(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124047
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】番組編成システム、番組編成方法および番組編成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20240905BHJP
【FI】
G06Q50/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031953
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 文秀
(72)【発明者】
【氏名】橋本 宗裕
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 結佳
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC55
5L050CC55
(57)【要約】
【課題】レース結果予測の難易度の設定に応じた番組の編成を容易に行うことができる番組編成システムを提供する。
【解決手段】番組編成システム10は、取得部11と、編成部13と、出力部14を備える。取得部11は、公営競技のレースに関する情報を取得する。編成部13は、公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを用いて、取得した公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に基づいて、レースの番組を編成する。出力部14は、編成した番組を出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公営競技のレースに関する情報を取得する取得手段と、
公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを用いて、取得した前記公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に基づいて、レースの番組を編成する編成手段と、
編成した前記番組を出力する出力手段と
を備える番組編成システム。
【請求項2】
前記難易度は、レースの投票券の想定オッズに基づいて設定される、
請求項1に記載の番組編成システム。
【請求項3】
前記難易度は、レースの投票券の購入者の購買意欲の指標、またはレースの投票券の購入者の熟練度の指標の少なくとも一方が高くなるほど、高くなるように設定される、
請求項1または2に記載の番組編成システム。
【請求項4】
前記編成モデルは、前記公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成し、編成した番組に基づいて行われるレースにおける投票券の売上額を予測する、
請求項1または2に記載の番組編成システム。
【請求項5】
前記編成手段は、レースの格付けに応じた編成モデルを用いて、レースの番組を編成する、
請求項1または2に記載の番組編成システム。
【請求項6】
前記出力手段は、編成した前記番組とともに、編成の理由を出力する、
請求項1または2に記載の番組編成システム。
【請求項7】
前記公営競技は、競馬であり、
前記レースに関する情報は、レース条件と、レースに出走する候補の競走馬と、レースに出走する候補の競走馬の属性とを含む、
請求項1または2に記載の番組編成システム。
【請求項8】
公営競技のレースに関する情報およびレースの難易度と、レースにおける番組の編成との関係を学習し、公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを生成する生成手段をさらに備える、
請求項1または2に記載の番組編成システム。
【請求項9】
公営競技のレースに関する情報を取得し、
公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを用いて、取得した前記公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に基づいて、レースの番組を編成し、
編成した前記番組を出力する、
番組編成方法。
【請求項10】
公営競技のレースに関する情報を取得する処理と、
公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを用いて、取得した前記公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に基づいて、レースの番組を編成する処理と、
編成した前記番組を出力する処理と
をコンピュータに実行させる番組編成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、番組編成システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
公営競技では、例えば、主催者がレースごとにレースに出走する競技者または競走馬を決定する。レースに出走する競技者または競走馬の組み合わせは、番組とも呼ばれる。レースの番組は、レースの展開および着順に大きな影響を与え得る。また、レースの着順予測は、レースの投票券の購入者にとって楽しみの1つである。よって、レースの着順予測の難易度は、レースの投票券の購入有無および購入額に影響を与え得る。このため、レースの主催者は、例えば、レースの投票券の購入者にとって魅力のある番組を編成する必要がある。一方で、レース条件、およびレースに出場する競技者または競走馬の状態に関する多くの要素がレース結果に影響を及ぼし得る。よって、レースの番組を編成する担当者は、レース結果に影響を及ぼし得る様々な要素を考慮して番組を編成するため、多くの知見および作業量を必要とし得る。このため、レースの番組を容易に編成できるシステムがあることが望ましい。
【0003】
特許文献1の番組生成プログラムは、複数のルールを用いて、レースに参加する選手についてレースそれぞれへの割り振りを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の番組生成プログラムは、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組の編成が難しい場合がある。
【0006】
上記の課題を解決するため、本開示は、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組の編成を容易に行うことができる番組編成システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本開示の番組編成システムは、公営競技のレースに関する情報を取得する取得手段と、公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを用いて、取得した公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に基づいて、レースの番組を編成する編成手段と、編成した番組を出力する出力手段とを備える。
【0008】
本開示の番組編成方法は、公営競技のレースに関する情報を取得し、公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを用いて、取得した公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に基づいて、レースの番組を編成し、編成した番組を出力する。
【0009】
本開示の番組編成プログラムは、公営競技のレースに関する情報を取得する処理と、公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを用いて、取得した公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に基づいて、レースの番組を編成する処理と、編成した番組を出力する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によると、レースの結果予測の難易度の設定に応じた番組の編成を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態の構成の一例を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態の番組編成システムの構成の例を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態における購買意欲のグラフの例を模式的に示す図である。
【
図4】本開示の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図7】本開示の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図8】本開示の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図9】本開示の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図10】本開示の実施形態の番組編成システムの動作フローの例を示す図である。
【
図11】本開示の実施形態の番組編成システムの動作フローの例を示す図である。
【
図12】本開示の他の実施形態の構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態について、図を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成の例を示す図である。一例として、本実施形態の情報処理システムは、番組編成システム10と、情報管理サーバ20と、端末装置30を備える。番組編成システム10は、ネットワークを介して、情報管理サーバ20と接続している。また、番組編成システム10は、ネットワークを介して、端末装置30と接続している。情報管理サーバ20および端末装置30は、複数であってもよい。
【0013】
番組編成システム10は、公営競技におけるレースの番組を編成するシステムである。公営競技は、例えば、競馬である。公営競技は、競輪、競艇またはオートレースであってもよい。公営競技の例は、上記に限られず、公的機関がギャンブルとして開催する競技であれば、競技の種類は問わない。
【0014】
レースの番組は、例えば、レースに出走する競技体の組み合わせである。競技体は、レースに参加する主体である。公営競技が競馬である場合に、競技体は、馬である。公営競技が競輪、競艇またはオートレースである場合に、競技体は、選手である。番組は、レースに出走する競技体それぞれの条件を含んでいてもよい。レースに出走する競技体それぞれの条件は、例えば、レースに出走する競技体に割り当てられるレーンの情報である。レースに出走する競技体それぞれの条件は、競技体それぞれに課せられるハンデであってもよい。
【0015】
番組編成システム10は、編成モデルを用いて、公営競技のレースの番組を編成する。編成モデルは、公営競技のレースに関する情報と、レース結果予測の難易度からレースにおける番組を編成する学習モデルである。編成モデルは、番組編成システム10の外部で生成された学習モデルであってもよい。編成モデルについては、後で説明する。
【0016】
レースに関する情報は、例えば、レースの番組の編成に必要な情報と、レース結果予測の難易度に影響を及ぼし得る情報である。レースに関する情報は、例えば、レース条件、レースに出走する候補の競技体、およびレースに出走する候補の競技体の属性である。レース結果予測の難易度の指標には、例えば、レースの投票券の想定オッズが用いられる。想定オッズは、レースの主催者が、レースごとに想定するオッズである。例えば、オッズが高いレースほど、レース結果予測の難易度が高い。よって、レースの主催者は、レースの難易度を高く設定したい場合に、想定オッズを高く設定する。
【0017】
レース条件は、例えば、競技場に関する情報、レースの設定条件および出走する競技体が満たすべき条件である。また、競技体の属性は、レースに参加する競技体それぞれの情報である。公営競技が競馬である場合に、競技体の属性には、騎手に関する情報も含まれていてもよい。公営競技が競輪、競艇またはオートレースである場合に、競技体の属性には、自転車、ボートまたはオートバイの情報が含まれていてもよい。レースに関する情報は、上記の例に限られない。
【0018】
レース条件およびレースに出走する競技体の属性は、レース結果予測の難易度に影響を及ぼし得る。例えば、距離が長いレースの場合に、長い距離のレースにおいて勝利した実績を有する競技体が多く含まれる番組は、レース結果予測の難易度が高い。レース結果予測の難易度が高くなると、レースの投票券を購入する人物ごとのレース結果予測のばらつきが大きくなるため、実際に行われるレースにおける投票券のオッズが高くなり得る。
【0019】
レース結果予測の難易度は、レースの投票券の購買の有無に影響を及ぼし得る。また、レース結果予測の難易度は、レースの投票券の売上額に影響を及ぼし得る。レース結果予測の難易度が高い場合には、例えば、レース結果予測と実際のレースの結果が一致する可能性が低くなり、払戻金の額が高くなる。このため、投票券の購入対象のレースとして魅力が向上し得る。一方で、レース結果予測の難易度が高い場合には、初心者にとっては予測が難しいレースとなり、投票券の購入対象から外れてしまうことも生じ得る。よって、レースの主催者は、例えば、レースの投票券の購入者として想定する購入者層に応じて、レース結果予測の難易度を設定する。
【0020】
情報管理サーバ20は、例えば、公営競技のレースに関する情報を保存しているサーバである。レースに関する情報は、例えば、レースの条件、およびレースに出場する競技体の候補と、競技体それぞれの属性である。情報管理サーバ20は、過去のレースにおけるレースに関する情報と、レース結果予測の難易度と、レースの番組とを関連付けたデータを保存していてもよい。
【0021】
端末装置30は、例えば、番組編成システム10による番組の編成結果を利用する人物が、編成結果を閲覧するために用いる端末装置である。番組の編成結果は、例えば、編成モデルがレースに関する情報から編成した番組である。編成モデルが編成する番組は、例えば、レース条件およびレースに出走する競技体が関連付けられた情報である。番組の編成結果を利用する人物は、例えば、レースの主催者において番組の編成を担当する人物である。番組の編成結果を利用する人物は、保有している競走馬を出走させるレースの候補を検討する人物であってもよい。番組の編成結果を利用する人物は、上記の例に限られない。
【0022】
番組編成システム10は、例えば、情報管理サーバ20からレースに関する情報を取得する。そして、番組編成システム10は、情報管理サーバ20から取得したレースに関する情報と、レース結果予測の難易度を入力とし、編成モデルを用いてレースの番組を編成する。レースの番組を編成すると、番組編成システム10は、端末装置30に、番組の編成結果を出力する。
【0023】
番組編成システム10は、複数の情報管理サーバ20からレースに関する情報を取得してもよい。また、番組編成システム10は、端末装置30から、レースに関する情報を取得してもよい。
【0024】
番組編成システム10は、複数の端末装置30に、レースの番組の編成結果を出力してもよい。番組編成システム10は、例えば、複数の利用者がそれぞれ利用している端末装置30に、レースの番組の編成結果を出力してもよい。また、番組編成システム10は、情報管理サーバ20に、レースの番組の編成結果を出力してもよい。
【0025】
続いて、番組編成システム10の構成について説明する。
図2は、番組編成システム10の構成の例を示す図である。番組編成システム10は、基本構成として、取得部11と、編成部13と、出力部14を備える。また、番組編成システム10は、設定部12と、モデル生成部15と、記憶部16を備える。
【0026】
番組編成システム10の取得部11と、設定部12と、編成部13と、出力部14と、記憶部16は、例えば、レースの番組の編成に関する処理を行う。また、モデル生成部15と、記憶部16は、例えば、編成モデルの生成に関する処理を行う。
【0027】
取得部11は、公営競技のレースに関する情報を取得する。レースに関する情報は、例えば、レースの番組編成に関係し得る情報である。取得部11は、レースに関する情報として、例えば、レース条件と、レースに出走する競技体の候補と、競技体それぞれの属性とを取得する。
【0028】
公営競技が競馬の場合に、レース条件は、例えば、競馬場に関する情報、レースの設定条件および出走する競走馬が満たすべき条件である。レース条件は、レースの開催日を含んでいてもよい。
レース条件は、例えば、距離、馬場の種類、競走馬の条件、斤量、レースの格付け、レース場、出走する競走馬の数および走行方向のうち少なくも1つ以上である。馬場の種類は、例えば、芝、ダートまたは障害の区別である。競走馬の条件は、例えば、馬齢および性別によって規定される出走の条件である。走行方向は、例えば、レースが左回りまたは右回りでのいずれで行われるかを示す情報である。公営競技が競馬の場合におけるレース条件は、上記の例に限られない。また、公営競技が競馬の場合に、レースに出走する競技体の候補は、レースに出走する競走馬の候補である。
【0029】
公営競技が競馬の場合に、競技体の属性は、競走馬の属性である。競走馬の属性は、競走馬それぞれの情報である。競走馬の属性は、例えば、年齢、性別、体重、体重変化、血液データ、筋肉量、調教状況、健康状態、休養履歴、レース出場履歴、負担斤量、脚質、戦績、血統、馬主、厩舎、調教師および生産者のうち少なくも1つ以上である。血統は、例えば、父馬および母馬に関する情報である。また、競走馬の属性には、騎手が含まれていてもよい。調教状況は、例えば、調教時の距離ごとのタイムおよびタイム変化である。脚質は、例えば、逃げ馬、先行馬、差し馬または追い込み馬の区分によって設定される。競走馬の属性には、父馬および母馬の戦績が含まれていてもよい。また、戦績は、例えば、過去のレースにおけるレース条件、レース時における競走馬の属性、獲得賞金およびレース展開である。レース展開は、例えば、位置取りおよび着差である。位置取りは、例えば、レースの全区間を所定の距離ごとに分割した場合における、各区間における順位およびタイムである。着差は、例えば、順位が上の競走馬または順位が下の競走馬とのタイム差である。競走馬の属性は、上記の例に限られない。
【0030】
公営競技が競輪の場合に、レースの条件は、例えば、レース場、および競争距離のうち少なくも1つ以上である。また、競技体の属性は、選手の身長、体重、年齢、脚質、および戦績のうち少なくも1つ以上である。公営競技が競輪の場合における、レースの条件および競技体の属性の例は、上記に限られない。
【0031】
公営競技が競艇の場合に、レースの条件は、例えば、レース場、および競争距離のうち少なくも1つ以上である。また、競技体の属性は、選手の身長、体重、年齢、ランクおよび戦績のうち少なくも1つ以上である。公営競技が競艇の場合における、レースの条件および競技体の属性の例は、上記に限られない。
【0032】
公営競技がオートレースの場合に、レースの条件は、例えば、レース場、およびハンデの有無のうち少なくも1つ以上である。また、競技体の属性は、選手の身長、体重、年齢、所属、階級および戦績のうち少なくも1つ以上である。公営競技がオートレースの場合におけるレースの条件および競技体の属性の例は、上記に限られない。
【0033】
取得部11は、レース結果予測の難易度の設定を取得してもよい。取得部11は、例えば、レース結果予測の難易度の設定を端末装置30から取得する。レース結果予測の難易度の設定は、例えば、番組を編成する担当者によって端末装置30に入力される。
【0034】
複数の編成モデルが用いられる場合に、取得部11は、編成部13が用いる編成モデルの指定を端末装置30から取得してもよい。編成モデルの指定は、例えば、編成結果を利用する人物の操作によって端末装置30に入力される編成モデルの指定を、端末装置30から取得する。
【0035】
番組編成システム10が編成モデルを生成する場合に、取得部11は、編成モデルを生成するための教師データとして、レースに関する情報と、レースの難易度と、レースの番組とを取得してもよい。取得部11は、例えば、レースの条件と、レースに出走した競技体の属性と、当該レースの難易度と、当該レースの番組とを関連付けたデータを取得する。
【0036】
設定部12は、例えば、レース結果予測の難易度を設定する。レース結果予測の難易度は、例えば、レースの想定オッズに基づいて設定される。難易度として用いるレースの想定オッズは、例えば、レースの1着と、2着の予測を当てた場合における払戻金の額の倍率の想定値である。払戻金の額の倍率は、投票券を1口購入した場合における、購入額に対する払戻金の額の比である。
【0037】
難易度として用いるレースのオッズには、レースの投票券の想定オッズのうち、1番人気のオッズの想定値が用いられる。1番人気のオッズの想定値は、例えば、投票券として購入できる競技体の組み合わせのうち、最もオッズが低い組み合わせにおけるオッズの想定値である。例えば、公営競技が競馬の場合に、難易度として用いるレースの想定オッズには、例えば、馬番連勝単式の1番人気のオッズの想定値が用いられる。難易度として用いるレースの想定オッズには、投票券として購入できる競技体の組み合わせのうち、上位からあらかじめ設定された数までのオッズの想定値の平均値が用いられてもよい。難易度として上位からあらかじめ設定された数までのオッズの想定値を用いる場合に、上位の組み合わせの重みを大きくして難易度が算出されてもよい。
【0038】
レース結果予測の難易度は、投票券の購入方式のうち、複数の購入方式のオッズの想定値を用いて設定されてもよい。例えば、レース結果予測の難易度は、公営競技が競馬である場合に、馬番連勝単式と、枠番連勝複式とを用いて設定されてもよい。オッズの想定値を用いたレース結果予測の連緯度の設定は、上記の例に限られない。
【0039】
レース結果予測の難易度は、難易度のランクを用いて表されてもよい。レース結果予測の難易度は、例えば複数に分けられたランクのうち、数字が大きくなるほど高くなるように設定される。難易度のランクを用いたレース結果予測の難易度の設定は、上記に限られない。
【0040】
設定部12は、例えば、レースの投票券の購入者の購買意欲と、レースの投票券の購入者の熟練度の少なくとも一方に基づいて、難易度を設定する。レースの投票券の購入者の熟練度は、例えば、投票券の購入者のターゲットとする購入者層の熟練度である。投票券の購入者のターゲットは、例えば、レースの主催者が投票券を購入してもらいたい購入者層である。
【0041】
設定部12は、例えば、レースの投票券の購入者の購買意欲が高い時期に、レース結果予測の難易度を高く設定する。購入者の購買意欲が高いとは、例えば、購入者の給与の支払日、賞与の支払日の後のように投票券の購入者に資金的な余裕があり、投票券を買う意欲が高いことをいう。投票券の購入者の購買意欲と、レース結果予測の難易度との関係は、例えば、あらかじめ設定されている。
【0042】
図3は、投票券の購入者の購買意欲のグラフの例を模式的に示す図である。
図3のグラフの例は、横軸が時間、縦軸が購買意欲として設定されているグラフである。購買意欲は、例えば、購買意欲をスコア化した値である。
図3のグラフの例では、投票券の購入者の購買意欲は、給料日として示す購入者の給与の支払日に上昇し、その後、減少する。このため、
図3のグラフの例において、給料日以後は、購入者の手持ちの資金が増えるため、投票券の購買意欲が向上し得る。また、購買意欲が高い場合に、投票券の購入者は、購入額に対する払戻金の額が高い投票券を購入する可能性が高くなる。一方で、購買意欲が低い場合に、レースの投票券の購入者は、購入額に対する払戻金の額が低くても、払戻金を得られやすい投票券を購入する可能性が高い。このため、投票券の購入者の購買意欲に応じて難易度を設定することで、投票券の売上額が向上し得る。
【0043】
設定部12は、レースの投票券の購入者の熟練度が高いほど、レース結果予測の難易度が高くなるように難易度を設定する。レースの投票券の購入者の熟練度が高いとは、例えば、レースの投票券の購入者の多くが、投票券の購入頻度が高く、結果の予測に精通していることをいう。レースの投票券の購入者の熟練度は、例えば、上級者、中級者および初心者の3段階でされる。ターゲットとする購入者の熟練度は、例えば、レースの主催者によって設定される。投票券の購入者の熟練度と、レース結果予測の難易度との関係は、例えば、あらかじめ設定されている。また、レース結果予測の難易度は、投票券の購入者の、熟練度ごとの人数の比に基づいて設定されてもよい。
【0044】
設定部12は、レースの投票券の購入者の熟練度が高い場合に、レース結果予測の難易度を高く設定する。例えば、上級者は、購入額に対する払戻金の額が高い投票券を購入する可能性が高い。一方で、初心者は、購入額に対する払戻金の額が低くても、払戻金を得られやすい投票券を購入する可能性が高い。
【0045】
設定部12は、レースに関する情報から、レース結果予測の難易度を推定する推定モデルを用いて、難易度を推定してもよい。設定部12は、例えば、レースに関する情報から、投票券の売上額が高くなる難易度を推定する推定モデルを用いて、番組を編成する対象のレースに設定する難易度を推定する。
【0046】
編成部13は、編成モデルを用いて、取得部11が取得したレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する。編成モデルは、レースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じたレースの番組を編成する学習モデルである。編成部13は、例えば、設定部12が設定した難易度の設定に応じた番組を編成する。編成部13は、取得部11が取得した難易度の設定に応じた番組を編成してもよい。
【0047】
編成モデルは、公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に基づいて、レースの番組を編成する。編成モデルは、レースに関する情報を入力とし、レース結果予測の難易度の設定に応じたレースの番組を編成する。そして、編成モデルは、編成したレースの番組を出力する。レース結果予測の難易度の設定に応じたレースの番組は、例えば、レース結果予測の難易度の設定を満たす番組である。例えば、レース結果予測の難易度が投票券の想定オッズを用いて設定される場合に、編成モデルは、想定オッズを満たす番組を編成する。想定オッズを満たす番組は、例えば、編成モデルが編成した番組に基づいてレースを行った場合に、実際のレース結果に基づくオッズが想定オッズとなり得る番組である。レース結果予測の難易度は、設定値の幅を有するように設定されていてもよい。
【0048】
レースに関する情報は、例えば、レース条件と、レースに出走する候補の競技体と、レースに出走する候補の競技体の属性である。また、編成モデルは、レースの番組として、例えば、レースに出走する候補の競技体のうち、レースに出走する競技体の組み合わせを出力する。編成モデルは、例えば、番組の編成対象のレースに割り当てられた競技体の名称を出力する。編成モデルは、レース条件と、レースに出走する競技体の組み合わせを出力してもよい。 編成モデルは、設定された難易度を満たすように、レースに出走する候補の競技体から、編成対象のレースに割り当てる競技体の組み合わせを決定する。編成モデルは、レースに出走する候補の競技体ごとに、レースに対する適正度を指標として算出してもよい。レースに対する適正度は、例えば、適正度が高くなるほど、優先的にレースに割り当てられる指標として設定される。そして、編成モデルは、レース結果予測の難易度の設定を満たすように、適正度を基に、番組の編成対象のレースに割り当てる競技を決定する。
【0049】
編成部13は、レースの投票券を購入する人物として想定されている人物の熟練度に応じた編成モデルを用いて、レースの番組を編成してもよい。熟練度は、例えば、初心者、中級者または上級者の区別である。熟練度は、投票券の購入回数、または投票券の払戻金の獲得実績に基づいて設定されてもよい。熟練度は、例えば、投票券の購入回数、または投票券の払戻金の獲得実績に応じたランク分けによって設定される。
【0050】
編成部13は、レースの格付けに応じた編成モデルを用いて、レースの番組を編成してもよい。編成部13は、例えば、格付けが通常のレースよりも高いレースと、通常のレースで編成モデルを使い分ける。格付けが高いレースは、投票券の購入者が多様になる。例えば、通常のレースでは、レースの投票券の購入者数に対する、熟練度の高い人物の数の割合が大きい。一方で、格付けが高いレースでは、通常のレースに比べて、レースの投票券の購入者数に対する初心者の割合が大きくなり得る。よって、レースの投票券の購入者によるレース結果予測の傾向が、レースの格付けに応じて変化し得る。このため、レースの格付けに応じて編成モデルを使い分けることで、番組の編成の精度が向上し得る。また、編成部13は、レースの投票券の売上額に応じた編成モデルを用いて、レースの番組を編成してもよい。複数の編成モデルを用いる場合における編成モデルの区分は、上記に限られない。
【0051】
編成部13は、レースごとに設定されたレース結果予測の難易度に基づいて、複数のレースそれぞれの番組を編成してもよい。複数のレースそれぞれの番組を編成する場合に、編成モデルは、例えば、レースの出走する候補の競技体を、複数のレースそれぞれに割り当てることで、複数のレースそれぞれの番組を編成する。例えば、公営競技が競馬であり、出走する候補の競走馬が50頭の場合に、編成モデルは、50頭の競走馬それぞれをいずれかのレースに割り当てる。出走する候補の数は、レースに出走する競技体の数より多くてもよい。すなわち、レースに割り当てられない候補がいてもよい。
【0052】
編成部13は、編成した番組に基づいて行われるレースにおける投票券の売上額を予測してもよい。編成部13は、例えば、レースの番組の編成を行う際に、編成した番組に基づいて行われるレースにおける投票券の売上額の予測をさらに行う編成モデルを用いて、レースにおける投票券の売上額を予測する。レースの投票券の売上額は、レース結果予測の難易度と、レースの番組によって変化し得る。編成モデルは、例えば、レース結果予測の難易度の設定を満たすように、レースの番組を編成し、編成した番組に基づいて行われるレースにおける投票券の売上額を予測する。編成モデルは、例えば、過去に行われたレースにおけるレースに関する情報およびレースの難易度と、番組の関係および売上高の関係を学習することによって生成される。編成部13は、編成モデルとは別の学習モデルを用いて、編成モデルが編成した番組に基づいて行われるレースにおける投票券の売上額を予測してもよい。
【0053】
番組の編成理由を抽出可能な編成モデルを用いる場合に、編成部13は、レースの番組を編成する際に、編成モデルを用いて、番組の編成理由を抽出してもよい。
【0054】
出力部14は、レースの番組の編成結果を出力する。出力部14は、例えば、端末装置30に、レースの番組の編成結果を出力する。出力部14は、番組編成システム10と接続されている、図示しない表示装置に、レースの番組の編成結果を出力してもよい。また、編成部13が番組の編成理由を抽出する場合に、出力部14は、レースの番組を編成結果と、編成の理由とを出力してもよい。
【0055】
編成部13が投票券の売上額を予測する場合に、出力部14は、投票券の売上額の予測結果を付加して出力してもよい。出力部14は、例えば、端末装置30に、投票券の売上額の予測結果をレースの番組の編成結果に付加して出力する。
【0056】
出力部14は、編成部13が編成した番組に含まれる競技体を変更する操作を行う表示画面を出力してもよい。出力部14は、例えば、編成部13が編成した番組に含まれる競技体を変更する場合における、変更後の競技体の候補を出力する。出力部14は、例えば、番組に含まれる競技体と属性が類似する競技体を、変更後の候補として出力する。出力部14は、例えば、属性が類似する競技体ごとにあらかじめグループ化された競技体のうち、レースに割り当てられていない競技体を、変更後の候補として出力する。属性が類似する競技体ごとグループは、例えば、年齢、性別および戦績が類似する競技体ごとのグループとしてあらかじめ設定されている。編成モデルが指標を用いて番組を編成する場合には、出力部14は、編成モデルによる番組の編成において、番組に含まれなかった競技体のうち、スコアが上位の競技体を、変更後の候補として出力してもよい。
【0057】
図4は、公営競技が競馬である場合における、レースの番組の編成結果の表示画面の例である。
図4の表示画面の例では、表示画面の上部に、競馬場の名称を示す「東京」、レース番号を示す「5レース」、レース距離を示す「3000メートル」およびレースの種別を示す「芝」が表示されている。また、
図4の表示画面の例では、レースの番組の編成におけるレース結果予測の難易度の設定が、設定オッズとして表示されている。また、
図4の表示画面の例では、レースの番組の編成結果として、レーン、馬名および騎手が表示されている。レーンは、レースに出走する競走馬のスタート時のレーン番号である。馬名は、レースに割り当てられた競走馬の名前である。また、騎手は、競走馬に騎乗する予定の騎手の名前である。
図4の表示画面の例では、レーン番号と、騎手をレースの番組の編成結果として表示しているが、レースの番組の編成結果は、レースに割り当てられた競走馬の名称のみであってもよい。レースの番組の編成結果は、例えば、馬名と、1から8のように表示の順につけられた番号のみであってもよい。また、レースの番組の編成結果として、レーン番号、馬名および騎手以外の情報が表示されてもよい。
【0058】
図5は、
図4の表示画面の例において、番組の編成結果の理由をさらに表示する表示画面の例である。
図5の表示画面の例では、番組の編成結果の理由が「軸馬の候補の戦績が安定している」と表示されている。
図5の表示画面の例では、例えば、戦績が他の馬より高い水準で安定している馬が含まれていることが、オッズの設定値に応じた、番組の編成結果の理由であることが示されている。
【0059】
図6は、
図4の表示画面の例において、投票券の売上額の予測をさらに表示する表示画面のである。
図6の表示画面の例では、投票券の売上額の予測が、予想売上額と表示されている。予想売上額は、編成モデルが編成した番組に基づいてレースを開催した場合における投票券の売上額の予想値である。
【0060】
図7は、
図6の表示画面の例において、予想売上額の理由をさらに表示する表示画面の例である。
図7の表示画面の例では、編成結果の理由が「組み合わせ候補の人気馬が多い」と表示されている。
図7の表示画面の例では、例えば、組み合わせ候補の人気馬が多く含まれていることが、予想売上額が高くなる理由として示されている。
【0061】
図8は、
図4の表示画面の例において、競走馬に関する情報を参考情報としてさらに表示する表示画面の例である。
図8の表示画面の例では、「B」の競走馬に関する情報が右側の枠内に表示されている。
図8の表示画面の例では、馬齢、厩舎、調教師、血統および戦績が表示されている。
図8の表示画面の例において、例えば、出力部14は、馬名がクリックされた場合に、クリックされた馬名の競走馬に関する情報を出力してもよい。
【0062】
図9は、
図4の表示画面の例において、番組の編成結果を変更する画面をさらに表示する表示画面の例である。
図9の表示画面の例では、表示画面の右側の枠内に、編成結果に含まれる競走馬と入れ替える候補の競走馬が表示されている。
図9の表示画面の例では、「B」の馬と入れ替える候補の競走馬が表示されている。
図9の表示画面の例で、例えば、候補1の「変更」ボタンが押されると、番組の編成結果において「B」と、「I」の競走馬の入れ替えが行われる。入れ替える競走馬の選択は、例えば、番組を編成する担当者が端末装置30を操作することによって行われる。また、
図9の表示画面の例において、出力部14は、例えば、馬名がクリックされた場合に、クリックされた馬名の競走馬と入れ替える候補の競走馬を出力してもよい。
【0063】
番組編成システム10において編成モデルを生成する場合に、モデル生成部15は、レースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを生成する。モデル生成部15は、例えば、過去に行われたレースにおけるレースに関する情報およびレースの難易度と、番組の関係を学習し、編成モデルを生成する。編成モデルは、レースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する学習モデルである。モデル生成部15は、例えば、ニューラルネットワークを用いた深層学習によって編成モデルを生成する。編成モデルは、番組編成システム10の外部で生成されたものであってもよい。
【0064】
ニューラルネットワークを用いた深層学習によって編成モデルを生成する場合に、モデル生成部15は、例えば、各項目のデータを変動させ、編成結果の変化を基に、編成結果への影響の大きい項目を編成の理由として抽出する編成モデルを生成してもよい。モデル生成部15は、例えば、編成モデルの入力データに含まれる各項目のデータを変動させ、編成結果への影響が大きい項目を編成理由として抽出する。
【0065】
モデル生成部15は、因子化漸近ベイズ推論を基にした学習アルゴリズムを用いて編成モデルを生成してもよい。因子化漸近ベイズ推論を基にした学習アルゴリズムを用いて学習を行う際に、モデル生成部15は、レースに関する情報を入力データ、番組を正解データとして決定木形式のルールによって場合分けする。そして、モデル生成部15は、各場合で異なる説明変数を組み合わせた線形モデルを用いて学習モデルを生成する。モデル生成部15は、データの場合分け条件の最適化、説明変数の組み合わせの最適化のよる編成モデルの生成、および不要な編成モデルの削除の処理を順に行うことで学習モデルを生成する。このような、異なる説明変数の組み合わせによる学習モデルの生成方法によって生成される編成モデルは、番組の編成結果への影響が強い場合分けの条件を用いて編成結果を説明することが可能になるため、番組の編成結果の説明性が向上する。このような学習モデルの生成方法は、例えば、米国特許出願公開第2014/0222741号明細書に開示されている。編成モデルを生成する機械学習に用いる学習アルゴリズムは、上記の例に限られない。
【0066】
記憶部16は、例えば、編成モデルを保存する。複数の編成モデルが用いられる場合には、記憶部16は、複数の編成モデルを保存する。また、番組編成システム10が編成モデルを生成する場合に、記憶部16は、過去のレースにおける、レースに関する情報と、レースの難易度と、番組とを関連付けたデータを保存してもよい。なお、編成部13が用いる編成モデルは、記憶部16以外の記憶手段に保存されていてもよい。
【0067】
端末装置30は、番組編成システム10から、番組の編成結果を取得する。そして、端末装置30は、例えば、図示しない表示装置に、番組の編成結果を出力する。
【0068】
利用者によって編成モデルの選択が行われる場合に、端末装置30は、例えば、利用者の操作によって入力される編成モデルの名称を取得する。そして、端末装置30は、番組編成システム10に、入力された編成モデルの名称を出力する。
【0069】
端末装置30には、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータまたはデスクトップ型コンピュータが用いられる。端末装置30に用いられる端末装置は、上記の例に限られない。
【0070】
情報管理サーバ20は、例えば、レースに関する情報を保存または管理するサーバである。情報管理サーバ20は、レースに関する情報の内容に応じて設置されている複数のサーバであってもよい。レースに関する情報は、情報管理サーバ20が管理する記憶装置に保存されてもよい。
【0071】
番組編成システム10がレースの番組を編成する動作について説明する。
図10は、番組編成システム10がレースの番組を編成する際の動作フローの例を示す図である。
【0072】
取得部11は、公営競技において番組を編成する対象となるレースに関する情報を取得する(ステップS11)。取得部11は、例えば、情報管理サーバ20から、レースに関する情報を取得する。
【0073】
また、設定部12は、レース結果予測の難易度を設定する(ステップS12)。
【0074】
レース結果予測の難易度が設定されると、編成部13は、編成モデルを用いて、取得部11が取得したレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する(ステップS13)。編成モデルは、レースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する学習モデルである。
【0075】
番組が編成されると、出力部14は、番組の編成結果を出力する(ステップS14)。出力部14は、例えば、端末装置30に、番組の編成結果を出力する。
【0076】
番組編成システム10において、編成モデルを生成する際の動作について説明する。
図11は、番組編成システム10が編成モデルを生成する際の動作フローの例を示す図である。
【0077】
取得部11は、過去に実施されたレースにおける、レースに関する情報と、レース結果予測の難易度と、番組を取得する(ステップS21)。過去に実施されたレースにおける、レースに関する情報と、レース結果予測の難易度と、番組を取得する編成モデルを生成する際に教師データとして用いられる。レース結果予測の難易度には、例えば、過去に実施されたレースにおける投票券のオッズが用いられる。レースに関する情報と、難易度と、番組が取得されると、モデル生成部15は、レースに関する情報および難易度と、番組との関係を学習し、レースに関する情報から、難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを生成する(ステップS22)。編成モデルを生成すると、モデル生成部15は、生成した編成モデルを記憶部16に保存する(ステップS23)。
【0078】
本実施形態の番組編成システム10は、公営競技におけるレースに関する情報を取得する。そして、番組編成システム10は、編成モデルを用いて、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成している。編成モデルを用いて番組を編成することで、公営競技のレースの番組を容易に編成することができる。また、編成モデルを用いて番組を編成することで、番組編成システム10は、番組を編成する人物の熟練度に依存せずに番組を編成することができる。また、難易度の設定に応じた番組を編成することで、例えば、ターゲットとする投票券の購入者層に応じた番組を編成することができる。ターゲットとする投票券の購入者層に応じた番組を編成することで、投票券の購入が促進され得る。
【0079】
また、複数の編成モデルを用いる場合には、番組編成システム10は、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する精度をより向上することができる。すなわち、番組編成システム10は、複数の編成モデルを用いることで、レース結果予測の難易度の設定と、実際のレース結果における難易度との差が小さくなるような番組を編成することができる。例えば、レースの格付けに応じた編成モデルを用いることで、番組編成システム10は、ターゲットとする購入者層が異なるレースにおいても番組の編成の精度を向上することができる。
【0080】
また、番組の編成とともに、投票券の売上額の予測を行う場合には、例えば、番組編成システム10による編成結果を、レースの開催に採用するかの判断が容易になる。
【0081】
番組編成システム10における各処理は、コンピュータプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。
図12は、番組編成システム10における各処理を行うコンピュータプログラムを実行するコンピュータ100の構成の例を示したものである。コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、記憶装置103と、入出力I/F(Interface)104と、通信I/F105を備える。
【0082】
CPU101は、記憶装置103から各処理を行うコンピュータプログラムを読み出して実行する。CPU101は、複数のCPUの組み合わせによって構成されていてもよい。また、CPU101は、CPUと他の種類のプロセッサの組み合わせによって構成されていてもよい。例えば、CPU101は、CPUとGPU(Graphics Processing Unit)の組み合わせによって構成されていてもよい。メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等によって構成され、CPU101が実行するコンピュータプログラムや処理中のデータが一時記憶される。記憶装置103は、CPU101が実行するコンピュータプログラムを記憶している。記憶装置103は、例えば、不揮発性の半導体記憶装置によって構成されている。記憶装置103には、ハードディスクドライブ等の他の記憶装置が用いられてもよい。入出力I/F104は、作業者からの入力の受付および表示データ等の出力を行うインタフェースである。通信I/F105は、情報管理サーバ20および端末装置30との間でデータの送受信を行うインタフェースである。また、情報管理サーバ20および端末装置30も同様の構成としてもよい。
【0083】
各処理の実行に用いられるコンピュータプログラムは、データを非一時的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して頒布することもできる。記録媒体としては、例えば、データ記録用磁気テープや、ハードディスクなどの磁気ディスクを用いることができる。また、記録媒体としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の光ディスクを用いることもできる。不揮発性の半導体記憶装置を記録媒体として用いてもよい。
【0084】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0085】
[付記1]
公営競技のレースに関する情報を取得する取得手段と、
公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを用いて、取得した前記公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に基づいて、レースの番組を編成する編成手段と、
編成した前記番組を出力する出力手段と
を備える番組編成システム。
【0086】
[付記2]
前記難易度は、レースの投票券の想定オッズに基づいて設定される、
付記1に記載の番組編成システム。
【0087】
[付記3]
前記難易度は、レースの投票券の購入者の購買意欲の指標、またはレースの投票券の購入者の熟練度の指標の少なくとも一方が高くなるほど、高くなるように設定される、
付記1または2に記載の番組編成システム。
【0088】
[付記4]
前記編成モデルは、前記公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成し、編成した番組に基づいて行われるレースにおける投票券の売上額を予測する、
付記1または2に記載の番組編成システム。
【0089】
[付記5]
前記編成手段は、レースの格付けに応じた編成モデルを用いて、レースの番組を編成する、
付記1または2に記載の番組編成システム。
【0090】
[付記6]
前記出力手段は、編成した前記番組とともに、編成の理由を出力する、
付記1または2に記載の番組編成システム。
【0091】
[付記7]
前記出力手段は、編成した前記番組に含まれる競技体を変更する場合における、変更後の競技体の候補を出力する、
付記1または2に記載の番組編成システム。
【0092】
[付記8]
前記公営競技は、競馬であり、
前記レースに関する情報は、レース条件と、レースに出走する候補の競走馬と、レースに出走する候補の競走馬の属性とを含む、
付記1または2に記載の番組編成システム。
【0093】
[付記9]
前記競走馬の属性は、年齢と、性別と、脚質と、戦績と、血統と、騎手のうち少なくとも1つを含む、
付記8に記載の番組編成システム。
【0094】
[付記10]
公営競技のレースに関する情報およびレースの難易度と、レースにおける番組の編成との関係を学習し、公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを生成する生成手段をさらに備える、
付記1または2に記載の番組編成システム。
【0095】
[付記11]
公営競技のレースに関する情報を取得し、
公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを用いて、取得した前記公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に基づいて、レースの番組を編成し、
編成した前記番組を出力する、
番組編成方法。
【0096】
[付記12]
公営競技のレースに関する情報を取得する処理と、
公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に応じた番組を編成する編成モデルを用いて、取得した前記公営競技のレースに関する情報から、レース結果予測の難易度の設定に基づいて、レースの番組を編成する処理と、
編成した前記番組を出力する処理と
をコンピュータに実行させる番組編成プログラム。
【0097】
以上、上述した実施形態を例として本開示を説明した。しかしながら、本開示は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本開示は、本開示のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0098】
10 番組編成システム
11 取得部
12 設定部
13 編成部
14 出力部
15 モデル生成部
16 記憶部
20 情報管理サーバ
30 端末装置
100 コンピュータ
101 CPU
102 メモリ
103 記憶装置
104 入出力I/F
105 通信I/F