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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123977
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】段ボール箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/4805 20060101AFI20240905BHJP
   B65D 5/44 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B65D5/4805 110
B65D5/44 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031835
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000201641
【氏名又は名称】全国農業協同組合連合会
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】柿沼 成二
(72)【発明者】
【氏名】井上 高志
(72)【発明者】
【氏名】古屋 拓真
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 友香
(72)【発明者】
【氏名】渡部 智恵美
(72)【発明者】
【氏名】下村 成人
(72)【発明者】
【氏名】徳本 耕治
(72)【発明者】
【氏名】石丸 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】桐木 悦史
(72)【発明者】
【氏名】笠原 颯太
(72)【発明者】
【氏名】松尾 洋明
(72)【発明者】
【氏名】日下野 智謙
(72)【発明者】
【氏名】飯田 礼
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BA05
3E060BB01
3E060BC02
3E060CC07
3E060CC18
3E060CC33
3E060CC43
3E060CD01
3E060CD12
3E060DA11
3E060DA25
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】底壁用フラップの突き合わせ面を粘着テープ等の固定手段で固定することを省略でき、作業負担の軽減化を図る。
【解決手段】4つの側壁で構成される角筒部16と、蓋を構成する第1蓋用フラップ17,18及び第2蓋用フラップ19,20と、底壁を構成する第1底壁用フラップ22,23及び第2底壁用フラップ24,25とを備える。第2底壁用フラップ24,25に挿通溝24a,25aを形成する。第1底壁用フラップ22,23に挿入片26,27を形成し、挿入片26,27に、挿入片抜止めフラップ28,29を形成する。挿入片抜止めフラップ28,29は、挿入片側に折り返され挿入片26,27と重合し、挿入片26,27と一体に挿通溝24a,25aを介して角筒部16の内側に突出し、挿入片抜止めフラップ28,29の下面28a,29aが、第2底壁用フラップ24の上面24bに当接して、挿入片26,27を抜止めする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する二対の側壁で構成される角筒部と、
前記各側壁の上縁部からそれぞれ延出して蓋を構成する4つの蓋用フラップと、
前記各側壁の下縁部からそれぞれ延出して底壁を構成する一対の第1底壁用フラップ及び一対の第2底壁用フラップとを備え、
前記第2底壁用フラップには、組立状態で対向する挿通溝がそれぞれ形成され、
前記第1底壁用フラップには、該底壁用フラップの下縁部からそれぞれ延出するとともに、角筒部の内側に向けて折り返され、前記挿通溝を介して前記角筒部の内側に突出する一対の挿入片がそれぞれ形成され、
前記挿入片は、一側部から前記挿入片と平行に延出する挿入片抜止めフラップを備え、該挿入片抜止めフラップは、挿入片側に折り返されて前記挿入片と重合した状態で、前記挿入片と一体に前記挿通溝を介して前記角筒部の内側に突出し、前記挿入片抜止めフラップの下面が、前記第2底壁用フラップの上面に当接して、前記挿入片を抜止めすることを特徴とする段ボール箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一枚の段ボールシートを組み立てて形成する段ボール箱に関し、詳しくは、底壁を形成する底壁用フラップを、粘着テープ等の固定手段で固定しなくても済む段ボール箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一枚の段ボールシートを組み立てて形成する段ボール箱では、組み立て時に、一対の底壁用フラップを突き合わせ、突き合わせ面を粘着テープで貼り付けることにより、底壁を形成するものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5894340号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1のものでは、段ボール箱を組み立てる際に、一対の底壁用フラップの突き合わせ面を粘着テープで貼り付けなくてはならないことから、作業負担が増大していた。
【0005】
そこで本発明は、一対の底壁用フラップの突き合わせ面を粘着テープ等の固定手段で固定することを省略でき、作業負担の軽減化を図ることができる段ボール箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の段ボール箱は、対向する二対の側壁で構成される角筒部と、前記各側壁の上縁部からそれぞれ延出して蓋を構成する4つの蓋用フラップと、前記各側壁の下縁部からそれぞれ延出して底壁を構成する一対の第1底壁用フラップ及び一対の第2底壁用フラップとを備え、前記第2底壁用フラップには、組立状態で対向する挿通溝がそれぞれ形成され、前記第1底壁用フラップには、該底壁用フラップの下縁部からそれぞれ延出するとともに、角筒部の内側に向けて折り返され、前記挿通溝を介して前記角筒部の内側に突出する一対の挿入片がそれぞれ形成され、前記挿入片は、一側部から前記挿入片と平行に延出する挿入片抜止めフラップを備え、該挿入片抜止めフラップは、挿入片側に折り返されて前記挿入片と重合した状態で、前記挿入片と一体に前記挿通溝を介して前記角筒部の内側に突出し、前記挿入片抜止めフラップの下面が、前記第2底壁用フラップの上面に当接して、前記挿入片を抜止めすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の段ボール箱によれば、挿入片抜止めフラップを、挿入片と一体に挿通溝を介して角筒部の内側に突出させ、挿入片抜止めフラップの下面を第2底壁用フラップの上面に当接させることにより、挿入片が挿通溝から外側に抜け出すことを防止できる。これに伴って、第1底壁用フラップが位置決めされ、第1底壁用フラップの突き合わせ面を梱包テープ等で固定する必要がなくなり、作業負担の軽減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1形態例を示す展開状態の段ボールシートの平面図である。
図2】同じく段ボール箱の側面図である。
図3】同じく段ボール箱の平面図である。
図4図3のIV-IV断面図である。
図5図2のV-V断面図である。
図6図2のVI-VI断面図である。
図7】段ボール箱を縦置き状態とした斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1乃至図7は本発明の段ボール箱の一形態例を示すもので、以下の説明で述べる「上」「下」は、段ボール箱を組み立てて、一般的な載置方向となる横置き状態に載置した際の「上」「下」に対応させている。
【0010】
本形態例の段ボール箱10は、段目方向A1とした1枚の段ボールシート11(図1)を組み立てることにより形成され、組み立て状態において、対向する一対の長方形状の側壁12,13と、対向する他の一対の長方形状の側壁14,15とを有し、側壁12,13の長片側の長さL1(組み立て時の長さに相当)は、側壁14,15の長片側の長さL2(組み立て時の幅に相当)よりも長く形成されている。
【0011】
段ボールシート11には、隣り合う側壁12,14の間、及び、側壁14,13の間、及び側壁13,15の間に第1折り曲げ罫線11a,11a,11aがそれぞれ設けられるとともに、側壁12の外端部には連結フラップ12aが形成され、側壁12と連結フラップ12aとの間には、第2折り曲げ罫線11bが設けられている。第1折り曲げ罫線11a,11a,11aを介して側壁12,14,13,15を折り込み、連結フラップ12aを第2折り曲げ罫線11bを介して折り込んで側壁15の外端に接着させることにより、幅L2及び長さL1より、深さ方向の長さL3(組み立て時の深さに相当)が短い浅型の角筒部16が形成される。
【0012】
さらに、段ボール箱10は、側壁12の上縁部から延出する第1蓋用フラップ17(本発明の蓋用フラップ)、及び、側壁13の上縁部から延出する第1蓋用フラップ18(本発明の蓋用フラップ)と、側壁14の上縁部から延出する第2蓋用フラップ19(本発明の蓋用フラップ)、及び、側壁15の上縁部から延出する第2蓋用フラップ20(本発明の蓋用フラップ)を有している。
【0013】
段ボールシート11には、側壁12と第1蓋用フラップ17との間、及び、側壁13と第1蓋用フラップ18との間に第3折り曲げ罫線11c,11cが、側壁14と第2蓋用フラップ19との間、及び、側壁15と第2蓋用フラップ20との間に第4折り曲げ罫線11d,11dがそれぞれ設けられ、第4折り曲げ罫線11d,11dを介して対向する一対の第2蓋用フラップ19,20を角筒部16の内側に向けて折り込み、次いで、第3折り曲げ罫線11c,11cを介して対向する他の一対の第1蓋用フラップ17,18を角筒部16の内側に向けて折り込む。これにより、第1蓋用フラップ17,18及び第2蓋用フラップ19,20によって、角筒部16の上部に蓋21が形成される。
【0014】
さらに、段ボール箱10は、側壁12の下縁部から延出する第1底壁用フラップ22、及び、側壁13の下縁部から延出する第1底壁用フラップ23と、側壁14の下縁部から延出する第2底壁用フラップ24、及び、側壁15の下縁部から延出する第2底壁用フラップ25とを有している。
【0015】
段ボールシート11には、側壁12と第1底壁用フラップ22との間、及び、側壁13と第1底壁用フラップ23との間に、第5折り曲げ罫線11e,11eが、側壁14と第2底壁用フラップ24との間、及び、側壁15と第2底壁用フラップ25との間に、第6折り曲げ罫線11f,11fがそれぞれ設けられている。
【0016】
第1底壁用フラップ22は、下縁部から延出する挿入片26を有し、第1底壁用フラップ22は、下縁部から延出する挿入片27を有している。さらに、挿入片26には、挿入片27に対向する長さ方向一側部に、挿入片抜止めフラップ28を、挿入片27には、挿入片26に対向する長さ方向一側部に、挿入片抜止めフラップ29をそれぞれ有している。
【0017】
段ボールシート11には、第1底壁用フラップ22と挿入片26との間、及び、第1底壁用フラップ23と挿入片27との間に、第7折り曲げ罫線11g,11gが設けられている。さらに、挿入片26と挿入片抜止めフラップ28との間、及び、挿入片27と挿入片抜止めフラップ29との間には、第8折り曲げ罫線11h,11hがそれぞれ設けられている。また、対向する一対の第2底壁用フラップ24,25には、幅方向中央位置(長さL2の中央位置)に挿通溝24a,25aが、組立状態で対向するように形成される。
【0018】
さらに、挿入片26の長さ方向中央位置(長さL2の中央位置)には突部26aが、挿入片27の長さ方向中央位置には突部27aがそれぞれ形成され、これに伴って、突部26aの両側には段部26b,26bが、突部27aの両側には段部27b,27bが形成される。また、挿入片26,27の深さ方向の長さL5は、段ボール箱10の深さ方向の長さL3と同一に形成され、段部26b,27bの上面26c,27cの長さL4と、第2蓋用フラップ19,20の段ボール箱深さ方向の長さL6とは、同一の長さにそれぞれ形成されている。
【0019】
そして、組立の際は、まず、第6折り曲げ罫線11f,11fを介して第2底壁用フラップ24,25を角筒部16の内側に向けて折り込む。次いで、第8折り曲げ罫線11hを介して挿入片抜止めフラップ28を挿入片26側に折り返して、挿入片抜止めフラップ28と挿入片26とを重合させるとともに、第8折り曲げ罫線11hを介して挿入片抜止めフラップ29を挿入片27側に折り返して、挿入片抜止めフラップ29と挿入片27とを重合させる。そして、挿入片抜止めフラップ28を重合させた挿入片26と、挿入片抜止めフラップ29を重合させた挿入片27とを挿通溝24a,25aに挿通させ、角筒部16の内側に挿入させながら、第5折り曲げ罫線11e,11eを介して第1底壁用フラップ22,23を角筒部16の内側に向けて折り込み、第1底壁用フラップ22,23と第2底壁用フラップ24,25とによって、角筒部16の下部に、底壁30を形成する。次いで、第7折り曲げ罫線11g,11gを介して挿入片26,27を角筒部16の内側に向けて折り込み、挿入片26,27を角筒部16の幅方向中央部に立設させる。
【0020】
挿入片26,27及び挿入片抜止めフラップ28,29は、挿通溝24aに挿通する際に、段ボールシート11の波板状に形成された中芯を圧縮させながら、挿通溝24aに挿入される。挿入片抜止めフラップ28,29が角筒部16の内側に配置されると、圧縮されていた中芯は初期状態に復帰し、図2及び図4に示されるように、挿入片抜止めフラップ28,29の下面28a,29aが第2底壁用フラップ24の上面24bにそれぞれ当接し、挿入片26,27の抜止めが図られ、挿入片26,27が挿通溝24a,25aから外側に抜け出すことを防止する。また、挿入片抜止めフラップ28,29を、側壁14側に向けてそれぞれ押し開き、側壁14に当接させて、挿入片26,27を確実に抜止めするとともに、段ボール箱10の容量を確保する。
【0021】
これに伴って、第1底壁用フラップ22,23が付き合わされた状態で確実に位置決めされ、従来のように、第1底壁用フラップ22,23の突き合わせ面S1(図5図7)を梱包テープ等で留める必要がなくなる。
【0022】
さらに、挿入片26,27の突部26a,27aは、角筒部16の上部側に向けて突出し、第2蓋用フラップ19,20を閉じると、段部26b,27bの上面26c,27cに第2蓋用フラップ19,20が載置されるとともに、第2蓋用フラップ19,20の先端面19a,20aが突部26a,27aの側端面26d,27dにそれぞれ当接する。
【0023】
このように形成された段ボール箱10に品物を箱詰めする際は、段ボール箱10を上述のように組み立てて、第1蓋用フラップ17,18を開いた状態で品物を箱詰めした後、第1蓋用フラップ17,18を付き合わせて梱包テープで留めるだけでよい。従来のように、第1底壁用フラップ22,23の突き合わせ面S1を梱包テープ等で留める作業を省略できることから、作業負担の軽減化を図ることができる。また、第1底壁用フラップ22,23が確実に位置決めされていることから、品物を箱詰めした段ボール箱を持ち上げる際に、底壁が外側に向けて膨らんだり、抜け出したりする虞がない。
【0024】
また、本形態例の段ボール箱10は、浅型で、且つ、挿入片26,27の深さ方向の長さL5が、段ボール箱10の深さ方向の長さL3と同一に形成されていることから、横置きにし、蓋を開けた状態では上部開口を広く設けることができ、また、収納する品物の仕切りができるとともに、縦置きにして積み上げた際には、積み上げた際に掛かる荷重を、側壁12,13,14,15と挿入片26,27とで受けることができ、段ボール箱10の段ボール箱の耐圧強度の低下を抑制できる。これにより、例えば、自立が難しいニラや青ネギといった野菜や、小松菜、ほうれん草、アスパラガスなどといった野菜を箱詰めして保管する際には、上述の段ボール箱10を用いると好適である。
【0025】
これらの野菜を段ボール箱10に箱詰めする際は、段ボール箱10を横置き状態にし、野菜を箱詰めし、野菜の根側を、例えば、側壁14側に向けて箱詰めする。この時、段ボール箱10の上部開口が広いことから、箱詰めの作業を容易に行うことができ、さらに、段ボール箱10の幅方向中央部に挿入片26,27が突出していることから、野菜を整列させた状態で箱詰めすることができる。また、保管時・出荷時には、箱詰めした野菜の根側が下方に向くように、側壁14を下にして、段ボール箱10を縦置き状態で積み上げることで、野菜の鮮度を長く保持させることができ、このとき、積み上げた際に掛かる荷重を、側壁12,13,14,15と挿入片26,27とで受けることができることから、縦置き状態の段ボール箱10の耐圧強度の低下を抑制し、段ボール箱10が潰れることを防止できる。
【0026】
なお、本発明は、上述の形態例に限るものではなく、挿入片26,27の深さ方向の長さL5を短く形成し、角筒部内に突出する突出量を小さくしてもよく、挿入片26,27の突出量を小さくすれば、品物を収納可能な容量を確保することができる。
【0027】
さらに、本発明の段ボール箱は、上述の形態例のように、浅型の段ボール箱に限るものではなく、どのような形状の段ボール箱にも適用することができる。また、蓋の形状は任意であり、さらには、蓋を備えていない段ボール箱にも適用することができる。
【符号の説明】
【0028】
10…段ボール箱、11…段ボールシート、11a…第1折り曲げ罫線、11b…第2折り曲げ罫線、11c…第3折り曲げ罫線、11d…第4折曲げ罫線、11e…第5折り曲げ罫線、11f…第6折曲げ罫線、11g…第7折曲げ罫線、11h…第8折り曲げ罫線、12,13,14,15…側壁、12a…連結フラップ、16…角筒部、17,18…第1蓋用フラップ、19,20…第2蓋用フラップ、19a,20a…先端面、21…蓋、22,23…第1底壁用フラップ、24,25…第2底壁用フラップ、24a,25a…挿通溝、24b…上面、26,27…挿入片、26a,27a…突部、26b,27b…段部、26c,27c…上面、26d,27d…側端面、28,29…挿入片抜止めフラップ、28a,29a…下面、30…底壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7