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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123853
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ディストリビュータ及び車両
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/04 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
E04G21/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031617
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 篤
(72)【発明者】
【氏名】林 和也
【テーマコード(参考)】
2E172
【Fターム(参考)】
2E172AA05
2E172CA44
2E172CA46
(57)【要約】
【課題】バランスウェイトを脱着可能なディストリビュータ及び車両を提供する。
【解決手段】ディストリビュータは、ベースと、ベースに支持されるブーム装置と、を備え、ブーム装置は、ベースに固定される架台と、架台の上に設けられ、鉛直軸線回りに旋回可能なターンポストと、ターンポストの先端に設けられるブームと、を備え、ベースは、ベースウェイトを脱着可能なベースウェイト取付部を有し、ターンポストは、ブームウェイトを脱着可能なブームウェイト取付部を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、前記ベースに支持されるブーム装置と、を備え、
前記ブーム装置は、前記ベースに固定される架台と、前記架台の上に設けられ、鉛直軸線回りに旋回可能なターンポストと、前記ターンポストの先端に設けられるブームと、を備え、
前記ベースは、ベースウェイトを脱着可能なベースウェイト取付部を有し、前記ターンポストは、ブームウェイトを脱着可能なブームウェイト取付部を有する、ディストリビュータ。
【請求項2】
前記ベースウェイト取付部は、前記ベースウェイトを載置可能なベースウェイト載置部を有し、
前記ベースウェイト載置部は、前記ベースの周囲に配置される、請求項1に記載のディストリビュータ。
【請求項3】
前記ベースウェイト取付部は、前記ベースを横方向に貫通して両端部が前記ベースから外側へ突出する貫通部材と、前記貫通部材の前記両端部にそれぞれの上端が係合する一対の吊り部材と、前記ベースの下側で横方向に延び、前記一対の吊り部材の下端に接続される前記ベースウェイト載置部と、備える、請求項2に記載のディストリビュータ。
【請求項4】
前記ブームウェイト取付部は、基端側がそれぞれ前記ターンポストに上下方向に回転可能に接続され、先端側同士が回転可能に接続される上部リンク及び下部リンクからなるリンク機構と、前記リンク機構の先端側に固定され、前記ブームウェイトを載置可能なブームウェイト載置部と、を備える、請求項1に記載のディストリビュータ。
【請求項5】
前記上部リンクと前記下部リンクの少なくとも一方は、長さを調整可能である、請求項4に記載のディストリビュータ。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の前記ディストリビュータが搭載される車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ディストリビュータ及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、自走台車上に立設された旋回可能な支柱と、支柱から前方へ延びるブームと、支柱から後方へ延びるバランスビームと、バランスビームの先端に取り付けられたバランスウェイトと、を備える自走式コンクリートディストリビュータが開示されている。
【0003】
自走式のディストリビュータであっても、通常、打設現場へは車両に積載して移動するが、積載する車両の関係から規定以上の重量物を載せられないため、バランスウェイトを取り外したいという要望がある。しかし、特許文献1では、バランスウェイトの脱着については何ら開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭60-194045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、バランスウェイトを脱着可能なディストリビュータ及び車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ディストリビュータは、ベースと、前記ベースに支持されるブーム装置と、を備え、
前記ブーム装置は、前記ベースに固定される架台と、前記架台の上に設けられ、鉛直軸線回りに旋回可能なターンポストと、前記ターンポストの先端に設けられるブームと、を備え、
前記ベースは、ベースウェイトを脱着可能なベースウェイト取付部を有し、前記ターンポストは、ブームウェイトを脱着可能なブームウェイト取付部を有する。
【0007】
車両は、上記のディストリビュータが搭載される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るディストリビュータの左側面図
図2】本実施形態に係るディストリビュータの平面図
図3】本実施形態に係るディストリビュータの背面図
図4】本実施形態に係るディストリビュータの左側面図
図5】ベースウェイト取付部の左側面図
図6】ベースウェイト取付部の背面図
図7】ブームウェイト取付部の左側面図
図8】ブームウェイト取付部の背面図
図9】ブームウェイトを取り付けた状態のブームウェイト取付部の左側面図
図10】ブームウェイトを取り付けた状態のブームウェイト取付部の背面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0010】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0011】
以下の説明において、第1方向D1は、前後方向ともいい、第1方向D1のうち、各図における矢印方向を前方向とし、各図における矢印方向と反対方向を後方向とする。また、第2方向D2は、横方向(左右方向)ともいい、第2方向D2のうち、各図における矢印方向を左方向とし、各図における矢印方向と反対方向を右方向とする。また、第3方向D3は、上下方向ともいい、第3方向D3のうち、各図における矢印方向を上方向とし、各図における矢印方向と反対方向を下方向とする。
【0012】
以下、ディストリビュータにおける一実施形態について、図1図10を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、ディストリビュータの構成等の理解を助けるために例示するものであり、ディストリビュータの構成を限定するものではない。
【0013】
図1図3に示すように、ディストリビュータ1は、ベース2と、ベース2に支持されるブーム装置3と、ベース2を支持するアウトリガ4と、を備えている。また、ディストリビュータ1は、ポンプ1a、オイルタンク1b、及び制御装置1cを備えていてもよい。ポンプ1aは、ブーム装置3及びアウトリガ4を駆動する。制御装置1cは、主にブーム装置3を制御する。
【0014】
ベース2は、例えば、前後方向D1に延びる矩形枠状の部材である。ポンプ1a、オイルタンク1b、及び制御装置1cは、ベース2上に載置される。ポンプ1aは、ベース2の前部に配置され、オイルタンク1b及び制御装置1cは、ベース2の後部に配置されている。
【0015】
ベース2は、ベースウェイト50を脱着可能なベースウェイト取付部5を有している。ベースウェイト50は、ディストリビュータ1の重量バランスをとるためのバランスウェイトの一つである。ベースウェイト取付部5の構成の詳細については後述する。
【0016】
ブーム装置3は、打設位置に生コンクリートを供給するためのものである。図1は、ブーム装置3が折り畳まれた状態を示しており、図4は、ブーム装置3が伸展した状態を二点鎖線で示している。
【0017】
ブーム装置3は、例えば、ベース2に固定される架台31と、架台31の上に設けられ、鉛直軸線回りに旋回可能なターンポスト32と、ターンポスト32の先端に設けられるブーム33と、を備えている。架台31は、図2に示すように、ベース2の前後方向D1及び左右方向D2の略中央に固定されていてもよい。
【0018】
ターンポスト32は、図1に示すように、上下方向D3に対して傾斜する方向に延びている。ターンポスト32は、ブームウェイト60を脱着可能なブームウェイト取付部6を有している。ブームウェイト60は、ディストリビュータ1の重量バランスをとるためのバランスウェイトの一つである。ブームウェイト取付部6は、ターンポスト32を挟んでブーム33と対向するように配置される。ブームウェイト取付部6の構成の詳細については後述する。
【0019】
ブーム33は、互いに屈曲可能に連結された第1ビーム33a、第2ビーム33b、第3ビーム33cを備えていてもよい。第1ビーム33aの基端部は、ターンポスト32の上端部に回動可能に連結されている。そして、第2ビーム33bの基端部は、第1ビーム33aの先端部に回動可能に連結され、第3ビーム33cの基端部は、第2ビーム33bの先端部に回動可能に連結されている。ブーム装置3は、第1~第3ビーム33a~33cに沿った配管を備えている。この配管は、基端側が不図示のコンクリートポンプの吐出管に接続され、先端側が不図示の打設ホースに接続される。
【0020】
ターンポスト32及び第1~第3ビーム33a~33cは、それぞれの連結部分がブーム駆動手段によって回動駆動することができる。ブーム駆動手段は、制御装置1cによって制御される。ブーム駆動手段は、不図示の旋回駆動手段と、起伏駆動手段34a~34cと、を備えている。旋回駆動手段は、例えば、架台31に設けられたモータである。起伏駆動手段34aは、例えば、両端をターンポスト32と第1ビーム33aにそれぞれ回動可能に連結した第1シリンダである。また、起伏駆動手段34bは、例えば、両端を第1ビーム33aと第2ビーム33bにそれぞれ回動可能に連結した第2シリンダである。また、起伏駆動手段34cは、例えば、両端を第2ビーム33bと第3ビーム33cにそれぞれ回動可能に連結した第3シリンダである。
【0021】
アウトリガ4は、ベース2の左前領域に配置される第1のアウトリガ4aと、ベース2の右前領域に配置される第2のアウトリガ4bと、ベース2の左後領域に配置される第3のアウトリガ4cと、ベース2の右後領域に配置される第4のアウトリガ4dと、を含む。第1~第4のアウトリガ4a~4dは略同じ形状のため、これらを特に区別する必要がない場合、以下、単にアウトリガ4として説明する。
【0022】
アウトリガ4は、外筒41と、外筒41の内部で筒軸方向に沿って移動可能な内筒42と、外筒41に対して内筒42を固定する固定装置43と、を備えている。
【0023】
外筒41は、ベース2の前後方向D1の端部に固定される。外筒41は、左右方向D2に沿って延びる四角筒状の部材である。なお、第1のアウトリガ4aの外筒41と第2のアウトリガ4bの外筒41は、一体として構成されていてもよい。同様に、第3のアウトリガ4cの外筒41と第4のアウトリガ4dの外筒41は、一体として構成されていてもよい。
【0024】
内筒42は、左右方向D2に沿って延びる四角筒状の部材である。内筒42は、外筒41よりもわずかに細くなっている。そのため、内筒42は、外筒41に格納された格納位置と、外筒41から外側に張り出した展開位置(図2及び図3に二点鎖線で示している)との間で移動可能となっている。内筒42が格納位置にあるとき、アウトリガ4は格納状態であり、内筒42が展開位置にあるとき、アウトリガ4は展開状態である。
【0025】
内筒42は、外側端に縦筒421を備えている。縦筒421は、上下方向D3に伸縮可能な可動脚部422(図1を参照)を備えている。打設作業時には、内筒42を展開位置に移動させた後、可動脚部422を伸長させて可動脚部422の下端を地面に接地させる。
【0026】
固定装置43は、図3に示すように、外筒41の上面に配置されている。固定装置43は、外筒41に対して内筒42を格納位置及び展開位置に固定する。
【0027】
ベースウェイト取付部5は、ベース2を左右方向D2に貫通して両端部がベース2から突出する貫通部材51と、貫通部材51の両端部にそれぞれの上端が係合する一対の吊り部材52と、ベース2の下側で左右方向D2に延び、一対の吊り部材52の下端に接続されるベースウェイト載置部53と、備えていてもよい。
【0028】
貫通部材51は、ベース2を構成するベースフレーム21を左右方向D2に貫通する。貫通部材51は、左右方向D2に延びるパイプ状の部材である。本実施形態では、貫通部材51は円形のパイプであるが、角形のパイプでも構わない。また、貫通部材51は、中空の部材であっても、中実の部材であっても構わない。本実施形態では、貫通部材51は、前後方向D1に3つ設けられているが、貫通部材51の個数は2つであっても4つ以上であってもよい。
【0029】
貫通部材51は、図6に示すように、両端部51a,51aがベースフレーム21から外側へ突出している。貫通部材51は、ベースフレーム21に対して溶接等により固定される。
【0030】
両端部51a,51aは、外周面上にそれぞれ突起51bを備えている。突起51bは、両端部51a,51aの外周面上の少なくとも上部に設けられる。突起51bは、吊り部材52が貫通部材51上を外側に移動することを防止する。
【0031】
吊り部材52は、上端が貫通部材51の両端部51a,51aに係合し、下端がベースウェイト載置部53に接続される。吊り部材52は、例えばUボルトである。ここで、貫通部材51が角形のパイプである場合、吊り部材52は、例えばコの字状のボルトであってもよい。吊り部材52は、貫通部材51を跨ぐようにして吊り下げられる。吊り部材52は、ベースフレーム21と貫通部材51の突起51bの間に配置される。
【0032】
ベースウェイト載置部53は、矩形状の部材である。ベースウェイト載置部53の左右方向D2の幅は、ベース2の左右方向D2の幅よりも広くなっており、ベースウェイト載置部53は、ベース2から左右方向D2の外側に突出する。ベースウェイト50は、ベースウェイト載置部53のベース2から突出する載置面53sに載置される(図6を参照)。このとき、図5に示すように、ベースウェイト載置部53よりも前後方向D1に長尺なベースウェイト50を載置することもできる。
【0033】
吊り部材52の両端部52a,52aをベースウェイト載置部53の孔53aから下面側に貫通させた後、ナット53bをベースウェイト載置部53の下面側から両端部52a,52aに締結することで、ベースウェイト載置部53は、ベース2の下面側に固定される。ベースウェイト載置部53は、上面がベースフレーム21の下面に接触するように固定される。なお、ナット53bは、2個ずつ吊り部材52と締結されてダブルナットとなっているが、シングルナットであってもよい。
【0034】
ブームウェイト取付部6は、基端側がそれぞれターンポスト32に回転可能に接続され、先端側同士が回転可能に接続される上部リンク61及び下部リンク62からなるリンク機構63と、リンク機構63の先端側に固定され、ブームウェイト60を載置可能なブームウェイト載置部64と、を備えていてもよい。
【0035】
上部リンク61の基端側61aは、ターンポスト32に対して第1回動ピン63aによって回動可能に接続されている。また、上部リンク61の先端側61bは、下部リンク62の先端側62bと接続されている。上部リンク61は、左右方向D2に離れて一つずつ設けられていてもよい。
【0036】
上部リンク61は、基端側61aの第1上部リンク611と、先端側61bの第2上部リンク612とに分割されていてもよい。第1上部リンク611と第2上部リンク612は、例えばボルト613で固定される。第1上部リンク611と第2上部リンク612は、長さ方向に複数の孔が形成されており、ボルト613で固定されるお互いの孔の位置を適宜変更することで、上部リンク61の長さを調整することができる。上部リンク61の長さを長くすると、ブームウェイト載置部64(ブームウェイト60)を下げることができるため、ディストリビュータ1の重心が下がり安定度が増す。一方、上部リンク61の長さを短くすると、ブームウェイト載置部64(ブームウェイト60)を上げることができるため、旋回時にブームウェイト載置部64よりも下方にある部材(本実施形態ではポンプ1a、オイルタンク1b、制御装置1c等)とのクリアランスを確保することができる。
【0037】
下部リンク62は、上部リンク61の下側に設けられる。下部リンク62の基端側62aは、ターンポスト32に対して第2回動ピン63bによって回動可能に接続されている。また、下部リンク62の先端側62bと上部リンク61の先端側61bは、第3回動ピン63cによって回動可能に接続されている。
【0038】
下部リンク62は、左右方向D2に離れて一つずつ設けられていてもよい。また、左右一対の下部リンク62は、図8に示すように、連結パイプ62c,62cによって連結されていてもよい。左右一対の下部リンク62の間隔は、左右一対の上部リンク61の間隔よりも狭くなっている。
【0039】
ブームウェイト載置部64は、リンク機構63の先端側に固定される。本実施形態では、ブームウェイト載置部64は、上部リンク61の先端側61bに固定されている。具体的には、ブームウェイト載置部64は、第2上部リンク612の上面に固定されてもよい。
【0040】
ブームウェイト載置部64は、左右一対の縦フレーム641,641と、縦フレーム641、641を連結する横フレーム642,642とを備えていてもよい。縦フレーム641は、前後方向D1に延びる板状の部材である。また、縦フレーム641は、側面視で略三角形状をしており、下部が第2上部リンク612に不図示のボルト等で固定されている。縦フレーム641の上面は、略水平となっている。
【0041】
横フレーム642は、左右方向D2に延びる断面L字状の部材である。横フレーム642は、縦フレーム641に溶接等で固定されている。また、縦フレーム641の上部は、横フレーム642よりも上方に突出している。
【0042】
ブームウェイト60は、図9及び図10に示すように、箱状のウェイト本体部60aと、ウェイト本体部60aの下面に取り付けられた係合部60bと、を備えていてもよい。係合部60bは、図10に示すように、前後方向D1に延びる断面U字状の部材である。係合部60bは、図10に示すように、ブームウェイト60をブームウェイト取付部6に取り付けた際、ブームウェイト載置部64の縦フレーム641を跨ぐように配置されており、ウェイト本体部60aの左右方向D2への移動を規制する。また、係合部60bは、図9に示すように、ブームウェイト60をブームウェイト取付部6に取り付けた際、ブームウェイト載置部64の横フレーム642,642の間に挿入されるように配置されており、ウェイト本体部60aの前後方向D1への移動を規制する。
【0043】
[1]
以上より、ディストリビュータ1は、本実施形態のように、ベース2と、前記ベース2に支持されるブーム装置3と、を備え、前記ブーム装置3は、前記ベース2に固定される架台31と、前記架台31の上に設けられ、鉛直軸線回りに旋回可能なターンポスト32と、前記ターンポスト32の先端に設けられるブーム33と、を備え、前記ベース2は、ベースウェイト50を脱着可能なベースウェイト取付部5を有し、前記ターンポスト32は、ブームウェイト60を脱着可能なブームウェイト取付部6を有する、という構成が好ましい。
【0044】
斯かる構成によれば、バランスウェイト(ベースウェイト50及びブームウェイト60)を脱着可能である。これにより、例えばディストリビュータを車両に積載する場合、バランスウェイトを取り外すことができる。また、小規模打設時や車載時に必要なバランスウェイトを選択することもできる。すなわち、ベースウェイト50及びブームウェイト60の一方のみを取り付けることもできる。
【0045】
[2]
また、上記[1]のディストリビュータ1においては、本実施形態のように、前記ベースウェイト取付部5は、前記ベースウェイト50を載置可能なベースウェイト載置部53を有し、前記ベースウェイト載置部53は、前記ベース2の周囲(本実施形態では、ベース2の下側)に配置される、という構成が好ましい。
【0046】
斯かる構成によれば、ベースウェイト50を含むディストリビュータ1全体の重心を低くすることができるため、ディストリビュータ1の姿勢が安定する。
【0047】
[3]
また、上記[2]のディストリビュータ1においては、本実施形態のように、前記ベースウェイト取付部5は、前記ベース2を横方向に貫通して両端部51a,51aが前記ベース2から外側へ突出する貫通部材51と、前記貫通部材51の前記両端部51a,51aにそれぞれの上端が係合する一対の吊り部材52と、前記ベース2の下側で横方向に延び、前記一対の吊り部材52の下端に接続される前記ベースウェイト載置部53と、備える、という構成が好ましい。
【0048】
斯かる構成によれば、ベースウェイト載置部53をベース2に溶接して固定する必要がないため、溶接歪みを防止することができる。
【0049】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか一つのディストリビュータ1においては、本実施形態のように、前記ブームウェイト取付部6は、基端側61a,62aがそれぞれ前記ターンポスト32に上下方向D3に回転可能に接続され、先端側61b,62b同士が回転可能に接続される上部リンク61及び下部リンク62からなるリンク機構63と、前記リンク機構63の先端側に固定され、前記ブームウェイト60を載置可能なブームウェイト載置部64と、を備える、という構成が好ましい。
【0050】
斯かる構成によれば、ブームウェイト取付部6をターンポスト32に溶接する必要がないため、溶接歪みを防止することができる。
【0051】
[5]
また、上記[4]のディストリビュータ1においては、本実施形態のように、前記上部リンク61と前記下部リンク62の少なくとも一方(本実施形態では上部リンク61)は、長さを調整可能である、という構成が好ましい。
【0052】
斯かる構成によれば、ブームウェイト載置部64の上下位置を変更することができる。
【0053】
[6]
また、車両は、上記[1]~[5]の何れか1つのディストリビュータ1が搭載される、という構成が好ましい。
【0054】
斯かる構成によれば、バランスウェイト(ベースウェイト50及びブームウェイト60)を脱着可能である。なお、ディストリビュータ1を車両に搭載する場合、ベース2は、車体フレームに固定されてもよく、車体フレームと一体で構成されてもよい。
【0055】
なお、ディストリビュータ1及び車両は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、ディストリビュータ1及び車両は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0056】
(A)上記実施形態に係るディストリビュータ1においては、ベースウェイト取付部5は、ベースウェイト50を載置可能なベースウェイト載置部53を有し、ベースウェイト載置部53は、ベース2の周囲(本実施形態では、ベース2の下側)に配置される、という構成である。また、ベースウェイト載置部53の載置面53sは、ベース2の下面と同じ高さに位置する、という構成である。しかしながら、ディストリビュータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、ベースウェイト載置部53は、ベース2の側方に配置される、という構成でもよい。また、ベースウェイト載置部53の載置面53sは、ベース2の下面よりも下方に位置する、という構成でもよく、ベース2の下面よりも上方に位置する、という構成でもよい。また、ベースウェイト載置部53の載置面53sは、ベース2の下面よりも上方、且つベース2の上面よりも下方に位置する、という構成でもよい。
【0057】
(B)上記実施形態に係るディストリビュータ1においては、ベースウェイト取付部5は、ベース2を横方向に貫通して両端部51a,51aが前記ベース2から外側へ突出する貫通部材51と、貫通部材51の両端部51a,51aにそれぞれの上端が係合する一対の吊り部材52と、ベース2の下側で横方向に延び、一対の吊り部材52の下端に接続されるベースウェイト載置部53と、備える、という構成である。しかしながら、ディストリビュータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、ベースウェイト取付部5は、ベース2に溶接されたベースウェイト載置部53を備える、という構成でもよい。
【0058】
(C)上記実施形態に係るディストリビュータ1においては、ブームウェイト取付部6は、基端側61a,62aがそれぞれターンポスト32に上下方向D3に回転可能に接続され、先端側61b,62b同士が回転可能に接続される上部リンク61及び下部リンク62からなるリンク機構63と、リンク機構63の先端側に固定され、ブームウェイト60を載置可能なブームウェイト載置部64と、を備える、という構成である。しかしながら、ディストリビュータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、ブームウェイト取付部6は、基端側がターンポスト32に固定されるステーと、このステーの先端側に固定され、ブームウェイト60を載置可能なブームウェイト載置部64と、を備える、という構成でもよい。
【0059】
(D)上記実施形態に係るディストリビュータ1においては、上部リンク61は、長さを調整可能である、という構成である。しかしながら、ディストリビュータ1は、斯かる構成に限られない。例えば下部リンク62は、長さ調整可能である、という構成でもよい。また、上部リンク61及び下部リンク62は、何れも長さ調整可能である、という構成でもよい。
【0060】
(E)上記実施形態に係るディストリビュータ1においては、ベース2と、ベース2に支持されるブーム装置3と、を備え、ブーム装置3は、ベース2に固定される架台31と、架台31の上に設けられ、鉛直軸線回りに旋回可能なターンポスト32と、ターンポスト32の先端に設けられるブーム33と、を備え、ベース2は、ベースウェイト50を脱着可能なベースウェイト取付部5を有し、ターンポスト32は、ブームウェイト60を脱着可能なブームウェイト取付部6を有する、という構成である。すなわち、ディストリビュータ1は、ベースウェイト取付部5及びブームウェイト取付部6を備える、という構成である。
しかしながら、ディストリビュータ1は、斯かる構成に限られない。ディストリビュータ1は、ベースウェイト取付部5及びブームウェイト取付部6の一方のみを備える、という構成でもよい。具体的には、ディストリビュータ1は、ベース2と、ベース2に支持されるブーム装置3と、を備え、ブーム装置3は、ベース2に固定される架台31と、架台31の上に設けられ、鉛直軸線回りに旋回可能なターンポスト32と、ターンポスト32の先端に設けられるブーム33と、を備え、ベース2は、ベースウェイト50を脱着可能なベースウェイト取付部5を有する、という構成でもよい。また、ディストリビュータ1は、ベース2と、ベース2に支持されるブーム装置3と、を備え、ブーム装置3は、ベース2に固定される架台31と、架台31の上に設けられ、鉛直軸線回りに旋回可能なターンポスト32と、ターンポスト32の先端に設けられるブーム33と、を備え、ターンポスト32は、ブームウェイト60を脱着可能なブームウェイト取付部6を有する、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…ディストリビュータ、1a…ポンプ、1b…オイルタンク、1c…制御装置、2…ベース、3…ブーム装置、4…アウトリガ、4a…第1のアウトリガ、4b…第2のアウトリガ、4c…第3のアウトリガ、4d…第4のアウトリガ、5…ベースウェイト取付部、6…ブームウェイト取付部、21…ベースフレーム、31…架台、32…ターンポスト、33…ブーム、33a…第1ビーム、33b…第2ビーム、33c…第3ビーム、34a~34c…起伏駆動手段、41…外筒、42…内筒、43…固定装置、50…ベースウェイト、51…貫通部材、51a…端部、51b…突起、52…吊り部材、52a…端部、53…ベースウェイト載置部、53a…孔、53b…ナット、53s…載置面、60…ブームウェイト、60a…ウェイト本体部、60b…係合部、61…上部リンク、61a…基端側、61b…先端側、62…下部リンク、62a…基端側、62b…先端側、62c…連結パイプ、63…リンク機構、63a…第1回動ピン、63b…第2回動ピン、63c…第3回動ピン、64…ブームウェイト載置部、421…縦筒、422…可動脚部、611…第1上部リンク、612…第2上部リンク、613…ボルト、641…縦フレーム、642…横フレーム、D1…前後方向、D2…左右方向、D3…上下方向
図1
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図10