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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123855
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】セルユニット、及び組電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/659 20140101AFI20240905BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240905BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240905BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20240905BHJP
   H01M 10/6551 20140101ALI20240905BHJP
【FI】
H01M10/659
H01M50/209
H01M50/202 501S
H01M50/202 401H
H01M50/204 401H
H01M50/293
H01M50/244 Z
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6551
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031621
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 敦美
(72)【発明者】
【氏名】坂本 浩太郎
(72)【発明者】
【氏名】冨樫 法仁
(72)【発明者】
【氏名】王 蕾
(72)【発明者】
【氏名】吉川 賢一
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK01
5H040AA28
5H040AS01
5H040AS04
5H040AT02
5H040LL01
5H040LL06
(57)【要約】
【課題】充放電によって、セルが温度上昇するときに、温度上昇を一時的に抑制する。
【解決手段】角柱セルと、絶縁性能を有し前記角柱セルの一対の長側面及び底面を覆うように該角柱セルを把持する把持板と、前記把持板の下面に接着された金属板と、前記金属板により上面が接着封止されるとともに、該金属板及び前記把持板を介して前記角柱セルが載置固定される相変化材料充填部と、前記相変化材料充填部の下面に接着される冷却台と、を備え、前記相変化材料充填部は、ケーシングと、前記ケーシング内に配設された金属仕切り板によって仕切られた複数の充填空間と、複数の該充填空間に充填された相変化材料と、前記ケーシング内において前記角柱セルの底面の中央部に対応する位置に配設された金属仕切りブロックと、を備えるセルユニット。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角柱セルと、
絶縁性能を有し前記角柱セルの一対の長側面及び底面を覆うように該角柱セルを把持する把持板と、
前記把持板の下面に接着された金属板と、
前記金属板により上面が接着封止されるとともに、該金属板及び前記把持板を介して前記角柱セルが載置固定される相変化材料充填部と、
前記相変化材料充填部の下面に接着される冷却台と、を備え、
前記相変化材料充填部は、ケーシングと、前記ケーシング内に配設された金属仕切り板によって仕切られた複数の充填空間と、複数の該充填空間に充填された相変化材料と、前記ケーシング内において前記角柱セルの底面の中央部に対応する位置に配設された金属仕切りブロックと、を備えるセルユニット。
【請求項2】
前記充填空間は、正六角柱状であり、
前記相変化材料充填部は、複数の前記充填空間により形成されたハニカム構造を有する請求項1に記載のセルユニット。
【請求項3】
前記相変化材料充填部の複数の前記充填空間は、それぞれ矩形体状である請求項1に記載のセルユニット。
【請求項4】
前記把持板と前記角柱セルの一対の長側面との間に、相変化材料が密封された袋が挟まれた請求項1、2又は3に記載のセルユニット。
【請求項5】
前記金属板と前記相変化材料充填部との間にホットメルトフィルムが配設され、
該相変化材料充填部は、該金属板及び該ホットメルトフィルムにより上面が接着封止された請求項1、2又は3に記載のセルユニット。
【請求項6】
複数の角柱セルと、
絶縁性能を有し前記角柱セルの一対の長側面及び底面をそれぞれ覆うように該角柱セルを把持するセル把持部と、
該セル把持部により把持された前記角柱セルを収容室に並列させて複数収容する樹脂ケースと、
前記セル把持部の下面に倣って変形可能であり、前記樹脂ケースの底板に貫通形成された枠孔に収容され、前記セル把持部の下面に密着する伝熱可塑性材料と、
前記セル把持部の下方に配設され前記伝熱可塑性材料を介して前記セル把持部と接着された金属板と、
前記金属板により上面が接着封止される相変化材料充填部と、
前記相変化材料充填部の下面に接着される冷却台と、を備え、
前記相変化材料充填部は、ケーシングと、前記ケーシング内に配設された金属仕切り板によって仕切られた複数の充填空間と、複数の該充填空間に充填された相変化材料と、前記ケーシング内において複数の前記角柱セルの底面の中央部に対応する位置にそれぞれ配設された金属仕切りブロックと、を備える組電池。
【請求項7】
前記充填空間は、正六角柱状であり、
前記相変化材料充填部は、複数の前記充填空間により形成されたハニカム構造を有する請求項6に記載の組電池。
【請求項8】
前記相変化材料充填部の複数の前記充填空間は、それぞれ矩形体状である請求項6に記載の組電池。
【請求項9】
前記金属板と前記相変化材料充填部との間にホットメルトフィルムが配設され、
該相変化材料充填部は、該金属板及び該ホットメルトフィルムにより上面が接着封止された請求項6、7又は8に記載の組電池。
【請求項10】
前記セル把持部は、前記角柱セルの一対の長側面に当接する絶縁仕切り板を備え、
該セル把持部により把持され前記樹脂ケースの収容室に複数並べて収容された前記角柱セルの一対の長側面に沿う方向において、1つの前記角柱セルの一対の長側面に当接する前記絶縁仕切り板と、1つの前記角柱セルの隣に位置する別の前記角柱セルの一対の長側面に当接する前記絶縁仕切り板と、の間に該絶縁仕切り板同士の干渉を防ぐ隙間が設けられており、
該隙間に、前記角柱セルの一対の短側面と、該一対の短側面と前記一対の長側面とで形成される該角柱セルの角部と、を覆うように接触するセパレータが配設された請求項6に記載の組電池。
【請求項11】
前記樹脂ケースは、前記収容室の外に設けられボルトが通る第1の貫通孔を備え、
前記金属板は、前記第1の貫通孔に連通するとともに前記ボルトが通る第2の貫通孔を備え、
前記相変化材料充填部は、前記第2の貫通孔に連通するとともに前記ボルトが通る第3の貫通孔を備え、
前記冷却台は、前記第3の貫通孔に連通するとともに前記ボルトが螺合するボルト穴を備え、
前記第1の貫通孔、前記第2の貫通孔、前記第3の貫通孔に通されるとともに前記冷却台のボルト穴に螺合した前記ボルトによって、前記樹脂ケース、前記金属板、前記相変化材料充填部、及び前記冷却台が締結固定される請求項6に記載の組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、セルユニット、及び組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、組電池(電池モジュール)は、絶縁性を持たせた樹脂ケース内に複数のセル(電池)を収容し、所望の電圧電流となるように直並列にバスバー等で接続されたセル群を備えている。そして、セル群が正常な状態となっているか否かを監視する監視基板を、樹脂ケース等に収納し、該監視基板に主回路と通信ケーブル配線部とを配設する場合がある。該監視基板は、例えば、Cell Monitoring Unit(CMU)と呼ばれている。そして、組電池をさらに複数個直並列に配置することで、電池システム、電池盤、又は電池パックとして所望の電力、電圧、及び電流を得ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6892451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非常走行用電池装置やUPS(無停電電源装置)用蓄電池盤に用いられ、充放電時において急速に温度上昇する電池システムがある。そして、電池システムのモジュール内において、他のセルよりも温度が高いセルがあると、そのセルだけ先に内部の劣化が加速する。そのため、内部抵抗が上昇し、且ジュール熱が上昇することで、セル温度が上昇して容量が減少する。例えば、リチウムイオン電池等はエネルギー密度が低いので、高密度に組電池、電池システム、電池盤、又は電池パックに複数配置することが多く、配置場所によって、セルの急速充放電により急速に温度上昇するホットスポットができやすい。そして、ホットスポットの発生は、上記電池システム等における全体の性能低下の原因となる。
【0005】
充放電によって、セルが例えば急激に温度上昇するときに、温度上昇を一時的にパッシブに抑制するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本実施形態に係るセルユニットは、角柱セルと、絶縁性能を有し前記角柱セルの一対の長側面及び底面を覆うように該角柱セルを把持する把持板と、前記把持板の下面に接着された金属板と、前記金属板により上面が接着封止されるとともに、該金属板及び前記把持板を介して前記角柱セルが載置固定される相変化材料充填部と、前記相変化材料充填部の下面に接着される冷却台と、を備え、前記相変化材料充填部は、ケーシングと、前記ケーシング内に配設された金属仕切り板によって仕切られた複数の充填空間と、複数の該充填空間に充填された相変化材料と、前記ケーシング内において前記角柱セルの底面の中央部に対応する位置に配設された金属仕切りブロックと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態1のセルユニットの各構成を説明する分解斜視図である。
図2図2は、実施形態1のセルユニットの斜視図である。
図3図3は、実施形態2のセルユニットの分解斜視図である。
図4図4は、相変化材料充填部を備える実施形態1のセルユニットのセルの温度と時間との関係を示すグラフ、及び相変化材料充填部を備えていないセルユニットのセルの温度と時間との関係を示すグラフである。
図5図5は、実施形態の組電池の各構成を示す分解斜視図である。
図6図6は、実施形態の組電池を下側ケースの底板側から見て説明する斜視図である。
図7図7は、実施形態の組電池の下側ケースの収容室内を説明する斜視図である。
図8図8は、実施形態の組電池の概略的な縦断面図である。
図9図9は、実施形態の組電池の相変化材料充填部の構成を説明する平面図である。
図10図10は、相変化材料充填部を備える実施形態の組電池の温度と時間との関係を示すグラフ、相変化材料充填部を備えていない組電池の温度と時間との関係を示すグラフ、及び充電率と時間との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(セルユニットの実施形態1)
以下、図1図2を用いてセルユニット1の例示的かつ模式的な実施形態を開示する。セルユニット1を、実施形態1のセルユニット1とする。なお、以下の説明では、便宜上、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向が規定されている。X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、互いに直交している。例えば、X軸方向及びY軸方向で形成される平面を水平面とし、Z軸方向を鉛直方向とする。X軸方向は、セルユニット1の角柱セル10(以下、セル10とする)の長手方向に沿う方向である。Y軸方向は、セル10の短手方向に沿う方向である。Z軸方向は、セル10の高さ方向に沿う方向である。X軸方向は、+X方向と-X方向とを含む。Y軸方向は、+Y方向と-Y方向とを含む。Z軸方向は、+Z方向(上方向)と-Z方向(下方向)とを含む。なお、本実施形態における上下のような方向を示す表現は、便宜上の呼称であり、セルユニット1の位置、姿勢、及び使用態様を限定するものではない。
【0009】
セル10は、電池セル、単電池、又は電池等とも称される。セル10は、例えば、リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成された扁平又は略直方体形状の外装容器100と、外装容器100内に非水電解液と共に収容された図示しない発電要素と、を備えている。セル10は、角柱型の缶セルである。
【0010】
外装容器100は、有底矩形筒状の容器本体101と、容器本体101の上部側の開口に溶融等によって一体的に取り付けられた図示しない蓋と、を有する。そして、図示しない蓋のZ軸方向における上面は、略平坦な端子面103となる。端子面103に、正極端子104と負極端子105との2種の端子が、X軸方向に間隔を空けて形成されている。
【0011】
セル10は、端子面103の略中央に外装容器100内に発生したガスを排出するラブチャー106、及び非水電解液を外装容器100の内部に注入するための注液口107を備えている。ラブチャー106は、端子面103の正極端子104と負極端子105との間に位置する薄肉部にX字状の溝部を設けたものである。
【0012】
外装容器100は、Z軸方向において端子面103に対向する底面108と、底面108から連続的に立設する一対の短側面102と、底面108から連続に立設する一対の長側面109と、を有している。図1において、一対の短側面102はX軸方向において対向する側面であり、一対の長側面109はY軸方向において対向する側面である。セル10の底面108、一対の短側面102、及び一対の長側面109は、略平坦面となっている。
【0013】
電流入出力用の正極端子104及び負極端子105は、端子面103にかしめ固定されるか、あるいは図示しない蓋を成形する際に鋳込まれることで、端子面103に取り付けられている。正極端子104及び負極端子105は、端子面103上において互いに電気的に絶縁されている。正極端子104及び負極端子105は、例えば、略平坦な平板状に形成されている。
【0014】
外装容器100内に収容された図示しない発電要素は、その正極が正極端子104と電気的に接続している。発電要素の負極は、負極端子105と電気的に接続している。発電要素は例えば、倦回型電極群を含む。
【0015】
図示しない発電要素は、例えばコイルが巻回されて非水電解液とともに外装容器100内に収納されているため、巻回方向、積層方向、及び面内方向によって熱伝導率が異なり、放熱のしやすさが角柱のセル10のそれぞれの面によって異なる。そして、一般的にセル10においては、セル10のZ軸方向における例えば下半分が、熱抵抗が他の部分よりも低くなる傾向がある。
【0016】
図1に示すように、セル10は、絶縁性能を有する把持板11によって、一対の長側面109及び底面108が覆われた状態で、把持板11によって把持されている。
把持板11は、例えば、X軸方向から見て略U字状に形成され絶縁塗装がされた金属板である。把持板は、例えば、公知の放熱材料であるアルミニウムで形成されている。
【0017】
把持板11は、平板状の底部110と、底部110のY軸方向における両縁から垂直又は略垂直に立設された一対の壁部111と、を備えている。底部110の上面及び下面、並びに壁部111の外側面及び内側面は、略平坦面となっている。そして、図2に示すように、セルユニット1においては、把持板11の底部110にセル10の底面108が当接し、把持板11の一対の壁部111にセル10の一対の長側面109が当接するように、把持板11内にセル10が嵌合する。即ち、把持板11は、セル10をY軸方向両側からセル10を挟み把持固定できるとともに、セル10を抜き取るようにして取り外すこともできる。なお、把持板11の壁部111のX軸方向における縁部分に、セル10のX軸方向における移動を規制する突起状の小さなストッパを設けてもよい。
【0018】
把持板11の絶縁塗装は、例えば電着塗装であり、把持板11の表面の略全体にわたってなされている。即ち、把持板11の底部110及び一対の壁部111の表面全体に、絶縁塗装がなされている。該電着塗装層は、例えば数十μmの厚さであり、セル10が把持板11によって一対の長側面109が覆われて把持された状態における熱抵抗の影響が低くなる厚さに設定されている。把持板11の絶縁塗装は、電着塗装に限定されず、例えば、エポキシ樹脂等の電気的絶縁性を有する樹脂が薄膜状に形成された塗装であってもよい。この場合の絶縁塗装は、液状樹脂を把持板11の表面に塗布後に乾燥して一体化したものである。なお、該絶縁塗装は、例えば、把持板11の表面に予めシート状のものを貼り付けて実現されてもよい。
なお、絶縁性能を有する把持板11は、アルミニウム板に絶縁塗装を施した構成に限定されず、電気的絶縁性を有する所定の樹脂からなる樹脂板であってもよい。
【0019】
図1図2に示すように、把持板11の下方には、平面視矩形の金属板12が配設されている。金属板12は、例えばアルミニウム板である。セル10の一対の長側面109及び底面108を覆った状態でセル10を把持した把持板11の下面は、金属板12の上面121に例えば接着材を用いて接着される。使用される接着剤は、例えば、2液硬化型のエポキシ樹脂系接着剤であるが、これに限定されるものではない。また、該接着剤の代わりに、極薄の両面テープ、又はホットメルトフィルムを用いてもよい。
【0020】
セルユニット1は、金属板12によりその上面20aが接着封止されるとともに、金属板12及び把持板11を介してセル10が載置固定される相変化材料充填部2と、相変化材料充填部2の下面20bに接着されるヒートシンク15と、を備えている。
【0021】
例えば、ヒートシンク15は、所定の金属材で略直方体状に形成されている。ヒートシンク15は、相変化材料充填部2の下面20bに接着される冷却台の一例である。ヒートシンク15は、板状の複数のフィン150を下面側に有している。各フィン150は、X軸方向に沿って延在している。複数のフィン150は、Y軸方向に互いに間隔をあけて並べられており、隣り合うフィン150とフィン150との間を空気がX軸方向に沿って流れていく。ヒートシンク15は、相変化材料充填部2内に充填された相変化材料23が融解した後に、温度上昇する相変化材料23の熱を奪いセルユニット1外に該空気と共に放熱する。
【0022】
実施形態1のセルユニット1では、例えば、ヒートシンク15の平坦面である上面151に、X軸方向に延在する帯状のホットメルトフィルム16が配設されている。ホットメルトフィルム16は、例えば、絶縁性能を備えている。そして、ホットメルトフィルム16によって、ヒートシンク15の上面151と相変化材料充填部2の下面20bとが加熱接着される。即ち、ホットメルトフィルム16が、Z軸方向におけるヒートシンク15と相変化材料充填部2との間に配設された状態となる。
【0023】
ホットメルトフィルム16は、例えば、熱可塑性材料であるナイロン系材料で構成されており、熱伝導率が一例として約0.4[W/mK]である。ホットメルトフィルム16は、例えば、厚さが約50μmに設定されており、発熱体であるセル10と比べて熱抵抗が十分に低くなっている。そのため、一つのセル10当たりの発熱量[W]を1W~数Wと仮定した場合に、セル10からヒートシンク15に対する伝熱がホットメルトフィルム16によって妨げられることはほとんどない。なお、ホットメルトフィルム16の材質、熱伝導率、及び厚さは、上記例に限定されるものではない。また、相変化材料充填部2の下面20bに対するヒートシンク15の接着は、ホットメルトフィルム16による例に限定されない。
【0024】
例えば、実施形態1のセルユニット1では、金属板12と相変化材料充填部2との間に、X軸方向に延在する帯状のホットメルトフィルム17が配設されている。そして、ホットメルトフィルム17によって、金属板12の下面120と相変化材料充填部2の上面20aとが加熱接着される。即ち、相変化材料充填部2は、金属板12及びホットメルトフィルム17により上面20aが接着封止されている。ホットメルトフィルム17は、ホットメルトフィルム16と例えば同一のものを用いるため、材質等についての説明は省略する。
【0025】
相変化材料充填部2は、ケーシング20と、ケーシング20内に配設された複数の金属仕切り板21(以下、仕切り板21とする)によって仕切られた複数の充填空間22と、各充填空間22に充填された相変化材料(PCM:Phase Change Material)23と、ケーシング20内においてセル10の底面108の中央部に対応する位置に配設された金属仕切りブロック24(以下、仕切りブロック24とする)と、を備えている。
【0026】
アルミニウム等の所定の金属からなるケーシング20は、ケーシング20の長手方向(X軸方向)において対向する一対の側壁200と、ケーシング20の短手方向(Y軸方向)において対向する一対の側壁201と、図示しない底板と、を備える。図1図2に示す一対の側壁200は、一対の側壁201よりも厚さが厚く形成されているが、厚く形成されていなくてもよい。
【0027】
セルユニット1は、セル10、金属板12、ケーシング20、及びヒートシンク15の短手方向(Y軸方向)が、互いに平行又は略平行の状態になっている。また、セル10、金属板12、ケーシング20、及びヒートシンク15の長手方向(X軸方向)が、互いに平行又は略平行の状態になっている。
【0028】
実施形態1のセルユニット1では、ケーシング20内に複数の仕切り板21で仕切られて形成された複数の充填空間22は、正六角柱状である。仕切り板21の材質は、例えば、アルミニウムである。そして、相変化材料充填部2は、複数の仕切り板21で形成された正六角柱状の複数の充填空間22を、X軸方向及びY軸方向に隙間なく並べた構造(ハニカム構造)を備えている。相変化材料充填部2の上面20aは、主に複数の充填空間22のZ軸方向における上側開口で形成されている。また、相変化材料充填部2の下面20bは、ケーシング20の図示しない底板の下面である。
【0029】
ホットメルトフィルム16によって、ヒートシンク15の上面151と相変化材料充填部2の図示しない底板の下面20bとが加熱接着される。なお、ケーシング20が図示しない底板を備えておらず、複数の充填空間22がZ軸方向において、上下ともに開口していてもよい。この場合には、ホットメルトフィルム16によって、ヒートシンク15の上面151と相変化材料充填部2の下面20bとが加熱接着されることで、複数の充填空間22のZ軸方向における下側開口が接着封止される。これによって、複数の充填空間22のせん断方向における剛性が高められる。
【0030】
なお、フィン150を備えるヒートシンク15に代えて、例えば、金属板12と略同様の金属板を、ホットメルトフィルム16によって相変化材料充填部2の下面20bに加熱接着して、該金属板を相変化材料充填部2の下面20bに接着される冷却台として用いてもよい。
【0031】
複数の充填空間22には、一度溶かされて液体状態となっている相変化材料23が充填される。その後、常温(例えば、摂氏25℃)程度まで相変化材料23が冷却されることで、相変化材料23が各充填空間22の中で充填されたまま固体になる。なお、図1においては、各充填空間22内で固体となった複数の正六角柱状の相変化材料23の中から、一つを充填空間22より抜き出して示している。
【0032】
相変化材料23は、例えば、常温である25℃付近では個体の状態であり、かつ、固体から液体へ相変化を起こす融点が45℃~65℃である不燃性の材料が用いられる。また、相変化材料23は、例えば、熱伝導率が約0.2[W/mK]~約0.4[W/mK]である。本実施形態では、相変化材料23として例えばポリエチレングリコール(PEG)を用いている。より具体的には、相変化材料23は、例えば、融点60℃程度であるポリエチレングリコールを用いる。なお、相変化材料23は、ポリエチレングリコールに限定されず、酢酸ナトリウム三水和物を用いてもよい。酢酸ナトリウム三水和物は、例えば、融点が58℃であり、融解熱、即ち固体から液体に相転移する時に必要な熱量が264j/gであり、難燃性である。
【0033】
セル10が充放電によって発熱した場合に、底面108を通過する放熱量に対応する熱抵抗が低いので、セルユニット1においては底面108側に相変化材料23を配置することによって、セル10の急激な温度上昇を一時的に抑制することができる。
【0034】
上記のように、相変化材料23が各充填空間22の中に充填され正六角柱状の固体になった状態で、ホットメルトフィルム17によって、相変化材料充填部2の上面20aと、セル10及び把持板11が一体となった金属板12の下面とが加熱接着されることで、図2に示すように、複数の充填空間22のZ軸方向における上側開口が封止され、液体になった場合の相変化材料23が充填空間22から流出してしまうことが無いようになる。
【0035】
図1に示す仕切りブロック24は、把持板11、金属板12、及びホットメルトフィルム17を介して相変化材料充填部2の上面20aに固定されたセル10の底面108の中央部に対応するように、ケーシング20内の略中央となる位置に配設されている。仕切りブロック24は、例えば、アルミニウムを矩形体に形成したものである。仕切りブロック24によって、ケーシング20内の複数の充填空間22が、X軸方向において二つの群に分けられた状態となる。
【0036】
(セルユニットの実施形態2)
図3は、実施形態2のセルユニット1Aである。セルユニット1Aは、図1図2に示す実施形態1のセルユニット1の構成の一部を変更したものであり、セルユニット1と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
【0037】
セルユニット1Aは、金属板12及び把持板11を介してセル10が載置固定される相変化材料充填部2Aと、相変化材料充填部2Aの下面25bに接着されるヒートシンク15と、を備えている。
【0038】
相変化材料充填部2Aは、ケーシング25と、ケーシング25内に配設された金属仕切り板26(以下、仕切り板26とする)によって仕切られた複数の充填空間27と、複数の充填空間27に充填された相変化材料23と、ケーシング25内においてセル10の底面の中央部に対応する位置に配設された金属仕切りブロック29(以下、仕切りブロック29とする)と、を備えている。
【0039】
アルミニウム等の所定の金属で形成されたケーシング25は、X軸方向において対向する一対の側壁250と、ケーシング25のY軸方向において対向する一対の側壁251と、を備える。例えば、一対の側壁250は、一対の側壁251よりも厚さが厚く形成されている。
【0040】
複数の仕切り板26は、X軸方向における一対の側壁250と仕切りブロック29との間に配置される。互いに対して間隔を空けて配置される複数の仕切り板26によって、相変化材料充填部2Aの複数の充填空間27は、それぞれ矩形体状に形成されている。
【0041】
例えば、一対の側壁251には、それぞれの充填空間27に液状の相変化材料23を充填するための注入口253が、X軸方向に間隔を空けて複数形成されている。
【0042】
本実施形態2のセルユニット1Aでは、ヒートシンク15の上面151に、X軸方向に延在する矩形板状の金属板18が配設されている。金属板18は、例えば、アルミニウム板である。そして、金属板18の上面180は、相変化材料充填部2Aの下面25bにホットメルトフィルム16によって加熱接着される。そして、ホットメルトフィルム16によって、金属板18の上面180と相変化材料充填部2Aの下面25bとが加熱接着されることで、複数の充填空間27のZ軸方向における下側開口が封止される。金属板18の下面181は、ヒートシンク15の上面151に、例えば接着材、両面テープ、又はホットメルトフィルムを介して接着される。
なお、相変化材料充填部2Aの下面25bを、ホットメルトフィルム16によって、ヒートシンク15の上面151に直に加熱接着してもよい。
【0043】
例えば、複数の充填空間27のZ軸方向における下側開口が上記のように封止された状態で、複数の充填空間27に、一度溶かされて液体となっている相変化材料23が注入口253から充填される。その後、常温(例えば、25℃)程度まで相変化材料23が冷却されることで、相変化材料23が各充填空間27の中で固体になる。なお、相変化材料23が、各充填空間27に充填された後、注入口253は例えばレーザ溶接などによって塞がれる。なお、図3においては、理解のために、各充填空間27内で固体となった矩形体状の複数の相変化材料23の中から、一つを充填空間27より抜き出して示している。
【0044】
アルミニウムで形成されケーシング25内に配設された仕切りブロック29は、その機能等が実施形態1のセルユニット1における仕切りブロック24と略同一であるため、説明を省略する。
【0045】
実施形態1のセルユニット1と同様に、実施形態2のセルユニット1Aにおいても、金属板12の上面121に、セル10を把持した把持板11の底部110の下面が接着剤等を用いて接着される。セルユニット1Aは、例えば、セル10、金属板12、ケーシング25、金属板18、及びヒートシンク15の短手方向(Y軸方向)が、互いに平行又は略平行の状態になっている。また、セル10、金属板12、ケーシング25、金属板18、及びヒートシンク15の長手方向(X軸方向)が、互いに平行又は略平行の状態になっている。
【0046】
例えば、実施形態2のセルユニット1Aにおいては、把持板11とセル10の一対の長側面109との間に、相変化材料23が密封された袋19が挟まれている。袋19は、所定の樹脂で形成され可撓性を備えるパウチ等である。袋19は、把持板11の一対の壁部111の内側面側に接着されていてもよいし、一対の壁部111の内側面にポケットを形成して該ポケットに収容されていてもよい。袋19は、セル10の一対の長側面109の両面にそれぞれ接触していてもよいし、一対の長側面109のうち片方の長側面109のみに接触していてもよい。
【0047】
セル10は、充放電により発熱した場合に、面積の最も広い一対の長側面109から放熱を行いやすい。よって、把持板11とセル10の一対の長側面109との間に、相変化材料23が密封された袋19が挟まれていることで、セル10の一対の長側面109から袋19内の相変化材料23に熱が伝達されて、袋19内の相変化材料23が効率よく融解する。そして、袋19内の相変化材料23の相変化時の潜熱によって、セル10の温度上昇を抑制することが可能となる。なお、セルユニット1Aは、袋19を備えていなくてもよい。また、図1、2に示す実施形態1のセルユニット1が袋19を備える構成となっていてもよい。
【0048】
図示しない電源から例えば図1図2に示す実施形態1のセルユニット1に電力が供給されることにより、セルユニット1が充電される。また、セルユニット1から負荷へ電力が供給されることにより、セルユニット1が放電する。以下に、セル10が例えば急速な充放電を繰り返すことで発熱する場合における、セルユニット1のセル10の温度上昇を抑制する機能について説明する。
【0049】
図4は、図2に示す相変化材料充填部2を備える実施形態1のセルユニット1のセル10の温度の上昇と、相変化材料充填部2を備えていない従来のセルユニットのセルの温度の上昇とを比較するためのグラフである。図4において、実線で示すグラフG1は、実施形態1のセルユニット1におけるセル10の温度と時間との関係を示すグラフである。また、破線で示すグラフG2は、相変化材料充填部2を備えていない、換言すれば、図1に示す相変化材料23による温度上昇の抑制がなされないセルユニットにおけるセルの温度と時間との関係を示すグラフである。図4において、横軸は時間[秒]を示し、縦軸は温度[℃]を示している。
【0050】
セルユニット1は、例えば、非常走行用電池装置等の電池システムに組み込まれて使用される。なお、セルユニット1が組み込まれる電池システムは、CMU(Cell Monitoring Unit)と称される監視基板、バッテリマネジメントユニット(BMU:Battery Management Unit)、これらの上位制御手段でありセルユニット1を含む電池システムの各部の多重制御を行うコントローラ、防火壁、又は消火設備等の少なくとも一つを備えている。しかし、図4に示すグラフG1及びグラフG2は、セルに対するCMUによる監視制御が失われてしまったり、外部事故による圧力でセルが内部短絡してしまったりする場合におけるセルの温度と時間との関係を示している。
【0051】
例えば、図4に示す温度T1を、図1図2に示すセル10の発熱する前の開始温度T1として、開始温度T1からセル10の温度が充放電等により上昇していく。即ち、充放電の反復によって、主に内部抵抗と充放電電流の2乗との積でジュール熱と反応熱とが発生して、セル10の温度が上昇していく。
【0052】
セル10は、CMUによる監視制御等が失われている場合には、途中から熱暴走状態となり、例えば電解液沸点温度T2を超えると、外装容器100内の電解液が沸騰する。これによって、ラブチャー106がひらき、霧状になった非水電解液がセル10外部に噴出する。そして、噴出した非水電解液の気中濃度が所定条件を満たし、かつ噴出した非水電解液が発火点温度T3になると火災が起きる可能性がある。
【0053】
図4に示す時間S0における所定の温度T4をセル10の保護温度とし、温度T5を火災予兆とみなす温度だとする。温度T5は、例えば、約65℃~約75℃である。実施形態1のセルユニット1におけるセル10の温度と時間との関係を示すグラフG1と、温度上昇抑制がなされないセルユニットにおけるセルの温度と時間との関係を示すグラフG2とを比較すると、実施形態1のセルユニット1におけるセル10は、温度T4から温度T5に到達する間で温度上昇が抑制されている。即ち、温度上昇抑制がなされないセルユニットにおけるセルが火災予兆とみなす温度T5に到達する時間S1よりも、セルユニット1におけるセル10が温度T5に到達する時間S2は遅く(長く)なっている。また、温度上昇抑制がなされないセルユニットにおけるセルが電解液沸点温度T2に到達する時間S11よりも、セルユニット1におけるセル10が電解液沸点温度T2に到達する時間S21は遅くなっている。
【0054】
例えば、セルユニット1が組み込まれた電池システムの傍にいる作業者、運転者、又は乗員等が、該電池システムから退避する場合等に、退避時間を時間S0から開始すると考える。そして、実施形態1のセルユニット1におけるセル10は、温度上昇抑制がなされないセルユニットにおけるセルよりも、時間S1と時間S1よりも遅い時間S2との間の差分時間ΔSaを、上記退避時間のために多く充てることが可能となる。即ち、実施形態1のセルユニット1では、セル10の例えば急速な充放電を行った場合等に、急激な温度上昇が起きることを抑制でき、発熱時の退避時間を差分時間ΔSa分増加させることができる。
【0055】
図1図2に示すセルユニット1が上記のように退避時間を増加させることができる理由について説明する。本実施形態1のセルユニット1では、セル10が発熱すると、セル10の熱が、把持板11、及び金属板12を介して、セル10の下方に位置する相変化材料充填部2に伝えられる。相変化材料充填部2は、ケーシング20内に配設された金属仕切り板21によって仕切られた複数の充填空間22を備えており、複数の充填空間22によりハニカム構造を形成している。そして、各充填空間22には、例えば、常温である25℃程度においては個体であり、融点が60℃程度の相変化材料23が充填されている。そのため、相変化材料充填部2で、セル10から伝わってきた熱を個体の状態から融解する際の潜熱として相変化材料23が吸収する。該熱吸収によって、セル10の例えば急速な充放電を行った場合等における急激な温度上昇を抑制できる。
【0056】
また、充填空間22に充填されている相変化材料23は、熱伝導率が約0.2[W/mK]~約0.4[W/mK]と低いが、ケーシング20内において金属仕切り板21によって周囲を囲繞された状態になっているため、セル10から伝わった熱を熱伝導率が高い金属仕切り板21を介して、効率よく吸収することができ、相変化における潜熱により、セル10の温度上昇を抑える効果を最大限に引き出すことが可能になる。さらに、相変化材料充填部2は、セル10の熱抵抗がより低くなる底面108の下方に配設されているため、セル10から相変化材料23が熱をより吸収しやすくなっている。また、相変化材料充填部2の下面20bには、ヒートシンク15が接着されているため、相変化材料23が潜熱を使い終えた後においても、ヒートシンク15による吸熱がなされ、セル10の温度上昇を抑える効果を最大限に引き出すことが可能になる。
【0057】
相変化材料充填部2において、複数の充填空間22からなるハニカム構造は、せん断方向(X軸Y軸平面方向)における剛性が低い。しかし、相変化材料充填部2の上面20aをホットメルトフィルム17及び金属板12で接着封止しているため、相変化材料23のケーシング20からの流出を防ぎつつ、剛性を上げることができる。また、セルユニット1では、相変化材料充填部2は、複数の充填空間22に相変化材料23を充填しているため、従来よりもセルユニット1全体の軽量化を図ることができる。
【0058】
セルユニット1は、ケーシング20内においてセル10の底面108の中央部に対応する位置に配設された金属仕切りブロック24を備えている。仮に、ケーシング20内に仕切りブロック24を配設していない場合、即ち、ケーシング20内全域が複数の充填空間22にそれぞれ充填された相変化材料23で占められている場合を想定する。セル10は、充放電による発熱が起きると、中央部分に熱が澱みやすい性質を有している。そのため、ケーシング20内全域が充填空間22に充填された相変化材料23で占められている場合には、相変化材料充填部2の上面20aに固定されたセル10の底面108の中央部に対応する位置にある相変化材料23が、他の相変化材料23に比べて温度が高くなり溶けやすくなる。そして、セル10の底面108の中央部に対応する位置にある相変化材料23の相変化時の潜熱のみが、セル10の温度上昇を抑制するために使用される傾向があり、セル10の底面108の中央部に対応する位置から外れた位置にある相変化材料23が効率よく溶けずに潜熱を使いきれない場合がある。
【0059】
本実施形態のセルユニット1においては、相変化材料充填部2の上面20aに固定されたセル10の底面108の中央部に対応するように、仕切りブロック24が配設されている。そして、仕切りブロック24によって、ケーシング20内の複数の充填空間22が、X軸方向において二つの群に分けられている。仕切りブロック24を設けることで、セル10から仕切りブロック24を通して、仕切りブロック24のX軸方向における両側に位置する充填空間22内の相変化材料23に熱が伝わる。そして、ケーシング20内の相変化材料23全体が、略均一に効率よく溶けて潜熱によるセル10の温度上昇抑制効果が得られる。即ち、仕切りブロック24は、ケーシング20内の相変化材料23の温度分布を均一化して、相変化材料23全体を溶けやすくする。そして、セルユニット1は、相変化材料23全体を効率よく融解させて、相変化材料23の潜熱によって、セル10の充放電時の急速な温度上昇を抑えることができる。
【0060】
上記効果は、実施形態2のセルユニット1Aにおいても、略同様に得ることが可能である。また、実施形態2のセルユニット1Aは、把持板11とセル10の一対の長側面109との間に、相変化材料23が密封された袋19が挟まれていることで、一対の長側面109から袋19内の相変化材料23に熱が伝達されて、袋19内の相変化材料23が効率よく融解する。そして、袋19内の相変化材料23の相変化時の潜熱によって、セル10の急激な温度上昇をさらに抑制できる。
【0061】
(組電池の実施形態)
以下、図5図9を用いて本実施形態の組電池4について開示する。実施形態の組電池4は、種々の装置や、機械、設備等に設置され、それら種々の装置や、機械、設備の電源として使用される。組電池4は、自動車や鉄道車両等の電源等、移動型の電源としても使用される他、例えば、POS(Point Of Sales)システム用の電源等、定置型の電源としても使用されうる。また、種々の装置等には、複数の、本実施形態で示される組電池4を、直列あるいは並列に接続したセット(例えば棚状に上下に重ねたセット)として搭載することもできる。組電池4は、電池モジュールや電池装置等とも称される。
【0062】
図に示す組電池4は、複数の角柱セル10を備えている。セル10は、図1に示すセルユニット1のセル10と同一であるため、説明を省略する。なお、以下に説明される組電池4に含まれるセル10の数や配置等は、本実施形態で開示されるものには限定されない。
【0063】
図5に示すように、組電池4は、絶縁性能を有し複数のセル10の一対の長側面109及び底面108をそれぞれ覆うように複数のセル10を把持するセル把持部41を、例えば3つ備えている。また、組電池4は、セル把持部41により把持された複数のセル10を収容室50(図7参照)に並列させて収容する樹脂ケース5を備えている。なお、図5において、樹脂ケース5は、組電池4の内部の構造を説明するために二点鎖線により簡略化して示している。
【0064】
図5に示すセル把持部41は、アルミニウム等で形成されており、Y軸方向を長手方向とし、X軸方向を短手方向とする矩形の底板412を備えている。底板412は、水平面(X軸Y軸平面)に水平に延在している。そして、底板412の上面に、Y軸方向に互いに等間隔を空けて絶縁仕切り板411が例えば垂直に立設している。
【0065】
セル把持部41は、例えば、底板412の表面及び各絶縁仕切り板411の表面に絶縁塗装が施されていることで、絶縁性能を有している、なお、セル把持部41は、電気的絶縁性を有する所定の樹脂で形成されていてもよい。
【0066】
本実施形態においては、例えば、9枚の絶縁仕切り板411が底板412上に立設しており、Y軸方向に隣り合う一枚の絶縁仕切り板411と別の一枚の絶縁仕切り板411との間に、セル10が一つ配設される。そして、セル把持部41の底板412にセル10の底面108が当接し、かつ、セル把持部41のY軸方向において隣り合う絶縁仕切り板411にセル10の一対の長側面109が当接するように、セル把持部41内にセル10が嵌合する。即ち、セル把持部41は、複数のセル10をY軸方向両側から挟み込み把持して固定できるとともに、各セル10を抜き取るように取り外すこともできる。
【0067】
また、図5に示すように、1つのセル把持部41は、Y軸方向に並ぶ8つのセル10を把持している。Y軸方向に並ぶ8つのセル10を、1つのセル列10Aとする。セル列10Aにおいて、Y軸方向において隣り合う各セル10は、各絶縁仕切り板411によって絶縁されている。そして、組電池4は、セル把持部41と一体となったセル列10Aを、X軸方向に並べて3つ有している。例えばリチウムイオン電池であるセル10は、エネルギー密度が低いが、セル把持部41に把持された複数のセル10間の隙間はほとんど無く、セル10を高密度に並べた状態とすることができる。
【0068】
なお、セル把持部41は、図5に示す例に限定されるものではなく、例えば、一つのセル10を一つのセル把持部が把持する構成となっていてもよい。即ち、図1に示すセル10を把持する把持板11が、セル把持部となってもよい。この場合には、下側ケース5Bの収容室50内に、1つのセル10を把持した把持板11がY軸方向に例えば8つ並べられて、一つのセル列10Aを形成する。
【0069】
図5図8に示す樹脂ケース5は、電気的絶縁性を有する材料から形成される。樹脂ケース5を形成する材料としては、例えば、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリカーボネート(PC)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)等の電気的絶縁性を有するエンプラ樹脂が挙げられる。
【0070】
樹脂ケース5は、平面視矩形で蓋形状の上側ケース5Aと、上側ケース5Aと組み合わされる下側ケース5Bとを備えている。上側ケース5Aは、即ち、組電池4の上蓋となる。
【0071】
図6図7において具体的な形状を示す下側ケース5Bは、長手方向(X軸方向)において対向する一対の側壁52、樹脂ケース5の短手方向(Y軸方向)において対向する一対の側壁53、及び底板55を備える。なお、図6においては、下側ケース5Bに上側ケース5Aが嵌合した状態を示している。図7においては、下側ケース5Bのみを図示している。
【0072】
図7に示すように、下側ケース5Bの内部には、セル把持部41に把持された複数のセル10からなるセル列10Aを収容するための収容室50が形成されている。一対の側壁52と一対の側壁53とは例えば一体的に接続されており、収容室50側方全周を囲む。
【0073】
図7に示すように、下側ケース5Bは、例えば2つの仕切り壁をセパレータ56として備えている。電気的絶縁性を備える各セパレータ56は、X軸方向において一対の側壁52の間に配置され、互いに対して離れて配置される。セパレータ56のそれぞれは、収容室50内において、高さ方向(Z軸方向)に沿って連続して延設される。そして、2つのセパレータ56によって下側ケース5Bの収容室50は、収容する3つのセル列10Aと同数の3つの領域502に仕切られる。即ち、収容室50は、セパレータ56によって、X軸方向において3分割される。
【0074】
また、図8に示すように、セル把持部41により把持され下側ケース5Bの収容室50に複数並べて収容されたセル10の一対の長側面109に沿う方向(X軸方向)において、1つのセル10の一対の長側面109に当接する絶縁仕切り板411と、1つのセル10の隣に位置する別のセル10の一対の長側面109に当接する絶縁仕切り板411と、の間に隙間509が設けられている。該隙間509は、1つのセル10の一対の長側面109に当接する絶縁仕切り板411と、1つのセル10の隣に位置する別のセル10の一対の長側面109に当接する絶縁仕切り板411との干渉を防ぐ役割を果たす。
【0075】
図7図8に示すセパレータ56は、該隙間に配設された状態となっている。また、図8に示すように、セパレータ56は、セル把持部41によって把持された複数のセル10の一対の短側面102、及び一対の短側面102と一対の長側面109とで形成されるセル10の角部108cを覆うように、一対の短側面102及び角部108cに接触している。
【0076】
なお、組電池4において、3つのセル把持部41が1つのセル把持部として一体となっており、また、下側ケース5Bの収容室50がセパレータ56によって3つに分割されておらず1つの収容室となっていてもよい。この場合には、複数のセル10を把持した1つのセル把持部が樹脂ケース5の1つの収容室に収容される。また、1つのセル10の一対の長側面109に当接する絶縁仕切り板と、1つのセル10の隣に位置する別のセル10の一対の長側面109に当接する絶縁仕切り板の間に絶縁仕切り板同士の干渉を防ぐ隙間を設け、該隙間に樹脂ケース5とは別体となっているセパレータを配設してもよい。
【0077】
例えば、図1に示すセル10を把持する把持板11が、セル把持部となっている場合には、下側ケース5Bの収容室50内に、1つのセル10を把持した把持板11がY軸方向に例えば8つ並べられて、一つのセル列10Aを形成する。この場合には、下側ケース5Bの底板55上に、複数の区分け板がY軸方向に等間隔を空けて立設していてもよい。領域502のそれぞれは、該区分け板によって、領域502に収容するセル10を把持した把持板11の数(例えば8つ)と同一の数に区分けされる。そして、区分け板によって、セル列10Aに含まれる複数のセル10のY軸方向における適切な位置決めがなされるようにしてもよい。
【0078】
下側ケース5Bの底板55は、Z軸方向の下側から、複数のセル10を把持したセル把持部41を支持する。底板55には、図6図8に示すように3つの枠孔554が貫通形成されている。底板55では、枠孔554のそれぞれは、領域502の1つと対応する位置に形成される。枠孔554は、例えば、平面視略矩形状に貫通形成されている。
【0079】
図5図7に示す下側ケース5Bに収容されたセル列10Aのそれぞれでは、セル10の長手方向が樹脂ケース5の長手方向(X軸方向)と平行又は略平行の状態に、セル10が配列される。図7に示す3つの領域502では、複数のセル10を把持するセル把持部41の下面は、底板55の枠孔554以外の領域によって支持される。また、セル列10Aでは、セル10の短手方向が、樹脂ケース5の短手方向(Y軸方向)と平行又は略平行の状態になる。そして、セル列10Aでは、セル10のそれぞれの高さ方向が、樹脂ケース5の高さ方向(Z軸方向)と平行又は略平行の状態になっている。また、セル列10Aの1つのセル10は、別の1つのセル列10AのY軸方向において同順番となる1つのセル10と、互いにY軸方向及びZ軸方向にほとんどずれることなく配列される。
【0080】
図6図8に示す収容室50の領域502のそれぞれは、枠孔554の対応する1つを通して、下側ケース5Bの外部に対して開口する。領域502のそれぞれでは、全周に渡って内周側へ突出する状態に底板55が形成され、枠孔554のそれぞれでは、底板55の突出端によって、全周に渡ってその縁が形成される。
【0081】
複数のセル10を把持し下側ケース5Bに収容されたセル把持部41の底板412の下面は、例えば、下側ケース5Bの底板55の上面に図示しない接着剤、又は両面テープによって接着される。
【0082】
組電池4は、図6図8に示すように、セル把持部41の下面に倣って変形可能であり、下側ケース5Bの底板55に貫通形成された枠孔554に収容され、セル把持部41の下面に密着する伝熱可塑性材料71(以下、可塑性材料71とする)を備えている。また、組電池4は、図5図8に示すように、セル把持部41の下方に配設され可塑性材料71を介してセル把持部41と接着された金属板72を備えている。
【0083】
図5図8に示す金属板72の材質は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、又は銅板等である。金属板72は、組電池4の高さ方向(Z軸方向)について底板55が位置する下側から、下側ケース5Bに取付けられる。なお、金属板72は、図5に示す例においては、下側ケース5Bの底板55と略同程度の大きさの平面視略矩形状に形成されているが、必要に応じて適切な寸法及び形状等に形成される。金属板72は、例えば、その表面に絶縁層が形成されている。金属板72の絶縁層は、例えば、電着塗装で形成されたもの、又は予め絶縁性能を有するシート状のものを貼り付けて形成されたものである
【0084】
図6図8に示すように、組電池4において、例えば、可塑性材料71は3枚配設されている。そして、下側ケース5Bの枠孔554の形状に対応するように、可塑性材料71は平面視略矩形状に形成されており、その全周が枠孔554に入る大きさに設定されている。
【0085】
可塑性材料71のそれぞれは、下側ケース5B及び空気に比べて熱伝導性が高い。可塑性材料71としては、シリコーン等の可塑性及び電気的絶縁性を有する樹脂が挙げられる。また、可塑性材料71のそれぞれは、金属板72に比べて、熱伝導性が低い。可塑性材料71のそれぞれは、組電池4の高さ方向について、複数のセル10を把持したセル把持部41と、金属板72との間で挟まれる。可塑性材料71は、プレス加工機等によってZ軸方向における上方から下方に向かって所定の押圧力がセル10に加えられた場合に、セル把持部41の略平坦な下面に倣って柔軟に変形可能である。また、可塑性材料71は、セル把持部41の下面及び金属板72の上面725に対して十分な粘着性、及び密着性を備えるものを選定する。
【0086】
可塑性材料71のそれぞれは、枠孔554に収容された状態で収容室50において領域502の対応する1つに配置される。また、可塑性材料71のそれぞれは、領域502の対応する1つにおいて、Y軸方向に並ぶ複数のセル10のセル列10Aの対応する1つのセル把持部41の下面に密着及び当接する。各セル10は、セル把持部41、下側ケース5B、及び可塑性材料71等によって、金属板72に対して、電気的に絶縁される。
【0087】
複数のセル10が充放電することで発生した熱は、セル把持部41、及び可塑性材料71を通して金属板72へ伝達される。したがって、セル把持部41、及び可塑性材料71によって、複数のセル10から金属板72への空気中を通らない伝熱経路が形成される。
【0088】
図5図8に示すように、金属板72の下方には、平面視が矩形となる相変化材料充填部6が配設されている。相変化材料充填部6は、ケーシング60と、ケーシング60内に配設された複数の金属仕切り板61(以下、仕切り板61とする)によって仕切られた複数の充填空間62と、複数の充填空間62に充填された相変化材料23と、ケーシング60内において複数のセル10の底面108の中央部に対応する位置にそれぞれ配設された金属仕切りブロック602(以下、仕切りブロック602とする)と、を備える。
【0089】
図5図8に示すように、アルミニウム等の所定の金属で形成されたケーシング60は、例えば、ケーシング60の長手方向(X軸方向)において対向する一対の側壁600と、ケーシング60の短手方向(Y軸方向)において対向する一対の側壁601と、底板605と、を備える。
【0090】
本実施形態の相変化材料充填部6では、ケーシング60内に複数の仕切り板61で仕切られて形成された充填空間62は、正六角柱状である。即ち、相変化材料充填部6は、複数の仕切り板61で形成された正六角柱状の複数の充填空間62を、X軸方向及びY軸方向に隙間なく並べた構造(ハニカム構造)を備えている。仕切り板61の材質は、例えば、アルミニウムである。相変化材料充填部6の上面60aは、主に複数の充填空間62のZ軸方向における上側開口で形成されている。また、相変化材料充填部6の下面60bは、ケーシング60の底板605の下面である。
【0091】
なお、相変化材料充填部6は、複数の充填空間62をX軸方向及びY軸方向に隙間なく並べたハニカム構造の代わりに、仕切り板によって仕切られた矩形体状の複数の充填空間が、ケーシング60内にX軸方向及びY軸方向に隙間なく並べられた平面視略格子状となる構造を備えていてもよい。
【0092】
本実施形態の相変化材料充填部6は、例えば、図5図9に示すように、ケーシング60内において一対の側壁601の間を横断するようにY軸方向に延在する仕切りブロック602を備えている。仕切りブロック602は、例えば、アルミニウムをバー状に形成したものであり、ケーシング60にX軸方向に等間隔を空けて5つ配設されている。仕切りブロック602は、複数の充填空間62をX軸方向及びY軸方向に隙間なく並べたハニカム構造の剛性を高める。仕切りブロック602の上面は、充填空間62に充填された各相変化材料23の上面と略面一となっている。
【0093】
図9に示すように、ケーシング60の中央部には、充填空間62ではなく、中央ブロック64が設けられている。中央ブロック64は、例えば、アルミニウムを矩形体に形成したものである。中央ブロック64は、相変化材料23がそれぞれ充填された充填空間62によってその周囲を囲繞されている。
【0094】
図9において二点鎖線で示す複数の矩形の枠606は、セル把持部41によって把持され破線で簡略化して示す各セル10がそれぞれ1つずつ対応する位置を仮想的に示している。そして、図9に示すように、仕切りブロック602は、樹脂ケース5に収容された複数のセル10の底面108の中央部に、Z軸方向において対向する位置に配設されている。
【0095】
図5に示す相変化材料充填部6の中央領域上に位置し組電池4の中心付近となる例えば2つのセル10(中央のセル列10Aの4番目と5番目のセル10)は、周囲が他のセル10に囲まれているため、特に温度が高くなりがちなホットスポットとなるセルである。以下、ホットスポットとなる2つのセル10をセル群10Cとする。
【0096】
そして、図9に示す金属で形成された中央ブロック64は、ホットスポットとなるセル群10Cに対応する。即ち、本実施形態の組電池4では、セル群10Cは、図9に示す充填空間62に充填された相変化材料23とZ軸方向において対向していない。なお、ホットスポットとなるセル10は、組電池4におけるセル10の数等によって変わる。例えば、組電池4の中心付近となる4つのセル10をホットスポットとなるセル群として、中央ブロック64をさらに広い面積となるように配設してもよい。また、組電池4は、中央ブロック64を備えていなくてもよい。
【0097】
図5図8、及び図9に示す各充填空間62に充填された相変化材料23は、図1に示すセルユニット1で用いられている相変化材料23と同一であるため、説明を省略する。
【0098】
複数の充填空間62に、一度溶かされて液体状態となっている相変化材料23が充填される。充填後、常温(例えば、25℃)程度まで相変化材料23が冷却されることで、相変化材料23が各充填空間62の中で固体になる。なお、図5においては、相変化材料23の理解のために、固体となった複数の正六角柱状の相変化材料23の中から、一つを充填空間62より抜き出して示している。
【0099】
本実施形態の組電池4では、図8に示すように、金属板72と相変化材料充填部6との間に、薄いホットメルトフィルム17Aが配設されている。ホットメルトフィルム17Aは、例えば、相変化材料充填部6の上面60aの略全域を覆うことが可能な大きさに設定されている。そして、上記のように、相変化材料23が各充填空間62の中に充填されたまま正六角柱状の固体になった状態で、ホットメルトフィルム17Aによって、相変化材料充填部6の上面60aと金属板72とが加熱接着されることで、複数の充填空間62のZ軸方向における上側開口が封止される。ホットメルトフィルム17Aは、図1に示すセルユニット1におけるホットメルトフィルム17と材質や機能等が同じであり、組電池4用にサイズ変更したものであるため、詳しい説明を省略する。
【0100】
図5図8に示すように、相変化材料充填部6の下方には、平面視が矩形に形成されたヒートシンク15Aが配設されている。ヒートシンク15Aは、図1に示すヒートシンク15を、組電池4用にサイズ変更したものである。ヒートシンク15Aは、隣り合うフィン150とフィン150との間を空気がX軸方向に沿って流れていき、セル10の熱を吸収して融解後に温度上昇する相変化材料23の熱を、組電池4外に該空気と共に放熱する。ヒートシンク15Aは、相変化材料充填部6の下面60bに接着される冷却台の一例である。
【0101】
本実施形態の組電池4では、例えば、図8に示すヒートシンク15Aの平坦面である上面151に、薄いホットメルトフィルム16Aが配設されている。そして、ホットメルトフィルム16Aによって、ヒートシンク15Aの上面151と相変化材料充填部6の底板605の下面60bとが加熱接着される。即ち、ホットメルトフィルム16Aが、Z軸方向におけるヒートシンク15Aと相変化材料充填部6との間に配設された状態となる。ホットメルトフィルム16Aは、図1に示すセルユニット1で用いられたホットメルトフィルム16と、材質や機能等が同じであり、組電池4用にサイズ変更したものであるため、詳しい説明を省略する。
【0102】
図6図7に示すように、下側ケース5Bの一対の側壁52の外側面の4角となる部分には、外側から内側に向かって略矩形の切り欠き520が形成されており、切り欠き520内に、下側ケース5B外側における底板55の上面が一部露出している。切り欠き520内で露出する底板55には、外側へ突出する突出端555が設けられている。そして、下側ケース5Bの4角にそれぞれ位置する4つの突出端555には、その上面から底板55の下面に至る第1の貫通孔551が形成されている。このように第1の貫通孔551は、下側ケース5Bの収容室50の外側であり下側ケース5Bの例えば4角となる位置にそれぞれ形成されている。各第1の貫通孔551には、図7に示すボルト57が挿通される。
【0103】
図5に示すように、例えば、金属板72の4角近傍部分には、下側ケース5Bの底板55の4つの第1の貫通孔551にZ軸方向においてそれぞれ対応して連通する第2の貫通孔722が形成されている。
例えば、相変化材料充填部6のケーシング60の4角部分には、下側ケース5Bの第1の貫通孔551及び金属板72の第2の貫通孔722に対応するように、第3の貫通孔608が一対の側壁600をZ軸方向に貫通形成されている。なお、ケーシング60の4角部分に、X軸方向においてケーシング60から突出する突片を形成し、該突片に第3の貫通孔608を貫通形成する構成としてもよい。
【0104】
図5に示すように、ヒートシンク15Aの4角部分には、対応する下側ケース5Bの第1の貫通孔551、金属板72の第2の貫通孔722、相変化材料充填部6の第3の貫通孔608からずれることなく配置されたボルト穴157が形成されている。そして、図9に示すボルト57が、第1の貫通孔551、第2の貫通孔722、及び第3の貫通孔608に通されてボルト穴157に螺合される。下側ケース5Bの4角全てで同様にボルト57の挿通及び螺合がなされることで、下側ケース5B、金属板72、相変化材料充填部6、及びヒートシンク15Aが締結固定されて一体化する。したがって、ヒートシンク15Aは、ボルト57による上記締結固定を解除し、さらに、相変化材料充填部6とのホットメルトフィルム16Aによる接着を解除することで、相変化材料充填部6及び下側ケース5B等と分離可能である。なお、ヒートシンク15Aと相変化材料充填部6とをホットメルトフィルム16Aで接着せずに、ボルト57による締結固定のみとしてもよい。
【0105】
組電池4では、図8に示す下側ケース5Bに複数のセル10が収容された状態で、複数のセル10の各端子面103全体を覆う図示しない中蓋が、複数のセル10上に配設される。図示しない中蓋は、セル10の正極端子104及び負極端子105を上方に露出させるための端子露出孔を複数備えている。そして、該端子露出孔から該中蓋の上方に露出した各セル10の正極端子104及び負極端子105に、図9において破線で簡略化して示すバスバー42を取り付け可能となっている。
【0106】
図8に示すバスバー42は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金を平板状に形成したものである。バスバー42は、例えば、図5に示すY軸方向に隣り合う各セル10の正極端子104及び負極端子105に、ろう材を用いてレーザ溶接される。具体的には、セル列10Aの一つのセル10の正極端子104に、バスバー42の一端部が溶接され、Y軸方向における隣のセル10の負極端子105に、該バスバー42の他端部が溶接される。また、該一つのセル10の負極端子105は、前記の隣とは反対側の隣のセル10の正極端子104とバスバー42によって溶接される。
【0107】
樹脂ケース5内において、例えば、-Y方向における端位置に位置するセル10のバスバー42で接続されていない正極端子104は、バスバーを介して図示しない正極の電源入出力用端子と接続される。また、樹脂ケース5内において+Y方向における端位置に位置するセル10のバスバー42で接続されていない負極端子105は、バスバーを介して図示しない負極の電源入出力用端子と接続される。図示しない正極の電源入出力用端子及び図示しない負極の電源入出力用端子が、充電電源や負荷と接続されることで、組電池4の充放電等の利用がなされる。
【0108】
複数のセル10は、複数のバスバー42により、例えば直列に接続されて組電池4となる。なお、電気的に並列に接続されている複数のセル10を含む組電池4では、負極端子105同士がバスバー42により接続されるとともに正極端子104同士がバスバー42により接続されることで、複数のセル10が電気的に接続され得る。また、組電池4において、図5図8に示すX軸方向において隣り合うセル10同士が、バスバー42で接続されてもよい。
【0109】
図8に示すように、組電池4は、監視基板44を備えている。監視基板44は、例えば各バスバー42を介して各セル10と電気的に接続され、セル10の温度及び電圧等の測定、及びセル10の制御等を行う。例えば、監視基板44は、矩形板状に形成されており、CMU(Cell Monitoring Unit)基板とも称される。監視基板44は、セル監視IC等を搭載しており、図示しない固定部材によって各バスバー42に接続される。そして監視基板44は、セル10の電圧及び温度を測定し、例えば図示しない上位制御装置とデータ授受可能に構成される。上位制御装置の一例としては、BMU(Battery Management Unit)である。
【0110】
図6に示すように、例えば、上側ケース5Aには、外部通信用コネクタ594が配設されており、この外部通信用コネクタ594を通して、監視基板44は上位制御装置とデータの授受を行う。
【0111】
下側ケース5B内のセル把持部41に把持された複数のセル10からなる3つのセル列10Aに、図8に示す監視基板44が接続された状態で、監視基板44の上方から、図6図8に示す上側ケース5Aが下側ケース5Bに装着される。即ち、下側ケース5Bが上側ケース5Aによって蓋をされた状態となる。
【0112】
例えば、図7図8に示すように、下側ケース5Bの一対の側壁52及び一対の側壁53の上端側は、下側ケース5Bの外部側に向かって一段の段差を生む凹部58がそれぞれ形成されている。
【0113】
図6図8に示す上側ケース5Aは、矩形平板状の天板590と、天板590の外周縁から-Z方向に垂下する4枚の側壁591と、を備えている。例えば、図8に示すように、4枚の側壁591の下端側は、上側ケース5Aの内部側に向かって一段の段差を生む凸部593が形成されている。
【0114】
例えば、図8に示すように、上側ケース5Aは下側ケース5Bに嵌合する。即ち、上側ケース5Aの4枚の側壁591が、下側ケース5Bの収容室50内に入り込む。そして、下側ケース5Bの一対の側壁52及び一対の側壁53に形成された凹部58と、上側ケース5Aの各側壁591の凸部593とがラビリンス状には嵌り合う。上側ケース5Aと下側ケース5Bとがラビリンス状に嵌合することで、例えば、セル10の端子面103上から上側ケース5Aの側壁591側に流れる外部短絡が、樹脂ケース5外部に達してしまうことを防止できる。なお、セル10の底面108側からの外部短絡を防止するために、図8に示す下側ケース5Bの下部外周縁に、相変化材料充填部6の外側面を囲繞するように垂下する壁を設けてもよい。
【0115】
電源から図5図8に示す組電池4に電力が供給されることにより、組電池4が充電される。また、組電池4から負荷へ電力が供給されることにより、組電池4が放電する。以下に、組電池4が例えば急速な充放電を繰り返すことで発熱する場合における、組電池4の温度上昇を抑制する機能について説明する。
【0116】
相変化材料充填部6を備える組電池4におけるセル10の温度の上昇と、相変化材料充填部6を備えていない従来の組電池のセルの温度の上昇との比較は、先に説明した、相変化材料充填部6を備える実施形態1のセルユニット1のセル10の温度の上昇と、相変化材料充填部を備えていないセルユニットのセルの温度の上昇との比較と略同様となる。即ち、図4において、実線で示すグラフG1は、本実施形態の組電池4におけるセル10の温度と時間との関係を示すグラフである。また、破線で示すグラフG2は、相変化材料充填部6を備えていない、換言すれば、図5に示す相変化材料23による温度上昇抑制がなされない組電池におけるセルの温度と時間との関係を示すグラフである。
【0117】
組電池4は、例えば、UPS用蓄電池盤に組み込まれた状態で使用される。図4に示すグラフG1及びグラフG2は、例えば、セルに対する監視基板44(図8参照)による監視制御が失われてしまったり、外部事故による圧力でセルが内部短絡してしまったりする場合におけるセルの温度と時間との関係を示している。
【0118】
実施形態の組電池4におけるセル10は、温度T4と温度T5との間で温度上昇が抑制されている。即ち、温度上昇抑制がなされない組電池におけるセルが火災予兆とみなす温度T5に到達する時間S1よりも、組電池4におけるセル10が温度T5に到達する時間S2は遅くなっている。また、温度上昇抑制がなされない組電池におけるセルが電解液沸点温度T2に到達する時間S11よりも、組電池4におけるセル10が電解液沸点温度T2に到達する時間S21は遅くなっている。
【0119】
したがって、例えば、組電池4が組み込まれたUPS用蓄電池盤の傍にいる作業者、運転者、又は乗員等が、該電池盤から退避する場合等に、実施形態の組電池4におけるセル10は、温度上昇抑制がなされない組電池におけるセルよりも、時間S1と時間S1よりも遅い時間S2との間の差分時間ΔSaを上記退避のために充てることが可能となる。即ち、実施形態の組電池4は、セル10の例えば急速な充放電を行った場合等に、急激な温度上昇が起きることを抑制でき、発熱時の退避時間を差分時間ΔSa分増加させることが可能となる。
【0120】
組電池4が上記退避時間を増加させることができる理由について説明する。即ち、本実施形態の組電池4では、図8に示すセル10が発熱すると、セル10の熱が、セル把持部41、可塑性材料71、及び金属板72を通して、セル10の下方に配設された相変化材料充填部6に伝えられる。
【0121】
相変化材料充填部6は、金属で形成されケーシング60内に配設された複数の仕切り板61によって仕切られた複数の充填空間62を備えており、複数の充填空間62によりハニカム構造を形成している。そして、各充填空間62には、例えば、常温25℃程度においては個体であり、融点が60℃程度の相変化材料23が充填されている。そのため、各充填空間62に充填されている相変化材料23は、セル10から伝わった熱を、個体の状態から液体へ融解する相変化の際の潜熱として吸収する。これによって、組電池4が例えば急速な充放電を行った場合等に、急激な温度上昇が起きることを抑制できる。
【0122】
また、充填空間22に充填されている相変化材料23は、熱伝導率が約0.2[W/mK]~約0.4[W/mK]と低いが、ケーシング60内において金属仕切り板61によって周囲を囲繞された状態になっているため、セル10から伝わった熱を熱伝導率が高い金属仕切り板61を介して、効率よく吸収でき、相変化における潜熱によりセル10の温度上昇を抑える効果を最大限に引き出すことが可能になる。さらに、相変化材料充填部6は、熱抵抗がより低くなるセル10の底面108の下方に配設されているため、セル10からの熱を相変化材料23がより吸収しやすくなっている。また、相変化材料充填部6の下面60bには、ヒートシンク15Aが接着されているため、相変化材料23が個体から液体に相変化した後においても、セル10の急激な温度上昇を抑える効果を最大限に引き出すことができる。
【0123】
相変化材料充填部6において、複数の充填空間62からなるハニカム構造は、せん断方向(X軸Y軸平面方向)における剛性が低い。しかし、相変化材料充填部6の上面60aをホットメルトフィルム17A及び金属板72で接着封止しているため、相変化材料23のケーシング60からの流出を防ぎつつ、剛性を上げることができる。また、組電池4においては、相変化材料充填部6は、複数の充填空間62に相変化材料23を充填しているため、従来よりも組電池全体の軽量化を図ることができる。
【0124】
また、組電池4は、ケーシング60内において複数のセル10の底面108の中央部に対応する位置にそれぞれ配設された金属仕切りブロック602を備えている。仮に、ケーシング60内に仕切りブロック602を配設していない場合、即ち、ケーシング60内全域が充填空間62に充填された相変化材料23で占められている場合を想定する。各セル10は、充放電による発熱が起きると、中央部分に熱が澱みやすい性質を有している。そのため、ケーシング60内全域が充填空間62に充填された相変化材料23で占められている場合には、相変化材料充填部6の上面60aに固定された各セル10の底面108の中央部に対応する位置にある相変化材料23が、他の相変化材料23に比べて温度が高くなり、各セル10の底面108の中央部に対応する位置にある相変化材料23のみが相変化を起こしやすくなる。そして、各セル10の底面108の中央部に対応する位置にある相変化材料23の相変化時の潜熱のみが、各セル10の温度上昇を抑制するために使用される傾向があり、各セル10の底面108の中央部に対応する位置から外れた位置にある相変化材料23が効率よく溶けずに、潜熱を使いきれない場合がある。
【0125】
本実施形態の組電池4においては、相変化材料充填部6の上面60aに固定された各セル10の底面108の中央部に対応するように、仕切りブロック602が複数配設されている。仕切りブロック602を設けることで、各セル10から仕切りブロック602を通して、仕切りブロック602のX軸方向における両側に位置する充填空間62内の相変化材料23に熱が伝わる。このため、ケーシング60内の相変化材料23全体が、略均一に効率よく溶けて潜熱による各セル10の温度上昇抑制効果が得られる。即ち、各仕切りブロック602は、ケーシング60内の相変化材料23の温度分布を均一化して、相変化材料23全体を溶けやすくする。以上のように、組電池4は、相変化材料23全体を効率よく融解させた際の潜熱により、各セル10の充放電時の急速な温度上昇を抑えることができる。
【0126】
本実施形態の組電池4では、ホットスポットとなるセル群10Cに含まれるセル10は、充填空間62に充填された相変化材料23とZ軸方向において対向しておらず、中央ブロック64とZ軸方向において対向している。
仮に、ケーシング60内に中央ブロック64を配設していない場合を想定する。該仮の場合には、相変化材料充填部6の上面60aに固定されたホットスポットとなるセル群10Cに対応する位置にある相変化材料23が、他の相変化材料23に比べて温度が高くなり、セル群10Cに対応する位置にある相変化材料23のみが溶けやすくなってしまう傾向がある。
【0127】
しかし、本実施形態の組電池4においては、中央ブロック64を設けることで、セル群10Cから、中央ブロック64を通して、中央ブロック64のX軸方向における両側に位置する充填空間62内の相変化材料23に熱が伝わる。そして、ケーシング60内の相変化材料23全体が、略均一に効率よく溶けて各セル10の温度上昇抑制効果が得られる。即ち、中央ブロック64は、ケーシング60内の相変化材料23の温度分布を均一化して、相変化材料23全体を溶けやすくする。以上のように、組電池4は、相変化材料23全体を効率よく融解させて、相変化材料23の潜熱によって、各セル10の充放電時の急速な温度上昇を抑制できる。
【0128】
図10は、相変化材料充填部6を備える組電池4の温度の上昇と、相変化材料充填部6を備えていない組電池の温度の上昇とを比較するためのグラフである。図10において、下段側に実線で示すグラフG4は、本実施形態の組電池4の温度と時間との関係を示すグラフである。また、下段側に破線で示すグラフG5は、相変化材料充填部6を備えず相変化材料23による温度上昇抑制がなされない組電池の温度と時間との関係を示すグラフである。グラフG4及びグラフG5において、横軸は時間を示し、縦軸は温度[℃]を示している。また、図10における上段側に実線で示すグラフG6は、組電池4の充電率(SOC:State of Charge)と時間との関係を示している。グラフG6において、横軸は時間を示し、縦軸はSOC[%]を示している。
【0129】
組電池4が組み込まれるUPS用蓄電池盤は、通電中は高い充電率で保持され、電源喪失時に、停電から電源が復旧するまでの数分間から数十分間に、高いCレートで放電、又は電力を供給する機能がある。Cレートとは、充電及び放電のスピードのことであり、定電流充放電測定の場合、セルの理論容量を1時間で完全充電(または放電)させる電流の大きさは1Cで定義される。
【0130】
UPS用蓄電池盤の動作中において、時間S6から高いCレート(例えば、5C)で放電していると、組電池の各セルの温度上昇が進行する。ここで、グラフG4とグラフG5との比較により確認できるように、相変化材料充填部6を備える組電池4は、相変化材料充填部6を備えていない組電池よりも、相変化材料23が相変化している時間(時間S6から時間S7まで間)における温度上昇を抑えることができる。
【0131】
時間S7に5CのCレートで行う放電が終了し、これ以降は、セル回復のためにCレートを例えば1C以下として低いCレートで充電を行う。低いCレートの充電ならば、組電池4の温度がこれ以上上昇することは無い。そして、常温(約25℃)までに組電池4の各セル10の温度が下がる過程で、相変化材料23が液体から固体に相変化し元に戻る。
【0132】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0133】
1:実施形態1のセルユニット
10:セル
11:把持板 12:金属板 15:ヒートシンク
16,17:ホットメルトフィルム
2:相変化材料充填部
21:金属仕切り板 22:充填空間 23:相変化材料 24:金属仕切りブロック
1A:実施形態2のセルユニット
2A:相変化材料充填部 26:金属仕切り板 27:充填空間
4:組電池
41:セル把持部 411:絶縁仕切り板
42:バスバー 44:監視基板
5:樹脂ケース
5A:上側ケース
5B:下側ケース 50:収容室 56:セパレータ
6:相変化材料充填部
60:ケーシング 61:金属仕切り板 62:充填空間
71:可塑性材料 72:金属板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10