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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123870
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/533 20140101AFI20240905BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20240905BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20240905BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20240905BHJP
   H04L 67/131 20220101ALI20240905BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240905BHJP
【FI】
A63F13/533
A63F13/87
A63F13/45
A63F13/822
H04L67/131
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031645
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】山際 将史
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA61
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC10
5E555BD08
5E555CB74
5E555CB75
5E555DB32
5E555DB41
5E555DC21
5E555EA04
5E555EA05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】プログラムは、コンピュータを、第1ユーザを含む複数のユーザが参加する仮想空間上において、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況を示す情報を取得する情報取得手段と、当該情報の示す動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを第1ユーザに提示する提示手段と、として機能させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
第1ユーザを含む複数のユーザが参加する仮想空間上において、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況を示す情報を取得する情報取得手段と、
前記情報の示す前記動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを前記第1ユーザに提示する提示手段と、として機能させる
プログラム。
【請求項2】
前記提示手段は、前記第1ユーザと他のユーザとの前記仮想空間上における位置関係に関する状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを前記第1ユーザに提示する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記提示手段は、ユーザが行ったゲームの進行に関わる行為に応じて変化する状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの候補となるユーザを前記第1ユーザに提示する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記提示手段は、前記第1ユーザが他のユーザに対して行った、または他のユーザが前記第1ユーザに対して行った、ゲームの進行に関わる行為に応じて変化する状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの候補となるユーザを前記第1ユーザに提示する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記提示手段は、前記動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に関わらず、前記第1ユーザが所定回数以上メッセージを送信したユーザを優先的に、メッセージの送信先の候補として前記第1ユーザに提示する
請求項1~4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記情報が複数種類あり、
前記提示手段は、複数種類ある前記情報のうちのいずれに応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを前記第1ユーザに提示するかを、前記第1ユーザによる設定に基づいて決定する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記情報が複数種類あり、
前記提示手段は、複数種類ある前記情報のうちのいずれに応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを前記第1ユーザに提示するかを、ゲームの状況に応じて変化させる
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
第1ユーザを含む複数のユーザが参加する仮想空間上において、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況を示す情報を取得する情報取得手段と、
前記情報の示す前記動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを前記第1ユーザに提示する提示手段と、を備える
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、他のユーザとの間でメッセージの送受信が可能なゲームが知られている。また、メッセージの送信にあたり、メッセージの送信先となるユーザの候補を表示させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-041453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ゲームにおいては、ユーザの利便性を向上させることが求められていた。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に示す一実施形態によれば、
コンピュータを、
第1ユーザを含む複数のユーザが参加する仮想空間上において、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況を示す情報を取得する情報取得手段と、
前記情報の示す前記動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを前記第1ユーザに提示する提示手段と、として機能させる
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
図3】送信先ユーザの候補を表示する画面の一例を示す図である。
図4】送信先ユーザの候補を自ユーザに提示する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<情報処理システムのハードウェア構成>
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを備えている。
【0011】
端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク2を介して接続される。ネットワーク2は、例えば、インターネット、移動通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、またはこれらの組み合わせ等のいずれによって構成されていてもよい。また、端末装置10とサーバ20との接続は、有線接続であるか無線接続であるかを問わない。
【0012】
サーバ20(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってもよい。サーバ20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25と、を備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0013】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開する。プロセッサ21は、展開したプログラムを実行する。
【0014】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0015】
なお、本実施形態においてプログラムとは、ゲームを端末装置10により実現するプログラムであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを端末装置10とサーバ20との協働により実現するプログラムであってもよい。なお、端末装置10とサーバ20との協働により実現されるゲームは、一例として、端末装置10において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを複数の端末装置10の協働により実現するプログラムであってもよい。また、各種データには、例えば、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、および端末装置10とサーバ20との間で送受信される指示や通知が含まれる。
【0016】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。ストレージ23には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0017】
通信IF24は、サーバ20と端末装置10等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0018】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0019】
端末装置10(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末、またはゲーム装置等であってもよい。端末装置10は、携帯端末であってもよい。端末装置10は、ユーザがゲームを実行する際に可搬型の端末であってもよい。
【0020】
端末装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、入力部17と、表示部18と、を備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0021】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPUおよびGPU等を含み得る。プロセッサ11は、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開する。プロセッサ11は、展開したプログラムを実行する。
【0022】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROMおよびRAM等の記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0023】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD等の記憶装置により構成される。ストレージ13には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0024】
通信IF14は、端末装置10とサーバ20等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0025】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、入力部17または表示部18等を含み得る。
【0026】
入力部17は、ユーザによる入力を受け付ける。入力部17は、例えば、タッチパッド等のポインティングデバイスであってもよい。表示部18は、画像を表示する。表示部18は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。端末装置10は、例えば、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品であるタッチスクリーン16を備える。
【0027】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびフリック操作等)により入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を有する。入力部17としてのタッチパネルは、静電容量方式または抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0028】
なお、入力部17は、例えば、キーボード、各種物理ボタン、各種センサ(例えば、加速度センサまたは角速度センサ等)、操作スティック、カメラ、またはマイク等であってもよい。また、表示部18は、例えば、プロジェクタ等であってもよい。
【0029】
<情報処理システムの機能的構成>
図2は、サーバ20および端末装置10の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データおよびプログラムを各端末装置10に提供する機能、各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能、ならびに複数の端末装置10間の同期処理を行う機能等を有する。
【0030】
なお、本実施形態において、サーバ20は、ゲームごとに事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザおよび端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10またはパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に基づいて、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成および保存することとしてもよい。
【0031】
図2に示すように、サーバ20は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信IF(インターフェース)24、および入出力IF25等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム221、ゲーム情報222およびユーザ情報223がある。
【0032】
ゲームプログラム221は、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報222およびユーザ情報223は、制御部210がゲームプログラム221を実行するときに参照するデータである。
【0033】
なお、ゲームプログラム221は、サーバ20側で実行するゲームプログラムに加え、端末装置10に送信して端末装置10側で実行するプログラム(後述するゲームプログラム121)を含むこととしてもよい。あるいは、記憶部220が、サーバ20側で実行するゲームプログラム221と、端末装置10側で実行するプログラムとを格納することとしてもよい。
【0034】
ゲーム情報222は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報222は、例えば、各種仮想空間(換言すると、ゲーム空間)を規定するための情報を含む。仮想空間とは、ユーザが操作可能なキャラクタ(以下、「操作キャラクタ」あるいは「プレイヤキャラクタ」ともいう。)のオブジェクトが配置される空間である。また、ゲーム情報222は、例えば、仮想空間内に配置される建物や木、石等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)のオブジェクトの配置位置や大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含む。また、ゲーム情報222は、例えば、ノンプレイヤキャラクタの各種パラメータの設定値等を含む。以下においては、仮想空間に配置されたキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。
【0035】
ユーザ情報223は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報223は、例えば、操作キャラクタに関する情報、保有資産に関する情報、およびゲームの進行度合いを示す情報等を含む。保有資産として、例えば、ゲーム内通貨、アイテム、キャラクタの装備品等が挙げられる。
【0036】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム221を実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、例えば、送受信部211、サーバ処理部212、データ管理部213および同期処理部214を有する。
【0037】
送受信部211は、各種データを送信または受信する。送受信部211は、例えば、各種データおよびプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求、同期処理の対象となるデータ等を、各端末装置10から受信し、サーバ処理部212に渡す。また、送受信部211は、サーバ処理部212による制御に従って、同期を取るための指示等を含む各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0038】
本実施形態において、マルチプレイ機能とは、複数のアカウントによるゲーム処理を同期させた状態で進行させる機能である。情報処理システム1のサーバ20および端末装置10は、情報処理システム1にログインしているアカウントが同じゲームに複数参加する場合に、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を実行する。
【0039】
サーバ処理部212は、端末装置10からの要求等に応じ、ゲームプログラム221に記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。サーバ処理部212は、例えば、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求や同期処理の対象となるデータを、送受信部211を介して端末装置10から受け取ると、マルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。また、サーバ処理部212は、ゲーム情報222またはユーザ情報223の送信指示を送受信部211に指令する。さらに、サーバ処理部212は、ゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードの追加、更新または削除に関する指示をデータ管理部213に指令する。
【0040】
データ管理部213は、記憶部220に格納されている各種データをサーバ処理部212の指示に従って管理する。データ管理部213は、例えば、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222またはユーザ情報223を読み出し、送受信部211を介して端末装置10に送信する。また、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードを、追加、更新または削除する。
【0041】
同期処理部214は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲームのマルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。同期処理部214は、例えば、サーバ20が複数の端末装置10に対して情報を送信するときに、各端末装置10に同時に情報を送信することで、各端末装置10間で進行するゲームの同期を取る。具体的に、同期処理部214は、各アカウントに対応する端末装置10から所定期間(例えば、一フレーム)内に受信した操作情報を、所定期間ごとに各端末装置10に同時に送信する。操作情報は、端末装置10に入力される操作に関する情報である。同期のタイミングや同期すべき情報は、サーバ処理部212から随時受信することとしてもよい。同期処理を実行することで、一つの端末装置10で入力された操作に起因するゲーム内の事象を、他の端末装置10に同時に反映させることが可能となる。
【0042】
本実施形態における端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、およびゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0043】
端末装置10は、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信IF14、および入出力IF15等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム121、ゲーム情報122およびユーザ情報123がある。
【0044】
ゲームプログラム121は、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報122およびユーザ情報123は、制御部110がゲームプログラム121を実行するときに参照するデータである。
【0045】
ゲーム情報122は、上述したサーバ20のゲーム情報222と同様の情報を含む。したがって、ここではゲーム情報122の説明を省略する。
【0046】
ユーザ情報123は、端末装置10を使用するユーザのアカウントに関するデータであり、上述したサーバ20のユーザ情報223と同様の情報を含む。したがって、ここではユーザ情報123の説明を省略する。
【0047】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム121を実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、ゲーム進行部113、表示制御部114、およびメッセージ処理部115を有する。
【0048】
操作受付部111は、入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的には、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作がされた場合に、入力位置の座標および入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等の、手指等による各種操作が挙げられる。入力操作は、入力部17(例えば、タッチスクリーン16)に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。なお、タッチスクリーン16への接触を終了するタッチオフ操作等のそれまで行っていた入力操作を終了する操作も、入力操作の一態様ということができる。
【0049】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてされる入力操作についても、入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0050】
送受信部112は、各種データを送受信する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0051】
送受信部112は、ゲーム情報122またはユーザ情報123や、マルチプレイ機能に対応するための同期要求を、サーバ20に送信する。送受信部112は、各種データ、プログラム、およびマルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータ等を、サーバ20から受信する。同期のためのデータには、例えば、マルチプレイに参加している各端末装置10間で同期を取るように指示するための同期指示データが含まれる。同期指示データには、例えば、同期対象となるデータおよびそのデータの種類や、同期する時期を特定するためのデータ等が含まれる。
【0052】
送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた入力操作に関する操作情報を、サーバ20に送信する。送受信部112は、他の端末装置10において他のユーザにより入力された操作に関する操作情報を、サーバ20から受信する。
【0053】
ゲーム進行部113は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0054】
ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれる仮想空間を規定するための情報に基づいて、仮想空間を規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、仮想空間にオブジェクトを配置する。ゲーム進行部113は、仮想空間に配置したオブジェクトを制御する。具体的には、ゲーム進行部113は、仮想空間内でのオブジェクトの位置、向き、形状、色等を変更することや、オブジェクトに所定の動作を行わせるように、オブジェクトを制御する。
【0055】
ゲーム進行部113は、仮想空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。ゲーム進行部113は、仮想空間内での仮想カメラの位置および向きを規定することにより、仮想空間内に仮想カメラを配置する。ゲーム進行部113は、仮想カメラにより規定される視野領域およびこの視野領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を生成するように、表示制御部114に指示する。
【0056】
仮想カメラの位置および向きは、仮想空間ごとに適宜決定することができる。例えば、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトの位置や向きを基準とし、特定のオブジェクトが特定の向きで視野領域の中央に位置するように、仮想カメラを配置する。その際、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトに対する方向、距離および角度を用い、仮想カメラの位置や向きを調整する。特定のオブジェクトは、例えば、操作キャラクタやノンプレイヤキャラクタ等の動的なオブジェクトであってもよいし、建物や木、石等の静的なオブジェクトであってもよい。動的なオブジェクトには、各ユーザの操作に基づいてそれぞれ動作する操作キャラクタと、ゲームプログラム121,221に基づいて動作するキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ等)とが含まれる。なお、ノンプレイヤキャラクタとは、ゲームをプレイするユーザのいずれもが操作対象としないキャラクタともいえる。
【0057】
ゲーム進行部113は、操作受付部111により検知された入力位置の座標および入力操作の種類等に基づいて、ユーザの指示内容を解釈する。ゲーム進行部113は、解釈した指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。ゲーム進行部113は、判定処理の結果等に基づいて、オブジェクトや仮想カメラ等を制御しながらゲームを進行する。ゲーム進行部113は、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム情報122やユーザ情報123を更新、追加または削除する。
【0058】
表示制御部114は、表示部18に画像を表示させる。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0059】
表示制御部114は、仮想空間のうち、ゲーム進行部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、その領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。表示制御部114は、表示部18に表示させる画像に対し、例えば、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(User Interface)に関わるオブジェクトを重畳して描画することができる。
【0060】
なお、図2に示す端末装置10およびサーバ20の機能は一例にすぎない。端末装置10およびサーバ20の各装置は、他の装置が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、端末装置10およびサーバ20等の各装置は、一体の機器により実現されるものでなくてもよく、例えば、ネットワーク等を介して接続される複数の機器によって実現されてもよい。また、情報処理システム1は、例えば、端末装置10またはサーバ20のみによって構成されていてもよい。換言すると、情報処理システム1は、ネットワークを介して接続される複数の機器によって実現されていなくてもよい。
【0061】
<本実施形態に係る処理>
次に、本実施形態に係る処理について説明する。なお、本実施形態では、端末装置10のプロセッサ11またはサーバ20のプロセッサ21が、情報処理システム1に記憶されているプログラムを実行することによって、後述する各処理を行うものとして説明する。ただし、後述する処理であってプロセッサ11が行う処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ11とは別のプロセッサが実行するようにしてもよい。また、後述する処理であってプロセッサ21が行う処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ21とは別のプロセッサが実行するようにしてもよい。換言すると、本実施形態においてプログラムを実行するコンピュータは、端末装置10およびサーバ20のいずれであってもよく、また、複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0062】
以下では、本実施形態に係る構成を複数のユーザがチームを組んで行うゲームに適用した場合を例に説明する。具体的には、複数のユーザが複数のチームに分かれて対戦するゲーム(例えば、FPS(First Person Shooter)ゲーム)に適用した場合を例に説明する。以下では、ユーザA、ユーザB、ユーザC、およびユーザDがチームを組んでいる場合を例に説明する。
【0063】
本実施形態のゲームにおいては、同一の仮想空間に複数のユーザが参加する。具体的には、複数のユーザそれぞれのプレイヤキャラクタが同一の仮想空間に存在し、互いに協力したり戦ったりする。
【0064】
本実施形態のゲームにおいては、ゲーム進行部113は、ユーザによる入力操作に基づいてプレイヤキャラクタを動かす。例えば、ゲーム進行部113は、ユーザによる、タッチスクリーン16に触れたまま指を任意の方向へ移動させる操作、すなわちドラッグ操作に基づいて、プレイヤキャラクタを仮想空間内で移動させる。また、ゲーム進行部113は、ユーザによる、タッチスクリーン16の任意の箇所をタップするタップ操作に基づいて、プレイヤキャラクタに攻撃に係る動作を行わせる。
【0065】
また、本実施形態のゲームでは、各ユーザは同一の仮想空間に参加する他のユーザとの間でメッセージの送受信が可能となっている。換言すると、本実施形態のゲームは、チャット機能を有している。
【0066】
メッセージ処理部115は、ユーザの入力操作に基づいて、他のユーザにメッセージを送信する。図3に示すように、メッセージ処理部115は、所定の入力操作がされると、メッセージの送信に係る入力を行う入力画面(換言すると、チャットウィンドウ)50を表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。入力画面50には、例えば、メッセージを入力する入力欄51が表示される。また、入力画面50には、過去に送受信したメッセージが表示されてもよい。なお、入力画面50は、プレイヤキャラクタの操作中等において表示部18に表示されていてもよい。また、入力画面50は、表示部18の表示領域の全体にわたって表示されるもの等であってもよい。
【0067】
また、操作受付部111は、メッセージの送信先となるユーザ(以下、「送信先ユーザ」という。)の選択の開始に係る操作を受け付ける。例えば、入力画面50が表示されている状態において、メッセージを入力する入力欄51に「@」(アットマーク)の記号を入力する入力操作がされると、操作受付部111は、当該入力操作を、送信先ユーザの選択を開始する操作として受け付ける。
【0068】
メッセージ処理部115は、送信先ユーザの選択を開始する操作がされると、送信先ユーザの候補が表示される候補一覧53を表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。換言すると、メッセージ処理部115は、送信先ユーザの候補をユーザに提示する。候補一覧53においては、例えば、送信先ユーザの候補としての複数のユーザのユーザ名が表示される。なお、候補一覧53は、全ての候補を一度に表示するものでなくてもよく、画面スクロール操作等により表示される候補が切り替わるもの等であってもよい。
【0069】
なお、候補一覧53は、入力画面50の表示開始に伴い表示されるなどしてもよい。換言すると、入力画面50を表示させる操作が、送信先ユーザの選択の開始に係る操作を兼ねてもよい。
【0070】
また、メッセージ処理部115は、候補一覧53に表示される候補の中から送信先ユーザを選択する入力操作、およびメッセージを入力する入力操作が行われ、メッセージを送信する入力操作が行われると、送信先ユーザとして選択されたユーザの端末装置10にメッセージを送信する。すなわち、メッセージ処理部115は、候補一覧53に表示される候補(換言すると、提示した候補)の中から選択されたユーザを送信先ユーザとして設定する。また、当該送信先ユーザの端末装置10のメッセージ処理部115は受信したメッセージを表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。
【0071】
なお、送信先ユーザを指定して送られるメッセージは、送信先ユーザに対してのみ送られるものであってもよく、送信先ユーザを含む複数のユーザに送られるものであってもよい。換言すると、送信先ユーザの選択とは、例えば、図3に示すような複数のユーザが参加するチャットにおいて(換言すると、送信先ユーザを指定するユーザおよび送信先ユーザ以外のユーザが含まれるグループでメッセージの送受信をしている場合において)、送信する相手を明確にするメンションを行うことであってもよい。
【0072】
以下では、送信先ユーザの候補が提示されるユーザ(換言すると、送信先ユーザの選択を開始する操作を行った端末装置10のユーザ)を、「自ユーザ」と呼ぶことがある。また、ユーザAが、自身の端末装置10で送信先ユーザの選択を開始する操作を行い、ユーザAに対して送信先ユーザの候補が提示される場合(すなわち、自ユーザがユーザAである場合)を例に、送信先ユーザの候補の提示について具体的に説明する。なお、ユーザA以外のユーザについても、自身の端末装置10において同様の提示がなされる。
【0073】
メッセージ処理部115は、仮想空間上においてゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に基づいて、送信先ユーザの候補を自ユーザに提示する。
【0074】
本実施形態では、メッセージ処理部115は、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況としての、自ユーザと他のユーザとの仮想空間上における位置関係に関する状況に応じた優先順位に基づいて、送信先ユーザの候補を自ユーザに提示する。
【0075】
具体的には、メッセージ処理部115は、仮想空間上における距離に応じて送信先ユーザの候補の優先順位を決定する。より具体的には、メッセージ処理部115は、仮想空間上における距離が自ユーザに近いユーザほど優先順位が高くなるように、送信先ユーザの候補の優先順位を決定する。そして、メッセージ処理部115は、優先順位の高いユーザほど、候補一覧53において上側に表示されるように制御する。
【0076】
この点について図3を参照しながら説明する。図3は、ユーザAの端末装置10に表示される画面の一例である。なお、ここでは、自ユーザをユーザAとし、ユーザA、ユーザB、ユーザC、ユーザDのそれぞれが操作するプレイヤキャラクタを、それぞれプレイヤキャラクタ31A、31B、31C、31Dと表す。図3に示すように、仮想空間30上においては、ユーザAに近い方から順に、ユーザC、ユーザB、ユーザDの順で位置している。この場合、メッセージ処理部115は、ユーザAに近いユーザから順に優先順位をつけ、当該優先順位に基づいて送信先ユーザの候補を提示する。具体的には、メッセージ処理部115は、当該優先順位の高いユーザ、すなわちユーザAに近いユーザほど上側に表示される候補一覧53を表示部18に表示させる。すなわち、図3に示す場面においては、ユーザAに最も近いユーザCの優先順位が最も高くなり、ユーザCが候補一覧53において一番上に表示される。また、各プレイヤキャラクタ31が移動し状況が変化した場合、例えば、ユーザBが最も近くなる場面においては、ユーザBの優先順位が最も高くなり、そのとき表示される候補一覧53においては、ユーザBが一番上に表示される。
【0077】
なお、メッセージ処理部115は、仮想空間30上における距離が自ユーザから遠いユーザほど優先順位が高くなるように、送信先ユーザの候補の優先順位を決定してもよい。チームを組むなどして複数のユーザが協力して行うゲームにおいては、当該複数のユーザでまとまって行動したい場合等もあるが、このような構成によれば、集団から離れたユーザに対して声掛けをすることなどが容易となる。
【0078】
なお、メッセージ処理部115は、優先順位が高いユーザが候補一覧53に表示され、優先順位が低いユーザについては候補一覧53に表示されないように制御してもよい。また、メッセージ処理部115は、優先順位に応じて、優先順位が高いユーザが目立つように(換言すると、優先順位の高いユーザが認識可能となるように)、候補の表示を行ってもよい。具体的には、例えば、候補一覧53における並び順を優先順位に応じて変化させずに、優先順位が高いユーザが強調して表示される(例えば、ユーザ名の色が目立つ色となる、ユーザ名がハイライト表示される、またはユーザ名の横に所定の図柄が表示される等)ように、候補の表示を行ってもよい。また、「優先順位をつける」とは、メッセージの送信先になり得るユーザを、優先順位の高いユーザと、優先順位の低いユーザとの2段階に分けるもの等であってもよい。
【0079】
なお、送信先ユーザとして自ユーザに提示され得るユーザ(換言すると、優先順位をつける対象となるユーザ)は、例えば、自ユーザと同じグループに属する(例えば、チームを組んでいる)ユーザであってもよく、自ユーザのフレンド等の自ユーザと交友関係のあるユーザ等であってもよく、仮想空間内においてユーザと同じ領域内(換言すると、所定範囲内)にいるユーザ等であってもよい。具体的には、例えば、仮想空間上の不特定多数のユーザ(換言すると、自ユーザと未だ交流が無いユーザ)が参加し得る領域(例えば、いわゆるロビー等)において、未だ交流が無いユーザを含む複数のユーザについて優先順位がつけられ、送信先ユーザの候補として自ユーザに提示がされるようになっていてもよい。
【0080】
なお、メッセージ処理部115は、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況としての、ユーザが行ったゲームの進行に関わる行為に応じて変化する状況に応じた優先順位に基づいて、送信先ユーザの候補を自ユーザに提示してもよい。例えば、メッセージ処理部115は、ゲームの進行に関わる所定のアクションを行ったユーザほど優先順位が高くなるように候補の提示を行ってもよい。また、メッセージ処理部115は、敵キャラクタ(ここで「敵キャラクタ」とは、対戦ゲームにおける他のユーザのプレイヤキャラクタ31を含む)を倒した数が多いユーザや、敵キャラクタを倒すアシストをした数が多いユーザほど優先順位が高くなるように候補の提示を行ってもよい。また、メッセージ処理部115は、ゲームにおける貢献度が高いほど優先順位が高くなるように候補の提示を行ってもよい。ここで、「貢献度」は、ゲームにおける目的の達成に近づく行為を行うほど高くなるパラメータともいえ、算出方法はゲームの種類に応じて決定すれば良いが、例えば、対戦ゲームにおいては、敵キャラクタを倒した数が多いほど貢献度が高くなるなどしてもよい。また、メッセージ処理部115は、特定のアイテム(例えば、プレイヤキャラクタ31の所定のパラメータを回復させる回復アイテム)の所持数(換言すると、獲得した数)が多いユーザほど優先順位が高くなるように、候補の提示を行ってもよい。
【0081】
また、メッセージ処理部115は、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況としての、自ユーザが他のユーザに対して行った、または他のユーザが自ユーザに対して行った、ゲームの進行に関わる所定の行為に応じて変化する状況に応じた優先順位に基づいて、送信先ユーザの候補を自ユーザに提示してもよい。換言すると、自ユーザと他のユーザとの関係性に関する状況であってもよい。例えば、自ユーザの利となる行為(換言すると、アシスト行為)をしてくれたユーザほど優先順位が高くなるように候補の提示を行ってもよい。ここで、「利となる行為」の一例としては、例えば、ロールプレイングゲームやFPS等において自ユーザのプレイヤキャラクタ31を他のユーザのプレイヤキャラクタ31が回復させる行為(例えば、蘇生させる行為等を含む)や、自ユーザのプレイヤキャラクタ31が倒そうとする敵キャラクタを他のユーザのプレイヤキャラクタ31が一緒に倒す行為(例えば、アシスト攻撃する行為)等が挙げられる。
【0082】
また、メッセージ処理部115は、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に関わらず、自ユーザが所定回数以上メッセージを送信したユーザを優先的に、メッセージの送信先の候補として自ユーザに提示してもよい。例えば、図3に例示した前述の例では、仮想空間30上における距離がユーザAに近いユーザほど優先順位が高くなっており、優先順位は高い方から順にユーザC、ユーザB、ユーザDとなる。そして、候補一覧53には、ユーザC、ユーザB、ユーザDの順で表示されることとなる。しかし、例えば、ゲーム中においてユーザAがユーザDに対して所定回数以上メッセージを送信していた場合(換言すると、ユーザDを指定するメンションを伴うメッセージの送信を所定回数以上行っていた場合)、メッセージ処理部115は、当該優先順位に関わらず、候補一覧53の一番上にユーザDが表示されるように送信先ユーザの候補の提示を行ってもよい。このような構成によれば、メッセージを送る頻度の高い相手については、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況に関わらず、例外的(換言すると、強制的)に優先して提示され、当該相手に対してメッセージを送りやすくなる。なお、ここで「所定回数」とは、一定の回数(例えば、複数回)であってもよく、相対的に決まる回数(例えば、メッセージを送信した回数の順位が所定順位以上となる回数)等であってもよい。また、「優先的に」とは、最優先で提示するものに限らず、所定回数未満しかメッセージを送信していないユーザに対して優先的に表示されるものであればよい。
【0083】
なお、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況を示す情報が複数種類あり、メッセージ処理部115は、複数種類ある当該情報のうちのいずれに応じた優先順位に基づいて送信先ユーザの候補の提示を行うかを、自ユーザによる設定に基づいて決定してもよい。換言すると、いずれの情報に基づいて優先順位をつけるかを自ユーザが設定可能となっており、操作受付部111は当該設定に係る入力操作を受け付けてもよい。具体的には、例えば、提示される送信先ユーザの候補の優先順位を、自ユーザと他のユーザとの仮想空間30上における位置関係に関する状況(換言すると、当該状況を示す情報)に応じたものにするか、ゲームにおける貢献度(換言すると、当該貢献度を示す情報)に応じたものとするか、特定のアイテムの所持数(換言すると、当該所持数を示す情報)に応じたものとするか等を、自ユーザが設定可能となっていてもよい。換言すると、優先順位の決定に係るロジックを、自ユーザが設定可能となっていてもよい。
【0084】
また、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況を示す情報が複数種類あり、メッセージ処理部115は、複数種類ある当該情報のうちのいずれに応じた優先順位に基づいて送信先ユーザの候補の提示を行うかを、ゲームの状況に応じて変化させてもよい。具体的には、提示される送信先ユーザの候補の優先順位を、ユーザ間の距離が所定長さ以上となった場合には、ユーザ間の距離(換言すると、当該距離を示す情報)に応じたものとし、所定の戦闘(例えば、味方チームと敵チームとの戦闘)が発生すると、アシスト行為の数(換言すると、当該数を示す情報)に応じたものとし、自ユーザの有する回復アイテムの数が少ない場合には、回復アイテムの所持数(換言すると、当該所持数を示す情報)に応じたものとするなどしてもよい。換言すると、メッセージ処理部115は、優先順位の決定に係るロジックを、ゲームの状況に応じて自動的に変化させてもよい。
【0085】
なお、ユーザの設定に応じてあるいはゲームの状況に応じて優先順位の決定に係るロジック(換言すると、処理)が変化する構成において、メッセージ処理部115は、例えば、入力画面50を表示させる入力操作や、送信先ユーザの選択を開始する操作等がされた際に、いずれのロジックに基づいて優先順位を決定するかを決めてもよい。
【0086】
また、メッセージ処理部115は、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に基づいて送信先ユーザの候補が自ユーザに提示されている間に、当該状況が変化した場合であっても、提示内容を保持し続けてもよい。換言すると、メッセージ処理部115は、候補一覧53が表示されている間に、当該状況が変化した場合であっても、候補一覧53の表示(具体的には、例えば、候補の表示順序あるいはいずれの候補を目立たせるか等)を変化させないこととしてもよい。
【0087】
(送信先ユーザの候補の提示に係る処理)
ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に基づいて、送信先ユーザの候補を自ユーザに提示する処理の一例について、図4を参照しながら説明する。
【0088】
まず、メッセージ処理部115は、仮想空間30上において、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況を示す情報を取得する(ステップS101)。具体的には、メッセージ処理部115は、ユーザAと、送信先ユーザとなり得るユーザとの仮想空間30上における距離を示す情報を取得する。
【0089】
また、メッセージ処理部115は、ステップS101で取得された情報に基づき、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に基づいて、送信先ユーザの候補をユーザAに提示する(ステップS102)。具体的には、メッセージ処理部115は、ユーザAからの距離に基づく優先順位が高いユーザが優先的に表示される候補一覧53を表示部18に表示させる。より具体的には、メッセージ処理部115は、ユーザAからの距離が近いユーザほど優先的に表示される候補一覧53を表示部18に表示させる。なお、「優先的に」とは、例えば、優先順位の高いユーザの方が上側に表示されるものであってもよく、優先順位が高いユーザが目立つように表示されるものであってもよく、優先順位の高いユーザのみが表示されるもの等であってもよい。なお、ここで、「状況に応じた優先順位に基づいて」とは、結果として提示される内容が状況に応じた優先順位のついたものとなればよく、例えば、ユーザAからの距離が近いユーザから順に上から候補一覧53に配置していくことにより、距離が近いユーザほど優先順位が高くなるように構成されるなどしてもよい。
【0090】
次いで、操作受付部111は、候補一覧53に表示される候補の中から送信先ユーザを選択する操作を受け付ける(ステップS103)。なお、候補一覧53に表示されていないユーザについても、ユーザ名を直接入力する操作等により、送信先ユーザとして指定することが可能となっていてもよい。
【0091】
次いで、メッセージ処理部115は、候補一覧53に表示される候補の中から選択されたユーザを送信先ユーザとして設定する(ステップS104)。
【0092】
次いで、メッセージ処理部115は、設定された送信先ユーザに対して、メッセージを送信する(ステップS105)。なお、送信するメッセージは、ステップS101の処理の前からステップS105の処理の前のいずれのタイミングで入力されるように構成してもよい。
【0093】
なお、本実施形態に係る構成は、敵キャラクタと戦うゲームに限らず、いずれのゲームに適用されてもよい。例えば、仮想空間上で他のユーザとの交流を楽しむゲームや、仮想空間上で他のユーザと所定の観戦、鑑賞を行うゲーム等に適用されてもよい。
【0094】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、任意の構成要素の変形、または任意の構成要素の省略等が可能である。また、本明細書において説明した処理の流れはあくまで一例であり、各処理の順序や構成は異なるものであってもよい。
【0095】
<付記>
以上の実施形態で説明した事項は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0096】
(付記1)
コンピュータを、
第1ユーザを含む複数のユーザが参加する仮想空間上において、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況を示す情報を取得する情報取得手段(例えば、メッセージ処理部115)と、
前記情報の示す前記動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを前記第1ユーザに提示する提示手段(例えば、メッセージ処理部115)と、として機能させる
プログラム。
このような構成によれば、メッセージの送信先の候補の提示を、動的に変化するユーザの状況に応じて変化させることができる。例えば、状況に基づいてどのユーザにメッセージを送信したいかを推測して送信先の候補を提示することが可能となる。したがって、状況毎に適した提示を行うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0097】
(付記2)
前記提示手段は、前記第1ユーザと他のユーザとの前記仮想空間上における位置関係に関する状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを前記第1ユーザに提示する
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、メッセージの送信先の候補の提示を、仮想空間上におけるユーザの位置関係に応じて変化させることができる。したがって、ユーザの位置関係に応じて適切な提示を行うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0098】
(付記3)
前記提示手段は、ユーザが行ったゲームの進行に関わる行為に応じて変化する状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの候補となるユーザを前記第1ユーザに提示する
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、メッセージの送信先の候補の提示を、ユーザが行ったゲーム上の行為に応じて変化させることができる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0099】
(付記4)
前記提示手段は、前記第1ユーザが他のユーザに対して行った、または他のユーザが前記第1ユーザに対して行った、ゲームの進行に関わる行為に応じて変化する状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの候補となるユーザを前記第1ユーザに提示する
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、メッセージの送信先の候補の提示を、他のユーザが自分に対して行ってくれた行為や、自分が他のユーザに対して行った行為に応じて変化させることができる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0100】
(付記5)
前記提示手段は、前記動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に関わらず、前記第1ユーザが所定回数以上メッセージを送信したユーザを優先的に、メッセージの送信先の候補として前記第1ユーザに提示する
付記1~4のいずれか1つに記載のプログラム。
このような構成によれば、メッセージを送る頻度の高い相手については、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況に関わらず、例外的(換言すると、強制的)に優先して提示されるようになり、当該相手に対してメッセージを送りやすくなる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0101】
(付記6)
前記情報が複数種類あり、
前記提示手段は、複数種類ある前記情報のうちのいずれに応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを前記第1ユーザに提示するかを、前記第1ユーザによる設定に基づいて決定する
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、メッセージの送信先の候補の提示を、動的に変化するユーザの状況に応じて変化させることが可能な構成において、どのようなロジックで提示を行うかをユーザ自身が選択することが可能となる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる
【0102】
(付記7)
前記情報が複数種類あり、
前記提示手段は、複数種類ある前記情報のうちのいずれに応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを前記第1ユーザに提示するかを、ゲームの状況に応じて変化させる
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、メッセージの送信先の候補の提示を、動的に変化するユーザの状況に応じて変化させることが可能な構成において、どのようなロジックで提示を行うかゲームの状況に応じて自動的に変化させることができる。したがって、ユーザに対して、ゲームの状況に応じた適切な候補の提示を行うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる
【0103】
(付記8)
第1ユーザを含む複数のユーザが参加する仮想空間上において、ゲームの進行に応じて動的に変化するユーザの状況を示す情報を取得する情報取得手段(例えば、メッセージ処理部115)と、
前記情報の示す前記動的に変化するユーザの状況に応じた優先順位に基づいて、メッセージの送信先の候補となるユーザを前記第1ユーザに提示する提示手段(例えば、メッセージ処理部115)と、を備える
情報処理システム。
このような構成によれば、付記1に記載のプログラムと同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 情報処理システム、2 ネットワーク、10 端末装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、17 入力部、18 表示部、20 サーバ、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、30 仮想空間、50 入力画面、51 入力欄、53 候補一覧、110 制御部、111 操作受付部、112 送受信部、113 ゲーム進行部、114 表示制御部、115 メッセージ処理部、120 記憶部、210 制御部、211 送受信部、212 サーバ処理部、213 データ管理部、214 同期処理部、220 記憶部
図1
図2
図3
図4