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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123970
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】段ボール箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/44 20060101AFI20240905BHJP
   B65D 5/4805 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B65D5/44 E
B65D5/4805 110
B65D5/44 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031827
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000201641
【氏名又は名称】全国農業協同組合連合会
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】柿沼 成二
(72)【発明者】
【氏名】井上 高志
(72)【発明者】
【氏名】古屋 拓真
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 友香
(72)【発明者】
【氏名】渡部 智恵美
(72)【発明者】
【氏名】下村 成人
(72)【発明者】
【氏名】徳本 耕治
(72)【発明者】
【氏名】石丸 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】桐木 悦史
(72)【発明者】
【氏名】笠原 颯太
(72)【発明者】
【氏名】松尾 洋明
(72)【発明者】
【氏名】日下野 智謙
(72)【発明者】
【氏名】飯田 礼
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BA05
3E060BB01
3E060BC02
3E060CC07
3E060CC18
3E060CC33
3E060CC43
3E060CD01
3E060CD04
3E060CD12
3E060DA11
3E060DA25
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】コストを抑えながら、縦置きにしても段ボール箱の耐圧強度が低下することを抑制できる段ボール箱を提供する。
【解決手段】対向する二対の側壁12,13及び側壁14,15で構成される角筒部16と、側壁12,13,14,15の下縁部からそれぞれ延出して底壁を構成する4つの底壁用フラップ17,18,19,20と、対向する一対の側壁12,13の上縁部からそれぞれ延出するとともに、側壁12,13の内側に折り返され、側壁12,13に重合する補強用フラップ22,23と、対向する他の一対の側壁14,15の上縁部からそれぞれ延出して、蓋26を構成する蓋用フラップ24,25とを備える。補強用フラップ22,23に係合突部22a,23aを、第1底壁用フラップ17,18に、係合突部22a,23aを挿入させる係合溝17b,18bをそれぞれ形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する二対の側壁で構成される角筒部と、
前記各側壁の下縁部からそれぞれ延出して底壁を構成する一対の第1底壁用フラップ及び一対の第2底壁用フラップと、
対向する一対の前記側壁の上縁部からそれぞれ延出するとともに、一対の前記側壁の内側に折り返され、前記一対の前記側壁に重合する補強用フラップと、
対向する他の一対の前記側壁の上縁部からそれぞれ延出して、蓋を構成する蓋用フラップとを備え、
前記補強用フラップに係合突部を、一対の前記第1底壁用フラップに、前記係合突部を挿入させる係合溝をそれぞれ形成したことを特徴とする段ボール箱。
【請求項2】
一対の前記第2底壁用フラップは、組み立てた際に、先端面が係合突部の側端面にそれぞれ当接することを特徴とする請求項1記載の段ボール箱。
【請求項3】
一対の前記側壁と一対の前記第1底壁用フラップとの間に設けられる折曲げ罫線と、前記係合溝とをオフセットして形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の段ボール箱。
【請求項4】
対向する二対の側壁で構成される角筒部と、
前記各側壁の上縁部からそれぞれ延出して蓋を構成する4つの蓋用フラップと、
前記各側壁の下縁部からそれぞれ延出して底壁を構成する一対の第1底壁用フラップ及び一対の第2底壁用フラップとを備え、
前記第2底壁用フラップには、組立状態で対向する挿通溝がそれぞれ形成され、
前記第1底壁用フラップには、該第1底壁用フラップの下縁部からそれぞれ延出するとともに、角筒部の内側に向けて折り返され、前記挿通溝を介して角筒部の内側に突出する一対の仕切り壁がそれぞれ形成されることを特徴とする段ボール箱。
【請求項5】
前記仕切り壁の上縁部の中央には突部が形成されるとともに、該突部の両側に、一対の前記蓋用フラップを載置させる段部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項4記載の段ボール箱。
【請求項6】
一対の前記蓋用フラップは、組み立てた際に、先端面が前記突部の側端面にそれぞれ当接することを特徴とする請求項5記載の段ボール箱。
【請求項7】
前記仕切り壁は、一側部から前記仕切り壁と平行に延出する仕切り壁抜止めフラップを備え、該仕切り壁抜止めフラップは、仕切り壁側に折り返されて前記仕切り壁と重合した状態で、前記仕切り壁と一体に前記挿通溝を介して前記角筒部の内側に突出し、前記仕切り壁抜止めフラップの下面が、前記第2底壁用フラップの上面に当接して、前記仕切り壁を抜止めすることを特徴とする請求項4又は5記載の段ボール箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一枚の段ボールシートを組み立てて形成する段ボール箱に関し、詳しくは、横置き状態で物品を箱詰めし、縦置き状態で積み上げて保管・出荷するのに適した段ボール箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を収納して保管・出荷する際に用いられる段ボール箱では、通常、横置き状態で物品を箱詰めし、横置き状態のまま積み上げられて保管・出荷されている。このため、段ボール箱は、横置き状態で積み上げられた時に荷重を受ける側壁の段目方向が、鉛直方向になるように形成され、段ボール箱の圧縮強度を高めていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、青果物を箱詰めして保管・出荷する際、特に、ニラや青ネギ、小松菜、ほうれん草、アスパラガス等の野菜では、自然の生育状態に近い姿で、根側を下に向けて縦詰めすると、鮮度を長く保持できるということが知られている。これにより、これらの野菜は、箱詰め時には、段ボール箱を横置き状態にして作業効率を上げ、保管・出荷時には、段ボール箱を縦置き状態にして野菜の鮮度を保持するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-218175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、横置き状態で側壁の段目方向が鉛直になるように形成された一般的な段ボール箱に青果物を収納し、縦置きにして輸送や保管をすると、段ボール箱を積み上げた際に側壁の段目方向が水平になることから、段ボール箱の耐圧強度が低下していた。
【0006】
以下、3種類の段ボール箱(段ボール箱1~3)を用いて、横置き状態と縦置き状態での耐圧強度を比較した結果を表1に示す。
段ボール箱1 材質:LB210g/m*MC120g/m*LB210g/m
内寸法(mm):460×339×190
段ボール箱2 材質:LB210g/m*MC120g/m*LB210g/m
内寸法(mm):460×339×190
段ボール箱3 材質:LB210g/m*MC120g/m*LB210g/m
内寸法(mm):476×250×105
【0007】
【表1】
【0008】
表1に示されるように、各段ボール箱を縦置き状態にすると、段ボール箱1では横置き状態の19.7%の耐圧強度、段ボール箱2では横置き状態の21.4%の耐圧強度、段ボール箱3では横置き状態の18.8%耐圧強度となった。これにより、段ボール箱を縦置きにすると、横置きにした状態と比較して、耐圧強度が約80%低下していることが分かる。
【0009】
また、横置き状態で箱詰めし、縦置き状態で保管・出荷するのに適した段ボール箱を製造しようとすると、強度の高い段ボールシートを用いなければならないことから、コストが嵩んでいた。
【0010】
そこで本発明は、コストを抑えながら、縦置きにしても段ボール箱の耐圧強度が低下することを抑制できる段ボール箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の段ボール箱は、対向する二対の側壁で構成される角筒部と、前記各側壁の下縁部からそれぞれ延出して底壁を構成する一対の第1底壁用フラップ及び一対の第2底壁用フラップと、対向する一対の前記側壁の上縁部からそれぞれ延出するとともに、一対の前記側壁の内側に折り返され、前記一対の前記側壁に重合する補強用フラップと、対向する他の一対の前記側壁の上縁部からそれぞれ延出して、蓋を構成する蓋用フラップとを備え、前記補強用フラップに係合突部を、一対の前記第1底壁用フラップに、前記係合突部を挿入させる係合溝をそれぞれ形成したことを特徴としている。
【0012】
また、一対の前記第2底壁用フラップは、組み立てた際に、先端面が係合突部の側端面にそれぞれ当接すると好ましい。
【0013】
また、一対の前記側壁と一対の前記第1底壁用フラップとの間に設けられる折曲げ罫線と、前記係合溝とをオフセットして形成すると良い。
【0014】
さらに、本発明の段ボール箱は、対向する二対の側壁で構成される角筒部と、前記各側壁の上縁部からそれぞれ延出して蓋を構成する4つの蓋用フラップと、前記各側壁の下縁部からそれぞれ延出して底壁を構成する底壁用フラップとを備え、対向する一対の前記底壁用フラップには、組立状態で対向する挿通溝がそれぞれ形成され、対向する他の一対の前記底壁用フラップには、該底壁用フラップの下縁部からそれぞれ延出するとともに、角筒部の内側に向けて折り返され、前記挿通溝を介して角筒部の内側に突出する一対の仕切り壁がそれぞれ形成されることを特徴としている。
【0015】
また、前記仕切り壁の上縁部の中央には突部が形成されるとともに、該突部の両側に、一対の前記蓋用フラップを載置させる段部がそれぞれ形成されると好ましい。
【0016】
さらに、一対の前記蓋用フラップは、組み立てた際に、先端面が前記突部の側端面にそれぞれ当接すると好適である。
【0017】
また、前記仕切り壁は、一側部から前記仕切り壁と平行に延出する仕切り壁抜止めフラップを備え、該仕切り壁抜止めフラップは、仕切り壁側に折り返されて前記仕切り壁と重合した状態で、前記仕切り壁と一体に前記挿通溝を介して前記角筒部の内側に突出し、前記仕切り壁抜止めフラップの下面が、前記第2底壁用フラップの上面に当接して、前記仕切り壁を抜止めすると好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の段ボール箱の第1の構成によれば、側壁に重合する補強用フラップを設けたことにより、段ボール箱を縦置きにして積み上げた際に掛かる荷重を、側壁と補強用フラップとで受けることができ、段ボール箱の耐圧強度が低下することを抑制でき、段ボール箱が潰れる虞がない。
【0019】
また、一対の第2底壁用フラップは、組み立てた際に、先端面が係合突部の側端面にそれぞれ当接することにより、段ボール箱を縦置きにして積み上げた際に、段ボール箱が潰れることをさらに抑制することができる。
【0020】
また、一対の側壁と一対の底壁用フラップとの間に設けられる折曲げ罫線と、係合溝とをオフセットして形成したことにより、段ボール箱を縦置き状態で積み上げた際に、過大な荷重を受けると、段ボール箱は、係合溝が形成された底壁用フラップと側壁のいずれか一方の1面が座屈する。一方、係合溝を折り曲げ罫線上に形成した場合では、過大な荷重を受けると、段ボール箱は、係合溝に接する底壁用フラップと側壁の2面が座屈する。つまり、係合溝を折曲げ罫線とオフセットして形成することにより、折り曲げ線上に形成したものに比べて、段ボール箱の耐圧強度を高くすることができる。
【0021】
さらに、本発明の第2の構成によれば、角筒部の内側に突出する仕切り壁を設けたことにより、段ボール箱を縦置きにして積み上げた際に掛かる荷重を、側壁と仕切り壁とで受けることができ、段ボール箱の耐圧強度が低下することを抑制でき、段ボール箱が潰れる虞がない。
【0022】
また、仕切り壁の上縁部の中央には突部が形成されるとともに、該突部の両側に、一対の蓋用フラップを載置させる段部がそれぞれ形成されることにより、蓋を良好に閉じることができ、蓋が外側に膨らむ虞がない。
【0023】
さらに、一対の蓋用フラップは、組み立てた際に、先端面が突部の側端面にそれぞれ当接することにより、段ボール箱を縦置きにして積み上げた際に、段ボール箱が潰れることをさらに抑制することができる。
【0024】
また、仕切り壁に仕切り壁抜止めフラップを設けたことにより、段ボール箱を組み立てた際に、仕切り壁抜止めフラップの下面が、第2底壁用フラップの上面に当接して、仕切り壁の抜止めが図られ、仕切り壁が挿通溝から外側に抜け出すことを防止する。これに伴って、第1底壁用フラップが位置決めされ、第1底壁用フラップの突き合わせ面を梱包テープ等で留める必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1形態例を示す展開状態の段ボールシートの平面図である。
図2】同じく段ボール箱の側面図である。
図3】同じく段ボール箱の底面図である。
図4図2のIV-IV断面図である。
図5図3のV-V断面図である。
図6】本発明の第1形態例の段ボール箱を上から見た斜視図である。
図7】同じく段ボール箱を下から見た斜視図である。
図8】同じく段ボール箱を積み上げた状態を示す説明図である。
図9】本発明の第2形態例を示す展開状態の段ボールシートの平面図である。
図10】本発明の第3形態例を示す展開状態の段ボールシートの平面図である。
図11】同じく段ボール箱の側面図である。
図12】同じく段ボール箱の平面図である。
図13図12のXIII-XIII断面図である。
図14図11のXIV-XIV断面図である。
図15図11のXV-XV断面図である。
図16】本発明の第3形態例の段ボール箱を上から見た斜視図である。
図17】本発明の第4形態例を示す展開状態の段ボールシートの平面図である。
図18】同じく段ボール箱の側面図である。
図19】同じく段ボール箱の平面図である。
図20図19のXX-XX断面図である。
図21図18のXXI-XXI断面図である。
図22図18のXXII-XXII断面図である。
図23】本発明の第4形態例の段ボール箱を縦置き状態とした斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1乃至図8は本発明の第1形態例を示すもので、以下の説明で述べる「上」「下」は、段ボール箱を組み立てて、一般的な載置方向となる横置き状態にした際の「上」「下」に対応させている。
【0027】
本形態例の段ボール箱11は、1枚の段ボールシート1(図1)を組み立てることにより形成され、組み立て状態において、対向する一対の長方形状の側壁12,13と、対向する他の一対の長方形状の側壁14,15とを有し、側壁12,13の長片側の長さL2(組み立て時の長さに相当)は、側壁14,15の長片側の長さL1(組み立て時の幅に相当)よりも長く形成されている。
【0028】
段ボールシート1には、隣り合う側壁12,14の間、及び、側壁14,13の間、及び側壁13,15の間に第1折り曲げ罫線1a,1a,1aがそれぞれ設けられるとともに、側壁12の外端部には連結フラップ12aが形成され、側壁12と連結フラップ12aとの間には、第2折り曲げ罫線1bが設けられている。第1折り曲げ罫線1a,1a,1aを介して側壁12,14,13,15を折り込み、連結フラップ12aを第2折り曲げ罫線1bを介して折り込んで側壁15の外端に接着させることにより、幅L1及び長さL2より、深さ方向の長さL3(組み立て時の深さに相当)が短い浅型の角筒部16が形成される。
【0029】
さらに、段ボール箱11は、側壁12の下縁部から延出する第1底壁用フラップ17(本発明の底壁用フラップ)、及び、側壁13の下縁部から延出する第1底壁用フラップ18(本発明の底壁用フラップ)と、側壁14の下縁部からそれぞれ延出する第2底壁用フラップ19(本発明の底壁用フラップ)、及び、側壁15の下縁部から延出する第2底壁用フラップ20(本発明の底壁用フラップ)とを有している。
【0030】
段ボールシート1には、側壁14と第2底壁用フラップ19との間、及び、側壁15と第2底壁用フラップ20との間に、第3折り曲げ罫線1c,1cがそれぞれ設けられるとともに、側壁12と第1底壁用フラップ17との間、及び、側壁13と第1底壁用フラップ18との間に、第4折り曲げ罫線1d,1dがそれぞれ設けられ、第3折り曲げ罫線1c,1cを介して対向する一対の第2底壁用フラップ19,20を角筒部16の内側に向けて折り込んだ後、第4折り曲げ罫線1d,1dを介して対向する他の一対の第1底壁用フラップ17,18を角筒部16の内側に向けて折り込む。これにより、第1底壁用フラップ17,18と第2底壁用フラップ19,20とによって、角筒部16の下部に底壁21が形成される。
【0031】
また、図3に示されるように、第1底壁用フラップ17,18は、角筒部16の内側に向けて折り込んだ際に、先端面17a,18a同士が当接する長さに形成され、第2底壁用フラップ19,20は、角筒部16の内側に向けて折り込んだ際に、先端面19a,20aの間に所定長さの隙間D1が形成される長さに形成される。さらに、第1底壁用フラップ17,18には、第4折り曲げ罫線1d,1dの長さ方向中央位置(長さL2の中央位置)に、第4折り曲げ罫線1d,1dに沿って、後述する係合突部22a,23aを挿入する係合溝17b,18bが形成されている。
【0032】
さらに、段ボール箱11は、側壁12の上縁部から延出する補強用フラップ22、及び、側壁13の上縁部から延出する補強用フラップ23を有している。
【0033】
段ボールシート1には、側壁12と補強用フラップ22の間、及び、側壁13と補強用フラップ23の間に二重罫線で形成された第5折り曲げ罫線1e,1eが設けられ、補強用フラップ22は第5折り曲げ罫線1eを介して側壁12の内側に折り返され、補強用フラップ23は第5折り曲げ罫線1eを介して側壁13の内側に折り返される。また、補強用フラップ22と補強用フラップ23の長さ方向中央位置には、係合突部22a,23aが形成されて、係合突部22a,23aの両側には段部22b,23bが形成される。
【0034】
前記係合溝17b,18bは、段ボール箱深さ方向の長さL4が、段ボールシート1の厚さ寸法より僅かに長く形成され、段ボール箱長さ方向の長さL5が、前記隙間D1の長さL6と同一に形成されている。また、係合突部22a,23aの段ボール箱長さ方向の長さL7は、係合溝17b,18bの段ボール箱長さ方向の長さL5よりも、僅かに短く形成されている。さらに、段部22b,23bの長さL8と、第2底壁用フラップ19,20の段ボール箱深さ方向の長さL9とは、同一の長さにそれぞれ形成されている。これにより、係合溝17b,18bは、第2底壁用フラップ19,20と第1底壁用フラップ17,18とを折り返して底壁21を形成した際に、隙間D1の間に配置され、補強用フラップ22と補強用フラップ23を折り返して係合突部22a,23aを前記係合溝17b,18bに挿入させることにより、補強用フラップ22と補強用フラップ23が側壁12,13の内側にそれぞれ固定される。さらに、第2底壁用フラップ19,20は、段部22b,23b上に載置され、第2底壁用フラップ19,20の先端面19a,20aが、係合突部22a,23aの側端面にそれぞれ当接する。
【0035】
さらに、段ボール箱11は、側壁14の上縁部から延出する蓋用フラップ24、及び、側壁15の上縁部から延出する蓋用フラップ25を有している。段ボールシート1には、側壁14と蓋用フラップ24の間、及び、側壁15と蓋用フラップ25の間に第6折り曲げ罫線1f,1fが設けられ、第6折り曲げ罫線1f,1fを介して蓋用フラップ24,25を角筒部16の内側に向けて折り込む。これにより、蓋用フラップ24,25によって、角筒部16の上部に蓋26が形成される。
【0036】
また、図1に示されるように、段ボールシート1の段目方向は、段ボール箱11を横置き状態に載置した際に、側壁12,13,14,15の段目方向A1が鉛直方向となるように形成され、第1折り曲げ罫線1a,第2折り曲げ罫線1bは、段目方向A1と平行に、第3折り曲げ罫線1c,第4折り曲げ罫線1d,第5折り曲げ罫線1e,第6折曲げ罫線1fは、段目方向A1と直交する方向にそれぞれ形成される。
【0037】
上述のように形成された浅型の段ボール箱11は、例えば、小松菜やほうれん草、アスパラガスなどといった野菜を箱詰めする際に用いられる。これらを段ボール箱11に箱詰めする際は、第1底壁用フラップ17,18の先端面17a,18aを付き合わせて梱包テープ27で留め、図6に示されるように、段ボール箱11を横置き状態にし、蓋用フラップ24,25を角筒部16の外側に折り曲げた状態で作業が行われ、野菜の根側を、例えば、側壁14側に向けて箱詰めされる。このとき、浅型の段ボール箱11の上部を大きく開口させて野菜を箱詰めできることから、箱詰め作業を容易に行うことができる。また、箱詰めが完了したら、蓋用フラップ24,25の先端面24a,25aを付き合わせて梱包テープ27で留める。
【0038】
さらに、保管時・出荷時には、図8に示されるように箱詰めした野菜の根側が下方に向くように、側壁14を下にして、段ボール箱11を縦置き状態で積み上げる。これにより、野菜の鮮度を長く保持させることができる。また、段ボール箱11を縦置きにすると、荷重の掛かる側壁12,13,14,15の段目方向A1が水平になり、箱耐圧強度の低下が懸念されるが、側壁12の内側には補強用フラップ22が重合して設けられ、側壁13の内側には補強用フラップ23が重合して設けられていることから、積み上げた際に掛かる荷重を、側壁12,13,14,15と補強用フラップ23,24とで受けることができ、箱耐圧強度が低下することを抑制し、段ボール箱11が潰れることを防止できる。さらに、第2底壁用フラップ19,20は、段部22b,23b上に載置され、第2底壁用フラップ19,20の先端面19a,20aが、係合突部22a,23aの側端面にそれぞれ当接していることにより、縦置き状態で積み上げた段ボール箱11は、より潰れにくくなる。
【0039】
図9は、本発明の第2形態例を示す段ボール箱30を形成する段ボールシート31で、第1形態例と同様の構成要素を示すものには、同一の符号をそれぞれ付して、その詳細な説明は省略する。本形態例では、係合溝17c,18cの段ボール箱長さ方向の長さL10が、第1形態例の係合溝17b,18bの段ボール箱長さ方向の長さL5よりも短く形成され、これに伴って、係合突部22c,23cの段ボール箱長さ方向の長さL11も、第1形態例の係合突部22a,23aの段ボール箱長さ方向の長さL7よりも短く形成され、その他の構造は第1形態例と同一の形状になっている。
【0040】
本形態例では、補強用フラップ22の段部22dと、補強用フラップ23の段部23d
の長さL12は、第2底壁用フラップ19,20の段ボール箱深さ方向の長さL13よりも長くなっており、段ボール箱30を組み立てる際に、係合突部22c,23cと第2底壁用フラップ19,20とが当接しないことから、組み立てやすくなっている。
【0041】
以下、上述の第1形態例及び第2形態例と、第1形態例及び第2形態例と同じ内寸法に形成した従来の段ボール箱(いわゆるA式箱)の横置き状態及び縦置き状態での耐圧強度を比較した結果を表2に示す。
試験条件
温度:23℃
湿度:50%
試験点数:A式箱→10点
形態例1→8点
形態例2→8点
使用材質:LB210g/m*MC120g/m*LB210g/m相当
実測内寸法(mm):298×200×100
【0042】
【表2】
【0043】
表2に示されるように、形態例1及び形態例2の段ボール箱は、従来のA式箱に比べて、横置き状態での耐圧強度が高くなることが分かった。さらに、A式箱における縦置耐圧強度比(縦置き/横置き)を100とした際に、形態例1の段ボール箱では縦置耐圧強度比が107.2、形態例2の段ボール箱では縦置耐圧強度比が107.3となり、A式箱に比べて縦置き状態での強度が高くなることが分かった。
【0044】
なお、係合溝17b,18bは、第4折り曲げ罫線1d,1dに沿って形成するものに限らず、第4折り曲げ罫線1d,1dとオフセットして形成することもでき、例えば、第4折り曲げ罫線1d,1dよりも、第1底壁用フラップ17,18の内部側に係合溝17b,18bを形成してもよい。係合溝17b,18bを第4折り曲げ罫線1d,1dに沿って形成したものでは、段ボール箱11を縦置き状態で積み上げた際に、過大な荷重を受けると、段ボール箱11は、係合溝17bに接する側壁12と第1底壁用フラップ17の2面が、さらに、係合溝18bに接する側壁13と第1底壁用フラップ18の2面が座屈するが、係合溝17b,18bを第4折り曲げ罫線1d,1dとオフセットして形成したものでは、過大な荷重を受けると、係合溝17b,18bが形成された第1底壁用フラップ17,18の1面のみがそれぞれ座屈する。つまり、係合溝17b,18bを第4折り曲げ罫線1d,1dとオフセットして形成することにより、第4折り曲げ罫線1d,1dに沿って形成したものに比べて、段ボール箱11の耐圧強度を高くすることができる。
【0045】
図10乃至図16は本発明の第3形態例を示すもので、以下の説明で述べる「上」「下」は、段ボール箱を組み立てて、一般的な載置方向となる横置き状態に載置した際の「上」「下」に対応させている。
【0046】
本形態例の段ボール箱40は、1枚の段ボールシート41(図10)を組み立てることにより形成され、組み立て状態において、対向する一対の長方形状の側壁42,43と、対向する他の一対の長方形状の側壁44,45とを有し、側壁42,43の長片側の長さL22(組み立て時の長さに相当)は、側壁44,45の長片側の長さL21(組み立て時の幅に相当)よりも長く形成されている。
【0047】
段ボールシート41には、隣り合う側壁42,44の間、及び、側壁44,43の間、及び側壁43,45の間に第1折り曲げ罫線41a,41a,41aがそれぞれ設けられるとともに、側壁42の外端部には連結フラップ42aが形成され、側壁42と連結フラップ42aとの間には、第2折り曲げ罫線41bが設けられている。第1折り曲げ罫線41a,41a,41aを介して側壁42,44,43,45を折り込み、連結フラップ42aを第2折り曲げ罫線41bを介して折り込んで側壁45の外端に接着させることにより、幅L4及び長さL5より、深さ方向の長さL23(組み立て時の深さに相当)が短い浅型の角筒部46が形成される。
【0048】
さらに、段ボール箱40は、側壁42の上縁部から延出する第1蓋用フラップ47(本発明の蓋用フラップ)、及び、側壁43の上縁部から延出する第1蓋用フラップ48(本発明の蓋用フラップ)と、側壁44の上縁部から延出する第2蓋用フラップ49(本発明の蓋用フラップ)、及び、側壁45の上縁部から延出する第2蓋用フラップ50(本発明の蓋用フラップ)を有している。
【0049】
段ボールシート41には、側壁42と第1蓋用フラップ47との間、及び、側壁43と第1蓋用フラップ48との間に第3折り曲げ罫線41c,41cが、側壁44と第2蓋用フラップ49との間、及び、側壁45と第2蓋用フラップ50との間に第4折り曲げ罫線41d,41dがそれぞれ設けられ、第4折り曲げ罫線41d,41dを介して対向する一対の第2蓋用フラップ49,50を角筒部46の内側に向けて折り込み、次いで、第3折り曲げ罫線41c,41cを介して対向する他の一対の第1蓋用フラップ47,48を角筒部46の内側に向けて折り込む。これにより、第1蓋用フラップ47,48及び第2蓋用フラップ49,50によって、角筒部46の上部に蓋51が形成される。
【0050】
さらに、段ボール箱40は、側壁42の下縁部から延出する第1底壁用フラップ52(本発明の底壁用フラップ)、及び、側壁43の下縁部から延出する第1底壁用フラップ53(本発明の底壁用フラップ)と、側壁44の下縁部から延出する第2底壁用フラップ54(本発明の底壁用フラップ)、及び、側壁45の下縁部から延出する第2底壁用フラップ55(本発明の底壁用フラップ)とを有している。さらに、第1底壁用フラップ52は、下縁部から延出する仕切り壁56を、第1底壁用フラップ52は、下縁部から延出する仕切り壁57をそれぞれ有している。
【0051】
段ボールシート41には、側壁42と第1底壁用フラップ52との間、及び、側壁43と第1底壁用フラップ53との間には、第5折り曲げ罫線41e,41eが、側壁44と第2底壁用フラップ54との間、及び、側壁45と第2底壁用フラップ55との間には,第6折り曲げ罫線41f,41fがそれぞれ設けられている。さらに、第1底壁用フラップ52と仕切り壁56との間、及び、第1底壁用フラップ53と仕切り壁57との間には、第7折り曲げ罫線41g,41gが設けられている。また、対向する一対の第2底壁用フラップ54,55には、幅方向中央位置(長さL21の中央位置)に挿通溝54a,55aが、組立状態で対向するように形成される。さらに、仕切り壁56の長さ方向中央位置(長さL22の中央位置)には突部56aが、仕切り壁57の長さ方向中央位置には突部57aがそれぞれ形成され、これに伴って、突部56aの両側には段部56b,56bが、突部57aの両側には段部57b,57bが形成される。また、段部56b,57bの上面56c,57cの長さL24と、第2蓋用フラップ49,50の段ボール箱深さ方向の長さL25とは、同一の長さにそれぞれ形成されている。
【0052】
そして、第6折り曲げ罫線41f,41fを介して第2底壁用フラップ54,55を角筒部46の内側に向けて折り込み、次いで、仕切り壁56,57を挿通溝54a,55aに挿通させ、角筒部46の内側に挿入させながら、第5折り曲げ罫線41e,41eを介して第1底壁用フラップ52,53を角筒部46の内側に向けて折り込み、第1底壁用フラップ52,53と第2底壁用フラップ54,55とによって、角筒部46の下部に底壁58を形成するとともに、第7折り曲げ罫線41g,41gを介して仕切り壁56,57を角筒部46の内側に向けて折り込み、仕切り壁56,57を角筒部46の幅方向中央部に立設させる。これにより、図16に示されるように、仕切り壁56,57の突部56a,57aは、角筒部46の上部側に向けて突出し、第2蓋用フラップ49,50を閉じると、段部56b,57bの上面56c,57cに第2蓋用フラップ49,50が載置されるとともに、第2蓋用フラップ49,50の先端面49a,50aが突部56a,57aの側端面56d,57dにそれぞれ当接する。
【0053】
また、図10に示されるように、段ボールシート41の段目方向は、段ボール箱40を横置き状態に載置した際に、側壁42,43,44,45の段目方向B1が鉛直方向となるように形成され、第1折り曲げ罫線41a,第2折り曲げ罫線41bは、段目方向B1と平行に、第3折り曲げ罫線41c,第4折り曲げ罫線41d,第5折り曲げ罫線41e,第6折り曲げ罫線41fは、第7折曲げ片41gは、段目方向B1と直交する方向にそれぞれ形成される。
【0054】
上述のように形成された段ボール箱40は、より自立が難しい、ニラや青ネギといった野菜や、第1形態例と同様に、小松菜、ほうれん草、アスパラガスなどといった野菜を、箱詰めする際に用いられる。これらを段ボール箱40に箱詰めする際は、第1底壁用フラップ52,53を付き合わせて梱包テープで留め、段ボール箱40を横置き状態にし、野菜の根側を、例えば、側壁44側に向けて箱詰めする。このとき、浅型の段ボール箱40の上部を大きく開口させて野菜を箱詰めできることから、箱詰め作業を容易に行うことができる。また、段ボール箱40の幅方向中央部に仕切り壁56,57が立設されていることから、野菜を整列させた状態で箱詰めすることができ、保管時・出荷時に野菜の箱詰め状態を良好に保持させることができる。また、箱詰めが完了したら、第1蓋用フラップ47,48を付き合わせて梱包テープで留める。
【0055】
さらに、保管時・出荷時には、箱詰めした野菜の根側が下方に向くように、側壁44を下にして、段ボール箱40を縦置き状態で積み上げることにより、野菜の鮮度を長く保持させることができる。また、段ボール箱40を縦置きにすると、荷重の掛かる側壁42,43,44,55の段目方向B1が水平になり、段ボール箱の耐圧強度の低下が懸念されるが、段ボール箱40の幅方向中央部に仕切り壁56,57が立設されていることから、積み上げた際に掛かる荷重を、側壁42,43,44,55と仕切り壁56,57とで受けることができ、段ボール箱40の耐圧強度が低下することを抑制し、段ボール箱40が潰れることを防止できる。
【0056】
また、仕切り壁56,57の上縁部と突部56a,57aとの間に形成される段部56b,57bの上面56c,57cに、閉じた状態の第2蓋用フラップ49,50を載置できることから、一対の第2蓋用フラップ49,50を角筒部46の内側に向けて折り込み、次いで、第3折り曲げ罫線41c,41cを介して対向する他の一対の第1蓋用フラップ47,48を角筒部46の内側に向けて折り込んだ際に、第1蓋用フラップ47,48が外側に膨らむ虞がなく、蓋51を良好に閉じることができる。さらに、第2蓋用フラップ49,50の先端面49a,50aが、突部56a,57aの側端面56d,57dにそれぞれ当接していることにより、縦置き状態で積み上げた段ボール箱40は、より潰れにくくなる。
【0057】
図17乃至図23は本発明の第4形態例を示すもので、以下の説明で述べる「上」「下」は、段ボール箱を組み立てて、一般的な載置方向となる横置き状態に載置した際の「上」「下」に対応させている。また、本形態例は、第3形態例と略同一の基本構造を有しており、第3形態例と同様の構成要素を示すものには、同一の符号をそれぞれ付して、その詳細な説明は省略する。
【0058】
本形態例の段ボール箱60は、1枚の段ボールシート61(図17)を組み立てることにより形成される。本形態例の仕切り壁56には、仕切り壁57に対向する長さ方向一側部に、仕切り壁56と平行に延出する仕切り壁抜止めフラップ62が設けられている。さらに、仕切り壁57には、仕切り壁56に対向する長さ方向一側部に、仕切り壁57と平行に延出する仕切り壁抜止めフラップ63が設けられている。また、仕切り壁56と仕切り壁抜止めフラップ62との間、及び、仕切り壁57と仕切り壁抜止めフラップ63との間には、第8折り曲げ罫線64a,64aがそれぞれ設けられている。
【0059】
段ボール箱60の組立は、まず、第6折り曲げ罫線41f,41fを介して第2底壁用フラップ54,55を角筒部46の内側に向けて折り込む。次いで、第8折り曲げ罫線64aを介して仕切り壁抜止めフラップ62を仕切り壁56側に折り返して、仕切り壁抜止めフラップ62と仕切り壁56とを重合させるとともに、第8折り曲げ罫線64aを介して仕切り壁抜止めフラップ63を仕切り壁57側に折り返して、仕切り壁抜止めフラップ63と仕切り壁57とを重合させる。
【0060】
そして、仕切り壁抜止めフラップ62を重合させた状態の仕切り壁56と、仕切り壁抜止めフラップ63を重合させた状態の仕切り壁57とを、挿通溝54a,55aに挿通させ、角筒部46の内側に挿入させながら、第5折り曲げ罫線41e,41eを介して第1底壁用フラップ52,53を角筒部46の内側に向けて折り込み、第1底壁用フラップ52,53と第2底壁用フラップ54,55とによって、角筒部46の下部に底壁58を形成する。さらに、第7折り曲げ罫線41g,41gを介して仕切り壁56,57を角筒部46の内側に向けて折り込み、仕切り壁56,57を角筒部46の幅方向中央部に立設させる。
【0061】
仕切り壁56,57及び仕切り壁抜止めフラップ62,63は、挿通溝54aに挿通する際に、段ボールシート61の波板状に形成された中芯を圧縮させながら、挿通溝54aに挿入される。仕切り壁抜止めフラップ62,63が角筒部46の内側に配置されると、圧縮されていた中芯は初期状態に復帰する。さらに、図18及び図20に示されるように、仕切り壁抜止めフラップ62,63の下面62a,63aが第2底壁用フラップ54の上面54bにそれぞれ当接し、仕切り壁56,57の抜止めが図られ、仕切り壁が挿通溝54a,55aから外側に抜け出すことを防止する。また、仕切り壁抜止めフラップ62,63を、側壁44側に向けてそれぞれ押し開き、側壁44に当接させることで、仕切り壁56,57を確実に抜止めするとともに、段ボール箱60の容量を確保する。
【0062】
上述のように、本形態例の段ボール箱60は、仕切り壁抜止めフラップ62,63により、仕切り壁56,57が抜け止めされることから、第1底壁用フラップ52,53が位置決めされ、段ボール箱60を組み立てた後に、第1底壁用フラップ52,53の突き合わせ面S1(図21図23)を梱包テープ等で留める必要がなくなる。さらに、第1底壁用フラップ52,53が付き合わされた状態で確実に位置決めされることにより、段ボール箱60の段ボール箱の耐圧強度を向上させることができる。
【0063】
以下、上述の第3形態例及び第4形態例と、第3形態例及び第4形態例と同じ内寸法に形成した従来の段ボール箱(いわゆるA式箱)の横置き状態及び縦置き状態での耐圧強度を比較した結果を表3に示す。
試験条件
温度:23℃
湿度:50%
試験点数:A式箱→10点
形態例3→8点
形態例4→8点
使用材質:LB210g/m*MC120g/m*LB210g/m相当
実測内寸法(mm):298×200×100
【0064】
【表3】
【0065】
表3に示されるように、形態例3及び形態例4の段ボール箱は、従来のA式箱に比べて、横置き状態での耐圧強度が高くなることが分かった。さらに、A式箱における縦置耐圧強度比(縦置き/横置き)を100とした際に、形態例3の段ボール箱では縦置耐圧強度比が121.4、形態例4の段ボール箱では縦置耐圧強度比が125.2となり、A式箱に比べて縦置き状態での強度が高くなることが分かった。
【0066】
なお、仕切り壁抜止めフラップは、一対の仕切り壁の長さ方向、どちら側の側部に形成してもよく、形成する個数も任意である。また、本形態例では、仕切り壁抜止めフラップ62,63を側壁44側に向けてそれぞれ押し開き、側壁44に当接させているが、仕切り壁抜止めフラップは、中芯を圧縮させながら、挿通溝54aに挿入された後、角筒部の内側で初期状態に復帰することで、仕切り壁56,57を抜止めできることから、特に、側壁に向けて押し開かなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の段ボール箱は、葉菜類を始めとする野菜を箱詰めする際に好適に利用されるが、段ボール箱に収納する収納物は野菜に限らず、その他どのような物でもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…段ボールシート、1a…第1折り曲げ罫線、1b…第2折り曲げ罫線、1c…第3折り曲げ罫線、1d…第4折曲げ罫線、1e…第5折り曲げ罫線、1f…第6折曲げ罫線、11…段ボール箱、12,13,14,15…側壁、12a…連結フラップ、16…角筒部、17,18…第1底壁用フラップ、17a,18a…先端面、17b,18b…係合溝、17c,18c…係合溝、19,20…第2底壁用フラップ、19a,20a…先端面、21…底壁、22,23…補強用フラップ、22a,23a…係合突部、22b,23b…段部、24,25…蓋用フラップ、24a,25a…先端面、26…蓋、27…梱包テープ、30…段ボール箱、31…段ボールシート、40…段ボール箱、41…段ボールシート、41a…第1折曲げ罫線、41b…第2折曲げ罫線、41c…第3折曲げ罫線、41d…第4折曲げ罫線、41e…第5折曲げ罫線、41f…第6折曲げ罫線、41g…第7折曲げ罫線、42,43,44,45…側壁、42a…連結フラップ、46…角筒部、47,48…第1蓋用フラップ、49,50…第2蓋用フラップ、49a,50a…先端面、51…蓋、52,53…第1底壁用フラップ、54,55…第2底壁用フラップ、54a,55a…挿通溝、54b…上面、56,57…仕切り壁、56a,57a…突部、56b,57b…段部、56c,57c…上面、56d,57d…側端面、58…底壁、60…段ボール箱、61…段ボールシート、62,63…仕切り壁抜止めフラップ、62a,63a…下面、64a…第8折り曲げ罫線
図1
図2
図3
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図6
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図11
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図23