(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123998
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】インセンティブ付与装置、インセンティブ付与方法、プログラム、およびインセンティブ付与システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/30 20230101AFI20240905BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240905BHJP
G06Q 30/0208 20230101ALI20240905BHJP
【FI】
G06Q10/30
G06Q50/10
G06Q30/0208
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031865
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 博一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 努
(72)【発明者】
【氏名】河村 隆
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 弘明
(72)【発明者】
【氏名】荒瀬 玲子
(72)【発明者】
【氏名】池田 智禎
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】リサイクル対象物を適切に分別したユーザにインセンティブを付与することで分別回収を促進する。
【解決手段】本開示の一態様は、分別して回収されるリサイクル対象物に対応した第1の識別情報を取得する第1の取得部と、前記リサイクル対象物を回収するための回収容器に対応した第2の識別情報を取得する第2の取得部と、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との紐付けが適正であるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいてインセンティブを付与する付与部とを備える、インセンティブ付与装置、である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分別して回収されるリサイクル対象物に対応した第1の識別情報を取得する第1の取得部と、
前記リサイクル対象物を回収するための回収容器に対応した第2の識別情報を取得する第2の取得部と、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との紐付けが適正であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいてインセンティブを付与する付与部と
を備える、インセンティブ付与装置。
【請求項2】
前記第1の識別情報は、前記リサイクル対象物を特定する識別情報であり、
前記第2の識別情報は、前記回収容器を特定する識別情報である、
請求項1に記載のインセンティブ付与装置。
【請求項3】
前記第1の識別情報は、前記リサイクル対象物を特定する識別情報であり、
前記第2の識別情報は、前記回収容器の種類を特定する識別情報である、
請求項1に記載のインセンティブ付与装置。
【請求項4】
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを紐付けて記憶する記憶部を備え、
前記判定部は、前記第1の取得部により取得した前記第1の識別情報および前記第2の取得部により取得された前記第2の識別情報と、前記記憶部に記憶された前記第1の識別情報および前記第2の識別情報とを対比することにより、前記第1の取得部により取得した前記第1の識別情報と前記第2の取得部により取得された前記第2の識別情報との紐付けが適正であるか否かを判定する、請求項1に記載のインセンティブ付与装置。
【請求項5】
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とインセンティブ情報とを対応付けたインセンティブ条件情報を記憶する記憶部を備え、
前記付与部は、前記インセンティブ条件情報に基づいて、前記判定部により紐付けが適正である判定された前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に対応したインセンティブ情報のインセンティブを付与する、
請求項1に記載のインセンティブ付与装置。
【請求項6】
前記付与部は、前記回収容器についてのデポジットの返金を前記インセンティブとして付与する、請求項1に記載のインセンティブ付与装置。
【請求項7】
分別して回収されるリサイクル対象物に対応した第1の識別情報を取得するステップと、
前記リサイクル対象物を回収するための回収容器に対応した第2の識別情報を取得するステップと、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との紐付けが適正であるか否かを判定するステップと、
判定結果に基づいてインセンティブを付与するステップと
を含む、インセンティブ付与方法。
【請求項8】
情報処理装置のコンピュータに、
分別して回収されるリサイクル対象物に対応した第1の識別情報を取得するステップと、
前記リサイクル対象物を回収するための回収容器に対応した第2の識別情報を取得するステップと、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との紐付けが適正であるか否かを判定するステップと、
判定結果に基づいてインセンティブを付与するステップと
を実行させる、プログラム。
【請求項9】
分別して回収されるリサイクル対象物に対応した第1の識別情報、および前記リサイクル対象物を回収するための回収容器に対応した第2の識別情報を読み取る読取部を備え、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との紐付けが適正であるか否かを判定するユーザ端末装置と、
前記ユーザ端末装置から取得した判定結果に基づいてインセンティブを付与する付与部を備えるインセンティブ付与装置と、
を備える、インセンティブ付与システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インセンティブ付与装置、インセンティブ付与方法、プログラム、およびインセンティブ付与システムに関する。
【背景技術】
【0002】
食品や洗剤等の製品の包装材は、モノマテリアル素材などのリサイクル可能な素材が用いられているものがある。このような包装材は、ユーザによって製品が使用された後に回収することで資源として再利用される。例えば特許文献1には、包装材が廃棄され回収された履歴を管理するためのシステムが記載されている。このシステムは、ユーザが所有するスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末によりリサイクル対象物のタグをスキャンさせる。これによりシステムは、リサイクル対象物を個別に追跡することや、包装材が回収されたことによるポイントをユーザに付与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リサイクル対象物を回収して再利用するためにはリサイクル対象物を種類ごとに分別回収することが望ましいが、ユーザの負担が大きくなるために継続して分別回収を行うことができない可能性がある。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたもので、リサイクル対象物を適切に分別したユーザにインセンティブを付与することで分別回収を促進することができるインセンティブ付与装置、インセンティブ付与方法、プログラム、およびインセンティブ付与システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は上述した課題を解決するためになされたもので、本開示の一態様は、分別して回収されるリサイクル対象物に対応した第1の識別情報を取得する第1の取得部と、前記リサイクル対象物を回収するための回収容器に対応した第2の識別情報を取得する第2の取得部と、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との紐付けが適正であるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいてインセンティブを付与する付与部とを備える、インセンティブ付与装置、である。
【0007】
本開示の他の態様は、分別して回収されるリサイクル対象物に対応した第1の識別情報を取得するステップと、前記リサイクル対象物を回収するための回収容器に対応した第2の識別情報を取得するステップと、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との紐付けが適正であるか否かを判定するステップと、判定結果に基づいてインセンティブを付与するステップとを含む、インセンティブ付与方法、である。
【0008】
本開示の他の態様は、情報処理装置のコンピュータに、分別して回収されるリサイクル対象物に対応した第1の識別情報を取得するステップと、前記リサイクル対象物を回収するための回収容器に対応した第2の識別情報を取得するステップと、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との紐付けが適正であるか否かを判定するステップと、判定結果に基づいてインセンティブを付与するステップとを実行させる、プログラム、である。
【0009】
本開示の他の態様は、分別して回収されるリサイクル対象物に対応した第1の識別情報、および前記リサイクル対象物を回収するための回収容器に対応した第2の識別情報を読み取る読取部を備え、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との紐付けが適正であるか否かを判定するユーザ端末装置と、前記ユーザ端末装置から取得した判定結果に基づいてインセンティブを付与する付与部を備えるインセンティブ付与装置と、を備える、インセンティブ付与システム、である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、リサイクル対象物を適切に分別したユーザにインセンティブを付与することで分別回収を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態におけるインセンティブ付与システムの一構成例を示すブロック図である。
【
図3】識別情報データベースの一例を示す図であり、(A)は第2の識別情報と第1の識別情報との紐付けを示し、(B)は回収容器の種類に応じた第2の識別情報と第1の識別情報の紐付けを示す図である。
【
図4】インセンティブ条件情報の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態におけるインセンティブ付与システムにおいて情報を登録する手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】実施の形態におけるインセンティブ付与システムにおいてインセンティブを付与する手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用したインセンティブ付与装置、インセンティブ付与方法、プログラム、およびインセンティブ付与システムを、図面を参照して説明する。
【0013】
(インセンティブ付与システム1の構成)
図1は、実施の形態におけるインセンティブ付与システム1の一構成例を示すブロック図である。インセンティブ付与システム1は、リサイクル対象物10を回収容器20に収容したことによりユーザにインセンティブを付与するサービスを支援するためのシステムである。
【0014】
リサイクル対象物10は、例えば、食品、トイレタリーその他商品を包装する包装体である。包装体は、液体、粉体、固体等の様々な形状を有する内容物を収容する収容体である。包装体は、例えば、樹脂ボトル、樹脂パッケージ、プラスチック容器、紙製容器、パウチ等である。パウチは、例えば、モノマテリアルポリエチレン包材、モノマテリアルポリプロピレン包材などのリサイクル適性のある材料を含む。パウチは、例えば、商品名等が印刷された表の基材、底の基材、裏の基材等をラミネートすることで袋状に形成される。基材は、仕様に応じて単層または複数の材料を積層されたフィルムである。樹脂ボトルまたは樹脂パッケージは、一種または複数種類の樹脂材料によりボトル状等の所望の包装材形状に形成される。樹脂ボトルまたは樹脂パッケージは、例えば外面に商品名等が印刷された樹脂フィルム(シュリンクフィルム)等が巻かれていてもよい。なお、包装体は、内部に内容物を収容可能であればどのような素材で形成されていても、どのような形状とされていてもよく、上述した樹脂ボトル、樹脂パッケージ、パウチ、紙製容器以外の形状、材料であってもよい。また、サイクル対象物10は上記した以外のものでもよく、分別回収して再利用することを目的としているものを対象としていればよい。
【0015】
リサイクル対象物10の外装面には、リサイクル対象物10を識別するための第1の識別情報12が埋め込まれたコードが付される。第1の識別情報12が埋め込まれたコードは、不正な張替えを防ぐためにリサイクル対象物10に直接印刷されることが望ましいが、これに限定されず、ラベルにより貼り付けられてよい。第1の識別情報12は、バーコード、2次元コードなどのコードにより埋め込まれた情報であるが、これに限定されない。第1の識別情報12は、リサイクル対象物10の種類を示すマーク、特定の材質を表すリサイクルマークといった識別情報であってよい。
【0016】
第1の識別情報12が埋め込まれたコードは、一見して同じコード情報でありながら印刷の微細な差異に基づいて識別情報の真贋を判定させるための特徴点を持っていてよい。ユーザ端末装置400またはインセンティブ付与装置500は、第1の識別情報12が埋め込まれたコードから読み取った特徴点に基づいて第1の識別情報12が真正なものであるか否かを判定することができる。これにより第1の識別情報12の偽造を抑制することができる。
【0017】
回収容器20は、回収するリサイクル対象物10を収容する。回収容器20は、例えば自治体等により指定された袋である。回収容器20は、回収用袋に限定されず、回収用箱であってよい。回収用箱は、例えば回収拠点に設置される。回収拠点は、例えば、店舗、商業施設、公共施設等などである。回収容器20は、リサイクル対象物10の種類毎に別個のものであってよい。回収容器20は、例えば、ポリエチレン包材用の回収容器と、ポリプロピレン包材用の回収容器とが別個のものであってよい。
【0018】
回収容器20の外装面には、回収容器20を識別する第2の識別情報22が埋め込まれたコードが付される。第2の識別情報22が埋め込まれたコードは、不正な張替えを防ぐために回収容器20に直接印刷されることが望ましいが、これに限定されず、ラベルにより貼り付けられてよい。第2の識別情報22は、バーコード、2次元コードなどのコードに埋め込まれた情報であるが、これに限定されない。第2の識別情報22は、回収容器20の種類を示すマークであってよい。
【0019】
第2の識別情報22は、一見して同じコード情報でありながら印刷の微細な差異に基づいて識別情報の真贋を判定させる機能を持っていてよい。第2の識別情報22は、例えば、識別情報の真贋を判定するための印刷の特徴点を含む。ユーザ端末装置400またはインセンティブ付与装置500は、第2の識別情報22が埋め込まれたコードから読み取った特徴点に基づいて第2の識別情報22が真正なものであるか否かを判定することができる。これにより第2の識別情報22の偽造を抑制することができる。
【0020】
インセンティブ付与システム1は、
図1に示すように、例えば、対象物管理装置100と、回収容器管理装置200と、記憶装置300と、ユーザ端末装置400と、インセンティブ付与装置500と、特典管理装置600とを備える。対象物管理装置100、回収容器管理装置200、記憶装置300、ユーザ端末装置400、インセンティブ付与装置500、および特典管理装置600は、インターネット等のネットワークNWに接続するためのNIC(Network Interface Card)または無線通信モジュールなどの通信インターフェースを有する。ネットワークNWは、例えばインターネット等の汎用ネットワーク、およびローカル5GまたはWifi(登録商標)などのプライベートなネットワークを含んでよい。
【0021】
対象物管理装置100は、リサイクル対象物10を含む製品を販売等する管理者により操作される情報処理装置である。対象物管理装置100は、例えば、コード登録部110を備える。コード登録部110は、例えば光学的にコード情報を読み取るデバイスである。コード登録部110は、リサイクル対象物10に付されたコードから第1の識別情報12を読み取ってコード情報を生成する。コード情報は、第1の識別情報12およびリサイクル対象物10に関する情報が含まれてよい。リサイクル対象物10に関する情報は、例えば、リサイクル対象物10の種類、リサイクル対象物10の製品に関する情報、第1の識別情報12の特徴点情報、リサイクル対象物10が収容される回収容器20に関する情報などであってよい。対象物管理装置100は、コード情報を記憶装置300に送信することで記憶装置300に記憶させることにより登録を行う。
【0022】
回収容器管理装置200は、回収容器20を販売等する管理者により操作される情報処理装置である。回収容器管理装置200は、例えば、コード登録部210を備える。コード登録部210は、例えば光学的にコード情報を読み取るデバイスである。コード登録部210は、回収容器20に付されたコードから第2の識別情報22を読み取ってコード情報を生成する。コード情報は、第2の識別情報22および回収容器20に関する情報が含まれてよい。回収容器20に関する情報は、例えば、回収容器20の種類、回収容器20を発行した自治体等に関する情報、第2の識別情報22の特徴点情報、回収容器20に収容されるリサイクル対象物10に関する情報などであってよい。回収容器管理装置200は、コード情報を記憶装置300に送信することで記憶装置300に記憶させることにより登録を行う。
【0023】
記憶装置300は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶装置300は、インセンティブ付与システム1における各部と通信を行うことで各種の情報を記憶する。なお、本実施の形態においては記憶装置300とインセンティブ付与装置500とが別装置であるが、これに限定されない。インセンティブ付与装置500は記憶装置300を備えてよく、実施の形態における記憶装置300に記憶している情報の一部をインセンティブ付与装置500により記憶してよい。
【0024】
ユーザ端末装置400は、ユーザにより操作されるスマートフォン、タブレットなどの情報処理装置である。ユーザ端末装置400は、例えば、コード読取部410と、ユーザインターフェース(I/F)部420とを備える。コード読取部410は、例えば光学的にコード情報を読み取るデバイスである。ユーザインターフェース部420は、ユーザの操作を受け付ける操作部と、各種の情報を表示する表示部等とを備える。コード読取部410は、リサイクル対象物10に付されたコードから第1の識別情報12を読み取って第1のコード情報を生成する。コード読取部410は、回収容器20に付されたコードから第2の識別情報22を読み取って第2のコード情報を生成する。ユーザ端末装置400は、第1のコード情報および第2のコード情報をインセンティブ付与装置500に送信する。
【0025】
インセンティブ付与装置500は、例えば、CPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって各種の処理を行う情報処理装置である。インセンティブ付与装置500は、対象物管理装置100、回収容器管理装置200、記憶装置300、ユーザ端末装置400、インセンティブ付与装置500、および特典管理装置600から要求または指示を受け付けて処理を行い、情報または処理結果を送信するサーバ装置として機能する。なお、インセンティブ付与装置500は、回収容器20を管理する自治体、リサイクル業者、またはインセンティブ付与するサービス会社によって管理されてよい。
【0026】
インセンティブ付与装置500は、例えば、コード取得部510と、判定部520と、付与部530とを備える。コード取得部510は、第1の取得部512と第2の取得部514とを含む。第1の取得部512は、分別して回収されるリサイクル対象物10に対応した第1の識別情報12を取得する。第2の取得部514は、リサイクル対象物10を回収するための回収容器20に対応した第2の識別情報22を取得する。判定部520は、第1の識別情報12と第2の識別情報22と紐付けが適正であるか否かを判定する。付与部530は、判定部520の判定結果に基づいてインセンティブを付与する。
【0027】
(インセンティブ付与システム1に登録される情報)
記憶装置300は、例えば、ユーザ情報、識別情報データベース、およびインセンティブ条件情報を記憶する。
図2は、ユーザ情報の一例を示す図である。ユーザ情報は、例えば、ユーザ名、ユーザID、および履歴情報を含む。履歴情報は、例えば、日時情報、実績情報、および特典情報を含む。実績情報は、例えば、回収日時情報、リサイクル対象物10および回収容器20との紐付けを示す情報を含む。特典情報は、ユーザに付与されたデポジット返金額、現金以外でのキャッシュレス決済、金券、ポイント、クーポンなどの特典に関する情報である。キャッシュレス決済は、スマートフォンなどの情報処理端末により利用可能な電子マネー等、バーコードやQRコード(登録商標)を介したコード決済などの決済手段である。金券は現金に代わるカードや商品券などである。ポイントは、例えば、ポイント提携先の店舗等で商品と交換することや値引きするために利用可能な点数である。クーポンは、例えば、クーポン提携先の店舗等で受けるサービス利用券である。ユーザ情報は、ユーザを特定するマイナンバーなどの他の情報、履歴に基づくランク、ユーザ端末装置400を特定するアドレス情報、ユーザが利用するポイントサービス等の口座情報などのインセンティブを付与するサービスに必要な情報を含んでいてよい。
【0028】
図3は、識別情報データベースの一例を示す図であり、(A)は第2の識別情報22と第1の識別情報12との紐付けを示す。第1の識別情報12は、リサイクル対象物10を特定する識別情報であり、第2の識別情報22は、回収容器20を特定する識別情報であってよい。識別情報データベースは、個々の第1の識別情報12と個々の第2の識別情報22とを紐付ける。
図3(B)は回収容器20の種類に応じた第2の識別情報22と第1の識別情報12の紐付けを示す図である。第1の識別情報12は、個々のリサイクル対象物10を特定する識別情報であり、第2の識別情報22は、回収容器20の種類を特定する識別情報であってよい。識別情報データベースは、第2の識別情報22の種類と、個々の第1の識別情報12とを紐付ける。なお、記憶装置300は、コードに第1の識別情報12または第2の識別情報22以外の製品に関する情報等が含まれている場合には、識別情報に対応させて識別情報データベースに登録してよい。
【0029】
図4は、インセンティブ条件情報の一例を示す図である。インセンティブ条件情報は、リサイクル対象物10の第1の識別情報12と、回収容器20の第2の識別情報22と、インセンティブ情報とを対応付けた情報である。インセンティブ情報は、例えば、リサイクル対象物10の個数と回収容器20の個数とに対応付けられた特典情報であってよい。特典情報は、デポジット返却額、電子マネー額、金券額、ポイント数、クーポンなどの特典を表す情報である。インセンティブ条件情報は、リサイクル対象物10の種類と回収容器20の種類と特典情報とを対応付けた情報であってよい。特典は、例えば、リサイクル対象物10または回収容器20の個数に応じて変化されてよく、リサイクル対象物10がA個より多い場合には特典を半額にしてよく、リサイクル対象物10の個数が多くなるほど特典の単価を高くしてよい。特典は、例えば、1個のリサイクル対象物10ごとにX円であり一つの回収容器20の上限額がY円のように設定されてよい。特典をデポジットの返金にする場合には上限個数を設定する必要がある。さらに、効率よくリサイクル対象物10を回収するようにリサイクル対象物10の個数に応じてデポジットを増加させてよい。
【0030】
(情報登録処理)
図5は、実施の形態におけるインセンティブ付与システム1において情報を登録する手順の一例を示すシーケンス図である。
対象物管理装置100は、リサイクル対象物10の第1の識別情報S10を記憶装置300に送信し、第1の識別情報S10を記憶装置300に記憶させる。これにより記憶装置300は、第1の識別情報12を識別情報データベース(
図3(A))に登録する(ステップS100)。回収容器管理装置200は、回収容器20の第2の識別情報S12を記憶装置300に送信し、第2の識別情報S12を記憶装置300に記憶させる。これにより記憶装置300は、第2の識別情報22を識別情報データベース(
図3(B))に登録する(ステップS102)。識別情報データベースにおける第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付け処理は、例えば、対象物管理装置100からの指示情報、回収容器管理装置200からの指示情報、またはインセンティブ付与装置500からの指示情報に基づいて行ってよい。回収容器管理装置200は、インセンティブ条件を示す情報S14を記憶装置300に送信し、インセンティブ条件を示す情報S14を記憶装置300に記憶させる。これにより記憶装置300は、インセンティブ条件をインセンティブ条件情報(
図4)に登録する(ステップS104)。
【0031】
ユーザ端末装置400は、ユーザの操作に基づいてリサイクル対象物10を回収容器20により回収することでインセンティブが付与されるサービスを受けるためのアプリケーションソフトウェアをインストールする(ステップS110)。次にユーザ端末装置400は、ユーザ情報を登録する要求を受け付けてユーザ情報S16を記憶装置300に送信する(ステップS112)。記憶装置300は、ユーザ端末装置400からユーザ情報S16を受信し、受信したユーザ情報S16を記憶装置300のユーザ情報(
図2)に登録する(ステップS106)。ユーザ端末装置400は、ユーザ情報S18を特典管理装置600に送信することで、特典管理装置600にユーザ情報S18を登録させる(ステップS120)。
【0032】
なお、第1の識別情報12、第2の識別情報22、インセンティブ条件、ユーザ情報を登録する処理は、インセンティブ付与装置500が第1の識別情報S10、第2の識別情報S12、インセンティブ条件を示す情報S14、ユーザ情報S16を受信して記憶装置300に記憶させてもよく、インセンティブ付与装置500がユーザ情報S18を受信して特典管理装置600に登録させてよい。インセンティブ付与装置500が記憶装置300に相当する記憶部を備える場合には、第1の識別情報S10、第2の識別情報S12、インセンティブ条件を示す情報S14、ユーザ情報S16を受信して記憶部に記憶させる。
【0033】
(インセンティブ付与処理)
図6は、実施の形態におけるインセンティブ付与システム1においてインセンティブを付与する手順の一例を示すシーケンス図である。
ユーザ端末装置400はアプリケーションソフトウェアを起動し、コード読取部410は、リサイクル対象物10から第1の識別情報12を読み取り(ステップS200)、回収容器20から第2の識別情報22を読み取る(ステップS202)。次にユーザ端末装置400は、読み取った第1の識別情報12および第2の識別情報22を含む要求S20をインセンティブ付与装置500に送信する(ステップS204)。
【0034】
コード取得部510は、要求S20に含まれる第1の識別情報12および第2の識別情報22を取得する(ステップS210)。判定部520は、取得した第1の識別情報12および第2の識別情報22との紐付けが適正であるか否かを判定する(ステップS212)。判定部520は、ユーザ情報を参照して、取得した第1の識別情報12および第2の識別情報22が過去にユーザから受け付けた識別情報に合致するか否かを判定する。判定部520は、過去にユーザから受け付けた識別情報に合致しない場合には、識別情報データベースを参照して、取得した第1の識別情報12および第2の識別情報22と、記憶された第1の識別情報12および第2の識別情報22とを対比する。判定部520は、取得した第1の識別情報12および第2の識別情報22が識別情報データベースに存在する場合には、取得した第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正であると判定する。判定部520は、取得した第1の識別情報12および第2の識別情報22が過去にユーザから受け付けた識別情報に含まれる場合、または、取得した第1の識別情報12および第2の識別情報22が識別情報データベースに存在しない場合には、適正ではないと判定する。
【0035】
判定部520は、取得した第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正ではない場合(ステップS214:NO)、ユーザ端末装置400にエラー情報を含む通知S24を送信する。エラー情報は、第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正ではないことを表すが、これに限定されず、第1の識別情報12または第2の識別情報22について特典が発行されていることや、リサイクル対象物10の種類と回収容器20との種類とが不適切であることを含んでよい。ユーザ端末装置400は、通知S24を受信したことに応じてユーザインターフェース部420によりエラー通知を表示する(ステップS206)。
【0036】
判定部520は、取得した第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正である場合(ステップS214:YES)、付与部530によりインセンティブを算出する(ステップS216)。付与部530は、記憶装置300に記憶されたインセンティブ条件情報に基づいて、判定部520により紐付けが適正である判定された第1の識別情報12と第2の識別情報22に対応したインセンティブ情報のインセンティブ(特典)を付与する。付与部530は、特典情報を含む通知S26をユーザ端末装置400に送信し、決定した特典情報を含む付与依頼S28を特典管理装置600に送信する。
【0037】
特典管理装置600は、付与依頼S28に応じて特典情報S30を発行する(ステップS220)。特典管理装置600は、特典情報S30をユーザ端末装置400および記憶装置300に送信する。ユーザ端末装置400は、特典情報S30に基づいて特典管理装置600により発行された特典をユーザ端末装置400に登録することができる(ステップS208)。記憶装置300は、特典情報S30に基づいてユーザ情報における第1の識別情報12と第2の識別情報22とに対応した特典の履歴情報を登録することができる。
【0038】
特典管理装置600は、特典を発行したことに応じて回収容器管理装置200に請求情報S32を送信する。これにより自治体等の機関担当者は、請求情報S32を参照してユーザにデポジット返金をすることができる。例えば、回収容器20の販売価格を、元の単価の10円とデポジットの40円とを含む50円とし、自治体は、請求情報S32を受け付けたことに応じて、回収容器20ごとに1円以上(上限40円)を返金することができる。自治体は、例えば、回収容器20の1つ目に対して1円を返金し、2つ目に対して2円を返金してよい。
【0039】
図6に示した処理例は判定部520が取得した第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けを判定したが、ユーザ端末装置400により判定を行ってよい。ユーザ端末装置400は、リサイクル対象物10から第1の識別情報12を読み取り(ステップS200)、回収容器20から第2の識別情報22を読み取る(ステップS202)。ユーザ端末装置400は、読み取った第1の識別情報12および第2の識別情報22が過去に読み取った識別情報に合致するか否かを判定し、合致しない場合には識別情報データベースを参照して第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正であるか否かを判定する。過去に読み取った識別情報は、ユーザ端末装置400に記憶された識別情報であってよく、記憶装置300に記憶されたユーザ情報に含まれる識別情報であってよい。
【0040】
ユーザ端末装置400は、例えば、リサイクル対象物10の種類と回収容器20の種類とが同じである場合には第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正であると判定する。ユーザ端末装置400は、読み取った第1の識別情報12および第2の識別情報22が過去に読み取った識別情報に合致する場合、またはリサイクル対象物10の種類と回収容器20の種類とが同じでない場合には、適正ではないと判定する。ユーザ端末装置400は、紐付けが適正であると判定した第1の識別情報12と第2の識別情報22との組み合わせを含む要求をインセンティブ付与装置500に送信する。
【0041】
ユーザ端末装置400により判定を行う場合、判定部520は、ステップS212、ステップS214を行わなくてもよい。ユーザ端末装置400がユーザ端末装置400に記憶された第1の識別情報12および第2の識別情報22に基づいて第1の識別情報12および第2の識別情報22の紐付けが適正であるかの判定を行い、判定部520が、記憶装置300に記憶されたユーザ情報および識別情報データベースを参照して第1の識別情報12および第2の識別情報22の紐付けが適正であるかの判定を行ってもよい。
【0042】
(実施の形態の効果)
以上のように、実施の形態のインセンティブ付与システム1によれば、分別して回収されるリサイクル対象物10に対応した第1の識別情報12およびリサイクル対象物10を回収するための回収容器20に対応した第2の識別情報22を取得し、第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正であるか否かを判定した判定結果に基づいてインセンティブを付与することができる。インセンティブ付与システム1によれば、リサイクル対象物10を適切に分別したユーザにインセンティブを付与することで分別回収を促進することができる。
【0043】
インセンティブ付与システム1において、第1の識別情報12はリサイクル対象物10を特定する識別情報であり、第2の識別情報22は回収容器20を特定する識別情報であってよい。インセンティブ付与システム1によれば、第1の識別情報12をユニークな識別情報とし、第2の識別情報22をユニークな識別情報にすることにより、リサイクル対象物10および回収容器20の使い回しを回避して適切にインセンティブを付与することができる。
【0044】
インセンティブ付与システム1において、第1の識別情報12はリサイクル対象物10特定する識別情報であり、第2の識別情報22は、回収容器20の種類を特定する識別情報であってよい。インセンティブ付与システム1によれば、リサイクル対象物10については個々に第1の識別情報12を設定し、回収容器20の種類ごとに第2の識別情報22を設定することにより、第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けを判定する処理の負担を軽減することができる。
【0045】
インセンティブ付与システム1によれば、第1の識別情報12と第2の識別情報22とを紐付けて記憶する記憶装置300を備え、第1の取得部512により取得した第1の識別情報12および第2の取得部514により取得された第2の識別情報22と、記憶装置300に記憶された第1の識別情報12および第2の識別情報22とを対比することにより、第1の取得部512により取得した第1の識別情報12と第2の取得部514により取得された第2の識別情報22とが紐付けられているか否かを判定する。インセンティブ付与システム1によれば、予め適正な識別情報の紐付けを記憶しておくことにより、ユーザの操作により読み取った識別情報の紐付けを適正であるか否かを判定することができる。
【0046】
インセンティブ付与システム1によれば、回収容器20についてのデポジットの返金をインセンティブとして付与することができる。インセンティブ付与システム1によれば、適切に回収容器20とリサイクル対象物10との組み合わせで回収すれば回収容器20についてデポジットの返金を受けるサービスを提供することができる。これによりインセンティブ付与システム1は、分別回収をさらに促進することができる。
【0047】
インセンティブ付与システム1によれば、第1の識別情報12および第2の識別情報22を読み取るコード読取部410を備え、第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正であるか否かを判定するユーザ端末装置400と、ユーザ端末装置400から取得した判定結果に基づいてインセンティブを付与する付与部530を備えるインセンティブ付与装置500とを備えるので、インセンティブ付与装置500により識別情報を判定する処理負担を抑制することができる。
【0048】
(リサイクル対象物10と回収容器20の組み合わせ)
上述した実施の形態のインセンティブ付与システム1において、第1の識別情報12はリサイクル対象物10をユニークに識別するための情報であってよく、リサイクル対象物10を非ユニークに識別するための情報であってよい。リサイクル対象物10をユニークに識別するとは、リサイクル対象物10の個々を識別することである。リサイクル対象物10を非ユニークに識別するとは、例えばリサイクル対象物10の種類を識別することである。リサイクル対象物10の種類は、例えばリサイクル適性のある材料であるが、これに限定されず、リサイクル工程において分類される範囲であってよい。
【0049】
上述した実施の形態のインセンティブ付与システム1において、第2の識別情報22は回収容器20をユニークに識別するための情報であってよく、回収容器20を非ユニークに識別するための情報であってよい。回収容器20をユニークに識別するとは、回収容器20の個々を識別することである。回収容器20を非ユニークに識別するとは、例えば回収容器20の種類を識別することである。回収容器20の種類は、例えばリサイクル適性のあるリサイクル対象物10の材料であるが、これに限定されず、リサイクル工程においてリサイクル対象物10が分類される範囲であってよい。
【0050】
(第1の組み合わせ)
インセンティブ付与システム1において、第1の識別情報12はリサイクル対象物10を非ユニークに識別するための情報であり、第2の識別情報22は回収容器20を非ユニークに識別するための情報であってよい。インセンティブ付与システム1は、例えば、リサイクル対象物10の種類と回収容器20の種類とが同じである識別情報同士を対応付けて識別情報データベースに記憶しておく。これによりインセンティブ付与システム1は、ユーザ端末装置400から同じ種類のリサイクル対象物10の第1の識別情報12および回収容器20の第2の識別情報22を取得した場合に、第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正であると判定することができる。このインセンティブ付与システム1によれば、リサイクル対象物10および回収容器20の種類に応じて分別を促進することができる。
【0051】
(第2の組み合わせ)
インセンティブ付与システム1において、第1の識別情報12はリサイクル対象物10を非ユニークに識別するための情報であり、第2の識別情報22は回収容器20をユニークに識別するための情報であってよい。インセンティブ付与システム1は、例えば、リサイクル対象物10の種類に対応した第1の識別情報12と回収容器20の個々の第2の識別情報22とを対応付けて識別情報データベースに記憶しておく。これによりインセンティブ付与システム1は、ユーザ端末装置400から特定の種類のリサイクル対象物10の第1の識別情報12と個々の回収容器20に応じた第2の識別情報22の組み合わせを取得し、第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正であると判定することができる。このインセンティブ付与システム1によれば、特定の種類の回収容器20ごとに分別することを促進することができる。また、インセンティブ付与システム1によれば、ユーザごとに個々の回収容器20を管理することができるので、回収容器20の使いまわしを回避することができる。
【0052】
(第3の組み合わせ)
インセンティブ付与システム1において、第1の識別情報12はリサイクル対象物10をユニークに識別するための情報であり、第2の識別情報22は回収容器20を非ユニークに識別するための情報であってよい。インセンティブ付与システム1は、例えば、リサイクル対象物10の個々の第1の識別情報12と回収容器20の種類に対応した第2の識別情報22とを対応付けて識別情報データベースに記憶しておく。これによりインセンティブ付与システム1は、ユーザ端末装置400から個々のリサイクル対象物10の第1の識別情報12と回収容器20の種類に応じた第2の識別情報22の組み合わせを取得し、第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正であると判定することができる。このインセンティブ付与システム1によれば、特定の種類の回収容器20ごとに適正に分別することを促進することができる。また、インセンティブ付与システム1によれば、ユーザに個々のリサイクル対象物10を紐づけるので、ユーザの回収履歴、回収容器20ごとの内容物(異物や残渣)などを管理することができる。さらに、インセンティブ付与システム1によれば、ユーザごとに個々のリサイクル対象物10を管理することができるので、リサイクル対象物10の使いまわしを回避することができる。
【0053】
(第4の組み合わせ)
インセンティブ付与システム1において、第1の識別情報12はリサイクル対象物10をユニークに識別するための情報であり、第2の識別情報22は回収容器20をユニークに識別するための情報であってよい。インセンティブ付与システム1は、例えば、リサイクル対象物10の個々の第1の識別情報12と回収容器20の個々の第2の識別情報22とを対応付けて識別情報データベースに記憶しておく。これによりインセンティブ付与システム1は、ユーザ端末装置400から個々のリサイクル対象物10の第1の識別情報12と個々の回収容器20の第2の識別情報22の組み合わせを取得し、第1の識別情報12と第2の識別情報22との紐付けが適正であると判定することができる。インセンティブ付与システム1によれば、ユーザごとに個々のリサイクル対象物10をどの回収容器20に収容したかを管理することができる。また、インセンティブ付与システム1によれば、ユーザごとに個々のリサイクル対象物10および個々の回収容器20を管理することができるので、リサイクル対象物10および回収容器20の使いまわしを回避することができる。
【0054】
(他の組み合わせ)
複数のリサイクル対象物10は、個々の第1の識別情報12が付与されたリサイクル対象物10と、特定の種類に対応した第1の識別情報12が付与されたリサイクル対象物10とが混在してよい。複数の回収容器20は、個々の第2の識別情報22が付与された回収容器20と、特定の種類に対応した第2の識別情報22が付与された回収容器20とが混在してよい。インセンティブ付与システム1は、適正に回収するために個々または特定の種類の第1の識別情報12と個々または特定の種類の第2の識別情報22とを対応付けて識別情報データベースに記憶しておく。これによりインセンティブ付与システム1は、識別情報データベースを参照することでユーザ端末装置400から取得した識別情報の組み合わせが適正であるか否かを判定することができる。
【0055】
(変形例)
以下、上述したインセンティブ付与システム1の変形例について説明する。
インセンティブ条件には、回収容器20にリサイクル対象物10以外の異物または包装体の内容物残渣があることを条件に特典を減額することが含まれてよい。異物または内容物残渣は、例えば、自治体の回収業者により回収された回収容器20全体の重量(回収容器20とリサイクル対象物10との重量)と、販売時のリサイクル対象物10と回収容器20との重量を差分に基づいて判定される。自治体の回収容器管理装置200は、回収した回収容器20に付されたコードに埋め込まれた第2の識別情報22と、ユーザ情報の履歴情報に含まれる回収容器20の第2の識別情報22とを照合することによって、異物または内容物残渣が混入した回収容器20を廃棄したユーザを特定することができる。これにより自治体の回収容器管理装置200は、ユーザに正しい分別方法をフィードバックして適切に分別することを促進することができる。また、回収容器20に第2の識別情報22が埋め込まれたコードが付されていることにより、ユーザに不適切な分別を行うことに対する抑止力を与えることができる。
【0056】
ユーザ端末装置400は、リサイクル対象物10を収容した回収容器20の重量を入力することにより適切に分別が行われているか否かを判定してよい。ユーザ端末装置400は、判定結果を表示することにより適切な分別を促すことができる。また、不適切な分別による再回収を抑制することにより、回収効率を向上させることができる。
【0057】
なお、各実施の形態および変形例について説明したが、一例であってこれらに限られず、例えば、各実施の形態や各変形例のうちのいずれかや、各実施の形態の一部や各変形例の一部を、他の1または複数の実施の形態や他の1または複数の変形例と組み合わせて本発明の一態様を実現させてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…インセンティブ付与システム、10…リサイクル対象物、12…第1の識別情報、20…回収容器、22…第2の識別情報、100…対象物管理装置、110…コード登録部、200…回収容器管理装置、210…コード登録部、300…記憶装置、400…ユーザ端末装置、410…コード読取部、420…ユーザインターフェース部、500…インセンティブ付与装置、510…コード取得部、512…第1の取得部、514…第2の取得部、520…判定部、530…付与部、600…特典管理装置