとの稼働状態のデータテーブルである。設備稼働データ(図6-1)はデータ項目として設備名、稼働状態を有する。設備名は設備のIDで設備稼働データの主キーであり、稼働状態はその時刻の設備の稼働状態のラベルである。設備稼働データ(図6-1)において設備が取り得る稼働状態には稼働、停止、アラートがある。稼働は設備が稼働している状態であり、停止は設備が停止している状態であり、アラートは設備が異常停止している状態である。
【0036】
作業者位置データ(図6-2)は作業者ごとの現在地のデータテーブルである。作業者位置データ(図6-2)はデータ項目として作業者名、滞在設備名を有する。作業者名は作業者のIDで作業者位置データの主キーであり、滞在設備名はその時刻の作業者の滞在設備である。なお、滞在設備名は、どのような方法で求めてもよい。例えば、工場内の設備を含む領域ごとに設置された発信器から受信した信号に基づいて求めてもよいし、工場内の設備を含む領域ごとに設置されたカメラが撮像した画像を解析することにより求めてもよい。あるいは、工場内の設備を含む領域に入退室する際の個人識別情報の読み取り結果から求めてもよい。
【0037】
工程データ(図6-3)は工程の計画と実績のデータテーブルである。工程データ(図6-3)はデータ項目として工程名、着手予定時刻、完了予定時刻、設備名、前工程実績完了時刻、実績着手時刻、実績完了時刻を有する。工程名は工程のIDで工程データの主キーであり、着手予定時刻はその工程の作業開始予定時刻であり、完了予定時刻はその工程の作業完了予定時刻であり、設備名はその工程の作業予定設備である。前工程実績完了時刻はその部品の一つ前の工程の作業完了実績時刻であり、実績着手時刻はその工程の作業開始実績時刻であり、実績完了時刻はその工程の作業完了実績時刻である。
【0038】
現在時刻(図6-4)は解析対象となる時刻である。本実施の形態では、現在時刻を2020/4/1 13:00としている。
【0039】
操業データ取得部301は、設備の稼働状態を示す設備稼働データ、作業者の位置を示す作業者位置データ、設備における工程の予実を示す工程データのいずれか1つまたは2つを、少なくとも含む操業データを取得する、操業データ取得部の一例である。
【0040】
(処理用データ生成部)
処理用データ生成部302は、操業データ取得部301で取得したデータを元に、機能ブロック303~310で用いる処理用データを生成、保持、更新する。
処理用データは前回稼働状況データ(図6-5)、作業者データ(図6-7)、設備データ(図6-11)、非滞在担当設備データ(図6-12)で構成される。
【0041】
前回稼働状況データ(図6-5)は前回の解析時の稼働状況を保持したデータテーブルである。前回稼働状況データ(図6-5)はデータ項目として設備名、前回稼働状況を有する。設備名は前回稼働状況データの主キーであり、前回稼働状況は前回の解析時の稼働状況である。本実施の形態は機能ブロック301~312の解析を例えば毎分繰り返すが、前回稼働状況データ(図6-5)は前回の解析時に作成されている。
【0042】
作業者データ(図6-7)は作業者を主キーとした解析用データテーブルである。作業者データ(図6-7)はデータ項目として作業者名、滞在設備名、要対応設備数、滞在必要性、提案移動先を有する。作業者名は作業者データの主キーであり、滞在設備名はその作業者が滞在している設備である。要対応設備数はその作業者の担当設備の内、呼出必要性が呼出必要性閾値以上の設備の件数であり、滞在必要性は滞在している設備への滞在必要性のランクであり、提案移動先は提案する移動先設備である。
【0043】
設備データ(図6-11)は設備を主キーとした解析用データテーブルである。設備データ(図6-11)はデータ項目として設備名、稼働状態、稼働状況、設備遅れ[分]、設備遅れ、作業必要性、呼出必要性、滞在必要性、対応可能作業者数、通知FLGを有する。設備名は設備データの主キーであり、稼働状態は稼働状態のラベルであり、稼働状況は稼働状況のラベルであり、設備遅れ[分]はその設備に計画された工程の遅れ時間の合計であり、設備遅れは設備の遅れのランクである。作業必要性は作業の必要性のランクであり、呼出必要性は呼出必要性のランクであり、滞在必要性は滞在必要性のランクであり、対応可能作業者数はその設備に移動可能な作業者数であり、通知FLGは通知するかどうかを示すフラグである。
【0044】
非滞在担当設備データ(図6-12)は設備と作業者を主キーとした解析用データテーブルである。非滞在担当設備データ(図6-12)はデータ項目として担当作業者名、非滞在担当設備名、呼出必要性、滞在設備名、滞在必要性、移動必要性、要対応設備数を有する。担当作業者名および非滞在担当設備名は非滞在担当設備データの主キーであり、呼出必要性は非滞在担当設備の呼出必要性であり、滞在設備名はその作業者が滞在している設備である。滞在必要性は滞在設備の滞在必要性のランクであり、移動必要性は非滞在担当設備への移動必要性のランクであり、要対応設備数はその作業者の担当設備の内、呼出必要性が呼出必要性閾値以上の設備の件数である。
【0045】
作業者データ(図6-7)、設備データ(図6-11)、非滞在担当設備データ(図6-12)は処理用データ生成部302で生成される。入力データは設備稼働データ(図6-1)、作業者位置データ(図6-2)、担当設備マスタ(図5-1)である。
【0046】
以下に処理用データ生成の流れを記す。
作業者データ(図6-7)は作業者位置データ(図6-2)より生成される。なお生成時は作業者名と滞在設備名のみデータが格納されており、解析が進むにつれ他データが追加で格納されていく。追加格納の流れは機能ブロック307~309で述べる。
例えば作業者1の滞在設備名は設備Aである。
【0047】
設備データ(図6-11)は設備稼働データ(図6-1)より生成される。なお生成時は設備名と稼働状態のみデータが格納されており、解析が進むにつれ他データが追加で格納されていく。追加格納の流れは機能ブロック303~310で述べる。
例えば設備Aの稼働状態は停止である。
【0048】
非滞在担当設備データ(図6-12)は作業者位置データ(図6-2)と担当設備マスタ(図5-1)から作業者毎の非滞在担当設備を抽出し生成される。なお生成時は担当作業者名と非滞在担当設備名のみデータが格納されており、解析が進むにつれ他データが追加で格納されていく。追加格納の流れは機能ブロック307~309で述べる。
例えば作業者1の非滞在担当設備は設備Bのみである。
【0049】
(稼働状況付与部)
稼働状況付与部303は、設備の稼働状態と作業者の位置情報の組み合わせから、設備ごとの稼働状況をラベリングする。入力データは作業者データ(図6-7)、設備データ(図6-11)、担当設備マスタ(図5-1)、稼働状況マスタ(図5-2)である。
【0050】
以下に処理の流れを記す。
稼働状況付与部303は、設備ごとに稼働状況をラベリングする。
具体的には、稼働状況付与部303は、設備データ(図6-11)の各設備について、作業者データ(図6-7)および担当設備マスタ(図5-1)を参照して担当作業者の滞在の有無を確認する。
例えば設備Aの場合、作業者データ(図6-7)において設備Aに滞在している作業者は作業者1である。担当設備マスタ(図5-1)に作業者1と設備Aの組み合わせが存在する(作業者1は設備Aを担当している)ため、設備Aは担当作業者が滞在していると分かる。
また、稼働状況付与部303は、担当作業者の滞在の有無と稼働状態との組み合わせから稼働状況をラベリングし、設備データ(図6-11)の稼働状況に格納する。この際、組み合わせに対する稼働状況は稼働状況マスタ(図5-2)を参照する。なお稼働状況には、自動加工、加工、操作待ち、人待ち、アラート対応中、アラート対応待ちがある。自動加工は、設備が自動で稼働しており、担当作業者が滞在せずとも工程が進捗する状態である。加工は、担当作業者が設備にて加工作業を行っている状態である。操作待ちは、担当作業者が設備に滞在しているが設備が停止している状態である。人待ちは、担当作業者が滞在しておらず設備が停止している状態である。アラート対応中は、設備がアラートを発して停止しており、担当作業者が対応している状態である。アラート対応待ちは、設備がアラートを発して停止しており、担当作業者による対応を待っている状態である。
例えば設備Aについて、稼働状態は停止であり、作業者1が滞在しているため、稼働状況は操作待ちとラベリングされる。
上記処理により設備の状態と作業者位置の組み合わせから稼働状況を分類することが出来る。
【0051】
稼働状況付与部303は、設備ごとの稼働状況を特定する、稼働状況特定部の一例であり、設備稼働データと、作業者位置データとから、稼働状況を特定する、稼働状況特定部の一例である。
【0052】
(進捗状況付与部)
進捗状況付与部304は、工程の進捗状況から、設備ごとの作業進捗状況をランク付けする。入力データは設備データ(図6-11)、工程データ(図6-3)、遅れ閾値マスタ(図5-3)、現在時刻(図6-4)である。
【0053】
以下に処理の流れを記す。
進捗状況付与部304は、まず前処理として工程ごとの進捗状況を算出する。
具体的には、進捗状況付与部304は、工程データ(図6-3)の各工程について、計画からの実績の遅れ時間の長さを算出する。この際、図7に示すように工程の進捗状況のパターンに応じて遅れの算出方法はそれぞれ異なる。
パターン1のように、前工程が未完了(前工程完了時刻が空欄)の場合、遅れ無しとする。これにより、着手不能の工程を除外して設備の直近の遅れを算出できるようになる。例えば図6-3の工程cがこのパターンに当てはまり、遅れ時間=0分と算出される。
パターン2のように、パターン1以外で着手予定時刻を超えても着手されていない場合、現在時刻-着手予定時刻を遅れ時間とする。例えば図6-3の工程aがこのパターンに当てはまり、遅れ時間=60分と算出される。
パターン3のように、着手されており、現在時刻-完了予定時刻が実績着手時刻-着手予定時刻より大きい場合、現在時刻-完了予定時刻を遅れ時間とする。例えば図6-3の工程bがこのパターンに当てはまり、遅れ時間=240分と算出される。
パターン4のように、着手されており、現在時刻-完了予定時刻より実績着手時刻-着手予定時刻が大きい場合、実績着手時刻-着手予定時刻を遅れ時間とする。例えば図6-3の工程eがこのパターンに当てはまり、遅れ時間=120分と算出される。
パターン5のように、着手に遅れがなく、完了予定時刻を過ぎていない場合、遅れ無しとする。例えば図6-3の工程dがこのパターンに当てはまり、遅れ時間=0分と算出される。
なお遅れ時間が負の値となる場合は遅れ時間=0分とする。
【0054】
次に進捗状況付与部304は、設備ごとの進捗状況を算出する。
具体的には、進捗状況付与部304は、設備データ(図6-11)の各設備について、工程の遅れ時間を集計し設備の遅れ時間(設備遅れ[分])を算出し、設備データ(図6-11)の設備遅れ[分]に格納する。
例えば設備Cの場合、工程c、dが割付けられているため、設備Cの遅れ時間[分]は工程c、dの遅れ時間を合計して0分となる。
【0055】
次に進捗状況付与部304は、設備ごとの進捗状況をランク付けする。
具体的には、進捗状況付与部304は、設備データ(図6-11)の各設備の設備遅れ[分]について、遅れ閾値マスタ(図5-3)を参照し設備遅れをランク付けし、設備データ(図6-11)の設備遅れに格納する。なお、もし設備遅れ[分]の大きさが遅れ閾値マスタ(図5-3)の定義以上であれば、最大ランクの一つ上のランクとする。
例えば設備Aの設備遅れ[分]は60であるため、0~180の範囲であることから、設備遅れは1となる。
上記処理により設備ごとの進捗状況を定量化し比較することが出来るようになる。
【0056】
進捗状況付与部304は、設備ごとの進捗状況を特定する、進捗状況特定部の一例であり、工程データから、進捗状況を特定する、進捗状況特定部の一例である。
【0057】
(作業必要性付与部)
作業必要性付与部305は、稼働状況と進捗状況の組み合わせから、設備ごとの作業の必要性をランク付けする。入力データは設備データ(図6-11)、作業必要性マスタ(図5-4)である。
【0058】
以下に処理の流れを記す。
作業必要性付与部305は、設備ごとの作業の必要性をランク付けする。
具体的には、作業必要性付与部305は、設備データ(図6-11)の各設備について、稼働状況と設備遅れの組み合わせから作業必要性マスタ(図5-4)を参照して作業の必要性をランク付けし、設備データ(図6-11)の作業必要性に格納する。
例えば設備Aについて、稼働状況は操作待ちであり、設備遅れは1であるため、作業必要性は6とランク付けされる。
上記処理により稼働状況と進捗状況の組み合わせを考慮して、設備ごとの作業の必要性を定量化し比較することが出来るようになる。
【0059】
作業必要性付与部305は、稼働状況と、進捗状況とから、設備ごとの作業の必要性である、作業必要性を決定する、作業必要性決定部の一例であり、進捗状況が遅れているほど作業必要性が高くなるように、作業必要性を決定する、作業必要性決定部の一例である。
【0060】
(呼出必要性付与部)
呼出必要性付与部306は、作業必要性と作業者の位置情報の組み合わせから、設備ごとの作業者呼出の必要性をランク付けする。入力データは設備データ(図6-11)、呼出必要性マスタ(図5-5)である。
【0061】
以下に処理の流れを記す。
呼出必要性付与部306は、設備ごとの作業者呼出の必要性をランク付けする。
具体的には、呼出必要性付与部306は、設備データ(図6-11)の各設備について、稼働状況と作業必要性の組み合わせから呼出必要性マスタ(図5-5)を参照して作業者を呼び出す必要性をランク付けし、設備データ(図6-11)の呼出必要性に格納する。
例えば設備Aについて、稼働状況は操作待ちであり、作業必要性は6であるため、呼出必要性は0とランク付けされる。
上記処理により設備ごとの作業必要性と作業者の位置を考慮して、設備が作業者を呼び出す必要性を定量化し比較することが出来るようになる。
【0062】
呼出必要性付与部306は、稼働状況と、進捗状況とから、作業者を設備に呼び出す必要性であり、設備の優先度でもある、呼出必要性を、設備ごとに決定する、呼出必要性決定部の一例であり、稼働状況により作業者が設備に滞在していないことが示される場合に、進捗状況が遅れているほど呼出必要性が高くなるように、呼出必要性を決定する、呼出必要性決定部の一例である。
また、呼出必要性付与部306は、作業者位置データと、作業必要性とから、呼出必要性を決定する、呼出必要性決定部の一例であり、作業者位置データにより作業者が設備に滞在していないことが示される場合に、作業必要性が高いほど呼出必要性が高くなるように、呼出必要性を決定する、呼出必要性決定部の一例である。
【0063】
(滞在必要性付与部)
滞在必要性付与部307は、作業必要性と作業者の位置情報の組み合わせから、作業者毎の滞在設備への滞在の必要性をランク付けする。入力データは作業者データ(図6-7)、設備データ(図6-11)、非滞在担当設備データ(図6-12)、担当設備マスタ(図5-1)、滞在必要性マスタ(図5-6)、呼出必要性閾値(図5-8)である。
【0064】
以下に処理の流れを記す。
滞在必要性付与部307は、まず呼出必要性を非滞在担当設備データ(図6-12)に連携する。
具体的には、滞在必要性付与部307は、非滞在担当設備データ(図6-12)の各非滞在担当設備名について、設備データ(図6-11)の設備名と紐付けて呼出必要性を取得し、非滞在担当設備データ(図6-12)の呼出必要性に転記する。
例えば設備データ(図6-11)の設備Bは設備データ(図6-11)において呼出必要性が0であるため、非滞在担当設備データ(図6-12)の作業者1の設備Bの呼出必要性も0となる。
【0065】
次に滞在必要性付与部307は、作業者ごとに非滞在担当設備からの要対応設備数をカウントし、作業者の移動の優先度とする。
具体的には、滞在必要性付与部307は、作業者データ(図6-7)の各作業者名について、非滞在担当設備データ(図6-12)を参照して非滞在担当設備の呼出必要性が呼出必要性閾値(図5-8)以上である非滞在担当設備数をカウントし、作業者データ(図6-7)の要対応設備数に格納する。
例えば作業者2の非滞在担当設備は設備Cのみであり、設備Cの呼出必要性が閾値以上であるため、要対応設備数は1となる。
【0066】
次に滞在必要性付与部307は、設備ごとの滞在必要性をランク付けする。
具体的には、滞在必要性付与部307は、設備データ(図6-11)の各設備の稼働状況と作業必要性の組み合わせから、滞在必要性マスタ(図5-6)を参照し作業者滞在の必要性をランク付けし、設備データ(図6-11)の滞在必要性に格納する。
例えば設備Aについて、稼働状況は操作待ちであり、作業必要性は6であるため、滞在必要性は6とランク付けされる。
【0067】
次に滞在必要性付与部307は、作業者毎の滞在必要性をランク付けする。
具体的には、滞在必要性付与部307は、作業者データ(図6-7)の各滞在設備名について設備データ(図6-11)の設備名と紐づけ、滞在必要性を作業者データ(図6-7)の滞在必要性に転記する。ただし一つの設備に複数の担当作業者が滞在している場合、要対応設備数が最も少ない一名のみ滞在必要性を転記し、それ以外の作業者は滞在必要性を0とする。また非担当設備に滞在している作業者はすべて滞在必要性を0とする。
例えば作業者データ(図6-7)より、作業者1の滞在設備は設備Aであり設備Aに他に滞在している作業者はいない。担当設備マスタ(図5-1)より作業者1は設備Aの担当作業者であるため、設備データ(図6-11)を参照して設備Aの滞在必要性6を作業者データ(図6-7)の作業者1の滞在必要性に転記し、作業者1の滞在必要性は6となる。
上記処理により作業者が現在地にとどまる必要性を定量化し比較することが出来るようになる。
【0068】
滞在必要性付与部307は、稼働状況と、進捗状況とから、作業者が設備に滞在する必要性であり、作業者の優先度でもある、滞在必要性を、作業者ごとに決定する、滞在必要性決定部の一例であり、稼働状況により作業者が設備に滞在していることが示される場合に、進捗状況が遅れているほど滞在必要性が高くなるように、滞在必要性を決定する、滞在必要性決定部の一例である。
また、滞在必要性付与部307は、作業者位置データと、作業必要性とから、滞在必要性を決定する、滞在必要性決定部の一例であり、作業者位置データにより作業者が設備に滞在していることが示される場合に、作業必要性が高いほど滞在必要性が高くなるように、滞在必要性を決定する、滞在必要性決定部の一例である。
【0069】
(移動必要性付与部)
移動必要性付与部308は、呼出必要性と滞在必要性の組み合わせから、作業者と設備の組み合わせ毎に、設備移動の必要性をランク付けする。入力データは作業者データ(図6-7)、非滞在担当設備データ(図6-12)、移動必要性マスタ(図5-7)である。
【0070】
以下に処理の流れを記す。
移動必要性付与部308は、まず滞在必要性を非滞在担当設備データ(図6-12)に連携する。
具体的には、移動必要性付与部308は、非滞在担当設備データ(図6-12)の各作業者名について、作業者データ(図6-7)の作業者名と紐付けて滞在設備名を取得し、非滞在担当設備データ(図6-12)の滞在設備名に転記する。
例えば作業者データ(図6-7)の作業者1の設備名は設備Aであるため、非滞在担当設備データ(図6-12)の作業者1の滞在設備名も設備Aとなる。
また、移動必要性付与部308は、非滞在担当設備データ(図6-12)の各作業者名について、作業者データ(図6-7)の作業者名と紐付けて滞在必要性を取得し、非滞在担当設備データ(図6-12)の滞在必要性に転記する。
例えば作業者データ(図6-7)の作業者1の滞在必要性は6であるため、非滞在担当設備データ(図6-12)の作業者1の滞在必要性も6となる。
【0071】
次に移動必要性付与部308は、各作業者の非滞在担当設備ごとに移動必要性をランク付けする。
具体的には、移動必要性付与部308は、非滞在担当設備データ(図6-12)の呼出必要性と滞在必要性の組み合わせから移動必要性マスタ(図5-7)を参照して設備移動の必要性をランク付けし、非滞在担当設備データ(図6-12)の移動必要性に格納する。
例えば作業者1と設備Bの組み合わせは、呼出必要性が0であり滞在必要性が6であるため、移動必要性は0となる。
上記処理により各作業者の各設備への移動の必要性を定量化し比較することが出来るようになる。
【0072】
移動必要性付与部308は、呼出必要性と、滞在必要性とから、作業者と設備との組み合わせごとの作業者が設備に移動する必要性である、移動必要性を決定する、移動必要性決定部の一例であり、呼出必要性が高いほど、滞在必要性が低いほど、移動必要性が高くなるように、移動必要性を決定する、移動必要性決定部の一例である。
【0073】
(提案移動先決定部)
提案移動先決定部309は、移動必要性などこれまでの解析結果を元に、作業者に提案する作業設備を決定する。入力データは作業者データ(図6-7)、非滞在担当設備データ(図6-12)、移動必要性閾値(図5-9)である。
【0074】
以下に処理の流れを記す。
提案移動先決定部309は、まず要対応設備数を非滞在担当設備データ(図6-12)に連携する。
具体的には、提案移動先決定部309は、非滞在担当設備データ(図6-12)の各担当作業者について、作業者データ(図6-7)の作業者名と紐付けて要対応設備数を取得し、非滞在担当設備データ(図6-12)の要対応設備数に転記する。
例えば作業者データ(図6-7)の作業者1の要対応設備数は0であるため、非滞在担当設備データ(図6-12)の作業者1の要対応設備数も0となる。
この時点での作業者データを図6-8に示す。以降の提案移動先決定処理は繰り返し行われるため、処理中のデータを用いて説明する。これまでの処理で残す空欄は提案移動先のみとなっている。
【0075】
次に提案移動先決定部309は、作業者毎の提案作業設備を決定する。
具体的には、提案移動先決定部309は、設備データ(図6-11)の各設備について呼出必要性が高い設備順に非滞在担当設備データ(図6-12)の非滞在担当設備名を参照し、移動必要性が移動必要性閾値(図5-9)以上かつ作業者データ(図6-8)において提案移動先が空欄の担当作業者の中から要対応設備数が最も少ない担当作業者を選択し、作業者データ(図6-8)の提案移動先へ設備名を格納する。
【0076】
そして提案移動先決定部309は、上記処理を設備データ(図6-11)の全設備で繰り返す。
例えば設備データ(図6-11)の内最も呼出必要性が高い設備名は設備Cであり、作業者データ(図6-8)の提案移動先が空欄かつ非滞在担当設備データ(図6-12)において対応する担当作業者名は作業者2のみである。作業者2の移動必要性は3であり移動必要性閾値(図5-9)以上であるため、作業者2の提案移動先は設備Cとなる(図6-9)。
例えば設備データ(図6-11)の内二番目に呼出必要性が高い設備名は設備Dであり、作業者データ(図6-9)の提案移動先が空欄かつ非滞在担当設備データ(図6-12)において対応する担当作業者名は作業者3のみである。作業者3の移動必要性は6であり移動必要性閾値(図5-9)以上であるため、作業者3の提案移動先は設備Dとなる(図6-10)。
例えば設備データ(図6-11)の内三番目に呼出必要性が高い設備名は設備Bであり、作業者データ(図6-10)の提案移動先が空欄かつ非滞在担当設備データ(図6-12)において対応する担当作業者名は作業者1のみである。作業者1の移動必要性は0であり移動必要性閾値(図5-9)以下であるため、設備Bへ移動するよう提案される作業者はいない。
処理後の作業者データを図6-10に示す。上記処理により提案移動先が空欄なのは作業者1のみとなっている。
【0077】
次に提案移動先決定部309は、作業者データ(図6-10)の提案移動先が空欄の作業者は設備名を提案移動先に転記する。
例えば上記の結果、作業者データ(図6-10)の作業者1は提案移動先が空欄となるため、滞在設備名が転記され提案移動先は設備Aとなる。
処理後の作業者データを図6-7に示す。上記処理により全ての作業者に提案移動先が決定される。
【0078】
次に提案移動先決定部309は、作業者提示用のデータとして、設備ごとに、その設備に移動可能な作業者数をカウントする。
具体的には、提案移動先決定部309は、設備データ(図6-11)の各設備名について、非滞在担当設備データ(図6-12)の非滞在担当設備名を参照し移動必要性が移動必要性閾値(図5-9)以上の作業者数をカウントし、設備データ(図6-11)の対応可能作業者数に格納する。
例えば設備Cに滞在していない担当作業者は作業者2のみであり、その移動必要性は移動必要性閾値(図5-9)以上であるため、設備Cの対応可能作業者数は1となる。
上記処理により設備の優先度と作業者の優先度を考慮して各作業者の作業すべき設備を決定することが出来る。
【0079】
またこれまでの処理により設備の稼働状況、工程の進捗状況、作業者の位置情報を考慮して各作業者がその時刻において作業すべき設備を決定することが出来る。解析結果を図8に示す。
【0080】
提案移動先決定部309は、呼出必要性と、滞在必要性とから、作業者に提案する移動先の設備である、提案移動先を決定する、提案移動先決定部の一例であり、呼出必要性が高い設備ほど、滞在必要性が低い作業者ほど優先して、作業者を設備へ移動させるための提案移動先を決定する、提案移動先決定部の一例である。
また、提案移動先決定部309は、移動必要性を用いて、提案移動先を決定する、提案移動先決定部の一例である。
【0081】
(通知判定部)
通知判定部310は、作業者に移動するよう提案するか判定し、提案する場合はどの作業者に提案するかを決定する。入力データは設備データ(図6-11)、前回稼働状況データ(図6-5)、通知判定マスタ(図5-10)である。
【0082】
以下に処理の流れを記す。
通知判定部310は、まず作業者への通知が必要な設備を選出する。
具体的には、通知判定部310は、設備データ(図6-11)の各設備について、前回稼働状況データ(図6-5)の設備名と紐づけ、稼働状況と前回稼働状況の組み合わせから通知判定マスタ(図5-10)を参照して通知FLGを取得し、設備データ(図6-11)の通知FLGに格納する。
例えば設備Cについて、設備データ(図6-11)の稼働状況はアラート対応待ちであり、前回稼働状況データ(図6-5)の前回稼働状況は自動加工である。この組み合わせについて通知判定マスタ(図5-10)の通知FLGは1であるため、設備データ(図6-11)の通知FLGは1となる。
通知FLGが1となった設備が作業者への通知が必要な設備である。
【0083】
次に通知判定部310は、前回稼働状況データ(図6-5)を更新する。
具体的には、通知判定部310は、前回稼働状況データ(図6-5)の各設備の前回稼働状況について、設備データ(図6-11)の稼働状況で上書きする。上書き結果を図6-6に示す。
例えば設備Cの前回稼働状況は自動加工であったが(図6-5)、設備データ(図6-11)の稼働状況で上書きされアラート対応待ちに変化する(図6-6)。
上記処理により、移動先提案について、通知が必要なタイミングに、対象となる設備を選出することが出来る。また次回解析時に使用するデータが記憶される。
【0084】
(通知部)
通知部311は、提案すると判定された場合に、提案先作業者の作業者端末20に通知を行う。
具体的には、通知部311は、通知FLGが1である設備について、通知する作業者を選出し作業者端末20に通知を行う。なお通知部311では提案移動先の確認が必要であることのみを通知し、具体的な提案情報は機能ブロック313~315にて提供する。入力データは作業者データ(図6-7)、設備データ(図6-11)である。
【0085】
以下に処理の流れを記す。
通知部311は、まず通知FLGが1である各設備について、通知する作業者(通知対象者)を選出する。
具体的には、通知部311は、設備データ(図6-11)の通知FLGが1である設備について、作業者データ(図6-7)の提案移動先がその設備である作業者を選出し通知対象者とする。通知対象者が居ない場合、対象者無しとする。
例えば設備データ(図6-11)において通知FLGが1である設備は設備Cである。作業者データ(図6-7)の提案移動先が設備Cである作業者は作業者2であるため、作業者2が通知対象者となる。
【0086】
次に通知部311は、通知対象者に通知を行う。
具体的には、通知部311は、通知対象者の作業者端末20に通知を行う。通知受信の処理については通知受信部312で述べる。
上記処理により、移動先提案について、通知の対象者を選出し通知を行うことが出来る。
【0087】
通知部311は、提案移動先の確認が必要なタイミングで、確認が必要な作業者に、提案移動先を確認するよう通知する通知部の一例である。
【0088】
(通知受信部)
通知受信部312は、通知部311からの通知を受け取り作業者に知らせる。
具体的には、通知受信部312は、通知部311からの通知を作業者端末20が受け取った場合、作業者に通知が来たことを着信音、バイブレーションなどで知らせる。
なお通知受信部312では提案移動先の確認が必要であると知らせるのみであり、具体的な提案内容は機能ブロック313~315にて提供される。
【0089】
(解析結果取得部)
解析結果取得部313は、設備もしくは作業者が指定された場合にデータ送信部314から解析結果を受け取る。
具体的には、解析結果取得部313は、作業者が作業者端末20上で設備名もしくは作業者名について検索した場合、データ送信部314にアクセスし、作業者データ(図6-7)、設備データ(図6-11)、非滞在担当設備データ(図6-12)、担当設備マスタ(図5-1)を受け取る。
【0090】
(データ送信部)
データ送信部314は、機能ブロック300~309で得られた解析結果を作業者端末20へ送信する。
具体的には、データ送信部314は、解析結果取得部313からアクセスされた場合、作業者データ(図6-7)、設備データ(図6-11)、非滞在担当設備データ(図6-12)、担当設備マスタ(図5-1)を解析結果取得部313に送信する。
【0091】
(画面表示部)
画面表示部315は、解析結果を作業者端末20の画面に表示する。このとき、画面表示部315は、解析結果取得部313にて作業者が指定した設備名もしくは作業者名について解析結果から表示用データを抽出して表示する。
表示用データは設備情報(図6-13)、担当者情報(図6-14)、提案移動先情報(図6-15)、滞在設備情報(図6-16)、非滞在担当設備情報(図6-17)で構成される。
【0092】
設備情報(図6-13)は端末表示用に抽出した設備情報である。設備情報(図6-13)はデータ項目として設備名、稼働状況、設備遅れ[分]、呼出中作業者名を有する。設備名は指定された設備であり、稼働状況はその設備の稼働状況であり、設備遅れ[分]はその設備の設備遅れ[分]であり、呼出中作業者名はその設備が提案移動先の作業者である。
【0093】
担当者情報(図6-14)は端末表示用に抽出した担当者情報である。担当者情報(図6-14)はデータ項目として担当者名、滞在設備名、稼働状況、設備遅れ[分]、要対応設備数を有する。担当者名は指定された設備が担当設備の作業者であり、滞在設備名はその作業者の滞在設備であり、稼働状況はその滞在設備の稼働状況であり、設備遅れ[分]はその滞在設備の設備遅れ[分]であり、要対応設備数はその作業者の非滞在設備の呼び出し必要性閾値以上の件数である。
【0094】
提案移動先情報(図6-15)は端末表示用に抽出した提案移動先情報である。提案移動先情報(図6-15)はデータ項目として提案移動先、稼働状況、設備遅れ[分]、対応可能作業者数、呼出中作業者名を有する。提案移動先はある作業者の提案移動先であり、稼働状況は提案移動先の稼働状況であり、設備遅れ[分]は提案移動先の設備遅れ[分]であり、対応可能作業者数は提案移動先の対応可能作業者数であり、呼出中作業者は指定された作業者である。
【0095】
滞在設備情報(図6-16)は端末表示用に抽出した滞在設備情報である。滞在設備情報(図6-16)はデータ項目として滞在設備名、稼働状況、設備遅れ[分]を有する。滞在設備名はある作業者の滞在設備名であり、稼働状況は滞在設備の稼働状況であり、設備遅れ[分]は滞在設備の設備遅れ[分]である。
【0096】
非滞在担当設備情報(図6-17)は端末表示用に抽出した非滞在担当設備情報である。非滞在担当設備情報(図6-17)はデータ項目として非滞在担当設備名、稼働状況、設備遅れ[分]、対応可能作業者数、呼出中作業者名を有する。非滞在担当設備名はある作業者の非滞在担当設備であり、稼働状況は非滞在担当設備の稼働状況であり、設備遅れ[分]は非滞在担当設備の設備遅れ[分]であり、対応可能作業者数は非滞在担当設備の対応可能作業者数であり、呼出中作業者名は非滞在担当設備が提案移動先の作業者である。
【0097】
入力データは作業者データ(図6-7)、設備データ(図6-11)、非滞在担当設備データ(図6-12)、担当設備マスタ(図5-1)および指定された設備名もしくは作業者名である。
画面表示部315が表示する内容は設備名が指定された場合と作業者名が指定された場合で異なる。
例えば設備Cが指定された場合、画面表示部315は、設備情報(図6-13)、担当者情報(図6-14)を生成し表示する。
例えば作業者2が指定された場合、画面表示部315は、提案移動先情報(図6-15)、滞在設備情報(図6-16)、非滞在担当設備情報(図6-17)を生成し表示する。
【0098】
以下に設備名が指定された場合の処理の流れを記す。
画面表示部315は、設備情報(図6-13)を生成する。
具体的には、画面表示部315は、設備データ(図6-11)から指定された設備名を検索し、稼働状況、設備遅れ[分]を取得する。
例えば設備Cが指定された場合、設備データ(図6-11)の設備Cの稼働状況はアラート対応待ちで設備遅れ[分]は0であるため、設備情報(図6-13)の稼働状況、設備遅れ[分]もアラート対応待ち、0となる。また設備情報の設備は設備Cとなる。
次に画面表示部315は、作業者データ(図6-7)の提案移動先から指定された設備名を検索し、呼出中の作業者名を取得する。
例えば作業者データ(図6-7)で提案移動先が設備Cである作業者は作業者2であるため、設備情報(図6-13)の呼出中作業者も作業者2となる。
【0099】
また画面表示部315は、担当者情報(図6-14)を生成する。
具体的には、画面表示部315は、担当設備マスタ(図5-1)から指定された設備名を検索し、担当者情報(図6-14)を生成する。
例えば設備Cが指定された場合、担当設備マスタ(図5-1)において設備Cの担当作業者は作業者2のみであるため、担当者情報(図6-14)の担当者は作業者2のみとなる。
次に画面表示部315は、担当者情報(図6-14)の各担当者について、作業者データ(図6-7)から滞在設備名、要対応設備数を転記する。
例えば設備Cが指定された場合、作業者データ(図6-7)において作業者2の滞在設備は設備B、要対応設備数は1であるため、担当者情報(図6-14)の滞在設備名、要対応設備数も設備B、1となる。
次に画面表示部315は、担当者情報(図6-14)の各担当者の滞在設備について、設備データ(図6-11)から稼働状況、設備遅れ[分]を転記する。
例えば設備Cが指定された場合、作業者データ(図6-7)において作業者2の滞在設備名は設備Bであり、設備データ(図6-11)の設備Bについて稼働状況は加工、設備遅れ[分]は240であるため、担当者情報(図6-14)における稼働状況、設備遅れ[分]も加工、240となる。
【0100】
その後画面表示部315は、検索結果を作業者端末20の画面に表示する。
具体的には、画面表示部315は、生成した設備情報(図6-13)、担当者情報(図6-14)を画面に表示する。
例えば設備Cが指定された場合の画面を図9に示す。
作業者は指定した設備の情報とその設備の担当者の情報を把握することで、その設備で作業するべき作業者は誰か判断することが容易となる。
具体的には、設備情報(図6-13)から、指定された設備の状況と移動を提案された作業者が分かる。
また、担当者情報(図6-14)から、指定された設備の担当者の一覧と、各担当者の作業状況が分かる。
例えば設備Cを指定した結果、設備Cがアラート対応待ちであることが分かる。また担当作業者が作業者2のみである事が分かる。この事から設備Cのアラート対応は作業者2が行うべきと判断することが出来る。
【0101】
以下に作業者名が指定された場合の処理の流れを記す。
画面表示部315は、提案移動先情報(図6-15)を生成する。
具体的には、画面表示部315は、作業者データ(図6-7)から指定された作業者名を検索し、提案移動先を取得する。
例えば作業者2が指定された場合、作業者データ(図6-7)において作業者2の提案移動先は設備Cであるため、提案移動先情報(図6-15)の提案移動先も設備Cとなる。
次に画面表示部315は、設備データ(図6-11)から提案移動先の設備を検索し、稼働状況、設備遅れ[分]、対応可能作業者数を転記する。
例えば作業者2が指定された場合、設備データ(図6-11)の設備Cの稼働状況、設備遅れ[分]、対応可能作業者数はアラート対応待ち、0、1であるため、提案移動先情報(図6-15)の稼働状況、設備遅れ[分]、呼出可能作業者数もアラート対応待ち、0、1となる。
次に画面表示部315は、提案移動先情報(図6-15)の呼出中作業者を指定された作業者名にする。
例えば作業者2が指定された場合、提案移動先情報(図6-15)の呼出中作業者も作業者2となる。
【0102】
また画面表示部315は、滞在設備情報(図6-16)を生成する。
具体的には、画面表示部315は、作業者データ(図6-7)から指定された作業者名を検索し、滞在設備名を滞在設備情報(図6-16)に転記する。
例えば作業者2が指定された場合、作業者データ(図6-7)において作業者2の滞在設備名は設備Bであるため、滞在設備情報(図6-16)の滞在設備も設備Bとなる。
次に画面表示部315は、設備データ(図6-11)から滞在設備を検索し、稼働状況、設備遅れ[分]を転記する。
例えば作業者2が指定された場合、設備データ(図6-11)の設備Bの稼働状況、設備遅れは加工、240であるため、滞在設備情報(図6-16)の稼働状況、設備遅れ[分]も加工、240となる。
【0103】
さらに画面表示部315は、非滞在担当設備情報(図6-17)を生成する。
具体的には、画面表示部315は、非滞在担当設備データ(図6-12)から指定された作業者名を検索し、非滞在担当設備の一覧を取得し非滞在担当設備情報(図6-17)に転記する。
例えば作業者2が指定された場合、非滞在担当設備データ(図6-12)において作業者2の非滞在担当設備は設備Cのみであるため、非滞在担当設備情報(図6-17)の非滞在担当設備名も設備Cのみとなる。
次に画面表示部315は、設備データ(図6-11)から非滞在担当設備名の設備を検索し、稼働状況、設備遅れ[分]、対応可能作業者数を転記する。
例えば作業者2が指定された場合、設備データ(図6-11)の設備Cの稼働状況、設備遅れ、対応可能作業者数はアラート対応待ち、0、1であるため、非滞在担当設備情報(図6-17)の稼働状況、設備遅れ[分]、対応可能作業者数もアラート対応待ち、0、1となる。
次に画面表示部315は、非滞在担当設備情報(図6-17)の呼出中作業者を、提案移動先が非滞在担当設備名である作業者名とする。
例えば作業者2が指定された場合、作業者データ(図6-7)において設備Cへ移動するよう提案されている作業者は作業者2であるため、非滞在担当設備情報(図6-17)の呼出中作業者名も作業者2となる。
【0104】
その後画面表示部315は、検索結果を作業者端末20の画面に表示する。
具体的には、画面表示部315は、生成した提案移動先情報(図6-15)、滞在設備情報(図6-16)、非滞在担当設備情報(図6-17)を画面に表示する。
例えば作業者2が指定された場合の画面を図10に示す。
作業者は指定した作業者の作業状況とその担当設備の状況を把握することで、その作業者が次に作業するべき設備がどこか判断することが容易となる。
つまり、提案移動先情報(図6-15)から、指定された作業者に提案された移動先設備の状況が分かる。
また、滞在設備情報(図6-16)から、指定された作業者の滞在設備の状況が分かる。
さらに、非滞在担当設備情報(図6-17)から、指定された作業者の非滞在担当設備の一覧と、各設備の状況が分かる。
例えば作業者2を指定した結果、作業者2は設備Bに居ることが分かる。また他に設備Cを担当しており、設備Cがアラート対応待ちである事が分かる。この事から作業者2は設備Cのアラート対応を行う必要があると判断することが出来る。
【0105】
画面表示部315は、提案移動先を作業者に提示する、提示部の一例であり、作業者からの要求に応じて、提案移動先を提示する、提示部の一例である。
また、画面表示部315は、作業者ごとの、その作業者による対応が必要な設備の数である、要対応設備数をさらに提示する、提示部の一例であり、設備ごとの、その設備への移動が可能な作業者の数である、対応可能作業者数をさらに提示する、提示部の一例である。
【0106】
[作業者移動先提案システムの動作]
図11は、作業者移動先提案システム1を構成する作業者移動先提案装置10の動作例を示すフローチャートである。
図示するように、作業者移動先提案装置10では、まず、操業データ取得部301が、設備稼働データ(図6-1)、作業者位置データ(図6-2)、工程データ(図6-3)を含む操業データを取得する(ステップ401)。
次に、処理用データ生成部302が、ステップ401で取得された操業データを元に、ステップ403~410で用いる処理用データを生成する(ステップ402)。
【0107】
次に、稼働状況付与部303が、ステップ401で取得された設備稼働データと作業者位置データを元に、各設備の稼働状況をラベリングする(ステップ403)。
また、進捗状況付与部304が、ステップ401で取得された工程データを元に、各設備の進捗状況をランク付けする(ステップ404)。
【0108】
次に、作業必要性付与部305が、ステップ403でラベリングされた各設備の稼働状況と、ステップ404でランク付けされた各設備の進捗状況とを元に、各設備の作業の必要性である作業必要性をランク付けする(ステップ405)。
次に、呼出必要性付与部306が、ステップ405でランク付けされた各設備の作業必要性と、ステップ401で取得された作業者位置データとを元に、各設備が作業者を呼び出す必要性である呼出必要性をランク付けする(ステップ406)。
また、滞在必要性付与部307が、ステップ405でランク付けされた各設備の作業必要性と、ステップ401で取得された作業者位置データとを元に、各作業者が滞在中の設備に滞在する必要性である滞在必要性をランク付けする(ステップ407)。
【0109】
次に、移動必要性付与部308が、ステップ406でランク付けされた各設備の呼出必要性と、ステップ407でランク付けされた各作業者の滞在必要性との組み合わせを元に、各作業者の各設備への移動の必要性である移動必要性をランク付けする(ステップ408)。
次に、提案移動先決定部309が、ステップ408でランク付けされた作業者と設備との組み合わせに対する移動必要性を元に、作業者が作業するべき設備である提案移動先を決定する提案移動先決定処理を行う(ステップ409)。ステップ409の提案移動先決定処理の詳細については、後述する。
【0110】
次に、通知判定部310が、作業者に移動するよう通知するかを判定する(ステップ410)。なお通知する場合、通知判定部310は、どの作業者に通知するかを決定する。
次に、通知部311は、ステップ410で通知すると判定された場合に、通知先の作業者の作業者端末20に通知する(ステップ411)。
【0111】
その後、作業者移動先提案装置10は、一定時間が経過したかどうかを判定する(ステップ451)。
ステップ451で一定時間が経過したと判定された場合、作業者移動先提案装置10は、処理をステップ401へ戻す。
ステップ451で一定時間が経過していないと判定された場合、作業者移動先提案装置10は、処理をステップ452へ進める。
【0112】
そして、作業者移動先提案装置10では、データ送信部314が、ステップ401~409で得られた解析結果の送信要求を解析結果取得部313から受信したかどうかを判定する(ステップ452)。
ステップ452で解析結果の送信要求を受信していないと判定された場合、データ送信部314は、処理をステップ451へ戻す。
ステップ452で解析結果の送信要求を受信したと判定された場合、データ送信部314は、解析結果を解析結果取得部313へ送信し(ステップ414)、処理をステップ451へ戻す。
【0113】
図12は、図11のステップ409の提案移動先決定処理の流れを示すフローチャートである。
図示するように、まず、提案移動先決定部309は、設備をカウントするための変数iを1に設定する(ステップ501)。また、提案移動先決定部309は、設備を呼出必要性が高い順に並べる(ステップ502)。
次に、作業者移動先提案装置10は、i番目の設備に滞在していない担当作業者の内、移動必要性が移動必要性閾値以上で未割り付けの担当作業者を、要対応設備数が少ない順に並べる(ステップ503)。
【0114】
次に、提案移動先決定部309は、要対応設備数が最も少ない担当作業者の提案移動先をi番目の設備とする(ステップ504)。
その後、提案移動先決定部309は、変数iを1カウントアップする(ステップ505)。そして、提案移動先決定部309は、変数iが設備数よりも大きくなったかどうかを判定する(ステップ506)。
ステップ506で変数iが設備数よりも大きくなっていないと判定された場合、提案移動先決定部309は、処理をステップ503へ戻す。
ステップ506で変数iが設備数よりも大きくなったと判定された場合、提案移動先決定部309は、提案移動先がない担当作業者についてはその滞在設備を提案移動先とし(ステップ507)、処理をステップ409へ戻す。
【0115】
図13は、作業者移動先提案システム1を構成する作業者端末20の動作例を示すフローチャートである。
図示するように、まず、作業者端末20が、作業者が設備もしくは作業者を指定して情報を検索したかどうかを判定する(ステップ453)。
ステップ453で作業者が情報を検索したと判定された場合、解析結果取得部313が、データ送信部314へ解析結果の送信要求を送信し、これに応じて送信された解析結果をデータ送信部314から取得する(ステップ413)。
そして、画面表示部315が、指定された設備もしくは作業者に関する解析結果を作業者端末20の画面に表示し(ステップ415)、処理をステップ454へ進める。
ステップ453で作業者が情報を検索していないと判定された場合、作業者端末20は、ステップ413およびステップ415を行わずに、処理をステップ454へ進める。
【0116】
その後、作業者端末20は、通知部311から通知があったかどうかを判定する(ステップ454)。
ステップ454で通知部311から通知がなかったと判定された場合、作業者端末20は、処理をステップ453へ戻す。
ステップ454で通知部311から通知があったと判定された場合、通知受信部312が、通知を受信する(ステップ412)。これにより、通知受信部312は、通知があった旨を作業者に知らせる。なおこれは、提案移動先の確認が必要であると知らせるのみである。そして、作業者端末20は、処理をステップ453へ戻す。
【0117】
[まとめ]
本実施の形態では、設備ごとの稼働状況と、設備ごとの進捗状況とから、設備の優先度である呼出必要性と、作業者の優先度である滞在必要性とを決定し、呼出必要性と、滞在必要性とから、作業者に提案する移動先設備である提案移動先を決定するようにした。これにより、設備および作業者の優先度を考慮して作業者に移動先設備を提案することが可能となった。
【符号の説明】
【0118】
1…作業者移動先提案システム、10…作業者移動先提案装置、20…作業者端末、300…マスタデータ記憶部、301…操業データ取得部、302…処理用データ生成部、303…稼働状況付与部、304…進捗状況付与部、305…作業必要性付与部、306…呼出必要性付与部、307…滞在必要性付与部、308…移動必要性付与部、309…提案移動先決定部、310…通知判定部、311…通知部、312…通知受信部、313…解析結果取得部、314…データ送信部、315…画面表示部
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図5-5】
図5-6】
図5-7】
図5-8】
図5-9】
図5-10】
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図6-4】
図6-5】
図6-6】
図6-7】
図6-8】
図6-9】
図6-10】
図6-11】
図6-12】
図6-13】
図6-14】
図6-15】
図6-16】
図6-17】
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13