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特開2024-123868スプレーノズル及びスプレーノズルの洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123868
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】スプレーノズル及びスプレーノズルの洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/14 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B05B1/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031642
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山上 典之
(72)【発明者】
【氏名】田村 晴海
(72)【発明者】
【氏名】竹井 一剛
【テーマコード(参考)】
4F033
【Fターム(参考)】
4F033AA04
4F033BA03
4F033DA05
4F033EA01
4F033NA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】洗浄後における清浄性が確保され易いスプレーノズルとスプレーノズルに清浄性を確保させ易い洗浄方法との提供を課題としている。
【解決手段】開口部を有する中空状の被洗浄体の内壁面を洗浄液で洗浄するために前記開口部に装着されるスプレーノズル31であって、ノズル本体部の内部を流れて前記洗浄液が該ノズル本体部の先端部に供給され、該ノズル本体部に穿設された貫通孔より前記洗浄液が放出するように構成されており、前記ノズル本体部が、複数の部材で構成され、該複数の部材が、前記洗浄液の流れ方向に接続された第1部材と第2部材とを含み、該第2部材が、前記第1部材の下流側に接続され、下流側に向けて外径が縮径する縮径部と下流側に向けて外径が拡径する拡径部との内の少なくとも一方が設けられているスプレーノズルを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する中空状の被洗浄体の内壁面を洗浄液で洗浄するために前記開口部に装着されるスプレーノズルであって、
前記被洗浄体の前記開口部に取付けられる固定部と、
該固定部を前記開口部に取付けたときに該固定部から前記被洗浄体の内部空間に延びるように配される中空状のノズル本体部とを有し、
前記ノズル本体部の内部を流れて前記洗浄液が該ノズル本体部の先端部に供給され、該ノズル本体部に穿設された貫通孔より前記洗浄液が放出するように構成されており、
前記ノズル本体部が、複数の部材で構成され、
該複数の部材が、前記洗浄液の流れ方向に接続された第1部材と第2部材とを含み、
該第2部材が、前記第1部材の下流側に接続され、
前記ノズル本体部には、前記第1部材で構成された第1部と、前記第2部材で構成された第2部と、前記第1部と前記第2部とに接する接続部とが設けられ、
前記内部空間に露出する前記ノズル本体部の外周面には、前記第1部の外周面で構成された第1領域と、前記第2部の外周面で構成された第2領域と、前記接続部の外周面で構成された接続領域とが含まれ、
前記第1領域の下流側の端縁部では、該第1領域と前記接続領域とが連続し、
該接続領域よりも下流側に前記第2領域が設けられ、
該第2領域と前記接続領域との内の少なくとも一方には、
下流側に向けて外径が縮径する縮径部と下流側に向けて外径が拡径する拡径部との内の少なくとも一方が設けられているスプレーノズル。
【請求項2】
前記第2部材の最小径よりも第1部材の最小径の方が大きい請求項1記載のスプレーノズル。
【請求項3】
前記接続領域が、前記縮径部か前記拡径部かを備えている請求項1記載のスプレーノズル。
【請求項4】
前記縮径部が備えられている請求項1記載のスプレーノズル。
【請求項5】
前記縮径がテーパー状の縮径であり、前記拡径がテーパー状の拡径である請求項1記載のスプレーノズル。
【請求項6】
前記接続領域の下流側の端縁部では、該接続領域と前記第2領域とが連続している請求項1記載のスプレーノズル。
【請求項7】
テーパー状に縮径した前記縮径部を備え、
前記洗浄液の流れ方向での該縮径部の長さに比べ、該縮径部で前記外周面が前記ノズル本体部の中心に近付く距離の方が短い請求項5記載のスプレーノズル。
【請求項8】
前記第1領域の下流側の端縁と前記接続領域の上流側の端縁とが接する境界線に直交して該境界線から第1領域に沿って延びる線分の向きが鉛直方向上向きとなるように配置して該第1領域を伝って流れるように洗浄液を流したときに、該洗浄液が前記接続領域に流れ込むように前記第1領域と前記接続領域とが連続している請求項1記載のスプレーノズル。
【請求項9】
開口部を有する中空状の被洗浄体の内壁面を洗浄液で洗浄するために前記開口部に装着されているスプレーノズルの洗浄方法であって、
前記スプレーノズルは、
前記被洗浄体の前記開口部に取付けられる固定部と、
該固定部を前記開口部に取付けたときに該固定部から前記被洗浄体の内部空間に延びるように配される中空状のノズル本体部とを有し、
前記ノズル本体部の内部を流れて前記洗浄液が該ノズル本体部の先端部に供給され、該ノズル本体部に穿設された貫通孔より前記洗浄液が放出するように構成されており、
前記ノズル本体部が、複数の部材で構成され、
該複数の部材が、前記洗浄液の流れ方向に接続された第1部材と第2部材とを含み、
該第2部材が、前記第1部材の下流側に接続され、
前記ノズル本体部には、前記第1部材で構成された第1部と、前記第2部材で構成された第2部と、前記第1部と前記第2部とに接する接続部とが設けられ、
前記内部空間に露出する前記ノズル本体部の外周面には、前記第1部の外周面で構成された第1領域と、前記第2部の外周面で構成された第2領域と、前記接続部の外周面で構成された接続領域とが含まれ、
前記第1領域の下流側の端縁部では、該第1領域と前記接続領域とが連続し、
該接続領域よりも下流側に前記第2領域が設けられ、
該第2領域と前記接続領域との内の少なくとも一方には、
下流側に向けて外径が縮径する縮径部と下流側に向けて外径が拡径する拡径部との内の少なくとも一方が設けられており、
該スプレーノズルの洗浄では、前記貫通孔より放出した前記洗浄液を前記ノズル本体部の外周面に浴びせて該ノズル本体部を洗浄し、
該ノズル本体部の洗浄では、前記洗浄液が前記第1領域から前記接続領域に流れ込むように前記ノズル本体部の外周面に前記洗浄液が浴びせられるスプレーノズルの洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーノズル及びスプレーノズルの洗浄方法に関し、より詳しくは、開口部を有する中空状の被洗浄体の内壁面を洗浄液で洗浄するために前記開口部に装着されるスプレーノズルとその洗浄方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タンクや大型配管のような中空状の被洗浄体の内壁面を洗浄するためにスプレーノズルが用いられている。この種のスプレーノズルとしては、被洗浄体に設けられた開口部から被洗浄体の内部空間に進入させて洗浄液を内壁面に向けて放出させるためのノズル本体部を有するものが知られている。この種のスプレーノズルとしては、被洗浄体に付着した除去対象物をより多く除去するために広範囲に洗浄液を放出させるように構成されたものが知られている。スプレーノズルとしては、洗浄液が放出されるヘッド部がノズル本体部に固定配置されている固定式スプレーノズルと、ノズル本体部の一部が回転しながら洗浄液を放出するように構成された回転式スプレーノズルとが知られており、例えば、下記特許文献1には、給液軸管と、該給液軸管の先端に回転可能に装着された回転体とを含む複数の部材でノズルの本体部を構成させ、該ノズル本体部に供給した洗浄液を前記回転体から放出させるように構成された回転式スプレーノズルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-23621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スプレーノズルについては、洗浄後の被洗浄体の清浄性を向上させる方法が検討されているもののスプレーノズル自身の清浄性を向上させることについては十分な検討がされていない。洗浄を実施した後にスプレーノズルの外周面に除去対象物質などが付着していると、この付着物が落下して被洗浄体の清浄性を損なうおそれがある。そこで、本発明は、洗浄後における清浄性が確保され易いスプレーノズルとスプレーノズルに清浄性を確保させ易い洗浄方法との提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決すべく、
開口部を有する中空状の被洗浄体の内壁面を洗浄液で洗浄するために前記開口部に装着されるスプレーノズルであって、
前記被洗浄体の前記開口部に取付けられる固定部と、
該固定部を前記開口部に取付けたときに該固定部から前記被洗浄体の内部空間に延びるように配される中空状のノズル本体部とを有し、
前記ノズル本体部の内部を流れて前記洗浄液が該ノズル本体部の先端部に供給され、該ノズル本体部に穿設された貫通孔より前記洗浄液が放出するように構成されており、
前記ノズル本体部が、複数の部材で構成され、
該複数の部材が、前記洗浄液の流れ方向に接続された第1部材と第2部材とを含み、
該第2部材が、前記第1部材の下流側に接続され、
前記ノズル本体部には、前記第1部材で構成された第1部と、前記第2部材で構成された第2部と、前記第1部と前記第2部とに接する接続部とが設けられ、
前記内部空間に露出する前記ノズル本体部の外周面には、前記第1部の外周面で構成された第1領域と、前記第2部の外周面で構成された第2領域と、前記接続部の外周面で構成された接続領域とが含まれ、
前記第1領域の下流側の端縁部では、該第1領域と前記接続領域とが連続し、
該接続領域よりも下流側に前記第2領域が設けられ、
該第2領域と前記接続領域との内の少なくとも一方には、
下流側に向けて外径が縮径する縮径部と下流側に向けて外径が拡径する拡径部との内の少なくとも一方が設けられているスプレーノズル、を提供する。
【0006】
本発明は、上記課題を解決すべく、
開口部を有する中空状の被洗浄体の内壁面を洗浄液で洗浄するために前記開口部に装着されているスプレーノズルの洗浄方法であって、
前記スプレーノズルは、
前記被洗浄体の前記開口部に取付けられる固定部と、
該固定部を前記開口部に取付けたときに該固定部から前記被洗浄体の内部空間に延びるように配される中空状のノズル本体部とを有し、
前記ノズル本体部の内部を流れて前記洗浄液が該ノズル本体部の先端部に供給され、該ノズル本体部に穿設された貫通孔より前記洗浄液が放出するように構成されており、
前記ノズル本体部が、複数の部材で構成され、
該複数の部材が、前記洗浄液の流れ方向に接続された第1部材と第2部材とを含み、
該第2部材が、前記第1部材の下流側に接続され、
前記ノズル本体部には、前記第1部材で構成された第1部と、前記第2部材で構成された第2部と、前記第1部と前記第2部とに接する接続部とが設けられ、
前記内部空間に露出する前記ノズル本体部の外周面には、前記第1部の外周面で構成された第1領域と、前記第2部の外周面で構成された第2領域と、前記接続部の外周面で構成された接続領域とが含まれ、
前記第1領域の下流側の端縁部では、該第1領域と前記接続領域とが連続し、
該接続領域よりも下流側に前記第2領域が設けられ、
該第2領域と前記接続領域との内の少なくとも一方には、
下流側に向けて外径が縮径する縮径部と下流側に向けて外径が拡径する拡径部との内の少なくとも一方が設けられており、
該スプレーノズルの洗浄では、前記貫通孔より放出した前記洗浄液を前記ノズル本体部の外周面に浴びせて該ノズル本体部を洗浄し、
該ノズル本体部の洗浄では、前記洗浄液が前記第1領域から前記接続領域に流れ込むように前記ノズル本体部の外周面に前記洗浄液が浴びせられるスプレーノズルの洗浄方法、を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、洗浄後における清浄性が確保され易いスプレーノズルが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】スプレーノズルの使用状態を示した概略正面図。
図2】一実施形態のスプレーノズルの縦断面の様子を示した概略断面図。
図3】スプレーノズルの固定部とノズル本体部との接合状態を拡大して示した概略拡大図。
図4A】スプレーノズルのノズル本体部を構成する部材どうしの接合状態を拡大して示した概略拡大図。
図4B】スプレーノズルのノズル本体部を構成する部材どうしの接合状態を拡大して示した概略拡大図。
図5】スプレーノズルのヘッド部の縦断面の様子を示した概略断面図。
図6】スプレーノズルのヘッド部の様子を示した概略正面図。
図7】他の態様のスプレーノズルのヘッド部の様子を示した概略正面図。
図8A】他の態様のスプレーノズルを示した概略正面図。
図8B】他の態様のスプレーノズルを示した概略正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。尚、以下においては本実施形態のスプレーノズルで洗浄される被洗浄体が反応装置における反応槽である場合を例にして本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、反応装置1を示したもので、反応装置1は、本実施形態における被洗浄体である反応槽10を備えている。反応槽10は中空状で被処理物を収容可能な内部空間10cを有している。反応装置1は、反応槽10の内部で反応される被処理物を攪拌するための攪拌装置20と、該攪拌装置20や前記反応槽10を洗浄液(例えば、イオン交換水など)で洗浄するための洗浄装置30とを備えている。
【0011】
本実施形態の前記反応槽10では、前記内部空間10cに収容された液状や粉粒状の原材料に対する化学的処理が施される。本実施形態の前記反応槽10は、この内部空間10cに対して露出する箇所に対してグラスライニングが施されて耐食性が付与されている。本実施形態の前記反応槽10は、平面視円形の底壁部12と、該底壁部12の外周縁より円筒状になって上方に延びる周側壁部13と、前記底壁部12と上下方向に対向して前記周側壁部13の上端部を塞ぐように配される平面視円形の天井壁部14とを備えている。前記内部空間10cは、該反応槽10の内側の壁面によって画定されている。即ち、反応槽10の内壁面は、前記内部空間10cに対して露出した露出面となっている。
【0012】
本実施形態におけるスプレーノズル31は、該洗浄装置30に備えられている。本実施形態におけるスプレーノズル31は、固定式スプレーノズルであるが、スプレーノズル31は回転式スプレーノズルであってもよい。スプレーノズル31は、図1図2に示すように、反応槽10への挿入方向である第1の方向を備える。本実施形態におけるスプレーノズル31は、前記第1の方向に平行で当該スプレーノズル31の中心部を通る仮想線である中心軸Cxを有する。スプレーノズル31は、該中心軸Cxに沿った方向が長さ方向XLとなっており、該中心軸Cxと直交する方向が径方向XDとなっている。また、以下においては、該中心軸Cxの周りを周回する方向について周方向と称することがある。
【0013】
本実施形態の反応槽10は、前記天井壁部14の3箇所に開口部が設けられている。該3つの開口部の内の一つは、前記天井壁部14の中央部に位置し、前記攪拌装置20を取り付けるための攪拌装置取付口14aとして用いられる。本実施形態では残りの2つの開口部の内の一つが、前記洗浄装置30を取り付けるための洗浄装置取付口14bとして用いられる。
【0014】
3つの開口部のそれぞれは、反応槽10の天井壁部14から上方に筒状となって突出するように構成されている。即ち、3つの開口部のそれぞれは、第1筒状部11a、第2筒状部11b、及び、第3筒状部11cとなって反応槽10の上端部に設けられている。3つの開口部のそれぞれは、反応槽10の上端部において、上方に向けて開口している。該開口は、前記内部空間10cと反応槽外の空間(外部空間)とを連通させるのに利用可能である。
【0015】
上端開口が前記攪拌装置取付口14aとなっている前記第1筒状部11aは、鉛直方向に延び、上端部に外向きに広がるフランジが設けられている。該第1筒状部11aには、槽内の攪拌を行う攪拌翼21が挿通されている。該攪拌翼21は、第1筒状部11aを通って下方に延びる攪拌軸21aと、該攪拌軸21aの下端部に取付けられている攪拌羽根21bとを有している。
【0016】
上端開口が前記洗浄装置取付口14bとなっている前記第2筒状部11bは、本実施形態では鉛直方向に延び、上端部に外向きに広がるフランジが設けられている。
【0017】
尚、本実施形態での第3筒状部11cは、鉛直方向に対して角度(例えば、0度を超え45度以下)をもって上方に延びている。第3筒状部11cにも外向きに広がるフランジが設けられている。該第3筒状部11cは、覗き窓(ガラス窓)を備えた蓋が開閉自在となって装着されている。
【0018】
本実施形態におけるスプレーノズル31は、長さ方向XLに沿って洗浄液が流通するように構成されており、以下においては、洗浄液の流通方向下流側の端縁をスプレーノズル31の先端と称し、該先端とは反対側の端縁を基端と称する。本実施形態におけるスプレーノズル31は、中空状であり、前記基端が解放端で前記先端が閉塞端となっている。また、スプレーノズル31は、図5に示すように洗浄液を外部に放出するための貫通孔THを備えている。
【0019】
本実施形態におけるスプレーノズル31は、基端側に設けられた固定部311と、該固定部311より先端側に延びるノズル本体部312とを備えている。本実施形態におけるスプレーノズル31は、前記固定部311を前記反応槽10に装着させて用いられる。
【0020】
本実施形態でのスプレーノズル31は、該洗浄装置取付口14b(第2筒状部11b)を通じてノズル本体部312を反応槽10の内部空間10cに挿入させた状態で用いられる。即ち、本実施形態のスプレーノズル31は、前記固定部311を上端側に位置させ、長さ方向XLが鉛直方向となり、径方向XDが水平方向となり、前記固定部311から前記ノズル本体部312の先端部への向きが下向きとなる状態で用いられる。
【0021】
本実施形態のスプレーノズル31は、前記ノズル本体部312の先端部が第2筒状部11bの下端縁を超えて天井壁部14よりも下方に位置するように設けられている。前記ノズル本体部312の先端部は、上下方向において天井壁部14に近い位置に配され、反応槽10の内部空間10cの上部側に位置している。
【0022】
本実施形態の反応槽10では、例えば、被処理物の反応処理が回分式に実施される。本実施形態の反応装置1では、反応槽10の内壁面や攪拌翼21の外表面などは、内部空間10cに対して露出する露出面となっている。該露出面を有する機器類に何等かの異物等が付着していると、当該異物が被処理物に混入してしまうおそれがある。また、処理後には、一部の被処理物などが露出面に付着したままの状態となり得る。この付着した被処理物は次バッチでの異物となり得る。そこで、本実施形態においては、処理前又は処理後の少なくとも一方において洗浄装置30での洗浄を実施して露出面に付着した付着物の除去が行われる。
【0023】
本実施形態の洗浄装置30は、該スプレーノズル31と、該スプレーノズル31に洗浄液を加圧状態で供給する給液管32とを備えている。洗浄装置30では、該給液管32がスプレーノズル31の固定部311に接続されている。
【0024】
図2に示すように本実施形態の固定部311は、板面が径方向XDに平行となる円板状のフランジ部を有する。固定部311は、第1フランジ部3111と第2フランジ部3112との複数のフランジ部を有する。第1フランジ部3111と第2フランジ部3112とは、前記中心軸Cxがそれぞれの中心を通るように配され、長さ方向XLに距離を隔てて配されている。固定部311は、第1フランジ部3111と第2フランジ部3112との間にこれらを中心部どうしで連結する連結部3113を更に備える。
【0025】
前記第2フランジ部3112は、前記反応槽10の第2筒状部11bの開口径よりも径大であり、洗浄装置取付口14bを外側(上側)から閉塞するように第2筒状部11bに固定されている。より詳しくは、本実施形態での第2フランジ部3112の外径は、第2筒状部11bの外径(第2筒状部11bのフランジの外径)に対応している。本実施形態では、第2フランジ部3112と第2筒状部11bとがフランジ接合されている。本実施形態では、第2フランジ部3112と第2筒状部11bのフランジとの間にガスケット材が介装されてもよい。
【0026】
第1フランジ部3111、第2フランジ部3112、及び、連結部3113は、それぞれ中心部を長さ方向XLに貫通する貫通孔を備え、それぞれの貫通孔が長さ方向に連結されてスプレーノズル31の基端側での洗浄液の流路を構成している。第1フランジ部3111は、第2フランジ部3112よりも基端側に位置し、第2フランジ部3112よりも径小な円板状である。そして、前記連結部3113は、第1フランジ部3111よりも径小な外径を有する円筒状である。即ち、本実施形態の固定部311は、長さ方向XLに延びる筒状の連結部3113の両端部からそれぞれ径方向XD(外向き)に延びる2つのフランジ部を備えたボビン形状となっている。
【0027】
本実施形態の固定部311は、金属製部材である基体311aと、樹脂製部材であるカバー材311bとを備えた複合部材で構成されている。基体311aとカバー材311bとのそれぞれは、円筒状の管状部と、管状部の両端部からそれぞれ外向きに延びる2つのフランジ部を備えたボビン形状を有している。第1フランジ部3111と第2フランジ部3112とのそれぞれでは、基体311aのフランジ部311a1,311a2を外側(基端側及び先端側)からカバー材311bのフランジ部311b1,311b2が覆っている。前記連結部3113では、基体311aの管状部311a3とカバー材311bの管状部311b3とがカバー材311bを内側に配置した2重管構造となっている。
【0028】
前記基体311aは、例えば、ステンレス鋼、ニッケル基合金、チタン合金などの耐食性に優れた金属製とすることができる。前記カバー材311bは、例えば、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン-パーフロロアルコキエーテル共重合体(PFA)、テトラフロロエチレン-ヘキサフロロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン-テトラフロロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン-クロロトリフロロエチレン共重合体(ECTFE)などのフッ素樹脂;シリコーン樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612などのポリアミド樹脂;ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂などの樹脂を含む樹脂組成物製とすることができる。なかでもPTFEなどのフッ素樹脂は、耐薬品性、耐熱性に優れ、表面自由エネルギーを低減することができ、基体311aに対して付着物を生じさせ難い点において好適である。樹脂組成物は、炭酸カルシウム、タルク、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカ、カーボンブラック、短繊維(セルロース、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、コットン、麻、金属繊維等)などの無機フィラーを含んでいてもよい。
【0029】
固定部311の基端側では、カバー材311bの管状部311b3が、基体311aの管状部311a3及びフランジ部311a1よりも基端側に突出している。この突出した部分から外向きに延びるカバー材311bのフランジ部311b1は、基体311aのフランジ部311a1を基端側から覆っている。固定部311の先端側でも同様にカバー材311bの管状部311b3が基体311aの管状部311a3及びフランジ部311a2よりも先端側に突出している。また、カバー材311bのフランジ部311b2は、基体311aのフランジ部311a2を先端側から覆っている。
【0030】
固定部311の基端側では、基体311aのフランジ部311a1がカバー材311bのフランジ部311b1よりも径大で、基体311aのフランジ部311a1がカバー材311bのフランジ部よりも径方向外側に延出している。第1フランジ部3111の外周側の端縁は、該基体311aのフランジ部311a1によって画定されている。
【0031】
固定部311の先端側は、基端側と同様に基体311aのフランジ部311a2がカバー材311bのフランジ部311b2よりも径大で、基体311aのフランジ部311a2がカバー材311bのフランジ部311b2よりも径方向外側に延出している。第2フランジ部3112の外周側の端縁が該基体311aのフランジ部311a2によって画定されている点も基端側と同じである。
【0032】
固定部311の先端側には、カバー材311bの管状部311b3を先端側に延設するように設けられた本体取付部が設けられている。該本体取付部3114は、カバー材311bと同じ樹脂製であり管状部311b3、フランジ部311b1,311b2とともに一体化されている。即ち、本体取付部3114は、管状部311b3、フランジ部311b1,311b2を構成する一つの部材(樹脂成形品)の一部によって構成されている。
【0033】
本体取付部3114は、管状部311b3よりも内径が大きな円筒状である。該本体取付部3114は、ノズル本体部312と当該固定部311との接合に用いられる。前記カバー材311bの管状部311b3の内壁面が平滑面となっているのに対して当該本体取付部3114の内壁面には図3に示すように螺旋状に螺子切りが施されており、該内壁面には基端側から先端側に向けて螺子山と螺子溝とが交互となるように螺子切りが施されている。
【0034】
ノズル本体部312は、基端側が前記本体取付部3114に取り付けられたパイプ部3121と、該パイプ部3121の先端部に取付けられたヘッド部3122とを備えている。前記パイプ部3121は、前記カバー材311bの管状部311b3と共通する内径を有する円筒状である。パイプ部3121は、前記本体取付部3114と螺合可能となるように基端側の端部の外側に螺子切りがされている。
【0035】
ノズル本体部312の固定は、基端側での本体取付部3114への固定のみで行われている。ノズル本体部312は、基端側が固定端となっている一方で先端側が自由端となっていて片持支持された状態で反応槽10に装着されている。本体取付部3114は、ノズル本体部312を強固に支持すべく先端部まで一定以上の厚さを有している。従って、本体取付部3114の先端側の端面は、径方向XDに広がっている。中心軸Cxの方向に先端側から基端側を見た際の端面の形状は、円環状(ドーナツ状)である。そして、本実施形態のスプレーノズル31は、本体取付部3114にノズル本体部312を取り付けただけの状態では、本体取付部3114の外周面に沿って先端側に移動した場合に該本体取付部3114の端縁を超えた時点で中心軸Cx側に一段落ち込む段差を有する状態になっている。
【0036】
ノズル本体部312は、固定部311のカバー材311bと同様に樹脂製である。前記本体取付部3114とノズル本体部312との固定が螺合のみで行われると緩みが生じる可能性があるため、両者を螺合した上で更に溶接材などで固定するようにしてもよい。本実施形態では、本体取付部3114の端面とノズル本体部312を構成する部材の外周面とが交わる角部において本体取付部3114の端面とノズル本体部312を構成する部材の外周面とに溶接材Fが熱融着するように溶接が施されている。即ち、本実施形態のスプレーノズル31では、本体取付部3114とノズル本体部312との間に大きな段差が生じないように溶接材Fによって低段側(先端側)でノズル本体部312を構成する部材の外周面上に肉盛りがされている。
【0037】
該溶接材は、ノズル本体部312やカバー材311bの構成材料に親和性の高い材料を含むものを用いることができる。ノズル本体部312を構成する部材やカバー材311bがPTFEを含む樹脂組成物で構成されている場合、溶接材FはPFAを含んでいることが好ましい。固定部311やノズル本体部312を全体的に金属製とする場合、溶接材Fには一般的な電気溶接やアーク溶接などにおいて用いられているろう材を用いることができる。溶接は、溶射などであってもよい。本実施形態での溶接は、ろう材を用いない方式のものであってもよい。前記接続部を構成する溶接材は、第1部材、第2部材の何れか一方又は両方の一部が溶融固化したものであってもよい。
【0038】
溶接材は、1種類の組成物で構成される必要はなく、複数種類のものであってもよい。例えば、溶接材が樹脂組成物で構成される場合、本体取付部3114の端面とノズル本体部312を構成する部材の外周面とが交わる角部には、それぞれの面に対して高い接着力を発揮することができる第1の樹脂組成物で溶接を実施した後に、ノズル本体部312に求められる表面性情に適した第2の樹脂組成物を第1の樹脂組成物に積層するように溶接してもよい。本体取付部3114やノズル本体部312が金属製で、溶接材を金属組成物で構成する場合も同様である。そのような場合、例えば、角部を第1の金属組成物によりアーク溶接し、アーク溶接された第1の金属組成物の上に第2の金属組成物を溶射するようにしてもよい。また、複数の組成物で構成される溶接材は異種組成物で構成されてもよく、例えば、角部のみを金属組成物でアーク溶接し、アーク溶接された金属組成物の上に樹脂組成物による肉盛り溶接を施してもよい。部材間に生じる段差に充填する溶接材を複数種類とし得ることは別の部材間における場合も同じである。さらに、溶接が施される段差が複数箇所である場合、一つの段差に充填する溶接材と他の段差に充填される溶接材とは共通していても異なっていてもよい。一つの溶接箇所に複数種類の溶接材を利用可能であることは他の溶接箇所においても同じである。
【0039】
溶接材Fを充填せずに角部(段差)をそのままにしていると粉粒体や液体などが滞留し易いため、溶接材Fで段差を埋めるべく行われる肉盛溶接は、滞留物を減少させる上においても有効である。このとき、溶接材Fの基端側での端縁の径RFを本体取付部3114の先端側の端縁の径RMと一致させて段差を解消させるようにしてもよい。例えば、溶接材Fの外周面を先端側に向けてなだらかに縮径させ、本体取付部3114に螺合されている部材の外周面へと徐々に径を縮小させながら到達させるようにして、溶接材Fの外周面がテーパー状になるようにしてもよい。そのようにすることで固定部311とノズル本体部312との接合部において段差が形成されなくなる。本実施形態では、本体取付部3114から溶接材Fを超えて先端側へと至る間におけるスプレーノズル31の外表面は、当該外表面に接する空間に向けた法線が中心軸Cxに平行となる面(中心軸に直交する面)である直交面や該法線が中心軸Cxに向かう方向となる内向面などが間に設けられることなく、前記法線が中心軸Cxから離れる方向となる外周面が長さ方向XLに連続している。このように本体取付部3114から溶接材Fを超えて先端側へと至る間で外周面が滑らかに連続した状態になるためスプレーノズル31に滞留物が生じる事が抑制される。本実施形態でのノズル本体部312は、法線が外向きとなる外周面が当該ノズル本体部312の基端部から下端部に至るまで連続している。
【0040】
溶接材Fでそのような形状となる部位を形成するには、溶接自体をそのように実施してもよく、最終仕上り以上の肉盛り量での溶接を実施した後に余分な溶接材を切除するなどしてもよい。
【0041】
本実施形態のノズル本体部312は、複数の樹脂部材の接合体である。本実施形態のノズル本体部312は、パイプ部3121及びヘッド部3122とのそれぞれが複数の樹脂製部材で構成されている。本実施形態では、本体取付部3114とノズル本体部312との接合方法と同様に、ノズル本体部312を構成する各部材間の接合に螺合と溶接とを併用することができる。
【0042】
本実施形態でのノズル本体部312は、図2に示すように基端側から先端側にかけて並んだ4つの部材で構成されており、基端側から順に基端部材B1、第1中間部材M1、第2中間部材M2、及び、先端部材T1を備えている。基端部材B1は、本体取付部3114と螺合及び溶接されている部材である。該基端部材B1及び第1中間部材M1は、それぞれ前記パイプ部3121の一部を構成しており、第2中間部材M2は、パイプ部3121とヘッド部3122との接続部分に配されて両方の一部を構成している。より詳しくは、本実施形態の第2中間部材M2は、パイプ部3121の先端部を構成しているとともにヘッド部3122の基端側の約半分の部分を構成している。そして、先端部材T1は、ヘッド部3122の先端側の約半分の部分を構成している。
【0043】
基端部材B1と第1中間部材M1とは、外径及び内径が全長に亘って一定した円筒状である。両者は、外径が等しく、見掛け上、ひとつのパイプとなるように接合されている。前記第2中間部材M2の基端側は、基端部材B1や第1中間部材M1よりも外径の小さな円筒状である。一方で第2中間部材M2の基端側の内径は、基端部材B1や第1中間部材M1と共通している。即ち、本実施形態のパイプ部3121は、洗浄液の流路の面積(長さ方向XLに直交する平面で内部空間を切断した際の断面積)がヘッド部3122に至るまで一定している。一方で、パイプ部3121の外周面側では、図4Aに示すように第1中間部材M1と第2中間部材M2との接合部においてこれらの間に段差が形成されている。
【0044】
本実施形態では、本体取付部3114とノズル本体部312との接合箇所と同様に、第1中間部材M1の端面も径方向XDに平行な円環状で、該端面と第2中間部材M2の外周面とが交わる角部において溶接材Fがそれぞれの部材に熱融着するように溶接が施されている。溶接材Fでの肉盛りは、第1中間部材M1の外周面と端面とが交わる角(外角)に到達するように施されている。溶接材Fでの肉盛りは、先端部に向かうに従って高さが徐々に減少するように施されている。本実施形態では、溶接材Fで構成された接続部の外周面が先端側に向けてなだらかに縮径して第2中間部材M2の外周面へと到達しており、接続部の外周面が先端側に向かってテーパー状になって縮径している。そのようにして本実施形態のスプレーノズル31では、溶接材Fによって第1中間部材M1と第2中間部材M2との間の段差が解消されている。
【0045】
溶接は、ヘッド部3122に到達しないように施されている。即ち、接続部は、その先端側の端縁とヘッド部3122との間に距離を設けるように形成されている。
【0046】
前記ヘッド部3122は、スプレーノズル31の最も先端側に位置している。前記ヘッド部3122は、前記パイプ部3121の内部空間に連通する内部空間を有する中空状で、本実施形態では、パイプ部3121よりも径の大きな玉形状を有している。従って、本実施形態では、前記第2中間部材M2の先端部と前記先端部材T1とは、玉形状を長さ方向における途中で切断して半割にしたカップ形状となっており、第2中間部材M2の先端部は先端側に向けて開口したカップ形状となっている。即ち、第2中間部材M2は、ヘッド部3122に洗浄液を導入する導入管M21と該導入管M21から洗浄液を受け入れる受入カップM22とが一体化された構造になっていて全体形状が逆漏斗状である。洗浄液パイプ部の先端部となるが第2中間部材M2の先端側のカップ形状の部分(以下「上流カップ部3122a」ともいう)が先端側に向けて開口しているのに対して、前記先端部材T1で構成された部分(以下「下流カップ部3122b」)は、基端側に向けて開口したカップ形状となっている。
【0047】
第2中間部材M2の先端部の先端側の開口径は、先端部材T1の外径に対応しており、第2中間部材M2と先端部材T1とは、該先端部材T1の基端側の一部を第2中間部材M2に挿入して接合されている。即ち、先端部材T1と第2中間部材M2との接合部では、先端部材T1と第2中間部材M2とが径方向において重なり合っており、第2中間部材M2が内側となり、先端部材T1が外側となるように重なりあっている。そのため、本実施形態では、先端部材T1と第2中間部材M2との接合部においても段差が形成されている。
【0048】
本実施形態では、第2中間部材M2の先端側の端面も径方向XDに平行な円環状で、図3図5図6に示すように該端面と先端部材T1の外周面とが交わる角部において溶接材Fがそれぞれに熱融着するように溶接が施されている。そして、本実施形態のスプレーノズル31では、第1中間部材M1と第2中間部材M2との接合部と同様に、第2中間部材M2の外周面と先端部材T1の外周面との間に生じる段差が溶接材Fを充填することで解消されている。
【0049】
本実施形態のヘッド部3122では、先端部材T1の基端側の一部を第2中間部材M2の中に挿入してこれらの部材同士が接合されているが、図7に示すように先端部材T1の上方に向けての開口を第2中間部材M2の先端部を受入れ可能な大きさとして、先端部材T1が内側となり、第2中間部材M2が外側となるように、接合部においてこれらを重なり合わせるようにしてもよい。その場合も、先端部材T1と第2中間部材M2との接合部において形成される段差は、溶接材Fで解消させることができる。
【0050】
第1中間部材M1と第2中間部材M2との間の段差を解消するための溶接による肉盛りは、第1中間部材M1の端面と外周面との角に達するように施すことができる。本実施形態での溶接は、径方向XDでの高さが第1中間部材M1の外周面の位置と同じになるように施されており、第1中間部材M1の端面の全てを覆うように施されている。
【0051】
第2中間部材M2の外周面と先端部材T1の外周面との間に生じる段差を解消するための溶接による肉盛りも同様である。肉盛りは、第2中間部材M2の端面と外周面とが交わる角に達するように施すことができる。本実施形態での溶接は、径方向XDでの高さが第2中間部材M2の外周面の位置と同じになるように施されており、第2中間部材M2の端面の全てを覆うように施されている。
【0052】
上流側の部材と下流側の部材との接合部に外径の違いによる段差が生じている場合、上流側の部材の端面よりも下流側に生じる空間部に溶接材を補填することで段差を解消させることができる。この空間部を補って段差を解消させるための補填物は、溶接材に限らず、予め成形加工が施された成形品であってもよい。即ち、接続部は、成形品などによって構成されてもよい。該成形品は、例えば、高段側の部材の端面に当接される側に段差に相当する厚みが設けられ、該端面から離れるに従って厚みが徐々に減少するように成形されたリング状の成形品であってもよい。即ち、補填物は、周方向に直交する平面での断面形状が直角三角形となるようなリング状の成形品であってもよい。リング状の成形品は、周方向に分割可能なものであってもよい。即ち、リング状に連結可能な複数の分割片で構成されていてもよい。このような成形品は、第1中間部材M1に接合された後の第2中間部材M2に対して後から装着可能となり、接合部の形成を手軽にさせ得る。
【0053】
図7に示すように先端部材T1の側が高段側となる場合、接続部の外周面は段差での高段側から低段側に(基端側に)向けてテーパー状に縮径するように設けられる。言い換えると、この場合の接続部の外周面は先端側に向かって拡径する拡径部となる。
【0054】
前記第1中間部材M1は、第2中間部材M2との接合箇所となる先端側において、外側の角部に面取りがされていて、外周面が先端側の端縁の直前においてテーパー状に縮径している。溶接は、この外周面の縮径を先端側に延長するように施されている。
【0055】
上記のように本実施形態の前記ノズル本体部312には、前記第1中間部材M1で構成された第1中間部と、前記第2中間部材M2で構成された第2中間部と、前記第1中間部と前記第2中間部とに接する溶接材で構成された第1の接続部(以下「第1接続部」ともいう)とが設けられている。また、本実施形態の前記ノズル本体部312には、基端部材B1で構成された本体基端部と、先端部材T1で構成された本体先端部とが設けられている。
【0056】
第1接続部は、長さ方向XLでの先端側に向かうに従って外周面の径が小さくなるように縮径している。また、第1接続部の先端縁は、実質的な段差を設けることなく第2中間部材M2に接している。
【0057】
第1接続部やノズル本体部312の他の部位において段差が生じていないことは、例えば、長さ方向XLに僅かな距離(例えば、0.5mm)の離れた2点で第1接続部の中心軸Cxからの高さ(径方向XDでの高さ)を測定したときに高さの差が0.5mm以下であることで確認することができる。径方向XDでの高さの違いは、例えば、0.4mm以下であってもよく、0.3mm以下であってもよく、0.2mm以下であってもよく、0.1mm以下であってもよい。径方向XDでの高さの違いは、例えば、非接触式(例えば、レーザー式)の外形測定器などを使って測定することができる。
【0058】
本実施形態での前記ノズル本体部312の外周面は、前記反応槽10の内部空間10cに露出する露出面となっている。内部空間10cに露出するノズル本体部312の外周面には、基端部材B1の外周面で構成された基端領域AB1と、前記第1中間部の外周面で構成された第1中間領域AM1と、前記第2中間部の外周面で構成された第2中間領域AM2と、前記第1接続部の外周面で構成された第1接続領域AC1とが含まれている。本実施形態での前記ノズル本体部312の外周面は、先端部材T1の外周面で構成された先端領域AT1を更に有する。また、本実施形態では、第2中間部材M2と先端部材T1との間に第2の接続部(第2接続部)が設けられ、該第2接続部の外周面である第2接続領域AC2がノズル本体部312の外周面に含まれている。前記第1中間領域AM1の下流側の端縁部では、該第1中間領域AM1と前記第1接続領域AC1とが連続し、該第1接続領域AC1よりも下流側に前記第2中間領域AM2が設けられている。
【0059】
更に、本実施形態での第1接続部の外周面である第1接続領域AC1は、テーパー状になって縮径しており、基端側の端縁から先端側の端縁までの全区間に亘って段差が設けられていない。また、第1接続領域AC1とその下流側の第2中間領域AM2との間にも段差が設けられていない。そのため、本実施形態のノズル本体部312では、第1中間部材M1と第2中間部材M2との外径が異なる部材どうしが接合されながらも接続部に段差が形成されていないので被処理物や洗浄液が留まり難く、異物によるトラブルを発生させ難い。
【0060】
本実施形態では、洗浄液が第1中間領域AM1から第1接続領域AC1を通って第2中間領域AM2へとノズル本体部312の外周面を連続的に伝って流れることができる。そして、本実施形態では、第1中間部材M1の端縁から連続するように第1接続部が設けられ、該第1接続部の外周面が縮径部となっている。即ち、本実施形態では、長さ方向に外径が変化する縮径部が第1中間領域AM1の端縁から連続するように設けられており、第1中間領域AM1と当該縮径部とを洗浄液が連続的に伝って流れることができるようになっている。第1中間領域AM1の端縁から連続するように拡径部が設けられている場合も同じように洗浄液が連続的に流れるようにすることができる。本実施形態では、ノズル本体部312の外周面の複数の領域に亘って洗浄液が連続的に長さ方向XLに流れることができるため隣り合う領域間の境界部(部材間の境界部)などにも被処理物や洗浄液が留まり難く、異物によるトラブルを発生させ難い。
【0061】
ノズル本体部312は、縮径部や拡径部をそれぞれ複数備えていてもよい。例えば、第1中間領域AM1の端縁に連続して第1の縮径部を設け、該第1の縮径部よりも下流側に第2の縮径部を設けてもよい。該第2の縮径部は、第1の縮径部と同じく第1接続領域AC1に設けられてもよく、第2中間領域AM2に設けられてもよい。長さ方向XLに距離を隔てて複数の縮径部を第1接続領域AC1に設ける場合、上流側の第1の縮径部と下流側の第2の縮径部との間は、例えば、中心軸Cxからの距離が長さ方向XLに一定した定径部とすることができる。即ち、第1接続領域AC1は、縮径部と定径部とが交互に並んで長さ方向XLに段階的に径が変化するように形成されていてもよい。このような場合も、第1中間領域AM1から当該第1接続領域AC1に回り込んだ洗浄液が第2中間領域AM2へと流れることができるため被処理物や洗浄液が留まり難く、異物によるトラブルを発生させ難い。
【0062】
上流側の領域から接続領域に流れ込んだ洗浄液が連続して下流側の領域に流下可能になることは、下流側の部材が高段側となって接続領域が拡径部となる場合も同じである。そして、第1の拡径部と第2の拡径部とを含む複数の拡径部が長さ方向XLに距離を隔てて接続領域に設けられる場合、当該接続領域は、拡径部と定径部とが交互に並んで長さ方向XLに段階的に径が変化するように形成されていてもよい。
【0063】
本実施形態では第2中間部材M2と先端部材T1との接合部においても溶接材で段差が解消されているために上記と同様の効果が第2中間部材M2と先端部材T1との接合部においても発揮される。即ち、本実施形態では、第2中間部材M2と先端部材T1との間の前記第2接続部の外周面である第2接続領域AC2が第2中間領域AM2の先端側の端縁部に連続するように設けられており、第2接続領域AC2と第2中間領域AM2との境界部に段差が形成されていないため異物によるトラブルが生じ難い。
【0064】
ノズル本体部312の外周面を洗浄液が連続的に伝って流れることができることから被処理物や洗浄液が留まり難く、異物によるトラブルを発生させ難い点については、この第2接続領域AC2に関しても同じである。
【0065】
図4Aに例示のノズル本体部312では、第1中間領域AM1の先端部と前記接続領域とに下流側に向けて外径が縮径する縮径部が設けられている。縮径部は、第2中間領域AM2に設けられてもよい。縮径部は、第2中間領域AM2と前記接続領域との内の少なくとも一方に設けられることが好ましい。本実施形態では、下流側に向けて外径が縮径する縮径部に代えて、下流側に向けて外径が拡径する拡径部を設けてもよい。本実施形態のノズル本体部312では、第2中間領域AM2と前記接続領域との内の少なくとも一方に、下流側に向けて外径が縮径する縮径部と下流側に向けて外径が拡径する拡径部との内の少なくとも一方が設けられていることが好ましい。
【0066】
縮径部や拡径部は、縮径や拡径の程度が大きく変化して中心軸Cxに対して直交する方向から見たときの輪郭線が曲線状となるようなものであってもよいが、直線状となっていることが好ましい。本実施形態での縮径部は、外径の変化が一定してテーパー状に縮径していることが好ましい。本実施形態での拡径部は、外径の変化が一定してテーパー状に拡径していることが好ましい。長さ方向XLに測定点を移動しながら中心軸Cxから外周面までの寸法変化を測定した場合での縮径部や拡径部での寸法変化はある程度緩やかであることが好ましい。スプレーノズル31は、テーパー状に縮径した前記縮径部を備え、前記洗浄液の流れ方向での該縮径部の長さ(図4BのL1)に比べ、該縮径部で前記外周面が前記ノズル本体部の中心に近付く距離(図4BのL2)の方が短い(L1>L2)ことが好ましい。スプレーノズル31は、テーパー状に拡径した前記拡径部を備え、前記洗浄液の流れ方向での該拡径部の長さに比べ、該拡径部で前記外周面が前記ノズル本体部の中心から離れる距離の方が短いことが好ましい。
【0067】
縮径部の長さ(L1)や拡径部の長さは、例えば、0.5mm以上とすることができる。該長さは、1mm以上であってもよく、1.5mm以上であってもよく、2mm以上であってもよい。該長さは、例えば、25mm以下とすることができる。該長さは、20mm以下であってもよく、15mm以下であってもよい。
【0068】
中心軸Cxを通る平面上で前記縮径部や前記拡径部が前記中心軸Cxと成す角度(θd,θe)は、例えば、80°よりも小さい角度とされる。角度は、75°よりも小さくてもよく、60°よりも小さいこと、更には45°よりも小さいことが好ましい。該角度(θd,θe)は、40°以下であってもよく、35°以下であってもよい。なお中心軸Cxを通る平面上で前記縮径部や前記拡径部が前記中心軸Cxと成す角度(θd,θe)は、15°以上であることが好ましい。該角度(θd,θe)は30°以上であってもよく、45°以上であっても良い。スプレーノズル31が前記縮径部と前記拡径部とを有する場合、前記縮径部の角度θdと前記拡径部の角度θeとは共通していても異なっていてもよい。また、スプレーノズル31が前記縮径部を複数有する場合、複数の縮径部の内の一縮径部の角度(θd1)と他縮径部の角度(θd2)とは、共通していても異なっていてもよい。スプレーノズル31が前記拡径部を複数有する場合、複数の拡径部の内の一拡径部と他拡径部とは、それらの角度が共通していても異なっていてもよい。
【0069】
本実施形態の洗浄装置30は、給液管32に設けられたフランジ部と、第1フランジ部3111とがフランジ接合によって着脱自在に接合されており、前記給液管32から前記第1フランジ部3111の貫通孔へと洗浄液が供給されるように構成されている。
【0070】
スプレーノズル31は、前記給液管32から供給された洗浄液を、固定部311の連結部3113、ノズル本体部312のパイプ部3121、及び、ヘッド部3122の順に流通させるように流路が形成されている。
【0071】
本実施形態のノズル本体部312には、前記洗浄液を放出するための複数の貫通孔THが穿設されている。該複数の貫通孔THの少なくとも一部は、ヘッド部3122に設けられている。前記先端部材T1の最下面となる位置に設けられる貫通孔THは、ドレンとしての機能も有する。該貫通孔THは、先端部材T1だけでなく、第2中間部材M2の先端側のカップ形状の部分(上流カップ部3122a)にも設けられ得る。ヘッド部3122は、先端部材T1で構成された部分(下流カップ部3122b)だけでなく上流カップ部3122aにも貫通孔THが設けられることで広範囲に洗浄液が供給できるようになる。そのため、パイプ部3121は、第2中間部材M2で構成される部分での外径を基端部材B1や第1中間部材M1よりも径小とし、上流カップ部3122aで貫通孔THを設け得る領域をより広く確保することが好ましい。放出は貫通孔THから勢いよく洗浄液を噴出させる場合だけでなく、流量を抑えて(噴出圧力を抑えて)貫通孔THから洗浄液がスプレーノズル31の表面を伝うように垂れ流されるものも含む。
【0072】
上流カップ部3122aで貫通孔THを設け得る領域をより広く確保する上では、パイプ部3121全体を細径化することも考え得るが、本実施形態のノズル本体部312は、基端側だけでの片持支持となっているためパイプ部3121が細いと十分な強度が発揮されずに撓み易くなってしまう可能性がある。また、洗浄液の圧力をヘッド部3122まで伝搬させる上においてもパイプ部3121は、太い方が好ましい。従って、前記パイプ部3121は、前記ヘッド部3122に接続されている部位の外径が、該部位よりも上流側(基端側)に比べて径小になっていることが好ましい。即ち、ノズル本体部312は、パイプ部3121に相対的に外径の大きな大径部と該大径部に比べて径小な小径部とを設け、前記ヘッド部3122に接続されている部位を小径部とするとともに該小径部よりも上流側(基端側)に大径部を設けることが好ましい。また、本実施形態では、第2中間部材M2での最小径よりも第1中間部材M1の最小径の方が径大となっている。このことにより、本実施形態ではノズル本体部312に撓みが生じ難くなっている。
【0073】
本実施形態のスプレーノズル31は、上流カップ部3122aにも貫通孔を設けやすいため、貫通孔から吹き出した洗浄液を直接的にパイプ部3121に吹き付けたり、反応槽10の壁面などに反射させて自身に降りかからせたりすることが容易である。即ち、本実施形態のスプレーノズル31は、放出した洗浄液を固定部311やノズル本体部312に浴びせてこれらの表面を洗い流せるようになっていて、セルフクリーニング性に優れている。
【0074】
セルフクリーニング性を高める上において、本実施形態において洗浄液が放出される貫通孔THは、基端部材B1や第1中間部材M1などに設けるようにしてもよい。基端部材B1や第1中間部材M1は、反応槽10の第2筒状部11bの内壁面に近い位置に存在するため、これらに貫通孔を設けることで洗浄液の跳ね返りによる高いセルフクリーニング性を発揮することが期待できる。
【0075】
貫通孔THは、洗浄液が、固定部311に跳ね返るように設けられてもよく、基端部材B1、第1中間部材M1、第2中間部材M2、及び、先端部材T1の何れに跳ね返るように設けられてもよい。
【0076】
貫通孔THは、跳ね返った洗浄液がスプレーノズル31の基端側に浴びせられるように設けられることが好ましい。例えば、該スプレーノズル31の洗浄では、先端部が下向きとなるようにスプレーノズル31を鉛直方向に配置し、前記貫通孔THより放出した前記洗浄液を固定部311や前記ノズル本体部312の外表面に浴びせ、該洗浄液を前記第1中間領域AM1から前記第1接続領域AC1に流れ込ませて前記ノズル本体部312を洗浄することができる。このような洗浄に際しては、例えば、第1中間領域AM1か又は第1中間領域AM1よりも基端側の領域に洗浄液が供給される。スプレーノズル31を、固定部311から容器内部に延びる中空状のノズル本体部312の中心を通る中心軸Cxが鉛直方向となるように配置してこのような洗浄が実施されることで洗浄液の少なくとも一部がノズル本体部312の下端縁から滴下されるようになり、スプレーノズル31を先端部まで洗浄することができる。
【0077】
本実施形態では、基端部材B1や第1中間部材M1などの外周面には、前記第2筒状部11bの内壁面と水平方向において対向する対向面を有する。本実施形態では、該対向面において開口した貫通孔を基端部材B1や第1中間部材M1などに穿設することで前記第2筒状部11bの内壁面や前記固定部311の第2フランジ部3112などに対する洗浄性を高めることができるとともにそれらから跳ね返る洗浄液をノズル本体部312の外周面を伝って流下させることができるので、スプレーノズル31の基端側に対しても良好な洗浄性が発揮され、高いセルフクリーニング性を期待することができるようになる。
【0078】
本実施形態では、洗浄液として単なる水(例えば、イオン交換水)、界面活性剤などを含む水性洗浄剤(クエン酸水溶液、リン酸水溶液、アルコール水溶液、アルカリ電解水、アルカリ水溶液など)、有機溶媒などが用いられ得る。前記第1中間領域AM1と前記第1接続領域AC1とは、前記第1中間領域AM1から前記第1接続領域AC1に向かう方向が下方となり、該第1中間領域AM1が鉛直方向となるように配置して該第1中間領域AM1を伝って流れるように洗浄液を流したときに、該洗浄液が前記第1接続領域AC1に流れ込むように連続していることが好ましい。
【0079】
本実施形態のノズル本体部312は、基端部材B1や第1中間部材M1などの複数の管状部材をそれぞれの中心軸が一つの直線状に並ぶように配置している。また、本実施形態の第2中間部材M2での導入管M21も基端部材B1、第1中間部材M1と中心軸が一つの直線状に並ぶように配置され、それらがノズル本体部312の中心軸Cxを構成している。本実施形態の前記第1中間領域AM1と前記第1接続領域AC1とは、中心軸Cxが鉛直方向となり、ヘッド部3122がパイプ部3121の下側に位置するようにノズル本体部312を配置し、第1中間部材M1を伝って流れるように洗浄液を流したときに、該洗浄液が前記第1接続領域AC1に流れ込むように連続していることが好ましい。
【0080】
上流側の部材と下流側の部材との中心軸が一直線上になくて平行でもない場合、ノズル本体部312は、上流側か下流側かの何れかの部材の中心軸(例えば、上流側の部材の中心軸)が鉛直方向となるように配置して上記のように水などの洗浄液を流した際にそれらの部材の外周面を連続的に伝って洗浄液が流下するように構成されていることが好ましい。
【0081】
スプレーノズル31は、上記のように第1中間領域AM1を伝って流れるように洗浄液を流したときに、該洗浄液が前記第1接続領域AC1に伝わって引き続き該第1接続領域AC1を流れるようにノズル本体部312が構成されていることで、高いセルフクリーニング性が発揮され得る。
【0082】
洗浄液として用いられるものの中で、水は、表面エネルギーが低く、他に比べて部材表面での濡れ広がり性が乏しい。そのため、ノズル本体部312は、前記第1中間領域AM1の下流側の端縁と前記第1接続領域AC1の上流側の端縁とが接する境界線に直交して該境界線から第1領域に沿って延びる線分の向きが鉛直方向上向きとなるように配置して該第1中間領域AM1にスポイトなどで常温(例えば、23℃)の水を供給し、該水を重力の作用のみによって流下させたときに、該水が第1中間領域AM1だけでなく第1接続領域AC1にまで回り込んで流下するように構成されていることが好ましい。上記のように第1中間領域AM1を伝って流れるように水を流したときに、該水が前記第1接続領域AC1に伝わって引き続き該第1接続領域AC1を流れるようにノズル本体部312が構成されていることで、該スプレーノズル31に高いセルフクリーニング性が発揮され得る。
【0083】
本実施形態のスプレーノズル31は、上記のように第1中間領域AM1に流した水が、該第1中間領域AM1と前記第1接続領域AC1とを伝って引き続き第2中間領域AM2も伝って流下するように構成されていてもよい。本実施形態のスプレーノズル31は、このように第2中間領域AM2を伝って流れる水が第2接続領域AC2をも伝って流下し、先端領域AT1を流れて、該先端領域AT1の下端縁から滴下されるように構成されていてもよい。該先端領域AT1は、下方に向かって尖った多角錐形状や円錐形状であってもよく、鈍角多角錐形状や鈍角円錐形状であってもよい。このようにしてノズル本体部312を先端縁に至るまで段差を設けないように構成することで、スプレーノズル31には、より優れたセルフクリーニング性が発揮され得る。
【0084】
パイプ部3121に設けられる貫通孔は、複数であってもよい。複数の貫通孔は、鉛直方向に並んで配置されてもよく、周方向に並んで配置されてもよく、鉛直方向及び周方向の両方に並んで配置されてもよい。複数の貫通孔は、パイプ部3121の外周面を周回しつつヘッド部3122へと向かうように螺旋状に配置されてもよい。なお、鉛直方向に距離を設けて複数の貫通孔をパイプ部3121に設ける場合、貫通孔が鉛直方向に並ぶように配置してもよく、周方向に位置をずらして鉛直方向に対して斜めに並ぶように配置してもよい。複数の貫通孔は、ランダムに配置してもよい。
【0085】
前記第2筒状部11bの内壁面に向けて洗浄液を放出する貫通孔を設ける場合、貫通孔の向きは径方向XDに対して基端側や先端側(縦方向)に傾斜してもよく、左右(横方向)に傾斜してもよい。左右(横方向)に傾斜する方向で洗浄液を放出すると、中心軸方向視において第2筒状部11bの内壁面に対し、法線方向とは別方向から洗浄液が入射され、第2筒状部11bの内壁面に沿って旋回する旋回流が形成され易く、洗浄範囲が広範囲に及び易くなる。一方で、その場合は、洗浄液の跳ね返りが減少するのでセルフクリーニング性を幾分低下させることにもなり得る。従って、前記第2筒状部11bの内壁面に向けて洗浄液を放出する貫通孔を設ける場合、第2筒状部11bの内壁面に対して法線方向から洗浄液が入射する第1の貫通孔と、法線方向に対して傾斜した方向から第2筒状部11bの内壁面に対して洗浄液が入射する第2の貫通孔とを含む複数の貫通孔を設けるようにしてもよい。
【0086】
パイプ部3121に設けられる貫通孔とヘッド部3122に設けられる貫通孔とは径が異なっていてもよい。パイプ部3121に設けられる貫通孔に比べてヘッド部3122に設けられる貫通孔には、放出する洗浄液を遠くまで到達させることが求められる。パイプ部3121に径の大きな貫通孔を設けるとヘッド部3122での圧力を高めにくくなるため、パイプ部3121に設けられる貫通孔の流路の面積は、ヘッド部3122の貫通孔の流路面積以下であってもよい。また、パイプ部3121に設けられる貫通孔を基端部材B1や第1中間部材M1など斜め上向きに貫通するように設けると径方向に貫通する貫通孔を設ける場合に比べて貫通孔の長さが長くなって洗浄液の通過抵抗が大きくなるだけでなく、基端部材B1や第1中間部材M1での洗浄液の流れを鋭角にターンさせて貫通孔に流入させることになるため給液管32より供給される洗浄液の圧力を大きく低下させることなくヘッド部3122に伝搬させることができる。
【0087】
パイプ部3121に設けられる貫通孔は、洗浄液の放出方向(貫通孔の貫通方向)がノズル本体部312の径方向XDであってもよい。該貫通孔THからの洗浄液の放出方向は、該径方向XDに対して上下方向に角度を持って傾斜していてもよく、左右方向に角度を持って傾斜していてもよく、上下左右の両方向に傾斜していてもよい。パイプ部2121に設けられる貫通孔THを斜め上向きや斜め下向きにする場合、その角度(水平面に対する仰角や俯角)は、例えば、10°以上であってもよく、15°以上であってもよく、20°以上であってもよく、25°以上であってもよい。該仰角や俯角は、例えば、45°以下であってもよく、40°以下であってもよく、35°以下であってもよい。パイプ部3121に設けられる貫通孔THを左右に傾斜させる場合、その角度(中心軸Cx方向視での径方向XDに対する角度)は、例えば、10°以上であってもよく、15°以上であってもよく、20°以上であってもよく、25°以上であってもよい。角度は、例えば、45°以下であってもよく、40°以下であってもよく、35°以下であってもよい。
【0088】
スプレーノズル31による反応槽10の洗浄に際しては、パイプ部3121に設けられた貫通孔から放出される洗浄液がパイプ部3121から完全に脱離して空中へと飛び出さないように洗浄液の圧力を低減し、パイプ部3121から放出される洗浄液の一部又は全部が貫通孔の開口部より垂れ落ちてパイプ部3121やヘッド部3122の表面を伝って流れ落ちるようにしてもよい。即ち、洗浄に際しては、反応槽10の洗浄を優先して相対的に高い圧力の洗浄液が給液管32から供給される高圧モードと、該高圧モードよりも低い圧力で洗浄液が給液管32から供給される低圧モードとを含む複数のモードで洗浄装置30が運転されてもよい。ここで低圧モードは上述の通りスプレーノズルのパイプ部3121に設けられた貫通孔から放出される洗浄液の少なくとも一部がパイプ部3121から完全に離脱して中空へ飛び出さないように吐出圧力を調整したモードとなる。高圧モードと低圧モードとはそれぞれ1回の洗浄工程において複数回ずつ実施されてもよい。
【0089】
パイプ部3121やヘッド部3122がPTFEなどのフッ素樹脂製である場合、それらの表面に洗浄液が濡れ広がり難く、素早く落下してしまい易くなる。その点において、パイプ部3121やヘッド部3122は、PTFEなどのフッ素樹脂とともに無機フィラーを含むフッ素樹脂組成物で形成されてもよい。パイプ部3121やヘッド部3122を構成する樹脂組成物に無機フィラーを含有させると、表面にミクロな凹凸が形成され易く、洗浄液の濡れ広がり性における改善効果を期待できる。
【0090】
前記縮径部においては、該縮径部の上方から流れてくる洗浄液が縮径部の表面を伝うことなく下方に落下し易くなるため、縮径部の表面粗さ(溶接材で形成されている部分の表面粗さ)は、パイプ部3121やヘッド部3122を構成する部材の外周面での表面粗さと同じであってもよく、これらよりも粗くてもよい。縮径部の表面粗さと構成部材の表面粗さとの比較は、算術平均粗さ(Ra)を比較することで求めることができる。表面粗さは、無作為に選択した数か所(例えば、5箇所)での測定値の算術平均によって求めることができる。縮径部の算術平均粗さ(Ra)は、部材表面の算術平均粗さ(Ra)の1.5倍以上であってもよく、2倍以上であってもよく、3倍以上であってもよい。但し、過度に粗い表面を有すると付着物が生じ易くなってしまうため、縮径部の算術平均粗さ(Ra)は、25μm以下であることが好ましい。縮径部の算術平均粗さ(Ra)は、12.5μm以下であってもよく、6.3μm以下であってもよく、3.2μm以下であってもよく、1.6μm以下であってもよい。尚、算術平均粗さ(Ra)は、JIS B0601(カットオフ0.8mm)に基づいて測定することができる。
【0091】
上記の通り本実施形態のスプレーノズルは、液体や粉粒体が留まり難いだけでなく、セルフクリーニング性に優れるため被洗浄体の洗浄後における清浄性が確保され易い。また、本実施形態のスプレーノズル31は、セルフクリーニング性に優れるため洗浄後に反応槽10を利用して被処理物の処理を実施する場合に洗浄装置30を取り外したりしなくてもよく、被処理物の処理に要する手間を軽減することができる。
【0092】
本実施形態のスプレーノズル31を備えた洗浄装置30は、被処理物に含まれる化学物質や化合物を何らかの形で変化させる化学プロセスに用いられる機器及び/又はその付帯設備として用いられ得る。化学物質や化合物を変化させるために装置に供給するのは、変化させる化学物質や化合物と反応可能な別の化学物質や化合物だけでなく、例えば、熱エネルギー、光エネルギー、電気的エネルギー、磁気エネルギー、及び、運動エネルギーの内の少なくとも1つであってもよい。装置には、別の化学物質や化合物の供給とこれらのエネルギーの供給とが併用されてもよい。本実施形態の洗浄装置30を化学プロセスに用いられる機器及び/又はその付帯設備として用いる場合、被処理物は、化学物質や化合物のみを含むものであってもよく、化学物質や化合物を溶解可能な溶媒や分散媒を含んでいてもよい。
【0093】
被処理物は、変化させる化学物質や化合物を一つの成分として含む飲食品などであってもよく、化学物質や化合物を一成分として含む有機組成物(プラスチック組成物、ゴム組成物、薬剤など)や無機組成物(ガラス組成物、金属組成物、セラミック組成物など)などであってもよい。本実施形態の洗浄装置30は、例えば、医薬品製造、食品製造、半導体製造分野などでの機器及び/又はその付帯設備に用いられる。洗浄装置30は、被処理物に化学的な反応が施される反応装置だけでなく、化学反応以外の処理を行う装置に用いられてもよい。洗浄装置30は、混合、攪拌、ろ過、乾燥といった物理的な処理が施される処理装置(混合装置、攪拌装置、ろ過装置、乾燥装置など)に用いられてもよい。これらの装置は、化学的な反応と物理的処理との両方が行われるものであっても物理的処理のみが行われるものであってもよい。
【0094】
本実施形態の洗浄装置30は、上記のような装置ではなく、例えば、配管などの洗浄にも利用可能である。
【0095】
本実施形態では、溶接材で構成される第1接続部や第2接続部での外周面(接続領域)が先端部に向けて縮径や拡径している態様を例示している。本実施形態の接続領域は、図8A図8Bに示すように第1中間領域AM1から接続領域(第1接続領域AC1)を通って第2中間領域AM2の端縁に達するまでの間が面一となるように形成されてもよい。この場合も第1中間領域AM1、接続領域(第1接続領域AC1)、及び、第2中間領域AM2の間を段差等の無い連続的なものとすることができるため、液体や粉粒体が留まり難く、セルフクリーニング性にも優れる。
【0096】
本実施形態では中心軸Cxが鉛直方向となるように配置されるスプレーノズル31を例示しているが、本発明のスプレーノズル31は鉛直方向に対して傾けて配置されてもよく。水平方向に配置されてもよい。そのような場合もノズル本体部を構成する部材同士の接合部で外周面が連続的なものとなるため液体や粉粒体が留まり難くなるという効果を奏する点では同じである。そして、本発明は上記例示に何等限定されるものではなく、上記例示に対して種々の変更を加え得る。
【0097】
上記の通り、本明細書は、以下のような開示を含む。
【0098】
(1)
開口部を有する中空状の被洗浄体の内壁面を洗浄液で洗浄するために前記開口部に装着されるスプレーノズルであって、
前記被洗浄体の前記開口部に取付けられる固定部と、
該固定部を前記開口部に取付けたときに該固定部から前記被洗浄体の内部空間に延びるように配される中空状のノズル本体部とを有し、
前記ノズル本体部の内部を流れて前記洗浄液が該ノズル本体部の先端部に供給され、該ノズル本体部に穿設された貫通孔より前記洗浄液が放出するように構成されており、
前記ノズル本体部が、複数の部材で構成され、
該複数の部材が、前記洗浄液の流れ方向に接続された第1部材と第2部材とを含み、
該第2部材が、前記第1部材の下流側に接続され、
前記ノズル本体部には、前記第1部材で構成された第1部と、前記第2部材で構成された第2部と、前記第1部と前記第2部とに接する接続部とが設けられ、
前記内部空間に露出する前記ノズル本体部の外周面には、前記第1部の外周面で構成された第1領域と、前記第2部の外周面で構成された第2領域と、前記接続部の外周面で構成された接続領域とが含まれ、
前記第1領域の下流側の端縁部では、該第1領域と前記接続領域とが連続し、
該接続領域よりも下流側に前記第2領域が設けられ、
該第2領域と前記接続領域との内の少なくとも一方には、
下流側に向けて外径が縮径する縮径部と下流側に向けて外径が拡径する拡径部との内の少なくとも一方が設けられているスプレーノズル。
【0099】
(2)
前記第2部材の最小径よりも第1部材の最小径の方が大きい(1)記載のスプレーノズル。
【0100】
(3)
前記接続領域が、前記縮径部か前記拡径部かを備えている(1)又は(2)記載のスプレーノズル。
【0101】
(4)
前記縮径部が備えられている(1)~(3)記載のスプレーノズル。
【0102】
(5)
前記縮径がテーパー状の縮径であり、前記拡径がテーパー状の拡径である(1)~(4)記載のスプレーノズル。
【0103】
(6)
前記接続領域の下流側の端縁部では、該接続領域と前記第2領域とが連続している(1)~(5)記載のスプレーノズル。
【0104】
(7)
テーパー状に縮径した前記縮径部を備え、
前記洗浄液の流れ方向での該縮径部の長さに比べ、該縮径部で前記外周面が前記ノズル本体部の中心に近付く距離の方が短い(5)記載のスプレーノズル。
【0105】
(8)
前記第1領域の下流側の端縁と前記接続領域の上流側の端縁とが接する境界線に直交して該境界線から第1領域に沿って延びる線分の向きが鉛直方向上向きとなるように配置して該第1領域を伝って流れるように洗浄液を流したときに、該洗浄液が前記接続領域に流れ込むように前記第1領域と前記接続領域とが連続している(1)~(7)記載のスプレーノズル。
【0106】
(9)
開口部を有する中空状の被洗浄体の内壁面を洗浄液で洗浄するために前記開口部に装着されているスプレーノズルの洗浄方法であって、
前記スプレーノズルは、
前記被洗浄体の前記開口部に取付けられる固定部と、
該固定部を前記開口部に取付けたときに該固定部から前記被洗浄体の内部空間に延びるように配される中空状のノズル本体部とを有し、
前記ノズル本体部の内部を流れて前記洗浄液が該ノズル本体部の先端部に供給され、該ノズル本体部に穿設された貫通孔より前記洗浄液が放出するように構成されており、
前記ノズル本体部が、複数の部材で構成され、
該複数の部材が、前記洗浄液の流れ方向に接続された第1部材と第2部材とを含み、
該第2部材が、前記第1部材の下流側に接続され、
前記ノズル本体部には、前記第1部材で構成された第1部と、前記第2部材で構成された第2部と、前記第1部と前記第2部とに接する接続部とが設けられ、
前記内部空間に露出する前記ノズル本体部の外周面には、前記第1部の外周面で構成された第1領域と、前記第2部の外周面で構成された第2領域と、前記接続部の外周面で構成された接続領域とが含まれ、
前記第1領域の下流側の端縁部では、該第1領域と前記接続領域とが連続し、
該接続領域よりも下流側に前記第2領域が設けられ、
該第2領域と前記接続領域との内の少なくとも一方には、
下流側に向けて外径が縮径する縮径部と下流側に向けて外径が拡径する拡径部との内の少なくとも一方が設けられており、
該スプレーノズルの洗浄では、前記貫通孔より放出した前記洗浄液を前記ノズル本体部の外周面に浴びせて該ノズル本体部を洗浄し、
該ノズル本体部の洗浄では、前記洗浄液が前記第1領域から前記接続領域に流れ込むように前記ノズル本体部の外周面に前記洗浄液が浴びせられるスプレーノズルの洗浄方法。
【0107】
また、本明細書は、別の側面では下記のような開示を含む。
【0108】
(a)
開口部を有する中空状の被洗浄体の内壁面を洗浄液で洗浄するために前記開口部に装着されるスプレーノズルであって、
前記被洗浄体の前記開口部に取付けられる固定部と、
該固定部から前記被洗浄体の内部空間に延びる中空状のノズル本体部とを有し、
前記本体部の内部を流れて前記洗浄液が該ノズル本体部の先端部に供給され、該ノズル本体部に穿設された貫通孔より前記洗浄液が放出するように構成されており、
前記ノズル本体部が、複数の部材で構成され、
該複数の部材が、前記洗浄液の流れ方向に接続された第1部材と第2部材とを含み、
該第2部材が、前記第1部材の下流側に接続され、
前記本体部には、前記第1部材で構成された第1部と、前記第2部材で構成された第2部と、前記第1部と前記第2部とに接する接続部とが設けられ、
前記内部空間において露出する前記ノズル本体部の外周面は、前記第1部の外周面である第1領域と、前記第2の外周面である第2領域と、前記接続部の外周面である接続領域とを含み、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記洗浄液の流れ方向に隔てられ、
前記第2領域の最も上流側の端縁の径が前記第1領域の下流側の端縁の径以下となっており、
前記第1領域と前記第2領域との端縁どうしが前記接続領域で接続されているスプレーノズル。
【0109】
(b)
開口部を有する中空状の被洗浄体の内壁面を洗浄液で洗浄するために前記開口部に装着されるスプレーノズルであって、
前記被洗浄体の前記開口部に取付けられる固定部と、
該固定部を前記開口部に取付けたときに該固定部から前記被洗浄体の内部空間に延びるように配されるパイプ部と、
該パイプ部の先端に設けられた中空状のヘッド部とを有し、
前記パイプ部を通じて洗浄液が前記ヘッド部に供給され、該ヘッド部に穿設された貫通孔より洗浄液が放出するように構成されており、
前記パイプ部は、前記固定部側と前記ヘッド部側とで外径が異なっており、ヘッド部側よりも径大な大径部を固定部側に有し、前記大径部よりも径小な小径部をヘッド部側に有し、該小径部が前記ヘッド部に接続されており、
該小径部と前記大径部との接続箇所には、外径の違いによる段差を解消するテーパー部が設けられているスプレーノズル。
【符号の説明】
【0110】
1:反応装置、
10:反応槽、10c:内部空間、12:底壁部、13:周側壁部、14:天井壁部
20:攪拌装置、21:攪拌翼、21a;攪拌軸、21b:攪拌羽根、
30:洗浄装置、31:スプレーノズル、32:給液管
311:固定部、311a:基体、311b:カバー材
312:ノズル本体部、3121:パイプ部、3122:ヘッド部
AB1:基端領域、
AC1:第1接続領域(接続領域)、
AM1:第1中間領域(第1領域)
AM2:第2中間領域(第2領域)
AT1:先端領域
B1:基端部材
Cx:中心軸
F:溶接材
T1:先端部材
TH:貫通孔
XD:径方向
XL:長さ方向
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B