(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124095
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】飛行体を用いたエレベーターの点検方法および点検システム
(51)【国際特許分類】
B66B 5/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B66B5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032032
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】長徳 典宏
【テーマコード(参考)】
3F304
【Fターム(参考)】
3F304BA02
3F304BA17
3F304EA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高度な操縦技術を必要とせずに飛行体を用いるエレベーターの点検方法および点検システムを提供する。
【解決手段】点検システム11において、走行指令部18は、まず、第1位置または第2位置までかご6を走行させる。第1位置は、かご6の上面の高さが釣合い錘7の上面の高さと同じまたはそれより低い位置である。第2位置は、かご6の下面の高さが釣合い錘7の上面の高さより高い位置である。飛行指令部20は、かご6が停止した後に、飛行体12を飛行させて釣合い錘7の上面に着陸させる。走行指令部18は、飛行体12が釣合い錘7の上面に着陸した後に、飛行体12が釣合い錘7に載った状態で、第1位置および第2位置の一方から他方までかご6を走行させる。飛行指令部20は、かごが第2位置に停止しているときに、昇降路2のかご6より下方の部分を撮影装置15で撮影しうるように、飛行体12をかご6より下方で飛行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのかごおよび釣合い錘が走行する昇降路において飛行が可能で撮影装置を有する飛行体を用いた点検方法であり、
前記かごの上面の高さが前記釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させることと、
前記かごが前記第1位置に停止した後に、前記飛行体を飛行させて前記釣合い錘の上面に着陸させることと、
前記飛行体が前記釣合い錘の上面に着陸した後に、前記飛行体が前記釣合い錘の上面に載った状態で、前記かごの下面の高さが前記釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させることと、
前記かごが前記第2位置に停止した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させることと、
を備える、点検方法。
【請求項2】
前記第2位置は、複数の階床のうちのいずれの階床の停止位置とも異なる位置である、
請求項1に記載の点検方法。
【請求項3】
前記飛行体を飛行させて前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影した後に、前記かごが前記第2位置に停止している状態で前記飛行体を前記釣合い錘の上面に再び着陸させることと、
前記飛行体が前記釣合い錘の上面に再び着陸した後に、前記飛行体が前記釣合い錘の上面に載った状態で、前記かごの上面の高さが前記釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第3位置まで走行させることと、
前記かごが前記第3位置に停止した後に、前記飛行体を前記釣合い錘の上面から前記かごの上面まで飛行させることと、
を備える、請求項1に記載の点検方法。
【請求項4】
前記かごが前記第3位置に停止した後に、前記飛行体を前記釣合い錘の上面から前記かごの上面まで飛行させるときに、前記飛行体を前記釣合い錘の上面から離陸させ、前記昇降路の前記かごより上方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより上方で飛行させてから、前記かごの上面に着陸させる、
請求項3に記載の点検方法。
【請求項5】
前記第3位置は、前記第3位置における前記かごの上面の高さが前記第2位置における前記かごの下面の高さより低い位置である、
請求項4に記載の点検方法。
【請求項6】
前記第3位置は、複数の階床のうちのいずれの階床の停止位置とも異なる位置である、
請求項4に記載の点検方法。
【請求項7】
前記かごが前記第1位置に停止した後に、前記昇降路の前記かごより上方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより上方で飛行させてから、前記釣合い錘の上面に着陸させる、
請求項1に記載の点検方法。
【請求項8】
前記第2位置は、前記第2位置における前記かごの下面の高さが前記第1位置における前記かごの上面の高さより高い位置である、
請求項7に記載の点検方法。
【請求項9】
前記第1位置は、複数の階床のうちのいずれの階床の停止位置とも異なる位置である、
請求項7に記載の点検方法。
【請求項10】
エレベーターのかごおよび釣合い錘が走行する昇降路において飛行が可能で撮影装置を有する飛行体を用いた点検方法であり、
前記かごの下面の高さが前記釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させることと、
前記かごが前記第2位置に停止した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させることと、
前記飛行体を飛行させて前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影した後に、前記かごが前記第2位置に停止している状態で前記飛行体を前記釣合い錘の上面に着陸させることと、
前記飛行体が前記釣合い錘の上面に着陸した後に、前記飛行体が前記釣合い錘の上面に載った状態で、前記かごの上面の高さが前記釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させることと、
を備える、点検方法。
【請求項11】
前記第2位置は、複数の階床のうちのいずれの階床の停止位置とも異なる位置である、
請求項10に記載の点検方法。
【請求項12】
前記かごが前記第1位置に停止した後に、前記昇降路の前記かごより上方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより上方で飛行させてから、前記釣合い錘の上面に着陸させる、
請求項10に記載の点検方法。
【請求項13】
前記第2位置は、前記第2位置における前記かごの下面の高さが前記第1位置における前記かごの上面の高さより高い位置である、
請求項12に記載の点検方法。
【請求項14】
前記第1位置は、複数の階床のうちのいずれの階床の停止位置とも異なる位置である、
請求項12に記載の点検方法。
【請求項15】
前記飛行体を前記釣合い錘の上面に着陸させるときに、前記釣合い錘の上面に設けられたマーカーを基準とする、
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の点検方法。
【請求項16】
エレベーターの昇降路におけるかごの走行状態を取得する走行状態取得部と、
前記かごを走行させる指令信号を出力する走行指令部と、
撮影装置を有し前記昇降路において飛行が可能な飛行体の飛行状態を取得する飛行状態取得部と、
前記飛行体を飛行させる指令信号を出力する飛行指令部と、
を備え、
前記走行指令部は、前記かごの上面の高さが前記エレベーターの釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させ、
前記飛行指令部は、前記かごの前記第1位置への停止の情報を前記走行状態取得部が取得した後に、前記飛行体を飛行させて前記釣合い錘の上面に着陸させ、
前記走行指令部は、前記飛行体の前記釣合い錘の上面への着陸の情報を前記飛行状態取得部が取得した後に、前記飛行体が前記釣合い錘に載った状態で、前記かごの下面の高さが前記釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させ、
前記飛行指令部は、前記かごの前記第2位置への停止の情報を前記走行状態取得部が取得した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させる、
エレベーターの点検システム。
【請求項17】
エレベーターの昇降路におけるかごの走行状態を取得する走行状態取得部と、
前記かごを走行させる指令信号を出力する走行指令部と、
撮影装置を有し前記昇降路において飛行が可能な飛行体の飛行状態を取得する飛行状態取得部と、
前記飛行体を飛行させる指令信号を出力する飛行指令部と、
を備え、
前記走行指令部は、前記かごの下面の高さが前記エレベーターの釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させ、
前記飛行指令部は、前記かごの前記第2位置への停止の情報を前記走行状態取得部が取得した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させ、
前記飛行指令部は、前記飛行体を飛行させて前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影した後に、前記飛行体を前記釣合い錘の上面に着陸させ、
前記走行指令部は、前記飛行体の前記釣合い錘の上面への着陸の情報を前記飛行状態取得部が取得した後に、前記飛行体が前記釣合い錘に載った状態で、前記かごの上面の高さが前記釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させる、
エレベーターの点検システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飛行体を用いたエレベーターの点検方法および点検システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの監視システムの例を開示する。監視システムにおいて、昇降路内を飛行するドローンによって、昇降路内におけるかごの状況が撮影される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベーターの昇降路内における梁、または昇降路内を走行するかごおよび釣合い錘は、特許文献1のようにエレベーターの昇降路を飛行するドローンなどの飛行体の飛行の際の障害物となりうる。このため、飛行体をエレベーターの点検に用いる場合に、昇降路内の障害物を回避して飛行させるように、自動または手動による高度な飛行体の操縦技術が必要になる。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、高度な操縦技術を必要とせずに飛行体を用いるエレベーターの点検方法および点検システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る点検方法は、エレベーターのかごおよび釣合い錘が走行する昇降路において飛行が可能で撮影装置を有する飛行体を用いた点検方法であり、前記かごの上面の高さが前記釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させることと、前記かごが前記第1位置に停止した後に、前記飛行体を飛行させて前記釣合い錘の上面に着陸させることと、前記飛行体が前記釣合い錘の上面に着陸した後に、前記飛行体が前記釣合い錘の上面に載った状態で、前記かごの下面の高さが前記釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させることと、前記かごが前記第2位置に停止した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させることと、を備える。
本開示に係る点検方法は、エレベーターのかごおよび釣合い錘が走行する昇降路において飛行が可能で撮影装置を有する飛行体を用いた点検方法であり、前記かごの下面の高さが前記釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させることと、前記かごが前記第2位置に停止した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させることと、前記飛行体を飛行させて前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影した後に、前記かごが前記第2位置に停止している状態で前記飛行体を前記釣合い錘の上面に着陸させることと、前記飛行体が前記釣合い錘の上面に着陸した後に、前記飛行体が前記釣合い錘の上面に載った状態で、前記かごの上面の高さが前記釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させることと、を備える。
【0007】
本開示に係るエレベーターの点検システムは、エレベーターの昇降路におけるかごの走行状態を取得する走行状態取得部と、前記かごを走行させる指令信号を出力する走行指令部と、撮影装置を有し前記昇降路において飛行が可能な飛行体の飛行状態を取得する飛行状態取得部と、前記飛行体を飛行させる指令信号を出力する飛行指令部と、を備え、前記走行指令部は、前記かごの上面の高さが前記エレベーターの釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させ、前記飛行指令部は、前記かごの前記第1位置への停止の情報を前記走行状態取得部が取得した後に、前記飛行体を飛行させて前記釣合い錘の上面に着陸させ、前記走行指令部は、前記飛行体の前記釣合い錘の上面への着陸の情報を前記飛行状態取得部が取得した後に、前記飛行体が前記釣合い錘に載った状態で、前記かごの下面の高さが前記釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させ、前記飛行指令部は、前記かごの前記第2位置への停止の情報を前記走行状態取得部が取得した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させる。
本開示に係るエレベーターの点検システムは、エレベーターの昇降路におけるかごの走行状態を取得する走行状態取得部と、前記かごを走行させる指令信号を出力する走行指令部と、撮影装置を有し前記昇降路において飛行が可能な飛行体の飛行状態を取得する飛行状態取得部と、前記飛行体を飛行させる指令信号を出力する飛行指令部と、を備え、前記走行指令部は、前記かごの下面の高さが前記エレベーターの釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させ、前記飛行指令部は、前記かごの前記第2位置への停止の情報を前記走行状態取得部が取得した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させ、前記飛行指令部は、前記飛行体を飛行させて前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影した後に、前記飛行体を前記釣合い錘の上面に着陸させ、前記走行指令部は、前記飛行体の前記釣合い錘の上面への着陸の情報を前記飛行状態取得部が取得した後に、前記飛行体が前記釣合い錘に載った状態で、前記かごの上面の高さが前記釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る点検方法または点検システムによれば、高度な操縦技術を必要とせずに飛行体を用いてエレベーターの点検を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係るエレベーターの構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る釣合い錘の正面図である。
【
図3】実施の形態1に係るエレベーターの点検方法の例を説明する図である。
【
図4】実施の形態1に係るエレベーターの点検方法の例を説明する図である。
【
図5】実施の形態1に係るエレベーターの点検方法の例を説明する図である。
【
図6】実施の形態1に係るエレベーターの点検方法の例を説明する図である。
【
図7】実施の形態1に係るエレベーターの点検方法の例を説明する図である。
【
図8】実施の形態1に係る点検システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態1に係る点検システムの主要部のハードウェア構成図である。
【
図10】実施の形態2に係るエレベーターの点検方法の例を説明する図である。
【
図11】実施の形態2に係るエレベーターの点検方法の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベーター1の構成図である。
【0012】
エレベーター1は、複数の階床を有する建物に適用される。建物において、エレベーター1の昇降路2が設けられる。昇降路2は、複数の階床にわたる上下方向に長い空間である。建物の各々の階床において、昇降路2に隣接する乗場3が設けられる。
【0013】
エレベーター1は、巻上機4と、主ロープ5と、かご6と、釣合い錘7と、制御盤8と、を備える。
【0014】
巻上機4は、駆動シーブ9を備える。駆動シーブ9は、エレベーター1のシーブの例である。巻上機4は、図示されないモーターによって駆動シーブ9を回転させる駆動力を発生させる。巻上機4は、例えば昇降路2の上部または下部などに配置される。あるいは、エレベーター1において例えば昇降路2の上方などに機械室が設けられる場合に、巻上機4は機械室に配置されてもよい。
【0015】
主ロープ5は、昇降路2においてかご6および釣合い錘7の荷重を支持する機器である。主ロープ5は、エレベーター1のロープの例である。主ロープ5は、巻上機4の駆動シーブ9に巻きかけられる。この例において、主ロープ5は、駆動シーブ9の近傍に設けられた反らせ車10に巻き掛けられる。反らせ車10は、エレベーター1のシーブの例である。主ロープ5は、駆動シーブ9の一方側においてかご6の荷重を支持する。主ロープ5は、駆動シーブ9の他方側において釣合い錘7の荷重を支持する。主ロープ5は、駆動シーブ9の回転によって、かご6の荷重を支持する部分または釣合い錘7の荷重を支持する部分の一方が巻き上げられるように移動する。
【0016】
かご6は、昇降路2を上下方向に走行することで、建物の複数の階床の間で利用者などを輸送する機器である。釣合い錘7は、駆動シーブ9の両側にかかる荷重の釣合いをかご6との間でとる機器である。かご6および釣合い錘7は、巻上機4の駆動シーブ9によって移動する主ロープ5に連動して、上下方向において昇降路2を互いに反対側に走行する。
【0017】
制御盤8は、エレベーター1の動作を制御する機器である。制御盤8によるエレベーター1の動作の制御は、例えばかご6の走行などを含む。制御盤8は、例えば昇降路2の上部または下部などに配置される。あるいは、機械室が設けられる場合に、制御盤8は機械室に配置されてもよい。
【0018】
エレベーター1において、点検システム11が適用される。点検システム11は、エレベーター1に含まれる内部システムであってもよいし、エレベーター1に適用される外部システムであってもよい。点検システム11は、エレベーター1の昇降路2における点検を行うシステムである。点検システム11は、飛行体12と、点検装置13と、データサーバ14と、を備える。
【0019】
飛行体12は、例えば遠隔操作または自動操縦で無人飛行可能なドローンなどである。飛行体12は、例えば、クアッドコプターまたは他のマルチコプターなどの機構によって飛行する。飛行体12は、ホバリング飛行が可能なように構成される。ホバリング飛行は、空中の一定の位置を維持する飛行である。飛行体12は、昇降路2内を飛行可能に構成される。飛行体12は、昇降路2内においてホバリング飛行するときに、昇降路2内における高度を維持しながら空中の一定の位置を維持する。飛行体12は、撮影装置15を備える。撮影装置15は、静止画像または動画像を撮影する装置である。撮影装置15は、例えばカメラなどである。飛行体12は、複数の撮影装置15を備えてもよい。飛行体12は、撮影装置15の向きを変える機構などを備えてもよい。この例において、飛行体12は、エレベーター1の点検の際に、点検作業を行う保守員などによってエレベーター1が適用される建物に持ち込まれる。
【0020】
飛行体12は、例えば、着陸の際にマーカー16などを基準としてもよい。マーカー16は、例えば、釣合い錘7の上面などに予め設置される。マーカー16は、撮影装置15の撮影画像によって認識可能な画像を表示するものなどであってもよいし、飛行体12に無線信号などを発信することによって基準となる位置を通知するものであってもよい。マーカー16は、複数設けられていてもよい。
【0021】
点検装置13は、飛行体12を用いたエレベーター1の点検において情報処理などの機能を担う装置である。点検装置13は、例えば、保守員が所持する可搬な情報処理装置などである。点検装置13は、例えばモバイルPC(PC:Personal Computer)またはスマートフォンなどの汎用の情報処理装置であってもよいし、専用の情報処理装置であってもよい。点検装置13は、有線または無線によって制御信号などを通信しうるように、エレベーター1の制御盤8に接続される。点検装置13は、無線によって制御信号などを通信しうるように、飛行体12に接続される。
【0022】
点検装置13は、走行状態取得部17と、走行指令部18と、飛行状態取得部19と、飛行指令部20と、を備える。
【0023】
走行状態取得部17は、かご6の走行状態の情報を取得する機能を搭載する。かご6の走行状態の情報は、例えば、かご6が停止しているか否か、およびかご6の現在位置などの情報を含む。走行指令部18は、かご6を走行させる指令信号を出力する機能を搭載する。走行指令部18は、例えば、走行状態取得部17などが取得した情報に基づいて制御盤8に指令信号を出力する。制御盤8は、走行指令部18から指令信号が入力されるときに、当該指令信号に従ってかご6を走行させる。
【0024】
飛行状態取得部19は、飛行体12の飛行状態の情報を取得する機能を搭載する。飛行体12の飛行状態の情報は、例えば、飛行体12が飛行しているか否か、および飛行体12の現在位置などの情報を含む。飛行状態取得部19は、飛行体12の撮影装置15が撮影する画像の情報を取得してもよい。飛行指令部20は、飛行体12を飛行させる指令信号を出力する機能を搭載する。飛行指令部20は、例えば、飛行状態取得部19などが取得した情報に基づいて飛行体12に指令信号を出力する。飛行体12は、飛行指令部20から指令信号が入力されるときに、当該指令信号に従って昇降路2内を飛行する。
【0025】
データサーバ14は、エレベーター1の点検などの情報を管理する装置である。データサーバ14は、例えば情報センターなどのエレベーター1の情報を管理する拠点に設けられる。データサーバ14は、例えば、1または複数のサーバ装置によって構成される。データサーバ14は、例えば、インターネットなどの情報通信網を通じて点検装置13に接続される。データサーバ14は、データ蓄積部21を備える。データ蓄積部21は、エレベーター1の点検において取得されたデータを蓄積して記憶する機能を搭載する。エレベーター1の点検において取得されたデータは、例えば点検装置13から情報通信網を通じて点検装置13に送信される。データ蓄積部21において、例えば、飛行体12の撮影装置15によって撮影された撮影画像、および当該撮影画像に基づいて判定された点検結果などが記憶される。点検結果の判定は、点検を行う保守員が撮影画像に基づいて判断したものであってもよいし、点検装置13などが撮影画像に基づいて画像処理技術を用いて自動的に判断したものであってもよい。
【0026】
図2は、実施の形態1に係る釣合い錘7の正面図である。
【0027】
昇降路2において、上下方向を長手方向とする一対のガイドレール22が配置される。一対のガイドレール22は、互いに平行に配置される。各々のガイドレール22は、釣合い錘7の走行をガイドする機器である。一対のガイドレール22は、釣合い錘7の左右の両側に配置される。すなわち、釣合い錘7は、一対のガイドレール22の間に配置されている。この例において、釣合い錘7は、かご6に正面を向けて配置される。
【0028】
釣合い錘7は、錘枠23と、錘ブロック24と、錘ガイド25と、を備える。錘枠23は、釣合い錘7の外周をなす枠状の機器である。錘枠23の形状は、例えば、矩形状である。この例において、釣合い錘7側の主ロープ5は、錘枠23の上側の辺に取り付けられる。この例において、マーカー16は、錘枠23の上側の辺の上面に配置される。錘ブロック24は、釣合い錘7の重量を調整しうるように、錘枠23に積み込まれる。錘ガイド25は、ガイドレール22による釣合い錘7の走行方向のガイドを受けるガイドシューまたはガイドローラなどである。この例において、錘ガイド25は、錘枠23の四隅の部分の外側にそれぞれ取り付けられる。釣合い錘7は、ガイドレール22に接触する錘ガイド25を通じてガイドレール22にガイドされながら走行する。
【0029】
続いて、
図3から
図7を用いて、飛行体12を用いたエレベーター1の点検方法の例を説明する。
図3から
図7は、実施の形態1に係るエレベーター1の点検方法の例を説明する図である。
図3から
図7において、制御盤8、点検装置13、およびデータサーバ14などの図示は省略されている。
【0030】
この例において、エレベーター1の点検対象機器の点検が行われる。点検対象機器は、昇降路2の内部に配置される機器である。点検対象機器は、昇降路2内に配置されたエレベーター1のロープおよびシーブなどであってもよい。点検対象機器は、昇降路2内に配置されたエレベーター1の電線ケーブルなどであってもよい。点検対象機器は、例えば、乗場3および昇降路2を区画する乗場ドアおよびそのドア枠などであってもよい。点検対象機器は、例えば、昇降路2の内壁などであってもよい。
【0031】
まず、保守員は、飛行体12をかご6の上面に配置する。点検装置13が保守員によって持ち込まれる可搬な情報処理装置である場合に、保守員は、点検装置13を制御盤8に接続する。
【0032】
飛行状態取得部19は、飛行体12が飛行していないことを表す飛行状態の情報を取得する。飛行状態取得部19は、撮影装置15の撮影画像などによって、飛行体12がかご6の上面にいることを検知してもよい。
【0033】
その後、
図3に示されるように、走行指令部18は、飛行体12を上面に載せたかご6を第1位置まで走行させる。第1位置は、かご6の上面の高さが釣合い錘7の上面の高さと同じ位置、またはかご6の上面の高さが釣合い錘7の上面の高さより低い位置である。この例において、第1位置は、かご6の上面の高さが釣合い錘7の上面の高さと同じ位置である。かご6が第1位置まで走行する間、飛行体12はかご6の上に飛行せずに配置されている。その後、走行状態取得部17は、かご6の第1位置への停止の情報を取得する。
【0034】
その後、
図4に示されるように、飛行指令部20は、飛行体12をかご6の上面から離陸させる。飛行指令部20は、かご6の上面から離陸した飛行体12を、釣合い錘7の上面に着陸させる。飛行体12は、着陸の際に、釣合い錘7の上面に設けられたマーカー16を基準としてもよい。その後、飛行状態取得部19は、飛行体12の釣合い錘7の上面への着陸の情報を取得する。
【0035】
その後、
図5に示されるように、走行指令部18は、飛行体12が釣合い錘7に載った状態で、かご6を第2位置まで走行させる。第2位置は、かご6の下面の高さが釣合い錘7の上面の高さより高い位置である。かご6が第2位置にあるときに、かご6の下面の高さと釣合い錘7の上面の高さの差は、飛行体12の上下方向の長さより大きい。かご6が上方に向けて第2位置まで走行する間、飛行体12は釣合い錘7の上に飛行せずに配置されている。飛行体12は、釣合い錘7の走行に伴って下方に向けて移動する。その後、走行状態取得部17は、かご6の第2位置への停止の情報を取得する。
【0036】
その後、
図6に示されるように、飛行指令部20は、飛行体12を釣合い錘7の上面から離陸させる。飛行指令部20は、昇降路2内の高度を維持しながら、かご6の下面の下方まで飛行体12を水平方向に飛行させる。飛行指令部20は、昇降路2のかご6より下方において飛行体12を下降して飛行させる。飛行体12は、かご6より下方を下降して飛行している間、撮影装置15で点検対象機器を撮影する。飛行体12は、撮影装置15でかご6の下面を撮影してもよい。撮影装置15の撮影画像は、例えば点検装置13などにおいてリアルタイムで保守員が確認できるように構成されていてもよい。このとき、保守員は、点検対象機器の撮影画像に基づいて、当該点検対象機器に異常がないかの点検を行う。あるいは、例えば点検装置13などにおいて、点検対象機器の撮影画像に基づいて、当該点検対象機器に異常がないかの点検が画像処理技術などによって自動的に行われてもよい。その後、飛行状態取得部19は、飛行体12が昇降路2の下端部に到達したことを表す情報を取得する。
【0037】
その後、飛行指令部20は、昇降路2のかご6より下方において飛行体12を上昇して飛行させる。飛行体12は、かご6より下方を上昇して飛行している間、撮影装置15で点検対象機器を撮影する。飛行体12は、下降して飛行している間と、上昇して飛行している間とで、異なる点検対象機器を撮影してもよい。その後、飛行状態取得部19は、飛行体12が、釣合い錘7の上面より上方で、かつ、かご6の下面より下方の位置に到達したことを表す情報を取得する。
【0038】
その後、飛行指令部20は、飛行体12を釣合い錘7の上面に着陸させる。飛行体12は、着陸の際に、釣合い錘7の上面に設けられたマーカー16を基準としてもよい。その後、飛行状態取得部19は、飛行体12の釣合い錘7の上面への着陸の情報を取得する。
【0039】
その後、
図7に示されるように、走行指令部18は、飛行体12が釣合い錘7に載った状態で、第3位置までかご6を走行させる。第3位置は、かご6の上面の高さが釣合い錘7の上面の高さと同じ位置、またはかご6の上面の高さが釣合い錘7の上面の高さより低い位置である。この例において、第3位置は、かご6の上面の高さが釣合い錘7の上面の高さと同じ位置である。第3位置は、第1位置と同じ位置であってもよいし、第1位置と異なる位置であってもよい。かご6が第3位置まで走行する間、飛行体12は釣合い錘7の上に飛行せずに配置されている。その後、走行状態取得部17は、かご6の第3位置への停止の情報を取得する。
【0040】
その後、飛行指令部20は、飛行体12を釣合い錘7の上面から離陸させる。飛行指令部20は、昇降路2のかご6より上方において飛行体12を上昇して飛行させる。飛行体12は、かご6より上方を上昇して飛行している間、撮影装置15で点検対象機器を撮影する。その後、飛行状態取得部19は、飛行体12が昇降路2の上端部に到達したことを表す情報を取得する。
【0041】
その後、飛行指令部20は、昇降路2のかご6より上方において飛行体12を下降して飛行させる。飛行体12は、かご6より上方を下降して飛行している間、撮影装置15で点検対象機器を撮影する。飛行体12は、上昇して飛行している間と、下降して飛行している間とで、異なる点検対象機器を撮影してもよい。その後、飛行指令部20は、かご6の上面に着陸させる。その後、飛行状態取得部19は、かご6の釣合い錘7の上面への着陸の情報を取得する。
【0042】
なお、この例において、点検システム11は、かご6より下方の点検を行い、その後にかご6より上方の点検を行っているが、点検の順序はこれに限定されない。例えば、点検システム11は、かご6が第1位置に停止した後に、昇降路2においてかご6より上方の点検対象機器を撮影するように飛行体12を飛行させてもよい。このとき、点検システム11は、かご6より上方を撮影するように飛行体12を飛行させた後に、飛行体12を釣合い錘7の上面に着陸させる。その後、点検システム11は、かご6を第2位置まで走行させる。その後、点検システム11は、かご6より下方を撮影するように飛行体12を飛行させた後に、飛行体12を釣合い錘7の上面に着陸させる。その後、点検システム11は、かご6を第3位置まで走行させる。なお、かご6が第3位置に停止した後に、点検システム11は、飛行体12を釣合い錘7の上面から高く飛行させることなく、水平に飛行させてかご6の上面に着陸させてもよい。
【0043】
また、飛行体12は、点検の開始の際に昇降路2の下端部のピットなどに配置されてもよい。このとき、点検システム11は、まず、かご6を第2位置まで走行させる。点検システム11は、かご6が第2位置に停止した後に、昇降路2においてかご6より下方の点検対象機器を撮影するように飛行体12を飛行させる。その後、点検システム11は、飛行体12を釣合い錘7の上面に着陸させる。その後、点検システム11は、飛行体12が釣合い錘7の上面に載った状態で、かご6を第2位置から第1位置まで走行させる。その後、点検システム11は、昇降路2においてかご6より上方の点検対象機器を撮影するように飛行体12を飛行させる。その後、点検システム11は、飛行体12をかご6の上などに着陸させる。
【0044】
続いて、
図8を用いて、点検システム11の動作の例を説明する。
図8は、実施の形態1に係る点検システム11の動作の例を示すフローチャートである。
【0045】
ステップS1において、走行指令部18は、飛行体12を上面に載せたかご6を第1位置まで走行させる指令信号を制御盤8に出力する。その後、走行状態取得部17は、かご6の第1位置への停止の情報を取得する。その後、点検システム11の処理は、ステップS2に進む。
【0046】
ステップS2において、飛行指令部20は、かご6の上面から離陸させる指令信号を飛行体12に出力する。その後、飛行指令部20は、釣合い錘7の上面に着陸させる指令信号を飛行体12に出力する。その後、点検システム11の処理は、ステップS3に進む。
【0047】
ステップS3において、点検装置13は、着陸完了の情報を飛行状態取得部19が取得したかを判定する。着陸完了の情報が取得されない場合に、点検システム11の処理は、ふたたびステップS3に進む。一方、着陸完了の情報が取得された場合に、点検システム11の処理は、ステップS4に進む。
【0048】
ステップS4において、走行指令部18は、飛行体12が釣合い錘7の上面に載った状態で、かご6を第2位置まで走行させる指令信号を制御盤8に出力する。その後、走行状態取得部17は、かご6の第2位置への停止の情報を取得する。その後、点検システム11の処理は、ステップS5に進む。
【0049】
ステップS5において、飛行指令部20は、昇降路2においてかご6より下方の点検対象機器を撮影するように飛行させる指令信号を飛行体12に出力する。飛行指令部20は、例えば、かご6より下方を上下に往復するような指令信号を飛行体12に出力してもよい。その後、点検システム11の処理は、ステップS6に進む。
【0050】
ステップS6において、飛行指令部20は、釣合い錘7の上面に着陸させる指令信号を飛行体12に出力する。その後、点検システム11の処理は、ステップS7に進む。
【0051】
ステップS7において、点検装置13は、着陸完了の情報を飛行状態取得部19が取得したかを判定する。着陸完了の情報が取得されない場合に、点検システム11の処理は、ふたたびステップS7に進む。一方、着陸完了の情報が取得された場合に、点検システム11の処理は、ステップS8に進む。
【0052】
ステップS8において、走行指令部18は、飛行体12が釣合い錘7の上面に載った状態で、かご6を第3位置まで走行させる指令信号を制御盤8に出力する。その後、走行状態取得部17は、かご6の第3位置への停止の情報を取得する。その後、点検システム11の処理は、ステップS9に進む。
【0053】
ステップS9において、飛行指令部20は、昇降路2においてかご6より上方の点検対象機器を撮影するように飛行させる指令信号を飛行体12に出力する。飛行指令部20は、例えば、かご6より上方を上下に往復するような指令信号を飛行体12に出力してもよい。その後、点検システム11の処理は、終了する。
【0054】
以上に説明したように、実施の形態1に係る点検システム11は、走行状態取得部17と、走行指令部18と、飛行状態取得部19と、飛行指令部20と、を備える。走行状態取得部17は、昇降路2におけるかご6の走行状態を取得する。走行指令部18は、かご6を走行させる指令信号を出力する。飛行状態取得部19は、飛行体12の飛行状態を取得する。飛行指令部20は、飛行体12を飛行させる指令信号を出力する。走行指令部18は、まず、第1位置までかご6を走行させる。第1位置は、かご6の上面の高さが釣合い錘7の上面の高さと同じまたはそれより低い位置である。飛行指令部20は、かご6の第1位置への停止の情報を走行状態取得部17が取得した後に、飛行体12を飛行させて釣合い錘7の上面に着陸させる。走行指令部18は、飛行体12の釣合い錘7の上面への着陸の情報を飛行状態取得部19が取得した後に、飛行体12が釣合い錘7に載った状態で、第2位置までかご6を走行させる。第2位置は、かご6の下面の高さが釣合い錘7の上面の高さより高い位置である。飛行指令部20は、かご6の第2位置への停止の情報を走行状態取得部17が取得した後に、昇降路2のかご6より下方の部分を撮影装置15で撮影しうるように、飛行体12をかご6より下方で飛行させる。あるいは、走行指令部18は、まず、第2位置までかご6を走行させる。飛行指令部20は、かご6の第2位置への停止の情報を走行状態取得部17が取得した後に、昇降路2のかご6より下方の部分を撮影装置15で撮影しうるように、飛行体12をかご6より下方で飛行させる。飛行指令部20は、飛行体12を飛行させて昇降路2のかご6より下方の部分を撮影装置15で撮影した後に、飛行体12を釣合い錘7の上面に着陸させる。走行指令部18は、飛行体12の釣合い錘7の上面への着陸の情報を飛行状態取得部19が取得した後に、飛行体12が釣合い錘7に載った状態で、第1位置までかご6を走行させる。
【0055】
このような構成により、かご6の上方の空間およびかご6の下方の空間の一方から他方に飛行体12が移動するときに、点検システム11は、飛行体12を釣合い錘7に載せて移動させる。ここで、飛行体12が釣合い錘7の上面に着陸するときに、かご6の上面は釣合い錘7の上面と同じ高さかまたはそれより低い位置にある。これにより、かご6の側面と昇降路2の内壁との間の狭い空間を障害物を回避して飛行体12を飛行させるような高度な操縦技術が要求されない。特に、かご6の上面と釣合い錘7の上面との高さが同じ場合に、飛行体12は、水平方向への飛行によってかご6の上面および釣合い錘7の上面の間を移動できるようになる。このため、高度な操縦技術を必要とせずに飛行体12を用いてエレベーター1の点検を行うことができるようになる。また、点検システム11は、飛行体12への指令信号の出力を自動的に行ってもよい。これにより、エレベーター1の点検の手順を自動化でき、保守員による点検作業の作業負担が軽減され、また点検作業の作業効率が高められる。
【0056】
また、飛行体12は、昇降路2のかご6より下方の部分を撮影装置15で撮影した後に、かご6が第2位置に停止している状態で飛行体12を釣合い錘7の上面に着陸する。飛行体12が釣合い錘7の上面に着陸した後に、飛行体12が釣合い錘7の上面に載った状態で、かご6は、第3位置まで走行する。第3位置は、かご6の上面の高さが釣合い錘7の上面の高さと同じまたはそれより低い位置である。かご6が第3位置に停止した後に、飛行体12は、釣合い錘7の上面からかご6の上面まで飛行する。これにより、点検終了後に、高度な運転技術を必要とせずに飛行体12を釣合い錘7の上面に移動できるようになる。かご6の上面は釣合い錘7の上面より広いため、点検終了後に飛行体12を保守員が回収する場合などに、保守員はより容易に飛行体12を回収できるようになる。また、点検終了後に飛行体12を回収せずにエレベーター1を運転する場合に、飛行体12が昇降路2において釣合い錘7の上から落下することが回避される。
【0057】
また、飛行体12は、かご6が第1位置または第3位置に停止した後に、昇降路2のかご6より上方の部分を撮影装置15で撮影しうるようにかご6より上方で飛行してから、釣合い錘7の上面に着陸する。これにより、飛行体12が、かご6の上面および釣合い錘7の上面の間を飛行して移動する際に、あわせてかご6より上方の点検が行われるので、エレベーター1の点検作業の作業効率が高められる。
【0058】
また、飛行体12は、釣合い錘7の上面に設けられたマーカー16を基準として、釣合い錘7の上面に着陸する。これにより、飛行体12は、釣合い錘7の上面により容易に着陸できるようになる。
【0059】
なお、第1位置、第2位置、および第3位置の少なくともいずれかは、複数の階床のうちのいずれの階床の停止位置とも異なる位置であってもよい。かご6が乗場ドアなどに対向しない位置に停止した状態で昇降路2内の点検が行われるので、乗場ドアなど点検対象機器の点検がより効率的に行われるようになる。
【0060】
また、飛行体12は、エレベーター1のかご6の上部に常設されるものであってもよい。このとき、飛行体12は、かご6の上部に設置されているときに、かご6から電力の供給を受けていてもよい。
【0061】
また、点検装置13の機能の一部または全部は、エレベーター1の状態を監視する遠隔監視装置などに搭載されていてもよい。点検装置13の機能の一部または全部は、エレベーター1の状態をデータサーバ14などに出力するゲートウェイ装置などに搭載されていてもよい。点検装置13の機能の一部または全部は、制御盤8またはデータサーバ14などに搭載されていてもよい。エレベーター1が複数のかご6を含む場合に、点検装置13の機能の一部または全部は、複数のかご6への呼びの割当てを行う群管理盤などに搭載されていてもよい。
【0062】
また、飛行体12の操縦の一部または全部は、例えば点検装置13などへの保守員による入力操作を通じた、手動の操縦であってもよい。かご6の側面と昇降路2の内壁との間の狭い空間を障害物を回避して飛行体12を飛行させるような高度な操縦技術が要求されないので、高度な手動による操縦技術を必要とせずに飛行体12を用いてエレベーター1の点検を行うことができる。
【0063】
続いて、
図9を用いて、点検システム11のハードウェア構成の例について説明する。
図9は、実施の形態1に係る点検システム11の主要部のハードウェア構成図である。
【0064】
点検システム11の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。処理回路は、プロセッサ100aおよびメモリ100bと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用ハードウェア200を備えてもよい。
【0065】
処理回路がプロセッサ100aとメモリ100bとを備える場合、点検システム11の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ100bに格納される。プロセッサ100aは、メモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、点検システム11の各機能を実現する。
【0066】
プロセッサ100aは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ100bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
【0067】
処理回路が専用ハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
【0068】
点検システム11の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、点検システム11の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。点検システム11の各機能について、一部を専用ハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで点検システム11の各機能を実現する。
【0069】
実施の形態2.
実施の形態2において、実施の形態1で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0070】
図10および
図11は、実施の形態2に係るエレベーター1の点検方法の例を説明する図である。
【0071】
実施の形態2に係る点検システム11において、
図6に示される状態まで実施の形態1に係る点検システム11と同様に点検が行われる。
【0072】
その後、
図10に示されるように、走行指令部18は、飛行体12が釣合い錘7に載った状態で、第3位置までかご6を走行させる。ここで、
図10において、
図6に示される状態において第2位置にあったかご6が、破線で示される。この例において、第3位置におけるかご6の上面の高さは、第2位置におけるかご6の下面の高さより低い。また、かご6の上面の高さは、釣合い錘7の上面の高さより低い。かご6が第3位置まで走行する間、飛行体12は釣合い錘7の上に飛行せずに配置されている。その後、走行状態取得部17は、かご6の第3位置への停止の情報を取得する。
【0073】
これにより、かご6が第2位置にあるときにかご6より下方で点検できる昇降路2の範囲と、かご6が第3位置にあるときにかご6より上方で点検できる昇降路2の範囲とで、昇降路2の全長がカバーされる。かご6より下方の点検またはかご6より上方の点検のいずれかにおいて昇降路2の点検対象機器の点検が可能になるので、昇降路2における点検対象機器の点検がより効率的に行われるようになる。
【0074】
その後、
図11に示されるように、飛行指令部20は、飛行体12を釣合い錘7の上面から離陸させる。飛行指令部20は、昇降路2のかご6より上方において飛行体12を上昇して飛行させる。飛行体12は、かご6より上方を上昇して飛行している間、撮影装置15で点検対象機器を撮影する。その後、飛行状態取得部19は、飛行体12が昇降路2の上端部に到達したことを表す情報を取得する。
【0075】
その後、飛行指令部20は、昇降路2のかご6より上方において飛行体12を下降して飛行させる。飛行体12は、かご6より上方を下降して飛行している間、撮影装置15で点検対象機器を撮影する。飛行体12は、上昇して飛行している間と、下降して飛行している間とで、異なる点検対象機器を撮影してもよい。その後、飛行指令部20は、かご6の上面に着陸させる。その後、飛行状態取得部19は、かご6の釣合い錘7の上面への着陸の情報を取得する。
【0076】
なお、この例において、点検システム11は、かご6より下方の点検を行い、その後にかご6より上方の点検を行っているが、点検の順序はこれに限定されない。例えば、点検システム11は、かご6が第1位置に停止した後に、昇降路2においてかご6より上方の点検対象機器を撮影するように飛行体12を飛行させてもよい。この例において、第1位置におけるかご6の上面の高さは、第2位置におけるかご6の下面の高さより低い。点検システム11は、かご6より上方を撮影するように飛行体12を飛行させた後に、飛行体12を釣合い錘7の上面に着陸させる。その後、点検システム11は、かご6を第2位置まで走行させる。その後、点検システム11は、かご6より下方を撮影するように飛行体12を飛行させた後に、飛行体12を釣合い錘7の上面に着陸させる。その後、点検システム11は、かご6を第3位置まで走行させる。なお、かご6が第3位置に停止した後に、点検システム11は、飛行体12を釣合い錘7の上面から高く飛行させることなく、水平に飛行させてかご6の上面に着陸させてもよい。
【0077】
また、飛行体12は、点検の開始の際に昇降路2の下端部のピットなどに配置されてもよい。このとき、点検システム11は、まず、かご6を第2位置まで走行させる。点検システム11は、かご6が第2位置に停止した後に、昇降路2においてかご6より下方の点検対象機器を撮影するように飛行体12を飛行させる。その後、点検システム11は、飛行体12を釣合い錘7の上面に着陸させる。その後、点検システム11は、飛行体12が釣合い錘7の上面に載った状態で、かご6を第2位置から第1位置まで走行させる。この例において、第1位置におけるかご6の上面の高さは、第2位置におけるかご6の下面の高さより低い。その後、点検システム11は、昇降路2においてかご6より上方の点検対象機器を撮影するように飛行体12を飛行させる。その後、点検システム11は、飛行体12をかご6の上などに着陸させる。
【0078】
以上の説明をまとめると、本開示に係る技術の取りうる構成は、以下に付記として示す各構成などを含む。
(付記1)
エレベーターのかごおよび釣合い錘が走行する昇降路において飛行が可能で撮影装置を有する飛行体を用いた点検方法であり、
前記かごの上面の高さが前記釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させることと、
前記かごが前記第1位置に停止した後に、前記飛行体を飛行させて前記釣合い錘の上面に着陸させることと、
前記飛行体が前記釣合い錘の上面に着陸した後に、前記飛行体が前記釣合い錘の上面に載った状態で、前記かごの下面の高さが前記釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させることと、
前記かごが前記第2位置に停止した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させることと、
を備える、点検方法。
(付記2)
前記第2位置は、複数の階床のうちのいずれの階床の停止位置とも異なる位置である、
付記1に記載の点検方法。
(付記3)
前記飛行体を飛行させて前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影した後に、前記かごが前記第2位置に停止している状態で前記飛行体を前記釣合い錘の上面に再び着陸させることと、
前記飛行体が前記釣合い錘の上面に再び着陸した後に、前記飛行体が前記釣合い錘の上面に載った状態で、前記かごの上面の高さが前記釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第3位置まで走行させることと、
前記かごが前記第3位置に停止した後に、前記飛行体を前記釣合い錘の上面から前記かごの上面まで飛行させることと、
を備える、付記1または付記2に記載の点検方法。
(付記4)
前記かごが前記第3位置に停止した後に、前記飛行体を前記釣合い錘の上面から前記かごの上面まで飛行させるときに、前記飛行体を前記釣合い錘の上面から離陸させ、前記昇降路の前記かごより上方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより上方で飛行させてから、前記かごの上面に着陸させる、
付記3に記載の点検方法。
(付記5)
前記第3位置は、前記第3位置における前記かごの上面の高さが前記第2位置における前記かごの下面の高さより低い位置である、
付記4に記載の点検方法。
(付記6)
前記第3位置は、複数の階床のうちのいずれの階床の停止位置とも異なる位置である、
付記4に記載の点検方法。
(付記7)
前記かごが前記第1位置に停止した後に、前記昇降路の前記かごより上方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより上方で飛行させてから、前記釣合い錘の上面に着陸させる、
付記1から付記3のいずれか一項に記載の点検方法。
(付記8)
前記第2位置は、前記第2位置における前記かごの下面の高さが前記第1位置における前記かごの上面の高さより高い位置である、
付記7に記載の点検方法。
(付記9)
前記第1位置は、複数の階床のうちのいずれの階床の停止位置とも異なる位置である、
付記7に記載の点検方法。
(付記10)
エレベーターのかごおよび釣合い錘が走行する昇降路において飛行が可能で撮影装置を有する飛行体を用いた点検方法であり、
前記かごの下面の高さが前記釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させることと、
前記かごが前記第2位置に停止した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させることと、
前記飛行体を飛行させて前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影した後に、前記かごが前記第2位置に停止している状態で前記飛行体を前記釣合い錘の上面に着陸させることと、
前記飛行体が前記釣合い錘の上面に着陸した後に、前記飛行体が前記釣合い錘の上面に載った状態で、前記かごの上面の高さが前記釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させることと、
を備える、点検方法。
(付記11)
前記第2位置は、複数の階床のうちのいずれの階床の停止位置とも異なる位置である、
付記10に記載の点検方法。
(付記12)
前記かごが前記第1位置に停止した後に、前記昇降路の前記かごより上方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより上方で飛行させてから、前記釣合い錘の上面に着陸させる、
付記10または付記11に記載の点検方法。
(付記13)
前記第2位置は、前記第2位置における前記かごの下面の高さが前記第1位置における前記かごの上面の高さより高い位置である、
付記12に記載の点検方法。
(付記14)
前記第1位置は、複数の階床のうちのいずれの階床の停止位置とも異なる位置である、
付記12に記載の点検方法。
(付記15)
前記飛行体を前記釣合い錘の上面に着陸させるときに、前記釣合い錘の上面に設けられたマーカーを基準とする、
付記1から付記14のいずれか一項に記載の点検方法。
(付記16)
エレベーターの昇降路におけるかごの走行状態を取得する走行状態取得部と、
前記かごを走行させる指令信号を出力する走行指令部と、
撮影装置を有し前記昇降路において飛行が可能な飛行体の飛行状態を取得する飛行状態取得部と、
前記飛行体を飛行させる指令信号を出力する飛行指令部と、
を備え、
前記走行指令部は、前記かごの上面の高さが前記エレベーターの釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させ、
前記飛行指令部は、前記かごの前記第1位置への停止の情報を前記走行状態取得部が取得した後に、前記飛行体を飛行させて前記釣合い錘の上面に着陸させ、
前記走行指令部は、前記飛行体の前記釣合い錘の上面への着陸の情報を前記飛行状態取得部が取得した後に、前記飛行体が前記釣合い錘に載った状態で、前記かごの下面の高さが前記釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させ、
前記飛行指令部は、前記かごの前記第2位置への停止の情報を前記走行状態取得部が取得した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させる、
エレベーターの点検システム。
(付記17)
エレベーターの昇降路におけるかごの走行状態を取得する走行状態取得部と、
前記かごを走行させる指令信号を出力する走行指令部と、
撮影装置を有し前記昇降路において飛行が可能な飛行体の飛行状態を取得する飛行状態取得部と、
前記飛行体を飛行させる指令信号を出力する飛行指令部と、
を備え、
前記走行指令部は、前記かごの下面の高さが前記エレベーターの釣合い錘の上面の高さより高い第2位置まで前記かごを走行させ、
前記飛行指令部は、前記かごの前記第2位置への停止の情報を前記走行状態取得部が取得した後に、前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影しうるように前記飛行体を前記かごより下方で飛行させ、
前記飛行指令部は、前記飛行体を飛行させて前記昇降路の前記かごより下方の部分を前記撮影装置で撮影した後に、前記飛行体を前記釣合い錘の上面に着陸させ、
前記走行指令部は、前記飛行体の前記釣合い錘の上面への着陸の情報を前記飛行状態取得部が取得した後に、前記飛行体が前記釣合い錘に載った状態で、前記かごの上面の高さが前記釣合い錘の上面の高さと同じまたは前記釣合い錘の上面の高さより低い第1位置まで前記かごを走行させる、
エレベーターの点検システム。
【符号の説明】
【0079】
1 エレベーター、 2 昇降路、 3 乗場、 4 巻上機、 5 主ロープ、 6 かご、 7 釣合い錘、 8 制御盤、 9 駆動シーブ、 10 反らせ車、 11 点検システム、 12 飛行体、 13 点検装置、 14 データサーバ、 15 撮影装置、 16 マーカー、 17 走行状態取得部、 18 走行指令部、 19 飛行状態取得部、 20 飛行指令部、 21 データ蓄積部、 22 ガイドレール、 23 錘枠、 24 錘ブロック、 25 錘ガイド、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 専用ハードウェア