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特開2024-124090電動ベッド及び電動ベッド用の音声操作アダプタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124090
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】電動ベッド及び電動ベッド用の音声操作アダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/002 20060101AFI20240905BHJP
   A47C 20/10 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61G7/002
A47C20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032022
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】595084807
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】新子 翔也
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA03
4C040DD03
4C040EE05
4C040EE08
4C040GG20
(57)【要約】
【課題】
リモートコントローラのみを備える一般的な電動ベッドに改造を加えることなく、音声操作機能を追加する。
【解決手段】
ベッド本体10はアクチュエータ11,12と第1コネクタ61を備える。リモートコントローラ21は、アクチュエータ11,12を操作するための物理スイッチ21A~21Fと第2コネクタ62を備える。音声操作アダプタ30は、第3及び第4コネクタ63,64を備える。ベッド本体10の第1コネクタ61にリモートコントローラ21の第2コネクタ62を接続すると、物理スイッチ21A~21Fでアクチュエータ11,12を操作できる。ベッド本体10の第1コネクタ61に音声操作アダプタ30の第3コネクタを接続し、リモートコントローラ21の第2コネクタ62に音声操作アダプタ30の第4コネクタ64を接続すると、物理スイッチ21A~21Fと音声の両方で、アクチュエータ11,12を操作できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のアクチュエータと、前記アクチュエータによって作動する可動部と、前記アクチュエータに接続された第1コネクタとを備えるベッド本体と、
前記アクチュエータを操作するための物理スイッチと、前記第1コネクタに接続可能な第2コネクタとを備え、前記アクチュエータを動作させるための第1駆動出力を前記物理スイッチの操作に応じて出力するリモートコントローラと、
前記ベッド本体の前記第1コネクタに接続可能な第3コネクタと、前記リモートコントローラの前記第2コネクタに接続可能な第4コネクタと、前記アクチュエータを動作させるための第2駆動出力を出力する駆動出力部と、音声から生成された前記アクチュエータに対する操作指令信号を無線受信する通信部と、前記リモートコントローラが出力する前記第1駆動出力を受け付ける受付部と、前記通信部で受信した前記操作指令信号と、前記受付部で受け付けた前記第1駆動出力とに応じて前記駆動出力部を制御する制御部とを備える音声操作アダプタと
を備え、
前記ベッド本体の前記第1コネクタに前記リモートコントローラの前記第2コネクタが接続された第1状態では、前記物理スイッチの操作に応じた前記第1駆動出力が前記アクチュエータに供給されて前記アクチュエータが動作し、
前記ベッド本体の前記第1コネクタに前記音声操作アダプタの前記第3コネクタが接続されると共に、前記リモートコントローラの前記第2コネクタが前記音声操作アダプタの前記第4コネクタに接続された第2状態では、前記音声操作アダプタは、前記制御部が、前記通信部で受信した前記操作指令信号に応じて、前記駆動出力部に前記アクチュエータに対して前記第2駆動出力を供給させて前記アクチュエータを動作させる第1制御と、前記受付部で受け付けた前記リモートコントローラからの前記第1駆動出力に応じて、前記駆動出力部に前記アクチュエータに対して前記第2駆動出力を供給させて前記アクチュエータを動作させる第2制御とを行う、電動ベッド。
【請求項2】
前記ベッド本体は、交流商用電源を前記アクチュエータが作動する電圧である第1直流電圧を有する第1直流電流に変換するコンバータを備え、
前記第1状態では前記第1直流電流が前記リモートコントローラに供給される一方、前記第2状態では、前記第1直流電流が前記リモートコントローラと前記音声操作アダプタに並列に供給され、
前記リモートコントローラは、供給された前記第1直流電流の流れを前記物理スイッチの操作に応じて切り換える第1リレーを備え、
前記第1状態では、前記第1リレーにより切り換えられた前記第1直流電流が、前記第1駆動出力として前記アクチュエータに供給され、
前記音声操作アダプタの前記駆動出力部は、前記第2状態において、供給された前記第1直流電流の流れを制御部による制御に応じて切り換えて前記第2駆動出力として前記アクチュエータに供給する第2リレーを備え、
前記第2状態の第1制御では、前記通信部で受信した前記操作指令信号に応じて前記第2リレーを切り換え、
前記第2状態の前記第2制御では、前記リモートコントローラの前記第1リレーからの前記第1直流電流が、前記音声操作アダプタの前記受付部で受け付けられて、前記第1リレーからの前記第1直流電流に応じて前記第2リレーを切り換える、請求項1に記載の電動ベッド。
【請求項3】
前記音声操作アダプタは、前記第1直流電流を前記第1直流電圧よりも低電圧の第2直流電圧を有する第2直流電流に変換して前記受付部に入力する降圧部を備える、請求項2に記載の電動ベッド。
【請求項4】
音声取得端末に入力された音声が通信網を経由して音声認識サーバに送信されて前記操作指令信号に変換され、変換された前記操作指令信号が前記通信網を介して前記音声認識サーバから前記音声入力機器に送信され、送信された前記操作指令信号が前記音声取得端末から前記音声操作アダプタの前記通信部にさらに送信される、請求項1から3のいずれか1項に記載の電動ベッド。
【請求項5】
少なくとも1個のアクチュエータと、前記アクチュエータによって作動する可動部と、前記アクチュエータに電気的に接続された第1コネクタとを備えるベッド本体と、前記アクチュエータを操作するための物理スイッチと、前記第1コネクタに接続可能な第2コネクタとを備え、前記アクチュエータを動作させるための第1駆動出力を前記物理スイッチの操作に応じて出力するリモートコントローラとを備える電動ベッドを、音声操作するための電動ベッド用の音声操作アダプタであって、
前記ベッド本体の前記第1コネクタに接続可能な第3コネクタと、
前記リモートコントローラの前記第2コネクタに接続可能な第4コネクタと、
前記アクチュエータを動作させるための第2駆動出力を出力する駆動出力部と、
音声から生成された前記アクチュエータに対する操作指令信号を無線受信する通信部と、
前記リモートコントローラが出力する前記第1駆動出力を受け付ける受付部と、
前記通信部で受信した前記操作指令信号と、前記受け付け部で受け付けた前記第1駆動出力とに応じて前記駆動出力部を制御する制御部とを備え、
前記ベッド本体の前記第1コネクタに前記リモートコントローラの前記第2コネクタが接続された第1状態では、前記物理スイッチの操作に応じて前記第1駆動出力が前記アクチュエータに供給されて前記アクチュエータが動作し、
前記ベッド本体の前記第1コネクタに前記音声操作アダプタの前記第3コネクタが接続されると共に、前記リモートコントローラの前記第2コネクタが前記音声操作アダプタの前記第4コネクタに接続された第2状態では、前記音声操作アダプタの前記制御部は、前記通信部で受信した前記操作指令信号に応じて、前記駆動出力部に前記アクチュエータに対して前記第2駆動出力を供給させて前記アクチュエータを動作させる第1制御を行い、さらに、前記第2状態において前記制御部は、前記受付部で受け付けた前記リモートコントローラからの前記第1駆動出力に応じて、前記駆動出力部に前記アクチュエータに対して前記第2駆動出力を供給させて前記アクチュエータを動作させる第2制御を行う、電動ベッド用の音声操作アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ベッド及び電動ベッド用の音声操作アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2には、操作ボタンのような物理スイッチを備えるリモートコントローラによる操作と、音声操作の両方が可能な電動ベッドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-125942号
【特許文献2】特開2004-129675号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リモートコントローラのみを備える電動ベッドに、改造を加えることなく音声操作機能を追加することができれば、製造業者と使用者の両方にとって有用性が高い。まず、製造業者にとっては、リモートコントローラのみを備える一般的な機種と、それに加えて音声操作機能を有する機種との間で、部品ないし構成の共通化を図ることができる。次に、使用者にとっては、購入済みのリモートコントローラのみを備える一般的な機種に、簡易に音声操作機能を持たせることができる。しかし、特許文献1,2のいずれにも、一般的なリモートコントローラのみを備える電動ベッドに改造を加えることなく、音声操作機能を追加することについて、特段の言及はない。
【0005】
本発明は、リモートコントローラのみを備える一般的な電動ベッドに改造を加えることなく、音声操作機能を追加することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、少なくとも1個のアクチュエータと、前記アクチュエータによって作動する可動部と、前記アクチュエータに接続された第1コネクタとを備えるベッド本体と、前記アクチュエータを操作するための物理スイッチと、前記第1コネクタに接続可能な第2コネクタとを備え、前記アクチュエータを動作させるための第1駆動出力を前記物理スイッチの操作に応じて出力するリモートコントローラと、前記ベッド本体の前記第1コネクタに接続可能な第3コネクタと、前記リモートコントローラの前記第2コネクタに接続可能な第4コネクタと、前記アクチュエータを動作させるための第2駆動出力を出力する駆動出力部と、音声から生成された前記アクチュエータに対する操作指令信号を無線受信する通信部と、前記リモートコントローラが出力する前記第1駆動出力を受け付ける受付部と、前記通信部で受信した前記操作指令信号と、前記受付部で受け付けた前記第1駆動出力とに応じて前記駆動出力部を制御する制御部とを備える音声操作アダプタとを備え、前記ベッド本体の前記第1コネクタに前記リモートコントローラの前記第2コネクタが接続された第1状態では、前記物理スイッチの操作に応じた前記第1駆動出力が前記アクチュエータに供給されて前記アクチュエータが動作し、前記ベッド本体の前記第1コネクタに前記音声操作アダプタの前記第3コネクタが接続されると共に、前記リモートコントローラの前記第2コネクタが前記音声操作アダプタの前記第4コネクタに接続された第2状態では、前記音声操作アダプタは、前記制御部が、前記通信部で受信した前記操作指令信号に応じて、前記駆動出力部に前記アクチュエータに対して前記第2駆動出力を供給させて前記アクチュエータを動作させる第1制御と、前記受付部で受け付けた前記リモートコントローラからの前記第1駆動出力に応じて、前記駆動出力部に前記アクチュエータに対して前記第2駆動出力を供給させて前記アクチュエータを動作させる第2制御とを行う、電動ベッドを提供する。
【0007】
リモートコントローラをベッド本体に接続した第1状態では、リモートコントローラの物理スイッチの操作に応じて供給される第1駆動出力によってアクチュエータが動作する。ベッド本体とリモートコントローラとの間に音声操作アダプタを介在させた第2状態では、音声操作とリモートコントローラによる操作の両方が可能である。つまり、第2状態では、音声から生成された操作指令信号を音声操作アダプタの通信部が無線受信すると、操作指令信号に応じて供給される第2駆動出力によってアクチュエータが動作する。また、第2状態では、リモートコントローラの物理スイッチが操作されると、第1駆動出力に応じて供給される第2駆動出力によってアクチュエータが動作する。
【0008】
以上のように、本発明に係る電動ベッドは、リモートコントローラをベッド本体に直接接続して一般的な電動ベッドとしてリモートコントローラで制御できると共に、音声操作アダプタをリモートコントローラとベッド本体の間に介在させれば、音声操作とリモートコントローラの両方で制御できる。つまり、ベッド本体とリモートコントローラのみの組み合わせ(リモートコントローラのみを備える一般的な機種)に対して改造を加えることなく音声操作機能を追加することができる。製造業者にとっては、ベッド本体とリモートコントローラのみの組み合わせ(リモートコントローラのみを備える一般的な機種)と、音声操作アダプタをさらに備えて音声操作機能を有する機種との間で、音声操作アダプタを除いた電動ベッドの部品ないし構成を共通化できる。また、使用者にとっては、ベッド本体とリモートコントローラのみの組み合わせ(リモートコントローラのみを備える一般的な機種)を購入済みであれば、音声操作アダプタのみを追加で購入することで、電動ベッドに簡易に音声操作可能を追加できる。
【0009】
具体的には、前記ベッド本体は、交流商用電源を前記アクチュエータが作動する電圧である第1直流電圧を有する第1直流電流に変換するコンバータを備え、前記第1状態では前記第1直流電流が前記リモートコントローラに供給される一方、前記第2状態では、前記第1直流電流が前記リモートコントローラと前記音声操作アダプタに並列に供給され、前記リモートコントローラは、供給された前記第1直流電流の流れを前記物理スイッチの操作に応じて切り換える第1リレーを備え、前記第1状態では、前記第1リレーにより切り換えられた前記第1直流電流が、前記第1駆動出力として前記アクチュエータに供給され、前記音声操作アダプタの前記駆動出力部は、前記第2状態において、供給された前記第1直流電流の流れを制御部による制御に応じて切り換えて前記第2駆動出力として前記アクチュエータに供給する第2リレーを備え、前記第2状態の第1制御では、前記通信部で受信した前記操作指令信号に応じて前記第2リレーを切り換え、前記第2状態の前記第2制御では、前記リモートコントローラの前記第1リレーからの前記第1直流電流が、前記音声操作アダプタの前記受付部で受け付けられて、前記第1リレーからの前記第1直流電流に応じて前記第2リレーを切り換える。
【0010】
前記音声操作アダプタは、前記第1直流電流を前記第1直流電圧よりも低電圧の第2直流電圧を有する第2直流電流に変換して前記受付部に入力する降圧部を備えてもよい。
【0011】
音声取得端末に入力された音声が通信網を経由して音声認識サーバに送信されて前記操作指令信号に変換され、変換された前記操作指令信号が前記通信網を介して前記音声認識サーバから前記音声入力機器に送信され、送信された前記操作指令信号が前記音声取得端末から前記音声操作アダプタの前記通信部にさらに送信されてもよい。
【0012】
本発明の第2の態様は、少なくとも1個のアクチュエータと、前記アクチュエータによって作動する可動部と、前記アクチュエータに電気的に接続された第1コネクタとを備えるベッド本体と、前記アクチュエータを操作するための物理スイッチと、前記第1コネクタに接続可能な第2コネクタとを備え、前記アクチュエータを動作させるための第1駆動出力を前記物理スイッチの操作に応じて出力するリモートコントローラとを備える電動ベッドを、音声操作するための電動ベッド用の音声操作アダプタであって、前記ベッド本体の前記第1コネクタに接続可能な第3コネクタと、前記リモートコントローラの前記第2コネクタに接続可能な第4コネクタと、前記アクチュエータを動作させるための第2駆動出力を出力する駆動出力部と、音声から生成された前記アクチュエータに対する操作指令信号を無線受信する通信部と、前記リモートコントローラが出力する前記第1駆動出力を受け付ける受付部と、前記通信部で受信した前記操作指令信号と、前記受け付け部で受け付けた前記第1駆動出力とに応じて前記駆動出力部を制御する制御部とを備え、前記ベッド本体の前記第1コネクタに前記リモートコントローラの前記第2コネクタが接続された第1状態では、前記物理スイッチの操作に応じて前記第1駆動出力が前記アクチュエータに供給されて前記アクチュエータが動作し、前記ベッド本体の前記第1コネクタに前記音声操作アダプタの前記第3コネクタが接続されると共に、前記リモートコントローラの前記第2コネクタが前記音声操作アダプタの前記第4コネクタに接続された第2状態では、前記音声操作アダプタの前記制御部は、前記通信部で受信した前記操作指令信号に応じて、前記駆動出力部に前記アクチュエータに対して前記第2駆動出力を供給させて前記アクチュエータを動作させる第1制御を行い、さらに、前記第2状態において前記制御部は、前記受付部で受け付けた前記リモートコントローラからの前記第1駆動出力に応じて、前記駆動出力部に前記アクチュエータに対して前記第2駆動出力を供給させて前記アクチュエータを動作させる第2制御を行う、電動ベッド用の音声操作アダプタを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る電動ベッド及び電動ベッド用の音声操作アダプタによれば、リモートコントローラのみを備える一般的な電動ベッドに改造を加えることなく、音声操作機能を追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る電動ベッドを前方から見た斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る電動ベッドを後方から見た斜視図。
図3】本発明の実施形態に係る電動ベッド(リモコン接続時)の概念図。
図4】本発明の実施形態に係る電動ベッド(音声操作アダプタ使用時)の概念図。
図5】本発明の実施形態に係る電動ベッド(リモコン接続時)の模式的な回路図。
図6】操作ボタン毎の動作と直流電流の流れに関する図表(リモコン接続時)。
図7】操作ボタン21Aを押した時の直流電流の流れを示す模式的な回路図(リモコン接続時)。
図8】本発明の実施形態に係る電動ベッド(音声操作アダプタ使用時)の模式的な回路図。
図9】マイコンの機能構成を示すブロック図。
図10】操作指令信号(音声操作)毎の動作と直流電流の流れに関する図表(音声操作アダプタ接続時)。
図11】操作指令信号が「頭を上げる」である(音声で頭を上げる操作をした)時の直流電流の流れを示す模式的な回路図(音声操作アダプタ使用時)。
図12】操作ボタン毎の動作と直流電流の流れに関する図表(音声操作アダプタ使用時)。
図13】操作ボタン21Aを押した(リモートコントローラで頭を下げる操作をした)時の直流電流の流れを示す模式的な回路図(音声操作アダプタ使用時)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0016】
まず、図1から図4を参照して、本発明の実施形態に係る電動ベッドの概要を説明する。この電動ベッドは、ベッド本体10、リモートコントローラ(以下、リモコンと呼ぶ)21、及び音声操作アダプタ30を備える。
【0017】
ベッド本体10は、床面に支持される脚部を含む下側固定フレーム10a、下側固定フレーム10aに支持された上半身側可動フレーム10b、下半身側可動フレーム10c、上半身側可動フレーム10b及び下側可動フレーム10cに載せられたマットレス10dを備える。上半身側可動フレーム10bは、頭部を含む使用者の上半身を支持する部分の傾斜角度変化、つまり使用者の頭の上げ下げを実現する可動部を有する。また、下半身側可動フレーム10cは、使用者の脚の膝関節を支持する部分の昇降、つまり脚の上げ下げを実現する可動部を有する。
【0018】
また、ベッド本体10は、ケーブルC1を介して接続された家庭コンセント用のプラグ14によって商用交流電源に接続可能なACアダプタ(コンバータ)13、ACアダプタ13から供給される電力で作動する第1及び第2アクチュエータ11,12、並びに第1コネクタ61を備える。
【0019】
ACアダプタ13は、交流電流を第1及び第2アクチュエータ11,12の作動電圧(第1直流電圧)の直流電流(第1直流電流)に変換する。
【0020】
第1及び第2アクチュエータ11,12は、モータ(図示せず)で駆動され、モータの回転方向に応じて伸縮するロッド11a,12aをそれぞれ備える。第1アクチュエータ11は、上半身側可動フレーム10bが備える使用者の頭の上げ下げのための可動部を動かす。具体的には、ロッド11aが伸びると頭が上がり、ロッド11aが引き込まれると頭が下がる。第2アクチュエータ12は、下半身側可動フレーム10cが備える使用者の脚の上げ下げのための可動部を動かす。具体的には、ロッド11aが伸びると脚が上がり、ロッド11aが引き込まれると脚が下がる。
【0021】
第1アクチュエータ11は、陽極陰極の一方極(第1極)に給電されるとモータが正転しロッド11aが伸長する。また、第1アクチュエータ11は、陽極陰極の他方極(第2極)に給電されるとモータが逆転しロッド11aが短縮する。第2アクチュエータ12は、陽極陰極の一方極(第2極)に給電されるとモータが正転しロッド11aが伸長する。第2アクチュエータ12は、陽極陰極の他方極(第3極)に給電されるとモータが逆転しロッド11aが短縮する。
【0022】
第1コネクタ61には、ACアダプタ13からのケーブルC2、第1アクチュエータ11へのケーブルC3、及び第2アクチュエータ12へのケーブルC4がそれぞれ電気的に接続されている。
【0023】
リモコン21は、第1及び第2アクチュエータ11,12を操作するための操作ボタン(物理スイッチの一例)21A~21Fが設けられた本体21a、第1コネクタ61に接続可能な第2コネクタ62、及び本体21aと第2コネクタ62を電気的に接続するケーブルC5を備える。操作ボタン21A~21Fで実現される操作は、操作ボタン21Aが「頭を上げる」、操作ボタン21Bが「頭を下げる」、操作ボタン21Cが「脚を上げる」、操作ボタン21Dが「脚を下げる」、操作ボタン21Eが「頭と脚を上げる」、操作ボタン21Fが「頭と脚を下げる」である。
【0024】
音声操作アダプタ30は、ベッド本体10の第1コネクタ61に接続可能な第3コネクタ63、及びリモコン21の第2コネクタ62に接続可能な第4コネクタ64を備える。
【0025】
本実施形態の電動ベッドは、図1の左下図及び図3に示すように、ベッド本体10の第1コネクタ61にリモコン21の第2コネクタ62を接続したリモコンモード(第1状態)、つまりリモコン21のみにより第1及び第2アクチュエータ11,12を操作する使用態様が可能である。それに加え、本実施形態の電動ベッドは、図1の右下図及び図4に示すように、ベッド本体10の第1コネクタ61に音声操作アダプタ30の第3コネクタ63を接続すると共に、リモコン21の第2コネクタ62を音声操作アダプタ30の第4コネクタ64に接続した音声・リモコン操作モード(第2状態)でも使用可能である。ベッド本体10とリモコン21との間に音声操作アダプタ30を介在させた音声・リモコン操作モードでは、音声による第1及び第2アクチュエータ11,12の操作の制御(第1制御)と、リモコン21による第1及び第2アクチュエータ11,12の操作の制御(第2制御)との両方が可能である。
【0026】
図3を参照すると、リモコンモードでは、ACアダプタ13からの直流電流は、ケーブルC2、第1コネクタ61、第2コネクタ62、及びケーブルC5を介してリモコン21に供給される。直流電流はさらに、リモコン21を経由して、ケーブルC5、第2コネクタ62、第1コネクタ61、及びケーブルC3,C4を介して第1及び第2アクチュエータ11,12の一方又は両方に所定の向きで供給(給電)可能である。
【0027】
操作ボタン21A又は操作ボタン21Bを押している間、第1アクチュエータ11にのみ直流電流が供給されて作動し、供給される直流電流の流れ(従って、ロッド11aの伸縮)は、操作ボタン21A,21Bのいずれを押しているかで流れの向きが逆となる。また、操作ボタン21C又は操作ボタン21Dを押している間、第2アクチュエータ12にのみ直流電流が供給されて作動し、供給される直流電流の流れ(従って、ロッド12aの伸縮)は、操作ボタン21C,21Dのいずれを押しているかで流れの向きが逆となる。さらに、操作ボタン21E又は操作ボタン21Fを押している間、第1アクチュエータ11と第2アクチュエータ12の両方に直流電流が供給されて作動し、供給される直流電流の流れは、操作ボタン21E,21Fのいずれを押しているかで流れの向きが逆となる。
【0028】
以上のとおりであるので、リモコンモードでは、操作ボタン21A~21Fの操作によって、ベッド本体10の6種類の動作、つまり「頭を上げる」、「頭を下げる」、「脚を上げる」、「脚を下げる」、「頭と脚を上げる」、及び「頭と脚を下げる」を実現できる。
【0029】
図4を参照すると、音声・リモコン操作モードでは、ACアダプタ13からの直流電流は、ケーブルC2と第1コネクタ61を介して、音声操作アダプタ30の第3コネクタ63に供給される。音声操作アダプタ30は、第3コネクタ63及びケーブルC3,C4を介して第1及び第2アクチュエータ11,12の一方又は両方に所定の流れの向きを有する直流電流を供給可能である。
【0030】
また、音声・リモコン操作モードでは、ACアダプタ13からの直流電流は、音声操作アダプタ30の第4コネクタ64から、リモコン21(第2コネクタ62とケーブルC5を介して本体21a)に供給される。さらに、操作ボタン21A~21Fの操作に応じた直流電流がリモコン21から音声操作アダプタ30に供給される。
【0031】
音声・リモコン操作モードでは、音声によってアクチュエータ11,12を制御し、ベッド本体10の6種類の動作、つまり「頭を上げる」、「頭を下げる」、「脚を上げる」、「脚を下げる」、「頭と脚を上げる」、及び「頭と脚を下げる」を実現できる。また、音声・リモコン操作モードでは、リモコン21の操作ボタン21A~21Bの操作によってもベッド本体10の6種類の動作を実現できる。
【0032】
まず、音声・リモコン操作モードにおける音声によるアクチュエータ11,12の操作を説明する。
【0033】
引き続き図4を参照すると、音声操作アダプタ30は、通信回線網の一例としてのインターネット(情報通信網)103を介して音声解析サーバ104と接続されたルーター(通信中継機器)102と双方向の無線通信(本実施形態ではWi-Fi通信)が可能である。ルーター102はまた、音声取得端末(音声入力機器)101とも双方向通信が可能である。
【0034】
音声解析サーバ104は、インターネット103経由で受信した音声データを解析し、当該音声データをベッド本体10の第1及び第2アクチュエータ11,12に対して作動ないし操作を指令する信号(操作指令信号)に変換し、変換した操作指令信号をインターネット103経由で送信する機能を有する。操作指令信号は、ベッド本体10の動作に対応して6種類、つまり「頭を上げる」、「頭を下げる」、「脚を上げる」、「脚を下げる」、「頭と脚を上げる」、及び「頭と脚を下げる」がある。音声解析サーバ104は単一のサーバである必要はなく、複数のサーバによって音声解析サーバ104の機能を実現してもよい。
【0035】
音声取得端末101に最低限要求される機能は3つある。まず、音声取得端末101は、使用者の音声を取得し、その音声データをルーター102とインターネット103介して音声サーバ104に送信する機能を有する必要がある。また、音声取得端末101は、音声解析サーバ104から送信される操作指令信号をインターネット103とルーター102経由で受信する機能を有する必要がある。さらに、音声取得端末101は、ルーター102を介して音声操作アダプタ30に操作指令信号を送信する機能を有する必要がある。音声取得端末101として使用可能な機器としては、例えばスマートスピーカ、スマートディスプレイ、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC、デスクトップPC等がある。音声取得端末101は、短距離無線通信や赤外線通信等によって音声操作アダプタ30へ直接的に操作指令信号を送信可能なものであっても良い。
【0036】
音声操作アダプタ30は、ACアダプタ13から供給された直流電流を、音声取得端末から受信した操作指令信号に応じて、第3コネクタ63から、第1コネクタ61、ケーブルC3,C4を介して第1及び第2アクチュエータ11,12に供給する。操作指令信号が「頭を上げる」又は「頭を下げる」である場合、第1アクチュエータ11にのみ直流電流が供給されて作動し、供給される直流電流の向き(従って、ロッド11aの伸縮)は、これら2種類の操作指令信号のいずれであるかで流れが逆となる。また、操作指令信号が「脚を上げる」又は「脚を下げる」である場合、第2アクチュエータ12にのみ直流電流が供給されて作動し、供給される直流電流の向き(従って、ロッド12aの伸縮)は、これら2種類の操作指令信号のいずれであるかで流れが逆となる。さらに、操作指令信号が「頭と脚を上げる」又は「頭と脚を下げる」である場合、第1アクチュエータ11と第2アクチュエータ12の両方に直流電流が供給されて作動し、供給される直流電流の向きは、これら2種類の操作指令信号のいずれであるかで流れが逆となる。
【0037】
音声・リモコン操作モードにおける音声によるアクチュエータ11,12の操作の一例を説明すると、まず使用者が「頭を上げる」と声に出すと、この音声が音声取得端末101で取得される。音声取得端末101は取得した音声の音声データを、ルーター102とインターネット103を介して、音声解析サーバ104に送信する。音声解析サーバ104は、受信した音声データを解析して、使用者の音声に対応した操作指令信号、つまりこの例では「頭を上げる」の操作指令信号に変換する。音声解析サーバ104は、「頭を上げる」の操作指令信号をインターネット103とルーター102を介して音声取得端末101に送信する。音声取得端末101は受信した「頭を上げる」の操作指令信号を、ルーター102を介して音声操作アダプタ30に送信する。「頭を上げる」の操作指令信号を受信した音声操作アダプタ30は、ロッド11aが伸びる動作に対応する向きの直流電流を第1アクチュエータ11に供給する。
【0038】
次に、音声・リモコン操作モードにおけるリモコン21によるアクチュエータ11,12の操作を説明する。
【0039】
前述のように操作ボタン21A~21Fの操作に応じた直流電流がリモコン21から音声操作アダプタ30に供給される。音声操作アダプタ30は、リモコン21から供給された直流電流から操作ボタン21A~21Fのいずれが押されているかを検出し、その検出結果に応じて、ACアダプタ13から供給された直流電流を、第3コネクタ63から、第1コネクタ61とケーブルC3,C4を介して、第1及び第2アクチュエータ11,12の一方又は両方に所定の流れの向きで供給する。
【0040】
以上のように、本実施形態に係る電動ベッドは、リモコン21をベッド本体10に直接接続して一般的な電動ベッドとしてリモコンで制御できると共に(リモコンモード)、音声操作アダプタ30をリモコン21とベッド本体10の間に介在させれば、音声操作とリモコン21の両方で制御できる。つまり、ベッド本体10とリモコン21のみの組み合わせ(リモコン21のみを備える一般的な機種)に対して改造を加えることなく音声操作機能を追加することができる。製造業者にとっては、ベッド本体10とリモコン21のみの組み合わせ(リモートコントローラのみを備える一般的な機種)と、音声操作アダプタ30をさらに備えて音声操作機能を有する機種との間で、音声操作アダプタ30を除いた電動ベッドの部品ないし構成を共通化できる。また、使用者にとっては、ベッド本体10とリモコン21の組み合わせ(リモコン21のみを備える一般的な機種)を購入済みであれば、音声操作アダプタ30のみを追加で購入することで、電動ベッドに簡易に音声操作可能を追加できる。
【0041】
以下、本実施形態の電動ベッドの具体的な構成を説明する。以下の説明において、ケーブルC1~C5が備える導電線、機器中の導電経路等をラインと総称する。例えば、図3及び図5を参照すると、ベッド本体10では、ケーブルC1がラインL81,L82を備え、ケーブルC2がラインL11,L12を備え、ケーブルC3がラインL13,L14を備え、ケーブルC4がラインL15,L16を備える。また、リモコン21では、ケーブルC5はラインL21~L26を備える。さらに、図8を参照すると、音声操作アダプタ30には、ラインL31a~L31d,L32a~L32d,L33~L36,L43~L46,L53~L56,L63~L66が設けられている。
【0042】
図5(リモコンモード)を参照すると、ベッド本体10では、ラインL81,82によりプラグ14とACアダプタ13が接続されている。また、ACアダプタ13は正極端子がラインL11で第1コネクタ61に接続され、負極端子がラインL12で第1コネクタ61に接続されている。さらに、第1アクチュエータ11は、第1極(図例において陽極)がラインL13で第1コネクタ61に接続され、第2極(図例において陰極)がラインL14で第1コネクタ61に接続されている。同様に、第2アクチュエータ62は、第3極(図例において陽極)がラインL15で第1コネクタ61に接続され、第4極(図例において陰極)がラインL16で第1コネクタ61に接続されている。
【0043】
リモコン21は第1リレー71を備える。つまり、操作ボタン21A~21Fを選択的に操作することで第1リレー71の内部接続回路を切り替えて、リモコン21に入力される電流の流れを制御(向きを変更)可能である。第1リレー71はラインL21~L26で第2コネクタ62に接続されている。前述のように、第1及び第2コネクタ61,62を接続すると、ベッド本体10側のラインL11~L16に対して、リモコン21側のラインL21~L26がそれぞれ電気的に接続される。ACアダプタ13の正極端子は、ラインL11、第1及び第2コネクタ61,62、及びラインL21を介してリモコン21の第1リレー71に接続されている。また、ACアダプタ13の負極端子は、ラインL12、第1及び第2コネクタ、及びラインL22を介してリモコン21の第1リレー71に接続されている。このように、リモコンモードでは、ACアダプタ13の直流電流(第1直流電流)がリモコン21に供給されている。
【0044】
リモコン21はACアダプタ13から供給される直流電流(前述のように第1及び第2アクチュエータ11,12の作動電圧である29V)の流れの向きを、いずれの操作ボタン21A~21Fが押されているかに応じて切り換えて第1及び第2アクチュエータ11,12の一方又は両方に供給する(第1駆動出力)。具体的には、第1リレー71は、いずれの操作ボタン21A~21Fが押されているかに応じて、ACアダプタ13の正極端子に接続されているラインL21をラインL23~L26のいずれか1つ又は2つに接続し、ACアダプタ13の負極端子に接続されているラインL22をラインL23~L26のいずれか1つ又は2つに接続する。操作ボタン21A~21Fのいずれかを押した際に第1リレー71によって実現される直流電流の流れは図6に示す通りである。例えば、操作ボタン21Aを押した場合、図7に示すように、ACアダプタ13の正極端子に接続されているラインL21がラインL23に接続され(ラインL23は第1及び第2コネクタ61,62を介して第1アクチュエータ11の陽極に接続されている)、ACアダプタ13の負極端子に接続されているラインL22がラインL24に接続される(ラインL24は第1及び第2コネクタ61,62を介して第1アクチュエータ11の陰極に接続されている)。その結果、第1アクチュエータ11では陽極から陰極に向かう向きに直流電流が流れ、ロッド11aが伸びて「頭を上げる」動作がなされる。
【0045】
図8(音声・リモコン操作モード)を参照すると、音声操作アダプタ30は、前述した第3,4コネクタ63,64に加え、マイコン81、第2リレー(駆動出力部)72、リレー制御回路73、抵抗(減圧部)41、及び直流コンバータ74を備える。
【0046】
図9を併せて参照すると、機能からみた場合のマイコン81は、信号入力部(受付部)81a、信号出力部81b、処理部81c、記憶部81d、通信部81e、及び電源部81fを備える。処理部81cとリレー制御回路73が本発明における制御部を構成する。
【0047】
音声操作アダプタ30は、第2リレー72と第3コネクタ63を接続するラインL31a,L32a,L63,L64,L65,L66を備える。ベッド本体10の第1コネクタ61に第3コネクタ63を接続すると、音声操作アダプタ30側のラインL31a,L32a,L63,L64,L65,L66に対して、ベッド本体10側のラインL11,L12,L13,L14,L15,L16がそれぞれ接続される。
【0048】
音声操作アダプタ30は、ラインL31aから分岐して第4コネクタ64に接続されたラインL31bと、同じくラインL31aから分岐して直流コンバータ74に接続されたラインL31cを備える。ACアダプタ13の陽極端子は、ラインL11、第1及び第3コネクタ61,63、ラインL31aを介して音声アダプタ30の第2リレー72に接続されている。また、ACアダプタ13の陽極端子は、ラインL11、第1及び第2コネクタ61,63、ラインL31a,L31b、第2及び第4コネクタ62,64、及びラインL21を介してリモコン21の第1リレー71に接続されている。さらに、ACアダプタ13の陽極端子は、ラインL11、第1及び第3コネクタ61,63、ラインL31a,L31c、直流コンバータ74、及びラインL31dを介して、マイコン81の電源部81fの陽極に接続されている。
【0049】
音声操作アダプタ30は、ラインL32aから分岐して直流コンバータ74に接続されたライン32bを備える。また、音声操作アダプタ13は、直流コンバータ74と第4コネクタ64を接続するラインL32cと、ラインL32cから分岐してマイコン81の電源部81fに接続されたライン32dを備える。ACアダプタ13の陰極端子は、ラインL12、第1及び第3コネクタ61,63、ラインL32aを介して音声アダプタ30の第2リレー72に接続されている。また、ACアダプタ30の陰極端子は、ラインL12、第1及び第6コネクタ61,63、ラインL32a,L32b、直流コンバータ74、ラインL32c、第2及び第4コネクタ62,64、及びラインL22を介してリモコン10の第1リレー71に接続されている。さらに、ACアダプタ13の陰極端子は、ラインL12、第1及び第6コネクタ61,63、ラインL32a,L32b、直流コンバータ74、及びラインL32cから分岐したラインL32dを介して、マイコン81の電源部81fの陰極に接続されている。
【0050】
以上であるので、ACアダプタ13が出力する直流電流(本実施形態では29V)がリモコン21の第1リレー71、音声操作アダプタ30の第2リレー72、及び直流コンバータ74に供給される。直流コンバータ74は、ACアダプタ13が出力する直流電流の電圧(第1直流電圧)をマイコン81の動作電圧(第2直流電圧)に降下させた直流電圧(第2直流電流)を電源部81fに供給する。本実施形態では、マイコン81の動作電圧は3.3Vである。
【0051】
マイコン81の通信部81eは、音声取得端末101とのルーター102を介した無線通信(本実施形態ではWi-Fi通信)を実行する。音声取得端末101から操作指令信号を受信し、受信された操作指令信号は処理部81cに入力される。処理部81cは、入力された操作指令信号に応じて信号出力部81bを制御し、ラインL53,L54,L55,L56のいずれか1つ又は2つからリレー制御回路73に対して駆動信号を出力させる。リレー制御回路73は、入力された駆動信号に応じて第2リレー72を切り換え、ACアダプタ13から第2リレー72を経由して直流電流(第2駆動出力)がベッド本体10側へ供給される。通信部81eが受信する操作指令信号毎の直流電流の流れは図10に示す通りである。例えば、通信部81eが「頭を上げる」の操作指令信号を受信した場合、図11に示すように、マイコン81(より具体的には図9に示す信号出力部81b)からラインL53を介して駆動信号がリレー制御回路73に入力され、第2リレー72が切り換えられる。この第2リレー72の切り換えにより、ACアダプタ13の正極端子に接続されているラインL11がラインL63に接続され(ラインL63は第1及び第3コネクタ61,63を介して第1アクチュエータ11の陽極に接続されている)、ACアダプタ13の負極端子に接続されているラインL12がラインL64に接続される(ラインL64は第1及び第3コネクタ61,63を介して第1アクチュエータ11の陰極に接続されている)。その結果、第1アクチュエータ11では陽極から陰極に向かう向きに直流電流が流れ、ロッド11aが伸びて「頭を上げる」動作がなされる。
【0052】
音声操作アダプタ30は、抵抗41と第4コネクタ64を接続するラインL33,L34,L35,L36を備える。音声操作アダプタ30の第4コネクタ64にリモコン21の第2コネクタ62を接続すると、音声アダプタ64側のラインL31b,L32c,L33,L34,L35,L36に、リモコン21側のラインL21,L22,L23,L24,L25,L26がそれぞれ接続される。ラインL33,L34,L35,L36は抵抗41に接続されると共に、抵抗41からさらにL43,L44,L45,L46をそれぞれ介してマイコン81aの信号入力部81aに接続されている。抵抗41は、リモコン21の第1リレー71(前述のように本実施形態では29Vの直流電流が供給されている)からラインL33~L36のいずれか1つ又は2つを介した直流電流を、マイコン81の動作電圧(第2直流電圧)に低下させた直流電流(第2直流電流)とし、ラインL43~L46のいずれか1つ又は2つを介して信号入力部81aに供給する。
【0053】
前述のように、リモコン21はACアダプタ13から供給される直流電流の向きを、いずれの操作ボタン21A~21Fが押されているかに応じて切り換える。この切り換えにより、ACアダプタ13の正極端子に接続されているラインL21がラインL23~L26のいずれか1つ又は2つに接続される。その結果、ラインL33~L36のいずれか1つ又は2つから、抵抗41とラインL43~46のいずれか1つの又は2つを介して、マイコン81の信号処理部81aに直流電流が入力される。なお、リモコン21に供給された直流電流の一部は、図示しない表示部の駆動電力として使用され、ラインL22、第2及び第4コネクタ62,64、ラインL32c、直流コンバータ74、ラインL32b,32a、第1及び第3コネクタ61,63、ラインL12を介してACアダプタ13の負極端子に戻る。信号入力部81aは、ラインL43~L46のいずれから直流電流が入力されているかを検出し、それを処理部81cに送信する。処理部81cは、ラインL43~L46のいずれから直流電流が入力されているかに応じて、信号出力部81bに対してラインL53~L56のいずれか1つ又は2つから直流電流をリレー制御回路53に入力させる。リレー制御回路53はこの入力に応じて第2リレー72を切り換える。操作ボタン21A~21Fのいずれかを押した際に第2リレー72によって実現される直流電流の流れは図12に示す通りである。例えば、操作ボタン21Aを押した場合、図13に示すように、ACアダプタ13の正極端子に接続されているラインL21がラインL23に接続される。その結果、ラインL23、第2及び第4コネクタ62,63、ラインL33、抵抗41、ラインL43を介して信号入力部81aに直流電流が入力される。それを受け、処理部81cは信号出力部81bにラインL53からリレー制御回路73に対して直流電流を出力させる。リレー制御回路73は信号出力部81bからの電流に応じて、第2リレー72(の内部接続回路)を切り替える。そして、リレー制御回路73によって切り換えられた第2リレー72によって、ACアダプタ13の正極端子に接続されているラインL31aがラインL63に接続され(ラインL63は第1及び第3コネクタ61,63を介して第1アクチュエータ11の陽極に接続されている)、ACアダプタ13の負極端子に接続されているラインL12がラインL64に接続される(ラインL64は第1及び第3コネクタ61,63を介して第1アクチュエータ11の陰極に接続されている)。その結果、第1アクチュエータ11では陽極から陰極に向かう向きに直流電流が流れ、ロッド11aが伸びて「頭を上げる」動作がなされる。
【0054】
以上のように、音声・リモコン操作モード(第2状態)では、音声操作が可能な第1制御と、リモコン操作が可能な第2制御と、の両方を行うことが可能で、使用者の好みに応じて選択的に使用できて便利である。また、上述の構成は、複雑な配線工事も不要で容易かつ迅速に行うことができる。
【0055】
以上のベッド本体10、リモコン21、及び音声操作アダプタ30の回路構成は例示に過ぎない。例えば、抵抗41に代えてフォトカプラ、スイッチング素子としてトランジスタ等の抵抗以外の電気素子で構成した降圧部でACアダプタの直流電圧をマイコン81の動作電圧に降圧してもよい。また、ベッド本体10が備えるアクチュエータは1個でもよいし、3個以上であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 ベッド本体
10a 下側固定フレーム
10b 上半身側可動フレーム
10c 下半身側可動フレーム
10d マットレス
11 第1アクチュエータ
11a ロッド
12 第2アクチュエータ
12a ロッド
13 ACアダプタ(コンバータ)
14 プラグ
21 リモートコントローラ
21a 本体
21A~21F 操作ボタン(物理スイッチ)
30 音声操作アダプタ
41 抵抗
61 第1コネクタ
62 第2コネクタ
63 第3コネクタ
64 第4コネクタ
81 マイコン
81a 信号入力部
81b 信号出力部
81c 処理部
81d 記憶部
81e 通信部
81f 電源部
71 第1リレー
72 第2リレー
73 リレー制御回路
74 直流コンバータ
101 音声取得端末
102 ルーター
103 インターネット
104 音声解析サーバ
C1~C5 ケーブル
L11~L63 ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13