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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124039
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】折り畳み脚および折り畳み構造
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/06 20060101AFI20240905BHJP
   A47B 3/091 20060101ALI20240905BHJP
   A47B 3/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A47B13/06
A47B3/091 C
A47B3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031939
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】599083271
【氏名又は名称】オンウェー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】弁理士法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宋 炎或
(72)【発明者】
【氏名】薩 日娜
(72)【発明者】
【氏名】泉 里志
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053JA00
3B053NR01
(57)【要約】
【課題】従来とは異なる構造を備える折り畳み脚を提供する。
【解決手段】折り畳み脚4は、自身の中心軸Oを中心とする回動を可能に配置される下辺フレーム素子7と、2つの第1側辺フレーム素子8とを有し、三角形環状に構成された第1脚フレーム5と、自身の中心軸O13を中心とする回動を可能に配置される上辺フレーム素子13と、それぞれの伸長方向中間部が、2つの第1側辺フレーム素子8の伸長方向中間部に対して回動を可能に支持された2つの第2側辺フレーム素子14とを有し、三角形環状に構成された第2脚フレーム6と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の中心軸を中心とする回動が可能な下辺フレーム素子と、2つの第1側辺フレーム素子とを有し、三角形環状に構成された第1脚フレームと、
自身の中心軸を中心とする回動が可能な上辺フレーム素子と、それぞれの伸長方向中間部が、前記2つの第1側辺フレーム素子の伸長方向中間部に対する回動を可能に支持された2つの第2側辺フレーム素子とを有し、三角形環状に構成された第2脚フレームと、
を備える、折り畳み脚。
【請求項2】
前記第1脚フレームが、前記2つの第1側辺フレーム素子の伸長方向中間部同士の間にかけ渡された梁フレーム素子を有し、
前記2つの第2側辺フレーム素子の伸長方向中間部が前記梁フレーム素子に対して、該梁フレーム素子の中心軸を中心とする回動を可能に支持されている、請求項1に記載の折り畳み脚。
【請求項3】
折り畳み可能な複数個の折り畳み脚を備える折り畳み構造物であって、
前記複数個の折り畳み脚のそれぞれが、請求項1または2に記載の折り畳み脚により構成されている、折り畳み構造物。
【請求項4】
展開状態において、前記下辺フレーム素子と前記上辺フレーム素子との位置関係を保持するための保持機構を備える、請求項3に記載の折り畳み構造物。
【請求項5】
上部構造体をさらに備え、
前記上辺フレーム素子が前記上部構造体に対し、自身の中心軸を中心とする回動を可能に支持されている、請求項3に記載の折り畳み構造物。
【請求項6】
前記上部構造体が、展開状態において水平方向を向いたストッパ面を有しており、
展開状態において、前記2つの第1側辺フレーム素子の上側の端部同士の連結部を前記ストッパ面に当接させることにより、前記下辺フレーム素子と前記上辺フレーム素子との位置関係を保持する、請求項5に記載の折り畳み構造物。
【請求項7】
前記上部構造体が、第1上部構造体素子と、該第1上部構造体素子に対し上下方向の相対変位を可能に支持され、かつ、展開状態において該第1上部構造体素子よりも下側に配置される第2上部構造体素子とを有し、
前記ストッパ面が、前記第2上部構造体素子の側面により構成されている、請求項6に記載の折り畳み構造物。
【請求項8】
前記上部構造体が、天板を構成する、請求項5に記載の折り畳み構造物。
【請求項9】
下部構造体をさらに備え、
前記下辺フレーム素子が前記下部構造体に対し、自身の中心軸を中心とする回動を可能に支持されている、請求項3に記載の折り畳み構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み脚およびこの折り畳み脚を備える折り畳み構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
使用していないときに、折り畳んで保管することが可能な折り畳みテーブルとして、特開2005-74057号公報、実用新案登録第3046509号公報などに記載されているように、様々な折り畳み構造を有するものが、従来から提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-74057号公報
【特許文献2】実用新案登録第3046509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来構造とは異なる構造を備える折り畳み脚、および、この折り畳み脚を備える折り畳み構造物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様の折り畳み脚は、
自身の中心軸を中心とする回動を可能に配置される下辺フレーム素子と、2つの第1側辺フレーム素子とを有し、三角形環状に構成された第1脚フレームと、
自身の中心軸を中心とする回動を可能に配置される上辺フレーム素子と、それぞれの伸長方向中間部が、前記2つの第1側辺フレーム素子の伸長方向中間部に対する回動を可能に支持された2つの第2側辺フレーム素子とを有し、三角形環状に構成された第2脚フレームと、
を備える。
【0006】
本発明の一態様の折り畳み脚では、前記第1脚フレームは、前記2つの第1側辺フレーム素子の伸長方向中間部同士の間にかけ渡された梁フレーム素子を有することができ、かつ、前記2つの第2側辺フレーム素子の伸長方向中間部を前記梁フレーム素子に対して、該梁フレーム素子の中心軸を中心とする回動を可能に支持することができる。
【0007】
あるいは、前記第2脚フレームが、前記2つの第2側辺フレーム素子の伸長方向中間部同士の間にかけ渡された梁フレーム素子を有し、かつ、前記2つの第1側辺フレーム素子の伸長方向中間部を前記梁フレーム素子に対して、該梁フレーム素子の中心軸を中心とする回動を可能に支持する構成を採用してもよい。
【0008】
本発明の一態様の折り畳み構造物は、
折り畳み可能な複数個の折り畳み脚を備え、
前記複数個の折り畳み脚のそれぞれが、本発明の一態様の折り畳み脚により構成されている。
【0009】
本発明の一態様の折り畳み構造物は、該折り畳み構造物の展開状態において、前記下辺フレーム素子と前記上辺フレーム素子との位置関係を保持するための保持機構を備えることができる。
【0010】
本発明の一態様の折り畳み構造物は、上部構造体をさらに備えることができ、かつ、前記上辺フレーム素子を前記上部構造体に対し、該上辺フレーム素子自身の中心軸を中心とする回動を可能に支持することができる。
【0011】
この場合に、前記上部構造体は、展開状態において水平方向を向いたストッパ面を有することができ、かつ、展開状態において、前記2つの第1側辺フレーム素子の上側の端部同士の連結部(頂部)を前記ストッパ面に当接させることにより、前記下辺フレーム素子と前記上辺フレーム素子との位置関係を保持することができる。換言すれば、展開状態において、前記2つの第1側辺フレーム素子の上側の端部同士の連結部を前記ストッパ面に当接させることにより、前記下辺フレーム素子と前記上辺フレーム素子との位置関係を保持するための保持機構を実現することができる。
【0012】
さらにこの場合に、前記上部構造体は、第1上部構造体素子と、該第1上部構造体素子に対し上下方向の相対変位を可能に支持され、かつ、展開状態において該第1上部構造体素子よりも下側に配置される第2上部構造体素子とを有することができ、前記ストッパ面を、前記第2上部構造体素子の側面により構成することができる。
【0013】
前記上部構造体は、天板を構成することができる。すなわち、本発明の一態様の折り畳み構造は、折り畳みテーブルを構成することができる。
【0014】
本発明の一態様の折り畳み構造物は、下部構造体をさらに備えることができ、かつ、前記下辺フレーム素子を前記下部構造体に対し、該下辺フレーム素子自身の中心軸を中心とする回動を可能に支持することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来構造とは異なる構造を備える折り畳み脚、および、この折り畳み脚を備える折り畳み構造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施の形態の第1例の折り畳みテーブルを、展開状態で示す斜視図である。
図2図2は、第1例の折り畳みテーブルを、折り畳んだ状態で示す斜視図である。
図3図3(A)は、展開状態における折り畳み脚を模式的に示す正面図(a)および(a)のX-X断面図(b)であり、図3(B)は、折り畳み状態における折り畳み脚を模式的に示す正面図(a)および(a)のY-Y断面図(b)である。
図4図4は、本発明の実施の形態の第2例の折り畳みテーブルを、展開状態で示す斜視図である。
図5図5は、第2例の折り畳みテーブルを、折り畳んだ状態で示す斜視図である。
図6図6は、第2例の折り畳みテーブルの展開状態において、上部構造体と下部構造体との位置関係を保持するための機構を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1図3を用いて説明する。本例は、本発明の一態様の折り畳み構造物を、折り畳みテーブル1に適用した例である。以下、まず、折り畳みテーブル1の展開状態(使用状態)での各部の構成について説明する。
【0018】
なお、以下の説明において、上下方向および水平方向は、特に断らない限り、折り畳みテーブル1を、床面または地面に載置した状態での上下方向および水平方向をいう。
【0019】
本例の折り畳みテーブル1は、上部構造体2と、下部構造体3と、複数個の折り畳み脚4とを備える。
【0020】
上部構造体2は、天板を構成する。より具体的には、本例では、上部構造体2は、上下方向から見て略矩形の平板により構成されている。
【0021】
下部構造体3は、上部構造体2の下方に、該上部構造体2に対して平行に配置されている。下部構造体3は、上下方向から見て上部構造体2とほぼ同じ外周形状を有する略矩形枠形の平板により構成されている。
【0022】
本例の折り畳みテーブル1は、上部構造体2の下面のうちの4つの辺の近傍と下部構造体3の上面のうちの4つの辺の近傍との間のそれぞれに、折り畳み脚4を1個ずつ備える。すなわち、本例の折り畳みテーブル1は、4個の折り畳み脚4を備える。
【0023】
それぞれの折り畳み脚4は、第1脚フレーム5と、第2脚フレーム6と備える。
【0024】
第1脚フレーム5は、下辺フレーム素子7と、2つの第1側辺フレーム素子8とを有する。
【0025】
下辺フレーム素子7は、下部構造体3に対し、該下辺フレーム素子7自身の中心軸Oを中心とする回動のみを可能に支持されている。
【0026】
本例では、下辺フレーム素子7は、下部構造体3の上面のうち、外周側の辺の近傍部分に、支持部材9を用いて、下辺フレーム素子7自身の中心軸Oを中心とする回動のみを可能に支持されている。
【0027】
支持部材9は、金属板を曲げ成形してなり、部分円筒状の湾曲部10と、該湾曲部10を挟む両側に備えられた2つの被取付板部11とを有する。
【0028】
下辺フレーム素子7は、その伸長方向(軸方向)両側の端部寄り部分を、2つの支持部材9の湾曲部10の内側に配置した状態で、該2つの支持部材9のそれぞれの被取付板部11を、下部構造体3の上面にねじ止めなどにより支持固定することにより、下部構造体3に対して自身の中心軸Oを中心とする回動のみを可能に支持される。
【0029】
ただし、下辺フレーム素子を下部構造体に対し、該下辺フレーム素子自身の中心軸を中心とする回動を可能に支持する構造については、本例の構造に限らず、従来から知られている様々な支持構造を採用することができる。
【0030】
2つの第1側辺フレーム素子8は、下側から上側に向かうほど、互いに近づく方向であって、かつ、上部構造体2の中央部に向かう方向に伸長している。2つの第1側辺フレーム素子8の下側の端部は、下辺フレーム素子7の伸長方向両側の端部に連結されており、2つの第1側辺フレーム素子8の上側の端部は、互いに連結されている。これにより、第1脚フレーム5は、全体として三角形環状に構成されている。
【0031】
なお、2つの第1側辺フレーム素子8は、互いに同じ長さを有する。すなわち、第1脚フレーム5は、下辺フレーム素子7と2つの第1側辺フレーム素子8とによって、二等辺三角形(正三角形を含む)環状に構成されている。
【0032】
本例では、第1脚フレーム5は、2つの第1側辺フレーム素子8の伸長方向(軸方向)中間部同士の間にかけ渡された梁フレーム素子12を有する。梁フレーム素子12は、下辺フレーム素子7と平行に配置されている。
【0033】
第2脚フレーム6は、上辺フレーム素子13と、2つの第2側辺フレーム素子14とを有する。
【0034】
上辺フレーム素子13は、下辺フレーム素子7と平行に配置されており、上部構造体2に対し、該上辺フレーム素子13自身の中心軸O13を中心とする回動のみを可能に支持されている。
【0035】
本例では、上辺フレーム素子13は、上部構造体2の下面のうち、辺の近傍部分に、支持部材9により、該上辺フレーム素子13自身の中心軸O13を中心とする回動のみを可能に支持されている。すなわち、上辺フレーム素子13は、その伸長方向(軸方向)両側の端部寄り部分を、2つの支持部材9の湾曲部10の内側に配置した状態で、該2つの支持部材9のそれぞれの被取付板部11を、上部構造体2の下面にねじ止めなどにより支持固定することにより、上部構造体2に対して自身の中心軸O13を中心とする回動のみを可能に支持される。
【0036】
ただし、上辺フレーム素子を上部構造体に対し、該上辺フレーム素子自身の中心軸を中心とする回動を可能に支持する構造については、本例の構造に限らず、従来から知られている様々な支持構造を採用することができる。
【0037】
なお、本例では、上辺フレーム素子13の長さは、下辺フレーム素子7の長さよりも短くなっている。
【0038】
2つの第2側辺フレーム素子14は、上側から下側に向かうほど、互いに近づく方向であって、かつ、下部構造体3の中央部に向かう方向に伸長している。2つの第2側辺フレーム素子14の上側の端部は、上辺フレーム素子13の伸長方向両側の端部に連結されており、2つの第2側辺フレーム素子14の下側の端部は、互いに連結されている。これにより、第2脚フレーム6は、全体として三角形環状に構成されている。
【0039】
なお、2つの第2側辺フレーム素子14は、互いに同じ長さを有する。すなわち、第2脚フレーム6は、上辺フレーム素子13と2つの第2側辺フレーム素子14とによって、二等辺三角形(正三角形を含む)環状に構成されている。
【0040】
また、2つの第2側辺フレーム素子14の伸長方向(軸方向)中間部は、2つの第1側辺フレーム素子8の伸長方向中間部に対して、下辺フレーム素子7の中心軸Oおよび上辺フレーム素子13の中心軸O13と平行な枢軸Pを中心とする回動を可能に支持されている。
【0041】
本例では、2つの第2側辺フレーム素子14の伸長方向中間部に支持固定された円筒部材15を、梁フレーム素子12の伸長方向(軸方向)中間部2箇所位置にがたつきがない隙間嵌で(相対回転可能に)外嵌している。これにより、2つの第2側辺フレーム素子14の伸長方向中間部を、枢軸Pを中心とする回動を可能に支持している。
【0042】
本例では、第1脚フレーム5の2つの第1側辺フレーム素子8の伸長方向中間部同士の間にかけ渡された梁フレーム素子12に、第2脚フレーム6の2つの第2側辺フレーム素子14の伸長方向中間部を、円筒部材15を用いて枢軸Pを中心とする回動を可能に支持しているが、2つの第2側辺フレーム素子の伸長方向中間部を2つの第1側辺フレーム素子の伸長方向中間部に対し回動を可能に支持する構造については、特に限定されるものではなく、様々な支持構造を採用することができる。
【0043】
たとえば、第2脚フレームの上辺フレーム素子の長さを第1脚フレームの下辺フレーム素子の長さよりも長くして、2つの第2側辺フレーム素子の伸長方向中間部同士の間にかけ渡された梁フレーム素子に、2つの第1側辺フレーム素子の伸長方向中間部を、該梁フレーム素子の中心軸(枢軸)を中心とする回動を可能に支持することもできる。
【0044】
あるいは、第1側辺フレーム素子の伸長方向中間部に備えられた通孔と第2側辺フレーム素子の伸長方向中間部に備えられた通孔とにピンを挿通することで、2つの第2側辺フレーム素子の伸長方向中間部を、2つの第1側辺フレーム素子の伸長方向中間部に対する回動を可能に支持することもできる。
【0045】
本例では、第1脚フレーム5および第2脚フレーム6は、金属製のパイプ材に曲げ加工や溶接などを施すことにより造られている。ただし、第1脚フレームおよび第2脚フレームを構成する材料は、必要とする強度を確保することができる限り、特に限定されるものではなく、木材や合成樹脂などを使用することもできる。
【0046】
本例の折り畳みテーブル1は、展開状態において、それぞれの折り畳み脚4の第1脚フレーム5を構成する下辺フレーム素子7と第2脚フレーム6を構成する上辺フレーム素子13との位置関係を保持するための保持機構16を備える。
【0047】
本例では、保持機構16は、第1係合部材17と、第2係合部材18とを備える。
【0048】
第1係合部材17は、上部構造体2の下面に支持固定され、かつ、第1脚フレーム5の上側の端部と係脱可能となっている。本例では、第1係合部材17は、第1脚フレーム5の上側の端部であって、2つの第1側辺フレーム素子8の上側の端部同士の連結部である第1頂部19を、ダブルクリップのように、2つの挟持片により挟む(掴む)ことで保持するクリップにより構成されている。
【0049】
第2係合部材18は、下部構造体3の上面に支持固定され、かつ、第2脚フレーム6の下側の端部と係脱可能となっている。本例では、第2係合部材18は、第2脚フレーム6の下側の端部であって、2つの第2側辺フレーム素子14の下側の端部同士の連結部である第2頂部20を、ダブルクリップのように、2つの挟持片により挟む(掴む)ことで保持するクリップにより構成されている。
【0050】
なお、保持機構の構造は、折り畳み構造物の展開状態において、下辺フレーム素子と上辺フレーム素子との位置関係を保持することができる限り、本例の構造に限らず、様々な構造を採用することができる。
【0051】
たとえば、下辺フレーム素子と上辺フレーム素子との位置関係を保持する力を十分に確保することができる限り、第1係合部材と第2係合部材とのうちのいずれか一方を省略することができる。および/または、第1係合部材として、2つの第1側辺フレーム素子の上側の端部同士の連結部である第1頂部と係脱可能な略U字形または略J字形のフックを使用したり、第2係合部材として、2つの第2側辺フレーム素子の下側の端部同士の連結部である第2頂部と係脱可能な略U字形または略J字形のフックを使用したりすることもできる。
【0052】
あるいは、保持機構を、展開状態において第1脚フレームの上側の端部を、上部構造体に備えられ、かつ、水平方向を向いたストッパ面に当接させることで、第1脚フレームがそれ以上回動するのを防止するように構成することもできる。
【0053】
また、保持機構は、すべての折り畳み脚について設けることもできるし、一部の折り畳み脚についてのみ設けることもできる。
【0054】
本例の折り畳みテーブル1は、収納時や運搬時には折り畳むことができる。
【0055】
折り畳みテーブル1を折り畳む際には、まず、第1係合部材17と第1脚フレーム5の第1頂部19との係合を外し、かつ、第2係合部材18と第2脚フレーム6の第2頂部20との係合を外す。
【0056】
第1係合部材17と第1頂部19との係合を外すには、第1係合部材17を構成するクリップを開き(2つの挟持片の先端部同士の間隔を拡げ)、さらに第1脚フレーム5を、下辺フレーム素子7の中心軸Oを中心に、第1頂部19が下側かつ下部構造体3の中央部に向かう方向(図3(A)(b)の時計方向)にわずかに揺動させる。これにより、第1係合部材17と第1頂部19との係合を外すことで、第1脚フレーム5が、下辺フレーム素子7の中心軸Oを中心に回動することを可能とする。
【0057】
また、第2係合部材18と第2頂部20との係合を外すには、第2係合部材18を構成するクリップを開き、さらに第2脚フレーム6を、上辺フレーム素子13の中心軸O13を中心に、第2頂部20が上側かつ上部構造体2の中央部に向かう方向(図3(A)(b)の反時計方向)にわずかに揺動させる。これにより、第2係合部材18と第2頂部20との係合を外すことで、第2脚フレーム6が、上辺フレーム素子13の中心軸O13を中心に回動することを可能とする。
【0058】
次いで、図3(A)→図3(B)に示すように、上部構造体2と下部構造体3とを互いに近づけて折り畳む。
【0059】
具体的には、上部構造体2と下部構造体3とを、平行を保ったまま、互いに近づける。これにより、第1脚フレーム5を、下辺フレーム素子7の中心軸Oを中心に、第1頂部19が下側かつ下部構造体3の中央部に向かう方向に回動させ、第2脚フレーム6を、上辺フレーム素子13の中心軸O13を中心に、第2頂部20が上側かつ上部構造体2の中央部に向かう方向に回動させ、かつ、第1脚フレーム5と第2脚フレーム6とを、枢軸Pを中心に相対回転させる。これにより、上部構造体2と下部構造体3とを、平行を保ったまま、互いに近づけて折り畳む。
【0060】
これに対し、折り畳みテーブル1を展開する際には、まず、図3(B)→図3(A)に示すように、上部構造体2と下部構造体3とを、互いに離隔させる。
【0061】
具体的には、上部構造体2と下部構造体3とを、平行を保ったまま、互いに離隔させる。これにより、第1脚フレーム5を、下辺フレーム素子7の中心軸Oを中心に、第1頂部19が上側かつ上部構造体2の外周側に向かう方向(図3(B)(b)の反時計方向)に回動させ、第2脚フレーム6を、上辺フレーム素子13の中心軸O13を中心に、第2頂部20が下側かつ下部構造体3の外周側に向かう方向(図3(B)(b)の時計方向)に回動させ、かつ、第1脚フレーム5と第2脚フレーム6とを、枢軸Pを中心に相対回転させる。これにより、上部構造体2と下部構造体3とを、平行を保ったまま、互いに離隔させる。
【0062】
そして、第1係合部材17と第1頂部19とを係合させ、かつ、第2係合部材18と第2頂部20とを係合をさせることで、折り畳みテーブル1の展開状態における下辺フレーム素子7と上辺フレーム素子13との位置関係を保持する。これにより、上部構造体2と下部構造体3とを展開状態に保持する。
【0063】
なお、折り畳みテーブル1の折り畳み手順および展開手順については、矛盾を生じない限り、上述の手順に限らず、任意の手順とすることができる。すなわち、それぞれの工程の順序を入れ替えたり、複数の工程を同時に実施したりすることができる。
【0064】
本例の折り畳み脚4は、それぞれが三角形環状に構成された第1脚フレーム5と第2脚フレーム6とを組み合わせることにより構成された、従来の折り畳み脚とは異なり、かつ、意匠性に優れた構造を備える。
【0065】
なお、本例では、本発明の一態様の折り畳み構造物を、折り畳みテーブル1に適用した例について説明したが、本発明の一態様の折り畳み構造物は、折り畳みテーブルに限らず、焚き火台や折り畳み椅子など、様々な家具やアウトドア用品に適用することができる。
【0066】
また、本例では、上部構造体2を、上下方向から見て略矩形の平板状に構成し、かつ、下部構造体3を、上下方向から見て上部構造体2とほぼ同じ外周形状を有する略矩形枠状に構成しているが、本発明の一態様の折り畳み構造物を実施する場合、上部構造体および下部構造体の構造は、特に限定されるものではなく、適用される折り畳み構造物の用途や機能に合わせて、様々な構造を採用することができる。
【0067】
たとえば、上部構造体を、中央部に開口を有する枠形の平板により構成したり、下部構造体を、開口部を有しない平板により構成したりすることができる。
【0068】
上部構造体および下部構造体の外周形状は、略矩形に限らず、矩形以外の多角形や円形などとすることもできる。上部構造体の外周形状と下部構造体の外周形状とは、互いに同じとすることもできるし、異ならせることもできる。
【0069】
上部構造体および下部構造体を構成する材料は、必要とする強度を確保することができる限り、特に限定されるものではなく、たとえば、木材や合成樹脂、金属材料などを使用することができる。
【0070】
また、上部構造体および下部構造体としては、平板に限らず、適用される折り畳み構造物の用途や機能に合わせて、様々な形状を有する構造体を採用することができる。
【0071】
本発明の一態様の折り畳み構造物を実施する場合、折り畳み脚の個数は、特に限定されるものではなく、適用される折り畳み構造物の用途や機能に合わせて、任意に設定することができる。
【0072】
[第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図4図6を用いて説明する。本例の折り畳みテーブル1aでは、上部構造体2aの構造、および、展開状態で下辺フレーム素子7と上辺フレーム素子13との位置関係を保持するための保持機構16aの構造が、第1例の折り畳みテーブル1と異なる。
【0073】
上部構造体2aは、第1上部構造体素子21と、第2上部構造体素子22とを有する。
【0074】
第1上部構造体素子21は、略矩形枠状に構成されている。すなわち、第1上部構造体素子21は、上下方向から見て略矩形の外周形状を有し、かつ、中央部に、略矩形の開口部23を有する。
【0075】
本例の折り畳みテーブル1aでは、第2脚フレーム6の上辺フレーム素子13は、第1上部構造体素子21の下面のうち、外周側の辺の近傍部分に、該上辺フレーム素子13自身の中心軸O13を中心とする回動のみを可能に支持されている。
【0076】
第2上部構造体素子22は、第1上部構造体素子21に対し上下方向の相対変位を可能に支持され、かつ、折り畳みテーブル1aの展開状態において第1上部構造体素子21よりも下側に配置される。
【0077】
本例では、第2上部構造体素子22は、第1上部構造体素子21の開口部23の開口形状よりもわずかに小さい外周形状を有する略矩形の平板状に構成されている。
【0078】
第2上部構造体素子22は、該第2上部構造体素子22の外周面と第1上部構造体素子21の開口部23の内周面との間にかけ渡された複数個の吊り下げ部材24により、第1上部構造体素子21に対して上下方向の相対変位を可能に吊り下げ支持されている。
【0079】
したがって、第2上部構造体素子22は、図4に示す折り畳みテーブル1aの展開状態では、第1上部構造体素子21によりも下側に配置され、かつ、図5に示す折り畳みテーブル1aの折り畳み状態では、開口部23の内側に配置されて、第1上部構造体素子21の上面と第2上部構造体素子22の上面とが面一となる(同一の仮想平面状に位置する)。
【0080】
また、本例では、第2上部構造体素子22は、中央部に、上下方向に貫通する通孔25を有する。ただし、通孔25は、省略することもできる。
【0081】
本例の折り畳みテーブル1aは、第1例の折り畳みテーブル1が備えていた第1係合部材17および第2係合部材18を備えていない。本例では、折り畳みテーブル1aの展開状態において、第1脚フレーム5を構成する2つの第1側辺フレーム素子8の上側の端部同士の連結部である第1頂部19を、第2上部構造体素子22の外周面に当接(係合)させている。これにより、第1脚フレーム5が、第1頂部19を、下側かつ下部構造体3の中央部に向かう方向にそれ以上回動することを阻止して、折り畳みテーブル1aの展開状態における下辺フレーム素子7と上辺フレーム素子13との位置関係を保持している。すなわち、本例では、第2上部構造体素子22の外周面により、ストッパ面が構成され、かつ、該第2上部構造体素子22の外周面と第1脚フレーム5の第1頂部19との当接部(係合部)により、保持機構16aが構成されている。
【0082】
本例の折り畳みテーブル1aを折り畳む際には、まず、第2上部構造体素子22の外周面と第1脚フレーム5の第1頂部19との係合を外す。具体的には、第2上部構造体素子22を持ち上げた状態で、第1脚フレーム5を、下辺フレーム素子7の中心軸Oを中心に、第1頂部19が下側かつ下部構造体3の中央部に向かう方向(図6の時計方向)にわずかに揺動させる。これにより、第2上部構造体素子22の外周面と第1頂部19との係合を外すことで、下辺フレーム素子7の中心軸Oを中心とする第1脚フレーム5の回動および上辺フレーム素子13の中心軸O13を中心とする第2脚フレーム6の回動を可能とする。
【0083】
なお、第2上部構造体素子22を持ち上げる作業は、通孔25に作業者の手指や工具などを挿入することにより、容易に行うことができる。
【0084】
次いで、上部構造体2aと下部構造体3とを互いに近づけて折り畳む。
【0085】
具体的には、上部構造体2aの第1上部構造体素子21と下部構造体3とを互いに近づけることで、第1脚フレーム5を、下辺フレーム素子7の中心軸Oを中心に、第1頂部19が下側かつ下部構造体3の中央部に向かう方向に回動させ、第2脚フレーム6を、上辺フレーム素子13の中心軸O13を中心に、第2頂部20が上側かつ上部構造体2aの中央部に向かう方向に回動させ、かつ、第1脚フレーム5と第2脚フレーム6とを、枢軸Pを中心に相対回転させる。さらに、第2上部構造体素子22を第1上部構造体素子21の開口部23の内側に配置する。これにより、上部構造体2aと下部構造体3とを折り畳む。
【0086】
これに対し、折り畳みテーブル1aを展開する際には、上部構造体2aと下部構造体3とを、互いに離隔させるようにして展開する。
【0087】
具体的には、上部構造体2aの第1上部構造体素子21と下部構造体3とを互いに離隔させることで、第1脚フレーム5を、下辺フレーム素子7の中心軸Oを中心に、第1頂部19が上側かつ上部構造体2aの外周側に向かう方向に回動させ、第2脚フレーム6を、上辺フレーム素子13の中心軸O13を中心に、第2頂部20が下側かつ下部構造体3の外周側に向かう方向に回動させ、かつ、第1脚フレーム5と第2脚フレーム6とを、枢軸Pを中心に相対回転させる。
【0088】
上部構造体2aと下部構造体3とを離隔させ、第1脚フレーム5の上側の端部(第1頂部19)が、第2上部構造体素子22の下面から外れると、第2上部構造体素子22が第1上部構造体素子21に対して下方に変位する。
【0089】
この状態から、上部構造体2aをわずかに下方に変位させ、第1脚フレーム5を、下辺フレーム素子7の中心軸Oを中心に、第1頂部19が下側かつ下部構造体3の中央部に向かう方向にわずかに回動させることで、第2上部構造体素子22の外周面と第1頂部19とを当接(係合)させる。これにより、第1脚フレーム5が、第1頂部19を、下側かつ下部構造体3の中央部に向かう方向にそれ以上回動することを阻止して、折り畳みテーブル1aの展開状態における下辺フレーム素子7と上辺フレーム素子13との位置関係、さらに上部構造体2aと下部構造体3との位置関係を保持する。これにより、上部構造体2aと下部構造体3とを展開状態に保持する。
【0090】
本例の折り畳みテーブル1aでは、保持機構16aとして、上部構造体2aを、展開状態において第2上部構造体素子22を第1上部構造体素子21に対して下方にオフセットさせ、かつ、第2上部構造体素子22の外周面に第1脚フレーム5の第1頂部19を当接(係合)させるといった構成を採用している。したがって、本例の折り畳みテーブル1aによれば、第1例の折り畳みテーブル1が備えていた第1係合部材17および第2係合部材18を備えることなく、上部構造体2aと下部構造体3とを展開状態に保持するための保持機構16aを実現することができ、かつ、優れた意匠性を有する構造を提供することができる。その他の部分の構成および作用効果は、第1例と同様である。
【符号の説明】
【0091】
1、1a 折り畳みテーブル
2、2a 上部構造体
3 下部構造体
4 折り畳み脚
5 第1脚フレーム
6 第2脚フレーム
7 下辺フレーム素子
8 第1側辺フレーム素子
9 支持部材
10 湾曲部
11 被取付板部
12 梁フレーム素子
13 上辺フレーム素子
14 第2側辺フレーム素子
15 円筒部材
16、16a 保持機構
17 第1係合部材
18 第2係合部材
19 第1頂部
20 第2頂部
21 第1上部構造体素子
22 第2上部構造体素子
23 開口部
24 吊り下げ部材
25 通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6