(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123935
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】油フィルタおよび油ろ過装置
(51)【国際特許分類】
B01D 29/27 20060101AFI20240905BHJP
C11B 13/00 20060101ALI20240905BHJP
B01D 35/02 20060101ALI20240905BHJP
A23D 9/02 20060101ALN20240905BHJP
【FI】
B01D23/04
C11B13/00
B01D35/02 E
A23D9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031772
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】715006649
【氏名又は名称】栗原 新治
(74)【代理人】
【識別番号】100180976
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 一郎
(72)【発明者】
【氏名】栗原 新治
【テーマコード(参考)】
4B026
4D116
4H059
【Fターム(参考)】
4B026DG01
4B026DG11
4B026DP10
4B026DX01
4D116AA20
4D116AA22
4D116BB01
4D116BC17
4D116BC71
4D116DD06
4D116FF12B
4D116FF15B
4D116FF16B
4D116GG12
4D116GG13
4D116KK01
4D116QB05
4D116QB16
4D116QB22
4D116QB23
4D116QB50
4D116VV06
4H059BC03
4H059BC13
4H059CA05
4H059CA21
4H059CA93
(57)【要約】
【課題】使用済みの油が溢れ出ないように、効率良くろ過することができる油フィルタおよび油ろ過装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様は、筒状体の下部に取り付けられる油フィルタであって、開口が設けられ、油を濾す袋状のフィルタ部と、フィルタ部の開口に沿って設けられ、フィルタ部を筒状体の下部の外面に取り付ける取り付け部と、を備えた油フィルタである。また、本発明の他の一態様は、筒状体と、筒状体の下部に取り付けられる油フィルタと、を備え、油フィルタは、筒状体と連通して設けられ、油を濾す袋状のフィルタ部と、フィルタ部を筒状体の下部の外面に取り付ける取り付け部と、を有する、油ろ過装置である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状体の下部に取り付けられる油フィルタであって、
開口が設けられ、油を濾す袋状のフィルタ部と、
前記フィルタ部の前記開口に沿って設けられ、前記フィルタ部を前記筒状体の前記下部の外面に取り付ける取り付け部と、
を備えた油フィルタ。
【請求項2】
前記取り付け部は、前記筒状体の前記外面との接着を行うための接着剤を有する、請求項1記載の油フィルタ。
【請求項3】
前記フィルタ部は、下方に向けて縮径する縮径部分を有する、請求項1記載の油フィルタ。
【請求項4】
前記フィルタ部の前記開口は矩形状である、請求項1記載の油フィルタ。
【請求項5】
前記フィルタ部を吊り下げるための吊り下げ部をさらに備えた、請求項1記載の油フィルタ。
【請求項6】
前記フィルタ部の下端から下方に延在する油誘導部をさらに備えた、請求項1記載の油フィルタ。
【請求項7】
筒状体と、
前記筒状体の下部に取り付けられる油フィルタと、を備え、
前記油フィルタは、
前記筒状体と連通して設けられ、油を濾す袋状のフィルタ部と、
前記フィルタ部を前記筒状体の前記下部の外面に取り付ける取り付け部と、を有する、油ろ過装置。
【請求項8】
前記筒状体の内面を前記フィルタ部の内面にかけて下方にみたとき、筒の内方に突出する段差が設けられていない、請求項7記載の油ろ過装置。
【請求項9】
前記フィルタ部は、下方に向けて縮径する縮径部分を有する、請求項7記載の油ろ過装置。
【請求項10】
前記筒状体は、下方に向けて縮径する縮径部分を有する、請求項7記載の油ろ過装置。
【請求項11】
前記筒状体には吊り下げ部が設けられた、請求項7記載の油ろ過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用後の食用油などをろ過する油フィルタおよび油ろ過装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使用済みの食用油を濾過して再利用するため、油漉しと容器とを備えたオイルポットが用いられる。特許文献1には、フィルタを交換する手間を省き、手が油で汚れず、安価に製造することができ、かつ廃棄性に優れた油こし器が開示される。この油こし器は、紙を主体とする適度の剛性を有するシート部材からなり、油を受け入れる容器と、この容器の下端に一体的に設けられ、容器内に注がれた油を濾過するフィルタとからなることを特徴とする。
【0003】
特許文献2には、粉末状の吸着剤および脱酸剤と、吸着剤および脱酸剤を結合して保持するバインダーおよびろ材としての繊維と、で主体が構成されるフィルターであって、繊維を、上方に開口し下方へ行く程小径となる袋状に形成すると共に、該繊維に吸着剤および脱酸剤を担持させて単位フィルターを形成し、単位フィルター複数枚を上下に重ねて積層して成ることを特徴とするフィルターが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-206511号公報
【特許文献2】特開2008-272600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
使用済みの油を濾す場合、ろ過する使用済みの油の供給量と、フィルタを通過する油の量(ろ過量)とのバランスにおいて、油が溢れ出ないように、なるべく多くの油をろ過できることが望まれる。
【0006】
本発明は、使用済みの油が溢れ出ないように、効率良くろ過することができる油フィルタおよび油ろ過装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、筒状体の下部に取り付けられる油フィルタであって、開口が設けられ、油を濾す袋状のフィルタ部と、フィルタ部の開口に沿って設けられ、フィルタ部を筒状体の下部の外面に取り付ける取り付け部と、を備えた油フィルタである。
【0008】
このような構成によれば、袋状のフィルタ部によって使用済みの油はある程度溜められた状態でろ過されるとともに、袋状による広いろ過面積によって効果的なろ過が行われる。また、袋状のフィルタ部の開口が筒状体の下部の外面に取り付けられているため、筒状体からフィルタ部に向けて筒の内側に突出する段差が発生せず、筒状体とフィルタ部とのつなぎ目から油が漏れにくくなる。
【0009】
上記油フィルタにおいて、取り付け部は、筒状体の外面との接着を行うための接着剤を有することが好ましい。この接着剤により、フィルタ部が筒状体の下部の外面に強固に接着される。
【0010】
上記油フィルタにおいて、フィルタ部は、下方に向けて縮径する縮径部分を有することが好ましい。フィルタ部に縮径部分が設けられることで、油が上から下に流れていくときに縮径部分によって外側から内側に集められる。これにより、フィルタ部のろ過面積を有効に使用することができる。
【0011】
上記油フィルタにおいて、フィルタ部の開口は矩形状であってもよい。これにより、筒状体として矩形の筒型のものを利用して油フィルタを筒状体にフィッティングさせることができる。
【0012】
上記油フィルタにおいて、フィルタ部を吊り下げるための吊り下げ部が設けられていてもよい。これにより、吊り下げ部によってフィルタ部を吊り下げた状態で保持しておくことができる。
【0013】
上記油フィルタにおいて、フィルタ部の下端から下方に延在する油誘導部をさらに備えていてもよい。これにより、フィルタ部でろ過され側面や下端から摘出される油を油誘導部に導いて集めやすくなる。
【0014】
本発明の他の一態様は、筒状体と、筒状体の下部に取り付けられる油フィルタと、を備え、油フィルタは、筒状体と連通して設けられ、油を濾す袋状のフィルタ部と、フィルタ部を筒状体の下部の外面に取り付ける取り付け部と、を有する、油ろ過装置である。
【0015】
このような構成によれば、筒状体に入れられた使用済みの油が、この筒状体と連通して設けられる袋状のフィルタ部によって濾される。筒状体および袋状のフィルタ部によって使用済みの油はある程度溜められた状態でろ過されるとともに、袋状による広いろ過面積によって効果的なろ過が行われる。
【0016】
上記油ろ過装置において、筒状体の内面をフィルタ部の内面にかけて下方にみたとき、筒の内方に突出する段差が設けられていないことが好ましい。筒状体とフィルタ部との間に筒の内側に向けて突出する段差がないため、筒状体からフィルタ部へ油をスムースに流し込むことができる。
【0017】
上記油ろ過装置において、フィルタ部は、下方に向けて縮径する縮径部分を有することが好ましい。フィルタ部に縮径部分が設けられることで、油が上から下に流れていくときに縮径部分によって外側から内側に集められる。これにより、フィルタ部のろ過面積を有効に利用したろ過が行われる。
【0018】
上記油ろ過装置において、筒状体は、下方に向けて縮径する縮径部分を有していてもよい。筒状体に縮径部分が設けられることで、油が上から下に流れていくときに縮径部分によって外側から内側に集められる。これにより、筒状体からフィルタ部へ油を集中して流し込むことができる。
【0019】
上記油ろ過装置において、筒状体には吊り下げ部が設けられていてもよい。これにより、吊り下げ部によって筒状体を吊り下げた状態で保持しておくことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、使用済みの油が溢れ出ないように、効率良くろ過することができる油フィルタおよび油ろ過装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態に係る油フィルタおよび油ろ過装置を例示する斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る油フィルタおよび油ろ過装置を例示する分解斜視図である。
【
図3】(a)および(b)は、油フィルタを例示する斜視図である。
【
図4】本実施形態に係る油フィルタおよび油ろ過装置の使用状態を例示する模式図である。
【
図5】(a)および(b)は、吊り下げ部について例示する模式図である。
【
図7】(a)および(b)は、フィルタ部の他の例について示す模式図である。
【
図8】(a)および(b)は、第2実施形態に係る油ろ過装置を例示する模式図である。
【
図9】(a)および(b)は、第3実施形態に係る油ろ過装置を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る油フィルタおよび油ろ過装置を例示する斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る油フィルタおよび油ろ過装置を例示する分解斜視図である。
本実施形態に係る油ろ過装置1Aは、使用済みの油をろ過する装置であって、筒状体10と、筒状体10の下部に取り付けられる油フィルタ20とを備える。筒状体10は、上部に開口11、下部に開口12を有する例えば矩形の筒である。油フィルタ20は、筒状体10の下部の開口12に被せられるように取り付けられる。
【0024】
油フィルタ20は、上部に開口25を有し、油を濾す袋状のフィルタ部21と、フィルタ部21の開口25に沿って設けられる取り付け部22とを有する。フィルタ部21には、紙、コットン、ナイロンなどを用いたメッシュ素材や不織布状の素材が用いられる。
【0025】
フィルタ部21は上部の開口25から下方に向けてある程度の内容量を持たせた袋状に設けられる。この袋状のフィルタ部21には、下方に向けて縮径する縮径部分21aが設けられる。なお、フィルタ部21の開口25が矩形の場合には、上下方向と直交するいずれか一方向の内寸が下方に向けて狭くなる部分が縮径部分21aとなる。縮径部分21aはロート(漏斗)としての役目を果たす。
【0026】
フィルタ部21の開口25に沿って設けられる取り付け部22は、フィルタ部21の開口25を筒状体10の下部の外面10aに取り付けるための部分である。取り付け部22は、例えば接着剤によってフィルタ部21を開口25を筒状体10の外面10aの接着するものであってもよいし、嵌め込み式や係合(爪などの引っ掛け)によって取り付けられるものであってもよい。本実施形態では、取り付け部22として接着剤が用いられる例を説明する。
【0027】
図3(a)および(b)は、油フィルタを例示する斜視図である。
図3(a)には油フィルタ20を開いた状態が示され、
図3(b)には油フィルタ20を畳んだ状態が示される。
図3に示す油フィルタ20では、フィルタ部21の開口25に設けられる取り付け部22として、接着剤を有する延出部22aが設けられる。矩形の開口25の場合、延出部22aは開口25の四辺のそれぞれに沿って延出しており、内側の面に接着剤(図示せず)が設けられている。油フィルタ20を筒状体10に取り付ける場合には、延出部22aを筒状体10の下部の開口12の外周面に沿って接着する。これにより、油フィルタ20のフィルタ部21の開口25が、筒状体10の下部の開口12の外側に被せられるように強固に接着される。開口25の四辺のそれぞれに対応した延出部22aを接着することで、筒状体10の下部の開口12の外周面の縁周りに延出部22aが接着される。
【0028】
開口25の四辺のそれぞれに対応した延出部22aにおいて、隣り合う2つの延出部22aの間に切れ込みを入れておくことで、延出部22aを筒状体の下部の開口12の外周面に貼り付ける際の作業性を高められる。
【0029】
また、油フィルタ20の取り付け部22として、保形性は有するものの折り畳める程度の硬さの材料(例えば、厚紙やプラスチック)にしておくことで、
図3(b)に示すように矩形の開口25を折り畳んで、油フィルタ20の全体を平坦状に畳むことができるようになる。フィルタ部21には折り畳みやすいように予め折れ目21bを付けておくことが好ましい。これにより、複数の油フィルタ20を重ねてコンパクトに収納(包装)できる。
【0030】
(使用状態)
図4は、本実施形態に係る油フィルタおよび油ろ過装置の使用状態を例示する模式図である。
先ず、筒状体10の下部の開口12に油フィルタ20を取り付ける。筒状体10としては、例えば一般的な牛乳パックの上下端を切り落としたものを利用することができる。油フィルタ20の取り付け部22の大きさを一般的な牛乳パックの外寸に合わせておくことで、牛乳パックを筒状体10として利用した際に隙間無く油フィルタ20をフィッティングさせて取り付けることができる。
【0031】
次に、筒状体10に油フィルタ20を取り付けた油ろ過装置1Aを油受けとなる例えばポットPの上に配置する。そして、この状態で、筒状体10の上部の開口11から使用済みの油50を流し入れる。筒状体10に流し入れられた使用済みの油50は油フィルタ20のフィルタ部21によって濾され、フィルタ部21から摘出されたろ過済みの油51がポットPに溜められる。
【0032】
このような使用済みの油50のろ過において、本実施形態に係る油フィルタ20および油ろ過装置1Aを用いることで、筒状体10から油フィルタ20に送られる使用済みの油50が、袋状のフィルタ部21によってある程度溜められた状態でろ過される。そして、袋状のフィルタ部21による広いろ過面積によって効果的なろ過が行われる。すなわち、袋状のフィルタ部21の下方のみならず、溜められることでフィルタ部21の側面でのろ過も行われ、袋状のフィルタ部21の全体でろ過を行うことが可能となる。
【0033】
そして、フィルタ部21に縮径部分21aが設けられることで、フィルタ部21に送られた使用済みの油50が上から下に流れていくときに縮径部分21aがロートの役目を果たし、外側から内側に集められる。これにより、フィルタ部21のろ過面積を有効に使用することができる。
【0034】
また、袋状のフィルタ部21の開口25が筒状体10の下部の外面10aに取り付けられているため、筒状体10からフィルタ部21に向けて筒の内側に突出する段差が発生しない。すなわち、筒状体10の内面からフィルタ部21の内面にかけて内向きの出っ張りが無いことから、筒状体10に流し込まれた使用済みの油50がフィルタ部21に送られるまでの間で引っかかりなく流れることになる。これにより、筒状体10とフィルタ部21とのつなぎ目から油50が漏れ出にくくなる。
【0035】
ここで、油フィルタ20のフィルタ部21でろ過される速度(ろ過量)よりも、フィルタ部21に送られる油の供給速度(供給量)のほうが高い(多い)場合、フィルタ部21に油50が蓄積されていくことになる。しかし、フィルタ部21の上方に筒状体10が設けられていることから、フィルタ部21の容量を超える油50が供給されても筒状体10に溜めておくことができる。このため、多くの油50を投入しておくことができ、ろ過の作業性が高まる。
【0036】
筒状体10として牛乳パックを利用した場合、複数回のろ過にも耐えられる。また、処分する場合には、牛乳パックごと破棄してもよいし、油フィルタ20のみを外して処分し、筒状体10は再利用するようにしてもよい。
【0037】
(吊り下げ部)
図5(a)および(b)は、吊り下げ部について例示する模式図である。
図5(a)に示す例では、油フィルタ20のフィルタ部21を吊り下げるための吊り下げ部23が取り付け部22に接続されている。吊り下げ部23は紐状部材であり、両端が取り付け部22に固定(接着、溶着、締結など)されている。
【0038】
図5(b)に示す例では、筒状体10に吊り下げ部23が接続されている。この例では、吊り下げ部23の両端が筒状体10の例えば上部に固定(接着、溶着、締結など)されている。
【0039】
上記のように吊り下げ部23が設けられていることで、使用済みの油50をろ過する際、油ろ過装置1Aを吊り下げ部23によってポットPなどの上に吊り下げた状態で保持しやすくなる。例えば、油50をろ過する時間が長時間になるような場合でも、キッチンの任意のフック等に吊して保持しておくことができるため、ろ過の作業性が向上する。
【0040】
(油誘導部)
図6は、油誘導部について例示する模式図である。
図6に示すように、油フィルタ20においてフィルタ部21の下端から下方に延在する油誘導部24を設けてもよい。例えば、ろ過した油51を受けるポットPの口が狭い場合や、ろ過中にフィルタ部21が左右に揺れた場合など、滴下する油51がポットPの外に垂れてしまう可能性がある。フィルタ部21の下端の例えば中央部に紐状の油誘導部24を設けておくことで、フィルタ部21でろ過され、フィルタ部21の側面や下端から摘出される油51を油誘導部24に導いて、油誘導部24の下端から滴下させる。これにより、例えば口の狭いポットPで受ける場合でも、油51の滴下の位置を集中させることができ、上手にポットPで受けられるようになる。
【0041】
(フィルタ部の他の例)
図7(a)および(b)は、フィルタ部の他の例について示す模式図である。
図7(a)に示す例では、油フィルタ20の袋状のフィルタ部21が側面からみて下方に略半球型に設けられている。このフィルタ部21では、略半球型の下側の部分が縮径部分21aとなる。また、
図7(b)に示すように、袋状のフィルタ部21は側面からみて矩形状に設けられていてもよい。これらのほか、フィルタ部21には様々な形状を採用することができる。
【0042】
(第2実施形態)
図8(a)および(b)は、第2実施形態に係る油ろ過装置を例示する模式図である。
図8(a)には第2実施形態に係る油ろ過装置1Bの正面図が示され、
図8(b)には第2実施形態に係る油ろ過装置1Bの斜視図が示される。
本実施形態に係る油ろ過装置1Bは、筒状体10と油フィルタ20とが一体に設けられた構成である。油ろ過装置1Bでは、油フィルタ20が筒状体10の下部に筒状体10と連通して設けられる。油ろ過装置1Bにおいては筒状体10と油フィルタ20とが一体になっていることから、筒状体10に油フィルタ20を取り付ける手間がなく使用することができる。
【0043】
また、油ろ過装置1Bにおいて、筒状体10と油フィルタ20とを一体に設ける場合、筒状体10の内面をフィルタ部21の内面にかけて下方にみたとき、筒の内方に突出する段差が設けないようにすることが好ましい。このような段差を設けないことで、筒状体10からフィルタ部21へと油をスムースに流し込むことができる。
【0044】
フィルタ部21の形状の態様は第1実施形態と同様である。フィルタ部21に縮径部分21aを設けることで、フィルタ部21に送られた使用済みの油50が上から下に流れていくときに縮径部分21aがロートの役目を果たし、外側から内側に集められる。これにより、フィルタ部21のろ過面積を有効に使用することができる。
【0045】
(第3実施形態)
図9(a)および(b)は、第3実施形態に係る油ろ過装置を例示する模式図である。
図9(a)および(b)に示す第3実施形態に係る油ろ過装置1Cでは、筒状体10に縮径部分10bが設けられている。縮径部分10bは、筒状体10の下方に向けて縮径する部分である。
【0046】
図9(a)に示す例では、筒状体10の本体部分10cが矩形の筒型に設けられる。この筒状体10において、矩形の筒型の本体部分10cの下側に縮径部分10bが設けられる。本体部分10cが矩形の筒型の場合には、縮径部分10bにおいて、上下方向と直交するいずれか一方向の内寸が下方に向けて狭くなる。油フィルタ20は、縮径部分10bの下方に設けられる。
【0047】
図9(b)に示す例では、筒状体10の本体部分10cが円筒型に設けられる。この筒状体10において、円筒型の本体部分10cの下側に縮径部分10bが設けられる。本体部分10cが円筒型の場合には、縮径部分10bにおける内径が下方に向けて狭くなる。油フィルタ20は、縮径部分10bの下方に設けられる。
【0048】
本実施形態に係る油ろ過装置1Cのように、筒状体10に縮径部分10bが設けられることで、筒状体10の縮径部分10bがロートの役目を果たし、使用済みの油50を油フィルタ20に向けて集めて送り込むことができる。また、縮径部分10bの下端の径が狭くなった部分に油フィルタ20を取り付けることから、油フィルタ20の径方向のサイズを小さくすることができる。これにより、油フィルタ20で濾された油51が滴下する範囲を限定でき、ポットPなどにろ過済みの油51を集めやすくなる。
【0049】
なお、上記に本実施形態およびその適用例(変形例、具体例)を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、筒状体10の形状は矩形の筒型や円筒型以外でもよい。また、前述の各実施形態またはその適用例(変形例、具体例)に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明は、食用油のろ過のほか、食用以外の油のろ過や、液体などのろ過に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0051】
1A,1B,1C…油ろ過装置
10…筒状体
10a…外面
10b…縮径部分
10c…本体部分
11,12…開口
20…油フィルタ
21…フィルタ部
21a…縮径部分
21b…折れ目
22…取り付け部
22a…延出部
23…吊り下げ部
24…油誘導部
25…開口
50…使用済みの油
51…ろ過した油
P…ポット