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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124038
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】折り畳み構造物
(51)【国際特許分類】
   A47C 5/10 20060101AFI20240905BHJP
   A47C 4/04 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A47C5/10 H
A47C5/10 C
A47C4/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031938
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】599083271
【氏名又は名称】オンウェー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】弁理士法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宋 炎或
(72)【発明者】
【氏名】薩 日娜
(72)【発明者】
【氏名】泉 里志
(57)【要約】
【課題】安定性および折り畳み性に優れ、かつ、意匠性に優れた折り畳み構造物を提供する。
【解決手段】折り畳み構造物は、2つの構造体を備え、前記2つの構造体のそれぞれは、矩形状の基部と、該基部の上下方向一方側の端部の水平方向両側部分から延在する2つの耳部とを備え、前記2つの耳部のそれぞれは、前記基部の上下方向一方側の端部に対し水平方向を向いた枢軸を中心とする回動を可能に支持された矩形状の2つの舌部を有し、展開状態において、前記2つの構造体のうちの一方の構造体の前記2つの耳部同士の間に、前記2つの構造体のうちの他方の構造体の前記基部の水平方向中間部を配置し、かつ、前記他方の構造体の前記2つの耳部同士の間に、前記一方の構造体の前記基部の水平方向中間部を配置するように組み合わされる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開状態において、水平方向のうちの第1方向に離隔して配置された2つの第1構造部を有する第1構造体と、
展開状態において、水平方向のうち、前記第1方向と交差する第2方向に離隔して配置された2つの第2構造部を有し、上下方向を向いた回動軸を中心とする回動を可能に、前記第1構造体に対して支持された第2構造体と、を備え、
前記2つの第1構造部はそれぞれ、第1直立部と、それぞれの上側の端部が、前記第1直立部の下側の端部に対して、前記第1方向を向いた第1枢軸を中心とする揺動を可能に支持された2つの第1揺動部とを有し、
前記2つの第2構造部はそれぞれ、第2直立部と、それぞれの下側の端部が、前記第2直立部の上側の端部に対して、前記第2方向を向いた第2枢軸を中心とする揺動を可能に支持された2つの第2揺動部とを有する、折り畳み構造物。
【請求項2】
前記第1方向と前記第2方向とが、直交する、請求項1に記載の折り畳み構造物。
【請求項3】
前記第1構造体が、前記2つの第1構造部の前記第1直立部の下側の端部同士を連結する第1中間連結部と、前記2つの第1構造部の前記第1直立部の上側の端部同士を連結する第1上側連結部とを有し、
前記第2構造体が、前記2つの第2構造部の前記第2直立部の上側の端部同士を連結する第2中間連結部と、前記2つの第2構造部の前記第2直立部の下側の端部同士を連結する第2下側連結部とを有する、請求項1に記載の折り畳み構造物。
【請求項4】
上下方向に伸長する支持軸部を備え、
前記第1中間連結部の伸長方向中間部および前記第1上側連結部の伸長方向中間部、並びに/または、前記第2中間連結部の伸長方向中間部および前記第2下側連結部の伸長方向中間部が、前記支持軸部に対して前記回動軸を中心とする回動を可能に支持されている、請求項3に記載の折り畳み構造物。
【請求項5】
前記第1構造体が、前記2つの第1構造部の前記2つの第1揺動部のうちの一方の第1揺動部の下側の端部同士、および、前記2つの第1構造部の前記2つの第1揺動部のうちの他方の第1揺動部の下側の端部同士を連結する2つの第1下側連結部を有する、請求項1に記載の折り畳み構造物。
【請求項6】
前記2つの第1構造部はそれぞれ、前記2つの第1揺動部の下側の端部同士を連結する補助連結部を備え、
前記補助連結部は、互いの近い側の端部同士が、回動を可能に連結され、かつ、互いの遠い側の端部が、前記2つの第1揺動部の下側の端部に回動を可能に支持された2つの補助連結片を有する、請求項1に記載の折り畳み構造物。
【請求項7】
前記第1構造体は、前記2つの第1構造部の前記補助連結部の中間部同士を連結する補助中間連結部を備える、請求項6に記載の折り畳み構造物。
【請求項8】
前記2つの第2構造部の前記2つの第2揺動部の上側の端部に支持された、2つ折り可能な座部をさらに備える、請求項1~7のいずれかに記載の折り畳み構造物。
【請求項9】
上下方向を向いた回動軸を中心とする相対回転を可能に組み合わされた2つの構造体を備え、
前記2つの構造体のそれぞれは、矩形状の基部と、該基部の上下方向一方側の端部の水平方向両側部分から延在する2つの耳部とを備え、
前記2つの耳部のそれぞれは、前記基部の前記上下方向一方側の端部に対し水平方向を向いた枢軸を中心とする回動を可能に支持された矩形状の2つの舌部を有し、
展開状態において、前記2つの構造体のうちの一方の構造体の前記2つの耳部同士の間に、前記2つの構造体のうちの他方の構造体の前記基部の水平方向中間部を配置し、かつ、前記他方の構造体の前記2つの耳部同士の間に、前記一方の構造体の前記基部の水平方向中間部を配置するように組み合わされる、
折り畳み構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
背もたれを有さないスツールは、コンパクトに構成することができ、持ち運びが容易なため、広く使用されている。スツールを折り畳み可能とすれば、より持ち運びしやすく、収納性を確保する面からも有利になる。
【0003】
折り畳み可能なスツールの1例として、特開2019-187973号公報には、交差した状態で回動可能に結合された第1脚部および第2脚部と、該第1脚部および該第2脚部の上部に固定された撓み変形可能な帯状部材とを備えるスツールが記載されている。特開2019-187973号公報に記載のスツールは、第1脚部および第2脚部の上側の端部同士、および、下側の端部同士を互いに近づけるように回動させることにより折り畳むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-187973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来構造とは異なる構造を備える折り畳み構造物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の折り畳み構造物は、
展開状態において、水平方向のうちの第1方向に離隔して配置された2つの第1構造部を有する第1構造体と、
展開状態において、水平方向のうち、前記第1方向と交差する第2方向に離隔して配置された2つの第2構造部を有し、上下方向に配置された回動軸を中心とする回動を可能に、前記第1構造体に対して支持された第2構造体と、
を備える。
【0007】
前記2つの第1構造部はそれぞれ、第1直立部と、それぞれの上側の端部が、前記第1直立部の下側の端部に対して、前記第1方向に配置された第1枢軸を中心とする揺動を可能に支持された2つの第1揺動部とを有する。
【0008】
前記2つの第2構造部はそれぞれ、第2直立部と、それぞれの下側の端部が、前記第2直立部の上側の端部に対して、前記第2方向に配置された第2枢軸を中心とする揺動を可能に支持された2つの第2揺動部とを有する。
【0009】
本発明の一態様の折り畳み構造物では、前記第1方向と前記第2方向とを、直交させることができる。
【0010】
本発明の一態様の折り畳み構造物では、前記第1構造体は、前記2つの第1構造部の前記第1直立部の下側の端部同士を連結する第1中間連結部と、前記2つの第1構造部の前記第1直立部の上側の端部同士を連結する第1上側連結部とを有することができ、かつ、前記第2構造体は、前記2つの第2構造部の前記第2直立部の上側の端部同士を連結する第2中間連結部と、前記2つの第2構造部の前記第2直立部の下側の端部同士を連結する第2下側連結部とを有することができる。
【0011】
本発明の一態様の折り畳み構造物は、上下方向に伸長する支持軸部を備えることができ、かつ、前記第1中間連結部の伸長方向中間部および前記第1上側連結部の伸長方向中間部、並びに/または、前記第2中間連結部の伸長方向中間部および前記第2下側連結部の伸長方向中間部を、前記支持軸部に対して前記回動軸を中心とする回動を可能に支持することができる。
【0012】
本発明の一態様の折り畳み構造物では、前記第1構造体は、前記2つの第1構造部の前記2つの第1揺動部のうちの一方の第1揺動部の下側の端部同士、および、前記2つの第1構造部の前記2つの第1揺動部のうちの他方の第1揺動部の下側の端部同士を連結する2つの第1下側連結部を有することができる。
【0013】
本発明の一態様の折り畳み構造物では、前記2つの第1構造部はそれぞれ、前記2つの第1揺動部の下側の端部同士を連結する補助連結部を備えることができ、前記補助連結部は、互いの近い側の端部同士が、回動を可能に連結され、かつ、互いの遠い側の端部が、前記2つの第1揺動部の下側の端部に回動を可能に支持された2つの補助連結片を有することができる。
【0014】
この場合、前記第1構造体は、前記2つの第1構造部の前記補助連結部の中間部同士を連結する補助中間連結部を備えることができる。
【0015】
本発明の一態様の折り畳み構造物は、前記2つの第2構造部の前記2つの第2揺動部の上側の端部に支持された、2つ折り可能な座部をさらに備えることができる。すなわち、本発明の態様の折り畳み構造物は、スツールを構成することができる。
【0016】
本発明の一態様の折り畳み構造物は、
上下方向を向いた回動軸を中心とする相対回転を可能に組み合わされた2つの構造体を備え、
前記2つの構造体のそれぞれは、矩形状の基部と、該基部の下側の端部の水平方向両側部分から延在する2つの耳部とを備え、
前記2つの耳部のそれぞれは、前記基部の下側の端部に対し水平方向を向いた枢軸を中心とする回動を可能に支持された矩形状の2つの舌部を有し、
展開状態において、前記2つの構造体のうちの一方の構造体の前記2つの耳部同士の間に、前記2つの構造体のうちの他方の構造体の前記基部の水平方向中間部を配置し、かつ、前記他方の構造体の前記2つの耳部同士の間に、前記一方の構造体の前記基部の水平方向中間部を配置するように組み合わされる。
【0017】
本発明の一態様の折り畳み構造物は、前記一方の構造体または前記他方の構造体の前記舌部のそれぞれの上側の端部に支持された、2つ折り可能な座部をさらに備えることができる。すなわち、本発明の一態様の折り畳み構造物は、スツールを構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、従来構造とは異なる構造を備える折り畳み構造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1(A)~図1(D)は、先発明にかかる折り畳み構造物の1例を示す模式図である。
図2図2は、本発明の実施の形態の第1例の折り畳み構造物を示す模式図である。
図3図3は、本発明の実施の形態の第2例のスツールを、展開状態で示す斜視図である。
図4図4は、第2例のスツールを、パネルを取り外して展開状態で示す斜視図である。
図5図5は、第2例のスツールを、パネルを取り外して折り畳んだ状態で示す斜視図である。
図6図6(A)~図6(D)は、第2例のスツールを折り畳む手順を説明するための模式図であって、(a)は、第1方向から見た図であり、(b)は、第2方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の折り畳み構造物は、これに限定されるものではないが、たとえば、背もたれを有さないスツールなどに適用することができる。本発明について説明する前に、本発明者らが本発明に至るまでの着想について説明する。
【0021】
本発明の折り畳み構造物は、菓子箱や折詰、段ボール箱などの内部を仕切るために使用される組仕切りに着想を得て完成されたものである。
【0022】
図1(A)~図1(D)は、組仕切りに着想を得て、本発明者らが先に考えた折り畳み構造物に関する先発明の1例を示している。本例の折り畳み構造物100は、図1(A)に示すように、それぞれがスリット101を有する矩形平板状の2つの構造体102a、102bを、平面視十字形に組み合わせてなる。
【0023】
折り畳み構造物100を折り畳む際には、まず、図1(A)→図1(B)に示すように、2つの構造体102a、102bを、上下方向に互いに離れる方向に変位させる。次に、図1(B)→図1(C)に示すように、2つの構造体102a、102bを、互いに略平行となるように相対回転させる。そして、図1(C)→図1(D)に示すように、2つの構造体102a、102bを、上下方向に互いに近づける方向に変位させる。これにより、折り畳み構造物100を略平板状に折り畳む。
【0024】
[第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図2を用いて説明する。
【0025】
本例の折り畳み構造物100aは、上述した先発明の第1例の折り畳み構造物100について、着座する際などの安定性を向上させるために、構造体102a、102bのうち、スリット101を挟んだ両側部分を開閉可能にするとの着想を得ることにより完成したものである。
【0026】
本例の折り畳み構造物100aは、2つの構造体102c、102dを備える。
【0027】
それぞれの構造体102c、102dは、矩形状の基部103と、基部103の上下方向一方側の端部の水平方向(上下方向と板厚方向とに直交する方向)両側部分から上下方向に突出した2つの耳部104とを有する。それぞれの耳部104は、基部103の上下方向一方側の端部に対し水平方向を向いた枢軸を中心とする回動を可能に支持された矩形状の2枚の舌部105を有する。
【0028】
より具体的には、本例では、基部103は、矩形平板状に構成され、かつ、耳部104を構成する舌部105も、矩形平板状に構成されている。
【0029】
使用状態、すなわち、展開状態あるいは組み立て時において、2つの構造体102c、102dのうちの一方の構造体102cは、基部103と、該基部103の下側の端部の水平方向両側部分から下側に向けて突出した2つの耳部104とを有し、かつ、それぞれの耳部104は、基部103の下側の端部に対し水平方向を向いた枢軸を中心とする回動を可能に支持された矩形平板状の2枚の舌部105を有する。したがって、一方の構造体102cは、2枚の舌部105を開いた状態で、水平方向から見て逆Y字形に構成される。
【0030】
これに対し、他方の構造体102dは、基部103と、該基部103の上側の端部の水平方向両側部分から上側に向けて突出した2つの耳部104とを有し、かつ、それぞれの耳部104は、基部103の上側の端部に対し水平方向を向いた枢軸を中心とする回動を可能に支持された矩形平板状の2枚の舌部105を有する。したがって、他方の構造体102dは、2枚の舌部105を開いた状態で、水平方向から見てY字形に構成される。
【0031】
展開状態において、2つの構造体102c、102dは、一方の構造体102cの2つの耳部104同士の間(スリット)に、他方の構造体102dの基部103の水平方向中間部を配置し、かつ、他方の構造体102dの2つの耳部104同士の間に、一方の構造体102cの基部103の水平方向中間部を配置するように組み合わされる。折り畳み構造物100aの展開状態においては、2つの構造体102c、102dの基部103が、平面視で十字形を構成する。
【0032】
折り畳み構造物100aは、それぞれの構造体102c、102dの耳部104を閉じた後、先発明の第1例の折り畳み構造物100と同じようにして折り畳むことができる。
【0033】
すなわち、折り畳み構造物100aは、2つの構造体102c、102dのそれぞれの耳部104の2つの舌部105を互いに近づく方向に回動することにより、それぞれの耳部104を閉じた後、2つの構造体102c、102dを、互いに離れる方向(展開状態における上下方向)に変位させ、2つの構造体102c、102dを、互いに略平行となるように相対回転させ、2つの構造体102c、102dを、互いに近づける方向に変位させることにより、折り畳むことが可能に構成されている。
【0034】
本例の折り畳み構造物100aは、安定性および折り畳み性に優れ、かつ、意匠性にも優れる。
【0035】
本例では、2つの構造体102c、102dを構成する各部を矩形平板状の部材、たとえば板材により構成しているが、展開状態における2つの構造体102c、102dの水平方向側辺部を取り出して、当該部分をパイプ材または棒材により構成することもできる。また、2つの構造体102c、102dの水平方向側辺部に加え、上下方向側辺部を取り出して、当該部分をパイプ材または棒材により構成することもできる。
【0036】
また、本発明の一態様の折り畳み構造物は、スツール、折り畳みテーブルなどの、折り畳み式の様々な家具やアウトドア用品に適用することができる。
【0037】
[第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図3図6を用いて説明する。
【0038】
本例は、折り畳み構造物100bを、折り畳み式のスツール1に適用した例である。
【0039】
第1構造体2は、矩形状の基部103aと、基部103aの上下方向一方側の端部の水平方向両側部分から延在する2つの耳部104aとを備える。それぞれの耳部104aは、基部103aの上下方向一方側の端部(下側の端部)に対し水平方向を向いた枢軸を中心とする回動を可能に支持された矩形状の2つの舌部105aを有する。第2構造体3は、矩形状の基部103bと、基部103bの上下方向一方側の端部(上側の端部)の水平方向両側部分から延在する2つの耳部104bとを備える。それぞれの耳部104bは、基部103bの上下方向一方側の端部に対し水平方向を向いた枢軸を中心とする回動を可能に支持された矩形状の2つの舌部105bを有する。
【0040】
展開状態において、第1構造体2の2つの耳部104a同士の間に、第2構造体3の基部103bの水平方向中間部が配置され、かつ、第2構造体3の2つの耳部104b同士の間に、第1構造体2の基部103aの水平方向中間部が配置するように組み合わされる。
【0041】
本例の折り畳み構造物1は、第1構造体2の2つの舌部105aを回動することにより、2つの耳部104aを閉じ、かつ、第2構造体3の舌部105bを回動することにより、2つの耳部104bを閉じた後、第1構造体2および第2構造体3を、互いに離れる方向に変位させ、第1構造体2および第2構造体3を、互いに略平行となるように相対回転させ、第1構造体2および第2構造体3を、互いに近づける方向に変位させることにより、折り畳むことが可能に構成されている。
【0042】
換言すれば、本例の折り畳み構造物100は、展開状態において、水平方向のうちの第1方向に離隔して配置された2つの第1構造部4a、4bを有する第1構造体2と、展開状態において、水平方向のうち、前記第1方向と交差する第2方向に離隔して配置された2つの第2構造部13a、13bを有し、上下方向に配置された回動軸Rを中心とする回動を可能に、第1構造体2に対して支持された第2構造体3とを備える。
【0043】
第1構造部4a、4bはそれぞれ、第1直立部5と、それぞれの上側の端部が、第1直立部5の下側の端部に対して、第1方向に配置された第1枢軸P1を中心とする揺動を可能に支持された2つの第1揺動部6a、6bとを有する。
【0044】
第2構造部13a、13bはそれぞれ、第2直立部14と、それぞれの下側の端部が、第2直立部14の上側の端部に対して、第2方向に配置された第2枢軸P2を中心とする揺動を可能に支持された2つの第2揺動部15a、15bとを有する。
【0045】
すなわち、本例の折り畳み構造物100bは、第1例の折り畳み構造物100aから、折り畳み構造物として必要な要素、すなわち、2つの構造体102c、102dの水平方向側辺部を取り出すことでなされたものである。本例の折り畳み構造物100bでは、必要に応じて、第1例の折り畳み構造物100aから、2つの構造体102c、102dの水平方向側辺部に加え、上下方向側辺部を取り出した構造を採用することもできる。
【0046】
以下、本例の折り畳み構造物100bを適用した、折り畳み式のスツール1の使用状態、すなわち、折り畳み構造物100bの展開状態における、各部の構成について説明する。
【0047】
なお、以下の説明において、上下方向および水平方向は、特に断らない限り、スツール1を、床面または地面に載置した状態での上下方向および水平方向をいう。
【0048】
本例のスツール1は、第1構造体2と、第2構造体3とを備える。
【0049】
第1構造体2は、水平方向のうちの第1方向(図3および図4に矢印αで示す方向)に離隔して配置された2つの第1構造部4a、4bを備える。
【0050】
それぞれの第1構造部4a、4bは、上側に配置された第1直立部5と、下側に配置された2つの第1揺動部6a、6bとを有する。
【0051】
第1直立部5は、上下方向に伸長している。
【0052】
それぞれの第1揺動部6a、6bは、上側の端部を、第1直立部5の下側の端部に対して、第1方向を向いた第1枢軸P1を中心とする揺動を可能に支持されている。スツール1の展開状態では、2つの第1揺動部6a、6bは、第1方向から見て下側に向かうほど互いに離れる方向に伸長している。すなわち、スツール1の展開状態では、第1構造部4a、4bは、第1方向から見て逆Y字形に構成されている。
【0053】
本例では、第1構造体2は、2つの第1構造部4a、4bのそれぞれが備える第1直立部5の上側の端部同士を連結する第1上側連結部7と、2つの第1構造部4a、4bのそれぞれが備える第1直立部5の下側の端部同士を連結する第1中間連結部8とをさらに備える。第1上側連結部7と第1中間連結部8とは、互いに平行に配置され、かつ、第1方向に伸長している。
【0054】
本例では、第1揺動部6a、6bのそれぞれの上側の端部は、第1中間連結部8のうち、第1方向両側の端部に対して回動可能に支持されている。具体的には、第1揺動部6a、6bのそれぞれの上側の端部に備えられた嵌合筒部を、第1中間連結部8のうち、第1方向両側の端部に相対回転可能に外嵌している。これにより、第1揺動部6a、6bのそれぞれの上側の端部を、第1直立部5の下側の端部に対して、第1中間連結部8の中心軸である第1枢軸P1を中心とする揺動を可能に支持している。
【0055】
さらに本例では、第1構造体2は、2つの第1構造部4a、4bを構成する2つの第1揺動部6a、6bのうちの一方(水平方向のうち、第1方向P1に直交する方向(本例では第2方向P2)に関する片側(図3および図4の左手前側))の第1揺動部6aの下側の端部同士を連結する第1下側連結部9aを有し、かつ、2つの第1構造部4a、4bを構成する2つの第1揺動部6a、6bのうちの他方(前記第1方向P1に直交する方向に関する他側(図3および図4の右奥側))の第1揺動部6bの下側の端部同士を連結する第1下側連結部9bを有する。
【0056】
換言すれば、一方の第1下側連結部9aは、2つの第1構造部4a、4bのうちの一方(第1方向P1に関する片側(図3および図4の右手前側))の第1構造部4aを構成する一方の第1揺動部6aの下側の端部と、他方(第1方向P1に関する他側(図3および図4の左奥側))の第1構造部4bを構成する一方の第1揺動部6aの下側の端部との間にかけ渡されている。また、他方の第1下側連結部9bは、一方の第1構造部4aを構成する他方の第1揺動部6bの下側の端部と、他方の第1構造部4bを構成する他方の第1揺動部6bの下側の端部との間にかけ渡されている。
【0057】
本例では、それぞれの第1揺動部6a、6bの下側の端部に備えられた嵌合筒部を、第1下側連結部9a、9bのうち、第1方向両側の端部に相対回転可能に外嵌している。これにより、第1揺動部6a、6bのそれぞれの下側の端部を、第1下側連結部9a、9bに対し、該第1下側連結部9a、9bの中心軸を中心とする揺動を可能に支持している。ただし、それぞれの第1揺動部の下側の端部を、第1下側連結部のうち、第1方向両側の端部に結合固定することもできる。
【0058】
また、本例では、それぞれの第1構造部4a、4bは、2つの第1揺動部6a、6bの下側の端部同士を連結する補助連結部10a、10bを備える。
【0059】
それぞれの補助連結部10a、10bは、互いの近い側の端部(それぞれの先端部)同士が、回動を可能に連結され、かつ、互いの遠い側の端部(それぞれの基端部)が、2つの第1揺動部6a、6bの下端部に回動を可能に支持された2つの補助連結片11a、11bを有する。すなわち、2つの補助連結片11a、11bのうち、一方の補助連結片11aの基端部は、一方の第1揺動部6aの下側の端部に対し回動を可能に支持され、かつ、他方の補助連結片11bの基端部は、他方の第1揺動部6bの下側の端部に対し回動を可能に支持されている。
【0060】
本例では、それぞれの補助連結片11a、11bの基端部に備えられた嵌合筒部を、第1下側連結部9a、9bのうち、第1方向両側の端部に相対回転可能に外嵌している。これにより、補助連結片11a、11bのそれぞれの基端部を、第1下側連結部9a、9bに対し、該第1下側連結部9a、9bの中心軸を中心とする揺動を可能に支持している。ただし、本例のように、第1揺動部のそれぞれの下側の端部を、第1下側連結部に対し、該第1下側連結部の中心軸を中心とする揺動を可能に支持している場合には、それぞれの補助連結片の基端部を、第1下側連結部のうち、第1方向両側の端部に結合固定することもできる。
【0061】
本例では、第1構造体2は、2つの第1構造部4a、4bが備える補助連結部10a、10bの中間部同士を連結する補助中間連結部12をさらに備える。
【0062】
補助中間連結部12は、第1下側連結部9a、9bと平行に配置されている。
【0063】
補助中間連結部12の第1方向に関する一方側の端部には、一方の補助連結部10aを構成する2つの補助連結片11a、11bの先端部が回動可能に支持され、かつ、補助中間連結部12の第1方向に関する他方側の端部には、他方の補助連結部10bを構成する2つの補助連結片11a、11bの先端部が回動可能に支持されている。
【0064】
具体的には、一方の補助連結部10aを構成する2つの補助連結片11a、11bの先端部に備えられた嵌合筒部を、補助中間連結部12の第1方向に関する一方側の端部に相対回転可能に外嵌し、かつ、他方の補助連結部10bを構成する2つの補助連結片11a、11bの先端部に備えられた嵌合筒部を、補助中間連結部12の第1方向に関する他方側の端部に相対回転可能に外嵌している。これにより、それぞれの補助連結部10a、10bを構成する2つの補助連結片11a、11bの先端部同士を回動可能に連結するとともに、2つの補助連結部10a、10bの中間部同士を連結している。
【0065】
第2構造体3は、水平方向のうち、第1方向と交差する第2方向(図3および図4に矢印βで示す方向)に離隔して配置された2つの第2構造部13a、13bを備え、上下方向を向いた回動軸Rを中心とする回動を可能に、第1構造体2に対して支持されている。本例では、第1方向と第2方向とは直交する。
【0066】
それぞれの第2構造部13a、13bは、下側に配置された第2直立部14と、上側に配置された2つの第2揺動部15a、15bとを有する。
【0067】
第2直立部14は、上下方向に伸長している。
【0068】
それぞれの第2揺動部15a、15bは、下側の端部を、第2直立部14の上側の端部に対して、第2方向を向いた第2枢軸P2を中心とする揺動を可能に支持されている。スツール1の展開状態では、2つの第2揺動部15a、15bは、第2方向から見て上側に向かうほど互いに離れる方向に伸長している。すなわち、スツール1の展開状態では、第2構造部13a、13bは、第2方向から見てY字形に構成されている。
【0069】
本例では、第2構造体3は、2つの第2構造部13a、13bのそれぞれが備える第2直立部14の上側の端部同士を連結する第2中間連結部16と、2つの第2構造部13a、13bのそれぞれが備える第2直立部14の下側の端部同士を連結する第2下側連結部17とをさらに備える。
【0070】
第2中間連結部16は、第2方向に伸長する直線状に構成されている。
【0071】
本例では、第2揺動部15a、15bのそれぞれの下側の端部は、第2中間連結部16のうち、第2方向両側の端部に対して回動可能に支持されている。具体的には、第2揺動部15a、15bのそれぞれの下側の端部に備えられた嵌合筒部を、第2中間連結部16のうち、第2方向両側の端部に相対回転可能に外嵌している。これにより、第2揺動部15a、15bのそれぞれの下側の端部を、第2直立部14の上側の端部に対して、第2中間連結部16の中心軸である第2枢軸P2を中心とする揺動を可能に支持している。
【0072】
第2下側連結部17は、水平方向のうちで第2方向と直交する方向から見て逆V字形に屈曲している。
【0073】
さらに本例では、第2構造体3は、2つの第2構造部13a、13bを構成する2つの第2揺動部15a、15bのうちの一方(水平方向のうち、第2方向P2に直交する方向(本例では第1方向P1)に関する片側(図3および図4の右手前側))の第2揺動部15aの上側の端部同士の間にかけ渡された第2上側連結部18aを有し、かつ、2つの第2構造部13a、13bを構成する2つの第2揺動部15a、15bのうちの他方(前記第2方向P2に直交する方向に関する他側(図3および図4の左奥側))の第2揺動部15bの上側の端部同士の間にかけ渡された第2上側連結部18bを有する。
【0074】
換言すれば、一方の第2上側連結部18aは、2つの第2構造部13a、13bのうちの一方(第2方向P2に関する片側(図3および図4の左手前側))の第2構造部13aを構成する一方の第2揺動部15aの上側の端部と、他方(第2方向P2に関する他側(図3および図4の右奥側))の第2構造部13bを構成する一方の第2揺動部15aの上側の端部との間にかけ渡されている。また、他方の第2上側連結部18bは、一方の第2構造部13aを構成する他方の第2揺動部15bの上側の端部と、他方の第2構造部13bを構成する他方の第2揺動部15bの上側の端部との間にかけ渡されている。
【0075】
本例では、それぞれの第2揺動部15a、15bの上側の端部に備えられた嵌合筒部を、第2上側連結部18a、18bのうち、第2方向両側の端部に相対回転可能に外嵌している。これにより、第2揺動部15a、15bのそれぞれの上側の端部を、第2上側連結部18a、18bに対し、該第2上側連結部18a、18bの中心軸を中心とする揺動を可能に支持している。ただし、それぞれの第2揺動部の上側の端部に備えられた嵌合筒部を、第2上側連結部のうち、第2方向両側の端部に結合固定することもできる。
【0076】
本例のスツール1は、上下方向に伸長する支持軸部19をさらに備える。そして、第1構造体2を構成する第1中間連結部8の伸長方向中間部および第1上側連結部7の伸長方向中間部、並びに/または、第2構造体3を構成する第2中間連結部16の伸長方向中間部および第2下側連結部17の伸長方向中間部が、支持軸部19に対して、該支持軸部19の中心軸である回動軸Rを中心とする回動を可能に支持されている。
【0077】
本例では、第2構造体3を構成する第2中間連結部16の伸長方向中間部および第2下側連結部17の伸長方向中間部が、支持軸部19に対して、該支持軸部19の中心軸である回動軸Rを中心とする回動を可能に支持されている。
【0078】
具体的には、第2中間連結部16の伸長方向中間部および第2下側連結部17の伸長方向中間部は、支持軸部19に対して、回転軸Rを中心とする回動および上下方向の相対変位を可能に支持されている。このために、第2中間連結部16の伸長方向中間部に備えられた嵌合筒部および第2下側連結部17の伸長方向中間部に備えられた嵌合筒部を、支持軸部19に、相対回転および上下方向の相対変位を可能に外嵌している。
【0079】
本例では、第1中間連結部8の伸長方向中間部および第1上側連結部7の伸長方向中間部は、支持軸部19に対して上下方向の相対変位を可能に支持されている。このために、第1中間連結部8の伸長方向中間部に備えられた嵌合筒部および第1上側連結部7の伸長方向中間部に備えられた嵌合筒部を、支持軸部19に、上下方向の相対変位を可能に外嵌している。
【0080】
また、本例では、支持軸部19の下側部分は、補助中間連結部12の伸長方向中間部に対し結合固定されている。
【0081】
本例では、第1構造体2を構成する各部、第2構造体3を構成する各部、および支持軸部19は、金属製で断面円形のパイプ材または棒材により構成されている。
【0082】
本例のスツール1は、座部20をさらに備える。座部20は、2つの第2構造部13a、13bを構成する第2揺動部15a、15bのそれぞれの上側の端部にかけ渡すように支持されている。
【0083】
本例では、座部20は、2枚の矩形平板21a、21bを、蝶番を用いて回動可能に接続することにより、2つ折り可能に構成されている。そして、一方の第2上側連結部18aを、2枚の矩形平板21a、21bのうちの一方の矩形平板21aの下面に対して一方の第2上側連結部18aの中心軸を中心とする回動を可能に支持し、かつ、他方の第2上側連結部18bを、他方の矩形平板21bの下面に対して他方の第2上側連結部18bの中心軸を中心とする回動を可能に支持している。
【0084】
このために、本例では、それぞれの矩形平板21a、21bの下面に備えられた筒状部22に、それぞれの第2上側連結部18a、18bを相対回転可能に内嵌(挿通)している。これにより、それぞれの第2上側連結部18a、18bを、それぞれの矩形平板21a、21bの下面に対し、それぞれの第2上側連結部18a、18bの中心軸を中心とする回動を可能に支持している。
【0085】
本例では、座部20は、2つの矩形平板21a、21bを組み合わせることにより構成されているが、それぞれの第2上側連結部同士の間に、布や、複数本の帯状部材若しくは紐状部材をかけ渡すことで構成することもできる。
【0086】
本例のスツール1は、複数枚のパネル23をさらに備える。
【0087】
本例のスツール1では、それぞれのパネル23は、第1構造体2を構成する各部により3辺を囲まれた部分と、第2構造体3を構成する各部により3辺を囲まれた部分とに設置されている。それぞれの補助連結片11a、11b、補助中間連結部12、および/または第1下側連結部9a、9bにより囲まれた部分に、パネルを設置することもできる。ただし、一部またはすべてのパネルを省略することもできる。
【0088】
本例のスツール1では、パネル23は、金属、合成樹脂、または木製の板材により構成されている。ただし、パネルに代えて、布や、複数本の帯状部材若しくは紐状部材をかけ渡すこともできる。
【0089】
本例の折り畳み構造物100bが適用されたスツール1は、収納時や運搬時には折り畳むことができる。なお、図6(A)~図6(D)では、発明の理解を容易にするために、支持軸部19、座部20、およびパネル23を省略するとともに、第1構造体2を実線で示し、かつ、第2構造体3を破線で示している。
【0090】
スツール1(折り畳み構造物100b)を折り畳む際には、まず、図6(A)→図6(B)に示すように、2つの第2上側連結部18a、18bを、第2枢軸P2を中心に、上側かつ互いに近づく方向に向けて回動させるとともに、座部20を2つ折りに折り畳む。このとき、第2構造体3を支持軸部19に対して上方に相対変位させる。これにより、座部20が折り畳まれることに伴って、座部20が第1上側連結部7に干渉するのを防止する。
【0091】
次に、図6(B)→図6(C)に示すように、2つの第1下側連結部9a、9bを、第1枢軸P1を中心に、下側かつ互いに近づく方向に向けて回動させながら、第1中間連結部8および第1上側連結部7を、支持軸部19に対して下方に相対変位させる。このとき、それぞれの補助連結部10a、10bを、それぞれの補助連結片11a、11bの先端部を支持する補助中間連結部12を、上側に向かう方向に回動させることで折り畳む。これにより、2つの第1下側連結部9a、9bが、互いに近づく方向に回動することを許容する。
【0092】
そして、図6(C)→図6(D)に示すように、第2構造体3を、支持軸部19の中心軸である回動軸Rを中心に、第1構造体2に対して回動させる。これにより、スツール1(折り畳み構造物100b)を、略平板状に折り畳む。
【0093】
これに対し、スツール1(折り畳み構造物100b)を展開する際には、まず、図6(D)→図6(C)に示すように、第2構造体3を、回動軸Rを中心に回動させる。
【0094】
次に、図6(C)→図6(B)に示すように、2つの第1下側連結部9a、9bを、第1枢軸P1を中心に、上側かつ互いに遠ざかる方向に向けて回動させながら、第1中間連結部8および第1上側連結部7を、支持軸部19に対して上方に相対変位させる。
【0095】
そして、図6(B)→図6(A)に示すように、2つの第2上側連結部18a、18bを、第2枢軸P2を中心に、下側かつ互いに遠ざかる方向に向けて回動させるとともに、座部20を展開する。これに伴い、第2構造体3を支持軸部19に対して下方に相対変位させる。これにより、スツール1(折り畳み構造物100b)を展開する。
【0096】
なお、スツール1の折り畳み手順および展開手順については、矛盾を生じない限り、上述の手順に限らず、任意の手順とすることができる。すなわち、それぞれの工程の順序を入れ替えたり、複数の工程を同時に実施したりすることができる。
【0097】
本例の折り畳み構造物100bが適用されたスツール1は、従来構造とは異なる折り畳み構造を備え、安定性および折り畳み性に優れ、かつ、意匠性にも優れる。
【0098】
本例では、第1構造体2を構成する各部、第2構造体3を構成する各部、および支持軸部19を、金属製で断面円形のパイプ材または棒材により構成しているが、本発明の一態様の折り畳み構造物を実施する場合、第1構造体を構成する各部、第2構造体を構成する各部、および支持軸部は、必要とする強度を確保することができる限り、特に限定されるものではない。
【0099】
たとえば、第1構造体を構成する各部、第2構造体を構成する各部、および支持軸部を、木製や合成樹脂製のパイプ材若しくは棒材により構成することもできる。
【0100】
また、本発明の一態様の折り畳み構造は、図2に示す先発明の第2例のように、板材を組み合わせることにより構成することもできる。この場合、一方の構造体102cが第1構造体を構成し、かつ、該一方の構造体102cの水平方向両側辺が2つの第1構造部を構成する。また、他方の構造体102dが第2構造体を構成し、かつ、該他方の構造体102dの水平方向両側辺が2つの第2構造部を構成する。
【0101】
本例では、本発明の一態様の折り畳み構造物を、スツール1に適用した例について説明したが、本発明の一態様の折り畳み構造物は、スツール1に限らず、折り畳みテーブルなど、様々な家具やアウトドア用品に適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 スツール
2 第1構造体
3 第2構造体
4a、4b 第1構造部
5 第1直立部
6a、6b 第1揺動部
7 第1上側連結部
8 第1中間連結部
9a、9b 第1下側連結部
10a、10b 補助連結部
11a、11b 補助連結片
12 補助中間連結部
13a、13b 第2構造部
14 第2直立部
15a、15b 第2揺動部
16 第2中間連結部
17 第2下側連結部
18a、18b 第2上側連結部
19 支持軸部
20 座部
21a、21b 矩形平板
22 筒状部
23 パネル
100、100a、100b 折り畳み構造物
101 スリット
102a、102b、102c、102d 構造体
103、103a、103b 基部
104、104a、104b 耳部
105、105a、105b 舌部
図1
図2
図3
図4
図5
図6