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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124016
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】注意喚起装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240905BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20240905BHJP
   F21V 29/67 20150101ALI20240905BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240905BHJP
【FI】
G08G1/16 A
F21V29/508
F21V29/67
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031894
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100227732
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 祥二
(72)【発明者】
【氏名】西村 安弘
(72)【発明者】
【氏名】水野 隆教
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA21
5H181BB04
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL07
5H181LL08
5H181MB12
(57)【要約】
【課題】 注意喚起装置において、気密性を保ちつつ、熱による不具合の発生を抑制する技術を提供する。
【解決手段】 注意喚起装置は、検出部と、光と音を含む、対象者に注意を喚起するための複数種類の警告手段のうち、少なくとも1つを発生させる警告部と、検出部および警告部の少なくとも一つを制御する制御部と、のうちの少なくとも一つを含んで構成される複数の機能モジュールと、機能モジュールを冷却する冷却モジュールと、機能モジュールと冷却モジュールとを接続する接続部であって、機能モジュールと冷却モジュールとを互いに脱着可能にする接続部と、を備え、機能モジュールは、検出部と警告部と制御部とのうちの少なくとも一つを収容する収容部を有し、冷却モジュールは、収容部の内側と冷却モジュールの内側とを連通する第1の開口と、冷却モジュールの内側と冷却モジュールの外部とを連通する第2の開口と、を有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体が接近している対象者に対して注意を喚起する注意喚起装置であって、
前記物体を検出する検出部と、光と音を含む、前記対象者に注意を喚起するための複数種類の警告手段のうち、少なくとも1つを発生させる警告部と、前記検出部および前記警告部の少なくとも一つを制御する制御部と、のうちの少なくとも一つを含んで構成される複数の機能モジュールと、
前記機能モジュールを冷却する冷却モジュールと、
前記機能モジュールと前記冷却モジュールとを接続する接続部であって、前記機能モジュールと前記冷却モジュールとを互いに脱着可能にする接続部と、を備え、
前記機能モジュールは、前記検出部と前記警告部と前記制御部とのうちの少なくとも一つを収容する収容部を有し、
前記冷却モジュールは、前記収容部の内側と前記冷却モジュールの内側とを連通する第1の開口と、前記冷却モジュールの内側と前記冷却モジュールの外部とを連通する第2の開口と、を有する、
注意喚起装置。
【請求項2】
請求項1に記載の注意喚起装置であって、
前記冷却モジュールは、
複数の前記機能モジュールのうちの2つの機能モジュールのそれぞれに接続しており、
前記2つの機能モジュールのそれぞれの収容部の内側に連通する2つの前記第1の開口を有する、
注意喚起装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の注意喚起装置であって、
複数の前記冷却モジュールを備えており、
前記機能モジュールは、複数の前記冷却モジュールのうちの2つの冷却モジュールのそれぞれに接続している、
注意喚起装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の注意喚起装置であって、
前記冷却モジュールは、筒状部材であり、
前記接続部は、前記筒状部材の端部に設けられ、
前記第1の開口は、前記接続部に形成されており、
前記第2の開口は、前記筒状部材の側壁に形成されている、
注意喚起装置。
【請求項5】
請求項4に記載の注意喚起装置であって、
前記第2の開口は、複数の前記機能モジュールと前記冷却モジュールとを鉛直方向に沿って並べて接続させた状態において、外側の部分が内側の部分に比べ、低い位置にある、
注意喚起装置。
【請求項6】
請求項4に記載の注意喚起装置は、さらに、
前記検出部と前記警告部と前記制御部とのうちの少なくとも二つを電気的に接続する接続ケーブルを備え、
前記冷却モジュールは、前記接続ケーブルの移動を規制する移動規制部を内側に有しており、
前記移動規制部は、前記第2の開口の内側の部分から離れた位置に設けられている、
注意喚起装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の注意喚起装置であって、
前記冷却モジュールは、外部の気体を前記収容部内に送る送風部を有する、
注意喚起装置。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の注意喚起装置であって、
前記機能モジュールは、前記検出部と前記警告部と前記制御部とのうちの少なくとも一つに接する金属製の放熱板を有する、
注意喚起装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注意喚起装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、歩行者に対して、接近する物体に関する注意を喚起する注意喚起装置が知られている(例えば、特許文献1)。注意喚起装置は、屋外で使用される機会が多く、接近する物体を検出する検出部や歩行者に対して警告を発する警告部、検出部や警告部を制御する制御部は、気密性を有するケースに収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-64178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、連続使用によって制御部などで熱が発生すると、気密性を有するケースの内側に熱がこもりやすい。このため、制御部の温度が上昇し、熱暴走などの不具合が発生するおそれがある。したがって、注意喚起装置において、気密性を保ちつつ、熱による不具合の発生を抑制する技術が望まれていた。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、注意喚起装置において、気密性を保ちつつ、熱による不具合の発生を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、物体が接近している対象者に対して注意を喚起する注意喚起装置が提供される。この注意喚起装置は、前記物体を検出する検出部と、光と音を含む、前記対象者に注意を喚起するための複数種類の警告手段のうち、少なくとも1つを発生させる警告部と、前記検出部および前記警告部の少なくとも一つを制御する制御部と、のうちの少なくとも一つを含んで構成される複数の機能モジュールと、前記機能モジュールを冷却する冷却モジュールと、前記機能モジュールと前記冷却モジュールとを接続する接続部であって、前記機能モジュールと前記冷却モジュールとを互いに脱着可能にする接続部と、を備え、前記機能モジュールは、前記検出部と前記警告部と前記制御部とのうちの少なくとも一つを収容する収容部を有し、前記冷却モジュールは、前記収容部の内側と前記冷却モジュールの内側とを連通する第1の開口と、前記冷却モジュールの内側と前記冷却モジュールの外部とを連通する第2の開口と、を有する。
【0008】
この構成によれば、機能モジュールは、制御部などを収容する収容部を有しており、気密性を有する。機能モジュールを冷却する冷却モジュールは、収容部の内側と冷却モジュールの内側とを連通する第1の開口と、冷却モジュールの内側と冷却モジュールの外部とを連通する第2の開口と、を有する。これにより、第1の開口と第2の開口とを介して収容部の内側に導入される外部の気体によって制御部などを冷却することができる。したがって、収容部によって気密性を保ちつつ、制御部などにおいて熱によって不具合が発生することを抑制することができる。
【0009】
(2)上記形態の注意喚起装置において、前記冷却モジュールは、複数の前記機能モジュールのうちの2つの機能モジュールのそれぞれに接続しており、前記2つの機能モジュールのそれぞれの収容部の内側に連通する2つの前記第1の開口を有してもよい。この構成によれば、冷却モジュールは、2つの機能モジュールのそれぞれの収容部の内側に連通する2つの第1の開口を有する。これにより、1つの第2の開口を介して2つの機能モジュールのそれぞれの収容部の内側を冷却モジュールの外部と連通させることができる。したがって、1つの冷却モジュールで2つの機能モジュールのそれぞれに収容されている制御部などを冷却することができるため、熱による不具合の発生を効率的に抑制することができる。
【0010】
(3)上記形態の注意喚起装置において、複数の前記冷却モジュールを備えており、前記機能モジュールは、複数の前記冷却モジュールのうちの2つの冷却モジュールのそれぞれに接続していてもよい。この構成によれば、機能モジュールは、自身の内側と外部とが連通可能な2つの冷却モジュールに挟まれるように接続されている。これにより、2つの冷却モジュールのうちの一方において外部から内側に流入する外部の気体は、機能モジュールの収容部の内側を通り、2つの冷却モジュールのうちの他方の内側から外部に排出される。したがって、収容部の内側において気体が流れやすくなるため、収容部に収容されている制御部などを安定して冷却することができる。したがって、熱による不具合の発生を安定して抑制することができる。
【0011】
(4)上記形態の注意喚起装置において、前記冷却モジュールは、筒状部材であり、前記接続部は、前記筒状部材の端部に設けられ、前記第1の開口は、前記接続部に形成されており、前記第2の開口は、前記筒状部材の側壁に形成されていてもよい。この構成によれば、筒状部材である冷却モジュールは、端部に設けられている接続部に、機能モジュールの収容部の内側と自身の内側と連通する第1の開口を有し、側壁に、冷却モジュールの内側と外部とを連通する第2の開口を有している。これにより、冷却モジュールの外部から、第2の開口と第1の開口とを通り、機能モジュールの収容部の内側へと流れる気体は、流れの方向が変化するため、気体に含まれる外部の塵や埃が収容部の内側まで到達しにくい。したがって、塵や埃による不具合の発生を抑制することができる。
【0012】
(5)上記形態の注意喚起装置において、前記第2の開口は、複数の前記機能モジュールと前記冷却モジュールとを鉛直方向に沿って並べて接続させた状態において、外側の部分が内側の部分に比べ、低い位置にあってもよい。この構成によれば、筒状部材である冷却モジュールの側壁に形成されている第2の開口は、複数の機能モジュールと冷却モジュールとを鉛直方向に沿って並べて接続させた状態では、外側の部分が内側の部分に比べ低くなっている。これにより、例えば、雨が降った場合でも、雨粒が第2の開口を通って注意喚起装置の内側に入りにくい。したがって、雨水による不具合の発生を抑制することができる。
【0013】
(6)上記形態の注意喚起装置において、前記検出部と前記警告部と前記制御部とのうちの少なくとも二つを電気的に接続する接続ケーブルを備え、前記冷却モジュールは、前記接続ケーブルの移動を規制する移動規制部を内側に有しており、前記移動規制部は、前記第2の開口の内側の部分から離れた位置に設けられていてもよい。この構成によれば、注意喚起装置が備える接続ケーブルは、冷却モジュールの移動規制部によって、冷却モジュールの内側での移動が規制されている。移動規制部は、筒状部材の側壁に形成されている第2の開口の内側の部分から離れた位置に設けられている。これにより、移動規制部や移動規制部に移動を規制されている接続ケーブルが、第2の開口における気体の流れを妨げることを抑制できる。したがって、収容部に収容されている制御部などを確実に冷却することができるため、熱による不具合の発生を抑制することができる。
【0014】
(7)上記形態の注意喚起装置において、前記冷却モジュールは、外部の気体を前記収容部内に送る送風部を有してもよい。この構成によれば、冷却モジュールは、送風部によって外部の気体を強制的に収容部の内側に送ることができる。これにより、収容部に収容されている制御部などを確実に冷却することができるため、熱による不具合の発生を抑制することができるとともに、冷却モジュールの冷却性能を向上させることができる。
【0015】
(8)上記形態の注意喚起装置において、前記機能モジュールは、前記検出部と前記警告部と前記制御部とのうちの少なくとも一つに接する金属製の放熱板を有してもよい。この構成によれば、制御部などの熱は、金属製の放熱板を介して効率的に放出される。したがって、熱による不具合の発生をさらに抑制することができる。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、注意喚起装置の製造方法、注意喚起装置が備える各モジュールの製造方法、注意喚起装置を含むシステム、これら装置およびシステムの制御方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態の注意喚起装置の全体図である。
図2】注意喚起装置の第1の部分断面模式図である。
図3】注意喚起装置の第2の部分断面模式図である。
図4】第1の冷却モジュールの断面模式図である。
図5】第2の冷却モジュールの断面模式図である。
図6図5のA-A線断面図である。
図7】冷却モジュールの効果を説明する第1の図である。
図8】冷却モジュールの効果を説明する第2の図である。
図9】第2実施形態の冷却モジュールの断面模式図である。
図10図9のB-B線断面図である。
図11】第3実施形態の冷却モジュールの断面模式図である。
図12図11のC-C線断面図である。
図13】第1実施形態の注意喚起装置の変形例の断面模式図である。
図14】第2実施形態の冷却モジュールの変形例の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態の注意喚起装置1の全体図である。第1実施形態の注意喚起装置1は、例えば、見通しが悪い通路において、注意喚起装置1から見て第1の方向を移動する第1の歩行者と、第1の方向とは異なる第2の方向を移動する第2の歩行者とを検出可能に設置される。注意喚起装置1は、第1の歩行者(対象者)に衝突するおそれがある第2の歩行者(物体)が存在する場合、第1の歩行者に第2の歩行者が接近していることを知らせて、第2の歩行者に対する注意を第1の歩行者に喚起させる。また、注意喚起装置1は、第2の歩行者(対象者)に衝突するおそれがある第1の歩行者(物体)が存在する場合、第2の歩行者に第1の歩行者が接近していることを知らせて、第1の歩行者に対する注意を第2の歩行者に喚起させることも可能である。本実施形態の注意喚起装置1は、複数の機能モジュール11,12,13,14と、第1の冷却モジュール20と、第2の冷却モジュール30と、機能モジュール11,12,13,14と第1の冷却モジュール20と第2の冷却モジュール30とのうちのいずれか2つを接続する接続部と、支柱15と、を備える。本実施形態では、注意喚起装置1は、設置面9上において、鉛直方向(図1に示す矢印VDが示す方向)に沿って、複数の機能モジュール11,12,13,14と、第1の冷却モジュール20と、第2の冷却モジュール30と、が縦積みされている。なお、本実施形態では、注意喚起装置1が検出する物体を歩行者としたが、物体は、歩行者に限定されず、自転車や車両であってもよい。また、物体が接近していることを知らされる対象者も歩行者としたが、対象者は、歩行者に限定されず、自転車や車両を運転している運転者であってもよい。
【0019】
機能モジュール11は、検出モジュールである。機能モジュール11は、注意喚起装置1から見て第1の方向を移動する第1の歩行者を検出する。
【0020】
図2は、本実施形態の注意喚起装置の第1の部分断面模式図であって、1つの機能モジュール11が第1の冷却モジュール20と第2の冷却モジュール30とに挟まれている部分の断面模式図である。機能モジュール11は、カメラ11aと制御部11bとを備えている。カメラ11aと制御部11bとは、略円柱形状を有する密閉構造のモジュールケース11cの内側に収容されている。カメラ11aは、注意喚起装置1から見て第1の歩行者が歩行している第1の方向の外景を撮像可能に配置されている。カメラ11aは、接続ケーブル11dを介して第1の方向の撮像画像を制御部11bに送る。制御部11bは、カメラ11aから送られる第1の方向の撮像画像を解析し、撮像画像に含まれる物体を検出する。制御部11bは、撮像画像に含まれる物体の検出結果を、機能モジュール13に送信する。本実施形態では、機能モジュール11は、金属製の放熱板11eを有する。放熱板11eは、比較的発熱量が大きい制御部11bに接するように設けられている。なお、検出モジュールである機能モジュール11が物体を検出する方法は、カメラによる外景の撮像に限定されず、レーザレーダ、赤外線、音波などを使って検出してもよい。
【0021】
機能モジュール12は、発光部12aを備える警告モジュールであって、第2歩行者が接近していることを第1歩行者に対して警告する。発光部12aは、通信機能と受電機能とを有する。発光部12aは、略円柱形状を有する密閉構造のモジュールケース12bの壁面に取り付けられ、通信機能と受電機能を担う部分がモジュールケース12bの内側に収容されている。発光部12aは、例えば、3in1タイプの白色LEDである。発光部12aは、接続ケーブル11fを介して機能モジュール11の制御部11bと電気的に接続している。発光部12aは、機能モジュール13が送信する第2の方向の撮像画像に含まれる物体の検出結果に基づく、制御部11bからの発光パターンを含む発光指令に応じて、発光する。本実施形態では、発光部12aは、第1の歩行者の足下を照らすために常時点灯しており、制御部11bからの発光指令が入力されると、点灯していた光を点滅させる。なお、第1歩行者に対して第2歩行者が接近していることを警告する機能モジュール12による警告の方法は、光に限定されず、音であってもよいし、音と光とを組み合わせもよい。
【0022】
機能モジュール13は、検出モジュールである。機能モジュール13は、注意喚起装置1から見て第2の方向を移動する第2の歩行者を検出する。
【0023】
図3は、本実施形態の注意喚起装置の第2の部分断面模式図であって、第1の冷却モジュール20が機能モジュール12と機能モジュール13とに挟まれている部分の断面模式図である。機能モジュール13は、カメラ13aと制御部13bとを備えている。カメラ13aと制御部13bとは、略円柱形状を有する密閉構造のモジュールケース13cの内側に収容されている。カメラ13aは、注意喚起装置1から見て第2の歩行者が歩行している第2の方向の外景を撮像可能に配置されている。カメラ13aは、接続ケーブル13dを介して第2の方向の撮像画像を制御部13bに送る。制御部13bは、カメラ13aから送られる第2の方向の撮像画像を解析し、撮像画像に含まれる物体を検出する。制御部13bは、撮像画像に含まれる物体の検出結果を、機能モジュール11の制御部11bに送信する。本実施形態では、機能モジュール13は、金属製の放熱板13eを有する。放熱板13eは、比較的発熱量が大きい制御部13bに接するように設けられている。なお、検出モジュールである機能モジュール13が物体を検出する方法は、カメラによる外景の撮像に限定されず、レーザレーダ、赤外線、音波などを使って検出してもよい。
【0024】
機能モジュール14は、発光部14aを備える警告モジュールであって、第1歩行者が接近していることを第2歩行者に対して警告する。発光部14aは、通信機能と受電機能とを有する。発光部14aは、略円柱形状を有する密閉構造のモジュールケース14bの壁面に取り付けられ、通信機能と受電機能を担う部分がモジュールケース14bの内側に収容されている。発光部14aは、例えば、3in1タイプの白色LEDである。発光部14aは、図示しない接続ケーブルを介して機能モジュール13の制御部13bと電気的に接続している。発光部14aは、機能モジュール11の制御部11bが送信する第1の方向の撮像画像に含まれる物体の検出結果に基づく、制御部13bからの発光パターンを含む発光指令に応じて、発光する。本実施形態では、発光部14aは、第2の歩行者の足下を照らすために常時点灯しており、制御部13bからの発光指令が入力されると、点灯していた光を点滅させる。なお、第2歩行者に対して第1歩行者が接近していることを警告する機能モジュール14による警告の方法は、光に限定されず、音であってもよいし、音と光とを組み合わせもよい。
【0025】
第1の冷却モジュール20は、図1に示すように、注意喚起装置1において、機能モジュール11に対して鉛直方向上側と、機能モジュール12と機能モジュール13との間とのそれぞれに、設置されている。すなわち、注意喚起装置1は、複数の第1の冷却モジュール20を備える。第1の冷却モジュール20は、接続される機能モジュールの内側と注意喚起装置1の外部とを連通する。
【0026】
図4は、本実施形態の第1の冷却モジュール20の断面模式図である。第1の冷却モジュール20は、モジュールケース21と、凸部22と、凹部23と、送風部24と、を有する。図4には、図1と同様に、注意喚起装置1における鉛直方向を示す矢印VDを示す。
【0027】
モジュールケース21は、略筒状の部材であって、モジュールケース21の中心軸C21に沿って形成される3つの貫通孔21a,21b,21cを有する。モジュールケース21は、3つの貫通孔21a,21b,21cによって、鉛直方向に貫通するように形成されている。本実施形態では、貫通孔21aは、貫通孔21bに比べ内径が小さくなるように形成されており、貫通孔21bは、貫通孔21cに比べ内径が小さくなるように形成されている。貫通孔21aは、自身の鉛直方向上側に設けられる凸部22内の開口22aと連通している。貫通孔21bを形成するモジュールケース21の側壁には、貫通孔21bとモジュールケース21の外部とを連通する複数の通風孔25が形成されている。複数の通風孔25は、モジュールケース21の中心軸C21の中心として、略等しい角度間隔となるように形成されている。本実施形態では、複数の通風孔25のそれぞれでは、図4に示すように、通風孔25の外側の部分25aが、通風孔25の内側の部分25bに比べ、鉛直方向において低くなるように形成されている。貫通孔21cは、自身の鉛直方向下側に設けられる凹部23内の開口23aと連通している。貫通孔21cには、モジュールケース21の内側に、空気の流れを強制的に形成可能な送風部24が設けられている。
【0028】
凸部22は、第1の冷却モジュール20において鉛直方向上側の端部に設けられる。凸部22は、隣接する機能モジュールや、後述する注意喚起装置1の頭頂部16と接続するための接続部となる。凸部22内の開口22aは、凸部22によって接続される機能モジュールの内側と貫通孔21a,21b,21cとを連通する。
【0029】
凹部23は、第1の冷却モジュール20において鉛直方向下側の端部に設けられる。凹部23は、例えば、図2に示すように、第1の冷却モジュール20と機能モジュール11とを接続するように、隣接する機能モジュールと接続するための接続部となる。凹部23内の開口23aは、凹部23によって接続される機能モジュールの内側と貫通孔21a,21b,21cとを連通する。
【0030】
第2の冷却モジュール30は、図1に示すように、注意喚起装置1において、機能モジュール11と機能モジュール12との間と、機能モジュール13と機能モジュール14との間とのそれぞれに、設置されている。すなわち、注意喚起装置1は、複数の第2の冷却モジュール30を備える。第2の冷却モジュール30は、接続される機能モジュールの内側と注意喚起装置1の外部とを連通する。
【0031】
図5は、本実施形態の第2の冷却モジュール30の断面模式図である。第2の冷却モジュール30は、モジュールケース31と、凸部32と、凹部33と、を有する。図5には、図1と同様に、注意喚起装置1における鉛直方向を示す矢印VDを示す。
【0032】
モジュールケース31は、略筒状の部材であって、モジュールケース31の中心軸C31に沿って形成される貫通孔31aが形成されている。貫通孔31aは、自身の鉛直方向上側に設けられる凸部32内の開口32aと、自身の鉛直方向下側に設けられる凹部33内の開口33aと、に連通している。貫通孔31aを形成するモジュールケース31の側壁には、貫通孔31aとモジュールケース31の外部とを連通する複数の通風孔34が形成されている。本実施形態では、複数の通風孔34のそれぞれは、図6に示すように、通風孔34の外側の開口部分34aが、通風孔34の内側の開口部分34bに比べ、鉛直方向において低くなるように形成されている。
【0033】
図6は、図5のA-A線断面図である。モジュールケース31に形成されている複数の通風孔34は、図6に示すように、モジュールケース31の中心軸C31の中心として、略等しい角度間隔となるように形成されている。本実施形態では、機能モジュール11の制御部11bと機能モジュール12の発光部12aとを接続する接続ケーブル11fは、第2の冷却モジュール30の内側を通る。そこで、接続ケーブル11fは、図6に示すように、貫通孔31aを形成するモジュールケース31の内壁のうち、隣り合う内側の開口部分34bの間の部分31bに取り付けられる。これにより、接続ケーブル11fが、注意喚起装置1内の空気の流れを妨げることを抑制できる。
【0034】
本実施形態の注意喚起装置1では、接続部は、複数の機能モジュール11,12,13,14と、第1の冷却モジュール20と、第2の冷却モジュール30とのそれぞれに設けられている凹部および凸部を指す。ここで、図2および図3の断面図を用いて、注意喚起装置1が備える凹部および凸部を説明する。
【0035】
最初に、図2を用いて、注意喚起装置1が備える接続部を説明する。機能モジュール11は、モジュールケース11cの鉛直方向上側の端部に凸部11gを有する。機能モジュール11は、凸部11gが、機能モジュール11の鉛直方向上側に設置される第1の冷却モジュール20の凹部23内に挿入されることで、第1の冷却モジュール20と接続される。これにより、機能モジュール11と第1の冷却モジュール20とは、接続と脱着とを繰り返すことができる。本実施形態では、凸部11gと凹部23の内側(開口23a)とは、円柱状に形成されている。これにより、機能モジュール11と第1の冷却モジュール20とは、接続した状態で相対回転可能であり、例えば、注意喚起装置1を設置するとき、機能モジュール11と第1の冷却モジュール20とが接続したままで、機能モジュール11を回転させて、カメラ11aの撮像方向を調整することができる。
【0036】
機能モジュール11は、モジュールケース11cの鉛直方向下側の端部に凹部11hを有する。機能モジュール11は、凹部11h内に、機能モジュール11の鉛直方向下側に設置される第2の冷却モジュール30の凸部32が挿入されることで、第2の冷却モジュール30と接続される。これにより、機能モジュール11と第2の冷却モジュール30とは、接続と脱着とを繰り返すことができる。本実施形態では、凹部11hの内側と凸部32とは、円柱状に形成されているため、機能モジュール11と第2の冷却モジュール30とは、接続した状態で相対回転可能である。
【0037】
第2の冷却モジュール30は、モジュールケース31の鉛直方向下側の端部に凹部33を有する。第2の冷却モジュール30は、凹部33内に、第2の冷却モジュール30の鉛直方向下側に設置される機能モジュール12の凸部12cが挿入されることで、機能モジュール12と接続される。これにより、第2の冷却モジュール30と機能モジュール12とは、接続と脱着とを繰り返すことができる。本実施形態では、凹部33の内側と凸部12cとは、円柱状に形成されているため、第2の冷却モジュール30と機能モジュール12とは、接続した状態で相対回転可能である。
【0038】
次に、図3を用いて、注意喚起装置1が備える接続部を説明する。第1の冷却モジュール20は、モジュールケース21の鉛直方向上側の端部に凸部22を有する。第1の冷却モジュール20は、凸部22が、冷却モジュール20の鉛直方向上側に設置される機能モジュール12の凹部12d内に挿入されることで、機能モジュール12と接続される。これにより、第1の冷却モジュール20と機能モジュール12とは、接続と脱着とを繰り返すことができる。本実施形態では、凸部22と凹部12dの内側とは、円柱状に形成されているため、第1の冷却モジュール20と機能モジュール12とは、接続した状態で相対回転可能である。
【0039】
第1の冷却モジュール20は、モジュールケース21の鉛直方向下側の端部に凹部23を有する。第1の冷却モジュール20は、凹部23内に、第1の冷却モジュール20の鉛直方向下側に設置される機能モジュール13の凸部13fが挿入されることで、機能モジュール13と接続される。これにより、第1の冷却モジュール20と機能モジュール13とは、接続と脱着とを繰り返すことができる。本実施形態では、凹部23の内側(開口23a)と凸部13fとは、円柱状に形成されているため、第1の冷却モジュール20と機能モジュール13とは、接続した状態で相対回転可能である。
【0040】
支柱15は、機能モジュール11,12,13,14などが設置面9から所定の高さに位置するように、機能モジュール11,12,13,14や第1の冷却モジュール20などを支持する。支柱15の鉛直方向上側であって、機能モジュール11の鉛直方向上側の第1の冷却モジュール20の上側には、頭頂部16が設けられている。頭頂部16の鉛直方向上側には、注意喚起装置1の視認性を高めるための反射板17が設けられている。
【0041】
次に、注意喚起装置1の使用方法を説明する。注意喚起装置1は、上述したように、曲がり角に設置されている。注意喚起装置1が設置される曲がり角では、曲がり角に存在する壁などによって、第1の歩行者から第2の歩行者は見えないし、第2の歩行者から第1の歩行者も見えない。このような状況において、機能モジュール11のカメラ11aは、第1の歩行者がいる第1の方向に向けられており、事前に設定されている第1の領域に入っている第1の歩行者を撮像する。機能モジュール13のカメラ13aは、第2の歩行者がいる第2の方向に向けられており、事前に設定されている第2の領域に入っている第2の歩行者を撮像する。機能モジュール12の発光部12aは、第1の方向に向けられており、第1の領域を照らす。機能モジュール14の発光部14aは、第2の方向に向けられており、第2の領域を照らす。
【0042】
機能モジュール11の制御部11bは、カメラ11aの撮像画像に含まれる物体(第1の歩行者)を検出すると、検出結果を機能モジュール13の制御部13bに、例えば、無線によって送信する。制御部11bからの送信を受信した制御部13bは、発光パターンを含む発光指令を機能モジュール14の発光部14aに出力する。発光指令が入力される発光部14aは点滅し、第2の領域内の第2の歩行者に、第1の歩行者が接近していることを通知する。これにより、第1の歩行者に対する注意を第2の歩行者に喚起することができる。
【0043】
機能モジュール13の制御部13bは、カメラ13aの撮像画像に含まれる物体(第2の歩行者)を検出すると、検出結果を機能モジュール11の制御部11bに送信する。制御部13bからの送信を受信した制御部11bは、発光パターンを含む発光指令を機能モジュール12の発光部12aに出力する。発光指令が入力される発光部12aが点滅し、第1の領域内の第1の歩行者に、第2の歩行者が接近していることを通知する。これにより、第2の歩行者に対する注意を第1の歩行者に喚起することができる。
【0044】
注意喚起装置1において、第1の冷却モジュール20と第2の冷却モジュール30とは、注意喚起装置1の外部の空気を注意喚起装置1の内側に取り入れて、各機能モジュール11,12,13,14を冷却する。ここで、第1の冷却モジュール20と第2の冷却モジュール30の効果について説明する。
【0045】
図7は、冷却モジュールの効果を説明する第1の図である。図7には、図2で示した、第1の冷却モジュール20と第2の冷却モジュール30とが機能モジュール11を挟んでいる部分を示している。図7に示す状態では、例えば、機能モジュール11の制御部11bにおいて熱が発生すると、放熱板11eから放出される熱によって、モジュールケース11c内の空気は膨張し、上昇する(点線矢印F11)。上昇した空気は、機能モジュール11の鉛直方向上側に位置する第1の冷却モジュール20に形成されている複数の通風孔25から、注意喚起装置1の外部に排出される(点線矢印F12)。一方、モジュールケース11c内の空気が外部に排出されると、機能モジュール11の鉛直方向下側に位置する第2の冷却モジュール30の複数の通風孔34から注意喚起装置1の外部にある比較的冷たい空気が注意喚起装置1の内側に流入する(点線矢印F13)。通風孔34から流入する空気は、第2の冷却モジュール30のモジュールケース31の内側から凸部32内の開口32aを通り、機能モジュール11のモジュールケース11c内に流入する。これにより、制御部11bが冷却される。さらに、第1の冷却モジュール20が有する送風部24によって、注意喚起装置1の内側において、鉛直方向のマイナス側からプラス側の空気の流れを強制的に作ることも可能である(点線矢印F14)。これにより、機能モジュール11内に熱がこもりにくくなり、制御部11bに熱暴走などの不具合が発生することを抑制できる。
【0046】
図8は、冷却モジュールの効果を説明する第2の図である。図8には、図3で示した、第1の冷却モジュール20が2つの機能モジュール12,13で挟み込まれている部分を示している。図8に示す状態では、第1の冷却モジュール20が有する送風部24によって、通風孔25から注意喚起装置1の外部にある比較的冷たい空気を注意喚起装置1の内側に流入させる(点線矢印F15)。通風孔25から注意喚起装置1の内側に流入する空気は、2つの機能モジュール12,13のそれぞれの内側に流入する(点線矢印F16,F17)。機能モジュール12に流入する空気は、発光部12aの作動によって温められた機能モジュール12内の空気を鉛直方向上方に押し上げ、機能モジュール12の鉛直方向上側に設置されている第2の冷却モジュール30の通風孔34から排出させることができる。また、機能モジュール13に流入する空気は、機能モジュール13内の空気をかき混ぜることで、放熱板13eによる放熱を促進させる。これにより、発光部12aや制御部13bが高温となることを抑制することができるため、熱による不具合が発生することを抑制することができる。
【0047】
以上説明した、本実施形態の注意喚起装置1によれば、例えば、機能モジュール11は、制御部11bなどを収容するモジュールケース11cを有しており、気密性を有する。第1の冷却モジュール20は、モジュールケース11cの内側と第1の冷却モジュール20の内側とを連通する開口23aと、第1の冷却モジュール20の内側と第1の冷却モジュール20の外部とを連通する通風孔25と、を有する。これにより、通風孔25と開口23aとを介してモジュールケース11cの内側に導入される外部の気体によって制御部11bなどを冷却することができる。また、第2の冷却モジュール30は、モジュールケース11cの内側と第2の冷却モジュール30の内側とを連通する開口33aと、第2の冷却モジュール30の内側と第2の冷却モジュール30の外部とを連通する通風孔25と、を有する。これにより、通風孔34と開口33aとを介してモジュールケース11cの内側に導入される外部の気体によって制御部11bなどを冷却することができる。このような構成は、注意喚起装置1が備える機能モジュール12,13,14のいずれについても同様である。したがって、注意喚起装置1は、モジュールケースによって気密性を保ちつつ、制御部11bなどにおいて熱によって不具合が発生することを抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態の注意喚起装置1によれば、第2の冷却モジュール30は、2つの機能モジュール12,13のそれぞれのモジュールケース12b,13cの内側に連通する開口32a,33aを有する。これにより、通風孔34を介して2つの機能モジュール12,13のそれぞれのモジュールケース12b,13cの内側を第2の冷却モジュール30の外部と連通させることができる。したがって、1つの第2の冷却モジュール30で2つの機能モジュール12,13のそれぞれに収容されている発光部12a、制御部13bなどを冷却することができるため、熱による不具合の発生を効率的に抑制することができる。
【0049】
また、本実施形態の注意喚起装置1によれば、機能モジュール11は、自身の内側と外部とが連通している第1の冷却モジュール20と第2の冷却モジュール30とに挟まれるように接続されている。これにより、第2の冷却モジュール30において外部から内側に流入する外部の気体は、機能モジュール11のモジュールケース11cの内側を通り、第1の冷却モジュール20の内側から外部に排出される。したがって、モジュールケース11cの内側において空気が流れやすくなるため、モジュールケース11cに収容されている制御部11bなどを安定して冷却することができる。したがって、熱による不具合の発生を安定して抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態の注意喚起装置1によれば、例えば、筒状部材である第2の冷却モジュール30は、端部に設けられている凸部32に、機能モジュール11のモジュールケース11cの内側と自身の内側と連通する開口32aを有し、モジュールケース31に、第2の冷却モジュール30の内側と外部とを連通する通風孔34を有している。これにより、第2の冷却モジュール30の外部から、通風孔34と開口32aとを通り、機能モジュール11のモジュールケース11cの内側へと流れる気体は、図7の点線矢印F13で示すように、流れの方向が変化する。したがって、空気に含まれる外部の塵や埃がモジュールケース11cの内側まで到達しにくくなるため、塵や埃による不具合の発生を抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態の注意喚起装置1によれば、例えば、第1の冷却モジュール20のモジュールケース21に形成されている通風孔25は、図1に示すように注意喚起装置1を設置面9上に設置した状態では、外側の部分25aが内側の部分25bに比べ低くなっている。これにより、例えば、雨が降った場合でも、雨粒が通風孔25を通って注意喚起装置1の内側に入りにくい。したがって、雨水による不具合の発生を抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態の注意喚起装置1によれば、第1の冷却モジュール20は、送風部24によって外部の気体を強制的にモジュールケース11cの内側に送ることができる。これにより、モジュールケース11cに収容されている制御部11bなどを確実に冷却することができるため、熱による不具合の発生を抑制することができるとともに、冷却モジュール20,30の冷却性能を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態の注意喚起装置1によれば、制御部11b,13bなどの熱は、金属製の放熱板11e,13eを介して効率的に放出される。したがって、熱による不具合の発生をさらに抑制することができる。
【0054】
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態の冷却モジュールの断面模式図である。第2実施形態の注意喚起装置は、第1実施形態の注意喚起装置1(図1)と比較すると、冷却モジュールの構成が異なる。
【0055】
図9に示す冷却モジュール40は、モジュールケース41と、凸部42と、凹部43と、ケーブルガイド44と、を有する。冷却モジュール40は、接続される機能モジュールの内側と注意喚起装置の外部とを連通する。図9には、第1実施形態の図1と同様に、鉛直方向を示す矢印VDを示す。
【0056】
モジュールケース41は、略筒状の部材であって、モジュールケース41の中心軸C41に沿って形成される貫通孔41aが形成されている。貫通孔41aは、自身の鉛直方向上側に設けられる凸部42内の開口42aと、自身の鉛直方向下側に設けられる凹部43内の開口43aと、に連通している。貫通孔41aを形成するモジュールケース41の側壁には、貫通孔41aとモジュールケース41の外部とを連通する複数の通風孔45が形成されている。通風孔45は、図9に示すように、中心軸C41の方向に沿って、二段になるように設けられている。複数の通風孔45のそれぞれは、通風孔45の外側の開口部分45aが、通風孔45の内側の開口部分45bに比べ、鉛直方向において低くなるように形成されている。本実施形態では、通風孔45は、図9に示すように、クランク状に折り曲がった形状を有している。
【0057】
図10は、図9のB-B線断面図である。モジュールケース41に形成されている複数の通風孔45は、図10に示すように、モジュールケース41の中心軸C41の中心として、略等しい角度間隔となるように形成されている。本実施形態では、複数の通風孔45のそれぞれは、図10に示すように、外側の開口部分45aの大きさが、内側の開口部分45bの大きさより大きい。
【0058】
ケーブルガイド44は、冷却モジュール40の略中心において、通風孔45の内側の開口部分45bから離れた位置に配置されている。ケーブルガイド44は、冷却モジュール40を鉛直方向に貫通するように、筒状に形成されている。ケーブルガイド44は、例えば、機能モジュール11の制御部11bと機能モジュール12の発光部12aとを接続する接続ケーブル11fなどを内側に固定することが可能となっている(図10参照)。ケーブルガイド44は、モジュールケース41の内側に設けられる支持部46によって支持されている。支持部46には、冷却モジュール40を鉛直方向に貫通する複数の貫通孔46aが形成されている(図10参照)。
【0059】
以上、説明した、本実施形態の注意喚起装置によれば、冷却モジュール40は、機能モジュールが有するモジュールケースの内側と冷却モジュール40の内側とを連通する開口42a,43aと、冷却モジュール40の内側と冷却モジュール40の外部とを連通する通風孔45と、を有する。これにより、通風孔45と開口42a,43aとを介して機能モジュールのモジュールケースの内側に導入される外部の気体によって、機能モジュールの内側に収容されている制御部などを冷却することができる。したがって、本実施形態の注意喚起装置は、モジュールケースによって気密性を保ちつつ、制御部などにおいて熱によって不具合が発生することを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態の注意喚起装置によれば、機能モジュール間の接続ケーブルは、冷却モジュール40のケーブルガイド44によって、冷却モジュール40の内側での移動が規制されている。ケーブルガイド44は、モジュールケース41に形成されている通風孔45の内側の開口部分45bから離れた位置に設けられている。これにより、ケーブルガイド44やケーブルガイド44に移動を規制されている接続ケーブルが、通風孔45における空気の流れを妨げることを抑制できる。したがって、機能モジュールのモジュールケースに収容されている制御部などを確実に冷却することができるため、熱による不具合の発生を抑制することができる。
【0061】
<第3実施形態>
図11は、第3実施形態の冷却モジュールの断面模式図である。第3実施形態の注意喚起装置は、第1実施形態の注意喚起装置1(図1)と比較すると、冷却モジュールの構成が異なる。
【0062】
図11に示す冷却モジュール50は、3つのモジュール形成部材51,52,53とから構成されている。第3実施形態の注意喚起装置では、図11に示す状態に積み上げた3つのモジュール形成部材51,52,53を、機能モジュール11,12,13,14のうちの少なくとも1つと接続させる。冷却モジュール50は、接続される機能モジュールの内側と注意喚起装置の外部とを連通する。図11には、第1実施形態の図1と同様に、鉛直方向を示す矢印VDを示す。
【0063】
モジュール形成部材51は、冷却モジュール50において鉛直方向上側の端部に設けられる。モジュール形成部材51は、凸部51aと、鍔部51bとを有する。凸部51aは、冷却モジュール50に接続する機能モジュール11,12,13,14のいずれかの凹部内に挿入される接続部である。凸部51a内の開口51cは、凸部51aによって接続される機能モジュールの内側と連通する。凸部51aの底の部分には、開口51cとモジュール形成部材51の鉛直方向下方とを連通する貫通孔51dが形成されている。鍔部51bは、凸部51aの底の部分から冷却モジュール50の中心軸C50から離れる方向に広がるように、形成されている。
【0064】
モジュール形成部材52は、冷却モジュール50において、モジュール形成部材51の鉛直方向下側に設けられる。モジュール形成部材52は、筒部52aと鍔部52bとを有する。筒部52aは、上端がモジュール形成部材51の凸部51aの底の部分に接しており、内側がモジュール形成部材51の貫通孔51dと連通している。鍔部52bは、筒部52aから中心軸C50から離れる方向に広がるように形成されている。
【0065】
図12は、図10のC-C線断面図である。モジュール形成部材52において、筒部52aと鍔部52bとは、支持部52cによって接続されている。支持部52cには、冷却モジュール50を鉛直方向に貫通する複数の貫通孔52dが形成されている。
【0066】
モジュール形成部材53は、冷却モジュール50において、モジュール形成部材52の鉛直方向下側に設けられる。モジュール形成部材53は、筒部53aと鍔部53bと凹部53cとを有する。筒部53aは、上端がモジュール形成部材52の筒部52aの下端に接しており、内側が筒部52a内に連通している。鍔部53bは、筒部53aから中心軸C50から離れる方向に広がるように形成されている。鍔部53bには、冷却モジュール50を鉛直方向に貫通する複数の貫通孔53dが形成されている。凹部53cは、鍔部53bの外周部に接続しており、冷却モジュール50に接続する機能モジュール11,12,13,14のいずれかの凸部が挿入される接続部である。凹部53c内の開口53eは、筒部53aの内側と凹部53cによって接続される機能モジュールの内側とを連通する。
【0067】
冷却モジュール50では、モジュール形成部材51の鍔部51bとモジュール形成部材52の鍔部52bとの間に、冷却モジュール50の内側と外部とを連通する通風孔54が形成されている。通風孔54は、冷却モジュール50の外周全部にわたって形成されている。また、冷却モジュール50では、モジュール形成部材52の鍔部52bとモジュール形成部材53の鍔部53bとの間に、冷却モジュール50の内側と外部とを連通する通風孔55が形成されている。通風孔55は、冷却モジュール50の外周全部にわたって形成されている。このように、冷却モジュール50は、冷却モジュール50の中心軸C50に沿って、比較的開口面積が大きい2つの通風孔54,55を有する。
【0068】
冷却モジュール50では、凸部51a内の開口51cと、凸部51aの底の部分の貫通孔51dと、筒部52aの内側と、筒部53aの内側と、凹部53c内の貫通孔53dと、が連通している。これにより、冷却モジュール50を挟んで接続される2つの機能モジュールのそれぞれの内側が連通する。冷却モジュール50では、筒部52aと筒部53aとが接続ケーブルの移動を規制するケーブルガイドとして機能する。具体的には、冷却モジュール50を機能モジュール11と機能モジュール12との間に配置すると、筒部52aの内側と筒部53aの内側とのそれぞれに、接続ケーブル11fを固定することが可能である(図12参照)。これにより、接続ケーブル11fが、本実施形態の注意喚起装置内の空気の流れを妨げることを抑制できる。
【0069】
以上、説明した、本実施形態の注意喚起装置によれば、冷却モジュール50は、機能モジュールが有するモジュールケースの内側と冷却モジュール50の内側とを連通する開口51c,53eと、冷却モジュール50の内側と冷却モジュール50の外部とを連通する通風孔54,55と、を有する。これにより、通風孔54,55と開口51c,53eとを介して機能モジュールのモジュールケースの内側に導入される外部の気体によって、機能モジュールの内側に収容されている制御部などを冷却することができる。したがって、本実施形態の注意喚起装置は、モジュールケースによって気密性を保ちつつ、制御部などにおいて熱によって不具合が発生することを抑制することができる。
【0070】
また、本実施形態の注意喚起装置によれば、機能モジュール間の接続ケーブルは、冷却モジュール50の筒部52aと筒部53aによって、冷却モジュール50の内側での移動が規制されている。筒部52aと筒部53aは、通風孔54,55から離れた位置に設けられている。これにより、接続ケーブルが、通風孔54,55における空気の流れを妨げることを抑制できる。したがって、機能モジュールのモジュールケースに収容されている制御部などを確実に冷却することができるため、熱による不具合の発生を抑制することができる。
【0071】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0072】
[変形例1]
上述の実施形態では、機能モジュール11,13のそれぞれが、「検出部」と「制御部」とを収容し、機能モジュール12,14のそれぞれが、「警告部」を収容するとした。しかしながら、機能モジュールに収容される、「検出部」と「警告部」と「制御部」との組み合わせはこれに限定されない。1つの機能モジュールで、「検出部」と「警告部」と「制御部」が全て収容されていてもよいし、「検出部」と「警告部」と「制御部」とのそれぞれが別々の機能モジュールに収容されていてもよい。
【0073】
[変形例2]
第1実施形態では、注意喚起装置1は、注意喚起装置1の内側において、空気の流れを強制的に作る送風部24を備えるとした。しかしながら、送風部はなくてもよい。注意喚起装置が備える全ての冷却モジュールが送風部を有していない第2の冷却モジュールであってもよい。
【0074】
図13は、第1実施形態の注意喚起装置1の変形例の断面模式図である。図13には、注意喚起装置1の変形例のうち、2つの第2の冷却モジュール30が機能モジュール11を挟んでいる部分を示している。図13に示す状態では、機能モジュール11の制御部11bにおいて熱が発生するとモジュールケース11c内の空気は膨張し、上昇する(点線矢印F11)。上昇した空気は、機能モジュール11の鉛直方向上側に位置する第2の冷却モジュール30の通風孔34から、注意喚起装置1の外部に排出される(点線矢印F12)。また、モジュールケース11c内の空気が外部に排出されることで、機能モジュール11の鉛直方向下側に位置する第2の冷却モジュール30の通風孔34から注意喚起装置1の外部にある比較的冷たい空気が注意喚起装置1の内側に流入する(点線矢印F13)。通風孔34から流入する空気は、第2の冷却モジュール30のモジュールケース31の内側から凸部32内の開口32aを通り、機能モジュール11のモジュールケース11c内に流入する。図13に示す部分では、このようにすることで、送風部によって強制的な空気の流れを作ることなく、制御部11bを冷却することができる。
【0075】
[変形例3]
第2実施形態では、接続ケーブルの移動を規制するケーブルガイド44は、冷却モジュール40の略中心において、モジュールケース41の中心軸C41に沿うように、配置されている筒状の部分であるとした。しかしながら、ケーブルガイド44の形状は、これに限定されない。
【0076】
図14は、第2実施形態の冷却モジュールの変形例の断面模式図であって、モジュールケース41の中心軸C41の垂直な方向の断面の模式図を示している。図14に示す変形例では、ケーブルガイド44は、2つの平板形状の部分であって、中心軸C41を挟んで対称な位置に配置されている。2つのケーブルガイド44のそれぞれは、凹部43内の開口43aに設けられる支持部46によって支持されている。これにより、図14に示すように、冷却モジュール40を鉛直方向に貫通する貫通孔46aの面積が、モジュールケース41の内側の面積とほぼ変わらない大きさとなる。したがって、ケーブルガイド44によって接続ケーブル11fの移動を規制しつつ、制御部11bなどを冷却するための空気が流れやすくなる。
【0077】
[変形例4]
上述の実施形態では、機能モジュール11,13のそれぞれは、制御部11b,13bに接する放熱板11e,13eを有するとした。放熱板はなくてもよく、また、放熱板が接する部分は、「検出部」や「発光部」であってもよい。放熱板には、効率的に放熱するための複数のフィンが設けられていてもよい。
【0078】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【0079】
<適用例1>
物体が接近している対象者に対して注意を喚起する注意喚起装置であって、
前記物体を検出する検出部と、光と音を含む、前記対象者に注意を喚起するための複数種類の警告手段のうち、少なくとも1つを発生させる警告部と、前記検出部および前記警告部の少なくとも一つを制御する制御部と、のうちの少なくとも一つを含んで構成される複数の機能モジュールと、
前記機能モジュールを冷却する冷却モジュールと、
前記機能モジュールと前記冷却モジュールとを接続する接続部であって、前記機能モジュールと前記冷却モジュールとを互いに脱着可能にする接続部と、を備え、
前記機能モジュールは、前記検出部と前記警告部と前記制御部とのうちの少なくとも一つを収容する収容部を有し、
前記冷却モジュールは、前記収容部の内側と前記冷却モジュールの内側とを連通する第1の開口と、前記冷却モジュールの内側と前記冷却モジュールの外部とを連通する第2の開口と、を有する、
注意喚起装置。
<適用例2>
適用例1に記載の注意喚起装置であって、
前記冷却モジュールは、
複数の前記機能モジュールのうちの2つの機能モジュールのそれぞれに接続しており、
前記2つの機能モジュールのそれぞれの収容部の内側に連通する2つの前記第1の開口を有する、
注意喚起装置。
<適用例3>
適用例1または適用例2に記載の注意喚起装置であって、
複数の前記冷却モジュールを備えており、
前記機能モジュールは、複数の前記冷却モジュールのうちの2つの冷却モジュールのそれぞれに接続している、
注意喚起装置。
<適用例4>
適用例1から適用例3のいずれか一例に記載の注意喚起装置であって、
前記冷却モジュールは、筒状部材であり、
前記接続部は、前記筒状部材の端部に設けられ、
前記第1の開口は、前記接続部に形成されており、
前記第2の開口は、前記筒状部材の側壁に形成されている、
注意喚起装置。
<適用例5>
適用例1から適用例4のいずれか一例に記載の注意喚起装置であって、
前記第2の開口は、複数の前記機能モジュールと前記冷却モジュールとを鉛直方向に沿って並べて接続させた状態において、外側の部分が内側の部分に比べ、低い位置にある、
注意喚起装置。
<適用例6>
適用例1から適用例5のいずれか一例に記載の注意喚起装置は、さらに、
前記検出部と前記警告部と前記制御部とのうちの少なくとも二つを電気的に接続する接続ケーブルを備え、
前記冷却モジュールは、前記接続ケーブルの移動を規制する移動規制部を内側に有しており、
前記移動規制部は、前記第2の開口の内側の部分から離れた位置に設けられている、
注意喚起装置。
<適用例7>
適用例1から適用例6のいずれか一例に記載の注意喚起装置であって、
前記冷却モジュールは、外部の気体を前記収容部内に送る送風部を有する、
注意喚起装置。
<適用例8>
適用例1から適用例7のいずれか一例に記載の注意喚起装置であって、
前記機能モジュールは、前記検出部と前記警告部と前記制御部とのうちの少なくとも一つに接する金属製の放熱板を有する、
注意喚起装置。
【符号の説明】
【0080】
1…注意喚起装置
11,12,13、14…機能モジュール
11a,13a…カメラ
11b,13b…制御部
11c,12b,13c,14b…モジュールケース
11e,13e…放熱板
11f…接続ケーブル
11g,12c,13f,22,32,42…凸部
11h,12d,23,33,43…凹部
12a,14a…発光部
20,30,40,50…冷却モジュール
22a,23a,32a,33a,42a,43a,51c,53d…開口
24…送風部
25,34,45,54,55…通風孔
44…ケーブルガイド
25a,34a,45a…(通風孔の)外側の部分
25b,34b,45b…(通風孔の)内側の部分
52a,53a…筒部
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