(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001240
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】外骨格の下肢
(51)【国際特許分類】
B25J 11/00 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023181077
(22)【出願日】2023-10-20
(62)【分割の表示】P 2021570208の分割
【原出願日】2020-05-26
(31)【優先権主張番号】1905603
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】510325651
【氏名又は名称】コミサリヤ ア レネルジ アトミク エ ウ エネルジ アルタナティブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ガルレク
(57)【要約】
【課題】本発明は歩行用外骨格の使用者の快適性を改善する歩行用外骨格の下部部材に関する。
【解決手段】歩行用外骨格(2)の下部部材(1)は、身体セグメントに関節結合された少なくとも1つの第1の脚セグメント(20)を有する少なくとも1つの身体セグメント(10)を有し、下部部材(1)は第1の関節ブロック機構を含み、この第1の関節ブロック機構は、第1の脚セグメント(20)と共に回転するように連結するための手段を具備した第1の要素(51)と、第1のスキッド(30)と、第1の要素(51)が第1の方向(S
1)及びこの第1の方向とは反対の第2の方向の両方で自由に回転できる第1の自由な状態、及び第1の方向での第1の要素(51)の回転が第1のスキッド(30)に対する第1の要素(51)の引掛りによってブロックされる第2のブロック状態を採用する能力を有している、第1のアクチュエータ(33)と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行用外骨格(2)の下部部材(1)において、
該下部部材(1)は、矢状面(Ps)に平行な第1の軸(OS20)を中心として身体セグメントに関節結合された少なくとも1つの第1の脚セグメント(20)を有する少なくとも1つの身体セグメント(10)を含み、
前記歩行用外骨格(2)の下部部材(1)は、前記第1の軸(OS20)を中心とした前記第1の脚セグメント(20)の回転をブロックするために選択的に作用するように配設された第1の関節ブロック機構(50)を含み、
該第1の関節ブロック機構(50)は、
前記第1の脚セグメント(20)と共に回転するように機能的に連結するための手段を具備した第1の要素(51)と、
前記歩行用外骨格(2)の第1の固定点(54)上で第2の回転軸(OS32)を中心にして回転するように組付けられた第1のスキッド(30)と、
該第1のスキッド(30)を前記第2の回転軸(OS32)を中心にして回転させるために選択的に作用するように配設された第1のアクチュエータ(33)と、を有し、
該第1のアクチュエータ(33)は、前記第1の要素(51)が第1の方向(S1)及び該第1の方向(S1)とは反対の第2の方向(S2)の両方で自由に回転できる第1の自由な状態、及び前記第1の方向(S1)での前記第1の要素(51)の回転が前記第1のスキッド(30)に対する前記第1の要素(51)の引掛りによってブロックされる第2のブロック状態を採用するために、選択的に作用する能力を有している、下部部材(1)。
【請求項2】
前記矢状面(Ps)に対し平行な第3の軸(OS220)を中心として前記身体セグメント(10)に関節結合された第2の脚セグメント(220)を有し、
前記歩行用外骨格(2)の前記下部部材(1)は、前記第3の軸(OS220)を中心とした前記第2の脚セグメント(220)の回転をブロックするために選択的に作用するように配設された第2の関節ブロック機構(150)を有し、
前記第2の関節ブロック機構(150)は、
前記第2の脚セグメント(220)と共に回転するように機能的に連結するための手段を具備した第2の要素(151)と、
前記歩行用外骨格(2)の第2の固定点(154)上で第4の回転軸(OS132)を中心にして回転するように組付けられた第2のスキッド(130)と、
前記第2のスキッド(130)を前記第4の回転軸(OS132)を中心にして回転させるために選択的に作用するように配設された第2のアクチュエータ(133)と、を有し、
前記第2のアクチュエータ(133)は、前記第2の要素(151)が第3の方向(S3)及び該第3の方向(S3)とは反対の第4の方向(S4)の両方で自由に回転できる第3の自由な状態、及び前記第3の方向(S3)での前記第2の要素(151)の回転が前記第2のスキッド(130)に対する第2の要素(151)の引掛りによってブロックされる第4の係止状態を採用するために、選択的に作用する能力を有している、
請求項1に記載の下部部材(1)。
【請求項3】
前記第1の関節ブロック機構(50)は第1の回転式アクチュエータ(33)を有し、及び/又は前記第2の関節ブロック機構(150)は第2の回転式アクチュエータ(133)を有する、請求項2に記載の下部部材(1)。
【請求項4】
前記第1の回転式アクチュエータ(33)及び/又は前記第2の回転式アクチュエータ(133)は電磁石(34、134)を有する、請求項3に記載の下部部材(1)。
【請求項5】
前記第1の要素(51)は第1の円筒形セクタを含み、及び/又は前記第2の要素(151)は第3の円筒形セクタを有する、請求項2~4の何れか一項に記載の下部部材(1)。
【請求項6】
前記第1のスキッド(30)は第2の円筒形セクタを有し、及び/又は前記第2のスキッド(130)は第4の円筒形セクタを有する、請求項2~5の何れか一項に記載の下部部材(1)。
【請求項7】
前記第1の軸(OS20)及び前記第2の回転軸(OS32)は平行であり、及び/又は前記第3の軸(OS220)及び前記第4の回転軸(OS132)は平行である、請求項2~6の何れか一項に記載の下部部材(1)。
【請求項8】
前記第1のアクチュエータ(33)が第2のブロック状態にあるとき、前記第1の要素(51)は前記第2の方向(S2)に回転でき、及び/又は前記第2のアクチュエータ(133)が第4のブロック状態にあるとき、前記第2の要素(151)は前記第4の方向(S4)に回転できる、請求項2~7の何れか一項に記載の下部部材(1)。
【請求項9】
前記第1の要素(51)及び/又は前記第1のスキッド(30)及び/又は前記第2の要素(151)及び/又は前記第2のスキッド(130)は摩擦パッド(36、53、136、153)を有する、請求項2~8の何れか一項に記載の下部部材(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外骨格(exoskeleton、エクソスケルトン)の分野に関し、より詳細には歩行用外骨格の下部部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行用外骨格の下部部材は、脚セグメントの第1の端部に関節結合された身体セグメント及び脚セグメントの第2の端部に関節結合された足セグメントを有する。歩行用外骨格は同様に、それを使用者に連結するための手段も有している。概して、身体セグメントとの関係における内転/外転運動(すなわち矢状面に対して平行な運動)は、自由な状態になっている。人間の歩行は、本質的に、非常に短い二足支持段階が散在する不安定な一足支持段階の連続である。不安定な状態は、使用者の重心が支持足の垂直方向に上方に位置していないという事実によって特徴付けられる。結果としての傾動モーメントが、倒立振り子と呼ばれる加速された運動を発生させる。したがって歩行動作は、二足支持と一足支持の間の遷移により分離された(矢状面内及び前額面内の両方で起こる)一連の傾動運動である。
【0003】
歩行用外骨格の使用者が、不動状態(安定した二足姿勢)から歩行へと移行するとき、使用者の脚は、ひとたび規則的歩行が確立された時点よりもさらに離隔している(人間は、歩行時に前額面において両脚をより近づいた状態で動かす傾向にある)ことから、傾動モーメントはさらに強くなる。
【0004】
傾動段階の間、そして同様に二足状態から一足状態への遷移を予測するためにも、使用者は身体を硬直させ、このとき、身体はくるぶしを中心にして、あるいは足の(又は足底の)端部を画定する縁部を中心にして傾動する傾向をもつ。
【0005】
その外転/内転軸が自由な状態になっている外骨格については、傾動モーメントは、身体(骨盤/背中)セグメントとそれが担持する全てのもの、例えば有効荷重を併せたもののこの軸を中心とした角加速度を生成する。この運動は、使用者と外骨格を連結する手段を介して伝達される使用者の反応によって停止され、これらの反応が、結局は乱暴な動揺を起こす。このような状況は使用者にとって不快なものであり、歩行用外骨格の開発を妨げる不安感を生み出す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、二足状況から一足状況へと移行するときの歩行用外骨格の使用者の快適性を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的で、本発明は、歩行用外骨格の下部部材において、矢状面に平行な第1の軸を中心として身体セグメントに関節結合された少なくとも1つの第1の脚セグメントを有する少なくとも1つの身体セグメントを含み、かつ、第1の軸を中心とした第1の脚セグメントの回転をブロックするために選択的に作用するように配設された第1の関節ブロック機構を有する、歩行用外骨格の下部部材を提供する。
第1の関節ブロック機構は、
第1の脚セグメントと共に回転するように機能的に連結するための手段を具備した第1の要素と、
歩行用外骨格の第1の固定点上で第2の回転軸を中心にして回転するように組付けられた第1のスキッドと、
第1のスキッドを第2の回転軸を中心にして回転させるために選択的に作用するように配設された第1のアクチュエータと、を含み、
第1のアクチュエータは、第1の要素が第1の方向及びこの第1の方向とは反対の第2の方向の両方で自由に回転できる第1の自由な状態、及び第1の方向での第1の要素の回転が第1のスキッドに対する第1の要素の引掛りによってブロックされる第2のブロック状態を採用するために、選択的に作用する能力を有している。
【0008】
こうして、コンパクトで及び軽量であり、しかも脚セグメントに対しいかなる有意な慣性も加えることなく関節を迅速にブロックできるようにするブロックシステムが得られる。
【0009】
本出願の意味合いにおいては、引掛りは、2つの部品間の摩擦の増大の結果として2つの部品間の相対的運動が停止されることの帰結であり、この運動の原因が持続すると、ブロックを強化する変形が発生する。
【0010】
下部部材が、矢状面に対し平行な第3の軸を中心として身体セグメントに関節結合された第2の脚セグメントも同様に有する場合、使用者の両方の脚を起動させることが可能である。このとき、歩行用外骨格の下部部材は、第3の軸を中心とした第2の脚セグメントの回転をブロックするために選択的に作用するように配設された第2の関節ブロック機構を有する。
本発明によると、第2の関節ブロック機構は、
第2の脚セグメントと共に回転するように機能的に連結するための手段を具備した第2の要素と、
歩行用外骨格の第2の固定点上で第4の回転軸を中心にして回転するように組付けられた第2のスキッドと、
第2のスキッドを第4の回転軸を中心にして回転させるために選択的に作用するように配設された第2のアクチュエータと、を有する。第2のアクチュエータは、第2の要素が第3の方向及びこの第3の方向とは反対の第4の方向の両方で自由に回転できる第3の自由な状態、及び第3の方向での第2の要素の回転が第2のスキッドに対する第2の要素の引掛りによってブロックされる第4の係止状態を採用するために、選択的に作用する能力を有している。
【0011】
第1の関節ブロック機構が第1の回転式アクチュエータを含み、及び/又は第2の関節ブロック機構が第2の回転式アクチュエータを有する場合に、コンパクトなデバイスが得られる。第1の回転式アクチュエータ及び/又は第2の回転式アクチュエータが電磁石を有する場合に、ブロックは極めて迅速に発生する。
【0012】
有利には、第1の要素は、第1の円筒形セクタを含み、及び/又は第2の要素は第3の円筒形セクタを含み、及び/又は第1のスキッドは、第2の円筒形セクタを含み、及び/又は第2のスキッドは、第4の円筒形セクタを有する。
【0013】
第1の軸及び第2の軸が平行であり、及び/又は第3の軸及び第4の軸が平行である場合に、コンパクトな下部部材が得られる。
【0014】
第1のアクチュエータがその第2のブロック状態にあるとき、第1の要素が第2の方向に回転でき、及び/又は第2のアクチュエータがその第4のブロック状態にあるとき、第2の要素が第4の方向に回転できるような形で下部部材が配設されている場合に、デバイスの信頼性は改善される。
【0015】
第1の要素及び/又は第1のスキッド及び/又は第2の要素及び/又は第2スキッドが摩擦パッドを有する場合に、ブロックの有効性は改善される。
【0016】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の特定の非限定的な実施形態についての以下の説明を読んだ時点で明らかとなる。
【0017】
以下の添付図が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態における、外骨格を装用した使用者の概略的斜視図である。
【
図3】
図3は第2のブロック状態にある
図1の外骨格の部分詳細図である。
【
図4】
図4は本発明の第2の実施形態における外骨格の概略図である。
【
図6】
図6は第2のブロック状態にある
図4の外骨格の部分詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1~3を参照すると、全体的に参照番号1が付されている歩行用外骨格2の下部部材は、使用者100によって装用されている。下部部材1は、身体セグメント10と左側の第1の脚セグメント20を有する。第1の脚セグメント20の第1の端部21が、第1の関節11、具体的には青銅の軸受を介して矢状面Psに平行な第1の外転/内転軸O
S20を中心として自由に関節結合されている。
【0020】
第1の脚セグメント20は同様に、第1の歯車モータ13によって起動される第2の関節12を介して前額面Pf内に存在する軸Of20を中心にして身体セグメント10に対して関節結合されている。第1の脚セグメント20は第2の歯車モータ25によって起動される第3の関節24によって、第1の脛部セグメント23に関節結合された第1の大腿部セグメント22を有する。第1の脚セグメント20の第2の端部26において、左足セグメント40が第1の脛部セグメント23に自由に関節結合されている。身体セグメント10及び左足セグメント40は、それぞれストラップを用いて使用者100の身体110及び左足140に連結されている。任意には、第1の大腿部セグメント22及び第1の脛部セグメント23は、それぞれ、ストラップによって使用者100の脚120の大腿部121及び脛部122に連結され得る。
【0021】
図2を見れば分かるように、第1の脚セグメント20は、第1の大腿部セグメント22と共に回転するように拘束され第1の軸O
S20に沿って延在する第1のシャフト27を有する。第1の歯車モータ13及び第2の歯車モータ25は、バッテリ71も同様に担持する身体セグメント10によって担持されている監視及び制御ユニット70に連結される。歩行用外骨格2は同様に、左足セグメント40内に位置し少なくとも地面に対する圧力を検出する能力を有する圧力センサ72を有する。圧力センサ72は同様に、制御ユニット70にも連結されている。
【0022】
歩行用外骨格2の下部部材1は同様に、身体セグメント10上に組付けられた第1の関節ブロック機構50を有する。第1の関節ブロック機構50は、第1のシャフト27の後端部28にしっかり固定された第1の要素51を有する。この例では、第1の要素51は、第1の半径R51を有し、かつ、第1のセラミック摩擦パッド53によって覆われたその外側表面52を有する鋼製円筒形セクタである。
【0023】
第1の関節ブロック機構50は同様に、第1の電磁石34を有する第1の回転式アクチュエータ33の出力シャフトである第2のシャフト32の端部31にしっかり固定された第1のスキッド30を有する。第1のアクチュエータ33は、身体セグメント10の第1のプレート54上にボルト留めされる。第2の出力シャフト32は、第1の軸OS200に平行でこれから距離d20~32だけ離隔した第2の回転軸OS32に沿って延在する。第1のスキッド30の外側表面35は、第2のセラミック摩擦パッド36で覆われている。この例において、第1のスキッド30は、変動する第2の半径R30を有する鋼製の偏心器である。第2の半径R30は、第1のスキッド30の外側表面35の第1の端部35.1と第2の端部35.2の間で線形的に増大する。
【0024】
有利ではあるものの必須ではない形で、第1の要素51及び第1のスキッド30は、前額面Pfに平行である実質的に同じ平面内に延在する。第1の電磁石34の端子は、制御ユニット70に連結される。
【0025】
第1の電磁石34の端子に対し制御ユニット70が制御電圧を印加していない場合、第1のアクチュエータ33は、第1のスキッド30の第2の摩擦パッド36が第1の要素51の第1のパッド53と接触しておらず、かつ、第1の要素51が第1の方向S
1(この例では、
図2及び3に示されているような時計回り方向)と第1の方向S
1とは反対の第2の方向S
2へも自由に回転できる、第1の自由状態にある。制御ユニット70が第1の電磁石34の端子に対し制御電圧を印加した場合、第2の出力シャフト32は、(
図2及び3に示されているような反時計回り方向S
1’に)約45°にわたって回転し、第1のスキッド30の第2の摩擦パッド36を第1の要素51の第1のパッドと接触させる。このとき、第1のアクチュエータ33は第2のブロック状態にある(
図3)。この第2のブロック状態においては、第1の要素51が第1の方向S
1に回転している間に、第1の要素51の第1のパッド53と第1のスキッド30の第2の摩擦パッド36の間の摩擦は、第1のスキッド30を方向S’
1へ回転させる。第2の半径R30が増大していることから、第1の要素51の第1のスキッド30のスラスト圧力は、第1の方向S
1への第1の要素51の回転運動と共に増大し、これにより、第1の要素が第1の方向S
1へ回転するのを制動する。この制動によって、第1の回転方向S
1への急速な、さらには瞬間的な第1の要素51の回転は、引掛りによりブロックされた状態となる。
【0026】
動作中、使用者100が歩こうとするとき、使用者は、左足140を持ち上げながら右足の上に立ち、こうして圧力センサ72が活動化され、制御ユニット70に測定値を伝送する。このとき、制御ユニット70は、使用者100が歩くために二足段階を離れる意図をもつことを検出し、第1の電磁石34の端子に電圧を印加させ、第1の自由状態(
図2)から第2のブロック状態(
図3)へと移行するようにする。第1のスキッド30は第1の要素51と接触し、第1の要素51の第1の回転方向S
1への回転をブロックする。第1の要素51の回転を係止することの効果は、外転/内転軸を中心とした外転方向への第1の脚セグメント20の第1の関節11の回転をブロックすることにある(身体セグメント10は、下部部材1との関係において下向きに回転している)。
【0027】
こうして、脚セグメント20の外転/内転軸を中心とした回転を脚セグメント20の位置の如何に関わらず動的及び迅速にブロックしブロック解除することのできる、歩行用外骨格2の下部部材1が得られる。したがって、歩行用外骨格2の身体セグメント10及び脚セグメント20は前額面Pf内で剛化されている。二足状況から一足状況への移行時点で歩行用外骨格2の重量によって誘発されるモーメントにより、歩行用外骨格2は全体として、使用者100が追従する運動のように、左足セグメント40の関節を中心として傾動することになる。こうしてこれにより、歩行用外骨格2との連結部が使用者に伝達する動揺は削減される。
【0028】
有利には、第1のアクチュエータ33は、その対抗するトルク(すなわち第2のブロック位置から第1の自由位置までのスキッド30のあらゆる戻りに対抗するトルク)が、第1の要素51上で第1の脚セグメント20を介して使用者100が適用するトルクと比べて(約10%以下だけ)低くなるような形で選択される。したがって、第1の要素51を第1の回転方向S
1とは反対の第2の回転方向S2に回転させることにより、第1のスキッド30は、方向S’
2(
図2及び3に示されている通り明確に反時計回り方向)に回転させられ、これにより、第1の要素51上の第1のスキッド30由来のスラスト圧力は削減され、こうして第1の要素51は第2の方向S
2に回転できるようになる。
【0029】
本発明の第2の実施形態についての以下の説明において、以上で説明したものと同一の又は類似の要素には、同一の参照番号が与えられている。
【0030】
第2の実施形態において、
図4~6を参照すると、歩行用外骨格2は第1の脚セグメント20と類似し、かつ、第4の関節211、具体的には青銅の軸受を介して矢状面Psに平行な第3の外転/内転軸O
S220を中心として身体セグメント10に関節結合されている右側の第2の脚セグメント220を有する。
【0031】
第2の脚セグメント220は同様に、第3の歯車モータ213によって起動される第4の関節211を介して前額面Pf内に存在する軸Of220を中心にして身体セグメント10に対して関節結合されている。第2の脚セグメント220は第4の歯車モータ225によって起動される第5の関節224によって、第2の脛部セグメント223に関節結合された第2の大腿部セグメント222を有する。第2の脚セグメント220の第2の端部226において、右足セグメント240は第2の脛部セグメント223に自由に関節結合されている。右足セグメント240は、ストラップにより使用者100の右足141に連結されている。任意には、第2の大腿部セグメント222及び第2の脛部セグメント223は、それぞれ、ストラップによって使用者100の脚120の大腿部123及び脛部124に連結され得る。
【0032】
図4及び5を見れば分かるように、第2の脚セグメント220は、第2の大腿部セグメント222と共に回転するように拘束され外転軸O
S220に沿って延在する第3のシャフト227を有する。第3の歯車モータ213及び第4の歯車モータ225は、監視及び制御ユニット70に連結される。
【0033】
第2の脚セグメント220の右足セグメント240の下に第2の圧力センサ272が位置している。
【0034】
歩行用外骨格2の下部部材1は同様に、身体セグメント10上に組付けられた第2の関節ブロック機構150を有する。第1の関節ブロック機構50と対応する形で、第2の関節ブロック機構150は、第3のシャフト227の後端部228にしっかり固定された第2の要素151を有する。この例では、第2の要素151は、第1の半径R151を有し、かつ、第3のセラミック摩擦パッド153によって覆われたその外側表面152を有する鋼製円筒形セクタである。
【0035】
第2の関節ブロック機構150は同様に、第2の電磁石134を有する第1の回転式アクチュエータ33の出力シャフトである第4のシャフト132の端部131にしっかり固定された第2のスキッド130を有する。第2のアクチュエータ133は、身体セグメント10の第2のプレート154上にボルト留めされる。第4の出力シャフト132は、第3の軸OS220に平行でこれから距離d220~132だけ離隔した第4の回転軸OS132に沿って延在する。第2のスキッド130の外側表面135は、第4のセラミック摩擦パッド136で覆われている。この例において、第2のスキッド130は、変動する第2の半径R130を有する鋼製の偏心器である。第2の半径R130は、第2のスキッド130の外側表面135の第1の端部135.1と第2の端部135.2の間で線形的に増大する。
【0036】
有利ではあるものの必須ではない形で、第2の要素151及び第2のスキッド130は、前額面Pfに平行である実質的に同じ平面内に延在する。第2の電磁石134の端子は、制御ユニット70に連結される。
【0037】
第2の電磁石134の端子に対し制御ユニット70が制御電圧を印加していない場合、第2のアクチュエータ133は、第2のスキッド130の第4の摩擦パッド136が第2の要素151の第3のパッド153と接触しておらず(
図4及び5)、かつ、第2の要素151が第3の方向S
3(この例では、
図5及び6に示されているような反時計回り方向)と同様、S
3とは反対の第4の方向S
4へも自由に回転できる、第1の自由状態にある。制御ユニット70が第2の電磁石134の端子に対し制御電圧を印加した場合、第4の出力シャフト132は、(
図5及び6に示されているような時計回り方向S
3’に)約45°にわたって回転し、第2のスキッド130の第4のパッド136を第2の要素151の第3のパッド153と接触させる。このとき、第2のアクチュエータ133は第2のブロック状態にある(
図6)。この第2のブロック状態においては、第3の方向S
3(具体的には
図5及び6に示されている反時計回り方向)への第2の要素151の回転中、第2の要素151の第3のパッド153と第2のスキッド130の第4のパッド136の間の摩擦は、第2のスキッド130を方向S’
3(具体的には
図5及び6に示されている時計回り方向)へ回転させる。第2の半径R
130が増大していることから、第2の要素151上の第2のスキッド130のスラスト圧力は、第3の方向S
3での第2の要素151の回転運動と共に増大し、これにより、第2の要素が第3の方向S
3へ回転するのを制動する。この制動によって、第3の回転方向S
3での第2の要素151の回転は、引掛りによりブロックされた状態となる。
【0038】
第2の関節ブロック機構150は、第1の関節ブロック機構50について説明したものと同一の要領で動作する。
【0039】
当然のことながら、本発明は、説明された実施形態に限定されず、請求項によって規定されている通りの本発明の範囲内に入るあらゆる変形形態を網羅する。
【0040】
詳細には、以下の通りである。
上記では、第1の脚セグメントの第1の外転/内転関節及び第2の関節は両方共、前額面内又は矢状面に平行な同じ平面内のいずれかに存在するそれぞれの軸を中心にしているものの、本発明は、これらの関節の他の相対的構成、例えば第1の外転/内転関節が、第1の脚セグメントの第2の関節よりも矢状面に近いところに位置するか又は正に矢状面内に位置するような構成にも同様に適用される。このような構成は、人体の自然な運動にさらに良好に随伴することができる。
【0041】
上記では、第1の関節は青銅の軸受であるが、本発明は、他のタイプの関節、例えば玉継手、ころ軸受、ニードル軸受、玉軸受、又は磁気軸受にも同様に適用される。
【0042】
上記では、第1の要素は、第1のシャフトの後部にしっかり固定されているものの、本発明は、第1の脚セグメントが第1の要素と共に回転するように機能的に拘束するための他の手段、例えば、それ自体第1の脚セグメントと共に回転するように拘束されているシャフトの中間部分又は前方部分にしっかり固定された第1の要素、任意には運動を抑制し及び第1の要素にしっかり固定されているか、又は脚セグメントに連結されている少なくとも1つの歯車を有する歯車列に対しても同様に適用される。
【0043】
上記では、第1及び第2の要素は、恒常な半径の鋼製円筒形セクタであるものの、本発明は、他のタイプの第1及び第2の要素、例えば、完全なホイール、偏心器、又は任意には閉鎖され得る他のあらゆる任意には湾曲した形状に対しても同様に適用される。第1及び第2の要素は、合成材料又は非鉄材料などの他の材料でできていてよい。
【0044】
上記では、第1又は第2のスキッドは、線形的に変動する半径を有する鋼製の円筒形セクタであるものの、本発明は、他のタイプの第1又は第2のスキッド、例えば完全なホイール、偏心器又は、任意には閉鎖され得、恒常であっても非線形的に変動してもよい半径を有する他のあらゆる任意には湾曲した形状、に対しても同様に適用される。第1及び第2のスキッドは、合成材料又は非鉄材料などの他の材料でできていてよい。
【0045】
上記では、第1のアクチュエータは身体セグメントに対しボルトで連結されているものの、本発明は、外骨格の固定点に対する他のタイプの連結、例えば接着剤、リベット留め、又はねじ締結などに対しても同様に適用される。
【0046】
上記では、アクチュエータのシャフトは、第1の要素の回転軸に対し平行である軸に沿って延在しているものの、本発明は、軸の他の相対的配向、例えば第1のアクチュエータシャフトが、第1の要素の回転軸に直交する配向などに対しても同様に適用される。
【0047】
上記では、第1及び第2の要素及び第1及び第2のスキッドの摩擦パッドはセラミック製であるものの、本発明は、摩擦パッドを有していない(スチールオンスチールブレーキ)か、カーボン又はポリ(p-フェニレンテラフタルアミド)を含み得る他のタイプのパッドを備えた要素及び/又はスキッドに対しても同様に適用される。
【0048】
上記では、外骨格の下部部材が1つ又は2つの関節ブロック機構を有するものの、本発明は、例えば3つ以上などの2個超の関節ブロック機構を有する下部部材に対しても同様に適用される。
【0049】
上記では、アクチュエータのシャフトは約45°にわたって回転するものの、本発明は、45°超又は45°未満であり得る他のいくつかの振幅にわたって回転する出口シャフトを有する回転式アクチュエータに対しても同様に適用される。
【0050】
上記では、第1のセグメントは、起動された脛部セグメントに対し自由に関節結合されているものの、本発明は、外骨格の異なるセグメントを起動するための他の構成、例えば脛部セグメントにより起動される足セグメント又は大腿部セグメントに対して自由に関節結合されている脛部セグメントに対しても同様に適用される。
【0051】
上記では、外骨格はバッテリを有するものの、本発明は、他の外骨格の電源手段、例えば電線を介した電力、空気圧動力、又は油圧動力に対しても同様に適用される。
【0052】
上記では、外骨格は、外骨格の足セグメントの下に位置する圧力センサを含んでいるものの、本発明は、外骨格の姿勢を検出するため又は二足状況から一足状況への外骨格の移行を検出するための他の手段、例えば、身体セグメント内に位置する慣性ユニット、外骨格の足セグメントの下又は使用者の足の下に設置された接触器、ジャイロ又は筋電センサ、に対しても同様に適用される。
【0053】
上記では、関節ブロック機構は身体セグメント上に組付けられているものの、本発明は、外骨格内の他の別の位置設定を有する関節ブロック機構、例えば外骨格の背側部に連結された関節ブロック機構に対しても同様に適用される。
【0054】
以上では、第1のアクチュエータの第1の出力シャフトは、矢状面に平行な軸を中心にして回転するように組付けられているものの、本発明は、他の別の配向を有するドラムの回転軸に対しても同様に適用される;
【0055】
上記では、第1及び第2のアクチュエータは電磁回転式アクチュエータであるものの、本発明は、他のタイプのアクチュエータ、例えば空気圧シリンダタイプ、ラックアンドピニオンタイプの線形アクチュエータ、又は回転空気圧式アクチュエータに対しても同様に適用される。
【0056】
上記では、脚セグメントは大腿部セグメント上で起動される脛部セグメントを有するものの、本発明は、他の起動構成、例えばいかなるアクチュエータも有していない脚セグメントなどに対しても同様に適用される。
【0057】
上記では、下部部材は、使用者の身体に連結されその中に脚セグメントを有する身体セグメントを有するものの、本発明は、他のタイプの身体セグメント、例えば使用者の骨盤又は背中に連結するのに好適である身体セグメントに対しても同様に適用される。
【0058】
上記では、左側の第1の脚セグメントの第1の端部は、玉継手によって身体セグメントに関節結合されているものの、本発明は、他のタイプの関節、例えば動的に等価の形で配設された3軸連結に対しても同様に適用される。
【0059】
上記では、第1の要素は、第1の軸に平行な軸を中心として回転するように組付けられているものの、本発明は、第1の要素の回転軸についての他の配向、例えば第1の要素がアングル歯車を用いて第1の脚セグメントに連結されている配向に対しても同様に適用される。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
上記では、第1の要素は、第1の軸に平行な軸を中心として回転するように組付けられているものの、本発明は、第1の要素の回転軸についての他の配向、例えば第1の要素がアングル歯車を用いて第1の脚セグメントに連結されている配向に対しても同様に適用される。
本発明の態様(構成)として以下に示すものがある。
[態様1]
歩行用外骨格(2)の下部部材(1)において、
該下部部材(1)は、矢状面(Ps)に平行な第1の軸(OS20)を中心として身体セグメントに関節結合された少なくとも1つの第1の脚セグメント(20)を有する少なくとも1つの身体セグメント(10)を含み、
前記歩行用外骨格(2)の下部部材(1)は、前記第1の軸(OS20)を中心とした前記第1の脚セグメント(20)の回転をブロックするために選択的に作用するように配設された第1の関節ブロック機構(50)を含み、
該第1の関節ブロック機構(50)は、
前記第1の脚セグメント(20)と共に回転するように機能的に連結するための手段を具備した第1の要素(51)と、
前記歩行用外骨格(2)の第1の固定点(54)上で第2の回転軸(OS32)を中心にして回転するように組付けられた第1のスキッド(30)と、
該第1のスキッド(30)を前記第2の回転軸(OS32)を中心にして回転させるために選択的に作用するように配設された第1のアクチュエータ(33)と、を有し、
該第1のアクチュエータ(33)は、前記第1の要素(51)が第1の方向(S1)及び該第1の方向(S1)とは反対の第2の方向(S2)の両方で自由に回転できる第1の自由な状態、及び前記第1の方向(S1)での前記第1の要素(51)の回転が前記第1のスキッド(30)に対する前記第1の要素(51)の引掛りによってブロックされる第2のブロック状態を採用するために、選択的に作用する能力を有している、下部部材(1)。
[態様2]
前記矢状面(Ps)に対し平行な第3の軸(OS220)を中心として前記身体セグメント(10)に関節結合された第2の脚セグメント(220)を有し、
前記歩行用外骨格(2)の前記下部部材(1)は、前記第3の軸(OS220)を中心とした前記第2の脚セグメント(220)の回転をブロックするために選択的に作用するように配設された第2の関節ブロック機構(150)を有し、
前記第2の関節ブロック機構(150)は、
前記第2の脚セグメント(220)と共に回転するように機能的に連結するための手段を具備した第2の要素(151)と、
前記歩行用外骨格(2)の第2の固定点(154)上で第4の回転軸(OS132)を中心にして回転するように組付けられた第2のスキッド(130)と、
前記第2のスキッド(130)を前記第4の回転軸(OS132)を中心にして回転させるために選択的に作用するように配設された第2のアクチュエータ(133)と、を有し、
前記第2のアクチュエータ(133)は、前記第2の要素(151)が第3の方向(S3)及び該第3の方向(S3)とは反対の第4の方向(S4)の両方で自由に回転できる第3の自由な状態、及び前記第3の方向(S3)での前記第2の要素(151)の回転が前記第2のスキッド(130)に対する第2の要素(151)の引掛りによってブロックされる第4の係止状態を採用するために、選択的に作用する能力を有している、
態様1に記載の下部部材(1)。
[態様3]
前記第1の関節ブロック機構(50)は第1の回転式アクチュエータ(33)を有し、及び/又は前記第2の関節ブロック機構(150)は第2の回転式アクチュエータ(133)を有する、態様2に記載の下部部材(1)。
[態様4]
前記第1の回転式アクチュエータ(33)及び/又は前記第2の回転式アクチュエータ(133)は電磁石(34、134)を有する、態様3に記載の下部部材(1)。
[態様5]
前記第1の要素(51)は第1の円筒形セクタを含み、及び/又は前記第2の要素(151)は第3の円筒形セクタを有する、態様2~4の何れか一項に記載の下部部材(1)。
[態様6]
前記第1のスキッド(30)は第2の円筒形セクタを有し、及び/又は前記第2のスキッド(130)は第4の円筒形セクタを有する、態様2~5の何れか一項に記載の下部部材(1)。
[態様7]
前記第1の軸(OS20)及び前記第2の回転軸(OS32)は平行であり、及び/又は前記第3の軸(OS220)及び前記第4の回転軸(OS132)は平行である、態様2~6の何れか一項に記載の下部部材(1)。
[態様8]
前記第1のアクチュエータ(33)が第2のブロック状態にあるとき、前記第1の要素(51)は前記第2の方向(S2)に回転でき、及び/又は前記第2のアクチュエータ(133)が第4のブロック状態にあるとき、前記第2の要素(151)は前記第4の方向(S4)に回転できる、態様2~7の何れか一項に記載の下部部材(1)。
[態様9]
前記第1の要素(51)及び/又は前記第1のスキッド(30)及び/又は前記第2の要素(151)及び/又は前記第2のスキッド(130)は摩擦パッド(36、53、136、153)を有する、態様2~8の何れか一項に記載の下部部材(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行用外骨格(2)の下部部材(1)において、
該下部部材(1)は、矢状面(Ps)に平行な第1の軸(OS20)を中心として身体セグメントに関節結合された少なくとも1つの第1の脚セグメント(20)を有する少なくとも1つの身体セグメント(10)を含み、
前記歩行用外骨格(2)の下部部材(1)は、前記第1の軸(OS20)を中心とした前記第1の脚セグメント(20)の回転をブロックするために選択的に作用するように配設された第1の関節ブロック機構(50)を含み、
該第1の関節ブロック機構(50)は、
前記第1の脚セグメント(20)と共に回転するように機能的に連結するための手段を具備した第1の要素(51)と、
前記歩行用外骨格(2)の第1の固定点(54)上で第2の回転軸(OS32)を中心にして回転するように組付けられた第1のスキッド(30)と、
該第1のスキッド(30)を前記第2の回転軸(OS32)を中心にして回転させるために選択的に作用するように配設された第1のアクチュエータ(33)と、を有し、
該第1のアクチュエータ(33)は、前記第1の要素(51)が第1の方向(S1)及び該第1の方向(S1)とは反対の第2の方向(S2)の両方で自由に回転できる第1の自由な状態と、及び前記第1の方向(S1)での前記第1の要素(51)の回転が前記第1のスキッド(30)に対する前記第1の要素(51)の引掛りによってブロックされ、前記第1の要素(51)は前記第2の方向(S2)に回転できる、第2のブロック状態とを、採用するために、選択的に作用する能力を有している、下部部材(1)。
【請求項2】
前記矢状面(Ps)に対し平行な第3の軸(OS220)を中心として前記身体セグメント(10)に関節結合された第2の脚セグメント(220)を有し、
前記歩行用外骨格(2)の前記下部部材(1)は、前記第3の軸(OS220)を中心とした前記第2の脚セグメント(220)の回転をブロックするために選択的に作用するように配設された第2の関節ブロック機構(150)を有し、
前記第2の関節ブロック機構(150)は、
前記第2の脚セグメント(220)と共に回転するように機能的に連結するための手段を具備した第2の要素(151)と、
前記歩行用外骨格(2)の第2の固定点(154)上で第4の回転軸(OS132)を中心にして回転するように組付けられた第2のスキッド(130)と、
前記第2のスキッド(130)を前記第4の回転軸(OS132)を中心にして回転させるために選択的に作用するように配設された第2のアクチュエータ(133)と、を有し、
前記第2のアクチュエータ(133)は、前記第2の要素(151)が第3の方向(S3)及び該第3の方向(S3)とは反対の第4の方向(S4)の両方で自由に回転できる第3の自由な状態と、及び前記第3の方向(S3)での前記第2の要素(151)の回転が前記第2のスキッド(130)に対する第2の要素(151)の引掛りによってブロックされ、前記第2の要素(151)は前記第4の方向(S4)に回転できる、第4の係止状態と、を採用するために、選択的に作用する能力を有している、
請求項1に記載の下部部材(1)。
【請求項3】
前記第1の関節ブロック機構(50)は第1の回転式アクチュエータ(33)を有し、及び/又は前記第2の関節ブロック機構(150)は第2の回転式アクチュエータ(133)を有する、請求項2に記載の下部部材(1)。
【請求項4】
前記第1の回転式アクチュエータ(33)及び/又は前記第2の回転式アクチュエータ(133)は電磁石(34、134)を有する、請求項3に記載の下部部材(1)。
【請求項5】
前記第1の要素(51)は第1の円筒形セクタを含み、及び/又は前記第2の要素(151)は第3の円筒形セクタを有する、請求項2~4の何れか一項に記載の下部部材(1)。
【請求項6】
前記第1のスキッド(30)は第2の円筒形セクタを有し、及び/又は前記第2のスキッド(130)は第4の円筒形セクタを有する、請求項2~5の何れか一項に記載の下部部材(1)。
【請求項7】
前記第1の軸(OS20)及び前記第2の回転軸(OS32)は平行である、請求項1~6の何れか一項に記載の下部部材(1)。
【請求項8】
前記第3の軸(OS220)及び前記第4の回転軸(OS132)は平行である、請求項2~7の何れか一項に記載の下部部材(1)。
【請求項9】
前記第1の要素(51)及び/又は前記第1のスキッド(30)は摩擦パッド(36、53、136、153)を有する、請求項1~8の何れか一項に記載の下部部材(1)。
【請求項10】
前記第2の要素(151)及び/又は前記第2のスキッド(130)は摩擦パッド(36、53、136、153)を有する、請求項1~9の何れか一項に記載の下部部材(1)。