(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124075
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20240905BHJP
【FI】
H01L31/04 570
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031994
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】国江 明守
(72)【発明者】
【氏名】岡本 親扶
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA11
5F251EA01
5F251EA19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】多くの太陽電池セルを配置することと、各ストリングにおける太陽電池セルのセル数を同等にすることとを両立できる太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】列方向における太陽電池セルCの配設個数が互いに異なる複数のセル列CR1~CR5が列方向に直交する方向に並設され、各セル列CR1~CR5のうちセル列CR1,CR2,CR5により構成されるストリングS1とセル列CR3,CR4により構成されるS2を有し、これらストリングS1,S2が互いに並列接続されて成る太陽電池モジュール1において、ストリングS1を構成するセル列CR2,CR5の間に、ストリングS2を構成するセル列CR3,CR4が配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に接続された2つのストリングを含み、
前記2つのストリングは、それぞれ、1つの太陽電池セル又は直列に接続された複数の太陽電池セルで構成された複数のセル列を備え、
前記複数のセル列における前記太陽電池セルが第1の方向に列設され、
前記複数のセル列が前記第1の方向に直交する第2の方向に並設され、
前記第2の方向において、前記2つのストリングのうち、一方の第1ストリングを構成する第1のセル列と第2のセル列の間に、他方の第2のストリングを構成する第3のセル列が配置されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記第1ストリングにおける前記太陽電池セルのセル数と、前記第2ストリングにおける前記太陽電池セルのセル数は同数であることを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項3】
請求項1または2記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記第1のセル列における前記太陽電池セルのセル数または前記第2のセル列における前記太陽電池セルのセル数と前記第3のセル列における前記太陽電池セルのセル数は互いに異なることを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項4】
請求項1または2記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記第3のセル列における前記太陽電池セルのセル数は、前記第1のセル列における前記太陽電池セルのセル数よりも小さく、前記第2のセル列における前記太陽電池セルのセル数よりも大きいことを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項5】
請求項1または2記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記第2の方向において、前記第1ストリングを構成する前記第1のセル列と前記第2のセル列の間に、前記第2のストリングを構成する複数のセル列が配置されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1又は複数の太陽電池セルがそれぞれ直列に接続されて複数のセル群が構成され、該複数のセル群がそれぞれ中間電極配線によって接続されて2つのストリングが構成され、該2つのストリングが並列に接続される太陽電池モジュールの場合に、一方のストリングと他方のストリングとの間で逆流を起こし、電力損失が大きくならないよう一方のストリングにおける太陽電池セルのセル数と、他方のストリングにおける太陽電池セルのセル数とを等しくすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、太陽電池モジュールの出力を高めるためには、当該太陽電池モジュールにおける太陽電池セルのセル数をできるだけ多くする(例えば、太陽電池モジュール内に太陽電池セルを最大限に敷き詰める)ことが好ましい。しかしながら、所謂コーナモジュールのように、外形が少なくとも1つの斜辺を含む多角形状に構成されている太陽電池モジュールにあっては、外形に応じて多くの太陽電池セルを配置することと、各ストリングにおける太陽電池セルのセル数を等しくすることとを両立することが難しい場合がある。
【0005】
例えば、太陽電池モジュールの外形に応じて太陽電池セルを最大限に敷き詰めた場合として、2個、4個、7個、9個、10個の太陽電池セルがそれぞれ直列に接続された複数のセル群が順に並べられた太陽電池モジュールの場合を考える(以下では、n個の太陽電池セルが直列に接続されたセル群をn個セル群という(nは整数))。互いに隣り合う2個セル群、4個セル群、7個セル群を直列接続してストリングは13個の太陽電池セルを有するのに対し、互いに隣り合う9個セル群、10個セル群を直列接続して構成されたストリングは19個の太陽電池セルを有することになり、各ストリングにおける太陽電池セルのセル数が大きく異なることになってしまう。このようなストリング同士を並列接続すると、一方のストリングと他方のストリングとで電圧が異なることになり、電力損失が大きくなる。
【0006】
このような課題は、前述した構成の太陽電池モジュール(前記2個セル群~10個セル群を有する太陽電池モジュール)に限らず、他の構成の太陽電池モジュールにおいても同様に生じる可能性がある。以下、セル群をセル列という。
【0007】
本開示は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、太陽電池モジュールの外形に応じて多くの太陽電池セルを配置することと、各ストリングにおける太陽電池セルのセル数を同等にすることとを両立できる太陽電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するための本開示の解決手段は、並列に接続された2つのストリングを含み、前記2つのストリングは、それぞれ、1つの太陽電池セル又は直列に接続された複数の太陽電池セルで構成された複数のセル列を備え、前記複数のセル列における前記太陽電池セルが第1の方向に列設され、前記複数のセル列が前記第1の方向に直交する第2の方向に並設され、前記第2の方向において、前記2つのストリングのうち、一方の第1ストリングを構成する第1のセル列と第2のセル列の間に、他方の第2のストリングを構成する第3のセル列が配置されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記第1ストリングにおける前記太陽電池セルのセル数と、前記第2ストリングにおける前記太陽電池セルのセル数は同数であることが好ましい。
【0010】
また、各セル列における太陽電池セルのセル数としては、前記第1のセル列における前記太陽電池セルのセル数または前記第2のセル列における前記太陽電池セルのセル数と前記第3のセル列における前記太陽電池セルのセル数が互いに異なっていることが挙げられる。
【0011】
また、前記第3のセル列における前記太陽電池セルのセル数は、前記第1のセル列における前記太陽電池セルのセル数よりも小さく、前記第2のセル列における前記太陽電池セルのセル数よりも大きいことが挙げられる。
【0012】
また、複数のセル列の配置形態として、前記第2の方向において、前記第1ストリングを構成する前記第1のセル列と前記第2のセル列の間に、前記第2のストリングを構成する複数のセル列が配置されていることが挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
本開示では、多くの太陽電池セルを配置することと、各ストリングにおける太陽電池セルのセル数を同等にすることとを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る太陽電池モジュールを概略的に示す平面図である。
【
図2】第1実施形態に係る太陽電池モジュールにおける各ストリングでの太陽電池セルの直列接続方向を説明するための平面図である。
【
図3】太陽電池モジュールの内部構造を示す縦断面図である。
【
図4】第2実施形態に係る太陽電池モジュールを概略的に示す平面図である。
【
図5】第2実施形態に係る太陽電池モジュールにおける各ストリングでの太陽電池セルの直列接続方向を説明するための平面図である。
【
図6】第1実施形態に係る太陽電池モジュールにおける電極配線の全長および半田付け箇所を説明するための
図1相当図である。
【
図7】第2実施形態に係る太陽電池モジュールにおける電極配線の全長および半田付け箇所を説明するための
図4相当図である。
【
図8】第3実施形態に係る太陽電池モジュールにおける各太陽電池セルの配置および各ストリングの構成を説明するための簡略図である。
【
図9】第4実施形態に係る太陽電池モジュールにおける各太陽電池セルの配置および各ストリングの構成を説明するための簡略図である。
【
図10】第5実施形態に係る太陽電池モジュールにおける各太陽電池セルの配置および各ストリングの構成を説明するための簡略図である。
【
図11】第1端子ボックスと端部電極配線との接続状態を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0016】
[第1実施形態]
-太陽電池モジュールの概略構成-
図1は、第1実施形態に係る太陽電池モジュール1(より詳細には太陽電池モジュール1の外縁部にフレーム2が取り付けられた状態)を概略的に示す平面図である。この
図1では、図の上下方向をX方向(第1の方向)とし、上側をX1方向と呼び、下側をX2方向と呼ぶこととする。また、図の水平方向をY方向(第2の方向)とし、図中の左側をY1方向と呼び、右側をY2方向と呼ぶこととする。Y方向は、X方向に直交する方向である。また、以下では、前記X方向を太陽電池モジュール1の列方向(セル列を構成する太陽電池セルC,C,…が列設される方向)と呼ぶ場合もある。また、前記Y方向は、複数のセル列が並設される方向であり、並設方向と呼ぶ場合もある。
【0017】
太陽電池モジュール1は、所謂コーナモジュールであって、外形が、少なくとも1つの斜辺を含む多角形状(本実施形態では五角形状)に構成されている。太陽電池モジュール1の外縁部にはフレーム2が取り付けられている。フレーム2は、下端フレーム部21、該下端フレーム部21の右端(Y2方向の端部)から上方(X1方向)に延在する右側フレーム部22、下端フレーム部21の左端(Y1方向の端部)から上方(X1方向)に延在する左側フレーム部23、右側フレーム部22の上端(X1方向の端部)から水平方向(Y1方向)に延在する上端フレーム部24、上端フレーム部24の左端(Y1方向の端部)と左側フレーム部23の上端(X1方向の端部)との間に亘る斜辺フレーム部25を有している。したがって、太陽電池モジュール1の外縁であって斜辺となっている斜辺部には、斜辺フレーム部25が取り付けられている。
【0018】
太陽電池モジュール1は、直列接続された複数の太陽電池セルCからなる複数のストリングを有する。本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、複数のストリングS1~Snを有し、これらストリングS1~Sn同士が互いに並列接続された構成となっている。本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、n=2である。つまり、2個のストリングS1,S2を備え、これらストリングS1,S2が互いに並列接続された構成となっている。
【0019】
太陽電池モジュール1は、列方向(X方向)における太陽電池セルC,C,…の配設個数(セル数)が互いに異なる複数のセル列CR1~CRmが行方向(Y方向)に並設された構成となっている。本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、m=5である。つまり、5個のセル列CR1,CR2,CR3,CR4,CR5が行方向(Y方向)に並設された構成となっている。本実施形態では、図中において最も左側(Y1方向側)に位置するセル列を第1セル列CR1と呼び、左側から2番目に位置するセル列を第2セル列CR2と呼び、左側から3番目に位置するセル列を第3セル列CR3と呼び、左側から4番目に位置するセル列を第4セル列CR4と呼び、最も右側に位置するセル列を第5セル列CR5と呼ぶこととする。各セル列CR1~CR5において、太陽電池セルCは直列接続されている。
図2は、本実施形態に係る太陽電池モジュール1における各ストリングS1,S2での太陽電池セルC,C,…の直列接続方向を説明するための平面図である。この
図2において、第1セル列CR1、第2セル列CR2、第5セル列CR5それぞれに付した黒色の太線の矢印は、第1ストリングS1における電流の流れ方向を表している。また、第3セル列CR3および第4セル列CR4それぞれに付した白抜きの矢印は、第2ストリングS2における電流の流れ方向を表している。
【0020】
各セル列において、X方向に隣接する太陽電池セルC同士が、太陽電池セルCの表面上または裏面上に配置されたワイヤ(後述の配線材33)によって直列接続されている。太陽電池セルC同士を接続するワイヤは、1つの太陽電池セルCに複数本配置される。複数本のワイヤは、太陽電池セルCの表面上においてY方向に略均等距離に配置され、隣接する太陽電池セルCの裏面上まで延在して配置される。太陽電池セルCの表面上に配置されるワイヤの本数は、例えば2~16本である。ワイヤのサイズは、例えば、径0.3~0.5μmであり、長さは、X方向における太陽電池セルC長さの2倍程度である。
【0021】
各セル列CR1~CR5を構成する太陽電池セルCは、例えば160mm角程度の大きさの太陽電池セル(フルセル)を2分割したものである。つまり、160mm(Y方向の寸法)×80mm(X方向の寸法)角程度の大きさに形成されたハーフセルとなっている。
【0022】
各セル列CR1~CR5のX方向端部において太陽電池セルCの表面上または裏面上に配置されたワイヤ(後述の配線材33)は、バスバー(後述の中間電極配線または端部電極配線)に接続されている。バスバーは、例えば、3~8mm幅の平板状の導体である。バスバーは複数のセル列に接続されるように、セル列の外縁に沿って延在されており、複数のセル列がバスバーによって直列接続されて1つのストリングを構成する。詳細は後述するが、太陽電池モジュール1内で複数のストリングを構成する場合、バスバーは、ストリング毎の太陽電池セルCの直列数が同数になるようなセル列に接続される。ストリングの直列接続方向における最終のバスバー(後述の端部電極配線)は端子ボックスに挿入されており、端子台部分(後述の+端子台および-端子台)に半田接続されている構成になっている。端子ボックスからは取り出しケーブルが出ており、その取り出しケーブルを外部に接続することで太陽電池モジュール1から発電電力を取り出すための接続がなされるものとなっている。
【0023】
-太陽電池モジュールの内部構造-
ここで、太陽電池モジュール1の内部構造について説明する。
図3は、太陽電池モジュール1の内部構造を示す縦断面図(太陽電池セルC,C同士の接続部分周辺の縦断面図)である(例えば
図1におけるIII-III線に沿った断面図である)。この
図3に示すように、太陽電池モジュール1は、太陽電池セルCと配線材33とが透光性の封止材36によって透光性基板34と保護部材35との間に封止された構造となっている。透光性基板34は、太陽電池セルCの表面側(受光面側)に対向するように設けられている。保護部材35は、太陽電池セルCの裏面側(受光面と反対側)に対向するように設けられている。太陽電池セルCは、表面電極31と裏面電極32とを備えている。表面電極31は、バスバー電極31aと、図示を省略したフィンガー電極とから構成されている。バスバー電極31aは、帯状のものであり、太陽電池セルCの表面において列方向(X方向)に直線的に形成されている。フィンガー電極は、バスバー電極31aの両側縁から列方向(X方向)に対して直交する行方向(Y方向)に櫛歯状に延びて多数形成されている。フィンガー電極は、互いに一定の間隔をあけて、太陽電池セルCの受光面全体を網羅するようにパターン形成されている。また、裏面電極32は、太陽電池セルCの裏面において列方向(X方向)に直線的に帯状となるように形成されており、バスバー電極31aと表裏対向するように設けられている。
【0024】
また、前述した表面電極31と裏面電極32には、配線材33が接続されている。配線材33は、太陽電池セルCの表面電極31のバスバー電極31aと当該太陽電池セルCに隣り合う他の太陽電池セルCの裏面電極32とに接続されて隣り合う太陽電池セルC,C同士を直列に接続する配線材であり、インターコネクタと呼ばれることもある。
【0025】
配線材33の外形は、ワイヤやリボン形状である。配線材33は、断面が円形状または細長い短冊状に形成された基材の外表面に半田がコーティング(半田メッキ処理)された構成となっている。基材の材質としては特に限定されないが、例えば銅等の金属を用いることができる。
【0026】
配線材33の一方側(
図3では左側)が太陽電池セルCの表面のバスバー電極31aに半田接続されている。配線材33の他方側(
図3では右側)が隣接する太陽電池セルCの裏面の裏面電極32に半田接続されている。尚、本実施形態では、
図1(
図1では、表面電極31および配線材33についての符号を省略している)に示すように各太陽電池セルC,C,…におけるバスバー電極31aおよび配線材33それぞれを10本形成しているが、これに限定されるものではない。
【0027】
-各セル列の構成-
図1に示すように、本実施形態の各セル列CR1~CR5は、列方向における太陽電池セルCの配設個数が互いに異なっている。具体的に、第1セル列CR1は、2個の太陽電池セルC,Cが列方向(X方向)に並べられて構成されている。第2セル列CR2は、4個の太陽電池セルC,C,…が列方向に並べられて構成されている。第3セル列CR3は、7個の太陽電池セルC,C,…が列方向に並べられて構成されている。第4セル列CR4は、9個の太陽電池セルC,C,…が列方向に並べられて構成されている。第5セル列CR5は、10個の太陽電池セルC,C,…が列方向に並べられて構成されている。なお、本実施の形態では、全てのセル列CR1~CR5の太陽電池セルCの配設個数が互いに異なっているが、太陽電池セルCの配設個数が同じセル列が含まれていてもよく、太陽電池セルCの配設個数が互いに異なるセル列が含まれていればよい。
【0028】
各セル列CR1~CR5における太陽電池セルC,C,…の配設個数は、太陽電池モジュール1の外形に応じて設定される。本実施形態では、太陽電池モジュール1の外形が、Y1方向において斜辺となっており、Y2方向からY1方向にかけてX方向長さが減少していく形状であるため、Y2方向からY1方向にかけてセル列毎の太陽電池セルCの配設個数を減らしている。このように太陽電池セルCを配設すると、太陽電池セルCは矩形状のため、斜辺側のセル列の縁は階段状となる。ここで、太陽電池モジュール1の出力を大きくするためには、太陽電池セルCの配設個数は、最大限の数に設定されていることが望ましい。つまり、第1セル列CR1~第5セル列CR5それぞれにおける列方向(X方向)の一方側(X2方向側)に位置する各太陽電池セルC,C,…の端縁が下端フレーム部21に近接し且つ該下端フレーム部21に沿うように略同一直線上に配置されている。また、第1セル列CR1~第5セル列CR5それぞれにおける列方向(X方向)の他方側(X1方向側)に位置する各太陽電池セルC,C,…の端縁が、各セル列CR1~CR5のセル数の差に起因して階段状となっている。そして、第1セル列CR1~第4セル列CR4それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、X1方向端部に位置する太陽電池セルCが斜辺フレーム部25に近接するまで配設した数(斜辺フレーム部25との距離が太陽電池セルCのX方向寸法よりも小さくなるまで各太陽電池セルC,C,…が並べられた数)となっている。また、第5セル列CR5における太陽電池セルC,C,…のセル数は、X1方向側端部に位置する太陽電池セルCが上端フレーム部24に近接するまで配設した数(上端フレーム部24との距離が太陽電池セルCのX方向寸法よりも小さくなるまで各太陽電池セルC,C,…が並べられた数)となっている。これにより、最大限の数の太陽電池セルC,C,…が敷き詰められた構成となっている。
【0029】
-各ストリングの構成-
本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、直列接続された複数の太陽電池セルCからなる複数のストリングS1~Snを有し、これらストリングS1~Sn同士が互いに並列接続された構成となっている。ストリングS1~Snのうち、少なくとも2つのストリングは、複数のセル列から構成され、その他のストリングは、1または複数のセル列から構成される。1つのストリングを構成する複数のセル列は直列接続される。セル列は、1つの太陽電池セルC又は直列に接続された複数の太陽電池セルCで構成される。本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、n=2である。つまり、2個のストリングS1,S2を備え、これらストリングS1,S2が互いに並列接続された構成となっている。
【0030】
以下、各ストリングS1,S2を構成するための各セル列CR1~CR5の接続構造について説明する。各セル列CR1~CR5において、各セル列に含まれる太陽電池セルCは配線材33によって直列接続されている。ストリングS1を構成するセル列CR1,CR2,CR5は中間電極配線41,42によって直列接続されている。ストリングS2を構成するセル列CR3,CR4は中間電極配線43によって直列接続されている。また、各ストリングS1,S2は、端部電極配線51,52によって並列接続されている。以下、具体的に説明する。
【0031】
本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、
図1に示すように、第1ストリングS1および第2ストリングS2を備え、第1ストリングS1は、第1セル列CR1、第2セル列CR2、第5セル列CR5が中間電極配線(後述する飛び越し中間電極配線および隣接中間電極配線)41,42によって直列接続された構成となっている。
図1において各セル列CR1,CR2,CR5に添付した符号(S1)は、これらセル列CR1,CR2,CR5が第1ストリングS1を構成していることを表している。また、第2ストリングS2は、第3セル列CR3、第4セル列CR4が中間電極配線(後述する隣接中間電極配線)43によって直列接続された構成となっている。
図1において各セル列CR3,CR4に添付した符号(S2)は、これらセル列CR3,CR4が第2ストリングS2を構成していることを表している。このように、第1ストリングS1を構成する第2セル列CR2と第5セル列CR5との間に、第2ストリングS2を構成する第3セル列CR3および第4セル列CR4が配置された構成となっている。
図2は、本実施形態に係る太陽電池モジュール1における各ストリングS1,S2での太陽電池セルC,C,…の直列接続方向を説明するための平面図である。この
図2において、第1セル列CR1、第2セル列CR2、第5セル列CR5それぞれに付した黒色の太線の矢印は、第1ストリングS1における電流の流れ方向を表している。また、第3セル列CR3および第4セル列CR4それぞれに付した白抜きの矢印は、第2ストリングS2における電流の流れ方向を表している。
【0032】
前述したように、第1セル列CR1~第5セル列CR5それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、2個、4個、7個、9個、10個となっている。このため、第1セル列CR1、第2セル列CR2および第5セル列CR5によって構成されている第1ストリングS1の太陽電池セルC,C,…のセル数は16個であり、第3セル列CR3および第4セル列CR4によって構成されている第2ストリングS2の太陽電池セルC,C,…のセル数も16個である。つまり、第1ストリングS1の太陽電池セルC,C,…のセル数と第2ストリングS2の太陽電池セルC,C,…のセル数とは同数となっている。
【0033】
前述したように、並設方向において、第1ストリングS1を構成する第2セル列CR2と第5セル列CR5との間に、第2ストリングS2を構成する第3セル列CR3および第4セル列CR4が配置された構成となっていることから、第1ストリングS1を構成するセル列のうち、2つのセル列が隣接しないことになる。このため、本実施形態では、同一ストリングを構成するセル列であって並設方向で互いに隣り合わないセル列同士(本実施形態の場合には第1セル列CR1と第5セル列CR5)を接続する中間電極配線としては飛び越し中間電極配線41を設けるようにしている。尚、同一ストリングを構成するセル列であって並設方向で互いに隣り合うセル列同士(本実施形態の場合には、第1セル列CR1と第2セル列CR2、第3セル列CR3と第4セル列CR4)を接続する中間電極配線としては隣接中間電極配線42,43を設けるようにしている。以下、各中間電極配線41~43によるセル列同士の接続構造について具体的に説明する。
【0034】
第1ストリングS1を構成する各セル列CR1,CR2,CR5の接続構造として、第5セル列CR5の負極側(
図2中に-を付した側)と第1セル列CR1の正極側(
図2中に+を付した側)とが、飛び越し中間電極配線41によって接続されている。
図1および
図2に示すように、この飛び越し中間電極配線41は、第5セル列CR5の負極側に接続されてY方向に延在して第1セル列CR1のY1方向側の端部近傍まで達する第1配線41a、該第1配線41aにおけるY1方向側の端部からX1方向に延在して第1セル列CR1のX1方向側の端部近傍まで達する第2配線41b、および、該第2配線41bにおけるX1方向側の端部からY2方向に延在して第1セル列CR1のY2方向側の端部近傍まで達し且つ第1セル列CR1の正極側に接続される第3配線41cを備えている。具体的には、第5セル列CR5の直列接続方向負極側端部の太陽電池セルCの負極に接続された配線材33と第1配線41aとが接続され、第1セル列CR1の直列接続方向正極側端部の太陽電池セルCの正極に接続された配線材33と第3配線41cとが接続されている。
【0035】
また、
図1および
図2に示すように、第1セル列CR1の負極側と第2セル列CR2の正極側とが、隣接中間電極配線42によって接続されている。具体的には、第1セル列CR1の直列接続方向負極側端部の太陽電池セルCの負極に接続された配線材33と第2セル列CR2の直列接続方向正極側端部の太陽電池セルCの正極に接続された配線材33とが、それぞれ隣接中間電極配線42に接続されている。この隣接中間電極配線42は、第1セル列CR1のY1方向側の端部近傍から第2セル列CR2のY2方向側の端部近傍までY方向に沿って延在する配線で構成されている。
【0036】
第2ストリングS2を構成する各セル列CR3,CR4の接続構造として、
図1および
図2に示すように、第4セル列CR4の負極側と第3セル列CR3の正極側とが隣接中間電極配線43によって接続されている。具体的には、第4セル列CR4の直列接続方向負極側端部の太陽電池セルCの負極に接続された配線材33と第3セル列CR3の直列接続方向正極側端部の太陽電池セルCの正極に接続された配線材33とが、それぞれ隣接中間電極配線43に接続されている。この隣接中間電極配線43は、第3セル列CR3のY1方向側の端部近傍から第4セル列CR4のY2方向側の端部近傍までY方向に沿って延在する配線で構成されている。
【0037】
各ストリングの負極側端部および正極側端部には、それぞれ端部電極配線51,52が接続されている。第1端部電極配線51は、各ストリングS1,S2の負極側を2つの端子ボックス61,62に接続する。第2端部電極配線52は、各ストリングS1,S2の正極側を端子ボックス61に接続する。
【0038】
第1端子ボックス61は、正極側の取り出しケーブルを備える。
図11は第1端子ボックス61と端部電極配線51,52との接続状態を説明するための平面図である。第1端子ボックス61の内部には+端子台61aおよび-端子台61bが設けられている。+端子台61aには、端部電極配線52(後述の第4配線52d)が接続され、-端子台61bには、端部電極配線51(後述の第4配線51d)が接続される。+端子台61aは、取り出しケーブルにも接続されている。+端子台61aと-端子台61bの間に、バイパスダイオード61cを備える。
図1および
図2に示すように、第1端子ボックス61は、太陽電池モジュール1の裏面側であって、第4セル列CR4のY1方向端部に隣接する位置に配設されている。第1端子ボックス61は、太陽電池モジュール1の裏面側であって、第3セル列CR3のX1方向端部と斜辺部との間、もしくは、第4セル列CR4のY1方向端部と斜辺部との間に配置されているともいえる。
【0039】
第2端子ボックス62は、負極側の取り出しケーブルを備える。
図1および
図2に示すように、第2端子ボックス62の内部には-端子台62aが設けられている(本実施形態においては使用していないが、+端子台も設けられており、同じくパイパスダイオードを備えている。この第2端子ボックスの+端子台やバイパスダイオードは、例えば、3つのストリングを並列接続する場合、すなわちバイパスダイオードを2つ使用する必要がある場合などに使用する)。-端子台62aには、端部電極配線51(後述の第1配線51a)が接続される。-端子台62aは、取り出しケーブルにも接続されている。
図1および
図2に示すように、第2端子ボックス62は、太陽電池モジュール1の裏面側であって、第2セル列CR2のX1方向端部に隣接する位置に配設されている。第2端子ボックス62は、太陽電池モジュール1の裏面側であって、第2セル列CR2のX1方向端部と斜辺部との間、もしくは、第2セル列CR2のY1方向端部と斜辺部との間に配置されているともいえる。
【0040】
図1および
図2に示すように、第1端部電極配線51は、第2セル列CR2の負極側および第2端子ボックス62の-端子62aに接続されて第2セル列CR2のY2方向側の端部近傍までY方向に沿って延在する第1配線51a、該第1配線51aにおけるY2方向側の端部から第3セル列CR3のX1方向側の端部近傍までX方向に沿って延在する第2配線51b、該第2配線51bにおけるX1方向側の端部から第3セル列CR3のY2方向側の端部近傍までY方向に沿って延在し第3セル列CR3の負極側に接続される第3配線51c、該第3配線51cにおけるY2方向側の端部からX1方向に延在し且つ第1端子ボックス61の-端子61bに接続される第4配線51dを備えている。具体的には、ストリングS1の負極側端部である第2セル列CR2の直列接続方向負極側端部の太陽電池セルCの負極に接続された配線材33と第1配線51aとが接続され、ストリングS2の負極側端部である第3セル列CR3の直列接続方向負極側端部の太陽電池セルCの負極に接続された配線材33と第3配線51cとが接続されている。このように、第1端部電極配線51は、階段状となっている第2セル列CR2、第3セル列CR3それぞれにおける列方向(X方向)の上側(X1方向側)の形状に沿うように配設されている。つまり、第1端部電極配線51は、斜辺側端部に位置する太陽電池セルC,C,…の外縁に沿って延在している。
【0041】
図1および
図2に示すように、第2端部電極配線52は、第5セル列CR5の正極側に接続されて第5セル列CR5のY1方向側の端部近傍までY方向に沿って延在する第1配線52a、該第1配線52aにおけるY1方向側の端部から第4セル列CR4のX1方向側の端部近傍までX方向に沿って延在する第2配線52b、該第2配線52bにおけるX2方向側の端部から第4セル列CR4のY1方向側の端部近傍までY方向に沿って延在し第4セル列CR4の正極側に接続される第3配線52c、該第3配線52cにおけるY1方向側の端部からX2方向に延在し且つ第1端子ボックス61の+端子61aに接続される第4配線52dを備えている。具体的には、ストリングS1の正極側端部である第5セル列CR5の直列接続方向正極側端部の太陽電池セルCの正極に接続された配線材33と第1配線52aとが接続され、ストリングS2の正極側端部である第4セル列CR4の直列接続方向正極側端部の太陽電池セルCの正極に接続された配線材33と第3配線52cとが接続されている。このように、第2端部電極配線52も、階段状となっている第4セル列CR4、第5セル列CR5それぞれにおける列方向(X方向)の上側(X1方向側)の形状に沿うように配設されている。つまり、第2端部電極配線52も、斜辺側端部に位置する太陽電池セルC,C,…の外縁に沿って延在している。
【0042】
-実施形態の効果-
以上説明したように、本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、第1セル列CR1、第2セル列CR2および第5セル列CR5が中間電極配線(飛び越し中間電極配線および隣接中間電極配線)41,42によって直列接続されて構成されている第1ストリングS1と、第3セル列CR3および第4セル列CR4が中間電極配線(隣接中間電極配線)43によって互いに直列接続されて構成されている第2ストリングS2とが並列接続されて成っている。つまり、本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、第1ストリングS1を構成する2つのセル列CR2,CR5の間に、第2ストリングS2を構成するセル列CR3,CR4が配置されて成っている。これにより、各ストリングS1,S2を構成する太陽電池セルC,C,…のセル数を同数にしている。この場合、第2セル列CR2が本発明でいう第1ストリングを構成する第1のセル列に相当し、第5セル列CR5が本発明でいう第1ストリングを構成する第2のセル列に相当し、第3セル列CR3および第4セル列CR4が本発明でいう第2ストリングを構成する第3のセル列に相当することになる。このように、複数のストリングのうちの1つのストリングを構成する2つのセル列の間に他のストリングを構成するセル列を配置することによって、各ストリングを構成する太陽電池セルのセル数を同数にできる。このため、多くの太陽電池セルC,C,…を配置して太陽電池モジュール1の出力を高めるようにした場合であっても(例えば斜辺を含む多角形形状の外形を有する太陽電池モジュールの該外形に応じて太陽電池セルC,C,…を最大限に敷き詰めた場合であっても)、各ストリングS1,S2における太陽電池セルC,C,…のセル数に差が生じないようにすることができる。また、ストリングS1,S2間でのセル数の差に起因する電力損失を無くすことができる。
【0043】
また、第1セル列CR1~第5セル列CR5それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、2個、4個、7個、9個、10個となっている。したがって、第2セル列CR2および第5セル列CR5における太陽電池セルCのセル数はそれぞれ第3セル列CR3または第4セル列CR4における太陽電池セルCのセル数と異なる。また、第3セル列CR3または第4セル列CR4における太陽電池セルCのセル数は、第2セル列CR2におけるセル数よりも大きく、第5セル列CR5におけるセル数よりも小さい。つまり、第1ストリングS1を構成する2つのセル列におけるセル数と該2つのセル列の間に配置された第2ストリング2を構成するセル列におけるセル数は互いに異なる。また、第1ストリングS1を構成する2つのセル列の間に配置された第2ストリング2を構成するセル列におけるセル数は、第1ストリングS1を構成する該2つのセル列のうち一方のセル列におけるセル数よりも小さく、他方のセル列におけるセル数よりも大きい。このようにして、各ストリングS1,S2における太陽電池セルC,C,…のセル数に差が生じないようにすることができる。
【0044】
特に、本実施形態では、飛び越し中間電極配線41によって、隣接しないセル列同士(本実施形態の場合には第1セル列CR1と第5セル列CR5)を接続するようにしている。つまり、これまでにない中間電極配線(飛び越し中間電極配線)41を採用することによって、1つのストリングS1を構成する一対のセル列CR2,CR5の間に、他のストリングS2を構成するセル列CR3,CR4が配置できるようにし、太陽電池モジュールの外形に応じて多くの太陽電池セルC,C,…を配置することと、各ストリングS1,S2における太陽電池セルC,C,…のセル数の差を無くすこととを両立できるようにしている。また、この場合、飛び越し中間電極配線41の第1配線41aを、他のストリングS2を構成するセル列CR3,CR4の端縁に近接し且つ該端縁に沿うように延在していることにより、飛び越し中間電極配線41の全長を短くすることが可能になり、飛び越し中間電極配線41を形成するための材料(電極材料)の使用量の削減、および、飛び越し中間電極配線41の配置設計を容易に行うことができる。
【0045】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は、端子ボックスの配設位置が前述した第1実施形態のものと異なっており、それに伴って、中間電極配線および端部電極配線の配設位置も異なっている。それ以外の構成は前述した第1実施形態のものと同様であるので、ここでは、第1実施形態との相違点について主に説明する。
【0046】
図4は、本実施形態に係る太陽電池モジュール1を概略的に示す平面図である。また、
図5は、本実施形態に係る太陽電池モジュール1における各ストリングS1,S2での太陽電池セルC,C,…の直列接続方向を説明するための平面図である。この
図5において、第1セル列CR1、第2セル列CR2、第5セル列CR5それぞれに付した黒色の太線の矢印は、第1ストリングS1における電流の流れ方向を表している。また、第3セル列CR3および第4セル列CR4それぞれに付した白抜きの矢印は、第2ストリングS2における電流の流れ方向を表している。これらの図に示すように、本実施形態にあっても、第1セル列CR1、第2セル列CR2、第5セル列CR5によって第1ストリングS1が構成され、第3セル列CR3、第4セル列CR4によって第2ストリングS2が構成されている。また、ストリングS1を構成するセル列CR1,CR2,CR5およびストリングS2を構成するセル列CR3,CR4は、それぞれ中間電極配線71,72,73によって直列接続されている。また、各ストリングS1,S2は、端部電極配線81,82によって並列接続されている。以下、具体的に説明する。
【0047】
図4および
図5に示すように、第1ストリングS1を構成する各セル列CR1,CR2,CR5の接続構造として、第1セル列CR1の負極側と第2セル列CR2の正極側とが、隣接中間電極配線71によって接続されている。この隣接中間電極配線71は、第1セル列CR1のY1方向側の端部近傍から第2セル列CR2のY2方向側の端部近傍までY方向に沿って延在する配線で構成されている。具体的には、第1セル列CR1の直列接続方向負極側端部の太陽電池セルCの負極に接続された配線材33と隣接中間電極配線71とが接続され、第2セル列CR2の直列接続方向正極側端部の太陽電池セルCの正極に接続された配線材33と隣接中間電極配線71とが接続されている。
【0048】
また、
図4および
図5に示すように、第2セル列CR2の負極側と第5セル列CR5の正極側とが、飛び越し中間電極配線72によって接続されている。この飛び越し中間電極配線72は、第2セル列CR2の負極側に接続されてY方向に延在して第2セル列CR2のY2方向側の端部近傍まで達する第1配線72a、該第1配線72aにおけるY2方向側の端部からX1方向に延在して第3セル列CR3のX1方向側の端部近傍まで達する第2配線72b、該第2配線72bにおけるX1方向側の端部からY2方向に延在して第3セル列CR3のY2方向側の端部近傍まで達する第3配線72c、該第3配線72cにおけるY2方向側の端部からX1方向に延在して第4セル列CR4のX1方向側の端部近傍まで達する第4配線72d、該第4配線72dにおけるX1方向側の端部からY2方向に延在して第4セル列CR4のY2方向側の端部近傍まで達する第5配線72e、該第5配線72eにおけるY2方向側の端部からX1方向に延在して第5セル列CR5のX1方向側の端部近傍まで達する第6配線72f、該第6配線72fにおけるX1方向側の端部からY2方向に延在して第5セル列CR5のY2方向側の端部近傍まで達し且つ第5セル列CR5の正極側に接続される第7配線72gを備えている。このように、飛び越し中間電極配線72は、階段状となっている第2セル列CR2~第5セル列CR5それぞれにおける列方向(X方向)の上側(X1方向側)の形状に沿うように配設されている。また、第2セル列CR2の直列接続方向負極側端部の太陽電池セルCの負極に接続された配線材33と第1配線72aとが接続され、第5セル列CR5の直列接続方向正極側端部の太陽電池セルCの正極に接続された配線材33と第7配線72gとが接続されている。
【0049】
図4および
図5に示すように、第2ストリングS2を構成する各セル列CR3,CR4の接続構造として、第3セル列CR3の負極側と第4セル列CR4の正極側とは隣接中間電極配線73によって接続されている。この隣接中間電極配線73は、前記飛び越し中間電極配線72よりも、第3セル列CR3および第4セル列CR4に近い側(飛び越し中間電極配線72とセル列CR3,CR4との間)に配設されている。具体的に、この隣接中間電極配線73は、第3セル列CR3の負極側に接続されてY方向に延在して第3セル列CR3のY2方向側の端部近傍まで達する第1配線73a、該第1配線73aにおけるY2方向側の端部からX1方向に延在して第4セル列CR4のX1方向側の端部近傍まで達する第2配線73b、該第2配線73bにおけるX1方向側の端部からY2方向に延在して第4セル列CR4のY2方向側の端部近傍まで達し且つ第4セル列CR4の正極側に接続される第3配線73cを備えている。このように、隣接中間電極配線73も、階段状となっている第3セル列CR3、第4セル列CR4それぞれにおける列方向(X方向)の上側(X1方向側)の形状に沿うように配設されている。また、第3セル列CR3の直列接続方向負極側端部の太陽電池セルCの負極に接続された配線材33と第1配線73aとが接続され、第4セル列CR4の直列接続方向正極側端部の太陽電池セルCの正極に接続された配線材33と第3配線73cとが接続されている。
【0050】
図4および
図5に示すように、端部電極配線81,82としては、各ストリングS1,S2の負極側を2つの端子ボックス91,92に接続する第1端部電極配線81と、各ストリングS1,S2の正極側を一つの端子ボックス91に接続する第2端部電極配線82とを備えている。端子ボックス91,92は、太陽電池モジュール1の裏面側に配設されている。具体的に、第3セル列CR3と第4セル列CR4との境界部分(当該境界部分における太陽電池モジュール1の裏面側)であって、下端フレーム部21に対してX1方向に所定寸法を存した位置に配設された第1端子ボックス91と、第4セル列CR4と第5セル列CR5との境界部分(当該境界部分における太陽電池モジュール1の裏面側)であって、下端フレーム部21に対してX1方向に所定寸法を存した位置に配設された第2端子ボックス92とを備えている。第1端子ボックス91の内部には+端子91aおよび-端子91bが設けられている。第2端子ボックス92の内部には-端子92aが設けられている。第1端子ボックス91の内部の+端子91aおよび-端子91bの間にはバイパスダイオードが設けられている。
【0051】
図4および
図5に示すように、第1端部電極配線81は、第5セル列CR5の負極側および第4セル列CR4の負極側に接続されて、第5セル列CR5のY2方向側端部から第4セル列CR4のY1方向側の端部近傍までY方向に沿って延在する。具体的には、第5セル列CR5の直列接続方向負極側端部の太陽電池セルCの負極に接続された配線材33と第1端部電極配線81とが接続され、第4セル列CR4の直列接続方向負極側端部の太陽電池セルCの負極に接続された配線材33と第1端部電極配線81とが接続されている。また、第1端部電極配線81は、第2端子ボックス92の-端子92aおよび第1端子ボックス91の-端子91bに接続されており、第1端部電極配線81と第1端子ボックス91の-端子91bとの間、および、第1端部電極配線81と第2端子ボックス92の-端子92aとの間それぞれは、X方向に沿って延在する導線91c,92bによって接続されている。
【0052】
図4および
図5に示すように、第2端部電極配線82は、第1セル列CR1の正極側に接続されて第1セル列CR1のY1方向側の端部近傍までY方向に沿って延在する第1配線82a、該第1配線82aにおけるY1方向側の端部から第1セル列CR1のX2方向側の端部近傍までX方向に沿って延在する第2配線82b、該第2配線82bにおけるX2方向側の端部から第3セル列CR3のY2方向側の端部近傍までY方向に沿って延在し第3セル列CR3の正極側に接続される第3配線82cを備えている。具体的には、第1セル列CR1の直列接続方向正極側端部の太陽電池セルCの正極に接続された配線材33と第1配線82aとが接続され、第3セル列CR3の直列接続方向正極側端部の太陽電池セルCの正極に接続された配線材33と第3配線82cとが接続されている。また、第2端部電極配線82は、第1端子ボックス91の+端子91aに接続されており、第2端部電極配線82と第1端子ボックス91の+端子91aとの間は、X方向に沿って延在する導線91dによって接続されている。
【0053】
本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、前述した第1実施形態の場合と同様に、第1ストリングS1を構成する2つのセル列CR2,CR5の間に、第2ストリングS2を構成するセル列CR3,CR4が配置されて成っている。これにより、各ストリングS1,S2を構成する太陽電池セルC,C,…のセル数を同数にしている。このように、複数のストリングのうちの1つのストリングを構成する2つのセル列の間に他のストリングを構成するセル列を配置することによって、各ストリングを構成する太陽電池セルのセル数を同数にできる。
【0054】
本実施形態にあっても、前述した第1実施形態の場合と同様に、多くの太陽電池セルC,C,…を配置して太陽電池モジュール1の出力を高めるようにした場合であっても(例えば斜辺を含む多角形形状の外形を有する太陽電池モジュールの該外形に応じて太陽電池セルC,C,…を最大限に敷き詰めた場合であっても)、各ストリングS1,S2における太陽電池セルC,C,…のセル数に差が生じないようにすることができる。また、ストリングS1,S2間でのセル数の差に起因する電力損失を無くすことができる。
【0055】
[第1実施形態と第2実施形態との対比]
以上説明したように、何れの実施形態にあっても、太陽電池モジュールの外形に応じて多くの太陽電池セルC,C,…を配置することと、各ストリングS1,S2における太陽電池セルC,C,…のセル数の差を無くすこととを両立できるが、電極配線41~43,51,52,71~73,81,82の長さや、各電極配線41~43,51,52,71~73,81,82同士を接続する半田付け箇所の個数に関しては差がある。以下、具体的に説明する。
【0056】
図6は、第1実施形態に係る太陽電池モジュール1における電極配線41~43,51,52の全長および半田付け箇所を説明するための
図1相当図である。また、
図7は、第2実施形態に係る太陽電池モジュール1における電極配線71~73,81,82の全長および半田付け箇所を説明するための
図4相当図である。これらの図にあっては、ハーフセルのX方向の長さを「1」とした場合における各電極配線41~43,51,52,71~73,81,82の各部(直線状となっている部分)の長さを吹き出しの形式で表している。また、各電極配線41~43,51,52,71~73,81,82同士を接続する半田付け箇所を破線の円で示している。
【0057】
図6に示すように、第1実施形態に係る太陽電池モジュール1にあっては、各電極配線41~43,51,52の全長は、ハーフセルのX方向の長さを「1」とした場合に「36」となっている。また、半田付け箇所は「8」となっている。
【0058】
一方、
図7に示すように、第2実施形態に係る太陽電池モジュール1にあっては、各電極配線71~73,81,82の全長は、ハーフセルのX方向の長さを「1」とした場合に「38」となっているのに加えて、前記導線91c,92b,91dの長さも必要である。また、半田付け箇所は「10」となっている。
【0059】
以上の点を考慮すると、電極配線の全長の短縮化および半田付け箇所の削減を図る観点からすれば、第1実施形態に係る太陽電池モジュール1の方がより好ましいことが分かる。
【0060】
また、
図1および
図2に示すように、第1実施形態に係る太陽電池モジュール1にあっては、各端子ボックス61,62を、端子61a,61b,62aの位置が太陽電池セルCよりも斜辺部寄りの位置となるように配設するとともに、端子61a,61b,62aにそれぞれ接続する配線51d,52d,51aを太陽電池セルCと斜辺部12との間に位置させている。このため、端子ボックス61,62における配線51d,52d,51aの接続位置および配線51d,52d,51aが太陽電池セルCから外れた位置(斜辺部と太陽電池セルCとの間の位置であって太陽電池セルCと重ならない位置)となるため、端子ボックス61,62に接続する配線と太陽電池セルCとが接触してしまう可能性がなくなり、これらの間に絶縁シートを介在させる必要がないものとなる。したがって、第1実施形態に係る太陽電池モジュール1は、太陽電池モジュールの製造に際し、端子ボックスに接続される配線と太陽電池セルとの間に絶縁シートを介在させるための作業を不要にすることができ、太陽電池モジュールの生産性の向上を図ることができる。
【0061】
一方、
図4および
図5に示すように、第2実施形態に係る太陽電池モジュール1にあっては、端子ボックス91,92に接続される導線91c,92b,91dは、太陽電池セルCと接触しないように、これらの間に絶縁シート(図示せず)を介在させている。
【0062】
以上の点を考慮すると、太陽電池モジュールの生産性の向上を図る観点からすれば、第1実施形態に係る太陽電池モジュール1の方がより好ましいことが分かる。
【0063】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態は、前述した第1実施形態および第2実施形態で示した各太陽電池セルC,C,…の配置形態以外の配置形態を例示するものである。
【0064】
図8は本実施形態に係る太陽電池モジュール1における各太陽電池セルC,C,…の配置および各ストリングS1,S2の構成を説明するための簡略図である。この
図8にあっては、2つセル列を直列接続する配線(中間電極配線)を実線で示し、ストリングS1,S2を並列接続する端部電極配線を破線で示している。
【0065】
図8に示すように、本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、4個のセル列CR1~CR4がY方向に並設され、各セル列における太陽電池セルCはY方向に直交するX方向に列設された構成となっている。そして、第1セル列CR1は、1個の太陽電池セルCで構成されている。第2セル列CR2は、2個の太陽電池セルC,CがX方向に並べられて構成されている。第3セル列CR3も、2個の太陽電池セルC,CがX方向に並べられて構成されている。第4セル列CR4は、3個の太陽電池セルC,C,…がX方向に並べられて構成されている。各セル列CR1~CR4において太陽電池セルCは直列接続されている。
【0066】
そして、本実施形態に係る太陽電池モジュール1も第1ストリングS1および第2ストリングS2を備え、第1ストリングS1は、第1セル列CR1と第4セル列CR4とが中間電極配線(飛び越し中間電極配線)41によって直列接続された構成となっている。
図8において各セル列CR1,CR4に添付した符号(S1)は、これらセル列CR1,CR4が第1ストリングS1を構成していることを表している。また、第2ストリングS2は、第2セル列CR2と第3セル列CR3とが中間電極配線(隣接中間電極配線)43によって直列接続された構成となっている。
図8において各セル列CR2,CR3に添付した符号(S2)は、これらセル列CR2,CR3が第2ストリングS2を構成していることを表している。このように、第1ストリングS1を構成する第1セル列CR1と第4セル列CR4との間に、第2ストリングS2を構成する第2セル列CR2および第3セル列CR3が配置された構成となっている。
【0067】
前述したように、第1セル列CR1~第4セル列CR4それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、1個、2個、2個、3個となっている。このため、第1セル列CR1および第4セル列CR4から構成されている第1ストリングS1の太陽電池セルC,C,…のセル数は4個であり、第2セル列CR2および第3セル列CR3から構成されている第2ストリングS2の太陽電池セルC,C,…のセル数も4個である。つまり、第1ストリングS1の太陽電池セルC,C,…のセル数と第2ストリングS2の太陽電池セルC,C,…のセル数とは同数となっている。
【0068】
このため、本実施形態にあっても、複数のストリングS1,S2のうちの1つのストリング(本実施形態の場合には第1ストリング)S1を構成する一対のセル列CR1,CR4の間に、他のストリング(本実施形態の場合には第2ストリング)S2を構成するセル列CR2,CR3が配置されて成っている。これにより、各ストリングS1,S2を構成する太陽電池セルC,C,…のセル数を同数にしている。
【0069】
また、前述したように、第1セル列CR1~第4セル列CR4それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、1個、2個、2個、3個となっている。したがって、第1セル列CR1および第4セル列CR4における太陽電池セルCのセル数はそれぞれ第2セル列CR2または第3セル列CR3における太陽電池セルCのセル数と異なる。また、第2セル列CR2または第3セル列CR3における太陽電池セルCのセル数は、第1セル列CR1におけるセル数よりも大きく、第4セル列CR4におけるセル数よりも小さい。つまり、第1ストリングS1を構成する2つのセル列におけるセル数と該2つのセル列の間に配置された第2ストリング2を構成するセル列におけるセル数は互いに異なる。また、第1ストリングS1を構成する2つのセル列の間に配置された第2ストリング2を構成するセル列におけるセル数は、第1ストリングS1を構成する該2つのセル列のうち一方のセル列におけるセル数よりも小さく、他方のセル列におけるセル数よりも大きい。これにより、各ストリングS1,S2を構成する太陽電池セルC,C,…のセル数を同数にしている。
【0070】
なお、本実施形態では、太陽電池モジュール1は、4個のセル列CR1~CR4で構成され、第1セル列CR1~第4セル列CR4それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、1個、2個、2個、3個となっているが、列数およびセル数はこれに限らない。セル数の比が1:2:2:3である4つのセル列を含む太陽電池モジュールであれば、本実施形態と同様にセル列を組み合わせて、セル数が同数の2つのストリングを構成することができる。
【0071】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態は、前述した第1~第3実施形態で示した各太陽電池セルC,C,…の配置形態以外の配置形態を例示するものである。
【0072】
図9は本実施形態に係る太陽電池モジュール1における各太陽電池セルC,C,…の配置および各ストリングS1,S2の構成を説明するための簡略図である。この
図9にあっても、2つのセル列を直列接続する配線(中間電極配線)を実線で示し、ストリングS1,S2を並列接続する端部電極配線を破線で示している。
【0073】
図9に示すように、本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、4個のセル列CR1~CR4がY方向に並設され、各セル列における太陽電池セルCはY方向に直交するX方向に列設された構成となっている。そして、第1セル列CR1は、1個の太陽電池セルCで構成されている。第2セル列CR2は、2個の太陽電池セルC,CがX方向に並べられて構成されている。第3セル列CR3は、3個の太陽電池セルC,C,…がX方向に並べられて構成されている。第4セル列CR4は、4個の太陽電池セルC,C,…がX方向に並べられて構成されている。各セル列CR1~CR4において太陽電池セルCは直列接続されている。
【0074】
そして、本実施形態に係る太陽電池モジュール1も第1ストリングS1および第2ストリングS2を備え、第1ストリングS1は、第1セル列CR1と第4セル列CR4とが中間電極配線(飛び越し中間電極配線)41によって直列接続された構成となっている。
図9において各セル列CR1,CR4に添付した符号(S1)は、これらセル列CR1,CR4が第1ストリングS1を構成していることを表している。また、第2ストリングS2は、第2セル列CR2と第3セル列CR3とが中間電極配線(隣接中間電極配線)43によって直列接続された構成となっている。
図9において各セル列CR2,CR3に添付した符号(S2)は、これらセル列CR2,CR3が第2ストリングS2を構成していることを表している。このように、第1ストリングS1を構成する第1セル列CR1と第4セル列CR4との間に、第2ストリングS2を構成する第2セル列CR2および第3セル列CR3が配置された構成となっている。
【0075】
前述したように、第1セル列CR1~第4セル列CR4それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、1個、2個、3個、4個となっている。このため、第1セル列CR1および第4セル列CR4から構成されている第1ストリングS1の太陽電池セルC,C,…のセル数は5個であり、第2セル列CR2および第3セル列CR3から構成されている第2ストリングS2の太陽電池セルC,C,…のセル数も5個である。つまり、第1ストリングS1の太陽電池セルC,C,…のセル数と第2ストリングS2の太陽電池セルC,C,…のセル数とは同数となっている。
【0076】
このため、本実施形態にあっても、複数のストリングS1,S2のうちの1つのストリング(本実施形態の場合には第1ストリング)S1を構成する2つのセル列CR1,CR4の間に、他のストリング(本実施形態の場合には第2ストリング)S2を構成するセル列CR2,CR3が配置されて成っている。これにより、各ストリングS1,S2を構成する太陽電池セルC,C,…のセル数を同数にしている。
【0077】
また、前述したように、第1セル列CR1~第4セル列CR4それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、1個、2個、3個、4個となっている。したがって、第1セル列CR1および第4セル列CR4における太陽電池セルCのセル数はそれぞれ第2セル列CR2または第3セル列CR3における太陽電池セルCのセル数と異なる。また、第2セル列CR2または第3セル列CR3における太陽電池セルCのセル数は、第1セル列CR1におけるセル数よりも大きく、第4セル列CR4におけるセル数よりも小さい。つまり、第1ストリングS1を構成する2つのセル列におけるセル数と該2つのセル列の間に配置された第2ストリング2を構成するセル列におけるセル数は互いに異なる。また、第1ストリングS1を構成する2つのセル列の間に配置された第2ストリング2を構成するセル列におけるセル数は、第1ストリングS1を構成する該2つのセル列のうち一方のセル列におけるセル数よりも小さく、他方のセル列におけるセル数よりも大きい。これにより、各ストリングS1,S2を構成する太陽電池セルC,C,…のセル数を同数にしている。
【0078】
なお、本実施形態では、太陽電池モジュール1は、4個のセル列CR1~CR4で構成され、第1セル列CR1~第4セル列CR4それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、1個、2個、3個、4個となっているが、列数およびセル数はこれに限らない。セル数の比が1:2:3:4である4つのセル列を含む太陽電池モジュールであれば、本実施形態と同様にセル列を組み合わせて、セル数が同数の2つのストリングを構成することができる。
【0079】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態は、前述した第1~第4実施形態で示した各太陽電池セルC,C,…の配置形態以外の配置形態を例示するものである。本実施形態に係る太陽電池モジュール1は3個のストリングS1,S2,S3を備え、これらストリングS1,S2,S3が互いに並列接続された構成となっている。
【0080】
図10は本実施形態に係る太陽電池モジュール1における各太陽電池セルC,C,…の配置および各ストリングS1,S2,S3の構成を説明するための簡略図である。この
図10にあっても、2つのセル列を接続する配線(中間電極配線)を実線で示し、ストリングS1,S2,S3を並列接続する端部電極配線を破線で示している。
【0081】
図10に示すように、本実施形態に係る太陽電池モジュール1は、6個のセル列CR1~CR6がY方向に並設され、各セル列における太陽電池セルCはY方向に直交するX方向に列設された構成となっている。また、各セル列CR1~CR6を構成する太陽電池セルCは、例えば160mm角程度の大きさの太陽電池セル(フルセル)を3分割したもの(1/3セル)である。
【0082】
そして、第1セル列CR1は、2個の太陽電池セルC,CがX方向に並べられて構成されている。第2セル列CR2は、4個の太陽電池セルC,C,…がX方向に並べられて構成されている。第3セル列CR3は、6個の太陽電池セルC,C,…がX方向に並べられて構成されている。第4セル列CR4は、8個の太陽電池セルC,C,…がX方向に並べられて構成されている。第5セル列CR5は、10個の太陽電池セルC,C,…がX方向に並べられて構成されている。第6セル列CR6は、12個の太陽電池セルC,C,…がX方向に並べられて構成されている。各セル列CR1~CR6において太陽電池セルCは直列接続されている。
【0083】
そして、本実施形態に係る太陽電池モジュール1は第1ストリングS1、第2ストリングS2および第3ストリングS3を備え、第1ストリングS1は、第1セル列CR1と第6セル列CR6とが中間電極配線(飛び越し中間電極配線)41Aによって直列接続された構成となっている。
図10において各セル列CR1,CR6に添付した符号(S1)は、これらセル列CR1,CR6が第1ストリングS1を構成していることを表している。また、第2ストリングS2は、第2セル列CR2と第5セル列CR5とが中間電極配線(飛び越し中間電極配線)41Bによって直列接続された構成となっている。
図10において各セル列CR2,CR5に添付した符号(S2)は、これらセル列CR2,CR5が第2ストリングS2を構成していることを表している。第3ストリングS3は、第3セル列CR3と第4セル列CR4とが中間電極配線(隣接中間電極配線)43によって直列接続された構成となっている。
図10において各セル列CR3,CR4に添付した符号(S3)は、これらセル列CR3,CR4が第3ストリングS3を構成していることを表している。このように、第1ストリングS1を構成する第1セル列CR1と第6セル列CR6との間に、第2ストリングS2を構成する第2セル列CR2および第5セル列CR5、第3ストリングS3を構成する第3セル列CR3および第4セル列CR4が配置された構成となっている。また、第2ストリングS2を構成する第2セル列CR2と第5セル列CR5との間に、第3ストリングS3を構成する第3セル列CR3および第4セル列CR4が配置された構成となっている。
【0084】
前述したように、第1セル列CR1~第6セル列CR6それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、2個、4個、6個、8個、10個、12個となっている。このため、第1セル列CR1および第6セル列CR6から構成されている第1ストリングS1の太陽電池セルC,C,…のセル数は14個であり、第2セル列CR2および第5セル列CR5から構成されている第2ストリングS2の太陽電池セルC,C,…のセル数も14個であり、第3セル列CR3および第4セル列CR4から構成されている第3ストリングS3の太陽電池セルC,C,…のセル数も14個である。つまり、第1ストリングS1の太陽電池セルC,C,…のセル数と、第2ストリングS2の太陽電池セルC,C,…のセル数と、第3ストリングS3の太陽電池セルC,C,…のセル数とは同数となっている。
【0085】
このため、本実施形態にあっても、複数のストリングのうちの1つのストリングを構成する2つのセル列の間に他のストリングを構成するセル列を配置することによって、各ストリングS1,S2,S3を構成する太陽電池セルC,C,…のセル数を同数にしている。
【0086】
また、前述したように、第1セル列CR1~第6セル列CR6それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、2個、4個、6個、8個、10個、12個となっている。したがって、第1セル列CR1および第6セル列CR6における太陽電池セルCのセル数はそれぞれ第2セル列CR2または第5セル列CR5における太陽電池セルCのセル数と異なる。また、第1セル列CR1および第6セル列CR6における太陽電池セルCのセル数はそれぞれ第3セル列CR3または第4セル列CR4における太陽電池セルCのセル数と異なる。また、第2セル列CR2および第5セル列CR5における太陽電池セルCのセル数はそれぞれ第3セル列CR3または第4セル列CR4における太陽電池セルCのセル数と異なる。また、第2セル列CR2または第5セル列CR5における太陽電池セルCのセル数は、第1セル列CR1におけるセル数よりも大きく、第6セル列CR6におけるセル数よりも小さい。また、第3セル列CR3または第4セル列CR4における太陽電池セルCのセル数は、第1セル列CR1におけるセル数よりも大きく、第6セル列CR6におけるセル数よりも小さい。また、第3セル列CR3または第4セル列CR4における太陽電池セルCのセル数は、第2セル列CR2におけるセル数よりも大きく、第5セル列CR5におけるセル数よりも小さい。つまり、第1ストリングS1を構成する2つのセル列におけるセル数と該2つのセル列の間に配置された第2ストリングS2または第3ストリングS3を構成するセル列におけるセル数は互いに異なる。また、第2ストリングS2を構成する2つのセル列におけるセル数と該2つのセル列の間に配置された第3ストリング3を構成するセル列におけるセル数は互いに異なる。また、第1ストリングS1を構成する2つのセル列の間に配置された第2ストリング2または第3ストリングを構成するセル列におけるセル数は、第1ストリングS1を構成する該2つのセル列のうち一方のセル列におけるセル数よりも小さく、他方のセル列におけるセル数よりも大きい。また、第2ストリングS2を構成する2つのセル列の間に配置された第3ストリングを構成するセル列におけるセル数は、第2ストリングS2を構成する該2つのセル列のうち一方のセル列におけるセル数よりも小さく、他方のセル列におけるセル数よりも大きい。これにより、各ストリングS1,S2,S3を構成する太陽電池セルC,C,…のセル数を同数にしている。
【0087】
なお、本実施形態では、太陽電池モジュール1は、6個のセル列CR1~CR6で構成され、第1セル列CR1~第6セル列CR6それぞれにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は、2個、4個、6個、8個、10個、12個となっているが、列数およびセル数はこれに限らない。セル数の比が2:4:6:8:10である6つのセル列を含む太陽電池モジュールであれば、本実施形態と同様にセル列を組み合わせて、セル数が同数の3つのストリングを構成することができる。
【0088】
-他の実施形態-
尚、本開示は、以上説明した各実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、前述した各実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
【0089】
例えば、前記各実施形態では、各ストリング(第1~第4実施形態にあっては第1ストリングS1および第2ストリングS2、第5実施形態にあっては第1~第3ストリングS1~S3)における太陽電池セルC,C,…のセル数を同数としていたが、各ストリングにおけるセル数は同等であればよく、セル数が僅かに異なる(例えば1個や2個程度異なる)ものであってもよい。例えば、各ストリングにおける太陽電池セルC,C,…のセル数が異なることに起因する電力損失が許容範囲内に収まるものや、電流の逆流を防止できる機能を備えたものであれば、各ストリングにおける太陽電池セルC,C,…のセル数は僅かに異なっていてもよい。
【0090】
また、前記各実施形態では、1つのストリングを構成する2つのセル列の間に配置される他のストリングを構成するセル列は、例えば第1実施形態における第2ストリングS2を構成する第3セル列CR3および第4セル列CR4のように複数のセル列となっているが、1つのセル列であってもよい。
【0091】
また、前記第1~第4実施形態では、並設方向において、第1ストリングS1を構成するセル列のうち2つのセル列の間に、第2ストリングS2を構成する全てのセル列が隣り合うように配置されていた。これに限らず、並設方向において、第1ストリングS1を構成するセル列のうち2つのセル列の間に、第2ストリングS2を構成するセル列の一部を配置してもよい。つまり、並設方向において、第1ストリングS1を構成するセル列のうち2つのセル列の間に、第2ストリングS2を構成するセル列を配置するとともに、第2ストリングS2を構成するセル列のうち2つのセル列の間に、第1ストリングS1を構成するセル列を配置してもよい。また、1つのストリングを構成する複数のセル列のうち2つのセル列同士の間に他のストリングを構成する一つまたは複数のセル列が配置される形態を2箇所以上備えてもよい。また、1つのストリングを構成する複数のセル列のうち2つのセル列の間に他の1つのストリングを構成する複数のセル列のうち一部のセル列を配置してもよい。また、1つのストリングを構成する複数のセル列のうち2つのセル列の間に他の複数のストリングを構成する複数のセル列のうち一部のセル列を配置してもよい。
【0092】
また、前記各実施形態では、太陽電池セルCとして、標準サイズのセル(フルセル)を半分に分割したもの(ハーフセル)、または、1/3に分割したもの(1/3セル)を用いたが、分割数に制限はなく、例えば、1/4に分割したもの(1/4セル)であってもよいし、フルセルであってもよい。また、例えば1/4に分割する場合、フルセルを短冊状に分割してもよいし、略正方形状に分割してもよい。
【0093】
また、前記各実施形態では、受光面および受光面の反対側の裏面の双方に電極が形成された単結晶型太陽電池モジュールに本開示を適用した場合について説明したが、受光面の反対側の裏面にp型電極およびn型電極が形成された裏面電極型太陽電池モジュール(所謂バックコンタクト型太陽電池モジュール)に適用してもよい。
【0094】
また、前記各実施形態では、太陽電池モジュール1は、例えば、屋根の傾斜に沿う方向をX方向として、住宅の屋根に設置される。また、図中の左側において太陽電池モジュール1の高さ寸法が小さく、右側において太陽電池モジュール1の高さ寸法が大きくなっているが、図中の左側において太陽電池モジュール1の高さ寸法が大きく、右側において太陽電池モジュール1の高さ寸法が小さい形態でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本開示は、太陽電池のコーナモジュールに適用可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 太陽電池モジュール
42,43,71,73 隣接中間電極配線
41,72、41A,41B 飛び越し中間電極配線
C 太陽電池セル
CR1~CR6 セル列
S1,S2,S3 ストリング