(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123873
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】函体の据付方法
(51)【国際特許分類】
E02D 23/02 20060101AFI20240905BHJP
E02D 23/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
E02D23/02 D
E02D23/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031651
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000219406
【氏名又は名称】東亜建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】安藤 宏一
(57)【要約】
【課題】函体の据付作業をより安全に行うことができる函体の据付方法を提供する。
【解決手段】水域に間隔をあけて設けられている既設の構造体40どうしの間の据付目標エリアに据付対象の函体10を据付ける際に、それぞれの既設の構造体40の上に、据付目標エリアに向かう方向に延在していて既設の構造体40に対して固定されるシリンダ部2と、シリンダ部2に対して進退移動可能なロッド部3と、ロッド部3の先端部で上下方向に回転可能に軸支されたローラ4とを有する衝撃吸収装置1を設置して、ローラ4の少なくとも先端部を既設の構造体40の側面41から突出した状態にする。そして、据付目標エリアの両側方に配置されたローラ4どうしの間に据付対象の函体10を降下させて据付対象の函体10を水底Gに据付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水域に間隔をあけて設けられている既設の構造体どうしの間の据付目標エリアに据付対象の函体を据付ける函体の据付方法において、
それぞれの前記既設の構造体の上に、前記据付目標エリアに向かって延在していて前記既設の構造体に対して固定されるシリンダ部と、前記シリンダ部に対して前記シリンダ部の延在方向に進退移動可能なロッド部と、前記ロッド部の先端部で上下方向に回転可能に軸支されたローラとを有する衝撃吸収装置を設置して、前記ローラの少なくとも先端部を前記既設の構造体の側面から突出した状態とし、前記据付目標エリアの両側方に配置された前記ローラどうしの間に前記据付対象の函体を降下させて前記据付対象の函体を水底に据付けることを特徴とする函体の据付方法。
【請求項2】
水域に設けられている既設の構造体の側方の据付目標エリアに据付対象の函体を据付ける函体の据付方法において、
前記既設の構造体の上に、前記据付目標エリアに向かって延在していて前記既設の構造体に対して固定されるシリンダ部と、前記シリンダ部に対して前記シリンダ部の延在方向に進退移動可能なロッド部と、前記ロッド部の先端部で上下方向に回転可能に軸支されたローラとを有する衝撃吸収装置を設置して、前記ローラの少なくとも先端部を前記既設の構造体の側面から突出した状態とし、前記ローラに向けて前記据付対象の函体を引き寄せる、または、前記ローラの側方に前記据付対象の函体を降下させて、前記据付対象の函体を水底に据付けることを特徴とする函体の据付方法。
【請求項3】
前記既設の構造体の上に複数の前記衝撃吸収装置を互いに間隔をあけて設置する請求項1または2に記載の函体の据付方法。
【請求項4】
それぞれの前記ローラに前記据付対象の函体が接触していない状態での、一方の前記既設の構造体の上に設置している前記衝撃吸収装置の前記ローラの先端部と、他方の前記既設の構造体の上に設置している前記衝撃吸収装置の前記ローラの先端部との離間距離を、前記据付対象の函体の幅寸法よりも長く設定する請求項1に記載の函体の据付方法。
【請求項5】
一方の前記既設の構造体の上に設置している前記衝撃吸収装置の前記ローラを前記据付対象の函体の一方側の側面に当接させるとともに、他方の前記既設の構造体の上に設置している前記衝撃吸収装置の前記ローラを前記据付対象の函体の他方側の側面に当接させた状態で、前記据付対象の函体を降下させる請求項1に記載の函体の据付方法。
【請求項6】
前記衝撃吸収装置を上下方向に複数積層して設置する請求項1または2に記載の函体の据付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、函体の据付方法に関し、さらに詳しくは、函体の据付作業をより安全に行うことができる函体の据付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水域に間隔をあけて設けられている既設の構造体どうしの間にケーソン等の函体を据え付ける作業や、水域に設けられている既設の構造体の側方に函体を据え付ける作業では、クレーンやウインチ等により函体を移動させる過程や函体を水中に沈み込ませる過程で、波や水流の影響により函体が動揺する。そのため、函体の据付作業中に据付対象の函体が既設の構造体に衝突して、据付対象の函体や既設の構造体が損傷するリスクがあった。
【0003】
そこで、据付対象の函体(ケーソン)に対向する既設の構造体の側壁に空気袋を設置する函体の据付方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、空気袋により据付対象の函体と既設の構造体とが直接衝突することは防止できる。しかしながら、据付対象の函体から既設の構造体に作用する衝撃は空気袋ではほとんど吸収できない。また、函体は重量が非常に大きいため、据付対象の函体と既設の構造体との間に空気袋が挟まれて空気袋に過大な圧力がかかると、空気袋が破裂するリスクがある。それ故、函体の据付作業をより安全に行うには改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、函体の据付作業をより安全に行うことができる函体の据付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の函体の据付方法は、水域に間隔をあけて設けられている既設の構造体どうしの間の据付目標エリアに据付対象の函体を据付ける函体の据付方法において、それぞれの前記既設の構造体の上に、前記据付目標エリアに向かって延在していて前記既設の構造体に対して固定されるシリンダ部と、前記シリンダ部に対して前記シリンダ部の延在方向に進退移動可能なロッド部と、前記ロッド部の先端部で上下方向に回転可能に軸支されたローラとを有する衝撃吸収装置を設置して、前記ローラの少なくとも先端部を前記既設の構造体の側面から突出した状態とし、前記据付目標エリアの両側方に配置された前記ローラどうしの間に前記据付対象の函体を降下させて前記据付対象の函体を水底に据付けることを特徴とする。
【0007】
本発明の別の函体の据付方法は、水域に設けられている既設の構造体の側方の据付目標エリアに据付対象の函体を据付ける函体の据付方法において、前記既設の構造体の上に、前記据付目標エリアに向かって延在していて前記既設の構造体に対して固定されるシリンダ部と、前記シリンダ部に対して前記シリンダ部の延在方向に進退移動可能なロッド部と、前記ロッド部の先端部で上下方向に回転可能に軸支されたローラとを有する衝撃吸収装置を設置して、前記ローラの少なくとも先端部を前記既設の構造体の側面から突出した状態とし、前記ローラに向けて前記据付対象の函体を引き寄せる、または、前記ローラの側方に前記据付対象の函体を降下させて、前記据付対象の函体を水底に据付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シリンダ部、ロッド部およびローラを有する衝撃吸収装置を、ローラの少なくとも先端部を既設の構造体の側面から突出した状態で設置していることで、据付対象の函体が動揺して据付対象の函体が既設の構造体に接近した場合にも、衝撃吸収装置により据付対象の函体と既設の構造体とが衝突することを防止できる。さらに、据付対象の函体により衝撃吸収装置のローラが押圧された場合には、ロッド部がシリンダ部に対して後退移動することで、据付対象の函体から既設の構造体に作用する衝撃を効果的に吸収することができ、据付対象の函体の動揺も効果的に減衰できる。さらに、据付対象の函体を降下させる過程で、衝撃吸収装置のローラに据付対象の函体が接触した場合にも、ローラが上下方向に回転することで、降下する据付対象の函体を円滑にガイドできる。それ故、函体の据付作業をより安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の函体の据付方法において据付対象の函体を既設の構造体どうしの間の据付目標エリアに向かって降下させている状況を縦断面視で例示する説明図である。
【
図4】
図1の状況からさらに降下させた据付対象の函体が動揺している状況を縦断面視で例示する説明図である。
【
図5】据付対象の函体を水底に据え付けた状況を縦断面視で例示する説明図である。
【
図6】本発明の函体の据付作業において既設の構造体に対して衝撃吸収装置を上下方向に複数積層して設置した状況を縦断面視で例示する説明図である。
【
図7】本発明の函体の据付作業において一方側の既設の構造体に設置した衝撃吸収装置の設置高さと他方側の既設の構造体に設置した衝撃吸収装置の設置高さを異ならせた状況を縦断面視で例示する説明図である。
【
図8】本発明の別の函体の据付作業において据付対象の函体を既設の構造体の側方の据付目標エリアに向かって引き寄せている状況を縦断面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の函体の据付方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1および
図2に例示するように、本発明は、水域に間隔をあけて設けられている既設の構造体40どうしの間の据付目標エリアに据付対象の函体10を据付ける施工に採用することができる。後に別の実施形態として例示するが、本発明は、水域に設けられている既設の構造体40の側方の据付目標エリアに据付対象の函体10を据付ける施工に採用することもできる。図面では、既設の構造体40から据付対象の函体10の据付目標エリアに向かう方向をX方向、X方向に対して水平方向において直交する方向をY方向、上下方向をZ方向としている。
【0012】
据付対象の函体10としては、ケーソンや埋設函などを例示できる。既設の構造体40としては、ケーソンや埋設函、岸壁などの水上構造物が例示できる。この実施形態では、据付対象の函体10と既設の構造体40がケーソンの場合を例示している。函体(ケーソン)10は、中空部を有するコンクリート製または鋼製の構造物で、その中空部は外壁と隔壁により複数の空間に仕切られている。函体10を水中に沈める際には、それぞれの中空部に設けられた注水ホース30によって、それぞれの中空部に水Wが注入され、据付後には中空部に砕石等の中詰材が投入される。この実施形態では、函体10の上面を覆う上蓋12が設けられていて、上蓋12に注水ホース30を挿設可能な貫通孔が設けられている。
【0013】
図1~
図3に例示するように、本発明では、それぞれの既設の構造体40の上に衝撃吸収装置1を設置した状態で、据付対象の函体10の据付作業を行う。衝撃吸収装置1は、シリンダ部2と、シリンダ部2に挿設されたロッド部3と、ロッド部3の先端部に設けられたローラ4とを有して構成されている。
【0014】
シリンダ部2は、据付対象の函体10の据付目標エリアに向かって延在していて既設の構造体40に対して固定される。シリンダ部2は筒形状であり内部に油圧機構が設けられている。シリンダ部2の内空部にロッド部3の後部が挿入されていて、ロッド部3の先端側とローラ4はシリンダ部2から突出した状態になっている。ロッド部3は、油圧機構によりシリンダ部2に対してシリンダ部2の延在方向(X方向)に進退移動可能な構成になっている。ローラ4は、ロッド部3の先端部に上下方向に回転可能に軸支されている。
【0015】
ローラ4に対して外力が作用していない状態では、シリンダ部2に対してロッド部3の先端側が予め設定した所定長さ突出した状態で、シリンダ部2に対してロッド部3およびローラ4は静止した状態になる。ローラ4に対してシリンダ部2側に所定値以上の外力が作用すると、シリンダ部2に対してロッド部3がシリンダ部2側に後退移動するとともに、シリンダ部2に内蔵されている油圧機構によってローラ4に作用した外力が吸収される構成になっている。ローラ4に作用するシリンダ部2側の外力が所定値以下になると、油圧機構による付勢力(復元力)により、シリンダ部2に対してロッド部3が元の位置(初期位置)まで前進する構成になっている。即ち、シリンダ部2およびロッド部3は所謂油圧シリンダ(油圧ジャッキ)のような機能を備えている。
【0016】
この実施形態のシリンダ部2は金属製の角筒部材で構成されている。ロッド部3は、金属製で直方体形状の棒状部材で構成されている。ロッド部3の先端部には一対の軸受部が設けられている。その一対の軸受部の間にローラ4が配置されていて、ローラ4の回転軸4aが一対の軸受部に軸支された構造になっている。ローラ4は金属製であり、外周面が樹脂で被覆された構造になっている。
【0017】
衝撃吸収装置1のサイズは、据付対象の函体10のサイズや重量に応じて適宜設定できるが、シリンダ部2の延在方向(X方向)の長さ寸法は例えば、1000mm~3000mm程度であり、幅寸法は300mm~600mm程度である。シリンダ部2に対してロッド部3が進退移動可能な距離(ストローク)は、例えば、300mm~700mm程度に設定される。ローラ4の直径は例えば、150mm~350mm程度である。
【0018】
この実施形態では、シリンダ部2に長さ調整部5が設けられていて、長さ調整部5を操作することで、ローラ4に対して外力が作用していない状態でのシリンダ部2に対するロッド部3の突出長さと、ローラ4に対して外力が作用した場合のシリンダ部2に対してロッド部3が進退移動可能な距離を所望の条件に調整できる構成になっている。
【0019】
衝撃吸収装置1を既設の構造体40の上に直接固定することもできるが、この実施形態では、既設の構造体40の上に支台6を固設して、支台6の上に衝撃吸収装置1を固定する構成にしている。支台6は、例えば、H形鋼や角型鋼などの鋼材を組み合わせて構築することができる。この実施形態では、X方向に延在する鋼材とY方向に延在する鋼材とを井桁状に複数段積み重ねた支台6を構築している。支台6は、既設の構造体40に対して着脱可能に固定している。そして、支台6の上に衝撃吸収装置1を載置し、支台6に対して衝撃吸収装置1を固定具7によって着脱可能に固定している。
【0020】
据付対象の函体10の据付作業では、起重機船などに搭載されたクレーンから懸下された複数本のワイヤロープ20の下端部を、据付対象の函体10の上部の複数箇所に設けられた連結部21にそれぞれ連結する。そして、クレーンを操作して据付対象の函体10を据付目標エリアの上方まで移動させ、据付対象の函体10を据付目標エリアの上方に吊り上げた状態にする。
【0021】
本発明では、据付対象の函体10をそれぞれの既設の構造体40の上端部よりも下方に降下させる以前に、それぞれの既設の構造体40の上に衝撃吸収装置1を設置しておく。既設の構造体40に衝撃吸収装置1を設置する作業は、クレーンにより据付対象の函体10を据付目標エリアの上方に移動させる以前に行ってもよいし、据付対象の函体10を据付目標エリアの上方に移動させた後に行ってもよい。
【0022】
この実施形態では、それぞれの既設の構造体40の上部の据付目標エリア側に支台6を設置し、支台6を既設の構造体40に対して固定した状態にする。支台6を複数の部材を組み合わせて形成する場合には、例えば、支台6を既設の構造体40上で組み立ててもよいし、陸上や船上で予め組み立てた支台6を、クレーンなどを使用して既設の構造体40に移送してもよい。支台6は、既設の構造体40の側面41から突出しない位置に配設することが好ましい。
【0023】
次いで、支台6の上に衝撃吸収装置1のシリンダ部2を載置する。それぞれの衝撃吸収装置1は、ローラ4側を据付対象の函体10の据付目標エリアに向けて、ローラ4の少なくとも先端部を既設の構造体40の側面41から突出した状態にする。そして、固定具7を用いて支台6にシリンダ部2を固定することで、既設の構造体40に対してシリンダ部2を固定した状態にする。シリンダ部2は、既設の構造体40の側面41から突出しない位置に配設することが好ましい。
【0024】
図2に例示するように、この実施形態では、それぞれの既設の構造体40の上に複数の衝撃吸収装置1をY方向に互いに間隔をあけて設置している。この実施形態では、それぞれの既設の構造体40に二台ずつ衝撃吸収装置1を設置しているが、既設の構造体40に対して衝撃吸収装置1を一台設置する構成にすることもできるし、既設の構造体40に対して衝撃吸収装置1を三台以上設置する構成にすることもできる。
【0025】
図3に例示するように、既設の構造体40の上端に対する衝撃吸収装置1の設置高さH(既設の構造体40の上端からローラ4の回転軸4aまでの高さ)は、例えば、500mm~3000mm程度に設定するとよい。ローラ4に据付対象の函体10が接触していない状態での、既設の構造体40の側面41に対して、ローラ4を据付目標エリア側に突出させる距離L(既設の構造体40の側面41からローラ4の先端までの水平距離)は、据付対象の函体10を据付目標エリアに据付けた状態での既設の構造体40の側面41と据付対象の函体10の側面11との間の目標目地間隔に応じて適宜設定する。前述した距離Lは、前述した目標目地間隔以下に設定することが好ましく、具体的には例えば、100mm~500mm程度に設定する。
【0026】
シリンダ部2に対してロッド部3が進退移動可能な距離は、シリンダ部2に対してロッド部3およびローラ4が後退した場合にも、ローラ4の先端部が既設の構造体40の側面41から突出した状態が維持される距離に設定する。この実施形態では、シリンダ部2に設けられている長さ調整部5を操作することで、シリンダ部2に対するロッド部3の突出長さと、ロッド部3が進退移動可能な距離を設定する。
【0027】
図1および
図2に例示するように、この実施形態では、それぞれのローラ4に据付対象の函体10が接触していない状態での、一方の既設の構造体40の上に設置している衝撃吸収装置1のローラ4の先端部と、他方の既設の構造体40の上に設置している衝撃吸収装置1のローラ4の先端部とのX方向の離間距離を、据付対象の函体10のX方向の幅寸法よりも長く設定している。
【0028】
そして、それぞれの既設の構造体40に衝撃吸収装置1を設置した状態で、クレーンにより据付対象の函体10を据付目標エリアの上方から、据付目標エリアの両側方に配置されたローラ4どうしの間に据付対象の函体10を降下させていく。据付対象の函体10を降下させる過程で、据付対象の函体10の側面11とそれぞれのローラ4との位置関係を確認しながら、据付対象の函体10の水平位置を調整する。そして、
図1に例示するように、ローラ4どうしの間に据付対象の函体10を降下させることで、既設の構造体40の上端よりも高い位置で、据付目標エリアに対する据付対象の函体10の水平方向の位置合わせを行う。
【0029】
次いで、ローラ4どうしの間に据付対象の函体10を配置した状態で、クレーンにより据付対象の函体10を降下させるとともに、据付対象の函体10のそれぞれの中空部に設けられた注水ホース30によって、それぞれの中空部に水Wを注入していくことで、据付対象の函体10を水底Gに向かって沈めていく。
【0030】
この実施形態では、据付対象の函体10が、一方側の衝撃吸収装置1のローラ4と、他方側の衝撃吸収装置1のローラ4との間の中央位置に位置している状態では、据付対象の函体10が両側のローラ4に接触しない状態となる。一方で、
図4に例示するように、波や水流などの影響により据付対象の函体10が中央位置からX方向に所定以上動揺した場合には、据付対象の函体10が動揺した方向に設けられている衝撃吸収装置1のローラ4に据付対象の函体10の側面11が当接した状態になる。そして、動揺する据付対象の函体10によってローラ4にかかるX方向の圧力の大きさが所定値以下の場合には、そのローラ4およびロッド部3はシリンダ部2に対して後退移動せずに、衝撃吸収装置1によって据付対象の函体10が既設の構造体40に衝突することが防止される。
【0031】
据付対象の函体10によってローラ4にかかるX方向の圧力の大きさが所定値以上の場合には、ローラ4およびロッド部3がシリンダ部2に対して後退移動するとともに、シリンダ部2に内蔵された油圧機構によってローラ4にかかるX方向の圧力が吸収される。これにより、据付対象の函体10が既設の構造体40に衝突することが防止されるとともに、据付対象の函体10から既設の構造体40に作用する衝撃が衝撃吸収装置1によって吸収される。また、衝撃吸収装置1によって据付対象の函体10のX方向の動揺も減衰される。据付対象の函体10がローラ4に接触した状態で降下する際には、ローラ4が上下方向に回転することで、据付対象の函体10とローラ4に大きな負荷がかかることは回避される。
【0032】
図5に例示するように、据付対象の函体10を水底Gに着床させて、函体10の中空部に砕石等の中詰材を投入すると、函体10の据付作業は完了する。据付作業が完了した後には、それぞれの衝撃吸収装置1と支台6は既設の構造体40から撤去する。衝撃吸収装置1と支台6は別の施工で再度利用することが可能である。
【0033】
このように、本発明によれば、シリンダ部2、ロッド部3およびローラ4を有する衝撃吸収装置1を、ローラ4の先端部を既設の構造体40の側面41から突出した状態で設置していることで、据付対象の函体10が動揺して既設の構造体40に接近した場合にも、衝撃吸収装置1により据付対象の函体10と既設の構造体40とが衝突することを防止できる。
【0034】
また、衝撃吸収装置1を既設の構造体40の上に設置して、衝撃吸収装置1のローラ4を既設の構造体40の上端よりも高い位置に配置していることで、既設の構造体40の上端よりも高い位置で、それぞれのローラ4を基準にして据付目標エリアに対する据付対象の函体10の水平方向の位置合わせを効率的に行うことができる。さらに、ローラ4を既設の構造体40の上端よりも高い位置に配置していることで、据付対象の函体10を既設の構造体40の上端よりも高い位置から降下させる際に、据付対象の函体10が既設の構造体40の上側の角部に衝突することもより確実に防止できる。
【0035】
さらに、据付対象の函体10によって衝撃吸収装置1のローラ4が押圧された場合には、ロッド部3がシリンダ部2に対して後退移動することで、据付対象の函体10から既設の構造体40に作用する衝撃を効果的に吸収することができ、据付対象の函体10の動揺も効果的に減衰できる。さらに、据付対象の函体10を降下させている過程で、衝撃吸収装置1のローラ4に据付対象の函体10が接触した場合にも、ローラ4が上下方向に回転することで、降下する据付対象の函体10を円滑にガイドできる。それ故、本発明は、函体10の据付作業を非常に安全に行うことができる。
【0036】
この実施形態のように、既設の構造体40の上に複数の衝撃吸収装置1を互いに間隔をあけて設置すると、据付対象の函体10が水平方向に回転(ヨーイング)した場合にも、複数の衝撃吸収装置1によって据付対象の函体10と既設の構造体40とが衝突することをより効果的に防止できる。また、複数の衝撃吸収装置1によって据付対象の函体10の水平方向の回転を抑制できるので、据付対象の函体10を据付目標エリアに円滑にガイドするにはより有利になる。
【0037】
この実施形態では、それぞれのローラ4に据付対象の函体10が接触していない状態での、一方の既設の構造体40の上に設置している衝撃吸収装置1のローラ4の先端部と、他方の既設の構造体40の上に設置している衝撃吸収装置1のローラ4の先端部との離間距離を、据付対象の函体10のX方向の幅寸法よりも長く設定している。このような構成にすると、据付対象の函体10が、一方側の衝撃吸収装置1のローラ4と、他方側の衝撃吸収装置1のローラ4との間の中央位置から大きくずれていないときには、据付対象の函体10とそれぞれのローラ4が接触しない状態になる。それ故、据付対象の函体10や衝撃吸収装置1にかかる負荷を小さくするには有利になる。
【0038】
本発明では、例えば、一方の既設の構造体40の上に設置している衝撃吸収装置1のローラ4を据付対象の函体10の一方側の側面11に当接させるとともに、他方の既設の構造体40の上に設置している衝撃吸収装置1のローラ4を据付対象の函体10の他方側の側面11に当接させた状態で、据付対象の函体10を降下させる構成にすることもできる。この場合には、据付対象の函体10を両側からローラ4で挟んだ状態にすることで、据付対象の函体10を据付目標エリアにより精度よくガイドできる。また、据付対象の函体10を両側から衝撃吸収装置1のローラ4で挟んだ状態にすることで、据付対象の函体10の動揺を抑制するにはより有利になる。
【0039】
図6に例示するように、本発明では、例えば、複数の衝撃吸収装置1を上下方向に複数積層して設置することもできる。それぞれの衝撃吸収装置1の構成は、
図1~5に例示した実施形態の衝撃吸収装置1と同じである。
【0040】
この実施形態では、それぞれの既設の構造体40の上に支台6を固設し、その支台6の上に一段目の衝撃吸収装置1を固設している。さらに、その一段目の衝撃吸収装置1の上に支台6を固設し、その支台6の上に二段目の衝撃吸収装置1を固設することで、一段目の衝撃吸収装置1と二段目の衝撃吸収装置1を上下方向に間隔をあけて配設している。
【0041】
この実施形態では、さらに、それぞれの既設の構造体40の据付目標エリア側の側面11に緩衝目地材8を配設している。緩衝目地材8は、上下方向に延在する有底筒状の拡縮可能な袋部材で構成されている。緩衝目地材8は、例えば、ゴムなどの伸縮可能な樹脂で形成するとよい。緩衝目地材8の上端部には注水管9aと排水管9bが接続されている。注水管9aから緩衝目地材8の内部に水Wを注入すると、緩衝目地材8が膨張した状態となり、水Wが充填された状態の緩衝目地材8が既設の構造体40の側面11に沿って、既設の構造体40の上部から下部までY方向に延在した状態になる。排水管9bにより緩衝目地材8の内部の水Wを排出すると、緩衝目地材8が収縮した状態になる。排水管9bには圧力計と開閉弁が設けられている。膨張した状態の緩衝目地材8に所定以上の圧力がかかると開閉弁が開いた状態となり、緩衝目地材8の内部の水Wの一部が排出されることで、緩衝目地材8が破裂することが回避される構成になっている。
【0042】
この実施形態では、据付対象の函体10をそれぞれの既設の構造体40の上端よりも下方に降下させる以前に、それぞれの既設の構造体40の上に、衝撃吸収装置1を上下方向に複数積層して設置する。衝撃吸収装置1と支台6の設置方法は、先に例示した実施形態と同じである。この実施形態では、さらに、緩衝目地材8を既設の構造体40の側面11に沿って上下方向に延設し、注水管9aから緩衝目地材8の内部に水Wを注入して、緩衝目地材8を膨張させた状態にする。そして、水Wが充填された状態の緩衝目地材8を、既設の構造体40の側面11に沿って、既設の構造体40の上部から下部まで上下方向に延在させた状態にする。それぞれの既設の構造体40に対して、Y方向に間隔をあけて複数箇所に緩衝目地材8を配設するとよい。
【0043】
そして、クレーンにより据付対象の函体10を据付目標エリアの上方から、据付目標エリアの両側方に配置されたローラ4どうしの間に降下させていく。その後の据付作業の方法は、先に例示した実施形態と同じである。ただし、この実施形態では、据付対象の函体10を水底Gに向かって沈めていく際に、対向する緩衝目地材8どうしの間に据付対象の函体10を降下させる。
【0044】
据付対象の函体10が、一方の既設の構造体40に設置している緩衝目地材8と、他方の既設の構造体40に設置している緩衝目地材8との中央位置に位置している状態では、据付対象の函体10が両側の緩衝目地材8に接触しない状態となる。波や水流などの影響により据付対象の函体10が中央位置からX方向に所定以上動揺した場合には、据付対象の函体10が動揺した方向に設けられている緩衝目地材8に当接した状態になる。そして、動揺する据付対象の函体10によって緩衝目地材8にかかるX方向の圧力の大きさが所定値以下の場合には、緩衝目地材8から水Wは排出されずに、緩衝目地材8によって据付対象の函体10が既設の構造体40に衝突することが防止される。
【0045】
動揺する据付対象の函体10によって緩衝目地材8にかかる圧力の大きさが所定値以上の場合には、排水管9bに設けられている開閉弁が開いた状態となり、緩衝目地材8に充填されている水Wの一部が排水管9bから排出されて、緩衝目地材8が若干萎むとともに、据付対象の函体10によって緩衝目地材8にかかる圧力が吸収される。これにより、据付対象の函体10が既設の構造体40に衝突することが防止されるとともに、据付対象の函体10から既設の構造体40に作用する衝撃が緩衝目地材8によって吸収される。緩衝目地材8にかかる圧力の大きさが所定値以下になると、注水管9aから緩衝目地材8に水Wが注入され、再び緩衝目地材8に水Wが充填された状態に戻る。
【0046】
函体10の据付作業が完了した後には、それぞれの衝撃吸収装置1と支台6を既設の構造体40から撤去する。さらに、排水管9bにより緩衝目地材8から水Wを排出して、緩衝目地材8を収縮した状態とし、緩衝目地材8を水上に撤去する。緩衝目地材8は別の施工で再度利用することが可能である。
【0047】
この実施形態のように、衝撃吸収装置1を上下方向に複数積層して設置すると、函体10が動揺した際に、複数の衝撃吸収装置1によって据付対象の函体10と既設の構造体40とが衝突することをより効果的に防止できる。また、衝撃吸収装置1を上下方向に複数設けることで、据付対象の函体10の上下方向に対して傾斜する動揺(ピッチング)を抑制でき、据付対象の函体10を据付目標エリアに円滑にガイドするにはより有利になる。また、それぞれの衝撃吸収装置1にかかる負荷を小さくするにも有利になる。
【0048】
この実施形態のように、緩衝目地材8を設けると、水中における据付対象の函体10と既設の構造体40との衝突を防止するにはより有利になる。緩衝目地材8に水Wを充填する構成にしていることで、緩衝目地材8が水中で浮き難く、緩衝目地材8を水中に安定した状態で延設できる。緩衝目地材8にかかる圧力の大きさが所定値以上の場合に、緩衝目地材8に充填されている一部の水Wが排水管9bから排出される構成にすると、据付対象の函体10から既設の構造体40に作用する衝撃を緩衝目地材8が萎むことで効果的に吸収することができ、緩衝目地材8が破裂するリスクも大幅に低減できる。
【0049】
図7に例示するように、本発明では、例えば、据付目標エリアの一方側の既設の構造体40の上に設置する衝撃吸収装置1の設置高さと、据付目標エリアの他方側の既設の構造体40の上に設置する衝撃吸収装置1の設置高さとを異ならせた構成にすることもできる。
【0050】
この実施形態では、据付目標エリアの一方側の既設の構造体40の上に設置している支台6を、据付目標エリアの他方側の既設の構造体40の上に設置している支台6よりも高くすることで、据付目標エリアの一方側の衝撃吸収装置1の設置高さよりも、据付目標エリアの他方側の衝撃吸収装置1の設置高さを高い位置に設定している。その他の構成は、
図1~
図5に例示した実施形態と同じである。
【0051】
この実施形態では、既設の構造体40の上端よりも高い位置で据付目標エリアに対する据付対象の函体10の水平方向の位置合わせを行う際に、まず、据付対象の函体10の他方側の側面11が、他方側の相対的に高い位置に配置されている衝撃吸収装置1のローラ4の側方に位置するように、据付対象の函体10の水平位置を調整する。そして、
図7に例示するように、据付対象の函体10を他方側の衝撃吸収装置1の設置高さまで降下させる。これにより、据付目標エリアに対する据付対象の函体10の水平方向の大まかな位置合わせを行うことができる。
【0052】
次いで、据付対象の函体10の一方側の側面11が、一方側の相対的に低い位置に配置されている衝撃吸収装置1のローラ4の側方に位置するように、据付対象の函体10の水平位置を調整する。この段階では、他方側の衝撃吸収装置1のローラ4の側方に据付対象の函体10が位置していることで、据付対象の函体10を他方側に移動させた場合にも、他方側の衝撃吸収装置1によって、据付対象の函体10が他方側の既設の構造体40の側面41よりも他方側に移動することが防止される。それ故、一方側の衝撃吸収装置1のローラ4の側方に位置するように、据付対象の函体10を他方側に安全に移動させつつ、据付対象の函体10の水平位置を調整できる。そして、据付対象の函体10を一方側の衝撃吸収装置1の設置高さまで降下させることで、一方側のローラ4と他方側のローラ4との間に据付対象の函体10を容易に降下させることができる。その後の据付作業の手順は先に例示した手順と同様である。
【0053】
この実施形態のように、据付目標エリアの一方側の既設の構造体40に配置する衝撃吸収装置1の設置高さと、据付目標エリアの他方側の既設の構造体40に配置する衝撃吸収装置1の設置高さとを異ならせた構成にすると、対向するローラ4どうしの間に据付対象の函体10を降下させる据付対象の函体10の位置合わせをより行いやすくなる。
【0054】
図8に例示する実施形態では、本発明の函体10の据付方法において、水域に設けられている既設の構造体40の側方の据付目標エリアに据付対象の函体10を据付ける場合を例示している。この実施形態で使用する衝撃吸収装置1の構成は、
図1~
図5に例示した実施形態の衝撃吸収装置1と同じである。この実施形態では、水に浮かせた状態の据付対象の函体10を既設の構造体40に向かって引き寄せることで、据付対象の函体10を据付目標エリアに移動させる場合を例示する。
【0055】
この実施形態では、水に浮かせた状態の据付対象の函体10を引船に接続して、引船により据付現場まで移送する。次いで、
図8に例示するように、既設の構造体40に設置されたウインチに巻き付けられたワイヤロープ20を既設の構造体40に設置された滑車22に掛け回した状態で、ワイヤロープ20の先端部を据付対象の函体10に設置されている連結部21に接続する。この実施形態では、据付対象の函体10の複数箇所に連結部21を固設し、それぞれの連結部21にワイヤロープ20の先端部を接続している。なお、
図8では、ウインチは図示していない。
【0056】
この実施形態では、水に浮かせた状態の据付対象の函体10を既設の構造体40に向かって引き寄せる以前に、既設の構造体40の据付目標エリア側に衝撃吸収装置1と支台6を設置しておく。衝撃吸収装置1はローラ4側を据付目標エリアに向けて、ローラ4の少なくとも先端部を既設の構造体40の側面41から突出した状態にする。
【0057】
次いで、既設の構造体40に設置されたウインチによりそれぞれのワイヤロープ20の巻取りを行い、ローラ4に向けて据付対象の函体10を引き寄せることで、据付対象の函体10を据付目標エリアに移動させる。なお、函体10を据付目標エリアに位置決めする作業ではウインチ、ワイヤロープ20および滑車22の他にも様々な器具が使用されるが、ここでは図示および説明を省略する。
【0058】
次いで、ローラ4の側方に据付対象の函体10を配置した状態で、据付対象の函体10のそれぞれの中空部に設けられた注水ホース30によって、それぞれの中空部に水Wを注入していくことで、据付対象の函体10を水底Gに向かって沈めていく。据付対象の函体10を水底Gに着床させると函体10の据付作業は完了する。
【0059】
この実施形態のように、既設の構造体40の側方の据付目標エリアに据付対象の函体10を据付ける場合にも、既設の構造体40に衝撃吸収装置1を設置することで、据付対象の函体10が既設の構造体40に接近した場合にも、衝撃吸収装置1により据付対象の函体10と既設の構造体40とが衝突することを防止できる。
【0060】
また、据付対象の函体10によって衝撃吸収装置1のローラ4が押圧された場合には、ロッド部3がシリンダ部2に対して後退移動することで、据付対象の函体10から既設の構造体40に作用する衝撃を効果的に吸収することができ、据付対象の函体10の動揺も効果的に減衰できる。さらに、据付対象の函体10を水底Gに向かって沈める過程で、衝撃吸収装置1のローラ4に据付対象の函体10が接触した場合にも、ローラ4が上下方向に回転することで、据付対象の函体10を円滑にガイドできる。それ故、函体10の据付作業を非常に安全に行うことができる。
【0061】
この実施形態では、水上に浮かべた状態の据付対象の函体10を衝撃吸収装置1のローラ4に向けて引き寄せる場合を例示したが、例えば、クレーンを使用して水上に吊上げた状態の据付対象の函体10を、衝撃吸収装置1のローラ4の側方に降下させる構成にすることもできる。その場合にも、同様に既設の構造体40に衝撃吸収装置1を設置することで、函体10の据付作業を非常に安全に行うことができる。
【0062】
なお、既設の構造体40に設置する衝撃吸収装置1や緩衝目地材8の設置数や配置などは、上記で例示した実施形態に限定されず、他にも様々な構成にすることができる。また、本発明において、緩衝目地材8は必須の構成ではなく、必要に応じて任意に設けることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 衝撃吸収装置
2 シリンダ部
3 ロッド部
4 ローラ
4a 回転軸
5 長さ調整部
6 支台
7 固定具
8 緩衝目地材
9a 注水管
9b 排水管
10 据付対象の函体
11 側面
12 上蓋
20 ワイヤロープ
21 連結部
22 滑車
30 注水ホース
40 既設の構造体
41 側面
W 水
G 水底