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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123896
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ヒューズユニット
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/10 20060101AFI20240905BHJP
   H01H 85/165 20060101ALI20240905BHJP
   H01H 85/20 20060101ALI20240905BHJP
   H01H 85/48 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H01H85/10
H01H85/165
H01H85/20 A
H01H85/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031692
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】松村 記夫
(72)【発明者】
【氏名】岡田 隆
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502BA01
5G502BB05
5G502BB07
5G502CC33
5G502FF08
5G502FF10
(57)【要約】
【課題】接続される電線の取り出し方向の自由度を高めることができ、かつ、バッテリポストへの負荷を軽減できるヒューズユニットを提供する。
【解決手段】ヒューズユニット1は、車載バッテリ2の上面2aから突出したバッテリポスト21にバッテリ接続端子3を介して接続されている。また、ヒューズユニット1には、2本の端子付き電線72が接続されている。ヒューズユニット1は、バスバー4と、バスバー4を保持した樹脂部5と、を備えている。バスバー4は、バッテリ接続端子3の上に重ねられてバッテリ接続端子3と共にボルト締め固定された第1接続部41と、電線72の端末に接続された端子70が重ねられて該端子70と共にボルト締め固定された第2接続部43と、第1接続部41と第2接続部43との間に介在した溶断部42と、を備えている。第2接続部43は、バッテリポスト21の上に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板で構成されたバスバーと、該バスバーを保持した樹脂部と、を備え、
前記バスバーは、
バッテリポストに取り付けられたバッテリ接続端子の上に重ねられて該バッテリ接続端子と共にボルト締め固定される第1接続部と、
電線の端末に接続された端子が重ねられて該端子と共にボルト締め固定される第2接続部と、
前記第1接続部と前記第2接続部との間に介在した溶断部と、を備え、
前記第2接続部が前記バッテリポストの上に配置される
ことを特徴とするヒューズユニット。
【請求項2】
前記第2接続部が、前記第1接続部よりも高い位置に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のヒューズユニット。
【請求項3】
前記バスバーは、前記第2接続部を2つ備えており、これら2つの第2接続部が前記バッテリポストの上に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のヒューズユニット。
【請求項4】
前記樹脂部における前記第1接続部と前記第2接続部との間の位置に、前記バッテリポストを視認可能にするための開口部が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のヒューズユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリポストに接続されるヒューズユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
バッテリポストに接続されるヒューズユニットの一例として、図7に示すものがある(特許文献1を参照)。このヒューズユニット510は、車載バッテリ501の上面501aから突出したバッテリポスト502にバッテリ接続端子503を介して接続されている。ヒューズユニット510は、バスバー511と、ボルト513bと、これらを保持した樹脂部520と、を備えている。
【0003】
バスバー511は、給電用端子512と、通電用端子513と、給電用端子512と通電用端子513との間に介在した溶断部514と、を備えている。給電用端子512は、バッテリ接続端子503の上に重ねられ、ボルト503cとナット503dによってバッテリ接続端子503に固定されている。通電用端子513は、電線の端末に接続された端子が重ねられる部位であり、バッテリ501の側面501bよりも外方に張り出している。電線の端末に接続された端子は、ボルト513bと不図示のナットによって通電用端子513に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-222189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のヒューズユニット510においては、通電用端子513がバッテリ501の側面501bから張り出しているがゆえに、通電用端子513に接続される電線の取り出し方向がバッテリ周囲の部品配置によって制限され、自由度が低いという問題があった。また、通電用端子513が側面501bから張り出していてヒューズユニット510の重心位置がバッテリポスト502から離れた位置となっているため、バッテリポスト502にかかる負荷が大きくなるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、接続される電線の取り出し方向の自由度を高めることができ、かつ、バッテリポストへの負荷を軽減できるヒューズユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、金属板で構成されたバスバーと、該バスバーを保持した樹脂部と、を備え、前記バスバーは、バッテリポストに取り付けられたバッテリ接続端子の上に重ねられて該バッテリ接続端子と共にボルト締め固定される第1接続部と、電線の端末に接続された端子が重ねられて該端子と共にボルト締め固定される第2接続部と、前記第1接続部と前記第2接続部との間に介在した溶断部と、を備え、前記第2接続部が前記バッテリポストの上に配置されることを特徴とするヒューズユニットである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、接続される電線の取り出し方向の自由度を高めることができ、かつ、バッテリポストへの負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかるヒューズユニットとバッテリポストとの接続構造を示す斜視図である。
図2図1の電線とヒューズユニットとバッテリ接続端子を分離させた状態を示す図である。
図3図1のヒューズユニットの電線接続前の状態を示す図である。
図4図3のヒューズユニットの平面図である。
図5図2のヒューズユニットのみを示す斜視図である。
図6図5のヒューズユニットに備わったバスバーのみを示す斜視図である。
図7】従来のヒューズユニットとバッテリポストとの接続構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態にかかる「ヒューズユニット」について、図1~6を参照して説明する。
【0011】
図1は、ヒューズユニット1とバッテリポスト21との接続構造10を示している。ヒューズユニット1は、車載バッテリ2の上面2aから突出したバッテリポスト21にバッテリ接続端子3を介して接続されている。また、ヒューズユニット1には、2本の端子付き電線72が接続されている。
【0012】
本明細書においては、バッテリポスト21の上面2aからの突出方向を上下方向と定義し、上面2aから離れたバッテリポスト21の先端側を上、上面2aに近いバッテリポスト21の基端側を下と定義する。
【0013】
バッテリ接続端子3は、図2に示すように、バッテリポスト21の外周に固定されるバッテリ接続部31と、ヒューズユニット1の後述の第1接続部41と接続されるヒューズユニット接続部32と、を備えている。
【0014】
バッテリ接続部31には、ボルト34とナット35が組み付けられている。これらボルト34とナット35を螺合させることでバッテリ接続部31を縮径させることができるようになっている。
【0015】
ヒューズユニット接続部32には、ボルト36が組み付けられている。ヒューズユニット接続部32の上に第1接続部41を重ね、ボルト36にナット37を螺合させることでヒューズユニット接続部32と第1接続部41との導通状態が維持されるとともに、ヒューズユニット1がバッテリ接続端子3に固定されるようになっている。
【0016】
ヒューズユニット1は、図3~5に示すように、バスバー4と、ボルト46と、バスバー4及びボルト46を保持した樹脂部5と、溶断部カバー60と、カバー61と、を備えている。バスバー4及びボルト46は、インサート成形によって樹脂部5に保持されている。
【0017】
バスバー4は、金属板にプレス加工等が施されて得られるものであり、図6に示すように、第1接続部41と、溶断部42と、立ち上がり部44と、第2接続部43と、を備えている。
【0018】
第1接続部41は、上述したように、バッテリ接続端子3のヒューズユニット接続部32の上に重ねられて該ヒューズユニット接続部32と共にボルト締め固定される部位である。第1接続部41には、ヒューズユニット接続部32に組み付けられたボルト36が通される孔41aが形成されている。
【0019】
溶断部42は、バスバー4の最も細幅に形成された部位であり、定格電流以上の電流が流れると溶断するように形成されている。溶断部42は、第1接続部41と第2接続部43との間に介在している。溶断部42は、第1接続部41と同一平面上に配置されている。
【0020】
立ち上がり部44は、溶断部42の近傍から垂直に曲げ起こされた部位である。
【0021】
第2接続部43は、電線72の端末に接続された端子70が重ねられて該端子70と共にボルト締め固定される部位である。第2接続部43には、樹脂部5に保持されたボルト46が通される孔43aが形成されている。第2接続部43は、立ち上がり部44の上端に連なり、立ち上がり部44に対して垂直に曲げられている。即ち、第2接続部43は、第1接続部41及び溶断部42よりも高い位置に配置されている。また、バスバー4は、第2接続部43を2つ備えており、これら2つの第2接続部43は、面一に連なっている。
【0022】
ボルト46は、第2接続部43の孔43aを通されて上方に突出している。図1,2に示すように、電線72の端末に接続された端子70は、ボルト挿通孔が形成された丸形端子である。この端子70が第2接続部43の上に重ねられるとともにボルト46が端子70のボルト挿通孔を通され、このボルト46にナット47が螺合されることで、第2接続部43と端子70との導通状態が維持されるとともに、端子70がヒューズユニット1に固定されるようになっている。
【0023】
ヒューズユニット1がバッテリポスト21及びバッテリ接続端子3に固定された状態では、2つの第2接続部43及び2つのボルト46がバッテリポスト21の上に配置される。また、図4に示すように、上から見ると、2つの第2接続部43は、バッテリ2の上面2a内に収まっている。第1接続部41及び溶断部42は、バッテリ2の側面2bから少々張り出している。
【0024】
樹脂部5は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。樹脂部5は、溶断部42を露出させる窓50と、バッテリポスト21を視認可能にするための開口部51と、ナット35を視認可能にするための切欠き52と、カバー61の取付部53と、端子70を位置決めするリブ54,55,56を備えている。
【0025】
開口部51は、樹脂部5における第1接続部41と第2接続部43との間の位置に形成されている。この開口部51からバッテリポスト21を視認できることにより、ヒューズユニット1の取り付け作業を容易に行うことができる。また、バスバー4には、開口部51を塞がないようにするための切欠き45が形成されている(図6参照)。
【0026】
切欠き52は、図4に示すように、上から見た際にナット35が視認できるように形成されている。このようにナット35が視認できることにより、バッテリ接続端子3の取り付け作業を容易に行うことができる。また、バスバー4には、切欠き52の形状に合致する切欠き46が形成されている(図6参照)。
【0027】
リブ54,55,56は、第2接続部43に接続される端子70を位置決めして電線72の取り出し方向を規制する部位である。図4に示すように、右側の第2接続部43については、矢印D1方向又は矢印D2方向に電線72を取り出すことができるようになっている。左側の第2接続部43については、矢印D3方向又は矢印D4方向に電線72を取り出すことができるようになっている。
【0028】
このように、ヒューズユニット1においては、電線72の取り出し方向を選択することができるようになっている。これは、第2接続部43がバッテリ2の上面2a内に収まっており、バッテリ周囲の部品配置に影響されにくいことと、第2接続部43が第1接続部41及び溶断部42よりも高い位置に配置されていることによるものである。
【0029】
溶断部カバー60は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。溶断部カバー60は、樹脂部5の窓50に取り付けられて溶断部42を覆っている。
【0030】
カバー61は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。カバー61は、樹脂部5の取付部53に回動可能に取り付けられている。カバー61は、端子付き電線72の接続時やメンテナンス時などには図1に示すように解放位置に位置付けられ、それ以外の時は、バスバー4や端子70を覆う位置に位置付けられる。
【0031】
上記構成のヒューズユニット1及び接続構造10によれば、第2接続部43をバッテリポスト21の上に配置したこと(第2接続部43がバッテリ2の上面2a内に収まっていること)により、電線72の取り出し方向の自由度を高めることができる。また、2つの第2接続部43及び2つのボルト46をバッテリポスト21の上に配置したことにより、ヒューズユニット1の重心位置がバッテリポスト21の近傍となり、バッテリポスト21への負荷を軽減することができる。なお、ボルト46部分には、端子付き電線72の重量も加わるので、バッテリポスト21への負荷をより軽減することができる。
【0032】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0033】
1 ヒューズユニット
2 バッテリ
3 バッテリ接続端子
4 バスバー
5 樹脂部
21 バッテリポスト
41 第1接続部
42 溶断部
43 第2接続部
70 端子
72 電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7